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平成 27 年 6 月 2 日(火)

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平成 27 年 6 月 2 日(火)
第 103 回 中部圏知事会議
日時:平成 27 年 6 月 2 日(火)13:10~15:50
場所:ホテルハーヴェストスキージャム勝山「グランドカフェ」
1 開会
(愛知県政策企画局長)
ただ今から、第 103 回中部圏知事会議を開催いたします。本日
のご出席者は、谷本石川県知事、西川福井県知事、川勝静岡県知事、大村愛知県知事、鈴
木三重県知事、三日月滋賀県知事、河村名古屋市長、寺林富山県副知事、太田長野県副知
事、藤野岐阜県副知事となっております。
それでは、開会に当たりまして、開催県である福井県の西川知事からご挨拶をお願いい
たします。
2 開催県知事挨拶
(西川福井県知事) それでは一言ご挨拶を申し上げます。皆さま方には大変ご多忙の中、
福井県にお越しいただきまして厚くお礼申し上げます。心から歓迎を申し上げます。
さて、今年 3 月には北陸新幹線の金沢開業を迎えたところです。首都圏と北陸が近くな
り、多くの観光客等が北陸に訪れています。北陸が新しい時代を迎えているこの時に、福
井県において第 103 回の中部圏知事会議を開くことを、ありがたく、また光栄に思います。
新幹線の金沢からさらに敦賀までの開業時期については、本県提案のとおり 3 年の前倒
しがされ、7 年後の平成 34 年度末までの完成・開業が決定しております。今年度予算にお
いても 220 億円の事業費が盛り込まれています。また、福井駅までの先行開業については
現在与党において議論を深めていただいているところで、遅くともこの夏には結論を得る
ことになっております。福井県としてはさまざまな準備をし、最大限の努力をしていくつ
もりです。
北陸新幹線、あるいはリニア中央新幹線は、東海道新幹線の代替機能を果たすなど、国
家的観点から国土強靱化や地方創生、経済再生等に深く関わるプロジェクトです。今後と
も中部圏各県、各市の皆さまと一体となって、その促進について努力をしてまいる必要が
あると思っております。
今日の会議は、中部圏知事会議として国への提言事項について議論するものです。国に
おいても地方創生を第一の政策に掲げるに至っているわけで、いよいよ地方の力で国をし
っかり支えていく時代に入っているかと思います。これまでわれわれ地方が培ってきた知
恵やパワーを結集しながら、突破力を持って地方から国へさまざまな提言をし、変えてい
かなければならないと思います。
今日は、インフラ整備の促進や地方創生など、地方が直面するさまざまな課題について
ご意見を頂きます。ぜひ活発なご発言、議論を頂きまして、実り多い会議となりますこと
を心から期待いたします。以上、簡単でございますが、開催県として歓迎等のご挨拶にさ
せていただきます。どうかよろしくお願いいたします。
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3 座長選出
(愛知県政策企画局長)
ありがとうございました。それでは会議を進めてまいります。
会議の座長につきましては、慣例によりまして開催県の知事に務めていただくこととなっ
ておりますので、福井県の西川知事にお願いしたいと存じます。西川知事、よろしくお願
いいたします。
(西川福井県知事) よろしくお願いします。それでは、座長を務めさせていただきます。
今日の会議については、午後 3 時 50 分終了を予定しております。限られた時間でございま
すが、中部圏知事会議として実りある提言となりますよう、ご協力をよろしくお願いいた
します。
4 議事
(1)会長選任・会長挨拶
(西川福井県知事) それでは、早速ですが議事に入ります。初めに議事(1)会長の選任
について協議をいたします。会長の任期については、規約により知事の任期とされている
ところです。現在、前会長でいらっしゃる愛知県の大村知事の任期満了に伴い、引き続き
大村知事に会長代行をお願いしておりますが、今回、新たに会長を選出する必要がありま
す。規約によりますと、会員知事の中から選挙をするということになっておりますので、
この場で皆さま方に選出を願いたいと思います。ご意見がございますればお願いいたしま
す。
(谷本石川県知事)
ただ今、座長からお話がありましたとおり、規約では会員知事の中
での選挙ということになっておりますけれども、中部圏知事会議が昭和 36 年に発足して以
来、愛知県知事に継続して会長の職にお骨折りを頂いておりますことから、引き続き愛知
県知事に会長をお願いしてはどうかと思いますが、いかがでございますか。
(西川福井県知事)
それでは、ただ今、愛知県知事に会長をお願いしたいとのご発言が
ございましたが、他の皆さまはいかがでございましょうか。
(異議なしの声)
(西川福井県知事)
ありがとうございます。それでは、大村知事に会長の労をお執り願
うということで決定をさせていただきます。では、大村知事、ご挨拶をお願いしたいと思
います。
(大村愛知県知事)
皆さま、こんにちは。愛知県知事の大村秀章でございます。一言ご
挨拶を申し上げます。
ただ今、ご推挙いただきまして、引き続き中部圏知事会議の会長の任に当たらせていた
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だくことになりました。中部圏の発展のために全力で取り組んでまいりますので、引き続
きご支援、ご協力をお願い申し上げたいと思います。
さて、北陸地域では、去る 3 月に、金沢、富山と長野間を結ぶ北陸新幹線が開通しまし
た。東京・金沢が 2 時間 28 分ということで、今、大変盛り上がっているとお聞きしており
ます。ゴールデンウィークには、上越妙高・糸魚川区間で昨年の在来線のときの 3 倍以上
となる 39 万人の方が利用されたともお聞きしております。大変素晴らしいことだと思いま
す。さらにそうした勢いを持続し、盛り上げていただいて、また 2022 年には福井、敦賀ま
で延伸ということですので、さらにこの北陸地域が発展することをご期待申し上げたいと
思います。
また、今年 3 月 1 日には福井県内の中部縦貫自動車道の松岡インターチェンジ・福井北
インターチェンジ間の開通ということで、北陸自動車道ともつながったということです。
将来的には岐阜、長野への全区間開通いたしますと、東海北陸自動車道を経由して愛知、
名古屋方面にも参りますので、さらに密接な連携ができると期待いたしております。引き
続きしっかりと取り組んでいければと思います。
さて、観光面におきましては、近年、飛躍的にインバウンド、海外からのお客さまがた
くさんおみえですが、それを進めていくためにも、昇龍道プロジェクトにも取り組んでお
りますが、その中で魅力あるコンテンツ、拠点をつくっていく必要があろうかと思います。
今日午前中に、福井県の恐竜博物館を視察させていただきましたが、大変素晴らしい施設、
そして内容だと思いました。ぜひまたこうしたことも広域観光の中で皆さまと一緒にしっ
かりと取り組んでいければと思っております。
そして、私ども愛知県では、昨年、愛知県体育館が 50 周年を迎えました。いつも大相撲
名古屋場所が開かれるところですが、ちょうど今から 44 年前に世界卓球選手権大会があり
まして、ピンポン外交の舞台になりました。米中の国交正常化、日中の国交正常化につな
がったということで、この 5 月にその記念モニュメント、3m×7m のものを作らせていた
だきました。これも大きな話題となっております。
そして、いよいよ国産初のジェット旅客機 MRJ の試験機が 5 機ほぼできまして、本当は
5 月に初飛行ということだったので少し延びましたけれども、今月中には MRJ が誘導路を、
最初はタキシングで走ります。まずはゆっくり走り、そのうち速く走って、秋には飛ぶと
いうことで楽しみにしております。
今週、三重の松阪の三菱重工の工場で、全部で九つの企業が MRJ の部品を新たに共同で
作るということでスタートされました。そういったことも広がっていきますので期待した
いと思います。2 年後の今頃に MRJ の初号機を全日空に納入するということですが、その
量産工場を造った折にはあの場所に見学コースを作る。MRJ を全部で 12 機並べて造る巨大
な建屋をもう建設中で、あの場所に航空機のミュージアムを県としても造ろうということ
で設計費を今計上しておりまして、MRJ の試験機や YS-11 などの展示ができればと思って
おります。それも中部の昇龍道の観光拠点の一つにできればと思っております。
いずれにいたしましても、産業振興、地域の活性化、そして観光振興には、中部各県、
中部 9 県 1 市の連携がさらに必要だと思いますので、今後とも何とぞよろしくお願いを申
し上げたいと思います。今日の会議では、国への提言について議論をさせていただくこと
となっておりますので、よろしくお願い申し上げます。
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最後に、今日の会議に当たりまして、心のこもったおもてなし、ご準備を頂きました西
川知事始め、福井県の皆さまに心から感謝を申し上げ、今日の会議が実りの大きいものに
なりますようにご祈念申し上げまして、冒頭のご挨拶とさせていただきます。何とぞよろ
しくお願いいたします。ありがとうございました。
(2)国への提言
(西川福井県知事)
ありがとうございました。それでは、議事の(2)「国への提言」に
入りたいと思います。今回、国への春・秋共通提言として、21 項目の提言案を頂いており
ます。審議については概ね 120 分の予定です。本日は、配付資料に記載のとおり、提言を
便宜上、種類別に区分けし、その領域ごとに続けて提案、趣旨をご説明いただき、その後
一括して意見交換を行いたいと思います。ただし、その中で「その他」の提言については、
事の性質上、1 項目ずつ審議していくことになります。
なお、時間が限られておりますので、提案趣旨の説明は 1 項目当たり 3 分程度を目安に
簡潔に、ご協力を賜れればと思っております。
では、最初に『インフラの整備の促進』ということであります。6 項目ございます。最
初に「高規格幹線道路ネットワークの整備等について」及び「直轄事業負担金制度改革に
ついて」、岐阜県の藤野副知事からご説明をお願いしたいと思います。
(藤野岐阜県副知事) 岐阜県でございます。お手元の「国への提言(案)」の 1 ページ目
と 2 ページ目についてまとめてご説明させていただきます。まず、
「高規格幹線道路ネット
ワーク整備等について」です。この提言につきましては、例年、本県から提案をさせてい
ただいているもので、道路は産業振興や観光交流など沿線地域のポテンシャルを飛躍的に
高め、災害時には安全・安心を支える最重要基盤になることから、今回も引き続き提案さ
せていただきたいと思っております。
特に太平洋側と日本海側、及び東日本と西日本を結ぶ広域的な高規格幹線道路ネットワ
ークの整備は、経済再生、地方創生、民需創出に欠かせない社会基盤になると考えており
ます。具体的には、中部圏の視点では、東海環状自動車道、東海北陸自動車道、中部縦貫
自動車道などの高規格幹線道路の早期整備が必要です。特に東海環状自動車道は、ミッシ
ングリンクとなっている西回り区間が整備されることにより、沿線地域の活性化はもとよ
り、新たな地域連携が生まれ、中部圏の産業発展が加速するなど、絶大な効果が見込まれ
ております。
例えば、中部 9 県では昇龍道プロジェクトと名付け、平成 24 年から観光プロジェクトに
取り組んでおりますが、道路整備により各地域に点在する観光資源の連携が高まるなど、
海外から中部・北陸地方へのインバウンド推進が図られ、新たな広域観光の発展も期待で
きるところです。さらに東日本大震災では、高速道路ネットワークが速やかに復旧し、被
災地の復興に絶大な効果を発揮したところです。大規模災害時に早期復旧の要となる高速
道路ネットワークを早期に整備することは、国土強靱化の観点からも極めて重要であると
考えております。以上が高規格幹線道路ネットワーク整備提案の趣旨説明でございます。
次に、2 ページ目の「直轄事業負担金制度改革について」です。国が行う道路、河川、
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砂防施設の新設等の国直轄事業につきまして、中部圏知事会では全国知事会と歩調を合わ
せ、事業実施に関する地方公共団体の負担金制度の見直しを、平成 21 年度から継続して提
言項目といたしております。これまでの国と地方との協議等の成果により、平成 23 年度か
らは、施設の維持管理に係る直轄事業負担金の廃止につながったところです。一方で、施
設の新設や改築に係る負担金の取り扱いについては、引き続き、全国知事会として国に対
し抜本的な制度改正を要望しているところです。
近年、この問題に関する議論は全く進んでおりません。国における制度見直しに向けた
取組を促すためにも、中部圏知事会として継続して提言項目として挙げておく必要がある
かと考えております。
