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海底トンネル用大規模換気塔周辺の気流性状および 排気拡散性状

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海底トンネル用大規模換気塔周辺の気流性状および 排気拡散性状
442
研 究
48巻 9号 (199619)
生
産 研
究
解
海底 トンネル用大規模 換 気塔周 辺 の気流性状 お よび
排気拡散性状 に関す る研究 ‐ 1
風洞実験 による排気 回の設置高 さと形状 に関す る検討
Study On Air EIstributi6n and Gas DiffusiOn Discharged from VeitilatiOn Tower of Undersea Tunnel
Wind′runnel Tests On Exttlnining the Best POsitiOn and Coniguration of Exhaust Opening
加 藤 信
介
*0村
上 周
三 * * ・高 橋 1 岳 生 * す ・近 藤 靖
史す
Shinsuke KATO,ShuzO MURAKAMI,Takeo TAKAHASHI attd Yasushi KONDO
海底 トンネル用の大規模換気塔周辺の気流性状および排気拡散性状に関 して,縮 尺1/300の模型を
用いた風洞実験による検討を行 つた。実験は2段 階に分けて実施された。第一段階では三種類の排気
口設置位置案について,周 辺の風速分布,換 気塔壁面での排気拡散性状等について検討 し,排 気口の
適切な設置高さを決定 した。第二段階では有利 と判断された排気口位置において,詳 細な排気口の形
状や排気の方向について検討 した。また,流 れの可視化実験も合わせて実施 した。
1, 日
的
海底 トンネル中間部の換気塔に関 し,風 洞実験 による基
本性能の検討 を行った.実 験 は排気 回の設置位置を決定す
るための実験 と排気 口形状を決定するための実験の 2段 階
に分けて行 う。第 1段 階では,① 周辺の風速分布,② 周辺
及び換気塔壁面での排気の拡散性状,③給排気のショート
サ‐キットの有無,④ 小塔と大塔間の縮流効果 (吸引強化
による排気 の促進 ,省 平ネ効果)の 有無,に ついて検討 し,
ツト
気 回の適切 な設置高 さを決定す る。第 2段 階では,有 利
と判断 されたツト
気 口位置 において,詳 細 な排気 回の形状 ,
排気方向 について検討す る。
│なお,結 果 については換気塔
′
の
壁面近 く 濃度分布 を中 いに述べ る。
2.排 気口の設置高さを決定するための実験
2.1 対 象とした換気塔
図 1に 示す。排気回は小塔,大 塔が向き合 う面に設置さ
れ,給 気回は大塔の東側 (向き合わない面)下 部に設置 さ
れる。但 し,■ こではハ
塔 か ら排気す る場合の結果のみを
ヽ
示す。小塔 の排気 自面積 (実物)は 144m2(ス リット幅
1.2m× 長 さ30m,ス リ '卜 数 4本 ),給 気 口面積 (実物)
は480m2(幅 64m× 長さ7.5m)で ある。
2.2 相 似条件
1)模 型の幾何学的相似,2)ア プローチ 。フローの相似,
3)排 気風速/外 部風速,給 気風速/外 部風速の■致.実
物 における (排気)/(外部)=0,71,(給 気)/(外部)=0。19
す東京大学生産研究所
**東
京大学生産研究所
第5部
計測技術 開発 セ ンタ‐
図 1 換 気塔配置図,実 験風向
であ る.こ こで外部風速 とは大塔頂部高 さの風速 を指す。
213 実 験装置
1)風 洞 境 界層 型風洞 .2)模 型 縮 尺 は1/300.レ
ノルズ
イ
数依存性 に関す る予備検討結果 よ り,壁 面 に 2
mmφ の丸棒 を縦方向に 2mm間 隔注1)では り付 ける。
2`4 実 験方法
1)境 界層 U∝ Z1/7とす る1)。2)実 験風 向 (図 1)
南北軸方向 (90°
, 卓 越風)と ,東 西軸方向 (0°,180°)
の 3風 向 とす る。 3)外 部風速 実 物 での大塔頂部高 さに
48巻 9号
生 産 研
(1996.9)
究
ス リツ ト中
日1.2m、高 さ 30m
1)TYPE A
2)TYPE B
3)TYPE C
4)大 塔
図 2 小 塔 の排気 回の位置 (3タ イプ,大 塔 か らの排気 は無 し)
塔間の隙間に平行な断面(主流方向)内
の風速分布
(図申の数値は大塔頂部の風速を1と したときの無次元風遠)
①水平分布(高さ34m)
②
1)TYPE A
