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Official News Letter
vol. 130
30.Oct.2006
J.League Official Sponsors
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シーズンは
クライマックスへ
Network Partner
――白熱する首位、残留争い
今季のJリーグ ディビジョン1(J1)
、Jリーグ ディビジョン2(J2)とも、残すところ約1カ月と
なり、鹿島アントラーズとジェフユナイテッド千葉の対戦となった2006Jリーグヤマザキナビスコ
League Cup Sponsor
カップ決勝も開催。2006年のJリーグのシーズンも、いよいよクライマックスに突入だ。
J1の首位争いは、浦和レッズが第25節で首位に立ち、昨季のチャンピオンであるガンバ大阪をリー
ドしている。浦和は第22節から第28節(10月22日終了)まで6勝1分けと好調を維持。これに対し、
G大阪は第25節からの4試合で獲得した勝点が1で、後退を余儀なくされた。この両チームを川崎フ
ロンターレが追っている。また、J1残留をめぐる戦いも、白熱の度を増している。第28節の時点で、
入れ替え戦出場ラインの16位(アビスパ福岡)
、自動降格ラインの17位(セレッソ大阪)と、18位(京
都パープルサンガ)は勝点1差。一方、J2も第46節(10月22日終了)の時点で、柏レイソル、横浜FC、
ヴィッセル神戸が昇格の条件の一つである2位以内確保を目指し、激しい競り合いを演じている。
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決勝は鹿島と千葉が激突
2006Jリーグヤマザキナビスコカップ決勝は11月3日、東京・国立競技場で行われ
る。カードは、4年ぶり4回目の優勝を目指す鹿島アントラーズと、2連覇のかかるジェ
フユナイテッド千葉の顔合わせ。決勝のちょうど3週間前となる10月14日には、J1の
第27節でこの両者が対戦した。鹿島のホームで行われた試合だが、千葉はMF阿部
勇樹のプロ入り初のハットトリックなどで4−0と快勝。第5節で0−1と敗れた雪辱を
果たした。タイトルをかけた決戦の行方が注目される。
J1
一戦一戦が勝負
10月21日と22日に行
われた第28節までの状
況を振り返ってみよう。
特に安定した強さを発揮し、首位の座を
守っているのが、昨季は勝点1の差で初優
勝を逃した浦和レッズだ。9月10日の第22
節で大宮アルディージャを2−0で破って以
来、第27節のアビスパ福岡戦まで6連勝。
第25節(9月30日)にはアウェイで京都パー
プルサンガに5−1と大勝し、ガンバ大阪が
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ヴァンフォーレ甲府に2−3と敗れたため、
点7差は変わらなかった。
第20節以来の首位に躍り出た。
なった。
この浦和が3位の川崎フロンターレを迎
2位のG大阪は、日本代表にも選出されて
J1残留争いも目が離せない。福岡は第
えた第28節の試合は、首位争いにふさわし
活躍したFW播戸竜二の6試合連続得点な
26節で鹿島アントラーズ、第28節で磐田と
く互いに一歩も譲らぬ好試合だった。
どで首位をキープしてきたが、甲府戦を落
強豪をいずれも2−1で破れば、セレッソ大
ホームの浦和が、得点ランキング首位の
とした後、ジュビロ磐田に2−3と連敗。横
阪も3試合連続引き分けの後、第28節でサ
FWワシントンのゴールで先制。彼は出場
浜 F・マリノス戦は試合終了5分前に追いつ
ンフレッチェ広島に4−2の快勝。京都も3
した9試合連続得点と期待に応え、今季の
き1−1の引き分け。
試合連続引き分けと、降格圏脱出を目指し
て必死の戦いを続けている。
リーグ戦通算を20点に伸ばした。一方、川
西野朗監督は「よく追いついてくれた。こ
崎FはジュニーニョのPK、MF中村憲剛の
の流れを次につなげたい」と巻き返しのき
