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企業のICT利用

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企業のICT利用
企業のICT利用
第3節
第3節の要旨
第3節においては、企業のICT利用や電子商取引について、米国及び韓国との比較も交えつつ、分析を
行うとともに、企業規模によるICT利用格差の現状やICTを活用した新ビジネスの進展状況を明らかにし
第
た。
1
【企業のICT利用の深化】
○ 企業のインターネット利用率は100%近くとなっており、また、企業内通信網の構築率は89.5%、企
章
業間通信網の構築率は59.0%となっている。携帯電話の利用率は65.8%で、利用形態は単に通話にと
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動
-
どまらず、社内イントラネットへのアクセスなど多様な形態で利用されている。
○ 情報システムの導入はほぼすべての業務で進展している。また、アプリケーションソフトはオーダ
ーメイドソフトの利用が減少する一方、パッケージソフトの利用が増大している。さらに、情報シ
ステムの企業間の連携が進展している。
○ 情報システムの導入目的は、
「コスト削減・業務効率化」から「売上拡大・高付加価値化」へと変化
するとともに、情報システム投資の効果発揮に向けた取組も「投資対効果の検証」
、
「情報システム
に合わせた組織・制度改革」などの点で進展している。また、情報システム投資の効果があったと
する企業が増大している。
○ サーバー用OSへのOSS(オープンソースソフトウェア)の導入率は、米国が33.0%と最も高く、日韓
は21.0%となっている。OSSに対しては、導入・運用コストの安さ、カスタマイズの柔軟性といった
点で評価が高いが、開発・保守体制、サポート体制で評価が低い。
○ メインフレームシステムのオープン化については、日米韓とも取組が進展している。日本は相対的
にメインフレームとオープンとの併用が高い。また、メインフレームの継続利用の主な理由は、運
用の安定性、既存ソフトウェア資産の活用となっている。
○ 企業の情報システム部門における人員の充足については、
「プロジェクト管理」
、
「システム監査」な
どあらゆる分野にわたって人員が不足している企業が5割を超えている状況にある。
【電子商取引の拡大】
○ 企業のB2Cの実施率は、パソコン向けが28.9%、携帯電話等向けが9.1%となっており、携帯電話等向
けは今後の実施を予定/検討している企業が多い。また、パソコン向けは米国の実施率が一番高い。
○ B2Cの今後の市場規模予測(03年度を基準とした06年度の市場規模)は、日韓が約3倍であるのに対
し、米国は約2倍と予測が低くなっている。
○ 携帯電話等向け B2Cは、雑誌、テレビ等他メディアとの連動販売が特徴である。
【企業規模によるICT利用格差】
○ 企業のICT利用を従業員規模別に比べると、規模の大小により利用状況に格差が見られる。
【ICTを活用した新ビジネスの拡大】
○ インターネットの普及に伴い、インターネットを活用した新ビジネスがこの5年程度で急拡大してい
る。インターネット広告は平成16年にラジオ広告を上回り、第4の広告メディアになった。また、全
証券取引額に占めるインターネット取引額は約4分の1になり、インターネット専業銀行の預金残高
は2年間(平成13年度∼15年度)で約4倍に拡大している。さらに、携帯コンテンツ事業者の売上高は
3年で3.0倍になっている。
平成17年版 情報通信白書 59
1
ICT利用の深化
(1)インターネット利用等の進展
インターネットはほぼすべての企業で利用
企業のインターネット利用率は平成12年末の89.3%
から16年末は98.1%と8.8ポイント増加し、ほとんどす
割合は13年末の26.2%から16年末は36.1%と9.9ポイン
ト増加している(図表②)
。
第
べての企業でインターネットが利用されている状況に
事業所のブロードバンド普及率は、平成12年末の
1
ある。また、事業所のインターネット利用率は、平成
2.0%から16年末は49.6%と47.6ポイント増加している
章
-
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の
胎
動
12年末の44.8%から16年末は81.8%と37.0ポイント増加
(図表③)
。
企業内通信網の構築率は平成13年末の85.5%から16
している(図表①)
。
企業のホームページ開設率は平成13年末の69.9%か
年末は89.5%と4.0ポイント増加し、企業間通信網の構
ら16年末は79.1%と9.2ポイント増加し、インターネッ
築率は13年末の40.4%から16年末は59.0%と18.6ポイン
ト等への接続端末を従業員1人に1台以上配置している
ト増加している(図表④)
。
図表①
図表② 企業におけるホームページ開設率及び
接続端末配備率
インターネット利用率(左:企業、右:事業所)
(%)
100
89.3
94.5
80
96.1
32.7
44.1
43.7
97.5
98.1
82.6
81.8
79.1 25.9
26.8
(%)
100
79.1
80
69.9
68.0
60
60
44.8
40
63.4
20
0
45.6
平成12
71.6
71.3
36.1
40
26.2
50.4
20
13
14
15
16年末
0
平成13
全社的に利用している
一部の事業所又は部門で利用している
利用している
図表③
事業所におけるブロードバンド普及率
接続端末の配備率(1人1台以上)
ホームページ開設率
図表④ 企業通信網の構築率
(左:企業内通信網、右:企業間通信網)
(%)
100
(%)
60
90.6
91.6
89.5
23.0
24.7
22.2
85.5
49.6
80
42.7
16年末
28.1
40
60
21.7
20
40.4
40
57.4
15.0
22.1
31.7
67.6
20
18.3
2.0
0
平成12
13
14
15
16年末
0
59.3
59.0
25.1
23.4
54.4
平成13
22.7
14
66.9
67.3
34.2
15
35.6
16年末
全社的に構築している
一部の事業所又は部門で構築している
図表①∼④ 総務省
「通信利用動向調査」
により作成
60 平成17年版 情報通信白書
企業のICT利用
第3節
企業における携帯電話の利用率は65.8%となってい
先での在庫データの参照や受発注による顧客サービス
る(P78図表④)
。また、その利用用途は、単に「社
の向上」
(29.7%)
、
「営業マンの位置情報把握による
内・社外との通話」
(91.8%)にとどまらず、
「電子メ
最適な営業ルート指示や迅速な顧客対応」
(26.8%)
、
「出先での報告者・日報等の作成や報告による業務の
ール、スケジュール管理、掲示板など社内イントラネ
効率化」
(24.7%)など多様化している(図表⑤)
。
ットへのアクセスによる情報共有化」
(35.1%)
、
「客
企業における携帯電話の利用用途(複数回答)
0
20
40
電子メール、スケジュール管理、掲示板など
社内イントラネットへのアクセスによる情報共有化
80
100
(%)
35.1
客先での在庫データの参照や受発注による
顧客サービスの向上
29.7
営業マンの位置情報把握による最適な
営業ルート指示や迅速な顧客対応
26.8
出先での報告書・日報等の作成や
報告による業務の効率化
24.7
18.1
現場の状況を静止画等で記録、報告することによる
業務スピードアップ
14.6
業務データの入力簡易化等による
業務の効率化
13.0
マニュアルなど業務に関する情報の参照による
業務効率化、スキル平準化
その他
60
91.8
社内・社外との通話
出先からの申請、決裁、承認による
業務スピードアップ
1
章
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胎
動
-
図表⑤
第
5.7
0.6
(出典)
「企業のICT活用現状調査」
(ウェブ調査)
平成17年版 情報通信白書 61
ICT利用の深化
1
(2)情報システムの導入状況
パッケージソフトの利用が拡大。システム導入目的も「高付加価値化」へと変化
1
業務別の情報システムの導入状況
間接業務のほぼすべてに対して情報システムを導入し
各業務への情報システム導入については、平成14年
ている企業は6割にも上っている(図表①)
。
第
度と比較して、ほぼすべての業務において進展してお
情報システムで利用されるハードウェアは、
「PCサ
1
り、特に開発・設計、アフターサービス業務で高い伸
