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4 自動測定法の開発

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4 自動測定法の開発
4 自動測定法の開発
4-1 序
大気科学における自動連続測定は、窒素酸化物、硫黄酸化物、一酸化炭
素、光化学オキシダン卜などの大気汚染物質の調査、監視などのように、
局地的な環境問題の把握および解決に重要な役割を果たしてきた。最近は
地球規模;の環境問題の解明や、地球科学的な研究の手段として、自動連続
測定が一層注目されている。
自動連続測定の利点は、短い時間間隔で測定することによって対象物質
の大気中濃度の経時変化を知ることが可能であること、人間による操作が
介在する方法に比べて測定精度が高いこと、容器、バッグなどへサンプリ
ングして保存してから測定する方法に比べると汚染や吸着などの試料の変
質が少ないことなど、数多い。
一方、自 動連続測定法に求められる条件としては、装置の維持が簡便で
あること、検出器感度の長期間にわたる変動(ドリフト)が小さいこと、
測定時間間隔ができるだけ短いこと 、なとが挙げられる。
ただし、最後に挙げた測定時間間隔の条件は、測定の目的によって異な
る。例えば、自動車の排ガスに含まれる大気汚染物質の濃度や組成がエン
ジンの負荷の違いによってどのように変化するか、といった問題を解明す
るためは、数分から時には数秒の間隔での測定が要求される。 一方、都市
大気中の光化学オキシダントなど日周期で濃度が変化する物質が対象であ
れば、数十分ないし数時間の間隔でも充分であると考えられる。
また、サンプリングの開始から終了までの時閣が異なると 、得られるデ
ータがかなり異なった意味をもっ場合がある。例えば工場などの作業潔境
において、人体へ影響を及ぼす有害化学物質の濃度を調べたい場合、サン
8
1
プリング時闘が短いと瞬間値しか得られず、測定を多数回繰り返さないと
実際に許容濃度範囲を越えているかどうかの判定が困難であるが、数分
数時間かけてサンプリングして時間平均濃度を求めれば目的は達成される。
以上の例から明らかなように、
「自動連続測定」というとき、
「連続」
のもつ意味は目的によって異なり、誤解を生じやすい。本研究では、大気
中寿命が短いものでも数週間以上のハロカーボンを対象としており、長寿
命化合物の大気中濃度の経年変化の測定は年に 2回の頻度で行ってきたこ
とも考慮すると、数十分
数時間の間隔での瞬間濃度の測定は連続測定と
称して権わない思われるが、以後は単に「自動測定」と表現する。
ハロカーボン類のパックグラウンド大気中濃度の自動測定は 1978 年に
米国主体の ALE (AtmosphericL
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) において初めて行われ
た へ GC/ECD を用いたこの装置は、 61
時閣の間隔で CFC1
2、 CFC-11、
CFC-113 、 CH 3 CCI 3 ,および CCI ,の濃度を 1~2% の精度で測定することが
可能であった。その後このプロジェクトは GAGE(
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t)、さらに AGAGE(AdvancedGAGE) へと引き継がれる間に測定
法および検査法が改良され、現在まで、これらのハロカーボン類の大気中
挙動を知るための膨大なデータを提供してきた o NOAA (Na
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eで稼動する自動測定装置、容器に探取した加圧試料の自動演)
1
定
装置をそれぞれ 1986年
、 1
9
9
1年に開発し、改良を重ねている
Z3SHOo
最近
では GCぶ犯を用いた自動測定法の報告もいくつかある。これまでに報告
e4
1にまとめた 。
されている主な自動測定法を Tabl
しかしこれらの測定法には大きく分けて 二つの問題点が残されている。
その第 一は室温以下の低温が必要とされることである。低濃度の成分の
定量においては固相吸着ー加熱脱離によって目的成分を濃縮して G Cカラ
ムへ導入する方法がよく用いられるが、固相(ガラスビーズ、または Tenax
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e
れるため、液体窒素、液体二酸化炭素(吹き付け)などの冷媒が必要とな
る聞、到。冷媒の代わりにペルチエ素子を用いて電気的に冷却する方法も報
告されているが
、冷却の効率は冷媒に劣ると考えられ、結露を防ぐ工
87,8
8
夫も必要である。したがって、経済性、取り扱いの便宜を考慮するとこれ
らの方法は長期間の無人自動測定を行う場合には最適とは 言えない。特に
キヤピラリーカラムを用いるため多量の試料を濃縮する必要がある
GC
ル1
S法では、この問題の解決が困難である。
第二の問題は、水蒸気などの妨害成分の扱いである。目的成分が低濃度
であるため試料量を増やさなければならないが、それに伴って水蒸気の量
も増加する。水蒸気は GCカラムに入ると、テイリングなどの形でベース
ラインを乱すことが知られている。これを避ける方法としては、乾燥剤
(
K2
C03,CaC03,Mg
(
CI
O.
)
2,P2
05
,NaOHなど )を充填したトラップ、イオ
f
i
on)から成る透過性チューブ、。 O
C以下の低温に保ったコ
ン交換膜 (Na
ールドトラップなどに試料を通して脱水する方法があるが、いずれも (
特
に高沸点化合物や極性化合物について )汚染や吸着などの問題が指摘され
ている
28,9,
19
20
ALE/
GAGEの方法は冷媒を用いない点で優れているが、他
のほとんどの報告と同様、透過性チューブを用いている。
本研究では、これらを含む自動化における問題点を詳細に検討し、遠隔
地での無人測定なども可能となるように 、寒剤l
や乾燥剤 ・透過性チュープ
を用いず、切替パルプを効果的に使用した自 動測定法の開発を試みた。分
析の対象として、 ALE
/
GAGEでは測定していない短寿命の CHCl
=CChおよ
び CCh
=CC
l;を含む主要な 7種類のハロカ ーボン (
T
a
bl
e4
-2) を選んだ。
NOAAの自 動測定法ではこれらの測定が可能とされているが (
T
a
b
le4
1
)、実際
(次ベージへ続く)
8
4
これらの化合物の沸点は 30 '
Cから 1
21'
Cと広範囲に及ぶため、分総カラ
ムの前のプレカラムにおいて妨害成分を分離したり 予備的な分離を行った
りする 2段カラム分雌方式を、 2チャンネル並列に探用することによって、
Dの下流に、キ
分離 ・分析を行った。さらに低沸点成分周チャンネルの EC
ヤリヤーガスに酸素を添加して高感度化した EC
D を接続することによっ
て、通常の E
CDでは感度が足りない代替フロン HCFC2
2の濃度測定も試
みた。
4-2 装置の設計および製作
製作した測定装置は外気導入系、真空系、パルプ、ガスクロマトグラフ
から成る (
F
ig4-1
)。修士課程においては、サンプルループおよびプレカ
ラムを共通 (1本 )とし分離カラムを並列に
2本有する分析系で検討を行
ったが、後述 (
4-4-1参照)するような問題点が明らかになったため、
サンプルループ、プレカラムおよび分離カラムをそれぞれ 2系統とり 一方
を低沸点成分周 (
チャンネル A) 、他方を高沸点成分周 (
チャンネル B)
とした。
4-2-1 外気導入系
ステンレススチール製の細長い漏斗に虫、挨よけのメッシュ (#60
)を
張って取 り入れ 口とし、内側に外径 6.
35mm (
11
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c
h
) 、内径 4.
7
5mmの
ステンレスチューブ (SUS31
6)を通して 、さらに 細 かい粒子をトラップす
5
0) を Swage
l
ok 継手を利用して取り付けた (
F
ig
るためのメッシユ (#1
/
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hおよび1I
8i
n
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h(
3
.1
7mm、
4
2
) 。室外から室内への配管には外径 1
にパックグラウン ド大気を 測定した結果は現在まで報告 されていない。
85
。
。
、
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7mm)のステンレスチューブを用いた。空気圧駆動の開閉パルプ
、 Fi
g
.4
1の AVI、 AV2
) 、および流量調節
(フジキン製、 FPR-UDDF型
ro社製 SS-4H、Fi
g41の M V
ー1
)を介し
用の全金属製手動開閉パルプ (Nup
) に媛続した (
F
i
g4
-1
)。
てダイヤフラムポンプ(真空機工、 DAP-IS
4-2-2 真空系
般に外気を連続導入する場合、必ずしも真空系を使用しなくても 一定
量の試料を導入することは可能である 。実際他のグループでは試料を連続
して流し、サンプリング時の圧力または流量の時間積分値から試料導入量
Ta
b
le41)。しかし容器に採取された試料を分析する場合
を求めている (
には使用できる量に制限があること、および減圧になったときに圧力差が
ないと導入が困難であることから、真空系を用いて圧力差により試料を導
/
8i
nc
hおよび 1
/
1
6i
nc
h (158mm、内径 1
.0mm)
入することにした。外径 1
のステンレスチューブと空気圧駆動開閉パルプ 亘
(I
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ig
.41
の AV-3,AV-4)、ダイヤフラム式圧力計 (
Edwa
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pe600,01000T
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)、
ステンレス製サンプルループ (
外径 1
1
4i
n
c
hまたは 1
/
8i
nc
hのチューブで
種々の容積のものを用意した )、油回転式真空ポンプ (目立、 VR16)を後
述する切替パルプと組み合わせて真空系を製作した。
4-2-3 パルプ
4-2-3-1
切替パルプ
内容積が小さく汚染や吸着の少ない Valco 社製の切替パルプ (UWP
series) を 使 用した。分析 試料を切り替 え るパルプ C~ample ~elector ~alve,
SSV) には 4ポジション切替パルプを、サンプリング および試料導入を行
g
a
s~ampling ~alve, GSV) には 2ポジション 10方パルプを 、 プ
うパルプ (
]
;
)
a
c
k
1
iush~alve, BFV-,
A -B)
レカラムへのガ スの流れを切り替えるパルプ (
には 2ポジ ション 8方パル プを 、検出器へのガスの存在れを 切り替えるパル
8
9
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ve,DETV-Al,-B,-A2)には 2ポジション 4方パルプ
をそれぞれ用いた。これらのパルプと外気導入系、真空系、 G Cカラムと
1
1
6i
n
c
hのステンレスチュープを用いた 。 SSVと DETVの後続には外径 1
A2以外の 5個のパルプにはエアアクチユエーター (
V
a
l
c
o社製)を取り付
け空気圧で駆動した。また、この切替パルプの接ガス部には PCTFE(graphite
を添加したテフロン)が用いられているため、すべてのパルプを約 70Cで
0
保温することによって汚染や吸着を避けた。特に真空系と通じる SSV と
GSV にはパルプ本体の外部からのリークによる汚染を避けるためパージ
c
o社製)を取り付け、三塁素ガスを流した。
ハウジング (Val
4-2-3-2 ニ一 ドルパルプ
BFVの切替によりプレカラムを分析ラインから切り離すと、分離カラム
の入口圧が急に変化し、定流量で制御しているキャリヤガスの流速が変化
しやすいことから、プレカラムをパックフラッシユしている間は、ニ一ド
ルパルプをプレカラムの代わりの抵抗として用いてキャリヤガスを流すこ
とにした。試料の汚染を避けるため全金属製のベローズ式ニ一ドルパルプ
(Nu
p
r
oSS-4BMG
、F
i
g
.
