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認知症初期集中支援チームについて

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認知症初期集中支援チームについて
資
山形県認知症施策推進協議会
平成26年9月19日
認知症初期集中支援チームについて
料
4
第1回
介護保険法第115条の45第2項
市町村は、介護予防・日常生活支援総合事業のほか、被保
険者が要介護状態等となる とを予防するとともに、要介護状
険者が要介護状態等となることを予防するとともに、要介護状
態等となった場合においても、可能な限り、地域において自立
した日常生活が営むことができるようにする支援するため、地
域支援事業として 次に掲げる事業を行うものとする
域支援事業として、次に掲げる事業を行うものとする。
(1~2 地域包括支援センター関係)
( 地域ケア会議関係)
(3
地域
会議関係)
(4 在宅医療と介護の連携関係)
(5 生活支援体制整備事業関係)
6 保健医療及び福祉に関する専門的知識を有する者による
認知症の早期における症状の悪化の防止のための支援その
他の認知症である又はその疑いのある被保険者に対する総
合的な支援を行う事業
1
認知症初期集中支援チーム
(独立行政法人国立長寿医療研究センター脳機能診療部第二脳機能診療科医長 武田章敬:
わが国の認知症施策. 月刊薬事 Vol.54 1596-1600 2012)
「今後の認知症施策の方向性について」報告書(平成24年6月厚生労働省認知症施策検討
プロジェクトチーム)において、早期診断・早期対応を促進する観点から、看護職員、作
業療法士等の専門家からなる「認知症初期集中支援チーム」を地域包括支援センター等
に配置し、認知症が疑われる人の家庭を訪問し、生活状況や認知機能等の情報収集や評
価を行い 適切な診断へと結びつけ 本人・家族への支援を行うとしている また か
価を行い、適切な診断へと結びつけ、本人・家族への支援を行うとしている。また、か
かりつけ医の認知症対応能力が向上し、「認知症初期集中支援チーム」の取り組みが普及
するまでの間は、主として「身近型認知症疾患医療センター」の医師が「認知症初期集中
支援チ
支援チーム」の一員として関与したり、ケアマネジャー及びかかりつけ医等に対する専門
員と
関与 た
ケ
ネジ
及び
け医等 対す 専門
的なアドバイスを行ったりする役割を果たすとされている。
2
認知症初期集中支援チーム設置促進モデル事業実施要綱(H26)
取消し線 オレンジの(
取消し線、オレンジの(
1
)書きは25年度要綱との主な相違点
目的
認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮ら
し続けられるために、認知症の人やその家族に早期に関わる「認知症初期集中支援チーム」
を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。
2
定義
(1) 認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)
(略)
(2) 訪問支援対象者
40歳以上で、在宅で生活しており、かつ認知症が疑われる人又は認知症の人で、以下の
ア、イのいずれかの基準に該当する者とする。
ア 医療サービス、介護サービスを受けていない者、または中断している者で以下のいず
れかに該当する者
(ア) 認知症疾患の臨床診断を受けていない者
(イ) 継続的な医療サービスを受けていない者
(ウ) 適切な介護保険サービスに結び付いていない者
(エ)
(
) 診断
診断されたが介護サービスが中断している者
れ
介護サ
中断
者
イ 医療サービス、介護サービスを受けているが認知症の行動・心理症状が顕著なため、
対応に苦慮している。
3
3 実施主体 (略)
4 事業計画
(略)
5 実施機関
(略)
6 認知症初期集中支援チームの構成
(1) 認知症初期集中支援チーム員の配置
認知症初期集中支援チ ム員の配置
実施主体は、認知症初期集中支援チーム員(以下チーム員という。)を地域包括支援
センター、(認知症疾患医療センターを含む病院・)診療所等に配置するものとする。
(2) チーム員の配置人数と職種
チ ム員の配置人数と職種
チーム員は以下のアを満たす専門職2名以上、イを満たす専門医1名の計3名以上の
専門職にて編成する。
ア 以下の要件をすべて満たす者2名以上とする。
要件をす
満 す者 名 上とす