川崎Fの関塚隆監督は2−0で甲府に勝
ヘディングシュートで逆転に成功した。しか
っかけをつかんだかにみえたが、続く第28
った第27節の試合後、
「これからは一戦一
し、その2分後、浦和はMFポンテが決めて
節のFC東京戦は2点をリードしながら、2−
戦が勝負になる」と語ったが、それはどのチ
2−2。試合は引き分けに終わり、両者の勝
3の逆転負けを喫し、浦和との勝点差は6と
ームにも共通した意識だろう。
J2
予断を許さぬ昇格争い
10月22日に第46節を
歳のベテランFW三浦知良が貴重な得点を
終了したJ2は、ヴィッセル
決め、湘南ベルマーレを1−0と下し、こちら
神戸が勝点83で首位。これを勝点1差で横
は4連勝。
浜FCがぴったりとマークし、さらに同4差で
柏レイソルが追うという接戦だ。
J1昇格条件の一つである2位以内を目指
す戦いは、まったく予断を許さない。
「目の前
柏は第45節、愛媛FCとのアウェイゲーム
の試合を一つ一つ取っていくことに集中すべ
に1−3の敗戦。2位の神戸がモンテディオ
き」
(山形戦後、神戸の松田浩監督)
、
「安心
山形を1−0と下し、
トップに躍り出た。神戸
せず、気を引き締めて」
(第45節の札幌戦後、
は続く第46節もコンサドーレ札幌に4−1の
横浜FCの高木琢也監督)のコメントからも、
快勝で3連勝。また、横浜FCは第46節、39
緊迫した戦いが続きそうな気配が漂う。
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Jリーグ・アカデミー ブラジル研修
Jリーグ広報部 入江抄子(いりえ しょうこ)
BOLA PRA FRENTE!
―― 一緒に前進しよう!
Jリーグ・アカデミー海外研修は今年で5年目を迎えた。
過去4年、欧州を中心に世界のサッカーを視察してきたが、今年は初めて、
FIFAワールドカップで最多となる5度の優勝を誇るブラジルを訪れた。
サッカーは、その国の社会背景や教育環境、文化や気候のすべてを色濃く反映する。
生活の末端レベルにまでサッカーが染みわたり、
昔から多くの優秀な選手を生み出し、世界に供給してきたブラジルでの研修は、
生活そのものとなっているサッカーのルーツを探る旅となった。
ブラジルサッカーの底辺
ホームのモルンビースタジアムに隣接する
ブラジル政府発表のデータによると、ブラジ
施設には、U-13のグラウンド施設のほか、サン
ルにおける貧困層は4710万人で、人口1億7
パウロFCの会員が利用できるさまざまなスポ
手獲得に資金を充ててチーム強化を図ってき
千万人の28%に相当する。これに低所得層
ーツ施設が整備されている。
た。近年のブラジル国内の勢力図がサンパウ
の人々を合わせると、その割合は70%を占め
ブラジルでは、セレソン
(ブラジル代表)
にか
ロ優勢となったのは、中長期の計画で少年層
るとも聞く。このうち650万人がファベーラと
かる国民の期待が非常に大きく、選手が若い
の強化にクラブとして取り組んできたか否かの
呼ばれるスラム街に住む。ファベーラの半数
うちから期待に応えるプレーができるよう要求
差が現れてきた結果だと言われている。
はサンパウロやリオデジャネイロなどの都市に
する指導者も多いという。しかしサンパウロF
集中している。
Cでは、重圧で子供が委縮し、創造性、チャレ
ナシオナウ
こうした社会背景の中で、国やサッカー協会
ンジ精神が失われることがないよう、13歳年
現在ブラジル2部リーグに所属するナシオ
は、子供たち
代では公式戦には出場させず、親善試合のみ
ナウは、サンパウロ市北東に位置する。経営
が非行に走
に参加させている。基礎練習の後、紅白戦に
は、入場料やスポンサー料のほか、総合スポ
らな い よう、
なると子供たちの表情はとたんに変わり、全
ーツクラブとして運営するクラブの会費で賄
全国の広場
員が戦う姿勢むき出しにボールへ向かってい
うが、慢性的な赤字を抱えている。多くのブ
にサッカーが
く姿が見られた。
ラジルのプロクラブは決して裕福とはいえず、
外から選手を獲得する潤沢な資金はない。
楽しめる広場
日本では、ビブスの色で敵味方を分けるの
