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富士重工業 - 楽天証券

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富士重工業 - 楽天証券
経済研究所企業調査レポート
2014 年 1 月 10 日
富士重工業(7270
東証 1 部)
株価 3,045 円(2014 年 1 月 10 日終値) 株価レーティング
訪問取材
セクター:自動車
新規A アナリスト:今中 能夫
株価レーティング(基準株価は表紙記載の株価)
A:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 20%以上上昇すると予想される
B:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 5%以上 20%未満上昇すると予想される
C:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が±5%未満の範囲に留まると予想される
D:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 5%以上 20%未満下落すると予想される
E:今後6~12 ヶ月間で絶対株価が 20%以上下落すると予想される
連結決算
14.3 予
会社旧
2,080,000
8.7
198,000
64.4
193,000
91.8
121,000
1.2
14.3 予
会社新1
2,300,000
20.2
278,000
130.9
272,000
170.4
178,000
48.8
14.3 予
会社新2
2,300,000
20.2
278,000
130.9
272,000
170.4
207,000
73.1
152.8
154.6
227.4
265.3
296.0
340.9
416.5
配当(円)
15.0
40.0
13.3
40.0
11.5
50.0
60.0
19.9
20.0
19.6
40.0
PER(倍)
10.3
8.9
7.3
13.3
売上高(百万円)
1,912,968
前年比(%)
26.1
営業利益(百万円)
120,411
前年比(%)
173.9
経常利益(百万円)
100,609
前年比(%)
169.9
当期純利益(百万円) 119,588
前年比(%)
211.0
EPS(円)
14.3 予
15.3 予
16.3 予
楽天証券新 楽天証券新 楽天証券新
2,450,000 2,870,000 3,230,000
28.1
17.1
12.5
310,000
410,000
500,000
157.5
32.3
22.0
304,000
410,000
500,000
202.2
34.9
22.0
231,000
266,000
325,000
93.2
15.2
22.2
14.3/1Q
14.3/2Q
546,932
27.5
69,635
301.8
64,504
237.2
48,467
196.4
578,706
23.4
81,067
212.7
81,720
212.4
51,344
113.2
株式時価総額
2 兆 3763 億円
自動車販売が好調。円安メリット大。安全技術で先行。
発行済株数
780,394 千株(他に自己株
2,471 千株)

日本シェア 4.4%(5 位)、アメリカシェア 2.7%(10 位)の中堅自動車メーカー。航空
機、産業機器にも多角化している。安定性に優れ独特な乗り味を持つ水平対向エ
ンジンと危険回避装置「アイサイト」が特徴である。車好きな層からの支持が高い。

もともと「スバリスト」と呼ばれる熱烈なファン層を中心とした顧客層だったが、前社
長時代から購入者層の拡大に注力してきた。その結果、主力車種「レガシー」だけ
でなく、「インプレッサ」「フォレスター」の2車種が相次いでヒット。昨年 6 月発売の
SUV「XV HYBRID」は納車数ヶ月待ちになっている。生産は日本とアメリカに特化し
ており、円安メリットが大きい。会社予想は上乗せ期待が高い。2014 年 5 月には新
車「レヴォーグ」を発売し、秋にはレガシィのフルモデルチェンジが予想される。

新規カバレッジを開始する。目標株価レンジを 4,300~4,500 円、株価レーティング
はAとする。
要 約
PCFR(14/3 期楽天証券
予想) 8.3 倍
PBR(13/9 期実績ベース)
3.34 倍
配当利回り(14/3 期楽天
証券予想) 1.31%
ROE(14/3 期予)
32.5%
株主資本比率
41.2%(13/9 期末)
目標株価レンジ
4,300~4,500 円
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〒140-0002 東京都品川区東品川 4-12-3
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本資料は、掲載されているいかなる銘柄についても、その売買に関する勧誘を意図して作成したものではありません。本資料に掲載さ
れているアナリストの見解は、各投資家の状況、目標、あるいはニーズを考慮したものではなく、また特定の投資家に対し特定の銘柄、
投資戦略を勧めるものではありません。また掲載されている投資戦略は、すべての投資家に適合するとは限りません。銘柄の選択、売
買、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。本資料で提供されている情報については、
当社が情報の完全性、確実性を保証するものではありません。本資料にてバリュエーション、レーティング、推奨の根拠、リスクなど
が言及されている場合、それらについて十分ご検討ください。また、過去のパフォーマンスは、将来における結果を示唆するものでは
ありません。アナリストの見解や評価、予測は本資料作成時点での判断であり、予告なしに変更されることがあります。当社は、本資
料に掲載されている銘柄について自己勘定取引を行ったことがあるか、今後行う場合があり得ます。また、引受人、アドバイザー、資
金の貸手等となる場合があり得ます。当社の親・子・関係会社は本資料に掲載されている銘柄について取引を行ったことがあるか、今
後取引を行う場合があり得ます。掲載されているレポート等は、アナリストが独自に銘柄等を選択し作成したものであり、対象会社か
ら対価を得て、又は取引を獲得し若しくは維持するために作成するものではありません。この資料の著作権は楽天証券に帰属しており、
事前の承諾なく本資料の全部または一部を引用、複製、転送などにより使用することを禁じます。本資料の記載内容に関するご質問・
ご照会等には一切お答えいたしかねますので予めご了承お願いいたします。
経済研究所企業調査レポート
会社沿革 ■ 富士重工業は、日本で 5 位(登録車の乗用車)、アメリカで 10 位の自動車メー
カーである。世界シェアは1%だが、世界で最も伸びが大きい自動車メーカーの一社であ
る。
現社名である富士重工業としての創立は 1953 年だが、前身は 1917 年(大正 17 年)創業の
中島飛行機である。同社は、戦前の日本航空機産業を代表する会社の一つであり、第二次
世界大戦中は九七式艦上攻撃機、隼、天山など数々の名機を生み出した会社である。しか
し、敗戦によって生産停止となり、数年の変遷を経て、1953 年に富士重工業が創立された。
その後、1958 年に軽4輪乗用車「スバル 360」を発表し、自動車事業に進出した。現在は、
自動車、航空機、産業機器の3部門に分かれているが、主力事業は自動車である。
自動車のブランドは 1958 年 3 月に採用された「スバル」である。戦後 GHQ の財閥解体指令
によって中島航空機は解体されたが、この流れを汲む会社 5 社が航空機と自動車の生産の
ために 1953 年に「富士重工業」を設立し、後に富士重工業が出資した 5 社を吸収したため、
合わせて 6 社を表象したスバル(六連星)をブランドとしたものである。
2012 年 3 月までは排気量 1000cc 以上の登録車と 660cc の軽自動車を両方生産販売して
いたが、同月に軽自動車の自社生産を停止し、ダイハツからの委託生産に切り替えた。採
算の低い軽自動車は、品揃えの目的で販売している。1000cc 以上の登録車に注力しており、
自社生産している。
1999 年 12 月にゼネラル・モーターズ(GM)と資本業務提携を結び、これ以降約 20%の株式
をGMが保有してきたが、GM の経営悪化に伴い 2005 年 10 月にこの提携を解消し、新たに
トヨタ自動車と資本業務提携を結んだ。現在、トヨタ自動車は当社株 16.48%を所有する筆
頭株主となっている。
またこれ以降、トヨタグループとの業務提携を進めている。具体的には、ダイハツが富士重
工業の軽自動車の委託生産を順次拡大し、上述のように、2012 年 3 月に軽自動車はダイハ
ツへの全量委託に切り換えた。また、北米工場(SIA、スバル・オブ・インディアナ・オートモー
ティブ・インク)では、トヨタの北米向け「カムリ」の生産を年産 10 万台請け負っている(ただし、
トヨタ自動車側は、近い将来このカムリ年産 10 万台を自社生産に切り替える意向である)。
航空機部門は、防衛庁向けとボーイング向けが二本柱で、売上構成は概ね半々である。防
衛省向けは、戦闘ヘリコプター「AH-64D アパッチ・ロングボウ」のライセンス生産、多用途ヘ
リコプター「UH-1J」など。ボーイング向けは、ボーイング 777 中央翼と ボーイング 787 中央翼
の生産を行っている。
産業機械部門は、建設機械や産業機械に使う汎用エンジン(「ロビン」ブランド)や草刈機な
どを生産販売している。
航空機部門、産業機器部門とも黒字を維持しているが、自動車部門に比べ事業規模が小さ
く、全体の業績に対する影響は小さい。
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2
経済研究所企業調査レポート
グラフ1 富士重工業の長期業績推移
(単位:百万円、予想は楽天証券、売上高は右目盛、利益は左目盛)
600,000
3,500,000
営業利益
500,000
400,000
3,000,000
当期純利益
売上高
2,500,000
300,000
2,000,000
200,000
1,500,000
100,000
1,000,000
0
19
96
/3
19 期
97
/3
19 期
98
/3
19 期
99
/3
20 期
00
/3
20 期
01
/3
20 期
02
/3
20 期
03
/3
20 期
04
/3
20 期
05
/3
20 期
06
/3
20 期
07
/3
20 期
08
/3
20 期
09
/3
20 期
10
/3
20 期
11
/3
20 期
12
/3
20 期
13
20 /3期
14
/3
2 0 期予
15
/3
2 0 期予
16
/3
期
予
500,000
-100,000
0
表1 富士重工業のセグメント別損益:通期ベース
2011/3期
自動車
航空宇宙
産業機器
その他
消去
合計
売上高
