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目 次
02 株主の皆さまへ
03 財務ハイライト
04 経営戦略
08 At a Glance
1 年のあゆみ
10 セグメント別営業概況
10 重電システム
11 産業メカトロニクス
12 情報通信システム
13 電子デバイス
14 家庭電器
15 研究開発/知的財産
18 CSR(企業の社会的責任)
21 コーポレート・ガバナンス
22 役員
23 組織図
24 セグメント別主要関係会社
25 財務セクション
73 企業データ/株式情報
豊かな社会構築に貢献する
環境先進企業へ。
三菱電機は、来るべき 100 周年に向けて、
「 豊かな社会構築 」への貢献を目指していきます。
豊かな社会とは、人々が安全・安心・健康・快適な生活をおくることができる「 人に優しい社会 」と、
資源の効率利用・再利用を進めることで環境に配慮した「 地球に優しい社会 」を両立させること。
私たち三菱電機グループは、半導体から大型システムまで様々な製品・サービスを、
家庭、オフィス、工場や社会インフラ、そして宇宙に至るまで広範な領域で提供してきました。
これからも、グループ内の連携を高め、最先端の技術と幅広い事業を通じて、
「 グローバルで、豊かな社会構築に貢献する環境先進企業 」でありたいと考えています。
地球のために、そして未来のために。
私たちはできることから一歩ずつ、着実に取り組んでまいります。
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
01
株主の皆さまへ
2011 年度(2012 年 3 月期)
の経営環境は、年度後半以降、欧州及び東アジア
の景気減速や、タイの水害による部材調達の逼迫、日本の生産・輸出の減速など
から、国内外の緩やかな景気回復基調に停滞感がみられたことに加え、為替に
ついても、対米ドル、対ユーロともに円高が定着するなど、悪化しました。
かかる中、三菱電機グループは、
「 成長性 」
「 収益性・効率性 」
「 健全性 」の
3 つの視点による「 バランス経営 」に基づいた事業競争力強化・経営体質強化
に加え、自らの強みに根ざした成長戦略の推進に、従来以上に軸足を置いて
取り組んでまいりました。
この結果、三菱電機グループの売上高は前年度と同水準の 3 兆 6,395 億円、
営業利益は前年度比 4% 減の 2,254 億円(営業利益率は 6.2%)、当期純利益
は前年度比 10% 減の 1,121 億円となり、継続して達成すべきとしている指標
(営業利益率 5% 以上、ROE10% 以上、借入金比率 15% 以下)のうち、営業
利益率、ROE
(株主資本利益率)の目標値を達成いたしました。
三菱電機グループは、成長戦略として、環境関連事業戦略の推進、中国・
インド等の新興国市場での事業拡大、社会インフラシステム事業の強化、
セキュリティー事業など当社が保有するさまざまな技術やノウハウを組み合わ
せたソリューション事業の展開など、成長分野への取り組み強化を図って
まいります。
なお、成長に向け、これまでの「 バランス経営 」における「 健全性 」、特に
「 倫理・遵法 」について、あらためて徹底的に強化し、より強固な経営基盤を
再構築したうえで、力強く成長戦略を推進し、更なる企業価値の向上を目指して
まいります。
株主の皆さまにおかれましては、引き続きご支援を賜りますよう心より
お願い申し上げます。
2012 年 7 月
執行役社長
President & CEO
Kenichiro Yamanishi
02
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
財務ハイライト
2012 年 3 月期連結業績(要約)
百万円
千米ドル
2012
2011
2010
2012
¥3,639,468
¥3,645,331
233,761
124,525
¥3,353,298
94,302
28,278
$44,383,756
225,444
112,063
借入金・社債残高
3,391,651
542,291
3,332,679
484,352
3,215,094
537,500
41,361,598
6,613,304
株主資本
1,132,465
1,050,340
964,584
13,810,549
159,346
169,686
107,638
151,779
109,069
133,781
1,943,244
2,069,341
売上高
営業利益※ 2
当社株主に帰属する当期純利益
総資産
設備投資(有形固定資産取得額)
研究開発費
2,749,317
1,366,622
円
米ドル
1 株当たり
当社株主に帰属する当期純利益
基本的
希薄化後※ 3
配当金
¥52.20
¥58.00
¥13.18
$0.637
—
12
—
12
13.18
