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豊島区基本計画 答申
【平成 18 年度∼平成 27 年度】
豊島区基本構想審議会
平成 18(2006)年 2 月 9 日
目
次
基本計画の構成
第1章
1
新たな地域経営の方針
1.参加と協動のまちづくりに関する方針
9
2.新たな行財政改革に関する方針
16
3.分野別計画に関する方針
19
3−1
施策の重点化に関する方針
19
3−2
既存重要事業の選定に関する方針
22
3−3
公共施設等の再構築・活用に関する方針
23
4.戦略的・横断的な施策展開に関する方針
第2章
分野別計画
分野別計画体系図
1
2
26
30
すべての人が地域で共に生きていけるまち
1−1
地域福祉の推進
34
1−2
高齢者・障害者の自立支援
43
1−3
健康
54
子どもを共に育むまち
2−1
子どもの権利保障
64
2−2
子育て環境の充実
68
2−3
幼児教育
74
2−4
学校における教育
78
2−5
地域における教育
89
3
4
5
6
7
多様なコミュニティのあるまち
94
3−1
心ふれあうコミュニティの形成
3−2
平和と人権の尊重
100
3−3
男女共同参画社会の実現
103
みどりのネットワークを形成する環境のまち
4−1
みどりの創造と保全
108
4−2
環境の保全
111
4−3
リサイクル・清掃事業の推進
115
人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
5−1
魅力あるまちづくりの推進
120
5−2
魅力ある都心居住の場づくり
126
5−3
交通体系の整備
130
5−4
災害に強いまちづくりの推進
135
5−5
身近な安心と安全の確保
142
魅力と活力にあふれる、にぎわいのまち
6−1
都市の魅力による集客力の向上
146
6−2
産業振興による都市活力創出
149
伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
7−1
文化によるまちづくりの推進
156
7−2
芸術・文化の振興
161
7−3
生涯学習・生涯スポーツの推進
166
《参考資料》
○答申文(写)
175
○豊島区基本構想審議会委員名簿
176
○豊島区基本構想審議会審議経過
177
○諮問文(写)
179
○豊島区基本構想審議会条例
180
基本計画の構成
1
2
(1)新たな地域経営の方針
行政活動を含む、地域づくり全体の基本的考え方を示します。
1.参加と協動のまちづくりに関する方針
地域活動団体、NPO、企業、大学など、多様な主体がきめ細かな公共的サービスを担い
合う「新しい公共」の創造に向け、「協動」の仕組みづくりを進めるための指針
2.新たな行財政改革に関する方針
今後の少子高齢・低成長社会において、
「スリムで変化に強い行政経営」と「持続可能な財
政構造」に向けた改革を進め、効率性の高い行政サービスの実現を図るための指針
3.分野別計画に関する方針
3-1 施策の重点化に関する方針
社会状況の変化を踏まえた施策の“選択と集中”を進め、政策主導型の予算編成を実現す
ることで限られた財源をより効率的・効果的に活用するための指針
3-2 既存重要事業の選定に関する方針
既存の事業について、優先順位を明らかにし、重要性の高い事業を既存重要事業として選
定するための指針
3-3 公共施設等の再構築・活用に関する方針
人口減少社会の到来に対応した持続可能性を重視した公共施設のあり方を示し、公共施設
の再構築・活用を進めていくための指針
4.戦略的・横断的な施策展開に関する方針
価値あるまちの実現に向け、
「分野別計画」が示す24の政策について、
「文化」
「健康」
「都
市再生」「環境」をテーマとした戦略的・横断的な施策展開を図るための方針
(2)分野別計画
24の政策分野ごとに施策の展開に関する基本的方針を示します。
①現状と課題
「施策の方向」の前提となる社会状況の変化や地域社会の課題
②施策の方向
「政策」の実現に向けた基本的な方針事務事業の展開の指針
③成果指標
「政策」や「施策の方向」の内容を、分かりやすく、具体的なイメージを伝え
るための指標
④計画事業
●既存重要事業
平成 17 年度において実施している事業のうち、
「施策の方向」を推進してい
く上で基幹的かつ重要な役割を果たす事業
●新規重要事業
平成 18 年度以降において、財源確保を図りつつ、今後優先的に取り組む事業
(3)計画期間
基本計画は、平成 18 年度を初年度として、平成 27 年度までの 10 か年を計画期間と
します。また、計画期間を前期 5 年・後期 5 年に分け、5 年を単位として「計画事業」
の内容を記載します。なお、前期についてのみ、事業量・事業費を示します。
3
(4)「行財政改革プラン」による具体化とローリング
豊島区では、区政運営の指針として、平成 16 年度に「行財政改革プラン 2004」を
策定しました。
新たな基本計画の策定に合わせ、この「行財政改革プラン」を基本計画の実施計画
として位置づけ、毎年度ローリング(改定)を行いながら、基本計画が示す「新たな
地域社会づくりの方向」及び「分野別計画」における重点施策や計画事業等を踏まえ、
施策・事業の具体化を図ることとします。
また、「行財政改革プラン」の計画期間は、原則として3年または4年とします。
年 度
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
26
27
28
29
後期5年
前期5年
基本
構想
25
●新たな基本計画〔10 年〕
基本計画
計画事業〔前期=計画〕
改革プラン 2005
計画事業〔後期=方針〕
5年を目途
に見直し
行財政改革プラン
2006
2007
2008
行財政改革プラン
(実施計画)
毎年度ローリング
2009
行財政改革プラン 2004
(5)時代の変化に対応した見直しの仕組みづくり
①社会やニーズの変化への対応
新たなニーズや社会状況の変化に対応するため、基本計画における計画事業以外の
新たな事業展開が必要となる場合には、基本計画の重点施策に留意しつつ、
「行財政改
革プラン」において、新たな計画事業を加えるものとします。
また、基本計画については、計画期間の前期が終了する5年を目途として、必要な
見直しを行うとともに、後期の計画事業の内容を明らかにします。
②基本計画の進捗状況の確認
年度ごとに、行政評価等を踏まえて基本計画の進捗状況を確認するとともに、
「行財
政改革プラン」においてその結果を明らかにします。
また、「行財政改革プラン」の改定にあたっては、区民が参画する委員会を設置し、
基本計画の進捗状況等を報告するとともに、改定に向けた意見を聴くものとします。
③政策主導型の行政経営システムの確立
基本計画に基づく政策主導型の行政経営システムの確立に向け、基本計画の政策体
系に基づく計画、実施、評価、そして財源や人員配分の仕組みづくりを進めます。
4
〔基本計画の構成イメージ〕
(1)新たな地域経営の方針
1.参加と協動のまちづくりに関する方針
2.新たな行財政改革に関する方針
3.分野別計画に関する方針
3−1
施策の重点化に関する方針
3−2
既存重要事業の選定に関する方針
3−3
公共施設等の再構築・活用に関する方針
4.戦略的・横断的な施策展開に関する方針
(2)分野別計画
24の政策ごとに
①現状と課題
③成果指標
④計画事業
既存重要事業
(AA事業、A事業、その他の事業)
②施策の方向
(重点施策の選定)
新規重要事業
(公共施設の再構築を含む)
「成果指標」の必要性と意義
①
区民等との協働を図りながら、
「政策」や「施策の方向」を実現していくためには、その内
容を、分かりやすく具体的なイメージを伴って伝え、共有することが必要です。
そのため、
「政策」や「施策の方向」の内容に応じた代表的な切り口を設定し、数値を伴う
指標を設定します。こうした指標は、進捗状況を測りつつ評価し、進行状況を管理していく
ためにも重要な役割を果たします。
②
設定する指標は、事業や活動の結果として生じる状態を示す『成果指標』を設定すること
を原則とします。ただし、
『成果指標』としての設定が困難な場合には、事務事業の活動その
ものを示す『活動指標』として設定します。
また、
『成果指標』は、「政策」を単位として、「重点施策」に配慮しつつ設定します。
③ 『成果指標』は、“物差し”であるとともに“目標”でもあります。しかし、指標が表現す
るのは、「政策」や「施策の方向」の部分的かつ代替的な内容であり、「政策」や「施策の方
向」全体の進捗状況を示すものではありません。
④
今回設定した指標の達成状況については、実施計画として位置づける「行財政改革プラン」
のなかで、毎年度明らかにします。また、指標が設定する目標と実態の乖離が広がる場合に
は、その原因を明らかにするとともに、指標としての有効性を検証し、必要に応じて指標の
変更や追加を行い、改善を続けていきます。
5
6
第1章 新たな地域経営の方針
7
8
1.参加と協動のまちづくりに関する方針
※
文中では、主体的な意志によって行われる「活動」や「行動」としての意義を重視し、「協
働」を「協動」と表現しています。
(1)地域の多様な主体による「新たな公共」の必要性
今後の本格的な少子・高齢社会において、地域のニーズは益々多様化し、増大していくこ
とが予想されます。加えて、文化、健康、都市再生、環境、など、新たな課題への対応も必
要となっています。
しかし、今後、税収等の財源や職員などの行政資源については、大きな増加を見込むこと
は困難な状況です。右肩上がりの時代のように、行政だけで地域の公共サービスを支えるこ
とは、困難になってきています。また、区民一人ひとりの暮らしを大切にするために、公共
的なサービスにも多様な選択肢が求められていますが、行政が主体となるサービスは、公平
性と平等性が求められることから、ニーズや価値観にきめ細かく応えることには限界があり
ます。
一方、本格的な分権社会に向け、国から地方へと、権限と財源の移譲が進んでおり、今後
もその傾向は、ますます加速するものと予想されます。中央官庁主導の政策と補助金に基づ
き、地方が事業を推進するというような従来のシステムを転換し、地域社会の自己決定・自
己責任を基本としたシステムへ移行していくこと、そして、区民により近いところで地域特
性を踏まえた政策を決めていくことが重要になります。
一人ひとりの区民、町会、商店街、NPO、企業、大学、そして行政が、地域の課題や情
報を共有し、相互に連携を図ることで初めて、地域の活性化に結びつく政策形成が可能とな
ります。
この 10 数年、福祉や環境、教育、まちづくりなど「公共」の領域への参加が急速に増えて
きました。事業者も、地域に役立つ活動や区民との連携に目を向け始めています。
また、いわゆる「団塊の世代」が職場から引退する時期が近づいています。昭和 22 年から
24 年生まれのこの世代は、日本の経済成長を支えた大きなエネルギーを持つ世代です。様々
な知識と経験、そして技術を身につけた人々に地域への参加を促すために、豊かな自己実現
を図ることができるような、参加と協動の仕組みを地域のなかに築いていくことが必要です。
今後、将来にわたって持続可能な地域経営を続けていくためには、高度成長期から今日ま
で、次第に小さくなってしまった「地域の力」を回復し、これまで主に行政が担ってきた「公
共」の枠組みを超えて、地域の多様な主体が公共を共に担い合う「新たな公共」の姿を地域
経営の目標として位置づけ、区政を展開していくことが重要になっています。
9
(2)区民参加の推進
①情報の共有と説明責任
行政が情報を広く提供することや説明責任を果たしていくことは、区民の知る権利を
保障するだけではなく、区政への区民参加や協動のまちづくりを促進する前提条件とし
て重要です。また、自己決定・自己責任の原則に基づく地域経営にとっても、住民自治
と行政責任の明確化は不可欠の前提条件です。
地域の課題や区政に関する情報について、個人情報の保護に留意して広く公開し、広
報やホームページ等、多様な媒体を活用して、わかりやすい情報提供を行います。
また、透明性の高い区民に開かれた区政を実現するため、政策の立案、実施及び評価
のそれぞれの過程において、その経過、内容、効果等について説明責任を果たすととも
に、区政に対する要望、意見、苦情等の申立てがあったときは、速やかに事実関係を誠
実に調査し、区政改善の契機として、応答責任を果たします。
さらに、審議会等の会議については、法令・条例による非公開情報が含まれ、公開す
ることが適当でないと認められる場合以外は、原則として公開します。
②政策形成過程への参加促進
政策形成過程への区民参加を促進するため、政策提案の公募や区民参加の検討会議の
設置など、計画や事業等の調査研究、課題設定、策定、実施、評価の各段階において、
多様な参加の機会を確保します。
また、区の基本的な計画や重要な政策等を決定する場合には、事前に案を公表し、区
民の意見を聴き、提出された意見に対して区の考え方を公表するパブリックコメントを
実施します。また、政策形成に関する審議会等を設置する場合には、原則として、区民
からの公募委員の参画を図ります。
(3)協動のまちづくりの基本的考え方
①協動を経営理念とした区政の展開
「協動」とは、区を含む地域の多様な主体の間で、それぞれの役割分担と対等な協力
関係に基づき、対等な立場に基づく協議によって形成される共通の目的を実現するため
に連携し、ともに活動することです。
区民、町会等の地域活動団体、特定の目的を共有して活動する団体、NPO、大学等
の機関、民間事業者それぞれが所有する時間や知恵、資金、場所、情報などを出しあい、
社会に開くことができれば、それは地域の社会資源になります。
しかし、協動を言葉で言うことは簡単ですが、協動とは、立場や価値観の異なる主体
が、それぞれ歩み寄って共通のテーブルを囲むということであり、その場をつくること
一つとっても、チャレンジングで創造性に満ちた作業です。
こうした協動の難しさを十分に認識しながら、一つひとつ、協動の取り組みを積み重
ねていくことで、
「新たな公共」の創造に向け、地域の多様な主体が、対等な立場でとも
10
に考えて協議し、合意形成しながら行動していくための仕組みを構築していきます。
そして、こうした協動の仕組みを創りあげ、地域に根ざした個性ある効果的な政策形
成と、地域に愛着を持つ人々に支えられたまちづくりを進めることを「地域経営の基本
方針」として位置づけます。
協動の定義
「協動」とは、区を含む地域の多様な主体の間で、それぞれの役割分担と対等な協
力関係、そして対等な協議に基づく共通の目的を実現するために連携し、ともに活動
することです。
協動の方針
① 多様な主体の担い合いによりきめ細かな公共的サービスを実現する「新しい公共」
の創造に向け、
「協動」の仕組みづくりを進めます。
②
地域に愛着を持つ人々に支えられたまちづくりを進めるため、区は、区と地域の
主体との「協動」を進めるとともに、地域の主体相互間での「協動」を促進するコ
ーディネーター役を担っていきます。
③ 地域に根ざした個性ある効果的な政策形成を行うため、区は、
「協動」を行政運営
の基本に据えて、施策や事業を展開していきます。
また、区は、次の項目を「協動の原則」として行動するとともに、協動を具体的に推進し
ていくため、「
(仮称)協動推進ガイドライン」を策定します。
●協動の原則
①対等性
協動は、上下関係や依存関係ではなく、お互いの特性を尊重し合い、パートナ
ーとして対等の関係を保ちながら意思決定を行い、行動することが必要です。
②自立性
協動は、それぞれがお互いの特性を活かして自主的に行うものであるととも
に、協動により、双方の活動が自立化する方向で行うことが必要です。
③目的共有性
協動は、その活動の全部または一部について、お互いが達成すべき共通の目標
を有していることが必要です。
④具体・明確性
協動は、具体的な役割や責任、期間等を明確化にして行うとともに、実施によ
る効果や協動の形態について、定期的に評価・点検することが必要です。
⑤公開・透明性
協動の機会の均等性を確保するとともに、協動のプロセス、結果、評価につい
て情報を公開します。
11
「新たな公共」
地域が必要とする公共的サービス
地域の多様な主体による協動
民間企業
ボランティア
行
大学等
NPO
政
区民活動
教育機関
区民活動
民生委員
児童委員
防犯協会
まちづくり
協議会
文化
芸術
団体
町
会
商店街
高齢者
クラブ
リサイクル・環境団体
青少年
委員会
社会教育
団体
PTA
12
②協動の基礎となる区民活動の促進
協動のまちづくりを推進し、多様な主体による豊かな地域社会を実現していくためには、
公共的なサービスに関する「協動の主体」を増やしていく必要があります。
しかし、区との協動事業を実施する場合はもちろん、地域の主体相互間で協動事業を実施
する場合においても、ともに公益的な活動を担う協動のパートナーには、町会等の地域活動
団体、NPO法人、大学などのような、組織として責任を果たす能力や信用が必要になりま
す。
協動のまちづくりを実現していくためには、自立した地域活動団体の存在が必要であり、
その前提として、多様な区民活動が活発に展開されていることが必要です。公共的なサービ
スを担う「協動の主体」を増やしていくためには、まず、地域における区民活動の裾野を広
げていくことが重要です。
区民活動や地域活動団体への支援など、区民一人ひとりの主体性を尊重しつつ、区が側面
から必要な支援を行うことにより、活動から組織へと、自立化・組織化を促進していきます。
◆コミュニティから活動へ、そしてさらに団体・組織へ
企業
大学等
協動
豊島区
NPO
地域活動団体
(NPO法人化)
(行政)
支援
きっかけ
づくり
参加
多様な区民活動の活性化
(コミュニティを基盤とする活動)
コミュニティの広がり(人と人とのつながり)
区
民
13
また、区民活動に対して区が支援する際には、次の項目を原則として行動します。
●区民活動支援の原則
①自主性の尊重
支援にあたっては、市民活動の自主性・自立性を尊重します。また、支援が
活動や団体の自立を阻害することのないよう環境整備など側面からの支援を
基本とします。
②公平・公正性
支援を受ける機会を公平に確保します。支援を判断する場合は、活動の目的
や内容等について、公共の福祉の観点から適切に判断します。
③公開・透明性
支援にあたっては、その内容や過程、支援の成果を公開し、透明性を確保し
ます。
そしてさらに、区民活動の裾野を広げるうえで重要となるのが、地域における多様な人と
人とのつながり、つまりコミュニティの存在です。地域における多様なコミュニティの広が
りこそが区民活動の裾野を広げる母体となります。
新たなコミュニティを生むきっかけづくりを支援し、そこから生まれたコミュニティを、
区民活動へと発展させることで、協動のまちづくりの新たな主体の誕生を促進していきます。
◆コミュニティの広がりを生むきっかけづくり
知らせる
身近な地域の情報を共有する
声をかける
地域のことを話す機会をつくる
集まる
地域の資源(祭り、文化財)を活用する
誰もが参加できる学習の機会をつくる
会話する
まちを身近に感じる
人と人のつながりができる
コミュニティが芽生える
まちへの愛着が深まる
聞く
(4)住民自治と協議の仕組みづくり
①地域特性を踏まえた仕組みづくり
今後の分権型社会において、地域社会における様々な課題を解決に向けて、地域の多
様な主体が協動する「新たな公共」を築く基礎となるのが“住民自治”です。
参加と協動のまちづくりを進めていくため、住む人々を中心に、働く人、学ぶ人など
を含め、地域特性を踏まえた豊島区独自の「住民自治の仕組みづくり」を進めていきま
す。
そのために、町会活動をはじめ、地域で展開されている自主的な区民活動を中心とし
て、活動組織相互の連携を図りつつ、地域の課題について協議する「開かれた話し合い
の場づくり」を進めます。
こうした「開かれた協議の場」を通じた、地域におけるまちづくりの施策や計画の提
案を、区政に活かしていきます。
14
② 地域区民ひろばの推進
これまで年齢や使用目的により利用に制限があった区の施設を、地域に密着した視点
から見直し、小学校区を基礎的な単位とした地域コミュニティづくりのための施設とし
て再編していきます。このことにより、乳幼児から高齢者の方まで、地域社会の多様な
活動の拠点としての利用が可能となります。
将来的には、区民ひろばの事業の企画、運営等を地域の方が参画する運営協議会に委
ねていく予定です。これらの活動を通じ、世代間交流を促進し、地域コミュニティの活
性化を図っていきます。
地域区民ひろば
学 校
ことぶきの家・児童館
いきいきひろば
高齢者のいこい・健康増進の場
各種教室、
生活・健康相談
子育てひろば
(小学校の
放課後対策)
乳幼児の遊び場
保護者の
相互交流
子育て相談
活動ひろば
区民の自主的活動の拠点
見守り・子育て支援ネットワーク
子どもスキップ
学 習 ひ ろ ば
生涯学習の場
③ 地域における協議会の設置に向けた検討
町会・自治会をはじめ、様々な目的・機能に応じて形成される団体など、多様な区民
活動団体との積極的な協動関係を構築するとともに、地域の様々な課題について話し合
い、参加と協動によるまちづくりを進めるため、地域の課題について協議を行う「開か
れた話し合い(協議)の場」として、「地域区民ひろば」と連動した「(仮称)地域協議
会」の設置について検討を進めます。
「(仮称)地域協議会」は区長が設置することを想定します。また、誰もが参加できる
公平性や開かれた組織運営の確保、そして地域住民の主体性の発揮を原則として、地域
における設置単位、組織運営のあり方、役割、区との関係などについて、区民参加に基づ
く協議のもとに検討していきます。
15
2.新たな行財政改革に関する方針
(1)新たな改革の必要性
昭和 60 年度以降、バブル経済による税収増を背景として、豊島区の財政規模は大きく増加
しました。昭和 60 年度に約 500 億円であった歳出総額(一般会計)は、7 年後の平成 4 年度
には 1,000 億円以上にまで拡大しました。
しかし、景気低迷の長期化による所得の減少や政策的な減税、高齢化の進展などにより、
区の歳入の根幹である特別区税(特別区民税、軽自動車税、特別区たばこ税)は、平成 4 年度の
309 億円から平成 16 年度の 237 億円へと約 23%も減少しています。
一方、歳出については、投資的経費を大きく減少させているものの、扶助費、公債費、人
件費からなる義務的経費、さらに国民健康保険や介護保険の制度を維持するための特別会計
への繰出金を加えた、いわば義務的・固定的な経費は、平成 4 年度の 402 億円から平成 16
年度の 561 億円へと約 40%も増加しています。
バブル経済崩壊以降、数次にわたる行財政改革計画を立て、事務事業の効率化や見直し等
に取り組む一方、多様化する区民ニーズに応えるかたちで、基金の取り崩しや起債をはじめ、
様々な財源対策を行いながら 900 億円前後の財政規模を維持し続けてきました。
こうした身の丈を超えた財政運営を続けてきた結果として、区の実質的な財政収支は、平
成 2 年度以降、赤字基調が続き、ニーズの変化に対応して新たな施策を展開するための、政
策的経費が確保できない状態になっています。
そして、今後の少子高齢・低成長社会においては、さらなる福祉関係需要の多様化・増加
が見込まれると同時に、行政サービスの財源を負担する世代が減少するという、二重の意味
で厳しい時代が到来します。
こうした時代の変化は、自治体の行財政運営に構造的な変革を迫っています。特に、
「持続
可能な財政構造の構築」という命題が大きく問われています。
制度疲労に陥った仕組みを廃し、抜本的な改革を進める過程では、大きな変化や痛みを伴
うことがあるかもしれません。しかし、区政の構造改革を成し遂げてはじめて、未来を切り
開く力が回復し、長期的にみれば安定につながるのです。
限られた財源をより効率的・効果的に活用するために、施策の重点を明らかにしながら、
メリハリのきいた施策展開を図る仕組みづくりを進めるとともに、高い効率性を発揮する、
「スリムで変化に強い行政経営」を確立することが必要となっています。
○税収の減少傾向と義務的・固定
≪行財政の構造改革の必要性≫
的経費の増加傾向
○高い効率性の実現
○本格的な少子高齢化が進むなか
○スリムで変化に強い行政経営
さらに多様化するニーズ
○持続可能な財政構造の構築
○財源や職員など行政資源の増加
は困難な状況
16
(2)スリムで変化に強い行政経営の確立
①効率的・効果的な行政経営の推進
施策や事業のあり方を、成果とコストの観点から見直し、効率的・効果的な行政運営
を実現します。財政基盤の強化を図るために、新たな財源確保に努めるとともに、民間
の経営手法・経営感覚のよいところを取り入れた効率化を進めます。
また、業務の効率化と区民サービスの向上に向け、コンピュータシステムのオープン化、
庁内LANの増強、文書・財務等の新システム構築など、電子自治体の実現に向けた情報基
盤整備を進めます。
さらに、サービスの目的や対象者の範囲、必要なコストと負担の関係を明確にしながら、
公平性を確保するという視点から、受益者負担の適正化を図ります。
②民の力との協動によるサービス提供
民間活力の活用という観点に加え、民間の力が十分に発揮される社会に向け、行政が
担ってきた事業を民間に開放していくという観点からも、法令等による規制がなく、安
定的・効率的にサービスを提供できる民間主体がある場合には、区の行政責任を明確に
しながら、様々な手法により、民間に委ねる方向で検討を進めていきます。
行政サービスの内容や性格を踏まえ、民間活力を活用する手法として、民営化、指定
管理者制度の活用、業務委託などの活用を図ります。
「選択と集中」
「民との協動」を視点とした行政のスリム化
行政以外にサービスを提供できる主体がない
◆行政サービスの見直し
行政が担ってきた
公共サービスの範囲
・コスト削減・効率化
・施策の再構築
選択と集中
・受益者負担の適正化
・総人件費の抑制
法令等により、
行政が供給主体
でなければならない
当面行政直営
(規制緩和、
民間主体育成)
行政が中心的
に担うべき範囲
法令等による規制が
なく、民間が供給主体
となることができる
民間開放
アウトソーシング
◆サービスや施設等
の委託化
(指定管理者制度)
民との協動
◆サービスや
施設等の民営化
安定的・効率的にサービスを提供できる民間主体
(民間企業、NPO、地域活動団体等)がある
17
③トップマネジメント補佐機能の強化
地域の将来ビジョンを明確化し、長期的な視点に立って政策の「選択と集中」を進め、
限りある行政資源を有効かつ戦略的に活用していくためには、区民ニーズを踏まえた区
長による強いリーダーシップの発揮が必要です。
情報収集・分析機能、基本政策形成機能など、トップマネジメント補佐機能を強化し
ていきます。
④組織機構の改革
トップマネジメントに基づく政策の実現に向け、現場で事務事業を担当する各部局の
実行責任を明確化するとともに、効果的・効率的な事業展開の観点から、個々具体的な
政策実施の決定権限や予算編成権限、人事権限について、各部局に委譲していきます。
区民ニーズへの迅速・的確な対応を可能とする機動性や柔軟性を確保するとともに、
基本計画が定める政策・施策の体系を踏まえ、目的と手段の関連が明確となる組織づくり、
権限と責任の弾力化による機能重視の組織改革を進め、
「管理型」から政策目的指向の「経
営型」組織への転換を図ります。
行政組織のスリム化、簡素・効率化を進め、適正規模の職員による行政運営の実現を図
るとともに、将来 2,000 人規模の組織体制を目指しつつ、計画的な職員定数の削減等に
より総人件費を抑制していきます。
⑤新たな行政経営システムの構築
基本計画が定める政策、施策、事務事業、そして成果指標について、目的と手段の関
係の合理性を評価し、区政改革を進める有効な仕組みとして、行政評価制度の実効性を
高めていきます。また、基本計画を中心として、予算、決算、評価など、一連のサイク
ルと総合的に連携を図る行政経営システムの構築を図ります。
施策や事業のあり方を、成果とコストの観点から見直し、施策レベル、事業レベルで
の行政評価結果と予算編成が連動する制度の改善を進めます。また、評価指標の改善を
図るとともに、施策・事業レベルの評価について区民や専門家など、外部の視点の導入
等を進めます。
18
3.分野別計画に関する方針
3-1
施策の重点化に関する方針
(1)施策の重点化の必要性
限られた財源をより効率的・効果的に活用するための指針として、基本計画がその機能を
発揮していくためには、基本計画自体を、従来の政策網羅的な計画から、
“選択と集中”を指
向する計画へ転換し、政策主導型の予算編成を実現していく必要があります。
そのためには、個々具体的な「事務事業」のレベルで重点性を考えていくだけではなく、
事務事業の上位にあってその方向を示す「施策」のレベルでの重点化を明らかにし、そこに
新たな事業展開を集中させていくことが重要です。
個々の事務事業を“木”に例えれば、その集合体である施策は“森”に例えられます。一
本一本の“木”を見ると同時に、時代や社会の変化に対応した今後の重点分野を“森”のレ
ベルで明らかにし、それに合わせて“木”のあり方を見直していくことが必要です。
(2)重点施策の選定の考え方
①重点施策の選定方法
基本計画の「分野別計画」では、基本構想に基づき、24 の「政策」と 68 の「施策」
を体系化しています。重点施策の選定は、
「政策」を単位として、複数の施策がある場合
に、原則として、その中から一つ選定するものとします。
選定にあたっては、地域社会の魅力と活力の創造や、次世代の育成、そして医療費等
の歳出抑制など、地域社会の持続可能な発展につながるとともに、
「政策」の実現に向け、
改革を進めつつ重点的に取り組むべき「施策」を選定します。
また、選定にあたっては、区民意識調査等に基づく、現在の地域環境の満足度や今後
の優先度等を踏まえ、改革の必要性なども含めて、総合的に判断します。
(※今回の選定
にあたっては、
「協働のまちづくりに関する区民意識調査」
(平成 17 年 3 月)を実施して
います。
)
なお、
「重点施策」については、原則として3年ごとに確認し、必要に応じて見直すこ
とを予定します。
②重点施策の効果
今後5年間(基本計画の前期)においては、原則として、
「重点施策」を中心として新
たな事業の展開を図ることとします。基本計画では、新たな事業展開の基本的な内容に
ついて「新規重要事業」として位置づけるとともに、具体的な新規事業の実施内容につ
いては、実施計画に当たる「行財政改革プラン」
(毎年度ローリング)によって、毎年度
の予算編成との密接な連携のもとに、具体的に決定します。
19
(3)分野別計画における重点施策
政策
施
策
1-1 地域福祉の推進
政策
①地域活動への参加促進
重点
②地域ケアシステムの構築
③地域活動の活性化と連携の促進
④地域福祉と関係制度との連携
④協動の仕組みづくり
①自立支援体制の整備
⑤外国人との共生
3-2 平和と人権の尊重(※注)
②介護予防の推進
③社会参加の促進
①平和と人権の尊重
3-3 男女共同参画社会の実現(※注)
④福祉サービス等の基盤整備
1-3 健 康
重点
②地域住民相互の交流の促進
③福祉サービスの利用支援と質の向上
1-2 高齢者・障害者の自立支援
重点
策
3-1 心ふれあうコミュニティの形成
①福祉コミュニティの形成
重点
施
①男女共同参画社会の条件整備
4-1 みどりの創造と保全
重点
①健康づくりの推進
②多様化する保健課題への対応
③健康危機管理
①みどりの拠点拡大
②みどりのネットワーク
4-2 環境の保全
④地域医療の充実
①都市公害の防止
②都市環境の保全
2-1 子どもの権利保障
①子どもの権利の確立
重点
4-3 リサイクル・清掃事業の推進
重点
②安全な生活の保障
重点
③遊びと交流の保障
2-2 子育て環境の充実
重点
5-1 魅力あるまちづくりの推進
①総合相談体制の推進
①秩序ある市街地更新
②多様な保育ニーズへの対応
②個性ある快適なまちづくり
重点
2-3 幼児教育(※注)
①幼児教育の振興
5-2 魅力ある都心居住の場づくり
①安心居住の仕組みづくり
重点
①生きる力を育む教育の推進
②魅力ある学校づくり
②良質な住宅の供給誘導
5-3 交通体系の整備
③教育環境の整備
①道路・橋梁の整備と維持保全
重点
④学校に関わる安全対策
2-5 地域における教育
①家庭・地域の教育活動の推進
③池袋副都心の再生
④活力ある地域拠点の整備
2-4 学校における教育
重点
①ごみ減量・リサイクルの推進
②資源循環型清掃事業の推進
③サービス提供システムの整備
重点
③地域美化の推進
②自転車・自動車対策の推進
③公共交通の整備
※注: 「幼児教育」、
「平和と人権の尊重」、
「男女共同参画社会
の実現」については、
「政策」に対応する「施策」が一つである
②地域に開かれた学校の推進
ため、重点施策を設定していません。
20
政策
施
策
5-4 災害に強いまちづくりの推進
①防災行動力の向上と連携
②応急・復興を円滑に行う体制の整備
重点
③災害に強い都市空間の形成
④総合治水対策の推進
5-5 身近な安心と安全の確保
重点
①治安対策
②交通安全対策
6-1 都市の魅力による集客力の向上
重点
①にぎわい魅力商工都市の形成
②観光まちづくりの推進
③都市交流の推進
6-2 産業振興による都市活力創出
①新たなビジネス展開の支援
重点
②地域産業の活性化
③消費者権利の実現支援
7-1 文化によるまちづくりの推進
重点
①文化によるまちの活性化
②新たな芸術・文化の創出
③伝統文化の継承
7-2 芸術・文化の振興
①芸術・文化鑑賞機会の充実
重点
②芸術・文化活動機会の充実
7-3 生涯学習・生涯スポーツの推進
①生涯学習の環境整備
②個の学びから社会的な学習活動への転換
重点
③スポーツ・レクリエーション活動の充実
21
3-2
既存重要事業の選定に関する方針
(1)既存重要事業の選定の必要性
「3−1
施策の重点化に関する方針」では、
「政策」の実現を目的とした手段としての「施
策」レベルでの重点化の方向を示しました。
しかし、限られた財源をより効率的・効果的に活用するためには、既に実施している個別
具体的な事務事業についても、
「施策の方向」に照らし、その重点性や優先順位を明確にしつ
つ、事務事業の見直しを図る必要があります。
(2)既存重要事業の考え方
①既存重要事業の選定方法
基本計画の「分野別計画」では、24の政策を単位として、それぞれに対応するかた
ちで、既に実施している事務事業を体系化し、重要性の分類を行います。
選定は、以下の考え方に基づいて行います。
(ア)
事務事業を、施設建設事業、法令扶助費事業、一般事業に分けます。
(イ)
投資的な性格を持つ施設建設事業については、既存重要事業として位置づけま
す。また、法令扶助費事業については、法令等により義務づけられるものである
ため、選定対象から除外します。
さらに、一般事業のなかから一定割合を既存重要事業として選定します。
(エ)
一般事業からの選定にあたっては、一般事業に
充てる一般財源総額を分母として、その 1/2 の額を
目安として重要性の高い事業を選定します。さら
施設建設
事業
(1/4)
AA事業
に、選定した事業を一般財源の 1/2(全体の 1/4)
A事業(1/4)
ずつを目安に分け、
「AA事業」
、「A事業」として
残り(1/2)
既存重要事業
(ウ)
選定します。
(オ)
選定した個々の事業については、事業量と基本計画における前期5年間の事業
内容を明らかにします。
(カ)
既存重要事業として選定しなかった事業については、「計画事業以外の事業」
として掲載します。
②既存重要事業選定の効果
既存重要事業として選定したAA事業・A事業は、財源が限られる中でも“選択”し、
継続すべき事業としての性格を持つものです。今後の社会状況の変化や新たな事業展開
に伴う事務事業の再構築等を検討する際には、既存重要事業については、効率化や民間
との協動等を図りつつ、原則として事業を維持していきます。
また、既存重要事業として選定した事業の中から、特に事業の進捗状況を管理すべき
事業については、実施計画に当たる「行財政改革プラン」による進行管理を行います。
22
3-3
公共施設等の再構築・活用に関する方針
(1)公共施設再構築の必要性
豊島区は、現在(平成 17 年 3 月 31 日)
、190 か所、床面積約 43 万㎡の公共施設がありま
す。公会堂、区民センター、区民集会室、保育所、児童館、高齢者福祉施設、駐輪場、学校、
図書館、体育施設など、これまで数多くの公共施設を整備してきた結果として、これら施設
を維持管理していくための経費も増加してきました。
経常的な維持管理経費は、平成 12 年度以降 120∼130 億円前後で推移し、施設運営に関す
る人件費を加えると、施設関連経費は平成 15 年度決算で 338 億円であり、一般会計決算歳出
総額 861 億円の約4割を占めています。
平成 17 年度には、区有施設 190 か所のうち 37 か所の施設が建築後 40 年を迎えます。この
うち 22 か所は、学校施設です。そして今後は、高度成長期に建築した施設を中心に、多くの
施設が更新期を迎え、確実に新たな財政負担となります。
現下の厳しい財政状況のもとでは、これらすべての施設について、必要かつ十分な改修経
費の予算を計上することは困難な状況にあります。公共施設のあり方は、
「身の丈に合った持
続可能な財政構造」を実現していく上で重要な問題であり、今から 10 年後の人口減少社会の
到来をにらみつつ、公共施設関連経費の抜本的な改革に取り組み、計画的に施設の再構築を
進めていく必要があります。
(2)公共施設の再構築に関する方針
①施設再構築の基本的考え方
∼「数から質への転換」∼
区が所有する土地・建物の資産は、これ以上増やさないことを大原則として、老朽化
の状況や、施設需要の変化を踏まえ、既存施設の機能をできるだけ集約する方向で、公
共施設の再構築を進めます。また、
「施設の数」ではなく「施設の質の向上」を重視した
再構築を図ります。
また、再構築を進めるにあたっては、参加と協動の原則のもと、その必要性と効果を
十分説明するとともに、区民参画の機会設定など、幅広く区民の意見を取り入れていく
こととします。
②施設再構築に充てる経費の基本的考え方
施設再構築を図るなかで、新たに必要となる整備経費については、周辺施設を集約す
ることにより、施設を売却するなど、区有財産の資産活用を図ることによって、財源を
捻出し、原則として、新規の一般財源の投入は行いません。
③施設の多機能化・多目的化
目的別の利用対象者を固定した施設の整備・運営を改め、既存施設の多機能・多目的
化による弾力的な対応を図ります。また、管理運営の総合化、機能の転換、供用時間の
23
延長など、新たに施設の整備を行うことなく区民ニーズに応えるよう既存施設のあり方
を検討し、より多くの区民が柔軟に利用できるかたちでの施設再構築を図ります。
④施設の適正配置
区全域、中央・東・西などの圏域、小・中学校区など、施設の目的や性質に応じ、一
定の配置基準のもとに適正配置を進めることを原則とします。施設によっては、全ての
地域に等しく配置する考え方は採らずに、
「施設の数から質の向上へ」という考え方のも
と、地域特性に応じた柔軟な施設配置を検討します。その際、近隣区の施設配置や相互
利用なども勘案していくこととします。
また、区立学校のうち、小学校については、児童数の減少等により、なお 1 学年 1 学
級の単学級校がある状況であり、一定の学校規模を確保していくため、児童数の推移を
みながら今後の学校統合の必要性を検討していきます。
⑤施設の複合化・学校を中心とした施設整備
各地域に配置されており、区民にとって最も身近で、親しみのある学校施設を、
「地域
区民ひろば」とともにコミュニティの拠点と位置づけ、学校の統廃合や建替え時に施設
の複合化を進めていきます。
(3)区有財産の有効活用に関する方針
①区有財産の評価システムの構築
区有財産を有効活用し、新たな施設整備のための安定的な財源を確保するため、これ
までの「適正な管理」から「有効な活用」へ方向を転換します。
また、区有財産の使用実態や今後の区自身での活用の可能性等について、全ての財産
について調査を実施し、区有財産を評価するシステムを構築します。
②資産活用の基本的考え方
公共施設の跡地等で、区が自ら活用する可能性が低い土地・建物については、地域の
発展に有効に寄与する方向で、積極的に民間等への売却や貸付(部分的な貸付を含む)
による資産活用を進めていきます。
資産活用に当たっては、区民の意見を踏まえ、地域の状況を踏まえた用途指定等の条
件を付すなど、住環境の維持・向上に配慮した内容とします。
(4)効率的な施設の管理・運営
①運営の手法
施設の運営にあたっては、公共サービスの内容や維持管理経費等を勘案し、民設民営、
公設民営、指定管理者制度の活用など、効果的・効率的な手法を導入します。また、区
24
民との協動の観点から、地域住民や町会、NPO 法人等による自主管理による施設運営を
積極的に進めます。
②利便性の向上
施設の利用時間の延長、開設日の増、ソフトの充実、ITの活用などにより、利用者
の幅を広げ、使い勝手の良い施設となるよう検討します。
(5)施設の改修・建替え等の整備
①既存施設の長寿命化
施設の更新にあたっては、既存施設を活かして改修するスーパーリニューアル等の活用や
省エネルギーに配慮したESCO事業の活用など、計画的、予防的な修繕を進め、施設の長
寿命化、財政負担の標準化を進めます。
②ライフサイクルコストの縮減
修繕、撤去、処分に至る各段階にわたる、建築物の生涯に必要な費用をトータルにとらえ
たライフサイクルマネジメントの視点に立った取り組みを推進します。
また、保全・補修、更新を行う優先順位を明らかにしながら、適切なメンテナンスを行い、
施設・設備の寿命延長とランニングコストの低減を図ります。
25
4.戦略的・横断的な施策展開に関する方針
(1)「価値あるまち」の実現に向けた取り組みの重要性
今後の少子高齢社会、そして人口減少社会は、居住の場として、また、経済活動の場とし
て、そしてさらに自己実現の場としても、都市や地域が選ばれる時代です。
都市間競争が激しさを増すなかで、分権改革のメリットを活かしながら、地域社会が総力
を結集して、魅力と活力を持続的に発展させていく政策を生み出し、個性を生かしたまちづ
くりを進めていくことができるかどうかによって、盛衰が左右される時代が到来します。
こうした時代のなかで、豊島区がこれまで以上に、「住みたいまち」、そして「訪れてみたいま
ち」として評価され、選ばれるためには、都市や地域としてのブランドを育てていくことが重要
です。ブランドとは、地域の個性と将来にわたる持続可能性を育てる都市経営に対する信頼です。
住み、暮らし、働き、学び、活動し、交流していくうえで、その地域が提供するハード、ソフ
トの魅力が総合的に将来にわたって持続されることが信頼であり、その信頼こそが「価値あるま
ち」をかたちづくる最も重要な要素となります。
こうした「価値あるまち」を効果的に実現していくためは、分野別計画の24の政策をそれぞ
れに推進するだけではなく、新たな魅力と活力の創造に向けて戦略的に政策相互間の連携を進め、
相乗効果を発揮させながら総合的に事業展開を図ることが重要です。
(2)戦略的・横断的な施策展開を促進するプランの策定
「価値あるまち」の創造に向けた総合的な施策展開を促進するためのテーマとして、「文化」「健
康」「都市再生」そして「環境」の4つを設定します。
「文化」と「健康」は“ 人”に、「都市再生」と「環境」は“ まち”に対応するものであり、
平成 15 年 3 月に議決した基本構想の将来像である「未来へ ひびきあう 人 まち・としま」を
基本計画のなかで具体化するものです。
こうした4つのテーマを機軸として、分野別計画における24の政策を横断的に結びつけ
ながら、戦略的に価値あるまちづくりに取り組みます。
そして、都市としての魅力を高めることで、定住人口の増加、バランスのとれた人口・世
帯構成の確保、交流人口や来街者の増加、地域経済の活性化、そしてさらに雇用機会の創出
や資産価値の保全等を実現するとともに、安定した税収等の確保につなげていきます。
また、
「健康」をテーマとして位置づけることで、横断的な施策連携の機軸とすることで、本格
的な高齢社会の進展に伴い、今後も増加が見込まれる社会保障や医療に関する歳出の抑制を
図ることで、持続可能な財政構造を確立していきます。
「住んでよし、訪れてよし」と評される「価値あるまち」を築いていくため、基本計画の実施
計画として策定する「行財政改革プラン」において、「文化」「健康」「都市再生」
「環境」をテー
マとして、戦略的かつ横断的な施策展開を図るプランの具体化を図ります。
26
価値あるまちの実現に向けた「分野別計画」相互間の連携
「文化」
「健康」「都市再生」「環境」をテーマとした戦略的・横断的な施策展開
価値あるまち
魅力と活力あるまち
住みたいまち
訪れたいまち
人とまちの元気
健康寿命の延伸
○心の豊かさの創出
○地域の誇りと愛着
○未来を担う人づくり
○高齢者の社会参加
○地域の力の回復
○医療費等の抑制
定住人口の増加
にぎわいの創出
《協動》
地域の多様な
主体との連携
○人口・世帯構成のバランス
○交流人口・来街者の増加
○地域経済の活性化
○雇用機会の創出
○資産価値の維持・保全
○税収の確保
戦略的な政策相互間の連携強化
(横のつながりの確保による相乗効果)
健
健康
基本計画
分野別計画
24の政策
持続可能な財政基盤の確立
高齢化の進展等
の中での歳出抑制
安定した歳入確保
27
都市
再生
環境
政策連携のテーマ
文 化
康
政策連携のテーマ
文化
価値あるまちの実現に向けた「分野別計画」相互間の連携
「文化」
「健康」「都市再生」「環境」をテーマとした戦略的・横断的な施策展開
文化
1-1 地域福祉の推進
1-2 高齢者・障害者の自立支援
7-1 文化によるまちづくりの推進
1-3 健 康
7-2 芸術・文化の振興
健康
7-3 生涯学習・生涯スポーツの推進
6-1 都市の魅力による集客力の向上
2-1 子どもの権利保障
6-2 産業振興による都市活力創出
政
策
相
互
間
の
連
携
都市
再生
5-1 魅力あるまちづくりの推進
2-2 子育て環境の充実
2-3 幼児教育
2-4 学校における教育
2-5 地域における教育
5-2 魅力ある都心居住の場づくり
3-1 心ふれあうコミュニティの形成
5-3 交通体系の整備
3-2 平和と人権の尊重
5-4 災害に強いまちづくりの推進
3-3 男女共同参画社会の実現
5-5 身近な安心と安全の確保
4-1 みどりの創造と保全
環境
4-2 環境の保全
4-3 リサイクル・清掃事業の推進
28
第2章 分野別計画
29
分野別計画体系図
【地域づくりの方向】
【政
策】
1-1 地域福祉の推進
1 すべての人が地
域で共に生きてい
【施
策】
①福祉コミュニティの形成
②地域ケアシステムの構築
③保健福祉サービスの利用支援
と質の向上
④地域福祉と関係制度との連携
けるまち
1-2 高齢者・障害者の
自立支援