4ーl
の MV-Aと MV-B) を用いた 。なお、ECDのメ
ー ク ア ッ プ ガ ス の 微 量 調 整 用 の ニ 一 ド ル パ ル プ に は 一般 的 な パ ル プ
(Nupro社製、または 島津 GC付属のパルプ)を使用した 。
4-2-4 ガスクロマトグラフ
島津 GC-14Aおよび GC-17Aを用い、検出器には電子捕獲型検出器 (E
、 ECD-A2は GC-14Aに
CD) を使用した。 ECD-Al と ECD-Bは GC-17A
鋸え付けられている。 ECD-A2は ECD-Alの下流に直列に接続し、キャリ
ヤーガスに酸素をゼロエアーの形でメークアップガスとして添加して、 高
感度調)
1
定に使用した (
Fi
g4ー1
)。カラムは外径 1
/
8i
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hまたは 1
/
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テンレスチューブに充 I
真剤を充填したものを用い、 Si
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ChromosorbW 旧 ,80
ー1
0
0mesh,GLサイエンス社製)、 P
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n製)の 3種類について検討し
た。キャリヤーガス、プレカラムおよび ECD のパージガスと ECD-AI、
ECD-Bのメークアップガスには日本酸素製の純窒素 B (
>999995%) を
、
ECD-A2のメークアップガスには高純度空気(高千穂化学工業製、 r
e
s
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r
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g
r
a
d
e
) を使用した 。なおこれらのガスはまず活性炭、モレキユラーシ ーブ
5A
、モレキユラーシーブ 13Xを充廃して 300o
Cでヘリウム気流中でコン
デイシヨニングしたカラム(銅製、内径 8mm、5 m) を通して精製し、さ
らに圧力調節器、流歪調節器の下流にモレキユラーシーブ 13Xカラム(ス
テンレス製、外径 1
/
8i
n
c
hまたは1/
4i
n
c
h
) を置いて不純物や汚染物質の除
去を図った
4-2-5
1
5,
I
70
装置の制御、データ処理
G Cを島津の CBM-l01(
c
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m
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c
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u
l
e
) を介してパーソナル
コンビューター (aM互換機)と接続し、島津 CLASS-GCIOソフトウェア
を用いて制御とクロマトグラムの取り込みや解析を行った。 CBMにデジタ
ル
voポートを装着し、 νoリレーターミナル(オムロン、
G7TC型)を介
して電磁弁 (CKD社製ブロックマニホールド 4方電磁弁、 4TBlシリーズ)
の開閉を行うことによってエアアクチユエーターの空気圧を制御した。
真空系の圧力計の出力はデジタルボルトメーターに指示させて値を読み
取ることができるが、無人連続測定の際は PCに装着した AID変換ボード
i
s
u
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lB
a
s
i
cプログラム
(ユニオンデータ社製、 UAD-ATAR2型)と自作の V
を利用して約 1
0秒間隔で取り込み、保存した。
また連続測定を 一定時間間隔で行うためにデジタルタイマー(オムロン
社製 H5CR-B) を用いて GCに測定開始信号を入力した。これらの構成図
をF
i
g
.
43に示した。
9
1
真空系、 GC、PCを含めた装置全体の大きさはおよそ幅 2
.
5mX高さ 1
.
3m
×奥行 0
.
5mで、外観は F
i
g
.
44のようになっている。
4-3 実験
測定前に外気導入系のダイヤフラムポンプを起動して連続運転し、 AV-1
を閉め、 AV2を開いて外気を 200凶 /
min程度の流速で常時流して滞留が起
きないようにした。まず SSVを切替えて測定する試料(外気または容器に
4を開けてサンプ
入った大気試料または標準試料)を選択し、 AV-3と AV-
ルループを含む真空系を排気する。次に AV4 を閉め圧力差により試料を
導入する。続いて GSVを切り替えてサンプルループ A、B 内の試料をそれ
ぞれプレカラム A、B へ送る。プレカラムでは妨害成分が除かれたり、予
備的な分離が行われたりして、 A では低沸点成分が、 Bでは高沸点成分が
それぞれ対応する分離カラムへ送られる。この後適切な時間に BFV を切り
替えることにより、プレカラムに残った高沸点の妨害成分を捨てることが
できる。分離カラムで分離された各成分は ECD で定量されるが、このとき
プレカラムでは除かれない酸素などの低沸点の妨害成分は DETVでバイパ
スされる。分離・検出終了後、再び DETVを切替えてキャリヤーガスをバ
イパスし、カラムの焼出を 1
5
0 oC~200 oC で 1 5~20 分間行った。
なお、排気系には j
由回転ポンプへの試料中の水分の流入やポンプの油の
蒸気の逆拡散による汚染を避けるためのコールドトラップを設け、実験室
においては液体窒素を用いたが、オイルフリーのポンプの使用または水蒸
気のトラップが可能な温度を保持できる冷却器などの使用により 、遠隔地
での液体窒素を用いない実験も可能である。
92
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4-4 結果および考察
本研究で求められた最一適な i
J
!
l
J
定条件を Table4
-3に、パルプの駆動状態の
タイムプログラムを F
ig
.4
-5に示した。この条件で都市大気試料、パックグ
ラウンド大気試料を測定したときの ECD-Alおよび ECD-Bのクロマトグラ
ムを F
ig.
4
-6、F
ig
.4・
7に示す。なお ECD-A2で得られた結果については 4-
4-5で考察する。
4-4-1 カラムの種類と組合せ
長初に、一本のプレカラムで分析対象化合物群を低沸点成分と高沸点成
分の 2群に分け、それぞれを異なる分離カラムで分離 ・分析する方法を試
みたが、次のような問題があったため、サンプルループから検出器までの
分析系を独立に 2系統とることにした。
①まず2
1
洋を分ける境界を CFCl
l (沸点 2
3
.
8 OC) と CFC-1
13 (沸点
47
.
6O
C) の間に設定することを検討した。プレカラムに Por
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p
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kQ
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e
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iv
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ben
zene多孔質ポリマー )や Por
as
l
iC (
球状シ
リカ )のように保持能力と分解能の高い充填剤を用い ればこれは可能
であるが、高沸点成分群の溶出に非常に時闘がかかったり 、水などの
妨害成分の影響を大きく受けたりした。 一方、 プレカラムに極性の弱
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液相は dimethyls
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n
e 流体) を用いると高沸点成
分は適度な!時間で溶出するが、隣接した保持時間を持つどの 2成分を
選んでも、プレカラムで完全に分雌するの は困難で 、適切な 2群分離
の境界点を見出すことができなかった。
② プ レカ ラムを共通にした場合、 2つの分離 カラムの長 さ
、 温度条件 が
異なると 、カ ラム入口におけるキャ リヤガス圧 に差が生じ 、パルプ切
替え直後は流量が変化して、ベースライン が乱れ るという欠点があっ
た。
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I,CFC-1
13,
)CI
I3CCI
3,CCI4,
CI
ICI
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2,CCI
2=CCI
2
CFC-1
2,CFC-l
l,CFC1
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9
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対象成分をプレカラムで 2群に完全に分離するという制約がなければ、
l
icon
e
、分離カラムに Por
a
pa
kを用いる方法が適切であった。
プレカラムに Si
室温 ~ 50 oCならば低沸点成分の S
il
i
c
on
eカラムに対する保持容量は小さい
ため、水などの高~Jt点成分が Porapak カラムに大塁に入らないうちに
BFV-Aを切り替え、これらを姶てることができる。ただし Sl
ii
c
o
n
eカラム
m)には高沸点成分の保持が
の長さ(忌適条件では 3m)が短い場合 (50c
不十分であった。 Por
a
pa
kカラムを 70 oCから 150 oC付近まで昇湿すること
によって CFC12から CHCI
3 までの各成分を妨害成分の影響なく分離する
ことができた (
Fi
g46)。
しかしプレカラムに Por
a
p
akQを用いると分離カラムに Por
a
p
ak、Si
l
i
c
o
n
e
のいずれを用いた場合にもベースラインの急激な落ち込みや上昇がしばし
Fi
g4
-8
) 。このベースライン
ばみられ、しばしば分析ピークと重なった (
の乱れは 、試料の絶対湿度が大きいほど (
F
i
g4
8の測定条件では導入され
る水蒸気が約 0.
