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ダウンロード (PDF:972KB) - Mitsubishi Corporation
24
No.
JUN. 2007
Mitsubishi Corporation INVESTORS' NOTE
No.21 目次
No.24 目次
表紙 ●
●
株主メモ
2 ページ
株主の皆様へ
3
決算情報
4
2006年度決算報告
GROUP INFORMATION
金属グループ
12
海外特集 北米
16
アメリカにおける三菱商事のCSR活動
22
アメリカ、ニューヨークの街
© JTBフォト
(注意事項)
本資料における業績予想や将来の予測等に関する記述は、
現時点で入手された情報に基づき
合理的と判断した予想であり、潜在的なリスクや不確実性その他の要因が内包されています。
従いまして、実際の業績は、見通しと大きく異なる結果となる可能性があります。
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株主メモ
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■ 事業年度
4 月 1 日から翌年 3 月 31 日まで
■ 定時株主総会
6 月下旬開催
■ 期末配当金支払株主確定日
3 月 31 日
■ 中間配当金支払株主確定日
9 月 30 日
■ 公告方法
電子公告により、当社ホームページに掲載いたします。
<公告掲載アドレス>
http://www.mitsubishicorp.com/koukoku
■ 単元株式数
100 株
■ 株式の名義書換、単元未満株式の買取り及び買増し等
株主名簿管理人 三菱 UFJ 信託銀行株式会社
郵便物送付先
電話照会先
〒 137-8081
東京都江東区東砂七丁目 10 番 11 号
三菱UFJ信託銀行株式会社証券代行部
電話 0120-232-711(フリーダイヤル)
(住所変更届等諸届用紙ご請求先)
電話 0120-244-479
(フリーダイヤル、自動音声応答サービス/ 24 時間)
取次所 三菱 UFJ 信託銀行株式会社全国各支店
( )
<インターネットホームページアドレス>
http://www.mitsubishicorp.com
会社内容、投資家情報(決算情報)、ニュースリリース、
各営業グループの活動など各種情報を掲載しております。
この紙は、環境に配慮して無塩素漂白パルプ(ECパルプ)
を使用しています。
2
M E S S A G E
株 主 の 皆 様 へ
ついてご説明申し上げます。
2007年度は、2004年度から開始した4年間の中
期経営計画「INNOVATION 2007」の「ステップ」
期間の最終年度に当たります 。2008年度以降の
「ジャンプ」期間も持続的な成長を実現していくため
に、新エネルギー・環境、医療周辺、金融の3分野
を、全社を挙げて次世代の柱として育成していく
「全社推進分野」に選定いたしました。併せて、本
年4月に営業部門を7営業グループ体制に再編し、
取締役社長
「イノベーション事業グループ」と「新産業金融事業
グループ」を新設しました。この両グループを中心
に、全社推進分野に取り組んでまいります。また、従
来から当社の中核ビジネスであり、今後も収益の柱
株主の皆様には、
ますますご清栄のこととお慶び
として期待される重点分野へも引き続き経営資源を
申し上げます。
重点的に投下し、徹底強化を図ります。
さらに、成長
まず、2006年度(平成18年度)決算について、
戦略を支える人材の育成・確保や、内部統制システ
ご報告申し上げます。
ムなどの経営基盤強化にも努めてまいります。
連結純利益は前年度比19%増益の4,159億円
こうした経営方針の下、2007年度の連結純利益
と、4年連続で最高益を更新いたしました。これは、
は、2006年度とほぼ同水準の4,000億円を見込ん
資源・エネルギー分野において商品市況が好調に
でおります。また2007年度の配当については、連結
推移し、特に金属グループが大幅な増益となったこ
業績が見通し通り4,000億円となった場合には、1株
とのほか、機械グループや化学品グループが増益と
当たり46円程度の配当を予定しております。
なったことによるものです。
未来を拓きながら成長を続けるとともに、株主の皆
こうした収益水準の向上や、財務状況の充実な
様やお客様をはじめとするすべてのステークホルダー
どを総合的に勘案し、2006年度の1株当たり年間
に評価され、社会に貢献していこうという
「新・産業イ
配当については、前年度の35円から11円(31%)
ノベーター」のビジョンを目指して、役職員一体となり
増加の46円(昨年11月の中間配当18円と本年6月
努力する所存ですので、今後とも当社への株主の皆
の期末配当28円の合計)
といたしました。
様のご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。
次に2007年度の経営方針、
および業績見通しに
2007年6月
3
2006 年度の決算についてご報告します
セグメント別連結純利益と基礎収益
(億円)
7,000
2 0 0 6 年 度の 連 結 純 利 益
基礎収益※ 連結純利益
6,795
6,500
6,150
6,000
5,500
は、前年同期の3,500億円を
1 9 % 上 回る4 , 1 5 9 億 円と、4
5,374
5,000
122
740
3,500
4,000
3,500
しました。2003年度の最高益
1,160億円から比べると3.6倍
20
170
840
194
3,000
年連続で過去最高益を達成
イノベーション事業
4,000
4,159
4,500
新産業金融事業
751
2,500
1,868
2,000
1,500
1,358
1,500
1,000
704
832
500
196
0
486
▲189
200
483
490
260
▲86
▲500
2005年度通期
になっております。
450
270
2006年度通期
2007年度通期見通し
■新機能事業 ■エネルギー事業 ■金属 ■機械 ■化学品 ■生活産業 ■消去又は全社
2 0 0 7 年 度の連 結 純利 益
