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商務部等、 外商投資不動産企業による 国内外での資金借入制限を緩和

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商務部等、 外商投資不動産企業による 国内外での資金借入制限を緩和
2015 年 9 月 9 日
みずほ銀行(中国)有限公司
中国アドバイザリー部
―外商投資政策関連―
みずほ中国 ビジネス・エクスプレス
( 第 404 号 )
商務部等、
外商投資不動産企業による
国内外での資金借入制限を緩和
平素より格別のご高配を賜りまして誠にありがとうございます。
商務部等の政府 6 部門は、2015 年 8 月 19 日付で『不動産市場における外資参入および管理関連政策
の調整に関する通達』(建房[2015]122 号、以下『122 号通達』という)を公布しました。一般の外商投
資企業に比べて高めに設定されていた外商投資不動産企業の投資総額に対する登録資本金の最低比率
要求を引き下げたほか、資本金全額払込前の国内外での資金借入を禁止する規定を廃止しました。外商
投資不動産企業による投注差に基づく外債借入の再開に道を開いた形です。

投機抑制で資金調達を厳格化
外商投資企業は通常、投資総額と資本金の差額(投注差)に基づく外債借入が認められていますが、
外商投資不動産企業については経済のマクロコントロールの観点からこれが制限されてきました。商務
部等の政府 6 部門は 2006 年 7 月、不動産市場への外貨資金の投機的な流入を抑制するため、『不動産市
場における外資参入および管理の規範化に関する意見』
(建住房[2006]171 号、以下『171 号意見』とい
う)を公布。外商投資不動産企業の投資総額に対する登録資本金の最低比率要求を引き上げた1ほか、資
本金全額払込前の国内外での資金借入を禁止しました。
さらに、国家外貨管理局は 2007 年 7 月、『第 1 期商務部届出に通過した外商投資不動産プロジェクト
リストの発布に関する通達』(匯綜発[2007]130 号、廃止済)を公布。「2007 年 6 月 1 日以後(6 月 1 日
を含む)に商務主管部門の批准証書を取得かつ商務部の届出を通過した外商投資不動産企業(新設およ
び増資を含む)に対し、各分局は外債登記および外債元転認可手続を行わない」と明記し、外商投資不
動産企業による外債借入を事実上禁止しました。以来、外商投資不動産企業は投注差に基づく外債借入
1
具体的には、投資総額が 1000 万ドル以上の場合、登録資本金がその 50%を下回ってはならないと規定しました。通常であれば、投資
総額が 1000 万ドル超 3000 万ドル以下の場合はその 40%以上(ただし、投資総額が 1250 万ドル以下の場合は 500 万ドル以上)の登録資
本金が、投資総額が 3000 万ドル超の場合はその 3 分の 1 以上(ただし、投資総額が 3600 万ドル以下の場合は 1200 万ドル以上)の登録
資本金が要求されます。
- 1 -
が行えない状態が続いています。

実務上はなお外債借入に壁
『122 号通達』は、こうした外商投資不動産企業の資金調達に係る規制を緩和するものです。投資総
額に対する登録資本金の最低比率要求を引き下げて、一般の外商投資企業と同様の比率に戻した(第 1
条)ほか、資本金全額払込前の国内外での資金借入を禁止する規定を廃止(第 2 条)しました。この政
策転換の背景には、市場環境の変化により、外資が不動産市場に大挙流入する懸念が薄れたことがある
とみられます。
国家外貨管理局は 2015 年 5 月 4 日付で『登録資本金登記制度改革に係わる関連規範性文書の廃止お
よび改定に関する通達』
(匯発[2015]20 号)を公布し、外商投資不動産企業の外債借入の前提として資
本金全額払込を求める外貨管理規定をすでに削除しています。このため、外商投資不動産企業は一般的
な外商投資企業と同様、登録資本金に対する実際の資本金払込の比率に基づいて外債を借り入れること
が可能(すなわち、実際に払い込んだ資本金が登録資本金の 50%である場合、投注差枠も 50%まで使用
可)になるとみられます。
しかし、
『外債登記管理弁法』
(匯発[2013]19 号)の付属文書「外債登記管理オペレーションガイドラ
イン」には「2007 年 6 月 1 日以後(6 月 1 日を含む)に商務主管部門の批准証書を取得かつ商務部の届
出を通過した外商投資不動産企業に対し、外債契約登記手続を行わない」とする規定が残っており、実
務上はなお外債を借り入れられない状態にあることには変わりありません。ただ、
『122 号通達』による
政策転換を受けて、この規定が廃止される可能性もあることから、今後の動向が注目されます。
なお、
『171 号意見』のその他の規定内容については、
『122 号通達』の施行後も引き続き有効とされて
いることから留意が必要です。