以上、直轄事業負担金制度改革提案の説明でございます。以上でございます。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。それでは、この項目の中で 3 番目の項目
になりますが、「北陸新幹線の早期全線整備について」、福井県の方から発言をさせていた
だきます。
お手元に福井県資料ということで 1 枚紙の「北陸新幹線の早期全線整備」の資料があろ
うかと思います。北陸新幹線については、本年 3 月、待望の金沢開業が決定し、新幹線が
極めて有効に、かつ国民の期待をもって利用されているという結果が出ているところであ
り、われわれとしても大変ありがたく思うところです。さらに、金沢から敦賀までの事業
完成については、今回、福井県の提案どおり 3 年前倒しが決定し、平成 34 年度末までに開
業予定であります。
そこで、まずは今、与党において、福井駅までの先行開業について、今年の夏までに方
針を得ようということになっているところです。従って、このことについての地元として
の協力、そして早期の効果的な結論が出ることが重要であります。また、敦賀以西ルート
の速やかな決定、大阪までのフル規格による早期全通については、整備計画ルートどおり
一日も早く整備をしていく必要があります。さらに、もう 1 点は、いずれにしてもしばら
くの間は敦賀駅における乗り換えという問題がございまして、敦賀での乗り換え利便性の
確保は、福井県のみならず、北陸、また、他の中京や関西からの地域についても重要であ
ります。乗り換え利便性が確保されるよう、敦賀駅における最も乗り換えやすい、乗客が
時間短縮のできる方策を講ずる必要があると思っております。
リニア新幹線も、平成 39 年には名古屋まで開通ということです。中部圏のさまざまな観
光や旅客誘導のためにも、敦賀における乗り換え利便性は重要ですので、早期開業、ルー
ト、そして敦賀駅における利便性の向上について、われわれとして提案をいたしますので、
よろしくお願いいたします。
次に、三重県の鈴木知事から「リニア中央新幹線の東京・大阪間早期全線整備について」
ご提案をお願いしたいと思います。
(鈴木三重県知事)
ありがとうございます。三重県知事の鈴木でございます。今の西川
知事がご説明された次の 1 枚に三重県資料として「リニア中央新幹線の東京・大阪間早期
全線整備」があります。提言書では 5 ページです。
もうずっと中部圏知事会議で提言していただいておりますし、時間にも限りがあります
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ので中身は繰り返しませんが、東京・名古屋間におきましては昨年 12 月に工事が着工され
ました。このリニアの効果を遺憾なく発揮するためには、大阪まで早期に整備する必要が
あると考えております。東京・名古屋間の工事が着工されたわけですが、ぜひ名古屋以西
の部分についても、早期に整備がなされ、ルートが決められ、駅位置も公表されというよ
うなことが 1 日でも早く進むよう、ぜひ中部圏知事会議の皆さまにもご協力いただき、ご
賛同賜りたいと思い、提案をさせていただきました。どうぞよろしくお願いします。
(西川福井県知事) ありがとうございます。続きまして、
「新たな高速鉄道と在来線が連
携した幹線鉄道ネットワークの高い機能発揮ができる環境整備の推進について」
、滋賀県の
三日月知事から提案をお願いします。
(三日月滋賀県知事)
ありがとうございます。資料は今の三重県知事の次の資料です。
白黒で恐縮です。また、提言書は 6 ページにございます。
先ほど来お話が出ていますように、高速鉄道網、とりわけ新幹線の延伸というものが地
域に与える影響は極めて大でございます。資料の左側の九州新幹線の事例を見ていただき
ましてもおわかりのとおり、開業前の 2000 年から開業後の 2005 年、これは全てつながっ
ているわけではない一部区間の開業ですが、その時点においても鉄道の分担率が 40.6%か
ら 71.0%、鹿児島・福岡間の航空の利用が 41.7%から 12.0%と大きく変化しています。ま
た、
「2.鹿児島と近隣県間の年度別鉄道旅客量」をご覧いただいてもお分かりのとおり、2004
年の新八代駅-鹿児島中央駅間の開業、また、2011 年の博多駅-新八代駅間の開業で、大
きく鉄道旅客量が増加しています。
こういう観点からも、高速鉄道である新幹線と在来線とがきちんと連携できる鉄道輸送
網のネットワークをつくっていく必要があるということと同時に、とりわけこの中部圏に
おいては、昇龍道プロジェクトにありますように、中部国際空港からのインバウンド誘致
という観点も視野に入れて、スムーズな移動ができる体制をつくっていくことが必要です。
そういう点で、1 点、具体的なことといたしましては、JR 西日本の ICOCA エリアと JR
東海の TOICA エリアのそれぞれをまたぐ利用ができないという課題がございます。例え
ば、名古屋駅から TOICA を使って乗車し、彦根駅で降りる場合、カード精算ができない
という状況がございます。こういう IC カード利用エリアの拡大、会社またがりの不便の解
消ということも、これからインバウンド受け入れ体制の整備という観点からも、ぜひ中部
圏知事会として、この項目の中で具体的な項目として提案していくべきだということも申
し添えて、私からの説明とさせていただきます。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。それでは次に「中部国際空港の機能強化
(完全 24 時間化)の実現について」
、河村名古屋市長からご提言をお願いいたします。
(河村名古屋市長)
ありがとうございます。中部国際空港は今、滑走路が 1 本しかあり
ませんので、国際空港で滑走路が 1 本というのはあまりないと思うのですが、1 本だと夜
中にメンテをしないといけないときに、24 時間できませんので、ぜひ 24 時間化というこ
とは 2 本目滑走路を造るということですが、お願いしたいと思います。
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観光分野でも、今、訪日外国人は国は 2,000 万人といっておりますが、こちらも 200 万人
を目指してやっています。それから、名古屋ばかりではありませんが、この辺のところの
工業出荷額はわが国の大体 20%を超えております。東京はものすごく威張っていますが、
実はこの地域が日本を支えているわけです。これは飛行機ではありませんが、名古屋港は
貿易黒字が毎年約 6 兆円もあるということで、当然その分、航空事業もあるわけです。そ
ういうことで、航空貨物取扱量年間 30 万トンを目指しているということです。
文章に書いてあることを言いますと、
「中部圏において、訪日外国人 2,000 万人をできる
限り取り込み、また、我が国の中枢機能を分担していく、将来のあるべき姿を見据え、国
が主体となって必要な調査検討を行うこと」
「ビジット・ジャパン地方連携事業等のインバ
ウンド旅客の増加に向けた施策を始めとする航空需要拡大の取組を一層推進すること」
「空
港利用者の利便性向上のため、道路・鉄道等アクセスの充実に取り組むこと」ということ
で、以上よろしくお取り計らいをお願いいたします。以上です。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。滑走路の 2 本目が必要等のご意見があっ
たところでございます。
以上、
『インフラ整備の促進』について、全体で 6 項目、それぞれご発言を頂きましたが、
今のそれぞれの提言などについて、この際、ご意見があればご発言をお願いいたします。
時間は 15 分程度を予定しております。
(谷本石川県知事)
今、福井県の方から提案のありました北陸新幹線の早期全線整備で
すが、基本的にはこの提案に私も賛成をしたいと思っております。先日、金沢開業が実現
したわけですが、実に 40 年の時間がかかったわけで、開業効果はわれわれの予想以上の成
果を挙げています。かつて、北陸新幹線は無駄な公共事業のお手本だという厳しい批判を
受けたときもありましたが、もう今はそんなことをおっしゃる方はおられないと思います。
そして、敦賀までの延伸が 8 年後という形で具体のスケジュールが決まってまいりました。
敦賀までの延伸工事はしっかりやっていただかなければいけないと思いますが、敦賀から
西が、福井の知事がおっしゃったように、まだ空白になっています。ここをつながないと、
北陸新幹線が東海道新幹線の代替補完機能を果たすことにはならない。敦賀までの延伸が
8 年後と決まっていますので、もうそろそろ敦賀以西のルートを政府・与党の方でお決め
いただく時期が来ているのではないか。8 年といってもこれはすぐに経ってしまいます。
今、与党の方では、敦賀以西のルートを決めるためのプロジェクトチームが立ち上がっ
たように聞いておりますが、まだ座長が決まっただけでメンバーが全く決まっていません。
全く稼働していないという状況ですので、これをもうそろそろ稼働していただいて、敦賀
延伸工事が終わる数年前には敦賀以西の方向付けがなされていないと、恐らく間に合わな
いのではないかという思いがしますので、具体的にしっかり国に対して要請をしていかな
ければいけません。まず中部圏知事会議できちんとまとめていただいて、全国知事会の要
望として国にしっかり要請をしていく、今がもう最後のチャンスではないかと思っており
ますので、ぜひ具体的な行動をわれわれも起こしていきたいと考えています。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。他にございませんでしょうか。
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(寺林富山県副知事)
新幹線について富山県からも。おかげさまで長野・金沢間が開業
し、本当に関係の皆さま方に感謝を申し上げたいと思います。今、石川県知事からもご発
言がございましたけれども、やはりフル規格で大阪までつなぐということが最終目的です
ので、そういうことに向けて、富山県としましても関係県と一緒になって全力を尽くして
まいりたいと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。
(西川福井県知事)
新幹線のお話が石川、富山から出ましたが、新幹線については、こ
れから敦賀以西・大阪までのフル規格をどのように整備していくかが極めて重要な課題で
あります。
函館から札幌までの事業があと 15 年後の期間の中で完成するということですから、それ
までにはこの大事な動脈が整備されていないとおかしいわけですから、できるだけ体制を
整え、意見を調整して、国土軸がしっかり新幹線としてできるように努力を一緒にしよう
ということでよろしいかと思っておりますので、ご賛同願いたいと思います。
その他、ございませんでしょうか。よろしゅうございますか。それでは、それぞれご提
案いただいた文案を採択し、インフラ整備については国へ要望してまいりますので、よろ
しくお願いします。
次に、二つ目の大きな項目、
『地方創生の推進』です。5 項目ございます。まずは「地方
創生の実現に向けた国際・広域観光の振興について」、富山県の寺林副知事から提案趣旨の
説明をお願いします。
(寺林富山県副知事) それでは、お手元の資料 9 ページをご覧いただきたいと思います。
また、別に昨年の資料ですが、26 年 10 月 31 日に開催されました前回の中部圏知事会議の
「中部圏における国際・広域観光の振興に関する宣言」を参考資料として配付してござい
ますので、併せてご覧いただければありがたいと思います。
背景として、訪日外国人の旅行者数は、一昨年は 1,036 万人、さらに昨年は 1,341 万人、
今年に入って 1 月から 3 月までの累計を見ますと、前年同期比で 43.7%増の約 413 万人と
なっております。このペースで順調に推移すると仮定すれば、年間 1,600 万人を超す計算
になります。
国が掲げておりますオリンピック・パラリンピック東京大会が開催される 2020 年に 2,000
万人の高みを目指すという目標も、現実味を帯びてきているのではないかと思っていると
ころでございます。こうした中、ありがたいことに、本年 3 月の北陸新幹線の開業を契機
にしまして、国内外から観光客の増加も予想されます。中部圏への観光誘客と滞在を促す、
またとない機会ではないかと思っているところです。
ご承知のとおり、中部圏は歴史的景観、美しい資源、海洋資源、豊かな農山漁村、魅力
ある食文化などの観光資源が豊富に存在するなど、大変魅力ある地域であると思っており
ます。国政の重要テーマである地方創生を実現し、地方への人の流れをつくる観点からも、
中部圏の魅力をさらに磨き上げ、世界から選ばれる魅力ある観光地域づくりを積極的に行
い、国内外に広くアピールしていくことが必要であろうと思っております。
こうした実情を踏まえまして、昨年、本県で開催されました本会議においての宣言を採
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択いただいたところでございます。これを踏まえまして、国への財政措置や制度の創設、
改善などに係る事項につきまして、富山県は、幹事県としまして、新たに国へ提言を行う
ということを考えているところです。どうぞよろしくお願いいたします。
