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臨床的見地から - 日本褥瘡学会

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臨床的見地から - 日本褥瘡学会
褥瘡対策用具規格標準化委員会 ワークショップ
臨床的見地から
創傷からずれ・まさつをアセスメントする
近大姫路大学看護学部
藤本 由美子
創傷からずれ・まさつをアセスメントする
円形
不整形
なぜこのような形状になるのだろか?
臨床での疑問
座位の褥瘡は容易に発生・治癒困難・ケア不明
座位の褥瘡の形状
形状に特異的な力のかかり方があるのではないか?
座位の褥瘡の形状
座位の褥瘡の形状から発生要因を抽出する
座位姿勢で座面に密着している皮膚の形状の変
化を見極める
WOCの知識と技術で最大限皮膚を記述し説明する
可視化
研究のテーマ
座位姿勢をとる高齢者の褥瘡形成の実態把握調査
褥瘡の形状と車椅子接地形状の関係から
藤本由美子、他:日本看護科学学会誌 24(4) 36‐45 2004
研究の目的
高齢者の座位保持における臀部の褥瘡を予防する
ことを目的に、臀部の皮膚を観察し、座位姿勢での
褥瘡を分類するとともに発生要因を抽出した。
研究デザイン
実態調査研究
方法
1.座位における褥瘡の分類の方法
座位特有の褥瘡を明らかにするために座位群59名、
寝たきり群31名、歩行群23名の患者の臀部を1例づつ
写真に基づいてスケッチし、3群を比較して座位特有の
褥瘡をカテゴリー化する。
褥瘡の記述例
写真撮影
記述
濃茶色
薄茶色
薄ピンク
しわ しわ
びらん
茶色
茶色
茶色
ピンク
外側茶色 しわ
白っぽい
鱗屑
ピンク
小さいしわ
薄茶色
多数
しわ
皮膚の特徴の要約
殿丘全体に茶色の色素沈着があり、殿裂周辺と殿丘外側はやや濃い茶色である。右側には
円形のびらんがあり、周囲はうすピンク色であり外側は茶色である。さらに左殿丘の同部位
に白い円形の色素脱出が7個集合し周囲は濃い茶色である。
尾骨直下は灰白色であり、鱗屑を伴う薄ピンクの島状になり、左斜め上方には中心はピンク
で周囲は茶色の円形の皮膚変化がある。さらに上方には円形の茶色の色素沈着がある。
上になった皮膚はたるんでいる。殿筋は緊張が弱い。
スケッチ・記述後
各群の各々の特徴から共通部分と相違部分を抽出
共通するものの中から3群を比較して座位にのみ
みられる皮膚の変化を残した
構成要素を分類し各々をカテゴリーとし、従来の定義の
ないものに関しては命名した
方法
2.接地形状との関係を検討する方法
座位の褥瘡の原因を明らかにするために、座位時の
接地形状とカテゴリーの関係を検討する
側臥位でみた褥瘡の形状は車椅子上での
座面ではどのように変化して密着しているのか?!
接地形状を見る
どのような方法で・・・
可視化車椅子
43cm
40cm
40cm
43cm
23cm
40cm
40cm
39cm
41cm
43cm
褥瘡の形状と接地形状との関係
方法
①可視化車椅子での写真撮影
②接地形状
③模式図
日常、最も多くとる体位
で下着をとって座位になる。
床の上に鏡を置き、鏡に
映った臀部を写真撮影
する。
写真をスケッチし
言語化する。
命名:折りたたみ
結果
円
頭側
輪
馬蹄
蝶
不整
尾側
側臥位
大転子部
仙骨部
坐骨結節部
坐骨結節
尾骨部
殿裂部
殿裂
坐骨結節部
可視化車椅子
頭側
殿部上縁
尾骨部
坐骨結節部
坐骨結節部
殿裂部
足側
模
式
図
尾骨部
殿裂部
坐骨結節部
坐骨結節部
折りたたみ・拡張
拡張
よじれ
吊り上げ
黄色:色素沈着
茶色:瘢痕・角化
赤:発赤
一致
褥瘡の形状と接地形状の関係
不一致
圧縮
考察
車椅子座位の褥瘡と外力との関係
褥瘡の形状
座位姿勢
外力の方向性
ケア方法
ピンクは褥瘡の形状
圧力
ずれ力
クッション
姿勢保持
クッション
まとめ
褥瘡を見る
形状を見る
円形
可視化
不整形
臨床的見地から
創傷からずれ・まさつをアセスメントする
ありがとうございました
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