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連携部 の 標
6.1
連携部⾨の⽬標
古川 勝彦 副センター⻑・教授
九州⼤学産学連携センター年報[平成 27 年度]
http://www.astec.kyushu-u.ac.jp/j/report/
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6.2.1
次世代機能材料創製領域
渡邊 久幸 客員教授
九州⼤学産学連携センター年報[平成 27 年度]
http://www.astec.kyushu-u.ac.jp/j/report/
6.2.1 次世代機能材料創製領域(渡邊 久幸 客員教授)
①目的
ナノサイズの構造体を制御する技術(ナノテクノロジー)は、これを進歩させることに
より、従来まで不可能であった産業課題を解決できる可能性があり、科学および産業技術
の基盤分野の1つと考えられる。また近年、解析技術の進歩に伴い機能性材料研究は、高
分子化合物だけでなく自己組織化、超分子といった概念も加わり、構造物性研究において
も、ナノ薄膜、ナノ構造体の研究が数多く見られるようになってきた。
本領域において、ナノサイズの新規素材の探索から開発までを行う。低分子で自己組織
化するナノ構造体や、粉砕等によってナノ化した素材の実用化を進めると共に、昨今、成
長著しい、バイオ・医療分野での新規材料を創出する。九州大学と日産化学工業(株)にて
実施している組織対応連携の研究(探索および実用化研究)を推進し、ビジネスに活用す
ることを目的とする。
②プロジェクト研究(概要については後述)
新しい生体材料の探索および実用化研究
(1) 超分子ゲル材料
(2) 新規 DDS 材料
(3) 細胞材料
③資金導入実績
日産化学工業株式会社
④研究業績
企業化に向けて特許取得に重点を置きつつ、学会発表も実施
・特許出願
11件
・論文投稿
5件
・学会発表
15件
・企業内発表
多数
6.2.2
ソフトメカニクス領域
橋本 和信 客員教授
九州⼤学産学連携センター年報[平成 27 年度]
http://www.astec.kyushu-u.ac.jp/j/report/
6.2.2
ソフトメカニクス領域(橋本 和信 客員教授)
① 目的
本研究は、高齢化に対する自立支援及び介助支援を目的とした、材料に関する研
究開発及びこれら材料応用した福祉機器に関する。
そのため、本プロジェクトにおいては、ソフトメカニクスⅠ領域では弊社の材料
技術を活かした福祉機器への応用及びソフトメカニクスⅡ領域では福祉及び介護の
分 野 に 役 立 つ 新 機 能 の ソ フ ト 材 料 の 開 発 を 狙 い 、両 領 域 が 両 輪 と し て 機 能 し て い る 。
Ⅰ領域で研究開発された成果を活用した福祉施策とビジネスを両立させた社会モデ
ル の 実 装 を 狙 い に 、 糸 島 市 -九 州 大 学 -住 友 理 工 の 3 者 に よ る 共 同 事 業 を 実 施 す る 。
② プロジェクト研究
Ⅰ 領 域 / (1)褥 瘡 防 止 に 関 す る 福 祉 機 器 の 研 究 開 発
当 該 テ ー マ で は 、SR 材 料 技 術 と 印 刷 製 法 を 用 い て 全 て エ ラ ス ト マ ー
で構成される静電容量型の柔軟な大面積センサーを製作し、臥床者
の全身の体圧測定が可能としている。この全身大センサーを用いて
ベッド上の臥床者の体圧分布をリアルタイムに検出しながら、褥瘡
の恐れのある箇所の体圧をベッド内の多接点独立型エアセルで除圧
するシステムを構築した。
現在、九大医療関係者及び糸島市の協力を得て、寝たきり者に対す
る実証実験を重ね、その有効性を確認しつつ、改良を重ね実用化段
階に来ている。
(2)歩 行 支 援 に 関 す る 福 祉 機 器 の 研 究 開 発
当該テーマでは、弱高齢者の歩行健全化に役立つ、日常で楽に利用
できる軽量で、柔軟な装着型歩行アシスト機器の開発を狙いとして
いる。設計では、能力補償の考えを基本として荷重支持や関節固定
の機構を持たない軽量で柔軟な構造を採り、また、牽引ベルトを介
し て 下 腿 と 連 結 し た 人 -機 械 協 調 制 御 系 を 構 成 し 、歩 行 に お い て 遊 脚
に軽微なトルクを与えることによって自然な歩行運動を促し、高齢
者の歩行健全化を図る。
写真 1
歩行アシストスーツ
写真 2
1
床ずれ防止アクティブエアマットレス
(3)社 会 実 装 に 向 け た 糸 島 モ デ ル の 構 築
糸島市の全面的な協力を得て、高齢者による実証実験によってその
有効性を確認ししつあり、実用化へのステージを上げている。
当該領域では、実用化への為のフィールドワークによる最終的な実
証 と 安 全 性 ・ 信 頼 性 の 確 認 の 段 階 に あ り 、平 成 27 年 末 、九 州 大 学 と
糸島市との協力を得て、福祉施策とビジネスを両立させた社会モデ
ルの社会実装を狙いに 3 者による共同事業を今4月より開始した。
写真 3
糸 島 市 -九 州 大 学 -住 友 理 工 に よ る 3 者 協 定 調 印 式
(平 成 27 年 12 月 15 日 3 者 協 定 調 印 式 、 左 よ り
住 友 理 工 西 村 CEO、 九 大 久 保 総 長 、 糸 島 市 月 形 市 長 )
Ⅱ 領 域 / 機 能 性 ス マ ー ト ラ バ ー (SR)材 料 の 研 究 開 発
外部刺激によって変形応答する弾性体を用いた電気性ポリマー
(Eleclro Active Polymer=略 記 EAP、 別 称 、 人 工 筋 肉 )の 開 発 と こ れ ら
を構成する柔軟電極及び柔軟センシング等の要素材料技術を主な開発
と し て い る 。健 康 介 護 分 野 に お け る ソ フ ト メ カ ニ ク ス に お い て 必 要 不 可
欠 な 素 材 技 術 と し て 、現 在 、実 用 的 な 性 能 へ の 向 上 を 目 差 し て 鋭 意 取 り
組んでいる。
③ 資金導入実績
・住友理工㈱
・ JST
A-STEP「 シ ー ズ 育 成 タ イ プ 」 プ ロ ジ ェ ク ト (H24.10~ H27.3)
・ JST
A-STEP「 シ ー ズ 育 成 タ イ プ 」 プ ロ ジ ェ ク ト (H25.12~ H29.3)
・ NEDO 低 炭 素 社 会 を 実 現 す る 革 新 的 カ ー ボ ン ナ ノ チ ュ ー ブ 複 合 材 料 開 発 プ ロ ジ ェ
ク ト (H24.4~ H26.3)
④ 研 究 業 績 (累 計 )
Ⅰ領域/特許出願
19 件 、 論 文 発 表 5 件 、 学 会 発 表 28 件
Ⅱ領域/特許出願
18 件 、 論 文 発 表 1 件 、 学 会 発 表 4 件
2
6.2.3
オプト・エレクトロニクス機能材
料領域
⼟肥 俊郎 特任教授
九州⼤学産学連携センター年報[平成 27 年度]
http://www.astec.kyushu-u.ac.jp/j/report/
6.2.3 オプト・エレクトロニクス機能材料加工領域 (土肥 俊郎 特任教授)
①本プロジェクトの目的
次世代グリーン・デバイスとして SiC,GaN あるいはダイヤモンド結晶基板を適用する高性能デバイ
スを低価格で世の中に普及させるためには,高効率・高品位加工プロセスを設計し,その具現化を図る
ための加工装置とその周辺工具・材料等をトータル的に考えた最適化条件の構築が必須である.