2)と
な る。 4 ) ツ ト
お け る風 速 は 観 測 デ ー タ よ り 7 m / s 注
気
風 速 ・方 向 実 物 で の 排 気 風 速 は 5 m / s , 排 気 方 向 は上 向
き6 0 °一 定 と す る。 5 ) ツ ト
気 回 の位 置 ( 図 2 ) 大
塔 と向
か い合 う小塔 の壁面 に,高 さ方向 に位置 の異 なる TYPE
A(排 気 回の 下 端 が 地 盤 上 15m),B(同 25m),C(同
35m)の 3種 類 とす る。 6)実 験風速 実 験 では頂 部風速
を5.8m/s注3),排 気風速 は4.lm/s(給 気風速 は1.06m/s)
とした。相似条件 である (排気)/(外部),(給 気)/(外部)
の値 は実物 と同 じになる。 7)淑 I定方法 濃 度 は排気 口か
ら トレーサ ー ガス と してエ チ レン (C2H4,密 度 =0.974)
を排気 させ,各 測定点 にお けるエチ レン濃度 を水素炎 ガス
クロによ り測定す る。圧力はバ ラ トロン,風 速 はサ ー ミス
①水平分布 ( 高さ 4 5 m )
②塔間 の隙間 に平行な断面 ( 主流方向) 内
の風速分布
2)TYPE日
タ風速計 による。 8)淑 J定点数 風 圧 137点,風 速223点,
濃度319点.
2.5 実 験結果
2.5.1 風 速分布 (図 3, 4)
1)風 向90°の場合 (図 3)卓 越風 向 に相 当す る風 向
90°において,各 TYPEの 排気 □中央高 さにおける水平分
布,お よび両塔 の隙間 に平行 な断面 (主流方向)内 での風
速分布 を示す.ツト
気 国の設置高 さを変えて も,風 速分布 は
ほとんど同 じである。吹 き出された排気 は両塔間 に吹 き込
む強 い流れの影響 を受 け,風 下では大塔 に沿 って流れる。
2以下)
TYPE A,Bで は小塔風下側 に風速の弱 い領域 (o。
①水平分布(高さ 50ml
②塔間の隙間に平行な断面(主流方向)内
の風速分布
3)TYPE C
図 3 風 速分布 (風向90°
, 排気方 向 :上 向 き60°の場合)
が発生す る (図3-1),2)の ①).主 流方向の断面分布 を見
ると,等 風速線が塔間中央 で落ち込 み,大 塔 の左上 よ り塔
間中央 に向かって斜めに風が吹 き込 んでい ること,そ の後,
等風速線 は右上が りとな り,排 気が右上方 に流れてぃ る こ
とが半Uる.
2)風 向 0°の場合 (図4)月 ヽ
塔及び大塔の偶角部並
びに小塔排気口部分に風速1.0の領域がある (図4-①).ま
に見られる吹き込み
た,塔 間の隙間の断面分布は風向90°
もなく,左 右対称 となる。
2.5.2 壁面濃度分布 (図5,6)
壁面近 くの排気流 の濃度 は排気 による換気塔壁面 の汚 れ
の程度 の 目安 になる。 図中の数値 は排気 回の濃度で基準化
した無次元濃度 (希釈率)を 示す。
①水平分布(高さ34m)
②塔間の隙間に平行な断面(主流に直角
な方向) 内の風連分布
( 図中の数値は大塔頂部の風違を 1 と した ときの無次元風連)
の
気方向 :上 向 き60°
図 4 風 速分布 (TYPE A,風 向 0°,リト
場合)
48巻 9号
生
(1996.9)
1)丁 YPE A
産
研
究
TYPE A(図
中の数値は排気 回の濃度
を 1 と した場合の無次元濃度)
.02
05
2
3
2)TYPEIB
3 ) 丁Y P E C
図 5 壁 面の無次元濃度分布 (風向 0°
)
1)風 向 0°の場合 (図 5)
① 小塔壁面 排 気 口直上部 では TYPE B,Cの 場合 に無次
元濃度0.6以上の領域が生 じるが,TYPЁ Aに はない。ツト
気 口直下 の部分 の濃度 は0,02以下で あ る。
②大塔壁面 景 観 上,特 に重要 である大塔壁面 の上部 に,
TYPE Cの 場合 に濃度0.7以上の領域が生 じるが,TYPE
A,Bに はな く,0.4程 度 であ る。小塔 の排気 口の位置が高
28
2)TΥ PE B
3)TYPE C
i 図
6 壁 面の無次元濃度分布 (風向90°
)
くなる程 ,高 濃度 を示す領域 が広が り,そ の領域 は上 方 に
移動す る.大 塔 の給気 回は排気 口の風下 に位置す るが ,そ
の濃度 は TYPE A,B,Cと
もに0.02以下 で あ った。
2)風 向90°の場合 (図 6)
① 小塔壁面 T Y P E B , C の 場合 に排気 口直 上部 に濃度が
0 . 8 以上 とな る領 域 が生 じるが, T Y P E A に はな い.