(西川福井県知事) ありがとうございました。次に「東京一極集中の是正について」、石
川県の谷本知事から提案趣旨の説明をお願いします。
(谷本石川県知事)
少し具体的な提案をさせていただきたいと思います。お手元の資料
をご覧いただきたいと思います。また、要望書の方は 11 ページですが、地方創生は、過度
の東京一極集中をどう是正していくかと同義語だと、私は思うわけです。そのためには、
企業の地方移転というものが欠くことができない課題だと思います。
その中で、そこにも挙げておりますけれども、企業の地方移転の一つのモデルケースと
してよく小松製作所のことが取り上げられますが、今の坂根相談役が社長時代に、生活コ
ストが安い、東京にある必要がない機能を地方に移転して生産を強化することは、むしろ
企業の国際競争力の強化にもつながるという方針を示していただいて、研修機能や部品の
調達部門といった本社機能を本県に移転していただきました。そして、金沢港に隣接して
新たな工場もお造りいただくなど、いわゆる企業の地方分散、地方での企業の拠点化のモ
デルともいえる取組をしていただきました。おかげさまで、ここ 10 年間で約 270 億円の投
資額になっており、全世界からこの研修施設に参加する社員が約 3 万人おられるわけです
が、この 3 万人の皆さん方の宿泊や飲食は、あえて専用施設を設けない、地元のレストラ
ンをぜひ使え、そして地元のホテル・旅館を使えということになっておりますので、地元
では年間約 10 億円の経済効果も生まれております。
そして、金沢港に新工場を造っていただいたおかげで、コンテナ貨物の取扱量もここ 10
年間で 2 倍ほどに大きく伸び上がってまいりました。そして、これはまたクルーズ船の寄
港数の増加にもつながっているということですので、企業の地方移転というのはさまざま
な効果をもたらすということを、われわれは今、実感しています。
そして最近は、これが少子化対策にも貢献をしているということもおっしゃっています。
そこに書いてありますように、コマツの方で社内の既婚女性社員の子どもの数、既婚率を
お調べになった結果、子どもの数は東京では 0.7 人、大阪や北関東では 1.2~1.5 人、石川県
では 1.9 人でした。そして 30 歳以上の女性の既婚率が東京では 50%、大阪・北関東の工場
では 70%、石川県では 90%ということですので、地方へ移転するということは、少子化対
策にもかなり貢献するということをお示しいただいたということで、やはり企業の地方移
転をこれからも積極的に進めていかなければいけません。
そのための、地方拠点強化のための税制が創設されて、今、国会で法案の審議が行われ
ております。衆議院は先日通ったそうで、これから参議院での審議が始まるということで
す。そのためにわれわれがやるべきことは、地方創生を進めていく中で、国民、県民の皆
さま方に一つでも多くの成功事例をお示しし、ご理解を頂くということが何よりも重要で
はないかと思うわけです。その意味では、まだ法案審議の段階ですが、今の予想では 8 月
ぐらいには法案ができ、具体の指針が示されるとお聞きしておりますが、強化税制につい
てもできるだけ弾力的な運用を図っていく必要があるのではないか。例えば、法施行前に
9
既に着工している案件についても、法施行後に竣工するものがあれば、そういうものも優
遇措置の対象にするというように、幅広く弾力的にこれを運用し、一つでも事例を多く積
み重ねていくということで、税制はできるだけ適用しないという考え方ではなく、これを
できるだけ弾力的に適用していく。ぜひ国は、実際の運用に当たってはそんな形で考えて
いただきたい。
石川県でもそんな例が今、進行しているものがありますので、恐らく他の県でもそんな
例があるのではないかと思います。法律が施行されてから着工したものしか対象にしない
ということではなく、法施行後に竣工するものはむしろ対象にするというぐらいの弾力的
な運用を図っていくことによって、まさに地方創生がより内容のあるものになっていくの
ではないかと思いますので、そんな弾力的な運用をぜひ国にお願いをしたい。まだ法案審
議の段階で、国はそこまでの思いはないのかもしれませんが、いずれ法案が成立すること
は間違いないと思いますので、具体の運用を国がこれから示すときに、ぜひそういったこ
とを念頭に置きながら、具体の運用に当たってほしい。このことをぜひお願いしたいとい
う思いで今回提案をさせていただきました。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。それではこの問題に関連して、福井県か
らは「人と企業の地方移転対策の実施について」の提案をいたしたいと思います。
先ほどインフラの整備の話があったところですが、北陸新幹線の大阪までの早期開業、
または先ほどは岐阜県から中部地域の高速道路等のご提言がありました。例えば福井県と
しては、今、中部縦貫自動車道を福井県側からも岐阜県境に向けて進めているところです
が、これも岐阜県と協力して、新幹線が敦賀まで開業するころには完成する、そういう努
力をお互いにさせていただきたいと思います。一方で、今、谷本知事がおっしゃいました
ように、ソフトといいますか税制といいますか、人と企業をいかにインフラの整備と相ま
って移転させるかというのが、これからの日本の最大の課題であります東京一極集中を是
正する大きな方策になると思います。
そこで、福井県ですが、要望書としては 12 ページ、資料として「人と企業の地方移転対
策」という一枚紙があるかと思います。今、谷本知事がおっしゃったのは、今回、一部導
入された地方拠点強化税制の弾力的な運用で、具体的な適用項目ができるだけ増えるよう
にというお話で、これは極めて重要なことかと思っております。福井県が提案しておりま
すのは、この表にございますように、さらにその先の話になりますが、今回、法人税制の
一般的な引き下げが行われており、まず 1.5 兆円の全国一律の法人税減税があったところ
ですが、これからさらに第二次の減税がなされる予定です。これをぜひ、今回の地方への
移転税制のことも考えますと、東京を除く全日本の地方にインセンティブがかかるような
企業減税を行うべきではないかという提言であります。
昨年の全国知事会でも発言したのですが、全般的な減税が行われる前の提言でしたが、
一律減税ではなく、地方により減税幅を広げるような税制をやることによって、大きな法
人の地方移転を後押しする力になるのではないかという提言であります。現在の法人税の
平均税率といいますか実効税率はフランスとドイツの間ぐらいかと思いますが、地方圏は
中国や韓国並みの実効税率に減税ができるのではないかということです。なお、一方で、
財源については法人税のいわゆる課税ベース、租税特別措置、償却や引当金など特定目的
10
の減税を縮減して、全体の財源に充てることにしてはどうかという提言ですので、ご理解
を願いたいと思います。
続きまして「地方創生に資する高速道路料金の割引の拡充について」
、長野県の太田副知
事から趣旨をご説明願います。
(太田長野県副知事) 提案で言いますと 10 に当たります。資料で言いますと、今の福井
県の資料の次に 2 ページ、横長の資料が付いていますので、ご覧いただければ幸いです。
趣旨でございますが、近年の高速道路ネットワークの進展は、人の移動・交流を促進し、
あるいは物流の活性化、さらには地方の観光振興など、あらゆる産業の活性化に寄与して
いることは言うまでもございません。
高速道路につきましては、ネットワークの強化や整備の重視ということから、利用重視
の料金への転換が課題になっているところです。平成 26 年 4 月に全国の料金水準の整理と
割引の再編が行われたところですが、現在、国では「まち・ひと・しごと創生総合戦略」
において、地方への新しい人の流れの創造等を推進しており、今後、一層の二地域居住の
推進、あるいは交流人口の増加促進を図るため、移動にかかる負担軽減策となる事項を要
望するものでございます。
1 点目が、大都市と地方との間で、現行制度では休日割引一律 30%の利用が可能となっ
ておりますが、これは休日に限られており、金曜日の夜や月曜日、あるいは祝日の翌日の
朝などは対象外です。二地域居住等を推進するため、大都市圏と地方との間の移動におき
まして、高速道路を一定頻度以上、例えば月 2 往復利用した場合には、頻度に応じた割引
率の拡大や休日の前後の日の一定時間まで割引時間を拡大する制度を提案したいというこ
とでございます。
もう 1 点は、県単位ですが、一定の地域間での割引の拡充でございまして、現在は最大
100km 走行分まで、平日朝-夕割引が利用可能になっておりますが、長野県のように広い
県、静岡県も対象になろうかと思いますが、生活・経済のつながりが強い一定の地域内に
おきまして、高速道路の利用頻度に応じた、距離や時間帯にとらわれない割引制度を考案
していただきたいというものでございます。また、その割引制度拡充のための財務確保に
ついて必要な対応を講じていただきたいということが提案の趣旨でございます。よろしく
お願い申し上げます。
(西川福井県知事) ありがとうございました。それでは、この項目の最後ですが、
「世界
的なスポーツ大会開催への支援について」、愛知県の大村知事から趣旨のご説明をお願いし
ます。
(大村愛知県知事) お手元の資料の 14 ページの「11 世界的なスポーツ大会開催への支
援について」の資料と、私ども愛知県からお配りさせていただいている資料も併せてご覧
いただければと思います。
中部圏では、2019 年にラグビーワールドカップ 2019 が、私ども愛知県豊田市と静岡県を
会場として行われます。これは、オリンピック、サッカーワールドカップに次ぐ大変大き
な大会です。そして 2020 年には東京オリンピック・パラリンピックが開かれます。2019
11
年から 2020 年にかけて世界的なスポーツ大会が日本で開かれるということで、こうしたも
のを地域の活性化や中部圏の活性化につなげていくことが必要だと思っております。
資料の 2 ページは私ども愛知県の取組ですので、ご覧いただければと思っております。
私どもは「あいちスポーツコミッション」というものを 4 月につくりまして、いろいろな
スポーツ大会の招致に取り組ませていただいております。
そして、3 ページは中部各県の取組でございます。そういったことを踏まえまして、4
ページ、2020 年東京オリンピック・パラリンピックにつきましては、要望書 14 ページの 1
にありますように、事前合宿の誘致など各種施策に取り組む自治体に対して、必要な支援
策を講じていただきたいということ。もう一つは、大会関連の設備や賞品などについて、
各地の産品の活用など、開催効果が、東京オリンピックではありますが、日本全国、各地
に、そして中部圏に行き渡るように、そうしたものを使っていただけるように組織委員会
に働き掛けることということです。
二つ目が、ラグビーワールドカップ 2019 について、開催機運を盛り上げるために広報に
努めるということ、そして組織委員会への分担金を始め、開催自治体の負担の軽減も含め
た財源措置、そして三つ目として事前合宿の誘致などに取り組む自治体に対しても必要な
支援を講ずることということでまとめさせていただいております。
2019 年、2020 年と世界的なスポーツ大会がありますので、これを日本全体、そして中部
圏のにぎわい、盛り上がりにつなげていけるように、よろしくお願いを申し上げたいと思
います。以上です。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。それでは、この地方創生部分については
税制、あるいはいろいろな料金の問題、いろいろなプロジェクト等々、多方面にわたりま
すが、ただ今ご提言の事柄も含めまして、ご意見がございましたらご発言を頂きたいと思
います。
(大村愛知県知事)
ご提案については全く異論はありませんが、数点申し上げたいと思
います。まず東京一極集中の是正についてですが、石川県谷本知事からのご説明は全くそ
のとおりだと思っておりまして、こうした地方への移転税制や交付金制度をつくった際に、
これまでのように、そういう制度をつくってそれが施行され、そこから話ができたものと
いうことになりますと、これから 2 年、3 年先のものしか対象にならず、それではまさに
今、さらに加速している東京一極集中を止めるということにはなりません。必要なのは今
です。今年、今月、今週、今日という時だと思いますので、先ほど谷本知事が言われまし
た、そうした弾力的な対応で、今、この成功事例を一つでも二つでも積み上げていくため
に、そういった面での弾力的な取組について、ぜひ強く働き掛けをしていければと思いま
すので、よろしくお願い申し上げます。
それから、西川知事が言われた「人と企業の地方移転対策」税制についても全く同感で
すので、これもまた知事会を通じて、7 月の全国知事会でも取り上げて、ぜひ強く強く働
き掛けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。私からは以上です。
(川勝静岡県知事)
各県の地方創生、また東京一極集中是正に関わるご提言に、全面的
12
に賛成を申し上げます。特にラグビーのワールドカップは静岡県でも会場の一つに袋井市