本プロジェクトでは,設計・構築した新規加工プロセスの全体を俯瞰して総合的評価をした上で,新
たに差別化できる独創的加工装置の詳細仕様とその商品化を追究する.すなわち,新しい高速圧加工装
置の開発を前提に,これまでの第一フェーズをベースとする今年度からの第二フェーズでは,本格商品
化をねらい事業化への道を拓き,構築した新規加工プロセスに見合うバランスの取れた最適化をトー
タル的に充足する融合化技術とその高度化を追求する(図 1)
.
最低融合化技術
科研Sプロジェクト( H
図1
27 °)
24° ~
プロジェクトの基本計画
②プロジェクトの研究内容
1.研究開発の計画概要
これまで構築してきた全体の加工プロセスを俯瞰して,全体的に律速工程の無いバランスのとれた
超精密加工プロセスを確立する.そのためには,各工程における加工面の加工変質層(ダメージ層)の
定量化によって次工程での加工量(除去量)設定根拠を明確にすることが極めて重要である.そして,
高速圧加工装置とその周辺要素技術,ならびにダイラタンシーパッド工具を中心とする要素技術を融
合化させて,トータル的に最も効率的に実現できる高能率化と高品位化の加工プロセスを明らかにす
る.特にスマート加工・システムの装置化に重点を置き検討を進める必要がある.本プロジェクトの最
終年度と設定している平成 28 年度は,これまでの中間工程用の高速圧加工装置のインテリジェント化
を進めつつ,新しい仕上げ加工装置の製作までを手がけその商品化を図る.これらの研究開発によって,
基板の面加工を施す前・中間加工から最終仕上げまでの全工程を研究対象として完結を目指す研究展
開とする.
2.研究開発の取り組みの詳細
(1)プロセス最適化技術に関する検討
第一フェーズでは中速圧領域(600kPa,400min-1)までの加工特性を調査し,ダイラタンシーパッドの
1
優位性を検証した. 平成 27 年度は,これまで蓄積してきた高度機能化技術(そのノウハウを含む)に
より加工能率と加工品位の両立(ダイラタンシー・パッド®の適用)を可能とするスマート加工技術の
基礎を構築し,スマート化のための装置及び要素技術を検討・推進し,実用化レベルの製品化に漕ぎ着
けた.
今年度の主要課題は,次の 6 項目である.
(1)高速圧加工領域における加工特性の把握と液中研磨時のセルフリターン系におけるスラリー
飛散対策
(2)高圧加工領域における加工の安定化
(3)新しいダイラタンシー材料の開発
(4)高速圧領域における加工レートの飽和現象とその対策
(5)汎用装置向けダイラタンシー・パッド®とその信頼性評価
(6)スマートポリシング・システムの構築
上記の主要課題を念頭に,今期で得た成果を以下,要約する.
(i)高速圧加工領域における加工特性と液中研磨時のセルフリターン系におけるスラリー飛散対策
中速圧領域から高速圧領域の加工特性試験を展開する中で, スラリーのセルフリターン系から試料
(ウエハ)ヘッドへ導入する供給構造に以下の諸問題が発生した.
・スラリー供給量は定盤(パッド)回転数に追従して一定でないこと
・高速領域でリターンパイプのスラリーが試料ヘッド部に勢いよく衝突するため,スラリーが飛
散すること
・高速領域でパッドと基板間にスラリーが流入してハイドロプレーニング現象が発生し,加工レ
ートの低下につながること
これらの対策としては,スラリーの供給量制御のためスラリーパイプのベント部分にバイパス弁を
設けた.さらにリターンパイプ出口にスラリーの流動圧が直接影響しないように仕切るバッフルプレ
ートを設けた構造を考案した(図 2).不二越機械工業㈱と共同検討試作し評価した結果を表 1 に示す.
表1
バイパス弁開度による流量制御と飛散状況
定盤回転数
[min-1 ]
加工圧力
[kPa]
200
200
400
600
図2
バイパス弁開度
スラリー供給量*
[mm]
5
7
9
11
5
7
9
11
5
7
9
11
8
5
3
3
10
7
6
4
15
10
9
5
加工特性
加工レート
ヘッド部のスラリー
飛散の度合い
1.94
2.66
2.50
○
2.52
2.11
△やや飛散
2.24
2.62
○
2.46
1.77
△やや飛散
1.94
2.20
○
2.06
*:試料ヘッドに当たるスラリーの這い上がり高さ(mm)
スラリーリターン機構
以上から,定盤回転数に合わせてバイパス弁開度を適宜変更・設定することによって, 加工能率を損
なうことなくスラリー飛散の抑制が可能となり,高速加工領域における加工の安定性を向上させるこ
とができた.
(ii)高圧加工領域における加工の安定化
高速加工領域では,パッドはダイラタンシー現象によって高粘度(高硬度)化するものの,金属定盤に
比べれば硬度が低いため形状精度(縁ダレ)が危惧される.そこで高粘度のダイラタンシー材料を開発
2
する一方で,試料ヘッド構造による形状精度の向上対策についても不二越機械工業㈱と共同検討を進
めた.一般的に研磨ヘッドの基本構造は,デッドウエイト方式,球面軸受け方式ならびにエアバック方
式の 3 パターンがあるが,高速圧加工領域を考えた場合,球面軸受方式が最適と考え研磨ヘッド(α機)
を試作した.球面座凹凸部の摩擦ロスを軽減するために円周方向の固定はゴムクッションを介し,Z 方
向は SUS プレートと 1mmの隙間を設け球面座フランジを介して凹球面座に取り付ける構造とした.こ
の改善ヘッドによる加工特性を評価した結果を図 3 に示したように縁ダレが抑制され,同時にバネによ
る球面座与圧による組み立て剛性の影響を調べたが,与圧の無い状態が縁ダレ軽減に効果的であるこ
とを見出した. なお図から改造ヘッドの平面度が好ましい状態ではないように見えるが,これは研磨
前のウエハ形状の影響を受けた結果となったためである.
図3
加工面形状(縁ダレ)
(iii)新しいダイラタンシー材料の開発
ダイラタンシー・パッドを構成する理想的ダイラタンシー材料は,水に不溶であること,粘度および
bouncy 性が高いこと,耐薬品性,含浸性が良いこと等が要求される.市販のダイラタンシー材料 D-①は,
これまでの検討から高速領域使用には粘度が低く遠心力で流出する傾向にあることが指摘された.一
方 D-②は,水に膨潤し長時間の耐久性に問題があった.