①自立支援体制の整備
②介護予防の推進
③社会参加の促進
④福祉サービス等の基盤整備
1-3 健康
①健康づくりの推進
②多様化する保健課題への対応
③健康危機管理
④地域医療の充実
2-1 子どもの権利保障
①子どもの権利の確立
②安全な生活の保障
③遊びと交流の保障
2-2 子育て環境の充実
①総合相談体制の推進
②多様な保育ニーズへの対応
③サービス提供システムの整備
2 子どもを共に
育むまち
①幼児教育の振興
2-3 幼児教育
2-4 学校における教育
①生きる力を育む教育の推進
②魅力ある学校づくり
③教育環境の整備
④学校に関わる安全対策
2-5 地域における教育
①家庭・地域の教育活動の推進
②地域に開かれた学校の推進
3-1 心ふれあうコミュニ
3 多様なコミュニ
ティの形成
①地域活動への参加促進
②地域住民相互の交流の促進
③地域活動の活性化と連携の
促進
④協動の仕組みづくり
⑤外国人との共生
ティのあるまち
3-2 平和と人権の尊重
①平和と人権の尊重
3-3 男女共同参画社会の
①男女共同参画社会の条件整備
実現
30
【地域づくりの方向】
4 みどりのネット
【政
策】
①みどりの拠点拡大
②みどりのネットワーク
4-2 環境の保全
①都市公害の防止
②都市環境の保全
③地域美化の推進
4-3 リサイクル・清掃事業
の推進
5-1 魅力あるまちづくり
5 人間優先の基盤
策】
4-1 みどりの創造と保全
ワークを形成する
環境のまち
【施
の推進
①ごみ減量・リサイクルの推進
②資源循環型清掃事業の推進
①秩序ある市街地更新
②個性ある快適なまちづくり
③池袋副都心の再生
④活力ある地域拠点の整備
が整備された、安
心、安全のまち
5-2 魅力ある都心居住の
場づくり
5-3 交通体系の整備
5-4 災害に強いまちづくり
の推進
5-5 身近な安心と安全の
確保
6-1 都市の魅力による
6 魅力と活力にあ
集客力の向上
①安心居住の仕組みづくり
②良質な住宅の供給誘導
①道路・橋梁の整備と維持保全
②自転車・自動車対策の推進
③公共交通の整備
①防災行動力の向上と連携
②応急・復興活動を円滑に行う
体制の整備
③災害に強い都市空間の形成
④総合治水対策の推進
①治安対策
②交通安全対策
①にぎわい魅力商工都市の形成
②観光まちづくりの推進
③都市交流の推進
ふれる、にぎわい
のまち
6-2 産業振興による
都市活力創出
7-1 文化による
7 伝統・文化と新た
まちづくりの推進
な息吹が融合する
文化の風薫るまち
7-2 芸術・文化の振興
7-3 生涯学習・
生涯スポーツの推進
31
①新たなビジネス展開の支援
②地域産業の活性化
③消費者権利の実現支援
①文化によるまちの活性化
②新たな芸術・文化の創出
③伝統文化の継承
①芸術・文化鑑賞機会の充実
②芸術・文化活動機会の充実
①生涯学習の環境整備
②個の学びから社会的な学習
活動への転換
③スポーツ・レクリエーション
活動の充実
32
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
1
すべての人が地域で共に生きていけるまち
33
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
1-1 地域福祉の推進
■現状と課題
これまでの我が国の福祉は、行政をはじめとする公的な機関が、限られた方々を主な対象と
して保護や給付という形で行ってきました。
しかし、近年は核家族化の進行や地域の結びつきの弱まり、また、少子高齢化の進展など、
「福
祉」を取り巻く状況は大きく変り、福祉サービスに対するニーズも量的にも質的にも大きく変
化してきており、多様化・高度化する福祉サービスに対するニーズは、これまでのように行政
だけで対応していく範囲をはるかに越え、今後は限られた人に対するサービスではなく、地域
で暮らしていく人々の生活課題として地域全体で取り組んでいくことが必要となってきていま
す。
こうした状況の中、行政機関が決定する“措置制度”から、利用者自らが事業者と対等な関
係でサービスを選択し契約する、“契約制度”へと改められ、平成 12 年 4 月からは介護保険制
度が施行されました。
また、同年 6 月には社会福祉事業法が改正され、名称も改められ社会福祉法が成立しました。
社会福祉法では、福祉サービスの基本的理念として「個人の尊厳の保持」
「福祉サービス利用
者の自立支援」を掲げています。またそれととともに、
「地域福祉の推進」が社会福祉の基本理
念として位置付けられました。
特に、地域福祉推進の担い手として、家族や地域住民、ボランティア団体、社会福祉法人、
行政等のほかに、銀行・スーパーといった民間企業、当事者本人が位置付けられており、地域
福祉は、地域すべての人々が参加・協力しながらつくりあげていくものであり、
「住民参加」が
基本とされています。
豊島区でも、これまで社会福祉協議会のほかいくつかの団体が福祉サービスの提供事業を実
施し、地域を支えてきました。近年は、NPО、ボランティア団体の活動も活発化してきてい
ます。
区民の地域福祉活動に対する参加意欲も高まってきており、ボランティアをはじめたいと考
えている区民の方が増える一方で、それぞれのニーズに合った受け皿となるような情報が提供
されていない状況にあります。これは、区内で地域福祉活動をしている団体やその活動内容な
どの実態が十分に把握されていないことが要因として考えられます。今後は、社会福祉協議会
などとの連携を強化し、福祉活動団体の育成・支援の充実を図り区民のみなさんに情報を提供
できるようにする必要があります。
また、
「措置」から「契約」へと利用者の選択を中心に据えた福祉サービスの利用に関する大
きな変革の中で、利用者の自己責任が問われることになり、これまで以上に情報の提供・相談
機能の充実といったことが重要となってきます。
利用者や家族がサービスを選択する際の材料となる情報の提供、相談、苦情処理体制の整備
を図ることが求められています。
34
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
■施策の方向
住み慣れた地域でその人らしく日常生活が送れるよう、地域住民、福祉事業者、福祉活動に従事
する人などが協力しあいながら福祉サービスを必要とする人を支えていくことが求められていま
す。
福祉に関わるすべての人が地域社会を構成する一員であるとの意識を醸成しつつ、保健・医療・
福祉など暮らしの基盤となるサービスや支援ネットワークが充実している福祉のまちづくりをめ
ざします。
①福祉コミュニティの形成
区民の地域福祉活動への参加意欲が高まっており、NPO やボランティア団体の活動が活発となっ
ています。
地域住民、ボランティア、社会福祉協議会などの保健福祉関係団体、医療機関や社会福祉事業者
等との連携を強め、福祉サービスを必要とする人の自立生活を支援できる福祉コミュニティづくり
をすすめます。
②地域ケアシステムの構築 重点施策
地域住民の生活課題は、福祉、保健、医療その他様々な生活関連分野に及んでいます。
在宅の介護や日常生活支援を必要とする方々に対して、複数のサービスを適切に組み合わせ、総
合的に提供することができるしくみづくりをすすめます。
③保健福祉サービスの利用支援と質の向上
介護保険制度や、障害者自立支援法による新たな障害福祉制度は、サービス利用者の自己選択、
自己決定が基本となっています。
■成果指標
サービス利用者に的確な情報を提供し、適切なサービスの選択ができるよう利用支援をすすめる
とともに、良質なサービスが提供されるようなしくみづくりをすすめます。
④地域福祉と関係制度との連携
近年、生活保護世帯数が増加するなど生活困窮者の自立支援が大きな問題となっています。
公的扶助を含めた社会保障制度を安定的に運用し、地域福祉施策との連携を図ります。
【重点施策の選定理由】
本格的な少子高齢社会に向け、
「地域ケアシステム」を持続可能な仕組みとして構築することが、将来に向けて重要であると判断し、
選定した。
35
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
■成果指標
指
標
名
1
見守りと支えあいネットワーク
協力員登録者数
2
支援困難ケース検討事例の
蓄積件数
3
保健福祉や介護等に関する情報や
相談窓口が多様であると考える区
民の割合
現
状
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
194 人
245 人
295 人
−
(18 年度から開催)
区民 17.4%
団体 27.0%
※特に表記がない限り、現状値は平成16年度末現在のものである。
【説明】
1
地域ボランティアによる見守りと支えあいネットワーク協力員登録者数。
*見守りと支えあいネットワーク事業・・・地域ボランティア(見守り活動協力員)が、見守りを希望する 75 歳以上のひとり暮
らし高齢者及び高齢者のみ世帯に対して見守りを行う。
2
保健福祉医療に関わる地域の関係者が集まり、支援困難ケースについて検討した事例の累積件数。
3
「協働のまちづくりに関する区民意識調査(平成 17 年 3 月実施)
」の割合
36
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
事
1 福祉コミュニティの形成
2 地域ケアシステムの構築
重点施策
3 保健福祉サービスの利用支援と質の確保
4 地域福祉と関係制度との連携
○既存重要A事業
業
名
1
◎見守りと支え合いネットワーク事業
2
○福祉事業(福祉まつり等)
1
◎在宅介護支援事業
2
◎訪問指導事業
3
◎東西保健福祉センター運営事業
4
◎身体障害者相談員及び知的障害者相談員事業
5
○民生委員、児童委員事業
6
○居宅介護支援事業所運営事業
7
○居宅介護支援システム運営事業
8
○在宅介護支援センター運営事業(地域型)
1
◎福祉サービス権利擁護支援室運営助成
2
◎成年後見制度事業
3
○福祉サービス第三者評価事業
4
○障害者福祉広報活動事業
5
○福祉テレホンサービス事業
6
○障害者ホームヘルプサービス利用者負担軽減事業
7
○高額介護サービス費等貸付事業
1
◎原爆被爆者援護事業
2
◎奨学基金援護事業
3
○特別永住者福祉給付金支給事業
4
○低所得者層援護(法外援護)事業
5
○路上生活者対策
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
1 福祉コミュニティの形成
2 地域ケアシステムの構築
3 保健福祉サービスの利用支援と質の確保
●施設建設事業
事
業
名
1
社会福祉協議会助成事業
2
心身障害者対策調整協議会事業
3
心身障害者福祉団体助成事業
4
高齢者保健福祉計画・障害福祉計画作成事業
1
居宅介護支援事業所管理運営
2
介護支援専門員支援事業
3
高齢者在宅サービスセンター維持管理
4
在宅介護支援センター事業
5
地域ケア会議運営
6
認知症・虐待専門対応事業
7
要介護高齢者援助スタッフ専門相談事業
1
家族介護慰労事業
2
生計困難者に対する利用者負担額軽減措置事業
3
福祉サービス第三者評価事業
37
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
4 地域福祉と関係制度との連携
1
戦没者遺族等援護事業
2
行旅病人及び行旅死亡人取扱事業
3
生活保護法に基づく保護事業
4
ホームレス地域生活移行支援事業
○法令扶助費事業
施策の方向
事
1
福祉コミュニティの形成
2
地域ケアシステムの構築
3
保健福祉サービスの利用支援と質の確保
4
地域福祉と関係制度との連携
業
名
1
行旅病人及び行旅死亡人取扱事業
2
生活保護法に基づく保護事業
1 福祉コミュニティの形成
1-1-1 ◎見守りと支え合いネットワーク事業
保健福祉部
【事業内容】ボランティアの参加を得ながら、高齢者等を対象に地域での見守りを行う。
【今後の方向性】ひとり暮らし高齢者及び高齢者のみの世帯の増加に伴い、地域の人々による安否確認の重要度が増
してくる。見守りを受ける人と見守りを行う協力員の調整を行う支援から、見守り活動を推進する地域のネットワ
ーク形成支援に支援内容を変更していく必要がある。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
利用者年 3,100 人協力員登録数 1,050 人
事業費(百万円)
推進
3
1-1-2 ○福祉事業(福祉まつり等)
保健福祉部
【事業内容】心身障害者及びその介護者のレクリエーションと一般区民への福祉に対する普及、啓発を目的として「ス
ポーツのつどい」「ふくしまつり」を実施。
【今後の方向性】PR の創意工夫や企画の見直しを行いながら、さらに充実した事業として実施する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
スポーツのつどい参加者 2,100 人
ふくしまつり参加者 52,500 人
事業費(百万円)
推進
5
2 地域ケアシステムの構築
1-2-1 ◎在宅介護支援事業
保健福祉部
【事業内容】在宅の要援護高齢者及び要援護となるおそれのある高齢者とその家族に対し、介護などに関する総合的
相談や保健福祉サービス等の申請受付及び在宅介護指導員の派遣などを行う。
【今後の方向性】在宅の要援護高齢者は、今後も増加が見込まれ、介護に至るまでの総合的相談や、ヘルパーの派遣
等福祉サービスの提供は今後さらに充実が必要とされる。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
推進
後期(23∼27 年度)
推進
160
38
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
1-2-2 ◎訪問指導事業
保健福祉部
【事業内容】療養上の指導が必要であると認められる者に対し、保健師、看護師等が家庭を訪問し、本人及び介護者
に対して保健や看護方法等に関する相談及び指導を行う。
【今後の方向性】介護保険制度を補完する事業であり、特に保健師等が高齢者宅に出向く本事業の必要性は今後も高
い。(介護状態にありながら様々な要因で介護保険制度を利用してサービスを受けることが困難な者に対して、介
護保険制度に繋がるような指導・支援。または、介護保険対象外の者に対しての指導・支援)
前
事業量
期(18∼22 年度)
訪問指導延べ 9,500 人
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
125
1-2-3 ◎東西保健福祉センター運営事業
保健福祉部
【事業内容】東西保健福祉センターの運営経費
【今後の方向性】東西保健福祉センターは基幹型・地域型在宅介護支援センター機能を持ち、高齢者や障害者にとっ
て身近な総合相談窓口であるとともに福祉サービスのマネジメント基幹として、その役割を担っている。今後、介
護保険法改正に伴う地域包括支援センターの設置や障害者自立支援法の制定等により、地域における保健福祉セン
ターの役割・必要性は、一層高まっていく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
138
1-2-4 ◎身体障害者相談員及び知的障害者相談員事業
保健福祉部
【事業内容】法に基づき豊島区長が委託した民間人による相談員が身体または知的障害者に対する更生援護、在宅者
の療育、生活に関する相談活動を行う。また、相談員活動の充実と制度の効果的運営を図るため、豊島区独自に研
修会を開催する。
【今後の方向性】さらに相談員の活動の充実と制度の効果的運営を図り、より一層多様な研修方法により相談員の資
質の向上を図って行く必要がある。
前
事業量
期(18∼22 年度)
研修会 15 回開催
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
7
1-2-5 ○民生委員・児童委員事業
保健福祉部
【事業内容】委託を受けた委員が対象者の生活を見守り、生活状況の把握に努め、必要な相談・支援を行う。ケース
により区へ状況報告するとともに適切な福祉サービスに繋げていく。
【今後の方向性】民生委員活動の充実・活性化を図る。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
相談支援等活動 45,000 件、民生委員協議会等開
催回数 335 回、民生児童委員数 1,265 人
事業費(百万円)
推進
165
1-2-6 ○居宅介護支援事業所運営事業
保健福祉部
【事業内容】要介護等認定を受けた人に対し、介護サービスを利用できるようにケアプランを作成するとともに、指
定居宅介護事業者の連絡調整等を行う。
【今後の方向性】平成 17 年度から、東西保健福祉センターの居宅介護支援事業所を廃止し、民間事業所へ移行させ
た。しかしながら、緊急時や民間事業所で対応困難なケースについての取り扱いが課題となっており、今後は行政
との連携、ケアマネ相談、研修等を実施しながら民間事業所のスキルアップを図って行く。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
ケアプラン作成 1,920 件
後期(23∼27 年度)
推進
1
39
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
1-2-7 ○在宅介護支援システム運営事業
保健福祉部
【事業内容】区内 13 か所の在宅介護支援センターにおいて、情報を共有化するためのシステム運営経費。
【今後の方向性】在宅介護支援センターは、今後の高齢者施策を推進する上での核となる施設であるため、センター
相互間の連携は不可欠である。ネットワークづくりは強化される必要がある。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
31
1-2-8 ○在宅介護支援センター運営事業(地域型)
保健福祉部
【事業内容】地域型在宅介護支援センターの運営経費(南長崎・高松・駒込在宅介護支援センター)
【今後の方向性】今後も継続していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
維持
事業費(百万円)
維持
4
3 保健福祉サービスの利用支援と質の確保
1-3-1 ◎福祉サービス権利擁護支援室運営助成
保健福祉部
【事業内容】福祉サービス利用者の権利を擁護し、サービスに関する苦情を適切に解決する等、福祉サービスの利用
に係わる相談や苦情への対応を行う福祉サービス権利擁護支援室への助成事業
【今後の方向性】社会福祉協議会が、その公共性及び第三者性を活かした事業として今後も積極的に推進していく事
業であり、区としても引き続き支援していく方針である。
前
期(18∼22 年度)
事業量
相談件数 16,000 件、契約による支援件数 150 件
事業費(百万円)
53
後期(23∼27 年度)
推進
1-3-2 ◎成年後見制度事業
保健福祉部
【事業内容】区長が老人福祉法等の規定により行った審判の請求費用及び、それにより家庭裁判所が選任した成年後
見人等に対する報酬等の支払に要する費用を助成する。
【今後の方向性】社会福祉協議会による「福祉サービス権利擁護支援室」の設置及び成年後見制度の普及により対象
者は漸増すると予測される。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
区長申立件数 15 件、報酬費用助成(在宅・施設
入所)各 5 件
事業費(百万円)
推進
5
1-3-3 ○福祉サービス第三者評価事業
保健福祉部
【事業内容】福祉サービス提供(認知症高齢者グループホーム運営)事業者が第三者評価を受審(結果の公表を含む)
するための受審費用の一部又は全部を助成する。
【今後の方向性】東京都の制度を活用し受審支援を行い、第三者評価の受審が事業者に定着するようにする。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
延べ 38 事業者に助成
後期(23∼27 年度)
推進
15
40
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
1-3-4 ○障害者福祉広報活動事業
保健福祉部
【事業内容】障害者広報の発行及び障害者福祉のしおり(隔年)の発行
【今後の方向性】さらにわかりやすい手引きとして国・都・区などの施策を網羅した冊子として発行する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
障害者広報 10 回 10,000 部、障害者福祉のしお
り 12,000 部
事業費(百万円)
推進
4
1-3-5 ○福祉テレホンサービス事業
保健福祉部
【事業内容】障害者福祉に関する各種制度の改正、催し物など最新の情報をテープで電話から流す。1 回 5 分程度、
通話料無料、内容は月 2 回更新。
【今後の方向性】障害者の利便と社会参加の機会の増大を図るため、内容を創意工夫しより充実させていく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
1
1-3-6 ○障害者ホームヘルプサービス利用者負担軽減事業
保健福祉部
【事業内容】訪問介護を利用する低所得者に対し、介護保険法施行に伴う利用者負担の激変緩和の観点から、利用者
負担の一部を助成する。
【今後の方向性】国・都の助成事業要綱に基づき実施。平成 18 年度以降の本事業の見直しについては、国・都の動
向を把握し、低所得者が真に必要なサービス利用に支障のないよう、よりきめ細かな事業実施内容等となるよう検
討し実施していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
延べ利用者負担軽減対象者数 1,050 人
事業費(百万円)
76
後期(23∼27 年度)
推進
1-3-7 ○高額介護サービス費等貸付事業
保健福祉部
【事業内容】被保険者が一時的に費用負担が困難な場合に、高額介護サービス費等が支給されるまでの間、当該介護
サービス費等に相当する資金を無利子で貸付ける。
【今後の方向性】利用実績の件数は少ないが、本区が事務負担等の理由により受領委任方式を採用していないため、
被保険者の一時的な経済的負担を軽減させ介護サービスを利用しやすくするために、本事業を継続させていく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
延べ施設サービス利用者数 20 人、延べ住宅改
修・福祉用具購入利用者数 75 人
事業費(百万円)
推進
5
4 地域福祉と関係制度との連携
1-4-1 ◎原爆被爆者援護事業
保健福祉部
【事業内容】毎年7月1日現在区内に住所を有し原爆被爆者手帳を有する方に見舞金を支給する。
【今後の方向性】今後も継続していく。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
受給者数 733 人
後期(23∼27 年度)
維持
12
41
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
1-4-2 ◎奨学基金援護事業
保健福祉部
【事業内容】被保護世帯で高等学校等へ入・在学する生徒及び児童扶養手当受給者のうち住民税非課税世帯で高等
学校等へ入学する生徒に対し、修学に要する費用の一部として奨学金を支給する。
【今後の方向性】奨学金の原資が本制度に賛同する篤志家からの寄付金であることから、今後とも継続していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
支給対象者:生保入学 45 人、児扶入学 375 人、
生保在学 70 人
継続
事業費(百万円)
23
1-4-3 ○特別永住者福祉給付金支給事業
保健福祉部
【事業内容】国民年金制度上、老齢基礎年金等を受けることができない在日外国人(特別永住者)等に対して、給
付金を支給する。
【今後の方向性】対象者への周知方法を検討し、周知を図っていく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
対象者 50 人
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
6
1-4-4 ○低所得者層援護(法外援護)事業
保健福祉部
【事業内容】生活保護世帯で、住宅に風呂のない者に対して、入浴券(大人券及び中人券)を支給する。
【今後の方向性】引き続き入浴券の支給を実施する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
大人券延べ支給枚数 277,500 枚
中人券延べ支給枚数 3,000 枚
事業費(百万円)
継続
110
1-4-5 ○路上生活者対策
保健福祉部
【事業内容】関係諸機関の協力により、パトロールや街頭相談事業等を行う。
【今後の方向性】
「路上生活者対策連絡会議設置要綱」及び「路上生活者対策事業に係る都区協定書」に基づき、関
係諸機関や都・他区と協力しながら路上生活者の早期社会復帰に向けた取り組みを行っていく。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
合同パトロール 50 回、特別対策 10 回、緊急一時保
護センター入所受付 60 回
継続
14
42
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
1-2 高齢者・障害者の自立支援
■現状と課題
我が国の人口構成は、平均寿命の伸び、出生率の低下などにより急速に高齢化が進んでいま
す。本区においても、65 歳以上の人口は、平成 17 年には 46,169 人となり、総人口(住民基本
台帳による)に占める割合は 19.6%となっています。これに伴い一人暮らし高齢者の数も増加
しています。平成 12 年度の国勢調査では、区内のひとり暮らし高齢者数が 13,898 人となって
おり、高齢者人口に占める割合が 30%を超える状況にあります。
65歳以上人口の推移
47000
46000
45000
44000
43000
42000
41000
40000
12年
13年
14年
15年
16年
17年
また、障害者手帳を有している人は、平成 15 年度末現在で、身体障害者、知的障害者、精神
障害者併せて 8,205 人となっており、年々増加しています。さらに、障害の重度化に加え、障
害者・介護者の高齢化も進んでいる状況です。
こうした中、ノーマライゼイションの理念の浸透とともに、高齢者や障害者が、住み慣れた
地域や家庭で、安心して自立した生活を送ることができるように、在宅を基本とした各種サー
ビスの提供や生活支援の充実が求められるようになりました。障害者の自立に必要なサービス
や援助は、障害の種類や程度、生活環境により大きく異なるため、一人ひとりの状況に応じた
きめ細かな対応や支援が求められています。
現下の厳しい状況の中でも、働く意欲のある高齢者に就労の場を確保するために、シルバー
人材センターは様々な事業を実施し重要な役割を果たしています。障害者の就労については、
区立の福祉作業所、民間の通所授産施設があり、平成 14 年 4 月には豊島区障害者就労支援セン
ターが設立されました。しかしながら、障害者の一般の雇用は一定程度の成果をあげてはいる
ものの、長年勤めていた勤務先を解雇されるなどのケースも増加しており、いかに一般就労、
及びその後の職場定着につなげていくかが課題となっています。
また、高齢者や障害者が、住み慣れた地域で家族や地域の人たちと暮らし続けていくための、
生活の場の確保が求められています。既に施設に入所している利用者の中にも、地域で自立し
た生活に移行したいと意欲を持っている人が多くいます。そのためには、家庭的な雰囲気をも
つグループホームなどを整備する事業者を誘致し、地域で自立した生活が送れるよう支援する
ことが重要です。
さらには、今後の円滑な介護保険制度の運営や、高齢者の健康増進・社会参加の促進を支え
る手段として、地域に根ざした介護予防事業が、様々な民間活力を利用して実施されることが
望まれています。区はそのきっかけづくりとして、介護予防の普及啓発に力を注ぐ必要があり
ます。
介護予防を推進していくことは、健康寿命の延伸につながり、住み慣れた地域でいつまでも
いきいきと生活するための重要課題の一つとなっています。
43
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
■施策の方向
社会福祉基礎構造改革により、利用者選択を支える基盤整備への移行が求められています。また
各種多様な利用者のニーズに対応できる在宅サービスの充実と利用者保護の仕組みづくりも重要
な課題となっています。
福祉サービスの質的向上を図りつつ、利用者の自立支援と社会参加を促進するための取り組みを
すすめ、高齢者や障害者が地域で安心して暮らせる地域社会の実現をめざします。
①自立支援体制の整備
高齢化の進展に伴い、高齢者の単身者世帯の割合が他区に比べ、高い割合で増加しています。
介護保険制度や障害者自立支援法などの導入及び精神保健福祉法の改正などの動向を踏まえ、高
齢者や障害者の地域での自立した生活を支える自立支援サービスの提供とサービスの調整体制を
整備します。
②介護予防の推進 重点施策
軽度の機能低下により、日常生活に支障をきたす高齢者の増加が社会問題にまでなっています。
老化の早期発見につとめ、体力維持のためのさまざまな手立てや環境面での配慮を含め、可能な
限り制限や制約の少ない状態により自立した活動や社会参加が可能となるような介護予防の仕組
みづくりをすすめます。
③社会参加の促進
高齢者になってもできるだけ自立し、生活を楽しみたいと思う人が増えています。
障害や年齢にかかわらず、いきいきと地域の中で自立し、生きがいをもって社会参加できるよう、
地域拠点づくりなど条件整備をすすめます。
■成果指標
④福祉サービス等の基盤整備
介護保険制度導入後、施設利用の希望者が増加しています。
介護保険及び自立支援サービスの量的確保や質的向上を図るため、多様な事業者の参入を促進
し、協動体制を構築するとともに支援策を充実します。
【重点施策の選定理由】
超高齢社会に向け、健康寿命の延伸をするとともに、医療費を抑制し持続可能な社会保障制度を築くためにも、今後は特に、「介
護予防」に重点的に取り組む必要があると判断し、選定した。
44
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
■成果指標
指
標
名
現
状
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
1
元気な高齢者の割合
(要支援・要介護認定を受けていな
い高齢者の割合)
82.0%
2
就労支援センター在籍者で一般就
労した人の割合
20.0%
50.0%
3
特別養護老人ホームの定員数
629
(17 年 4 月)
758
4
高齢者や障害者が自立した生活が
でき、社会参加しやすと考える区民
の割合
75.0%
区民 9.8
団体 15.7%
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末現在のものである。
【説明】
1
65 歳以上高齢者のうち、介護保険制度による要介護・要支援の認定を受けていない人の割合。
2
障害者を対象とした「就労支援センター」通所部門に在籍し、就労支援を受けている人のうち、一般就労した人の割合。
3
特別養護老人ホームの利用定員数。
*前期目標数値は、第2期東京都介護保険事業支援計画(65 歳以上の高齢者人口比 1.51%の整備率)を参考に数値化しています。
後期目標値は、東京都の計画改定に伴い、整備率が変更となる可能性があることから、数値化が困難なため方向性のみ示してい
ます。
4
「協働のまちづくりに関する区民意識調査(平成 17 年 3 月実施)
」の割合
45
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
1 自立支援体制の整備
2 介護予防の推進
重点施策
3 社会参加の促進
4 福祉サービス等の基盤整備
事
○既存重要A事業
業
●施設建設事業
名
1
◎高齢者緊急ショートテイ支援事業
2
◎重度脳性麻痺者介護人派遣事業
3
◎福祉手当(区)支給事業
4
◎民間精神障害者通所施設運営助成事業
5
○シルバー人材センター運営費助成事業
6
○民間心身障害児(者)通所施設運営助成事業
7
○高齢者火災安全システム事業
8
○寝たきり高齢者紙おむつ支給及び購入費等助成事業
9
○心身障害者紙おむつ支給及び購入費等助成事業
10
○心身障害者福祉電話貸与事業
11
○高齢者福祉電話貸与事業
1
◎筋力アップ教室事業
2
◎介護予防普及啓発事業
3
◎脳イキイキ教室事業
4
◎介護予防健診事業(としま・おたっしゃ21)
5
◎高齢者マシントレーニング事業
6
○地域型認知症予防活動事業
7
○おたっしゃ栄養教室
8
○尿失禁予防教室事業
1
◎シニアライフ入門講座事業
2
○福祉ホーム「さくらんぼ」運営
3
○高齢者クラブ運営費助成事業
4
○手話通訳派遣事業
1
○知的障害者グループホーム事業
2
○精神障害者グループホーム運営助成事業
3
●認知症高齢者グループホーム整備費助成
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
1
自立支援体制の整備
事
業
名
1
「ハローテレホン」事業
2
敬老週間事業
3
国制度手当支給事業
4
障害者就労支援センター「ブリッジワーク・としま」運営
5
障害者入浴サービス事業
6
心身障害者福祉センター事業
7
ホームヘルプ支援費事業
8
緊急通報システム事業
9
高齢者自立支援住宅改修給付事業
10
高齢者生活支援事業(日常生活援助)
46
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
11
高齢者入院衛生用品購入費等助成事業
12
重度身体障害者緊急通報システム事業
13
障害者機能回復助成事業
14
心身障害者生活支援事業(心身障害者寝具洗濯乾燥事業)
15
心身障害者生活支援事業(心身障害者理容費助成事業)
16
身体障害(児)者補装具交付及び措置事業給付
17
人工肛門及び人工膀胱用装具購入費助成
18
難病患者等居宅生活支援事業
19
認知症高齢者徘徊探知システム
20
精神障害者通所授産施設助成
21
精神障害者ホームヘルプサービス事業
2 介護予防の推進
1
介護予防事業
3 社会参加の促進
1
ことぶきの家管理運営事業
2
敬老入浴事業
3
高齢者福祉センター管理運営事業
4
生きがい対応型デイサービス事業(ほほえみクラブ)
5
駒込施設管理運営
6
駒込生活実習所運営
7
駒込福祉作業所運営
8
障害児夏休みクラブ等育成助成事業
4 福祉サービス等の基盤整備
9
目白施設管理運営
10
目白生活実習所運営
11
目白福祉作業所運営
12
心身障害者生活支援事業(心身障害者車椅子貸与事業)
13
心身障害者等移動手段提供事業
14
「カフェふれあい」運営費助成
1
「菊かおる園」ケアハウス運営
2
特別養護老人ホーム維持管理
3
老人ホーム入所・措置事業
○法令扶助費事業
施策の方向
事
業
名
1
国制度手当支給事業
2
障害者支援費事業
3
障害者支援費事業
4
身体障害(児)者舗装具交付及び措置事業給付
5
身体障害(児)者補装具交付及び措置事業給付
6
身体障害者デイサービス支援事業
3 社会参加の促進
1
障害者ガイドヘルプ支援費事業
4 福祉サービス等の基盤整備
1
障害者支援費事業
2
身体障害者ショ−トステイサ−ビス支援費事業
3
身体障害者施設訓練等支援費事業
4
知的障害者グループホーム(生活寮)支援費等
5
知的障害者援護施設措置
6
老人ホーム入所・措置事業
1 自立支援体制の整備
2 介護予防の推進
47
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
1 自立支援体制の整備
2-1-1 ◎高齢者緊急ショートステイ支援事業
保健福祉部
【事業内容】家庭における介護が一時的に困難となった場合に利用できるよう、特別養護老人ホーム 3 施設において
ベッドを各1床確保。
【今後の方向性】さらに高齢化が進む社会情勢において、介護保険の「施設介護から在宅介護へ」の方針を見ても、
今後ますます在宅介護の必要性ならびにサービスの向上、多様性が求められている。老人虐待等の一時避難場所、
家庭において緊急に一時的に介護する人がいないような状況になった時等、安心して入所できる施設を確保してお
くことは必要である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
利用者数 2,080 人、利用率 38%
事業費(百万円)
35
後期(23∼27 年度)
推進
2-1-2 ◎重度脳性麻痺者介護人派遣事業
保健福祉部
【事業内容】重度脳性麻痺者の推薦する介護人(家族に限定)に区が依頼し、手当を支給する。
【今後の方向性】重度脳性麻痺者の生活圏の拡大と日常生活の利便を図るため、今後も引き続き事業を実施する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
派遣対象者延べ 110 人
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
104
2-1-3 ◎福祉手当(区)支給事業
保健福祉部
【事業内容】心身障害者・難病患者・重度心身障害者に対して支給する手当
【今後の方向性】今後も、心身障害者・難病患者・重度心身障害者の対象者に対して手当を支給し、経済的、精神的
負担軽減の一助とするため実施する。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
心身障害者手当延べ第一種 10,664 人・第二種
事業量
4,191 人、難病患者福祉手当延べ 4,060 人、重度
心身障害者特別手当 5 人
事業費(百万円)
維持
3,002
2-1-4 ◎民間精神障害者通所施設運営助成事業
保健福祉部
【事業内容】在宅精神障害者のための生活訓練、社会適応訓練、就労訓練などを行っている区内小規模作業所に対す
る運営費助成
【今後の方向性】
『今後 10 年間で「条件が整えば退院可能な 7 万人の精神障害入院患者」について、生活支援体制の
強化等、立ち遅れた精神保健医療福祉体系の整備を進めることにより、解消を図る。
』としている国の目標を受け
て、ますます増加傾向にある区内在住の精神障害者に対して、社会的自立支援通所訓練施設の受け入れ状況充実を
目指す。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
推進
1,105
2-1-5 ○シルバー人材センター運営費助成事業
後期(23∼27 年度)
推進
保健福祉部
【事業内容】高齢者の就労機会を提供し、高齢者の社会参加・生活の充実を図るためのシルバー人材センターへ運
営費の助成を行う。
【今後の方向性】団塊の世代の高齢者世代への突入などにより、今後高齢者人口の急激な増加が見込まれているた
め、高齢者への就労斡旋の重要度は高い。しかし、シルバー人材センターの運営については、効率化を図る必要
がある。
48
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
154
2-1-6 ○民間心身障害児(者)通所施設運営助成事業
保健福祉部
【事業内容】在宅心身障害児(者)の社会的自立を目的に作業及び日常生活の訓練・指導を実施している民間通所施
設に対する助成事業
【今後の方向性】今後も継続していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
維持
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
維持
376
2-1-7 ○高齢者火災安全システム事業
保健福祉部
【事業内容】在宅高齢者に対し、住宅用防災機器を給付し、必要に応じて東京消防庁への火災自動通報を利用するた
めの工事を行う。
【今後の方向性】ひとり暮らし高齢者、高齢者のみ世帯は増加しており、今後も緊急時に備え、高齢者の不安解消と
安全の確保が求められる。特に、火災は高齢者宅のみに限らず、近隣への被害も生じる緊急事態であり、万全の策
を講じる必要がある。
前
事業量
期(18∼22 年度)
給付件数延べ 400 件
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
24
2-1-8 ○寝たきり高齢者紙おむつ支給及び購入費等助成事業
保健福祉部
【事業内容】在宅高齢者に対して紙おむつを支給(入院中の寝たきり高齢者に対してはおむつ購入費を助成)する。
【今後の方向性】寝たきり高齢者の身体の衛生を保持することで、床ずれ防止ひいては病気療養に至ることを予防
できる。これに加え、おむつの取替えに当たる親族の居宅での介護が期待でき、入所による経費削減にもつなが
る。したがって、最低限現状維持は必要である。
前
期(18∼22 年度)
事業量
支給対象者延べ 5,700 人、助成対象者 5,625 人
事業費(百万円)
310
後期(23∼27 年度)
維持
2-1-9 ○心身障害者紙おむつ支給及び購入費等助成事業
保健福祉部
【事業内容】在宅の心身障害者に対して紙おむつを支給(入院等で紙おむつの支給ができない場合は購入費等を助成)
する。
【今後の方向性】障害者の身体の衛生を保持することで、床ずれ防止ひいては病気療養に至ることを予防できる。こ
れに加え、おむつの取替えに当たる親族の居宅での介護が期待でき、入所による経費削減にもつながる。したがっ
て、最低限現状維持は必要である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
維持
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
維持
54
2-1-10 ○心身障害者福祉電話貸与事業
保健福祉部
【事業内容】在宅の重度心身障害者の属する世帯に電話を貸与し、回線使用料の一部を助成する。
【今後の方向性】今後は、居宅介護事業所、ヘルパーなどの福祉サービスにかかる地域の方の支援や見守り、支え
合いが一層求められる。しかしながら、障害者のコミュニケーション及び連絡手段を確保し、事故の未然防止や
安否確認、緊急時の連絡に必要な事業である。
49
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
前
事業量
期(18∼22 年度)
貸与台数延べ 6,545 世帯
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
維持
7
2-1-11 ○高齢者福祉電話貸与事業
保健福祉部
【事業内容】ひとり暮らしの高齢者または高齢者世帯に電話を貸与し、回線使用料の一部を助成する。
【今後の方向性】今後は民間ケアマネジャー、ヘルパーなどの高齢者介護支援に係わる地域の方の見守りが特に求
められてくる。しかしながら、高齢者のコミュニケーション及び連絡手段を確保し、事故の未然防止や安否確認、
緊急時の連絡に必要な事業である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
貸与台数延べ 2,250 台
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
維持
34
2 介護予防の推進
2-2-1 ◎筋力アップ教室事業
保健福祉部
【事業内容】としま・おたっしゃ21(介護予防健診)で、転倒の危険があると判定される、または転びやすくな
ったと感じるといった虚弱高齢者の方を主な対象者として、簡単なトレーニング用具を使いながら、運動の習慣
化を図り転びにくい体力づくり行う。
【今後の方向性】介護保険制度の中の地域支援事業の一環として、虚弱高齢者を対象に実施・拡大していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
40 コース、延べ参加者 1,200 人
事業費(百万円)
17
後期(23∼27 年度)
推進
2-2-2 ◎介護予防普及啓発事業
保健福祉部
【事業内容】地域の中で介護予防をすすめていくために、
『75 歳からの介護予防大作戦』キャンペーンを展開し、普
及啓発のための介護予防プログラムを実施する。
【今後の方向性】介護保険制度の中の地域支援事業の一環として、全高齢者を対象に実施・拡大していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
普及啓発の介護予防教室の実施、効果的なリーフ
多様な介護予防教室を委託
レットの作成、サポーターの育成
により実施予定
事業費(百万円)
17
2-2-3 ◎脳イキイキ教室事業
保健福祉部
【事業内容】認知機能の低下が心配される概ね 60 歳以上の自力で参加できる方を対象に、音読や簡単な計算を中心
とする教材を用いた学習を通し、脳を活性化し認知症予防と自立生活を支援する。
【今後の方向性】介護保険制度の中の地域支援事業の一環として、虚弱高齢者を対象に実施・拡大していく。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
10 コース、延べ参加者 300 人
11
50
後期(23∼27 年度)
推進
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
2-2-4 ◎介護予防健診事業(としま・おたっしゃ21)
保健福祉部
【事業内容】概ね 70 歳以上の高齢者を対象に、簡単な身体機能測定と 18 項目の質問を行い、老化のサインを発見
し、各種介護予防プログラムを紹介する。
【今後の方向性】介護保険制度の中の地域支援事業の一環として、全高齢者を対象に実施・継続していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
おたっしゃ健診実施回数 50 回、延べ参加者数
2,500 人
事業費(百万円)
継続
8
2-2-5 ◎高齢者マシントレーニング事業
保健福祉部
【事業内容】要介護状態にならないように、または要介護状態の改善を目的に、高齢者向けのトレーニング機器を
使用して身体機能を高めるトレーニングを実施する。
【今後の方向性】介護保険制度の中の地域支援事業の一環として、虚弱高齢者を対象に実施・拡大していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
40 コース、延べ参加者 600 人
事業費(百万円)
55
後期(23∼27 年度)
推進
2-2-6 ○地域型認知症予防活動事業
保健福祉部
【事業内容】認知症予防のグループ活動をとおし、健康寿命を伸ばすための健康づくりに関する啓発を図る。