のエコパが挙げられておりますので、この提言は大変ありがたいと思っております。
それから、東京一極集中是正に対して、西川知事と谷本知事が言われたことはセットで
あると思っております。地方における企業立地の税制に対して下げると。その場合に、な
ぜそれがいいかというモデルとして石川県のコマツの事業が挙げられるということで、こ
の点は極めて説得力のある提言になるのではないかと思うわけです。
こうした各県のご提言に賛成した上で、今回、書かれていないことについて若干申し上
げたいと思います。東京に一極集中しているのは、言うまでもなく企業、大学のみならず、
政府それ自体です。この地方創生に関連して、担当の石破大臣が 3 月に、東京周辺の 1 都
3 県を除く道府県などに中央省庁、研究機関、それから独立行政法人、研修所、こうした
ものの誘致を求める、その候補は来年の 3 月までに決めると言われています。これを受け、
京都では文化庁を京都に移すよう、京都府知事と京都市長が今、働き掛けられていると報
道されています。この中央にある省庁を、43 の道府県が誘致合戦をするというのもややみ
っともない話なので、私はこうした中部圏知事会があるわけですから、広域でこうしたも
のを受け入れるという申し合わせをすることが望ましいと考えます。例えば、先ほど来出
ております昇龍道というのは、ここ数年来われわれが一貫して求めてきたもので、観光庁
を中部圏に誘致するということです。
そうすると、それをどこに誘致するかということですが、これまた誘致合戦になりかね
ません。そのため、例えば、首都機能の移転の第二の候補地になった愛知県と岐阜県の県
境の東濃などは、十分に説得力のある理由があるだろうと思いますし、それに類したとこ
ろが他にもあるかもしれません。ただ、観光庁を中部圏に誘致しろと言っても、九州でも
中国でも四国でも北海道でも東北でも同じようなことだと思います。ですから、私は、観
光庁にしろ、文化庁にしろ、それぞれの地方は豊かな文化、観光資源に満ちているわけで
すから、観光行政、文化行政などは、各圏域、例えば中部圏や近畿圏、九州圏などに全部
任せるというくらいの移転という形で提言すれば、あまり誘致合戦にはならないのではな
いかと考えます。
特に、全国知事会で谷本知事などは影響力のあるご発言をされておりますので、この誘
致合戦をさせるような今の石破大臣のご提言に対しては、もう一度、広域的な観点で、国
の中央省庁、それから様々な研究あるいは研修機関、独立行政法人などの受け皿づくりを
早急にまとめて、やっていってはどうかと思います。中部圏では差し当たって、観光庁を
中部圏全体で受け入れるということを、この秋ぐらいにはまとめて、この 3 月までの候補
地決定に間に合わせてはどうかと思う次第です。以上です。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。それでは、この議論については後ほどご
議論いただくことにして。三日月知事、どうぞ。
(三日月滋賀県知事)
ありがとうございます。私も各県ご提案の内容には全面的に賛成
でございます。11 番目の先ほど愛知県からご提案の世界的なスポーツ大会開催への支援に
ついて、事前合宿を含めて、各県のいろいろな誘致の取組を愛知県提供の資料 3 ページに
示していただいて、ありがとうございます。1 番目の 2020 年東京オリンピック・パラリン
13
ピックについて、2 番目のラグビーワールドカップ 2019 についてに加えて、3 番目に、千
載一遇のこのチャンスを生かして、文化プログラムの項目を一つ入れていただいて、例え
ばわが県であればアール・ブリュットを含め、障害者の芸術ということで、東京オリンピ
ック・パラリンピックに来られる方々の誘致・観光を進めておりますし、それぞれ各県も、
スポーツイベントの開催地のみならず、例えば地域のお祭りへの招致や文化的な行事の紹
介などを、それぞれ特徴のある中部圏でもプログラムとして入れて PR をするということ
にしてはどうかと思います。以上です。
(西川福井県知事)
ありがとうございます。他にございませんでしょうか。
(河村名古屋市長)
福井県から「人と企業の地方移転対策」として減税が出ています。
これはこれでいいのですが、こうなると私たちも言わなければいけません。今、全国で名
古屋だけですが、法人市民税、住民(市民)税のいずれも 5%減税を自力でやっておりま
す。よくいわれますが、日本は大企業の本社の 7~8 割が東京にあります。アメリカは逆で、
ニューヨークには 2~3 割しかありません。これはなぜかと言いますと、やはりみんな減税
競争なのです。各自治体といいますか、州か市が必死に血を流してやっているわけです。
名古屋市は、職員の給料がその前までは政令市 3 位でしたが、今は 13 位まで下がっており
ます。それで真水を生んで減税政策をやっているということです。それがどうか、誰も褒
めてくれないのでやけくそですけれども、自分でやれることがあるのではないかと。福井
県の提言には当然賛成しますけれども、ここは一言言わせてもらわなければいけないとい
うことです。
(西川福井県知事)
ありがとうございます。他にございませんでしょうか。それでは、
この問題については、広域的な政府機関の誘致や、オリンピックなど世界的なスポーツ大
会における地域文化の発信についての議論でしたが、何かご意見がございましたら重ねて
どうぞ。
(谷本石川県知事)
文化的な側面も含めてやるというのは非常にいいことではないでし
ょうか。あと、国の各省庁というのは、まだ僕もよく分からないところがあります。石破
大臣の発言を聞いていると、地方で受け入れると手を挙げたところは、東京に置くよりも
地方に置いた方がいいという説得力ある説明を地方がすべきだと。でなければ東京から地
方へ移転をする大義名分が立たないという発言をしておられたのを新聞等々で読みました。
そういうことを言われてしまうと、今度はものすごくハードルが高くなって、なかなか手
を挙げられないのではないか。地方創生担当大臣ですので、もう少し温かみのある、地方
へ国の機関を移転させるのだと、我と思わんところは手を挙げて、ぜひアピールしてくれ
ないかというお話だとよく分かるのですが、その辺がどうもよく分からないところがある
ので、石川県もまだそこは静観しているという感じです。
広域的にどういうふうに対応するかということについては、せっかくの静岡県からのご
提案ですので、また愛知県の事務方を含めて少し議論を尽くしていくということは大事で
はないかと思います。
14
(川勝静岡県知事)
私も石破大臣の発言には、地方を競争させるという上から目線が非
常に際立っているという印象を持っております。一方、東京一極集中の是正は全国的課題
であって、国の課題でもあるということですが、しからば東京一極に集中している中央政
府が首都機能を移転させるということは、1990 年から 1999 年にかけて、国の英知を結集し
て移転先を決めているわけです。その一つが東美濃であり、また那須、阿武隈であるわけ
で、1 都 3 県以外、すなわち東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県以外のところに中央の機
能を移転させる、しかもそれは最大限で 60 万人くらいです。従って、これは防衛・安全保
障や司法、外交など一定の機能のものについてということだと思いますが、それを自ら移
転するように、自らも身を切れということを突き付けるということを通して、我々の方も
中部圏で、例えば観光庁を受け入れよう、受け入れる準備があるということについては意
思統一を図らなくてはいけないと思いますが、石破大臣に対しても厳しく、谷本、西川両
ベテランで、それから大村会長という馬力がある方がいらっしゃいますので、やっていた
だければ、私どもも後ろの方から、外野席ではありますけれども応援いたします。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。他にございませんか。そうしましたら、
いずれにしましても今回の地方創生については、全般的にいろいろなハードルが高過ぎる
から、できるだけ低くしろという基本的なことは、われわれとしては要請する必要がある
でしょう。あと、無用な地域争いは、最後はそういうところがあるかもしれませんが、で
きるだけないような方法をいろいろな工夫して考える。そして、オリンピックなどではス
ポーツのみならず文化の発信も重要、というようなご意見がございました。これらを踏ま
えて、事務的に文章を調整した上で、国へ要望するということでよろしゅうございますか。
ありがとうございました。
それでは、
『地方創生の推進』まで終わりました。次に 3 項目目、『防災対策の推進』に
ついて。これは今あちこちで非常に課題になっておりますが、項目として 3 項目挙がって
おります。まずは「総合的な流木対策及び海岸漂着物・漂流物対策の推進について」、富山
県の寺林副知事からご説明、趣旨をお願いします。
(寺林富山県副知事) 資料の 16 ページをお願いいたします。これは、従来の継続提言に
一部追加させていただきたいというものでございます。まず、最初に本県のことを話させ
ていただきますが、過去の豪雨時に、大量の流木が海域・海岸に漂流・漂着いたしまして、
定置網の損傷や海岸保全施設の機能阻害といった多大な被害を引き起こしているところで
ございます。このような状況を踏まえまして、富山県では流木対策の必要性について共通
認識を図ることを目的として、国土交通省、林野庁、電力会社、県漁連、漁業関係者、お
よび関係自治体で構成している富山県流木対策連絡会議を平成 17 年 2 月に設立しまして、
各機関の流木対策の実績報告や意見交換を実施しているところでございます。
中部圏知事会議におきましても、平成 18 年度に要望を開始して以来、国において上流域
における森林整備や流木捕捉施設の整備は実施されていますが、その一方で、中流域のダ
ム湖における安全な捕捉施設の開発や整備については、国におきましても検討は進められ
ておりますが、藻場の強度や流木回収方法の効率化、処理費用に対する受益者負担等の仕
15
組みづくりなど課題が多いことから、実現を見ていないところです。
また、本県をはじめとして中部圏、各地の海岸等には、漁業や住民の生活に大きな影響
を与える大量の流木やごみ等が漂着・漂流しており、その処理にご苦労なさっておられる
のではないかと思っております。国におきましても、海岸漂着物、漂流物及び海底堆積物
の回収・処理や発生抑制策に対する支援といった財政措置を講じておられますが、海岸へ
の流出前の河川ごみの回収・処理については、支援措置の対象とされていないところでご
ざいます。
こういった状況を踏まえまして、ダム湖における流木の安全な捕捉施設と効率的な回収
方法の開発整備の推進のほか、上流域における流木対策施設整備の推進、さらに、災害発
生源となる恐れのある荒廃森林の整備といった総合的な流木対策について引き続き提言す
るとともに、海岸漂着物、漂流物及び海底堆積物の処理に係る補助事業の更なる充実や、
海岸への漂着の未然防止に向けた河川ごみの回収・処理に対する財政措置の創設について、
追加で提言するものでございます。よろしくお願いいたします。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。これは福井県においても大きな課題にな
っております。続きまして、もう一つの課題である「火山防災対策の強化について」、まず
岐阜県の藤野副知事から提案をお願いいたします。
(藤野岐阜県副知事)
火山防災対策の強化につきまして、お手元の資料 17 ページ 13 番
でございます。この論点につきましては静岡県からもご提言を頂いておりますけれども、
先に岐阜県の方からご説明させていただきます。
火山災害につきましては、最近では口之永良部島あるいは箱根山など、火山活動が大変
活発化しているところでございます。火山災害は全国の活火山において起こる可能性があ
り、火山防災対策の強化は急務であると考えております。本県では、御嶽山噴火による尊
い犠牲の下に明らかになった課題を洗い出し、取り組むべき対策について検討するため、
昨年 11 月、岐阜県火山防災対策検討会議を設置いたしました。その議論を踏まえまして、
取り組むべき対策と国へ提言すべき事項について整理するとともに、火山防災対策の充
実・強化を図っているところです。また、国におかれましても、火山防災対策推進ワーキ
ンググループにおいて議論を重ね、3 月に取り組むべき事項について提言がなされており
ます。この提言は私どもの方向性と同様であり、火山防災対策のさらなる強化を国に働き
掛けるべく、今回提案をさせていただきました。
具体的に今、①監視・観測体制の充実や財政的支援の拡充、②噴火警戒レベルの見直し
及び情報発信の強化、③退避壕等の施設についての財源確保や施設設備のあり方の検討及
び「登山届」の提出の促進などの登山者の安全確保対策の強化、④火山防災教育の推進、
⑤火山の専門家などの人材育成の 5 項目を提案させていただいている次第です。以上でご
ざいます。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。この火山問題については静岡県の川勝知
事からもご提案を頂いておりますので、補足的に何かございましたらおっしゃってくださ
い。
16