そこでダイラタンシー材料 D-①と D-②の材料改善と並行して当研究室独自のオリジナル材料の開発
を進めている.現在まで検討調査した結果は,以下の通りである.
ⅰ)ダイラタンシー材料 D-①をベースとした高粘度化について
増粘効果が期待できる無機系バインダ,多糖系バインダー系,セルロース系,ナノファイバ
ー系等々の 30 余品目に及ぶ添加材料について調査を試みた.しかし想定した高粘度化までに
至らず,bouncy 性の低下ならびに延性強度の低下によるボソボソ状態となり顕著な改善は出
来なかった.
メーカー側からも増粘度化は基本的に無理であることを暗示させる情報を得たので,ここで
D-①の改善を中断することにした.
ⅱ)ダイラタンシー材料 D-②の耐水溶性改善について
本ダイラタンシー材料の耐洗濯性改善に関する特許(特表 2009-529084)を参考に,シラノ
ール基と反応する疎水性化合物による改質を試みた.しかしながら膨潤を抑制すると,その反
動でダイラタンシー特性が損なわれ,高加工レートを達成することが困難であると判断した.
当該製造メーカーでは,D-②のパッド工具用としての改善は無理であろうと判断し,別のシ
ラノール末端化線状の PDMS 流体,ならびにトリメチルシリル未端化線状の PDMS 流体を試作し
加工特性を調査した.しかし,このサンプルも高加工レートが達成できるまでには至らなかっ
た.メーカーへの開発協力を更に強く依頼したが,これ以上の対策案はないとのことであり
D-②の改善も中断せざるを得なかった.
3
ⅲ)ダイラタンシー材料の研究開発とその経緯
新たな改善方法見出すために,オリジナル・ダイラタンシー材料の開発を別ルートで信越化
学工業㈱と協力関係が取れた。この信越化学㈱は当プロジェクトのダイラタンシー材がビジ
ネスチャンスになり得ることを理解し,新たにダイラタンシー材料の本格的共同開発関係に
漕ぎ着けた.改めてダイラタンシー材料 D-①の課題を相互理解・把握した上で,オリジナル・
ダイラタンシー材料の開発を展開している.その開発経緯を図 4 に整理する.
図4
オリジナル・ダイラタンシー材料の開発経緯
オリジナル・ダイラタンシー材料パッドによる SiC 基板の加工特性を図 5 に示す.ダイラタ
ンシー材 D-①に対して架橋剤を
配合比することによって粘度(硬
度)を制御することが可能となる
ことを見出した.また加工特性を
把握したところ,従来の D-①の
1.5 倍(7000C の 5.6 倍)の加工
レート向上をも達成出来ること
を掴んだ.このことから高品位
化・高能率化を総合的に評価し,
新たに DoilatancyⅢ&Ⅵを選択
することが出来た.
今後は液中研磨方式での更な
る最適化を図り,高速圧加工領域
図 5 Doilatancy-Ⅲの加工特性
の特性把握および信頼性評価を
実施しダイラタンシー・パッドの事業化を目指す.
(iV)高速加工領域における加工レートの飽和現象とその対策
現状のダイラタンシー・パッド®は,200~400 回転以降から加工レートが上昇せずに飽和する傾向に
ある問題が指摘される.この原因について考察すると,次のことが考えられる.
<物理的な要因>
4
①ハイドロプレーニングによるパッド面上からの基板の浮き上がり
②定盤の高回転とともにセルフリターンスラリーの供給圧力が高くなり,パッドと
基板間への急流スラリーの潜り込み現象による基板の浮き上がり
<材料的な要因>
③ダイラタンシー材料が低粘度であるため遠心力で流出
④ダイラタンシー材料の追従性(緩和時間の影響)
⑤パッド構造体の座屈現象
これらの要因が加工能率低下を招く可能性があるものと考え,以下考察する.
① ハイドロプレーニングによるパッド面上から基板の浮き上がり
2 平板間が水平方向に相対運動する時の,揚力 L はベルヌーイの定理から,ウエハの面積=A,
スラリー密度=ρ, 揚力係数=CL, 相対速度=V とすると
L=1/2(ρV2)・CL・A
である.この揚力 L が加工力 W=p・A より大きくなりだすポイントが臨界ハイドロプレーニ
ング(HP)速度 Vcr とするなら,
Vcr=(2/ρ・CL)0.5・√P
となり加工圧力 P の 1/2 乗に臨界速度が比例することになる.ハイドロプレーニング現象が
起きるとウエハとパッド間はスラリー膜で隔たれ,加工レートが低下することから加工レー
ト曲線のピーク(極値)を概ね臨界速度点と考える.負荷圧力 100kPa の場合 Vcr=270 回転
付近,200kPa の場合 Vcr=380 回転付近にあり,加工レートは概ね加工圧力(2 倍)の√2 倍
となっており Vcr∝K√P に沿う実験結果(図 6)が得られた.このことから加工レートの飽
和現象にハイドロプレーニング現象が大きく影響しているものと言える.
図 6 負荷圧力を変化させた時の加工特性
② 定盤が高速回転することによってセルフリターンスラリーの供給圧力が高くなり,パッド
と基板間に勢いよく潜り込むことによる基板の浮き上がりスラリーの飛散対策の項で述べ
たとおり,動圧を相殺する構造を考案した.このリターンパイプ構造を試作し実機試験にて
確認した結果,定盤回転数による流動圧の影響を抑制でき,勢いよくスラリーが流出するこ
となく安定供給されスラリーの供給圧力によるウエハ浮き上がりを避けることが出来た.
③ ダイラタンシー材料が低粘度でるため遠心力でピラーから流出
オリジナルのダイラタンシー材料の開発の項で述べたとおり,架橋剤によって材料の高粘
度化を念頭に材料開発を進め,流出を抑制できるダイラタンシー材料の DoilatancyⅥを開発
した.
5
④ ダイラタンシー材料の追従性(緩和時間の影響)
ここでいう追従性とは, 材料に応力歪みを与え,この応力がノーマルになるまでの時間が
関係しており,この緩和遅れの要因は次の 2 つが考えられる.
・応力緩和時間が,回転定盤の回転に合わせた負荷サイクル(周期)より長い場合
・応力緩和時間が,Stick-Slip が発生した時の Slip 時間より長い場合
ここで,材質による応力緩和曲線を図 7 に,ダイラタンシー材料 D-①,D-2 の応力緩和時間を
表 2 に,また負荷サイクル周期を表 3 に示す.
表 2 応力緩和時間
トルク0.0001Nmになるまでの緩和時間
トルク0.001Nmになるまでの緩和時間
sec.
sec.
D-①
1.519
0.120
D-②
3.850
0.230
表 3 負荷サイクル周期
定盤回転数 rpm
周期 sec
図 7 応力緩和曲線
100 200 300 400 500 600
0.6 0.3 0.2 0.15 0.12 0.1
先ず,ダイラタンシー材料の緩和曲線を求め,応力緩和時間と負荷サイクル周期と比較する.