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
売上高
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
売上高
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
売上高
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
売上高
売上高
前年比
営業利益
営業利益率
前年比
1,452,207
80,387
5.5%
82,817
2,256
2.7%
30,061
-52
-0.2%
15,478
1,463
9.5%
81
1,580,563
84,135
5.3%
2012/3期
1,389,070
-4.3%
39,389
2.8%
-51.0%
80,251
-3.1%
2,882
3.6%
27.7%
33,617
11.8%
503
1.5%
-1067.3%
14,167
-8.5%
1,029
7.3%
-29.7%
156
1,517,105
-4.0%
43,959
2.9%
-47.8%
2013/3期
1,778,966
28.1%
110,974
6.2%
181.7%
89,148
11.1%
6,819
7.6%
136.6%
30,148
-10.3%
640
2.1%
27.2%
14,706
3.8%
1,618
11.0%
57.2%
360
1,912,968
26.1%
120,411
6.3%
173.9%
2014/3期
2015/3期
2016/3期
楽天証券予想
楽天証券予想
楽天証券予想
2,316,000
30.2%
295,000
12.7%
165.8%
100,000
12.2%
12,500
12.5%
83.3%
28,000
-7.1%
500
1.8%
-21.9%
6,000
-59.2%
1,500
25.0%
-7.3%
500
2,450,000
28.1%
310,000
12.7%
157.5%
2,746,000
18.6%
400,000
14.6%
35.6%
90,000
-10.0%
8,000
8.9%
-36.0%
28,000
0.0%
500
1.8%
0.0%
6,000
0.0%
1,500
25.0%
0.0%
0
2,870,000
17.1%
410,000
14.3%
32.3%
3,106,000
13.1%
490,000
15.8%
22.5%
90,000
0.0%
8,000
8.9%
0.0%
28,000
0.0%
500
1.8%
0.0%
6,000
0.0%
1,500
25.0%
0.0%
0
3,230,000
12.5%
500,000
15.5%
22.0%
単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成
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3
経済研究所企業調査レポート
スバル車の特色 ■
水平対向エンジン(ボクサー):スバル車の特徴は、第一に水平対向エンジンである。シリン
ダーを向かい合わせに対に並べた形状から「ボクサー」とも呼ばれるが、重心が低く走行安
定性が高い。この水平対向エンジンと4輪駆動を組み合わせることで、カーブに強い独特の
走りを体感することが出来る。
また、排気量は、ダイハツに委託生産している軽自動車を除くと、最小でコンパクトカー「トレ
ジア」の 1.3ℓ、1.5ℓであり、主力車種のレガシーが、2.0ℓターボ、2.5ℓ、比較的小型のインプ
レッサで 1.6ℓ、2.0ℓ、SUV の XV(インプレッサ系列)で 2.0ℓ、フォレスターが 2.0ℓ、2.0ℓターボ
であり、日本のメーカーとしては比較的排気量が大きな車が中心である。燃費は XV
HYBRID が JC08 燃費 20km/リットルと平均並み。他は、インプレッサの 1.6ℓモデルで JC08
燃費 17.6km/ℓであり、ハイブリッドカーと超低燃費車が中心の今の日本市場では決して良
い燃費ではない。
ただし、スバルの購入者は燃費よりも走行性能やアイサイトの安全性能を重視している。会
社側もハイブリッド車の研究を行っており、燃費を軽視しているわけではないが、燃費を重
点に顧客にアピールはしていない。
顧客層を拡大して現在の成長路線に:スバル車の顧客は、もともとは水平対向エンジンと
AWD(全輪駆動=四輪駆動)の走り味に見せられた熱狂的なファン(「スバリスト」と呼ばれ
る)が中心だった。また、開発姿勢も市場ニーズを必ずしも考慮しない、特定顧客のみを
ターゲットにしたマニアックなものだった。その結果、2000 年 3 月期にそれまでの最高営業
利益 914 億円を達成した後は業績は振るわず、特に 2004 年から 3 年間新車がない状態に
陥った時期は業績が低迷した。
この状況が変わったのが、前社長の森郁夫氏の時代(2006 年 6 月~2011 年 6 月)である。
商品政策を見直し、スバルの個性を維持しつつも売れる車造りを追及する開発体制に変更
した。その結果、米国向けに車体を一回り大きくした先代「インプレッサ」を 2007 年に発売し、
これがヒットした。続いて 2009 年にこれも車体を大きくした旗艦車種の現行(5代目)「レガ
シィ」もヒット。更に、2012 年発売の新型「フォレスター」、「XV」、2013 年の「XV HYBRID」が
立て続けにヒットした。
日米が主力:スバル車が受け入れられる地域は、日本、北米が中心であり、モータリゼー
ションが進んでいる地域である。中国でも 2012 年 9 月の反日デモまでは富裕層のセカンド
カーとして売り上げが伸びており、最近再び売れてきた。ただし、モータリゼーションの進ん
だ欧州では、欧州メーカーの車に押されて、売れ行きに波がある。また、中国を除くアジア
では、これまではあまり売れていない。もっとも、自動車の普及が進むに連れて、スバル車が
売れる余地は拡大していると思われるため、会社側はアセアンでの販売網増強に注力して
いる。
アイサイト:もう一つ、スバル車には重要な特徴がある。世界で始めて乗用車に標準搭載さ
れた危険回避装置「EyeSight」(アイサイト)である。アイサイトは、自動車にとって今後重要に
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4
経済研究所企業調査レポート
なる「安全技術」「自動運転技術」の先駆けとなるものであり、富士重工業の技術的先進性を
示すものである。
アイサイトの前身である「SUBARU 先進予防安全技術」は 1991 年の東京モーターショーで公
開された。複数の CCD カメラで前方の道路状況や障害物を監視するシステムである。その
後数々の改良を経てステレオカメラによるアイサイト(ver.1)を 2008 年にレガシィに搭載した
(日立製作所との共同開発)。次いで 2010 年には時速約 30km 以下のスピードで衝突回避
が可能となるアイサイト ver.2 を開発、ver.1 の 20 万円に対してコストを 10 万円に抑えた。ア
イサイト ver.2 は 5 代目レガシィを皮切りに、インプレッサ、フォレスター、XV に標準搭載され
ている。
更に、カメラ性能を向上させた「アイサイト ver.3」を 2014 年 5 月発売の新車「レヴォーグ」から
搭載する予定である。ver.3 は、時速約 50km までの衝突回避性能(ver.2 は時速約 30km ま
で)、アクティブレーンキープ(65km 以上で白線のある道路を走行しているときに、車線中央
を走れるようにステアリング性能を支援する)、全車速追従機能付きクルーズコントロール(割
り込み車両への対応やコーナーでの前走車への追従をスムーズにする)、危険回避アシス
ト(自動ブレーキや危険回避時の姿勢制御)、AT 誤後進抑制機能を持つ。カメラの性能は
視野角と視認距離が従来よりも約 40%拡大した。
ちなみに、歩行者の死亡事故の約 35%が歩行中の事故であり、カメラ性能を上げ衝突回避
性能を向上させることで事故を防ぐことを目指している。
アイサイトの搭載比率は国内では各車種とも 80~90%であり、指名買いが多い。アイサイト
の搭載は値引きが少ない要因にもなっている。一方アメリカでは最高グレードのみの設定で
7-8%の購入者に留まっている。これは、法的な責任の問題がアメリカでは不透明であり、
積極的に広告していないため。今後はアメリカでアイサイトの認知をどう上げていくかが課題
となろう。
2013 年 3 月期、2014 年 3 月期上期業績 ■ 過去5年間の富士重工業の業績を見ると(グ
ラフ1、表2、表11)、2008 年 9 月のリーマンショックの影響を 2009 年 3 月期、2010 年 3 月期
と受けたものの(2009/3 期、2010/3 期の最終赤字は各々699 億円、165 億円)、営業利益は
2010 年 3 月期から回復に向かった。2011 年 3 月の東日本大震災、同年 12 月から 2012 年
2 月までのタイの大洪水の影響は他社に比べ軽微に済んだ。
好業績の第一の要因は 2012 年 3 月期から 2014 年 3 月期にかけて重要な新車を相次いで
発売したことである。
まず、2011 年 12 月に現行の4代目「インプレッサ」を発売した。1600cc、2000cc の 2 種類の
タイプがあり、2000cc クラスには自動危険回避装置「アイサイト ver.2」が搭載されている。
次いで、2012 年 10 月にインプレッサシリーズのコンパクト SUV である「スバル XV」(もとの名
称は「インプレッサ XV」)を発売した(販売統計では「インプレッサ」に含まれる)。2000cc エン
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5
経済研究所企業調査レポート
ジンを搭載し、これもアイサイト ver.2 標準搭載版の設定がある。XV にはハイブリッド版も設
定されており、2013 年 6 月に「XV HYBRID」を発売した。
2012 年 11 月には4代目「フォレスター」を発売した。2000cc エンジンと 2000cc 直噴ターボエ
ンジンの2タイプがあり、インプレッサ同様、アイサイト ver.2 を標準搭載したタイプを設けてい
る。
これらの新車は日本投入の後で順次北米市場で発売されている。日本、アメリカでの売れ
行きは表4、5の通りであり、2011 年 12 月の現行インプレッサ発売以降、売れ行きが急増し
ていることがわかる。
また、2013 年 3 月期下期からは円安メリットも加わった。為替感応度は、2014 年 3 月期 1Q
までは1ドル1円の円安で営業利益に対して 75 億円のプラスの効果があったが、2Q から 85
億円に拡大した。これは、日本での生産が増加したことによるもの。富士重工業の生産拠点
は、日本(矢島工場、本工場)、SIA(アメリカの生産子会社)の 3 拠点と、マレーシアに小規
模のノックダウン工場を持つのみであり、効率的な生産体制を敷いている。
このほか、原価低減努力を継続していることも、業績拡大に結びついている。