ーバー」が最も多く5割を超えており、次いで「メイ
びを示している。また、経理・会計、給与・人事の間
ンフレーム、オフコン等」
、
「UNIXサーバー」となっ
接業務では引き続き高い導入率となっており、これら
ている(図表②)
。
章
-
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動
図表①
情報システムの業務別導入状況(左:平成14年度、右:平成16年度)
(%)
100
82.8 81.6
80
66.5
63.3
18.2
60
40
72.5
70.9
38.0
64.2
20.2
13.4
50.4 25.1
70.7
52.0 21.6
21.5
55.9
20
33.4
25.5
41.5
34.7
42.6
36.2
46.7
75.2
23.4
62.1
27.9
23.9
20.4
71.9
49.9 52.4
81.8
52.4
27.0
12.5
52.7
76.0
20.4
66.3
19.0
16.6
17.3
17.0
52.9 24.1
10.9
23.7
36.9 39.3
61.2
54.6 58.4
38.2
11.0 32.0
47.3
12.8
0
開
発
・
設
計
調
達
在
庫
管
理
商
品
生
産
物
流
・
サ
ー
ビ
ス
提
供
ほぼすべての業務に導入している
図表②
販
売
・
販
売
促
進
ア
フ
タ
ー
サ
ー
ビ
ス
経
理
・
会
計
給
与
・
人
事
情
報
共
有
半分以上の業務に導入している
情報システムで利用されるハードウェア
0
20
40
開発・設計
26.1
22.5
調達
26.5
20.4
29.3
在庫管理
60
80
53.2
21.1
49.7
商品生産
27.6
22.3
50.1
物流・サービス提供
28.2
22.2
49.5
22.9
販売・販売促進
アフターサービス
21.7
20.5
29.7
給与・人事
29.2
研修
情報共有
55.4
20.2
経理・会計
16.8
59.3
19.1
51.2
18.7
52.2
18.5
13.7
100(%)
51.3
64.7
21.6
メインフレーム、オフコン等
64.7
UNIXサーバー
PCサーバー
(注)
図表①、② (出典)
「企業のICT活用現状調査」
(ウェブ調査)
(注)平成14年度の日本企業調査は郵送調査
62 平成17年版 情報通信白書
企業のICT利用
2
情報システムで利用されるアプリケーションソフト
第3節
情報システムの企業内/企業間における連携
情報システムの効果を最大限に発揮させるために
は、
「カスタマイズしたパッケージソフト」の利用が
最も多く、次いで「オーダーメイドで作成したソフト」
、
「パッケージソフト」となっているが、平成14年度と
は、業務分野ごとに独立した情報システムとするので
第
はなく、企業内の他システムや他企業のシステムとの
1
章
連携を図ることが必要となる。
比較すると、
「パッケージソフト」の利用が拡大する
業務別情報システムの企業内の他システムとの連携
大きく減少している(図表③∼⑤)
。パッケージソフ
は、おおむね7∼8割程度となっており、平成14年度と
トの利用が進んでいることがうかがえる。
比較して大きな変化は見られない。他方、他企業のシ
ステムとの連携は、平成14年度と比較して、すべての
分野で伸びており、企業間のシステム連携が進んでい
ることがうかがえる(図表⑥、⑦)
。
図表③
情報システムで利用されるアプリケーションソフト
0
20
開発・設計
調達
在庫管理
商品生産
物流・サービス提供
販売・販売促進
アフターサービス
経理・会計
給与・人事
研修
情報共有
40
図表④ 情報システムで利用されるアプリケーション
ソフト(パッケージソフト利用)
情報共有(30.0、36.3)
40(%)
30
20
給与・人事
10
(29.6、27.0)
0
経理・会計
(29.3、28.3)
調達(28.1、16.0)
平成16年度
平成14年度
商品生産
経理・会計
開発・設計(72.7、57.8)
(55.8、53.9)
経理・会計
(60.5、68.6)
80(%)
0
60
調達(76.5、75.2)
20
0
調達(34.4、58.7)
平成16年度
平成14年度
在庫管理
(40.7、66.4)
商品生産
(36.5、61.5)
物流・サービス提供
アフターサービス
(38.4、65.7)
(33.5、58.6)
販売・販売促進(36.4、63.3)
※ ( )
内の数字は、順に平成16年度、平成14年度
図表⑦
平成16年度
平成14年度
40
20
80(%)
(31.7、33.9)
情報システムの企業内での接続状況
60
開発・設計(32.8、39.7)
情報共有(29.0、33.5)
40
※ ( )
内の数字は、順に平成16年度、平成14年度
給与・人事
図表⑤ 情報システムで利用されるアプリケーション
ソフト(オーダーメイドソフト利用)
(32.2、33.0)
アフターサービス
(25.1、10.2)
(30.2、14.4)
販売・販売促進(26.7、12.1)
情報共有(72.1、75.9)
パッケージソフトを利用し、カスタマイズを積極的に実施
(26.0、11.7)
(25.1、10.2)
100(%)
32.8
34.4
40.7
36.5
38.4
36.4
33.5
31.7
32.2
29.9
29.0
給与・人事
在庫管理
物流・サービス提供
図表⑥
80
33.3
38.4
36.5
36.9
36.3
39.0
38.3
41.8
41.0
パッケージソフトを利用し、カスタマイズなし
パッケージソフトを利用せず、オーダーメイドで構築
開発・設計(27.7、30.2)
60
39.5
37.5
27.7
28.1
26.0
25.1
25.1
26.7
30.2
29.3
29.6
28.3
30.0
在庫管理
(75.8、76.2)
情報システムの企業間での接続状況
開発・設計(44.7、30.0)
情報共有
(33.7、24.0)
給与・人事
(23.3、13.7)
商品生産
経理・会計
(74.8、76.5)
(27.5、24.6)
物流・サービス提供
アフターサービス
(77.6、77.6)
(67.8、65.8)
販売・販売促進(74.0、75.9)
※1 「他の業務分野と通信ネットワークを通じて常時連携」又は「他の業務分野と
通信ネットワークを通じて必要に応じ連携」と回答した企業の割合
※2 ( )
内の数字は、順に平成16年度、平成14年度
アフターサービス
(52.4、30.1)
80(%)
60
40
20
0
調達(65.7、56.8)
平成16年度
平成14年度
在庫管理
(51.4、31.6)
商品生産
(46.5、27.5)
物流・サービス提供
(59.3、47.6)
販売・販売促進(53.9、39.3)
※1「大部分の企業・顧客と社外の通信ネットワークを通じて接続」又は「一部の
企業・顧客と社外の通信ネットワークを通じて接続」と回答した企業の割合
※2 ( )
内の数字は、順に平成16年度、平成14年度
図表③∼⑦ (出典)
「企業のICT活用現状調査」
(ウェブ調査)
平成17年版 情報通信白書 63
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動
-
一方、
「オーダーメイドで作成したソフト」の利用が
3
情報システムの導入目的
こうした効果発揮のための企業の取組状況につい
情報システムの導入目的は、
「コスト削減・業務効
て、平成14年度と比較すると、
「投資対効果の検証」
、
第
率化」と「売上拡大・高付加価値化」の2つに大きく
「情報システム運用に合わせた組織・制度の改革」、
1
分けられる。こうした目的意識について、平成14年度
「選択と集中」などの点において取組が進展している
章
-
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胎
動
と比較すると、情報システムの導入目的を「コスト削
ことがうかがえる(図表⑩)
。
減・業務効率化」とする企業が減少する一方、
「売上
拡大・高付加価値化」とする企業が増加している(図
5
情報システムの導入効果
表⑧、⑨)
。従来、我が国の企業は、情報化を業務の
情報システムの導入による実際の効果について、平
効率化と捉える傾向が強かったが、この2年あまりで
成14年度と比較すると、コスト削減・業務効率化の側
情報化の目的意識に変化が生じていることがうかがえ
面と売上拡大・高付加価値化の側面の両方において、
る。
投資効果があったとする企業の割合が14年度を上回っ
ている状況にある(図表⑪)
。このように実際の効果
4
情報システム投資の効果発揮に向けた取組
があったとする企業の割合が増加した要因としては、