【今後の方向性】介護予防事業について関係部署の事業との整合をはかり、事業のあり方を含めて検討していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
グループ活動の実施
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
13
2-2-7 ○おたっしゃ栄養教室
保健福祉部
【事業内容】料理教室を開催し、介護・認知症予防および高齢者の低栄養予防を図る。
【今後の方向性】在宅栄養士やボランティアの方が栄養教室の講師となるよう、研修等を実施していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
栄養教室 348 回、栄養指導講習会 10 回
事業費(百万円)
6
後期(23∼27 年度)
推進
2-2-8 ○尿失禁予防教室事業
保健福祉部
【事業内容】正しい知識の習得と対応法を学び骨盤底筋等の筋力を高める体操などを行う教室を実施する。
【今後の方向性】尿もれ予防教室をきっかけとし、健康づくりへの啓発を図り、生活圏の拡大を図る。
前
事業量
期(18∼22 年度)
教室参加者数延べ 3,000 人
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
4
3 社会参加の促進
2-3-1 ◎シニアライフ入門講座事業
保健福祉部
【事業内容】社会や家庭の第一線から退いた 60 歳以上の人を対象に、講座を実施する。講座参加者と共に企画・実
施する事業。
【今後の方向性】団塊の世代が定年を迎える今後、体力的にも精神的にもまだ現役である高齢者の社会参加・地域
活動の促進がますます重要となってくる。この世代に対し、自主性を生かした多様な活動を支援することが求め
られる。
51
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
講座回数年 8 回、延べ参加者数 1,745 人、自主
活動 575 回
事業費(百万円)
推進
1
2-3-2 ○福祉ホーム「さくらんぼ」運営
保健福祉部
【事業内容】心身障害者が、保護者の高齢化や死亡等で福祉作業所等に通所することが困難になった場合に、住み
慣れた地域で生活ができるよう、日常生活の援護や指導を行う。また、一時的に保護者が介護できない状態にな
った場合に保護を行う。
【今後の方向性】今後も継続していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
維持
事業費(百万円)
維持
467
2-3-3 ○高齢者クラブ運営費助成事業
保健福祉部
【事業内容】高齢者が地域でいきいきとした生活を営むために自主的に組織された高齢者クラブに対する助成及び
高齢者クラブ相互間の交流を図り会員相互の福祉増進を推進するための連合会に対する助成。
【今後の方向性】高齢者クラブ構成員の高齢化が進んでいるため、前期高齢者に対する対応策が今後の課題である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
92
2-3-4 ○手話通訳派遣事業
保健福祉部
【事業内容】聴覚障害者の希望に応じて手話通訳者を派遣する。
【今後の方向性】今後も継続していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
維持
事業費(百万円)
維持
42
4 福祉サービス等の基盤整備
2-4-1 ○知的障害者グループホーム事業
保健福祉部
【事業内容】一人で生活することが困難な知的障害者が、世話人とともに共同生活をし、日常で援助を受けること
により地域社会での自立を図るための施設であるグループホームへの助成事業。
【今後の方向性】障害者が地域の中で、安心して自立して生活していくための施策としてグループホームの整備・
運営を支援していくことは必要である。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
維持
後期(23∼27 年度)
維持
35
2-4-2 ○精神障害者グループホーム運営助成事業
保健福祉部
【事業内容】精神障害者の地域における自立生活の場であるグループホームを設置運営する民間団体に対する助成。
【今後の方向性】本区においては、在宅精神障害者のための公設の社会復帰施設等はなく、民間団体が担っている
のが現状である。精神保健福祉法の改正もあり、精神障害者の地域における自立、社会復帰のための各種取り組
みに対しては、一層の支援の充実が求められており、助成の必要性が高まっている。
52
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
維持
事業費(百万円)
維持
279
2-4-3 ●認知症高齢者グループホーム整備費助成
保健福祉部
【事業内容】概ね身辺自立が可能な認知症高齢者に対して、専門的ケアと家庭に近い生活環境を確保するためのグ
ループホームを民間社会福祉法人が整備する際に、経費の一部を助成する。
【今後の方向性】平成 18 年度からは、介護保険制度改正により地域密着型サービスとして、日常圏域ごとの整備と
なる。新たな整備目標を設定し策定する「介護保険事業計画」に基づき整備を進める。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
7ユニット
後期(23∼27 年度)
推進
105
53
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
1-3 健康
■現状と課題
日本の平均寿命は、昭和 59 年(1984 年)から今日まで、世界一の水準を示しています。特
に、女性については平成17年では 85.59 歳(男性は 78.64 歳)と 2 位との差がますます開き
つつあり、人類としての寿命の到達目標とさえみなされています。
健康で自立した生活を送ることができる年数のことを「健康寿命」と言いますが、平成 12 年
(2002 年)のWHOの調査によると日本人の男性の健康寿命は 71.4 歳、女性の健康寿命は 75.8
歳でともに世界一となっています。平均寿命と健康寿命の差は、7∼9 歳ほどありますが、この
差を短くすることが、豊かでより充実した人生を送ることになります。
このように、日本人の平均寿命が延伸する一方で、がん、心臓病、脳卒中といった疾患が、
死因の大きな割合を占めるとともに、高血圧や糖尿病などの疾患によって治療を受けている人
の数も増えています。さらに、寝たきりや認知症などの要介護状態になる人の増加が著しい状
況にあります。
区民の主要死因をみても、がん、心疾患、脳血管疾患となっており、これら生活習慣病とい
われるものが全体の60%を越えており、特に壮年期の死亡の大きな原因となっています。
これらの病気や状態は、食生活、運動(身体活動)、たばこ、アルコール、休養など、一人ひ
とりの日常生活のあり方に大きく関係しています。そのため、一次予防に重点を置いた地域保
健・医療対策の推進が課題となっています。
国においては第三次国民健康づくり対策として、
「21世紀における国民健康づくり運動(健
康日本21)
」を平成12年(2000 年)3 月に定め、健康づくり運動を総合的に推進していま
す。その後、法的な根拠となる健康増進法を平成14年(2002年)に公布しました。
豊島区では、この「健康日本21」の地方計画の位置付けをもつ、
「豊島区健康推進プラン2
1」
(10 か年計画)を平成17年(2005年)3 月に策定しました。この計画の特徴は、区民
自らが主役として健康づくりに取り組めるように行動指針を定め、区民と行政、関係機関、関
係団体などが目標を共有し、地域全体で取り組む計画としていることです。
高齢化、少子化が進む中で、生涯を通じた健康づくりは、区民一人ひとりの大きな課題です。
区民一人ひとりが「自らの健康は自ら守りつくる」という自覚を持ち、積極的に健康づくり
に取り組めるよう、区は健康増進に関する正しい知識の普及や情報提供、健康づくり自主グル
ープへの援助、個人の健康度に応じた健康増進メニューの提供など、身近なところで健康づく
りが行えるよう支援する必要があります。
また、地域保健分野においては、家族構成や生活習慣、ライフスタイル、社会経済状況の変
化により、母子保健、精神障害、難病、HIV 感染など多様な課題を抱えています。
特に、出産・育児をめぐる状況の変化は、不慮の事故のほか、虐待に見られる親とこの心の
問題を引き起こしており、さらには自殺者が全国で年間 3 万人を超え、思春期の引きこもりや
働き盛りの年代の精神疾患とともに、深刻な社会問題となっています。こうした課題に対して、
効果的な相談や支援、関係機関との連携強化を図っていく必要があります。
また、生活習慣やライフスタイルの変化を踏まえ、健康不安の解消を図り、健康を維持しな
がら地域の中で安心して暮らしていけるように、画一的に提供されるサービスから多様なニー
ズに応じ、予防からケアまでを包含するきめ細やかなサービスの提供が求められています。こ
れらを踏まえ、生活者の立場を重視した保健医療対策を進める必要があります。
地下鉄サリン事件、毒物カレー混入事件、東海村臨界事故、アメリカで起きたテロ事件にお
けるバイオテロなど、従来のマニュアルでは対応が困難で、初期段階では原因を特定すること
ができないような健康被害が発生しています。従来の食中毒、感染症などとともに、これらの
ことを生命と健康の安全を脅かす健康危機として捉え、被害者の救済、被害の拡大防止などを
図るため、健康危機管理体制を整備する必要があります。
54
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
■施策の方向
生活習慣病の早期発見・早期治療などの二次予防に加えて、生活習慣を見直し、生涯にわたって
健康を増進して、疾病の発病を予防する一次予防に重点を置いた対策を推進します。また多様化す
る新たな保健課題や健康危機管理へ対応するために関係機関と連携強化を図ります。
①健康づくりの推進 重点施策
区民一人ひとりが病気にならないよう、またたとえ病気や加齢による障害があったとしても、で
きる限り病気や加齢による障害が進行しないように、各人が個性や能力に応じた日頃からの健康づ
くりが重要です。
こうした個人の力と併せて区や関係団体、地域が区民の主体的な健康づくりを支援し、すべての
区民が健康で心豊かに暮らせる健康なまちの実現をめざします。
②多様化する保健課題への対応
児童や高齢者への虐待、ストレスの増加による心の問題や自殺者の増加、アレルギー疾患の増加
など、健康に対する問題が多様化しています。
母子保健・精神保健・歯科保健・公害保健など特定の分野における新たな課題に即応した保健施
策を推進します。
③健康危機管理
新興・再興感染症発生時の対応、HIV 感染者・エイズ患者の増加・多剤耐性結核の問題、医薬品
医療機器等の安全・食中毒や健康食品等の食品安全・飲料水の安全などの問題による健康危機への
対応や、さらに重大な健康危機として災害や生物テロ、新型インフルエンザへの対応が求められて
■成果指標
います。
生活環境面での健康対策を推進するとともに、こうした事態の予防や被害の拡大防止、被害者の
心のケアのために迅速な対応がとれるように、関係機関との連携の下に健康危機管理体制を整備し
ます。
④地域医療の充実
高齢化の進展や疾病構造の変化等により、救急医療の需要は増加傾向にあります。また、小児救
急医療体制の整備も課題となっています。
子どもから高齢者まで、誰もが身近な場所で適切な医療サービスの提供を受けられる体制づくり
を推進するとともに、都と医療関係機関と連携して患者中心の医療を実現します。
【重点施策の選定理由】
生活習慣病による死亡は区内でも6割を占め、その予防は社会的課題となっている。介護予防と同様、健康寿命の延伸と医療費を
社会全体として抑制していくため、「若年期」「中年期」「高齢期」それぞれにおいて、健康づくりを推進することが重要であると判
断し、選定した。
55
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
■成果指標
指
1
標
名
運動習慣のある人の割合
現
状
男性 18.6%
女性 15.3%
(平成 14 年度)
2
三大生活習慣病による死亡率
3
成人健診受診者のうち「異常認め
ず」と判定される人の割合
60.8%
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
男性 20.0%
女性 18.0%
増加を抑制
男性 25.0%
女性 20.0%
増加を抑制
7.7%
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
「区民健康意識調査」において、一日 30 分以上、週 2 回以上の運動を 1 年以上持続していると回答した人の割合。
2
区民の死亡原因のうち三大生活習慣病(がん、心疾患、脳血管疾患)による死亡率の割合。
3
成人健診(生活習慣病集団健診、高齢者健診、節目健診)受診者のうち、「異常認めず」と判定される人の割合。
56
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
1 健康づくりの推進
2
3
4
重点施策
多様化する保健課題への対応
健康危機管理
地域医療の充実
事
○既存重要A事業
業
名
1
◎成人保健対策:健康教育、相談事業
2
◎節目年齢健康診査事業
3
○がん検診事業
1
○障害者等歯科診療事業
2
○精神保健対策:相談事業
3
○妊産婦健康診査事業
4
○乳幼児健康診査事業
5
○母子保健対策:相談事業
1
◎感染症及びエイズ対策事業
2
◎結核予防事業
3
◎薬事事務
4
◎環境衛生関係事業
5
◎食品衛生関係事業
1
○休日診療事業
1
介護予防普及啓発事業
2
健康づくり協力店普及・啓発事業
3
成人保健対策.骨粗しょう症・骨折対策事業
4
部健・栄養指導
5
栄養指導事業
6
各種統計調査事業(都)
7
高齢者健康診査事業
8
歯周疾患検診事業
9
成人保健情報システム維持管理
10
骨粗しょう症・骨折対策事業
1
分庁舎等維持管理
2
ながさきゆめの木プラン21
3
成人保健対策.機能訓練事業
4
長崎健康相談所施設維持管理事業
6
妊産婦・新生児訪問指導事業
7
子ども事故予防センター運営
8
妊産婦・乳幼児保健指導事業
9
妊産婦健康診査事業(妊娠中毒症医療給付)
10
母子健康手帳交付及び母親学級開催事業
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
1 健康づくりの推進
2
多様化する保健課題への対応
事
業
11
養育医療給付事業
12
歯科衛生事業
13
精神保健対策・デイケア事業
14
公害健康相談事業
57
名
●施設建設事業
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
15
公害健康被害者補償及び療養事業
16
公害健康被害補償給付関係事業
17
母親学級開催事業
18
母新生児訪問指導事業
19
保健所運営協議会
1
結核予防事業
2
感染症対策経費.予防接種(定期)事業
3
害虫駆除対策事業
4
蓄犬登録及び狂犬病予防事業
5
毒物及び劇物販売業の登録等事務
6
有害物質含有家庭用品の規制事務
7
保健所管理運営経費・検査管理事業
3 健康危機管理
4 地域医療の充実
8
医師会等補助事業
9
夜間休日連絡通報受理業務委託事業
1
かかりつけ歯科医機能推進事業
2
医療法人財団豊島健康診査センター運営助成・維持管理
3
池袋保健所施設維持管理
○法令扶助費事業
施策の方向
事
業
名
1 健康づくりの推進
2 多様化する保健課題への対応
3 健康危機管理
4 地域医療の充実
1
結核予防事業
2
感染症対策経費.予防接種(定期)事業
3
公害健康被害補償給付関係事業
4
妊産婦健康診査事業(妊娠中毒症医療給付)
1
養育医療給付事業
1 健康づくりの推進
3-1-1 ◎成人保健対策:健康教育、相談事業
保健福祉部
【事業内容】生活習慣病等の早期発見・早期治療を目的とした健康診査、疾病を予防し健康を維持増進するための
健康教育等を実施する。
【今後の方向性】各人の年齢、健康状態に合わせた望ましい生活習慣の実現に向けて、健康教育の場や生活習慣病
予防教室を通して生活習慣改善の普及・啓発に努める。また、健診結果による事後指導体制を整備する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
住民健診受診者 6,000 人、健康教室 60 回、出張
健康教室 225 回、健康手帳配付 35,000 冊
事業費(百万円)
推進
46
3-1-2 ◎節目年齢健康診査事業
保健福祉部
【事業内容】成人保健対策の一環として実施している 40、45、50、55、60∼64 歳の区民を対象とした健診事業
【今後の方向性】受診率向上を目指し、疾病の早期発見、予防、治療につなげていく。それにより区民の健康寿命を
伸ばすと共に、要介護状態の予防を促進する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
受診者数 56,000 人
後期(23∼27 年度)
推進
861
58
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
3-1-3 ○がん検診事業
保健福祉部
【事業内容】乳がん、大腸がん、胃がん、子宮がん、肺がんの検診を実施
【今後の方向性】早期発見により区民のがん死亡者数を減少させるとともに、早期治療を目指すため、検診の精度を
上げ受診率を高めるべく実施する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
受診者数 8,400 人
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
529
2 多様化する保健課題への対応
3-2-1 ○障害者等歯科診療事業
保健福祉部
【事業内容】一般の歯科診療所では十分な歯科診療を受けることが困難な寝たきり高齢者及び障害者の歯科診療を行
う。
【今後の方向性】障害者及び要介護高齢者の歯科診療体制の確保と共に、さらなる充実を図る。また、高次医療機関
との連携システムの確立、医科医療機関との連携も目指す。
前
事業量
期(18∼22 年度)
診療延べ人数 5,800 人
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
193
3-2-2 ○精神保健対策:相談事業
池袋保健所
【事業内容】精神的に障害を有する方に対しての専門医による相談及び保健師・心理による随時の相談、訪問指導
の実施。嗜癖相談、講演会等も併せて実施している。
【今後の方向性】不登校、いじめ、児童や高齢者への虐待、アルコール・ギャンブル・薬物への依存、職場や社会
への不適応、自殺など様々な問題の早期発見・治療への勧奨を図るため、今後とも相談体制の充実を図る。また、
心の悩み、精神障害についての正しい知識の普及・啓発を進める。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
定期相談 65 回、訪問指導 3,395 件、随時相談
27,875 件、講演会等 295 回、嗜癖相談 120 回
事業費(百万円)
推進
9
3-2-3 ○妊産婦健康診査事業
池袋保健所
【事業内容】妊娠前期・後期の計 2 回の健診を実施する。また、妊娠中毒症あるいは糖尿病罹患等の方に対し早期に
適切な診療が受けられるよう医療費の助成を行う。
【今後の方向性】今後も継続していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
健診受診者数延べ 16,500 人、助成対象者数 10
人
推進
事業費(百万円)
125
3-2-4 ○乳幼児健康診査事業
池袋保健所
【事業内容】3∼4 ヶ月、6 ヶ月及び 9 ヶ月児、1 歳 6 ヶ月児、3 歳児を対象に健診を実施。健診時には、歯科、保健
指導、栄養指導も併せて実施。
【今後の方向性】今後も継続していく。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
維持
後期(23∼27 年度)
維持
201
59
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
3-2-5 ○母子保健対策:相談事業
池袋保健所
【事業内容】区の施設等を会場として保健指導及び栄養指導を実施。また、乳幼児健診において経過観察が必要と
された乳幼児に対して、経過観察を実施する。
【今後の方向性】地域における子育てネットワークの充実を図り、虐待予防を含めて子育て支援を強化していく必
要がある。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
出張相談 250 回、利用児延べ 5,000 人
母乳教室 50 回、利用者延べ 500 人
事業費(百万円)
推進
18
3 健康危機管理
3-3-1 感染症及びエイズ対策事業
池袋保健所
【事業内容】性感染症の蔓延防止を目的として、HIV抗体検査や、エイズ知ろう館を拠点に性感染症予防の普及
啓発活動を行う。また、区内で感染症が発生した場合には感染源の究明、患者への衛生指導等の蔓延防止措置を
講ずる。
【今後の方向性】極めて重要な個人情報を扱うため民間委託等を実施することはできない。また、法律に基づく事
業なので区単独での判断には限界がある。しかしながら、今後日本でのエイズ流行がより顕著になった場合には、
HIV即日検査等の導入を検討する必要があると思われる。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
33
3-3-2 ◎結核予防事業
池袋保健所
【事業内容】感染症防止・感染源調査・再発防止に向けて、これまでの療養支援、医療費公費負担等に加え、保健所
を中心とした患者管理の充実と治療完了率の向上に取り組んでいる。
【今後の方向性】豊島区一括対応(池袋保健所のみ)とし、保健師専任制として、全体の状況把握・分析に努める。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
75
3-3-3 ◎薬事事務
池袋保健所
【事業内容】良質な医療及び安全な医薬品の提供を行うため、法令に基づき医療機関及び薬局等に立入調査等の指
導監督を行う。
【今後の方向性】区民の健康に関する関心の高まりに伴い、悪質な医療機関や薬害等による健康被害に対する行政
の対応及び役割の重要性は今後ますます高まると予想されることから、事業の質的拡充が必要となる。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
監視指導数 1,500 件
事業費(百万円)
推進
10
3-3-4 ◎環境衛生関係事業
池袋保健所
【事業内容】環境衛生関係施設に対して、法令に基づき水質検査・環境測定及び監視指導を行う。また、室内環境・
飲用水の安全について区民、事業者に対し情報並びに検査機会を提供する。
【今後の方向性】施設を介したレジオネラ症やクリプトスポリジウム等の発症を防止するため、衛生面の検査と指導
を強化する。シックハウスや水質に関する不安の解消に向け、検査項目・測定内容の向上を図る。
60
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
前
事業量
期(18∼22 年度)
監視指導数 8,000 件、有料検査数 6,000 件
事業費(百万円)
14
後期(23∼27 年度)
推進
3-3-5 ◎食品衛生関係事業
池袋保健所
【事業内容】食品衛生監視指導計画に基づき、食品取扱施設の監視指導、食品等の収去検査、食中毒・苦情・違反
品等の調査を行う。また、区民、事業者に対し講習会を実施する。
【今後の方向性】区民の食生活の安全確保に向け、区民、事業者、行政間の情報、意見交換を推進し、毎年度策定
する食品衛生監視指導計画の質的向上を図る。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
監視指導 140,000 件、収去検体数 3,500 件、講
習会 300 回
事業費(百万円)
推進
29
4 地域医療の充実
3-4-1 ○休日診療事業
池袋保健所
【事業内容】内科、小児科、歯科の休日診療
【今後の方向性】休日診療の受診者数は、増加傾向にあり、今後についてもサービス水準の維持は必須である。将来
的には、小児初期救急医療対応のため、平日準夜の時間帯の診療実施についても検討する必要がある。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
開設日数 605 日、受診者数延べ 22,500 人
222
61
後期(23∼27 年度)
推進
1. すべての人が地域で共に生きていけるまち
62
2.子どもを共に育むまち
2
子どもを共に育むまち
63
2.子どもを共に育むまち
2-1 子どもの権利保障
■現状と課題
1970年代から下降し始めたわが国の出生数は、現在も回復することなく、少子化の時代
といわれて久しくなりました。平成15年の全国の合計特殊出生率(ひとりの女性が生涯に産
む子どもの数の平均)は1.29ですが、豊島区では0.76と、はるかに下回っています。少子
化が進行すると社会保障制度を始めとする既存の社会システムが成り立たなくなる他、子ども
の成育にもさまざまな影響を与えます。このため、国は平成15年に「次世代育成支援対策推
進法」
「少子化社会対策基本法」を制定しました。この法に基づき、区では平成17年3月「豊
島区子どもプラン−次世代育成支援行動計画−」を策定し、子どもを取り巻く施策を体系化し、
計画の推進を図っています。
子どもプランでは、計画の理念のひとつに「権利の主体としての子どもの視点に立った施策
の展開」を掲げています。1989年、国際連合総会において「児童の権利に関する条約」が
採択され、わが国は1994年(平成6年)に国会で批准しました。本条約は、子どもの最善
の利益を保障し、生存権と発達権、意見表明権などを認めています。
区では、
「子どもの権利」を具体化し、自治体として「子どもの権利」をより豊かに保障する
ための政策の方向を明らかにするため、
「豊島区子どもの権利に関する条例」の制定と「子ども
の権利擁護センター(仮称)」の設置に向けて調整中です。
少子化の影響で地域の子どもの数が少なく、友だち同士のふれあいや集団遊びの機会の減少
が見られます。幼児期は、異年齢児もまじえた友だちと、戸外で群れて遊ぶことが大事な時期
ですが、治安の悪化や遊び方の変化等もあり、家の中で遊ぶ子どもも増えています。このよう
な状況により、子どもの社会性が育ちにくくなるなど、健やかな成長への影響が懸念されます。
子どもの発達を保障し、生きる力を育てるためにも、いろいろな友だちと関わり、自分の意見
を表明する機会や子ども同士の遊びと交流の場が保障される必要があります。
平成16年4月には、南池袋小学校を活用した小学生のための放課後対策事業「子どもスキ
ップ南池袋」が開設され、学童クラブ機能は継続したまま全学年の子どもが交流できる場とし
て活用されています。平成17年度からは、南池袋を含めた6小学校区で実施されました。親
しみやすい学校の余裕教室や思い切り体を動かして遊べる校庭、体育館などを活用し遊びをと
おして子どもたちの交流の輪が拡がっています。今後は、全小学校で段階的に「子どもスキッ
プ」開設を予定しており、地域・学校・PTA等と連携のもと各小学校区の特色を活かした事
業展開が求められています。
この他、乳幼児とその親のための「子育てひろば」、中高生のための居場所を整備していきま
す。
平成15年8月に開設した「プレーパーク」は子どものための冒険遊び場であり、自然を生
かした自主的な遊びが拡がっています。今後は地域住民主体の事業運営を推進しながら、子ど
もたちが遊びの楽しさや多様性、創造性を学ぶ場として発展させる必要があります。
また、子どもの権利侵害のひとつとして「虐待」が大きな問題になっています。豊島区のマ
ルトリートメント(大人からの不適切な関わり)の相談件数は、区民や関係機関に対する児童
虐待に関する知識の普及啓発活動もあって増加傾向にあります。平成12年6月には「子ども
虐待防止連絡会議」を設置し、関係機関と連携して児童虐待の早期発見、迅速な対応ならびに
発生防止を図っています。平成17年4月施行の改正児童福祉法では、区市町村が児童相談の
窓口として位置付けられ、児童虐待について今まで以上の対応が求められています。
64
2.子どもを共に育むまち
■施策の方向
「児童の権利に関する条約」に基づく子どもの権利保障の視点に立ち、子ども施策を総合的に展
開していきます。
①子どもの権利の確立
平成 6 年、我が国においても「児童の権利に関する条約」が批准されました。この条約では、子
どもを権利の主体とすることが、子どもの健やかな発達・成長を保障する前提とされています。
条約に関する理解の促進を図りながら、子どもの意見を十分に反映させ、「子どもの権利に関す
る条例」づくりをすすめます。
②安全な生活の保障
いじめや虐待が大きな社会問題となっています。
悩みをもつ子どもが気軽に相談できる体制を整備するとともに、いじめや虐待から子どもを守る
サポートシステムを構築します。
③遊びと交流の保障 重点施策
少子化に加え、塾や習い事通いにより友だちと遊んだり、交流する機会が少なくなるなど、子ど
もをとりまく環境が様変わりしています。
そのような中で、子どもの発達や成長に応じた居場所、遊び場、遊ぶ仲間を確保するため、放課
■成果指標
後や学校休業日等に、保護者の就労に関わりなく全児童を対象とする、子ども同士の遊びと交流の
場を整備します。
【重点施策の選定理由】
子どもは、
「遊び」によって「生きる力」
「人と関わる力」等を身につけていく。自主的な遊びの充実は「学び」に
発展し、生涯学習へと繋がっていく。
少子化や治安の悪化等で、室内でのメディアの「遊び」が多くなっているが、子どもの心身の発達を保障する健全
な「遊び」が展開できる環境づくりが必要であるため、
「遊びと交流の場の保障」を重点施策に選定した。
■成果指標
指
標
名
1
いじめや虐待がなく、家庭や学校、
地域の中で子どもの人間性が尊重
されていると考える区民の割合
2
子どもスキップ開設数
現
状
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
区民 13.0%
団体 29.3%
6 ヵ所
(平成 17 年度)
23 ヵ所
23 ヵ所
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
2
「協働のまちづくりに関する区民意識調査(平成 17 年 3 月実施)
」の割合
「子どもスキップ」開設数。
*「子どもスキップ」・・・届出をして参加する学校施設を活用した、学童クラブ機能もある小学生のための放課後対策事業。平成
17 年度 6 校でモデル実施。段階的に区立小学校全校で実施予定である。
65
2.子どもを共に育むまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
事
○既存重要A事業
業
●施設建設事業
名
1 子どもの権利の確立
1
◎子どもの権利推進事業
2 安全な生活の保障
1
◎子ども虐待防止ネットワーク事業
1
◎子どもスキップ事業
2
◎子どもの自由な遊び場「プレーパーク」の確保
1
「子どもプラン」の推進経費
2
青少年問題協議会運営
3 遊びと交流の保障
重点施策
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
事
1 子どもの権利の確立
業
名
2 安全な生活の保障
1
3 遊びと交流の保障
1
区民ひろばモデル施設維持管理
2
児童育成室管理運営
3
児童館・児童育成室運営
4
児童館非常勤・臨時職員関係経費
5
障害のある中高生の放課後等活動支援事業経費
1 子どもの権利の確立
1-1-1 ◎子どもの権利推進事業
子ども家庭部
【事業内容】
「子どもの権利に関する条例」に基づく計画や施策の検証を行う「子どもの権利委員会」の設置、
「子ど
もの権利ガイド(仮称)」の配布、「としま子ども月間」による条例の普及・啓発及び「としま子ども会議」を開催
する。
【今後の方向性】子どもの社会参加・参画を促進し、子どもの権利侵害に関する救済と回復に努め、「子どもの権利」
を尊重した社会の実現を目指す。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
・子どもの権利委員会の運営 ・としま子ども会
事業量
議の開催 ・子どもの権利条例普及啓発(としま
子ども月間・子どもの権利ガイドの配布等)
事業費(百万円)
8
66
推進
2.子どもを共に育むまち
2 安全な生活の保障
1-2-1 ◎子ども虐待防止ネットワーク事業
子ども家庭部
【事業内容】児童虐待に関する関係機関相互の連携を進め、早期発見及び発生防止のために、児童福祉法に基づく「要
保護児童対策協議会」として位置付けた「豊島区子ども虐待防止連絡会議」を開催し、対応を協議する。また、児
童虐待に関し区民への普及啓発活動を行う。
【今後の方向性】児童虐待の予防・防止に関する関係機関のネットワークの強化を図るとともに、児童虐待防止に関
する普及啓発活動をさらに推進する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
・連絡会議開催 5 回
・個別ケース検討会議 60 回
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
・専門部会 25 回
推進
2
3 遊びと交流の保障
1-3-1 ◎子どもスキップ事業
子ども家庭部
【事業内容】小学校の余裕教室や校庭、体育館を活用し、学童クラブの機能を維持した全児童(小学生)のための放
課後対策として、安全で安心な「子ども同士の遊び場」を提供する。
【今後の方向性】概ね平成 22 年度までに全小学校区 23 か所に開設する。また、子どもスキップ開設にあわせて、地
域で子どもを見守る拠点として、地域区民ひろば運営協議会の下部組織として「子ども部会」を設置していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
23 小学校で実施
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
181
1-3-2 ◎子どもの自由な遊び場「プレーパーク」の確保
子ども家庭部
【事業内容】集団遊びなど様々な実体験ができる広場で、子どもたちが主体的に自由に遊び、遊びの楽しさ、多様性、
創造性を学ぶことにより、子どもたちの心身の健全な発達を図る。
【今後の方向性】地域住民主体の事業運営を推進する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
・定例会年 12 回・機関紙年 4 回以上発行・イベ
ント年 4 回以上開催・プレーリーダー研修実施
15
67
推進
2.子どもを共に育むまち
2-2 子育て環境の充実
■現状と課題
わが国の合計特殊出生率(ひとりの女性が生涯に産む子どもの数の平均)は、平成15(200
3年)には1.29(豊島区では0.76)となり、このまま少子化が進めば人口が減少し、社会
保障制度を始めとする既存の社会システムが成り立たなくなるという危機的な状況にあります。
都市化の進展による近隣関係の希薄化、核家族化が進み、子どもを産んでも家族や近所の支えを
得られず育児の負担が増し、子育ての困難さが強調されるようになってきました。
このような状況があるため、子育て期の親が気軽に相談できる場や、乳幼児や親同士が交流でき
る場が必要となり、区では、平成13年に子ども家庭支援センターを区内2か所に開設し、区立保
育園でも、子育て不安の解消を目的に、在宅で子どもをみている親からの育児相談に応じています。
今後は、身近な場所で相談や交流が図れるよう小学校区単位に「子育てひろば」を開設、地域で「子
育て、子育ち」を支援していく予定です。
一方、保護者の就労形態の変化により、保育時間の延長や夜間保育の実施等、保育需要は変わっ
てきましたが、今後は一層柔軟な対応が必要です。また、生活スタイルの多様化により、就労して
いない保護者からの保育ニーズも生じてきています。こうした保育需要に対応していくために、区
立保育所の民営化等により保育施策の再編成を進めるとともに公私保育所の連携を強化し、多様な
保育サービスを展開していきます。
68
2.子どもを共に育むまち
■施策の方向
子どもの健やかな発達・成長を保障するため、地域における子育て支援体制を整備し、「ここに
住む喜び」、「子育ての喜び」を実感できる環境づくりをすすめます。
①総合相談体制の推進 重点施策
子育てに関する相談内容が多様化、複雑化するとともに相談件数も増加しています。
だれもが安心して子育てができるよう、相談体制や保護者に対する支援、そして情報交換機能を
強化するとともに、関係機関のネットワークを充実させます。
②多様な保育ニーズへの対応
仕事と子育ての両立を支援する観点から、さらなる保育ニーズへの対応が求められています。ま
た、子育てに不安や悩みを抱え孤立化する保護者への支援策も急務となっています。
家庭の状況に応じた多様な子育て支援サービスを充実させるとともに、子育て家庭の交流を促進
していきます。
③サービス提供システムの整備
子育てに関する区民のニーズが多様化する中、常に、より充実した子育て支援サービスの提供を
図りつつ、多様な担い手との協動体制を強化します。
【重点施策の選定理由】
核家族化の進展や近隣関係の希薄化などにより、子育てに不安や悩みを抱えているにもかかわらず、近くに誰も相
談する相手がいない保護者を支援することが重要な課題であると判断し、選定した。
■成果指標
指
標
名
現
状
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
1
子ども家庭支援センター総利用者
数
70,077 人
74,100 人
74,100 人
2
ファミリー・サポート・センター援
助会員活動件数
9,189 件
10,000 件
10,000 件
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
子育てに関する総合的な相談機能を担う「子ども家庭支援センター」
(東西 2 ヵ所)の総利用者数。今後の利用対象者総数の推移
予想や、他施設における子ども家庭支援事業参加者の増見込みをふまえ、総利用者数は、前期、後期とも同じ目標値とした。
*子ども家庭支援センターの事業・・・相談事業・親子遊び広場事業・一時保育事業・発達支援事業・地域組織化活動事業・子どもの
権利擁護事業。
2
「子育ての手助けをしてほしい区民」(利用会員)と「子育ての手助けができる区民」(援助会員)からなる会員組織「ファミリ
ー・サポート・センター」の援助会員の活動件数。
*援助活動内容・・・保育施設の保育開始前または保育終了後の子どもの預かり・保育施設までの子どもの送迎・学校放課後の子ども
の預かり等。
69
2.子どもを共に育むまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
1 総合相談体制の推進
重点施策
2 多様な保育ニーズへの対応
3 サービス提供システムの整備
事
○既存重要A事業
業
●施設建設事業
名
1
◎子ども家庭女性総合相談事業
2
◎緊急一時保護宿泊費助成事業
3
◎私立母子生活支援施設委託及び助成事業
4
◎子ども家庭支援センター事業
5
◎障害児相談事業
6
◎産後サポーター事業
1
◎保育所の運営
2
◎ひとり親家庭助成・援助事業
3
◎女性自立支援事業
4
◎一時保育事業
5
○ショートステイ事業
1
◎ファミリー・サポート・センター事業
2
○認証保育所運営費等補助事業
3
○保育園ボランティア
4
●雑司が谷保育園の改築
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
1 総合相談体制の推進
2 多様な保育ニーズへの対応
3 サービス提供システムの整備
事
業
1
障害児支援費関係業務
2
区立保育所管理運営
1
統合新財団委託経費
2
児童手当等支給事業
3
短期特例保育
4
子どもの医療費助成事業
名
5
保育所入所事務
6
母子福祉会事業助成事業
1
南池袋三丁目地区福祉基盤整備事業
2
管外公立・管外私立保育所に対する保育委託事業
3
管内私立保育所に対する保育委託及び助成事業
○法令扶助費事業
施策の方向
1 総合相談体制の推進
2 多様な保育ニーズへの対応
3 サービス提供システムの整備
事
業
名
1
私立母子生活支援施設委託及び助成事業
2
障害児支援費関係業務
1
児童手当等支給事業
2
妊産婦入院助産扶助事業
1
管外公立・管外私立保育所に対する保育委託事業
2
管内私立保育所に対する保育委託及び助成事業
70
2.子どもを共に育むまち
1 総合相談体制の推進
2-1-1 ◎子ども家庭女性相談事業
子ども家庭部
【事業内容】配偶者による暴力から逃げてきた被害者を一時保護し、安定した生活が送れるよう支援する。母子・寡
婦、売春を行う恐れのある女性等及び要保護児童に対し、他機関との連携のもとに相談指導・援助を行い、安全か
つ安定した生活が送れる状態にする。
【今後の方向性】DV防止法が定着し、児童・女性に対する暴力について認識が高まり相談・保護依頼件数が増加し
ているため、相談事業を充実していく。また、不足している被害者のための保護機関の確保を図っていく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
相談件数 30,000 件
事業費(百万円)
推進
11
2-1-2 ◎緊急一時保護宿泊費助成事業
子ども家庭部
【事業内容】配偶者からの暴力より逃げてきた行くあてのない被害者をホテル等に宿泊させ、一時的に保護する。
【今後の方向性】DV防止法が定着し、児童・女性に対する暴力について認識が高まり、相談・保護依頼件数が増加
している。緊急保護先のみならず、その後長期的に落ち着ける場所の確保を進めていく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
相談件数 1,500 件、保護件数 150 件
事業費(百万円)
推進
1
2-1-3 ◎私立母子生活支援施設委託及び助成事業
子ども家庭部
【事業内容】夫等の暴力から避難するため緊急に保護を必要とする母子及び女性を一時的に母子生活支援施設に保護
し、相談、生活用品の貸与等を行う。また、ひとり親家庭の抱えている様々な心の問題について臨床心理の専門的
な立場から相談に応じ、問題解決の支援を行う。
【今後の方向性】DV法の定着により潜在的ニーズが掘り起こされ、緊急一時保護を求めるケースが増えているため、
事業を拡充していく。また、離婚の増加等によりひとり親家庭が着実に増えているため、相談事業を継続していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
保護人数 80 人、保護日数 120 日
事業費(百万円)
推進
13
2-1-4 ◎子ども家庭支援センター事業
子ども家庭部
【事業内容】すべての子どもとその家族が地域の中で健康で楽しく生活することができるよう、相談等のサービスを
通して支援するとともに、センターを拠点として区と区民が協動で子育て支援活動を行う。
【今後の方向性】地域の「子育てひろば」との連携など子育てネットワークの活用により、虐待の予防や早期発見か
ら支援までの態勢を強化していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
施設統合
359
2-1-5 ◎障害児相談事業
子ども家庭部
【事業内容】主に「障害児入所審査会」の決定を受けて保育園や学童クラブに入所した子どもに対し、巡回による相
談・指導を行うことにより、発達を支援する。
【今後の方向性】公立保育園の民営化に伴い、巡回相談・指導における連絡態勢を整備する。学校教育法改正後の特
別支援教育に対応した学童クラブの巡回相談・指導のあり方について検討する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
・巡回心理相談 750 回
後期(23∼27 年度)
・センターにおける心
理相談 500 回
推進
26
71
2.子どもを共に育むまち
2-1-6 ◎産後サポーター事業
子ども家庭部
【事業内容】出産後産院から自宅に戻った翌日から1ヵ月以内の昼間家族・親族等からの援助が得られない母親と家
族に対し、区民の有償ボランティアである「産後サポーター」を派遣し、家事や育児の援助及び子育て等の相談を
行う。
【今後の方向性】核家族化が進み、従来のように出産後の母親が家族・親族による援助を受けることが困難になる中、
子育て環境の充実に貢献するとともに区民同士の協動の推進にもつながることから、事業の拡大を図っていく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
登録数 110 人、派遣件数 282 回・1692 日
事業費(百万円)
1
後期(23∼27 年度)
推進
2 多様な保育ニーズへの対応
2-2-1 ◎保育所の運営
子ども家庭部
【事業内容】保育に欠ける児童を保育し、児童福祉の増進、子育て支援に資する。
【今後の方向性】区立保育所の民営化を進め、公私協動による保育施策を推進し、保育水準の維持・充実を図る。
前
事業量
期(18∼22 年度)
28 園中 8 園民営化
事業費(百万円)
6,048
後期(23∼27 年度)
民営化の推進
2-2-2 ◎ひとり親家庭助成・援助事業
子ども家庭部
【事業内容】ひとり親家庭等が日常生活に困難を生じた場合一定期間家事援助を行うとともに、ひとり親家庭等の保
護者及び児童を対象に医療費の一部を助成し、ひとり親家庭等の福祉の増進を図る。
【今後の方向性】離婚の増加等によりひとり親家庭等が増えている状況に鑑み、事業の現行水準を維持していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
467
2-2-3 ◎女性自立支援事業
子ども家庭部
【事業内容】母子家庭を対象に東京都制度である母子福祉資金を低利又は無利子で貸し付ける。女性又は女性が扶養
している 20 歳以上の子に事業開始など 9 種類の女性自立援助資金を貸付ける。配偶者のない女子で現に児童を扶養
している者に、雇用の安定及び就職の促進を図るための資金である母子家庭自立支援給付金を給付する。
【今後の方向性】母子の置かれた社会的・経済的地位、女性の置かれた社会的地位等に鑑み、事業を継続していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
36
2-2-4 ◎一時保育事業
子ども家庭部
【事業内容】保護者の傷病、出産、冠婚葬祭等の事由により、また、保護者の育児に伴う心理的・肉体的負担を解消す