(川勝静岡県知事)
今の岐阜県のご提案に尽くされていますが、若干強調しておきたい
ことは、御嶽山のみならず、今、箱根の大涌谷でもいつ水蒸気爆発を起こすか分からない。
また、九州の口之永良部島でも火山が噴火したということで、観測体制を強化する、それ
から火山に対する専門家の人材育成に努める。それから、警戒レベルが引き上げられたら、
その情報を確実に現場にいる、なかんずく登山者に伝える通信環境の強化、情報伝達手段
の多様化が必要です。それから、富士山の場合、これも活火山ですが、当初、例えば神奈
川県知事などは、富士山が噴火するなどということは全く想定外だったのですが、御嶽山
の噴火があり、今や山梨県と神奈川県と静岡県は、富士山の噴火もあり得るということで
防災対策協議会を組織しており、去年 10 月に防災訓練を実施しましたところ、数千人の方
が参加しました。さらに、山谷防災担当大臣、西村内閣府副大臣(防災担当)も参加され、
もしオリンピックのときに噴火しますと降灰は皆関東に行きますから、富士山空港を首都
圏空港に入れようという話にまでなっているぐらい、重要な問題です。
そういう意味で、特に中部圏は山の県ですから、山についての認識を高める必要があり
ます。そこで、差し当たって中部圏の長野県と山梨県、新潟県で、来年から山の日が国民
の休日として始まるので、難しい山、登りやすい山等について山のグレーディングをした
のですが、中部圏全体にもこうしたものを広めていく必要があるだろうと考えます。今日、
ここには書いてありませんが、そこでは火山情報については述べていません。ですから、
後からこのグレーディングをした資料をお配りいたしますが、国の方でも火山について、
シェルターなどの整備のあり方などについても整理していただいて、ガイドラインをしっ
かり取りまとめていただくことを要望申し上げたいと存じます。以上です。
(西川福井県知事) ありがとうございました。それでは、
「地震対策等の推進について」、
川勝知事からご説明をお願いします。
(川勝静岡県知事)
静岡県からは、前回に引き続きまして、地震対策等の推進について
提案を申し上げます。今回の提案におきましては、一つ目の項目のうち 4 番目に、地震防
災対策特別措置法第 4 条の適用期間の延長を加えました。地震防災対策特別措置法(地防
法)は、阪神・淡路大震災を契機に制定され、各都道府県はこの法律に基づき地震防災緊
急事業五箇年計画を作成し、事業の進捗を図ってきたわけです。国は、当該計画に基づく
事業に対して、小中学校の耐震化など一部の事業について、同法第 4 条により国庫補助率
のかさ上げを行っておりましたが、この規定の適用範囲は来年 3 月 31 日をもって期限を迎
えます。しかしながら、つい数日前の関東における地震などの状況がございまして、日本
列島で地震活動が活発化しております。さらに、南海トラフの巨大地震も想定内になって
おり、住民の生命、身体、財産にも深刻な被害を及ぼすことになることを考慮いたしまし
て、地震防災対策特別措置法第 4 条の適用期間の延長を求めるものです。
また、二つ目の項目として、災害に強い地域づくりの推進を提案しました。東日本大震
災以降、防災・減災に対応した国土利用が強く求められております。静岡県では、防災・
減災の充実強化を図るために、人々が集中している沿岸・都市部において災害に強い都市
機能の充実を図ると同時に、内陸側、今、新東名が走っているところを内陸のフロンティ
17
アとし、沿岸・都市部からの企業や住居等の移転の受け皿となる地域づくりを進めており
ます。それをするにつきましても、規制の緩和、税制・財政等、金融上の支援措置の創設
を求めるものでございます。以上です。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。ただ今、河川、海岸、火山、地震という
あらゆる防災の議論が出ましたが、それぞれの提言などについて、防災全般に関わります
が、ご意見がございますればおっしゃってください。
(鈴木三重県知事)
まず、昨年の御嶽山の件につきましては、私どもも先般、2 月に木
曽町へおじゃまさせていただきました。被害に遭われた方々に改めてお見舞いを申し上げ
たいと思います。少しずつ復興も進んでいるということで、喜んでいるところであります。
2 点申し上げたいと思います。一つは、富山県に提案していただいた海岸漂着物の関係
なのですが、これにつきましては、東海 3 県 1 市で、愛知県、岐阜県、名古屋市にご協力
を頂いて、伊勢湾の海岸漂着物に関する取組をこれまで積極的に進めてまいりました。そ
のおかげで、海岸漂着物に関する交付金も、平成 25 年度、平成 26 年度と実現したところ
です。平成 27 年度は、26 年度最終補正で海岸漂着物などに対処する補助金ができました
が、残念ながら 28 年度以降がまだ全然分からないということに加えて、地方負担ができた
ということです。それまでは 10 分の 10 でしたが、地方負担ができたということですので、
この富山県のご提案には全面的に賛成するものの、やはり海岸漂着物の取組は単年度で終
わるものではありませんので、もう少し、来年度以降、長きにわたって安定的にできるよ
うに。三重県では答志島というところに伊勢湾の漂着物のほとんどが来るのですが、「22
世紀奈佐の浜プロジェクト」といって 22 世紀に海岸漂着物をゼロにしようという NPO や
ボランティアグループがあるぐらいですので、長期間かかることです。来年度以降も安定
的な財源を確保するためにという趣旨をもう少し明確に書いておいた方がいいと思います
し、地方負担の軽減についても書けるなら書いた方がいいと思います。
私どもは、河川などの未然防止のところもぜひとも入れてほしいと思うのですが、環境
省へ行くと、
「これは国交省の管轄です」と言われるのです。河川にあるごみは国交省のこ
となのですよねと、非常に縦割りがひどいわけで、知事会がしっかり連携して提言するこ
とに非常に意味があると思いますので、ここもしっかり協調してやっていきたいと思いま
す。
それから 2 点目は、地震対策のことです。もしかしたら事務的な調整の中で私どもが言
い忘れてしまったのかもしれなくて申し訳ないのですが、今、愛知県や名古屋市と一緒に
進めさせていただいている海抜ゼロメートル地帯の対策です。ハード面、ソフト面を合わ
せて、南海トラフ特別措置法の特別強化地域から外れてしまっているわけですが、その点
についてさまざまな提言をしていますので、その内容をちょっと。うちが言い忘れたのか
もしれませんが、海抜ゼロメートル地帯への対策ということが一言も入っていませんので、
今後調整していただいて、提言の中に加えていただけるとありがたいと思います。以上で
す。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。
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(三日月滋賀県知事) 2 点申し上げます。1 点目は、富山県の流木対策です。これは全面
的に私どもも賛同するのですが、ダム湖だけではなく琵琶湖も入れていただけたらと。琵
琶湖も、460 本の川が流れ注いで 1 本の川からしか出ていかずに、山が荒れているせいで 2
年前の台風災害の折にも大変流木で困りました。今も困っているところがありますので、
ぜひこの表現を改善していただければということです。
もう 1 点は、地震対策等の推進についてです。特に原発のところで、石川県、福井県、
静岡県、それぞれ立地自治体としていろいろとご苦労、ご負担、ご心配いただいているの
ですが、この地震対策等の推進についての 5 番目の「原子力発電所の安全確保及び防災対
策の強化」というところが(5)まであり、
(5)に入るのか途中に入れていただくのかとい
うことになると思うのですが、再稼働の手続きおよび安全協定というものの法定によるル
ール化、その時々、その場所場所、それぞれの電力会社と原発と自治体との関係というこ
とで、例えば紳士協定とか、その所々で変わるということではなくて、法定による明確な
ルールづくりが必要だということを、われわれは常々申し上げておりますので、ぜひこの
点、お含みいただけたらと思います。以上です。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。
(太田長野県副知事) 13 番の岐阜県、静岡県、両県からご提案の火山防災対策の強化で
ございます。昨年の御嶽山の噴火に関わる捜索、あるいは復興に関しましては、中部圏の
各県から大変温かいご支援を賜りました。この場をお借りしましてお礼を申し上げます。
このご提案にあります 1~5 の項目は非常に大事なことでございまして、本来ですと私ど
もも提案しなければいけない内容だったと反省しているところですが、特に 4 番の地方自
治体職員の火山に関する知識向上の問題、これはやはり国の支援がないと、とてもそれぞ
れの自治体では対応できないものですので、ぜひここも強調して取り上げていただければ
と思います。また、付け加えですが、3 番の「登山届」の提出等につきましては、現在、
長野県では独自の条例を策定中でございまして、その最終案を今諮っているところでござ
います。制定の際には、また皆さまにもお知らせ申し上げたいと思います。ありがとうご
ざいました。
(西川福井県知事)
他にございませんか。
(谷本石川県知事) 富山県の方から提案がございました漂着物ですが、特に海岸漂着物、
石川県は能登半島が日本海に突き出ているという地形的な特徴もありまして、なぜか対岸
諸国からの漂着物がたくさん漂着するのです。これは確かもう今から 5~6 年前ぐらいに、
こういうことになると国際的な取組をしていかなければいけない、自治体の力ではどうし
ようもないということで、当時の環境大臣に要望を申し上げたり、自民党の特別委員会に
要望を申し上げたりして、確か議員立法で海岸漂着物の処理推進法という法律が確かでき
たと思うのです。そのときに、財政措置を講ずるという規定が入ったのですが、肝心の予
算措置が全くなされないという状況がありました。今、三重県知事からお話があったよう
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に、基金を創設して、基金を使ってやるという話から事が始まって、その基金が枯渇して
しまって、今また新たな補助金制度が始まったのですが、地方負担がそこに導入されたと
いうことがございます。これはわれわれとしては大変遺憾なことだと思っております。
ただし、財源措置が下手をすると単年度で切れてしまうという恐れがいつもあるのです。
油断していると、すぐに環境省は要求することをやめてしまうのですが、海岸漂着物は今
年は来たけれど来年は来ないなどということはあり得ない、地理的特徴からすると海岸漂
着物が毎年来ることは間違いないのです。そうすると、これを処理するための経費が毎年
かかることは自明の理なのです。その意味で、財源措置をしっかりと国の方にやってもら
うということをあえて強く言っておかないと、いい加減な提案だけだと、国は怠けてしま
うかもしれないという恐れが十分にあると思いますので、この財源措置はしっかりとやる
ということを、もう一度国の方に申し上げておく必要があるのではないかと思います。
ちなみに、平成 25 年度の海岸漂着物の回収実績は、石川県は 1,400 トン、第 2 位が三重
県の 1,100 トンだそうですので、この 2 県は双璧です。言い方を変えれば真面目に処理し
ているということです。
(西川福井県知事)
それでは、この問題に関しては、流木・漂着物等対策については安
定財源確保、また地方の負担軽減、それからダムについて琵琶湖も水がめであるというこ
とでの対策、また、地震対策については、ゼロメートル地帯の対策の問題、原子力発電所
の災害などについてご発言がございました。これらを踏まえて事務方で調整の上、国に要
望していくことでよろしくお願いいたします。
以上で前半の議事が終了しましたので、ここで休憩を取りたいと思います。本日は、ご
当地、勝山市長がお越しになっておりまして、皆さま方にご挨拶、また、勝山の若干の PR
もなさりたいということです。今日は勝山の銘菓、お菓子も用意させていただきましたの
でご賞味ください。では、市長、よろしくお願いします。
(勝山市長あいさつ)
(西川福井県知事) 勝山市長、ありがとうございます。それでは、ここで 10 分ほど休憩
し、50 分に再開いたします。なお、富山の寺林副知事は公務のためここで退席されます。
後半は磯部理事がご参加ということですので、よろしくお願いします。
<休憩>
(西川福井県知事)
それでは再開したいと思いますので、よろしくお願いします。大き
な項目の四つ目、
『少子化対策の推進』についてです。2 項目ございます。三重県から「『地
方目線』の少子化対策について」、よろしくお願いします。
(鈴木三重県知事) ありがとうございます。提言案は 21 ページからかなり広範囲にあり
ますので、一枚もので項目をピックアップして出しています。要点だけ申し上げたいと思
います。左上から順番にいきます。
20
まずは地域少子化対策強化交付金で、これも 26 年度最終補正でやっているだけです。少
子化対策はどう考えても長く続くものですから、この恒久化と拡充。結婚支援が使いにく