(ア)「保健師、看護師、(准看護士、)作業療法士、(歯科衛生士、)精神保健福祉
士、(社会福祉士、)介護福祉士」等の医療保健福祉に関する国家資格を有する者
(イ)認知症ケア実務経験3年以上又は在宅ケア実務経験3年以上を有する者
(ウ)国が別途定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講し、試験に合格した
者
イ 日本老年精神学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診
断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかに該
当し、かつ、認知症の確定診断を行うことのできる認知症サポート医である医師(嘱
託可)1名とする。
4
7
チーム員の役割
6(2)アのチーム員は、目的を果たすために訪問支援対象者の認知症の包括的アセスメン
( )
員 、目的 果 す
訪問支援対象者 認知症 包括的
ト(観察・評価)に基づく初期集中支援を行うために訪問活動等を行う。
専門医は、他のチーム員をバックアップし、認知症に関して専門的見識から助言等を行
う。
また、必要に応じてチーム員とともに訪問し相談に応需する。
なお、訪問する場合のチーム員数は2名以上とし、医療系職員と介護系職員それぞれ1名
以上で訪問する。
また、初回の訪問による観察・評価票の記入はチーム員である保健師又は看護師で行うこ
とが望ましいが、チーム員でない地域包括支援センター、認知症疾患医療センター等の保健
師又は看護師が訪問した上で行っても差し支えない。
8 事業内容
下記(1)、(2)、(3)についていずれも実施するものとする。
(1) 普及啓発推進事業 (略)
(2) 認知症初期集中支援の実施
ア 訪問支援対象者の把握
実施主体は、地域の実情に応じて本事業の訪問支援対象者の把握に努めるとともに、
(訪問支援対象者の把握については、)支援チームが必ず地域包括支援センター(及び認
象
包
知症疾患医療センター)経由で訪問支援対象者に関する情報を入手できるように配慮す
ること。なお、訪問支援対象者の把握において、チーム員が直接訪問支援対象者に関す
る情報を知り得た場合においても、地域包括支援センター(及び認知症疾患医療センタ
情報 知 得 場合
域包括支援
(
知症疾患 療
ー)と情報共有のうえ訪問する(を図る)こと。
5
イ
情報収集
訪問時には十分な情報を得るために、(本人のほか)家族などのあらかじめ協力の
得られる人が同席できるよう調整を行い、本人の現病歴、既往歴、生活情報等に加え
家族の状況などを収集する。(略)
ウ アセスメント
認知症の包括的アセスメント(観察 評価)を行うために 本事業では以下の(ア)
認知症の包括的アセスメント(観察・評価)を行うために、本事業では以下の(ア)
~(エ)すべてのアセスメントツール(観察・評価票)を用いることとする。
(ア)地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート(DementiaAssessment
Sheet in Community-based
Community based Integrated Care System:DASC)
(イ)認知症行動障害尺度(Dementia Behavior Disturbance Scale:DBD13)
(ウ)Zarit介護負担尺度日本語版のうち8項目(Zarit Burden Interview:J-ZBI_8)
( )身体の様子のチェック票
(エ)身体の様子のチェック票
なお、上記の(ア)~(エ)に加えて、他のアセスメントツール(観察・評価票)
を利用することは差し支えない。
エ 初回家庭訪問の実施
初回訪問はおおむね2時間以内とし、訪問支援対象者ごとに優先順位をつけ、以下
の基本的支援を行う。
(ア)支援チームの役割と計画的関与を行うことの説明
(イ)基本的な認知症に関する正しい情報の提供
(ウ)専門的医療機関への受診や介護保険サービスの利用が、本人、家族にとってメリ
ットのあることについて説明
( )訪問支援対象者及び家族の心理的サポ トと助言など
(エ)訪問支援対象者及び家族の心理的サポートと助言など
6
初回訪問時に、認知症の包括的観察・評価、基本的な認知症に関する正しい情報の
の提供、専門的医療機関への受診や介護保険サービスの利用の効果に関する説明及び
び訪問支援対象者やその家族の心理的サポートや助言などを行う。(おおむね2時間
以内)
オ チーム員会議の開催
訪問支援対象者毎にアセスメント内容(観察・評価内容)を総合的に確認し、支援