この結果、2013 年 3 月期は表2のように大幅増収増益となった。この大幅増益ペースは、
2014 年 3 月期に入ってからも続いており、2014 年 3 月期 1Q 営業利益は前年比 2.3 倍、2Q
は同じく 3.1 倍になった。
2013 年 3 月期、2014 年 3 月期 1Q、2Q の業績好調の中で円安によるメリットは大きい。2013
年 3 月期の営業増益幅 765 億円のうち会社側の試算によれば、円安によるものが 293 億円、
販売単価の上昇等の売上構成差によるもの 817 億円、原価低減によるものが 315 億円と
なっている。これに対して、製造固定費、販売管理費(インセンティブ(販売奨励金)を含む)
などの諸経費増加が 650 億円のマイナス要因、試験研究費増加が 10 億円のマイナス要因
となった。
また、2014 年 3 月期 2Q 累計決算(2013 年 4-9 月期決算)では、営業増益幅 1074 億円のう
ち、円安要因が 872 億円、売上構成差等が 213 億円、原価低減が 135 億円となっている。
販売効率が改善しインセンティブ(販売奨励金)などの経費増加が少なかったため、諸経費
等は 96 億円のマイナス要因、試験研究費の増加は 50 億円のマイナス要因にとどまった。
このように 2013 年 3 月期以降の営業増益要因では円安要因が大きいものの、売上構成差
や原価低減効果も少なからずあり、バランスの取れた利益成長と言える。
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6
経済研究所企業調査レポート
表2
富士重工業(7270)
更新日
株価
時価総額
EV
2011/3通
連結業績推移
2014/1/10
3,045 円(14/1/10)
2,376,300 百万円
2,217,049 百万円
2012/3通
2013/3通
発行済株数
自己株(外数)
780,394,066 株
2,471,807 株
2014/3通予
2014/3通予
2014/3通予
2014/3通予
2015/3通予
2016/3通予
旧会社予想
新会社予想1
新会社予想2
新楽天証券予想
新楽天証券予想
新楽天証券予想
(13/7/31)
(13/10/31)
(13/11/13)
(14/1/8)
(14/1/8)
(14/1/8)
1,580,563
1,517,105
1,912,968
2,080,000
2,300,000
2,300,000
2,450,000
2,870,000
3,230,000
伸び率
売上総利益
売上総利益率
伸び率
販売費及び一般管理費
対売上高比率
伸び率
10.6%
339,136
21.5%
22.9%
255,001
16.1%
2.6%
-4.0%
294,686
19.4%
-13.1%
250,727
16.5%
-1.7%
26.1%
411,159
21.5%
39.5%
290,748
15.2%
16.0%
8.7%
20.2%
20.2%
28.1%
650,000
26.5%
58.1%
340,000
13.9%
16.9%
17.1%
800,000
27.9%
23.1%
390,000
13.6%
14.7%
12.5%
940,000
29.1%
17.5%
440,000
13.6%
12.8%
営業利益
84,135
43,959
120,411
198,000
278,000
278,000
310,000
410,000
500,000
5.3%
207.6%
82,225
5.2%
267.7%
50,326
3.2%
-405.9%
64.5
9.0
2.9%
-47.8%
37,277
2.5%
-54.7%
38,453
2.5%
-23.6%
49.3
9.0
6.3%
173.9%
100,609
5.3%
169.9%
119,588
6.3%
211.0%
153.2
15.0
9.5%
64.4%
193,000
9.3%
91.8%
121,000
5.8%
1.2%
155.0
20.0
12.1%
130.9%
272,000
11.8%
170.4%
178,000
7.7%
48.8%
228.1
40.0
12.1%
130.9%
272,000
11.8%
170.4%
207,000
9.0%
73.1%
265.3
40.0
12.7%
157.5%
304,000
12.4%
202.2%
231,000
9.4%
93.2%
296.0
40.0
14.3%
32.3%
410,000
14.3%
34.9%
266,000
9.3%
15.2%
340.9
50.0
15.5%
22.0%
500,000
15.5%
22.0%
325,000
10.1%
22.2%
416.5
60.0
7,023
43,100
49,800
7,028
54,300
53,700
11,713
70,200
55,900
15,608
67,000
55,000
31,216
72,000
55,000
31,216
72,000
55,000
31,216
72,000
55,000
39,020
70,000
58,000
46,824
70,000
60,000
100,126
50,003
128.3
64.1
133,935
92,153
30,825
118.1
39.5
97,659
175,488
93,575
224.9
119.9
176,311
176,000
93,392
225.5
119.7
253,000
233,000
129,784
298.6
166.3
333,000
262,000
158,784
335.7
203.5
333,000
286,000
182,784
366.5
234.2
365,000
324,000
214,980
415.2
275.5
468,000
385,000
268,176
493.3
343.6
560,000
47.2
23.7
16.6
61.8
25.8
22.7
19.9
13.5
12.6
19.6
13.5
8.8
13.3
10.2
6.7
11.5
9.1
6.7
10.3
8.3
6.1
8.9
7.3
4.7
7.3
6.2
4.0
<別掲>
試験研究費
42,900
純資産
413,963
一株当たり純資産
530.5
5.74
PBR
配当利回り
0.30%
単位:百万円、円、倍
出所:会社資料より楽天証券作成
48,100
451,607
578.7
5.26
0.30%
49,100
596,813
764.8
3.98
0.49%
59,000
649,505
832.3
3.66
0.66%
60,000
711,248
911.4
3.34
1.31%
60,000
711,248
911.4
3.34
1.31%
60,000
711,248
911.4
3.34
1.31%
65,000
70,000
1.64%
1.97%
売上高
営業利益率
伸び率
経常利益
対売上高比率
伸び率
当期純利益
当期純利益率
伸び率
遡及済みEPS
配当
配当金額
設備投資額
減価償却費
キャッシュフロー
フリーキャッシュフロー
CFPS
FCFPS
EBITDA
PER
PCFR
EV/EBITDA
表3 連結四半期業績
2012/3期1Q 2Q
売上高
3Q
4Q
2013/3期1Q 2Q
3Q
4Q
2014/3期1Q 2Q
300,393
354,630
374,384
487,698
428,895
469,125
472,705
542,243
546,932
578,706
伸び率
売上総利益
売上総利益率
伸び率
販売費及び一般管理費
対売上高比率
伸び率
-18.9%
64,390
21.4%
-23.7%
53,722
17.9%
-13.0%
-18.2%
67,089
18.9%
-32.5%
58,997
16.6%
-8.7%
1.0%
71,215
19.0%
-3.5%
62,121
16.6%
7.7%
20.1%
91,992
18.9%
12.8%
75,887
15.6%
7.0%
42.8%
85,488
19.9%
32.8%
68,156
15.9%
26.9%
32.3%
92,857
19.8%
38.4%
66,932
14.3%
13.4%
26.3%
100,931
21.4%
41.7%
70,820
15.0%
14.0%
11.2%
131,883
24.3%
43.4%
84,840
15.6%
11.8%
27.5%
149,958
27.4%
75.4%
80,323
14.7%
17.9%
23.4%
163,437
28.2%
76.0%
82,370
14.2%
23.1%
営業利益
10,668
8,092
9,094
16,105
17,332
25,925
30,111
47,043
69,635
81,067
営業利益率
3.6%
-52.9%
伸び率
11,691
経常利益
対売上高比率
3.9%
-51.7%
伸び率
28,454
四半期純利益
四半期純利益率
9.5%
48.7%
伸び率
単位:百万円
出所:会社資料より楽天証券作成
2.3%
-76.7%
9,872
2.8%
-71.5%
4,299
1.2%
-83.1%
2.4%
-43.6%
7,150
1.9%
-55.2%
4,003
1.1%
-71.1%
3.3%
51.2%
8,564
1.8%
15.0%
1,697
0.3%
-121.0%
4.0%
62.5%
19,128
4.5%
63.6%
16,354
3.8%
-42.5%
5.5%
220.4%
26,159
5.6%
165.0%
24,086
5.1%
460.3%
6.4%
231.1%
18,140
3.8%
153.7%
12,696
2.7%
217.2%
8.7%
192.1%
37,182
6.9%
334.2%
66,452
12.3%
3815.9%
12.7%
301.8%
64,504
11.8%
237.2%
48,467
8.9%
196.4%
14.0%
212.7%
81,720
14.1%
212.4%
51,344
8.9%
113.2%
楽天証券株式会社
_______________________________________________________________________________
〒140-0002 東京都品川区東品川 4-12-3
品川シーサイド楽天タワー
7
経済研究所企業調査レポート
表4
富士重工業:日本の車種別新車販売台数
レガシー
インプレッサ フォレスター BRZ
2012年1月
1,503
2,847
754
2012年2月
1,895
3,377
1,096
2012年3月
3,455
7,512
2,035
2012年4月
1,468
1,780
766
2012年5月
2,207
1,804
586
2012年6月
3,039
3,094
512
2012年7月
2,931
5,094
278
2012年8月
2,024
3,142
132
2012年9月
2,480
7,278
61
2012年10月
1,752
5,200
30
2012年11月
