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経皮感作 update 経皮感作 update

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経皮感作 update 経皮感作 update
The 45th Annual Meeting of the Japanese Society for Dermatoallergology and Contact Dermatitis
第
第45回日本皮
45回日本皮膚アレルギー・接
膚アレルギー・接触皮
触皮膚炎学
膚炎学会
会総
総会
会学
学術
術大
大会
会
ラ ン チョン セ ミ ナー 2
日時
2015 年
11月21日(土)12:00~13:00
島根県民会館
会場
3階「大会議室」
(B会場)
島根県松江市殿町158 TEL.0852-22-5506
経 皮 感 作 update
座長
講演 1
浜松医科大学 皮膚科学講座 教授
戸倉 新樹 先生
聖路加国際病院 皮膚科
診療教育アドバイザー
衛藤 光
経 皮感 作が成 立するために起こる
代 表疾患‘ 接 触 皮 膚 炎 ’を
改めて考える
済生会川口総合病院
皮膚科 主任部長
講演 2
先生
高山 かおる 先生
「 経 皮 感 作 」を再 考する 京都府立医科大学大学院医学研究科
皮膚科学 教授
加藤 則人 先生
共催
第45回日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会総会学術大会
第一三共株式会社 / ユーシービージャパン株式会社
高山 かおる 先生 済生会川口総合病院 皮膚科
平成 7 年 3 月 山形大学医学部 卒業
平成 11 年 3 月 東京医科歯科大学医学部皮膚科大学院 卒業
平成 15 年 4 月 中野総合病院皮膚科 医長
平成 16 年 4 月 秀和綜合病院皮膚科 医長
平成 18 年 4 月 東京医科歯科大学附属病院皮膚科 助手(助教)
平成 19 年 7 月 東京医科歯科大学附属病院皮膚科 講師
平成 27 年 4 月 済生会川口総合病院皮膚科 主任部長
経皮感作が成立するために起こる代表疾患‘接触皮膚炎’を改めて考える
接触皮膚炎は日常的に皮膚科医が遭遇する頻度の高い疾患でありながら、原因が特定されず漫然と治療され、
難治化していることが多い。この問題の根源は、皮膚科診療が忙しいというだけではなく、原因となるアレルゲン
に関する知識や、アレルゲンを特定するためのパッチテストがうまく活用されないということが大きい。接触皮
膚炎はどんな個人にでもおきるというよりは、アレルゲンとなりやすい物質を、経皮吸収が起きやすい環境で、
頻度高く扱ったり、皮膚に外用したりすることからその危険性が増す。たとえば美容師や農業・工業関係者、
医療従事者などに起こりやすい職業性接触皮膚炎、日用品による接触皮膚炎、治療薬による接触皮膚炎など
を考えると、感作が成立する理由も納得がいく。逆にみれば、もしかすると気を付けて環境を整備すれば予防
できるとも言うことができる。
アレルゲンの傾向をみると、問題になったものは環境から取り除かれたり、使われなくなったりする一方で、
毛染めのように今でも頻度が高く使われるようなものやイソチアゾリン系防腐剤など新たなアレルゲンも出現し
てくる。金属のように圧倒的に頻度高くかぶれながらも取り除くことが不可能なものもあるので、接触皮膚炎
診療はむずかしく終わりがない。接触皮膚炎という疾患を経皮感作という観点から見つめて、解決、予防と
結び付けていく方法を模索したい。
加藤 則人 先生 京都府立医科大学大学院医学研究科 皮膚科学
平成元年 3 月
京都府立医科大学医学部医学科 卒業
平成 6 年 4 月
福知山市民病院皮膚科 医長
平成 9 年 4 月
ドイツ・ミュンヘン大学医学部皮膚科 研究員(Thomas Bieber 教授)
平成 9 年 7 月
ドイツ・ボン大学医学部皮膚科免疫生物学研究部門 研究員
平成 12 年 4 月
京都府立医科大学皮膚科学教室 講師
平成 19 年 4 月
京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学 准教授
平成 21 年 8 月
京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学 教授 ( 現在に至る )
「経皮感作」を再考する
皮膚から侵入したアレルゲンに対する感作が、接触皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの皮膚を反応の場とした
アレルギー性疾患だけでなく、食物アレルギーや喘息、アレルギー性鼻炎など全身性のアレルギー性疾患
の発症にも重要な役割を有していることが、最近明らかにされてきた。また、従来皮膚を通過しないと考えら
れていた分子量の大きな蛋白に対するアレルギーが経皮的に誘導されるメカニズムなども解明されてきた。
一方で、皮膚にアレルゲンを貼付することで免疫寛容が誘導されることも示されており、経皮感作を理解する
のは単純ではなさそうである。
こどもから大人まであらゆる世代の皮膚と関わり、手あれからアトピー性皮膚炎まで皮膚のバリア機能の
低下による疾患と関わる皮膚科医にとって、どのような状態の皮膚からのアレルゲン侵入が感作につながるか、
角質の水分を保持し乾燥を防ぐスキンケアを乳幼児期から行い、表皮のバリア機能を良好な状態に保つことで、
アトピー性皮膚炎の発症を防ぐことができるか、さらには経皮感作を防ぐことができるか、という問題はきわめ
て重要である。
本セミナーでは、経皮感作に関する最近の知見や経皮感作が示唆される症例を紹介し、皮膚科医の役割を
再確認したい。
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