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学習メモ
テレビ学習メモ
地学基礎
監修講師:渡来めぐみ
第 2 編 地球の変遷と生物の進化
第 14 回
新生代
今回学ぶこと
新生代は約 6600 万年前から現在へと続く時代で、約 2300 万年前までの古
第三紀、約 260 万年前までの新第三紀、それ以降の第四紀に区分されています。
新生代には大陸配置の変化によって寒冷化が進みました。環境がどのように変化
したのかを調べると、哺乳類の発展について理解が深まります。さらに、新生代
に出現した人類がどのように進化して私たち現生人類へとつながったのかをたど
ってみましょう。
草原の誕生
▼
新生代のはじめは比較的温暖で、中生代に繁栄し
結果、アフリカ大陸には、ヒマラヤ山脈北側上空の
た恐竜に代わって哺乳類が繁栄した。しかし、大陸
乾燥した大気が吹き下ろすようになり、熱帯雨林が
の配置が徐々に現在の状態へと近づくにつれて、海
広がっていた場所が草原へと変化した。他の場所で
洋や大気の循環が変化したり気温が低下したりして、
も大陸の衝突がおこり、降水量が減って大陸内部の
気候が変化していく。
乾燥化が進み、新第三紀には各地で草原が誕生した。
新生代に入って北上を続けたインド大陸は、今か
草原では、高温や乾燥に強いイネ科の植物が繁栄
ら約 5500 万年前から約 4500 万年前の古第三紀に
し、これらを食べるウマなどの動物が発展した。ま
ユーラシア大陸と衝突し始め、新第三紀には標高
た、これらの草食の哺乳類を食べる肉食の哺乳類も
8,000m を超えるヒマラヤ山脈が形成された。その
あわせて繁栄した。
第四紀の氷河時代
大陸を広くおおう氷河を氷床という。第四紀は、
の温暖な間氷期が繰り返し訪れた時代である。現在
この氷床が発達する寒冷な氷期と、氷期と氷期の間
は間氷期で、海で蒸発した水蒸気が陸上で雨や雪と
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高校講座・学習メモ
地学基礎
新生代
して降っても、その多くは海へと戻っていく。しか
茨城県稲敷郡美浦村では、約 12 万年前に堆積した
し、氷期には雨や雪は氷床に蓄えられて大陸にとど
地層が観察できる。ここでは、地層に含まれる化石
まるため、海面は低下する。最盛期には 200m 近く
から、河口でたまった地層の上に、浅い海で堆積し
も海面が低下したといわれており、海面の低下にと
た地層が重なっていることがわかる。これは水深が
もなって陸続きの場所が増え、哺乳類などの動物が
深くなったことを意味し、海面が上昇したことが推
移動したことが知られている。
測できる。
このような海面の変化は地層にも記録されている。
人類の進化
人類は哺乳類のなかの霊長類に属する。霊長類の
ている。人類が出現したのは約 700 万年前と推定さ
最古の化石記録は、約 6000 万年前の地層から見つ
れ、約 400 万年前には完全に直立二足歩行をしてい
かったプルガトリウスで、小型のネズミ程度の大き
たと考えられる猿人アウストラロピテクスの化石が
さであった。この原始的な霊長類のほかに、さらに
産出している。約 250 万年前には最初のホモ(ヒ
2 つのグループが出現した。
ト)属の化石が知られており、約 180 万年前に出現
その 1 つに含まれるのがアダピス類で、現生のキ
した原人ホモ・エレクトスは、現代人並みの体格で、
▼
ツネザル類の祖先にあたる。プリオピテクス類はも
脳の大きさも増し、道具を使用していた。現生人類
う一方のグループに含まれ、これはサルからヒトを
につながる新人ホモ・サピエンスが出現したのは約
含むグループの祖先にあたり、約 1000 万年前には
20 万~ 15 万年前である。
ニホンザルほどの大きさのドリオピテクスが知られ
学習の
まとめ
新生代に入ると大陸同士の衝突でヒマラヤ山脈などが形成され、大陸内部は乾燥
化し、新第三紀には各地で草原が出現した。
第四紀には、氷床が広く発達する氷期とその間の温暖な間氷期が繰り返し訪れた。
人類は霊長類に属し、約400万年前に出現した猿人アウストラロピテクスは完全
な直立二足歩行を行っていたと考えられる。
ホモ(ヒト)属は脳の大型化にともなって道具や火を使用し、約20万~15万年
前には現生人類につながるホモ・サピエンスが出現した。
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