※基礎収益=営業利益(貸倒引当金繰入額控除前)+利息収支+受取配当金+持分法による投資損益
(注)2007年度の通期業績見通しにつきましては、2007年4月1日付での改編後の新組織をベースに作成しております
は、
原料炭の価格下落により金属グループが減益となる見込みであるものの、
その他主要商品市
況が前年並みに推移し、
また資源・エネルギー関連以外の事業でも増益を予想しているため、
2006年度比159億円減とわずかに下回りますが、
ほぼ同水準の4,000億円を見込んでおります。
株主資本と有利子負債の増減
(億円)
2005年度に比べ 、2006年
(倍)
40,000
35,208
34,303
35,000
度は総資産が1兆円余り増加
する中 、利 益 剰 余 金 の 積 み
上げに加えて、有価証券の評
算調整勘定も改善した結果、
株主資本は5,700億円ほど増
加し、2兆9,509億円と、約3兆
31,487
30,463
2.3
30,000
29,509
2.0
23,793
25,000
20,000
15,045
15,000
価 益も増 加し 、
また 、為 替 換
3.0
2.9
1.3
12,249
1.0
1.0
10,000
5,000
0.0
0
2004年3月末
2005年3月末
2006年3月末
2007年3月末
有利子負債(NET) 株主資本 有利子負債倍率(NET)
円まで拡充しています 。
一方、
ネットの有利子負債は1,000億円ほど減少し、3兆463億円となっていますので、
ネット
の有利子負債倍率は、1.0倍にまで低下しております。
4
キャッシュ・フロー
(億円)
過去3 年間、積極的
4,000
な投資を行ってきました
3,000
が 、好 調な営 業キャッ
2,000
シュ・フローや 資 産 の
入れ替えを継続してい
4,608
5,000
3,363
2,418
1,792
1,000
0
2005年度
-1,000
ることなどから、当社の
-2,000
フリーキャッシュ・フロー
-3,000
2006年度
-945
営業キャッシュ・フロー 投資キャッシュ・フロー
-2,816
フリーキャッシュ・フロー
は、2 0 0 6 年 度も1 , 7 9 2
億円と黒字の傾向は変わっておりません。
株主資本の順調な拡充と、有利子負債倍率の改善による健全な財務体質及びこの安定的な
キャッシュ・フローを活かし、
ジャンプ期間のさらなる成長に向け、
引き続き積極的に事業投資を展
開していきたいと考えております。
配当額の推移
収益水準の向上、成
(配当:円)
長に 向 けての 内 部 留
50
46円
40
35円
保の必要性、財務の健
30
全性、配当性向や利回
り、親 会社の財 務 状 況
12円
などを総合的に勘案し
10
た結果、2006年度の配
0
当は2005年度より11円
18円
20
8円
8円
8円
2000年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度
( 31% )増額し、1株当たり46円とすることにいたしました。
2007年度の配当についても、連結純利益の見通し通り4,000億円となりましたら、2006年度と
同じ46円程度とする予定です。
5
INNOVATION 2007 の進捗状況についてご説明します
「ステップ」期間 投資計画の進捗状況
INNOVATION 2007
ステップ期間計画
(2006∼2007年度)
新規投資実績(2006年度)
(投資金額)
全社推進分野
新エネルギー・環境
医 療 周 辺 、金 融
重点分野
エネルギー
1,500億円
航空機リース、
リース会社株式取得、不動産開発など 280億円
4,000億円
サハリン、豪州LNG、豪州原料炭など
1,600億円
金 属 資 源
海外電力事業
500億円
One Energyアジア展開など
100億円
自動車事業
500億円
いすゞ自動車株式取得、海外販社投資など
220億円
食 糧・食 品
1,000億円
食品子会社の設備投資、China Agri社株式取得など 260億円
金 属 製 品
化
学
品
紙
関
連
金商第三者割当増資、興人株式取得、
4,500億円
リテイル 事 業
バイオビジネス、北越製紙株式取得、
2,040億円
レンタル建機など
その他 投 資
ステップ期間計画合計 1兆2,000億円
2006年度 新規投資実績合計 4,500億円
2007年度投資計画 7,500億円
「ステップ」期間の2年間( 2006年度∼2007年度)においては、1兆2,000億円の投資を計画
しております。
このうち2006年度においては、
総額4,500億円の投資を実行しました。具体的には、
2007年度
から全社推進分野に選定した新エネルギー・環境、
医療周辺、
金融分野において、航空機リース
事業や不動産開発などに280億円を投資いたしました。また重点分野では、
エネルギー・金属資
源事業において、
サハリンⅡプロジェクトや豪州の原料炭事業への継続投資を中心として1,600
億円、海外電力事業に100億円、
自動車事業に220億円、食糧・食品事業に260億円、
その他の
事業で2,000億円強の投資を実行いたしました。
2007年度は、総額7,500億円の投資を予定しております。
6
資本政策
□ ステップ期間の枠組み
・財務の健全性を維持しつつ、積極的に固定資産や投資有価証券など
の投資性の資産を積み上げ、成長を図る
・投資性の資産は株主資本の1.5倍以内
・有利子負債倍率(NET)は2倍以内
□ 配当政策
・連結配当性向 15%以上
・諸要因を総合的に勘案し、弾力的に決定
INNOVATION 2007の「ステップ」期間においては、持続的な成長に向けて、1兆2,000億
円の投資を財務の健全性を維持しながら実行する方針です。具体的には、固定資産や投資有
価証券などの投資性の資産は、株主資本の1.5倍以内、
ネットの有利子負債倍率は2倍以内を
めどに積み上げていき、
「ジャンプ」期間( 2008年度以降 )において、4,000億円以上の連結純
利益を安定的に実現できる企業を目指します。またROEも中長期的な平均として15%の実現を
目指していきます。
配当政策については、内部留保を持続的成長のための投資に活用し、企業価値の最大化
