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SATA の価値を最大にする SAS コントローラ

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SATA の価値を最大にする SAS コントローラ
ストレ ージソリューション ホワイトペ ー パ ー
SATA の価値を最大にする SAS コントローラ
目次
はじめに ........................................................................................ 1
背景:シリアルの共生環境 ............................................................ 1
SATA の価値を最大にする SAS/SATA ........................................... 1
より少ないケーブルで、より大きなドライブを実現 .................. 1
ドライブ当たりのコストが鍵.................................................... 2
バックプレーンの優位性 ............................................................... 3
膨大なスケーラビリティを実現する JBOD .................................... 3
SAS 標準の SATA ドライブ ............................................................ 4
結論 ............................................................................................ 4
はじめに
しました。
シリアル ATA (SATA) のディスクドライブは、
これまでも常に高い
コスト効果を示してきましたが、最近の性能向上 (3Gb/s) や容
ストレージ効率のリーダーとして
量拡大 (最大 750GB) により、
SATA の地位はさらに 揺るぎないものになりました。もちろん、
SATA ドライブは独立で動作するものではありません。SATA ドラ
イブを最適な環境の中で活用することは、
その価値を最大にす
るための鍵となります。
このため、SAS のケーブル、
コネクタ、HBA、RAID コントローラ
は、SATA および SAS ドライブと完全に互換となっています。その
上、SAS コントローラは SATA ドライブを識別し、
シームレスに通
信を行います。
これにより、SAS コントローラは、SATA コントロー
ラと同等の効率で SATA コマンドを発行することができます。
アダプテックのユニファイドシリアル (Unified Serial™) アーキ
テクチャによるストレージモデルは、エンタープライズにおけ
る SATA ディスクドライブベースソリューションのスケーラビリテ
ィ、性能、信頼性を大きく拡張します。SATA とシリアルアタッチ
ド SCSI (SAS) との互換性を最大限に活かすアダプテックの SAS
RAID コントローラの総合的製品ラインアップは、SATA ストレー
ジの価値に新たな標準を設定します。
背景:シリアルの共生環境
SATA は、
ストレージ業界がシリアルインタフェースに適用した互
換性に対する、
より進歩的で先見性のある戦略の恩恵を受けて
います。対照的に、
パラレル SCSI とパラレル ATA (PATA) 標準
が何年も前に設定されたときには、互換性に対してあまり考慮が
払われませんでした。その結果、
これら 2 つのストレージインタ
フェースは、双方ともパラレルアーキテクチャを採用しているに
もかかわらず、完全に非互換となっていました。
SAS の開発は、SATA 1.0 標準の設定後に始まりました。SAS 標
準の策定者たちは、エンタープライズにおける SATA の増大す
る役割の意味合いをよく理解していました。したがって、SATA
との互換性が SAS の主要機能となり、SAS および SATA のドラ
イブが同じエンタープライズクラスのストレージ基盤を共有す
ることによって、多くのシナジー (経済的にも物理的にも) が実現
エンタープライズでは、SATA と SAS は異なった役割を演じま
す。これら 2 つの技術は競合するのではなく、補完的な関係にあ
SATA ディスクドライブは低価格/小容量用途に向いて
ります。
おり、SAS ドライブはトランザクション用で高可用性のアプリケー
ション向けに作られています。両方が合わさって、同一環境の中
でエンタープライズストレージの広範なニーズを効率的に満た
します。これがアダプテックのユニファイドシリアルアーキテクチ
ャの主目的ですが、利点はこれにとどまりません。
SATA の価値を最大にする SAS/SATA
SAS および SATA ドライブを、同一環境で自由に組み合わせて
使えることは、
ストレージ効率を飛躍的に高めるものですが、
ユ
ニファイドシリアルアーキテクチャは、SATA ドライブだけを使用
するストレージソリューションにおいても同等の価値を生み出し
ます。ほとんどの SATA ドライブベースのストレージソリューショ
ンは、次の 3 つの構成に分けることができます。サーバと 1 対 1
で直接接続、
サーバの内部バックプレーン接続、JBOD 上の外部
バックプレーン接続。
より少ないケーブルで、
より大きなドライブを実現
最も簡単で単純な構成は、1 対 1 接続です。
各 SATA ドライブは
1 つのコント
対応するサーバ上のコントローラに接続されます。
ローラポートに、1 台のドライブという構成です。ドライブの接続
ケーブルの多さがシ
ごとに、別の SATA ケーブルが必要となり、
ャーシのスペースを無駄にし、冷却効率を低下させます (図 1)。
ストレ ージソリューション ホワイトペ ー パ ー
SATA の価値を最大にする SAS コントローラ
2
問 題 の 多 いポ ートマルチプライヤ
.
