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精密冷間鍛造による小型発電用ローター部品 などの高度生産プロセス開発

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精密冷間鍛造による小型発電用ローター部品 などの高度生産プロセス開発
特集 2
公的支援を活用した試作開発Ⅲ
㈱ニチダイ
開発
分野
製品加工技術
鍛造
精密冷間鍛造による小型発電用ローター部品
などの高度生産プロセス開発
!
開発状況:□ 開発中
!!!開発実施内容の概略
□ 開発完了
□ 事業化の見込み
□ 事業化済み
鍛造業の主たる需要先である自動車産業は省エネ・環境問題への対応のため、新たな装置・システム開
発を推進しており、この背景で新しい鍛造品の需要の創出が期待できる。本開発の目的は、従来鋳造が得
意とする複雑形状を精密冷間鍛造でニアネットシェイプ化を実現するため、加工力、加工面圧を低減させ
合理的な材料の流れを得る複動成形を用いた新たな鍛造法を確立し、鍛造品の高機能化、コスト低減を図
るものである。本実施内容は、自動車用と二輪用小型発電用ローター部品の 2 種類の鍛造製品化とプロセ
スの実用評価を行い、高機能部品の高生産、低コスト品を実現することで市場拡大を目指す。
!!!自社の保有技術と強み
当社は自動車産業を中心に、精密鍛造金型の鍛造品設計から金型設計・製作を行っており、プレス設備
を用い精密鍛造品の試作開発、さらには精密鍛造技術を活かしたアルミ合金の熱間鍛造スクロール部品の
量産も行っている。また金型の生産では、高付加価値な金型製品を提供するため、PVD・CVD の表面処
理装置や金型材料の熱処理装置も自社保有しながら鍛造技術、金型加工技術の開発を進めている。
!!!開発上の課題
自動車用ローター部品は、軽量化・高精度化・高強度化などの機能特性から鋳造品で複雑形状となって
いる。精密冷間鍛造による工法置換を可能にするためには、複動成形を用いた最適な加工圧力制御で、冷
間鍛造による加工硬化を利用した機能向上を考慮した最適工程の開発が必要である。また二輪用ローター
部品は、図 1 の概略図に示すような厚みの異なる板厚 3.
2 mm のボス部と最大板厚 7.
5 mm のカップ部
を有する部品の一体成形であり、現状は多くの工程を必要とするが、前述と同様に複動成形による板鍛造
の増肉工法と最適工程の開発が必要である。
!!!具体的な取り組み方法と進捗状況
自動車用ローター部品は、複雑形状の精密冷間鍛造品を得るために、高機能サーボ制御ダイセットを用
い、金型内の材料流れをモーションコントロールしながら加工力、加工面圧の低減のモデル試験から実物
大の試験を行った。鍛造材料は S 25 C を用いた。写真 1 に自動車用ローター部品の試作品を示す。また
φ110.6
二輪用ローター部品は、複動成形による増肉工法
22.8
3.2
することで事業化へ進めていく。
7.1
性の高い機械プレスと専用ダイセットへ技術置換
図1
二輪用ロー
ター部品の
概略図
35.5
7.5
(写真 2)
。今後は高機能サーボ制御ダイセットで
得られたモーションコントロールを、安価で生産
3.2
φ30
を上手く組み合わせることで工程短縮が図れた
■会 ■社 ■概 ■要
会 社 名 ㈱ニチダイ
代 表 者 代表取締役社長 古屋元伸
所 在 地 〒610−0341 京都府京田辺市薪北町田 13
T E L 0774−88−6311
資 本 金 14 億 2,992 万円
売 上 高 103 億 100 万円
従業員数 447 人
事業内容 精密金型の開発・製造・販売、精密鍛造品および
その関連する成形品の開発・製造・販売など
U R L http : //www.nichidai.
jp/
第 50 巻 第 1 号
(2012 年 1 月号)
写真 1 自動車用ローター
部品の試作品
写真 2 二輪用ローター
部品の試作品
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