05m
lSTPを越えた場合)顕著にみられたことから、水蒸気
/
5 にまで小
による妨害が原因と考えられた。最適条件ではこの影響は約 1
さく抑えることができた。しかし、分析終了後のカラムの焼出を行わずに
測定を繰り返した場合、やはり F
ig
.4
-9に示すようにベースラインの上昇や
負のピークが現れた。これは水蒸気なと。の高沸点成分が通常の i
H
I
J
定条件で
は Porapakカラムから完全には溶出せず、蓄積されることによると考えら
れ る。チャンネル Bでも Aほど著しくないものの、このようなベースライ
ンの上昇がみられたため、分析終了後のカラムの焼出を行うことにした。
なお、 AGAGEや NOAAの自動測定法ではカラムと ECDが直結さ れており 、
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ALE/GAG
Eでは、低沸点成分の分離に球状多孔質シリカ吸着剤J
の Por
a
sl
i
(
A
, B,C,0 の種類がある)を充興したプレカラムや分離カラムを用いてい
るので
4
5、Po
r
a
sl
iC と Por
apakQ との比較も行った。本研究では彼らと異な
り試料の脱水を行わないため、プレカラムにこれを用いると Por
a
pak Qの
場合と同様に水による妨害がみられた。また、 Si
l
iconeプレカラムの後段に
分離カラムとして使用した場合、ト1
C1
13までの成分の検出が可
20から CF
能であったが、 N 2 0、 CFC-1 2 および酸素の相互分離が室温 ~40 oCでは不
十分であり、 CFC-1
13はカラムを昇混しでも溶出時聞が Por
a
p
a
kを用いた
場合よりも相対的に長かった (F
ig 41
0) 。
4-4-1-2 チャンネル B (
高 沸点成分)
PorapakQは分離能は高いが、沸点の高い成分を i
容出させるには i
侍闘がか
かること、 150 oC以上の高漏に保つとハロカーボン類の熱分解が起きる可
能性があることから、プレカラム、分離カラム共に S
i
l
iconeOV-IOIを用い
た
。
二つのカラムの温度制御については後述するが、両者を同じ恒温槽に入
れて 50 oCから 90 oCまで比較的遅い速度 (
1o
C
/min) で昇混することによ
って CHCI3から CC!'=CChまでを分雌することができた (
F
ig 4
7
)0 BFV-B
の切替は CCI2=CC!,の溶出が終わるまで行 わなかったが、妨害成分やベー
?カラム と ECD を直結した状態で焼出しを行うと、カラムブリードによって ECD
が汚染される。
1
03
。
。
2.0
.
1, 0
CFC12
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.0
8
.0
10.0
CFC-II
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12.0
14.0
15.0
18.0
- 20.0
- 22 日
24.0
CFC-113
- 26.0
- 28.0
F
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a
t
e 40m
l
l
m
i
n
1
0
4
スラインの乱れは特にみられなかった。 CFC-II
、CFC-11
3も分離されてい
るが、この条件ではバイパスした酸素のピークのテイリングの上に乗って
いること、保持時聞が短いため GSV切替直後の流星の変動の影響を受けや
すいことなどから、定量は ECD-AIで行った。
4-4-2 温度制御
合計 4本のカラムを 2つの GCovenで温度制御するという制限を設けた
ため、チャンネル A、Bのそれぞれについて独立に温度条件を検討した後、
両者をほぼ満たす条件を選んだ。
4-4-2-1
チャンネル A (低沸点成分、 ECD-AI)
T
a
b
l
e4
3に示したように S
i
l
i
c
o
n
e プレカラムの初期混度と最終温度の差
および昇混速度を低く抑え、 50 oC~60 oCの時に BFVを切り替え、 Porapak
分離カラムを 70 o
Cから 1
5
0o
C付近まで 一定の速度で界混することによっ
て
、 CFC-12から CFC-113 までの 3成分を妨害成分の影響なく分離するこ
とができた。これに対し、プレカラムの昇混速度を大きくし、分離カラム
5
0o
Cまで 二段階昇温して分離する方法を試みたところ、
で 40 oCから 1
CFC-IIの直後にベースラインが下がったり、 CFCー1
1
3など沸点がやや高い
F
i
g4
1
1
) 。前者は水
成分のベースラインが大きくドリフ卜したりした (
などの高沸点成分がプレカラムで充分に保持されないためと考えられ、
BFV-Aの切替時刻を早めることにより若干改善されたが、後者は CFC-II
と CFC-I13の溶出を早めるため一段目の界温速度を大きく (1
0o
C
/min) し
たことによってキヤリヤーガス流量が不安定になることが原因のひとつに
考えられ、改良は困難であった。
44-2-2
チャンネル B (高沸点成分)
CFC-II から CCI2=CChまでの 7成分 (CHCI3も含む)の検出が可能であ
ったが、沸点の低い成分の酸素との完全な分離、沸点の高い成分のピーク
1
0
5
mV
N-uh
HU
2
27υ 同υ
1
。
-1
10
30
20
40
50
mlll
F
i
g
. 4-11
. A chromatogram on chmmel
-A
(
ECD-Al) for col
u
mn
h巴 optun山 non
巴s
.
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k,Tokyo,on
Sampl
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J
u
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9
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st
h
eoptimumo
n
e
s
/
min仕om70o
1
0
6
の広がりなどの問題を同時に解決するのは困難であった。
Tabl
e43に示した条件はプレカラムと分離カラムを同じ GCオーブンで
温度制御しており、 一本のカラムでも分離が可能であるようにも思われる
1
1
4i
n
c
ho
. d)
が、プレカラムの断面積を分雌カラムのそれよりも大きく (
することによって、水などの高沸点の妨害成分ができるだけ長く保持され
るようにしているという利点がある。
プレカラムと分離カラムで異なった温度制御を行う方法も試みた。 Fig
412はプレカラムを 4
0o
Cから 1
5
0o
Cまで 2段階昇湿し、分離カラムを
4
0o
Cから 7
0o
Cまで昇湿した場合のクロマトグラムである。 CHCI
"
、CCh=CChのテイリングがやや大きいものの、この条件でも比
CHCI
=CCI
2
Bの切替
較的良い分離が行われた。しかし、チャンネル A とは異なり BFV-
え時刻を遅くする必要があるため、この方法ではプレカラムと分離カラム
を直列に銭続したまま温度を別々に制御することになる。その結果、定流
量制御のキャリヤガスの流量が古しれやすく、流量が大きい条件では特にベ
ースラインのドリフトが起きやすくなることがわかった。またチャンネル
Aでの適切な温度条件とは合致しなかった。
4-4-3 試料量
試料量はサンプルループの容積と試料導入圧で決定される。
まず、試料導入操作の際に変化するキャリヤガス圧力や流量が試料補;の
広がりなと の分析条件に与える影響を調べるため、サンプルループの容積
e
を一定にしてその形状(内径と長さ)を変えたり、試料量を 一定にして容
積と導入圧を変えたりして実験を行った。それぞれファクターが約 2異な
る (
一方のパラメーターがもう 一方の約 2倍)条件で比較したところ、得
られたクロマトグラムには有意な差は認められなかった。このことから、
試料導入の際のキャリヤガス圧力や流量の変化はサンプルループの形状や
1
0
7
mV
円
一円
門
司
υ
z
υ
υ
) υ
υh
HU
二
, Uυ
凶
円一マ
凶4
5
u=注目
円
一
U﹀-帽﹀
0.5
10
20
30
40
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F
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.
4
1
2
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on channel-B
(ECDB)
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9
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Sample:Urbana
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mo
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s
1
0
8
内圧の遠いにあまり依存しない、または本研究の測定条件においては分析
に影響を与えないと考えられた。
そこで、試料導入圧をほぼ一 定に保ち (500~700 To
r
r
) 、サンプルルー
プの容積を変えることによって試料量を変え、 A、 B それぞれのチャンネ
ルについて分離の良し悪しや、ピークの大きさが定量するのに十分かどう
かについて険討した。
4-4-3-1
チャンネル A (低沸点成分、 ECD-AI)
7ml (
1
18i
nchx2m)のサンプルループで CFC-12から CHCbまでの各成
分は十分検出できたが、後に述べる ECD-A2で観測する微量成分のピーク
/
4i
n
c
hx1m) とした。
が小さすぎたため、 20ml (1
4-4-3-2
チャンネル B (高沸点成分)
都市大気の場合 7mlで十分であり、 CHCI3などのピークが非常に大きい
場合は 3
.