SATA II の仕様にはポートマルチプライヤ (PM) が含まれていま
す。これはハブのようなデバイスで、各 PM 機能のある SATA ホ
ストコントローラのポートに 15 台までのドライブを接続するこ
とができるものです。しかし残念ながら、PM には重大な欠点が
あります。
互換性 — ポートマルチプライヤには、その仕様をサポートする
SATA II ホストコントローラが必要で、それ以前の SATA 1.0 は交
換しなければなりません。
図 1.
しかし、増え続けるデータの山を収容するのに、
より多くの SATA
ドライブが必要になったらどうすればよいのでしょうか。特に拡
張性が考慮されていない、8 ポート SATA コントローラにさらに
ドライブを追加することは、非経済的です。
よりポート数の多い
高密度コントローラカードに置き換えるか、効率の悪いポートマ
ルチプライヤ (囲み記事参照) を追加せねばなりません。
SAS コントローラは、
この 1:1 のポート・ドライブ制約を、エクス
パンダテクノロジを活用して解消します。8 ポート SATA コント
ローラの最大 8 台のドライブ制約に対し、8 ポート SAS コント
ローラは、
ポート当たり最大 128 台の SATA や SAS ドライブの
接続をサポートします。内部ポートに加え、SAS コントローラに
外部ポートを追加すると、エンクロージャ外に外部ドライブを何
10 台と接続することが文字通り、
ワンタッチでできます。
SAS コントローラの内部ドライブ接続には SFF-8484 コネクタが
使われ、
その各々が 4 本の SATA ドライブ用の SFF-8482 に展開
「マル
します。したがって、8 台のドライブを接続するには 2 つの
チレーン」SFF-8484 コネクタで済むことになります。この空間効
率のよいコネクタにより、
コントローラボードはハーフサイズで済
み、
サーバ内でのケーブルも少なくて済むことから、冷却効率が
高まります (図 2)。
connectors for the SATA drives. Thus connecting eight drives
only requires two multilane SFF-8484 connectors. These spaceefficient connectors enable half-size controller boards and less
cabling, which improves airflow within the server and boosts
system cooling (Figure 2).
図 2.
スケーラビリティ — ポートマルチプライヤはデイジーチェーンで
相互接続することができず、柔軟性と拡張性に制約があります。
ドライブ数が増大すると PM のコストは急速に禁止的に高くなり
ます。例えば、8 ポート SATA コントローラ経由で 100 台のドラ
イブを接続するには、7 つのポートマルチプライヤが必要になり
ます (これにはコントローラポートを 7 つ使ってしまいます)。
パフォーマンス — ポートマルチプライヤは、同時に 1 つのアク
ティブホスト接続しかサポートしません。これは、実質的なスルー
プットを著しく低下させます。ドライブで通信が開始される度に、
時間のかかるドライブリセットを行わなければなりません。
データの整合性 — PM はドライブの接続を開始するには、もう
1 つのドライブの接続を閉じなければなりません。接続を閉じる
と、
ドライブ履歴 (例えば、データソース、あて先ドライブ、データ
およびコマンドの内容) は失われます。開始する接続ごとに誤識
別による、違うドライブへのデータ転送の危険が増大します。
ドライブ当たりのコストが鍵
8 ポート SAS コントローラ (約 $600) は多数のドライブをサポー
トします。 内部コネクタだけの場合、8 ポートコントローラは直
接 8 台までのドライブに接続でき、エクスパンダを使用すれば
さらに多くのドライブを接続できます。 外部コネクタを使用する
と、8 ポートコントローラには JBOD の拡張機能により、128 台ま
