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3)アセスメント 健診結果から対象者の身体状況と生活習慣の関連を判断

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3)アセスメント 健診結果から対象者の身体状況と生活習慣の関連を判断
3)アセスメント
健診結果から対象者の身体状況と生活習慣の関連を判断し、また、対象の
年齢、性格、現在までの生活習慣、家庭環境、職場環境等の把握、そして行
動変容の準備状態や、健康に対する価値観などから、総合的にアセスメント
できる能力が必要である。そのためには、健診データを経年的に見て、デー
タの異常値を、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)や対象者の生
活習慣と関連づけて考えられる能力が新たに求められている。また、行動変
容のステージ(準備状態)や健康に対する価値観を把握し、その状態にあっ
た保健指導方法が判断できる能力が求められる。
4)相談・支援技術
①カウンセリング的要素を取り入れた支援
セルフケア(自己管理)のためには、対象者自身が行動の目標や方法を
決めることが前提となる。このためには、一方的に目標や方法を提示する
のではなく、カウンセリング的要素を取り入れることで、対象者自身が気
づき決定できるようなかかわりを行う能力が必要である。
②行動療法、コーチング 2 等の手法を取り入れた支援
対象者が長い年月をかけて形成してきた生活習慣を変えることは、容易
なことではなく、また、対象者の認識や価値観への働きかけを行うために
は、行動療法、コーチング等に係る手法についても学習を行い、対象者や
支援者に合った保健指導の方法を活用することが必要である。また、これ
らの手法の基礎となっている理論についても一定の知識を得ておく必要が
ある。
③食生活や身体活動・運動習慣支援のための具体的な技術
対象者の知識や関心に対応した適切な支援方法を判断し実践することや、
対象者の学習への準備状態を判断し、適切な食教育教材や身体活動・運動
教材を選択又は作成して用いることができる能力が必要であり、また、対
象者に対応した適切なコミュニケーション能力(表現力)が求められる。
2 コーチング:相手の本来持っている能力、強み、個性を引き出し、目標実現や問題解消する
ために自発的行動を促すコミュニケーション技術。
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5)栄養・食生活についての専門知識
対象者の栄養状態や習慣的な食物摂取状況をアセスメントし、健診結果と
代謝、食事内容との関係を栄養学等の科学的根拠に基づき、対象者にわかり
やすく説明できる能力が必要である。その上で、食事摂取基準や食事療法の
各種学会ガイドライン等の科学的根拠を踏まえ、対象者にとって改善しやす
い食行動の具体的内容を提案できる能力が必要である。その際には、対象者
の食物入手のしやすさや食に関する情報入手のしやすさ、周囲の人々からの
サポートの得られやすさなど、対象者の食環境の状況を踏まえた支援を提案
できる能力が必要である。
6)身体活動・運動習慣についての専門知識
運動生理学、スポーツ医科学、体力測定・評価に関する基礎知識を踏まえ、
身体活動や運動の習慣と生活習慣病発症との関連において科学的根拠を活用
し、対象者にわかりやすく説明できる能力が必要である。
特に、身体活動や運動の量、強度、種類に関する知識、運動のやり過ぎに
伴う傷害に関する知識、そして対象者にどのように身体活動や運動習慣を獲
得させるかを工夫できる能力が求められる。
さらに、対象者の身体活動や運動の量を適切に把握し、体力の水準を簡便
に評価する方法を身につけ、運動基準や運動指針に基づいた、個々人にあっ
た支援を提供できる能力も必要である。
7)学習教材の開発
生活習慣の改善を支援するためには、保健指導の実施に際して、効果的な
学習教材が必要であり、対象者のライフスタイルや行動変容の準備状態にあ
わせて適切に活用できる学習教材の開発が必要である。また、学習教材は科
学的根拠に基づき作成することは当然であり、常に最新のものに更新してい
くことが必要である。
具体的には、実際に健診・保健指導を実施した対象者の具体的事例をもと
に事例検討会などを実施することが必要であり、地域の実情に応じて保健指
導の学習教材等を工夫、作成する能力が求められている。
8)社会資源の活用
行動変容のためには、個別での保健指導だけでなく、健康教室のような集
団での教育や、身近な健康増進施設、地域の自主グループ等の活用を組み合
わせることで、より効果が期待されることも多い。活用可能な社会資源の種
類や、活用のための条件等について十分な情報収集を行い、地域・職域の資
源を効果的に活用した支援ができる能力が必要である。
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