を図ることを基本としつつ、連結配当性向15%以上を目安に、将来の投資のための資金需要
や財務状況、配当利回りなどを総合的に勘案して毎年弾力的に決めてまいります。
7
決 算 情報 (2006年4月1日∼2007年3月31日)
営業グループ新体制がスタートしました
営業グループ新体制
新エネルギー・環境、医療周辺、金融の3分野への取り組み
機械グループ
生活産業グループ
エネルギー事業
グループ
イノベーション事業グループ
新産業金融事業グループ
化学品グループ
金属グループ
●
新エネルギーや排出権ビジネスの推進
●
証券化ビジネスの拡大
●
医療周辺分野への取り組み
●
リース事業の推進
持続的な成長を達成するための次世代に向けた成長分野への積極的な取り組み
当社では、将来成長が見込まれ、
かつ優位性を発揮し得る分野を「全社推進分野」として
選定し、全社を挙げてその育成を進めています。具体的には、新エネルギー・環境、医療周辺、
金融の3分野を選定しており、2007年4月からはイノベーション事業グループと新産業金融事業
グループを発足させ、営業部門を7グループ体制(イノベーション事業、新産業金融事業、エネ
ルギー事業、金属、機械、化学品、生活産業 )
としました。
イノベーション事業グループは、新機能事業グループのヒューマンケア事業本部、
メディア・コン
シューマー事業本部、ICT事業本部の3本部に加えて、
イノベーションセンターや各営業グループ
に分散していた新エネルギー・環境関連ビジネスを集約し、新設したものです。
新産業金融事業グループは、
アセットファイナンスを核とした「商社型産業金融事業」を強力に
推進していくために、
社内に分散していた金融やアセットとの接点・知見を持つ部局・事業を統合
し、総合商社らしい規模感のあるビジネスを目指すものです。
こうした新体制の下、
「INNOVATION 2007」の最終年度に当たる本年度についても、
「ジャンプ」期間における持続的な成長の実現のために、計画を着実に推進していく方針です。
8
イノベーション事業グループ
グローバルな産業構造の変化や技術革新がダイナミックに進む中、
当社の将来
の事業基盤となり得る成長性の高い分野を積極的に攻め、競争力と収益力のあ
る事業を開発することをミッションとして2007年4月に発足しました。
当グループでは、担当する産業分野を五つの主要な事業分野に分け、1セン
ター4本部体制で推進しています 。イノベーションセンターではナノテクや電子
産業などの新しい成長産業分野を、ICT( 情報・通
信技術分野)事業、
ヒューマンケア事業、
メディア・コ
物質特性を活かした革命的な商品
開発が期待されているフラーレン
ンシューマー事業の各本部では既存の産業分野における業界知見・経験
を活かして、成長戦略を積極推進していきます。また、新エネルギー・環境
事業本部では、
これまで複数の営業グループに点 在していた取り組みを
スペインの太陽光発電プロジェクト
集約し、市場に先駆けて事業展開を行います 。
【組織】1センター4本部(16BU)※ BU:ビジネスユニットの略
イノベーションセンター、新エネルギー・環境事業本部(3BU)、
ICT事業本部(4BU)、
ヒューマンケア事業本部(4BU)、
メディア・コンシューマー事業本部(5BU)
【主要な連結子会社】
アイ・ティ・フロンティア、
日本ケアサプライ、アプリシア
新産業金融事業グループ
新産業金融事業グループは、
これまで機能、
あるいはツールとして商流
の中に組み込まれていた「金融」そのものをビジネスの核としてさらに展
開、強化する目的で、従来の新機能事業グループの金融事業本部、物流
サービス本部と、機械グループの開発建設プロジェクト本部、エアライン
ビジネス部門を発展的に再編・統合して誕生しました。
それぞれのグループが取り組んできた自動
中華圏(中国・香港・台湾)の有望企業へ
投資するなど、
グローバルな投資事業を展開
車リース、航空機リース、不動産証券化など、
金融関連ビジネスを一元化し、新たな事業戦略の下、規模感のあるビジネス
育成を目指すために設立されたグループです。
当社が組成したSPCが開発した
札幌発寒ショッピングセンター
金融のみならず、
不動産・建設、物流などの知見を活かした、
総合商社らしい
新しい産業金融モデルの構築を推進してまいります。
【組織】4本部(14BU)
投資金融事業本部(2BU)、産業金融事業本部(4BU)、
開発建設プロジェクト本部(4BU)、物流サービス本部(4BU)
【主要な連結子会社】
MC Capital Asia Pacific、三菱商事・ユービーエス・リアルティ、
三菱商事都市開発、三菱商事ロジスティクス
9
決 算 情報 (2006年4月1日∼2007年3月31日)
2006年度連結決算(米国会計基準)
2007年3月期の連結業績 (2006年4月1日∼2007年3月31日)
(百万円未満四捨五入)
(%表示は対前期増減率)
連結経営成績
売上高
営業利益
百万円
2007年3月期
2006年3月期
%
百万円
20,516,264 (7.6)
19,067,153 (11.3)
1株当たり
当期純利益
2007年3月期
2006年3月期
税引前利益
%
百万円
412,130 (17.8)
349,864 (90.8)
潜在株式調整後
1株当たり当期純利益
当期純利益
%
百万円
595,542 (24.5)
478,383 (128.0)
株 主 資 本
当期純利益率
%
415,895 (18.8)
350,045 (91.9)
総 資 産
税引前利益率
売 上 高
営業利益率
円 銭
円 銭
%
%
%
246.52
215.38
245.18
205.62
15.6
18.0
5.4
4.9
2.0
1.8
(参考) ①持分法による投資損益
2007年3月期
146,858百万円
2006年3月期
119,008百万円
②売上高及び営業利益については、日本の投資家の便宜を考慮して、日本の会計慣行に従い表示しております。
なお、売上高は当社及び連結子会社が契約当事者または代理人等として行った取引額の合計となっております。
連結財政状態
総資産
2007年3月期
2006年3月期
株主資本
株主資本比率
1株当たり株主資本
百万円