やグラウンド
が一般的であるが、ここでは、紅白のヘアバン
いかに優秀な選手を下部組織から育て、さら
を整備し、ボ
ドでチーム分けを行っていた。
「コミュニケーシ
には高く売るかが、クラブの未来をかけた重
ョンと、常に顔をしっかり上げてプレーするた
要なミッションとなっている。ナシオナウは、
め」だという。
典型的なブラジルの中堅プロクラブだといえ
ランティアの世話役を配置している。
ブラジルでは、貧しい暮らしから抜け出すた
るだろう。
■
めに、男の子はプロサッカー選手、女の子は
サンパウロ郊外に位置する13∼17歳のユ
トップチームは17、18歳の若手選手を中心
供たちは有名選手のプレーをまねながら、
ース施設では、いよいよプロに向けての準備
に構成され、年間数人の選手がサンパウロ
国中に広がる広場でボールをけって育つ。
段階として本格的な指導が行われていた。ゴ
FCなどの強豪クラブに移籍していくという。
どんな広場でも、指導者は徹底的に反復練
ルフ場と見まがうような施設は22万平方メート
サッカー輸出大国ともいわれるブラジルでは
習を繰り返し、この底辺の段階で基礎技術、
ルの広さを持ち、サッカーグラウンド7面、GK
国内リーグで選手の低年齢化が進む。優秀
創造的なチャレンジ精神が十分に養われる
専用グラウンド、クラブハウス、プール、食堂、
な選手は次々と欧州などに移籍し、国内リー
ことになる。
寮、歯医者、パソコンルームなどが完備されて
グでは残った若手選手たちがプレーすること
いる。
になるからだ。2005年のデータでは、ブラジ
モデルかサンバダンサーを目指すという。子
プロ選手の卵たちを見つけ出す目利きのス
ル全土で3,500人もの選手が海外に移籍して
カウトはまず真っ先に町の広場やビーチ、フッ
選手は近くの学校に通いながら練習を行
トサル場に足を運ぶ。サッカーの上手な選手
う。練習量は多いが、あくまでも基礎技術の
いった。成熟し
が雨後のたけのこのように次々に出てくるのは
習得を徹底し、楽しんでプレーすることを目的
た選手が次々
12歳ころまでだというが、国や地域の確かな
としている。
に流出する中、
仕掛けがベースにあることを見逃してはならな
サンパウロFCでは、スカウトしてくる時点で
クラブは少しで
い。これ以降の年代では、クラブが莫大(ばく
骨の科学的検査を行い、子供の成長度を事
も早くプロとし
だい)
な育成資金を投下して、プロ選手へと磨
前に見極めている。ファベーラ出身のやせ細
て活躍できる選
き上げていくのがブラジルサッカーの基本的
った小さな子供でも、サッカーの素質と成長
手を育てること
な設計図である。
度が見込まれれば、寮に入り、
トップクラスの
に力を入れる。
ナシオナウのクラブ施設はサッカー場3面
指導と十分な栄養管理によって、プロ選手に
サンパウロFC
のほかに、会員が使うさまざまなスポーツ施
育て上げられるというわけだ。
昨年のFIFAクラブワールドチャンピオンシ
サンパウロ州のプロクラブは、ここ10∼20
設が整う。サッカー場の一つは、市のサッカ
ップで優勝を飾ったサンパウロFCは、国内で
年、選手移籍金などで得られた資金を施設の
ー協会に定期的に貸し出され、協会が地元
も有数の施設と選手育成システムを持ち、サ
整備や下部組織の強化に投下してきた。
一方、
の貧しい子供たちのためのサッカースクール
ンパウロ市内にトップからユースまで3つの拠
ブラジルの2大都市としてサンパウロと覇を争
を開設している。ブラジルでは多くのプロク
点がある。
うリオデジャネイロのクラブは、外部からの選
ラブがこのような「総合スポーツクラブ」とし
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て運営されている。
ラの生活に戻らなくてはいけない。試合や練
フラメンゴFC
して何十年もの間実践されてきた戦う姿勢は、
習での必死なアピールは当然であろうし、そう
リオデジャネイロの4大クラブの一つ、フラメ
ンゴFCでは下部組織に属する選手の多くが、
自然とブラジルサッカーの精神的なバックボー
ンとなっている。
