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サービス貿易発展『十二五』計画綱要(商服貿発〔2011〕340 号) (サマリー)

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サービス貿易発展『十二五』計画綱要(商服貿発〔2011〕340 号) (サマリー)
2012年年3月15日
ジェトロ青島事務所
サービス貿易発展『十二五』計画綱要(商服貿発〔2011〕340 号)
(サマリー)
※ 本資料は中国政府が発表した資料をジェトロが翻訳、要約したものです。原文について
は、以下の URL よりご参照いただけます。
http://fms.mofcom.gov.cn/accessory/201111/1322467143485.doc
【免責条項】 ジェトロは、本資料の記載内容に関して生じた直接的、間接的、あるいは懲
罰的損害および利益の喪失については、一切の責任を負いません。これは、たとえジェト
ロがかかる損害の可能性を知らされていても同様とします。
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ジェトロ青島事務所
サービス貿易発展『十二五』計画綱要(商服貿発〔2011〕340 号)
(サマリー)
<はじめに>
・サービス貿易発展への注力は、経済発展モデルの転換等を図るうえでの客観的なニーズ
であるとともに、日増しに熾烈化する総合国力競争への対応および発展の主導権の掌握を
図るうえでの必然的な要求である。
<十一五期間中の成果>
・2006~2010 年における中国のサービス貿易輸出入総額は、年平均 17.3%増となる 3,624
億米ドルまで増加した。うち、サービス貿易輸出は、同時期の世界サービス貿易輸出平均
増加率 7%の 2 倍となる年平均 16.8%増となった。
・中国のサービス貿易輸出入増額が世界全体のサービス貿易輸出入増額に占める割合は、
2006 年の 3.6%から 2010 年には 5.1%まで増加し、世界ランキングも 8 位から 4 位まで上
昇した。
・業種別には、コンピュータ、保険、金融、コンサルティングといった高付加価値の近代
サービス貿易が急速に伸長し、競争力が絶えず高まっている。
・地域的には、東部沿海地区においては、人的資本の集中を特色として近代サービス貿易
クラスターの発展形勢の基盤がほぼ確立した。中西部においては、労働力および豊富な自
然・人文資源という優位性を拠り所として、従来型サービス貿易分野および労働集中型近
代サービス貿易分野において比較的大きな進展を遂げた。
<十二五期間中の試練とチャンス>
・中国のサービス貿易のレベルは全体的に低く、対外貿易総額に占めるサービス貿易の割
合が過度に低くなっており、サービス貿易における地域間・分野間の発展に不均衡が生じ
ている。
・一方、国際金融危機を契機とした世界各国の経済構造の調整加速および発展モデルの転
換ならびにサービス業の国際産業移転の加速は中国のサービス貿易の飛躍的発展を実現
するためのチャンスとなっている。
・
「十二五」期間中、中国はより自発的な開放戦略を実行し、金融、物流、教育、医療、ス
ポーツ等の分野での開放を絶えず進め、サービス業の国際化レベルのさらなる向上を図る
ことになる。輸送、旅行、建築等の比較的優位な業界は、国際市場において一層シェアを
拡大し、より多くの市場参入の機会が得られると見られる。
<指導理念>
・対外貿易の発展モデルの転換を加速するとともに、サービス貿易の発展に注力し、サー
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ビス貿易の規模拡大、サービス貿易の構造最適化、サービス貿易の質・効果・利益の向上
を図る。
・サービス貿易分野の対外開放を断固として推進し、サービス貿易の国際競争力を高める
サービス貿易の輸出拡大に重点を置き、中国のサービスの国際的地位を確立するとともに、
対外貿易の持続可能な発展の実現を図り、国民経済におけるサービス貿易の役割をさらに
発揮させる。
<基本原則>
・市場調節と政府指導のベストミックス
・改革深化と対外開放のベストミックス

サービス業の開放推進を通して市場競争を強化し、開放拡大を進めることでサービス
業の体制・メカニズムおよび管理の刷新を推進し、開放を進めることで発展・改革・
イノベーションを促進する。
・サービス貿易の発展とサービス業の発展のベストミックス
・サービス貿易の発展と貨物貿易の発展のベストミックス

