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地域産業を牽引する中小企業の現状と課題

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地域産業を牽引する中小企業の現状と課題
平成26年度 第2回大阪府・大阪市経済動向報告会
第2部
地域産業を牽引する中小企業の現状と課題
~課題を克服し躍進したブレイクスルー企業の特性~
2014.7.31
大阪府商工労働部
大阪産業経済リサーチセンター
主任研究員 越村惣次郎
1
報告内容
1
地域産業を牽引するブレイクスルー企業
2
ブレイクスルー企業の特性
3
ブレイクスルー企業の経営者の特性
Copyright(C) 2014 Sojiro Koshimura. All rights reserved.
1
地域産業を牽引するブレイクスルー企業
調査の背景と狙い
【調査の背景】
Ø 中小企業のなかには、自らが高い業績を獲得するだけでなく、域外
需要の獲得や雇用機会の創出など地域産業を牽引する企業が存在
Ø こうした中小企業は、独自技術や画期的なビジネスモデルなどに
よって一般的な中小企業の殻を破ることに成功した企業
Ø 本調査ではこれらの中小企業群をブレイクスルー企業(BT企業)
と定義
Ø BT企業は地域産業活性化の鍵を握るプレイヤーとして認識すべき
Ø しかし中小企業であるがゆえ、把握することが困難
【調査の狙い】
『地域産業の活性化を効果的に推進するため、その鍵を握るB
T企業を認識し、その特性を把握すること』
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2
1
地域産業を牽引するブレイクスルー企業
3
(参考)中小企業認識論と政策
問題型中小企業認識論
中小企業 (大企業に比べ)弱い
観
存在、救済対象
具体的
政策
保証協会付き融資など
のセイフティーネット
系の政策
貢献型中小企業認識論
地域活性化の源泉
研究開発助成制度など
付加価値を創造する政
策
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1
地域産業を牽引するブレイクスルー企業
4
(参考)ブレイクスルーの事例
◆A社(樹脂素材を加工販売、従業員3名)
Before
After
・ユーザーが求める製品特
性に応じた機能を持つ素材
を独自に配合し販売。
・その際、無料で加工レシ
ピを添付
・加工レシピを高付加価値
な加工ノウハウとして販売
・樹脂素材の研究開発企業
として事業を再構築
「ユーザーにとって便利な
下請け企業」
「樹脂のエキスパート企業
として高付加価値化を実
現」
但し、BT企業も一般企業も日本標準産業分類では同じ企
業。事業領域がニッチ分野であることが多いため、外部者
からは違いがわかりにくい。
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1
地域産業を牽引するブレイクスルー企業
5
BT企業とは
①地域に立地する中小企業から事業の革新(ブレイクス
ルー)を実現することで飛躍することに成功した企業
②BT企業は、地域外需要を地域内にもたらしたり、雇用
機会を創出するなど、地域産業の活性化に大きく貢献する
企業
①
中小企業群
BT
企業
②
②
域
外
需
要
地域内
③事業領域がニッチ分野に限られるなどの理由から外部か
ら認識することが容易でない企業
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2
ブレイクスルー企業の特性
(参考)地域内で調達し地域外で販売する企業
◆需要搬入企業 伊丹 敬之[1998]「産業集積の意義と論理」
①外部から需要を持ち込むことと
②持ち込まれた需要の変化に柔軟に対応すること
◆リンケージ企業 高岡美佳[1998]「産業集積とマーケット」
①需給コーディネイト機能:外部で獲得した需要を域内企業に配分
②生産コーディネイト機能:集積内の個々の企業の技術水準や職人、設備
の稼働状況等を常に把握し、調整
◆コネクターハブ企業(地域中核企業) 中小企業白書[2014]第4部第3章
①地域や業種の区分の中で取引が集中する度合いが高い
②地域や業種を超えた取引を行っている度合いが高い
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6
1
地域産業を牽引するブレイクスルー企業
7
調査の方法
Ø アンケート調査の結果から、BT企業と一般的な中小企
業を抽出し、比較分析を実施
Ø アンケートの概要
配布数
製造業
サービス業
合計
BT企業
候補層
(※)
1,500
一般企業候
補層
合計
有効発送数
回収数
(回収率)
1,500
3,000
2,969
698(23.5%)
500
500
1,000
937
189(20.2%)
2,000
2,000
4,000
3,906
887(22.7%)
※比較分析には、BT企業を一定量確保することが必要となるため、BT企業である可
能性が高いと思われる企業層を業績を基準に抽出
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1
地域産業を牽引するブレイクスルー企業
ブレイクスルー企業の抽出の考え方
Ø 一般的に優良企業などは量的に抽出するには、経常