5ml (1
1
8i
nc
hx 1m)でも十分であったが、パックグラウンド大気
の場合には CHCI
=CChと CCh=CCI
2のピークが非常に小さく検出が困難で
あった。そこで 20mlのサンプルループを使用した。
4-4-4 キャリヤーガス流量
チャンネル A、チャンネル B 共に約 40 ml
/
minとした。チャンネル B で
はF
ig
.4
1
2の条件において 60凶 I
m
i
nに増やすと高沸点成分のテイリングの
改善や分析時間の短縮が可能となったが、最適条件ではテイリングは小さ
F
ig4
7
) 、分析時聞はチャンネル A と比較して特に長くないこと 、遠
く(
隔地での無人運転を考慮すると流量は少ないほど好ましいことから増やさ
ないことにした。
プレカラムのパックフラッシユ用ガスの流量は 20~ 3 0mνmtn とし 、 ECD
パージガスは DETVを切替えた時のベースラインの変動幅が小さくなるよ
う
、 A は約 4
0m
l
l
m
i
n、B は約 20mllminの速度で流した。
1
0
9
4-4-5 ECDA2 (酸素添加により高感度化した ECD)
4-4-5-1 ECOの高感度化
ECD は CFC など分子内に CIや Brなどの原子を多く含む(すなわち電子
親和性の大きし、)化合物に対して非情'に高い感度を有するが、分子内の CI
や Brが少ない化合物に対する感度は小さく、大気中濃度が pptv レベルの
ハロカーボンの場合、しばしば検出が困難となる。したがってこのような
化合物の大気中濃度を測定するためには①試料霊を増やして低温濃縮を行
MS)など他の高感度の検出器を利用する、③
う、②質量選択型検出器 (
ECDの高感度化を図る、などの方法が必要となる。通常は①だけでは充分
22の場合、
な検出下限を得ることが難しく、本研究で測定を試みた HCFC-
①と② 88,93または③ 23.94を組み合わせた方法が報告されている。本研究で
は低温濃縮を行わずに③の方法を用い、 ECD感度の低い化合物の検出を試
みた。
ECD による親電子性化合物の検出の原理は次のようである
2
5
2
7。
6
3Ni
)からの β線によりキャリヤーガスがイオン化され、生成
放射線源 (
した自由電子はパルス電圧が印加された陽極へ集められ、電流が生じる。
ここに親電子性化合物が入ると電子を捕獲して陰イオンとなるが、自由電
子と比べ移動速度が遅く、かつ陽イオンと再結合する確率が高くなるため
検出器セル内の電流が減少する。したがって電流が一定となるように印可
電圧のパルス数を調節すれば、パルス数の変化が親電子性分子の濃度に比
例することになる。
ム f=fー
ら =Ka
(
4
.1
)
f パルス周波数
応 キャリ ヤーガスのみの場合のパルス周波数
K 電子捕獲速度等により定まる定数
1
10
a 親電子性分子の濃度
この原理から明らかなように、親電子性化合物を選択的かつ高感度に検
出できる利点と同時に、測定対象化合物以外に電子親和力の強い化合物が
同時に存在すると適切な検出が行われない、という短所が ECD にはあり、
しばしば MS と比較される。特にリークなどによって酸素などが混入して
ECDが汚染されると、ノイス'の小さい安定したベースラインを得るのが極
4
.
1
)式の K は温度や圧力に依存するため、室温の
めて困難となる。また、 (
わずかな変化(陳 6'および本研究によって、実験室の空調機器の o
n
l
o
f
fな
どにも依存することが確認された)によってもベースラインのドリフトが
生じる。
しかしこのような ECD の特性を逆に利用して、感度の向上や安定化が試
みられてきた
950
すなわち ECD感度の高い化合物を 一定量キャリヤーガス
に添加することによって電子捕獲の効率を高めたり安定化したりする、と
いう方法である。 Grimsrud ら珂は窒素キャリヤーガスに酸素を 005~05%
添加したときの、塩素化メタンの感度の変化を系統的に調べ、分子内の塩
素原子数が少ない化合物ほど ECD感度が増加することを明らかにした。こ
の事実は、酸素分子が自由電子を捕獲して生じた陰イオンが触媒的に働く
ことによって、電子親和力の弱い分子の電子捕獲が行われるという機構で
説明されているが、詳細は明らかになっていない。本研究室においても陳
22 と C民 Clの濃度測
らが酸素添加によって ECDを高感度化して、 HCFC-
定を行った
940
4-4-5-2 検討した条件および結果
ECD-A2の検出器温度を 230 oC~300 oC、セル電流を 0
.
0
5nA、レンジを
0
1
0 とし ECD-Al または ECD-Bを通過したキヤリヤーガスに 高純度空気を
酸素の体積比が 05~2% の範囲となるように混合して、検出される成分の
l
i
l
感度や S川比を調べた。その結果 ECD-Aの下流に接続した場合は HCFC2
2および CH3C
1が検出された (
F
ig 413
) 。添加する酸素を増やすとこれ
らに対する感度は増加したが、同時にベースラインのノイズも増加して
S爪比が低下した。また、検出器温度を上げると逆に感度が減少し、 S川
比が増加した。そこで適度なピーク応答と S/N比の得られる条件を選んだ。
.
なお、本研究では低温濃縮を行わず試料塁を少なくしたため他の報告 23.9t
97
と比べて検出下限が高く、パックグラウンドレベルの試料では検出は可
能であるものの、定呈は困難であった。また、この ECD を ECD-Bの下流
に媛続した場合には検出に卜分な S爪比と再現性を有するピークは観測さ
れなかった。
2個の ECD を直列に後続し、後ろの ECD を酸素添加により高感度化す
t
u
r
rockら 97も試みており、 CFCなど通常の ECDで大きなピー
る方法は 、S
クとして検出される化合物について、後ろの検出器の応答は前の検出器の
応答の IO ~ 20%であると報 告 している。本研究においても CFC-1 2 のピー
クが HCFC-22のピークと比べ相対的にかなり小さくなっていることから 、
この方法は ECD 感度の高い化合物の妨害を除いて ECD感度の低い化合物
を検出する点で、高感度化 ECDを単独で用いる方法よりも優れていると考
えら れ る。ただし、最初の ECD を通過するときに、電子親和力の強い化合
物と弱い化合物がそれぞれどのような化学的挙動を示すかについては、
S
t
u
r
r
o
c
kらも明らかにしていなし、。また、彼らは異なるメーカーの ECDを
直列に接続して実験し、前後のピーク応答の比を調べているが、機種の違
いや酸素添加の有無により ECDの感度は大きく異なっているはずであり、
単純に比較 するのは不適切であると考えら れ る
。
1
12
mV
HCFC-22
1
2
C H]
Cl
CFC-12
1
1
9
1
0
1
2
1
4
1
6
町1m
F
i
g
.4
1
3
.ChromatogramsobtainedwithECD
心
(OrdopedECD)
r1
,1
9
9
6;1
8
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b.7,1996;1
4m
lSTP.
About0.
7
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a
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l
A(
T
a
b
l
e4
3
)
1
1
3
4-4-5-3
直列に接続した ECD の応答に関する実験および考 察
そこで本研究ではさらにもう 1個の ECD (通常は ECD-B としてチャン
ネル Bで使用)を ECD-Al の直前に帰入したときに、 2番目の ECD-Al、
3番目の ECD-A2の CFC-12に対する応答がどう変わるかを調べた。 ECDi
g
Alとの比較のため ECD-A2の酸素添加は行わずに実験を行った。結果を F
4
1
4に示す。
ECD-AI
、 ECD-A2共に、上流に ECDが l個加わったことにより、 CFC.
7倍となった。さらに上流の ECD の電源を on
1
2のピークの 大きさは約 0
にした場合と o
f
fにした場合とを比較したところ、次のような興味深い結
f
fにすると下流の ECDの応答は
果が得られた。すなわち、上流の ECDを o
.
7倍(上流の ECDが加わる前と比較すると 0
.
7
x
O
.
7王
子0
.
5倍)とな
さらに 0
AI→ECDA2)の場合でも 3個直列 (ECD-B
った。これは 2個直列 (ECD-
→ECD-AI→ECD-A2)の場合でも問機で、特に後者では ECD-A2に着目し
f
fにしたとき 0
.
7倍に、両
たとき、 ECD-Bまたは ECD-Alの一方のみを o
fにしたときは 0
.