4
—
0.146
%
財務比率
営業利益率
株主資本利益率( ROE )
借入金比率
6.2%
6.4%
2.8%
—
10.3 16.0 12.4 14.5 3.1 16.7 —
—
連結財務諸表注記参照
※ 1 当社の連結財務諸表は、関連する法律等の規定により、米国で一般に認められた企業会計処理の原則及び手続並びに用語、様式及び作成方法に基づいて作成しています。
※ 2 営業利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費並びに固定資産減損損失を控除して算出しています。
※ 3 当年度及び前年度の希薄化後 1 株当たり当社株主に帰属する当期純利益は、潜在株式が存在しないため記載していません。
セグメント別売上高構成比
その他
売上高
家庭電器
売上高
14.6%
611,619 百万円
重電システム
売上高
24.6%
1,027,115 百万円
20.3%
849,274 百万円
産業メカトロニクス 23.4%
売上高
978,380 百万円
電子デバイス
4.8%
売上高
200,799 百万円
情報通信システム
12.3%
売上高
516,354 百万円
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
03
経営戦略
三菱電機グループは、コーポレートステートメント
経営方針
「Changes for the Better」に基づき、
「 もっと素晴ら
「バランス経営」の実践
しい明日へ 」向けて、新しい社会・産業・生活の実現に
貢献してまいります。
「健全性」、
「収益性・効率性」、
「成長性」
のさらなる向上
この企業姿勢を踏まえ、
「 成長性 」
「 収益性・効率性 」
「健全性」の 3 つの視点による「バランス経営」
を推進し、
強固
な経営体質構築と持続可能な成長の実現を目指します。
併せて、CSR(Corporate Social Responsibility:
成長性
企業の社会的責任)についても、
「 企業理念 」及び「7 つの
行動指針 」に基づき、特に、
「 遵法 」については、三菱電機
グループを挙げて内部統制の強化、教育を核とした対策
を徹底するとともに、
「 環境 」については「 環境ビジョン
収益性
健全性
効率性
2021」に基づき、低炭素社会や循環型社会の形成等に
向けた取組を推進してまいります。
「強固な経営体質構築」と「持続可能な成長」の実現
そして、皆さまの期待にこたえるべく、
「 シナジーを
活かした強い電機・電子事業の複合体 」への自己変革を
企業価値の更なる向上
進め、企業価値の更なる向上に努めてまいります。
更なる「 高い成長性 」を追求
継続的に達成すべき経営指標
2011 年度は、継続的に達成すべき経営指標(営業利益率
5% 以上、ROE10% 以上、借入金比率 15% 以下)のうち、
営業利益率は 6.2%、ROE(株主資本利益率)は 10.3% と
営業利益率
なり、それぞれ達成いたしましたが、借入金比率については
16.0% となり、目標としている水準を達成することができ
ませんでした。
ROE
三菱電機グループは、
「 バランス経営 」の方針のもと、
これらの経営指標を継続的に達成するとともに、豊かな
社会構築に貢献する
「グローバル環境先進企業」
を目指して、
「 環境・エネルギー」
「 社会インフラシステム 」
「 グローバル
展開 」の 3 つの視点で各事業の成長戦略を強化し、更なる
「 高い成長性 」を追求してまいります。
04
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
借入金比率
5
10
15
% 以上
% 以上
% 以下
「 バランス経営 」実践のためのフレームワーク
成長戦略
三菱電機グループは、
「 現場重視 」の経営により、
「 お客様
三菱電機グループは、
「 強い事業をより強く 」を目指した
との接点」と「ものづくり」の 2 つの現場において、それぞれ、
VI 戦 略 と、
「 社内外連携を通じた強い事業を核とした
営業・サービスの競争力強化と、品質、コスト、生産技術力、
ソリューション事業を強化 」する AD 戦略を成長戦略の基本
開発力、知財など「 ものづくり力 」の強化を推進しています。
としています。そのうえで、まずは「 強い事業をグローバルで
また、
「 連携重視 」の経営により、
「 製造・販売部門間 」「 事
より強く」して利益ある成長を実現するために、
「 個別事業戦
業セグメント間 」「 事業・コーポレート間 」、さらにマザー
略の推進 」と「 アジアを中心とした地域戦略の強化 」に
工場と海外拠点や、事業・機種戦略と地域戦略の協調などを
取り組み、その次の成長に向けては、
「 低炭素社会と豊かな
含めた「 グローバル 」の、4 つの連携を強化していくことで、
生活の両立 」をテーマに掲げ、