いという市町からの声がありますので、弾力的な運用をしてほしいということです。交付
金もさることながら、少子化対策は未来への投資なので、これまでの延長線上にはない規
模の財源の確保をしっかりしてほしいということが 1 点目です。
2 点目は、それぞれの地域でも工夫していただいているところでもありますが、国とし
て幼児教育の無償化や多子世帯への経済的支援をしてほしいということです。
それから不妊治療関係です。各自治体においても助成を出していると思いますが、国は
年齢制限や回数制限をすることにしていますので、一定の出せる部分は助成を増やしてほ
しいということや、不育症という 2 回以上流産してしまう症状についても公的助成をして
ほしいということです。ちなみに、三重県は単独で不育症の治療の助成をしています。
次が放課後児童クラブです。国の方で放課後児童クラブの財源をかなり確保していただ
きましたし、要件も相当緩和していただいたという前提の上で、しかしながら 10 人以下の
小規模な放課後児童クラブの補助の対象は、へき地や離島など条件がかなり付されていて、
へき地や離島に限らず、地域によっては少人数の小規模な放課後児童クラブが必要なとこ
ろもありますので、その要件を緩和してほしいということです。
それから、開設日数が 250 日以下になると補助金がかなり減額されますので、地域の実
情に合わせた放課後児童クラブが開設できるように、補助の要件を緩和してほしい。
それから、ここには書いてありませんが、三重県は県単で一人親家庭の放課後児童クラ
ブの入所料の減免をやっていますので、そういう部分も国で対応できるような財源の確保
をしてほしいということです。
最後になりますが、子ども医療費助成です。これも各自治体でやっていますが、就学前
などの基本的な部分については、国全体で全国一律で制度化してほしいと思います。また、
国保のペナルティ措置が引き続きありますので、そのペナルティ措置はぜひとも廃止して
ほしいということでございます。以上です。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。次に「地方の実情に応じた少子化対策の
充実について」、石川県の谷本知事から提案趣旨のご説明をお願いします。
(谷本石川県知事) 資料 27 ページです。お手元の資料は、三重県の後に 2 枚刷りで入れ
ておりますので、ご覧いただきたいと思います。三重県の知事が全部お話しされましたの
で私の方から申し上げることはありませんが、そこに書いてございますように、われわれ
もさまざまな対策を講じてまいりました。子育てに関する四つの不安を一番下に挙げてお
りますが、その中で私は気になることが一つございます。特に精神的な不安です。都市化、
核家族化が進んでいる中で、専業主婦家庭のお子さんの育児がどうも密室化されていく、
その中で児童虐待等が起こりやすい可能性があるわけです。そこのところに対する手だて
が、国の子ども・子育て支援新制度では抜けているのではないかという思いがしています。
2 枚目に入れてありますが、われわれは保育所を単なる子どもを預かる場所ではなく、
子育て支援の拠点と位置付けさせていただいております。2 枚目の表の左上は、保育の有・
無という形になっていますが、今度、認定こども園ができましたので、保育に欠ける児童、
21
保育の必要性がある子どもさんは、0 歳から 6 歳までは保育所もしくは認定こども園とい
う受け皿ができることになります。
保育に欠けない児童、いわゆる専業主婦家庭の子どもさんは、3 歳以上については幼稚
園もしくは認定こども園という受け皿ができます。ところが 0 歳から 3 歳までのところが
全くの空白になっています。これは恐らく保育所と幼稚園のいきさつからこうなってしま
ったのだと思います。保育所の場合は、保育に欠ける児童は世話をするけれども、保育に
欠けない児童は保育サービスの対象にならないので、専業主婦家庭の 0 歳から 5 歳までの
子どもさんは保育所のサービスの対象にはなりません。幼稚園は、逆に専業主婦家庭の子
どもさんも受け入れますが、3 歳以上でないと受け入れないということになっています。
その二つの制度が合わさって新たな認定こども園、新制度がスタートしましたので、在宅
育児家庭、専業主婦家庭の 0 歳から 3 歳までの子どもに対する保育サービスが欠落してし
まっています。こういう形で見ると、これは少しおかしな制度だなという感じがします。
そこで、私どもは今年から、国から出た交付金を活用して、0 歳から 3 歳までの在宅育
児家庭のお子さんを対象に、認定こども園の通園保育モデル事業をスタートすることにい
たしました。特に在宅育児家庭からは、幼稚園なりに通わせて、ぜひ他のお子さんとの交
流とふれあいをさせたい、親御さん同士の交流もぜひやりたいというご要望があったので、
モデル事業としてこれを始めることにしたのですが、国の子ども・子育て支援新制度でも、
保育に欠ける児童・欠けない児童という区分をやめて、認定こども園でやるという前提に
立つからには、在宅育児家庭の 0 歳から 3 歳児のところもしっかり国の制度としてフォロ
ーしていかなくてはいけないのではないか。幸い石川県の場合は待機児童が基本的にはお
りませんので、量を確保する政策を取る必要がなく、むしろこれからは保育サービスの質
を上げていかなければいけません。石川県は今そういう課題を抱えています。今、三重県
の知事がいみじくもおっしゃったように、地方の実情に応じた形で、それぞれさまざまな
保育サービスを提供していかなければいけないということになると、待機児童のいない県
などにおいては、保育の質を高める取組を進めていく必要があるのではないか。国はこの
新たな制度の下で、こういったところにも光が当たるような制度上の位置付けをしっかり
していただきたい。このことをぜひ申し上げていく必要があるのではないかと思います。
それから、子どもさんの医療費助成も、三重県の知事がおっしゃったとおりです。今は
市町村同士で競い合わせるような仕組みになっていますが、そろそろ制度として一つのル
ールを作るべきではないか、各市町村がこれを競い合うということに任せておいてはいけ
ないのではないかと思います。一つのルールをきちっと作って、子ども医療費の助成制度
をやるということが、これから進むべき道ではないかと思います。以上です。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。少子化対策については、各県あるいは市
ともあらゆる努力をし、特に中部圏ではこれ以上何があるのかというぐらいにやっておら
れるのかもしれませんが、そういう中でなお量的な問題が残っていたり、量から質、いろ
いろな課題があると思います。河村市長、どうぞ。
(河村名古屋市長)
では、せっかくでございますので。待機児童は大都市ではゼロには
できないといわれていますが、名古屋は 2 年連続ゼロでございます。うちが発表したすぐ
22
後に京都が発表しましたが、日本新記録だと思います。110 億円減税して、なおやってお
ります。実は減税しているからこそできるのです。それから、中学生までは医療費はただ
です。これも大都会ではさいたま市が一つありますが、あとはありません。
それから、三重県は非常に熱心なようですから、ぜひご紹介しておきます。その他のと
ころに入っているのかもしれませんが、グッドニュースです。「なごや子ども応援委員会」
は、若干アメリカ流ではありますが、いわゆるいじめの抜本的な対策です。これだけでい
じめがなくなるとは言いませんが、名古屋は日本で初めて、去年からやりました。簡単に
言えば、先生の分業です。教師をやる先生と、もう一つは子どもの人生、大きくなったら
何になるのかを。
日本ではスクールカウンセラーがありますが、日本は残念ながら非常勤です。名古屋は
去年、常勤で取りあえず 44 名導入しました。スクールポリスの 11 人だけ非常勤になって
いますけれども。去年と今年で 4 億円を使いましたが、子どもの悩みの相談件数が去年だ
けで 2600 件、525 人です。それがまだ拡大しています。やはり、貧困に起因する子どもの
悩みはものすごいです。大きい特色は、専門でいるので未然に対応できることです。教科
の先生が子どもを見ていて、学校に出てこなくなったり元気がない場合、子ども応援委員
に相談して、プロパーで、教科はしていないので、専門に対応します。時間がないので言
いませんが、学校に戻れたなど、グッドパフォーマンス、パフォーマンスと言ってはいけ
ませんが、子どもが生きていく力を付けたという例が相当出てきています。皆さんご希望
がありましたら、いつでも見に来ていただいても結構ですし、いろいろ説明いたしますの
で、どうぞ心に留めておいてください。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。他にはございませんでしょうか。大村知
事。
(大村愛知県知事)
子ども・子育て支援につきましては、各県全てで一丁目一番地の、
大変重要な施策と思って取り組んでいただいていると思います。三重県と石川県からのご
提案、ご提言につきましては、全くそのとおりだと思います。われわれは待機児童が出て
こないように、一生懸命、保育施設を造っているところですが、さらにその質を上げてい
くというのは全くおっしゃるとおりなので、そういった面でもぜひ国の方でも進めていた
だければと思います。
そしてその中で、特に三重県の資料の中の放課後児童クラブについてです。保育所の待
機児童が何とかないようにということでやっておりますが、次は放課後児童クラブをどれ
だけ作れるかということで、今、予算もだいぶ増やして一生懸命やっております。国の助
成も、いろいろな条件が付いて使いにくいのを何とか解消していただかなければいけませ
んので、これも強く提言をしていただければと思っております。
各県それぞれありますが、今まで愛知県は、事業費ベースで子ども・子育て事業を 380
億円ぐらいやっていたのですが、4 月からの今年度の予算では約 560 億円と、一遍に 180
億円増えました。県の予算だけでも 110 億円以上、真水で増えております。消費税の財源
が来るとはいいながらも、なかなか苦しいところです。
そういう事業で各県それぞれご苦労されていると思いますが、何といっても次世代に引
23
き継いでいくためには、子ども・子育て支援をとにかく一生懸命、どれだけやるかだと思
います。ご提言の案は何ページかにわたる大部なものですが、これを全部しっかり取り組
んでもらえるように、皆さんと一緒に提言をしていければと思いますので、よろしくお願
いします。以上です。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。他にはございませんでしょうか。ありが
とうございました。それでは、提案いただいた文案を採択し、国へ要望したいと思います。
福井県もいろいろなことをやって、これ以上何があるのだろうということですが、福井
県は、人口当たりのお寺と神社の数が最も多い県なのです。こんな人まで婚活を応援して
くれるのかという意味で、昨年あたりから、お寺の住職に結婚の縁結びをということでや
りはじめまして、どういう鐘が鳴るかということもあるのですが、あらゆることをみんな
でやろうとしておりますので、話題として申し上げます。
(3)その他
(西川福井県知事)
それでは、『その他の項目』にまいります。以降の提言については、
1 項目ずつご意見を交換させていただきます。
まずは、石川県から「森林資源の利活用を通じた林業の活性化について」、お願いします。
(谷本石川県知事) それでは、お手元の資料 28 ページと、3 枚つづりの資料を用意して
おりますので、それをご覧いただければと思います。
森林資源の代表であります木材は建築用材やパルプなどに使われており、もう一つは木
質バイオマスとして発電などにも使われていますが、最近の木材価格の低迷や林業収益力
の低下によりまして、必要な間伐がなされていない森林、あるいは間伐されても利用され
ない木材があるのも事実です。
石川県では、間伐を進め、森林資源をしっかりと利活用し、森林を適正に保全するとい
うことで、製造業の生産管理ノウハウを林業に生かすことにし、昨年 2 月にコマツと県森
林組合連合会、県の 3 者で林業に関する包括協定を結びました。この協定に基づきまして、
コマツの粟津工場では、未利用間伐材から作られたチップを地元の森林組合から購入し、
電気や熱のエネルギー源として活用する、いわゆる木質バイオマス利用の取組をこの 4 月
からスタートさせたところです。
未利用間伐材を発電のみに活用した場合には、木材チップから取り出されるエネルギー
の比率であるエネルギー効率は、木材を燃やしたときに発生する熱量のせいぜい 20~25%
しか使われません。ところが、これを熱源に活用した場合には、熱効率が 70~80%と飛躍
的に向上します。そして、バイオマスを使うことによって、林業の収益力向上とか、これ
は重油を使うことをやめるわけなので、地球温暖化の防止になります。さらに、チップに
するためには新たな機械の開発も必要なので、新たな分野での販路拡大、購入電力料が要
らなくなるので、エネルギーコストの削減などの効果が出るということで、今この取組を
われわれは進めているところです。
ただ、ここで問題が一つありまして、現在、木質バイオマス利用については、国では固
