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特集
1
特集 1
ハイブリッドを軸に深化するトヨタの環境貢献
ハイブリッドを軸に深化するトヨタの環境貢献
ドを軸に深化するトヨタの
全世界HV累計販売台数500万台突破
ECOLOGY
COMFORT
国内
HV累計販売台数
海外
140
2013年4月末現在、世界80の国・地域で20モデル(1モデル
累計
単位:万台(折れ線グラフは右目盛り)
600
HV年間販売台数 100万台達成
HV累計販売台数 500万台達成
120
はプラグインハイブリッド)
を販売しています。2012年には初
100
めて世界のHV年間販売台数が100万台を超え、2013年3月
80
末までに世界累計販売台数が500万台を超えました。
60
500
400
300
200
40
20
プリウス
100
0
0
’
00年 ’
01年 ’
02年 ’
03年 ’
04年 ’
05年 ’
06年 ’
07年 ’
08年 ’
09年 ’
10年 ’
11年 ’
12年 ’
13年
(1∼3月)
エコカーは普及してこそ環境への貢献
どんな次世代エコカーが出てきても、広く社会に受け入れられなければ意味がありません。
トヨタは、
「エコカーは普及してこそ環境への
貢献」
と考えています。そのため、当面の普及の中心となるHVをはじめ、PHV、EV、FCVなど、お客様にとって最適なエコカーを選んで
いただけるよう、これからもハイブリッド
エコカー普及に向けたトヨタからのメッセージ
をコア技術として、EV、PHV、FCVに全
方位で取り組み、サステイナブル・モビリ
2013年5月現在、
20車種のHVを販売していますが、2013∼2015年末までの3年間で、
ティに向けた理想的なエコカーづくりを
19モデルの新型・モデルチェンジ車のHVを投入します
目指します。
SAFETY
AFE
ETY
実証実験を世界各国/各地域で展開
フランス
日本
INESプロジェクト
愛知県豊田市
の早期実現を目指しています。そんな次世代社会の中核を担うクルマが持続可能なモビリティとして存続していく
トヨタでは、
トヨタの考えるスマートモビリティ社会の実現と、次世代環境車普及のため、
グルノーブル市
福岡県北九州市
には、化石燃料以外の活用、CO 2 の抑制を克服しなければなりません。そのためにトヨタは、ハイブリッドをコア
世界各地の実証実験に参画し、新たな技術開発やお客様目線でのクルマ・各種周辺機器
技術に、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池自動車(FCV)など次世代エコカーに全
等の実用性の検証などを行っています。
トヨタは、将来のスマートモビリティ社会として、
「クルマの移動から生活シーンまで誰もが安心で心ときめく社会」
CONVENIENCE
方位で取り組み理想的なエコカーづくりを目指します。
アメリカ
得意な領域でそれぞれのメリットを活かした使い方、
次世代エコカーはお客様のニーズや使い方によってすみ分けが進む
石油に代わる燃料は、石油や太陽光などの一次エネルギー
からガス・電気・水素などがつくられていくと考えられます。
家もクルマもCO2ゼロを目指したスマートコミュニティ「豊田市実証の町並み」
ボルダー市(コロラド州)
次世代モビリティのゾーンイメージ
車両サイズ
こうした燃料を使って、EVやPHV、FCVが走ります。
トヨタ
普通乗用車
EV領域
は、
これらの次世代エコカーは今後お客様の使い方やニー
FCV領域
HV・PHV領域
ハイブリッド車
コラム
FCHV-BUS
路線バス
大型トラック
宅配トラック
FCV
ズによってすみ分けが進むと考えています。そのためにハ
バイク
イブリッド技術をコア技術として、EV、PHV、FCVに全方位
FT-EV
新たにフランス・グルノーブル市で超小型EVカーシェアリング実証実験開始へ
2013年4月、仏ストラスブール市と3年間にわたり共同で行ってきたPHV実証実験を終了しました。約70台のプリウスPHVを
TOYOTA PHV
投入し、
フランス電力公社が市内に設置した145基の専用充電スタンドを活用し、車両識別や情報交換を行いながら、実証データ
近距離コミューター