利益率、労働生産性などの定量情報を用いることが
多い
Ø しかし様々な事業形態のある中小企業を一つの基準
で判別することは困難
Ø その結果は定性情報を用いた事例分析も多いが、量
的に分析できない
Ø 本調査では、アンケート調査により事業革新等の実
績を確認し、定性的にBT企業を抽出し、同時に得
た量的情報を用いて分析
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8
1
地域産業を牽引するブレイクスルー企業
9
BT企業と一般企業の区分
BT企業
一般企業
合計
364
290
654
55.7%
44.3%
100.0%
87
92
179
48.6%
51.4%
100.0%
451
382
833
54.1%
45.9%
100.0%
製造業
サービス業
合計
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10
1
地域産業を牽引するブレイクスルー企業
2
ブレイクスルー企業の特性
3
ブレイクスルー企業の経営者の特性
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2
ブレイクスルー企業の特性
『BT企業は地域を牽引する企業か?』
検証項目
①収益性
②雇用機会の創出
③地域外需要の獲得
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11
2
ブレイクスルー企業の特性
12
「①収益性」と「②雇用機会の創出」の検証
◆収益性や雇用の伸びにおいて、BT企業は一般企
業を上回っている
【各種業績等の変化の平均】
項目
製造業
区分
企業数
売上高経常利益率 BT企業
(過去3期平均)(%) 一般企業
平均値
売上高伸び率
(10年間)(%)
BT企業
331
257
329
6.35
4.53
70.64
一般企業
283
3.24
従業者数伸び率
(%)
BT企業
一般企業
344
269
35.24
2.61
サービス業
検定結果 企業数
***
***
***
平均値
77
73
73
7.67
4.71
237.61
79
79.37
75
79
212.28
58.15
検定結果の表示は次とおりで、以下同様。
n.s.:非有意, *:p<0.1, **:p<0.05, ***:p<0.01
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検定結果
*
**
*
2
ブレイクスルー企業の特性
13
「③地域外需要の獲得」の検証
◆BT企業は販売では地域外が高い傾向があるが、仕入、外
注では一般企業と変わらず域内中心の傾向がある
【取引内容別の取引先地域の割合】
製造業
サービス業
府外中心
府内中心
企業数 構成比 企業数 構成比
検定
結果
府外中心
企業数 構成比
検定
府内中心
企業数構成比 結果
販売
BT企業
219
68.0
103
32.0***
40
53.3
35 46.7*
132
54.5
110
45.5
30
38.5
48 61.5
仕入
一般企業
BT業
104
34.2
200
65.8n.s.
22
35.5
40 64.5n.s.
66
27.2
177
72.8
16
25.0
48 75.0
外注
一般企業
BT企業
67
24.5
206
75.5n.s.
21
31.8
45 68.2n.s.
一般企業
45
21.6
163
78.4
17
25.8
49 74.2
『BT企業には地域産業を牽引する企業が多い』
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2
ブレイクスルー企業の特性
14
『BT企業は規模で決まるわけではない』
◆規模に顕著な差はみられない
【各種業績等の平均】
項目
資本金額※
売上高(百万円)
従業者数(人)
区分
製造業
企業数
平均値
BT企業
363
2.69
一般企業
289
2.67
BT企業
356
1947.63
一般企業
285
1687.84
BT企業
一般企業
360
288
57.36
52.01
サービス業
検定結果企業数
n.s.
n.s.
n.s.
平均値
87
2.61
92
2.10
86
726.13
90
442.59
86
92
38.87
23.82
検定結果
***
n.s.
n.s.
※資本金額は、1.1千万円未満、2.1千万円~2千万円未満、3.2千万円~5千万円未満、4.
5千万円~1億円以下、5.1億円~3億円以下、6.3億円超の6段階で得た回答結果の平均値
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2
ブレイクスルー企業の特性
15
『販売先に対して優位な関係にある企業が多い』
◆価格決定権を有するなど、優位な関係にある割合が高い
【販売先との関係】
製造業
サービス業
BT企業 一般企業 カイ2乗 BT企業
(n=338) (n=252)
検定
(n=83)
一般企業 カイ2乗
(n=84)
検定
①取引価格は主に自社の意向で決まる
52.4%
41.7%
0.005 ***
50.6%
44.0%
0.440 **
②設計・仕様は主に自社が行う
55.3%
42.9%
0.001 ***
54.2%
41.7%
0.105 n.s.