サービス貿易の高付加価値の優位性を発揮させ、貨物貿易の技術内容および付加価値
を高め、貨物貿易のバリューチェーンの延長を図る。

貨物貿易総量における優位性を発揮させ、サービス貿易の調和的発展を牽引する。
・総量増加と構造最適化のベストミックス
<発展目標>
・規模の着実な拡大

2015 年、サービス貿易の輸出入総額を 6,000 億米ドルまで引き上げ、年平均増加率
を 11%超とする。
・構造最適化の持続

通信、コンピュータ・情報サービス、金融、文化、コンサルティング等の知識・技術
集約型かつ高付加価値の現代型サービス貿易が中国のサービス輸出総額に占める割
合を引き上げ、2015 年までにその割合を 45%超とする。
・対外開放レベルの着実な向上

サービス貿易分野の開放度を徐々に高め、通信、金融、コンピュータ・情報サービス、
ビジネスサービス等の業界のビジネス拠点の規模拡大を図るとともに、経営サービス
のレベルを引き上げ、国内産業を牽引・育成・拡大する。
・国際競争力の継続的増強
・地域の調和的発展

差異化型発展戦略を実施し、各地のサービス貿易発展における比較優位性を充分に発
揮させる。
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<主要ミッション>
・重点業界のサービス輸出の推進

サービス貿易の中での輸送、旅行、建築等の業界の規模的優位性をさらに強化し、中
国医薬、文化芸術、ラジオ・映画・テレビ、報道・出版、教育、スポーツといった中
国独自のサービス輸出を積極的に推進するとともに、通信、金融、会計、コンピュー
タ・情報サービス、メディア、コンサルティング等の現代サービス貿易を重点的に育
成し、サービスアウトソーシングを積極的に受注する。
・対外開放の拡大

設計、研究開発、営業等の分野における先進技術および管理経験の導入をサポートす
る。

ソフトウェア開発、クロスボーダーアウトソーシング、物流サービス等への外資の参
入を奨励する。
・
「走出去」のペースアップ

比較的強い競争力および経営能力を備えたサービス貿易企業の越境投資を奨励する。

クロスボーダーM&A など様々な方法を柔軟に運用した企業の海外投資活動を進め、
境外営業ネットワークおよびブランドライセンスを積極的に獲得する。
・相応の国際競争力を備えたサービス貿易企業の育成

比較優位性または発展ポテンシャルを備えた業界において、著名なブランドを持ち、
相応の国際競争力を備えた大型サービス貿易企業またはグローバル企業を段階的に
育成する。
・サービス貿易分野における自主革新の推進
・地域間の調和のとれたサービス貿易発展の促進

東部沿海地区では、金融、輸送、情報の分野におけるサービスの発展に重点を置き、
中西部地区では、東部の先進地区との提携を強化し、東部サービス貿易産業リンケー
ジを拡張し、サービス貿易成長ベルト地帯を育成しなければならない。
・戦略的新興産業と一体化したサービス貿易の発展
<重点育成分野>
・比較優位を備えた中国の従来型サービス貿易分野を選び、優位性を強化する一方で、国
際貿易の発展情勢に合った新興サービス貿易の分野を選び、重点的に育成する。
・具体的には、以下の 30 分野
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重
1
点
育 成
分 野
旅行関連サービス業
(発展目標)

2015 年までに、旅行関連サービス貿易の輸出入総額の世界第 5 位達成を実現
する。
入国旅行者の延べ人数 1 億 5,000 万人、入国宿泊旅行者の延べ人数 8,000
~9,000 万人、出国旅行者の延べ人数 8,800 万人を目指す。

中国の旅行企業 8~10 社の「走出去」を推進し、比較的規模の大きい旅行経営・
管理・研修・サービス等の人材を海外へ輸出する。
2
情報技術サービス業
(発展目標)

国際競争力を備えた大型情報技術サービス企業を 20 社、国際的な請負能力を
備えた複合型高級エンジニアを 10 万人育成する。
3
技術貿易
(発展目標)

専有技術および特許技術の許可が技術導入総額に占める割合を 60%超とし、技
術貿易の中で技術輸出が占める割合を引き上げる。
4
対外労務提携および工事請負
5
建築関連サービス業
6
海上輸送サービス業
7
航空輸送サービス業
(発展目標)

2015 年までに、中国の国際航空輸送市場を 360 億トン・キロメートルの規模
まで引き上げ、中国の輸送業者のシェアを 34%まで伸ばすよう努める。
8
鉄道輸送サービス業
9
道路輸送サービス業
10
貨物輸送代理サービス業
(発展目標)