クラブのフットサル部門出身の子供たちだ。ほ
今回U-15 Jリーグ選抜を率いたガンバ大阪
かにストリートサッカーや、町のフットサルクラ
の上野山信行監督は「日本の選手も、個々の
しむ。リオデジャネイロのコパカバーナ海岸で
ブからも集まる。個々の選手をフットサルから
気持ち次第でアグレッシブなプレーができるは
は、大人から子供までが白い砂浜いっぱいを
11人制のサッカーにスカウトするタイミングが
ず」
と話す。ブラジル人選手の気迫に圧倒さ
使ってサッカーを楽しんでいた。ほっておけば
目利きのスカウトの仕事だ。選手選考過程で
れて帰ってきた15歳の日本の子供たちが、自ら
一日中でも遊んでいそうな勢いだ。見学する
最も重視されるのは、技術力。体格や身体的
の意思でたくましく成長していくことを願いた
観光客の背景には、ファベーラの住居がびっ
強さはそれに次ぐ要素となる。
い。
しりと張り付いた小高い山が見え隠れする。
社会への還元
隣の貧しい子供たちのために、ビーチを開放
このビーチを管理するベンジャミン氏は、近
リオデジャネイロから車で30分ほどのところ
し、週に3回サッカーの指導を行っているとい
に、ジョルジーニョ氏(元鹿島アントラーズ)
の
う。ビーチサッカーのセレソン
(ブラジル代表)
運営するスポーツ教育センター
(CEEJ)
がある。
であるという彼は「貧しい子供たちが非行に走
周囲には、粗末な板をつなぎ合わせただけの
らないように、ボランティアで子供たちを集め
家が密集するファベーラが広がる。
て教えている。ビーチサッカーの指導は社会
ジョルジーニョ氏はCEEJの裏手にあるアパ
貢献」
と話す。
ートで生まれ育った。CEEJは、家庭内暴力や
また、サッカーの隣では、ビーチラグビーの
不登校、栄養失調などさまざまな問題を抱え
試合も行われており、あらゆる広場でスポーツ
14歳の年代でも毎週10名ほどの選手がテス
た子供たちが非行に走らないよう、そして社会
を楽しむブラジルのスポーツ文化がここにもあ
トを受けにやってくる。これは多くのプロクラ
人として立派に独り立ちできるようにと、ジョル
った。
ブに見られる現象で、優秀な選手がいればそ
ジーニョ氏が2000年に設立した。土地は市
の子を入れるためにすでに登録済みの選手で
の貸与によるもので、企業の支援はあるもの
フラメンゴFCのように名のあるクラブでは、
もふるい落とされる。日々選手は入れ替わり、
ゴールがあればそこはサッカー場
欧州と同様、ブラジルでも都市化が進み、
練習の中にも激しい競争がある。サッカース
交通量の増加や犯罪の多発化などからも、危
クールも全国53カ所に分校があり、そこで年
険を伴う
「ストリートサッカー」に興じる風景は
に何度かテストを行い、優秀な選手はリオ本
減ってきたようだ。かつて多くの創造的でアグ
体のチームに吸い上げられていく。
レッシブな選手を育ててきたストリートサッカー
だが、今ではフェンスで仕切られた町の広場や
戦う姿勢の育成
プロクラブの下部組織に取って代わられたと
どのクラブでもどの年代においても、公式
いう。
戦、練習試合にかかわらず子供たちの戦う姿
ただし、広場といっても、町の一角の草むら
勢が目を引いた。U-15 Jリーグ選抜が出場し
や土、コンクリートのわずかなスペースをフェン
たブラジル−日本友好カップでも、多くのJク
スで仕切り、粗末な「ゴール」
を置いただけの
ラブの選手たちが、ブラジル人選手のアグレッ
場所がほとんどだ。目の前に「ゴール」があれ
シブでひたむきなプレーに日本との違いを感じ
の、ほとんどの費用をジョルジーニョ氏個人が
ば、子供たちは自然とボールをけりこみたくな
ていた。
負担して運営している。現在850人の生徒が
るという。サンパウロでもリオでも、町の中心
通い、ボランティアを含めた60人のスタッフが
地にも郊外にも無数の大小の「ゴール」が置
働いている。
かれており、砂ぼこりの中、はだしでサッカーを
この大会を通じて分析されたブラジル人選
手の特徴として、
「ゴールを意識したプレー
(仕
掛け、こぼれ球へのアプローチ)
」
「ボールを奪
入学条件は明確で、
「学校に通っているこ