③企画中の新事業・研究開発への参加を求めら
れる
32.2%
21.8%
0.003 ***
42.2%
21.4%
0.005 ***
④企画中の新事業・研究開発への参加を求める
10.1%
6.3%
0.095 *
13.3%
4.8%
0.058 *
⑤取引先に新規取引先を紹介している
8.6%
6.3%
0.282 n.s.
13.3%
4.8%
0.052 *
⑥取引先から新規取引先の紹介を受ける
29.6%
31.0%
0.864 n.s.
43.4%
36.9%
0.431 n.s.
⑦取引先に技術・ノウハウを助言や指導してい
る
37.9%
30.2
0.035 ***
48.2%
39.3%
0.276 n.s.
⑧取引先から技術・ノウハウの助言や指導を受
ける
27.2%
26.6
0.732 n.s.
15.7%
35.7%
0.003 ***
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2
ブレイクスルー企業の特性
16
『多岐にわたり強みを有している』
◆BT企業が全ての項目で上回っている
【市場における優位性】※「5.優れている」~「1.劣っている」の5段階
4.00
4.00
BT企業(サービス)
BT企業(製造)
一般企業(サービス)
一般企業(製造)
3.00
3.00
2.00
2.00
①
低
コ
ス
ト
化
②
最
新
の
技
術
・
ノ
ウ
ハ
ウ
③
応
用
技
術
・
ノ
ウ
ハ
ウ
④
高
付
加
価
値
化
⑤
ブ
ラ
ン
ド
力
⑥
新
市
場
発
掘
⑦
新
市
場
開
拓
⑧
社
外
高
度
・
専
門
機
能
の
活
用
⑨
地
域
産
業
と
の
連
携
⑩
事
業
リ
ス
ク
の
評
価
⑪
財
務
力
①
低
コ
ス
ト
化
②
最
新
の
技
術
・
ノ
ウ
ハ
ウ
③
応
用
技
術
・
ノ
ウ
ハ
ウ
④
高
付
加
価
値
化
⑤
ブ
ラ
ン
ド
力
⑥
新
市
場
発
掘
⑦
新
市
場
開
拓
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⑧
社
外
高
度
・
専
門
機
能
の
活
用
⑨
地
域
産
業
と
の
連
携
⑩
事
業
リ
ス
ク
の
評
価
⑪
財
務
力
2
ブレイクスルー企業の特性
17
『多様な経営課題に積極的に取組む企業が多い』
【今後3年間で具体的取組む経営課題】
1.既存取引先との取引拡大
2.既存市場における新たな取引先の開拓
3.参入企業の少ないニッチ市場の探索・参入
4.既に一般に知られている市場への新規参入
5.経営を補佐する人材の確保・育成
6.専門・技術人材の確保・育成
7.営業・事業企画人材の確保・育成
8.一般人材の確保・育成
9.通常の運転資金や設備維持の資金の確保
10.研究開発・新事業のための資金確保
11.外部の技術開発・研究連携先の確保
12.外部の販売連携先の確保
13.外部の生産連携先の確保
14.企画・デザイン連携先の確保
15.企業の知名度の向上
16.他社事業の買収による事業拡大
17.自社事業の売却
18.海外での事業展開の拡充
製造業
サービス業
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
+
※BT企業で取組みが多い項目は「+」、少ない項目は「-」
Copyright(C) 2014 Sojiro Koshimura. All rights reserved.
+
+
-
+
+
+
+
-
2
ブレイクスルー企業の特性
18
『支援策の活用意欲が高い企業が多い』
◆研究開発資金や高度人材に対する支援ニーズが特に高い
【今後活用したい支援施策】
製造業
回 企
答の業
割 全
合 体
資
金
関
連
人
材
関
連
1.信用保証協会保証付き融資
2.災害等の緊急時における資金融資
3.研究開発や新事業のための資金融資
4.設備投資に伴う低利子融資
5.低利子等の有利な設備貸与
6.設備投資等に伴う減税
7.経営者補佐人材の紹介・育成
8.販路開拓人材の紹介・育成
9.高度技術・ノウハウ人材の紹介・育成
10.会計、労務、法務人材の紹介・育成
11.定型業務型人材の紹介・育成
26.7%
14.1%
18.8%
40.9%
15.2%
40.6%
30.3%
38.3%
44.1%
10.6%
13.6%
のB
特T
性企
業
+
+
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サービス業
回 企
答の業
割 全
合 体
58.2%
14.5%
23.0%
18.8%
10.3%
21.8%
29.1%
33.9%
49.1%
7.9%
9.1%
のB
特T
性企
業
-
+
+
2
ブレイクスルー企業の特性
19
『支援策の活用意欲が高い企業が多い』
◆製造業において、大学との連携や経営者の交流などの支
援ニーズが特に高い
【今後活用したい支援施策】
製造業
回企
答業
割全
合体
の
外
関部
連連
携
報交
流
連提
供・
関情
開海
関外
連展
12.大学等基礎・応用研究の連携・相談
13.公設試験研究所等などの連携・相談
14.企画・デザイン等の連携・相談
15.知的財産権に関する連携・相談
16.販売・調達先との出会いの場
17.事業買収の相手先・仲介者の紹介
18.多様な分野の企業・経営者との交流
19.有望市場・分野に関する情報提供
20.海外での販路開拓に関する相談
21.海外への拠点進出に関する相談
22.海外での人材確保に関する相談
22.3%
26.6%
15.6%
14.7%
40.8%
7.0%
18.4%
31.1%
20.0%
9.5%
8.3%
B
T
性企
業
の
特
サービス業
回企
答業
割全
合体
の
+ 15.2%
9.7%
26.1%
+ 19.4%
55.2%
8.5%
+ 27.9%
32.7%
15.8%
11.5%
+ 7.3%
Copyright(C) 2014 Sojiro Koshimura. All rights reserved.