で取り組んでいます。
を蓄積。
3年間の実証実験による総走行距離は400万kmに達し、
1日に1.1回の充電で、同じサイズのガソリン車と比べ、石油
宅配・巡回車
燃料:
電気
移動距離
ガソリン/ディーゼル/バイオ/CNG/GTL/CTL
水素
消費量を平均46%削減できることが実証されました。
また、同年3月、環境規制の厳しい仏グルノーブル市で、温室効果ガスと大気汚染物質
の 排 出 削 減 を目 指して 、ジュネ ー ブ 国 際 モ ー タ ーショー 公 開 のコンセプトカー
EV
PHV
FCV
「TOYOTA i-ROAD」をベースとする超小型EVカーシェアリングの実証実験を
2014年末より開始するMOU*を締結しました。
* MOU:Memorandum of Understanding
(了解の覚え書き)
2
トヨタの環境取り組み 2013
TOYOTA i-ROAD
トヨタの環境取り組み 2013
3
特集
2
「限りある資源を有効に 明日のために今日」を合言葉にリサイクル・リユース
「限りある資源を有効に
り る 源を
を有効に 明日のために今日」
明日の
のために今日」を
合言葉にリユース
リサイクル
合
にリユ
ユース
ス・リサ
サイクル
イクル
ハイブリッド車用
バッテリー
STEP 1
●
●
修理交換用のプリウスバッテリーとしてリユース
特集 2
世界
初
オリジナル充放電装置を開発
寿命がきたセルを入替え再び交換バッテリーで再利用
再利用可能なセルを組み込み
リビルト
リユース
(再利用)
リサイクル(資源循環)
安価な修理交換用バッテリーとして供給
TOYOTA
HV使用済み車 HVバッテリー回収
プリウスの発売から16年、
トヨタは、独自の回収ネットワークを構築して、使用済みバッテリーのリサイクルに取り組み、
3万台を回収・全量リサイクルしてきました。
ハイブリッドバッテリーには、ニッケル・コバルト・レアアースなどの貴重な資源が含まれています。
トヨタは、世界初の
STEP 2
ピークカット用の蓄電池システムにリユース
世界
初
リサイクル技術を開発し、貴重な資源をもう一度新しいバッテリーに戻して使っています。その使用済みバッテリーは
2020年代には数万個の発生が見込まれています。
トヨタは、使用済みバッテリーを再利用する世界初の技術も開発
しました。修理交換用バッテリーとして再利用する技術、また太陽光発電用の定置式畜電池への再利用です。廃車の
バッテリーを上手に再利用し、エコな再生エネルギー活用も進めていきます。
また、再利用が終わった後は、金属素材リサイクルで もう一度新しいバッテリーに使います。
トヨタは、限りある資源を有効に使うことの大切さを常に考え、その取り組みの輪を欧米ほか世界にも広げています。
オリジナル測定器を使い、検査基準をクリアした電池を蓄電池システムにビルトインし、
エネルギーマネジメントシステムとつないで、
販売店で使用する電力のピークカットを実施
● 非常時に蓄電システムから指定した器具やコンセントに給電可能
●
そのまま組み込み
スマートグリーン
バッテリーへ
2013年度(株)
トヨタタービンアンドシステムを通じ販売開始
(活用例)
トヨタ販売店の省エネピークカット
LED照明
システム
監視/制御
空調
スマートグリーン
BEMS Pro
太陽光発電
システム
監視/制御
スマートグリーンバッテリー10
’
97年以降、
国内3万台を回収・全量リサイクル
トヨタ独自の回収ネットワークを構築
監視/制御
スマートグリーン
カーポート
見える化
スマートグリーンバッテリー4
(2013年秋以降発売予定)
解体業者発生分HVバッテリー回収量予測
(千個/年)
80
70
60
STEP 3
20年以降
年間数万個の回収へ
40
30
20
10
集荷・検査
廃車
今後 大幅増加
50
グループ会社の触媒回収に混載
●
3万台回収
0
∼2009年 2011年
2020年
レアメタル・レアアースへリサイクル
世界
リユースされないもの、
リユース後の使用済み電池をオリジナルのリサイクル工法で金属還元し、
もう一度新しいバッテリー製造用に資源として循環
2025年
還元・粉砕・選別
ハイブリッド車を販売する 海外での回収リサイクル
初
2010年より
新バッテリー原料として活用中