ること等を目的として、保育に欠ける乳幼児を対象に一時的に保育を行う。
【今後の方向性】ニーズが高く、子ども家庭支援センターが家から遠く利用できないという声も聞かれることから、
実施場所の拡充や民間等への委託について検討する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
4 か所
後期(23∼27 年度)
推進
66
72
2.子どもを共に育むまち
2-2-5 ○ショートステイ事業
子ども家庭部
【事業内容】保護者自身の疾病・ケガ・出産や入院中の家族の介護等により、一時的に家庭おいて児童を養育する者
がいない場合に、宿泊を伴う児童の養育を児童養護施設及び区内受託家庭において実施する。
【今後の方向性】17年度新規に、社会福祉法人及び区内の家庭への委託により事業を開始したが、今後は区内の受
託家庭を増やし利用者の利便を図る。
前
事業量
期(18∼22 年度)
250 泊
事業費(百万円)
3
後期(23∼27 年度)
推進
12
サービス提供システムの整備
2-3-1 ◎ファミリー・サポート・センター事業
子ども家庭部
【事業内容】生後43日以上小学校修了までの子どもを持つ保護者で子育ての援助を必要とする者(利用会員)と、
子育ての援助ができる者(援助会員)の登録による会員制のボランティア組織の運営。
【今後の方向性】援助活動のスムースなコーディネートを可能にするために、区民同士の「協動」をサポートする本
事業の拡大を図っていく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
会員数 1,420 人、活動件数 51,800 件
事業費(百万円)
推進
53
2-3-2 ○認証保育所運営費等補助事業
子ども家庭部
【事業内容】区内4園及び区民が通園する管外認証保育所に対する運営費補助。認証保育所第三者評価に係る経費に
対する補助。
【今後の方向性】運営費補助を継続するとともに、保育室の認証保育所(B型)への転換を図る。
前
期(18∼22 年度)
区内 A 型 2 園
事業量
後期(23∼27 年度)
B型2園
区外認証保育所に対する運営費補助
推進
認証保育所第三者評価にかかる経費補助
事業費(百万円)
453
2-3-3 ○保育園ボランティア
子ども家庭部
【事業内容】園児とのふれあいをとおし、集団保育・子育ての楽しさ、意義、重要さを知り理解を深めていただく。
区民の社会参加の機会を提供するとともに行政参加を促し、区民との協動を図る。
【今後の方向性】次世代の親となる子どもの子育て力の育成、子育てに関する地域の協力関係の再生、また区民ボラ
ンティアの機会の充実のために今後とも継続していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
400 人受入れ
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
継続
0
2-3-4 ●雑司が谷保育園の改築
【事業内容】雑司が谷児童館跡地に雑司が谷保育園を建設する。
【今後の方向性】平成19年度開園予定。民営化計画対象施設。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
平成 18 年度工事終了
子ども家庭部
後期(23∼27 年度)
−
242
73
2.子どもを共に育むまち
2-3 幼児教育
■現状と課題
少子化・核家族化の進展や地域コミュニティの希薄化は、家庭や地域の教育力の低下を招き、
幼児を取り巻く環境に様々な影響を与えています。本区ではこうした状況を踏まえ、平成 16 年
度に、次世代育成支援行動計画である「子どもプラン」や幼児教育の総合的な計画である「幼
児教育振興計画」を策定しました。本区に住むすべての幼児が将来にわたって一人の個性ある
人間として充実した人生が送れるような、
「生きる力の基礎」を培える幼児教育を実施していく
ために、私立・区立、幼稚園・保育園といった垣根を越えた取り組みを展開し、これらの計画
を着実に推進する必要があります。
とりわけ、小学校との接続を考慮した幼稚園・保育園と小学校の連携による幼児教育や幼稚
園と保育園の機能を併せ持つ総合施設の展開、幼稚園の子育て支援的機能の充実など、区民ニ
ーズを踏まえて検討すべき課題が山積しています。
こうした新たな課題を抱えながら、本区の幼児教育を支えている施設は、平成 17 年度現在、
幼稚園が区立 3 園、私立 17 園、保育園は区立 28 園、私立6園の体制にあります。なかでも、
区内幼稚園児の 9 割は私立幼稚園に在籍しており、区立と私立の保護者負担の適正化を含めた
支援方策の充実が求められています。
74
2.子どもを共に育むまち
■施策の方向
幼児期は、人間形成の基礎が培われる重要な時期であることを踏まえ、地域、家庭と幼稚園・保
育園等が十分な連携を図り、幼児の望ましい発達を促していく教育環境を整備します。
①幼児教育の振興
幼稚園と保育園との連携を図りながら、生きる力の基礎や学校教育に向けた生活及び学習の基礎
を培うという基本に立って、「豊島区幼児教育振興計画」に基づき、教育活動及び教育環境の充実
を図ります。
■成果指標
指
標
名
1
3 歳児の私立幼稚園就園率
2
4・5 歳児の私立・区立幼稚園就園率
現
状
67.1%
(平成 17 年 5 月)
85.0%
(平成 17 年 5 月)
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
68.0%
70.0%
87.0%
90.0%
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
2
3 歳児のうち、保育所入所者を除き、私立幼稚園(区内・区外)に就園している子どもの割合。
4・5 歳児のうち、保育所入所者を除き、私立幼稚園(区内・区外)または区立幼稚園に就園している子どもの割合。
*1、2 とも、保育所入所者数は認可園のみの数です。また、区立幼稚園は、4・5 歳児の 2 年保育です。
75
2.子どもを共に育むまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
事
1 幼児教育の振興
○既存重要A事業
業
●施設建設事業
名
1
◎私立幼稚園児保護者援助事業
2
◎区立幼稚園障害児支援事業
3
○私立幼稚園環境整備費補助事業
4
●幼稚園の冷房化等
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
事
1 幼児教育の振興
1
幼稚園管理運営経費
2
幼稚園管理費
3
幼稚園施設管理事業
業
名
1 幼児教育の振興
3-1-1 ◎私立幼稚園児保護者援助事業
総務部
【事業内容】公立幼稚園園児保護者の経済的負担の軽減と公私幼稚園間格差の是正を図る。
【今後の方向性】保護者負担の公私格差が存する間は、是正措置は必要。
前
事業量
期(18∼22 年度)
就園奨励対象
延 4,500 人
園児保護者補助対象
延 9,750 人
負担軽減対象
延 5,325 人
入園時補助対象
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
継続
延 3,225 人
1,183
3-1-2 ◎区立幼稚園障害児支援事業
教育委員会
【事業内容】区立幼稚園において、教育委員会が日常的に介助を要すると判断した園児が在籍している場合、原則とし
て1学級に1名を限度に臨時指導員を配置し、当該園児の指導を行うことにより園児が充実した園生活を送れるよう
にするとともに、園を、より円滑に運営することを目的とする。
【今後の方向性】17年度事業を基本とした形で、事業を推進していく予定である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
39
3-1-3 ○私立幼稚園環境整備費補助事業
総務部
【事業内容】私立幼稚園の経営安定と教育環境の充実、心身障害教育の教育条件の維持向上を図るために補助金を交付
する。
【今後の方向性】区内には小規模な幼稚園が多く、今後も園児の減少や人件費の上昇等により経営の悪化が見込まれる
ため、支援を継続する必要性は高い。
76
2.子どもを共に育むまち
前
事業量
対象
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
17 園
後期(23∼27 年度)
継続
277
3-1-4 ●幼稚園の冷房化等
教育委員会
【事業内容】園児が快適で伸び伸びと学習できる空間を整備していくため、保育室及び遊戯室に冷暖房機を設置する
ほか、施設の安全確保と生活環境整備のため、緊急性の高い工事を行う。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
1園
後期(23∼27 年度)
―
8
77
2.子どもを共に育むまち
2-4 学校における教育
■現状と課題
21 世紀を迎えた今日、学校教育を取り巻く環境は、少子化や国際化、グローバル化の進展を
はじめ、社会経済の急激な構造改革によって変動し、子どもたちの学校生活にも大きな影響を
与えています。
これからの先行き不透明の時代のなか、未来を担う子どもたちが主体的に生きていくために
は、子どもたちのより一層の基礎学力の充実・向上、豊かな人間性やたくましく生きる体力の
育成をめざした学校教育の充実が求められています。
こうしたなか、本区の区立小・中学校は、少子化による児童・生徒数の減少による統合が進み、
平成 18 年度には小学校 23 校、中学校 8 校の体制になるものの、なお小規模化する小学校が見
受けられます。今後は、こうした小規模化する学校への支援策を積極的に展開し、より活力あ
ふれる学校づくりを目指していく必要があります。そして、子どもたちや保護者にとって区立
学校全体が魅力あるものとなるよう、学校、家庭、地域、行政の4者が協力して、教育・子育
てに取り組んでいく体制づくりが重要となっています。
また、区立小・中学校 31 校の体制のなか、校舎老朽化や学校内の安全確保といった課題への
対応も学校教育への信頼感や安心感を高めていくうえで、極めて重要であり、計画的な教育環
境の整備が必要となっています。
78
2.子どもを共に育むまち
■施策の方向
将来の社会を担う大切な子どもたちを、基礎学力の充実、学力の向上をめざして、創造性に富み、
たくましく、個性豊かに育てるため、教育環境をととのえます。
①生きる力を育む教育の推進 重点施策
児童・生徒の学ぶ意欲や前向きに生きていこうとする意欲の低下が課題となっています。
子どもの主体的な「学び」を支援し、基礎・基本の着実な定着を図るとともに、発達段階に応
じた創造性や協調性を育成するため、教育内容の充実を図ります。
②魅力ある学校づくり
平成 16 年度の区立小学校卒業者の約 1/3 が私立中学校に進学するなど、区立中学校離れがすす
んでいます。
時代の変化に応じた教育制度・内容への取り組みを区民参画のもとですすめるとともに、学校
と保護者や地域住民との連携を強め、地域に根ざした特色ある学校づくりを推進します。
③教育環境の整備
区立小中学校の校舎の多くは昭和 30 年代に建築されており、全体的に老朽化が進んでいます。
また、IT 化や学校の環境衛生面、安全面などの新たな課題への対応が求められています。
多様化しつつある教育内容・方法に柔軟に対応し、教育効果の向上を図るとともに、安全で健
■成果指標
やかな学習・生活環境を保持するため、老朽化した校舎等の計画的な改築・改修や設備の充実
をすすめるなど教育環境の整備に努めます。
④学校に関わる安全対策
近年、各地で学校の安全を脅かす事件が多発しております。そこで、子供たちや教職員が安心
して学校生活や教育指導がおくれるよう、設備の整備を図ると共に、児童・生徒が自ら危機を察
し、適切な判断や行動選択が行える防犯教育を推進していきます。また、学校、家庭、関係機関、
地域と連携して、学校の安全な管理運営に努めます。
【重点施策の選定理由】
学校教育は、子どもの知性、感性、道徳心や体力を育み、
「生きる力」を育成することが普遍の目的であり、
『生き
る力を育む教育の推進』を選定した。
79
2.子どもを共に育むまち
■成果指標
指
1
標
名
区立小学校入学率
区立中学校進学率
2
区学力調査で目標値を達成する
児童・生徒の割合
3
読書が好きな児童・生徒の割合
4
学校施設や通学路が安全であると
考える区民の割合
現
状
小学校
中学校
86.9%
67.2%
国語読解力
小学校 81.6%
中学校 76.9%
算数・数学思考力
小学校 82.3%
中学校 59.4%
小学校
中学校
83.2%
69.3%
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
小学校
中学校
90.0%以上
70.0%以上
国語読解力
小学校 83.0%
中学校 78.0%
算数・数学思考力
小学校 84.0%
中学校 63.0%
小学校
中学校
小学校
中学校
90.0%以上
72.0%以上
国語読解力
小学校 85.0%
中学校 80.0%
算数・数学思考力
小学校 85.0%
中学校 65.0%
84.0%
70.0%
小学校
中学校
85.0%
72.0%
区民 22.6%
団体 22.3%
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
区立小学校に入学する児童の割合及び区立小学校在校生のうち、区立中学校に進学する生徒の割合。
2
区で実施する「学力調査」において、目標とする得点を達成できる児童・生徒の割合。
3
区で実施する「学習スキルに関する調査」において、
「読書が大好き」
「読書が好き」と回答する児童・生徒の割合。
4
「協働のまちづくりに関する区民意識調査(平成 17 年 3 月実施)
」の割合。
80
2.子どもを共に育むまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
1 生きる力を育む教育の推進
2 魅力ある学校づくり
3 教育環境の整備
4 学校に関わる安全対策
事
重点施策
○既存重要A事業
業
●施設建設事業
名
1
◎地域との連携事業
2
◎不登校対策等教育相談事業
3
◎学校の教育力支援事業
4
◎心身障害学級支援事業
5
◎移動教室等校外学習推進事業
6
◎英語教育推進事業
7
◎学力向上支援事業
8
○指導書・学習資料及び副読本作成
9
○児童・生徒健全育成事業
10
○健康・体力維持推進事業
11
○食育推進事業
12
○学校給食運営事業
13
○学校運営推進事業
1
◎「次世代文化の担い手」育成事業
2
◎スクールライブラリィの活性化事業
3
◎芸術・文化学習支援事業
4
◎魅力ある授業づくり事業
5
◎タウンミーティング
6
◎理科教育の推進事業
7
◎区立幼稚園、小・中学校案内・学校説明会の開催
8
◎部活動推進事業
9
◎外国人児童・生徒への通訳派遣
10
◎情報教育環境整備推進事業
1
●小中学校の耐震補強
2
●小中学校の環境整備
3
●小学校普通教室の冷房化
1
◎学校・地域・通学路に関わる安全対策
81
2.子どもを共に育むまち
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
事
1 生きる力を育む教育の推進
2 魅力ある学校づくり
3 教育環境の整備
4 学校に関わる安全対策
業
名
1
学校管理運営経費
2
学校職員実務研修関係経費
3
児童・生徒法定定期健康診断
4
教科書採択事業
5
竹岡健康学園管理運営経費
6
学齢簿等電算処理経費
7
教育委員会運営経費
8
心身障害学級就学奨励費
9
外国人学校児童・生徒保護者負担軽減補助金
1
教育情報提供
2
教職員研修及び研究経費
3
特色ある学校づくり推進事業
1
学校環境衛生経費
2
学校機械警備
3
区立小・中学校適正配置事業
4
小学校施設整備費
5
竹岡健康学園施設等管理事業
6
中学校施設整備費
7
教育センター維持管理経費
1
○法令扶助費事業
施策の方向
事
1 生きる力を育む教育の推進
1
2 魅力ある学校づくり
1
3 教育環境の整備
1
4 学校に関わる安全対策
1
業
名
就学援助事業
1 生きる力を育む教育の推進
4-1-1 ◎地域との連携事業
教育委員会
【事業内容】多様な資格や経験を有した地域の人材を小・中学校に派遣し、総合的な学習や特色ある教育活動などの
充実を図る。また、区立小・中学校に設置された学校運営連絡協議会を通じ、地域に開かれた学校づくりを行う。
【今後の方向性】地域教育連携推進のためのプラットフォーム組織を立ち上げて、地域の教育力を活用した教育の充
実を図る。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
推進
後期(23∼27 年度)
推進
21
82
2.子どもを共に育むまち
4-1-2 ◎不登校対策等教育相談事業
教育委員会
【事業内容】教育センターの指導員が、引きこもり傾向の児童・生徒に対して、インターネットを利用した学習支援
と適応指導を行う。また小中学校へのカンセリング活動を行い、いじめや不登校などの未然防止を図る。
【今後の方向性】今後、さらに不登校傾向の児童・生徒に対するマイスクールネットの利用を呼びかけ、引きこもり
状態のさらなる減少を目指す。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
295
4-1-3 ◎学校の教育力支援事業
教育委員会
【事業内容】区立小学校教育研究会、中学校教育研究会、区教育研究校の活動を通じて、教育研究活動を活性化させ、
教員の指導力、授業力の向上を図り、教員の資質を高める。
【今後の方向性】17年度の事業を基本として、事業を展開していく方針である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
74
4-1-4 ◎心身障害学級支援事業
教育委員会
【事業内容】心身障害学級の教育の充実と円滑な運営を図り、心身障害児童・生徒に対する生活指導・学習への適応
指導を行い、学級、学校及び地域社会に適応できる能力や社会生活を営む資質を向上させる。
【今後の方向性】平成19年度から実施予定の特別支援教育への移行に向けて、平成17年度特別支援教育検討委員
会を組織して、その在り方を検討してきた。平成18年度は、モデル校2校に特別支援教室を設置し、校内体制づ
くり、巡回相談等を実施し、専門家との連携等の課題を検証し、円滑な実施を目指す。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
207
4-1-5 ◎移動教室等校外学習推進事業
教育委員会
【事業内容】移動教室など宿泊を伴う共同生活により、規律ある生活態度を身につけ、自然環境の中で社会科、理科
等の実地学習をすることを目的に実施し、交通費・宿泊料の一部などを公費負担する。
【今後の方向性】事業をさらに推進し、教育効果を高める工夫をする。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
332
4-1-6 ◎英語教育推進事業
教育委員会
【事業内容】区立中学校、各小学校の5年生、6年生の各学級に英語の外国語指導助手を派遣して、
「総合的な学習の
時間」を使い英語活動を実施することで、英語によるコミュニケーション能力の育成と国際教育を進める。
【今後の方向性】17年度英語教育カリキュラム開発委員会を発足させ、小学校における英語活動のあり方について
検討を加える。その中で、低学年段階での英語活動並びに国際教育の推進を図る。小学校の英語活動の対象学年を
3年生まで拡げ、小・中学校の連続性を踏まえた英語教育の充実を図る。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
推進
後期(23∼27 年度)
推進
140
83
2.子どもを共に育むまち
4-1-7 ◎学力向上支援事業
教育委員会
【事業内容】中学校において、学力向上事業の一環として、少人数指導や習熟度別学習など個々の生徒の学習状況に
応じた指導をきめ細かく行う少人数指導講師の派遣を行う。
【今後の方向性】小学校においては、多様化する児童の行動に対応しきめ細かな指導を行い、安定した学校生活を送
ることにより学習習慣を身に付けさせる。また、中学校においては、少人数指導や習熟度別学習など個々の生徒の
学習状況に応じたきめ細かい指導を行い、確かな学力の定着を図る。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
213
4-1-8 ○指導書・学習資料及び副読本作成
教育委員会
【事業内容】区立小学校・中学校の教育活動に必要な指導資料、小学校・中学校の社会科の授業で使用する副読本を
作成・配付して、学校教育の充実を図る。
【今後の方向性】17年度の事業を基本として、事業を展開していく方針である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
19
4-1-9 ○児童・生徒健全育成事業
教育委員会
【事業内容】小中学校の児童・生徒の非行を防止し健全育成を図り、生活指導の充実・徹底を図るため、
「小・中連絡
協議会」を開催すると共に、生活指導・進路指導上の連携の強化を図る。
【今後の方向性】17年度の事業を基本として、事業を展開していく方針である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
3
4-1-10 ○健康・体力維持推進事業
教育委員会
【事業内容】水泳指導を通じて、児童・生徒の水泳能力の向上、水による事故の防止とともに、健康・体力の維持増
進を図る。その水泳指導を安全に実施するため、施設の維持、各種薬品類の整備、指導員の確保等を行う。
【今後の方向性】水泳指導の目的が達成できるよう、施設設備など環境の維持、整備を行い、さらに児童・生徒の健
康・体力の向上をめざす。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
82
4-1-11 ○食育推進事業
教育委員会
【事業内容】学校栄養職員(都費)が配置されていない学校に区費の非常勤栄養士を配置する。全小中学校に栄養士
を配置することで、各校の実状に合わせた安全かつ円滑な給食事業を行う。
【今後の方向性】安全でおいしい学校給食をめざし、都費の学校栄養職員未配置校に区費非常勤栄養士を引き続き配
置する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
推進
後期(23∼27 年度)
推進
218
84
2.子どもを共に育むまち
4-1-12 ○学校給食運営事業
教育委員会
【事業内容】学校給食の安全性及び内容の充実を図るため、設備等を充実し、よりよい給食を提供する。
また、効率的な事業実施のため、学校給食調理業務の民間委託を推進する。
【今後の方向性】衛生管理の徹底を図り、安全・安心な学校給食を提供する。平成21年度までに、全小学校の給食
調理業務を民間委託する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
給食調理業務委託校 31 校
事業費(百万円)
推進
2,375
4-1-13 ○学校運営推進事業
教育委員会
【事業内容】学校運営に必要な、一般経費、給食、保健衛生経費を各小中学校に配付し、運営費標準を参考とした公
費の範囲内で、学習に必要な教材整備、給食・保健衛生に必要な消耗品等の購入を行う。
【今後の方向性】各小・中学校に配付した運営費の範囲内で、学校の特色を充分に生かし、教育効果を高める工夫を
する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
1,229
2 魅力ある学校づくり
4-2-1 ◎「次世代文化の担い手」育成事業
教育委員会
【事業内容】芸術・文化関係のNPO法人から、プロの芸術家を学校に派遣し、次代の文化を担う子どもたちの育成を
図る。区立中学校の学びや部活動での展開により、より魅力ある学校づくりを推進する。
【今後の方向性】地域・大学・NPOなど外部の教育力を活用した学校教育への支援をシステム化して、民間組織に
よる事業展開を推進する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
区立中学校 8 校で実施
事業費(百万円)
―
22
4-2-2 ◎スクールライブラリィの活性化事業
教育委員会
【事業内容】蔵書数を増やし、児童・生徒が利用しやすい図書室の環境整備を行い、学校図書館の活性化を図るとと
もに、保護者や地域のボランティアの協力を得て、児童・生徒の読書ばなれを防ぎ、学習効果を上げる。
【今後の方向性】図書館活性化アドバイザーなどの人材を生かし、
「読み聞かせ」などの保護者や地域のボランティア
の活用などにより、学校図書館の活性化を図りながら、17年度の事業を基本として、事業を発展させていく方針
である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
―
9
4-2-3 ◎芸術・文化学習支援事業
教育委員会
【事業内容】完備された会場で、児童・生徒がオーケストラに接する機会を設け、音楽愛好の心情や鑑賞態度を養う。
また、区立小学校の高学年の児童を対象に、日本の伝統文化である邦楽を鑑賞する機会を設けることによって、国
際社会に生きる日本人としての自覚を育てる。さらに、音楽、書写、図工、美術、演劇などの学習成果を発表する
場や鑑賞する機会を設けることにより、学習意欲を高めるとともに、芸術・文化への関心を高める。
【今後の方向性】17年度の事業を基本として、事業を発展させていく方針である。
85
2.子どもを共に育むまち
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
30
4-2-4 ◎魅力ある授業づくり事業
教育委員会
【事業内容】毎週水曜日の放課後の2時間程度、
「英語検定」、
「数学検定」
、
「漢字検定」等の合格を目指して学習する
教室を開催する。また、独自に特色ある教育活動を学校が企画提案し、教育委員会の審査により実施することで魅
力ある授業の展開を推進していく。
【今後の方向性】水曜トライアルスクール事業では、各学校における講座内容の充実を図り、受講者数の増加を目指
す。また、プロポーザル事業では、
「特色ある学校づくり推進校」事業との統合を図って、対象校数を増やし、特に
文化芸術都市の創造など豊島区の課題に則した学校づくりの支援体制を拡充していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
25
4-2-5 ◎タウンミーティング
教育委員会
【事業内容】教育委員会が区立学校PTAからの要請で各学校に出向き、教育委員会の事業や制度などについて保護
者と意見交換を行い、相互の理解を深める。
【今後の方向性】実施内容に工夫を加えながら、積極的にPTAから要請がくるよう取り組んでいく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
0
4-2-6 ◎理科教育の推進事業
教育委員会
【事業内容】学校週5日制の実施に伴い、学校ではできない実験を教育センターで行い、児童・生徒に理科教育への
興味をおこさせ、学習効果を上げる。また、区立小・中学校の理科室の設備(教具、器具等)を整備し、理科教育の
振興・促進を図る。
【今後の方向性】児童・生徒が理科教育に一層関心と興味を深まるよう、ハード、ソフト面で充実を図る。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
8
4-2-7 ◎区立幼稚園、小・中学校案内・学校説明会の開催
教育委員会
【事業内容】小学校に入学する児童の保護者及び中学校に入学する生徒の保護者に学校案内を配布し、児童・生徒・
保護者に情報提供を行う。学校説明会の開催は小学校・中学校入学予定の保護者等に最も身近な区立小学校・中学
校をより広く知ってもらう契機とする。
【今後の方向性】説明会等で出された意見等を踏まえ、保護者の評価に応えることのできる事業として発展させてい
く方針である。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
推進
後期(23∼27 年度)
推進
6
4-2-8 ◎部活動推進事業
教育委員会
【事業内容】成長期にある中学生の健全育成を図る上で極めて重要な意味をもつ部活動を、顧問教員の人事異動に伴
い、休部又は廃部にならず、継続できるようにするためにも、積極的に外部指導員を活用し、部活動の活性化を図
る。また、区の中学校体育大会に対して運営補助を行うことにより、部活動を含めた運動に対する意欲を高め励み
となる機会をつくる。
【今後の方向性】17年度に創設した部活動外部指導員人材バンクを活用し、区立中学校からの求められる人材を派
遣できる体制を整備する。
86
2.子どもを共に育むまち
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
41
4-2-9 ◎外国人児童・生徒への通訳派遣
教育委員会
【事業内容】外国人児童・生徒の転入者が多い本区において、学校生活に早く慣れ、初期の段階から授業内容を理解
できるよう、通訳を派遣させる。また、その保護者に対しても通訳の派遣を行う。
【今後の方向性】17年度の事業を基本として、事業を展開していく方針である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
19
4-2-10 ◎情報教育環境整備推進事業
教育委員会
【事業内容】情報化社会に対応し、小中学校における情報教育の推進を図るため、教育用コンピュ−タの導入、イン
タ−ネット接続を行う
【今後の方向性】小中学校に校内LAN設置を推進する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
714
3 教育環境の整備
4-3-1 ●小中学校の耐震補強
教育委員会
【事業内容】震災からの生徒の安全確保を図るとともに、災害時における区民の救援センター機能の強化を図るため、
西巣鴨中学校の耐震補強工事を行う。
前
事業量
期(18∼22 年度)
平成 18 年度終了
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
−
169
4-3-2 ●小中学校の環境整備
教育委員会
【事業内容】老朽化が進んでいる学校施設の安全性の確保と、学習環境の整備のため、外壁等、危険性、緊急性の高
い改修工事を行う。
前
期(18∼22 年度)
事業量
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
継続
480
4-3-3 ●小学校普通教室の冷房化
教育委員会
【事業内容】地球温暖化、ヒートアイランド現象等により、夏場の学習環境が悪化している。このため、学校間格差
の解消や隣接校選択制度、学習指導要領の実施を踏まえ、児童が快適で伸び伸びと学習できる空間を整備していく
必要がある。このため、小学校の普通教室に冷房機を設置する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
平成 18 年度
全小学校普通教室冷房化終了
98
87
後期(23∼27 年度)
−
2.子どもを共に育むまち
4 学校に関わる安全対策
4-4-1 ◎学校・地域・通学路に関わる安全対策
教育委員会
【事業内容】区立小学校児童の登校時における通学路上の交通安全業務を公益法人に委託することにより、児童の登
校時の通学における安全を確保する。また、学校内や登下校時における児童・生徒の防犯に関する安全確保のため、
保護者・地域・警察等と連携を取り、学校の安全対策を推進する。例えば、区立小・中学校において児童・生徒が
自ら危機を察知し、適切な判断や行動選択を行い、犯罪にまきこまれない、犯罪を起こさないような態度を育てる
ため、警察関係者を中心にゲストティーチャーとして招き、直接指導する。
【今後の方向性】17年度事業を基本にした形で、通学路の安全を推進していく予定である。セーフティ教室は保護
者、地域住民の協力、連携の下で、児童・生徒の非行防止と犯罪に巻き込まれない取り組みを強化しながら事業を
発展させていく方針である。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
推進
後期(23∼27 年度)
推進
220
88
2.子どもを共に育むまち
2-5 地域における教育
■現状と課題
子どもは、家庭をはじめとして、学校や地域社会とのつながりを通して、さまざまな経験を
積み重ねて成長していきます。学校週5日制の実施に伴い、子どもの学校外での活動や学習の
機会が増大しましたが、必ずしも、家庭での親子のふれあい、地域でのおとなと子どもの交流
や活動の活性化に繋がっているとはいえない状況です。
また、地域では、従来から町会、育成団体などで、子ども対象の行事等を実施してきていま
すが、それぞれに構成員の減少、高齢化などの問題を抱え、既存の枠組みの中での活動に不安
な地域もある状況です。
さらに、子育てに関する第一義的責任を有する保護者自身が、少子化、核家族化の進行する
中で育ってきたため十分に家庭において教育力を発揮できていない状況も指摘されます。
今後は、子どもたちの「次代を担う力」の育成を図っていくために、家庭・地域・学校・行
政の4者が協力して子育てや教育にあたる体制を整備し、地域全体の教育力を再生させていく
ことが重要になります。
そのためには、学校教育で使用する時間外の学校施設を活用し、子どもたちが様々な体験活
動や交流活動を安心してできる環境を整備すべく学校開放を推進していく必要があります
子どもたちの活動内容等を検討する際は、子どもたちの主体性に配慮しつつ、地域の団体、
ボランティア等との連携を図り、地域全体で子どもを育む環境づくりを目指すという考え方を
定着させることが必要であります。
また、家庭の教育力の向上を図るために、保護者向けに各種講座を開催するとともに、親子
の共同体験機会の充実を進める必要があります。
89
2.子どもを共に育むまち
■施策の方向
家庭・地域・学校がそれぞれの役割に応じた教育責任を果たすとともに、三者が一体となった取
り組みをすすめる中で、生命や人権、社会的規範等を尊重する生き方や豊かな心と社会性を身につ
け、自ら考え、行動できる「生きる力」を備えた子どもたちを育んでいきます。
①家庭・地域の教育活動の推進 重点施策
平成14年度からの学校週5日制の実施により、子どもの学校外での活動や学習の機会が増大し
ました。
子どものしつけなど人生最初の教師ともいえる家庭や地域の役割をもう一度見直し、学校や地域
の人材との連携をとりつつ、PTAや青少年健全育成団体の活動を支援するとともに、保護者相談
の場の充実など家庭や地域における教育力の向上を図ります。
②地域に開かれた学校の推進
学校施設を地域に開放し、世代を越えた交流につながる地域活動の場として、有効活用をすすめ
ます。
【重点施策の選定理由】
子どもの健全な発達には、
「家庭」
「地域」の役割は大きい。孤立化している子育て家庭が増えている中、地域で、
最も身近で子どもたちも慣れ親しんでいる学校等で、地域のボランティア等を活用した日々の活動の中での交流が望
まれるため、「家庭・地域の教育活動の推進」を選定した。
■成果指標
指
標
名
現
状
1
子どもの視点を重視した青少年育
成委員の活動(研修の参加者)
208 人
2
保護者や地域住民と連携した学校
づくりが行われていると考える区
民の割合
区民 18.1%
団体 41.6%
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
250 人
300 人
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
子どもの視点を重視した育成に関する研修に参加する青少年育成委員数。区内 12 地区ある青少年育成委員会の活動を「行事中心
の活動」から「権利の主体としての子どもの視点を重視した育成活動」への質的転換をはかる。そのため、研修に参加し、子ども
を取り巻く課題や地域における教育に必要な情報や知識を得て、活動に活かしていただく。
2
「協働のまちづくりに関する区民意識調査(平成 17 年 3 月実施)
」の割合
90
2.子どもを共に育むまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
事
1 家庭・地域の教育活動の推進
2
重点施策
地域に開かれた学校の推進
○既存重要A事業
業
1
◎青少年育成委員会運営
2
○家庭教育推進事業
1
○地域とつくる学校開放
●施設建設事業
名
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
1
3
事
家庭・地域の教育活動の推進
地域に開かれた学校の推進
業
名
1
青少年委員事業
2
PTA 育成経費
3
社会教育指導員経費
4
地域団体青少年健全育成行事助成
1
学校開放臨時職員経費
1 家庭・地域の教育活動の推進
5-1-1 ◎青少年育成委員会運営
子ども家庭部
【事業内容】青少年の健全育成のために、各地区青少年育成委員会に補助金を交付してその活動を援助するとともに、
青少年育成委員の資質向上に必要な研修を行う。また、各地区青少年育成委員会相互の連携を強め、青少年の健全
育成活動をより効果的に進めることを目的とした、青少年育成委員会連合会に補助金を交付して活動を支援する。
【今後の方向性】今後もさらなる青少年の健全育成を目指して、活動を支援していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
補助金交付、研修会実施
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
33
5-1-2 ○家庭教育推進事業
文化担当部
【事業内容】心身の発達段階に応じた各成長期の子どもを理解し、よりよい親子関係、親や地域の役割等を考え、家庭
教育のあり方やその重要性について学ぶとともに同じ世代の子どもをもつ保護者が子育てに関する悩みや不安を共
有し、解決する手がかりをみつけていくために乳幼児・小学生・思春期
3コースごとにワークショップ・講演会等
の連続学級を開催する。
【今後の方向性】学習者の自発性、自主性に任される事業なので、参加機会を増やすためにも、大学、各種機関、社会
教育関係団体等と協動して家庭教育を推進する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
開催回数
125 回
後期(23∼27 年度)
推進
6
91
2.子どもを共に育むまち
2 地域に開かれた学校の推進
5-2-1 ○地域とつくる学校開放
教育委員会
【事業内容】子どもたちの身近で安全な遊び場として、また地域住民の生涯学習、スポーツ・レクリエーションの場と
して、学校教育に支障のない範囲で学校施設を開放する。
【今後の方向性】子どもスキップの導入される学校における校庭開放事業は、子どもスキップ事業として一体的に展開
することになる。但し、乳幼児、中学生以上については、子どもスキップの対象外になるので引続き、校庭開放事業
として学校開放管理員が担当する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
推進
後期(23∼27 年度)
推進
280
92
3.多様なコミュニティのあるまち
3
多様なコミュニティのあるまち
93
3.多様なコミュニティのあるまち
3-1 心ふれあうコミュニティの形成
■現状と課題
豊島区における地域活動は、それぞれの地域特性や住民構成等の違いにより地域によって
異なる面もありますが、全体として見ると、地域の様々な課題に包括的に取り組む町会・自
治会を中心として、PTAや青少年育成委員会、まちづくり協議会など個別の課題に対応し
た地域活動団体が組織化されています。さらに、近年は、ボランティア活動への関心の高ま
りを背景として、自主的なグループ活動が活発化し、NPOとして法人化する団体も年々増
加する傾向が見られます。
このように、地域の中では様々な活動が展開される一方、マンション建築の増加等に伴い、
人口の流動化、住民のライフスタイルや価値観の多様化が進み、住民相互のコミュニケーシ
ョンの希薄化や地域活動への関心の低下を懸念する声が聞かれます。
現在、区内には 130 の町会・自治会が組織され、区の全域をカバーしています。町会・自
治会は、最も身近な住民自治組織としての活動に加え、豊島区独自の区政連絡会という制度
のもとで、行政と地域住民とをつなぐ役割をも担っています。しかし、近年、町会・自治会
への加入率が低下傾向にあり、加入者と非加入者との間で情報や意識の共有が図られにくく、
災害や犯罪等の不測の事態において住民相互が助け合う関係づくりの難しさなどが指摘され
ています。また、地域活動の担い手の面でも、活動団体の役員の高齢化や、特定の人が様々
な団体の役職を兼ねる場合も多く、責任や負担が偏りがちな傾向も見られます。
しかし、だからと言って住民の地域活動に対する関心が低いわけではなく、
「協働のまちづ
くりに関する区民意識調査」
(平成 17 年 3 月)でも、
「身近な問題を解決する上で近隣住民が
力を合わせることが重要だと思う」との回答が約 80%を占め、また地域活動への参加状況に
ついても、「参加したことがある」は 30%弱にとどまっていますが、潜在的な参加意欲のあ
る人(「機会があれば参加したい」と「参加したいが参加できない」の合計)が約 55%と、
実際の参加者数を大きく上回っています。
こうした現状を見ると、まず、地域活動に潜在意欲のある区民をいかに引き出していくか
が第一の課題と言えます。そのためには、地域活動に関する情報の提供や交流の場づくり、
それぞれのライフスタイルに応じて気軽に参加できるきっかけづくりなど、より幅広い区民
が参加しやすい環境を整備していく必要があります。また、既存の地域活動団体への支援と
ともに、多様な人々から構成される都市の特性を活かし、地域における人と人とのつながり
を土壌として、多様な活動が展開される可能性を広げていくことも必要です。そうした地域
活動の活発さを積極的にアピールすることにより、これまで参加してこなかった人々の関心
を高め、活動を担う新たな人材を掘り起こしていくことも期待されます。
また、第二の課題として、地域活動組織相互の連携を促進し、ネットワーク化を図ってい
くことがあげられます。今後、益々多様化・個別化する地域課題を行政だけでは対応しきれ
ない状況が進む中で、行政主導型から協動型の地域経営への転換を図り、区民との協動によ
るまちづくりを推進していくことが求められています。少子高齢社会が進む中で、誰もが安
心して地域の中で暮らしていけるようにするためには、既存の地域活動団体をはじめ、地域
社会に関わる多様な主体が連携し、それぞれの機能や専門性を活かしながら地域課題の解決
にともに取り組んでいく必要があります。
さらに、都市内分権も視野に入れた住民自治の仕組みづくりという観点からは、地域の共
通課題について協議するための「開かれた話し合いの場」をどのように築いていくかも今後
の大きな課題となります。地域における区民の主体性を尊重しつつ、そうした協議の場づく
りを働きかけていくこと、また、区民自らが自治の担い手として成長していくために必要な
支援を行うことなど、行政としての役割が求められています。
94
3.多様なコミュニティのあるまち
■施策の方向
地域における多様な人と人とのつながりをコミュニティとして位置づけ、コミュニティを基盤と
して多様な活動が展開されるよう、地域活動に意欲のある潜在的な区民の参加を引き出していくた
めの環境整備を図ります。また、区民の活動の自主性・自発性を尊重しつつ、多様な活動が相互に
交流・連携していけるよう支援します。さらに、地域における住民自治を実現していくための仕組
みとして、様々な主体が地域の共通課題を話し合うための開かれた場づくりを進めます。
こうした取り組みを通じ、外国人も含めた多様な区民が共生・協動する心ふれあうコミュニティ
の形成をめざします。
①地域活動への参加促進
地域活動に関する情報の共有化を進め、区民の地域活動への参加意識を高め、多様なライフスタ
イルに応じて気軽に参加できる環境整備を図ります。
②地域住民相互の交流の促進 重点施策
「地域区民ひろば」を軸として、地域住民の交流拠点を整備し、世代間交流を図ります。
③地域活動の活性化と連携の促進
既存の地域活動団体に対して必要な支援を行うとともに、地域課題に関する情報の共有化を図
り、団体相互の連携を促進します。また、ボランティア活動への関心を高め、地域活動の担い手や
活動のリーダーシップをとるキーパーソンの育成を支援します。さらに、区民が自主的に取り組む
多様な活動に対する中間支援機能を整備し、活動のネットワーク化を図ります。
④協動の仕組みづくり
区と地域の多様な主体との協動、そして地域の多様な主体相互の協動を広げていくため、区民活
動団体、NPO、ボランティア等が行う公益的活動や、新たな協動に向けた取り組みを支援する仕
組みづくりを進めます。
⑤外国人との共生
豊島区は、外国人登録者が人口の6.2%(平成17年1月1日現在)を占めるなど、多くの外
■成果指標
国人が暮らしています。人種や国籍などを問わず、共に豊島区に暮らす区民として、共に地域を創
っていくための環境を整備します。
【重点施策の選定理由】
地域のコミュニティを基盤とする多様な活動の活性化と、区民活動相互の主体的な連携にあたっては、その基盤づく
りや環境整備が重要であると判断し、選定した。区民評価でも、「地域活動の活性化」と「地域コミュニティ活動基
盤の整備」のポイントが高い。
■成果指標
指
標
名
1
地域区民ひろば運営協議会設置数
2
町会・自治会加入率
3
地域で活動する団体の数
4
協動事業の実施数
現
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
状
-
22
22
100 事業
150 事業
51.0%
(平成 17 年度)
2,636 団体
(平成 13 年度)
75 事業
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
95
3.多様なコミュニティのあるまち
【説明】
1
小学校区単位に設置する「地域区民ひろば」の管理運営を目的とする自主的な協議会の設置数。18 年度以降、環境の整った地域か
ら順次設立予定。
2
区内に 130 ある町会・自治会への加入状況(地域の世帯数に占める加入世帯数の割合)。
3
ボランティア団体、スポーツ団体、学習団体、NPO法人、育成委員会、高齢者クラブ、町会の合計数
4
区と地域の主体(町会・自治会等の地縁団体、ボランティア団体、大学、NPO法人、事業者など)、もしくは地域の主体間で対
等な協力関係により実施する事業の数。
96
