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マイクロ波帯、ミリ波帯の利用拡大のための 機器雑音抑制技術の研究開発

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マイクロ波帯、ミリ波帯の利用拡大のための 機器雑音抑制技術の研究開発
マイクロ波帯、ミリ波帯の利用拡大のための
機器雑音抑制技術の研究開発
2011年11月30日
日本電気株式会社
研究開発概要
本研究開発の必要性
デジタル回路
(雑音発生源)
波源から10cmにおける
雑音レベル70~80dBV/m
無線回路
電磁干渉
20dB
( 1m→10cm換算)
無線機器における電波環境
通信技術の進化
・高周波化
・低通信電力化
・機器の小型化
通信特性の劣化
無線機器の基板 10cm
・通信速度の低下
電磁干渉 ・送信電力の増大
問題が (耐電磁雑音のため
のパワーアップ)
顕在化
無線LAN信号@100m
77dBV/m(10mW出力)
雑音(現状)
70~80dBV/m
UWB@10m
65dBV/m 20dB 17dB
低減
30dB
低減
デジタル回路の無線回路への電磁干渉を抑制
する技術の開発が必須に!
最終目標
研究開発体系
15dB
(第1目標)
60dBV/m
10dB
(最終目標):50dBmV/m
現状の雑音レベルを30dB以上低減し、雑音
レベル50dBμV/m以下の低電磁干渉の無線
通信機器を実現
ア)デジタル-無線回路間雑音結合メカニズムの解明
イ)電磁界制御材料を適用した電磁干渉抑制技術
ウ)電磁界制御材料特性評価技術
波及効果
無線通信機器が常に最大通信速度を維持
2
研究開発の手法
ア)デジタル-無線回路間の電磁雑音結合メカニズムを解明するための研究開発
光ファイバプローブ
デジタル回路
無線回路
電磁雑音
無線回路
S
G
APDカーブ
V
S
デジタル回路
デジタル回路
デジタル回路
APD(確率分布計測)や光ファイバプローブなどの
最先端の計測手法を駆使
プリント基板
イ) 電磁界制御材料を適用した電磁干渉
抑制技術の研究開発
高周波電流
デジタル回路
ウ) 電磁界制御材料特性評価技術
の研究開発
アンテナ
プリント基板
GNDプレーン
雑音電磁波
発信回路
高周波プローブ 単位セル
a
電源プレーン
プリント基板
EBG構造やフェ
ライトメッキシー
ルドなどによる
干渉抑制技術
開発
標準信号発生
/受信機
高周波電流
exp(-a),  =  + j 
アンテナ
デジタル回路
GNDプレーン
×
×
本技術の実用化と適用拡大の促進のため、
干渉抑制効果の評価手法を確立
→評価手法の標準化を視野
EBG構造
電源プレーン
(EBG: Electromagnetic Band Gap)
3
最終成果
①空間結合
電磁雑音
ア) 結合メカニズムの解明
電磁干渉
○PER、APD測定、磁界プローブ、共振解析、
APD相関解析手法により、 雑音源(基板端、
ヒートシンク、メモリー)を推定
無線回路
デジタル回路
②伝導性結合
プリント基板
→ EBG、セラミックヒートシンク、金属キャップ
適用により、主雑音源を確認
③伝導後に、 基板端から放射し、空間結合
①の対策:
ヒートシンク、メモリモジュール
からの放射電磁雑音を抑制
②③の対策:
伝導性電磁雑音を抑制
現状
○電磁バンドギャップ(EBG)新構造開発
(小型、設計自由度大、マルチバンド抑制)
○電磁雑音抑制要素技術開発
(磁性体シート、フェライト薄膜、3Dフィルタ)
64.0dBμV/m (実績)
雑音レベル(ピーク値)
イ) 電磁干渉抑制技術
50dBμV/m以下 (目標)
ウ) 特性評価技術
○APD測定手法
43.5dBμV/m (実績)
○PER測定手法
○磁生体材料の損失特性評価手法
※PER(Packet Error Rate) 、 EBG(Electromagnetic Band Gap)
APD(Amplitude Probability Distribution、振幅確率分布)
4
○EBGの減衰定数評価手法
ア)デジタル-無線回路間の電磁雑音結合メカニズムを解明するための研究開発
目標
APD(確率分布計測)や光ファイバプローブなどの最先端の計測手法を駆使して電磁雑音
結合メカニズムを解明
※PER(Packet Error Rate)
APD(Amplitude Probability Distribution、振幅確率分布)
FPGA(Field Programmable Gate Array)