1,922
5,637
3,113
2012年12月
1,332
5,250
3,109
2013年1月
1,318
4,392
3,012
2013年2月
1,826
4,213
2,740
2013年3月
3,073
7,368
4,364
2013年4月
1,411
4,041
3,377
2013年5月
1,442
3,691
3,275
2013年6月
1,823
5,095
2,922
2013年7月
2,045
5,714
3,144
2013年8月
1,443
4,088
2,254
2013年9月
2,013
6,672
3,663
2013年10月
1,120
4,160
2,378
2013年11月
1,289
4,837
2,327
2013年12月
2,083
3,972
1,710
前年比
レガシー
インプレッサ フォレスター BRZ
2012年1月
19.5%
127.0%
-36.1%
2012年2月
-10.6%
68.1%
-32.0%
2012年3月
63.3%
276.4%
35.4%
2012年4月
34.2%
47.8%
-19.0%
2012年5月
58.9%
-11.9%
-42.4%
2012年6月
49.7%
52.3%
-54.8%
2012年7月
54.3%
204.1%
-78.3%
2012年8月
23.9%
91.5%
-87.0%
2012年9月
-25.1%
194.2%
-96.3%
2012年10月
-17.2%
202.1%
-97.0%
2012年11月
15.9%
402.9%
220.3%
2012年12月
-23.5%
110.3%
159.5%
2013年1月
-12.3%
54.3%
299.5%
2013年2月
-3.6%
24.8%
150.0%
2013年3月
-11.1%
-1.9%
114.4%
2013年4月
-3.9%
127.0%
340.9%
2013年5月
-34.7%
104.6%
458.9%
2013年6月
-40.0%
64.7%
470.7%
2013年7月
-30.2%
12.2%
1030.9%
2013年8月
-28.7%
30.1%
1607.6%
2013年9月
-18.8%
-8.3%
5904.9%
2013年10月
-36.1%
-20.0%
7826.7%
2013年11月
-32.9%
-14.2%
-25.2%
2013年12月
56.4%
-24.3%
-45.0%
その他
合計
9,569
10,809
17,097
4,318
5,470
6,178
6,842
5,160
6,187
3,288
3,987
3,485
4,243
5,970
8,944
4,268
4,407
4,973
5,319
4,394
6,318
4,203
4,281
4,421
446
515
137
448
500
311
504
510
458
1,001
828
714
880
250
217
255
273
221
178
270
387
313
その他
97.3%
-51.5%
58.4%
-43.1%
-45.4%
-28.9%
-64.7%
-47.1%
-15.5%
-68.7%
合計
34.0%
9.7%
57.8%
-21.2%
4.0%
-20.1%
-25.7%
-22.8%
-38.7%
-55.8%
-61.7%
-65.2%
-55.7%
-44.8%
-47.7%
-1.2%
-19.4%
-19.5%
-22.3%
-14.8%
2.1%
27.8%
7.4%
26.9%
楽天証券株式会社
_______________________________________________________________________________
〒140-0002 東京都品川区東品川 4-12-3
品川シーサイド楽天タワー
14,673
17,177
30,545
8,847
10,204
13,271
15,645
10,769
16,510
10,780
15,117
14,177
13,793
15,463
24,629
13,347
13,032
15,068
16,495
12,400
18,844
12,131
13,121
12,499
35.4%
10.2%
85.7%
1.4%
5.0%
2.7%
11.2%
-1.9%
-5.8%
-12.2%
6.7%
-8.3%
-6.0%
-10.0%
-19.4%
50.9%
27.7%
13.5%
5.4%
15.1%
14.1%
12.5%
-13.2%
-11.8%
8
経済研究所企業調査レポート
表5
富士重工業:アメリカの車種別新車販売台数
フォレスター インプレッサ インプレッサWRX
レガシー
アウトバック XVクロストレック トライベッカ BRZ
2012年1月
5,117
6,221
710
3,119
7,412
0
228
2012年2月
5,565
6,334
922
3,614
8,762
0
177
2012年3月
6,192
8,545
1,197
5,384
10,886
0
183
2012年4月
5,666
6,791
1,352
3,799
8,548
0
154
2012年5月
7,323
6,786
1,525
4,462
9,192
0
165
2012年6月
7,233
5,181
1,138
3,894
9,254
0
184
2012年7月
6,453
4,553
925
3,321
9,282
0
151
2012年8月
6,956
4,719
681
3,872
11,285
0
157
2012年9月
6,066
4,992
1,079
4,124
10,583
192
139
2012年10月
5,309
3,638
1,100
3,598
10,153
1,735
184
2012年11月
5,703
4,552
1,353
3,723
10,124
2,060
164
2012年12月
8,764
5,863
1,642
4,217
12,072
3,409
189
2013年1月
6,565
4,590
1,306
3,184
8,632
2,764
159
2013年2月
5,529
4,515
1,486
3,745
9,016
3,258
194
2013年3月
9,050
5,327
1,727
4,400
10,453
4,688
151
2013年4月
9,366
4,692
1,508
3,286
8,730
4,433
116
2013年5月
10,068
5,219
1,829
4,430
12,270
5,295
102
2013年6月
10,170
5,210
1,697
4,363
12,210
4,652
144
2013年7月
9,841
5,614
1,471
3,142
10,456
4,636
128
2013年8月
13,163
6,784
1,235
3,954
10,163
4,757
137
2013年9月
10,620
4,622
1,167
2,847
8,143
3,536
116
2013年10月
12,581
3,567
1,356
3,090
8,122
4,886
101
2013年11月
13,410
3,767
1,507
2,911
8,852
5,311
107
2013年12月
13,229
4,949
1,680
2,939
11,002
5,525
143
合計
0
0
0
0
271
818
498
623
508
402
527
497
463
420
905
812
679
789
706
868
704
780
756
705
22,807
25,374
32,387
26,310
29,724
27,702
25,183
28,293
27,683
26,119
28,206
36,653
27,663
28,163
36,701
32,943
39,892
39,235
35,994
41,061
31,755
34,483
36,621
40,172
前年比
フォレスター インプレッサ インプレッサWRX
レガシー
アウトバック XVクロストレック トライベッカ BRZ
合計
2013年1月
28.3%
-26.2%
83.9%
2.1%
16.5%
-30.3%
2013年2月
-0.6%
-28.7%
61.2%
3.6%
2.9%
9.6%
2013年3月
46.2%
-37.7%
44.3%
-18.3%
-4.0%
-17.5%
2013年4月
65.3%
-30.9%
11.5%
-13.5%
2.1%
-24.7%
2013年5月
37.5%
-23.1%
19.9%
-0.7%
33.5%
-38.2%
150.6%
2013年6月
40.6%
0.6%
49.1%
12.0%
31.9%
-21.7%
-3.5%
2013年7月
52.5%
23.3%
59.0%
-5.4%
12.6%
-15.2%
41.8%
2013年8月
89.2%
43.8%
81.4%
2.1%
-9.9%
-12.7%
39.3%
2013年9月
75.1%
-7.4%
8.2%
-31.0%
-23.1%
1741.7%
-16.5%
38.6%
2013年10月
137.0%
-2.0%
23.3%
-14.1%
-20.0%
181.6%
-45.1%
94.0%
2013年11月
135.1%
-17.2%
11.4%
-21.8%
-12.6%
157.8%
-34.8%
43.5%
2013年12月
50.9%
-15.6%
2.3%
-30.3%
-8.9%
62.1%
-24.3%
41.9%
単位:台
出所:SUBARU OF AMERICA
2014 年 3 月期業績見通し ■ 2014 年 3 月期通期業績は上期の好調を引き継ぎ、会社予
想を上回ると予想される。営業利益は会社予想では 2780 億円(前年比 2.3 倍)だが、楽天
証券では 3100 億円と予想する。
通期業績の増益要因を見ると、会社予想では、通期で 1576 億円の増益要因のうち円安に
よるものが 1334 億円、売上構成差等 437 億円、原価低減 174 億円とプラス要因になってお
り、諸経費等の増加によるマイナス要因が 260 億円、試験研究費の増加によるマイナス要因
が 109 億円となっている。
これらの要因のなかで、円安要因についてみると、会社側の通期前提レートは1ドル=97 円、
1ユーロ=127 円であり、2Q 以降の為替感応度は1ドル 1 円の円安で 85 億円、1ユーロ 1
円の円安で 2 億円の営業利益増加となる。12 月は1ドル=105 円、1ユーロ=144 円、1-3
楽天証券株式会社
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9
21.3%
11.0%
13.3%
25.2%
34.2%
41.6%
42.9%
45.1%
14.7%
32.0%
29.8%
9.6%
経済研究所企業調査レポート
月に1ドル=104 円、1ユーロ=142 円で推移すると想定すると、通期平均レートは、1ドル=
100 円、1ユーロ=134 円になる。ここから楽天証券では 2014 年 3 月期の円安メリットが 1590
億円になると試算した(表6参照)。