外国人による購入制限も一部緩和か
『122 号通達』はこのほか、国外企業が国内に設立した支店・代表処、国内で勤務・留学する外国人
個人は実際の必要に合致する自社用、自己居住の商品不動産を購入できると明記しています(第 3 条)。
『171 号意見』は、勤務・留学期間が 1 年以下の外国人個人による商品不動産の購入を禁止。また、国
家外貨管理局等が 2010 年 11 月に公布した『国外機構および個人による不動産購入管理のさらなる規範
化に関する通達』
(建房[2010]186 号)は、外国人による不動産購入を自己居住用 1 軒のみに制限してい
ました。一方、支店・代表処を設立していない国外企業による商品不動産の購入は引き続き禁止される
ものとみられます。
ただし、上海等の一部都市では住宅購入制限措置(いわゆる「限購令」)が引き続き実施されており、
『122 号通達』も外国人個人による不動産購入はその都市の住宅購入制限措置に合致していなければな
らないと規定しています(第 3 条)。そのため、実際の購入可否については購入地の政策規定を参照する
必要があります。
- 2 -
*
『122 号通達』の詳細は、4 ページの日本語仮訳および 5 ページの中国語原文をご参照ください。
【みずほ銀行(中国)有限公司
- 3 -
中国アドバイザリー部
月岡直樹】
(日本語仮訳)
住宅都市農村建設部、商務部、国家発展改革委員会、
中国人民銀行、国家工商行政管理総局、国家外貨管理局
建房[2015]122 号
不動産市場における外資参入および管理関連政策の調整に関する通達
各省・自治区・直轄市人民政府、国務院各部・委員会・各直属機構:
不動産市場の平穏で健全な発展を促進するため、国務院の同意を経て、
『不動産市場における外資参入
および管理の規範化に関する意見』
(建住房[2006]171 号)における外商投資不動産企業および国外機構、
個人の不動産購入に関連する一部政策に対して調整を行うことを決定した。ここに関連事項について以
下のように通知する。
1、外商投資不動産企業の登録資本金と投資総額の比率は、
『国家工商行政管理局による中外合弁経営
企業の登録資本金と投資総額の比率に関する暫定規定』(工商企字[1987]第 38 号)に基づき執行
する。
2、外商投資不動産企業が行う国内借入、国外借入、外貨借入の元転は必ず全部の登録資本金を払い
込まなければならない要求を取り消す。
3、国外機構が国内で設立する分支、代表機構(批准を経て不動産経営に従事する企業を除く)およ
び国内で勤務、学習する国外個人は、実際の必要に合致する自己用、自己居住商品不動産を購入
することができる。不動産購入制限政策を実施している都市について、国外個人による不動産購
入は当地の政策規定に合致していなければならない。
4、住宅都市農村建設部、商務部、国家発展改革委員会、中国人民銀行、国家工商行政管理総局、国
家外貨管理局等の関連部門は、手順をさらに簡素化し、事務効率を向上させ、外商投資不動産管
理を最適化および改善する。本通達の印刷・配布の日より、外商投資不動産企業は外貨管理関連
規定に基づき直接、銀行で外商直接投資に係る関連外貨登記を行うことができる。
上述の政策調整を除き、
『不動産市場における外資参入および管理の規範化に関する意見』(建住
房[2006]171 号)は引き続き有効である。
住宅都市農村建設部、商務部、国家発展改革委員会、
中国人民銀行、国家工商行政管理総局、国家外貨管理局
2015 年 8 月 19 日
- 4 -
(中国語原文)
住房城乡建设部
商务部
国家发展改革委
人民银行
工商总局
外汇局
建房[2015]122 号
关于调整房地产市场外资准入和管理有关政策的通知
各省、自治区、直辖市人民政府,国务院各部委、各直属机构:
为促进房地产市场平稳健康发展,经国务院同意,决定对《关于规范房地产外资准入和管理的意见》
(建住房[2006]171 号)中有关外商投资房地产企业和境外机构,个人购房的部分政策进行调整,现就有
关事项通知如下:
一、外商投资房地产企业注册资本与投资总额比例,按照《国家工商行政管理局关于中外合资经营企业注
册资本与投资总额比例的暂行规定》
(工商企字[1987]第 38 号)执行。
二、取消外商投资房地产企业办理境内贷款、境外贷款、外汇借款结汇必须全部缴付注册资本金的要求。
三、境外机构在境内设立的分支、代表机构(经批准从事经营房地产的企业除外)和在境内工作、学习的
境外个人可以购买符合实际需要的自用、自住商品房。对于实施住房限购政策的城市,境外个人购房
应当符合当地政策规定。
四、住房城乡建设部、商务部、发展改革委、人民银行、工商总局、外汇局等有关部门进一步简化程序,
提高办事效率,优化和改进外商投资房地产管理。自本通知印发之日起,外商投资房地产企业可按照
相关外汇管理规定直接到银行办理外商直接投资项下相关外汇登记。
除上述政策调整以外,《关于规范房地产外资准入和管理的意见》(建住房[2006]171 号)继续有效。
住房城乡建设部
商务部
人民银行
国家发展改革委
工商总局
外汇局
2015 年 8 月 19 日
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