取り組みと成果
 無線LAN搭載基板を用いてPER、APDを測定し、PER劣化要
因となる雑音の経路を調査
 磁界プローブ、共振解析シミュレーションにより雑音源を探査
PER (%)
10
1
0.1
FPGA OFF
100
PER (%)
FPGA OFF
FPGA ON (1010)
FPGA ON (RANDOM)
100
 APDを用いた相関解析技術を開発。標準ダイポールアンテ
ナを用いてプリント基板上の各点でAPD測定を行い、相関解
析により雑音の類似度を可視化し、雑音源の特定に成功
FPGA ON (1010)
10
FPGA ON (RANDOM)
1
0.1
0.01
0.01
0
10
20
30
0
40
Relative transmission power (dB)
<アンテナ接続時>
10
20
30
40
Relative transmission power (dB)
<ケーブル接続時>
PER測定結果
 基板端部に位置するデジタル回路の電源系からの放射雑
音が、空間を介してアンテナに結合することによりPER劣化
が生じることを実証
平面APD測定系
測定対象基板
相関あり
1.E+00
FPGA ON
1.E-01
0.999-1
0.998-0.999
0.997-0.998
0.996-0.997
0.995-0.996
0.994-0.995
0.993-0.994
0.992-0.993
0.991-0.992
0.99-0.991
0.989-0.99
0.988-0.989
0.987-0.988
0.986-0.987
1.E-02
Probability
1.E-03
1.E-04
1.E-05
1.E-06
1.E-07
1.E-08
1.E-09
-10
CH1
CH2
CH3
CH4
CH5
CH1
CH2
CH3
CH4
CH5
-5
(FPGA
(FPGA
(FPGA
(FPGA
(FPGA
(FPGA
(FPGA
(FPGA
(FPGA
(FPGA
OFF)
OFF)
OFF)
OFF)
OFF)
ON 1010)
ON 1010)
ON 1010)
ON 1010)
ON 1010)
0
5
FPGA
10
15
20
25
Amplitude [dBuV]
APD測定結果
基板表面上空
磁界分布
Power plane
APDの比較ポイント(×部分)
電源系共振解析結果
5
比較ポイントとの相関
イ)電磁界制御材料を適用した電磁干渉抑制技術の研究開発
目標
磁性材料
EBG構造やフェライトメッキなどの電磁界制御
材料による電磁雑音干渉抑制技術開発
電磁雑音干渉抑制技術適用による雑音レベル
50dBμV/m以下のデジタル回路搭載無線機器
の実現
デジタル回路
無線回路
誘電材料
※EBG (Electromagnetic Band Gap)
散乱物を周期配列した構造。特定の周波数帯において電磁波伝搬を抑制し、
ストップバンドを生じる特徴を備える
取り組みと成果
 電磁界制御材料構造として、メタマテリアルの一種である
3つのEBG構造を提案
従来型ノーマル構造
(既存構造)
インダクタ増加型構造
(H19 年度提案)
スタックドキャビティ型構造
(H20 年度提案)
人工誘電材料
 基板内伝導性雑音抑制技術(オープンスタブ型EBG構造、基板層
構成GVG構造)、基板表面放射雑音抑制技術(セラミックヒートシン
ク、磁性体シート、金属キャップ)の適用により、
目標雑音レベル50dBμV/m以下を達成
(最小雑音レベル43.5dBμV/mを実現)
オープンスタブ型構造
(H20 年度提案)
電磁界制御材料として提案したEBG構造(断面図)
 EBG構造実用化のために、製造ばらつき、レイアウトの自由
度を考慮した設計指針を確立
ライザーボード
マザーボード
65
雑音電界強度 [dBuV/m]
無線ボード
60
クロック
ジェネレータ
55
GMCH
CPU
IOCH
Memory
グランドパッド
(金属シールド用)
オープンスタブ型EBGデフォルトパタン
EBGブロック間の空隙の影響を検討
試作したデジタル回路
搭載無線機器
実用化を視野に入れた検討
6
対策前
対策後
最終目標
50dBμV/m以下
50
45
40
電磁干渉雑音レベル
(APD測定結果@1e-6)
イ)電磁界制御材料を適用した電磁干渉抑制技術の研究開発(具体的成果の説明)
2.3mm
OpenOpen
stub2
stub 2
LR
2.3mm
C
CR
断面図
ax
ay
2.5mm
stub 1
Open Open
stub1
LL
等価回路
<EBG構造>