また、インセンティブは下期に北米でレガシィのインセンティブを積み増すものの、予定より
も少なく済みそうなので、諸経費等の増加によるマイナス要因を会社予想の 260 億円に対し
て 210 億円と見積もった。
なお、2014 年 3 月期は、汎用エンジンを供給していた米ポラリス社の株式を売却し、売却益
471 億円を計上する。
販売中の車種を見ると、日本ではモデル末期になったレガシィの前年割れが続いていたが、
特別仕様車の発売とキャンペーンで 2013 年 12 月には盛り返した。ただし、国内販売を支え
ていたインプレッサ、フォレスターが、インプレッサは 9 月から、フォレスターは 11 月から前年
割れになっている。もっとも、インプレッサの中には、小型 SUV の「XV」「XV Hybrid」が含ま
れているため、車種構成は高度化していると思われる。
レガシィの販売は波はありながらも下期は減少が続くと思われる。これはモデル末期である
ことに加え、2014 年 4 月に予定されている新車「レヴォーグ」(後述)発売の前の買い控えが
発生すると思われるからである。「レヴォーグ」の影響は、インプレッサ、フォレスターも受けつ
つあると思われる。
アメリカでは、日本同様レガシィとツーリングワゴンのレガシィ・アウトバックが前年割れになっ
ており、インプレッサの伸びも低下しているが、SUV のフォレスター、XV クロストレックの好調
が続いている。また、トヨタ自動車と共同開発した BRZ の伸びも大きい。2013 年 12 月の販売
台数の伸び鈍化(全体で 9.6%増、2013 年通年では前年比 26.2%増)は当社の場合は悪
天候によると思われる。
その他地域では、11 月までの販売台数を見ると、中国とロシアの伸びが大きくなっている。
当社では、日本とアメリカを販売の重点地域としており、この2国に車を優先的に供給してい
るため、日本、アメリカ以外の販売は必ずしも一定しない。ただし、富裕層のセカンドカーと
しての需要が強いため、中国、ロシアは増産すれば売れる地域になると思われる。
楽天証券株式会社
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10
経済研究所企業調査レポート
表6 営業利益の増減益要因
2012/3期
売上構成差等
原価低減
為替レート差
諸経費等
試験研究費
営業増減益額
営業利益試算
単位:億円
12
-22
-420
80
-52
-402
2013/3期 2014/3期上期
817
315
293
-650
-10
764
1204
213
135
872
-96
-50
1074
2014/3期
2014/3期
2015/3期
2015/3期
会社計画 楽天証券予想 楽天証券予想 楽天証券予想
437
437
600
750
174
174
200
300
1334
1590
350
0
-260
-210
-100
-100
-109
-109
-50
-50
1576
1882
1000
900
2780
3086
4086
4986
為替レートによる利益増減影響の試算
2012/3期
為替レート
円ドル(円)
79
円ユーロ(円)
為替感応度
円ドル(億円)
円ユーロ(億円)
為替による利益増減
円ドル(億円)
円ユーロ(億円)
計
単位:円、億円
出所:会社資料を基に楽天証券作成
2013/3期 2014/3期上期
2014/3期
2014/3期
2015/3期
2015/3期
会社計画 楽天証券予想 楽天証券予想 楽天証券予想
82
106
97
127
100
134
104
142
104
142
75
3
85
2
85
2
85
2
85
2
1275
21
1296
1530
56
1586
340
16
356
0
0
0
表7 富士重工業の自動車小売台数(主要国)
日本:登録車
日本:軽自動車
日本小計
米国
カナダ
北米小計
欧州
ロシア
豪州
中国
合計
2013年1月 2013年2月 2013年3月 2013年4月 2013年5月 2013年6月 2013年7月 2013年8月 2013年9月 2013年10月 2013年11月
10,087
10,251
16,970
9,603
9,110
10,595
11,651
8,497
13,120
8,237
9,287
3,706
5,212
7,659
3,744
3,922
4,473
4,844
3,903
5,722
3,895
3,834
13,793
15,463
24,629
13,347
13,032
15,068
16,495
12,400
18,842
12,132
13,121
27,663
28,163
36,701
32,943
39,892
39,235
35,994
41,061
31,755
34,483
36,621
1,813
1,889
3,117
3,562
3,603
3,274
3,250
3,339
3,310
3,572
3,327
29,476
30,052
39,818
36,505
43,495
42,509
39,244
44,400
35,065
38,055
39,948
2,463
2,371
3,349
3,472
2,954
2,750
2,184
1,917
3,085
2,147
2,206
868
1,362
1,801
1,900
1,501
1,257
1,320
1,208
1,305
1,375
1,423
3,104
3,106
4,219
2,553
3,612
4,119
3,102
2,881
2,752
2,860
4,232
4,916
2,233
4,003
4,008
4,214
4,430
4,435
5,006
5,314
5,053
5,378
54,620
54,587
77,819
61,785
68,808
70,133
66,780
67,812
66,363
61,622
66,308
前年比
日本:登録車
日本:軽自動車
日本小計
米国
カナダ
北米小計
欧州
ロシア
豪州
中国
合計
単位:台
出所:会社資料
2013年1月 2013年2月 2013年3月 2013年4月 2013年5月 2013年6月 2013年7月 2013年8月 2013年9月 2013年10月 2013年11月
70.5%
34.8%
8.3%
83.4%
65.9%
33.1%
14.3%
25.0%
10.7%
0.8%
-21.9%
-57.7%
-45.5%
-48.5%
3.7%
-16.8%
-15.8%
-11.2%
-1.7%
22.8%
49.2%
18.7%
-6.0%
-10.0%
-19.4%
50.9%
27.7%
13.5%
5.4%
15.1%
14.1%
12.5%
-13.2%
21.3%
11.0%
13.3%
25.2%
34.2%
41.6%
42.9%
45.1%
14.7%
32.0%
29.8%
-3.4%
-0.7%
11.7%
29.4%
28.6%
27.1%
37.6%
24.6%
23.2%
17.7%
22.0%
19.4%
10.2%
13.2%
25.6%
33.7%
40.4%
42.5%
43.4%
15.5%
30.5%
29.1%
8.5%
-11.0%
-19.9%
56.7%
20.5%
-8.6%
-20.2%
-41.5%
-6.5%
-17.9%
-20.4%
17.0%
19.3%
68.8%
38.3%
7.2%
-8.2%
22.6%
7.3%
0.7%
19.2%
50.4%
-3.1%
-3.7%
5.4%
-15.0%
-5.0%
0.4%
2.6%
-10.1%
-14.3%
-10.7%
31.8%
25.4%
-27.9%
-14.8%
-23.5%
-6.5%
-12.3%
1.1%
24.1%
186.0%
244.2%
139.2%
10.4%
0.0%
-2.3%
24.2%
25.4%
22.9%
22.7%
27.0%
17.4%
27.4%
20.1%
楽天証券株式会社
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11
経済研究所企業調査レポート
2015 年 3 月期業績、2016 年 3 月期業績見通し ■
「レヴォーグ」:2014 年5月に新車「レヴォーグ」を発売する予定である。2014 年 1 月から先行
予約を開始した。レガシィは富士重工業のフラッグシップ(旗艦車種)だが、2009 年に発売さ
れた現在の 5 代目レガシィは、4 代目よりも車体が一回り大きかった。これに対して、従来の
小振りな車体を求めるユーザーの声が多かった。レヴォーグは 4 代目レガシィの車体とほぼ
同じ大きさで、性能を大きく向上させている。車種体系の上ではレガシィ・ツーリングワゴンの
後継という形にあるが、実質的には新車である。
レヴォーグのエンジン排気量は 1.6ℓと 2.0ℓで、このうち 1.6ℓエンジンは最新の 1.6L 水平対
向 4 気筒 DOHC 直噴ターボ「DIT」である。また廉価版1車種を除く全車種に危険回避装置
「EyeSight」(アイサイト)ver.3 を搭載する。価格は 266 万 7600 円~356 万 4000 円(消費税
8%込み)となっているが、これはレガシィの 236.25~364.35 万円とほぼ同等で、今の売れ筋
であるインプレッサ(155.4~235.2 万円)、XV(219.45~278.25 万円)、フォレスター(208.95
~293.685 万円)よりも高い。当社に限らず、最近は各車種の中で最上級グレードが売れ筋
車種になる傾向が強くなっており、レヴォーグも 300 万円以上の上位車種が売れ筋になると
思われる。レヴォーグ発売は、来期の平均単価引き上げに結びつき、業績向上にとって重
要な要因になろう。
レヴォーグは日本向けに設計された車で、排気量の割に小柄でスポーティに仕上がってい
る。会社側ではアメリカのディーラーの要望があれば対米輸出を検討するとしているが、実
際に要望がある模様なので、2015 年 3 月期下期にもアメリカ市場に投入される可能性があ
る。
表8 アイサイトver.2、ver.3の機能比較
ステレオカメラ
認識対象
信号
ブレーキランプ
車線
自動車
自動二輪車
自転車
歩行者
アイサイトの機能
ver.3
カラー
ver.2
モノクロ
○
○
○
○
○
○
○
×
×
○
○
○
○
○
○ 速度差約 ○ 速度差約
50km/hまで
30km/hまで
プリクラッシュブレーキ ○ 速度差約 ○ 速度差約
アシスト
70km/hまで
50km/hまで
危険回避アシスト
○
×
全車速追従機能付き ○ 全車速域0 ○ 全車速域0
クルーズコントロール
~100km/h
~100km/h
レーンキープアシスト:
○
×
車線中央維持
レーンキープアシスト:
○
×
車線逸脱抑制
AT誤発進抑制制御
○
○
AT誤後進抑制制御
○
×
車間距離警報
○
○
車線逸脱警報
○
○
ふらつき警報
○
○
先行車発進のお知ら
○
○
せ
出所:月刊自家用車2014年2月号
プリクラッシュブレーキ
楽天証券株式会社
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12