製錬抽出
修理
交換
水酸化
ニッケル
バッテリー
部品供給便の帰り便で輸送
豊田ケミカル
エンジニアリング
(株)
バッテリー
コバルト
引取依頼
回収指示
検査依頼
レアアース
化合物
トヨタHV引取受付センター
4
トヨタの環境取り組み 2013
(24時間受付)
住友金属鉱山
(株)
トヨタの環境取り組み 2013
5
特集
3
生物多様性と環境技術開発を目指して
特集 3
生物多様性と環境技術開発の両立を目指して
新研究開発施設の自然・地域との共生に向けた取り組み
生態系豊かな里山を再生する
森林の取り組み
森林の現状を把握するために、事業地内の状況をくまなく調査し、
ハチクマ
その結果を基に「あるべき姿(整備目標)」を定めました。
たとえば、放置された人工林では適正に間伐を行い、生物が生息・
生育しやすい健全な森林へと誘導するなど、計画的に整備しています。
サシバ
間伐後
(明るくなり下層植生が回復)
間伐遅れで暗い人工林
森林の整備目標
イメージ
ミゾゴイ
老齢針葉樹林のイメージ
谷津田*の取り組み
キキョウ
針広混交林のイメージ
二次林のイメージ
*谷津田:谷あいにある水田や湿地
若齢二次林のイメージ
湿地ビオトープ
高木落葉樹林のイメージ
湿地ビオトープ
植生遷移林のイメージ
水路
里山の代表的な水辺環境である谷津田では、放棄された水田の
復田や、圃場整備によって分断された水路の再生(魚道の設置に
ホトケドジョウ
里山環境とその指標種5種
水田魚道の
設置
より水系ネットワークを構築)、
水路の拡幅
および
流路の蛇行化
サシバなどの猛禽類の狩場とし
トヨタ自動車では、持続可能な次世代モビリティの開発のため、豊田市と岡崎市にまたがる地域に新しい研究
ての畦の改修などを行い、里山
開発施設の建設計画を進めています。計画の推進にあたっては、開発と環境保全の両立を目指し、地域の皆様と
に生息する多くの種に適した環
ともに様々な活動に取り組むとともに、積極的に情報を公開しています。
境整備を行っています。
現状
(放棄された水田)
法面の改修
畦の改修
(緩傾斜化) (幅拡張)
法面の改修
(緩傾斜化)
承水路の
設置
自然と共存し、
地域と調和するテクニカルセンター
地域と連携し交流を深める
環境調査と情報公開
豊田市の下山地区と岡崎市の額田地区で、地域振興や環境保全
事業地およびその周辺では、事業に先立って実施した環境調査に
多くの生き物が棲む豊かな生態系が成立している場所です。
しか
新研究開発施設においては「自然と共存し地域と調和するテク
を目的に活動していた団体が集まり
「しもやま里山協議会」
を設立
加え、事業に伴う影響が予測された種を中心に、環境影響調査を
し、化石燃料への転換や、産業構造の変化に伴う過疎化や高齢化
ニカルセンター」をコンセプトに、事業予定地の約6割の面積を
し、地元行政と連携して様々な活動を開始しています。
継続して実施しています。また、調査の結果に基づく知見は、広く
の進展により、人と自然のかかわりが薄れています。この状態が
保全エリアとして残し、森林や谷津田の再生やその管理を行っ
トヨタ自動車ではこうした地域の取り組みが里山再生の原動力に
種の保全に寄与することを期待し、里山環境を代表する動植物を
続けば、今まで維持されてきたこの地域の里山環境も荒廃が進む
ています。さらに、保全エリア内に、
10ヵ所の環境保全措置実施
なると考え、事業地における保全活動はもとより、事業地外の活動
中心に、子ども向け冊子や学術論文など
と考えられています。
地 区を設 定し、生 息・生 育 する希 少 種 の 具 体 的 な 保 全 措 置を
においても、積極的に交流を深めています。
で随時公開しています。
こうした現状を踏まえ、新研究開発施設の建設を機に、里山本来
行っています。
開発と生物多様性保全の両立
里山は人が自然を利用することで多様な環境がつくられ、結果的に
の姿を取り戻すため、地元の皆様のご協力を仰ぎながら、里山
10ヵ所の環境保全措置実施地区
環境の再生モデルとなるべく取り組みを始めたところです。
事業計画で目指す姿
開発と生物多様性の保全の両立
どんぐりプロジェクトの苗木の植樹
生物多様性や保水機能の低下など
子ども向け冊子
親子木工教室
里山の荒廃
企業の積極的な寄与と地域住民の参加による里山の活性化