情報システム投資の効果を上げるためには、単に情
先述した企業間のシステム連携の進展、情報システム
報システムを導入するだけでは十分ではなく、既存の
導入における目的意識の変化、情報システム投資の効
業務プロセスの見直し、投資対効果の検証など効果発
果発揮に向けた取組の進展といったことが関係してい
揮のための取組が不可欠となる。
るものと考えられる。
図表⑧ 情報システムの導入目的(業務効率化、コス
ト削減)
図表⑨ 情報システムの導入目的(売上拡大・高付加
価値化)
開発・設計(60.0、63.4)
(45.4、51.6)
80
調達
60
(74.1、85.6)
40
給与・人事
在庫管理
20
(59.8、80.7)
商品生産
経理・会計
(24.6、13.5)
物流・サービス提供
アフターサービス
(68.7、79.4)
(23.7、12.2)
商品生産
(28.9、14.6)
(7.6、4.1)
物流・サービス提供
アフターサービス
(59.8、51.1)
販売・販売促進
(37.4、28.1)
※ ( )
内の数字は、順に平成16年度、平成14年度
情報システム投資の効果発揮に向けた取組
発現効果(削減されたコスト等)
平成16年度
の企業経営への再活用(新規分野への投資等)
(61.2、48.4)
平成14年度
100(%)
情報システム導入の背景、目的、
導入後のビジョンを従業員に周知徹底
導入前の投資対効果の検討
80
(59.8、66.2)
(81.7、57.8)
60
選択と集中(コア・コンピタンスの
明確化、コア業務以外の省力化、
合理化、外部化)
(62.4、50.5)
在庫管理
(54.2、41.5)
※ ( )
内の数字は、順に平成16年度、平成14年度
情報システム運用に合わせた
組織・制度の改革
(63.8、41.8)
平成16年度
平成14年度
0
経理・会計
販売・販売促進
情報システム運用に合わせた
業務プロセスの見直し(定型化等)
(73.6、68.8)
(22.6、10.4)
20
(6.5、3.2)
(54.0、67.0)
図表⑩
調達
40
給与・人事
(69.7、83.3)
(64.6、84.1)
60(%)
情報共有
(78.2、89.2)
0
(43.9、54.9)
開発・設計(36.7、25.5)
平成16年度
平成14年度
100(%)
情報共有
40
20
0
投資対効果の定量的な
効果検証指標の整備
(61.0、33.5)
導入後の定期的かつ
定量的効果検証
(47.3、13.5)
経営トップが自社の環境を
踏まえた情報化投資の判断
経営戦略を踏まえた (64.1、64.1)
ICT戦略の策定
(67.9、68.0)
※1 「十分行っている」又は「ある程度行っている」と回答した企業の割合
※2 ( )
内の数字は、順に平成16年度、平成14年度
図表⑪
情報システム導入の効果
【コスト削減・業務効率化効果】
製品納入までの時間短縮
(55.1、35.8)
【売上拡大・高付加価値化効果】
新規顧客の
100(%) 獲得
80
(41.6、24.5)
平成16年度
平成14年度
部品在庫の圧縮
60
(47.6、33.5)
顧客満足度の向上
40
(55.0、42.1)
20
直接コスト削減
0
(63.3、41.9)
間接コスト削減
(70.1、59.9)
従業員削減・配置転換実現
(50.2、41.1)
製品・サービス品質向上
(58.8、36.3)
製品・サービスの
高付加価値化
(51.7、26.6)
欠品率の低下
(43.1、29.2)
※1 「十分効果があった」又は「ある程度効果があった」と回答した企業の割合
※2 ( )
内の数字は、順に平成16年度、平成14年度
図表⑧∼⑪ (出典)
「企業のICT活用現状調査」
(ウェブ調査)
64 平成17年版 情報通信白書
企業のICT利用
6 情報システムの導入状況に関する米国、韓国と
の比較
第3節
においてパッケージソフトの利用が一番高いのは米国
で、次いで日本、韓国となっている(図表⑬、⑭)
。
業務別の情報システムの導入率は、アフターサービ
情報システムの企業内他システムや他企業システム
第
ス業務において米国の導入が進んでいることを除け
との連携は、米国が一番進んでおり、次いで韓国、日
1
ば、日米韓の間で大きな差異はない(図表⑫)
。
本となっている(図表⑮、⑯)
。
章
情報システムで利用されるアプリケーションソフト
-
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動
図表⑫
情報システムの業務別導入状況の日米韓比較
(%)
100
74.0 74.2
80 70.9 71.8
72.5
72.0
70.7 67.0
70.7
68.8
64.2
62.5 66.3 66.158.5
63.4 66.5
60.2
58.4
60
52.4
52.2
40
81.6 81.9 85.3 81.8 80.8 85.4
75.2
49.6
55.7
71.170.0
49.5
20
0
開
発
・
設
計
調
達
在
庫
管
理
商
品
生
産
サ物
ー流
ビ・
ス
提
供
販販
売売
促・
進
日本
米国
図表⑬ 情報システムで利用されるアプリケーション
ソフト(パッケージソフト利用)
サア
ーフ
ビタ
スー
給
与
・
人
事
図表⑭ 情報システムで利用されるアプリケーション
ソフト(オーダーメイドソフト利用)
開発・設計
開発・設計
(27.7、35.3、20.8)
50(%)
調達
(30.0、42.1、20.3)
40
(28.1、43.6、23.0)
30
(32.8、9.2、31.8)
50(%)
研修
在庫管理
20
(28.3、46.2、20.4)
(26.0、39.2、21.2)
10
0
商品生産
給与・人事
(25.1、37.2、21.3)
(29.6、42.8、24.9)
販売・販売促進
(30.2、32.5、17.4)
(26.7、40.9、20.5)
日本
米国
在庫管理
20
(40.7、17.5、35.0)
10
0
給与・人事
商品生産
(32.2、10.6、33.8)
(36.5、18.5、31.3)
経理・会計
物流・サービス提供
(31.7、12.0、30.7)
(38.4、17.7、32.6)
アフターサービス
販売・販売促進
(33.5、19.3、36.2)
(36.4、17.3、34.2)
日本
米国
韓国
※ ( )
内の数字は、順に日本、米国、韓国
情報システムの企業内での接続状況
図表⑯
情報システムの企業間での接続状況
開発・設計
開発・設計
(72.7、92.0、81.3)
100(%)
(44.7、75.5、53.7)
100(%)
調達
80
(33.7、61.2、53.2)
(65.7、80.2、58.0)
60
(72.1、92.1、90.9)
80
情報共有
調達
(76.5、89.8、80.7)
60
研修
(52.8、81.8、79.1)
40
在庫管理
20
(75.8、87.8、86.5)
0
給与・人事
商品生産
(55.8、85.2、75.7)
(74.8、87.8、87.3)
経理・会計
物流・サービス提供
(60.5、88.1、78.4)
アフターサービス
(67.8、89.9、81.5)
日本
(34.4、12.8、33.7)
30
(29.9、17.0、29.7)
韓国
※ ( )
内の数字は、順に日本、米国、韓国
調達
40
研修
(25.1、34.5、18.8)
アフターサービス
情報共有
情報共有
(29.0、17.3、26.9)
物流・サービス提供
経理・会計
(29.3、38.0、28.5)
情
報
共
有
研
修
韓国
情報共有
図表⑮
経
理
・
会
計
(77.6、90.7、87.5)
販売・販売促進
(74.0、87.2、87.5)
米国
韓国
※1「他の業務分野と通信ネットワークを通じて常時連携」又は「他の業務分野と
通信ネットワークを通じて必要に応じ連携」と回答した企業の割合
※2 ( )
内の数字は、順に日本、米国、韓国
研修
(28.1、52.0、50.5)
40
20
0
給与・人事
在庫管理
(51.4、60.5、51.4)
商品生産
(46.5、68.9、56.2)
(23.3、55.2、34.2)
物流・サービス提供
経理・会計
(59.3、75.2、67.6)
(27.5、56.7、36.6)
販売・販売促進
アフターサービス
(53.9、67.1、63.2)
(52.4、68.7、71.1)
日本
米国
韓国
※1 「他の業務分野と通信ネットワークを通じて常時連携」又は「他の業務分野と
通信ネットワークを通じて必要に応じ連携」と回答した企業の割合
※2 ( )
内の数字は、順に日本、米国、韓国
図表⑫∼⑯ (出典)
「企業のICT活用現状調査」
(ウェブ調査)
平成17年版 情報通信白書 65
情報システムの導入目的は、コスト削減・業務効率