方針、支援内容や支援頻度等の検討を行うために、専門医も含めたチーム員会議を初
回訪問後に行 、そ 後は適宜開催するも
回訪問後に行い、その後は適宜開催するものとする。
する。
なお、必要に応じて訪問支援対象者のかかりつけ医、訪問支援対象者を担当する介
護支援専門員、市町村関係課職員等の参加を依頼するものとする。
カ 初期集中支援の実施
認知症初期集中支援は、訪問支援対象者が医療サービスや介護サービスによる安
定的な支援に移行するまでの間とし、概ね最長で6ヶ月とする。
初期集中支援の内容は 以下のとおりとする
初期集中支援の内容は、以下のとおりとする。
(ア)医療機関への受診や検査が必要な場合は、訪問支援対象者に適切な医療機関の専
門受診に向けた動機付けを行い、継続的な医療支援に至るまで支援を行う。
(イ)訪問支援対象者の状態像に合わせた適切な介護サ ビスの利用が可能となるよう
(イ)訪問支援対象者の状態像に合わせた適切な介護サービスの利用が可能となるよう
に、必要に応じて介護サービスの利用の勧奨・誘導を行う。
(ウ)認知症の重症度に応じた助言
(エ)身体を整えるケア
7
(オ)生活環境の改善など
キ チームでの訪問活動等における関係機関等との連携 (略)
ク 初期集中支援の終了とその後のモニタリング
認知症初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合は、(認知症疾患医療セ
ンター、)地域包括支援センターや担当介護支援専門員等と同行訪問を行う等の方法
で、円滑に引継ぎを行うこと。
支援チームは、引継ぎ後2か月毎に引継ぎ後も医療や介護サービスが十分継続して
いるかを評価するために、訪問支援対象者について訪問する又は介護支援専門員への
る を評価するた に、訪問支援対象者に
訪問する又は介護支援専門員
聞取り等の方法で、当分の間モニタリングを行うこと。
また、チーム員会議において、引継ぎ後の2か月後にサービス利用状況などを評価
し、必要性を判断の上、随時モ タリングを行うこと。
し、必要性を判断の上、随時モニタリングを行うこと。
ケ 初期集中支援に関する記録 (略)
(3) 「認知症初期集中支援チーム検討委員会」の設置 (略)
8
平成25年度採択市町村の訪問状況(H25.8~26.3)
配置先
自治体名
1
診療所+
訪問看護
世田谷区
2
診療所
福島市
3
認知症疾患
医療センター
医療センタ
荒尾市
4
病院
(精神科)
白鷹町
5
病院
(総合病院)
南大隅町
人 口
相
談
事
例
数
把
握
事
例
数
訪
問
事
例
数
訪
問
延
件
数
訪1
問事
回例
数あ
た
り
困
難
事
例
数
例対訪
数す問
るの事
割困例
合難数
事に
事
チーム員会議
実施回数
1 事 例
あ た り
所要時間
862,840人
3,057
51
46
182
3.96
15
32.6%
11
12分
44,059人
61
50
59
160
2.56
20
41.7%
44
28分
55 381人
55,381人
211
40
39
109
2 42
2.42
26
83 9%
83.9%
13
15分
15,307人
144
75
60
130
1.88
11
34.4%
24
20分
8,639人
53
40
52
131
2.92
10
27.8%
24
20分
6
苫小牧市
174,221人
72
75
39
244
5.65
12
35.3%
23
30分
7
前橋市
340,945人
201
32
37
83
2.04
19
67.9%
26
10分
敦賀市
68,300人
229
114
44
141
3.46
17
48.6%
39
29分
長野市
長野
385,150人
,
420
42
52
210
3.88
33
82.5%
19
20分
10
宇治市
192,188人
918
94
53
126
2.70
19
41.3%
33
30分
11
神戸市
102,344人
444
50
42
139
1.70
14
46.7%
17
38分
12
新見市
32,852人
233
47
52
178
2.85
21
45.7%
18
15.3分
仙台市
62,608人
人
188
12
10
10
1.25
8
100.0%
14
6.3分
分
宇治市
172,377人
979
83
51
263
4.35
31
64.6%
11
9分
2,454,603人
7,022
793
636
2,106
3.14
256
50.4%
316
20.19分
8
9
13
地域包括支援
センター
市役所
14
計
【困難事例の例】