3.多様なコミュニティのあるまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
事
○既存重要A事業
業
名
1 地域活動への参加促進
1
○コミュニティづくり事業への補助
2 地域住民相互の交流の促進
1
◎地域区民ひろば事業
重点施策
3 地域活動の活性化と連携の促進
2
○区民集会室管理運営事業
1
◎パートナーシップ推進事業
2
○町会連合会事業への補助
3
○区政連絡会運営事業
4
○区民活動支援のための事業補助
4 協動の仕組みづくり
1
5 外国人との共生
1
●施設建設事業
◎外国語ボランティア事業
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
事
業
名
1
地域活動への参加促進
1
2
地域住民相互の交流の促進
1
区民センター管理運営
2
秀山荘管理運営
3
猪苗代青少年センター運営経費
4
施設開放事業
5
南池袋斎場管理運営
3
地域活動の活性化と連携の促進
1
4
協動の仕組みづくり
1
5
外国人との共生
1
国際交流推進事業
1 地域活動への参加促進
1-1-1 ○コミュニティづくり事業への補助
区民部
【事業内容】区内に130ある町会、自治会が住民の親睦と地域社会の発展を目的に実施するコミュニティ活性化
事業に対し補助を行う。
【今後の方向性】町会・自治会は豊島区の地域活動の中心的役割を担うとともに区政運営に対する多大な協力を得
ている団体であり、今後もその役割は重要である。町会・自治会の活動を活発化させるための自主的な取り組み
に対しては支援を継続していく。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
130 町会・自治会
後期(23∼27 年度)
維持
35
97
3.多様なコミュニティのあるまち
2 地域住民相互の交流の促進
1-2-1 ◎地域区民ひろば事業
区民部
【事業内容】区立小学校区を単位に、既存施設を利用して異なる世代の交流と地域コミュニティ活性化を図る場を提
供する。
【今後の方向性】平成17年度のモデル実施の結果を踏まえ、地域社会の多様な主体(各種地域団体等)による「地
域区民ひろば運営協議会」づくりを支援し、最終的には「運営協議会」による区民ひろば運営の自主管理を目指す。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
事業費(百万円)
検証中
1-2-2 ○区民集会室管理運営事業
【事業内容】区民に集会の場を提供するために区内16か所に設置した有料貸室を管理する。
区民部
【今後の方向性】平成 16 年度に定めた「集会室の適正配置基準」に基づき、基準を超えている一部地域の区民集会
室は廃止する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
16か所(19年度以降13か所)
事業費(百万円)
737
後期(23∼27 年度)
維持
3 地域活動の活性化と連携の促進
1-3-1 ◎パートナーシップ推進事業
区民部
【事業内容】地域生活を豊かなものにしていくための「新しい力」として期待されるNPO等自主的な区民活動団
体の活動を支援するために、その拠点となる区民活動センター(パートナーシップセンター)の運営と活動支援
講座等を開催する。
【今後の方向性】区民活動団体の事務所としての役割と団体相互の交流、情報発信の拠点としての役割を併せ持つ
施設として、機能を充実させていく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
当面センター管理運営
事業費(百万円)
1 か所
7
後期(23∼27 年度)
推進
1-3-2 ○町会連合会事業への補助
区民部
【事業内容】町会相互の連携を図り、区政の発展に寄与するため130の町会・自治会で組織する連合会の事業に対
し補助を行う。
【今後の方向性】区政運営に多大な協力を得ている地域団体として、より活発な活動が可能となるよう支援していく
前
事業量
期(18∼22 年度)
130 町会・自治会
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
維持
3
1-3-3 ○区政連絡会運営事業
区民部
【事業内容】区政に対する区民の理解を深めるとともに、地域の要望を区政に反映させることを目的に区内 12 地区
で月 1 回、委員に委嘱された町会・自治会長及び相談役である区議会議員を召集して開催する連絡会の運営。
【今後の方向性】近年、町会組織率の低下、区民意識の変化など昭和 44 年度の連絡会発足時とは区の状況に変化が
見られるため、平成 17 年度に町会長からなる検討委員会を設置し、会のありかたについて検討する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
12 地区で 60 回
後期(23∼27 年度)
維持
43
98
3.多様なコミュニティのあるまち
1-3-4 ○区民活動支援のための事業補助
全部局
【事業内容】区民の自主的な活動であって、区民の社会生活の諸分野に寄与し、地域づくりに貢献する活動をしてい
る地域活動団体の事業に対し補助を行う。広く区民から補助対象事業を募り区民委員を含む審査委員会による審査
を経て交付する。
【今後の方向性】区民の自主的活動を促進し、地域力の回復と活性化を促進するため、活動を支援していく
前
事業量
期(18∼22 年度)
申請に基づき審査
事業費(百万円)
5
後期(23∼27 年度)
維持
―
外国人との共生
1-5-1 ◎外国語ボランティア事業
商工部
【事業内容】外国語の堪能な区民等からボランティアとして登録を受け、通訳や翻訳が必要な公的な行事、事業が行
われる際、協力を依頼する。登録者には研修会を実施する。
【今後の方向性】通訳、翻訳業務のほか、外国人観光客に対する観光案内業務についても活用を検討する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
通訳・翻訳
各50件
後期(23∼27 年度)
推進
1
99
3.多様なコミュニティのあるまち
3-2 平和と人権の尊重
■現状と課題
20世紀の日本は、多くの戦争を経験しました。豊島区も昭和19年から20年にかけて空
襲を受け、区域の約7割が灰燼に帰し、罹災者16万人余に及ぶという甚大な被害を蒙りまし
た。
豊島区は、悲劇と破壊をもたらした苦い経験を二度と繰り返さないために、平和で豊かさを
実感できる社会を希求し、昭和57年7月に23区で初めて核兵器完全禁止・軍縮と全世界の
非核化に向けて努力することを内容とする「非核都市宣言」を行いました。
平成15年には非核平和の実現を祈り、長崎市から譲り受けた「被爆クスノキ2世」を中池
袋公園に、広島市から譲り受けた「被爆アオギリ2世」を南池袋公園に植樹しました。
世界では未だに戦争、テロ、地域紛争などが続いており、日々ニュース映像として家庭に配
信されています。また、映像メディアやゲームなどでも戦争が娯楽として日常社会に侵入して
きています。いま、
「平和で暮らせること」の大切さについて、改めて啓発、教育していくこと
が必要になっています。
21世紀は「人権の世紀」と言われています。人権とは、誰もが生まれながらに持っている、
人間が人間らしく生きていくための権利です。
昭和21年の日本国憲法制定以来、基本的人権を保障するための法整備や教育、差別をなく
すための啓発活動などが行われてきました。国や地方自治体は、これまで同和問題をはじめ、
障害者、外国人、ハンセン病やHIV感染者、アイヌ民族への差別や偏見などの問題をとりあ
げ、教育の場やマスコミ、企業などとも連携し、広く啓発活動を行うことで、一般市民の人権
意識の向上に努めてきました。
現在、急速に社会や環境が変化を続ける中、人々のライフスタイルは多様化してきており、
また個人を尊重し、個性や自立性を重視する考え方も定着してきています。
こうした中、一部には、自己の権利のみを主張し、他人の人権に配慮しないという誤った風
潮が生まれ、その結果児童虐待や高齢者への虐待、近親者による女性への暴力、犯罪被害者と
その家族への精神的被害、性同一性障害者への偏見などの問題が、新たに表面化してきていま
す。
差別と偏見のない社会をつくるには、一人ひとりの意識に訴えかける、地道な啓発活動が欠
かせません。行政のみならず、企業や地域団体、NPOなども主体となり、あるいは相互に連
携して、人権の意識が社会に浸透し、人々が様々な人権問題を身近なものとして考え、それが
態度や行動に表れてくるような効果的な活動をしていかなければなりません。
豊島区は、豊かで活力のある地域社会を、これまで別々に活動していた地域のさまざまな人々
と協動してつくりあげていきます。そのためには、地域社会が平和と人権を尊重する思いやり
のある社会でなければならないのです。
100
3.多様なコミュニティのあるまち
■施策の方向
豊かなコミュニティの基礎となる平和や人権に関する意識を高めていきます。
①平和と人権の尊重
豊かな地域社会の基盤をなす、平和を大切にする心を育んでいきます。
また、人と人との交流を大切にし、お互いに相手を思いやり、尊重する地域社会を築きます。
■成果指標
指
1
標
名
平和と人権を尊重する社会である
と考えている区民の割合
現
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
状
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
現在は、指標に対応する意識調査等による数値は把握していない。今後、意識調査を実施する祭には、当該項目を調査対象とする。
101
3.多様なコミュニティのあるまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
事
1 平和と人権の尊重
業
○既存重要A事業
●施設建設事業
名
1
◎憲法・非核平和周知関係事業
2
○法律・人権身の上・行政相談事業
1
成人の日記念行事事業
2
社会を明るくする運動事業
3
保護司会事業
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
1
事
平和と人権の尊重
業
名
1 平和と人権の尊重
2-1-1 ◎憲法・非核平和周知関係事業
総務部
【事業内容】非核平和の大切さ、憲法の精神、人権問題についての正しい認識の普及を目的に、「平和と人権のパネ
ル展」・周知用懸垂幕の掲出・未臨界核実験への抗議・人権啓発広報活動などを実施。
【今後の方向性】国・都との連携を深めつつ、国内外の情勢の変化に応じた効果的な啓発活動を行う。
前
事業量
期(18∼22 年度)
事業費(百万円)
2-1-2
後期(23∼27 年度)
平和と人権のパネル展、広報活動
維持
2
○法律・人権身の上・行政相談事業
総務部
【事業内容】民事・刑事その他の法律問題や人権侵害、官公庁の業務への不満で悩んでいる区民等に対し、問題解決
に向けた適切な助言を行う。
【今後の方向性】区民ニーズの高まりを受けて、専門相談事業の充実を図る。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
法律相談、人権身の上相談、行政相談
24
102
後期(23∼27 年度)
維持
3.多様なコミュニティのあるまち
3-3 男女共同参画社会の実現
■現状と課題
女性も男性も性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社
会の実現は、「文化の風薫るまち」をめざす豊島区の重要な課題です。
豊島区では昭和63年に計画期間10年の第一次行動計画(「豊島区婦人行動計画−としま
150プラン」)を策定し、男女共同参画社会実現という新しい課題に向けた取組みを開始しま
した。その後、平成13年に、第二次行動計画「としま男女共同参画推進プラン」を策定しま
した。これらの行動計画に基づき、平成4年には、「男女平等推進センター(エポック 10)」を開
設、平成14年に、
「男女共同参画都市」を宣言、さらに翌15年には「男女共同参画推進条例」
を制定し、区民一人ひとりの人権が尊重され、誰もがその人らしく参画できる男女共同参画社
会の実現に向けて、区を挙げて取組む決意を明らかにしました。
これまでの取組みによって、家庭、職場、地域社会での男女共同参画意識は、着実に浸
透してきているものの、今なお性別に起因する人権侵害や、性別による固定的な役割分担
意識、社会的慣行の存在など多くの課題が残されており、引き続き家庭、学校、職場など
あらゆる場における男女平等教育・学習による意識啓発及び男女共同参画の視点に立った
取組みが必要です。
また、昨今の価値観やライフスタイルの多様化の中で、豊島区が少子高齢化の進展に適切に
対応し、
「活力と文化輝くまち」を創造していくためには、次のような課題に対し、さらなる取
組みを進めていく必要があります。
1.性別にかかわりなく、多様な生き方を選択できる社会を実現するためには、男女が協力し
て責任を分かち合うことが不可欠ですが、女性の指導的地位に占める割合や意思決定過程への
参画が極めて不十分な状況にあります。今後、公的分野・私的分野を問わずあらゆる分野の活
動の意志決定過程への女性の参画を拡大する機会を整備していくことが必要です。
2.家庭生活においては、家族を構成する男女がお互いの協力のもとで家族の一員としての役
割を果たすことが必要ですが、働く女性が家庭生活と社会生活を両立させることはいまだ難し
い状況にあります。したがって、男女ともに仕事と育児・介護が両立しやすい環境整備、社会
的支援が求められています。
3.近年、雇用の分野において、女性のパートタイム、アルバイト、派遣社員等非正規雇用が
急速に進んでおり、採用・職域・昇進等の均等な機会と適正な処遇等の面で男女間の格差は依
然として存在します。雇用の分野における男女共同参画の推進について事業者に協力を要請し
ていく必要があります。
4.男女がお互いの身体的特質を十分に理解しあい、身体的、精神的、社会的に良好な状態に
あることは、男女共同参画社会の実現にあたっての前提条件です。しかし、男女の力関係が平
等でないことや女性の健康に対する男女間の正確な知識・理解の欠如から女性の健康が脅かさ
れている状況があります。このような課題に対し、生涯を通じた女性の健康を支援するための
総合的な取組みが必要です。
5.最近、女性に対する配偶者等による暴力被害、繁華街池袋に就労を求めて来る支援を要
する女性の問題、解雇や賃金切り下げなど女性労働者の雇用に関する問題などが多くなってき
ており、これら区に寄せられる相談に適切に対応するために、関係機関とネットワークを構築
しつつ、支援体制を強化していく必要があります。
103
3.多様なコミュニティのあるまち
■施策の方向
区民一人ひとりの人権が尊重され、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮できる社
会の実現に向けて、だれもが、家庭、学校、職場、地域社会などあらゆる場において、ともに参画
し、責任を分かち合える男女共同参画社会の仕組みづくりを推進します。
①男女共同参画社会の条件整備
男女がともに、その個性と能力を存分に発揮できるよう、区民の意識改革をすすめます。
また、あらゆる場における男女共同参画の意識の普及・啓発、人権侵害の禁止、職業と家庭生活の
調和のとれた環境づくりなど、条件整備を推進します。さらに、その実現のため、関連機関との連
携を積極的に図ります。
■成果指標
指
標
名
現
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
状
1
男女が共同で社会に参加できると
考える区民の割合
区民
団体
18.6%
28.4%
2
女性の就業率
34%
(平成 12 年)
36%
38%
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
「協働のまちづくりに関する区民意識調査(平成 17 年 3 月実施)
」の割合
2
区内の 15 歳以上の女性に占める主に仕事に従事する人の割合。平成 7 年、12 年の国勢調査ではほぼ横ばいで推移。
104
3.多様なコミュニティのあるまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
事
1 男女共同参画社会の条件整備
業
○既存重要A事業
●施設建設事業
名
1
◎男女共同参画啓発事業
2
○男女平等推進センター「エポック10」管理運営事業
3
○相談事業
1
男女共同参画に関する住民意識調査
2
男女共同参画推進会議運営
3
苦情処理機関運営
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
1
事
男女共同参画社会の条件整備
業
名
1 男女共同参画社会の条件整備
3-1-1 ◎男女平等推進センター「エポック10」男女共同参画啓発事業
総務部
【事業内容】個人・制度・慣行などに残っている、性別による役割分担意識を解消するために、講座、講演会、啓発
誌などにより啓発活動を実施する。
【今後の方向性】男女共同参画推進条例の基本理念を実現するには啓発の充実が必要であるので、分野別に計画的に
講座等を実施していく。登録団体との共催事業を実施していくことでより効果的な事業を実施できる。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
35 講座 115 回、その他事業 45 回
啓発誌発行 10 回
事業費(百万円)
推進
12
3-1-2 ○男女平等推進センター「エポック10」管理運営事業
総務部
【事業内容】センターを運営するために設置した「運営委員会」に関する事務及び男女共同参画社会実現のための拠
点施設の管理運営を行う。
【今後の方向性】男女共同参画推進条例の基本理念を実現する活動の拠点施設として今後とも運営していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
開設日数
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
約 1,500 日
推進
75
3-1-3 ○男女平等推進センター「エポック10」相談事業
総務部
【事業内容】一般相談:女性をとりまく様々な問題について相談を受け、自ら解決の道をさぐれるように、自立を支
援する。
専門相談:弁護士・医師・臨床心理士などが専門分野に関する相談(法律相談・こころ相談・からだ相談・DV
相談)に応じる。
【今後の方向性】女性を取り巻く様々な問題は今後とも継続的に発生していくものと考えられるので、事業を実施
していく。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
一般相談
約 1,500 日、専門相談
9
105
後期(23∼27 年度)
360 回
推進
3.多様なコミュニティのあるまち
106
4.みどりのネットワークを形成する環境のまち
4
みどりのネットワークを形成する環境のまち
107
4.みどりのネットワークを形成する環境のまち
4-1 みどりの創造と保全
■現状と課題
豊島区では、公園の配置の方針、屋上緑化・壁面緑化の推進や生物の生息空間(ビオトープ)
の促進、公園の整備や地域緑化の方針となる「豊島区みどりと広場の基本計画」を平成13年
3月に策定し、みどりと広場の整備を推進してきました。
「みどりと広場の拠点づくり」では、豊島区は1万㎡を超える大規模な都立公園がなく、工
場跡地などのまとまった規模の敷地が少ないことから、西池袋公園(8千㎡程度)が最も大き
な公園です。また、木造住宅が密集していることから身近な防災に役立つ小規模な公園等の整
備を進めてきました。このため、1k ㎡あたりの公園箇所数は23区中トップですが、公園面
積の不足を解消するまでには至っていません。
(一人当たりの公園面積は23区中最下位。公園
等160箇所、一人あたりの公園面積 0.76 ㎡)
今後は、地域の核となる5千㎡以上の公園の整備が必要であり、その実現には学校の跡地利
用や雑司ヶ谷・染井霊園の整備が課題となっています。
「身近なみどりと広場づくり」では、不足している公共施設の緑化を図るために、区立小中
学校の整備に合わせて、接道部の一層の緑化を進めていきます。また、マンションなどの中高
層住宅の建築や開発に際してのみどりの付置義務について、地域性や周辺環境を考慮した指導
を進めていくことで、地域に合ったみどりを創っていきます。さらに、土地の有効活用が求め
られている中で、壁面緑化や屋上緑化といった新たな技術を用いてみどりを創り出していくこ
とが重要であり、みどりの普及啓発活動など、時代を先取りする制度の工夫が求められていま
す。
「歩行者空間づくり」では、現在進行中の環状5の1号線(明治通り)、環状6号線(山手通
り)、補助172号線、補助173号線の整備により、歩行者の誰もが快適に歩くことができる
「みどりのネットワーク」が新たに整備されていきます。また、東池袋四丁目地区市街地再開
発事業により快適な歩行者空間が生み出され、南池袋二丁目でも街区再編まちづくり事業の動
きが見られます。さらに、街路樹が皆に愛され大切にされるみどりとなるよう、地域の人々が
里親になる制度(アドプトプログラム)が全国で成果をあげており、豊島区でも、このような
制度の導入の検討が求められます。
「多様な生物が生息できる環境づくり」では、区内におけるまとまった自然環境は、学習院
の森が唯一ですが、目白の森や池袋の森のように、トンボ池などで生物の生息空間を確保して
おり、目白庭園や小鳥のさえずる公園では毎年カルガモが巣立っています。身近な場所で生き
物が生息できる、小さなスペースを増やしていくことが必要です。
豊島区世論調査でも「みどりと広場への要望」は常に上位にランクされており、意識と参加
の面では、区民の関心は高いといえます。このようなことから最近では、白紙から区民参加に
よる公園づくりを行い、完成後も自主的に管理を行っている事例もみられます。みどりと広場
づくりは、民間と公共が協力して成り立つもので、区民の理解と協力を欠かすことはできませ
ん。区民の方々が気軽に参加できる工夫が必要です。
108
4.みどりのネットワークを形成する環境のまち
■施策の方向
公園づくりにあたっては、設置数が充足している状況を踏まえ、地域の活動拠点ともなる広々と
した公園づくりを重点的に行い、
「数からまとまりへ」と転換を図ります。
また、区民一人ひとりが、みどりや身近な環境のことを考え、自ら創造していくとともに、区民・
事業者・行政が相互に協力しながら「みどり」をつくり、守っていく体制を整備します。
①みどりの拠点拡大 重点施策
本区は、人口一人当たり公園面積、区面積に占める公園面積率では、23 区中最下位ですが、区面
積当たり公園設置数では第 1 位であり、狭あいな公園が多くなっています。
公園が持つさまざまな機能を基本に、だれもが快適に集い、憩える、みどり豊かな公園等の拡大
をめざします。
また、街路や寺社、歴史的資源などみどりの拠点の保存、拡大に努めるとともに、公共施設の緑
化を率先してすすめます。
②みどりのネットワーク
住宅が密集している地域では、狭あいな街路が多く、防災の観点からも、ブロック塀等に代わる
生垣等の緑化に関心が寄せられています。
大規模な緑地帯を有しない豊島区において、都市の魅力を高め、快適な生活空間をつくり出して
いくため、公園をはじめ、大学や寺社などの緑地をみどり豊かな道路で結び、四季感あふれるみど
りと広場のネットワークを形成します。
また、みどりを愛する心の醸成に努めるとともに、区民団体やNPOなど広く人的なネットワー
クの形成をすすめます。
【重点施策の選定理由】
一つひとつの公園が小さく、数多くの小規模公園が散在している豊島区にとって、みどりの拠点となる規模の大きな公園の整
備が重要であると判断し、選定した。区民評価でも、「①みどりの拠点拡大」のポイントが最も高い。
■成果指標
指
標
名
現
状
前期目標(平成 22 年度)
後期目標(平成 27 年度)
1
緑被率
12.4%
12.4%
12.4%
2
一人あたりの公園緑地面積
0.76 ㎡
1.5 ㎡
1.5 ㎡
3
街路樹本数
5,130 本
5,300 本
5,500 本
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
区面積におけるみどり(樹木、芝、草地など)に覆われた面積。豊島区は緑被現況調査を 5 年ごとに実施しており、最近は平成 16
年度に実施。(面積
1.62k㎡/区面積
13.01k㎡)。減少傾向に歯止めをかけ現状維持を図る。
2
区内にある公園、区民の森、児童遊園、目白庭園等の面積。目標の 1.5 ㎡は豊島区みどりと広場の基本計画に掲げる目標数値。
3
区内の国道、都道及び区道の街路樹の合計本数。(国道 521 本、都道 2,350 本、区道 2,259 本)
109
4.みどりのネットワークを形成する環境のまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
1 みどりの拠点拡大
2
重点施策
○既存重要A事業
●施設建設事業
1
2
3
事 業 名
◎公園等維持管理運営(施設等の維持管理)
●椎名町公園の改修
●上池袋一丁目地区防災公園の整備
1
2
3
4
5
6
1
2
3
事 業 名
公園・区民の森・児童遊園等維持管理(公園巡視員関係経費)
公園ボランティア清掃事業
公園管理事務所維持管理
公園等維持管理運営(清掃・ゴミ処理等)
公園等管理運営(公園・児童遊園管理員関係経費)
目白庭園管理運営
みどりの啓発等事業
花と緑のゆたか島実施助成事業
民間施設緑化指導及び緑化推進助成
みどりのネットワーク
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
1
みどりの拠点拡大
2
みどりのネットワーク
1 みどりの拠点拡大
1-1-1 ◎公園等維持管理運営(施設等の維持管理)事業
【事業内容】
土木部
既設の公園・児童遊園等を、安全で快適に利用できるよう維持管理を行う。平成 17 年度より区民の
森2箇所は、指定管理者による管理運営を実施している。
【今後の方向性】 既設の公園・児童遊園等の維持管理経費であり、区民からの施設に対する要望等も強く、事業の
必然性は高く重要である。平成17年度より区民の森2箇所については、指定管理者による管理運営を目白庭園と
一括で実施している。
全体計画目標
前期(18∼22 年度)
事業量
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
公園等維持管理運営
公園等維持管理運営
943
1-1-2 ●椎名町公園の改修
土木部
【事業内容】椎名町公園は、平成 13 年度に全体を公園として供用開始したものの、下水道局の占用などで本格整備
が遅れている状況である。平成 17 年度に下水道局の占用が終了するのに合わせ、平成 18 年度に第一期工事、椎
名橋の架け替えが終了するのを待って平成 20 年度に第二期工事を行ない、全体を整備する。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
改修工事
事業費(百万円)
162
―
1-1-3 ●上池袋一丁目地区防災公園の整備
土木部
【事業内容】癌研病院が平成 17 年度に移転するのに伴い、当該跡地を「防災公園街区整備事業」を適用し、都市再
生機構(都市公団)の直接施行により、住宅街区および防災公園として整備することとなった。当事業はそのうち
の防災公園部分 4046 ㎡の整備である。公園部分については、住民参加の手法を取り入れ、基本計画を作成する。
その後、都市再生機構による基本設計・実施設計・整備工事を経て、区に引渡され、区管理の公園となる。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
事業費(百万円)
用地費・工事費
783
110
推進
4.みどりのネットワークを形成する環境のまち
4-2 環境の保全
■現状と課題
今日、大都市における環境問題は、自動車排出ガスによる大気汚染や、都市騒音、ごみの大量
排出など、従来の都市・生活型の問題に加え、地球の温暖化やオゾン層の破壊、酸性雨問題な
ど、地球環境問題として拡大・深刻化しています。
これらの課題を解決するためには、生活者である個人のライフスタイルや事業者の経営
スタイルを変革していくことが不可欠であり、併せてエネルギーの消費抑制に向けた社
会・経済システムの改革も重要です。
国際的な取組みとしては、地球温暖化問題に対応するため、平成 20 年から 24 年までの間に、
先進各国が温室効果ガスの排出量を平成 2 年の水準より 5%削減することを目的とした京都議
定書が本年 2 月に発効となりました。日本には、6%の削減目標が義務付けられています。
一方、都内の大気汚染の状況を見てみると、平成 15 年 10 月から実施された都のディーゼル
車規制等の発生源対策により、道路沿道の浮遊粒子状物質が大幅に改善されています。豊島区
においても、自動車排出ガスが主要原因である二酸化窒素や浮遊粒子状物質は、やや改善傾向
にあります。しかし、光化学オキシダントは、改善の傾向がみられず、自動車による交通騒音は
環境基準、さらに騒音規制法の要請限度を超える地点もあり、依然として自動車公害の解決が課
題となっています。
区民からの公害苦情の状況としては、建設作業や深夜営業、駐車場等による騒音の他、本来近
隣相互で解決すべきピアノの音や、クーラー室外機等の騒音、悪臭の問題など多様化していま
す。特に、豊島区では、東京都全体に比較し、建設騒音の苦情割合が高いことが特徴となって
います。
省エネルギ−対策としては、区では平成 16 年 2 月に「豊島区地域省エネルギービジョン」を
策定し、地域の中から省エネルギー活動を推進する指針を示すと共に、地域の課題や特性に対
応した環境保全への取組みを進めています。人と自然が調和した環境への負荷の少ない社会の
構築に向け、環境管理の仕組みを地域社会に定着させ、区民、事業者、行政が一体となって、地
域から行動を広げていく必要があります。
一方、副都心池袋を抱える区の課題として、地域の環境美化の問題があります。多くの来街
者でにぎわう池袋を中心にした地域で、空き缶・吸い殻の投げ捨てや落書きによる街の美観の
低下が問題となっており、改善を望む声が増えています。さらに、平成 15 年の健康増進法の改
正以降、たばこの煙に対する関心が高まるとともに、特に歩きたばこの煙による受動喫煙の問
題も重要視されてきました。このため、安全・安心、快適に過ごせる「さわやかな街づくり」
を目指し、一人ひとりのモラルの向上を図る、意識啓発活動を継続的に取り組んでいくことが必
要です。
今日の環境問題の多くは、区民一人ひとりの日常生活や個々の企業の事業活動と深くか
かわっています。その解決のためには、従来の法律や条例に基づく規制や誘導だけでは困
難です。一人ひとりの行動が環境に及ぼすことを自覚し、それぞれが役割を担い、社会経済
システムやライフスタイルを環境に優しいものに変えていく努力が求められています。
111
4.みどりのネットワークを形成する環境のまち
■施策の方向
地球温暖化対策など、地球環境に対する区民の関心が高まる中、人と自然が調和した環境への負
荷の少ない環境重視の都市づくりをめざします。
区民、事業者、行政が一体となって環境管理の仕組みを整備し、定着を図るとともに、地域の美
化についての取組みを推進します。
①都市公害の防止
区内の幹線道路沿道や交通量の多い交差点での騒音や二酸化窒素などの環境基準の達成状況は
厳しい状況で推移しています。 こうした中、東京都では環境確保条例(略称)により、ディーゼ
ル車に対する規制を平成 15 年 10 月から開始しています。
多様化する都市公害に対応し、安全で健康な生活環境を確保するため、規制・誘導をすすめ、環
境基準の達成をめざします。
②都市環境の保全
温室効果ガスの排出量は増加し続けており、温暖化をはじめ地球環境の悪化が問題となっていま
す。化石燃料の使用軽減を図るため、区民、事業者と連携し、環境意識を高めていくとともに、省
エネ誘導の都市づくりを推進します。
また、環境問題やエネルギーに関する啓発や環境教育に積極的に取り組みます。
③地域美化の推進 重点施策
街の美化に対する区民の関心、要望が高まりを見せる中、区民等との協動による啓発活動や環境
美化活動への取組みが進んでいます。
成果指標
街の美化に対する区民の意識の向上を図るとともに、区民・事業者・団体等との連携による地域
一体となった環境美化を推進します。
【重点施策の選定理由】
地域の環境美化は、安全・安心と並び、区民の生活環境の向上に不可欠であり、街のイメージアップとともに、魅力あるまちづ
くりを推進する豊島区にとって重要であると判断し、選定した。
区民評価でも、
「③地域美化の推進」のポイントが最も高い。
■成果指標
指
標
名
1
温室効果ガス(CO2)の排出量
2
道路や公園、街角などにポイ捨て等がな
くきれいであると考える区民の割合
現
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
状
1,352 千トン
(平成 14 年度)
4%減
区民 15.1%
団体 13.1%
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
温室効果ガス(二酸化炭素CO2)の区内の年間排出量。地球温暖化の原因となっている二酸化炭素は増加傾向にあり、今後排出
量の削減を目指す。
(削減目標は、「豊島区地域省エネルギービジョン」による)
2
「協働のまちづくりに関する区民意識調査(平成 17 年 3 月実施)
」の割合。
112
4.みどりのネットワークを形成する環境のまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
1
2
3
都市公害の防止
都市環境の保全
地域美化の推進
重点施策
○既存重要A事業
1
2
3
事 業 名
◎水質、土壌、ダイオキシン対策
◎計画・普及啓発事業
○環境美化事業
1
2
3
1
事 業 名
騒音振動対策
大気汚染対策(交通公害対策)
大気汚染等常時監視システムの維持管理
カラス巣落とし事業
●施設建設事業
【参考】
計画事業以外の事業
施策の方向
1
都市公害の防止
3
地域美化の推進
1 都市公害の防止
2-1-1 ◎水質・土壌・ダイオキシン対策事業
清掃環境部
【事業内容】工場等の事業場周辺の井戸水の有害物質定期調査、区内の大気及び土壌中のダイオキシン類濃度調査
などを行い、環境基準達成状況を把握・監視を行う。
【今後の方向性】水質・土壌汚染対策は、事業場跡地の土壌汚染の状況調査等により、土壌汚染の拡散防止を図る
とともに地下水の継続監視を行う。ダイオキシン対策は、ダイオキシン類による汚染を定期的に調査することで、
区民の健康と安全を守る。
前
事業量
期(18∼22 年度)
井戸水汚染調査、ダイオキシン類大気・土壌測定
事業費(百万円)
19
後期(23∼27 年度)
推進
2 都市環境の保全
2-2-1 ◎計画・普及啓発事業
清掃環境部
【事業内容】区民への環境情報の提供や、環境教育・学習、環境NPOとの連携などの一般的な普及啓発を行うほ
か、省エネ・新エネルギー等に関わる諸計画づくりを実施する。
【今後の方向性】環境保全に向けた人材の育成や子供向け環境学習講座の開催、各種広報活動、情報提供等、区民、
事業者への様々な支援を進め、地域の中から自主的な環境保全への取組みを高めていく。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
環境学習講座・ホームページ等による情報提供
・普及啓発イベント・情報交流会・省エネ機器の
貸出
事業費(百万円)
6
113
推進
4.みどりのネットワークを形成する環境のまち
3 地域美化の推進
2-3-1 ○環境美化事業
清掃環境部
【事業内容】区民・事業者・地域団体及びボランティアと行政が一体となり、空き缶・吸殻等のポイ捨てや歩きた
ばこを防止しするとともに、落書きの早期消去を行うことで、街の美観の確保を図る。
【今後の方向性】
「としま喫煙マナー」の周知などさらにPRを強化するとともに、灰皿ボランティア制度、合同環
境美化キャンペーン、路上啓発シールなど多様な方法で意識啓発を行う。また落書き消去支援事業に加え、「落書
きなくし隊」による消去活動を開始し、区民の落書きに対する意識を高めるとともに、地域における落書き消去
体制を確立する。
前
期(18∼22 年度)
事業量
啓発活動、落書き消去支援、「落書きなくし隊」
活動
事業費(百万円)
33
114
後期(23∼27 年度)
推進
4.みどりのネットワークを形成する環境のまち
4-3 リサイクル・清掃事業の推進
■現状と課題
今日の経済発展は、大量生産、大量消費、大量廃棄という仕組みの中でもたらされました。
しかし、資源やエネルギーの大量消費は環境に負荷を与え、地球温暖化、酸性雨など様々な
かたちで地球全体に深刻な影響を与えています。限りある資源を有効に活用し、真に豊か
な生活を実現するための取組みが課題となっています。そのためには、省資源、省エネル
ギ−、リサイクルを根幹とするライフスタイルへの転換と環境に配慮した循環型社会の実
現が求められています。
国では、循環型社会の形成を目的に、平成 12 年に「循環型社会形成推進基本法」を制定
するとともに、リサイクル関連法を整備し、廃棄物・リサイクル対策の推進に取り組んで
います。
東京 23 区のごみ量は、平成元年度の 490 万トンをピークに、その後年々減少を続け、平成 15
年度には、349 万トンになりました。近年、豊島区においては、家庭ごみは減少傾向にあるもの
の、事業系ごみの量は横ばい傾向にあります。
しかしながら、清掃工場や最終処分場の処理能力には限界があり、ごみの減量化の取組みは、
特に重要な問題となっています。本区は副都心として、池袋周辺の繁華街地区を抱え、資源分別
の徹底、不法投棄対策などの問題があり、地域に即したリサイクル、清掃事業の更なる推進が
求められています。
豊島区では、「リサイクル都市としまの実現」を目標に掲げ、資源の再使用、リサイクルの推
進、ごみの発生抑制等に取組み、資源循環型社会の構築を目指しています。
昭和 47 年には、地域・民間業者・行政の3者が一体となって、「豊島方式」として広く知ら
れている集団回収(資源リサイクル運動)を開始しました。また、平成 7 年度から他区に先駆
け実施された7品目9分別の「資源分別回収パイロットプラン」は、平成 14 年度から区内全域
で、新パイロットプラン(8 品目 12 分別)として拡大され、平成 14 年度の年間の資源回収量
は、2 万トンを超え、実施前の約 1.5 倍となっており、資源リサイクルが着実な成果を上げてい
ます。
ごみ減量・リサイクルは、区民・事業者一人ひとりが実践することが必要であり、ごみを排出
する区民・事業者の意識改革が重要となっています。循環型社会の構築を目指し、ごみ減量・
リサイクル、再生品の使用等に関する意識啓発、排出ルールのわかりやすい普及啓発に努める
とともに、区民・事業者・行政が一体となって資源のリサイクルを地域の中に広げ、育んでいく
ことが必要です。
115
4.みどりのネットワークを形成する環境のまち
■施策の方向
資源循環型の社会経済システムとライフスタイルを推進し、ごみを減量し、限りある資源を有効
に活用することにより、廃棄物による環境への負荷を軽減します。
また、区民、事業者、行政の役割分担を明確にしつつ、廃棄物の発生抑制や再資源化、適正な処
理をすすめます。
①ごみ減量・リサイクルの推進 重点施策
近年、区内のごみ量は、家庭ごみは減少傾向にあるものの事業系ごみの量は横ばい傾向にあり、
この減量・排出抑制が大きな課題となっています。資源循環型社会の構築をめざし、ごみ減量・リ
サイクルの推進、再生品の使用等に関する意識啓発に努めるとともに、区民・事業者・行政が一体
となって資源のリサイクルを地域の中に広げ、育んでいきます。
②資源循環型清掃事業の推進
最終処分場や清掃工場の問題、更には拡大生産者責任のあり方等清掃事業を巡る状況は大きく変
化しています。
一方、地域においては、地域実態に応じたきめ細やかな清掃事業・資源回収の推進が求められて
います。
こうした動向を見極めながら、ごみの減量、リサイクルを中心とした資源循環型清掃事業を実現
します。
【重点施策の選定理由】
ごみを減量し、焼却、埋立て等の廃棄物による環境負荷を低減するためには、区民、事業者、行政が一体となって実践すること
が必要であり、それぞれが重要な役割を担う、ごみの発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)の進
展を目指す、ごみ減量・リサイクルの推進の取組みを重視し、選定した。
■成果指標
指
標
名
現
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
状
1
ごみ量
75,926 トン
69,972 トン
69,435 トン
2
資源回収量
19,446 トン
24,924 トン
25,960 トン
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
区内で排出される一般廃棄物(可燃ごみ、不燃ごみ及び粗大ごみ)の年間収集量。家庭ごみは減少傾向にあるが、事業系ごみは
横ばい傾向にあり、引き続きごみ量の削減を目指す。
(目標値は、「一般廃棄物処理計画」による)
2
区内で回収される古紙、紙パック、ペットボトルなど 8 品目 12 分別による可燃系資源及び不燃系資源の年間回収量。
資源回収量は、増加しているが、引き続き回収量の増加を目指す。(目標値は、「一般廃棄物処理計画」による)
116
4.みどりのネットワークを形成する環境のまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
1
ごみ減量・リサイクルの推進
2
資源循環型清掃事業の推進
重点施策
○既存重要A事業
●施設建設事業
1
2
1
事 業
○新パイロットプラン事業
○集団回収事業
◎廃棄物収集事業
名
1
2
3
4
5
6
7
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
事 業 名
リサイクル普及啓発事業(リサイクル・ごみ減量週間事業)
大型品リサイクルセンター運営事業
リサイクル・清掃審議会運営
拠点回収事業
区施設資源回収・ごみ対策事業
計画推進経費
繁華街ごみ夜間・早朝収集モデル事業
ごみ処理券事業
リサイクル・清掃調整経費
リサイクル普及啓発事業
事業系リサイクル事業
粗大ごみ民間委託モデル実施
新パイロットプラン事業(事務所分)
ふれあい指導
事務所・事業所維持管理
職員安全・衛生対策
粗大ごみ中継所経費
直営車両経費
廃棄物排出指導業務
【参考】
計画事業以外の事業
施策の方向
1
ごみ減量・リサイクルの推進
2
資源循環型清掃事業の推進
1 ごみ減量・リサイクルの推進
3-1-1 ○新パイロットプラン事業
清掃環境部
【事業内容】ごみの減量・資源の再利用を目的に、区内全域の集積所を単位とした8品目12分別の資源回収事業を
実施する。
【今後の方向性】資源の一層の回収を図り、ごみの減量化を推進する。
前
期(18∼22 年度)
事業量
資源回収量 65,740t
事業費(百万円)
2,076
後期(23∼27 年度)
推進
3-1-2 ○集団回収事業
清掃環境部
【事業内容】町会・自治会等の団体及び区、回収業者が一体となって、新聞・雑誌等の資源を回収し、ごみの減量と
資源の再利用を図る。
【今後の方向性】区民の自主的なごみ減量活動を引き続き支援する。
前
期(18∼22 年度)
事業量
事業費(百万円)
27,050t
200
117
後期(23∼27 年度)
推進
4.みどりのネットワークを形成する環境のまち
2 資源循環型清掃事業の推進
3-2-1 ◎廃棄物収集事業
清掃環境部
【事業内容】区内で発生する家庭ごみ(事業ごみの一部を含む。)の収集・運搬を実施する。
【今後の方向性】地域特性に応じた区民サービスの向上を図るとともに、より効率的な収集・運搬事業を継続・実
施する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
可燃・不燃・粗大ごみ
379,630t
2,740
118
後期(23∼27 年度)
推進
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
5
人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
119
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
5-1 魅力あるまちづくりの推進
■現状と課題
豊島区は、池袋副都心を中心とする一方で、閑静で落ち着いた住宅地もあるなど複合的で多様
な土地利用を特徴としています。現況の土地利用は、①区内の過半を占める住宅地、②池袋副
都心と鉄道駅周辺に広がる商業業務地、③上記の中間にある都市型用途混在地、の 3 種に大別
されます。
このうち住宅地は、区の南部や環状六号線(山手通り)の西部を中心とした戸建て住宅が比較的
多い住宅地と、北東部を中心とした木造賃貸住宅などの共同住宅が多く密度する住宅地に分か
れます。
道路を除く土地利用の内訳を見ると、住宅系の面積が全体の約 6 割、商業業務地が約 3 割、
公園広場等が約 1 割で、まとまった空地(オープンスペース)が少なく高密度の市街地になってい
ます。土地利用では、①定住を支える住宅系土地利用の保全、②住宅系と商業業務系土地利用の
適切な調和、③公園や広場等の空地の確保、が主な課題となっています。
池袋副都心では、池袋駅を挟んで商業機能の集積が進み駅ビルの商業機能集積が高いため、
駅ビル内で来街者の活動が完結しがちで、街全体の発展へとつながっていない面もあります。ま
た、駅と一体となったデパート群、サンシャインシティ、東京芸術劇場等の大規模な生活・文化
施設を有していますが、副都心全体としての魅力の形成には十分でないという状況にあります。
都市間競争に対応するために池袋副都心再生プランを策定し、大局的・総合的かつ積極的に、東
池袋四丁目地区再開発や南池袋二丁目街区再編街づくり制度など多様な手段・手法を駆使し、広
域的な商業業務、生活、交流・文化活動等の拠点として育成・整備を進めていく必要があります。
池袋以外の鉄道駅周辺にも交通の便を生かして商業・業務地が形成されています。目白駅、大
塚駅、東長崎駅周辺では、駅周辺整備のため、関係機関と協力して、駅舎の改造、駅前広場や周
辺道路の再整備を推進するとともに、駅を中心とした一体的な周辺整備による快適な歩行者空
間の充実を図り、各々の地域特性を生かした街づくりを進めていく必要があります。
都市基盤においては、都市計画道路の整備がこれまで遅れていましたが、この 10 年間集中的
に整備が進み環状線補助線ともに平成 18 年度以降次々に完成する予定になっています。これに