百万円
%
円 銭
11,485,664
10,411,241
2,950,931
2,379,264
25.7
22.9
1,747.87
1,411.38
連結キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー
2007年3月期
2006年3月期
投資活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フロー
現金及び現金同等物期末残高
百万円
百万円
百万円
百万円
460,779
336,316
△281,640
△94,471
△139,242
△187,918
754,776
646,317
配当の状況
(基準日)
2006年3月期
2007年3月期
2008年3月期(予想)
中間期末
1株当たり配当金
期末
配当金総額
(年間)
年間
配当性向
(連結)
円 銭
円 銭
円 銭
百万円
%
%
13.00
18.00
23.00
22.00
28.00
23.00
35.00
46.00
46.00
58,847
77,664
-
16.3
18.7
19.4
3.0
2.9
-
2008年3月期の連結業績予想(2007年4月1日∼2008年3月31日)
売上高
億円
通期
10
株主資本配当率
(連結)
営業利益
%
195,000(△5.0)
億円
(%表示は対前期増減率)
税引前利益
%
億円
当期純利益
%
3,850(△6.6) 5,150(△13.5)
億円
%
4,000(△3.8)
1株当たり当期純利益
円 銭
236.92
2006年度単体決算
2007年3月期の単体業績 (2006年4月1日∼2007年3月31日)
(百万円未満切捨て)
(%表示は対前期増減率)
経営成績
売上高
百万円
営業利益
%
百万円
経常利益
%
百万円
当期純利益
%
百万円
%
2007年3月期
10,890,029 (△1.7)
13,941 (74.2)
348,579 (80.6)
320,381 (125.9)
2006年3月期
11,078,516 (11.2)
8,004(△62.2)
193,025 (75.0)
141,831 (114.5)
自己資本比率
1株当たり純資産
1株当たり当期純利益
潜在株式調整後1株当たり
当期純利益
円 銭
円 銭
2007年3月期
189.85
188.83
2006年3月期
87.07
83.47
財政状態
総資産
純資産
百万円
百万円
%
円 銭
2007年3月期
6,188,707
1,705,702
27.6
1,009.63
2006年3月期
5,749,317
1,410,644
24.5
836.39
(参考)
自己資本
2007年3月期
1,705,043百万円
2006年3月期
1,410,644百万円
2008年3月期の業績予想(2007年4月1日∼2008年3月31日) (%表示は対前期増減率)
売上高
億円
通期
当期純利益
%
100,000 (△8.2)
億円
1株当たり当期純利益
%
円 銭
2,200 (△31.3)
130.27
発行済株式数(普通株式)
期末発行済株式数(自己株式含む)
期末自己株式数
2007年3月期
1,689,902,896株
1,600,081株
2006年3月期
1,687,347,445株
1,580,263株
11
G R O U P
I N F O R M A T I O N
金属グル ープ
金属グループでは、
「流通」と
「投資」による事業展開を通じ、
川上の原料から川下の製品まで
一貫したバリューチェーンを構築する
ことにより、価値創造に努めています。
常務執行役員
金属グループCEO
小塚 睦実
事業投資とトレーディングを両輪に
行っている投資先の持分利益が増加したこ
世界の国々の豊かな社会の実現に貢献
と、豪州の石炭事業関連子会社の業績が昨
年に続き堅調に推移したことが挙げられます。
金属グループでは、鉄鋼製品、鉄鋼原料及
これに加え鉄鋼製品事業会社である子会社メ
び非鉄金属分野において、
さまざまな事業を展
タルワンが、
昨年に引き続き市況堅調などにより
開しており、
これらの事業を機能面で分類する
好決算になったことも寄与しました。
と、
「資源投資」と「トレーディング」の二つとな
ります。この二つの機能が、
いわば車の両輪の
バリューチェーンの戦略的機能充実を図り
役割を果たし、
当グループの大きな強みになっ
高いレベルでの連結純利益を実現する
ています。
12
2006年度連結決算の金属グループの業績
当グループの基本戦略は、
グループの根幹
は、
当期純利益が1,868億円と、昨年に引き続
である、鉄と非鉄の二本のバリューチェーンの
き史上最高益を更新しました。大幅増益の主
戦略的機能充実を図ること、
さらなる「足場固
な要因としては、
銅価格の高騰により銅関連投
め」を行うための経営の効率化、
選択と集中を
資先からの受取配当金が大幅に増加したこ
推進することを、三つの事業戦略単位(鉄鋼
と、
アルミ価格の上昇によりアルミ関連事業を
製品本部、鉄鋼原料本部、非鉄金属本部)
を
金属グループの組織
主な関係会社
■国内
鉄鋼製品本部
鉄鋼製品事業ユニット、鉄鋼事業開発ユニット、
株式会社メタルワン
部品事業開発ユニット
エムシーリソーストレード株式会社
金商株式会社
グループCEO
鉄鋼原料本部
日軽エムシーアルミ株式会社
鉄鋼原料販売事業ユニット、一般炭事業ユニット、
三菱商事軽金属販売株式会社
鉄鉱石事業ユニット、
三菱商事フューチャーズ証券株式会社
ステンレス・特殊鋼原料事業ユニット、MDPユニット
■海外
非鉄金属本部
Mitsubishi Development Pty. Ltd.(オーストラリア)
ベースメタル事業ユニット、アルミ事業ユニット、
商品市場事業ユニット、非鉄トレーディング事業ユニット、
Iron Ore Company of Canada(カナダ)
非鉄事業開発ユニット、TOTプロジェクトユニット
MCA Metals Holding GmbH(オーストリア)
通じて実行することです。これを着実に実行
フェロクロムメーカー である南アフリカの
し、
引き続き堅調な商品市況を前提に高いレベ
ハーニック
( Hernic )、銅事業では世界最大