5倍(キ o
7xO7
) になる定量的な関係がみられた。
方を of
このことから、本研究の実験条件においては CFC-12 が通常の(酸素など
が添加されていない) ECDを通過すると、① ECDの電極に電圧が印可さ
れている場合は約 3 0 %が失われる、②電圧が印可されていない場合はさ
らに 3 0 %が失われて計 5 0 %が失われることがわかった。
ECD の原理から、 CFC-12 が失われる原因は、電子捕獲反応により生成
した陰イオン (CC
,
IF2-)が、電子を解放せずに分解したり陽イオンと結合
したりすることであると考えられる。②の実験事実については次のような
説明が可能である。すなわち、 ECDセル内の自由電子は、 ECD 電極にパル
ス電圧が印加されるたびに捕集電極(陽極)に集められるため通常は滞留
時闘が短い。これに対し、電圧が印加されない場合は自由電子の滞留時間
1
1
4
0 口 powerofotherdetectors:on
ム
ECD-B on,ECD-A1 0行
・
-
powerofotherdetectors o
f
f
•
ECD-B 0仔,ECD-A1 on
(
b
)
1
ε豆
ECD-B---ECD-A
120000
D-A21
¥
¥
¥
¥
¥
¥
¥
¥
ロU
FU
D
,
,
E﹂
80000
、
C、
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a
、
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﹂w
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¥
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•
¥
40000
。
o
1
2
NumberofE Cdetectorsbefore
F
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ri
nf
r
o
n
to
fECD-A1(ECD-B,-A1
1
1
5
は長くなり、 C
F
C
-1
2分子との亀子捕獲反応が起きる確率が増加する。した
FC1
2が失われると考えられ
がって電圧が印可された場合よりも多くの C
る
。
CDはメーカーは同 一であるものの、 CFC12に
本研究で用いた 3個の E
CDのそれぞれについて厳密に等しいわけではない。
対する感度は 3個の E
g
.4
1
4に示したように定量的な関係(実線、破線の勾配
しかしながら、 Fi
はそれぞれほぼ一定である)が成り立つことは、ある条件下においては
ECDセル内での CFC12分子と電子の反応およびその生成物の挙動には再
Dセルを通過すること
現性があることを示している。電圧を印加しない EC
C12が失われることから、熱電子と CFCを反応させることによ
により CF
FC分解技術へ応用することも可能であるかも知れない。本
って、新たな C
FC12についてのみ調べたが、他の含塩素化合物についても今
研究では C
後検討する価値があると思われる。
なお、 EC
D
-A2に酸素を添加した状態で前の ECD
-Alの o
n
/o
仔を行う実
験も試みた。この場合は再現性が先の実験と比べて悪かったことも考慮す
n
、o
汀それぞれの場合で HCF
C2
2のピーク応答に有意
る必要があるが、 o
FC2
2などのように
な差は認められなかった。これが正しいとすれば、 HC
電子親和力が弱い化合物が通常の EC
Dを通過する場合には、電子捕獲反応
などによる慣失をほとんど受けないと推定することが可能となる。
4-4-6
精 度 、定 量 方 法 、 検 出 下 限
ECD-AI、ECD-B、および ECD
-A2について T
a
b
l
e4-3およひ下I
g
.4
-5の測定
条件でそ れ ぞれ同
試料を繰り返し分析したときの再現性すなわち精度
a
b
l
e4-4のようになった。検出器応答の直線性
(
相対標準偏差で表す )はT
は試料量 20ml STPまでの範囲で都市大気試料およびパックグラウンド大
気試料を用いて調べたところ良好であり、物質量に対する検出器の直線性
1
16
が 成 り 立 つ こ と 、 お よ び マ ト リ ッ ク ス 効 果t
がないことが確められた。 Tabl
e
44に は 、 従 来 の 方 法 を 用 い て 濃 度 を 測 定 し た 大 気 試 料 を
成分の感度を調べることによって見積もった検出下限
2次 標 準 と し て 各
(
s
別 =2
) も示した。
1 ここでいう「マトリックス効果」とは、共存する大気中の主要成分(窒素、酸素
1
2のピー
など)が分離 ・検出に与える影響をさす。たとえば従来の測定法では CFC-
クが酸素の大きなピークのテイリング上に 一部のっており、多量の試料を導入した場
合にベースラインの傾きが大きくなりピーク蘭績に系統的な差が生じる問題があっ
た。したがって試料盆を変えたときの検出器応答の直線性が確認されれば、物質量お
よび共存成分の量の双方についての直線性が同時に確認されたことになる。
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1
8
5 都 市 部 に お け る ハ ロ カ ー ボ ン 類 の 大気 中 挙
動
5-1 序
第 3章で見たように、全球的なハロカーボンの分布を知るためにはパッ
クグラウンド濃度の測定が重要であるが、ハロカーボン類の発生源につい
ての知見を得る目的に対しては都市における濃度測定が適している。すな
わちパックグラウンドと都市の濃度の比較から、発生源が人工的なものか
天然のものか、大気中の寿命がどの程度かについての情報が得られ、都市
における濃度の経時変化からは人工起源の化合物の発生源の分布や放出の
時間変動などについての情報が得られる。また、 CHCl=CCh、CCh
=CChな
どのように人体に有害で法律.によって規制されている化合物については、
都市部における分布と挙動の解明が重要である。
また、都市においては人間活動の影響を受けて、特異的な気象が現れる
ことがある。例えば気温が周辺地域より高くなるヒートアイランド現象が
よく知られている。この原因としては、①都市表面の幾何学的な凹凸の変
化によって日射のアルベドや長波放射量が小さくなること、②大気汚染物
質によるいわゆる温室効果、③都市の表面の物質が日中に熱を蓄積し、夜
間に放出すること、④人為的な放出、などが考えられているへこのよう
な現象は、気温の鉛直分布や気圧の変化をもたらし、大気の運動に影響を
与えると考えら れる 。このほか山岳、河川 、海洋等も局地的な気象に 影響
を及ぼすことが知られている。したがって人為的な発生源から放出される
わが国では「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法) Jや「水
質汚濁防止法」、 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」などがある。
1
19
大気中微量成分をトレーサーとして用いることにより、局地的な大気の運
動についての情報も得られると期待される。
本研究ではハロカーボン類のパックグラウンド濃度の自動連続測定法の
開発を主な目的としたが、上に述べたような都市における経時変動の解明
の意義を踏まえ、東京において実験を行った。これは、実際に遠隔地での
無人連続測定を行うに先立って、装置の維持が比較的容易な条件の下でテ
ストを行うという点でも意義がある。
5-2 大気中濃度の経時変化の測定
東京大学理学部化学新館 5階の実験室 (2507B 号室)の窓側の壁に外気
導入系
(4-2-1参照)を返して、窓から水平方向、鉛直方向にそれぞ
れ約 50cm 離れた場所に取入口を設置した (
F
ig 51
)。
まず外気導入系の汚染の有無を確認するため、全金属製大気試料容器(2
-2-1参照)を用いて取り入れ口の近傍で同時サンプリングを行い、外
気の測定後に同一条件で測定を行った。外気の測定結果に対する容器に採
取した試料の測定結果の比を Tabl
e5
1に 示 し た (1
9
9
5
/
9
/
6,9
) 。これらの測
定を行った際の分離条件は Ta
b
le4
-3および F
ig
.4
-5に示した最適条件とは
異なるが (
9
/
9の CHCI
=CCI
I
=CC
,
I はピークが小さすぎて検出できな
2、 CC
2
かった )、各成分の分析値はおおむね 10%程度の範囲で一致している。
2回の実験で必ずしも再現性が良くない点については、サンプリングが厳
密な意味では同時ではない(外気導入系の通気速度と容器を用いたグラブ
サンプリングにおける通気速度の違いに由来する)ために 、 これらの時間
的変動の影響が現れている可能性がある。特に
CCl4は後述するように化学
教室で溶媒などに多量に使用さ れているとみら れ
、 ごく近くに発生源があ
るため外気取り入れ口付近での時間的 ・
空間的変動は大きいと考えられる。
次に外気取り入れ口が化学教室の中庭の方向を向いていること、地表よ
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り高い位置にあることの測定値への影響について検討するため、理学部化
学本館屋上および三四郎池畔においても同時サンプリングを行った。各サ
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g
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2
ンプリング地点の位置関係およびサンプリング時の風向と風速を F
に、濃度測定結果の相対値を Table5
1に 示 す (1
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9
5
1
1
2/
2
5、 2
6
)。
2と CFC-IIは実験室外とほぼ同じ濃度を示したが、洗浄
屋上では CFC-1
剤l
や溶媒として用いられる CFC-113、CHCI=CCI2、CCh=CChの濃度がやや
低い。この期間は西寄りの季節風が吹いていたため、強い風によってよく
希釈された大気を採取した可能性が原因として考えられる。逆に
CC
l4の濃
度は高く、定量を行つてはいないが CHCI
3 も高い濃度を示した。これらが
化学教室において溶媒、冷媒などに使用されており、しかも屋上に各実験
室の排気口があることが原因であると考えら れる。 一方
、 三四郎池畔では
CC
l4濃度が低く、洗浄剤・溶煤系の化合物の濃度が高めであった。
試料数は少ないが、以上から、①中庭に面した実験室外から導入された
大気は CC
l4で汚染されていること、②その他の洗浄剤・溶媒系化合物は建
物に遮られることによって関般的な場所と異なった濃度を示すことがある
が、付近に特に汚染源はないこと、③ CFC-1
2と CFCI
Iについてはどの場
所においてもほぼ均一に分布していることが推察できた。
I定と同じ時刻に上野公園で採取した試料の測定も行
また、外気の連続演J
った (Tab
l
e5
1、 1996
/
2
/22) 。上野で洗浄剤 ・溶媒系化合物の濃度が高く
l4以外の成分はほぼ 10%程度の範囲でよく一致
なる場合があったが、 CC
した。
2に示した各期間、 90分間隔で行った。比較の
外気の連続測定は Table5ため、上野公園において 2 時間 ~6 時間間隔で容器に係取された試料の測
定も行った (Table5
2の p
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d2、ただし室外大気の連続測定はこのときは
行っていなし、)。定量用の 2次標準試料には従来の測定法によって検量さ
れた大気試料を用いた。ほほ 1
2時間間隔で 2
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欠標準試料の測定を行い、各
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測定期間の開始から終了まで検出器感度がほぼ安定であった場合(ピーク
応答のばらつきが T
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4の測定精度と同程度 )は全測定の平均値を、一
e4
4の測定精
部感度の変化がみられた場合(ピーク応答のばらつきが Tabl
度の 2 倍 ~5 倍)は隣り合う 2 つの測定の平均値を用いて検量を行った。
なお、 1995年 1
0月までの測定条件は T
a
b
l
e4
3に記した最適条件と若干異
1
13は ECD-Bで定呈された。また 1
996年 3月までの測定では、
なり、 CFCHCFC-22については感度の 不安定または不足、適切な定量用標準試料の欠
如などの理由により、検出 ・定量が行えなかった。各期間の各化合物の濃
度の平均値 (
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) 、襟準偏差 (
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) 、愚大値 (
maximum) 、最小値
(minimum) 、および中央値 (
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3に示 した 。 1
9
9
6 年冬の
北海道大気試料の分析により 得ら れたパックグラウンド濃度も合わせて 示
した。
5-3 考察
T
a
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e5
3の平均値と中央値は、標準偏差や最大値と比べて測定期間によ
る相違が小さいことがわかる。また、ヒストグラムは示さないが、平均値
および中央値が常に最大値よりも巌小値に近い こと、中央値が常に 平均値
より小さいことから推察できるように、測定値の分布は低濃度側に偏って
おり、非常に 高い濃度が観測さ れる頻度は比較的少ない。そこで、期間 l
および 3~9 における測定はほぼ等しい条件下で行われたと仮定し、測定回
数が最も多く、 HCFC-22の測定 も行った期間 9について以下で考察する。
) との比較では、 CCI,は平均値(また
なお、上野公園の連続測定(期間 2
は中央値)、最大値ともに東京大学 における測定結果の方が 2倍以上の高
濃度を示すことが確認された。他の化合物については、上野の試料でやや
高い濃度を示す成分が見られるものの、試料数が少ないことなどから有意
な差はないものと考えられた 。
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期間 9 (1996 年 4 月 l 日 ~4 月 I I 日)の、 C Cl,を除く 7 成分の濃度の経
時変化を Fi
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3に示す。寿命の長い CFCは経時変動が小さいこと、および
F
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3では横納に平
大気中濃度が以前と比べてパックグラウンドレベル (
行な直線で示した)に近づいていることから、生産の全廃によって郡市部
における放出がかなり減少していることが明らかになった。 一方、短寿命
=CCh,CCh=CCl,はハックグラウンドレベルの数倍から
の CH3CChや CHCl
数十倍の高濃度で激しく変動しており、都市部における放出が依然として
22はパックグラウンドレベルの 3
大きいことを示している。また、 HCFC-
倍以上の濃度でしばしば大きな変動を示し、この測定期間における平均濃
i
g
.