伴い沿道の土地利用をはじめ、豊島区全体の街づくりに変化をもたらします。
この機会をとらえ、沿道地域の防災性の向上と地域の活性化に寄与する秩序ある市街地の更
新を進める必要があります。
120
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
■施策の方向
各種の都市計画制度を活用しながら、区民が快適に安心して生活でき、かつ、多彩で個性的な機能を
持ったまちをつくります。
そのため、きめ細かなまちづくりの仕組みを整えながら、それぞれの地域において、区民との協動に
より、地域に根ざしたまちづくりをすすめます。歴史に根ざした地域の特性を継承するとともに、地域
の個性を保全・再生していきます。地域の生活拠点として機能している駅の周辺は、地域の個性と特性
を生かした育成・整備をすすめます。また、池袋副都心においては、積極的に都市機能を充実し、都市
全体の魅力と活力を高めます。
区民、事業者等の参加と協動のもとに、愛着と誇りを感じられる街並みの形成を進め、ユニバーサル
デザインに配慮した人にやさしい快適な環境を将来の世代に引き継いでいきます。
①秩序ある市街地更新
地価の下落や建築規制の緩和等により、居住機能の回帰がすすみ、住居系高層建築物の建設が拡
大する傾向にあります。
市街地整備にあたっては、用途地域等の指定や地区計画等を活用して、住居系地域では良好な居
住環境の保全を図るとともに、商業・業務と住居等が混在する複合市街地では、土地利用の適切な
調和を図っていきます。
また、池袋副都心や地区の中心地では、再開発等の都市開発諸制度を活用し、基盤整備をすすめ
ながら商業・業務機能の秩序ある発展をすすめます。
②個性ある快適なまちづくり
街並みや景観はもとより、自然、文化、歴史、にぎわいなどの地域財産を生かすとともに、人に
やさしいまちづくりを推進しながら、個性ある快適なまちの形成を図ります。
区民や事業者との参加と協動のもと、地域の個性を生かした愛着と誇りを感じられるまちづくり
をすすめ、次代に引き継いでいきます。
③池袋副都心の再生 重点施策
池袋駅周辺地区は、駅を中心とした商業機能集積が高いため、駅周辺で訪れる人の活動が完結し
がちで、池袋全体の発展へとつながっていません。
多様な手段・手法を活用し、広域的な商業業務、生活、交流、文化活動等の拠点として育成・整
備をすすめていきます。
また、ユニバーサルデザインの理念に基づく都市環境を整備するとともに、まちのシンボルとし
て、低床型路面電車(LRT)の導入などを検討し、魅力的な副都心を創造していきます。
④活力ある地域拠点の整備
区内には、JRをはじめ、さまざまな交通機関の拠点が多く存在しています。
池袋以外の駅周辺地区では、地域の生活拠点として、すべての人が利用しやすいように駅の利便
性の向上を図るとともに、地域の歴史や個性を生かした駅周辺の広場や歩行者空間などの整備を一
体的に進めます。
【重点施策の選定理由】
他の副都心に比べ、活力が低下傾向にある池袋を、21 世紀にふさわしい魅力ある副都心に再生していくことが、豊島区全体の
将来を方向づける重要な課題であると判断し、選定した。
121
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
■成果指標
指
1
2
3
標
名
地区計画決定面積
街づくり推進活動団体への支援実
績
池袋への来街者数(池袋駅一日乗降
者数)
現
状
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
47.8ha
167ha
286.7ha
2 団体
10 団体
18 団体
263 万 7 千人
263 万 7 千人
263 万 7 千人
(平成 15 年度)
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
都市計画決定された地区計画の面積。
*
地区計画とは、地域の実情を踏まえ建物の高さや用途などのルールを定め、その地域にふさわしい街づくりを進める都市計画
法上の手法。
2
豊島区街づくり推進条例に基づき、街づくりに関する勉強会や計画づくり等の自主的な活動を行っている団体への支援実績。
3
池袋駅(JR、西武鉄道、東武鉄道、東京メトロ(丸の内線・有楽町線))の一日あたりの乗降者人員。減少傾向に歯止めをかけ現状
維持を図る。
122
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
1
2
3
秩序ある市街地更新
個性ある快適なまちづくり
池袋副都心の再生 重点施策
1
1
1
2
3
4
4
1
2
3
4
活力ある地域拠点の整備
○既存重要A事業
●施設建設事業
事 業 名
◎地区計画推進事業
○街づくり団体支援事業
◎池袋副都心再生プラン推進経費
◎南池袋二丁目地区街区再編まちづくり推進事業
●東池袋四丁目地区市街地再開発事業(第1地区)及び補助
175 号線管理者負担金
●東池袋四丁目地区市街地再開発事業(第2地区)及び補助
175 号線管理者負担金
◎大塚駅周辺整備事業
●大塚駅南北自由通路の整備
●東長崎駅自由通路等の整備
●東長崎駅駅舎改善整備
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
1
秩序ある市街地更新
2
個性ある快適なまちづくり
3
4
池袋副都心の再生
活力ある地域拠点の整備
1
2
3
4
5
6
7
8
9
1
2
3
1
1
事 業 名
建築審査会運営
建築紛争予防調整
電波受信障害解消事業
福祉のまちづくり推進事業
違反建築物取締事業
建築確認審査
街づくりホームページの作成
都市計画審議会運営
土地取引の規制に関する事務
アメニティ推進事業
統合新財団に対する助成経費
公衆便所維持管理
東長崎駅周辺整備調査経費
1 秩序ある市街地更新
1-1-1 ◎地区計画推進事業
都市整備部
【事業内容】都市計画法第 12 条の5に基づく地区計画制度により、一定の地区に対し、地区の実情に応じたルール
(用途制限、建物の高さ制限、壁面線の後退等)を都市計画決定手続等を経て法的に担保し、運用する。
【今後の方向性】地区計画は地域特性を生かした街づくり手法であり、区民の街づくりや景観等に対する関心の高ま
りを受け今後その必要性が一層増大すると考えられる。
前
期(18∼22 年度)
事業量
2 地区都市計画決定・1地区土地所有者等の意向
調査及び策定検討
事業費(百万円)
6
123
後期(23∼27 年度)
3地区の都市計画決定
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
2 個性ある快適なまちづくり
1-2-1 ○街づくり団体支援事業事業
都市整備部
【事業内容】
「豊島区街づくり推進条例」に基づき、街づくりの推進を図る活動を自主的に行う団体に、街づくりの
専門家の派遣や団体運営経費の助成等の支援を行う。
【今後の方向性】今後、共同建替えや地区計画の申出など、区民の自主的な街づくり活動は一層活発になると予想さ
れ、当該条例に基づく、街づくり団体の活動に対する支援の申出はさらに増えていくものと考えられる。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
各年度 コンサルタント派遣3団体・団体運営経
費助成3団体
事業費(百万円)
3
各年度 コンサルタント派
遣3団体・団体運営経費助
成3団体
3 池袋副都心の再生
1-3-1 ◎池袋副都心再生プラン推進事業
都市整備部
【事業内容】池袋副都心地区の再生を目的とし、本地区における自動車、歩行者、公共交通(LRT等)の交通体
系のありかたを検討する。また、池袋副都心地域全体の魅力を高めるため、体系的かつ計画的な個別の建築物の
更新促進策及び政策的誘導策として、地区計画制度を導入する。
【今後の方向性】交通体系のあり方調査を行うとともに交通管理者等と協議し、課題の解決を図っていく。平成 17
年度には「池袋駅周辺と主要街路の沿道」の地区計画、18年度以降には同地区中の劇場通り一部沿道、グリー
ン大通りに高さの最高限度等の導入に向けて検討に入る。
前
期(18∼22 年度)
事業量
対象全地区の地区計画について都市計画決定・運
用開始・交通計画関連調査
事業費(百万円)
69
後期(23∼27 年度)
交通計画関連調査
1-3-2 ◎南池袋二丁目地区街区再編街づくり推進事業
都市整備部
【事業内容】「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」(平成 15 年 10 月施行)の街区再編街づくり制度を利用して、
敷地の統合や行き止まり道路の付替えなどを行いながら、共同建替え等の街づくりを進めることにより、魅力ある
街づくりの実現を図る。
【今後の方向性】南池袋二丁目の環状 5 の 1 号線沿道地区では、この制度に基づき、平成 16 年 12 月に街づくりのガ
イドラインとなる「街並み再生方針」を策定した。今後は街区等での話し合いを進め、合意形成の整ったエリアから、
この方針に基づき都市計画の手続き、事業の着手を図っていく。
前
期(18∼22 年度)
事業量
事業計画の策定、基本設計、工事
事業費(百万円)
0
後期(23∼27 年度)
推進
1-3-3 ●東池袋四丁目地区市街地再開発事業(第 1 地区)・補助 175 号線管理者負担金
都市整備部
【事業内容】地下における公共通路や広場を整備し、既存の地下歩行者空間の補完、体系化を図る。また、壁面線
の後退による歩道状空地や広場、緑地等を整備し、地区周辺環境の向上を図る。さらに、副都心関連交通を円滑
に処理するため、都市計画道路補助 175 号線を整備するとともに区画道路を整備し地区周辺の交通利便性の向上
を図る。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
共同施設整備費等補助、道路工事費
3,472
124
後期(23∼27 年度)
―
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
1-3-4 ●東池袋四丁目地区市街地再開発事業(第2地区)・補助 175 号線管理者負担金
都市整備部
【事業内容】敷地の高度利用により、周辺部に緑地・緑道を設け、隣接する既存の都市計画公園(日之出町公園)と
連続性のある緑のネットワークを形成し、豊かな歩行者空間を創出するとともに、地下の歩行者用通路を設置する
ことにより、地下の歩行者ネットワークを整備する。首都圏における業務都市にふさわしい自立性のある職住近接
の都市づくり及び少子高齢化に対応した都市型住宅を整備し、都心居住の推進を図る。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
土地整備費等分担金、建物等補償費
事業費(百万円)
―
6,569
4 活力ある地域拠点の整備
1-4-1 ◎大塚駅周辺整備事業
都市整備部
【事業内容】大塚駅の南北自由通路と駅改良に続く事業として、自転車駐車場の整備、バスバースやタクシーベイの再
編を伴う駅前広場の整備、都電とのアクセス整備を行い、歩行者や自転車の安全性の向上を図り、駅周辺の商業活性
化を図る。
【今後の方向性】大塚駅周辺整備に関する調整会議を活用し、今後の事業内容、整備手法を検討し、事業化へと進め
ていく。検討にあたっては東京都や JR 東日本と調整を密にし役割分担を明確化する。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
調整会議の運営・広場等設計委託
事業費(百万円)
推進
5
1-4-2 ●大塚駅南北自由通路の整備
都市整備部
【事業内容】現在、JR 大塚駅は南北の駅前広場を結ぶ通路がなく、人の流れが分断されてしまう状況である。駅舎の
バリアフリー改修工事と一体となった自由通路を、
「都市再生交通拠点整備事業」
(国庫補助)を活用して整備し、
歩行者の利便性と回遊性の向上を図る。また、この自由通路整備が周辺整備活性化の起爆剤となり、駅を核とする
周辺地域の総合的な整備につなげていく。
前
期(18∼22 年度)
事業量
工事
後期(23∼27 年度)
幅員 14m、延長 30m
事業費(百万円)
―
2,885
1-4-3 ●東長崎駅自由通路等の整備
都市整備部
【事業内容】西武池袋線東長崎駅は階段のみの橋上駅舎で利用しにくく、駅前も広場がなく安全性や防災の面で課題
を抱えている。これを「駅・まち一体改善事業」(国庫補助)を利用し、以下の整備を行っている。1.南北自由通
路新設(1)自由通路の設置 (2)既設建物等解体工事 (3)仮設工事
整備
(2)既設建物等解体工事
前
期(18∼22 年度)
事業量
南北自由通路整備(エスカレータ 2 基、EV2 基)・
駅前広場整備
事業費(百万円)
671
2.駅前広場新設(1)駅前広場
後期(23∼27 年度)
―
1-4-4 ●東長崎駅駅舎改善整備
都市整備部
【事業内容】「駅・まち一体改善事業」(国庫補助)を活用し、以下の整備を行っている。1.駅舎改善整備 (1)橋
上駅舎等鉄道施設の設置
(2)仮設工事 (3)ホーム拡幅及び線路工事
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
エレベーター1 基・エスカレータ 2 基、橋上駅舎
改修
事業費(百万円)
197
125
―
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
5-2 魅力ある都心居住の場づくり
■現状と課題
一貫して減少を続けていた本区の人口も、平成9年を底に増加に転じ、以降も微増傾向にあ
ります。世帯数も同様に増加しており、最も世帯数が多かった昭和50年と同程度の水準とな
っています。世帯類型別には、単独世帯と夫婦のみの世帯は増加していますが、夫婦と子の世
帯は一貫して減少を続けています。特に単独世帯が増加しており、一般世帯に占める単独世帯
の割合は新宿区・渋谷区と並び23区で最も高く、ファミリー世帯の割合は23区の中でも低
いものになっています。特に高齢単独世帯の増加が著しく、高齢単独世帯数は平成2年から1
2年までの10年で約2倍に増加しています。高齢者が安心して自立した生活を送るための住
宅の役割はますます重要になります。そのためにも、高齢者向けの住宅の利用環境が改善され
ることが必要です。
現在の住宅の状況(住宅ストック)に目を向けると、本区は民間借家の割合が高いことに特
徴があります。また、住戸面積30㎡未満の住宅が4割以上に及び、23区と比較して、著し
く狭小なものに偏っています。また、昭和50年代に大量に供給された分譲マンションが今後
10年間で築30年を経過することとなり、建替えの検討を始める必要があるマンションが急
激に増加することとなりますが、居住者の高齢化など、マンションの改築・建替えには様々な
障害があります。そのため、老朽化を向えるマンションの、大規模な改修や建替えを円滑に行
うための対策を講じる必要があります。また、住宅は居住者の生命身体、財産を守るという基
本的な性質があります。そのためにも、安全と安心性を向上させていくことが必要です。
高騰を続け、人口流出の要因となっていた地価はバブル期前の水準にまで降下し、都心部に
引き続き豊島区でも、分譲マンションの旺盛な供給が続いています。しかし、いわゆるワンル
ームマンションの供給が突出して多く、単独世帯の増加を招き、世帯構成のバランスに影響を
与えています。若い世代が住む都市としての性格を大切にしながらも、子育てファミリー世帯
の定住を促進し、バランスのとれた世帯構成を基盤とした活力あるコミュニティを形成するた
めにも、ワンルームマンションの過剰な供給を抑制し、多様で良質な住宅の供給を誘導してい
くことが必要です。
人口減少社会の到来、少子・高齢化の進行、経済の安定成長への移行、日本型の雇用慣行の
見直しなど現在は大きな変革期にあり、加えて地価の下落など住宅政策を取巻く状況は大きく
変化しています。国の「第八期住宅建設五ヵ年計画」や都の住宅マスタープランにおいては、
今後の住宅政策として、行政と民間における新たな役割分担と連携の下で、市場を通じた住宅
サービスの供給を基本とし、行政は市場の機能を十分に発揮させるよう市場の整備・誘導を図
るというソフト面に重点を置いた新たな政策への転換が図られています。
税収が大幅に増加することが望めない成熟社会にあっては、既存施策の延長線上で事業規模
の拡大を図ることは困難であり、持続可能な住宅施策へと再構築を図っていくことが重要です。
そのためにも、徹底した効率化や公平性の視点に立って、新たな発想で既存事業の見直しを図
っていくことが必要です。
126
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
■施策の方向
生活の拠点となる住宅の居住水準の向上や、良好な住宅ストックの形成に努めるとともに、市民の発
意によるまちづくり活動を支援し、身近な住環境の改善をすすめます。
①安心居住の仕組みづくり
高齢社会において、高齢者、障害者が住み慣れた地域で自立して暮らし続けることができるよう、
バリアフリー住宅やユニバーサルデザインのまちづくりに配慮した、安心居住の仕組みづくりを進
めます。真に住宅に困窮する世帯への区営住宅、福祉住宅の供給や高齢者に対する住替え家賃の助
成など、住み慣れた地域の中で暮らし続けていくことができるよう、居住に関するセーフティネッ
トを確保していきます。
②良質な住宅の供給誘導 重点施策
ライフステージに応じて円滑な住替えができるよう、多様な住宅ストックの形成を進めることに
より、定住するファミリー世帯を増やしていきます。また、ユニバーサルデザインや環境共生に対
応した質の高い住宅やバランスの取れた住宅ストックの形成誘導を図るため、住まいづくりを支
援・誘導していきます。
さらに、住宅地の特性や課題に応じ、将来像を明確にしながら暮らしやすい良好な住環境の整備
を誘導していきます。
【重点施策の選定理由】
ファミリー層を増やすためにバランスのとれた住宅ストックを回復させるとともに、ライフステージやライフサイクルに応じ
て、無理なく、良質な性能、住環境を備えた住宅を選択することが可能となる多様な市場の形成を誘導していくことが重要な施策
であると判断し、選定した。
■ 成果指標
指
1
標
名
最低居住水準未満の世帯の割合
現
状
持家 4.8%
借家 21.8%
(平成 10 年度)
2
住宅ストックバランスの割合
30 ㎡未満
50 ㎡以上
41.3%
32.9%
(平成 10 年度)
前期目標(平成 22 年度)
後期目標(平成 27 年度)
本年末に発表の「住宅・土地
解消に努める
統計調査」を踏まえ設定
30 ㎡未満
50 ㎡以上
35.6%
41.4%
30 ㎡未満
50 ㎡以上
30.0%
50.0%
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
健康で文化的な住生活に必要不可欠な水準として、豊島区住宅マスタープランに定める最低の居住水準。5 年に1度実施される「住
宅・土地統計調査」(総務省)による。平成15年の調査結果は平成17年12月頃発表される予定。豊島区住宅マスタープランでは、
最低居住水準未満の世帯をできるだけ早期に解消すると記載。
2
区内の全住宅における住戸面積 30 ㎡未満と 50 ㎡以上の割合。30 ㎡未満の割合を抑制し、50 ㎡以上の割合を高めていく。
127
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
■ 計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
1 安心居住の仕組みづくり
2 良質な住宅の供給誘導
重点施策
○既存重要A事業
●施設建設事業
1
2
3
4
1
2
3
事 業 名
◎区営住宅等維持管理
○高齢者等の入居支援事業
○住宅相談事業
●高齢者向け優良賃貸住宅の整備
○分譲マンション建替え・改修支援事業
○狭小住戸集合住宅税による狭小住宅の抑制
○良質な住宅ストックの形成誘導
1
2
3
4
5
6
7
8
1
2
事 業 名
あき家都営住宅地元割当登録者募集事務
ファミリー世帯住み替え家賃助成事業
安心住まい建築利子助成事業
安心住まい提供事業
区営住宅等維持管理(区立区民住宅管理経費)
区立区民住宅建設資金利子補給事業経費
高齢者世帯等住み替え家賃助成
住宅対策審議会の運営
住宅建設資金融資あっせん・利子補給事業
住宅修築資金融資あっせん・利子補給事業
【参考】
計画事業以外の事業
施策の方向
1 安心居住の仕組みづくり
2 良質な住宅の供給誘導
1 安心居住の仕組みづくり
1-1-1 ◎区営住宅等維持管理事業
【事業内容】
都市整備部
区民各層の様々なニーズに応じた賃貸住宅を管理し、安全で快適な住宅及び良好な住環境を確保し
て、区民共有のセーフティネットとして有効に機能することを目的としている。
【今後の方向性】①区営住宅は入居資格の適正、入居機会の拡大、受益者負担の適正化、②区営・区立福祉住宅は
借上げ賃料の適正化により経費の削減化、③家賃滞納対策、④指定管理者制度の活用など、⑤老朽化した住宅の
計画修繕を行い永続可能な制度の確立を目指す。
前
事業量
期(18∼22 年度)
管理・計画修繕
祉住宅 1210 戸
事業費(百万円)
区営住宅 1005 戸・区営・区立福
後期(23∼27 年度)
区営住宅 1,190 戸
区営・区立福祉住宅 1,059 戸
2,086
1-1-2 ○高齢者等の入居支援事業
【事業内容】
都市整備部
民間賃貸住宅の確保が困難な高齢者等に対して、賃貸住宅の情報の提供、身元保証等を通じて入居
支援を行うことにより、高齢者等の居住継続を図る。また、リフォームによるバリアフリー対応を促進するため、
情報提供を充実する。
【今後の方向性】
本事業に協力する不動産店と電話、FAX により、高齢者等の入居を受け入れる賃貸情報の収集、
提供を行い入居の支援を進める。また、インターネットを活用した賃貸情報の検索及び提供を進める。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
事業費(百万円)
住宅情報の提供 256 件
身元保証 60 件
3
128
住宅情報の提供 541 件
身元保証 60 件
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
1-1-3 ○住宅相談事業
都市整備部
【事業内容】住宅・不動産の売買、借地、借家等に関連する法令や制度に関する専門的相談に対応する機会を提供す
ることにより、消費者保護の観点から、住宅・不動産の適正な取引を支援する。また、住宅困窮者に対する公共賃
貸住宅の入居相談、各種住宅施策に関する相談、リフォーム等に関する相談等を受け付けることにより、住宅に
関する問題解決への支援を行う。
【今後の方向性】豊島区の住宅事情を考慮してマンション専門相談を実施する。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
相談 3,400 件
事業費(百万円)
3,900 件
2
1-1-4 ●高齢者向け優良賃貸住宅の整備
都市整備部
【事業内容】事業者(民間の土地所有者)に、高齢者が安心して住める賃貸住宅を建設してもらう。さらに、事業
者(民間の土地所有者)に対しては、建設費補助及び家賃対策補助を行う。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
千早1丁目地区 27 戸、その他 2 団地 30 戸
事業費(百万円)
3,315
推進
2 良質な住宅の供給誘導
1-2-1 ○分譲マンション建替え・改修支援事業
都市整備部
【事業内容】建替えか改修かの比較検討をする分譲マンションの管理組合に対して、財団法人東京都防災・建築ま
ちづくりセンターの実施する「分譲マンション建替え・改修アドバイザー制度」を活用し、支援する。
【今後の方向性】昭和 53 年以降に大量供給された分譲マンションが築 30 年を迎え、今後急激に老朽マンション数
が増加するため、建替えや改修への支援策に対するニーズが高まる。これを受け、再開発等も含めた事業化を支
援する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
助成 70 件
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
助成 100 件
17
1-2-2 ○狭小住戸集合住宅税による狭小住宅の抑制
都市整備部
【事業内容】狭小な住戸を有する集合住宅の建築を税により抑制し、良好な住宅の供給支援に税収を投入すること
により、ゆとりある住環境の実現をめざす。
【今後の方向性】税収は、毎年度、住宅基金に積み立てを行っていく。住宅基金の主な使途としては、区営住宅等
の大規模改修・建替えやファミリー・高齢者等に対する住宅施策の財源として活用する。社会経済情勢の推移等
を勘案のうえ検討を加え、条例の施行 5 年後に必要な措置を講ずる。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
事業費(百万円)
狭小住宅の抑制
*5 年後の見直し結果による
0
1-2-3 ○良質な住宅ストックの形成誘導事業
都市整備部
【事業内容】中高層集合住宅建築物の建築に関する条例や住宅性能表示制度を活用し、良質な民間住宅の供給誘導
を図るとともに、リフォームによるバリアフリー対応や住宅性能表示制度を促進させることにより、既存住宅の
質的向上を図る。
【今後の方向性】ユニバーサルデザインの考え方や環境共生に対応した質の高い住宅やバランスのとれた住宅スト
ックの形成誘導を図る。既存住宅における防災性能、防犯性の向上をめざす。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
事業費(百万円)
良質な住宅ストックの形成誘導
0
129
良質な住宅ストックの形成
誘導
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
5-3 交通体系の整備
■現状と課題
豊島区の道路整備の状況を市街地の成り立ちから見ると、区の西側では大正から昭和初期にか
け耕地整理事業など現在にはない法制度のもとで面整備が行なわれ、宅地と道路が形成されてい
ます。また、昭和20年代には、JR 駅周辺において土地区画整理事業が事業決定され、道路や公
園など公共施設と宅地とが一体なった街区整備が行なわれています。一方で、こうした都市計画
的な手法による整備が行なわれた区域以外は、明治期の田畑の区画割りや水路の跡をそのまま道
路網として活用されています。
こうした現状の中で、秩序ある道路ネットワークを形成していくために、都市計画道路の着実
な整備はますます重要となっています。
東京都区部の都市計画道路は、昭和 21 年に「戦災復興都市計画道路」の決定以来、現在
1,764km(区内11区間、5,960m)が都市計画決定しており、今後、12年間で優
先的に整備すべき路線である第三次事業化計画が策定され区内においては8区間、2,600m
が決定しています。
平成14年度末現在の豊島区内の都市計画道路整備状況は、放射線75.6%、環状線22.
8%、補助線等57.1%となっています。都市計画道路の整備はこれまで遅れていましたが、
この10年間集中的に整備が進み、放射9号線、環状4号線・5の1号線・6号線、補助81号
線・172号線・173号線・175号線・176号線が、平成18年度以降順次完成する予定
となっています。都市計画道路の完成により、交通環境の大きな変化が予測されることから、自
動車交通の円滑処理や駅周辺での歩行者空間の確保など、将来を見通した交通ネットワークづく
りが必要となっています。
また、区を取り巻く環境の変化をとらえ、道路整備の目指すべき方向として、交通アクセスの
向上はもとより、①渋滞の緩和による経済コストの改善や環境負荷の軽減、②災害時の延焼遮断
や緊急輸送ネットワークとしての都市防災機能、③快適性やゆとりが感じられる都市空間として
の機能、ユニバーサルデザインの推進など多様な価値観への対応などが上げられます。こうした
ことから、都市計画道路など新たな道路づくりを効率的に進めるとともに、一般の生活道路など、
これまで築き上げてきた既存の道路ストックを公共の財産と捉え、積極的に活用していく発想が
大切となっています。いまある道路を大切にし、区民生活の様々な場面において、安心・安全・
快適が提供していかれるよう的確な管理はますます重要となっています。
近年、手軽で利便性の高い自転車は、身近な交通手段であり、また、環境にやさしい乗り物と
して、都市交通の中での役割が期待されてきており、利用促進に向けて全国的に自転車利用環境
整備モデル事業が進められているなど、自転車の可能性は広がっています。その一方で、駅周辺
や繁華街などに放置されると、歩行者の妨げや都市景観を損なうだけでなく、緊急時の消防や救
急活動の障害にもなっています。駅周辺等での自転車駐車場確保を進めるとともに、自転車利用
のルール周知やモラルの向上などを含む放置自転車対策を進めていく必要があります。
違法駐車は、減少傾向にあるものの、幹線道路などにおける渋滞の原因として社会問題化して
います。都では、区との協動として違法駐車対策(スムーズ東京 21)を進め、区では、地域と連
携した啓発活動を継続的に展開しながら、違法駐車の増加を防いでいます。今後とも、民間企業
等の駐車施設の一般開放等の呼びかけなど、警察との連携を強化しつつ対策を講じる必要があり
ます。また、近年、大型バイクの路上駐車が目立って増加しており、その受け皿対策も必要にな
っています。
公共交通の整備では、地下鉄 13 号線が平成 19 年開通を目標に現在工事が進められています。
豊島区内の駅は雑司が谷駅設置に加え、東池袋地区への駅設置を東京メトロに要望しています。
地下鉄など他の交通機関の整備等に伴い、近年のバス事業は衰退の傾向にあります。高齢社会を
迎えて身近な公共手段として必要性、利便性は高くなっている一方、事業採算上バス路線の拡充
は期待できず、自治体の負担でのバス運行についても事業効率等の問題がある状況になっていま
す。
130
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
■ 施策の方向
歩行者、自転車、自動車とみどりなどが調和した道路空間となるよう整備し、体系的な道路網を形成
します。
また、既存の道路空間を有効に活用するため、道路空間を自動車から自転車やバス等の公共交通機関
へ再配分するなど、地域の住民や事業者、警察その他関係機関が一体となって、自動車交通に過度に依
存しない交通体系の確立をめざします。
①道路・橋梁の整備と維持保全
豊島区は、4 メートル未満の道路に接する住宅の割合が 23 区中トップの状況にあるなど、狭あい
な道路が多く、都市基盤が脆弱な状況となっています。
災害時の延焼遮断帯や避難路となる都市計画道路の整備をすすめるとともに、身近な生活道路を
地域の特性及びユニバーサルデザインに配慮しながら整備し、体系的な道路網を形成します。
また、歩行者や車両が安全で快適に通行できるよう橋梁の整備をすすめるとともに、踏切での歩
行者の利便性を向上するための立体横断施設を整備します。
②自転車・自動車対策の推進 重点施策
放置自転車や違法駐車による渋滞が社会問題化しています。また繁華街では荷捌き車両の停車が
交通の妨害になっています。
区民、事業所、行政が協力し、意識啓発をはじめとする自転車・自動車駐車対策を推進するとと
もに、交通安全対策を充実します。
一方、環境負荷が少ない自転車の特性を活用し、だれもが快適に安心して自転車に乗ることがで
きる環境を整備します。
③公共交通の整備
高齢化社会の進展、地球環境問題の視点から、公共交通の役割がますます大きくなっています。
営団地下鉄13号線の早期開通を図るとともに、身近な交通手段であるバス交通の利便性の向上
を関係機関と取り組んでいきます。
【重点施策の選定理由】
池袋や大塚など都内で有数の規模となる駅周辺の放置自転車等への対策は、安全・安心とともに、魅力あるまちづくりを推進する
豊島区にとって重要な課題であると判断し、選択した。区民評価でも、「②自転車・自動車対策の推進」のポイントが最も高い。
■成果指標
指
標
名
1
都市計画道路の整備率
2
放置自転車等の台数
現
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
状
56.7%
69.2%
76.0%
7,028 台
3,490 台
2,000 台
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
区内に都市計画決定されている道路延長のうち、完成した都市計画道路延長の割合。
(整備済距離数
延長距離数
2
23.4km/都市計画決定の総
41.3km)
区内各駅周辺に放置されている自転車(原動機付自転車を含む)の台数。
「駅周辺における放置自転車等の実態調査」(毎年度 10 月・
東京都生活文化局)による。
131
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
1
道路・橋梁の整備と維持保全
2
自転車・自動車対策の推進
1
2
3
4
5
6
7
1
2
3
4
5
1
重点施策
3 公共交通の整備
○既存重要A事業
●施設建設事業
事 業 名
◎区道の安心安全通行空間確保事業
○街路灯事業
●都市計画道路補助173号線の整備
●区道の整備
●学園通りづくり
●区道のバリアフリー化促進
●外語大跡地周辺道路の整備
○放置自転車等対策の推進事業
○自転車駐車場等管理運営事業
○(仮称)自転車等の利用に関する総合計画
●自転車利用空間ネットワークの整備
●登録制自転車置場の整備
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
1
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
道路・橋梁の整備と維持保全
11
2
12
1
2
3
1
自転車・自動車対策の推進
3 公共交通の整備
1
事 業 名
街路美化事業
屋外広告物取締
監察事務関係
公共用地境界測量事業
国道 17 号清掃モデル事業
地籍調査事業経費
道路維持事業
道路清掃、特定区域清掃事業
道路占用事務
道路台帳整備事業
法定及び法定外公共物実態
調査経費
私道排水設備助成事業
リサイクル事業
レンタサイクル事業
違法駐車等防止事業
道路・橋梁の整備と維持保全
1-1-1 ◎区道の安心安全通行空間確保事業
土木部
【事業内容】直営及び請負工事により、24時間体制で区道の道路陥没など道路施設の破損に対し維持管理、修復
を行う。
【今後の方向性】法律に基づく管理であり、区内経済・区民生活に直結する事務である。公共施設の管理について
区民の関心は非常に高く、今後、よりハイレベルな管理が求められる。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
事業費(百万円)
区道
総延長 283 キロ
総面積 1.6k ㎡
1,024
132
区道 総延長 283 キロ
面積 1.6k ㎡
総
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
1-1-2 ○街路灯事業
土木部
【事業内容】夜間における住民の安全を確保するため街路灯を設置し、点検・修理を行う。また、町会などが管理す
る防犯灯の維持管理に要する経費の一部を助成する。
【今後の方向性】安全・安心のまちづくりからも、街路灯の新たな設置を望む声が高くなっている。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
街路灯 13,459 基(平成 17 年度既設当初数)
事業費(百万円)
1,126
街路灯 13,459 基(平成 17
年度既設当初数)
1-1-3 ●都市計画道路補助 173 号線の整備
土木部
【事業内容】本路線沿道地区の池袋二・三丁目地区は、防災都市づくり推進計画の重点整備地域に位置付けられ、早
急に防災対策を講じる必要のある地域であり、本地域の防災上の強化を図るために、幅員18mの都市計画道路
の早期整備が有効である。あわせて、電線共同溝の推進や居住環境に配慮した質の高い道路空間の整備を行う。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
用地取得、設計、橋梁・道路築造
事業費(百万円)
4,891
推進
1-1-4 ●区道の整備
土木部
【事業内容】豊島区が管理する道路を、常に良好な状態に保つため、〔舗装の打ち替え・舗装の切削・路盤の改修・
排水施設の改修・路面標示等〕を行う。特にグリーン大通り、要町バス通り、池袋西口駅前広場等については、施
設の規模や利用度の大きさから、一般の区道とは比較にならない大規模な管理経費が必要であるため、当該路線か
らの収入(占用料等)の一部を基金として積立、当該路線の改修など維持管理経費に充当している。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
舗装改修・補修
事業費(百万円)
1,626
推進
1-1-5 ●学園通りづくり
土木部
【事業内容】池袋駅を利用している学生たちは、駅と学校との間を幹線道路(表通り)だけではなく、一歩街区の
中に入った路地といわれる区道を頻繁に利用している。こうした道路の中から、既に多くの学生が利用している
道路や今後整備によって利用しやすくなる道路について、ユニバーサルデザインをベースに「学園」をテーマに
加えながら、歩道の新設、舗装のカラー化、デザイン街灯、サインの設置等を行う。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
東池袋地区整備、西池袋地区調査・整備
事業費(百万円)
154
推進
1-1-6 ●区道のバリアフリー化促進
土木部
【事業内容】歩道や立体横断施設、駅前広場など、区が管理する公共施設のバリアフリー化する。主な事業内容
歩行者用通路の有効幅員2メートル以上の確保
勾配を1%以下にする
事業量
②歩道の透水性舗装化
④視覚障害者誘導ブロックの設置
前
期(18∼22 年度)
歩道改修
事業費(百万円)
109
③歩道等の縦断勾配を5%以下、横断
後期(23∼27 年度)
推進
1-1-7 ●外語大跡地周辺道路の整備
土木部
【事業内容】東京外国語大学跡地整備に伴う特別区道豊北 3 号の拡幅整備工事
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
事業費(百万円)
工事・台帳整備
―
41
133
①
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
2
自転車・自動車対策の推進
1-2-1 ○放置自転車等対策の推進事業
土木部
【事業内容】駅前広場や道路空間等の公共空間を占拠している大量の放置自転車を抑制し、その良好な環境の確保
及びその機能の低下の防止を図る。
【今後の方向性】自転車駐車場の確保を進めながら、その間、登録制自転車置場等の暫定的な置場の拡大により適
正駐車を促進するとともに、放置禁止区域の指定を順次行うことで、放置自転車を抑制する。また撤去自転車を
収容する自転車保管所を拡充し、放置自転車撤去活動の強化につなげる。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
各年度
箇所
事業量
自転車撤去 46,000 台 保管所 8
事業費(百万円)
893
23 年度 自転車撤去 50000 台、保管所 9 箇所
24 年度 自転車撤去 55,000 台 保管所 10 箇所
25 年度∼ 自転車撤去 60000 台 保管所 11 箇所
1-2-2 ○自転車駐車場等管理運営事業
土木部
【事業内容】自転車駐車場を適切に管理・運営することにより、利用者の利便を図るとともに、自転車の放置防止に寄
与する。
【今後の方向性】自転車駐車場等の利用者ニーズを的確に把握しながら、利用時間の適切な設定や設備等の改善など
を図り、利用率を高める方策を講ずる。また、平成 17 年度から巣鴨地区の自転車駐車場に導入した指定管理者制度
の効果を検証した上で、制度適用の拡大を図る。
前
期(18∼22 年度)
事業量
登録制置場 950 台増、駐輪場
向上 2.5 ポイントアップ
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
3200 台増、利用
推進
1,912
1-2-3 ○(仮称)自転車等の利用に関する総合計画事業
土木部
【事業内容】自転車利用の都市交通手段としての位置付けを明確にした上で、その適正利用や自転車駐車場の整備を
図るなど、計画的な放置自転車対策を進める。(自転車法第7条第1項に規定する法定計画)
【今後の方向性】
・平成18年3月に協議会の答申を受け、区は平成18年度当初に総合計画を策定する。計画期間は、
平成18年度から27年度までの10年間とする。総合計画策定の後は、計画の進行管理、施策の評価等の審議を
行うため、協議会を年2回開催する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
18 年度計画策定
各年度協議会 2 回開催
事業費(百万円)
5
後期(23∼27 年度)
各年度協議会 2 回開催
1-2-4 ●自転車利用空間ネットワークの整備
土木部
【事業内容】
「板橋区・豊島区自転車利用環境整備基本計画」(平成12年)に基づき、板橋区と豊島区を結ぶ自転車
利用空間ネットワークを形成する。劇場通りを、交通量・沿道の土地利用・幅員構成等の現況を踏まえて3分割し、
各区間における整備内容については、沿道町会・商店会を主とした調整協議会の場で検討する。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
地元協議・設計・工事
事業費(百万円)
212
―
1-2-5 ●登録制自転車置場の整備
土木部
【事業内容】①巣鴨駅北口において、買物等自転車利用者の短時間駐車需要に対して、コイン式自転車置場を設置
する。②区内駅周辺で放置自転車問題の解決を急いでいる区域において、問題の量や質、態様等を検討した上で、
本格的な自転車駐車場の整備をする必要はありながらすぐに整備できない場合や整備するほどではない場合、広
い歩道等を活用した暫定的な登録制自転車置場を整備する。
前
期(18∼22 年度)
事業量
事業費(百万円)
調査検討・設置工事
後期(23∼27 年度)
―
32
134
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
5-4 災害に強いまちづくりの推進
■現状と課題
平成 7 年の阪神・淡路大震災以来、鳥取県西部、芸予、十勝沖、福岡県西方沖、宮城県沖と各
地で規模の大きい地震が発生しています。なかでも、平成 16 年の最大震度6強となる新潟県中
■現状と課題(事務局案)
越地震は死傷者多数と住宅被害 12 万棟に及ぶ甚大な被害をもたらしました。また、毎年台風の
通過に伴い、各地で記録的な集中豪雨が人々の生活に深刻な影響をもたらしています。
このような、災害の教訓に学び、災害発生時に被害を最小限に食い止めることができる「減
災社会」を実現していくことが求められています。そのためには、行政や関係機関の応急活動
を充実強化するとともに、区民一人ひとりや地域コミュニティ等あらゆる主体が災害に対し「自
助」「共助」「公助」を実行できるよう、日頃からそれぞれの「備え」を実践していく必要があ
ります。
「自助」は、個々人が行う事前対策であり、被害の減少に大きく役立つものです。区民一人
ひとりが、住宅の耐震診断やそれに基づく耐震補強、家具の転倒防止、最低限の水・食料の備
蓄などの必要性を充分に理解し、実践することが求められています。
近隣住民の助け合いである「共助」は、発災直後の救出・救護やその後の復興に不可欠なも
のです。その中心を担う地域防災組織の本区における組織率は100%ですが、母体となる町
会・自治会への加入者の減少や組織役員の高齢化などから、地域コミュニティは希薄化の傾向
にあり、防災面からも地域力の回復が求められています。
このような中にあって、高齢者や障害者など災害要援護者の地域における支援体制の確立や、
地縁の団体と事業所、各種NPO、ボランティア団体との協動関係の構築などが求められてい
ます。また、小中学生等に対する防災教育の充実も、地域防災の新たな担い手を育成するため
の重要な課題となっています。
行政が果たす「公助」については、区はこれまで災害時に避難所となる小中学校に、情報伝
達、医療救護、給食、宿泊という4つの機能を持たせ、救援センターという形で整備を進めて
きました。さらに、多様な団体と災害時応援協定を締結するなど、応急活動体制の充実に努め
てきており、今後も、発展させていく必要があります。
また、災害時における全ての活動態勢の基礎となるものは、迅速かつ的確な情報の収集伝達
です。その中核となる災害情報システムや防災無線については、常に時代の先端技術を導入す
るなど、整備、更新していく必要があります。
また、区内の道路状況は、面的基盤整備が実施された地区が少ないため、狭あいな道路がひ
ろく分布しています。これらの地域では、環境面の悪化とともに、円滑な消防活動や震災時の避
難活動が懸念されます。建築物の建替え時に4メートル道路を確保するよう継続的に狭あい道
路の拡幅を推進してゆく必要があります。
都市における大雨時の浸水被害も指摘されています。平成 12 年 9 月の東海豪雨では、時間最大
114 ミリ降雨が観測されており、東京でも同様の豪雨による浸水被害が予測されていました。平
成 17 年 9 月 4 日深夜、中野区・杉並区周辺を襲った集中豪雨は時間最大 112 ミリを観測してお
り、杉並区では善福寺川の氾濫により床上・床下合計 2,166 件、昭和 33 年 9 月狩野川台風に次ぐ
戦後 2 番目の水害が発生しています。豊島区内を流れる神田川は、善福寺川の下流となります
が、環状七号線調整池など上流域での雨水貯留施設や、豊島区総合グランド地下の雨水調整池な
どによる河川流域全体での総合的な治水対策が進められています。しかしながら、現在、東京都
で進められている浸水対策は、河川改修、下水道整備ともに、整備目標が時間最大降雨は 50 ミリ
を想定しており、100 ミリを超える集中豪雨に対しては、まだまだ浸水発生を想定したハード・
ソフトの対策が必要となっています。
防災性の高い都市構造の確立、地区レベルで取り組む防災まちづくりの推進や都市型水害対
策などの安全なまちづくりの推進が主な課題となっています。
そして、災害に強いまちづくりを推進するためには、区民、事業者、行政が一丸となって、
ハードとソフトの両面から、減災社会の実現を図っていくことが何より重要です。
135
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
■施策の方向