ルでの連結純利益を実現し、
全社業績に対す
の 銅 鉱 山 であるチリの エ スコンディーダ
る大きな貢献を目指していきます。
( Escondida )、
アルミ事業では世界最大級
のプロジェクトであるモザンビークのモザール
金属資源の長期安定確保を目指す
( Mozal )など、数々の金属資源プロジェクト
に参画してきました。
当グループでは、
石炭、
鉄鉱石、
ステンレス原
今後は、主要金属資源の確保はもとより、
自
料、銅、
アルミなど、金属資源重点分野への積
動車・家電向けなど、
ますます需要増大が予
極投資を行い、
資源の少ないわが国への金属
想される希少金属(白金族金属、
レアメタル)
・
資源の安定供給を行っています。
希土類(レアアース)及び世界的な原子力発
これまで、主 力の 石 炭 事 業では 、豪 州で
電所建設ブームに伴い需要増大が予想され
MDP社が参画する世界最大の原料炭サプ
るウランなど、希少性、偏在性が高い金属資
ライヤーであるBMA 、鉄鉱石事業では北米
源の長期安定確保のため、探査、探鉱活動を
最大 級の鉄鉱 石会 社であるカナダのI O C 、
積極的に行い、環境にも十分配慮して将来の
ステンレス原 料 事 業では 世 界 最 大 規 模 の
資源開発、事業化に備えていきます。
13
G R O U P
I N F O R M A T I O N
金 属グ ル ー プ のビジ ネ ス
世界市場で良質の原料、材料、製品を安定的に供給し続けている金属グループの主なビジネスをご紹介します。
金属資源分野の展開
14
モザール(アルミニウム)
MDP(石炭)
エスコンディーダ(銅)
モザンビーク共和国における史上最
鉄鋼原料本部は、MDPが参画する
チリのエスコンディーダ銅鉱山は、現
大のプロジェクトであるモザール・ア
オーストラリアのBMA(BHP Billiton
在では含有銅分にして年間130万ト
ルミニウム製錬所は、年間56万トン
との石炭合弁事業体)
で増産計画を
ンを生産する世界最大の銅鉱山と
のアルミニウムを生産しています。
積極的に推進しています。
なっています。
金属グループ
金属グループのバリューチェーン
資源
石炭
鉄
鋼
原
料
・
製
品
鉄鉱石
ステンレス原料
薄板・厚板
特殊鋼・線材
ほか
原料調達
(トレーディング)
製造
BMA
三菱商事
CMH
エムシーリソース
Hernic
トレード
高炉メーカー
一次流通
非
鉄
原
料
・
製
品
部材メーカー
アルミ
プラチナ
その他非鉄原料
非鉄製品
Mozal
Boyne
ほか
ほか
米国三菱商事
英国三菱商事
三菱商事軽金属販売
TRILAND METALS
TRILAND USA
建設会社
自動車メーカー
ほか
機械メーカー
メタルワン建材
三菱商事
石油・ガス会社
三次加工
メタルワン
Escondida
Los Pelambres
Antamina
家電メーカー
製缶メーカー
銅線・伸銅
メーカー
一次流通
圧延・鋳造
メーカー
貴金属加工
メーカー
その他
メーカー
二次・
造船メーカー
三次加工
電線メーカー
金商
ほか
PDRM
非鉄スクラップ
二次・
ほか
鉄スクラップ
最終需要家
(マーケット)
電力会社
IOC
電炉メーカー
銅
加工・流通販売
飲料メーカー
宝飾品メーカー
三菱商事フューチャーズ証券
メタルワン(鉄鋼製品)
株式会社メタルワンは、PMI(Post Merger Integration)・BPI(Business
Process Innovation)・成長戦略などに全社員の総力を結集して取り組
み、鉄鋼 流通業界において「メタルワンブランド」を浸透させてきました。
「世界最強の鉄鋼総合商社」を視野に入れ、
「グローバル・バリューチェーン
の構 築」に取り組み、
「強靭で、健 全な豊かさと成 長力のあるメタルワン
グループ」の実 現を目指します。
15
海外特集
北米
三菱商事は、1954年に現地法人として米国三菱商
事会社を設立するなど、半世紀以上にわたり北米での
ビジネスを展開してきました。北米地域の現状と三菱
商事のビジネスを上田北米統括兼米国三菱商事会社
社長がご紹介します。
常務執行役員
北米統括兼米国三菱商事会社社長
上 田 良 一
引き続き世界経済を
牽引する米国経済
指摘もありますが、私は、米国はまだまだ強いと
思っています。確かに近年、世界を取り巻く環
境は急速に、
かつ大きく変化していますが、例
昨年4月、北米統括兼米国三菱商事会社社
えば、米国にいなくても収益を獲得できる時代
長として18年ぶりに米国に赴任した私は、
さまざ
になったことを指 摘 する『T h e W o r l d i s
まなビジネスを通じて再び米国経済に触れ、
そ
Flat』
(フラット化する世界 )
という本が、New
の力強さを再認識しています。経済力の根底を
York Times紙のブックレビューで約2年間も
なす人口は、昨年秋に3億人を突破し、世界全
トップ10に入っていたことが示すように、米国に
体の3割近くを占めるGDP(国内総生産)
も緩
はこうした環境変化に対する問題意識、危機
やかな拡大を続け、
3年間の成長分が中国一国
意識があります 。こうした意識と、米国が持つ
のGDPに相当する程の成長力もあります。
「変化への柔軟性」がある限り、米国は世界を
BRICsなどの新興国の発展が注目を浴び、
リードする存在であり続けることでしょう。特に
さらに、米国の覇権主義を懸念する声や、
イン
変化の激しい金融や情報通信分野で、依然、
ドなどへのアウトソーシングの進展で、IT産業
米国企業が主導権を有していることが、
このこ
などの米国の強みがおびやかされているとの
とを端的に示していると思います。
16
Alpac Forest Products Inc.
カナダ三菱商事会社
Iron Ore Company of Canada
Metal One Holdings America, Inc.
MC Machinery Systems, Inc.
米国三菱商事会社
Diamond Generating Corp. Mitsubishi Cement Corp.
MCC Development Corp.
Petro-Diamond Inc.
MCX New Ventures, Ltd.
