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スライド 1 - うめもとこどもクリニック

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スライド 1 - うめもとこどもクリニック
たんぽぽ新聞
園での感染症の知識
保育園や幼稚園に通園している
子どもは、自宅にいる子どもより約2倍
風邪にかかりやすいと言われています。子どもが急性
胃腸炎や急性気道感染症に罹患すると、保護者は子
どもをケアするために、また子どもから感染症をもらっ
て仕事を休むことがあります。保育園に通う園児の42%
は1年間に少なくとも1回急性胃腸炎に、65%は少なく
とも1回熱を伴う急性気道感染症に罹患し、休園します。
罹患した子どもから保護者への感染率は、急性胃腸
炎では40%、発熱を伴う急性気道感染症では36%で
す。園児から家族へのインフルエンザ感染率は10~
25%です。
注意しないといけない接触感染として、ノロウイ
ルスやロタウイルスがあります。これらのウイルス感染症
では胃腸炎の症状が改善しても、2週間は便の中にウ
イルスが排泄されています。治ってからも2週間はおむ
つの交換時に注意して下さい。手袋を着用して、おむ
つを交換しましょう。
日本のおたふくかぜワクチンは有効率が高く、1
歳時に接種すると副反応出現率が低いです。副反応
が心配な方は1歳時に接種して下さい。ロタウイルスワ
クチンはかかった時の重症化を防ぎます。必要な回数
接種しなくても、1回でも受けておれば、それなりの効
果はあります。これらのワクチンは任意接種ですが、機
会があれば受けておきたいワクチンです。今回は三重病
院院長の庵原先生のお話から拝借しました。
第76号 12/4/2014
うめもとこどもクリニック
津市塔世橋よこ
Tel 222-2332
電話予約(音声) 213-5050
当日受付専用電話090-7034-4996
ホームページ http://umekuri.com
携帯 http://umekuri.com/i/
ブログ http://umekuri.dreamlog.jp/
年末年始の予定
12月30日(火)午前まで診療。
12月30日午後ー1月4日(日)までお休み。
1月5日から診療します。
予防接種の定期化によって、
水痘はもとより、私たち小児科医にとって
もっとも重篤な細菌性髄膜炎の発生をほと
んどみなくなったことは嬉しい限りです。今
後、B型肝炎や、おたふく、ロタウイルスの
公費が進むことを願っています。保育園に
通う子どもたちが増える中、園での感染症
についてのお話を書きました。後半は愛着
の話題です。予防接種のあとは人気キャラ
クターの妖怪ウオッチをお土産にすること
もあります。子どもたちは「妖怪ボッチもらっ
た!」と喜んでくれます。
乳児の行動についてのモデル
右の図は生後一か月の赤ちゃんの行動をモデル
化したものです。実は立体になっているのです
が、図の上のほうが興奮していて、下の方が冷
静な状態です。1か月の赤ちゃんが泣く場合、
泣く声の波長によって、2種類の泣く原因が分
かっています。①お腹がすいたよー ②眠たい
よーの2つです。お母さんは、お腹がすいたと
きはおっぱいやミルクをあげて、落ち着かせま
す。眠いときは、さすったり、体をゆすったり
してなだめ、眠らせます。そうすることで、心
を落ち着かせます。親が慣れてくると、赤ちゃ
んの次の状態が予測でき、一日の規則的なパ
ターンに持ち込むことができ、親も楽になりま
す。
重要なことは、哺乳と睡眠の安定化です。
この2つが安定すると、赤ちゃんはおめめぱっ
ちりの状態(図ではぱっちり不活動)が増え、
じっと考える時間がとれます。将来の学習時間
につながります。また、親が間髪を入れずに子
どもの要求に答えることができると、子ども自
身は自分の要求に答えてくれると感じ、自分は
大事なものだという自尊感情が芽生えます。自
尊感情が大事なのは、これがあると、失敗を恐
れないことができるし、価値観を外へ求めるこ
とがなくなるので、どのような変化が起こって
も自分の価値観はゆらぎないので、変化に強い
です。
ヘネシー澄子さんの愛着の講演
愛着理論で有名なヘネシーさんのご講演を大阪ま
で聞きに行ってきました。日本では1945年までの子
育てはとてもよかったそうです。戦後、人工乳が出回
り、「ミルクは時間通りにやること、その時間以内に泣
いても、断固としてミルクはやらず、泣かせておく」と
いうのを、アメリカの行動派が推奨しました。親の負
担軽減のためにも有効だと言われました。日本でも、
「抱き癖はよくない」と母子手帳に書かれ、33年間
(1950-1983)続きました。
その後、アメリカでは1950年代から、虐待が増
え、その原因として、「親が子供を抱けないこと」が問
題となりました。それは母自身が赤ちゃんの時に、
泣いても抱かれなかった経験が、親になって子ども
を抱けないということにつながったからです。愛着と
は、馴染んだ親への信頼感です。子どもが不安、危
険を感じたとき、特に重要です。現在では、抱き癖と
いう言葉はなく、愛着形成には、赤ちゃんが泣いて
要求したら抱っこしてあげた方が、健全な子どもの
成長ができると考えられています。
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