24
定価格買取制度がございます。発電事業者の売電単価が高い値段で設定されています。今、
大規模な木質バイオマス発電を推進しており、全国でも既に 8 施設が稼働し、今後もこれ
が益々増えることになります。こういう中で、木質バイオマスの有効利用の観点からは、
エネルギー効率などさまざまな効果が高い熱源としての活用を推進することが大事ですが、
この固定価格の買取が、これから一つの壁になってくるのではないかと思われるのです。
固定価格買取制度による木質バイオマス発電では、買取価格が非常に高く設定されてお
り、この表に書いてありますとおり、1kg 当たり 6 円程度の買取価格で推移することにな
っております。一方、熱源として利用する場合には、固定価格買取制度の仕組みがありま
せんので、1kg 当たり 4 円としないと、川下の企業側も採算が合いません。そうなります
と、森林組合側、川上側としては、チップをバイオマス発電の方に提供した方がより儲か
ることになるわけです。ここの価格差を解消していって、木質バイオマスエネルギーの熱
効率を 70~80%に上げることが、これから大事になってくるのではないかと思います。固
定価格買取制度についてもそろそろ見直しをして、適正化していく必要があるのではない
か。そのことによって、川下側の企業と森林組合との木質バイオマスの活用の連携が、よ
り強化されてくるのではないかと思っています。
もう一つは、路網の整備と作業人員が不十分なために間伐が進まないというのがこれま
での現状で、間伐材の需要が低迷して利用がなかなか進まないために多くの未利用間伐材
が放置されています。石川県の場合は、そのために年間 3,000 トンほどしか供給できなか
ったわけですが、コマツがバイオマスボイラーとして稼働させることになり、新たな間伐
材の需要が出てまいりました。放置されていた未利用間伐材の活用が可能になって、年間
7,000 トン供給できることになりました。
こういったことを考えると、川下側の企業との連携によって、林業を活性化させていく
ことが十分可能なのではないか。林業は決して衰退産業ではなく、成長産業に位置付けが
できるのではないか。そのためには、将来は路網の整備や人材確保を進めていく必要もあ
ります。そして、路網を使って高性能の林業機械を山の中に持ち込んで伐採し、そこで一
挙にチップにまで変えてしまう、こんな技術開発もしていけば、森林を健全な形で後世に
伝えていくこともできるわけですし、木質バイオマスとして活用できる範囲が広がってい
くのではないかと考えています。木質バイオマスをただ発電事業にだけ使うという発想で
はなく、もう少し広く使うことが、これから大事になってくるのではないか。そういう意
味では、林野庁もぜひ川下側の、従来あまりご縁がなかった、どちらかというと経産省所
管のものづくり企業との連携を、これからしっかり取っていくことが大事ではないか。そ
んな提案をぜひしていただければと思います。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。この点について、何か加えたいご発言は
ありましょうか。よろしゅうございますか。それでは、有益なご提案ですので、十分関心
を持って、皆さんと共に国へ要望してまいりたいと思います。
次に「国立公園の公園施設の整備推進について」、長野県の太田副知事から提案をお願い
します。
(太田長野県副知事)
18 番でございます。国立公園における公園事業につきましては、
25
平成 17 年度の国の三位一体改革によりまして、原則として国が執行するものということで、
それまでの国庫補助事業が廃止されたことから、本来の国が主体となった国立公園内施設
の維持・補修、再整備を求めるのが 1 番でございます。
一方で、国立公園内における訪日外国人を始めとする多くの観光客の安全と快適な利用
環境を、2020 年の東京オリンピックまでに集中的に整備する目的で、平成 27 年度に新た
な補助事業が創設されたことも事実でございます。この補助事業は、国立公園内の地方自
治体が所有する施設が対象となっておりまして、本来の国立公園の整備については 1 で要
望するとおりですが、この補助事業が創設された以上、その主体となるものを地方自治体
に限定することなく、地域の多様な主体、例えば山小屋の関係者、旅館組合などから組織
される地元の協議委員会などとの協働管理による整備も有効だろうと考えますので、2 の
要望をお願いするところでございます。以上でございます。
(西川福井県知事)
ありがとうございます。ただ今の国立公園の整備の財政制度等につ
いて、ご発言がありましたらお願いします。よろしゅうございますか。それでは提案の文
案を採択し、国へ一緒に要望いたします。
続きまして「安全・安心で持続可能なエネルギー体系の構築と再生可能エネルギー等の
導入促進について」、静岡県の川勝知事からお願いします。
(川勝静岡県知事)
ありがとうございます。これは昨年度に引き続いての提案でござい
ます。エネルギーは、言うまでもなく、生活と経済活動に欠くことのできない基盤です。
東日本大震災におきまして、大規模一極集中のデメリットが明らかになり、これからは小
規模分散型のエネルギー供給体制へ転換していく必要があります。そのために、再生可能
エネルギーの導入を促進しなければなりません。先ほど谷本知事が言われたのも、そうし
たものの一例であると存じます。
昨年 4 月にエネルギー基本計画が閣議決定されまして、電力システム改革などが進めら
れ、原子力発電所の再稼働に向けた動きが見られる一方で、再生可能エネルギーについて
は導入を拡大する上での課題もございます。これは地方によって違うと存じますが、静岡
県は日照時間が日本一でございますので、平成 21 年度は、太陽光発電は 10 万キロワット
だったのが、今はそれが 10 倍になり、100 万キロワットの導入実績を挙げるまでになりま
した。これはいわば原発 1 基分でございます。
こうした状況におきまして、安全・安心で持続可能なエネルギー体系を構築するために、
まずは先ほども谷本知事が言われましたとおり、固定価格買取制度の効果的な運用をしな
ければなりません。それを通して再生可能エネルギーの導入を加速することが必要です。
省エネ対策の強化等により効率的なエネルギー利用を進めることも、併せて行う必要があ
ります。また、電力料金の抑制を図ることも大切です。電力システム改革については、適
切な情報提供などを国民の目線で行うことが求められると存じます。
さらに、エネルギーの安定供給や再生可能エネルギーの導入の拡大には、広域的エネル
ギー供給網の強化が必要です。東日本と西日本の間の電力融通を行う周波数変換設備の拡
充は極めて重要です。長野県の新信濃、静岡県の佐久間と東清水で 60 ヘルツと 50 ヘルツ
の変換が行われるわけですが、今のところ 120 万キロワットで、これを概ね倍にしていく
26
必要があり、いざというときにお互いに電力を供給し合う設備の拡充が極めて重要だと存
じます。
この他、エネルギー技術の開発促進も含めまして、資料にございますような 5 項目を提
案するものでございます。以上です。
(西川福井県知事) ありがとうございました。この再生可能エネルギーの問題について、
ご発言はございましょうか。よろしゅうございますか。それでは、この案のとおりで提言
させていただきます。
続きまして「多文化共生社会づくりの推進について」、愛知県の大村知事からご提案の趣
旨の説明をお願いします。
(大村愛知県知事)
それでは、項目 20 番目でございます。「多文化共生社会づくりの推
進について」
、資料をご覧いただきながらお聞きいただければと思います。
資料 1 ページ、都道府県別在留外国人数についてでございます。平成 26 年末現在、全国
の在留外国人は約 212 万人で、うち中部 9 県に約 45 万 5,000 人、そのうち私ども愛知県に
は約 20 万人おられます。
近年の特徴といたしましては、生活の基盤を日本に置いて、長期的に暮らしていこうと
する方が増えていることが挙げられます。中部 9 県で永住者の在留資格を取得された方が、
平成 21 年からの 5 年間で約 15.8 万人から約 18 万人へと、約 2 万 2,000 人増加しておりま
す。また、在留資格全体から見た割合では、中部 9 県の平成 26 年における永住者の比率は、
全国平均の 31.9%に比べて 39.5%と非常に高くなっております。外国人の住民は、既に中
部 9 県はもとより、わが国の経済活動を支える大きな力となっており、将来にわたって地
域社会の担い手として社会に貢献していただきたいと思っております。
そういう中で、国におきましては、震災復興、オリンピック関連での労働力の不足が見
込まれる中で、外国人技能実習制度の拡大、在留資格に介護を追加する方針を固めており
ます。また、平成 26 年 3 月には「日系定住外国人施策の推進について」を策定し、定住外
国人を日本社会の一員として受け入れ、社会から排除されないようにするための施策を国
の責任として講じていくこととしております。
しかしながら、教育・労働を始めとするさまざまな分野で、未だ多くの課題があるのが
実情です。その中で私どもが特に問題と考えておりますのが、外国人の児童生徒に対する
日本語教育です。
2 ページをお開きいただきたいと思います。日本語指導が必要な外国人の児童生徒数は、
文部科学省が出している数字では、全国で 3 万人近い方がおられます。中部 9 県には実に
その半数近くがおり、特に愛知県は全国 1 位です。これは 2 番目の神奈川県の約 2 倍の数
で、3 位が静岡ということで、この地域は大変多いということでございます。
こういった状況を踏まえまして、私ども愛知県では、今年度は日本語教育適応学級担当
教員を県単独で 22 名、語学相談員も 5 名増員することにいたしております。また、外国人
児童生徒による多文化共生日本語スピーチコンテストの開催、幼児向け日本語学習教材の
作成、また地域の NPO などが行う日本語教室への支援、ボランティアの日本語指導員の
育成などの事業を新たに行うことといたしております。小学校入学前から高校卒業までに
27
わたりまして、外国人児童生徒の日本語教育を総合的に実施することといたしました。
とはいえ、そもそも現下の状況は、出入国管理および難民認定法の改正を始めとする国
の出入国管理政策がその端を開いたわけで、私は外国人の子どもたちに日本語を教えるの
は日本社会の責任だと思っています。アメリカに行けば、マイノリティのための英語教育
を手取り足取り、学校でも、社会でも、大人に対してもやります。日本に来て日本で働い
ている人たち、子どもだけではなく、小学校でいくら習っても、家に帰ると日本語をしゃ
べらないということになるとなかなか上達していかないので、親御さんも含めて日本語教
育をしっかりやっていく必要があるのではないかと思います。子どもたちに、将来、共に
地域社会の担い手として貢献していただくために、いわば未来への投資として、地域が一
体となってこうした子どもたちに対する日本語学習を支援することが必要だと思っており
ます。
今年 3 月には、私自身も文科省に参りまして、外国人児童生徒の日本語教育に関する要
請も行わせていただきましたが、中部圏知事会議としても、資料の 3 ページにありますよ
うに、外国人児童生徒の日本語教育に関する提言をぜひお願いしたいと思っております。
一つ目は、中長期的な視点に立った外国人全般の受入れの方針及び適応施策に係る体系
的・総合的な方針の策定。二つ目が「日系定住外国人施策の推進について」に盛り込まれ
た、外国人の子どもに対する教育の充実、外国人の雇用の安定などの施策の着実な実施。
三つ目が、外国人児童生徒に対する日本語教育の充実のため、語学相談員の人的配置や教
員等への実践的研修の充実などについての財政措置の充実ということで、ぜひよろしくお
願い申し上げたいと思います。
日本で生まれて育っている子どもは、マインドは日本人だと思います。ただ、しゃべる
ことはできても読み書きができないと、小学校の高学年で日本語でテストを受けるときに、
頭で分かっていてもできません。そこを何とかブレークスルーして、できるだけ多くの子
どもたちが中学校に行って、さらに高校にも行っていただけるという形に、日本全体でし
ていければということですので、何とぞよろしくお願いいたします。私からは以上です。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。ただ今の愛知県の提言について、ご意見
がありましたらお願いします。鈴木知事、どうぞ。
(鈴木三重県知事)
ありがとうございます。大変中部圏ならではの提言で、愛知県の提
案に全て賛同するものでございます。その上で、三重県も人口に占める在留外国人は、割
合でいくと東京、愛知に次いで 3 番目です。外国人児童生徒も、割合でいくと 1 位や 2 位
のときがあるような状況で、大変深刻な問題です。
教育や中長期のことに加えて、もし可能なら医療通訳を足していただけるとありがたい
と思っています。今、多くの医療機関において、外国人が医療を受けるときには通訳を同
行させよというところが結構多くて、それはそもそも確保するのが大変だし、お金も掛か
ります。そういうことができない場合は、日本に長くいて子どもの方が親より日本語がし