メキシコ三菱商事会社
北米地域の現地法人と主な事業投資先
ニューヨークの米 国 三 菱 商 事
「世界最大の成長市場」をターゲットに
攻めの経営で臨む
組んできました。例えば、
北米域内投資機会の発
掘、
構造変化に伴いビジネスチャンスが見込まれ
る自動車部品や新エネルギー分野を対象とした
世界経済をリードする米国に、
メキシコ、
カナダ
北米事業開発タスクフォースの設置、
事業投資先
を加えた北 米 地 域は、人口約 4 億 3 千 万 人 、
も含めた北米内情報共有体制の整備、
人材育成
GDP約14兆5千億ドルという巨大な規模となりま
の強化などがこれに当たります。
まず何よりも重要
す。人口はさらに増加傾向にあり、北米地域こ
なことは、
北米市場の成長力及び同市場におけ
そ「世界最大の成長市場」と言えます。
る三菱商事としての事業機会を再認識すること
北米マーケットを抜きにして、
グローバルカンパ
であり、
北米の先端ビジネスモデルなど、
今後の三
ニーとしての三菱商事の成長はあり得ません。
菱商事全体のビジネス拡大に資する情報発信に
北米の成長をいかに取り込んでいくかが、今後
も、
一層注力していきたいと考えています。2006年
の三菱商事にとって非常に重要な課題であり、
度、
米国三菱商事は過去最高益を達成しました。
北米では、米国三菱商事を中心に、
カナダ三菱
今年度はさらに高い目標に向かって、
攻めの経営
商事、
メキシコ三菱商事、
さらには、約60社に及
を実践していきたいと思います。
ぶ北米主要事業投資先が一体となった「北米
また、地域に根差していくためには、単にビジ
連結経営」を推進し、
北米地域における収益拡
ネスに注力するだけでは足りません。われわれ
大・企業価値向上を目指しています。
は、
米国でのCSR(企業の社会的責任)活動に
「北米連結経営」の推進に当たっては、
今まで
も力を入れています。
以上に地域に根差したビジネスを展開していくこ
このようなさまざまな活動を通じ、
米国において
とが求められます。私は米国三菱商事社長に就
も三菱商事が真のグローバル企業と認められる
任以来、
これを実現するための基盤づくりに取り
ようになりたいと考えています。
17
〉
〉
〉北米ビジネスの現場
新グループ組 織発足で、 金融ビジネスへの取り組み
三菱商事は、金融ビジネスのメッカである北米地域において、金融
先物ビジネスを展開するTriland USA, Inc.と、高機能の資産運用会社
Minerva Alternative Strategies, Inc.の2社を中心に、デリバティブ
(金融派生商品)
などを活用した最先端の金融ビジネスに取り組んでいます。
中でも、石油製品や貴金属、穀物などの商品を将来の一定期日に売買す
ることを約束して、
その将来の価格を現時点で決める商品先物取引におい
ては、高度な知見とノウハウを駆使し、
お客様のニーズにお応えしています。
Triland USA, Inc.
非 鉄 金 属 本 部による商 品 先 物 仲 介 事 業 の
北 米 拠 点 及び商 品 先 物ファンド事 業の管 理・
運用拠点です。商品先物を中心に事業を展開
しており、米国三菱商事会社、三菱商事及びそ
上川社長
の関連会社、北米を中心とする地場企業、欧米
のファンドマネジャーを主な顧客としています。
社内風景
Minerva Alternative Strategies, Inc.
金属グループと新産業金融事業グループの知見、
ノウハウ、ネットワークを
融合し、ほかの金融機関にはない、三菱商事ならではの投資商品を開発・運
用・販売する資産運用会社です。起用する商品取引運用会社の運用対象
は、エネルギーや金属、農産物などの商品先物、債券や金利、株価指数など
堀越社長(左)、エリック ポー
トフォリオマネジャー(右)
18
の金融先物と多岐にわたります。
海外特集 北 米
今後期 待される北米地 域のビジネスをご紹介します。
ICT分野への取り組み
世界有数のICT(Information and Communication Technology)
関連企業が数多く存在する北米地域において、三菱商事では、2004年7月
に米 国 三 菱 商事 会 社の情 報 通 信システム部 門を分 社 独 立させM I C
Business Solutions, Inc.(以下MIBS)
を設立し、同社を中心に情報と
通信の分野における機能強化や新規ソリューションの発掘に取り組んで
います。
MIC Business Solutions, Inc.(MIBS)
MIBSでは米国三菱商事会社及び関連事業投資先、
さらに在米日系企業
を対象に情報システム導 入のコンサルテーションから開発、運営まで、各 社
の要望に応じたトータルソリューションを提供しています。注目するビジネス
の一つとして、ICタグ( RFID:Radio Frequency Identification )を活用
樋口社長
したビジネスを推進しており、米国内での実証実験など在米日系会社として
はいち早く取り組 みを開 始し、現 在日系 家 電メーカー数 社 にわれわれの
RFIDソリューションを展開しています。また、最近イノベーション事業グルー
プとの連携のもと、IT分野で注目されて
いるブラジルとの関係強化に取り組んで
おり、ブラジル最大手のIT企業とアライ
アンスを組んでプログラム開発、運営の
委託をはじめ、
オフショアビジネスのさらな
る発展に挑戦していく考えです。
ICタグならびにリーダー機器
19
〉
〉
〉注目のシリコンバレー
IT産業の一大拠点として知られるシリコンバレーの最新情報をご紹介します。
カリフォルニア州北部、サンフランシスコ・ベイエリアの南
部に位置するシリコンバレー。インテルをはじめとする多くの
半導体企業が、
この地に生まれたことからこう呼ばれるよう
になりました。その後、
ヒューレット・パッカードやオラクルなど
のエレクトロニクス・コンピュータ企業、
グーグルやヤフーなど
のインターネット関連企業が数多く誕生し、今やIT産業の
一大拠点となっています。
シリコンバレーの街並み
近年、
シリコンバレーではIT産業に加え、医療、医療機
器、
ヘルスケアサービスをはじめとするライフサイエンス分野や、環境関連、