われないスキル」
「激しさ、ハイプレッシャー」な
と」。学校で勉強し、CEEJで社会性を養う。
「Jリーグ百年構想」は、芝生のグラウンドや
どがあげられた。
サッカーのほかに、空手など多種目のスポーツ、
総合スポーツクラブの整備を目指しているが、
ジーコサッカーセンターのジュリオ・セザール
音楽、絵画、外国語、パソコンなど多彩なプ
コーチは「ブラジルの子供は自分にボールをよ
ログラムがある。スポーツをきっかけとして入っ
こせよこせとプレーしたがるが、日本の子供た
てきた子供たちが、自分が本当に好きなこと、
ちはプレッシャーを受けると早くボールを渡さな
夢中になれること、将来に向けて興味のある
きゃ、とまるで爆弾ゲームをやっているようだ」
ことを見つけられるようにと用意されたものだ。
と評した。
楽しむ子供たちの姿を見かけた。
ブラジルでは、サッカーで成功した多くの選
多くのブラジルの子供たちは生活をかけて
手が市や企業の協力を得て、CEEJのような
プレーしている。チームへの登録が解除され
子供たちの育成のための多様な社会還元の
れば、学校にも行けず、働くしかないファベー
活動を行っている。CEEJの子供たちのおそ
ろいのTシャツには、
“BOLA PRA FRENTE”
と印刷されていた。直訳すると
「ボールを前に」
。
つまり、
「一緒に前進しよう!」
というのが学校
立派な施設を作ることが今すぐ実現せず遠い
の合言葉であり、ジョルジーニョ氏の願いだと
先のことになるのであれば、子供たちがついボ
いう。
ールをけりたくなるような、身近な環境をつくる
発想もあっていいだろう。その国の「ゴール」の
ビーチサッカー
ブラジルでは多くの人がビーチサッカーも楽
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数は、サッカー文化の成熟度、ひいてはサッカ
ーの強さを象徴しているかもしれない。
Topics
審判委員会委員長・参与選任について
ニッポン放送とJリーグ ラジオ放送権契約締結
Jリーグは、審判委員会・委員長にJFA審判委員会委員長の松崎
康弘(まつざき やすひろ)氏を新たに選任した。また前審判委員長
Jリーグは、株式会社ニッポン放送と、2007年シーズンからの Jリ
ーグ ラジオ放送権契約を更新することを決定した。
の高田静夫氏の退任に伴い、同氏を参与に選任することを同時に
Jリーグ ラジオ放送権 契約
決定した。
契約対象局
株式会社ニッポン放送 ■審判委員会
契約期間
2007年4月1日∼2012年3月31日(5年間)
委員長
委員
松崎 康弘
小幡 真一郎
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森津 陽太郎
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菊池 秀夫
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鎌田 光夫
■参与
Jリーグ レフェリー用品サプライヤーに
アディダスジャパン株式会社
Jリーグは、
「レフェリー用品サプライヤー」契約をアディダスジャパ
参与
ン株式会社と締結することを決定した。
高田 静夫:前社団法人日本プロサッカーリーグ
審判委員会 委員長
Jリーグ レフェリー用品サプライヤー
1996年4月∼2006年10月 (在任期間10年6カ月)
2006Jリーグヤマザキナビスコカップ決勝で、
』を使用
『+(プラス)チームガイストTM(新色)
Jリーグは2006Jリーグヤマザキナビスコカップ決勝において、Jリ
企業名
アディダスジャパン株式会社 契約期間
2007年1月1日∼2008年12月31日(2年間)
FLAGS TOWN展示会
(2007春夏)
ーグオフィシャルサプライヤー、株式会社モルテン
(広島市、民秋史
Jリーグエンタープライズ(株)/Jリー
也代表取締役社長)の提供を受け、公
グフォト
(株)
は、10月10、11日に東京都
式試合球としてアディダス社の「+(プ
墨田区で
『FLAGS TOWN 2007年春