この結果から,この材料は回転数 300~400 回転頃から追従性の影響が出てくることが推測さ
れる.次に Stick-Slip については,振動試験データを解析し Stick 領域の限界を求め図 8 に示
す.ここから速度が約 30mm/sec 以上になると Slip の影響が現れることが推測できる.つま
りこの材料(D-②)の場合 0.003sec,80μmまでは,Slip が無く,せん断歪が生じオストワルド
流動の指数はn>1.0 でありダイラタンシー現象が発揮されている範囲であることが分かる.
図8
図 9 周波数分析
Stick-Slip 現象の Stick 限界
さらにこの振動試験データの周波数分析(図 9)から,振動速度を増大することにより
195Hz(周期 0.005sec)近傍のスペクトルが増大していくことが分かる.これを Stick-Slip に
よる微振動と推測すると,概ね Stick 限界と近似していることが見て取れる.
また視点を変えて,ダイラタンシー材料に混練・保持された砥粒によって,ウエハの加工面
が擦られる場合の運動系で考察する.ウエハの加工面の表面粗さによる凸部 A とパッド側砥粒
B が速度を持って擦られる時では,速度に見合った粘度上昇が起こり砥粒保持力が高まり高レ
6
ート化へとつながるのだが,この凸部 A がこの砥粒 B を通り抜けてから,次のウエハ表面粗さ
による凸部 C がこの砥粒 B に接触するまで砥粒 B はノーマル保持される.次の凸部 C と砥粒 B
が速度を持って擦られることになり砥粒保持力が高まるという一連の繰り返しとなる.そし
てこの凸部 A が通り抜けてから凸部 C が来るまでの時間は先の振動試験の周波数分析から得
られる実測値で判断すると,ダイラタンシー材料の緩和時間(ノーマルに戻るまでの時間)は
0.005sec 以下であることが理想的ということになる.しかし実際はウエハ加工表面の面粗さ
による凹凸のピッチは大変に小さいことと,パッドは金属定盤と違って弾性体であることか
ら凹部が部分的にでもパッド面と離れることは考えにくい.このことから,局部的な接触応力
の強弱は有ったとしても殆どウエハ全面で接触して,連続的にずり応力が働くので総体的に
ダイラタンシー効果を生み出していると考えるべきであり,0.005sec までの追従性は必要な
いと判断する.
⑤ パッド構造体の座屈現象
本プロジェクトでは高速圧加工を開発コンセプトの一つとして展開しているが,現状の不
織布パッド(7,000C)は,400kPa 付近から局部的に座屈が生じ始め摩擦係数の変化を伴って,
加工レートの低下を招いている.そこで昨年度に続き,スラリー保持の必要性から通気性を確
保したまま高剛性化を図る目的で,今年度は先ずパッド素材であるフェルト材にコーティン
グによる補強を試みた結果,成膜質量 4.7mg(膜厚:約 200nm)の DLC コーティングを施すこ
とで,未コート品より約 2.5 倍の高剛性(硬度)化が確認でき,成膜(コート)質量が多いほど
その傾向が強い.そこで不織布製品パッドに DLC コーティングを施し高剛性化を狙ったが,
高荷重に耐える程の剛性を得ることが出来なかった.さらに製造コストを評価したところ,コ
ストパフォーマンスが低く,不織布パッドによる高圧加工には限界があると判断され,開発当
初の想定通り低圧加工領域では不織布パッド,高圧加工領域では発泡 PU パッドという棲み分
けで対処するのが得策と判断した.
以上のことから加工レートの飽和現象についてまとめると,ハイドロプレーニング現象に
よるものと,負荷サイクルの追従性による 2 つが原因と判断でき,この対策が今後必要となる
(表 4).しかしながら追従性・応答性の対策に関しては,ダイラタンシー材料見直しをゼロか
ら始めなければならないこととなり大変に難題である.さらに短期間で解決できるものでは
ない.ここでは今後はハイドロプレーニング対策を重点に進める計画である.
表 4 加工レートの飽和現象検討のまとめ
加工レート飽和現象の要因
高速回転することによってスラリーが潜り込
む時の圧力(ラム圧力)に、セルフリターンさ
れるスラリー供給圧力が重畳することによる
運動力学的な
基板の浮き上がり
要因
ハイドロプレーニングによるパッド面上から基
板が浮き上がり
対 策
課題
達成度
今後の検討
スラリーの戻り圧力を一定にする動圧を相殺す
るノズル構造を完成
-
◎
完了
トレットパターン
△
加工特性試験で実証
-
◎
完了
-
◎
高速圧領域のパッドメ
ニュー棲み分け
高速応答性
△
サンプル5A,5Bで対応
トレット溝の検討中
高荷重化
ダイラタンシー材料の粘度がパッドの回転遠
高粘度化を念頭にダイラタンシー材料開発
心力に負けて、ピラーから流出
材料に起因し パッド自体の座屈現象によ、スラリー保持機 パッドの高剛性完投中 (DLCコーティング)
た要因
能低下が引き起こす加工能率の劣化
⇔不織布パッドの限界 ⇔ 発泡PUパッド
ダイラタンシー材料の応答性
(応力緩和時間の影響)
高剛性、低減衰係数ダイラタンシー材料開発
⇔ ダイラタンシー効果を損なう
7
(v)汎用装置向けダイラタンシー・パッドの信頼性評価
研磨業界で現在使用されている加工装置への導入を念頭に,ダイラタンンシー・パッド®の時間経過
に伴う機能(寿命,保存)の耐久安定性を評価した.
① D-①パッドの寿命耐久評価試験結果
汎用装置の一般的な加工条件(36kPa,60 回転)での 120 時間以上の耐久性試験を実施した.
パッド創成時期の目安としては,加工レート 0.4μm/h以下に達した領域と規定し,パッドの
ドレッシング作業を盛り込んだ.その結果,3 回のドレッシングで加工特性が維持でき,さらに
平均加工表面粗さは Ra=1.55nm であり劣化が進まないことを確認した.今後更なる長期寿命・
n数増し評価と高加工条件での長期寿命評価についても継続する予定である.
② D-①パッドの保存耐久評価試験結果
パッド製作から研磨使用までの保存期間中に,ダイラタンシー物性の変化・劣化が無いこと
が必要である.そこで先ず常温(25℃)保存期間 2 ヵ月のパッドのダイラタンシー物性等の劣
化を加工レート・加工面粗さの観点から評価した結果,変化は認められずパッド製作時の特性
と変わりないことが確認できた.さらに常温(25℃)保存期間 6 ヵ月のパッドの加工特性試験
結果からも,変化は認められずダイラタンシーパッドの保存耐久性が確認できた.またこの耐
久試験は加工特性の長期安定性(試験作業上の外乱を極力抑えるために、歳差運動が起きない
試験装置またウエハ個体差を避けるために 1 枚のウエハで継続)をも同時に検証した.その結
果,目標値である RR=±10%(σ=0.021),Ra=±20%(σ=0.201)をクリアすることが出来,長期
安定性に問題が無いことを検証することが出来た.現在は前記したオリジナル・ダイラタンシ
ー材料 DoilatancyⅥでの評価をする目的で,保存用サンプルパッドを製作し保管中である.基
本構造・材質が同じであり保存耐久性を損なうことは無いものと推測される.更に赤道を経由
して船便輸出する場合を考慮して,高温保存(例えば 60℃)での信頼性確保を検討中で
あ
るが DoilatancyⅥ材料は含浸後 100℃×1hキュアしており,これ以下の温度では劣化等の変化
は無いものと推測している.次年度は高速圧領域パッドとして DoilatancyⅥでの研磨特性,信
頼性試験による評価を計画する.