B
T
性企
業
の
特
2
ブレイクスルー企業の特性
20
(参考)BT企業の類型化(製造業)-因子分析
◆11の強みから共通因子を抽出
第1因子
第2因子
第3因子
第4因子
第5因子
① 品質を保ちつつ、低コスト化する技術・ノウハウ
0.059
0.837
0.056
0.004
0.083
② 新開発・導入した最新の技術・ノウハウ
0.396
0.214
-0.060
0.257
0.421
③ 既存のものを応用した技術・ノウハウ
0.064
0.237
0.079
0.155
0.689
④ 低コスト化と付加価値向上を同時に達成する技術・ノウハウ
0.059
0.647
0.080
0.165
0.258
⑤ ブランド力とその構築力
0.324
-0.006
0.001
0.366
0.228
⑥ 魅力ある新市場を発掘する情報収集力
0.808
0.031
0.159
0.129
0.171
⑦ 新たな市場に参入する開拓力
0.757
0.104
0.301
0.158
-0.005
⑧ 社外の高度・専門機能が活用できるネットワーク力
0.519
0.042
0.487
0.231
0.033
⑨ 地域に集積する協力企業と連携するコーディネート力
0.210
0.077
0.827
0.129
0.036
⑩ 事業リスク(撤退すべき基準など)の評価機能
0.214
0.175
0.365
0.470
0.093
⑪ 豊富な内部留保や高い資金調達力などの財務力
0.089
0.058
0.110
0.519
0.102
市場開拓 高付加価 地域ネット
技術・製品
財務力
力
値化力
ワーク力 ブランド力
開発力
Copyright(C) 2014 Sojiro Koshimura. All rights reserved.
2
ブレイクスルー企業の特性
21
(参考)BT企業の類型化(製造業)-クラスタ分析
◆クラスタ分析の結果、2つのモデルに分類
モデルⅠ
モデルⅡ
【市場開拓 【高付加価値 【地域ネット 【財務力・ブ 【技術・製品
力】
化力】
ワーク力】
ランド力】 開発力】
0.291
-0.635
-0.284
0.042
-0.533
0.303
-0.165
0.361
0.161
-0.024
モデルⅠ
0.400
モデルⅡ
0.000
-0.400
-0.800
【
市
場
開
拓
力
】
【
高
付
力加
】
価
値
化
【
ワ地
ー域
クネ
力ッ
】
ト
【
財
ン務
ド力
力・
】
ブ
ラ
【
技
発術
力・
】製
品
開
モデルⅠ:新技術・製品の開発等による高付加価値化を中核的
な強みとする企業群
モデルⅡ:企業体力に恵まれ、ブランド力や高いネットワーク
力を活かした市場開拓力を強みとする企業群
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2
ブレイクスルー企業の特性
BT企業の特性
◆地域外需要の獲得や雇用機会の創出など地域産
業への貢献度が高いことから地域活性化の鍵を握
る企業群
◆単に規模が大きいわけではない
◆取引先との間で有利なポジションを得ている
◆多様な強みを有している
◆多様な経営課題に積極的に取組んでいる
◆支援施策の活用意欲が高い
Copyright(C) 2014 Sojiro Koshimura. All rights reserved.
22
23
1
地域産業を牽引するブレイクスルー企業
2
ブレイクスルー企業の特性
3
ブレイクスルー企業の経営者の特性
Copyright(C) 2014 Sojiro Koshimura. All rights reserved.