5
3に示した 7成分中で最大であった。このことは、 CFCの代替品
度は F
として主に冷媒として用いられる HCFC-22の都市部での使用が急増し、人
間活動に伴って大気中に多琵に放出されていることを示している。
i
g
.
54に示す。 一般に寿命が長い化合物
次に各化合物の濃度の散布図を F
は短寿命の化合物と比べてパックグラウンド濃度(縦軸、横車由に平行な直
線で示した)が高く、大気中濃度のばらつきは相対的に小さい。 Fi
g
.5
4で
1
2と CFC-llについてこの傾向が認められ、これらが主に密封され
は CFC-
て用いられること、最近使用量が減少していることも反映していると考え
られる。一方寿命の短い化合物はパックグラウンド濃度は低く、ぱらつき
l3, CHCl=CChや CCh=CChが該 当する。これら
が相対的に大きく、 CH3CC
と CFC-113は溶媒として用いられ、使用後ただちに大気中に放出されるこ
とも、都市部における大きな濃度変動の原因であると考えられる。また、
HCFC-22はこれまで都市部における連続測定の報告はなかったが、上述の
短寿命成分と同様に大きなばらつきを示すことが明らかになった。このこ
3年)HCFC-22
とから、冷媒として用いられ、大気中寿命はやや長い(約 1
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でも、 CFC と比べれば寿命が充分短いこと、都市部ではエアコン工事など
で放出されやすいことを反映して、寿命がこれより短い成分と似た挙動を
示すことがわかった。
Fi
g5
4からは、用途が似ている化合物聞の相関が強いこともわかる。特
として用いられる成分の聞で相関係数が高かった。特に
に溶媒、洗浄剤l
CFC-113と CH3CC
l3については前者の規制が先に始まり、後者が代替品と
して使用されてきたことが、相関の高さ、後者の輔の方向へ傾いた分布に
現れている (
F
ig5
4では両者の濃度判のスケールが異なることに注意 )。
1
侍から午後 8時までを日中 、午後 8時から翌日の午前 8時
さらに午前 8
a
b
l
e5
4に示
までを夜間としてデータを昼夜別に分類して相関を調べた。 T
ig
.
54から、化合物によっては日中と夜間で相関の強
した相関係数およびF
さが異なる場合があることが認められる。すなわち長寿命成分が含まれる
組合せでは、日中よりも夜間に強い相関がみられ、短寿命成分間の相関は
昼夜であまり差がないか、夜間の方がやや強い程度である。夜間における
このような挙動は人間活動による般出のされ方だけでは説明できない。そ
こで拡散や混合などの気象条件との関係について次に考察する。
5-3-2 気 象 条 件 と の 関 係
本研究では、気象庁によって大手町で観測された地表の気象データを用
いて解析を行った。理想的には試料探取地点付近の気象データを用いるべ
きであるが、外気取り入れ 口が地上約 15mにあり 、三方を建物に図まれて
いるという特殊な状況 (
F
i
g5
-2)では気団の性質を正しく反映した気象デ
ータを得にくいこと 、および 5-1で述べたように試料採取地点付近に大
きな発生源がないと考えられることから 、観測さ れた滋度 が東京における
濃度をほぼ代表していると仮定した。
F
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g5
5に測定期問中の 1日毎の天気図を、 F
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点と等価)、気温、風速、および風向を示した。この期閣の概況は次のよ
うである。
1~3 日は北日本を中心に冬型の気圧配置となり、
西からの移動性高気圧に覆われた。
4~6 日は
6~7 日にかけて低気圧が本州南岸を
通過して降雨がみられた。 8~9 日は風の弱い晴天となったが上空に寒気
が入って大気の状態が不安定となり、にわか雨があった。 10~ 11日は
北海道と日本の南岸を低気圧が通過し曇または雨となった。
まず、大気汚染物質の環境濃度と関係する気象要因としてよく挙げられ
F
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g5
7、折れ線が
る風速と、ハロカーボン濃度の経時変化とを比較した (
風速を表す )。風が強い時には濃度が低いこと、高い濃度が観測される場
合はしばしば風が弱くなっていることがわかる。特に 4月 7日午前零時頃
と 4月 9日未明には、風速が一時的に急に小さくなったり風の弱い状態が
持続したりしたことに対応して、すべての成分で濃度の上昇がみられる。
人間活動による夜間の放出は日中と比べて小さいと考えられることから、
このような高濃度は、大気中の拡散や混合が弱くなりこれらが地表付近に
蓄積されることによって生じたと考えられる。 一般に、晴天の日の日中は
地表面が日射によって暖められることにより対流が生じ、上層と下層の空
気の混合が盛んである。しかし夜間は地表面が放射冷却するため、地上付
近よりその上層の気温の方が高くなり、逆転居が生じて対流は弱くなる。
逆転居は放射冷却以外にも低気圧に伴う前線付近でも発生しやすいことが
知られている
980
ここでの測定期間については、 4月 9日はイ友関に急激な
気混の低下がみられる (
F
ig5
6
) ことから放射性逆転が、 4月 7日は混暖
前線の通過による夜間の高い気温がみら れ る (
F
ig5
5
、F
ig
.
