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最強のITサービス プロバイダに向けて

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最強のITサービス プロバイダに向けて
最強のITサービス
プロバイダに向けて
2008年
2008年 7月
ボストン コンサルティング グループ
井上 潤吾
最強のITサービスプロバイダになるために
ユーザ企業のIT
課題を理解する
ユーザ企業のIT課題を理解する
ユーザ企業/自社企業を取り巻くメガトレンドを知る
ITのグローバルトレンドを語る
ITのグローバルトレンドを語る
© BCG 2008 - ALL RIGHTS RESERVED. JI2327
-1-
1
業界トップ企業のCIOへインタビュー
金 融
7
メーカー
16
インフラ
7
その他
5
合 計
35社
© BCG 2008 - ALL RIGHTS RESERVED. JI2327
-2-
各社のIT課題
ガバナンス
ガバナンス
強化
強化
SIerマネジメント
SIerマネジメント
新規案件比率
新規案件比率
の向上
の向上
投資対効果
投資対効果
グループマネジメント
グループマネジメント
対応
対応
リソース確保
リソース確保
出所: BCGインタビュー
© BCG 2008 - ALL RIGHTS RESERVED. JI2327
" 根回しによる投資判断が常態化していたため、案件ごとの投資
判断にばらつきが発生。"
(メーカー)
" 投資判断時の要件定義が不十分だったため、追加費用が発生。"
(サービス)
" 最適な価格で発注できているか分からない。"(メーカー)
" 各SIerの強み/弱みを踏まえた活用が不十分。"(メーカー)
" 既存システムを減らして、新規投資に回せるお金を増やしたい。"
(メーカー)
" 効果の信憑性をどう説明したらよいのか難しい。" (メーカー)
" 現在の課題は、投資結果の説明レベル向上。"
(金融)
" 現在はまだグループ各社が個社最適で動いている。" (金融)
" グループ各社の資本比率が大幅に異なるため、統制が取れない。"
(流通)
" プロジェクトをマネジする人材が不足。" (電力)
" 優秀なSEはうちに来るSEの2割にも満たない。"(メーカー)
-3-
2
ガバナンス強化
ガバナンス強化
IT投資承認に委員会型を採用する企業は増
えてきており、現時点で全体の6割を占める
(%)
IT投資承認に委員会型を採用する企業割合の推移
IT投資承認に委員会型を採用する企業割合の推移
100
90
80
43
70
個別稟議
66
78
60
50
40
30
57
20
10
委員会
34
22
0
1997/4
2002/4
2007/4
出所: BCGインタビュー
© BCG 2008 - ALL RIGHTS RESERVED. JI2327
-4-
ガバナンス強化
ガバナンス強化
約4割の企業でIT予算水準の判断基準を設定
インタビュー先企業の全社IT
予算水準の判断基準の有無(%)
インタビュー先企業の全社IT予算水準の判断基準の有無(%)
あ り
19
予算総枠
予算総枠
10
6
65
な し
な し
あ り
他社
他社
ベンチマーク
ベンチマーク
出所: BCGインタビュー
© BCG 2008 - ALL RIGHTS RESERVED. JI2327
他社ベンチマークの基準例
他社ベンチマークの基準例
業界他社平均
業界他社平均
業界内最低水準
業界内最低水準
他業界まで含めた
他業界まで含めた
TOP企業の予算水準
TOP企業の予算水準
-5-
3
IT部門への予算権限、人材集約により
ITガバナンス強化を実現
ガバナンス強化
ガバナンス強化
ユーザー部門にIT予算とIT人材が分散
IT部門にIT予算とIT人材が集中
ユーザー部門独自でIT投資の立案、意思決定が
できるためIT部門のガバナンスが効きにくい
ユーザー部門単独でのIT投資ができないため
IT部門のガバナンスが効きやすい
IT部門
IT部門
IT担当 予算
全社IT戦略
の推進
IT担当
予算
ユーザー
部門の
現状把握
事業部門A
事業部門B
IT担当 予算
IT担当 予算