区民のだれもが安心して日常生活を送り、災害などが発生しても市民の安全が守られる安心、安
全の都市づくりをすすめます。また、区民生活を脅かすさまざまな災害等に対し、機動的かつ横断
的に対応できる危機管理体制の強化を図ります。
①防災行動力の向上と連携
「協働のまちづくりに関する区民意識調査(平成17年3月実施)」によると、区民の約4割が
防災対策に力を入れてほしいと答えています。
今後、防災意識の普及啓発をすすめるとともに、「自らのまちは自らの手で守る」ため地域防災
組織をより一層充実させていきます。
また、防災ボランティアをはじめ各種ボランティア団体との協動や既存の地域防災組織との連携
を強化し、地域の防災行動力の向上を図ります。
②応急・復興活動を円滑に行う体制の整備
災害時に効率かつ効果的に応急活動を実施するため、災害対策本部機能や備蓄・防災資機材等を
充実させるとともに、医療機関や消防・警察などの防災関係機関相互の連携を強化します。また、
近隣自治体や地方都市との防災協定をすすめ、広域的な相互支援体制を構築します。
さらに、区内の各種団体との防災協定をすすめ、復旧・復興を迅速かつ着実に推進できる体制を
整備します。
③災害に強い都市空間の形成 重点施策
区内の住宅密集地域では、狭あい道路や行き止まり道路が多く、4m、6m以上の道路が不足し
ていることから、震災時の延焼による大規模火災が懸念されます。
災害による被害を最小限にとどめるため、木造住宅密集地域内の都市計画道路については、早期
整備を図り、道路整備と併せて沿道地区の不燃化や狭あい道路の改善を行います。
また、地域住民の生命を守るため、避難道路や避難場所、救援センターの安全性の確保等に努め
ます。
④総合治水対策の推進
近年1時間に100ミリを超えるような集中豪雨による都市型水害が発生し、大きな被害をもた
らしています。
そこで、河川等の整備や雨水流出抑制対策を総合的に推進し、治水機能の向上を図ります。
【重点施策の選定理由】
木造住宅密集市街地が広く分布する豊島区においては、大地震による被災が想定されており、災害に対する安全性向上が、都
市再生にとって重要な課題であると判断し、選定した。
区民評価でも、
「③災害に強い都市空間の形成」のポイントが高い。
136
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
■成果指標
指
標
名
1
防災訓練参加者数
2
木造密集地域の不燃領域率
現
状
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
11,603 人
46.7%
53.0%
60.0%
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
住民、区、関係機関が一体となって実施する防災訓練への参加者数。近年の参加者数はよこばい状態にあるが、23 区中 5 位の数
値である。減災社会実現にむけて自助、共助意識を高めていく必要があるので、参加者を減少させない努力が必要。
2
居住環境総合整備事業を行っている東池袋、染井、上池袋、南長崎、池袋本町の各地区における不燃領域率の割合。
*
不燃領域率は、地域内における道路、公園などオープンスペースや燃えにくい建物が占める割合をもとに算出するもので、ま
ちの燃えにくさを表す指標。
137
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
1 防災行動力の向上と連携
2 応急・復興活動を円滑に行う体制の整備
3 災害に強い都市空間の形成 重点施策
4 総合治水対策の推進
1
1
1
2
3
4
5
6
7
8
9
1
○既存重要A事業
●施設建設事業
事 業 名
◎地域防災組織育成運営事業
○災害対策本部及び通信システム整備
◎居住環境総合整備事業(東池袋4・5丁目地区)
◎居住環境総合整備事業(池袋本町地区)
○居住環境総合整備事業(染井霊園周辺地区)
○居住環境総合整備事業(上池袋地区)
●居住環境総合整備事業(東池袋4・5丁目地区)
●居住環境総合整備事業(染井霊園周辺地区)
●居住環境総合整備事業(上池袋地区)
●優良建築物等整備事業
●狭あい道路拡幅整備事業
◎風水害・雪害対策事業
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
1 防災行動力の向上と連携
2 応急・復興活動を円滑に行う体制の整備
3 災害に強い都市空間の形成
1
2
3
4
5
6
7
1
2
3
4
5
6
7
1
2
3
4
5
6
7
4 総合治水対策の推進
事 業 名
街頭消火器等維持管理
区立中学校普通救命講習関係経費
消防団等運営助成関係経費
総合防災訓練
防災フォーラム
防災思想普及・意識啓発経費
防災指導員関係経費
閉庁時における災害情報連絡業務及び受付業務
応急活動態勢整備
救援センター整備関係経費
災害医療救護体制整備関係経費
災害応急対策
備蓄物資の整備及び施設維持管理
防災会議・地域防災計画
建築防災(耐震関係)事業(被災建築物応急危険度判定事業
含む)
まちづくり施設管理員介護保険料
まちづくり推進建築資金融資あっせん事業
居住環境総合整備事業(アゼリア東池袋住宅維持管理経費)
居住環境総合整備事業(南長崎2・3丁目地区)
雑司が谷防災緑道支援事業
防災生活圏促進事業(池袋本町、南池袋地区)
1
138
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
1 防災行動力の向上と連携
4-1-1 ○地域防災組織育成運営事業
総務部
【事業内容】災害時に地域における応急救助活動が円滑に行え、被害を最小限に食い止めることができるよう、防
災関係機関等との協動のもと実践的な防災訓練の実施や、補助を行う。
【今後の方向性】地域防災組織が幅広い年代層で構成され、自主的な計画により訓練が実施されていくことを目指
す。
前
期(18∼22 年度)
事業量
地域防災組織 130 団体、市民消火隊 6 隊、水防協
力隊3隊
事業費(百万円)
99
後期(23∼27 年度)
維持
2 応急・復興活動を円滑に行う体制の整備
4-2-1 ◎災害対策本部及び通信システム整備事業
総務部
【事業内容】災害時における応急活動の指針となる災害・防災情報の収集・管理・分析し、災害対策本部に提供す
るとともに、被災者の避難誘導、情報提供のためのシステムを整備する。
【今後の方向性】迅速かつ正確に情報を収集・分析するために最新の総合防災情報システムを構築する。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
デジタル無線導入 422 局
事業費(百万円)
推進
898
3 災害に強い都市空間の形成
4-3-1 ◎居住環境総合整備事業(東池袋4・5丁目地区)
都市整備部
【事業内容】木造住宅等の密集や公共施設(道路・公園等)の未整備などにより、地区の防災性や住環境に大きな
問題を抱え、その住環境の向上改善を重点的に行うべき地区において、事業化に向けた調査、地区まちづくり協
議会の活動支援、良質な不燃建築物への建替え促進を図る
【今後の方向性】補助 81 号線、防災道路 B・C 路線整備にあわせ、地区計画や新防火規制制度、街区再編制度など都
市計画の手法により規制と緩和を行い、老朽住宅の建替えを促進することにより、防災性の向上、住環境の改善を
図る。実施期間
昭和 58 年度から平成 19 年度(事業延伸予定)
前
期(18∼22 年度)
事業量
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
19.2ha
19.2ha
118
4-3-2 ◎居住環境総合整備事業(池袋本町地区)
都市整備部
【事業内容】地区内に居住する住民及び関係者等と協動し、既存の区有財産等を有効に活用しながら地区の防災性
の向上を目的とし、併せて日常の居住環境の向上を目指して有効な施策・計画を立案し実行するため、事業の導
入を図り効率的なまちづくり推進する。
【今後の方向性】公園等公共施設の整備を図るとともに、良好な住環境の維持改善を目的に地区計画策定を目指す。
あわせて、新防火規制制度の導入や都市計画の手法による規制と緩和を行い、老朽住宅の建替えを促進することに
より、防災性の向上を図る。実施期間 平成 17 年度∼26 年度(事業延伸予定)
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
事業費(百万円)
63.6ha
63.6ha
103
139
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
4-3-3 ○居住環境総合整備事業(染井霊園周辺地区)
都市整備部
【事業内容】木造住宅等の密集や公共施設(道路・公園等)の未整備などにより、地区の防災性や住環境に大きな問
題を抱え、その住環境の向上改善を重点的に行うべき地区において、事業化に向けた調査、地区まちづくり協議会
の活動支援、良質な不燃建築物への建替え促進を図る
【今後の方向性】公園等公共施設の整備を図るとともに、良好な住環境の維持改善を目的に地区計画策定を目指す。
あわせて、新防火規制制度の導入や都市計画の手法による規制と緩和を行い、老朽住宅の建替えを促進することに
より、防災性の向上を図る。実施期間 平成元年度から平成 20 年度(事業延伸予定)
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
53.1ha
53.1ha
事業費(百万円)
46
4-3-4 ○居住環境総合整備事業(上池袋地区)
都市整備部
【事業内容】災害時の安全性、住環境の改善を図るため、公園等の整備によるオープンスペースの確保、道路の拡幅
整備による避難路・ミニ延焼遮断帯の確保、及び老朽木造住宅の建替え促進による街の不燃化を推進する事業。ま
ちづくり協議会の活動支援などを行う。
【今後の方向性】公園等公共施設の整備を図るとともに、良好な住環境の維持改善を目的に地区計画策定を目指す。
あわせて、新防火規制制度の導入や都市計画の手法による規制と緩和を行い、老朽住宅の建替えを促進することに
より、防災性の向上を図る。実施期間 平成 3 年度から平成 17 年度(事業延伸予定)
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
67.1ha
事業費(百万円)
67.1ha
38
4-3-5 ●居住環境総合整備事業(東池袋 4・5 丁目地区)
都市整備部
【事業内容】東池袋 4・5 丁目地区(居住環境総合整備事業)整備計画に定める防災道路 3 路線(A.B.C)中の
一路線である「BC 路線」の前期路線の拡幅整備事業として実施。
前
期(18∼22 年度)
事業量
用地買収・設計・整備
事業費(百万円)
824
後期(23∼27 年度)
―
4-3-7 ●居住環境総合整備事業(染井霊園周辺地区)
都市整備部
【事業内容】染井霊園周辺地区(居住環境総合整備事業)整備計画に定める主要生活道路B路線の拡幅整備事業。こ
の整備により、緊急車両のスムーズな侵入、災害時の救援センターである駒込小学校へのアクセスの確保、通常時
の歩行者の安全の確保、消防活動困難地域の解消を図るものである。
6前
期(18∼22 年度)
事業量
用地取得・道路拡幅整備
事業費(百万円)
889
後期(23∼27 年度)
推進
4-3-7 ●居住環境総合整備事業(上池袋地区)
都市整備部
【事業内容】街区の南北に位置する幅員 8m を超える道路をつないでいる現況幅員 2.7m の区道の幅員を 6m に拡幅
整備するものである。この整備により地域の衛生、通風、採光等の居住環境を改善し、また出火等の際には消防
活動が容易に行えるものとなる。さらに大規模な災害時に有効な避難経路が確保されることで地域の防災性の向
上に多大なる貢献を果たすものとなる。広場については、前述の道路に面して位置することから救援センターで
ある池袋第一小学校と道路を有効につなぐ役目として機能することが期待される。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
広場・歩道の整備、路線調査及び用地買収
事業費(百万円)
188
4-3-8 ●優良建築物等整備事業
―
都市整備部
【事業内容】民間事業者による優良な集合住宅の供給誘導。①土地の共同化を図り、健全で合理的な土地の高度利用
を行う、②オープンスペースの整備による周辺環境の改善、③老朽建築物の機能更新、地域の防災性の向上など、
地域の課題に応え、生活再建を構築した事業である。
140
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
前
事業量
期(18∼22 年度)
共同施設整備費等補助
事業費(百万円)
132
後期(23∼27 年度)
―
4-3-9 ●狭あい道路拡幅整備事業
都市整備部
【事業内容】道路幅員4mに満たない道路を、建築行為にあわせて道路の中心線から 2m 後退した部分を整備して
、
幅員4mを確保することにより、安全で快適な住環境の実現を目指すもの。具体的には、①事前協議、現場立会い
による道路中心線の決定、②事前測量、③整備工事 ④かど敷地の整備工事 ⑤事後測量 ⑥助成金の交付がある。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
助成
事業費(百万円)
2,556
推進
4 総合治水対策の推進
4-4-1 ◎風水害・雪害対策事業
土木部
【事業内容】大雨、台風等による道路冠水及び河川の洪水等から区民の生命・財産を保護する。
【今後の方向性】水位警報システムについて老朽化による破損箇所の修繕を計画的に推進する。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
事業費(百万円)
水位警報システムの更新・保守点検
92
141
維持
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
5-5 身近な安心と安全の確保
■現状と課題
近年、それまで想像もしなかったような犯罪がニュースを賑わすことが多くなっています。
ピッキングによる侵入窃盗、新手の詐欺、情報ネットワークを利用した犯罪、残虐な事件など
犯罪の巧妙化、凶悪化が進んでおり、区民の日常生活での不安が増大しています。
平成16年における豊島区内の刑法犯認知件数は、10,798件で、23区での件数で比較
すれば8番目に位置しています。
豊島区は、鉄道駅を中心に繁華街が形成され、その後背地に住宅地域が広がっています。犯
罪もそれぞれの地域特性に応じて、人が多く集まり、酔客も多い繁華街では置き引きや傷害、
万引き、自転車盗などの被害が、住宅地域ではひったくりや侵入窃盗などの被害が発生してい
ます。
平成 16 年に豊島区で発生した刑法犯
乗物盗
22%
その他
45%
※その他はひったくり、
車上ねらい、強盗、詐欺、
器物損壊など
粗暴犯
5%
侵入窃盗
7%
置引き
11%
万引き
10%
警視庁調べ
区では、区民が安心して暮らせるまちづくりのために、地域と連携した環境浄化活動や防犯
意識の啓発活動を進めています。また、地域でも治安回復への機運が高まる中、自分達の力で
環境浄化を促進し、犯罪の発生に歯止めをかけようと各地域で防犯パトロール隊を結成し、防
犯活動を続けています。
さらに、警察でも平成16年に池袋西口地区の繁華街に街頭防犯カメラを設置し、24時間
体制での防犯監視活動を開始しました。
一方、豊島区は、明治通りや川越街道、目白通りなど、交通量の多い幹線・準幹線道路と、
住宅地域の補助的道路・生活道路で構成され、平成16年の時点で道路延長は、304kmに
及んでいます。
平成16年に豊島区で発生した交通人身事故は1,765件であり、23区の件数で比較すれ
ば15番目に位置しています。
豊島区の交通事故は主に、明治通りなど幹線道路の交差点での車両相互によるものが多く、
死傷者の事故時の状況では、乗用車による事故が最も多く、次いで自転車、二輪車、歩行者の
順になっています。
豊島区では、交通弱者である歩行者、特に子どもや高齢者、障害者を事故から守るため、交
通安全施設を整備するとともに、警察や学校、地域団体等と協力して、広く交通安全の啓発活
動を実施しています。
地域の安全を守っていくためには、地域住民が自主的に防犯や交通安全に取り組んでいける
ような区民、事業所、関係団体などとの協動のしくみづくりを進め、さらに活動を活発化させ
ていくことが必要です。
142
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
■
施策の方向
日常生活における身近な安全や安心を確保するため、区民、事業者、警察その他関係機関と連携
して、区民の自主的な防犯・事故防止活動の支援、犯罪や事故などを未然に防ぐまちづくりをすす
めます。
①治安対策
重点施策
区内では、ひったくり、置き引き、侵入窃盗等の事件が多く発生し、住民の日常生活への不安が
解消されない一方、「風俗無料案内所」が急増し、区のイメージにも損失を与えています。
犯罪のない、だれもが安心して暮らせるまちを実現するため、地域住民や各種団体、事業者、警
察その他関係機関との連携により、地域の安全活動に取り組みます。
②交通安全対策
平成7年と16年を比較すると、区における交通事故死亡者は減少しているものの、交通事故発
生件数及び負傷者数は増加しており、約 2.0 倍になっています。特に、自転車乗車時の事故負傷者
が増えているのが特徴です。
急速な高齢化の進展と、ノーマライゼーションの考え方も広がり、道路の機能改善が求められて
います。また、通称「交通バリアフリー法」の制定により、自治体の役割は大きくなりました。
児童や生徒などの通学路安全対策、高齢者や障害者の安全性を確保するため、区民、事業所、行
政などが協力し、交通安全対策をすすめます。
【重点施策の選定理由】
近年、相次ぐ犯罪への不安解消は、都市問題の中でも最重要課題の一つである。都市再生を進める上で「まちの安全・安心の
確保」は最も基本的な課題であると判断し、選定した。区民評価でも、
「①治安対策」のポイントが最も高い。
■成果指標
指
標
名
現
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
状
29 団体
1
防犯パトロール団体数
2
犯罪発生件数
10,798 件
3
犯罪の不安がなく、安心して暮らせ
ると考える区民の割合
4
交通事故発生件数
区民 8.8%
団体 10.5%
1,765 件
(平成 17 年 9 月現在)
(平成 16 年)
130 団体
160 団体
8,298 件
5,798 件
1,675 件
1,590 件
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
治安回復のための、地域住民による自主的な防犯パトロール隊の数
2
区内の刑法犯罪発生件数
3
「協働のまちづくりに関する区民意識調査」(平成 17 年 3 月実施)の割合
4
区内の道路において、車両(自転車などの軽車両を含む)、路面電車、列車の交通によって起こされた人の死亡又は負傷を伴なう事
故数。
143
5.人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
1 治安対策 重点施策
2 交通安全対策
○既存重要A事業
1
1
事 業
◎地域安全対策事業
◎交通安全施設整備事業
1
1
2
危機管理関係経費
交通安全対策事業
歩行者路網対策経費
●施設建設事業
名
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
事
1 治安対策
2 交通安全対策
業
名
1 治安対策
5-1-1 ◎地域安全対策事業
総務部
【事業内容】区民が安心して暮らせるまちをつくるために、防犯パトロール、携帯電話への安全情報配信、区民団体
へのパトロール用資材支援、区立学校への防犯カメラ設置などの治安対策を実施する。
【今後の方向性】治安対策は区単独では限界があるため、区民や地域団体と協力しながらパトロールなど効果的な治
安対策のあり方を検討しつつ継続していく。
前
期(18∼22 年度)
事業量
防犯パトロール
事業費(百万円)
1,825 日
後期(23∼27 年度)
推進
88
2 交通安全対策
5-2-1 ◎交通安全施設整備事業
土木部
【事業内容】区道の交通安全を図るため、道路標識、街路灯、ガードレール、転落防止柵等の交通安全施設の設置及
び維持管理を行う。
【今後の方向性】道路反射鏡、街路灯等の新設は抑制し、現状を維持する。
前
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
事業量
事業費(百万円)
反射鏡 2125 本
道路標示 259km 防護柵 44km
106
144
反射鏡 2125 本 道路標示
259km 防護柵 44km
6.魅力と活力にあふれる、にぎわいのまち
6
魅力と活力にあふれる、にぎわいのまち
145
6.魅力と活力にあふれる、にぎわいのまち
6-1 都市の魅力による集客力の向上
■現状と課題
豊島区は、商業、業務機能が集中した副都心池袋を核として、巣鴨、大塚、駒込など、それ
ぞれの地域が歴史と文化に彩られた特色をもち、商工を中心とした産業とともに発展してきま
した。ランドマークであるサンシャインシティを中心に、百貨店、映画館、文化・教育施設、
行政に至る幅広い都市機能が集積した池袋をはじめ、今も芸術家たちが多く住む目白・長崎界
隈、古くからの商業地域として栄え、中高年を中心に大きな集客力を誇る巣鴨や、伝統のある繁
華街の名残りをとどめる大塚、園芸の里として江戸時代からの歴史と閑静な住宅地域の顔を持
つ駒込など、多彩な生活者の姿にあふれています。さらに、区内には、一日約 270 万人の乗降客
が集中する首都圏の一大交通拠点であるターミナル池袋を中心に、各方面を結ぶ鉄道が 5 社 12
路線あり、区民や来街者の利便性の高い交通機能を有しています。
しかしながら、昼間人口の減少や、区内全駅で JR 駅の乗降客の減少傾向、小売業の年間販
売額の減少が進み、副都心としての活力低下や、中心市街地での空洞化現象など地域全体の地
盤沈下が懸念されています。これは、景気低迷による影響や、消費者ニーズの多様化に加え、
汐留地区やお台場地区など近年開発が進む地域との都市間競争に遅れをとるなどの理由が考え
られます。また、意識調査によると、「汚い」「治安が悪い」など、まちの魅力を損なうイメー
ジの存在も少なくありません。人々が魅力を感じ、多くの人が訪れる魅力あるまちづくりを通
じ、賑わいと魅力のある都市の形成を目指していくことが必要となっています。
池袋副都心の都市再生に加え、中心市街地の魅力・活力を高め、魅力と賑わいの創出が求めら
れています。区は、平成 17 年 3 月には、古くからの商業地である巣鴨・大塚地区を商業の活性
化及び市街地整備に総合的に取り組むことを目的とした「豊島区中心市街地活性化基本計画」
を策定しました。区内有数の商業集積地である巣鴨・大塚地区の市街地の整備改善事業や商店
街等の活性化のための事業により、商業、歴史、文化など多様な顔をもつ中心市街地としての
機能を強化し、求心力の回復する取組みです。
また、賑わいと魅力あるまちづくりにとって、観光まちづくりによる取組みも重視されてい
ます。観光は、21 世紀のリーディング産業として、その経済波及効果とともに、地域の活性化
にとって大きな役割を果たすものとして期待されています。
平成 16 年 3 月には観光振興による地域の活性化を目的に「豊島区観光振興プラン」を策定し
ました。区内には、池袋地域を拠点として、目白、巣鴨、駒込など、地域ごとに、商業・娯楽、
文化・芸術、イベント・祭り・寺社・建造物など多彩な観光資源が存在しています。また、国
際化の進展を背景に、観光に対する関心も高まっています。特に、豊島区は、国内・国外を問
わず、多くの人々が集まる都市交流の結節点となっています。文化交流・経済交流を通じ、人
と人との交流を大切にするまちとして、豊島区のブランド(価値)を高めていくことも重要で
す。
新たな観光資源の発掘、観光情報の発信、観光まちづくり基盤整備などの多様な取組みによ
り、都市イメージアップと集客力の向上を図るとともに、ホスピタリティを高め、誰もが訪れた
いと思える魅力あふれる観光まちづくりによる地域の再生を目指します。
146
6.魅力と活力にあふれる、にぎわいのまち
■施策の方向
JR池袋駅の乗降客が他の副都心に比べ減少傾向にあるなど、区全体の地盤沈下が懸念されます。
人々が魅力を感じ、多くの人が訪れる都市を実現するため、それぞれの個性を生かし、ハード、
ソフト両面での整備を促進します。
①にぎわい魅力商工都市の形成 重点施策
商業統計調査によると平成 14 年の区の卸売・小売業の販売額は、この 5 年間で 2.8%の減少と
なっています。
人々が魅力を感じ、多くの人が訪れる都市を実現するため、にぎわいの中心である池袋の活性化
とイメージアップを図ります。また、区内の各地域の商業拠点における集客の拡大を図ります。
②観光まちづくりの推進
区内JR駅の年間乗車人員を見ると、他区の駅に比べ、減少率が大きくなっています。
芸術と文化に彩られた独自の歴史を持つ区として、多様な目的を持った内外のビジター(訪問者)
を快く受け入れ、楽しさと満足、やさしさと親しみが感じられる都市をめざします。
③都市交流の推進
豊島区は、これまで内外の都市とのさまざまな交流を積極的に進めてきました。
これまで培ってきた各都市との交流を区の魅力の向上につなげるとともに、多くの外国人が住
み、暮らす特性を生かし、国際的な交流都市としての取り組みを進めます。
【重点施策の選定理由】
集客力ある、魅力ある都市を実現には、地域経済活性化の拠点となる池袋を中心とした区内市街地の整備、商業・業務機能の強化、
求心力の回復が必要であるため、魅力ある商工都市形成の取組みが重要であると判断し、選定した。
■成果指標
指
標
名
1
小売業年間販売額
2
テレビや新聞などで、豊島区をイメ
ージアップする情報がよく紹介さ
れると考える区民の割合
現
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
状
百万円
861,260
百万円
861,260
百万円
861,260
(平成 13 年度)
区民 16.4%
団体 26.0%
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
商業統計調査による区内小売業の年間販売額。年間販売額は減少傾向にあり、今後、減少に歯止めをかけ、現状を維持すること
を目指す。
2
「協働のまちづくりに関する区民意識調査(平成 17 年 3 月実施)
」の割合。
147
6.魅力と活力にあふれる、にぎわいのまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
事
1 にぎわい魅力商工都市の形成
2
重点施策
観光まちづくりの推進
○既存重要A事業
業
1
◎中心市街地活性化事業
1
○観光情報センター整備事業
●施設建設事業
名
【参考】
計画事業以外の事業
施策の方向
事
業
名
1
にぎわい魅力商工都市の形成
1
観光案内標識整備推進事業(旧トシマーク整備推進助成)
2
観光まちづくりの推進
1
観光情報発信事業経費
2
観光振興プラン推進経費
3
観光振興事業
4
中心市街地観光事業
5
副都心魅力店舗出店支援事業
1
都市交流推進事業
3
都市交流の推進
1 にぎわい魅力商工都市の形成
1-1-1 ◎中心市街地活性化事業
商工部
【事業内容】巣鴨・大塚地区を中心市街地と定め、TMO 構想策定・景観整備事業・拠点施設整備事業など商業の活性
化と市街地の整備改善を図る事業を実施する。
【今後の方向性】商業の活性化事業は、地域商店街、区等が設立した株式会社の主導により事業展開を進める。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
構想策定、事業
事業費(百万円)
推進
582
2 観光まちづくりの推進
1-2-1 ○観光情報センター整備事業
商工部
【事業内容】池袋駅東口交番跡地を活用し、治安機能を兼ね備えた観光情報センターの整備・運営を行う。
【今後の方向性】センターの運営は、当面、観光協会への業務委託により行うが、将来的には、一部業務における「区
民観光ガイド」等のボランティアの活用について検討を進める必要がある。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
センター利用者
54 万人
139
148
後期(23∼27 年度)
推進
6.魅力と活力にあふれる、にぎわいのまち
6-2 産業振興による都市活力創出
■現状と課題
経済の長期低迷、少子高齢化、IT 化の進展、環境問題などにより、区の産業を取り巻く環境
は、大きく変化しています。この変化を背景として、豊島区の産業も事業所数の減少など様々
な影響が生じています。豊島区の産業は、大半が 300 人以下の中小企業であり、産業別には卸・
小売業が約半数を占めています。全事業所数のうち、約4割、従業員の約5割が池袋地域とな
っています。また、小売業の年間販売額の約 8 割が池袋地域です。豊島区の産業は、中小企業
が中核として重要な役割を果たし、その事業活動は池袋地域に集中しています。
厳しい経営環境を反映して、平成 8 年から平成 13 年の間、小売業の商店数が約 1 割減少して
います。業種別の事業所数では、概ねすべての業種が減少していますが、特に製造業が 2 割強
の減少となっています。また、地域の商店街も、大型店の出店、価格競争の激化による集客力
の低下、後継者難などもあり、転廃業が増加し、衰退傾向にあります。商店街は、地域のにぎわ
いを形成するまちの活力の拠点でもあり、地域の人々の生活の充実に密接に結びついています。
まちの魅力の創出には、商店街の活性化が大きな原動力となります。
一方、IT の急速な普及などに対し、新たな課題も生じています。区内の情報サービス業の全
産業に占める割合は、2.4%で、東京都全体の 1.4%に比較しても高いものとなっています。今後、
高度情報化に対応する取組みや事業展開が重要となっています。また、市民生活の多様化に伴
い、ボランティア活動や NPO への参加促進を背景として、新たなコミュニティビジネスへと発
展していく例が増加しており、新たな創業・起業活動に対する支援が必要となっています。
豊島区では、平成 16 年 3 月「人・交流・にぎわい商工都市」の形成を目標に、
「産業振興計画」
を策定しました。特に、商業業務核として、池袋の魅力を高め、活力の維持を図り、豊島区の
産業全体への波及効果を目指します。都市の魅力と活力を高める豊島区の産業の特性や特徴を
活かした産業振興による街づくりが求められています。
また、IT 化の進展、環境問題などの社会環境の変化は、企業活動の積極的な事業展開や多様
化をもたらし、消費者にとって、生活の利便性や個性豊かなライフスタイルをもたらす反面、
新たな消費者問題を生じさせています。消費者からの相談件数は、東京都・区市町村では、毎年
増加しており、特に、豊島区でも、キャッチセールスや、サラ金・ヤミ金の相談に加え、インタ
ーネットを含む通信関係の相談が年ごとに増加しており、近年は、相談者の若年化の傾向が見
られます。消費者を取り巻く環境の変化に対応して、相談体制を整備することはもちろん、消
費者が被害にあわず、よりよい生活を営むための情報と学習の機会を提供することで、消費者
権利の実現を支援することが求められています。そのためには、地域の警察や司法関係団体、消
費者団体や教育機関との連携・役割分担にとどまらず、企業との関係構築を進めることも重要
となっています。
149
6.魅力と活力にあふれる、にぎわいのまち
■施策の方向
事業所統計調査によれば、この 10 年間で、20%、約 5,200 の事業所が減少するなど、区の地域経済
は極めて厳しい状況にあります。
人口の集中と多様な機能が集積する特性や特徴を生かした産業の振興、育成を図り、都市の魅力と活
力を創出します。
①新たなビジネス展開の支援
IT化の急速な進展を受け、IT関連産業の伸びが顕著となっています。
産業活力のバロメーターともいえる開業率の向上をめざし、人材育成、起業環境の整備、定着の
促進などをすすめます。また、NPO、社会福祉法人等によるコミュニティビジネスを支援します。
②地域産業の活性化 重点施策
地域における商店街の活性化を図るため、空き店舗対策、バリアフリー対応施設整備、IT活用
など個店、商店街が取り組む活性化事業を支援します。
また、商店街や地域が一体となって取り組む商業イベントを支援します。
さらに、製造業の再生を図るため、同業・異業種交流の促進、取引範囲の拡大支援、融資制度の
充実などを実施します。
③消費者権利の実現支援
近年、区の消費生活相談の件数が増加傾向にあります。
適切な相談が受けられるよう体制を整備するとともに、消費生活に関する必要な情報と消費者教
育の機会を提供することにより、消費者の権利を実現し、その自立を促進します。
【重点施策の選定理由】
区内産業の活性化にとって、地域産業の核である地域商店街や、中小企業に対する支援が重要であると判断し、選定した。
区民評価でも、
「②地域産業の活性化」のポイントが高い。
■成果指標
指
1
起業相談件数
2
区内事業所数
標
名
現
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
状
385 件
20,069 件
(平成 13 年度)
450 件
500 件
21,000 件
22,000 件
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
中小企業相談件数のうち、起業に関する相談件数。区内地域で新たに開業しようとする創業・起業者を支援するため、起業に関
する相談件数の増加を目指す。
2
事業所統計による区内事業所数。現在、減少傾向にある事業所数の増加を目指す。
150
6.魅力と活力にあふれる、にぎわいのまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
事
○既存重要A事業
業
名
1
新たなビジネス展開の支援
1
◎創業起業推進事業
2
地域産業の活性化 重点施策
1
◎中小企業経営支援事業
2
◎地域商業環境再生事業
3
◎地域経済活性化事業
4
◎健康づくりモデル浴場構想策定事業
5
◎中小企業事業計画策定支援事業
6
◎商店街景観創造事業
7
◎空き店舗対策事業
8
◎商店街コミュニティ施設整備支援事業
9
○中小企業相談・指導事業
10
○商工団体区民活動補助事業
1
○消費者情報提供及び被害防止事業
2
○消費生活相談事業
3
○消費者教育事業
3
消費者権利の実現支援
●施設建設事業
【参考】
計画事業以外の事業
施策の方向
事
業
名
1
新たなビジネス展開の支援
1
中小企業情報提供事業
2
地域産業の活性化
1
勤労者・文化・レクレーション事業
2
勤労者福祉サービスセンターに対する人件費補助
3
勤労者福祉サービスセンター運営助成・広域化検討経費
4
勤労福祉会館維持管理
5
勤労福祉会館維持管理経費(公社分)
6
公衆浴場運営支援
7
公衆浴場経営改善費助成経費
8
受発注・企業情報交換会開催経費
9
商店街いきいき販売促進事業支援経費
10
商店街にぎわいイベント事業支援経費
11
商店街ふれあい施設整備事業支援経費
12
商店街活動基盤強化事業
13
商店街振興助成
14
商店街装飾灯維持補助経費
15
中小企業情報提供事業
16
都市型新産業立地構想策定事業
17
内職あっせん事務経費
18
豊島区中規模小売店舗立地調整審議会運営経費
151
6.魅力と活力にあふれる、にぎわいのまち
3
消費者権利の実現支援
1
消費者団体連絡会運営経費
2
計量器事前調査及び家庭用品・電気用品立ち入り検査
3
商品テスト室運営経費
4
消費者だより発行事業経費
5
消費生活センター来訪者向けパソコン運営経費
6
消費生活展事業経費
7
生活産業プラザ管理運営
1 新たなビジネス展開の支援
2-1-1 ◎創業起業推進事業
商工部
【事業内容】起業を目指す人の相談体制を整える。企業関連情報の提供、融資相談など総合的な起業支援システム
の構築。
【今後の方向性】創業にたどり着けるよう、産学連携支援や講座・研修会などの機会づくり。企業関連情報の提供、
融資相談、オフィス情報、経営・会計相談など、総合的な起業支援のシステムを構築。
前
事業量
期(18∼22 年度)
講座開催50回・延べ参加者数約2千名
事業費(百万円)
5
後期(23∼27 年度)
推進
2 地域産業の活性化
2-2-1 ◎中小企業経営支援事業
商工部
【事業内容】区内中小零細事業者の減少をくいとめるため、経験豊かな経営者 OB による、創業支援・経営全般の相
談事業を行う。
【今後の方向性】実施状況及び利用者の声等を聞き毎年見直していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
企業 OB 750 件、金融・株式 100 件、講演会 10
回
推進
事業費(百万円)
5
2-2-2 ◎地域商業環境再生事業
商工部
【事業内容】NPO 法人「ゼファー池袋まちづくり」が地域商店街と連携して実施する、商工まちづくりの取り組みに
対して、都補助金を活用して支援する。
【今後の方向性】平成18年度:池袋西口地区再生計画事業の実施。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
50
2-2-3 ◎地域経済活性化事業
商工部
【事業内容】商店街振興組合連合会への補助をするとともに、新たな豊島カードに向けた調査研究を実施する。ま
た、商工振興施策を効果的に実施するための「商工振興条例」を制定し、その普及及び商工振興懇話会を設置す
る。
【今後の方向性】クレジット包括契約の普及及び実施のための補助金を交付する豊島区独自カードの研究産業振興
条例の制定及び普及産業振興懇話会の設置
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
推進
後期(23∼27 年度)
推進
6
152
6.魅力と活力にあふれる、にぎわいのまち
2-2-4 ◎健康づくりモデル浴場構想策定事業
商工部
【事業内容】健康づくり事業を積極的に行う公衆浴場経営者に対して、事業にかかる経費等の一部負担を行う。
【今後の方向性】公衆浴場を地域における健康づくりの拠点として活用し、介護予防事業などへの展開を図る。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
19
2-2-5 ◎中小企業事業計画策定支援事業
商工部
【事業内容】区内の中小事業者が円滑に金融機関から融資を受けられるように、事業経営計画の策定を支援する。
中小企業診断士、会計士、税理士による相談、指導により事業計画書の策定を支援する。
【今後の方向性】実施状況及び利用者の声等を聞き毎年見直していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
300件
事業費(百万円)
推進
18
2-2-6 ◎商店街景観創造事業
商工部
【事業内容】統一したイメージに基づく店舗外装整備(統一看板の設置など)により、街の景観を洗練されたもの
に改装し、街の魅力とイメージのアップを図ることを目的とする。
【今後の方向性】JR池袋駅を中心とした商業施設の景観創造事業を、他のJR駅周辺の商業拠点地区にも広げ、商
業基盤の整備と集客力の向上を図る。必要に応じて商工部に登録しているコンサルタントを委託して計画を策定
する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
工事費
後期(23∼27 年度)
10件・計画策定 5件
事業費(百万円)
50
推進
2-2-7 ◎空き店舗対策事業
商工部
【事業内容】商店会の空き店舗を活用することにより商店街を賑いのあるものとし、商店会の活性化を図る。
【今後の方向性】各商店街の空き店舗に意欲的な物販店又は飲食店などの事業者を誘致していく。必要に応じて商
工部に登録しているコンサルタントに委託して計画を策定する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
改修工事
5件・家賃補助
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
5件
21
推進
2-2-8 ◎商店街コミュニティ施設整備支援事業
商工部
【事業内容】商店会の空き店舗をコミュニティ施設として活用することにより、地域とのコミュニティの場を設置
し、商店街の賑いと活性化を図る。
【今後の方向性】各商店街の空き店舗にNPOとの協動によるコミュニティ施設を開設していく。必要に応じて商
工部に登録しているコンサルタントを委託して計画を策定する。開設したコミュニティ施設が、地域のプラット
ホームとして取り組まれているか、検証していく。
前
事業量
改修費
期(18∼22 年度)
5 件、家賃
事業費(百万円)
16 件、計画策定 5 件
37
2-2-9 ○中小企業相談・指導事業
後期(23∼27 年度)
推進
商工部
【事業内容】中小企業の経営安定のため商工相談員による相談、中小企業診断士による経営診断を行う。
【今後の方向性】実施状況及び利用者の声等を聞き毎年見直していく。
153
6.魅力と活力にあふれる、にぎわいのまち
事業量
前
期(18∼22 年度)
相談
25,000 件、経営診断 200 件
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
41
推進
2-2-10 ○商工団体区民活動補助事業
商工部
【事業内容】区内商工業の振興・発展を目的とした事業を実施する団体に対し、事業経費の一部を助成する。事業
関連講習会・研修会・異業種交流会(産業協会)ザ・ニシがもメッセ(豊島法人会西巣鴨支部)地場産業振興助
成金(印刷関連業協会)
【今後の方向性】16年度までは、商店街も含めた商工団体への補助であったが、17年度からは、商店街と区別
する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
講習会・研修会・異業種交流会等
事業費(百万円)
8
推進
3 消費者権利の実現支援
2-3-1 ○消費者情報提供及び被害防止事業
商工部
【事業内容】サラ金・ヤミ金等の高金利・多重債務及び悪質商法の被害からの一般消費者の救済、消費生活相談員、
弁護士による特別相談、悪質商法等に関する情報提供、「悪質キャッチセールス追放キャンペーン」を実施する。
【今後の方向性】ヤミ金・サラ金特別相談の一般区民・事業者への周知を図ることで、より広い範囲での被害の救
済・支援活動を行い、かつ受け皿となる弁護士等のネットワークの強化を目指す。また、地元商店会・町内会等
との協力関係を深め、より効果的に被害の未然防止、啓発活動を行う。
前
事業量
期(18∼22 年度)
相談件数
1,500 件、キャンペーン
出張講座
100 回
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
5回
推進
27
2-3-2 ○消費生活相談事業
商工部
【事業内容】区民が消費生活を営む上で生じる苦情や疑問に答え、不当に受けた被害から公平・迅速な救済を図る。
また、被害の未然防止を目的とした一般区民への啓発を行い、関係機関との連携を深める。
【今後の方向性】東京都・国民生活センターと協動し、民間団体及び企業との関係も築きつつ、消費者の立場に立
った問題解決を図っていく。また、情報提供等の各事業との連携をとりつつ、一般区民の被害の未然防止・早期
解決に向けた啓発活動を行っていく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
相談件数 5,000 件
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
77
2-3-3 ○消費者教育事業
商工部
【事業内容】生活をとりまく様々な生活知識や消費者問題を講座等で取り上げ、よりよい生活が実現できるよう知
識の普及啓発、生活の見直しを考える一助とし、自立し行動する消費者を育成する。
【今後の方向性】区民が安全で快適な消費生活を営むことができるよう生活を巡るさまざまな生活知識や問題をテ
ーマとして各講座等で取り上げながら知識の普及啓発や生活改善が図れるよう区民・NPO 等の協同を積極的に活
用しつつ、消費者育成を充実する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
消費生活講座、消費者学校、子ども生活体験、団
体育成講師派遣
6
154
後期(23∼27 年度)
推進
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
7
伝統・文化と新たな息吹が融合する
文化の風薫るまち
155
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
7-1 文化によるまちづくりの推進
■現状と課題
江戸時代の豊島区地域は、大都市江戸に隣接しているという地理的条件から、野菜類や季節
の花木類を栽培し、それらを江戸市中に向けて販売する、という江戸の近郊農村として発展し
てきました。そして、明治時代以降、鉄道の敷設や道路の整備とともに急激に都市化が進み、
商工業地域と住宅地域とが混在する現在の姿へと大きく変貌を遂げてきたのです。
このような歴史的経緯を持つ豊島区には、自由学園明日館、法明寺鬼子母神堂、雑司が谷旧
宣教師館、金剛院山門、旧江戸川乱歩邸土蔵、長崎獅子舞、富士元囃子といった有形無形の文
化遺産をはじめ、多くの芸術家たちが若き日を過ごした「池袋モンパルナス」、戦前期の大衆文
化を支えた大都映画撮影所、江戸川乱歩が「少年探偵団」などを執筆した旧宅、現在のマンガ
文化の源流となった手塚治虫らが創作活動を行った「トキワ荘」跡など、それぞれの時代を創
ってきた多様な文化的事跡や旧跡が存在しています。
豊島区の持つこれらの多様な文化資源は、区内各地域に暮らす区民共通のアイデンティティ
(同一性・連帯感)の形成に資するものです。しかし、豊島区は居住者の転出入が多く、単身
世帯が増加している反面、ファミリ−世帯が減少しており、地域の伝統の継承が難しくなって
います。また、地域の伝統文化について十分知られていない状況もあります。
今後、地域固有の文化資源を大切に保存継承し、積極的に地域活動の取り組みや新しい文化
活動に活用していくことで、今までにない新たな地域活性効果を生み出していきたいと考えて
います。同時にこれらの文化資源の魅力を様々な手段で内外に発信することで区外からの来街
者の誘引にも効果を生み出すことが期待されます。
一方、現在区内には映画館、劇場、演芸場、博物館、プラネタリウム、水族館、書店、出版
業、印刷関連業、芸術教育産業、服飾・デザイン産業などの各種文化関連産業が集積している