化、売上拡大・高付加価値化の両面とも米国が一番高
第
1
章
-
u
J
a
p
a
n
の
胎
動
く、次いで日本、韓国となっている(図表⑰、⑱)
。
情報システム投資の効果発揮に向けた取組は、米国
(図表⑲)
。
情報システムの導入による実際の効果は、コスト削
減・業務効率化と売上拡大・高付加価値化の両面にお
いて韓国が一番高くなっている(図表⑳)
。
が一番進んでおり、次いで韓国、日本となっている
図表⑰ 情報システムの導入目的
(業務効率化、コスト削減)
図表⑱ 情報システムの導入目的
(売上拡大・高付加価値化)
開発・設計
開発・設計
(60.0、78.6、58.4)
情報共有
(45.4、77.2、45.8)
(36.7、60.9、29.2)
100(%)
調達
80
(74.1、75.6、60.8)
60
研修
在庫管理
40
(36.2、69.3、45.6)
100(%)
情報共有
(78.2、81.8、69.4)
(24.6、49.8、20.2)
80
研修
0
商品生産
(69.7、73.6、64.3)
販売・販売促進
(54.2、73.6、38.1)
米国
韓国
※ ( )
内の数字は、順に日本、米国、韓国
60
図表⑳
情報システム導入の効果
【コスト削減・業務効率化効果】
製品納入までの時間短縮
投資対効果の定量的な
効果検証指標の整備
(61.0、62.3、71.0)
20
0
導入後の定期的かつ
定量的効果検証
(47.3、69.3、57.6)
80(%) 新規顧客の獲得
(41.6、49.6、49.2)
60
顧客満足度の向上
40
(47.6、36.9、62.8)
(55.0、56.6、74.3)
20
製品・サービス
品質向上
0
直接コスト削減
情報システム運用に合わせた
組織・制度の改革
(63.8、71.5、73.6)
【売上拡大・高付加価値化効果】
(55.1、44.9、70.1)
部品在庫の圧縮
40
日本
(37.4、67.7、32.0)
(59.8、77.4、50.3)
日本
発現効果(削減されたコスト等)
の企業経営への再活用
(新規分野への投資等)
(61.2、81.6、70.8)
情報システム導入の背景、
100(%)
目的、導入後のビジョンを
導入前の投資対効果の検討
従業員に周知徹底
80
(81.7、91.0、92.2)
(59.8、75.0、77.1)
選択と集中(コア・コンピタンスの
明確化、コア業務以外の省力化、
合理化、外部化)
(62.4、85.9、77.8)
物流・サービス提供
アフターサービス
韓国
情報システム投資の効果発揮に向けた取組
情報システム運用に合わせた
業務プロセスの見直し
(定型化等)
(73.6、88.5、83.2)
(28.9、57.2、24.8)
経理・会計
(54.0、69.7、48.3)
※ ( )
内の数字は、順に日本、米国、韓国
図表⑲
商品生産
(7.6、43.3、12.9)
販売・販売促進
米国
0
給与・人事
(68.7、79.7、54.7)
日本
(23.7、50.5、18.1)
(6.5、38.2、11.6)
物流・サービス提供
経理・会計
(64.6、80.0、60.2)
(43.9、71.1、36.2)
在庫管理
40
(12.0、48.6、14.5)
20
(59.8、75.4、59.7)
アフターサービス
(22.6、45.7、19.3)
60
20
給与・人事
調達
(63.3、58.6、74.2)
(58.8、65.5、74.3)
製品・サービスの
高付加価値化
間接コスト削減
経営戦略を踏まえた
ICT戦略の策定
(67.9、81.2、79.4)
米国
経営トップが自社の環境を
踏まえた情報化投資の判断
(64.1、79.2、71.0)
(70.1、61.7、78.8)
(51.7、51.3、63.4)
従業員削減・配置転換実現
(50.2、45.8、63.5)
韓国
※1 「十分行っている」又は「ある程度行っている」と回答した企業の割合
※2 ( )
内の数字は、順に日本、米国、韓国
日本
欠品率の低下
(43.1、41.4、50.8)
米国
韓国
※1 「十分効果があった」又は「ある程度効果があった」と回答した企業の割合
※2 ( )
内の数字は、順に日本、米国、韓国
図表⑰∼⑳ (出典)
「企業のICT活用現状調査」
(ウェブ調査)
66 平成17年版 情報通信白書
企業のICT利用
1
第3節
ICT利用の深化
(3)オープンソースソフトウェアの導入状況
オープンソースソフトウェアに対する関心は高く、導入・運用コスト面で評価
サーバー用OSにオープンソースソフトウェア
イルサーバーなどで多く、他方、生産、販売、財務会
(Linux、FreeBSD等)を利用している企業は21.0%で
計、人事給与等の業務システムサーバーでの利用は低
第
くなっている(図表②)
。
あり、
「利用を予定している」
(7.6%)
、
「利用を検討
している」
(14.6%)
、
「検討はしていないが関心があ
オープンソースソフトウェアに対しては、導入・運
る」
(22.1%)と回答した企業も加えれば65%にも上
用コストの安さ、カスタマイズの柔軟性などの点で評
る(図表①)
。
価が高い一方、システムの開発・保守体制、修正ソフ
るサーバーは、Webサーバー、メールサーバー、ファ
いる(図表③)
。
図表① サーバー用OSでのオープンソースソフトウェ
アOS(Linux、FreeBSD等)の利用状況
図表② オープンソースソフトウェアOS(Linux、
FreeBSD等)の利用サーバー(複数回答)
0
わからない
14.5%
20
現在、利用
している
21.0%
60(%)
56.4
51.4
メールサーバー
利用は考え
ていない 20.2%
利用を予定
している
7.6%
47.9
ファイルサーバー
43.6
イントラネットサーバー
利用を検討
検討はして している いないが関
14.6%
心がある 22.1%
19.6
生産・在庫・物流の業務システムの
アプリケーションサーバー
14.1
顧客管理・販売管理の業務システムの
アプリケーションサーバー
9.7
財務会計の業務システムの
アプリケーションサーバー
8.5
人事給与の業務システムの
アプリケーションサーバー
図表③
40
Webサーバー
その他
4.8
わからない
5.4
オープンソースソフトウェアの特徴
0
20
23.2
技術情報等の情報提供が充実している
20.5
利用できる周辺機器が豊富である
20.1
システムの開発・保守を担う人材が充実している
修正ソフトの提供等のサポートが充実している
13.6
どちらとも言えない
13.5
10.0
59.3
53.0
61.6
60.3
62.8
52.6
19.3
13.7
そう思う
46.5
26.6
著作権等を侵害したプログラムが含まれる恐れがない
3.7
8.4
57.0
27.1
24.4
100(%)
43.8
33.0
信頼性・可用性に優れる
大規模な業務システムでの稼働実績に優れる
80
29.9
40.0
カスタマイズが行いやすい
インターネット上での稼働実績に優れる
アプリケーションや開発ツールが豊富である
60
47.8
運用コストが安い
セキュリティに優れる
40
66.4
導入コストが安い
61.0
57.1
60.5
13.6
20.4
14.1
16.5
16.7
27.3
19.8
29.2
25.9
そう思わない
図表①∼③ (出典)
「企業のICT活用現状調査」
(ウェブ調査)
平成17年版 情報通信白書 67
章
u
J
a
p
a
n
の
胎
動
-
ト提供等のサポート体制などの点で評価が低くなって
実際にオープンソースソフトウェアが利用されてい
1
1
ICT利用の深化
(4)情報システムのオープン化の状況
メインフレームシステムのオープン化が進行
メインフレームを利用したシステムのオープン化に
(53.7%)
、
「支障なくオープンシステムへ移行できる
ついては、
「一部をオープンシステムに置き換え/置き
確証がない」
(29.2%)
、
「仕様が公開されていないこ
第
換えを検討」が45.6%と最も多く、次いで「メインフ
と等から強固なセキュリティを確保できる」
(27.6%)
1
レームを継続して利用」が31.8%、
「全面的にオープ
となっている(図表②)
。
章
-
u
J
a
p
a
n
の
胎
動
ンシステムへ置き換え/置き換えを検討」が17.7%と
また、情報システムのオープン化を進めるメリット
なっている(図表①)
。メインフレームシステムの見
としては、
「コストが削減できる」が57.2%と最も多
直しが進んでいることがうかがえる。
く、次いで「システム変更や拡張等の柔軟性に優れる」
(35.9%)、「他のシステムとの連携を行いやすい」
メインフレームを継続して利用する理由は、
「安定
(35.2%)となっている(図表③)