事業部門A
事業部門B
独自にIT
IT投資
投資
独自に
独自にIT投資
を実施
を実施
IT投資には
投資にはIT
IT部門の
部門の
IT
IT投資にはIT部門の
サポートが不可欠
サポートが不可欠
出所: BCGインタビュー
© BCG 2008 - ALL RIGHTS RESERVED. JI2327
-6-
ユーザー部門オーナー制の導入も存在
ガバナンス強化
ガバナンス強化
システムオーナー制の例
案件化
案件化
予算承認
予算承認
SIer選定
SIer選定
開
開 発
発
運用・保守
運用・保守
投資案件の起案者(プロジェクト・オーナー)
責任者
責任者
事業部門の担当役員あるいは部長クラス
責任内容
責任内容
制度導入
制度導入
による効果
による効果
モニタリング
モニタリング
案件化からモニタリ
案件化からモニタリ
ングまで、一貫して
ングまで、一貫して
起案者が責任
起案者が責任
投資案件の
説明
開発SIerの
選定
予算/スケ
ジュール遵守
RFP・システム
仕様設計等
効果の検証
投資目的及び
手段の明確化
経営施策と
の整合性
開発コスト・
規模の精査
コスト削減
意識の醸成
要件定義の
確実性向上
追加発注
による予
算/納期
超過減少
投資対効果
の意識醸成
出所: BCGインタビュー
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開発SIer
比較検討
当初想定効
果の実現
低効果投
資の抑制
-7-
4
ベンダマネジメント
ベンダマネジメント
競争入札によるベンダマネジメントは増加
新規システム開発時のSIer選定手法
随意契約/コンペのメリット
BCGインタビューより
80
ほぼ全て
コンペ
47
コンペと随
意契約を
使い分け
21
ほぼ全て
随意契約
システムのオープン
システムのオープン
化に伴うハード
化に伴うハード
ベンダー依存度
ベンダー依存度
の低下
の低下
IT部門への権
部門への権
IT
IT部門への権
限集中によるコ
限集中によるコ
ンペ実施能力
ンペ実施能力
の向上
の向上
60
40
20
システム開発価格の適正相場把握
– 相見積りによる比較検討
提案内容/SIer
の能力の見極め
提案内容/SIerの能力の見極め
IT投資判断の説明責任履行
IT投資判断の説明責任履行
コン
ンペ
ペ
コ
32
意思決定のスピード
– 詳細RFP
を作成する工程が不要
詳細RFPを作成する工程が不要
IT部門の負荷軽減
IT部門の負荷軽減
– SIer選定業務が不要
SIer選定業務が不要
SIerの開発リソース確保
SIerの開発リソース確保
– 業界/自社業務に精通したSE
確保
業界/自社業務に精通したSE確保
随意
意契
契約
約
随
(%)
100
0
随意契約のメリットも依然として存在
随意契約のメリットも依然として存在
出所: BCGインタビュー
© BCG 2008 - ALL RIGHTS RESERVED. JI2327
-8-
新規案件比率
新規案件比率
の向上
の向上
新規案件投資比率向上はユーザ企業の悲願
ROI評価の実施状況別に見た新規案件比率
IT投資をROIで評価していない企業のIT投資に
おける新規案件比率は2∼3割に留まるが・・・
IT投資をROIで評価していない企業の
新規案件比率(%)
(%)
100
ROIで評価している企業の場合、
新規案件比率は5割に達する
IT投資をROIで評価している企業の
新規案件比率(%)
(%)
100
90
90
80
80
70
70
60
60
50
50
30
30
20
30
30
平均
平均
23
23
20
20
10
30
50
50
ハイテク
エンタ
テイメント
平均
平均
52
52
40
40
40
10
90
30
20
10
0
0
自動車 建 設 ハイテク
メガ
バンク
出所: BCGインタビュー
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食品 電力
自動車
流通
流通
-9-
5
投資対効果
投資対効果
先進企業では、全社でIT案件を優先順位付け
定性/定量評価を含めた評価結果を重要度と緊急度の枠組みにプロッドし、議論して決定
