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(魚の斃死(へいし))に伴う

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(魚の斃死(へいし))に伴う
平成 25 年 4 月 24 日
天竜川水系水質保全連絡協議会
お知らせ
天竜川における水質事故(魚の斃死)に伴う
(第2回)緊急下流部会の開催結果について
1.
概要
本年4月1日午前、天竜川の支川八幡川の八幡樋管下流(浜松市浜北区八幡、天竜川
の本流合流部手前の約300m)において、稚アユ等が約1万匹へい死し、その後、2日午
後、約千匹、6日午前、約千匹のへい死が確認されました。
これを受け、稚アユ等のへい死の原因究明に向け、水質及びへい死魚類の分析結果が
整理でき、各関係機関と連携した今後の取組について調整するため、4月24日10時より、
国土交通省 浜松河川国道事務所(協議会事務局)において、天竜川水系水質保全連絡協
議会の(第2回)緊急下流部会を開催しました。
尚、緊急会議の結果については、別添のとおりです。
2. 配布先
浜松市政記者グラブ
3. 問合せ
国土交通省 浜松河川国道事務所 河川担当副所長
竹田 達也
平成25年4月24日
天竜川水質保全協議会 第2回 緊急下流部会 議事内容(速報)
○へい死の経過
4月1日(月)午前 約1万尾へい死を発見。腐敗状態。
4月2日(火)午後 約1千尾へい死を確認。
4月6日(土)午前 約1千尾へい死を確認。
○水質等調査経緯
1)へい死箇所における採水分析:分析項目【pH、COD、DO】
(国交省実施)
4月1日から・・・№1、2、3、4にて1日1回(日中)採水分析。
2)へい死魚解剖試験(国交省実施)
4月1日、2日、6日
3)有害物質採水分析調査:分析項目【全シアン、六価クロム、残留塩素】
(国交省実施)
4月1日、2日、6日、 №2、4にて
4)八幡川全川の水質調査:分析項目【pH(現地測定)】
(浜松市実施)
4月16日、 最上流岩水寺地点から八幡川末端(№1)、全67地点
5)八幡川周辺事業所排水等:分析項目【pH 等(排水先、塩素等の使用確認)】(浜松市実施)
4月5日、八幡川周辺の14事業所
6)1週間水質調査:分析項目【pH、DO】(浜松市実施)
4月9日から15日まで、15時頃、八幡川末端
7)八幡川の通日試験(1 時間ごと 24 時間採水分析)
:分析項目【pH】
(浜松市実施)
4月11日14:30時から12日13:30まで、八幡川末端
4月17日11:30時から18日10:30まで、八幡川上流(新東名付近)
2地点
8)八幡川におけるアユ生息試験(国交省提唱、天竜川漁業協同組合協力、浜松市立会)
4月22日(月)14:00~(16:00)、№1、2、3:現地に設置した籠にアユを放流し生
息状況を観察
9)№1地点の DO 観測(国交省実施)
4月22日(月)16 時から23日(火)15 時
10)栄養塩類調査(国交省実施)
4月22日(月)16 時 №1、2、3、4、八幡川八幡下橋、八幡川清水橋
計6地点
○調査結果
1)へい死箇所における採水分析
pH ほぼ10以上、COD6.2mg/L 以上、DO ほぼ16mg/L 以上。かなり高い
2)へい死魚解剖試験
病死や寄生虫が原因である可能性はないと考えられた。
3)有害物質採水分析調査
検出されず
4)八幡川全川の水質調査
総じて pH が高く、下流に行くに従って漸増
5)八幡川周辺事業所排水
排水異常無し
6)1週間水質調査
曜日による水質変化はなかった
7)八幡川の通日試験
pH:夕方に最大、明け方に最小の傾向。末端で夕方は10以上、明け方は8以下
8)八幡川におけるアユ生息試験
ハヤの群れが確認できた地点の直上流地点でも、投入1時間でほぼ全滅
9)№1地点の DO 通日試験
DO:深夜に最低(4.8mg/L)となり、夜明けとともに急激に上昇
10)栄養塩類調査
№1地点で、総窒素2.24mg/L、総リン0.333mg/L と、高い値を示した。
○今回の水質事故について
当初国交省では、酸欠、
(水質事故では一般的な)有害物質、農薬を念頭に 1)、3)を実
施。結果、COD は高いものの DO も高く酸欠とは考えられなかった。また、重金属、残
留塩素も検出されず、毒物の影響も考えられなかった。
なお、1)の結果、pH は高くアルカリ性を示していたが、2)のへい死魚解剖試験の結果、
高アルカリに拠る死亡兆候も見られなかった。また、寄生虫も発見されなかった。
浜松市は高 pH の原因を特定すべく、4)、5)、6)を実施した。pH、DO は高いが流域
全体の傾向であり、事業所排水の異常も見つからなかったことから、7)の通日 pH 試験
を行った。
国交省では、高 pH、DO の過飽和を示す水質特性の原因として、河床に繁茂する藻類
の光合成による影響に着目し、9)の DO 通日測定を実施した。
その結果、DO は昼間15mg/L 超(22 日 16 時で 17.1、飽和度約 200%)から、夜間に
は5mg/L 以下(飽和度約 50%)に低下、それに呼応する形で pH は昼間10から、夜
間7.5程度に変化していることが判明した。
これは、昼間の藻類による光合成の結果、水中の二酸化炭素が消費され酸素が生成さ
れることから、水中の水素イオン濃度が低下し、DO の上昇が生じたと考えられる。
また、夜間は、藻類が呼吸することにより上記と逆の現象が起こったものと考えられ
る。
測定を行ったのは、降雨後の比較的水量の多い日であったが、好天で水量が多くない
場合は、上記日周変化は、より大きなものとなると考えられる。
4 月1日は好天で水温も高く、藻類による光合成が活発であったと考えられ、昼間は
pH が高く、夜間の DO は非常に低い状態であったと考えられる。
これらのことから、八幡川において見られた水質特性は、河床に繁茂する藻類の光合
成と呼吸によるものと推定され、これがアユの大量死を招いた可能性が高いと結論づけ
た。
8)の結果、日中の実験でアユは全滅した。漁協のコメントから(観賞魚の飼育などで
起きる)ショックの可能性が大きいと考えられる。
以上から、今回のアユ大量へい死の水質事故の原因について
① 八幡川から天竜川へ流入する水路の溶存酸素が、夜間に低濃度になることによ
る酸欠死
② 八幡川から天竜川へ流入する水路で日中の pH が高くなり、稚アユの生息に適
さないことによるショック死
の2つが考えられる。
○今後の対応について
今後の対応は
① 今回の原因と考えられる八幡川からの流入水路への、遡上稚アユの進入について
は、現地に堰を設けたことで、防ぐことが出来たと考えます。また、アユの遡上
期も終わりに近づいていることから、水質事故対応としては終了する。
② 今回の原因と考えられる八幡川からの流入水の水質については、測定回数が限定
的なので、内容を検討・調整の上で調査を行い原因究明を継続する。
③ 対策については、原因究明に努める中、必要性を見極めていく。
以上
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