経済研究所企業調査レポート
レガシィのフルモデルチェンジも:また、2014 年秋にレガシィのフルモデルチェンジを行うと
思われる。今の 5 代目レガシィは 2009 年に発売され、今年 2014 年で 5 年経過する。フルモ
デルチェンジの内容は不明だが、当社の旗艦車種であり、内容の濃いものになることが期
待される。2014 年 5 月のレヴォーグ発売、秋に予想されるレガシィのフルモデルチェンジに
よって、2015 年 3 月期、2016 年 3 月期の売れ筋車種は当社としては価格が高いレヴォーグ、
レガシィになると思われる。ちなみにレヴォーグは、1 月 9 日付け日刊自動車新聞によれば
予約開始 2 日間で 2000 台弱の受注を得ており、出足は順調である。
2015 年 3 月期、2016 年 3 月期も好業績へ:基本的に、自動車の粗利益額と粗利益率は価
格に正比例して良くなると思われるため、レヴォーグと新型レガシィによって販売単価が上
昇するであろう 2015 年 3 月期、2016 年 3 月期は、利益率上昇を伴う二桁増益が期待できよ
う。
また、足元の 1 ドル=104 円台、1ユーロ=142 円台の為替レートが続けば、2014 年 3 月期
平均レートが 1 ドル=100 円。1ユーロ=134 円になる見込みなので、前述の為替感応度か
ら 2015 年 3 月期は 350~360 億円の円安メリットが発生する見込みである。
これらの要因から、楽天証券では、2015 年 3 月期売上高 2 兆 8700 億円(前年比 17.1%増)、
営業利益 4100 億円(32.3%増)、当期純利益 2660 億円(15.2%増)、EPS340.9 円、2016 年
3 月期売上高 3 兆 2300 億円(12.5%増)、営業利益 5000 億円(22.0%増)、当期純利益
3250 億円(22.2%増)、EPS416.5 円を予想する。
なお、リーマンショックによる需要減退に伴って発生した 2009 年 3 月期、2010 年 3 月期の最
終赤字による税務上の累積損失は、2014 年 3 月期で解消する見込みである。2015 年 3 月
期からの税率は 35%として当期純利益を予想した。
設備投資 ■ 日米その他、いずれの地域でも販売が好調なため、工場の稼働率はほぼ
100%であり、会社側では生産能力の増強を続けている。表9のように今後も日米両工場の
増強を続ける予定。
また、現在アメリカ工場(SIA)では年産 10 万台をトヨタ自動車の北米向けカムリの受託生産
に充当している。トヨタ自動車は、この 10 万台分のカムリを自社生産に切り替える意向である。
年産 10 万台は工場 0.5~1個分に相当するため、移管は2~3年後になると思われる。その
ため、本レポートでは業績予測に織り込まなかった。
ただし、富士重工業の今期連結販売台数は会社予想で 80 万 7300 台、楽天証券予想で 81
万 8000 台であり、このうちダイハツからの軽自動車の仕入れを除く自社生産分は会社予想
75 万 3400 台、楽天証券予想 76 万 3000 台なので、10 万台の余裕能力は 13%の増産余力
を生み出すことになる。正式な移管は2~3年後になると思われるが、富士重工業にとって
は北米市場に強化や中国、ロシア、アセアンでの拡大が可能になると思われる。
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経済研究所企業調査レポート
表9 富士重工業の生産能力増強計画
2012年3月 2012年8月 2013年1月 2013年夏
2014年夏 2016年末
2016年末
計画
計画 /2013年夏比
422
422
0
0
0
200
200
20
0
20
200
300
30
100
130
822
922
50
100
150
矢島工場
422
422
422
422
増強幅
0
0
0
本工場
100
150
165
180
増強幅
50
15
15
SIA
170
170
170
170
増強幅
0
0
0
合計
692
742
757
772
増強幅
50
15
15
SIAカムリ向けの移管分
富士重工業の自社向け生産能力総計
692
742
757
772
822
922
150
単位:千台
出所:会社資料
注:SIAでは現在トヨタのカムリ北米向けを年産10万台受託生産している。これはなくなる見込みだが、時期が不明なので、表
中では無視した。
株価見通し ■ 富士重工業株は、現在、今期予想 PER(楽天証券予想ベース)で 10 倍で
評価されている。特別利益の影響を排除すると今期楽天証券予想 EPS は 253.2 円、PER は
12 倍になる。この評価はトヨタ自動車、本田技研工業など他社に比べて劣後しているわけで
はないが、高く評価されているわけでもない。一方で、過去の PER は業績が振るわなかった
時期でも 12~14 倍で評価されていた(2012 年 3 月期や 2004 年 3 月期など、グラフ2)ため、
今後富士重工業が持続的な利益成長を達成できるならば、これ以下の評価をする必要は
ないと思われる。
そこで、本レポートでは、楽天証券の来期(2015 年 3 月期)予想 EPS 340.9 円に PER13 倍
をあてはめ、今後 1 年間の目標株価レンジを 4,300~4,500 円とする。株価レーティングはA
とする。
グラフ2 富士重工業の株価と予想PER
(単位:円、倍、株価は左目盛、PERは右目盛)
3500
40.0
月末株価
3000
35.0
予想PER
30.0
2500
25.0
2000
20.0
1500
15.0
1000
10.0
5.0
0
0.0
1997年5月
1997年10月
1998年3月
1998年8月
1999年1月
1999年6月
1999年11月
2000年4月
2000年9月
2001年2月
2001年7月
2001年12月
2002年5月
2002年10月
2003年3月
2003年8月
2004年1月
2004年6月
2004年11月
2005年4月
2005年9月
2006年2月
2006年7月
2006年12月
2007年5月
2007年10月
2008年3月
2008年8月
2009年1月
2009年6月
2009年11月
2010年4月
2010年9月
2011年2月
2011年7月
2011年12月
2012年5月
2012年10月
2013年3月
2013年8月
2014年1月
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経済研究所企業調査レポート
リスク要因 ■
増産対応:現在の工場稼働率はほぼ 100%である。残業、休日出勤などで増産対応が可能
な日本では期間工の採用が難しくなってきており、大幅な増産は難しい状況である。来期も
工場のフル稼働が続くと思われる。アメリカ工場のカムリ受託生産 10 万台をトヨタに返還する
時期がいつになるか、早期返還が期待される。
販売動向:富士重工業の注目点の第一は、世界の自動車メーカーの中で、販売台数の伸
びが最も高いグループに属するということである。足元でも日本は鈍化しているものの、これ
はレヴォーグ発売前の買い控えの要素が強いと思われる。アメリカでは SUV が好調であり、
市場全体が鈍化した 2013 年 12 月も健闘した。従って、足元の販売動向に問題はないが、
販売が傾向的に鈍化した場合は、株価に無視できない影響が発生すると思われるため、注
意は要する。
為替レート:前述したように富士重工業の 2014 年 3 月期増益要因のうち最も大きいのが円安
である。来期(2015 年 3 月期)も今の為替レートが続けば、今期ほどではないものの、円安が
重要な増益要因となろう。逆に円高になれば(筆者は傾向的に円高になるとは考えていない
が)、業績にも株価にもネガティブな要因となると思われる。このため、為替レートの動きにも
注意を要する。
販売地域:富士重工業は自動車販売が日本と北米に集中しており、2013 年 4-11 月の新車
販売台数(小売)52 万 9611 台のうち 82%、43 万 3658 台が日本と北米である。生産も主力
向上は日本とアメリカであり、あとは小規模なノックダウン工場がマレーシアにあるのみであ
る。
生産、販売を日米に集中している今の体制は効率的ではあるが、もし日本市場と北米市場
が変調をきたせばリスクになる。会社側も中国、ロシア、アセアンなど日米以外の市場を無視
しているわけではない。生産能力増強に伴って自動車販売の地域構成に変化が現れるかど
うか、今後を注目したい。
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経済研究所企業調査レポート
表10 連結国別完成車販売台数
アメリカ
前年比
カナダ
前年比
欧州
前年比
ロシア
前年比
オーストラリア
前年比
中国
前年比
その他
前年比
海外計
前年比
登録車
前年比
軽自動車
前年比
国内計
前年比
合計
前年比
2011年3月期
2012年3月期
2013年3月期
279.0
22.9%
28.1
23.2%
48.2
29.2%
11.3
606.3%
41.2
17.7%
62.4
27.6%
28.7
51.9%
498.9
27.4%
68.1
-9.3%
90.0
-6.4%
158.1
-7.7%
657.0
16.7%
280.4
0.5%
28.2
0.4%
39.1
-18.9%
15.9
40.7%
36.9
-10.4%
48.3
-22.6%
18.7
-34.8%
467.5
-6.3%
80.2
17.8%
92.2
2.4%
172.3
9.0%
639.8
-2.6%
357.6
27.5%
32.6
15.6%
46.4
18.7%
14.7
-7.5%
38.1
3.3%
50.2
3.9%
21.7
16.0%
561.3
20.1%
112.8
40.6%
50.4
-45.3%
163.1
-5.3%
724.4
13.2%
2014年3月期
会社計画(旧)
384.9
7.6%
35.5
8.9%
41.8
-9.9%
12.6
-14.3%
42.5
11.5%
51.2
2.0%
27.6
27.2%
596.0
6.2%
101.6
-9.9%
53.9
6.9%
155.5
-4.7%
751.5
3.7%
2014年3月期
会社計画(新)
434.8
21.6%
35.9
10.1%
34.6
-25.4%
15.4
4.8%
39.9
4.7%
44.2
-12.0%
32.5
49.8%
637.4
13.6%
116.3
3.1%
53.9
6.9%
169.9
4.2%
807.3
11.4%
2014年3月期
楽天証券予想
440.0
23.0%
37.0
13.5%
36.0
-22.4%
17.0
15.6%
39.0
2.4%
46.0
-8.4%
32.0
47.5%
647.0
15.3%
116.0
2.8%
55.0
9.1%
171.0
4.8%
818.0
12.9%
2015年3月期
楽天証券予想
510.0
15.9%
42.0
13.5%
38.0
5.6%
17.0
0.0%
40.0