(vi)スマートポリシング・システムの概念
第一フェーズでは,加工能率と加工品位(殊に面粗さ)の両立できるスマート加工原理を検証した.
第二フェーズでは,加工変質層の深さを考慮した上でスマートポリシング・システムを構築する検討を
進めている.その中で,加工変質層の深さを抑制することのできる下記の加工条件を見出した.
・加工変質層深さと加工面の表面粗さはほぼ比例関係(相関 0.85)にあること,
・加工変質層深さと加工圧力は比例関係にあり,回転数とは反比例関係にあること,
・加工変質層深さは,加工面の表面粗さが同じでも加工工具によって異なること,
(ダイラタンシーパッドによる加工面の表面粗さと,錫(Sn)定盤による加工面の表面粗さが
同じであっても加工変質層深さは 2 倍ほど違う)
上記の項目は,同じ P・V 値でも加工圧力を低くさらに加工速度を高くすることによって,加工変質層
深さを抑えることが可能であることを意味し,選択指標を見出しスマートポリシング・システムの加工
条件を設定することが可能となる.よって,各工程における加工条件をパラメータとし,マトリクスを
作成して総合的にみて最適加工条件を探索した結果,現時点での最適加工条件として図 10 を得た.この
条件で中間加工・仕上げ加工の生産時間は 100min となり,従来プロセスと比べると約 1/5 に短縮でき
ると言える.しかし,スラリー滴下方式のため,200 回転,200kPa を超えるとパッド温度が高温になるの
で,さらなる高速圧領域での加工をすることは困難である.今後は,これらの問題を解消できる液中研
磨方式における最適加工条件を追究しつつ,スマートポリシング・システムの確立を目指す.
8
25min
5min
100min-1
100kPa
30kPa
加工時間
加工時間
図 10
65min-1
50kPa
36kPa
項目
素材
パ ダイラタンシー材
ッ 形態
ド 砥粒サイズ
砥粒混練量
フィラー
供給方式
ス
量もしくは流量
ラ
砥粒サイズ
リ 砥粒濃度
品番
加工装置
46min
加工回転速度
200min-1
加工圧力
加工圧力
加工回転速度
100min-1
加工圧力
加工回転速度
25min
中間工程 (1)
Cu定盤
噴霧
1mℓ/min
3.0μm
2.50%
NF3000
FT15
中間工程 (2)
不織布7000C
PDMS 5A,5B
含浸
0.25μm
20%
FFV110-10%
滴下
6mℓ/min
0.25μm
1%
NF250
SLM-140Hα
加工時間
仕上げ工程(CMP)
不織布7000C
滴下
10mℓ/nmin
0.08μm
スマートポリシング・システムを構築する工程別加工条件
9
DSC0901A,B
NF300
(2) 構築加工プロセスのトータル的評価に関する検討
仕上げ加工工程(コロイダルシリカによる CMP 工程)の負担を軽減し,加工プロセス全体を俯瞰した
生産性向上・最適融合加工プロセスの構築を目指し,中間加工工程で限りなく高品位に仕上げるべく,
加工能率(加工レート)
・加工品位(表面粗さ,スクラッチなど)を主に評価する.最終的には,構築
した最適プロセスを用いて加工した基板に対してエピ膜成長を施し,最終的な品質評価を行なう.
これまでに,従来の金属定盤プロセス(ケメット Sn)に対して不織布パッド,ダイラタンシーパッド
を使用した場合の加工ダメージ(加工変質層など)生成の影響に加えて,最終仕上げ加工(CMP)工程
における加工面品位に関する評価を実施した.さらに金属定盤プロセスにおける各工程での加工ダメ
ージ,およびダイラタンシー・パッドプロセス・CMP プロセスにおける各種加工条件での加工ダメージ
について詳細な評価を行なった.これらの評価結果から,最終的なエピレディーSiC 基板を作製する最
適加工プロセスを提案した.そして,各 WG において取り組んでいる検討内容に対して,それぞれの加
工ダメージ評価を行ない,評価結果をフィードバックすることによって,更なる最適融合加工プロセ
ス条件の改善・構築を追究している.
今年度は,エオフ角 4°の 4H-SiC 基板(φ2inch)を対象として、エピタキシャル成長後のエピ膜の
評価によって構築加工プロセスの総合的評価を行うべく検討を展開している。高速圧加工装置および
改良型ダイラタンシー・パッドによる最適融合加工プロセスを適用して,エピレディーSiC 基板の作
製・評価を推進し、そして最終仕上げまで行った SiC 基板を準備し電力中央研究所・土田氏のご協力
によりエピタキシャル成長の予備検討を試みた。
(i) オフ角 4°の 4H-SiC 基板の加工特性
ここでは,これまで標準としてきたオフ角 0°SiC 基板に対して,エピ膜成長後の仕上がり面精度
が判別し易いオフ角 4°SiC 基板を加工対象として検討を進めた.具体的には,金属定盤による粗加
工工程,ダイラタンシー・パッドによる新規中間加工工程,コロイダルシリカと不織布パッドによる
仕上げ(CMP)工程におけるオフ角 4°SiC 基板の加工特性を把握し,オフ角 0°SiC 基板との比較を
行なった.なお,一般的に CMP 工程におけるオフ角 0°と 4°の SiC 加工レートを比較した場合,オ
フ角 4°において加工レートが 30~40 %程度増加することが知られている.
100
錫定盤
銅定盤
90
SiC 加工レート [um/H]
<金属定盤による粗加工工程>
金属定盤/粗粒~細粒ダイヤスラ
リーを用いた粗加工工程におけるオ
フ角 0°と 4°の SiC 基板(φ2inch)
での加工レートの比較を行なった.
その結果,オフ角 4°において加工レ
ートが 20~50 %程度増加することを
確認した(平均 約 40 %増)
.同時に
粗加工の各工程後の表面粗さを比較
した結果,双方ほぼ同程度の仕上が
り面であることを確認している.
次に, 上記 SiC 基板の加工ダメージ
比較を行なった.本評価では,差異が顕
著に現れると考えられる Cu 定盤によ
る加工基板を比較対象とした.その結
果, オフ角 4°において加工変質層
(ダ
メージ)深さが 10 %程度増加すること
が分かった.
80
70
0°off
60
4°off
50
40
30
20
10
0
0.25um
0.5um
1.0um
ダイヤスラリー砥粒径
オフ角0°: 160.3nm(Max. : 421 nm)
10
3.0um
オフ角4°: 176.1nm(Max.511 nm)
6
SiC加工レート [um/H]
<ダイラタンシー・パッドによる中間加工工程>
ダイラタンシー・パッド/φ250nm ダイヤ
スラリーを用いた新規中間加工工程におけ
るオフ角 0°と 4°の SiC 基板(φ2inch)での
加工レートの比較を行なった.