輸送サービスの貿易赤字を削減するとともに、国際物流コストを 3%引き下げ
る。

80%の企業において高度化、技術改良、情報化構築の実現を図るとともに、70%
の企業において海外サービスネットワーク構築を図る。

専門人材を 50 万人育成し、管理職員 2 万人および業務従事者 4 万人を海外に
輸出する。
11
医療およびバイオメディカルサービス業
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教育関連サービス業
13
会計サービス業
(発展目標)

国際レベルを備える 10 社前後の会計事務所の育成に重点を置き、これを基盤
として、中国ブランドの事務所のうち最低 3 社が世界トップ 30 社入りするこ
とを目指す。

最低 5~10 社の大型事務所が世界の各主要経済体の最低 30 ヵ所以上の国およ
び地域においてオンライン業務を手がけるよう支援し、あわせて 100 前後の業
務機関を設立し、ブランドマークの統一化、資源情報の共有化、品質監視・制
御の一体化、管理・運営の高効率化を図る。

公認会計士試験合格者数を新たに 10 万人まで増やし、公認会計士従事者数の
15 万人達成を目指し、これを基盤として、リーダー的人材 400 人前後、国際
的資質を備えた公認会計士 1,500 人、新たな業務分野の複合型業務の中堅
2,000 人の育成に力を注ぐ。
14
文化・芸術関連サービス業
(発展目標)

国際競争力を備えた芸術サービス貿易企業を 8~12 社育成し、境外ビジネス展
示会を定期的に実施する。

海外における特定公演会場を 5~10 ヵ所設立するとともに、境外で長期的な常
駐または巡回公演を行うことのできる上演作品を開発する。

境外芸術品貿易センターを 10 ヵ所設立し、境外において 10 の中国芸術品展示
会を開催することに加え、中国の芸術企業による国際的な展示会の参加に向け
た調整を行って、中国芸術市場の影響力を拡大する。

5~10 種類のゲームを開発し、欧米等の主流市場への参入を図るほか、強い競
争力を備えたゲームについては、日本・韓国・東南アジア・欧米市場への参入
を図り、東南アジア諸国および台湾・香港・マカオ地域におけるオンライン文
化製品の市場シェアを 20%以上まで引き上げる。
15
ラジオ・映画・テレビ関連サービス業
16
報道・出版サービス業

国際競争力を備えた大型メディアグループおよび国際デジタル出版企業を 6、
7 社育成し、国際市場における報道・出版製品・サービスのシェアを広げ、報
道・出版サービス貿易分野における貿易赤字を徐々に縮小させる。
17
保険サービス業
18
証券先物関連サービス業
19
銀行およびその他金融サービス業
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電気通信サービス業
(発展目標)

2、3 カ国・地域において、3 年以内に時分割同期符号分割多元接続技術
(TD-SCDMA) 試験ネットワーク(または商用ネットワーク)を構築するよう
目指す。
21
郵政および宅配サービス業
22
環境・省エネルギー関連サービス業
23
弁護士・法律関連サービス業
24
リースサービス業
25
広告サービス業
26
コンベンションサービス業
27
販売関連サービス業
28
宿泊・飲食サービス業
29
スポーツ関連サービス業
30
国際的人材交流・提携サービス業
<保障措置>
・サービス貿易の戦略的地位の確立
・サービス貿易に関する法律・法規体系の整備
・サービス貿易統計制度の整備
・サービス貿易管理・促進メカニズムの整備

部門・業界・地区を越えた、政府の行為と市場の行為を一体化させたサービス貿易メ
カニズムを構築するとともに、サービス貿易サポートネットワークを構築する。
・サービス貿易円滑化の積極的な推進

多・二国間の提携メカニズム等のルートを総合的に運用して、サービス貿易企業の海
外投資およびサービス輸出のために良好な環境を作り出すとともに、より良い市場参
入条件を勝ち取り、サービス貿易の障壁を引き下げる。
・サービス貿易促進体制の確立・整備

専門的なサービス貿易促進機関の設立
・財政・税務・金融面でのサポート強化

サービス貿易発展をサポートするための財政税収政策を制定・整備。金融機関による
融資認可プロセスの最適化、サービス貿易企業のニーズに合った金融商品の開発を牽
引・奨励する。
・知的財産権能力構築の強化
・業界団体の役割の充分な発揮
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