T Y P E A , B , C と もに, 塔 間 に流れ込む風 の影響 で下方 に
48巻 9号 (1996.9)
生
1)西壁面
産
研
3)西壁面
2)東 壁面
究
4)東
壁面
図 8 換 気塔 (小塔 の排気 回位 置 TYPE A)
1)小塔 のみの場合
2)小
塔+大 塔の場合
図 7 大 塔 の有無 による小塔壁面 の風圧係数 の変化
も拡 散 し,排 気 口直下 の左下側 に濃度0,1程度の領域 が生
じる.排 気 回の水平風下の 領域 では濃度0.1以下 で ある。
また,排 気 口の水平風 上側領域 の濃度 は0.02以下であ る。
②大塔壁面 TYPE Aの 場合 に濃度0.5以上 となる領域が
3)CASE3
4) CASE4
図 9 実 験 CASE
はない。TYPE B,
中央高 さ付 近 に生 じるが TYPE B,Cに
Cで は濃度 は高 くて も0.3程度 で あ る.中 央 よ り風 上 で は
排気 の影響 はない 。ガ、
塔 の排気 口位置が高 くな る程,高 濃
度 を示 す領域 が上 方 に移動 す る。
‐ス) 2)CASE2
:)CASEl(基
本ケ
表 1 実 験条件
CASE
1
全 体 と して ,TYPE A‐ が 最 も濃 度 が低 いの で,壁 面 の
汚 れの恐 れ も少 な い と判 断 され る。
2.5。
3.縮 流効果 につ いて
図 7に 風 向 90°にお いて ,小 塔単体 の場合 と小 塔 と大 塔
が建 設 された場合 の,小 塔 の排気 口位置周辺 で の風圧係 数
の比較を示す。小塔単体の場合,排 気口位置 (①②③④⑤
⑨⑩)に おける風圧係数の平均値は-0.58であるのに対し
て,両 方が建設された場合には-0。75と負圧が大きくなり,
縮流による吸引効果の増加が認められる.
2:6 結 論
:
1)小 塔 の排気 国の設置高 さの違 い によ り,周 辺風速分
布 には明瞭な差 は生 じない。 2)大 塔壁面上部 の濃度分布
を見 ると,TYPE Aの 場合 の濃度が低 い。 3)風 向 0°の
場合 で も,大 塔 の給気 口にお ける希釈率 は TYPE A,B,C
の場合 とも0.02以下で あ り,シ ョー トサ ーキ ットに関 して
は特 に問題 はない。 4)大 塔 と小塔間:に縮流効果力ヽ忍め ら
れた。
3.排 気 口の形状 "排 気方向 に関する実験
3.1 目 的
第 1段 階 の実験 および数値解析結果のよ り,有 利 と判断
されたIJF気回の配置案 (TYPE A)に 基 づ き,排 気 回の
形状 ,排 気方向 について壁面 の排気濃度 に着 日し,風 洞実
験 によ り検討す る.