でのドライブが接続できます。ここでの議論のため、
コントロー
ラが内部および外部コネクタの双方とも備えており、内部ドライ
ブが 8 台、外部ドライブが 12 台の構成をとった場合を想定する
と、
ドライブ当たりのコストは $30 (あるいはそれ以下) で SATA
コントローラに比べ、40 パーセントも安価です。
SATA はポイント対ポイント接続を使用するので、SAS コントロー
ラの拡張性は SATA コントローラには望めません。 SATA ドライ
ブはコントローラ上の SATA コネクタに 1 対 1 で接続しなけれ
ばなりません。
つまり、4 ポート SATA コントローラは 4 台までの
ドライブ、8 ポート SATA コントローラは 8 台までのドライブしか
接続することができません。
これは SATA コントローラを購入す
る前に、何台のドライブを接続するか、分かっている必要がある、
ということを意味します。
そうでなければ、
ハードウェアの追加コ
ストがかかってしまいます。
現実の世界では、エンタープライズに溢れるデータを収容する
ため、
ドライブ数は常に増え続けます。SATA コントローラでは、
ストレ ージソリューション ホワイトペ ー パ ー
SATA の価値を最大にする SAS コントローラ
3
多くの追加ドライブを効率よく高いコスト効果をもって接続する
ことができません。
そのため、却って割高になります。ディスクド
ライブコントローラの価値の決め手は、初期購入コストではなく、
ドライブ当たりのコストです。
さらに空間に制約のある環境では、SAS コントローラおよびバッ
クプレーンの接続に、SFF-8087 ミニコネクタを使用することがで
きます (図 4)。
ドライブ当たりのコスト SAS 対 SATA コントローラ
コスト概算
接続ドライブ数
SAS コントローラ
(8 ポート)
$600
内部 8 台、
外部 12 台
(典型的な数字、最大 128 台)
SAS コントローラ
(8 ポート)
$400
内部 8 台、外部 0 台
(ポートマルチプライヤが必要)
ドライブ当たり
のコスト
$30 (以下)
$50
SAS コントローラには、コスト効果以外にも多くの利点があり
ます。
図 4.
• パフォーマンス
SAS エクスパンダは、真のエンタープライズクラスの高速ス
イッチです。
ドライブ数が増え続けても高スループットを維持
し、多くの起点と終点を結ぶ同時通信を可能とします。
• 信頼性
SATA ドライブは、
シングルポートで自動フェイルオーバーの
機能がありません。
ドライブのホストコントローラに障害が生
じるとドライブとの通信は途絶えてしまいます。SAS ドライブ
には、24 時間 365 日の厳しいエンタープライズストレージ
環境に適合する機能が作り込まれており、本質的に SATA ド
ライブより堅固な設計です。
これはバックアップコントローラ
がない環境では非常に重要な点です。
• データ整合性
SAS エクスパンダのルートテーブルには、接続されたすべ
ての SATA および SAS ドライブのアドレスが含まれており、
SAS ドメイン上のどこにあってもその位置が迅速に特定さ
れ、
データ送出が行われます。これは、
データの送出先ドラ
イブの誤りによるデータの喪失リスクを、大幅に削減します。
バックプレーンの優位性
1 対 1 接続より洗練された接続構成をとる内部 SAS/SATA バッ
クプレーンは、多くの SATA ドライブを接続するのに必要なコ
ネクタおよびケーブル数を減らすことで、SAS コントローラの効
率を引き継いでいます。例えば、
コントローラ上の 1 つの SFF8484 コネクタとバックプレーン上の同コネクタの接続で、4 台の
内部ドライブをシームレスにサポートします (図 3)。
どの SAS コネクタを使うかにかかわらず、SAS/SATA バックプ
レーンには、
さらなる付加価値が盛り込まれています。
ドライブ
ドライブの活線挿抜のた
情報を提供し、温度と LED を管理し、
めの簡単な論理さえも取り込んだ、多機能 SEP チップが搭載さ
れています。
しかし、恐らく SAS/SATA バックプレーンの最も重要な機能は、