56)ことから
前線性逆転が、それぞれ生じたと考えられる。
次に水蒸気圧との比較を行った (
F
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8)。水蒸気圧の変化は前線の通
過 (4 月 6 ~7 日 ) や降雨 (4 月 8 、 9 日 ) を主に反映しているが、それ
以外の気象条件では鉱散や混合に関する情報を与える可能性があると考え
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これは冬型の気圧配置により、日中、夜間を通して風速がほぼ一定であっ
たことに対応している。また、
4 日夜間 ~5 日朝には暗または薄曇であっ
たにもかかわらず水蒸気圧のピークが現れており、気温の日較差が 3~4
日と比べて大きいことから、逆転居が形成され水蒸気が蓄積された可能性
がある。
3~4 日の夜間に比べて、
4~5 日の夜間には各ハロカーボン濃
度の増加がみられる(ただし時間的なずれが一部ある)ことからも、水蒸
気がハロカーボン類と同僚に、大気の状態を反映した挙動を示す場合があ
ることが予想される。
F
i
g5
9
) 。図の縦軸(右側)は北を 0。と
次に風向との関係を調べた (
し東へ向かう順に方位角で表した風向を表す。夜間は北寄りの風が卓越す
るが、日中は特にねやかな晴天の場合(6、 7~ 10日)に東
南寄りの
風が吹く傾向がある。これは海上と陸上の気温差によって生じる海陸風で
i
g
.5
9では溶媒、洗浄剤として用いられる化合物の濃
あると考えられる。 F
度の日変化(一般に日中に高濃度、夜間に低濃度)と風向の変化との閣に、
部分的ではあるが対応がみられる。濃度観測地点の東京大学の東
南の方
角にはこれらの化合物の主要な発生源である工業地帯が存在することから、
これらの日中の挙動は人間活動による放出だけでなく、気象条件によって
も支配されていると考えられる。
5-3-3 東京における平均濃度
本研究室ではこれまで 11 月 ~2 月に上野公園で毎日採取した大気試料
の分析によって、東京におけるハロカーボン類の大気中濃度が調べられて
きたが
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1日に l回であり 、曜日や気象条件による
相違、経年変動などを明らかにすることは可能であったものの、経時変動
を知ることはできず、東京における平均的な濃度を推定するのは困難であ
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った。しかし本研究では、 90分間隔の連続測定によってハロカーボン類の
濃度の日変動を明らかにすることができた。 Table5
5に各成分の日平均濃
度をまとめた。これらの日平均濃度は CCl.を除けばほぼ一定であり、気象
条件等により特に高い濃度が観測された日を除いて平均することによって、
期間中の平均濃度を推定することが可能である。ただし、 CFCのばらつき
が小さい点に関しては、以前と比べて放出がかなり減少していることも原
因として考えられる。
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b
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e 55で推定した各成分の平均濃度とパックグラウンド濃度との差は
東京におけるこれらの政出量を反映していると考えられる。大気汚染物質
の濃度の測定値から発生源の強度を推定する方法のひとつに、単純なボッ
クスモデルがある。このモデルは対象とする都市域およびその上空をひと
つの箱として扱い、発生源が箱の底面に 一様に分布していること、汚染物
質が拡散によって地上からある高度 (混合層高度、対流によって撹乱され
る高度の上限)内で一様に分布していること、および混合層高度の下にお
ける風の向きと速度が空間的に ー織であることを仮定し、箱の外側の汚染
物質濃度は Oに近いものとして無視する
。定常状態においては、発生霊
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と風による除去呈とが等しくなり次式の関係が成り立つ (Fi
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C 平均濃度、 Q 発生源強度(単位時間当たりの発生量 )
、
U 平均風速、 L ボックスの、風向に直角な面の幅の長さ、
M 混合層高度
Mukundら 101 は米国 Ohi
o州 Columbusの都市部の
6ヶ所で 3期間、 3時
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g
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n
i
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間 毎 に 容 器 へ 採 取 し た 試 料 中 の 簿 発 性 有 機 化 合 物 (vol
4
2組のデータにこのボックスモデ
compounds,VOC)を分析し、得られた 計 1
ルを適用してこれらの放出量を雄定している。
本研究では (
5
.1
)式の C を東京におけるパックグラウンドに対する過剰濃
1
4
1
4
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M
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3 CH)CCb CCI
CHCI=CCI2 CCh CCI2 HCFC-22
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度の平均値としてこのモデルを適用することが可能であるが、 Q は実視J
Iが
困難な M や Lに大きく依存するため、得られる結果の妥当性を充分検討す
Iえば、混合層高度は対流が活発な日中と放射冷却の起き
る必要がある。伊J
る夜とでは異なる。また、 Columbusは農業地帯の中央に位置する都市であ
i
o
nを決定しやすいが、東京では発生源の存在する
るためボックスの dimens
地域とそうでない地域との境界は必ずしも明瞭ではない。したがって 1ヶ
所での測定しか行っていない本研究の場合、単純ボックスモデルで用いる
パラメーターの不確定要素は大きい。ただし、東京における放出量の統計
値を得ることができれば、モデル計算結果との比較により、逆にパラメー
ターを推定することが可能となる。そこで、放出量の白安として国内全体
の消費量の統計値を利用し、東京における濃度増分(過剰濃度)との関係
についても考察した。
まず、生産量、出荷量、および輸入 ・輸出量の統計値 (
通産省化学工業
統計年報等を利用)を基に辰近のハロカーボン類の算定消費量(生産+輸
入
を推定した (Fig 5-11) 。次に 1
995年の算定消費量をモル数に
輸出) t
F
ig 5
1
2
)、
換算し、東京における過剰濃度に対してプロットしたところ (
濃度増分の大きい化合物ほど算定消費量が大きい傾向が認められた。そこ
ig
で、単純ボックスモデルを用いて両者の関係を求めた。 F
ふ1
2の実線お
i
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L
)を 120km (
東京と埼玉、千
よび破線は、それぞれボックスの dimens
東京大学を中心としたとき環状 7
葉、神奈川の 3県が入る距臨[)、 30km (
号および 8号道路が収まる距離)とした場合のボックス内における放出量
1H
CFC-22については輸出入の統計値が得られなかったため生産量のみを用いた。
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と、園内消費豆に対する東京における放出量の比 (R、
IO~50% と仮定した)か
ら求めた、園内消 t
YEと東京における過剰濃度との関係を示している。ボック
スモデルにおける風速 (U) は測定期間中の地表の気象データの平均値を用い、
混合層の平均高度
(
M
)は
1
0
00m とした 。
圏内消貨車に占める東京における消 的宣の割合についての統計は得ら れてい
ないが、観測値のばらつき (
F
i
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1
2では全測定の標準偏差をエラ ーパーで 示し
た)が小さい CFCについて消費量の統計値とモデル計算による値を比較すると、
Lが 1
2
0 km の場 合に は東 京における放出量 は園内消質量の IO~30% となる。
CH 3 CCh と CC I,= CCI 2 についても CFC と同様に、 L = 120km の場合は 10~40%
となった 。 この比率は東京への 産業の集中度を考慮するとやや低いように思わ
れるが、観測値を 基にしてボックスモデル で推定できるのは放出量であるため、
に用いられる化合物につい
消費されてから直ちに放出されない場合や、洗浄剤l
ては密封系での利用または回収利用が行われている場合にはこのような低い比
率となる可能性が考えられる。
一方 CHCI=CCI2 と HCFC-22は
、 L= 120kmでは R =50%でも東京における大
きな濃度増分を説明することができず、 L=30kmとボックスを小さくすると R
は 20~30% とな っ た 。 CHCI = CC I,と同様に溶媒として用いられ、国際的な規制
の対象となっていない CC
,I=CCI,の東京における濃度増分はかなり小さいこと、
CHCI=CCI
,
と HCFC22の測定値のばらつきが大きいことも合わせて考えると、
本研究のこの 2成分の測定値は測定地点付近の発生源の影響を受けている可能
性がある 。
1
4
7
6 結ぴ
本研究では、まず、放出呈が急激に減少しているハロカーボン類の対流
圏大気中濃度の最近の経年変動および成層圏における高度分布を調べた。
対流圏では、国際的な生産 ・消費の規制により南半球(南極)においても
CFCの年増加率の低下や CH3CC
l3の濃度の減少が起きていることを明らか
にした。また、成層圏における分布が対流圏における濃度の経年変化だけ
では説明できない分布を示す場合があることを明らかにし、このような分
布は大気の運動についての情報をもたらす可能性を指摘した。
得られた対流圏および成層圏の分布から CFCと CH3CCI,の放出量を推定
し、生産量から見積もられた統計値と比較した。これらの放出は国際的な
規制に従って 1989年以降減少していること、主要な企業の報告により見積
もられている欣出塁は全放出量の 80~90% であることを確認した。ま
た、北海道と南俸の大気の交換に要する時間についての情報を得た。全廃
後の放出や、将来のオゾン層への影響を評価するためには、今後も継続的
J
I
I定が必要である。
な、精度 ・確度の高い濃度 i
次に、短寿命の CHC1
=CCl
,
や CC
,
l=CCl
,
を 含む 7種のハロカ ーボン類の
大気中パックグラウンド濃度、および都市部における代替フロン HCFC-22
の濃度を、寒f
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Jを用いず、試料の汚染の原因となる乾燥剤やドライヤーを
用いずに 90分間隔で自動測定する方法を開発した。本法では、他に報告さ
れている自動測定法と異なり、容器に採取さ れた大気圧および大気圧以下
の減圧の試料の測定も可能である。
この方法を用いて東京においてハロカーボン類の経時変化を測定し、化
合物聞の濃度の相関や気象条件との関係、
m定した平均濃度と国内出荷量
との関係を調べ、都市部におけるこれらの化合物の挙動について種々の知
見を得た。特に、これまで代替フロン HCFC22の都市における大気中濃度
1
4
8