3。
2 模型
縮尺 1/300。選 ばれた小塔 の排気 口位置 は TYPE A(図
2
条 件
基本ケース : J ヽ塔か らのみ排気
外部風速 7 m / s 、排気風速 5 m / s
上向き 6 0 °の吹出、排気ベー ンのみ有 リ
外部風連が排気風速より小 さい場合
5
大塔 と小塔の両方か ら排気 した場合
水平吹出 の場合
排気べ‐ス 整流壁 ともに無の場合(図10引口
6
排気‐ ス 整流壁ともに有の場合( ″
3
4
)
8 ) : 大 塔 の排気 口面積 ( 実物) は 7 2 m 2 ( スリット幅
1.2m×長さ3om, スリット数 2本 )。(小塔については2.1
参照)
3.3 実 験条件 表 l,図 9∼ ‖参照.
1)外 部風速 (表1,図 9)① 外部風速 (=大塔の頂
部高さの風速)カリF気風速より大きい場合 (実物で外部風
速 7m/s,ツト
気風速 5m/sと して (排気)/(外部)〒0.71)
と,② 外部風速が排気風速より小さい場合 (実物で外部風
速 3m/s,排 気嵐速 9m/sと して (排気)/(外部)=310)
の2ケ 早ス。 2)排 気風速 実 物で①排気風速 5m/s(排
気能力50%運 転時)と ②排気風速 9m/s(排 気能力100%
に近い運転時)の 2ケ ース.給 気量は排気運転 と対応する。
3)排 気回の使用状況 (図9)ツ ト
気は①小塔のみの場合
と②小塔 と大塔の両方から排気 した場合の2ケ ース.4)
の場合
排気方向 (表1,図 9)ツ ト
気方向は①上向き60°
と,② 水平の場合の2ケ ース.5)JF気 ダクト形状 (表1,
図10)① ベーン注4)`整流壁注5)とも無し,② ベーンの
み有り (基本ケァス),③ベァン・整流壁とも有りの場合
48巻 9号 (1996。
9)
生
堪流壁/
1)排気風逮/外部風連=0,71
CASEl(基
本ケ=ス )、日向 90・
産 研
究
2)排気風速/外部鳳速■.0
CASE2、
風向90°
5日
耐
y
20
0
・﹂
SE5
2)CASEl(基 本ケ‐ス)3)CASE6
図10 排 気 ダク ト断面 と吹出 口形状 の変化
(水平断面)
3 ) 小塔 。大塔の両方から排気の場合
CASE3、
風向 9 0 °
4 ) 水平 悌 気 の 場 合
C A S E 4 、風 向 9 0 ・
5 ) ベー ン ・整流壁 とも無 しの場合
CASE5、
風向 9 0 °
6 ) ベー ン ・整流壁 とも有 りの場合
CASE6、
風向 9 0 °
図 11 実 験風 向
の3ケ ース.6)実
験風 向 (図11)風 向 は 0°,45°,90°,
180:の 4風 向 とす る。 7)実 験 風 速 (排 気)/(外 部)=
3.0の 場 合 ,排 気 風 速 は 9m/s(給
定 した の で ,外 部風 速 3m/sと
気 風 速 2,38m/s)と 設
な る。 また,(排 気)/(外
部)=0.71の 場合 は第 1段 階 と同様 に,排 気風速 は4.lm/s
8血/sと なる.