まずユーザー部門で "予選" を実施し、勝ち抜いた案件を全社で優先順位付け
重要度の評価軸
S
算出したROI
を使用
算出したROIを使用
重要
要度
度
重
定量評価を実施
定性評価を加えて、重
要度を決定
競合上の優位性
インフラの重要性
経営の意思 等
資源が
あれば
対応
A
状況
次第
B
対応
しない
対 応
最優先
で対応
緊急度の評価軸
定義に沿って、各案件を
プロッド
制度対応:
代替手段が存在
する制度かで評価
小
中
大
緊急では 緊急だが 緊急かつ
ない 代替手段 代替手段
は存在
がない
戦略案件:
翌年度実施時の
価値の目減りで
評価
緊急度
緊急度
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- 10 -
リソース確保
リソース確保
7割の企業には情報システム子会社があり、
外部ベンダも活用
情報システム子会社保有企業シェアとそのタイプ割合
情報システム子会社保有の有無(%)
33
75
情報システ
ム子会社の
ない企業
50
67
25
情報システ
ム子会社の
ある企業
情報
報シ
シス
ステ
テム
ム子
子会
会社
社の
の役
役割
割
情
100
情報システム子会社のタイプ別シェア(%)
企画・要件定
義から請負
31
9
14
開発以降の
実務を請負
46
0
全て内部調達
出所: BCGインタビュー
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内部調達+外部SIer
開発リソース調達
開発リソース調達
- 11 -
6
リソース確保
リソース確保
社内IT人材の育成には様々な取組みが存在
各社のIT人材育成の事例
グループ内ローテーションによる人材育成
IT部門の分社化による人材調達力強化
グループ グループ グループ
会社A
会社B
会社C
要員計画
要員計画
情報システム子会社
各社の企画人材として
各社の企画人材として
マネージャークラスを派遣
マネージャークラスを派遣
現場にシステム理解
現場にシステム理解
のある人材を供給
のある人材を供給
育成観点含めて、
育成観点含めて、
一定の期限付きで
一定の期限付きで
若手人材を受け
若手人材を受け
入れ
入れ
報酬設計
報酬設計
分社前
分社後
他部門が優先され、
希望の人数、レベル
の補充が困難
採用レベル、人数
を自社でコント
ロール可
全社での一括採用
時にのみタイミング
が制限
必要に応じて適宜
募集が可能
報酬が企業の属す
る業界水準で決ま
るため、IT人材に
とって魅力的な給与
の提示が困難
情報システム会社
独自の給与設計
が可能
出所: BCGインタビュー
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- 12 -
ユーザ企業のIT課題を理解する
まとめ
IT部門の予算権限や人材強化により、
ITガバナンスは強化される傾向
ガバナンスは強化される傾向
IT部門の予算権限や人材強化により、IT
一部の企業では、ユーザ部門にシステムオーナー制を導入
システム投資の基準や承認は企業によってさまざまだが、オープンな
意思決定へと進みつつある
SIベンダ選定は競争入札が進みつつあるが、随意契約も一部残存
SIベンダ選定は競争入札が進みつつあるが、随意契約も一部残存
ユーザ企業にとって、新規案件比率を上げることは積年の課題
先進企業は、投資対効果は重要度と緊急度の基準でマネジしている
先進企業は、グループマネジメント、リソース確保に頭を悩ませている
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- 13 -
7
最強のITサービスプロバイダになるために
ユーザ企業のIT
課題を理解する
ユーザ企業のIT課題を理解する
ユーザ企業/自社企業を取り巻くメガトレンドを知る
ITのグローバルトレンドを語る
ITのグローバルトレンドを語る
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- 14 -
メガトレンドの定義
メガトレンド
そうではないもの
急激な成長
バランスの取れた成長
業界横断のトレンド
特定ビジネス
/地域で生ずる現象
特定ビジネス/