。
した運用が行える」が54.8%と最も高く、次いで「こ
れまで開発してきたソフトウェア資産が活用できる」
図表①
メインフレームのオープンシステム化の状況
オープンシステムに
置き換えず、メイン
フレームを継続
して利用する
31.8%
図表② メインフレームを継続利用する理由(複数回答)
0
もともとオープンシステム
で構築している
全面的にオープン
4.9%
システムへ置き換
えている 5.3%
全面的なオープ
ンシステムへの
置き換えを検討
している 12.4%
20
一部メインフレームを継続利用し、
一部オープンシステムへの置き換え
を検討している 23.0%
図表③
60(%)
安定した運用が行える
54.8
これまで開発してきた
ソフトウェア資産が活用できる
53.7
支障なくオープンシステムへ
移行できる確証がない
29.2
仕様が公開されていないこと等から
強固なセキュリティを確保できる
27.6
ハードウェアからソフトウェアまで単一ベンダーで
統一されることから、トータルなサポートが受けられる
一部メインフ
レームを継続
利用し、一部
オープンシス
テムに置き換
えている
22.6%
40
18.6
15.6
オープン化にコストが掛かりすぎる
その他
3.7
※ 「オープンシステムに置き換えず、メインフレームを継続して利用する」
、
「一
部メインフレームを継続利用し、一部オープンシステムへの置き換えを検討し
ている」
、
「一部メインフレームを継続利用し、一部オープンシステムに置き換
えている」と回答した企業の割合
オープン化を進めるメリット(複数回答)
0
20
40
35.9
システム変更や拡張等の柔軟性に優れる
35.2
他のシステムとの連携を行いやすい
豊富なアプリケーションや開発ツールが利用できる
23.1
社内で運用しやすい
22.7
21.6
ユーザーインタフェースが優れている
システムの開発・保守を担う人材が充実している
ベンダー等のサポートがうち切られる心配がない
特にない
60(%)
57.2
コストが削減できる
13.8
8.6
8.0
図表①∼③ (出典)
「企業のICT活用現状調査」
(ウェブ調査)
68 平成17年版 情報通信白書
企業のICT利用
1
第3節
ICT利用の深化
(5)ASPサービス、iDCの利用状況
ASPサービスはコスト削減、iDCは安定運用がメリット
ASPサービスを利用している企業は12.6%である
iDCを利用している企業は12.5%である(図表③)
。
(図表①)
。当該サービスのメリットとしては「コスト
iDCのメリットとしては「安定的な運用が行える」が
が削減できる」が58.5%と最も高く、次いで「運用が
63.6%と最も高く、次いで「24時間365日ノンストップ
第
容易になる」
(54.1%)
、
「システム導入の時間が短縮
運用が行える」
(61.4%)
、
「地震や火災等への対策が
1
できる」
(44.1%)となっている(図表②)
。
行える」
(48.5%)となっている(図表④)
。
図表①
図表②
ASPサービス利用のメリット(複数回答)
0
現在、利用している
12.6%
20
40
60
58.5
コストが削減できる
利用を予定
している 5.8%
わからない
20.2%
54.1
運用が容易になる
44.1
システム導入の時間が短縮できる
利用を検討
している 10.2%
社内に人材・ノウハウが
無くとも利用できる
38.8
システムの試用が行えるなど
システム導入のリスクが低減できる
利用は考え
ていない 35.0%
28.8
出先等からでも場所を
問わず利用できる
検討はして
いないが関
心がある 16.1%
80(%)
23.4
セキュリティや安全性の
向上が図れる
14.8
取引相手や協力会社等との
連携強化が図れる
13.8
その他 0.4
※ 「利用している」
、
「利用を予定している」
、
「利用を検討している」
、
「利用に関心がある」と回答した企業の割合
図表③
iDCの利用状況
図表④
iDC利用のメリット(複数回答)
0
現在、利用している
12.5%
20
40
60
63.6
安定的な運用が行える
わからない
20.9%
利用を予定
している 4.1%
利用を検討
している 9.2%
利用は考え
ていない 40.6%
検討はして
いないが関
心がある 12.7%
24時間365日
ノンストップ運用が行える
61.4
地震や火災等への対策が行える
48.5
コストが削減できる
47.1
高速なネットワーク接続が
実現できる
セキュリティや安全性の
向上が図れる
サーバー等のシステム更改が
容易に行える
80(%)
31.1
28.1
18.9
その他 0.8
※ 「利用している」
、
「利用を予定している」
、
「利用を検討している」
、
「利用に関心がある」と回答した企業の割合
図表①∼④ (出典)
「企業のICT活用現状調査」
(ウェブ調査)
平成17年版 情報通信白書 69
u
J
a
p
a
n
の
胎
動
-
ASPサービスの利用状況
章
1
ICT利用の深化
(6)情報システム部門における人員の充足状況
情報システム部門では全般的に人員が不足
情報システム部門における人員の充足状況について
やや不足している」と答えた企業の割合は5割を超え
は、
「経営戦略立案のための情報システムの企画・業
ている。また、
「システム設計・開発」等の設計・開
第
務分析」
、
「プロジェクト管理」
、
「システム監査」など
発分野では他の分野に比べてアウトソーシングの割合
1
あらゆる分野にわたって人員が不足している状況にあ
が高くなっている(図表)
。
章
-
u
J
a
p
a
n
の
胎
動
り、いずれの分野においても、
「非常に不足している/
図表
情報システム部門における人員の充足状況
0
20
40
60
25.9
経営戦略立案のための情報システムの企画・業務分析
80
50.6
100(%)
20.9
2.6
個別業務システムの企画・業務分析
18.7
52.7
プロジェクト管理
19.4
49.3
システム設計・開発
17.9
42.0
31.0
9.0
データベース設計・開発
17.5
42.1
31.2
9.2
ネットワーク設計・開発
17.3
41.8
32.5
8.4
セキュリティ技術
19.1
システム運用
13.3
システム監査
教育訓練
非常に不足している
42.4
やや不足している
38.1
47.8
21.9
ほぼ充足している
3.2
8.6
7.2
29.1
46.7
3.5
28.1
29.9
41.4
16.6
25.2
6.6
27.7
3.7
外注等が主で人員を抱えていない
(出典)「企業のICT活用現状調査」
(ウェブ調査)
70 平成17年版 情報通信白書
企業のICT利用
第3節
電子商取引の拡大
2
今後、携帯電話を対象とした電子商取引の拡大が予想
1
2
電子商取引市場の動向
事業者向け電子商取引の実施状況
我が国の平成15年の電子商取引の市場規模は、事業
事業者向け(B2B)の電子商取引については、
「企
者向け(B2B)は77兆円、一般消費者向け(B2C)は
業からインターネットを利用した調達を行っている
第
4.4兆円であり、12年と比べてB2B市場は3.5倍、B2C市
(調達)
」企業が42.8%、
「企業へインターネットを利
1
場は5.4倍と順調に拡大している。一方、米国では、
用した販売を行っている(販売)
」企業が27.0%とな
事業者向け(B2B)
、一般消費者向け(B2C)とも規
っている。米国では調達は68.6%、販売は34.4%、韓
模は大きいものの、伸び率は我が国より低く、特に事
国では調達は44.5%、販売は22.2%となっており、い
業者向けで伸び率が低くなっている(図表①、②)
。
ずれも米国の実施率が高くなっている(図表③)
。
図表①
図表②
(兆円)
150
120
10,042
10,104
10,717
90
77
60
30
0
(億円)
60,000
(億ドル)
15,000
12,296
22
平成12
34
12,000
日本B2B市場規模(左軸)
858
9,000
1,057
44,240
900
703
640
26,850
30,000
600
6,000
46
14
(億ドル)
1,200
45,000
15,000
3,000
13
消費者向け電子商取引(B2Ceコマース市場)
15(年)
14,840
0
0
300
8,240
平成12
13
日本B2C市場規模(左軸)
米国B2B市場規模(右軸)
0
15(年)
14
米国B2C市場規模(右軸)
※ 日本のB2Ceコマース市場規模には不動産関連取引分が含まれているが、米国
には含まれていない
※ 日本のB2Beコマース市場規模は全産業を対象としているが、米国は製造業及
び卸売業だけを対象としている