ラス)チームガイスト (新色)」を使用
夏新商品展示受注会』
を開催した。
TM
©
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PHOTOS
することになった。このボールは、07年
Tシャツをはじめとするアパレル類、応援雑貨類、
トレーディングカー
の公式試合球として使用されることも決
ドなど、07年春夏に向けた日本代表およびJリーグの新商品を幅広く
定した。
展示。特にアパレル商品では機能素材を使用した商品を多数企画し、
©
© J.LEAGUE
J.LEAGUE PHOTOS
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吸汗速乾・高はっ水・高機能ストレッチなど、より高品質を目指した商
+(プラス)チームガイストTM(新色)
−2006Jリーグヤマザキナビスコカップ決勝 公式試合球−
品を紹介した。
Jリーグ百年構想
Jリーグスポーツ振興支援
――アビスパ福岡支援のラッキーストライカーズが
全国障害者スポーツ大会に参加
10月14、15日、神戸ウイングスタジアム
者を派遣しチーム支援を行っている。
フットサルコートで、Jリーグスポーツ振興
全国から7チームが参加した大会に、チ
支援の対象で、アビスパ福岡が支援する
ームは1勝を目標として臨んだ。予選リー
音サッカーチーム(視覚障害者サッカー)
グで惜しくも敗退となったが、順位決定戦
「ラッキーストライカーズ」が、第6回全国障
で見事念願の1勝を果たした。塚本秀樹
の切り替えを来年への課題としたい」
と抱
害者スポーツ大会「のじぎく兵庫大会」に
監督(アビスパ福岡)
は、
「技術、戦術の伝
負を語った。三好選手は11月にアルゼン
参加した。
え方は難しいが、コミュニケーションを取り
チンで開催される世界大会にも日本代表
ながら理解を深めている」
と話してくれた。
として出場予定だ。
音サッカーとは、視覚障害者による5人
対5人のサッカーで、転がると鈴のなるボ
同チームのコーディネーター、下田功氏(ア
どの試合も、ひたむきで激しいプレーが
ールを使い、サイドラインに壁を作ったフッ
ビスパ福岡)
は、
「選手たちが空間を認識
繰り広げられ、汗を流しサッカーを楽しむ
トサルコートで行われる。GKには健常者
する能力には特別なものがある。彼らの
選手たちの姿が見られた。障害者と健常
が認められている。アビスパ福岡は、現在
持つ素晴らしい能力を引き出してやりた
者がひとつになって初めて楽しむことがで
九州で唯一の音サッカーチーム「ラッキー
い」
と話す。
きるピッチの中は、まさにバリアフリーの世
ストライカーズ」に、コーディネーター、指導
三好健朗キャプテンは「守備から攻撃へ
界である。
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Voice
サッカー界発展のために全力を尽くして
豊島 吉博(とよしま よしひろ)
Jリーグエンタープライズ/Jリーグフォト ◎
6月から、はからずも“Jリーグエン
商品では、
“選手フィギュア”など。
タープライズ”と“Jリーグフォト”の
Jでは、カルビー“Jリーグチップス”
社長を務めさせていただいている。
などの商品が人気だ。
これまで、日本サッカー協会の仕事
“フォト”の方は、試合の記録写真
を長くしていたので、仕事上の接点
や、著作権・肖像権使用商品制作、
はあったが、内容については、正直
管理、販売が主。人気商品では、
まだ認識が薄かった。
代表(男女)
カレンダー
(壁掛けと卓
上)
とJリーグカレンダー、選手のオ
しかし、専任で勤務を始めてみる
© J.LEAGUE
J.LEAGUE PHOTOS
PHOTOS
©
と、このJリーグ関連3社(Jリーグ映
FLAGS TOWN 2007年春夏展示会
フィシャルトレーディングカードが毎
年の売れ筋。写真盾、ブロマイドも
像含む)の存在が、Jリーグおよび日
本サッカー協会にとって一種の生命線とでも言うべき大きな存
好評だ。
私たちの愛するサッカーに関係する“物”を作り、その“物”