地域で生ずる現象
構造的な変化
周期的変化
ビジネスに関連
流行
今後10
∼20年に亘って展開
今後10∼
20年に亘って展開
実現される時期が近い、あるいは非常に
遠い
SF(サイエンスフィクション)や実用化
SF(サイエンスフィクション)や実用化
にほど遠い技術 等
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- 15 -
8
将来への影響が大きい10メガトレンド
BCGによるグローバル調査結果
具体的な事象
1. 医療
疾病に対する治療技術の向上
2. ライフサイエンス
ゲノム創薬がターゲットとする疾病数の増加
3. グローバル化
世界的なレベルでの情報の共有化
4. 都市化
世界の大都市への人口の集中と
世界の大都市への人口の集中とそれに伴う建物の密集
5. セキュリティ
生命・財産に対する脅威の増加
6. 情報処理
ネットワークのユビキタス化、安定性の向上、処理量向上
7. スケールフリー
ハブによるネットワーク間結合の増加
8. デコンストラクション
経済活動のモジュール化の進展
9. 中国とインド
中国とインド
中国の市場拡大と所得水準向上
10.地球温暖化
10.地球温暖化
温室効果ガスの排出量の増加
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- 16 -
8. デコンストラクション: モジュール化の進展
潮流のドライバー
制約: 古い産業構造
取引費用の低下
相互利用可能なインターフェイスの欠如
相互利用に向けた標準の導入
IPの再利用
規模の経済
各企業間の信頼
安い生産要素の調達
地理的な距離
アウトソース先の選択肢の増加
規制
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- 17 -
9
コンピュータ産業デコンストラクション (I)
IBM Microprocessors, IC,
memory
19601960-1980
Computer systems
Operating systems
Marketing sales,
distribution
Application software
Integrated Microsoft solution
Operating system
コンピュータ
AMD
Seagate
Silicon Graphics
Dell
産業
LSI
19801980-
Iomega
• DOS
• Windows
Compaq
HP
Intel
Sony
Programming
languages
Office
productivity
Database
Server
Web
• IIS
• 2000 server • Visual
browser
basic
• Internet • Desktop
• ASP
explorer • 2000 Pro
• Win ‘95
• SQL
• ACCESS
• MS
Office
Netscape
Oracle
Sun
Toshiba
Motorola
Lotus
Digital Equipment Corporation
サービス
Sybase
Apple
IBM
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- 18 -
コンピュータ産業デコンストラクション (II)
Microprocessors,
IC, memory
Computer systems
Operating systems
Application
software
Marketing sales,
distribution
Integrated Microsoft solution
Operating system
IP
Design
Photo
mask
prod.
Wafer
prod.
Testing
PackFoundry and
aging
Qualcomm
Dupont
Office
productivity
Database
• SQL
• ACCESS
Op. system
Web server
Program.
kernel DeskWeb languages
Desk-top
mgmt.