高 能 率 加 工 条件 (100kPa/200min-1), 高品
位加工条件(50kPa/100min-1)の 2 水準比較で
の結果,オフ角 4°において加工レートが 10
~40 %程度増加することを確認した.同時に
粗加工の各工程後の表面粗さを比較した結
果,双方ほぼ同程度の仕上がり面であること
を確認している.
0° off
4° off
5
4
3
2
1
0
50kPa/100rpm
100kPa/200rpm
SiC加工レート [nm/H]
SiC加工レート [nm/H]
<コロイダルシリカスラリーによる CMP 工程>
不織布パッド/市販コロイダルシリカスラリーを用いた仕上げ(CMP)工程におけるオフ角 0°と
4°の SiC 基板(φ2inch)での加
250
140
工レートの比較を行なった.圧
0° off
0° off
120
4° off
4° off
200
力・回転速度に着目して加工特性
100
を調査した結果, オフ角 4°にお
150
いて加工レートが 20~40 %程度
80
増加することを確認した.同時に
60
100
粗加工の各工程後の表面粗さを
40
比較した結果,双方ほぼ同程度の
50
20
仕上がり面(Ra=0.30~0.36 nm)
回転速度:65 min
圧力:21.5 kPa
であること,および加工によるダ
0
0
0
20
40
60
80
0
50
100
150
メージ層が生成していないこと
回転速度 [min-1]
圧力 [kPa]
を確認している.
-1
(ii) オフ角 4°の 4H-SiC エピレディー基板の作製
上記の加工特性を念頭に,オフ角 4°の 4H-SiC 基板の最適融合加工プロセスについて検討を行な
った.比較対象とした従来プロセスと新規プロセスの内容は以下の通りである.なお,粗加工(粗研
削)工程終了後の中間工程~仕上げ(CMP)工程における総研磨量を約 40um と想定している.加工レ
ート・ダメージなどを総合的に検討した結果,これまで比較対象としてきた従来加工に対してトー
タルプロセス時間 1/5 以下を達成した. 4°off 4H-SiC基板
※ 中間+仕上げ工程にて40um相当除去を想定
<従来加工プロセス>
① 金属定盤 + ダイヤスラリー
Cu 定盤 / 3.0 um ダイヤ
Sn 定盤 / 1.0 um ダイヤ
Sn 定盤 / 0.5 um ダイヤ
Sn 定盤 / 0.25um ダイヤ
② 不織布 + コロイダルシリカ
プロセス構成 : 5 工程 (5 STEP)
トータル研磨量: 41.6 um(実測)
実プロセス時間: 9.42 H
中間加工 STEP1
中間加工 STEP2
中間加工 STEP3
3umダイヤ
1umダイヤ
0.5umダイヤ
中間加工 STEP4
0.25umダイヤ
加工レート
77 um/H
14 um/H
4.1 um/H
2.0 um/H
除去厚さ
30 um
2200 nm
1320 nm
加工時間
0.4 H
0.16 H
仕上げ加工
コロイダルシリカ(~数10nm)
従来(高品位) CMP
0.085 um/H
Total
880 nm
680 nm
≒ 35 um
0.3 H
0.44 H
8.0 H
9.3 H
220 nm
170 nm
0 nm
加工ダメージの
4倍相当を除去
加工ダメージ
11
550 nm
330 nm
<新規加工プロセス>
※ 中間+仕上げ工程にて40um相当除去を想定
4°off 4H-SiC基板
① 金属定盤 + ダイヤスラリー
Cu 定盤 / 3.0 um ダイヤ
② ダイラタンシー・パッド(D-Ⅵ)
+ 0.25 um ダイヤ
③ 不織布 + コロイダルシリカ
プロセス構成 : 3 工程 (4 STEP)
トータル研磨量: 35.5 um(実測)
実プロセス時間: 1.68 H
中間加工 STEP1
中間加工 STEP2
3umダイヤ
仕上げ加工
0.25umダイヤ
コロイダルシリカ(~数10nm)
D-5パッド(高能率条件)
D-①パッド(高品位条件)
高能率・高品位CMP
加工レート
77 um/H
5.2 um/H
2.2 um/H
0.11 um/H
Total
除去厚さ
30 um
2200 nm
220 nm
88 nm
≒ 32.5 um
加工時間
0.4 H
0.4 H
0.1 H
0.8 H
1.7 H
55 nm
22 nm
0 nm
加工ダメージ
550 nm
加工ダメージの
4倍相当を除去
ダイラタンシーパッド 2STEP研磨
作製したエピレディー基板について、それぞれの表面性状のまとめたものを以下に示す.
従来プロセス
Epi Ready Sample
新規プロセス
Epi Ready Sample
表面粗さ
(Filter 25)
Ra = 0.324 nm
Rz = 4.01 nm
Ra = 0.324 nm
Rz = 3.93 nm
基板反り量
1.23 um
5.40 um
Zygo画像
基板外観,および表面粗さの数値において差異の無い良好な表面性状に仕上がっていることを
確認した.基板反り量の比較では,新規プロセス基板で 5um を越える数値となっている.この原因
として,従来プロセスでは金属定盤~CMP 工程までをワックス貼付状態で加工したことに対して,
新規プロセスでは高速圧加工装置(SLM-140H)の運用上,金属定盤プロセス後にワックスを剥離
する必要があり,基板表裏面の状態の差によって基板の反りが生じたものと考えている.このこ
とについては、高速圧加工装置と同様の基板保持方法などを全ての工程を一貫して行なうことを
基本とし、反りや平坦性の向上を図ることとする.
一方、TEM 観察によって得た加工ダメージ層の深さ(D)の 4 倍を次工程の加工除去量とする原
則(
「TEM 値 4 倍除去原則」と呼称)を設定して、電力中央研究所のご協力によって予備検討用エピ
レディ基板にホモエピタキシャルを試みた。従来加工法による最終仕上げ面(8 時間をかけて約
850nm 除去)と、本構築加工プロセスによる最終仕上げ面(0.7 時間かけて約 8nm 除去)のそれぞれ
にホモエピタキシャル成長させてそのエピ膜を評価した。その結果、前者のエピ面は微小スクラッ
チはあるものの比較的良好な膜が得られているが、後者のエピ膜は前者よりも大きなスクラッチ麺
が観察された。両者とも TEM 観察から得た加工ダメージ層深さの 4 倍程度の除去しても十分でない
ことが明らかになった。しかし、従来加工法によるエピ膜には致命的キラー欠陥(巨大スクラッチ)
が検出された。本加工プロセスは均一な加工面であることから、致命的スクラッチはなく加工量を
増やすこと、軟質パッド(人工皮革)による最終仕上げを導入すること、等によって最終仕上げ工程
の除去量を見直し、加工除去原則を再設定していく。
今後,エピ工程前後のオフ角 4°SiC 基板の詳細な評価を行ない,構築した最適加工条件における
優位性・改善要素を明確にし.各要素技術へのフィードバックを行なう。加工能率,および加工品位
の向上を目指すスマート加工/CMP プロセスを実現するため、トータルプロセスを評価していく.