図表①、② 経済産業省、電子商取引推進協議会、NTTデータ経営研究所
「EC実態・市場調査」
及び米国Census Bureau資料により作成
図表③
電子商取引の実施状況(複数回答)
0
20
40
60
80(%)
42.8
企業からインターネットを利用した調達を行っている
68.6
44.5
27.0
企業へインターネットを利用した販売を行っている
34.4
22.2
日本
米国
韓国
図表③ (出典)
「企業のICT活用現状調査」
(ウェブ調査)
平成17年版 情報通信白書 71
u
J
a
p
a
n
の
胎
動
-
事業者向け電子商取引(B2Beコマース市場)
章
3
一般消費者向け電子商取引の実施状況
企業に対して、その実施形態を聞いたところ、他メデ
パソコンを対象とした電子商取引は、
「実施してい
ィアや実店舗等と連動した販売を行っているところが
第
る」企業が28.9%、「実施を予定又は検討している」
多くなっており、他メディア等との連動販売がその特
1
企業が18.3%であり、携帯電話等を対象とした電子商
徴と考えられる(図表⑤)
。
章
-
u
J
a
p
a
n
の
胎
動
取引は、
「実施している」企業が9.1%、
「実施を予定
携帯電話等を対象とした電子商取引のメリットとし
又は検討している」企業が25.6%となっている。携帯
ては、
「消費者が端末を常に持ち歩いていることから
電話等を対象とした電子商取引は、パソコンと比べて、
販売機会を逃しにくい」が43.0%と最も多く、次いで
実施率は3分の1程度と低いが、
「実施を予定又は検討
「若年層への販売が行いやすい」
(34.0%)
、
「メールマ
している」企業が多く、今後、その普及が進むものと
ガジン発行等により消費者との継続的なコミュニケー
考えられる。また、携帯電話等を対象とした電子商取
ションが行いやすい」
(30.4%)となっている(図表⑥)
。
引を「実施している」又は「実施を予定又は検討して
いつでも、
どこでもつながるという携帯電話等の特徴
いる」と回答した企業は、ほとんどがパソコンを対象
がメリットとして意識されていることがうかがえる。
とした電子商取引を「実施している」又は「実施を予
パソコン又は携帯電話等を対象とした電子商取引を
定又は検討している」と回答しており、パソコンと携
「実施している」又は「実施を予定又は検討している」
帯電話等の両方を対象とした電子商取引を実施する企
と回答した企業に対し、2003(平成15)年度と比較し
業が増加していくものと考えられる。
米国では、
パソコ
て市場規模がどの程度拡大するか聞いたところ、2004
ンを対象とした電子商取引の実施率が日韓より高く、 (平成16)年度は約2倍、2006(平成18)年度は約3倍
また、
韓国では我が国と似たような状況となっている
となった。米国及び韓国の企業にも同様に聞いたとこ
ろ、米国では低めの予測となった一方、韓国ではほぼ
(図表④)
。
携帯電話等を対象とした電子商取引を実施している
図表④ パソコン、携帯電話等を対象とした電子商取引
の実施状況
0
パソコンを対象とした
電子商取引
20
日本
米国
韓国
日本
40
28.9
9.1
6.3
4.9
8.3 12.4
48.6
20.5
図表⑤ 携帯電話等を対象とした電子商取引の実施形態
(複数回答)
100(%)
0
実店舗と連動した販売
その他
68.6
80
100(%)
21.0
28.1
イベント等と連動した販売
実施を検討している
実施を予定している
60
27.5
テレビと連動した販売
16.3
0.3
他のメディア等と連動した販売は行っていない
実施している
40
86.2
雑誌や新聞等と連動した販売
54.5
71.4
8.4 8.2 14.8
20
インターネットと連動した販売
65.3
5.1
携帯電話等を対象とした
米国 12.7 2.213.7
電子商取引
韓国
80
52.9
40.2
24.9
60
14.4
3.9
日本と同様の予測となった(図表⑦)
。
7.4
実施しない
図表⑥ 携帯電話等を対象とした電子商取引のメリット
(複数回答)
図表⑦ パソコン、携帯電話等を対象とした電子商取引
の売上高予測
(倍)
4.0
0
20
消費者が端末を常に持ち歩いている
ことから販売機会を逃しにくい
43.0
34.0
30.4
26.7
26.5
18.6
若年層への販売が行いやすい
メールマガジン発行等により消費者との継続的な
コミュニケーションが行いやすい
対象者に応じた広告等One to Oneプロモーション
を行いやすい
少額決済が行いやすい(通信事業者による
料金回収代行が利用できる)
雑誌やテレビ、実店舗等の他のメディアと
連動した販売が行いやすい
その他
特にない
40
0.4
22.1
60(%)
3.0
2.0
1.0
1.00
2003
2.68
2.32
2.26
2.17
1.60
1.18
2004
3.56
3.21
2.83
1.98
1.88
2006 (年度)
※ パソコン通販:パソコンを対象とした電子商取引を「実施している」
、
「実施を
予定している」
、
「実施を検討している」と回答した企業
モバイル通販:携帯電話等を対象とした電子商取引を「実施している」
、
「実施
を予定している」
、
「実施を検討している」と回答した企業
日本(パソコン通販)
米国(モバイル通販)
日本(モバイル通販)
韓国(パソコン通販)
米国(パソコン通販)
韓国(モバイル通販)
図表④∼⑦ (出典)
「企業のICT活用現状調査」
(ウェブ調査)
72 平成17年版 情報通信白書
企業のICT利用
3
第3節
企業規模によるICT利用格差
インターネット利用を除き企業規模によるICT利用格差が依然存在
企業のICT利用は着実に進展してきたところである
が、従業員規模別に主なICT利用項目を比較すると、
規模の大小により利用状況に格差が見られる。
まず、企業通信網等に接続している端末を従業員1
人に1台以上配備している割合は、従業員数が100∼
299人の企業では33.9%にとどまるが、2,000人以上の
が、2,000人以上の企業では95.0%とほぼすべての企業
で構築されている(図表②)
。
また、電子商取引(B2B、B2C)の実施状況につい
第
ては、100∼299人の企業では36.9%であるが、2,000人
1
なお、インターネットの利用率については、全社的
次に、企業内通信網(LAN)を全社的に構築してい
すべての階層の企業で100%近くとなっており、規模
る企業の割合は、100∼299人の企業では61.2%である
による格差は解消されつつある(図表④)
。
図表① 企業通信網等への接続端末の従業員規模別
配備率(1人に1台以上)
図表②
20
40
企業内通信網(LAN)の従業員規模別構築率
0
60(%)
100∼299人
33.9
100∼299人
300∼499人
34.3
300∼499人
52.5
2,000人以上
74.1
0
20
40
100(%)
21.2
11.3
90.5
8.5
95.0
2,000人以上
図表④
80
86.7
全社的に構築
図表③ 電子商取引(B2B、B2C)の従業員規模別
実施率
60
25.4
1,000∼1,999人
45.1
1,000∼1,999人
40
61.2
500∼999人
46.1
500∼999人
20
4.1
一部の事業所又は部門で構築
従業員規模別インターネット利用率
0
60(%)
20
40
68.4
60
80
100(%)
29.6
100∼299人
36.9
100∼299人
300∼499人
38.0
300∼499人
500∼999人
39.4
500∼999人
80.9
18.4
1,000∼1,999人
82.2
17.5
2,000人以上
81.8
18.0
1,000∼1,999人
2,000人以上
48.7
53.7
全社的に利用
74.7
22.1
一部の事業所又は部門で利用
図表①∼④ 総務省
「平成16年通信利用動向調査」
により作成
平成17年版 情報通信白書 73
u
J
a
p
a
n
の
胎
動
-
な利用と一部の事業所又は部門での利用を合わせると
企業では52.5%と半数以上に上る(図表①)
。
0
章
以上の企業では53.7%にまで高まる(図表③)
。
4
ICTを活用した新ビジネスの拡大
インターネットビジネス市場は急速に拡大
インターネット利用者の増加に伴い、インターネッ
2
インターネット証券
トを利用した新たなビジネスがこの5年程度の間に急
インターネット証券口座数は、平成11年10月の29.7
第
速に拡大しており、我が国の経済社会において大きな
万口座から16年9月には581.5万口座となり、5年間で20
1
位置を占めつつある。
倍と極めて高い伸びとなっている(図表②)
。また、
章
-
u
J
a
p
a
n
の
胎
動