(給気風 速 1.06m/s)と した の で ,外 部風速 5。
3。
4 実 験 結果
図 12に各 ケ ース にお け る壁面 濃度分布 を示す 。以下
,主
と して 卓 越風 向 に相 当す る風 向90°の場合 に関 して考 察す
7 ) 風向 4 5 °の場合
CASEl
8)風
向 1 8 0 °の場合
cASEl
図 12 壁 面濃度分布 (図中の数値 は排気 回の濃度
を基準 とした無次元濃度)
る。
1)外 部 風 速 と排 気 風 速 の 比 が 異 な る場 合 の 比 較 (図
12-1),2))(排 気風 速 )/(外部 風 速 )=0.71の 場合,排 気
は塔 間 の強 い風 に流 され,小 塔壁面 の排 気 口直上 部 の濃度
は0。3と 小 さいが ,(排 気)/(外部)=3.0の 場合 には0.5と大
きい 。 また,大 塔 壁 面 で は (排気 風 速 )/(外部風 速 )=0.71
の場 合 ,濃 度 0.5以上 の領域 は壁 面 の 中央 よ り風 下倶1に現
れ るが ,(排 気)/(夕
焙6)=3.0の 場合 には風上側 に も排気が
拡散 し,高 濃度域 はほ ぼ 中央 に位 置す る。 また,最 大値 も
30
0。
7となる。
2)小 塔 の み 排 気 と (小塔 十大塔)排 気 の 比 較 (図
12-1),3))小 塔壁面 の濃度分布 はほとんど変 わらない:
大塔壁面 で は,小 塔 のみか ら排気す る場合 には濃度 の最大
6を示 す。
5で あ るが,両 塔 か ら排 気 す る場 合 は0。
値 は0。
0.5以上の領域 も広 くな り,大 塔 自身か らの排気 の影響 で
大塔 の排気 回の右上部分 の濃度がやや高 くな る。
3)排 気方向の違 い による比較 (図12-1),4))濃 度分
48巻 9号 (1996.9)
生
写真 1 可 視化 (風向 90°
,TYPE A,上
排気 ,手 前力Ⅵヽ
塔,奥 が大塔)
向 き 60°
産
研
究
写真 2 可 視化 (風向 90L TYPE A,上 向き 60°
排気,上空から見 る.左 が小塔,右 が大塔)
布 には排気 方 向 の違 い に よる大 きな差 は見 られない。 大塔
壁 面 で は, 上 向 き6 0 °( 図1 2 1 ) ) の 場 合 に現 れ る0 . 5 の領
域 は水平排気 ( 図1 2 - 4 ) ) の 場合 に は な い。 しか し, 図 は
省 略す るが , 排 気 口 中央高 さの水平分布 には, 明 らか に水
平排 気 の場 合 に も壁 面近 くに0 . 5 の領域 が存在 す る。 図 に
0 . 5 の領 域 が 現 れ な い の は測定点位 置 との 関連 に よる もの
と判 断 され , 排 気 方 向 の違 い はほ とん ど影響 ない もの と考
え られ る。
4)排 気 ダ ク ト形状 の違 い に よる比 較 (図121),5),
6))小 塔壁 面 の排気 口直 上 部 にお け る濃度 はベ ー ン,整
1(CASE 5),ベ ー ンの み有 りの
流壁 と もに無 しの場合 0。
ー ン,整 流 壁 と もに有 りの 場 合
3(CASE l),ベ
場 合 0。
0.5(CASE 6)と 徐 々 に 高 くな る。 ベ ー ン,整 流 壁 を設
けず排気 口面 に至 るまでの流 れ を直接排気 口に導 い て排 出
写真 3 可 視化 (風向 0°
,TYPE A,上
排気,左 が小塔 ,右 が大塔)
向 き 60°
す る方力WF気 が 良 く拡 散 して い る:大 塔壁面 にお い て は排
気 ダク ト形状 の違 い に よる大 きな差 は見 られない.