browser
IP factory
Fabless
Rambus
• DOS
• Windows
Programming
languages
Server
Web
• IIS
• 2000 server • Visual
browser
basic
• Internet
• Desktop
• ASP
• 2000 Pro
explorer
• Win ‘95
DB
• MS
Office
Office
productivity
TSMC
ASC
Free BSD
X Windows
Apache
Mozilla
Perl
MySQL
UMC
ChipPac
Net BSD
KDE
Tux
Gecko
TCL
SAP
K office
Chartered
Siliconware
BSD
Gnome
AOL server
Python
Postgres
GNU merics
Winbond
ASE
LINUX
Open office
Broadcom
MPEG
Xilinx
Photronics
Altera
PMC-Sierra
Lattice
PHP
ARM
Spil
MIPS
IBM TG
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- 19 -
10
9. 中国とインド: 市場の拡大と所得水準の向上
潮流のドライバー
制約: 市場参入
経済の建て直し/
経済の建て直し/自由経済
国営企業との競争
海外直接投資
産業政策
識字率及び教育レベル
知的財産権の保護
本来の文化的要因
インフラ投資
Greater China: 香港,
香港, シンガポール,
シンガポール, 台湾
国際標準規格
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- 20 -
今後、中国・インドが世界経済の成長を牽引
地域別名目GDP推移
(兆USドル
USドル))
250
その他
CIS(ロシア他)
CIS(ロシア他)
東欧
西欧
中南米
北米
日本
その他アジア
アセアン
200
150
100
50
2005-30年 成長規模
平均成長率
(%) (2005-30年、
兆ドル)
6.5
10
10.2
10
7.6
5
4.3
26
6.1
9
5.5
3.3
6.7
9.1
38
6
6
7
インド
12.5
15
中国
14.4
64
0
2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030
実績
予測
(年)
計
6.9
196
Source: EIU
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11
これまでの常識を破る商品戦略が必要
アジアをターゲットにした低価格自動車の例
アジアメーカー
ブランド名
日本メーカー
タタ自動車
(インド)
奇瑞汽車 (中国)
スズキ
日産
トヨタ
ナノ
QQ3
スイフト
ロガン
トヨタ
き すい き しゃ
−
イメージ
販売価格
(円)
販売台数
(台)
28万
50万
55万
98万
80万前後
(2008年販売開始)
12万
• 2007年
6.1万
• 2006年
(発売後1年間)
24.7万
• 2006年
(2010年以降の
販売開始)
Source: 記事検索; 各社ホームページ
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- 22 -
研究開発拠点としても重要性が高まる
既にアジアでの研究開発拠点の開設が
始まっている
今後、研究者数が急増する見通し
(外国企業がアジアに研究開発拠点を開設した例)
設立
時期
会社
インド
Advanced Micro Devices (米)
'07/11
Sony Ericsson Mobile Com. (英)
('07/6)
Samsung Electronics(韓)
('07/5)
McAfee (米)
'03/3
GM (米)
'07/11
Google(米)
'05
Nokia (フィンランド)
'02
Microsoft Research Asia (米)
'00
(研究者数1)の予測)
+124% +250%
(万人)
万人)
250
2005
2030
200
-6%
150
-8%
100
中国
+23%
50
0
中国 インド アメリ 日本
カ
EU
一方、日本はEUと並び研究者数が減少する見通し
1. 大学 (短期大学を除く) の過程を終了した者 (またはこれと同等以上の専門的知識を有する者) で、特定の研究テーマを持って「研究」を行っているもの
Note: ()内は新規設立の発表日
Source: 三菱総合研究所「全予測2030年のニッポン」; 文部科学省「科学技術白書」; 記事検索
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- 23 -
12
10. 地球温暖化: 温室効果ガス排出量の増加
潮流のドライバー
制約: 外部性の内部化1)
人口増加
科学に基づいた合意
産業振興
排出コントロールとモニタリング
化石燃料消費
排出権取引
使用する燃料の組み合わせ
費用対効果の高いクリーンテクノロジー
牛や羊のメタンガス
規制及び政策
1. 環境など市場の外部にあった問題を価格をつけるなどによって市場の内部に取り込むこと
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- 24 -
相関? 因果?