インターネット取引金額は、平成11年(10月∼翌年9
1
インターネット広告
月)の11.5兆円から15年(10月∼翌年9月)には115.7
インターネット広告費は、平成11年の241億円から
兆円となり、4年間で10倍と急増している。これに伴
16年には1,814億円となり、5年間で7.5倍と急成長して
い、全取引額に占めるインターネット取引の割合も増
いる。また、総広告費が伸び悩んでいる中で、総広告
大し、平成15年(10月∼翌年9月)には23.6%となって
費に占めるインターネット広告費の割合は増加すると
いる(図表③)
。このような急成長を遂げた要因の一
ともに、平成16年にはラジオ広告費(1,795億円)を
つとして、平成11年10月からの証券取引手数料の自由
上回り、テレビ(2兆436億円)
、新聞(1兆559億円)
、
化により、インターネット専業証券会社は窓口業務コ
(注1)
雑誌(3,970億円)
に次ぐ広告メディアとなってい
ストがかからないなど低コスト経営の強みを活かし、
る(図表①)
。
格安の手数料でサービスを提供することが可能となっ
たことが挙げられる。
図表①
インターネット広告費
(億円)
2,000
1,814
1,500
500
0
6
1,183
1,000
590
241 0.4% 1.0%
平成11
12
735
845
1.2%
1.5%
13
14
インターネット広告費(左軸)
(%)
8
3.1%
4
2.1%
2
15
0
16(年)
総広告費に占める割合(右軸)
電通資料により作成
図表②
インターネット証券口座数
図表③
(万口座)
800
インターネット取引金額
(%)
80
(兆円)
160
581.5
600
355.3
400
115.7
120
40
80
248.2
200
46.3
40
132.6
11.5 2.5%
29.7
0
平成11年10月 12年9月
13年9月
60
424.9
14年9月
15年9月
16年9月
0
19.2 6.8%
27.1
9.8%
23.6%
20
15.7%
平成11年10月 12年10月∼ 13年10月∼ 14年10月∼ 15年10月∼
∼12年9月
13年9月
14年9月
15年9月
16年9月
0
インターネット取引金額(左軸)
全取引金額におけるインターネット取引の割合(右軸)
図表②、③ 日本証券業協会
「インターネット取引に関する調査」により作成
(注1)電通資料より
74 平成17年版 情報通信白書
企業のICT利用
3
インターネット銀行
第3節
ション事業を行っている大手2社(注4)の当該事業に係
インターネット専業銀行4行(注2)の口座数及び預金
る売上高合計は、平成14年度の236.8億円から16年度に
残高は、平成13年度末の82.6万口座、1,937億円から15
は586.6億円となり、2年間で2.5倍に拡大している(図
第
年度末には199.3万口座、7,202億円となり、2年間で口
表⑤)
。また、2社のインターネットショッピングモー
1
座数は2.4倍、預金残高は3.7倍に拡大している(図表
ルの店舗数は、平成14年末の6,401店舗から16年末は
(注3)
④)
。我が国の個人預金残高(539.2兆円)
に占め
13,397店舗と2年間で2.1倍となっている(図表⑥)
。さ
る4行の預金残高の割合は0.13%とまだ1%にも満たな
らに、ヤフーオークションへの出品件数は平成14年度
いが、インターネットバンキングは手数料の安さとイ
の3,394万件から16年度は8,193万件と2年間で2.4倍とな
ンターネット上で決済手続を完了できる利便性から、
っている。なお、米国の大手インターネットショッピ
今後、更に利用が拡大していくものと予想される。
ング事業者であるAMAZON.COMの2004(平成16)年
4 インターネットショッピング、インターネット
オークション
また、大手インターネットオークション事業者である
eBayの2004年の米国内での売上高は18.9億ドル(約
インターネットによるショッピング事業及びオーク
2,036億円)にも達している。
図表④ 主なインターネット専業銀行4行の預金残高及び口座数
(万口座)
200
199.3
82.6
100
50
9.7
0
390.8
平成12
13
図表⑤ ネットショッピング、ネットオークション
事業売上高(大手2社の合計)
(億円)
600
586.6
392.5
2,000
14
15(年度)
0
口座数(左軸)
図表⑥
ショッピングサイトの店舗数(大手2社の合計)
(店)
15,000
13,397
8,806
10,000
6,401
236.8
5,000
200
0
6,000
4,000
3,943.9
1,936.8
預金残高(右軸)
400
7,202.0
143.7
150
(億円)
8,000
平成14
15
16(年度)
0
平成14
15
16 (年末)
図表④∼⑥ 各社資料により作成
(注2)ジャパンネット銀行(平成12年10月営業開始)、アイワイバンク銀行(平成13年5月営業開始)、ソニー銀行(平成13年6月営業開始)、イーバ
ンク銀行(平成13年7月営業開始)
(注3)個人の国内銀行普通預金、定期預金、郵便貯金の残高(平成16年3月末)。日本銀行資料、日本郵政公社資料より
(注4)ヤフー、楽天
(注5)1ドル=107.74円(平成16(2004)年平均値)で換算
平成17年版 情報通信白書 75
u
J
a
p
a
n
の
胎
動
-
の米国内での売上高は38.5億ドル(約4,148億円(注5))
、
章
5
携帯電話向けコンテンツビジネス
(図表⑦)
。
NTTドコモが平成11年2月に開始したiモードサービ
なお、当初は、着信メロディー、待受画面、有料情
第
スを契機に、携帯電話向けコンテンツビジネスが立
報配信などのコンテンツが主であったが、第3世代携
1
ち上がった。主な携帯電話向けコンテンツ事業者15
帯電話の普及などに伴い、映像、ゲーム等のリッチコ
社(注6)の売上高は、平成13年度の562億円から16年度
ンテンツの配信も行われるようになっている。
章
には1,694億円
となり、3年間で3倍に拡大している
(注7)
-
u
J
a
p
a
n
の
胎
動
図表⑦
携帯コンテンツビジネス事業者の売上高(大手15社の合計)
(億円)
1,800
1,694
1,500
1,143
1,200
900
600
810
562
300
0
平成13
14
15
16(年度)
※ 決算月が各社異なる。決算年度は各年10月から次年9月までに決算を迎える年度のこととした。例えば、平成16年10月から17年9月までに決算を迎える年度
を16年度とした
各社資料により作成
(注6)インデックス、ドワンゴ、MTI、サイバード、フォーサイド、バンダイネットワークス、サミーネットワークス、ジグノシステムジャパン、
ジー・モード、イマジニア、日本エンタープライズ、デジタルアドベンチャー、メディアシーク、ネットビレッジ、ケイブ
(注7)フォーサイド以外の14社については売上見通し
76 平成17年版 情報通信白書
企業のICT利用
コラム
Column
3
第3節
ICTを利用した新規サービス・ビジネス事例
ICTならではのサービスで、ユーザーの利便性が向上
1 企業連携によるワンストップサービス
力すると、最後に手続完了がメールで通知される
というものである(図表②)
。当該サイトで一括手
数件の手続が必要となるが、電力事業を行う某企
続を行える連携事業者数は13社となっており、ま
業では、こうした手続を一括して行えるサイトを
た、当該サイトでは、ネット上で引越手続ができ
設けている(図表①)
。具体的には、まず、利用者
る他の事業者のサイトへのリンクも張られている。
が住所を入力すると事業者の一覧が表示され、次
当該サイトの利用者数は、平成16年度は約5万人と
に利用者は氏名、電話番号など各事業者に共通す
14年の2.3倍に伸びている。
る事項を入力し、続いて各事業者の個別情報を入
図表①
一括引越手続の概要
図表②
一括引越手続の流れ
引越が決まったら、同じような移転連絡手続きを繰返している。
A電力会社、B電力会社
Cガス会社、
Dガス会社
○月×日にAAから
BBに引越します。精算
は口座振替でお願い
します
1
E水道、
F水道
一般のご家庭で、1回のお引越しで少なくとも十数
事業者に連絡する必要があります。例えば、電気×
2+ガス×2+水道×2+NTT+NHK+マイライン×
(ご契約数)+銀行×(お持ちの口座数)+クレジット
カ ー ド ×( お 持 ち の カ ー ド 数 )+ プ ロ バ イ ダ + …
2
NHK
連絡する事業者の
入力が完了すると、申込番号を
検索結果が表示されます。 メールでお知らせします。
Zカード会社
●インターネットを活用した引越手続き一元化ポータル
引越元、引越先等