在であることを痛感している。今さらながら、この3社を立ち上
げた先人の先見性とセンスに、改めて感謝の念を強く感じてい
を通して、サポーターやサッカーファミリーとつながっている。こ
うした営業活動を、いろんな方々のご協力、ご支援をいただき
る。と同時に、責任の重さに身が引き締まる思いである。
私同様に、Jリーグ関係者のみならず、サッカー界でも、会社
ながら会社を挙げて展開している。
そして、できうる限りの利益を出して、Jリーグ(各クラブ)
、日
の内容が見えにくく、一体何をやっている会社? と、よく聞か
本サッカー協会へ還元、全国各地での強化や普及事業分野で
れる。この機会に、会社のPRや説明をしたい。
1993年Jリーグの創立にあたって、プロである以上、
「サッカ
有効に役立ててもらっている。サッカーファミリーへの利益循環
ーのプロ」をビジネスとして展開する、ハウスエージェンシーの
である。世界やアジアの大会成績や、Jクラブ経営向上などに
スポーツマーケティング会社として、同年スタートした。
貢献できれば、うれしい限りである。
スタートとともにブームを巻き起こしたJリーグ。そんな中にあ
日本サッカー協会は「2005年宣言」で将来の大目標に向か
って、先行のプロ野球ができなかったリーグ主導でのビジネス
って進行中、Jリーグも「Jリーグ百年構想」に基づき、当初の
事業展開を担ったのが、この関連3社だ。
10クラブから31クラブに増えるなど、着々成長している。当社
Jリーグに加え、日本サッカー協会の委託によるサッカーの試
としても、当然、この2大組織の理念に沿って、いかに、事業を
合および公式行事に関係する、ライセンシー営業管理、グッズ、
拡大し活動できるか。常にそのことを、念頭において仕事をし、
映像・写真撮影、ライブラリーなど、多岐にわたる領域で、両組
日本サッカー界発展のために、全力を尽くしお役に立ちたいと
織のオフィシャル会社として事業展開してきた。
思っている。
日本代表の試合日には、会場は無論、日本中が青く染まり、
“エンター”の主な事業は、日本代表とJおよび各クラブグッズ
販売とライセンスビジネス。一般の人にわかりやすいのは、応
国民がサポーターグッズを身にまとって代表を応援する。そし
援グッズ(選手の背番号付のTシャツ、タオルマフラー、メガホ
て、Jリーグの試合日には、ホーム、アウェイにかかわらず、それ
ぞれのホームタウンで、町を挙げてク
ンなど)。代表と各クラブカラーが生
き、選手と一体感があるものとして評
判だ。このほか、キーホルダー、ストラ
ップ、文房具なども人気だ。これから
のシーズンでは、コート、ジャケット、手
袋、帽子も欠かせない。
ライセンスビジネス部門では、日本
代表とJマークの商品への使用管理、
営業が主力。約80社と契約、約200
品目が商品化となっている。代表関連
ラブカラーがあふれ、おらがチームへ
PROFILE
1951年愛媛県生まれ。73年神奈
川大卒業後、愛媛新聞社入社。
四国サッカー協会理事長、日本
サッカー協会理事、日本体育協
会理事ほかスポーツ役員を歴任。
94年5月、愛媛新聞社を退社。
日本サッカー協会事務局長など
を経て、2006年6月、Jリーグエ
ンタープライズ、Jリーグフォト
©
© J.LEAGUE
J.LEAGUE PHOTOS
PHOTOS 両社の代表取締役社長に就任。
の声援が響き渡る。そんな光景が、J
クラブの広がりとともに全国各地に少
しずつ増えていく。今は夢。だが、生
きているうちに、実現させてみたいと
心に誓っている。
これは、私だけの夢ではないと思う。
皆さん、ともに力を合わせて夢を実現
しませんか。
写真提供:© J.LEAGUE PHOTOS
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30.Oct.2006
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vol.130
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