長期平均
0.6 気温偏差
ºC2)
大気中二酸化
炭素濃度、 390
PPM1)
370
0.4
350
0.2
330
気温
0.0
310
-0.2
290
CO2
-0.4
270
250
1000
-0.6
1200
1400
1600
1800
2000
年
1. データはCO2 Science websiteより; Etheridge, D.M. et al, 1998; Keeling, 1998(revised 2000) Idso, S.B.,1989; 2.世界平均気温は1902-1980 の平均 (~14ºC)と異常に関連; 氷コア、サンゴ、年輪などを用いた
"multi-proxy" アプローチによるデータ補正
Source: データはNCDC websiteより; Mann et al, 1998.? National Climatic Data Center 2005. Nature, 392, pp.779-787
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- 25 -
13
CO2排出量削減に向けた対策で、日本の
製造業の技術がさらに鍛えられる可能性
排出権獲得に向けた日本企業の活動例
水力発電
ベトナム: ナンピア水力発電事業
• 関西電力
• ランソン建設貿易と協力
風力発電
中国: 内陸部での風力発電事業
• 三菱重工
• 寧夏発電集団と協力
自然エネルギー
による発電
温室効果ガスが出ない
熱/電気供給
温室効果ガスの分解
フィリピン: 高炉排熱を利用した発電
• JFEスチール
• JFEスチールの現地子会社と協力
中国: HFC231)分解事業
• 丸紅/日揮/大旺建設
• 巨化公司と協力
埋立地ガスの
回収/利用
中国: ゴミ埋立地メタンガス発電
• エコバンク
• 国営電力会社と協力
家畜廃棄物の
メタン化/利用
カンボジア: 養豚場でのメタン回収及び発電事業
• 三菱UFJ証券/三井物産/豊田通商
• サムロン・トム養豚場
1. ハイドロフルオロカーボン23の略で、温暖化効果がCO2の1万倍
Source: 記事検索、各社ホームページ
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- 26 -
ユーザ企業/自社企業を取り巻くメガトレンドを知る
まとめ
メガトレンドを推進する因子と制約する因子を考える
ユーザ企業/自社企業にとって、どの因子に、どのようなビジネ
スチャンスがあるか、どのようなリスクが存在するかを考える
デコンストラクションは、ユーザ企業の業界でも、IT
サービスプロバイダ
デコンストラクションは、ユーザ企業の業界でも、ITサービスプロバイダ
の業界でもおきつつある
中国・インドの台頭も、競合プレイヤーとしての視点と、消費地としての
視点があり、将来をにらんだときには、いずれにしても考慮する必要
消費地として参入するなら、特定の洗練された機能だけを破壊的
な価格で提供する技術プレークスルーが必要
日本は、環境対応で先進的な振る舞いを起こすであろうが、同時に
リスクも内在している
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14
最強のITサービスプロバイダになるために
ユーザ企業のIT
課題を理解する
ユーザ企業のIT課題を理解する
ユーザ企業/自社企業を取り巻くメガトレンドを知る
ITのグローバルトレンドを語る
ITのグローバルトレンドを語る
アウトソーシング/オフショアリング
ITアーキテクチャ
ITアーキテクチャ
IT活用
IT活用
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- 28 -
アウトソーシングとオフショアリングの違い
オフショア
オフショアの
アウトソーシング
オンショアの
自前
オンショアの
アウトソーシング
場所
オフショア
自前
オンショア
自前
アウトソーシング
調達
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- 29 -
15
アウトソーシング/オフショアリングのコスト
構造
スケールメリット
実際の
価値
当初期待
していた価値
取引
コスト
税金
品質/
効率 リスク ベンダ
分散 利益
ベンダ
選定
コスト
移行
コスト
中断
コスト
当初の
年間業務
コスト
コスト削減
年間
外部
委託費
オフ
ショア
リング
実コスト
一時コスト
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ITアーキテクチャ(1):建増し主義の例
"最上流" で一括管理すべきデータを
"最下流" のシステムでも更新管理
システムA
システムA
システムB
システムB
Write "a"
システムC
システムC
前工程と後工程で同一処理実施
システムA
システムB
Write "b"
XX処理
"a"
"b"
マスターA
マスターA'
マスターA''
逆
逆流
流
YY
再処理
YY処理
ZZ処理
重
重複
複
指 示