12
(3) 新規仕上げ工程用加工装置に関わる要素技術
―加工援用技術(UV 援用加工)に関する検討―
本検討は,スマート加工/CMP 技術の開発・装置(システム)に搭載する UV 照射によるダメージレス
CMP を行なう加工援用ユニットを構築して,従来の CMP プロセス時間の短縮,および基板表面の超精密
仕上げ加工の実現を狙う.本開発内容は,プロジェクトの研究開発コンセプトと当初の計画に基づき,
平成 28 年度 高速圧加工装置への搭載(装置オプション化)に向けて検討を進めている.
これまでに『石英定盤を用いた光援用加工の効果』を見極めるため,SiC 基板への UV 照射による加
工援用効果の検討,および各種加工プロセスでの加工面品位の比較と加工品位評価手法の検討,さら
に実際に設計・試作した石英定盤を用いた加工実験による検証を行なってきた.そして平成 27 年度上
期では,研磨パッドに設ける UV 透過穴径についての検討に着目して,UV 照射による援用加工の検討を
行なったところ,通常加工に対して 1.6 倍の援用効果が得られることを明らかにした.
平成 27 年度下期は,UV 光透過穴パターンの詳細検討,加工条件(圧力・回転速度)の特性把握,UV 光
源の検討,および UV 照射強度についての検討を行ない,光援用加工プロセスの構築に向けた研究開発を
推進した.
(i) UV 透過穴パターン検討(照射面積/CMP 比率の最適化)
これまでの評価で用いていた UV 光透過穴の形状を検討・改善した.具体的には,これまで不織布
パッドの UV 照射軌道上に設けていたφ5mm の UV 透過穴を SiC 基板のより広範囲に照射可能なよう,
矩形のスリット形状(1.5×8.0 mm)とした.UV 光の透過面積に着目し,前期報告で最良の結果が
得られたφ2mm Pad と同水準の穴パターンパッドを標準として,今回新たに穴面積 2 水準を追加し
て,UV 透過穴面積(摺動パッド面積)を変更することで加工能率および表面性状に及ぼす影響を
調査した.以下にパッド水準を示す.
ⅰ)矩形スリット 4 穴パッド 【 面積比 … 透過穴 : パッド = 1 :140 】
ⅱ)矩形スリット 8 穴パッド 【 面積比 … 透過穴 : パッド = 1 : 70 】※
※ 前期報告のφ2mm Pad(面積比 1:67 と同水準)
ⅲ)矩形スリット 16 穴パッド 【 面積比 … 透過穴 : パッド = 1 : 35 】
矩形スリットタイプ(H27 下期)
丸穴タイプ(H27 上期)
(ii) UV 援用加工における加工条件の検討(TiO2 粒子の光触媒反応効果)
前述した矩形スリットパッドの標準タイプ(8 穴)を用い,UV 援用加工の加工条件について検討
し,SiC 基板の加工特性把握を行なった.一般的な市販のコロイダルシリカスラリー(DSC0901
Fujimi),不織布パッド(FPK-7,000C フジボウ愛媛)を用いて□10mm の SiC 基板(3 枚貼付)の
13
250
250
200
200
加工レート [nm/H]
加工レート [nm/H]
研磨加工を行なった(圧力 3 水準・回転速度 4 水準)
.安定した特性調査のため, 加工時間を 4 時
間とした.以下に加工特性を示す.
UV援用
150
1.4倍
通常加工
100
50
150
UVあり
35kPa / 60rpm
UVなし
UVあり
81kPa / 60rpm
UVなし
通常加工
100
50
0
UVなし
UV援用
0
UVあり
UVなし
124kPa / 60rpm
UVあり
124kPa / 30rpm
UV 援用加工特性(圧力)
UVなし
UVあり
UVなし
124kPa / 60rpm
UVあり
124kPa / 80rpm
UVなし
UVあり
124kPa / 120rpm
UV 援用加工特性(回転速度)
圧力・回転速度の上昇に従って加工レートが上昇する.本検証範囲での UV 照射による加工援用
効果の観点においては,高圧力領域・回転速度 60min-1 の加工条件で最大の援用効率(1.4 倍)が得
られることを把握した.
UV 透過穴パターンを変更したパッド(前述 3 水準)による加工特性の把握を行なった結果,矩形
スリット 4 穴,8 穴パッドで援用効果が現れることを把握した.これらの要因として,UV 透過穴周
期・UV 照射強度のバランスが 4 穴,8 穴パッド,および回転速度 60min-1 で最も効率よく酸化膜生成
を促進させること,さらに生成酸化膜を速やかに除去可能な高圧力領域が適すると考えられる.な
お,120kPa/60min-1 の加工条件において,表面粗さ 0.5~0.7 nm Ra(zygo)を確認しており,本加工
条件における基板表面性状の劣化は認められなかった.
続いて,コロイダルシリカスラリーに光触媒(TiO2 0.2wt%)を添加し,上記で得られた加工条件
を適用して加工特性把握を行なった.その結果,スリット 8 穴パッドにおいて 1.6 倍の加工援用効
果が得られた.
250
180
16穴
8穴
4穴
100
50
0
UV照射
通常加工
160
加工レート [nm/H]
加工レート [nm/H]
200
150
UV+TiO2
200
1.6倍
1.3倍
140
120
100
80
60
40
20
UVなし
UVあり
124kPa / 30rpm
UVなし
UVあり
124kPa / 60rpm
UVなし
0
UVあり
Ra=0.49nm
Ra=0.48nm
2×6スリット 4穴 7000C
124kPa / 120rpm
UV 援用加工特性(パッド穴パターン)
Ra=0.54nm
Ra=0.47nm
2×6スリット 8穴 7000C
UV 援用加工特性(触媒添加)
(iii) UV ランプ光源/照射強度(光触媒反応の強化)による加工特性の把握
これまで,
照射する UV 光源ランプは 200W 水銀キセノンランプ
(4000mW/cm2)
を標準としてきた.
さらに効果的な UV 援用加工を目指し,下記項目に着目して検討した.
① 4~6inch SiC 基板への対応 : 面発光型の LED-UV 光源の適用
これまでの UV ランプ(石英系ファイバー,照射径 8mm)に対して,より広範囲への照射に対
14
応が容易な面発光型 LED-UV の適用を検討した.
② UV 照射強度の向上 :高強度 UV ランプの適用
より高強度の UV 照射により,援用効果向上についての検討を行なった.
光源
200W 水銀キセノン
紫外発光 LED
高強度紫外 LED×4
ランプ強度
4000mW/cm2
200mW/cm2
2600mW/cm2
ピーク波長
365nm
365nm
365nm/385nm
SiC加工レート [nm/H]
照射器を変更した比較実験の結果,それぞれ下記の加工援用効果を示した.