の連続測定は報告されていなかったが、本研究では巌近の使用量の急増に
よりこの化合物の濃度が高く、大きな経時変動を示すことを明らかにした。
以上から、遠隔地の無人モニタリングステーシヨン等におけるハロカー
ボン類のパックグラウンド濃度の経時変化の監視と挙動の解明にも、本法
の適用が可能であることを確認することができた。ただし放射線源を用い
る ECD を検出器として使用しているため、実際には法律上の問題をクリア
する必要がある。しかし、最近は放射線源を用いない ECD も開発されてお
り問、今後検出感度を検討した上で代替することができれば、さらに実用
的になると思われる。
また、長期の測定では多量の濃度較正用標準試料と、その保存の際の安
定性が要求される。本研究ではこれについて詳しい検討を行わなかったが、
標準試料の調製法、高圧の試料を安定に保存する方法などについて今後十
分な検討が必要である。
1
49
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ン類の日本での消費動向と東京都心部における大気中濃度の経年変動
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日本化学会第 70春季 年会講演予稿集, 1
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本研究を行うに際し、絶えず熱心に御指導賜り、特に博士課程 3年次には俗別
の御指導を I
貞きました、巻出
義紘
東京大学アイソ卜ープ総合センター教授
に心より御礼申上げます。
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鞭縫賜りました、富永
健
東京大学名営教
綬に深謝致します。
日々の研究において適切な助三を下さり、私を励まして下さった、集袋
防士(前東京大学大学院理学系研究科助教綬)、久保
大学院理学系研究科助手)、山田
目
I
J手)、森岡
正名
康洋
謙哉
佳孝
同士(東京大学
博士(東京大学大学院理学系研究科
博土(東京大学アイソトープ総合センタ一助手)に厚く
御礼申上げます。
南極昭和基地での大気試料採取に御協力頂いた、南極観測隊気水圏チームの
方々に感謝申し上げます。
成層圏大気試料の探取に御協力頂いた、文部省宇宙科学研究所気球工学部門の
矢島信之教授、本田秀之氏ほかの皆僚、中漆高清東北大学理学部教授
を初めとする中津研究室の皆係、東京大学海洋研究所の堤
呉氏、および宇宙
科学研究所三陸大気球観測所の放球スタッフの皆様に心より御礼申上げます。
1
979年から現在に至るまでの北海道における試料採取に携わった、旧宮永研
究室およひー巻出研究室の皆僚に敬意を表するとともに、深く感謝致します。
研究その他様々な面でお位話になりました、陳立民博士、須藤
重人氏、高
指嘉夫氏に厚く御礼申上げます。
取後に、遠くから経済的に私を支えてくれた両親と、私の日常生活を助けてく
れた妹に感謝します。
1
62
論文の内容の要旨
論文題目
大気中ハロカーボン濃度自動測定法に関する研究
氏名
豊田栄
成層圏オゾン層破緩や地球温暖化をもたらす特定フロン(クロロフルオロカ
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)などのハロカーボン類は、 1987年のモントリオール議定書および
ーボン、 C
その後の締約国会議における改定に基づいて生産・消費が国際的に規制され、
1
9
9
5 年末までに CFC とハロンおよび一部の猛素化炭化水素 (
C
HCC
l
3 3および
CC14)は全廃された。しかし大気中寿命の長いハロカーボン類は全廃後も長期
間にわたって大気中に存在し続けること、発展途上国における使用は 21世 紀
まで続くことなどから、今後もこれらの大気中濃度の経年変化を詳しく追跡す
る必要がある。また、寿命の短いハロカーボン類については放出量の変化に追
従した濃度変化が予怨され、これら化合物の挙動や大気の遼動についての知見
を得るためにも、継続的な精度・確度の高い濃度測定が不可欠である。
本研究では放出量が急激に減少している CFCおよび一部の塩素化炭化水素の
最近の経年変動や高度分布を明らかにするとともに、自動測定法を開発して経
時変化を調べ、これらの放出や大気中の分布、変動、ならびに挙動についての
知見を得た。
対流圏大気試料は北海道と南極昭和基地において 1 年に数回、 2~12L の趨清
浄な全金属製容器にグラブサンプリング法で採取した。これから真空ラインを
用いて圧力差によりガスクロマトグラフへ約 1
5
m
l
S
T
P導入し、ドライアイスを
用いて分離カラムを昇温することにより大気中の主要な 7種のハロカーボン
F
C
l
l(
C
C
13F
)、C
F
C
1
2(
C
C
l
z
F
z
)、C
F
C
1
1
3(
C
C
l
z
F
C
C
l
F
z
)、C
HC
C
1、
類、すなわち C
3
3
CC1 4 、 CHCl ~CClz 、および CCIZ~CClz を分離し、電子捕獲型検出器 (ECD) で検出
した。
FC
ー1
1、
これまで北半球中緯度(北海道)および南半球(昭和基地)における C
CFC-12 、 CFC- 1l 3 、および CH 3 CC1 3 の大気中平均滋度は年漕加率 3~10% で.tî'l加
していたが、 1
9
9
0年以降北半球ではこれらの増加率の低下や濃度の減少がみら
9
9
3年から C
F
Cは従来の年相加率 4
れていた.本研究では南半球においても 1
3
~ 10 % が 1~2% に低下し、大気中寿命が約 5 年と短い CH CC1
3 については年 3%
で増加していた潰度が減少に転じたことを明らかにした。放出畳の削減後も南
半球での大気中波度が 2~3 年の遅れで北半球に追随して経年変化しているこ
とから、これらの放出が北半球に集中してきたこと、北半球中高緯度と南極と
の問の大気の混合には 2~3 年を要することを確認し、浪度変化から求められ
る放出量と、生産量の統計値から見積もられている放出量とを比較した.
成層圏大気試料は宇宙科学研究所三陸大気球観測所から放球された大気球
9
9
4年 8月および 1
9
9
5年 6月の
によりクライオサンプリング法で採取した. 1
5阻までのハロカーボン類の高度分布を求めた.これらの化合
地表から高度 3
物は成層圏内では紫外光により分解されるため、高度とともに混合比は著しく
9
9
4年は各成分がより高い高度にまで分布し、特に 3
0
k
m以上の
減少したが、 1
9
9
5年の数倍となった。 1
9
9
5年の結果は以前に得ら
各高度における混合比は 1
れた結果とほぼ一致すること、対流圏におけるこれらの濃度の年変化率は数%
に過ぎないことから、このような分布は成層圏大気中濃度の経年変化に基づく
ものではなく、成層圏内における大気の運動の相違によってもたらされたもの
と考えられた.
大気中寿命の短いハロカーボン類の挙動を明らかにするためには、大気中波
度の経時変化を長期間にわたってモニターするのが有効であり、自動連続測定
が適している。しかしこれまでのハロカーボン濃度測定法は、広い温度範囲で
の分離、試料量が多い場合の水分の除去、低温濃縮などを行うために寒河jを用
いる必要があり、妨害成分を除くための複雑な燥作も不可欠であるため自動化
には適していない。本研究では、自動化の障害となる寒河j
を用いず、切り替え
パルプを効果的に使用して、モニタリングステーション等での自動測定に適し
た分析法の開発を試みた。さらに、試料に含まれる水分をカラムで分離するこ
とによって、汚染や吸着の原因となる乾燥弗jや透過膜式ドライヤ一等の使用を
避けた。
製作した測定装置はエアアクチュエーター付マルチボート切り替えパルプ、
全金属製真空ライン、ガスクロマトグラフなどから成り(図 1)、これらの制
御およびデータの取り込みはパーソナルコンビューターで行った。分析系を並
列する 2つのチャンネル Aおよび Bで織成し、チャンネル Aを低沸点成分の測
定に、チャンネル Bを高沸点成分の測定に用いた。まず真空ラインを用いて、
圧力差により各々のサンプルループに外気または容器に入った大気試料ない
し標準試料を導入し、プレカラムで室温付近の温度からの昇温によって水分な
どの妨害成分の除去を含む予備的な分離を行う。次に分灘カラムでさらに各成
分を分離して ECDで定量する。なお、パックフラッシュパルプや検出器バイパ
スバルブ(図 lの B
F
Vおよび D
E
T
V
) を適宜切り替えることにより、プレカラム
に残った妨害成分や、プレカラムで除けない酸素などを捨てることができる。
チャンネル Aの下流にはキャリヤーガスに酸素を添加することにより高感度化
図 Iの ECD-A2)を接続し、分子内塩素原子数が少ないため通常の ECD
した ECD(
では検出が困難な代替フロン HCFC-22 (CHC1F2
) を測定した.
カラムの種類および組み合わせ、 2台の GC恒温層による 4本のカラムの温
度制御、キャリヤーガス流量、パルプ切り替えのタイミングなどの分離条件や、
試料量および検出器感度などを詳細に検討した。得られた長適条件では、チャ
揮 命 紙 斜1
プレカラム
外
毘
S
s
v
:J:式斜切穆パルプ
GSV サノプリングパルプ
BFV ノてックフラッンユノてルプ
DETV 検凶器ノミイパスパルプ
モ ち 置 量調節パルプ
図 l 大気中ハロカーボン濃度自動測定装置の概略
ンネル Aの E
C
D
A
lでは C
F
C
l
l、C
F
C
1
2、および C
F
C
1
1
3を、チャンネル Bで
、および C
はC
H3CC
l3、C
C
14、C
H
C
1
=
C
C
12
C
12
=CC
12を、チャンネル Aの E
CD
-A
2で
はH
C
F
C
2
2を、それぞれ 90分間隔で測定することが可能になった。この条件
C
F
C
2
2については都市における濃度レベルに達していないと測定が困難
では H
であったが、他の成分ではパックグラウンドレベルの濃度測定も可能である。
C
F
C
2
2、CH
C
l=
C
C
1、C
C
1=
C
C
1
同一試料を繰り返し測定したときの測定精度は H
2
2 2
では最大似であったが、他の 5 成分では 1~3% で、従来の担1) 定法に匹敵す
る.また、本法では他に報告されている自動測定法とは異なり、容~に採取さ
れた大気圧以下の減圧の試料の測定も可能である。
C
1 では化学教室で
実験室外から大気を導入して連続測定を行ったところ、 C
4
の使用による影響が見られたが、他の成分では上野公園で採取された試料中の
浪度とおおむね一致し、東京における濃度を代表していると考えられた。寿命
の長い C
FCの大気中波度は以前に比べてパックグラウンドレベルに近づき、小
さな経時変動を示した。このことから、生産の全廃によって都市部における放
出がかなり減少していることが明らかになった。一方短寿命の C
HCC
l
3 3や
、C
CH
C1=CC
l2
C
12
=
C
C
12はパックグラウンドレベルの数倍から数十倍の高濃度で
激しく変動し、都市部における放出が依然として大きいことを示した。また、
H
C
F
C
2
2はパックグラウンドレベルの 5倍以上の濃度でしばしば大きな変動を
C
14を除く全成分の中で最大であった。このことは、 CFC
示し、その平均濃度は C
の代替品として主に冷媒として用いられる H
CFC-22の都市部での使用が急増し、
人間活動に伴って大気中に多量に放出されていることを示している。さらに化
合物聞の濃度の相関、大気中濃度の経時変化と気象条件との関係、東京におけ
る平均濃度とパックグラウンド濃度の差と国内の生産統計値との関係を調べ、
都市部におけるこれらの化合物の挙動について種々の知見を得た。
本法は遠隔地の無人モニタリングステーションでの自動測定も可能であり、
これらハロカーボンの大気中パックグラウンド濃度の経時変化の監視と挙動
の解明に有用であることが確認された。
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