指 示
照 合
その場しのぎの建増しを繰り返した結果、情報の
その場しのぎの建増しを繰り返した結果、情報の
""逆流"
逆流"
重複"
逆流" や処理の
重複" が発生
や処理の""重複"
が発生
出所: BCGプロジェクト
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16
ITアーキテクチャ(2):未整備のアプリケーション
主な保険業務
契約獲得/
アドバイス
プロセス
新規事業/
提案処理
ポートフォリオ
マネージメント
保険の種類
損害/
クレーム
支払
ファイナンス
会計・管理
販売管理
プロダクト
開発
77
自動車
自動車
11
財産・傷害
財産・傷害
55
33
33
11
産
産業
業
22
11
66
健
健康
康
CL
生
生命
命
11
顧客データベース
33
44
システムの
システムの
橋渡し
橋渡し
契約データベース
サービス (アクティビティマネージメント、アーカイブなど))
テキスト処理
新しい
アーキテクチャ
55
出所: BCGプロジェクト
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参
参 考
考
ITアーキテクチャ(2):未整備状態
1. ビジネスプロセスのサポートが一貫していない
POSシステムと基本のシステムがまだ完全にリンクされていない
POSシステムと基本のシステムがまだ完全にリンクされていない
産業保険では手作業が大半を占める
プロダクト開発へのサポートが不足
ローンと不動産部門が統合されていない
2. インターフェースの安定性が不十分
インターフェースが多いため中央システムへの借方記入処理に時間がかかる
3. システム設計の原則が一貫して適用されていない
プログラミングのスタンダードが無いために、いくつかのサブプログラムでメンテナンスが過剰に必要
とされる
機能的重複、またセールスのシステムとラインのシステムとの間で料率が重複
4. いくつかの領域でハイレベルなインテグレーションが見られる中、不十分なカプセル化が見られる
エラーがカプセル化されていないため、高度にインテグレートされたカスタマーデータベースでエラー
がよく起こる
5. バラエティーにとんだプラットフォームが存在する
CICS、
CICS、IMS、
IMS、new architecture (TAA)
いくつかのワープロアプリケーション
6. バラエティーにとんだツール
しかし、開発環境で機能的ギャップが存在する
7. 全体のアーキテクチャ管理と責任が存在しない
プロダクトに対する責任 (コスト、品質)
コスト、品質)
全てのインターフェースが記載されているリストが存在しない
出所: BCG分析
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17
ITアーキテクチャ(3):整備されたアプリケーション
主な保険業務
プロセス
契約獲得/ 新規事業/ ポートフォリオ
アドバイス 提案過程 マネージメント
損害/ ファイナンス 会計・管理
クレーム支払
販売管理
プロダクト
開発
いくつかの保険の種類
自動車
統一された
プラットフォーム
プロダクト開発
クレーム
健 康
クレーム
生 命
クレーム
会計・管理 販売管理
プロダクト開発
プロダクト開発
顧客データベース
システムの
橋渡し
契約データベース
サービス (アクティビティーマネージメント、アーカイブ等)
テキスト処理
出所: BCGプロジェクト
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ITアーキテクチャ(4):ITアーキテクチャの原則
ITアーキテクチャは
モジュール方式
ビジネスの変化に対応する柔軟性と低いコストを提供
層状に重ねられている
ビジネスモデルの中で共通のコンポーネントを共有
ゲートウェーを設ける
事業部間、また外部とのコミュニケーションを促進
少なく明確に定義されたイ
ンターフェースを提供
コストを下げ、アプリケーション間のデータの共有を簡素化
ひとつのアプリケーション
からデータは作成される
ビジネスファンクションに適切な、明瞭で効果的なアプリケ
ーションアーキテクチャを提供
ビジネスルールをアプリケ
ーションから分離する
ビジネスルールの変化に対応する柔軟性を保つ
意思決定サポートをオペレ
ーションのデータから分離
パフォーマンスを上げ、マーケット分析と意思決定サポート
を促進
業界スタンダードに応ずる
業界スタンダードのネットワークとの接続が簡単にでき、高
い柔軟性が保て、低コストが実現
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IT運用管理からIT活用へ
要件定義
設計・開発
活用
運用管理
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IT活用力向上に向けたステップと主な論点
振返りと見極め
振返りと見極め
施策検討
施策検討
実行と仕組み化
実行と仕組み化
IT活用ができなかっ
たところはどこか?