5)風 向 の 違 い に よ る比 較 (図12-1),7),8))風
向
45°と90°の 場 合 は両塔 と も似 た濃 度分布 を示 す 。大 塔 壁
面 で は,風 向 90°の場 合 に生 じる濃 度 0.5の領域 は風 向45°
の 場 合 に はな い.風 向 180°の場 合 ,濃 度 が最 も高 く,最
りを示 す 。
大値 は0。
6)気 流 の可視化結果 写 真 1か ら 4に 気流 の可視化 の
例 を示 す 。 写真 1は 風 向90°
向 き60°
排気 の
,TYPE A,上
場合 で あ る。 排気 流が右上方 に流 れ る様子 が 明確 に観 察 さ
れ る。 また,塔 間 に吹 き込 む斜 め下 向 きの気流 に よ り,小
塔後方 に も煙 が巻 き込 まれ る様 子が観察 され る。 写真 2は
風 向901,TYPE A,上
向 き60°
排気 の場合 を上空か ら見 た
もので あ る。 小塔 (左側)か ら排気 された煙 は両塔 間 に吹
き込 む強 い流 れ の影響 で風 下 で は大塔 (右側 )に 沿 って流
写真 4 可 視化 (風向 180°
, TYPE A,上
60°
排気,左 が大塔,右 が小塔)
向き
で あ る。大 塔 (左側 )頂 部 と小塔頂部 に 回転 流が発生 して
い る こ とが わか る。
れて い る。 写真 3は 風 向 0°,TYPE A,上
向 き60°
排気 の
場合 で あ る。小塔 頂部 に回転流 が発生 して い る こ とが わか
3.5 結 論
る。 写真 4は 風 向 180°
,TYPE A,上
1)風 向 90°
,(排 気)/(外部)=3.0の 場 合 は,大 塔 の風 上
向 き60°排気 の場 合
448
48巻
9号 (1996。
9)
生
側 に も排 気 が拡 散 し,高 濃 度域 は ほ ぼ 中央 に位 置す る。
2)(排 気)/(外部)=0.71の 場合 にお い て,大 ・小 両塔 か
ら排 気す る と,大 塔 自身か らの排気 の影響 で 大塔 の排 気 口
の右 上 部分 の濃度 がやや高 くなる。 3)JF気 方 向 の違 い に
よる差 はほ とん どない。 4)タ ト
気 ダク ト形状 が変化 した場
合 ,小 塔壁面 の排気 口直上 部 にお け る濃 度 はベ ー ン ・整流
3,ベ ー
壁 と もに無 しの場合 0。1,ベ ー ンの み有 りの場合 0。
ン ・整流壁 と もに有 りの場合 0。
5を示 す 。 大塔壁 面 にお い
て は排気 ダク ト形状 の違 い に よる大 きな差 は見 られ ない.
5)気 流 の可視化 に よ り,上 方 に拡散す る流 れが確認 で き
た。
(1996年6月 5日 受理)
注 1)換 気塔 が曲面で構成 されてい るため,剥 離位置が レイ ノル
ズ数 の影響 を受けやす い。実験 では表面 に適度 な凹凸を付
けた。 これによ り, レイノルズ数依存性 を解消 した.そ の
際;丸 棒 のは り付 けに際 しては,表 面圧力 の計測 に支障を
きたさない ように配慮 した。
注 2)気 象観測点 :京 葉 シーバ ース (海面上32m)に お け る12年
7m/S)を 高 さ補正 して求めた。
間の風速デー タ (平均値5。
注 3)実 験条件 によっては極 めて多量 の給 ・排気量 を模型 におい
て実現す る ことが要求 され,模 型強度等 ,実 験実施 上 困難
な問題が発生する.従 って風洞風速 はなるべ く低 く設定す
ることが必要 とされる。そこで壁面風圧分布 に大 きな影響
産 研
究
を及ぼさない範囲でなるべ く低 い風速 の選 び方 につ ぃて予
備測定 を行 った。
の吹出方向を安定 させ るため に設
注 4 ) り F 気ベ ー ンは上 向 き6 0 °
ける。
注 5)整 流壁 はダク トか ら排気 口面 までを区画 し,流 れをなるべ
く乱 さない よう設 ける。
謝
辞
本報 の結果 は 「
東京湾横断道路 川 崎人工 島換気塔風洞実験検
討会」 でなされた もので あ り,以 下 に委員 を記す.村 上周三教授
(東大生研),宇 都宮英彦教授 (徳島大学),大 熊武司教授 (神奈
川大学),横 山功一氏 (建設省土木研究所),飯 田裕氏 (東京湾横
断道路 (株)),高 野誠氏 (同),中 村八寿男氏 (同),寺 本隆幸氏
(日建設計),坂 牛卓氏 (日建設計)。
上記委員及 び関係各位 に多大 な ご支援 を頂 いた.こ こに謝意 を
表す。
参 考
文 献
1)高 橋,村 上 :境 界層 型風洞 において各種 の鉛直風速分布
を作成す る方法 に関す る研究,建 築環境工学論文集,昭
和 57年11月.
2)永 瀬,村 上,加 藤,近 藤,高 橋,寺 本,坂 牛 :海 底 トン
ネル用 大規模換気塔 か らの排気拡散性状 に 関す る研 究
(その 1)CFDに よる排気 口設置高 さと汚染質拡散性状
に関す る検討 :日 本建築学会大会,平 成 8年 9月 .
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