ナノテクノロジー、
ロボット
工学などのニューインダストリー分野の企業が増加しており、
こうした企業へのベンチャー投資額は
年々増加しています。また、IT産業はICT(Information and Communication Technology)
へと概念が広がり、半導体や電子機器、電子部品などはもちろん、
ネットワークサービスやWeb2.0、
情報セキュリティなどの分野が注目されています。今後、
こうした動きはさらに加速していくと予測さ
れ、
シリコンバレーの注目度はますます高まっています。
米国三菱商事シリコンバレー支店
米国三菱商事は、1974年にシリコンバレー北端部のパロアルトに事務所を開設、85年には
パロアルト支店となり、2004年5月にはサンタクララのマウンテンビューにオフィスを移し、
シリコン
バレー支店として新たにスタート。
シリコンバレー支店の役割は、
シリコンバレーの最先端の技術やビジネスモデルなど、価値
ある情報を米国三菱商事及び三菱商事本店に提供すること、
さらに、三菱商事及び三菱商事
の事業 投 資 先各 社と連 携し、将来、大きな収 益を生み出すビジネスを創 造することです。
現在、注力分野として取り組んでいるのがICT、
ヒューマンケア、
バイオ、新エネルギー、半導体エレクトロニクスなどの分野です。
今 後も、こうした分 野における、シリコンバレー発の新たな
ビジネスの構 築に積 極 的に取り組んでいきます。
20
Jeffrey W. Daley
シリコンバレー支店長
海外特集 北 米
現 地 法 人 ご 紹 介
カナダ三菱商事会社
伝統ビジネスと新規事業で
三菱商事のグローバル戦略に貢献
カナダ三菱商事会社は、1965年の設立以来、
米国三菱商事と緊密に連携し、三菱商事のグ
ローバル戦略において重要な役割を果たしてきま
した。本社はカナダの玄関口バンクーバーで、東
BC Hydro社ピースキャニオン発電機アップグレード工事
部カナダ最大の都市トロントに支社があります。
カナダ三菱商事会社
小和瀬 社長
カナダ三菱商事は、金属、機械、化学品、生活産業の三
菱商事の伝統的なビジネスをカバーし、広い範囲にわたっ
て事業を展開しています。また、新規事業にも積極的に取り組んでおり、再生可
能エネルギー(風力タービン、バイオペレット、バイオオイル製造機器販売など)、
有機野菜温室栽培技術の対中・対日販売、中国向け丸太・製材輸出、
カナダ
流通大手企業との取引強化などを進めています。
風力タービン
メキシコ三菱商事会社
中核の重電ビジネスを核に
ビジネス分野の多様化を図る
メキシコ三菱商事会社は、1962年に三菱商事の子会社とし
て設立されましたが、北米自由貿易協定(NAFTA)が発効して
ちょうど10年目に当たる2004年に、米国三菱商事100%の子会
社に衣替えし、以降、北米ブロックの一員として米国三菱商事と
三菱グループが納入したペタカルコ火力
発電所
連携しながら、三菱商事のグローバル戦略の一端を担ってきました。
メキシコ三菱商事会社
斎藤 社長
メキシコ三菱商事は、
メキシコ電力庁向けビジネス、政府との合弁
会社EXPORTADORA DE SAL, S.A. DE C.V.(ESSA)社の製
塩事業という伝統的なビジネスを通じて、
メキシコ合衆国と太いパイプを構築しており、
この良好な関係を利用して、重電機器納入といった既存中核ビジネスの拡大とともに、
日本メキシコ経済連携協定(日墨EPA)
を活用したトラック輸入販売や、エネルギー・
化学品・生活産業における新規ビジネスの開拓にも注力しています。
日墨EPAを活用したいすゞトラッ
クの輸入
21
〉
〉
〉 アメリカにおける三菱商事のCSR活動
米国三菱商事では米国における厳しい法規制や環境・人権NGOの影響を受け、早くから
CSRに取り組んできました。さまざまなNGOと対話を行いCSRや環境問題に関する会議
にも積極的に参加して、環境や社会に対する責任について理解を深めています。
地域社会への支援
米国三菱商事は、本業における企業責任を果たすだ
アースウォッチ
けでなく、事業展開している地域社会にも積極的に貢献
しており、
さまざまな博物館、美術館、
カーネギーホールや
リンカーンセンターのような国際的施設を通して、芸術や
文化への支援を行うほか、
日米の文化交流、
関係強化に
も力を入れています。また、従業員がボランティア活動を
通して環境問題を学習するための機 会として、
アース
ウォッチによる調査活動や、
「サンゴ礁保全プロジェクト」
などに参加する社員を支援しています。
サンゴ礁保全プロジェクト
米国三菱商事財団
1992年、
米国三菱商事は、三菱商事とともに米国三菱商事財団
をニューヨークに設立しました。
現在の基本財産は500万ドル近くに及びますが、
これまで南北アメ
リカにおいて260万ドル以上を環境保護運動を支援する組織に提供
してきました。主な支援として、
ニューヨーク植物園での湿地生態系
の回復と遊歩道の整備や、環境保護団体Wildlife Conservation
Societyが行うブロンクス動物園内の川と遊歩道の整備に対して、
資金提供を行っております。米国三菱商事財団の活動は寄付行為
だけにとどまらず、1996年には、環境教育や持続可能なエネルギー
などの問 題について、環境 N G Oと協 力しあうための機会である
「エンバイロメンタル・ブレックファースト」を開始しました。
22
ニューヨーク 植 物 園 の
整備
ブロンクス動物園の
Mitsubishi Riverwalk
会 社 概 要 (2007年3月31日現在)
三菱商事グループの主要な事業内容
当社グループは、国内外のネットワークを通じて、エネルギー、金属、機械、化学品、生活産業関連の多種多様な商品
の売買や製造、資源開発、プロジェクト開発を行うほか、金融、情報、物流、マーケティング等総合商社の持つ機能を
生かした各種サービスの提供や、環境、医療・介護などの分野における新しいビジネスモデルや新技術の事業化など、
広範な分野で多角的に事業を展開しております。
株式等の状況
発行可能株式総数
25 億株
発 行 済 株 式 総 数
1,689,902,896 株
株 主 数
188,925 名
三菱商事グループの拠点等