健全な里山、
生態系・生物多様性の向上
コラム
地域コミュニティー・にぎわいの復活
第三者メンバーによる環境監視委員会
持続可能な開発と
生物多様性の保全のモデル
積極的な
情報発信
トヨタ自動車(株)
愛知県企業庁
他地域への波及
造成工事を実施する愛知県とともに、専門家や地元環境保護団体の代表メンバーなど
しもやま
里山協議会
第三者によって構成された
「トヨタ自動車新研究開発施設に係る環境監視委員会」
を定期
事業区域
工事区域
保全エリア
恊働
6
トヨタの環境取り組み 2013
的(年2回)
に開催しています。委員会では調査の方法や結果の評価、環境保全措置が適切
に実施されているかについて、専門的見地からご指導・ご助言をいただいています。
環境監視委員会
(現地調査)
環境保全措置実施地区
トヨタの環境取り組み 2013
7
サマリー
su m m ar y
トヨタの環境対応取り組みサマリー
スマート店舗
2012年度の主要環境データ
特 集2
特集2
2
スマートハウス
低炭素社会の構築
クルマと家と人をつなぐ
情報ネットワーク
Wi-Fiネットワーク
「限りある資源を有効に
りある資源を有効に 明日のために今日」を
合い言葉にリユース・リサイクル
循環型社会の構築
G-BOOK
太陽光パネル
温室効果ガス排出量の大幅な削減
summary
3Rを通じた資源循環の推進
充電
コンセント
低炭素社会構築のため、次世代環境車の開発
あらゆる資源が有限であることを前提に、
をはじめ、事業活動のあらゆる段階で、省エネ
3R(Reduce、Reuse、Recycle)を
HEMS※
ルギー低温室効果ガス排出を念頭に置いた
活動を行います。
家庭の電力需給
(発電、蓄電、
消費)
をコントロール
つながる充電スタンド
※HEMS…Home Energy
Management System
スマートフォンに充電完了を通知
推進すると同時に、資源生産性を高めます。
蓄電池
車載バッテリー
太陽光パネルで発電
した電力を蓄電
非常時は家庭用
電源に使用
P
J
P13
次世代モビリティ社会の実現を目指して
特集1
K
K
K
O
K
ハイブリッドを軸に深化するトヨタの
ハイブリッドを軸に
ハイブリッドを軸に深化するトヨタの環境貢献
イブ
化 するトヨタの
P04
0 -05
I
L
P13
M
A
E
L
B
「ha:mo」の運用開始
HV使用済み車 HVバッテリー回収
F
N
H
B
(%)
100
C
97%
97%
97%
99%
99%
93%
94%
’
11
’
12(年度)
トヨタの
リサイクル実効率
(車両換算値)
D
トヨタのASR
再資源化率
85%
P16
トヨタエコプラスチック
80%
81%
’
08
’
09
70
2015年度 法定基準 70%
60
P17
P02-03
’
10
トヨタのリサイクル実効率
環境保全と自然 共生社会の構築
P18
環境貢献型緑化事業
自然の恵みの 享受と継承
環境負荷を低減すると同時に、生物多様性に 配慮する等、自然共生社会の構築に貢献します。
特集3
生物多様性と環境技術開発の両立を目指して
生物多様性と環境技術開発
多様性と環境技術開発の両立を目指して
性と
と
し
ハチクマ
サシバ
ミゾゴイ
P19
キキョウ
P0
P06
P
06-07
07
ホトケドジョウ
P21
P20
里山再生で環境を学ぶ「トヨタの森」
化学物質管理の仕組みを
「こどもエコクラブ全国フェスティバル」
に協賛。
グローバルに展開
「トヨタ白川郷自然學校」の担当者が自然体験プログラムを説明。
里山環境とその指標種5種
環境マネ ジメント
連結対象会社、
ビジネスパートナー、従業員等のステークホルダーに対し、 環境マネジメントを推進。目指すべき3つの社会構築の基盤とします。
P22
P23
P23
各地域の環境担当が
工場の森づくりの
販売店による
集まり
「第2回グローバル
活動継続
環境マネジメントシステム
環境会議」を開催
認証取得推進
P25
明知工場の
グリーンカーテンが
「あいち緑のカーテン
コンテスト」
優秀賞受賞
8
トヨタの環境取り組み 2013
トヨタの環境取り組み 2013
9
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