3
ブレイクスルー企業の経営者の特性
経営者の属性
①年齢層
②プロフィール(創業者、親族、元従業員など)
③職歴
以上については、顕著な差はみられなかった
Copyright(C) 2014 Sojiro Koshimura. All rights reserved.
24
3
ブレイクスルー企業の経営者の特性
BT企業経営者のリーダーシップ
◆分析にあたっては、「変革型リーダーシップ」の
特徴をベースとした。
(参考)変革型リーダーシップは、不確実性の高い
経営環境の中で、変化に応じ企業を継続的に変革さ
せる際に有効なリーダーシップと考えられており、
その特徴としては、主に次の3点があげられる。
①魅力あるビジョンの形成と従業員への伝達
②ビジョンを実現させる戦略の構築
③従業員との人間関係の構築
Copyright(C) 2014 Sojiro Koshimura. All rights reserved.
25
3
ブレイクスルー企業の経営者の特性
26
『変革に適したリーダーシップを発揮する経営者が多い』
◆リーダーシップ実践度に関する6つの問い
① 企業の魅力ある将来ビジョンの提示と共有
② ビジョン実現に向けた具体的な戦略や目標の共有
③ 従業員のみで対応が困難な課題を経営者が技術的に支援
④ 財務情報等の企業情報を従業員に公開
⑤ コスト意識や事業運営上の価値観の共有
⑥ 個人的、感情的な面での意思疎通による信頼関係の構築
【製造業】
【サービス業】
①
①
4.00
⑥
4.00
②
3.50
⑥
3.00
②
3.50
3.00
⑤
③
④
BT企業
⑤
一般企業
③
④
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3
ブレイクスルー企業の経営者の特性
27
Case1『世界一の結束力が最大の武器!』
株式会社ノダ(代表取締役野田隆昌、従業員50人)
◆廃業が相次ぐなど厳しい経営環境が強
いられている抜き型業界において、同社
は顧客満足度向上を追及することで事業
を拡大しており、近年は海外進出も果た
してる。
◆この躍進を支えるのは開発・設計から生産、営業に至
るまでの各担当者が一体となり顧客に対応できる結束力
にある。取引先からも驚かれるという同社の結束力は、
経営ビジョン戦略、決算情報までを従業員に知らしめる
社内の情報公開体制と、社長以下、全員で参加できるイ
ベントなどを通した個人レベルの人的関係の構築体制な
どによって培われている。
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3
ブレイクスルー企業の経営者の特性
28
Case2『次世代人材を育成』
株式会社アルヴィオン(代表取締役平岡一郎、従業員90人)
◆ゲーム業界は家庭用ゲーム機からスマー
トフォンへと移行・拡大しており、各社と
も新たな事業モデルへの移行が求められて
いる。そのなか同社は、受託開発中心のデ
ベロッパーから自社ブランドを持つパブ
リッシャーへの移行を実現した。
◆それを可能としたのは、同社の人材育成体制
にある。同社では従来から家庭用から携帯・ス
マートフォン用など多様なゲーム機に対応した
ゲーム開発に取組んできたため、自社内に多様
な技術・ノウハウを蓄積することができた。ま
た開発中のソフトウェアを課題とした独自の次
世代人材育成体制を構築することで、即戦力人
材の獲得が可能であることも同社の強みとなっ
ている。
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3
ブレイクスルー企業の経営者の特性
事例にみるBT企業のリーダーシップ
◆経営者がビジョンや方向性を明確に提示
◆経営者による具体的な戦略・戦術の打ち出し
◆ビジョンや戦略・戦術の従業員との共有
以上の結果、全従業員が一丸となって目標に向け
取組む体制を構築
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調査結果を踏まえた今後の検討課題
◆BT企業は地域活性化の鍵を握る存在であり、地域産業の活性
化を効果的に推進するには、BT企業の実情を踏まえた政策の運
用が望まれる。そのための検討課題として次の2つが考えられ
る。
(1)BT企業による支援施策活用の促進
多様な経営課題に取組む傾向があり、支援策の活用意欲も高い
ことから、BT企業の的確な情報提供や適した支援策へのマイ
ナーチェンジなどを検討することが望ましい
(2)地域内での新たBT企業の創出
地域内企業のブレイクスルーの実現を促進するため、BT企業
特有のビジネスモデルやリーダーシップについての情報提供や両
経営者の交流を促進など、新たにBT企業を目指す企業向けの取
組みを検討することが望ましい。
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大阪府商工労働部
大阪産業経済リサーチセンター
主任研究員 越村惣次郎
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