独居、高齢世帯、身寄りなし、介護負担が大きい、介護者の健康問題あり、受診拒否、サービスの利用に消極的、不衛生(身体、住環境)、近隣とのト
ラブル、経済被害、虐待など
9
訪問事例の内訳
【性別】
N 636人
N=636人
【世帯構成】
236人, 37%
222人, 35%
N 636人
N=636人
207人, 33%
独居
男
女
夫婦のみ
その他
414人, 65%
193人, 30%
10
【年齢】
N=636人
1人 0%
1人, 0% 1人, 0%
14人, 2%
46人, 7%
【把握ルート】
N=636人
人
105人, 17%
34人, 6%
56人, 9%
35人, 6%
47人, 7%
135人 21%
135人, 21%
40代
本人
50代
家族
60~64才
民生委員
65 69才
65~69才
近隣住民
70~74才
介護支援専門員
75~79才
医療機関
80~84才
その他
85~89才
90才以上
298人, 47%
85人, 13%
157人, 25%
人
192人, 30%
26人, 4%
40人, 6%
75才以上が83%
11
認知症初期集中支援終了者について
初期集中支援訪問事例 636
636名
名
終了者 368名
継続支援者 268名
268名
介入時の認知症日常生活自立度 N=368人
=368人
Ⅲb:7人
自立:2人
自立
人
Ⅰ:114人
0%
Ⅱa:112人
20%
Ⅱb:85人
40%
60%
Ⅲa:39人
80%
自立
Ⅰ
Ⅱa
Ⅱb
Ⅲa
Ⅲb
Ⅳ
М
総数
人数
数
2
114
112
85
39
7
7
2
368
割合
0.5
31.0
30.4
23.1
10.6
1.9
1.9
0.5
100
M:7人
100%
自立度Ⅰ~Ⅱbが
85%
【日常生活自立度】
Ⅰ ) 何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している。
Ⅱ ) 日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。
Ⅱa) 家庭外で上記Ⅱの状態がみられる。
Ⅱb) 家庭内でも上記Ⅱの状態がみられる。
Ⅲ ) 日常
日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さがみられ、介護を必要とする。
活 支障を来たすような症状 行動や意思疎通の困難さがみられ、介護を必要とする。
Ⅲa) 日中を中心として上記Ⅲの状態がみられる。
Ⅲb) 夜間を中心として上記Ⅲの状態がみられる。
Ⅳ ) 日常生活に支障を来たすような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁にみられ、常に介護を必要とする。
М ) 著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患がみられ、専門医療を必要とする。
12
【要介護認定に関する状況】
要介護2
7%
要介護3
1%
要介護4
2%
【介入時 認知症医療サービスについて】
内
要介護5
0%
要介護1
16%
訳
未 利 用
269
かつて利用
21
利 用 中
78
計
要支援2
4%
申請なし
59%
非該当
1%
要支援1
9%
申請中
1%
認知症だが詳
細分類不明
5%
人 数
290名
368
その他
16%
混合型
3%
【介入後 認知症疾患鑑別診断】
内
訳
人
数
割合(%)
診 断 あ り
205
55.7
診 断 な し
108
29.4
診断必要なし
53
14.4
2
0.5
368
100.0
未
記
計
入
前頭側頭
様変性症
3%
アルツハイ
マー病
60%
レビー小体型
認知症
4%
血管性認知症
9%
※その他の内訳
正常4、MCI8、うつ病等7、その他の精神疾患等5
13
【介入時介護保険サービスについて】
内
未
訳
利
人
【介入後
内 訳
数
299
かつて利用
13
な
利
56
未
中
人
312名
46
14.7
し
105
33 7
33.7
入
5
1.6
312
100.0
計
計
割合(%)
50.0
インフォーマルサービス
記
数
156
介護保険サービス
用
用
介護保険サービス等の利用】
368
【転
【引継先】
帰】
3%
1%
N=368人
N=368人
10%
5%
40%
在宅継続
入院
入所・入居
死亡
50%
介護支援専門員
地域包括支援センター
医療機関
91%
14
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