2.6%
48.0
4.3%
38.0
18.8%
733.0
13.3%
129.0
11.2%
57.0
3.6%
186.0
8.8%
919.0
12.3%
2016年3月期
楽天証券予想
590.0
15.7%
47.0
11.9%
40.0
5.3%
18.0
5.9%
42.0
5.0%
50.0
4.2%
42.0
10.5%
829.0
13.1%
144.0
11.6%
60.0
5.3%
204.0
9.7%
1,033.0
12.4%
単位:千台
出所:会社資料より楽天証券作成
表11 富士重工業:長期業績
1996/3期
1997/3期
1998/3期
1999/3期
2000/3期
2001/3期
2002/3期
2003/3期
2004/3期
2005/3期
2006/3期
2007/3期
2008/3期
2009/3期
2010/3期
2011/3期
2012/3期
2013/3期
2014/3期予
2015/3期予
2016/3期予
売上高
営業利益 経常利益
当期純利益 EPS
純資産
BPS
1,077,315
24,816
10,892
19,414
24.9
107,448
137.7
1,223,015
55,880
41,862
39,596
50.7
149,748
191.9
1,303,988
75,531
61,262
30,707
39.3
168,833
216.3
1,352,520
89,932
75,634
33,705
43.2
200,220
256.6
1,330,125
91,400
87,071
31,348
40.2
206,404
264.5
1,311,887
81,673
71,531
22,628
29.0
357,455
458.0
1,362,493
88,480
78,288
30,283
38.8
396,112
507.6
1,372,337
67,521
58,566
33,484
42.9
411,252
527.0
1,439,451
50,324
56,614
38,649
49.5
453,708
581.4
1,446,491
42,017
43,572
18,238
23.4
471,149
603.7
1,476,368
58,339
46,768
15,611
20.0
465,522
596.5
1,494,817
47,906
42,215
31,899
40.9
495,703
635.2
1,572,346
45,680
45,437
18,481
23.7
494,423
633.6
1,445,790
394,719
505.8
-5,803
-4,600
-69,933
-89.6
1,428,690
27,350
22,361
381,893
489.4
-16,450
-21.1
1,580,563
84,135
82,225
50,326
64.5
413,963
530.5
1,517,105
43,959
37,277
38,453
49.3
451,607
578.7
1,912,968
120,411
100,609
119,588
153.2
596,813
764.8
2,450,000
310,000
304,000
231,000
296.0
711,248
911.4
2,870,000
410,000
410,000
266,000
340.9
3,230,000
500,000
500,000
325,000
416.5
780,394 千株
発行済株数
単位:百万円、円
出所:会社資料より楽天証券作成。予想は楽天証券。
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経済研究所企業調査レポート
<市場データ>
表12 世界51カ国合計自動車販売台数
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
メーカー名
2013年1-8月期
2012年1-8月期 前年比
トヨタグループ
5,874,498
フォルクスワーゲングループ
5,830,677
GMグループ
5,817,336
現代グループ
4,107,766
うち現代
2,599,931
うち起亜
1,507,835
ルノー/日産
4,043,374
うちルノー
1,285,629
うち日産
2,757,745
フォード
3,655,389
フィアットグループ
2,754,265
うちフィアット乗用車
1,233,711
うちクライスラー
1,471,026
うちイベコ
49,528
ホンダ
2,724,623
スズキ
1,679,989
PSA
1,536,814
ダイムラーグループ
1,172,756
うち乗用車部門
939,809
うち商用車部門
232,947
BMWグループ
1,084,656
マツダ
796,106
三菱
582,672
:
富士重工業
522,344
:
市場合計
51,220,163
単位:台
出所:フォーリンより楽天証券作成
注:富士重工業の販売台数のみ、会社側公表数字。
2013年1-8月期 2012年1-8月期
市場シェア
市場シェア
11.5%
12.0%
11.4%
11.3%
11.4%
11.2%
8.0%
7.7%
5.1%
4.8%
2.9%
2.9%
7.9%
8.3%
2.5%
2.5%
5.4%
5.7%
7.1%
6.8%
5.4%
5.4%
2.4%
2.6%
2.9%
2.8%
0.1%
0.1%
5.3%
5.1%
3.3%
3.4%
3.0%
3.2%
2.3%
2.2%
1.8%
1.7%
0.5%
0.5%
2.1%
2.0%
1.6%
1.6%
1.1%
1.1%
5,907,724
5,586,879
5,538,650
3,812,184
2,367,095
1,445,089
4,083,951
1,252,768
2,831,183
3,348,160
2,677,437
1,265,005
1,363,616
48,816
2,527,595
1,698,542
1,586,130
1,081,606
855,023
226,583
1,002,802
795,982
558,118
-0.6%
4.4%
5.0%
7.8%
9.8%
4.3%
-1.0%
2.6%
-2.6%
9.2%
2.9%
-2.5%
7.9%
1.5%
7.8%
-1.1%
-3.1%
8.4%
9.9%
2.8%
8.2%
0.0%
4.4%
453,252
15.2%
1.0%
0.9%
49,401,106
3.7%
100.0%
100.0%
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経済研究所企業調査レポート
表13 アメリカ新車販売台数ランキング
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
GM
フォード
トヨタ自動車
クライスラー
本田技研工業
日産自動車
現代自動車
フォルクスワーゲン
起亜自動車
富士重工業
BMW
ダイムラー
マツダ
ジャガー
三菱自動車
ボルボ
フィアット
ポルシェ
テスラ・モーターズ
スズキ
マセラッティ
フェラーリ
サーブ
合計
2013年1-12月 2012年1-12月
累計
累計
2,786,078
2,595,717
2,485,236
2,243,009
2,236,042
2,082,504
1,800,368
1,651,787
1,525,312
1,422,785
1,248,420
1,141,656
720,783
703,007
569,419
580,279
535,179
557,599
424,683
336,441
376,252
347,877
343,614
305,072
283,946
277,048
66,962
55,675
62,227
57,790
61,233
68,125
43,236
43,772
42,324
35,043
19,351
0
5,949
25,358
2,730
4,768
2,053
1,891
0
480
15,600,199
14,491,873
前年比
7.3%
10.8%
7.4%
9.0%
7.2%
9.4%
2.5%
-1.9%
-4.0%
26.2%
8.2%
12.6%
2.5%
20.3%
7.7%
-10.1%
-1.2%
20.8%
#DIV/0!
-76.5%
74.7%
8.6%
-100.0%
7.6%
2013年1-12月
市場シェア
17.9%
15.9%
14.3%
11.5%
9.8%
8.0%
4.6%
3.7%
3.4%
2.7%
2.4%
2.2%
1.8%
0.4%
0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
0.1%
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
100.0%
2012年1-12月
市場シェア
17.9%
15.5%
14.4%
11.4%
9.8%
7.9%
4.9%
4.0%
3.8%
2.3%
2.4%
2.1%
1.9%
0.4%
0.4%
0.5%
0.3%
0.2%
0.0%
0.2%
0.0%
0.0%
0.0%
100.0%
単位:台
出所:オートデータ
楽天証券株式会社
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18
経済研究所企業調査レポート
表14 日本の乗用車(登録車)販売台数:ブランド別
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
ブランド名
2013年1-12月
トヨタ
日産
ホンダ
マツダ
スバル
スズキ
三菱
レクサス
ダイハツ
その他
合 計
1,352,218
421,112
356,334
155,579
125,980
79,056
53,709
46,772
2,504
278,846
2,872,111
2012年1-12月
1,461,760
437,173
423,886
150,792
108,071
88,181
58,594
43,657
2,990
239,547
3,014,651
前年比
2013年1-12月 2012年1-12月
シェア
シェア
-7.5%
-3.7%
-15.9%
3.2%
16.6%
-10.3%
-8.3%
7.1%
-16.3%
16.4%
-4.7%
47.1%
14.7%
12.4%
5.4%
4.4%
2.8%
1.9%
1.6%
0.1%
9.7%
100.0%
48.5%
14.5%
14.1%
5.0%
3.6%
2.9%
1.9%
1.4%
0.1%
7.9%
100.0%
単位:台
出所:日本自動車販売協会連合会
注:その他は海外ブランド等。
株価・財務指標の計算式
PER=株価÷EPS(一株当たり当期純利益)
配当利回り=配当÷株価
株式時価総額=株価×発行済株数(自己株式を除く)
PCFR=株価÷一株当たりグロスキャッシュフロー
(グロスキャッシュフロー=当期純利益+減価償却費)
ROE(株主資本利益率)=当期純利益÷株主資本
PBR=株価÷一株当たり純資産