当 社 本 店
丸の内オフィス(登記上の本店):東京都千代田区丸の内二丁目 3 番 1 号
品 川 オ フ ィ ス:東京都港区港南二丁目 16 番 3 号
国 内 店
北海道支社(札幌)、東北支社(仙台)、中部支社(名古屋)、関西支社(大阪)、
海 外 店
中国支社(広島)、九州支社(福岡)等 42 か所
クアラルンプール支店、シンガポール支店、ジャカルタ駐在事務所、マニラ支店 等 120 か所
現 地 法 人
米国三菱商事会社、メキシコ三菱商事会社、伯国三菱商事会社、欧州三菱商事会社、
英国三菱商事会社、独国三菱商事会社、インド三菱商事会社、泰国三菱商事会社、
泰 MC 商事会社、香港三菱商事会社、三菱商事(中国)有限公司、三菱商事(上海)有限公司、
台湾三菱商事会社、韓国三菱商事会社、オーストラリア三菱商事会社 等 39 現地法人
(支店等を含め 79 か所)
(注)上記のほか、国内外各地に当社グループ各社の営業所・工場等があります。
従業員の状況
従 業 員 数
連結: 55,867 名
単体: 5,375 名
(注)1.従業員数は、就業人員数を記載しております。
2.単体従業員数に他社への出向者を含め、顧問・嘱託、他社からの出向者、海外店現地社員を除いた在籍人員数は5,965名です。
No.24
株主通信『エムシー・イン』第24号 発行/三菱商事株式会社 2007年6月26日発行
■ 誌名について:
「MC-iN」は「三菱商事インベスターズ・ノート」
(Mitsubishi Corporation INVESTORS’NOTE)の頭文字をとったものです。
この冊子に関するお問い合わせは、下記までお願いいたします。
住所 〒 100-8086 東京都千代田区丸の内二丁目 3 番 1 号 三菱商事株式会社 IR 部
電話 03-3210-8582 FAX 03-3210-8583 HOME PAGE http://www.mitsubishicorp.com E-mail [email protected]
23
静嘉堂文庫美術館の催事
中国・青磁のきらめき
美術館開館15周年記念―書斎の美学―
−水色から青、緑色の世界−
文房具の楽しみ展(仮題)
2007年6月16日(土)∼7月29日(日)
2007年10月6日(土)∼12月2日(日)
日本人にとって、古来憧憬の的であった中国の青磁
「文房」すなわち書斎においては、読書や書き物ばか
―水色から青、緑色へと、清澄で深遠なる美しい焼きあ
りでなく、詩作や書画の鑑賞、喫茶、琴の演奏、心通う友
がりを見せるその色調は、還元炎焼成を行う窯の構造や
との語らいなど、
さまざまな営みが行われてきました。
燃料、素地の成分、釉の色や厚みなど、多様な要素の
本展では、初公開品を多く含む文房具、すなわち墨・
絶妙な調和の上に生まれたものです。
硯・筆をはじめ、
その周辺で用いられた墨床・水滴(水注)
・
かんげんえんしょうせい
ぼくしょう
けんびょう
ようしゅうよう
ひ かく
本展では、静嘉堂の所蔵品より、華北の耀州窯・鈞
硯屏・筆筒・筆架・筆洗・書鎮(文鎮)
・秘閣(腕枕)な
窯、華南の南宋官窯・龍泉窯・景徳鎮窯といった中国諸
どを一 堂に展 示します。これらは主に中 国で作られ、
窯の青磁を幅広く紹介いたします。鎌倉時代以降、
「唐
墨 、石 、瑪 瑙や 翡 翠といった玉 類、水 晶 、漆 、陶 磁 、
物」として珍重されてきた龍泉窯の香炉・花入・茶碗をは
竹や木を素材とした精緻な工芸品としても鑑賞される
じめ、江戸時代の日本からの注文品と見られる香合や茶
ものたちです。
器、
そして近代に“鑑賞陶器”として蒐集された「宋磁」
「脱俗(俗を脱する)」
「自娯適意(自ら娯しみ意に適
の世界的名品まで、約80点が出品されます。
う)」
「明窓浄机(明るい窓、浄らかな机)」などの語に
なん そう かん よう
め のう
から
もの
じ
めい そうじょう き
ご てき い
たの
い
かな
きよ
象徴される、清雅な文房 具の世界に遊んでください。
中国に生まれ花開いた、青磁の美しく深淵なる世界を
(図録刊行予定)
お楽しみください。
双鵞硯 端渓石
重文 青磁牡丹唐草文深鉢 龍泉窯
紅玉蓮葉蛙形書鎮 清時代
青磁香炉 南宋官窯
至高速用賀IC・高井戸
瀬田交差点
環 状 8 号 線
至上野毛・第三京浜
住 所:東京都世田谷区岡本 2-23-1 TEL:03-3700-0007
交 通:●東急 大井町線/田園都市線(地下鉄半蔵門線と直通)
「二子玉川」駅下車
静 嘉 堂
正
門
岡本民家園
玉川病院
静嘉堂文庫バス停
NTT瀬田
丸子川
(
砧工業高校 大
蔵
通
り
本
※ 同
有
で
ま
2日 い
月
12 ださ
年
07 ちく 効
20
∼ お持 も有
日
16 を 方
6月 券 伴の
年
07
20
静
嘉
至成城学園前
堂
文
吉沢バス停
理容院
庫
多摩堤通り
案内地図掲示
美
術
館
入
館
多 摩 川
割
引
券
二
子
玉
川
商
〒
店
街
至
溝
口
2
4
6
号
線
タ
乗ク
りシ
場ー
高
本島
館屋
高
南島
館屋
↑東
至急
渋田
谷園
都
市
線
2
4
6
号
線
東急コーチバスで「静嘉堂文庫」下車徒歩約 5 分。
●成城学園方面よりは、二子玉川駅行バスにて「吉沢」下車徒歩約 10 分。
●タクシー利用の場合、駅前/高島屋より通常メーターが1回あがる程度。
★美術館前駐車場(約 20 台)あり。
三
菱
東
京
U
銀F
行J
二
子
玉
川
駅
二子玉川駅前バスターミナル④番発の成育医療センターまたは美術館行
開・休館日:開館は展覧会期間。開館中は毎週月曜日(祝日の場合は翌火曜日、7/17、
東急大井町線
至自由が丘→
バス乗場
至
溝
の
口
↓
10/9など)休館。7月30日(月)∼10月5日(金)は休館期間です。
開館時間:午前 10 時∼午後 4 時 30 分(入館は午後 4 時まで)
料 金:一般 800 円、大高生 500 円、小中学生 100 円
U R L:http://www.seikado.or.jp/
左記割引券をご利用の一般の方は 600 円でご入場いただけます。
(ご同伴の方も割引料金でご入場いただけます)
効
)
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