ゃべれるケースがあるので、学校を休ませて病院に連れていって通訳をさせるというケー
スもあります。それは子どもの教育保障の観点からも良くないと思いますので、やはり医
療通訳の配置が大変重要だと思います。
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三重県では 25 年度にモデル事業をやって、26 年度にその事業をいったん終了させたの
ですが、25 年度に 10 の医療機関でやってみて、これはいいということで、自己負担で五
つの医療機関がやるようになりました。でも、これでは大病院やお金のある病院でしかで
きないので、できれば医療通訳の配置に係る費用負担を、全部でなくていいと思うので、
国の方でお願いしたい。医療機関や自治体で配置するときの費用負担の問題と、それから
医療通訳のスキルが一定程度ないといけないと思います。医療通訳士という資格があるの
ですが、これは民間団体の認定で、全国ばらばらで統一した医療通訳の制度がないのです。
カリキュラムなりでもいいのですが、一定の統一した医療通訳の制度の整備を国としてや
っていただくということも加えていただくとありがたいと思います。以上です。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。川勝知事、どうぞ。
(川勝静岡県知事) 静岡県も愛知県と同じ問題を抱えていますが、2019 年のラグビーワ
ールドカップや 2020 年の東京オリンピック・パラリンピックもございますので、日本語教
育の重要性として、受け身で考えるというこれまでの姿勢を改めて、日本語の国際化とい
うことを考える時点に来ているのではないかと思っています。
日本に対する好感度は、隣国の韓国や中国を除きますと極めて高いものがあります。ま
た、日本語を学習しようという外国人は、例えばオーストラリアなどでは極めて多いわけ
です。英語を小学 3 年から学ぶことも国際化ですが、本当の国際化は日本語が通じること
です。外国人が日本にいらっしゃることを通じて日本語の教育をしっかりやっていき、母
国語と両方しゃべれる人をつくることを、国家的にもっとやっていく必要があります。
ここにも膨大な資料がございますが、恐らくどの方もローマ字入力でこの文書を作られ
たと存じます。もちろんひらがな入力をされている人もいると思いますが、恐らく 99%は
ローマ字入力です。人々はタイプの JIS 配列のコンピュータで、ローマ字で書いているの
です。
例えば、看護師の試験などはみんな日本語で実施されますが、ローマ字で実施してどう
して悪いのか。もともと入試問題もローマ字入力をして、漢字やかなに変換した文書で実
施されるわけです。誰かが日本語を学ぶときに、アルファベットを通して「こんにちは」
だと「KONNICHIWA」で、これが「Hello」や「How are you?」という意味だと言うと思い
ます。私はローマ字を日本人が平気で使っていることを利点として、日本語の国際教育を
国家的に推進する必要があると思います。どうも英語に対するインフェリアコンプレック
スがあって、英語をしゃべることが国際化だと思っている節がありますが、それをひっく
り返す必要があります。もちろん英語の重要性を否定するものではありませんが、日本語
の国際化を図っていくツールとして、日本にいる在日の外国の方たちを思い切って大事に
していくという姿勢が必要だと存じます。以上です。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。よろしゅうございますか。それでは、た
だ今、医療通訳、逆に積極的な日本語の国際化などについてご提言がございましたので、
最終的には文面等いろいろ調整しながら国に要望することでよろしゅうございますか。あ
りがとうございました。
29
それでは、この分野の最後になりますが、「計画的な農業農村整備の推進について」、三
重県の鈴木知事からお願いします。
(鈴木三重県知事)
ありがとうございます。三重県資料を 1 枚お配りさせていただいて
おります。真ん中下辺りの棒グラフを見ていただきますと分かりますとおり、ため池や排
水機場、頭首工などの農業農村基盤整備関係の予算が、平成 21 年度から 27 年度で 65.2%
に低下しています。25 年度と 26 年度は補正で何とかかんとかごまかしてきましたが、結
局、27 年度は補正もほぼないという状況になっています。
一方で、二つの観点から心配です。一つは、農業の競争力強化です。今、担い手が減少
し、農地の集積を進めている中で、農地が大区画化していくためには、パイプラインや排
水対策の生産基盤の整備をしっかりしていかなければいけません。そうすることで農業の
生産性を上げ、競争力を強化していくことが重要であるにもかかわらず、農業農村整備の
ための予算が確保できないということは大変由々しき問題だと思います。
もう一つの観点は、大規模災害との関係です。農業用のため池や排水機場は、三重県も
そうですし、全国的にも極めて老朽化している状況だと思います。耐震対策を含めて、災
害に強い形で基幹的な水利施設を改修していくためにも一定の財源が必要です。また、近
年のゲリラ豪雨や台風の大型化による降雨の発生回数の増加などから考えても、ため池や
排水機場などの基幹的水利施設を大規模災害に備えた形で改修・整備していくための財源
が必要です。
そのように思っておりますので、計画的に着実に進めていくために、必要な予算を十分
に確保してほしいと提言してはどうかという内容でございます。以上です。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。この点について、何かご発言ございます
か。よろしゅうございますか。それでは、このご提言どおり、国へ要望してまいりたいと
思います。
これで提案いただいたものは、全て審議が終了いたしました。この提案の分野で、他に
何かございますか。
(鈴木三重県知事)
連続で申し訳ないです。この提言に事務的な調整で間に合わなかっ
たので、今回発言の機会を頂きました。
先般 5 月 28 日に開催された近畿ブロック知事会議でも提案したのですが、現在、経済財
政諮問会議や財政審議会で、教職員定数の合理化がかなり強く出されています。これは子
どもが減るので基礎定数を減らすということだけではなく、加配定数にまで踏み込んで減
らしていくという提案になっています。
ご案内のとおり、先ほど議論のあった日本語指導が必要な外国人児童生徒やいじめ・不
登校の問題、一人親家庭や貧困の問題への対応は、加配定数のところで地域の実情に応じ
た取組をやっているという認識です。
さらに、基礎定数を機械的に減らしていくのは若干問題があるだろうと思っています。
例えば、東京オリンピック・パラリンピックに向けてのジュニアの競技力向上という中で、
教師が使っている時間の多くが部活動です。そういう競技力向上の面から見ても、一定程
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度減るのは仕方がない部分があると思うのですが、機械的にというのはやや乱暴な議論で
はないかと思っています。財政の観点からだけで教育の部分の予算を削っていくのは、い
かがなものかと思っております。
この教職員定数の合理化計画の部分についても、今、経済財政諮問会議や財政審議会の
中で出ている議論に対して、加配の充実や必要な財源の確保などの内容の提言を追加して
いただけるとありがたいと思っておりますし、全国知事会においても議論していくべきだ
と考えております。以上です。
(西川福井県知事)
この点について、ご意見ございますか。
(谷本石川県知事)
やはり児童生徒の数が減っているから、機械的に減らすのは問題だ
と思います。他の県も同じでしょうけれども、石川県ではここ 10 年くらいの間に教員の半
分くらいが辞めてしまいます。若い教員に替わるということはいい面もあるのかもしれま
せんが、長年培ってきた教育指導力みたいなものが仮に低下し、それが学力の低下にまで
つながっていくと大変なことになります。ですから、必要な新陳代謝はもちろんやってい
かなくてはいけませんが、その中で児童生徒の数が減っているから一律にバサッと減らす
というやり方は、少し検討していく必要があるのではないかと思います。学力の問題もあ
るし、体力向上の問題、いじめや不登校の問題もありますから、やはり教育の質をどう高
めていくのか、教育の質をどう維持していくのか、これはなかなか定量的には測れない部
分があると思いますが、そういうところにこれから光を当てていくことが大事ではないで
しょうか。
(西川福井県知事)
ありがとうございました。よろしゅうございますか。それでは、こ
れはまた三重県知事の方で何かお考えの文面があるかと思いますので、それを頂いた上で
調整することにしたいと思います。ありがとうございました。
以上で国への提言については終了いたしました。ご協力ありがとうございます。あと 5
~6 分、時間がございますが、ここでその他として各県で PR を特別になさりたいことがご
ざいましたら、時間配分の上ご発言ください。はい、川勝知事。
(川勝静岡県知事)
恐縮でございます。今年どうしても PR しなくてはいけません。
16161615 年 4 月 17 日に家康公が薨去されて今年でちょうど 400 年目ということで、家康公
400 年祭イベントが愛知県と静岡県で行われています。400 年前に亡くなられて、戦乱の世
を平和に変えたということで、徳川の平和をパックス・トクガワーナといいますが、その
終わりに、外国の技術者を全く使わないで、自分で勝手に反射炉を造った人が現れたわけ
です。これは韮山反射炉ですけれども。この 6 月から 7 月にかけまして、ドイツのボンで
世界文化遺産になる可能性が非常に高うございます。そうしたものも併せて、徳川時代、
加賀百万石、福井七十万石、六十八万石でしたか。そういうこともございます。尾張の古
都、名古屋城もそうですが、これをもう一度見直すという意味におきまして、家康公 400
年祭イベント、韮山反射炉世界遺産につきまして PR させていただきました。
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(西川福井県知事)
ありがとうございました。他にございませんか。どうぞ、愛知県。
(大村愛知県知事)
同じく私も一言だけ。今年は 2015 年なので、ちょうど愛知万博 10
周年です。2010 年が上海万博で、今年はイタリアのミラノで食の博覧会が開かれます。皆
さんも行かれるところがあろうかと思いますが、この中のパンフレットにあるように、9
月からの 2 カ月間、万博記念公園で花と緑のフェアをやりますので、よろしくお願いいた
します。以上です。
(西川福井県知事)
他にどうでしょうか。ないですか。まだ数分あるようですから、遡
って戦国になってしまいますが、
「戦国歴旅ガイドブック」を福井県から紹介させていただ
きます。満月の一乗谷朝倉遺跡が載っているパンフレットです。今日の夜は満月だと思い
ますが、朝倉、柴田勝家等々いろいろございますので、ご一読していただいて、またお越
しいただければと思います。
PR についても、いろいろパンフレットをご提供願っておりますので、お帰りの車中でも
ご一読をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
それでは最後に、第 104 回となる次回の知事会議の開催ですが、申し合わせにより三重
県にお願いすることになっております。そこで、三重県の鈴木知事からご挨拶を頂ければ
と思います。
(鈴木三重県知事)
三重県知事の鈴木です。このたび西川知事を始め福井県の皆さまに
は素晴らしいおもてなしをしていただきまして、心から感謝を申し上げます。ありがとう
ございます。
次回も福井県に負けないようなおもてなしをしていきたいと思いますし、大村会長とも
相談させていただいて、中身としても充実した、中部圏が日本の中においてしっかりと存
在感を発揮していけるような知事会議になるように、私たちも全力で努力してまいりたい
と思いますので、ご指導のほど、よろしくお願い申し上げたいと思います。
万障お繰り合わせの上、一人でも多くの知事さまがお越しくださりますことを心から念
願いたしまして、私の挨拶とします。本日は誠にありがとうございました。次回よろしく
お願いします(拍手)。
5 閉会
(西川福井県知事)
それでは、以上をもって第 103 回の中部圏知事会議を終了いたしま
す。本日は皆さまのご協力を賜り、座長を務めることができました。感謝を申し上げます。
机の上ばかり見ておりましたが、こちらが恐竜の足跡もあるスキー場です。これが一番易
しい所で、上へ行くほど難易度が高くなっており、てっぺんからは白山が眺望できますの
で、また機会がございましたら、お子さま連れでおみえいただきたいと思います。
それでは事務局、よろしくお願いします。
(愛知県政策企画局長)
ありがとうございました。それでは引き続きまして、お疲れの
ところ大変恐縮ではございますが、合同記者会見に移らせていただいますので、よろしく
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お願いいたします。
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