自己資本比率=自己資本÷総資産
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19
【リスクについてのご説明】
◆上場有価証券等のリスク
〔現物取引〕
国内外の金融商品取引所に上場されている株式(現物取引)等の上場有価証券(以下「上場有価証券等」
(※1)といいます。)には、以下のリスクがあります。
・上場有価証券等の売買等にあたっては、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変
動や、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等の裏付けとなっている株式、債券、
投資信託、不動産、商品、カバードワラント等(以下「裏付け資産」
(※2)といいます。)の価格や評価
額の変動に伴い、上場有価証券等の価格が変動することによって損失が生じる場合があります。
・上場有価証券等の発行者または保証会社等の業務や財産の状況に変化が生じた際や、裏付け資産の発行
者または保証会社等の業務や財産の状況の変化が生じた際に、上場有価証券等の価格が変動することによ
って損失が生じる場合があります。
・上場有価証券等のうち、他の種類株式、社債、新株予約権その他の財産に転換される(できる)旨の条
件または権利が付されている場合において、当該財産の価格や評価額の変動や、当該財産の発行者の業務
や財産の状況の変化に伴い、上場有価証券等の価格が変動することや、転換後の当該財産の価格や評価額
が当初購入金額を下回ることによって損失が生じる場合があります。
・また、新株予約権、取得請求権等が付された上場有価証券等については、これらの権利を行使できる期
間に制限がありますのでご留意ください。
また、新株予約権証券は、あらかじめ定められた期限内に新株予約権を行使しないことに
より、投資金額全額を失う場合があります。
なお、上場有価証券等が外貨建ての場合、為替相場(円貨と外貨の交換比率)が変化することにより、為
替相場が円高になる過程で円貨換算した価値は下落し、逆に円安になる過程で円貨換算した価値は上昇す
ることになります。したがって、売却時等の為替相場の状況によっては為替差損が生じる場合があります。
〔信用取引〕
上場有価証券等を「信用取引」でおこなう場合は、以下のリスクがあります。
・信用取引を行うにあたっては、株式相場、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動や、投資信託、投
資証券等の裏付けとなっている株式、債券、不動産、商品等(以下「裏付け資産」
(※2)といいます。)
の価格や評価額の変動に伴い、信用取引の対象となっている株式等の価格が変動することによって損失が
生じる場合があります。また、その損失の額が、差し入れた委託保証金の額を上回る場合があります。
・信用取引の対象となっている株式等の発行者又は保証会社等の業務や財産の状況に変化が生じた場合や、
裏付け資産の発行者又は保証会社等の業務や財産の状況の変化が生じた場合、信用取引の対象となってい
る株式等の価格が変動することによって損失が生じる場合があります。また、その損失の額が、差し入れ
た委託保証金の額を上回る場合があります。
・信用取引により売買した株券等のその後の値動きにより計算上の損失(評価損)が生じたり、代用有価
証券の価格が値下がりすること等によって、委託保証金の維持率 20%未満となった場合には、不足額を所
定の期日までに当社に差し入れていただく必要があります。
・所定の期日までに不足額を差し入れない場合や、約諾書の定めによりその他の期限の利益の喪失の事由
に該当した場合には、計算上の損失が生じている状態で建玉(信用取引のうち決済が結了していないもの)
の一部又は全部を決済(反対売買または現引・現渡)される場合もあります。この場合、その決済で生じ
た実現損失について責任を負うことになります。
・信用取引の利用が過度であると金融商品取引所または当社が認める場合には、委託保証金率の引上げ、
信用取引の制限または禁止の措置等をとることがあります。
※1 「上場有価証券等」には、国内外の店頭売買有価証券市場において取引されている有価証券を含み、
カバードワラントなど、法令で指定される有価証券を除きます。また、外国又は外国の者の発行する証券
又は証書で同様の性質を有するものを含みます。
※2 裏付け資産が、投資信託、投資証券、預託証券、受益証券発行信託の受益証券等である場合には、そ
の最終的な裏付け資産を含みます。
※3 各有価証券には、外国又は外国の者の発行する証券又は証書で同様の性質を有するものを含みます。
【手数料等についてのご説明】
○手数料について
(以下、手数料・費用は何れも税込)
国内の金融商品取引所に上場する株式等(日本株式)の現物取引における売買手数料
日本株式(現物取引)の売買が約定した際には、次の2つの手数料コースのうち、お客様が選択されたコースの
手数料を支払っていただきます。お客様が選択されている手数料コースは、当社メンバー画面にてご確認くださ
い。
[超割コース]
また、カスタマーサービスのオペレーター取次ぎによる電話注文においては、次の手数料を支払っていただきま
す。
※上記の「株式等」には「上場投資信託受益証券(ETF)」、「不動産投資信託証券(REIT)」、「預託証券(DR)」を
含みます。
※手数料は当社の判断により変更する場合があります。
国内の金融商品取引所に上場する株式等(日本株式)の信用取引における売買手数料
信用取引による売買が約定した際には、インターネット(マーケットスピード含む)又は自動音声応答ダイヤルを
経由した場合、次の2つの手数料コースのうち、お客様が選択されたコースの手数料を支払っていただきます。お
客様が選択されている手数料コースは、当社メンバー画面にてご確認ください。(手数料は当社の判断により変更
する場合があります。)
[超割コース]
また、カスタマーサービスのオペレーター取次ぎによる電話注文においては、次の手数料を支払っていただきま
す。
なお、お客様が追加保証金(追証)や不足額を入金されず、当社の任意でお客様の計算により建玉又は代用有
価証券を決済・処分(強制執行)する際には、オペレーター取次ぎの手数料を支払っていただきます。さらに、信用
期日の前営業日までにお客様が信用建玉を処分されなかった場合の強制執行においては、オペレーター取次ぎ
の手数料に10500円を加算した額の手数料を支払っていただきます。
信用取引関係諸費用
[事務管理費]
建約定日から1ヶ月経過するごとに、1株あたり10.5銭の事務管理費がかかります。(単元株制度の適用を受け
ない銘柄(売買単位1株)については1株あたり105円になります。)ただし、同一銘柄、同一日に成立した売付株数
又は買付株数をそれぞれ合計し105円に満たない場合は105円、1050円を超える場合には1050円とします。
※
税込金額を基に計算した結果生じた円未満の端数は切捨てております。
[名義書換料]
権利確定日を越えて買建をしている場合、信用建玉毎に1売買単位あたり52.5円の名義書換料がかかります。
※税込金額を基に計算した結果生じた円未満の端数は切捨てております。
【名義書換料の一部例外について】
平成13年10月1日以降に行われた株式の分割もしくは併合または1売買単位の株式の数の変更(取引所に上
場される前に行われたものを除く。)について、それぞれ行われる都度算出された当該分割比率もしくは当該併合
比率または当該1売買単位の株式の数の変更比率をそれぞれ乗じて得た数(以下「分割等による調整率」といいま
す。)が10以上となった場合の銘柄を例外の対象とします。
※分割比率:当該株式の分割後の発行済み株式の総数を当該分割前の発行済み株式の総数で除して得た数を
いいます。
※併合比率:当該株式の併合後の発行済み株式の総数を当該併合前の発行済み株式の総数で除して得た数を
いいます。
※変更比率:1売買単位の株式の数の変更前の1売買単位の株式の数を当該変更後の1売買単位の株式の数で
除して得た数をいいます。
例外の対象となった銘柄については、信用建玉毎に1売買単位あたり52.5円に10を乗じ、分割等による調整
率で除してもとめられる金額(円未満の端数切捨て)を名義書換料としてお支払いいただきます。
○委託保証金について
委託保証金は、売買代金の 30%以上で、かつ 30 万円以上が必要です。また、有価証券により代用する場合の
代用価格は、以下に掲げる銘柄に応じて、前日終値にそれぞれの掛目を乗じた価格となります。
東証(マザーズを含む)上場銘柄
前日の終値の 80%
名証単独上場銘柄
〃
0%
委託保証金率及び代用有価証券の掛目については、市場の動向により金融商品取引所により変更 されること
又は当社の判断により変更することがありますので、ご注意ください。
なお、当社の判断により代用有価証券の掛目の変更又は除外(以下「掛目の変更等」といいます。)を行う事象
は以下のとおりです。掛目の変更等を行う場合には、あらかじめその内容をご通知し、変更後の掛目(又は除外)の
適用日につきましては、通知した日から起算して5営業日目の日といたします。ただし、下記③の事象の場合にお
いて、当社が必要と認めたときには、通知した日の翌営業日から適用することができるものといたします。(当社「信
用取引規定」第5条の2参照)
①株価が一定の水準を継続して下回る、または、出来高が過少で流動性が確保できないなど、決済リスクの観点
から当社が不適当と判断した場合。
②当社での信用取引建玉状況や代用有価証券の預り状況等に照らして、著しく偏りが見られるなど、与信管理
の観点から当社が不適切と判断した場合。
③特定の銘柄について、明らかに経営に重大な影響を与えると認められる事象等が発生し、今後、株価が継続
かつ大幅に下落することが予想され、当該銘柄の時価が本来の株価水準を反映していないことから、保証金として
の適切な評価を行うことができないと当社が認めた場合。
なお、明らかに経営に重大な影響を与えると認められる事象等の事例としては、例えば、次のようなケースが想
定されます。
・重大な粉飾決算の疑いが発覚し、直近の株価の水準が粉飾されたとされる決算内容に基づき形成されていた
と判断される場合
・業務上の取引等で経営に重大な影響を与える巨額な損失が発生した場合
・突発的な事故等により長期にわたりすべての業務が停止される場合
・行政庁による法令等に基づく処分又は行政庁による法令違反に係る告発等により、すべての業務が停止される
場合
・その他上場廃止につながる可能性が非常に高い事象が発生した場合
・PTS 取引(夜間取引)は、お客様が選択されているコースにかかわらず 1 回の約定代金が 50 万円まで 472 円/1
回、100 万円まで 840 円/1 回、150 万円まで 1,050 円/1 回、150 万円超は 1,575 円/1 回がかかります。いずれ
も税込み。
・国内株式を募集・売出し等(新規公開株式(IPO)、立会買分売)により取得する場合は、購入対価のみお支払い
いただきます(委託手数料はかかりません)。
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