を入力して自分だけの
移転情報を
つくります
共通の移転情報
入力
(連絡先のご紹介)
住所を入力すると
事業者の検索を行います。
X銀行
申込
メール
3
事業者一覧表示
住所入力
4
通知完了
メール
5
A電力会社
インターネット
通知受付完了
事業者個別情報入力
Bガス会社
C水道
事業者個別の移転情報を
入力して、通知申込を行って
ください。
NHK
事業者への移転情報通知が
完了すると、結果をメールで
お知らせします。
Dプロバイダ
Eカード会社
2 「クチコミ」情報のデータベース化
年齢、肌質などの)会員登録を必要とし、商品に
化粧品を対象としたサイトを運営する某企業は、 関係の無い書き込み、誹謗・中傷等は絶えず消去
当該サイトにおいて、種々の化粧品に対する消費
している。これによって、例えば、
「ある商品は全
者の感想等を記入できるようになっており、その
体的に評価が低いが、ある年齢層に限定すると評
「クチコミ」情報をデータベース化している。
価が高い」といった精度の高い情報が得られ、こ
クチコミ情報は書き込んだ人とその商品に紐づ
れをマーケティング、プロモーション等に活用し
く横断型のデータベースとなっており、消費者の
ている(図表③)
。
「人に情報を伝えたい」という意識とインターネッ
当サイトの会員数は平成16年度末で52万人とな
トの手軽さが相乗効果をなし、多くの情報がサイ
り、月平均のページビューは9,000万以上、
「クチコ
トに書き込まれている。また、
「クチコミ」の質を
ミ」件数は累計で260万件に上っている。
維持するため、書き込む場合には(ニックネーム、
図表③
事業コンセプト
知りたい
伝えたい
買いたい
ユーザー
●クチコミ情報
●商品データベース
●全国お店マップ
●新製品カレンダー
●ぴったりサーチ
●ショッピング
・
・
・
商品情報●
プロモーション●
マーケティングリサーチ●
新製品リリース●
販売支援●
・
・
・
第
1
章
u
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p
a
n
の
胎
動
-
引越の際には、電気、ガス、水道、電話など十
伝えたい
知りたい
売りたい
企業
最適なSolutionの提供
図表①∼③ (出典)当企業資料
平成17年版 情報通信白書 77
日米韓におけるICT利用状況の比較
5
テレビ会議システム、テレワーク等のICT利用で米国が進んでいる
(1)LAN導入率は日米韓とも100%に近く、WAN導入
となっている(図表②)
。
率は日米韓とも8割程度となっている。また、エ
(3)リモートアクセスの実施率は、米国がパソコンで
第
クストラネットの導入率は米国が78.5%と一番高
88.2%、PDAで50.2%、携帯電話で30.9%といずれ
1
く、日韓は5割強となっている(図表①)
。
も一番高くなっている(図表③)
。
章
一番高く、次いで日本(50.8%)
、韓国(32.6%)
(4)携帯電話等の利用率は、日米は7割弱で並んでお
り、韓国は29.6%となっている(図表④)
。
-
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J
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p
a
n
の
胎
動
(2)テレビ会議システムの導入率は、米国が76.4%と
図表①
LAN、WAN、エクストラネット導入状況
図表②
(%)
100
テレビ会議システムの導入状況
0
20
40
60
80
100(%)
12.3 12.1 11.6
日本
80
22.0
23.4 21.3
84.6 83.9 85.5
25.1
28.7
60.0 55.8 55.1
日本 米国 韓国
事業所内通信網
(LAN)
26.3
日本 米国 韓国
事業所間通信網
(WAN)
韓国
14.1
全社的に導入している
一部の事業所又は部門で導入している
LAN、WANへの社外からの接続状況
0
携
帯
電
話
日本
米国
韓国
携 日本
︵帯
P情
D 報 米国
A端
︶ 末 韓国
パ
ソ
コ
ン
20
40
25.3
60
30.9
18.2
31.6
日本
米国
韓国
0
100(%)
20
40
60
80(%)
46.5
日本
65.8
62.6
18.4
50.2
21.7
携帯電話等利用状況
56.9
22.6
19.2
図表④
80
17.9
18.5
エクストラ
ネット
全社的に導入している
一部の事業所又は部門で導入している
図表③
50.1
30.5
24.9
日本 米国 韓国
米国
50.3
20
0
30.7
28.2
60
40
20.1
50.0
19.7
22.7
30.1
米国
67.4
55.5
70.9
88.2
77.5
8.5
4.8
20.7
7.0
韓国
29.6
7.3 15.2
接続できる
接続できないが、具体的に接続する予定がある
接続できないし、具体的な予定もない
図表①∼④ (出典)
「企業のICT活用現状調査」
(ウェブ調査)
78 平成17年版 情報通信白書
企業のICT利用
(5)テレワークの導入率は、米国が68.9%と一番高く、
第3節
き換えを検討」が日本は45.6%、韓国は43.6%、
次いで韓国(21.2%)
、日本(14.7%)となってい
米国は36.4%、
「メインフレームを継続利用」が
る(図表⑤)
。
米国は34.7%、日本は31.8%、韓国は26.0%となっ
第
ている(図表⑦)
。
1
(6)サーバー用OSでのオープンソースソフトウェア
OSの利用率は、米国が33.0%と一番高く、日韓は
(8)ASPサービスの利用率は、韓国が24.4%で一番高
く、次いで米国(20.5%)
、日本(12.6%)となっ
21.0%となっている(図表⑥)
。
「全面的にオープンシステムへ置き換え/置き換え
を検討」が韓国は21.9%、米国は20.1%、日本は
ており、iDCの利用率は、韓国が27.9%で一番高
く、次いで日本(12.5%)
、米国(10.8%)となっ
ている(図表⑧)
。
17.7%、
「一部をオープンシステムへ置き換え/置
図表⑤
テレワーク導入状況
0
日本
20
14.7
40
60
19.6
21.2
80
100(%)
65.8
68.9
米国
韓国
図表⑥ サーバー用OSでのオープンソースソフト
ウェアOS(Linux、FreeBSD等)の利用状況
日本
10.5
17.7
0
20.5
米国
61.1
韓国
0
メインフレームのオープン化の状況
20
日本 4.95.3 12.4
米国 8.8 6.6 13.5
韓国 8.5 10.2 11.7
40
60
22.6
80
23.0
17.0
19.4
31.1
34.7
12.5
図表⑧
100(%)
31.8
26.0
もともとオープンシステムで構築
全面的に置き換え済み
全面的な置き換えを検討
メインフレーム・オープンシステム併用中
メインフレーム・オープンシステム併用を検討
メインフレーム継続利用
21.0
40
7.6 14.6
33.0
21.0
60
5.7
4.7
12.9
80
22.1
20.2
10.6 9.8
25.8
16.8
現在、利用している
利用を検討している
利用は考えていない
導入している
導入していないが、具体的な導入予定はある
導入していないし、具体的な導入予定もない
図表⑦
20
100(%)
14.5
15.2
33.1
11.5
利用を予定している
検討はしていないが関心がある
わからない
ASPサービス、iDCの利用状況
0
20
40
60
80
100(%)
A 日本 12.6 5.8 10.2 16.1
35.0
20.2
S
4.0
P
サ 米国
5.66.8
35.6
27.5
20.5
ー
3.9
ビ
9.3 14.0
38.8
9.7
24.4
ス 韓国
4.1
9.2 12.7
日本 12.5
40.6
20.9
4.7
4.6
i
D 米国 10.8 4.8
50.2
24.9
C
3.4
6.9
韓国
27.9
9.2 13.9
38.6
現在利用している
利用を検討している
利用は考えていない
利用を予定している
検討はしていないが関心がある
わからない
図表⑤∼⑧ (出典)
「企業のICT活用現状調査」
(ウェブ調査)
関連ページ 情報システムの導入状況はP62、電子商取引の状況はP71、無線LANの導入率はP88、IPv6への対応状況はP90を参照
平成17年版 情報通信白書 79
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J
a
p
a
n
の
胎
動
-
(7)メインフレームシステムのオープン化については、
章
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