従来 UV
⇒
1.4 倍
180
LED-UV
⇒
1.1 倍
160
高強度 UV ⇒
1.5 倍
1.5倍
140
1.4倍
援用効率変化の要因として,紫外
120
線強度の強弱が SiC 基板表面で
1.1倍
100
の酸化膜生成効果に大きく影響
80
していることが考えられる.
60
また,面発光 LED-UV の適用に
40
よって広範囲照射への展開が容
20
易であることは大きな魅力であ
0
り,今後表面精度の向上を視野に
LED-UV
powerUV
UVなし
従来UV
評価を検討する予定である.
UV 援用加工特性(UV タイプ)
900
800
700
600
500
400
300
UV強度 [mW/cm2]
UV 照射器
従来ランプ
LED-UV
高強度 UV
200
100
0
以上の検討結果から,下記の内容が明らかとなった.
ⅰ)UV 援用加工の加工条件検討・特性把握
圧力・回転速度に着目し,加工特性評価を行なった結果,
高圧力領域・回転速度 60min-1 の加工条件で援用効率 1.4 倍を達成した.
ⅱ)パッドの UV 透過穴パターンによる加工援用効果
加工援用効果は スリット 8 穴パッド > 4 穴パッド > 16 穴パッド の関係となった.
8 穴パッド + 前項の加工条件 + 光触媒(TiO2)適用により 1.6 倍の加工援用効果
および通常研磨同等以上の良好な表面粗さ( <0.5nm Ra : zygo)を達成した.
ⅲ)UV タイプによる加工援用効果
UV 強度の強弱が加工能率に大きく影響することを明確にした.
加工能率 : UV 無し < LED-UV ≪ 従来 UV < 高強度 UV
高強度 LED-UV を適用することにより,加工能率向上と大口径 SiC 基板への展開が容易に
なることが予想される.
平成 28 年度は,超精密の最終 CMP プロセスへの適用を念頭に,高速回転領域(200min-1~)における
加工特性の把握,援用加工条件の最適化検討を推進する.超高精度仕上げ面の短時間プロセスを確立さ
せるべく,表面性状(粗さ・ダメージなど)や加工援用効率(加工能率)に特化した評価を行なう.こ
れらの検討結果を踏まえた上で,平成 28 年度の第 2 次商品化でのシステムの搭載・導入を目指す.
15
3.
今期の達成度と今後の進め方
(1) 今期の達成度
H27 年度の検討項目と達成度を表 5 に示す.
表5
装
置
関
連
パ
ッ
ド
関
連
2015 年度検討項目とその達成度
テーマ
成果
達成度
高速圧領域における研磨試験を
可能にする
スラリー飛散対策,
スラリー供給圧力の抑制達成
◎
スマートポリシングシステムの構築
RR、Ra、加工変質層を考慮した
最適加工条件をまとめた
◎
2次商品化に伴い140Hの改善項目と
対策案及び搭載可能なテーマの選択
次期商品化に向けた基本仕様と
搭載機能の打ち合わせ3回実施
○
高速圧加工領域における
加工特性の把握
スラリー飛散対策,ヘッド構造検討に
注力したので工数不足
△
最終仕上げ工程(高速低圧領域)
用パッドの可能性検討
CMP仕上げ加工に適した基本概念
を調査
△
ダイラタンシー材料の改善もしくは 市販品の改善の見極め.解題を解決し
オリジナル化による材料開発
たDoilatancyⅥを開発した
汎用加工装置向けダイラタンシー
パッドの信頼性評価
寿命耐久100時間評価、2ヵ月、
6ヵ月保存耐久評価RR<±10%達成
プロセス評価
テ-マ
成果
◎
◎
達成度
オフ角4°SiC基板の加工特性把握
各工程での特性評価 終了
◎
最適融合加工プロセスの構築
プロセス時間1/5以下を達成
◎
エピレディーSiC基板作製・評価
サンプル作製・エピ工程終了
詳細評価を実施予定
○
テ-マ
成果
達成度
援用加工
UV透過穴パターンの検討
丸穴⇒矩形,穴数検討実施
◎
UV援用における加工条件の検討
援用効果向上の傾向を把握
◎
UVランプ光源・照射強度による
加工特性の把握
3種光源による援用効果把握
大口径基板への見通しを得た
◎
なお出願関連は,
・九州大学,不二越機械工業㈱ :「研磨装置」(特願 2015-132726)共同出願
・九州大学,フジボウ愛媛㈱ : 特願 2013-049471「研磨パッド及び研磨方法」の海外出願中
・土肥・瀬下・フジボウ愛媛(株)
:商標登録(右写真参照)
「ダイラタンシーパッド」
「Dilatancypad」
(他 6 件)
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(2) 今後の進め方
第二フェーズ初年度にあたる今年度は,液中研磨方式の向上と高速圧領域における加工の安定化,新
しいダイラタンシー材料の開発及び汎用装置向けパッドの信頼性を明らかにした.
次年度は,高速圧加工領域の装置改善仕様設計(インテリジェント化)と高度機能の要素化技術の成
果を足掛かりとし,商品化に向けた総合的プロセス評価を進めるとともに,市場動向のヒアリングによ
りニーズを的確に掴み、それに合わせ、かつ差別化できる創造的加工システムのイメージ化とその具
現化を追究する.
本成果による新しいデバイス・プロセス技術への導入を前提に,革新的加工装置およびパッドの製品
化(本格事業化)を目指す.
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参
考(受賞関係)
・精密工学会最上位「精密工学会賞」
:土肥俊郎
受賞記念講演「革新的研磨/CMP 技術を目指して 40 年有余―産業界との連携を念頭に―」があり,
その中で本プロジェクトのことが紹介され大きな反響があった.
・日本機械学会賞(論文)
革新的概念に基づく超高効率加工技術の構築(ダイラタンシー・パッド工具と液中加工システム
によるSiC基板の効果的加工プロセスの確立) 日本機械学会論文集 編81巻824号 2015年04月
九州大学
:土肥俊郎,瀬下 清, 山崎 努, 大坪正徳, 西澤秀明, 村上 幸
不二越機械工業㈱ :市川大造, 中村由夫, 宮下忠一
フジボウ愛媛㈱
:川村佳秀, 高木正孝, 柏田太志
並木精密宝石㈱
:曾田英雄
・精密工学会「高城賞」
Precise mechanical polishing of brittle materials with free diamondabrasives
dispersed in micro–nano-bubble water
NAMIKI PRECISION JEWEL CO., LTD
:Hideo Aida, Seong-Woo Kim, Kenjiro Ikejiri, Koji Koyama, Hidetoshi Takeda, Natsuko Aota
KYUSHU UNIV. KASTEC
:Toshiro Doi, Tsutomu Yamazaki, Kiyoshi Seshimo
以上のこれらの受賞は,本プロジェクトの研究成果が半導体製造プロセス産業分野をはじめ各界か
ら高く評価されたことを意味しており,本研究活動の多大なる成果である.本プロジェクトを推進する
にあたり,大きな励みになるものと考える.
参画企業の方々はじめ、関係者の皆様にお礼申し上げる。
(以 上)
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