ほか、公設の文化関連施設として、東京芸術劇場、豊島公会堂、社会教育会館、図書館、郷土
資料館などがあり、区民や来街者の文化活動を誘引するとともに、その受け皿となっています。
今後、区民の幅広い文化的なニーズに応えるとともに、まちの活性化や魅力あるまちづくり
に寄与するためには、これら文化活動の担い手である産業を今以上に活発化していかなければ
なりません。
豊島区には大切にすべき、古い伝統文化が多数ある一方で、発展を続ける街として、新しい
文化も生み出しつづけています。区内には劇場の数も多く、
「池袋演劇祭」の開催地でもあり「劇
場都市」として、区の文化の一端を担ってきました。
現在、東池袋四丁目地区に「東池袋交流施設(仮称)
」を建設しています。ここを拠点として、
新たな作品の創造をはじめ、舞台芸術の担い手育成と区民への芸術普及を図るとともに、区内
の様々な文化資源と双方向に連携しながら、地域コミュニティの活性化と創造性の向上に取り
組み、新たな文化創造の発信地にしていきます。
156
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
■施策の方向
文化は人の心を豊かにし、人々の生活や環境に革新をもたらします。区内の各地域において、多
様な主体による創造的な文化的活動が活発に行われるとともに、まちづくりや産業、福祉、教育、
環境、青少年育成など諸分野の施策と結びついて、区全体が活力をもって発展することをめざしま
す。
①文化によるまちの活性化 重点施策
豊島区固有の文化資源の再発見と保護に努め、その積極的な活用を図るとともに、文化関連産
業等の活性化を支援します。
また、芸術・文化はもとより、まちづくりや産業、観光、教育、子ども施策等、豊島区らしさ
を大切にしながら、総合的な文化政策を推進し、地域を活性化させていきます。
さらに、文化を基軸とした地域コミュニティの形成と促進を図りながら、区民一人ひとりが暮
らしの中に豊かさや潤いを見出すことのできる活力あるまちづくりをめざします。
②新たな芸術・文化の創出
区内には、池袋モンパルナスをはじめ、児童文学、演劇、マンガ文化など文化・芸術活動の歴
史や多くの文化資源が点在しています。
こうした文化資源や文化・芸術活動を相互に結びつけ、それぞれが関連をもち、影響しあいな
がら新しいものが創出される仕掛けをつくります。
また、さまざまな分野との交流による相乗効果を発揮させるとともに、他都市・地域との文化
交流を積極的にすすめます。
■成果指標
③伝統文化の継承
豊島区には歴史に裏づけられた文化資源が数多く存在します。芸術作品や文化財、文化・芸術
活動、まちのにぎわいなど、さまざまな文化資源の魅力をわかりやすく伝える工夫を行いながら、
区の内外に発信していきます。
また、地域に根付き、育まれてきた伝統文化の保存・継承に努めるとともに、地域のまつりや
イベントを支援していきます。
【重点施策の選定理由】
固有の伝統文化や新たに創造される文化資源を核として、まちづくりや産業、観光、教育、子ども施策など、豊島区
らしさを大切にしながら総合的な文化政策を推進することが地域の活性化にとって重要であると判断し、選定した。
■成果指標
指
標
名
1
東池袋交流施設(仮称)入場者数
2
歴史的文化財や文化資源が保存・活
用されていると考える区民の割合
現
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
状
(平成 19 年度開設)
97,000 人
116,000 人
区民 18.3%
団体 19.4%
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
東池袋四丁目再開発ビル内に舞台芸術を中心に区民の交流と文化創造の拠点として平成 19 年度に開設する施設の入場者数
2
「協働のまちづくりに関する区民意識調査(平成 17 年 3 月実施)
」の割合
157
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
1 文化によるまちの活性化
事
重点施策
2 新たな芸術・文化の創出
3 伝統文化の継承
○既存重要A事業
業
●施設建設事業
名
1
◎文化芸術による創造のまちづくり事業
2
○文化資源の保護と活用事業
1
◎東池袋交流施設(仮称)開設準備事業
2
●東池袋交流施設(仮称)の整備
1
◎雑司が谷旧宣教師館管理運営事業
2
◎郷土資料館運営事業
3
◎伝統工芸振興事業
4
○としま区民芸術祭実施助成(民俗芸能inとしま)事業
1
文化財資料調査室の管理
2
埋蔵文化財の発掘調査
3
赤い鳥児童文学賞実施助成
4
文化都市宣言記念事業
5
豊島区ロケーションボックス事業
1
池袋西口公園野外ステージ活用事業
2
姉妹都市との文化交流事業
1
郷土資料館の管理運営
2
郷土資料館区民利用の情報基盤の整備
3
としま区民芸術祭「としま能の会」実施助成
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
1
事
文化によるまちの活性化
2
新たな芸術・文化の創造
3
伝統文化の継承
業
名
1 文化によるまちの活性化
1-1-1 ◎文化芸術による創造のまちづくり事業
文化担当部
【事業内容】地域において文化活動展開の担い手となる人材や団体を育成するため、区、NPO団体、としま未来
財団等が連携して、区内の大学や文化施設等の協力を得ながら、実践的な講習会、ワークショップ等を開催する。
【今後の方向性】文化政策の推進には、文化を担う人材の育成が不可欠であるため、継続して実施していく。本事
業は17∼18年度の文化庁の「文化芸術による創造のまちづくり支援」対象事業である。
19年度以降は、国の動向を見ながら事業を継続する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
団体育成延 10 事業、シンポジウム 5 回
ボランティア育成 15 講座
推進
30
158
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
1-1-2 ○文化資源の保護と活用事業
教育委員会
【事業内容】文化財に区民が親しむ機会を拡大し、文化財保護・活用のために文化財保護審議会の開催、文化財講
座の開催、パンフレット発行、案内板の設置、文化財登録・指定、保護のための補助金交付、埋蔵文化財発掘調
査などを行う。
【今後の方向性】文化財のPR活動に努め、区民の学習・文化活動を支援するとともに、発掘調査で出土された遺
物等を広く区民に公開する機会を設定していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
22
2 新たな芸術・文化の創出
1-2-1 ◎東池袋交流施設(仮称)開設準備事業
文化担当部
【事業内容】
「東池袋交流施設(仮称)
」の開館に向けて、開館記念事業の企画、パンフレット作成、P
R、利用受付、自主事業の企画などの準備業務を平成17∼19年度で実施する。
【今後の方向性】専門性の高い事業者を指定管理者として、施設の管理運営、事業運営に関する良質の
企画を実施する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
事業企画、広報・PR、受付
事業費(百万円)
14
後期(23∼27 年度)
―
1-2-2 ●東池袋交流施設(仮称)の整備
文化担当部
【事業内容】東池袋四丁目再開発事業により建設されるライズアリーナビル内に、舞台芸術の上演や独自の舞台作
品作り、文化・芸術の担い手育成、文化・芸術に触れながらの区民交流を行うことによって豊島区の文化の創造・
発展と池袋副都心のにぎわいを演出するための施設として建設中。平成 19 年度オープンを予定。
前
事業量
期(18∼22 年度)
工事、保留床購入費支払い
事業費(百万円)
2,512
後期(23∼27 年度)
―
3 伝統文化の継承
1-3-1 ◎雑司が谷旧宣教師館管理運営事業
文化担当部
【事業内容】都の指定有形文化財である建物の保存に努めるとともに、地域にゆかりのある「赤い鳥」にちなんだ
図書コーナーの設置、「おばあちゃんのお話会」「赤い鳥コンサート」などの事業を実施している。
【今後の方向性】文化政策推進のための貴重な文化資源であるので、更なる事業内容の充実発展を検討していく。
前
事業量
期(18∼22 年度)
開館日数
後期(23∼27 年度)
約 1,450 日
展示会・講座開催
事業費(百万円)
約 100 回
推進
27
1-3-2 ◎郷土資料館運営事業
文化担当部
【事業内容】区民及び来館者に豊島区の歴史、文化を紹介し理解を深めていただくために、豊島区に関する貴重な
郷土資料を収集・整理・保存するとともに、調査・研究・展示、講座の開催、刊行物の発行を行う。
【今後の方向性】老朽・狭あい化していく施設のあり方を検討しつつ、蓄積している郷土資料・情報を今後の文化
政策及び地域の活性化に活用していく。
159
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
前
事業量
期(18∼22 年度)
開館日数
展示会、講座等
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
約 1,250 日
125 回
推進
30
1-3-3 ◎伝統工芸振興事業
商工部
【事業内容】後継者難や企業規模の零細性ゆえに衰退傾向にある伝統工芸品産業の育成発展を図る。
【今後の方向性】NPO 等との協動による伝統工芸進行について検討する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
伝統工芸展開催、伝統工芸団体支援、伝統工芸士
認定
推進
事業費(百万円)
9
1-3-4 ○としま区民芸術祭実施(民俗芸能inとしま)事業
文化担当部
【事業内容】区内に伝わる民俗芸能の継承を支援するため、豊島区指定無形民俗文化財である「富士元囃子」「長崎
獅子舞」のほか近隣地域や姉妹都市、友好都市の民俗芸能公演を開催する。
【今後の方向性】貴重な文化の保存・継承を図るため、としま未来文化財団が主体となって事業を継続する。
前
事業量
事業費(百万円)
公演
期(18∼22 年度)
5回
後期(23∼27 年度)
推進
21
160
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
7-2 芸術・文化の振興
■現状と課題
平成13年12月、
「文化芸術振興基本法」が施行され、地域特性に応じた文化芸術振興施策
の実施が地方公共団体の責務であるとされました。
豊島区民が身近に触れることができる芸術・文化の状況を見てみますと、池袋を中心に、東
京芸術劇場をはじめとして、劇場、演芸場、映画館、博物館、水族館、豊島公会堂など芸術・
文化を鑑賞するための施設が集積しており、各施設が鑑賞者に対し、魅力ある芸術・文化を提
供しています。
豊 島 区 内 の 主
施 設 数
9
画 館
10
場 ・ 演 劇 ス タ ジ オ
1
芸 場
2
術 館
種 別
映
劇
演
美
な 文 化 施 設 数
種 別
博 物 館
資 料 館
水 族 館
プ ラ ネ タ リ ウ ム
施 設 数
3
3
1
1
平 成 1 5 年 文 化 デ ザ イ ン 課 調 べ
また、住民や各種団体が主体的に参加する芸術・文化関連の催しとして、
「としま区民芸術祭」、
「池袋演劇祭」などがあります。
その他、日常的に行われる個人や地域団体の芸術・文化活動は、地域の公共施設等を活動の
舞台としてこれまでも活発に行われてきましたが、近年、NPO法人が地域に拠点を持ち、芸
術活動を通して地域住民と交流する活動も始まってきています。
芸 術 ・ 文 化 活 動 団 体 数
絵
文
書
音
画
芸
道
楽
・
・
・
・
彫
詩
茶
舞
刻
吟
華
踊
・
・
道
・
陶
歴
・
演
芸
史
囲
劇
分 野
・ 手 工 芸 ・ 写 真 等
・ 文 学 ・ 朗 読 ・ 演 芸 等
碁 ・ 将 棋 ・ ト ラ ン プ ・ マ ジ ッ ク 等
等
登 録 団 体 数
95
59
82
164
平 成 1 5 年 度 豊 島 区 社 会 教 育 関 係 団 体 名 簿 登 録 状 況
このような個人や地域での芸術・文化活動を盛んにすることには、区民の自己実現を通じた
生きがいづくりを進め、日々の生活を豊かなものにするという側面と、活動を通じた人と人と
のつながりによって地域全体を活性化させるという側面があります。
そして芸術・文化を、区民一人ひとりの心豊かな生活の実現と、地域社会の活性化のために、
最大限活用するには、区民が日常的に芸術・文化にふれることができる機会と、創造的な文化
活動ができる環境を整備することが必要であり、区には文化関連団体(企業、大学等)やNP
O、地域活動団体などが連携する要としての役割を果たしていくことが求められています。
また、地域での文化活動をより活発にしていくには、芸術・文化と区民をつなぐ橋渡し役を
果たす人材や、活動をリードする人材、そして地域に日常的な活動ができる拠点が必要です。
これまで限られた範囲で活動していたこれらの人材の登用、育成や、区の公園、広場、通りを
含む各種の公共施設を文化・芸術の活動空間として活用していくことも今後の課題となってい
ます。
161
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
■施策の方向
区民が日頃から芸術・文化に親しみ、楽しむ土壌づくりを進め、芸術や文化を活発化し、文化の
風薫るまちをめざします。
芸術・文化の担い手である区民の主体性を尊重しつつ、活動の意欲の向上や交流を支えるととも
に、より質の高い芸術・文化創造活動への展開をめざします。
①芸術・文化鑑賞機会の充実
既存の文化施設や東池袋交流施設(仮称)を文化芸術創造の拠点としてより有効に活用するた
めの取り組みを積極的に図り、東京芸術劇場や民間の劇場、映画館等との連携をすすめながら、
区民が優れた芸術・文化を鑑賞する機会を拡充します。
また、芸術・文化活動団体や文化人、アーティスト等との連携により、区民が身近に芸術・文
化に接する機会の拡充を図ります。
②芸術・文化活動機会の充実 重点施策
区民の自主的な芸術・文化活動が活発に展開できるよう、活動の場の整備・提供に努めます。
さらに、文化・芸術関連のNPOやアーティスト等が制作、創造を行うための環境を整備する
ほか、地域の文化活動指導者等、多様な分野で文化を担う人材の育成を図ります。
【重点施策の選定理由】
区民の自主的、主体的な活動を支援し、引き出しながら、多様な分野でこれからの文化を担い、推進する人材の育成
を図ることが文化の風薫るまちの実現には重要であることから、「芸術・文化活動機会の充実」に重点を置くべきと
判断し、選定した。
■成果指標
指
標
名
1
池袋演劇祭の入場者数
2
文化芸術創造支援事業における創
造活動件数
現
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
状
30,000 人
44,000 人
47,000 人
50 件
70 件
70 件
(平成 17 年 4 月)
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
2
豊島区舞台芸術振興会が主催し、毎年 9 月に区内全劇場を会場として開催する演劇祭(区は経費を助成)の入場者数。
区とNPO法人が展開している舞台芸術の稽古場提供や子供向けワークショップ、地域交流などの活動件数。計画期間中に実施
拠点の変更等の可能性があるため、前期・後期目標は同数とした。
162
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
事
1 芸術・文化鑑賞機会の充実
2 芸術・文化活動機会の充実
重点施策
1
◎「池袋演劇祭」助成事業
2
○美術品等展示・管理事業
○既存重要A事業
業
●施設建設事業
名
1
◎文化芸術創造支援事業
2
◎ジュニア・アーツ・アカデミー事業
3
◎区民参加によるアート・ステージ事業
4
◎としま文化フォーラム助成事業
5
◎としま区民芸術祭(区民参加による演奏会)助成事業
6
○としま区民芸術祭への助成事業
7
○文化活動振興助成事業
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
1
2
事
芸術・文化鑑賞機会の充実
芸術・文化活動機会の充実
業
名
1
としま区民芸術祭実施助成
2
芸術文化振興(池袋演劇祭舞台芸術振興)
3
芸術文化振興事業(コミュニティシアター)
4
芸術文化振興事業(コミュニティまつり)
5
芸術文化振興事業(区民鑑賞事業)
6
庁舎ロビーコンサート実施事業
7
舞踊鑑賞講座(財団事業助成)
1
南大塚ホール管理運営
2
豊島公会堂管理運営
1 芸術・文化鑑賞機会の充実
2-1-1 ◎「池袋演劇祭」助成事業
文化担当部
【事業内容】舞台芸術をより多くの区民に親しみやすいものとすることを目的に、豊島区舞台芸術振興会が主催する
「池袋演劇祭」に対して補助を行う。
【今後の方向性】「劇場都市池袋」のイメージの定着と普及を目的に、今後とも事業を継続する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
池袋演劇祭実施 5 回
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
維持
14
2-1-2 ○美術品等展示・管理事業
文化担当部
【事業内容】区施設に文化的潤いと親しみをもたせるとともに、来訪者の美術作品鑑賞機会を増やすため,美術品の
借上げ展示等を行う。また収蔵美術品の整理・保管・活用を図る。
【今後の方向性】通常の展示のほか、区有施設での美術展やインターネット美術館などの設置を検討する。
「池袋モ
ンパルナンス」をはじめとする区内の美術資料について調査・研究する。
163
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
前
事業量
期(18∼22 年度)
借上げ展示
65 点
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
12
2 芸術・文化活動機会の充実
2-2-1 ◎文化芸術創造支援事業
文化担当部
【事業内容】文化・芸術活動の活発化を図ることにより、地域社会の活力向上と文化的な環境を整備するために、旧
朝日中学校をアート系 NPO 法人に貸与し、演劇・ダンス等の稽古場として活用する。
【今後の方向性】文化・芸術の創造・発信及び地域の活性化を推進するという観点から今後も事業を継続する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
利用団体 300 団体程度
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
9
2-2-2 ◎ジュニア・アーツ・アカデミー事業
文化担当部
【事業内容】東京音楽大学等の協力を得て、子どもを対象に声楽、楽器演奏をはじめ、多様な文化・芸術経験の機会
を提供する。
【今後の方向性】次世代の文化を担う人材の育成という観点から事業を継続する。本事業はとしま未来文化財団が主
体となって実施する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
練習 75 回、公演 10 回
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
16
2-2-3 ◎区民参加によるアート・ステージ事業
文化担当部
【事業内容】東京音楽大学及び東京芸術劇場と連携し、区民やジュニア・アーツ・アカデミーの子ども達が参加する
オペラを公演する。公開リハーサル、ワークショップなど区民参加の機会を提供する。
【今後の方向性】オペラ公演への参加という貴重な経験を通して参加者の豊かな心と感性を育てることが地域コミュ
ニティの活性化に効果的であり、今後も事業を継続する。本事業はとしま未来文化財団が主体となって実施する。
前
事業量
公演
期(18∼22 年度)
5 回、ワークショップ 5 回
事業費(百万円)
34
後期(23∼27 年度)
推進
2-2-4 ◎「としま文化フォーラム」助成事業
文化担当部
【事業内容】文化創造の担い手を育成することを目的に、としま文化フォーラム実行委員会が年間 2 期各 5 回にわた
り著名な文化人を講師に招き、開催している「としま文化フォーラム」に対する補助を行う。
【今後の方向性】フォーラムを受講した区民により、地域における文化・芸術創造活動の活発化と豊かな地域社会
が形成されることを目的として、今後とも事業を継続する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
フォーラム開催 50 回
後期(23∼27 年度)
維持
5
164
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
2-2-5 ◎「としま区民芸術祭(区民参加による演奏会)
」助成事業
文化担当部
【事業内容】
「第九」などを演目とする「区民参加による演奏会」参加者を区民から公募し、東
京音楽大学等の協
力のもと年末に芸術劇場大ホールで演奏会を上演する、としま未来文化財団の事業へ補助を行う。
【今後の方向性】区民が文化・芸術の創造・発信に直接参加する機会を提供するものであり、区民の文化活動を促
進させる効果的な事業として継続する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
5回
演奏会
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
推進
31
2-2-6 ○としま区民芸術祭への助成事業
文化担当部
【事業内容】区民の交流と、文化芸術に対する理解と創造意欲を促進することを目的に、豊島区管弦楽団・吹奏楽
団の演奏会、美術・書道・華道総合美術展、区民文化祭からなる「としま区民芸術祭」を実施する、としま未来
文化財団への補助を行う。
【今後の方向性】芸術祭に参加、鑑賞することにより区民が主体的に文化活動と文化を通じた交流を図る貴重な機
会を提供する事業として、今後も継続する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
としま区民芸術祭実施
事業費(百万円)
5回
93
後期(23∼27 年度)
推進
2-2-7 ○文化活動振興助成事業
文化担当部
【事業内容】区民または団体の優れた文化・芸術活動の育成と、地域固有の文化の発見・保存を奨励するために、
当該個人または団体に対する補助を行う。
【今後の方向性】地域に根ざした文化・芸術活動を奨励するものであるので、今後も継続する。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
補助対象
25 件程度
後期(23∼27 年度)
維持
5
165
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
7-3 生涯学習・生涯スポーツの推進
■現状と課題
豊島区では平成3年度に10年計画で策定した「第一次豊島区生涯学習推進計画」に基づき
生涯学習を振興するための具体的な取り組みを行ってきました。また、平成16年度には、区
民が生涯にわたってスポーツ活動を通じ健康に生きられる地域社会づくりを目的に「豊島区ス
ポーツ振興計画」を策定しました。
17年度には子どもたちが豊かな人生をおくるための環境を整える一環として「豊島区子ど
も読書活動推進計画」を策定します。
豊島区には平成17年現在、5館の生涯学習施設と8館の図書館があり、生涯学習に関する
これまでの公共サービスは主に場の提供と区民の趣味や教養など、余暇を充実させることに重
点を置いてきました。
しかし、これからの生涯学習施設は、急速な技術革新と社会状況の変化の中、ますます多様
化する区民のニーズに応えるとともに、少子高齢社会を迎え、幅広い年代層がともに活動でき
る場、そして、豊島区の文化発信の場でなくてはなりません。
特にパソコンやインターネット、携帯電話は、現在着実に生活やビジネスの中に浸透し、日々
の生活に不可欠なツール(道具)になってきています。区民が情報・知識を取得する場である、
図書館や生涯学習施設においても、情報提供サービスや、情報機器を利用できるサービスを進
める必要があります。同時に、情報機器の操作を学習したいという需要に応えるためのサービ
ス展開も必要になっています。
また近年、区民の社会参加への意識が高まり、個人としてのボランティア活動や NPO での活
動が活発化してきています。豊かで活力ある地域社会をつくるために、個人学習をきっかけに
して、それを地域社会への貢献や地域コミュニティの活性化に発展させる活動を積極的に支援
することが必要になっています。
更に、公共施設として最も区民の利用が多い図書館では、豊島区の文化・情報発信基地とし
て、地域に密着した資料収集提供や区民に対するレファレンス(読書相談)機能の強化、地元
小中高校図書館との連携や交流施設等各種文化施設との連携を一層推進していくことが求めら
れています。
一方、豊島区には現在9か所のスポーツ施設があり、区立の小・中学校及び旧学校での校庭
や体育館の開放、高齢者福祉施設や児童福祉施設での体操やダンス教室などの事業が行われて
います。
高齢社会を迎え、元気な高齢者が増えていく中で、介護予防の観点からも健康づくりに適度
のスポーツ・レクリエーションを行うことが効果的であり、スポーツができる場への需要と多
様なメニューの提供への期待が高まっています。
また、身近にスポーツ施設がないために、関心がありながら活動をしていない区民をはじめ、
多くの地域住民が自主的にスポーツを楽しみ、健康づくりが行えるように、身近な施設である
学校等を活動場所とした総合型地域スポーツクラブの設立が求められています。
166
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
■施策の方向
さまざまな学習資源を生かし、区民の学習ニーズにこたえる創造的な学びの機会・文化発信の
場・仕組みづくりをすすめます。地域の中で、世代を越えて共に楽しみながら学びあい、学習の成
果を生かしながら社会参加を図り、ネットワークを広げていきます。
また、生涯を通して、だれでも、いつでも、どこでもスポーツに親しむことができる豊かな暮ら
しの実現に向け、区民やスポーツ団体等との連携の下、スポーツに親しむ機会と場の提供に努めま
す。
①生涯学習の環境整備
IT化の急速な進展など生涯学習施設における新たなニーズへの対応が求められています。
身近な使い勝手のよい生涯学習の場づくりをすすめ、そこを拠点に子どもから高齢者まで幅広
い世代の人々が世代を越えて共に学び、ふれあう空間を形成します。
②個の学びから社会的な学習活動への転換
学習が自己完結に留まるのではなく、学習過程や学習の成果を、社会に生かし、自ら社会参画
しながら学びあう仕組みづくりやネットワークの構築を図ります。
③スポーツ・レクリエーション活動の充実 重点施策
高齢化の進展などにより、健康づくりに対する関心が高まりを見せ、スポーツ・レクリエーシ
ョンへの需要が増大しています。
地域を中心としたスポーツクラブ活動の普及・振興、青少年スポーツの活性化や活動の場の確
保など、地域における区民の自主的なスポーツ・レクリエーション活動への支援を充実します。
■成果指標
【重点施策の選定理由】
健康な生活への関心が高まるなか、オープンスペースの少ない豊島区では、都市の魅力として、学校跡地等を活用し
た身近なスポーツの場の整備が必要であると判断し、選択した。区民評価でも、「③スポーツ・レクリエーション活
動の充実」のポイントが最も高い。
■成果指標
指
標
名
現
状
1
図書館登録者 1 人あたり貸し出し冊
数
18.9 冊
2
社会教育関係団体登録数
887 団体
3
区民のスポーツ実施率
34.0%
(平成 14 年度)
前期目標(平成 22 年度) 後期目標(平成 27 年度)
20 冊
1,000 団体
38.0%
21 冊
1,100 団体
42.0%
※特に表記がない限り、現状値は平成 16 年度末のものである。
【説明】
1
区立図書館の登録者1人あたりの貸し出し冊数
2
社会教育関係団体として登録している団体数
3
区の「豊島区民の運動やスポーツに対する意識と活動の状況に関する調査」において週 1 回以上スポーツを行っていると答えた
人の割合
167
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
■計画事業
◎既存重要AA事業
施策の方向
事
1 生涯学習の環境整備
業
◎CD 等視聴覚資料の貸出事業
2
◎地域図書館の図書資料収集貸出事業
3
◎中央図書館の図書資料収集貸出事業
4
◎点字図書館障害者サービス事業
5
◎社会教育会館運営事業
6
○図書館電算システムの維持管理
7
○中央図書館の維持管理
8
●新中央図書館の整備
1
3 スポーツ・レクリエーション活動の充実
1
●施設建設事業
名
1
2 個の学びから社会的な学習活動への転換
重点施策
○既存重要A事業
◎池袋スポーツセンター事業運営
2
◎健康プラザとしま運営
3
○西池袋温水プール管理運営
【参考】
○計画事業以外の事業
施策の方向
1
2
3
生涯学習の環境整備
個の学びから社会的な学習活動への転換
スポーツ・レクリエーション活動の充実
事
業
名
1
インターナショナルユースセミナー
2
としま出前講座
3
パソコン基礎講習・区民利用端末設置事業
4
一時保育者登録事業
5
学習活動支援事業
6
区民大学事業
7
社会教育委員
8
生涯学習の推進事業
9
生涯学習指導員
10
日曜教室
11
ミミズク資料室の運営
12
そよかぜ文庫の運営(来館困難者への図書宅配サービス)
13
雑司が谷図書館維持管理(委託分)
14
図書受け入れ業務の委託
15
地域図書館運営
1
社会教育関係団体育成事業
2
青少年指導者養成事業
1
スポーツ使用料清算
2
スポーツ表彰事業
3
旧豊島プール管理運営
4
区民体育大会等関係及び体育団体振興
5
荒川野球場管理運営
6
雑司が谷体育館管理運営
7
三芳グランド管理運営
168
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
8
社会教育指導員関係
9
西巣鴨体育施設管理運営
10
巣鴨体育館管理運営
11
総合体育場管理運営
12
体育指導委員関係
13
中学校地域クラブの育成モデル事業
14
都民体育大会等関係事業
15
豊島体育館管理運営
1 生涯学習の環境整備
3-1-1 ◎CD等視聴覚資料の貸出事業
教育委員会
【事業内容】図書館で CD・ビデオなどの視聴覚関係資料を幅広いジャンルから収集・貸出すること等により、区民
の生涯学習及び文化教養の増進に資する。
【今後の方向性】17 年度事業を基本とした形で、事業を推進していく予定である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
16
3-1-2 ◎地域図書館の図書資料収集貸出事業
教育委員会
【事業内容】地域の身近な情報センターとして教養、調査研究、レクリエーション等に資する図書資料等を提供し、
区民の教育と文化の発展に寄与する。
【今後の方向性】17 年度事業を基本とした形で、事業を推進していく予定である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
272
3-1-3 ◎中央図書館の図書資料収集貸出事業
教育委員会
【事業内容】豊島区の基幹的な情報センターとして教養、調査研究、レクリエーション等に資する図書資料等を提供
し、区民の教育と文化の発展に寄与する。
【今後の方向性】17 年度事業を基本とした形で、事業を推進していく予定である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
169
3-1-4 ◎点字図書館障害者サービス事業
教育委員会
【事業内容】視覚障害者に図書の貸出し、対面朗読を行う。又、ボランティアの養成や、点字図書等の作成を進め、
視覚障害者の図書館利用の促進を図る。
【今後の方向性】17 年度事業を基本とした形で、事業を推進していく予定である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
69
3-1-5 ◎社会教育会館運営事業
文化担当部
【事業内容】区民が社会教育活動に参加する機会と場所を提供する施設で、区内に5か所(駒込、巣鴨、南大塚、雑
司が谷、千早)運営している。各種講座、利用者相談などを実施している。
【今後の方向性】平成 17 年度に区民の活動拠点への転用を検討する。3 年後には公募による指定管理者に管理を委
託する。
169
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
利用件数 125,000 件
事業費(百万円)
推進
946
3-1-6 ○図書館電算システムの維持管理事業
教育委員会
【事業内容】図書館業務の電算化を推進することにより、資料及び情報を利用者の求めに応じて速やかに提供し、効
率的かつ利便性の高い図書館としていく。
【今後の方向性】17 年度事業を基本とした形で、事業を推進していく予定である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
推進
事業費(百万円)
3-1-7
後期(23∼27 年度)
推進
276
○中央図書館の維持管理
教育委員会
【事業内容】図書館の適正な運営のため、建物・設備の維持管理を行う。
【今後の方向性】当面は、17 年度事業を基本とした形で推進し、今後開設される新中央図書館に事業を引き継いで
いく予定である。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
推進
事業費(百万円)
推進
41
3-1-8 ●新中央図書館の整備
教育委員会
【事業内容】東池袋四丁目地区市街地再開発ビル4、5階に、情報文化の集積・交流・創造・発信ステーションの
機能を備えた「21世紀型 IT 化図書館」として新中央図書館を建設(移転開設)する。あわせて、2、3階に併
設される交流施設(仮称)とともに池袋副都心のにぎわいを創出する。
前
事業量
期(18∼22 年度)
後期(23∼27 年度)
平成19年度開館
事業費(百万円)
−
3,841
3 スポーツ・レクリエーション活動の充実
3-3-1 ◎池袋スポーツセンター運営事業
文化担当部
【事業内容】豊島区民のスポーツ振興、競技力の向上、スポーツ団体の育成、健康増進をめざすために健康プラザ
としま内に設置したプール、トレーニングルーム、武道場施設の維持管理を行う。
【今後の方向性】指定管理者への管理委託により民間のノウハウを活かしたさまざまな運動プログラムを展開し、
利用者数の拡大を目指す。
前
事業量
期(18∼22 年度)
入場者数 1,350,000 人 武道場
事業費(百万円)
後期(23∼27 年度)
90,000 人
603
推進
3-3-2 ◎健康プラザとしま運営事業
文化担当部
【事業内容】入居施設である池袋スポーツセンター、上池袋豊寿園、清掃一部事務組合、豊島健康審査センター、
上池袋コミュニティセンターの維持管理に関する総合調整を行う。
【今後の方向性】池袋スポーツセンターの指定管理者に委託し、総合的に管理する。
前
期(18∼22 年度)
事業量
―
事業費(百万円)
213
170
後期(23∼27 年度)
推進
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
3-3-3 ○西池袋温水プール管理運営事業
文化担当部
【事業内容】豊島区民のスポーツ振興、競技力の向上、健康増進をめざすため、西池袋四丁目に設置した温水プール、
トレーニングジムを維持管理する。
【今後の方向性】指定管理者への管理委託により民間のノウハウを活かしたさまざまな運動プログラムを展開し、利
用者数の拡大を目指す。
前
事業量
事業費(百万円)
期(18∼22 年度)
入場者数 350,000 人
296
171
後期(23∼27 年度)
推進
7.伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち
172
参 考 資 料
173
174
写
平成18年2月9日
豊島区長
高
野
之
夫
様
豊島区基本構想審議会
会 長
答
森 田
朗
申
平成14年9月20日、貴職より本審議会に諮問された事項について、調査・審議を重ね
た結果、このたび豊島区基本計画についての結論を得たので、ここに答申いたします。
なお、審議会としては、答申にあたり、下記の二点について意見を申し添えます。
記
1 「新規重要事業(公共施設の再構築を含む)」については、答申が示す基本方針に
従い、区長の責任で基本計画に盛り込んだ上で策定すること。なお、「新規重要事
業」についても、パブリック・コメントを実施されたい。
2 政策相互間の連携に基づく、総合的・効果的な施策展開を促すため、「新たな地
域経営の方針」に基づき、基本計画の実施計画として位置づける「行財政改革プラ
ン」のなかで、戦略的・横断的な施策展開の内容を明らかにされたい。
175
豊 島 区 基 本 構 想 審 議 会 委 員名簿
職
氏 名
田
区 分
役
等
会
長 森
委
員 金 井
利 之
東京大学大学院法学政治学研究科法学部助教授
〃
岸 井
隆 幸
日本大学理工学部教授
〃
坂 本
和 彦
〃
渋 谷
秀 樹
立教大学大学院法務研究科教授
〃
恒 吉
僚 子
東京大学大学院教育学研究科助教授
〃
宮 崎
牧 子
大正大学人間学部助教授
〃
本 橋
弘 隆
豊島区議会議員
〃
中 田 兵 衛
〃
木
〃
小 林
俊 史
〃
小林
ひろみ
〃
吉
〃
四 阿
知 子
〃
伊 藤
榮 洪
〃
粕 谷
一 希
〃
高 橋
明 宏
〃
西 沢
〃
三 井
菜 摘
公募
〃
水 島
正 彦
助役
〃
今 村
勝 行
〃
二ノ宮
〃
日 髙
下
田
朗
職
広
東京大学公共政策大学院院長
学識経験者
東京音楽大学オーケストラ講師
豊島区議会議員(平成 17 年 6 月まで)
豊島区議会議員
区議会議員
豊島区議会議員
豊島区議会議員
敬
豊島区議会議員(平成 17 年 6 月より)
公募
区内に住所又は
勤務先 を有する
者
芳 一
評論家
公募
環境・工業デザイナー(平成 15 年 7 月まで)
健
富枝
教師
区職員
収入役
教育長(平成 16 年 12 月まで)
教育長(平成 16 年 12 月より)
(敬称略)
注 1.豊島区基本計画に関わる委員を掲載。
注2.原則50音順、区議会議員は議席順。
176
豊島区基本構想審議会 審議経過
開催日
会 議
平成15年 7月 7日 第 9 回
平成15年 7月23日 第 10 回
平成15年12月10日 第 11 回
平成16年
平成16年
平成16年
平成16年
1月22日
3月 4日
4月12日
5月12日
第
第
第
第
12
13
14
15
回
回
回
回
平成16年 6月 7日 第 16 回
平成16年11月 4日 第 17 回
平成16年12月20日 第 18 回
平成17年 6月16日 第 19 回
平成17年 7月20日 第 20 回
審
議
内
容
・基本計画の体系について
・基本構想審議会の部会設置及び今後のスケジュールについて
・新基本計画の体系と分野について
・各分野別計画の策定状況
・人口フレームについて
・新基本計画の政策・施策の体系について
・財政フレームについて
・新基本計画の政策・施策の体系について
・新基本計画の政策・施策の体系について
・第 13 回審議会案に対する修正について
・会長・部会長調整案について
・全ての体系に共通する指針「2.新たな区政運営システムの確立」に
ついて
・新たな基本計画策定の考え方について
・新たな基本計画策定の考え方について
・新たな基本計画の策定方針について
・計画事業の選定について
・計画事業の選定を含む分野別計画(素案)について
・基本計画体系の修正について
・重点施策の選定について
・「施策の方向」の修正について(小委員会報告)
・「重点施策」の選定について(小委員会報告)
平成17年10月28日 第 21 回
・「成果指標」の選定について(小委員会報告)
・「新たな地域経営の方針」について(小委員会報告)
・今後の審議会運営について
・「新規重要事業」(「公共施設の再構築」を含む)の取り扱いについて
・「成果指標」の選定について(小委員会報告)
平成17年11月18日 第 22 回 ・「新たな地域経営の方針」について(小委員会報告)
・今後の審議会運営について
平成17年12月16日 第 23 回 ・豊島区基本計画(素案)について
平成18年 2月 9日 第 24 回
・パブリックコメントの実施結果と修正について
・答申について
注.豊島区基本計画に関する会議を掲載。
■豊島区基本構想審議会
開催日
第1部会(福祉、教育、子育て、コミュニティ)
会 議
平成15年 9月10日 第 1 回
平成15年 9月19日 第 2 回
平成15年10月10日 第 3 回
平成15年10月24日 第 4 回
平成15年11月20日 第 5 回
平成16年 7月21日 第 6 回
審
議
内
容
・新基本計画の分野別体系
・体系①「すべての人が地域と共に生きていけるまち」
・新基本計画の分野別体系
・体系①「すべての人が地域と共に生きていけるまち」
・新基本計画の分野別体系
・体系①「すべての人が地域と共に生きていけるまち」
・政策、施策、事務事業一覧
・「地域における教育」「男女共同参画社会の実現」
・新基本計画の分野別体系
・としま戦略プラン
177
■豊島区基本構想審議会
開催日
第2部会(環境、安全、まちづくり、賑わい、文化)
会 議
審
議
内
容
・新基本計画の分野別体系
・体系④「みどりのネットワークを形成する環境のまち」
・体系④「みどりのネットワークを形成する環境のまち」
平成15年 9月22日 第 2 回
・体系⑤「人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち」
平成15年 9月 2日 第 1 回
平成15年10月14日 第 3 回 ・体系⑤「人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち」
平成15年10月23日 第 4 回 ・体系⑤「人間優先の基盤が整備された、安心、安全のまち」
・体系⑥「魅力と活力にあふれる、にぎわいのまち」
平成15年10月28日 第 5 回
・体系⑦「伝統・文化と新たな息吹が融合する文化の風薫るまち」
平成15年11月18日 第 6 回 ・政策・施策体系部会案
平成16年 7月22日 第 7 回 ・としま戦略プラン
■計画事業選定小委員会
開催日
会 議
審
議
内
容
平 成 1 7 年 1 月 2 8 日 第 1 回 計画事業選定小委員会の進め方について
平成17年 2月
2 日 第 2 回 評価方法について
平成17年 3月
4 日 第 3 回 計画事業選定小委員会の進め方について
・計画事業の選定について
平成17年 5月27日 第 4 回
・今後のスケジュールについて
・計画事業の選定について
平成17年 6月
2 日 第 5 回 ・政策・施策の重点化について
・その他(体系修正案について)
・計画事業の選定について
平 成 1 7 年 6 月 1 0 日 第 6 回 ・施策の重点化について
・基本構想審議会への報告について
・計画事業の選定について
平 成 1 7 年 7 月 8 日 第 7 回 ・基本計画体系の課題について
・施策の重点化について
・基本計画体系の修正について
平 成 1 7 年 7 月 1 5 日 第 8 回 ・重点施策の選定について
・計画事業の選定を含む分野別計画(素案)について
・分野別計画
(1)施策の方向の修正について
(2)重点施策の選定について
平成17年 9月30日 第 9 回
(3)成果指標の選定について
・政策レベルでの重点の設定について
・「としま戦略プラン」について
・分野別計画
(1)施策の方向の修正について
平 成 1 7 年 1 0 月 6 日 第 10 回
(2)成果指標の選定について
・新たな地域経営の方針について
・成果指標の選定について
平 成 1 7 年 1 0 月 1 2 日 第 11 回
・新たな地域経営の方針について
・成果指標の選定について
平 成 1 7 年 1 1 月 1 1 日 第 12 回 ・新たな地域経営の方針(修正案)について
・審議会委員の意見について
178
写
諮
問
第
1
号
平成 14 年 9 月 20 日
東京都豊島区基本構想審議会
会 長
森 田
朗
様
豊 島 区 長
高 野 之 夫
東京都豊島区基本構想審議会条例第 2 条に基づき、下記事項について諮問する。
記
豊島区基本構想及び、これに基づく基本計画の策定について
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豊島区基本構想審議会条例
(平成14年7月9日
条例第22号)
(招集)
第6条 審議会は、会長が招集する。
(設置)
第1条 東京都豊島区の基本構想及び基本
計画を策定するため、区長の附属機関とし
(定足数及び表決数)
て、東京都豊島区基本構想審議会(以下
第7条 審議会は、過半数の委員の出席がな
ければ、会議を開くことができない。
「審議会」という。)を置く。
2 審議会の議事は、出席委員の過半数で決
(所掌事項)
し、可否同数のときは、会長の決するところ
第2条 審議会は、区長の諮問に応じ、基本
による。
構想及び基本計画の策定について必要な
(部会)
事項を調査審議して答申する。
第8条 審議会に部会を置くことができる。
2 部会の委員及び部会長は、第3条に規定
(組織)
する委員のうちから、会長が指名する。
第3条 審議会は、次に掲げる者につき、区長
が委嘱又は任命する委員をもって組織する。
(1) 学識経験者 7人以内
(意見の聴取)
(2) 区議会議員 5人以内
第9条 審議会は、必要があると認めるときは、
委員以外の者の出席を求め、意見を聴くこ
(3) 東京都豊島区の区域内に住所又は勤
とができる。
務先を有する者 6人以内
(4) 区 職 員
3人以内
(庶務)
第 10 条 審議会の庶務は、政策経営部にお
(委員の任期)
いて処理する。
第4条 委員の任期は、審議会が第2条に規
定する答申をしたときに満了する。
(委任)
第11条 この条例の施行について必要な事
(会長の設置及び権限)
項は、区長が定める。
第5条 審議会に会長を置く。
2 会長は、委員の互選によって定める。
附 則(抄)
3 会長は、審議会を代表し、会務を総理す
(施行期日)
る。
1 この条例は、公布の日から施行する。
4 会長に事故があるときは、あらかじめ会長の
指名する委員がその職務を代理する。
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