デイジーチェーンにより相互接続し、簡単にドライブ拡張ができ
ることでしょう。Xtore 社は SAS/SATA バックプレーンの価値を
いち早く認識し、SAS および SATA 環境を双方ともサポートする
ストレージサーバを開発しました。さらなるドライブが必要にな
ったら、使われているバックプレーンにもう 1 枚のバックプレー
ンを単に縦列接続するだけで済みます。
このバックプレーンは、内部ケーブルの乱雑を解消し、大量のド
ライブを要するサーバ環境におけるエレガントなソリューション
と言えます。より重要なのは、単一 SAS コントローラに接続し、
素晴らしい拡張性をもたらすことです。その結果、SAS コント
ローラのドライブ当たりのコストは、
どんな SATA コントローラに
比べても数分の 1 に低減されます。
膨大なスケーラビリティを実現する JBOD
データの絶対量が、多数のドライブを必要とするときには、JBOD
は効率的でコスト効果の高いソリューションです。SAS コント
ローラにおいては、外部ストレージ専用に設計された追加ポー
トにより、JBOD への接続が簡単にできます。したがって、8 ポー
トの SAS コントローラが搭載されたタワー型のサーバは、数台
の内部ドライブ以外に、1 台あるいはそれ以上の JBOD エンク
ロージャに収容された、何十台もの外部ドライブをサポートでき
ます (図 5)。
IN
図 3.
OUT
IN
図 5.
OUT
ストレ ージソリューション ホワイトペ ー パ ー
SATA の価値を最大にする SAS コントローラ
4
Xtore 社 (www.aicpc.com) のような主導的エンクロージャメー
この環境に最適化した
カは、SAS/SATA 基盤の利点を採り入れ、
バックプレーンを開発しました。これはストレージの管理者に多
大なる恩恵をもたらします。
単一の SAS ドメインに収容できるデ
バイスの理論的制約は 1 万 6 千台以上というこの方式により、
SAS/SATA JBOD のスケーラビリティは、実質的に無制限となり
ます。
SAS 標準の SATA ドライブ
SAS インフラが、サーバと JBOD ストレージのニーズを満たす
よう発展すると共に、SATA ドライブも進化しました。 すべての
SATA II ドライブは、SAS コントローラで使用できますが、Seagate
社の Barracuda ES は SAS/SATA 環境で使用するのに最適化さ
れた、新たなクラスの SATA ドライブです。 最大、750GB の容量
をもつ Barracuda ES は、SAS ドライブのパフォーマンスに見合
うブレークスルーの大容量ドライブです。 Barracuda ES は、従
来のデスクトップクラスの SATA ドライブに比べ高信頼性を実現
し、24 時間 365 日運転をサポートします。 強化された誤り補正、
回転振動に対する高耐性 (SAS/SATA マルチドライブソリューシ
結論
SATA ディスクドライブは、その低価格、大容量、パフォーマン
スによって企業アプリケーションを席巻しました。したがって、
SATA ドライブの素晴らしい価値を、SATA コントローラではな
く、
ユニファイドシリアルコントローラによって最大化することは
理にかなっています。
SAS は SATA ドライブとのシームレスな互換性を提供するよう、
特に設計されたものです。
それによって、SAS コントローラは
SATA の活用において、
より大きな拡張性とドライブ当たりのコス
ト優位性をもたらしました。SAS 標準の革新的な SATA ドライブ
テクノロジーと相俟って、SAS/SATA システムはこれまで以上に、
実際の用途に適用可能となっています。簡単に言うと、SATA ド
ライブはユニファイドシリアルソリューションの SAS コントロー
ラと組み合わせて使えるようになったことで、
その導入価値はさ
らに高まったと言えます。
ョンに共通) により、単一のシステムに何十台も高密度実装して
もシステムパフォーマンスを維持します。
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