ギャップを埋めるため
にはどうすべきか?
実行後、期待してい
た効果はでたか?
ITポテンシャルと
現状のギャップはど
れくらいか?
ITポテンシャル自体を 仕組み化するには
あげるにはどうすべき どうしたらよいか?
か?
効果を測る指標が重要
効果を測る指標が重要
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19
IT活用における "効果" の評価指標の例
政府のIT投資と政策課題の関係
政策課題
KPI*
(プロセス指標)
施 策
政策課題 1
KPI 1
施策1
(システム導入)
政策課題 2
政策課題 3
目標1
目標指標1
目標2
目標指標2
目標3
目標指標3
KPI 2
政策課題 4
施策 2
プロセス指標であるKPI
KPIをどう設定するのか?
をどう設定するのか?
プロセス指標である
プロセス指標であるKPIをどう設定するのか?
: 定性指標
: 定量指標
*
Key Performance Indicator
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目標指標を分解して、KPIを設定
効果測定/PDCA
効果測定/PDCA
の仕組み構築
の仕組み構築
電子申告・納税の例
電子申告・納税の目標
納税者の手続き負担
の軽減
効果の定量化方法と
目標指標
電子申告・納税の
利用率
×
国税庁の申告・納税
業務の効率化
KPI(プロセス指標)
納税者数
1人当たりの機会損
失費用
認知率
(認知者数/対象者数)
広告/PR
広告/PR
開始届出書提出率
(提出者数/認知者数)
P届出書の作成・提出
時間の短縮
電子証明書取得率
(取得者数/提出者数)
取得チャネルの拡大
取得手続きの簡略化
利用率
(利用者数/取得者数)
機能改善
利用時間の延長
×
=
×
納税者の負担軽減
効果額
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還付申告等の電
子化の対象化
×
期限内収納の増加
税理士業務の効率化
電子申告対象者率
(対象者数/納税者数)
×
×
電子化に伴う統計
データ作成の効率化
KPI向上の打ち手例
目標達成の制約を把
握できるように設定
目標の因数分解
定量把握可能
KPIは、指標向上
KPIは、指標向上
の打ち手が存在し、
コントロールできる
ものである必要
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20
ITのグローバルトレンドを語る
まとめ
メガトレンドを推進する因子と制約する因子を考える
ユーザ企業/自社企業にとって、どの因子に、どのようなビジネ
スチャンスがあるか、どのようなリスクが存在するかを考える
デコンストラクションは、ユーザ企業の業界でも、IT
サービスプロバイダ
デコンストラクションは、ユーザ企業の業界でも、ITサービスプロバイダ
の業界でもおきつつある
中国・インドの台頭も、競合プレイヤーとしての視点と、消費地としての
視点があり、将来をにらんだときには、いずれにしても考慮する必要
消費地として参入するなら、特定の洗練された機能だけを破壊的
な価格で提供する技術プレークスルーが必要
日本は、環境対応で先進的な振る舞いを起こすであろうが、同時に
リスクも内在している
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最強のITサービスプロバイダになるために
下記3
下記3要件を満たす必要
ユーザ企業のIT
課題を理解する
ユーザ企業のIT課題を理解する
ユーザ企業/自社企業を取り巻くメガトレンドを知る
ITのグローバルトレンドを語る
ITのグローバルトレンドを語る
しかし、自社だけでは、上記要件を満たすのは困難
ITサービスプロバイダ
1社でカバー範囲が広すぎる
ITサービスプロバイダ1
それぞれのトピックの進化は、日々進行している
最強のIT
サービスプロバイダーとなるためには、自社の強みを明確に
最強のITサービスプロバイダーとなるためには、自社の強みを明確に
して、自社の弱みを補強するプレイヤー群と提携することを考える
自前主義による完全性≪早期実現のための提携
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