<シングルバンド型>
<マルチバンド型>
第1バンドギャップ 第2バンドギャップ
<課題>
①パッチサイズが大きく高密度実装に適さない(13mm□@2.4GHz)
②基板の層数が増加しコストアップにつながる
LPPW/2
マルチオープンスタブなし
マルチバンド゙型EBGなし
マルチオープンスタブあり
マルチバンド゙型EBGあり
LPPW/2
d
CPPW
Lvia
パッ チ
2.3mm
Transmission Line
(Open Stub)
Z0 , 
Open Stub
Top plane
Top plane
r1
w
r2
2r
Bottom plane
Bottom plane
断面図
<断面図>
<積層キャビティ型EBG構造>
断面図
a
<オープンスタブ型EBG構造>
7
マルチバンドオープンスタブ型EBGによる
雑音抑制効果
ウ)電磁界制御材料特性評価技術の研究開発
目標
開発する電磁干渉抑制技術の実用化と適用拡大の促進のため、評価手法の標準化を
視野に入れて、電磁干渉抑制効果の評価手法を確立
※PER(Packet Error Rate)
APD(Amplitude Probability Distribution、振幅確率分布)
取り組みと成果
 標準化手法確立に向けて磁生体材料の損失特性評
価手法、EBG特性の重要な評価パラメータである減衰
定数評価手法を確立
無線LANルータ
送信側PC
電波暗箱
評価ボード/
無線通信機器
無線ボード
100
STD
10
Loss [dB]
パケット送信
ANT
ANT
可変
アッテネータ
Packet Error Rate(%)
 電磁干渉抑制効果の測定手法としてPER測定手法、APD測定
手法を検討し、評価システムを構築
 APD測定において、測定誤差を1.5dB以下にするためには4分
以上の測定時間が必要なことを明確化
EBG
1
Edge Via
0.1
0.01
受信側PC
<評価システム>
5
10
15
20
Relative Transmission Power(dB)
<測定結果事例>
無線ボード
ケーブル
PC
<評価システム>
単位セル
PCB1
3-1-2
1.E-05
PCB2
3-1-2_HS+memory
4-2
PCB3
1.E-07
<評価システム>
4500
5500
2
αa
1
βa
0
4-2_HS+memory
PCB4
10
3500
a (from S para)
a (from S para)
Eigen mode
Eigen
mode
3
1.E-03
1.E-06
APDカーブ
a
1.E-02
1.E-04
2500
<測定結果事例>
αa
a, aβa
Probability
APD
測定機
1500
磁生体材料の損失特性評価手法
APDカーブ
1.E-01
アンプ
フェライト膜なし
Frequency [MHz]
高周波プローブ
1.E+00
評価ボード/
無線通信機器
フェライト膜
500
0
PER評価システム
電波暗箱
受信
アンテナ
磁性体シート
0
-1
-2
-3
-4
-5
-6
-7
-8
-9
-10
-11
-12
30
50
Amplitude(dBuV/m)
70
exp(-a),  =  + j
<2線路測定法>
<測定結果事例>
0
2
4
8
8
10
<単位セル当たりの減衰定数>
EBGの減衰定数評価手法
APD評価システム
6
Frequency [GHz]
Frequency
[MHz]
知的財産への取り組み等
成果
特許
国内出願
口頭発表
海外出願
国内発表
国際発表
論文掲載
H19年度
3
H20年度
10
1
9
3
H21年度
22
8
9
4
H22年度
15
11
5
H23年度
4
17
1
5
1(和文)
合計
54
37
26
12
3
報道発表
2
1
2(英文)
1
★表彰★
1)電子情報通信学会学術奨励賞:電子情報通信学会IEICE ソサイエティ大会,2009.3月
2)環境電磁工学研究会優秀発表賞:電子情報通信学会 環境電磁工学研究会 (EMCJ),2009.6月
9
成果の展開方策、実用化に向けた取り組み
方針
本研究で開発したEBG構造等の電磁雑音抑制技術の早期実用化を推進し、今後3年
以内に製品適用を実現する計画
適用先イメージ
コンピュータ機器
通信機器
伝導性雑音抑制技術
放射雑音抑制技術
無線回路
電磁雑音
プリント基板
デジタル回路
電磁雑音抑制技術
モバイル端末
社会インフラ機器
人工衛星等
10
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