「 強い事業 」の継続的強化に
三菱電機グループとしてのインテグレーション・シナジー
向けた技術開発を推進しています。併せて、将来にわたって
を追求しています。
成長を持続・拡大していくために、
「 グローバル戦略の強化 」
こうした「(2 つの)現場重視 」と「(4 つの)連携重視 」とい
をあらゆる面から強力に推進し、世界レベルの競争に打ち
う 2 つ の フ レ ー ム ワ ー ク を 通 じ て、
「 成長戦略の推進 」
勝っていきます。
「 経営体質の強化 」
「 財務体質の改善、CSR とコーポレート・
ガバナンスの取組 」という「 バランス経営 」の実践に取り組
んでいます。
成長戦略の基本:VI 戦略及び AD 戦略の推進
VI※1 戦略
強い事業をより強く
電力システム
昇降機
交通システム
FA/メカトロ機器
自動車用電装品
人工衛星
光通信システム
パワーデバイス
ネットワーク
セキュリティーシステム
空調・住設機器
AD※2 戦略
社内外連携を通じた強い事業を核としたソリューション事業強化
トータルセキュリティー
ソリューション
スマートグリッド
省エネソリューション
映像ソリューション
スマートコミュニティ
※ 1「VI」とは Victory
(勝利の意味)の先頭の 2 文字をとったものです。
(前進の意味)の先頭の 2 文字をとったものです。
※ 2「AD」とは Advance
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
05
グローバル戦略の強化
低炭素社会と豊かな生活の両立
三菱電機グループは、
「 強い事業をグローバルでより
三菱電機グループは、電力系統から家電製品までの全領域
強く」するための事業体制整備として、引き続き、既存の事業
における事業ノウハウを結集し、自然エネルギーの最大
拠点への設備投資
(米国:電力用変圧器工場新設など)
を実施
利用も含めたエネルギーのベストミックスをベースに、
するとともに、事業規模の拡大が著しい市場に対応するた
コミュニティ全体のエネルギーを最適化することで、低炭素
めの製造会社(中国:FA システム、自動車機器など)や、新市
社会と安全で豊かな生活の両立を目指す「eco 電化コミュニ
場開拓に向けた販売拠点(インド、ベトナム)の設立だけで
ティ」の実現に向けて積極的に取り組んでいます。将来に
なく、2012 年 5 月に買収した MESSUNG グループ(FA シス
向けた研究・技術開発の取組として、尼崎、和歌山、大船の
テム事業)のようにシナジー創出を通じて事業を拡大でき
3 地区を連携し、2020 年以降の送配電網を想定したスマー
る M&A にも取り組んでまいります。
トグリッド実証実験設備を自社内に構築しています。さら
に大船地区では、居住者の節電・快適・安全・安心とゼロ
グローバル事業戦略の推進
エミッション住宅の実現性を実証するために、太陽光発電
三菱電機グループの事業の中でも、特にグローバルな
システムやオール電化設備に加えて、HEMS
(Home Energy
成長に取り組んでいる事業群(電力システム、交通システム、
Management System:家庭内エネルギー制御システム)を
ビルシステム、FA システム、自動車機器、宇宙システム、
導入したスマートハウスを建設し、
「 我慢しない節電 」の
パワーデバイス、空調システムなど)については、グローバル
実証にも取り組んでいます。
事業推進体制を整備・強化すると同時に、重点市場に対する
また、電力を効率よく制御する省エネ/低炭素社会実現の
市場戦略を強力に推進することで事業を拡大し、全社業績
キーデバイスとして、SiC(Silicon Carbide:炭化ケイ素)を
の牽引役として企業価値の向上に貢献していきます。
適用したパワーデバイスの開発に取り組み、2011 年 2 月に
は世界初となるフル SiC-IPM の開発に成功して低電力損失
アジアを中心とした地域戦略の強化
と信頼性の両立を実現しました。三菱電機グループは、引き
今後も高い市場成長率が見込まれる新興国市場に対して
続き、デバイス性能の最大限の活用と性能・信頼性の確保に
は、三菱電機グループは、特にアジアを中心に事業横断的な
より、エアコンや冷蔵庫などの家電製品から、太陽光発電
地域戦略を強化してまいります。既に多くの事業が進出し、
システム、産業用機器、電気/ハイブリッド自動車、鉄道車両
事業基盤を築いている中国市場においては、拠点間の連携
や電力設備などに至るまでの、広範囲なパワーエレクトロ
や事業間の連携を強化し、三菱電機グループの総合力を発
ニクス製品への適用を強力に推進してまいります。
揮して更に事業を拡大していきます。加えて、現地の有力企
業集団との連携を強化することにも取り組んでいきます。
また、今後、本格的な事業拡大の時期を迎えるインド市場に
おいては、重電システムや産業メカトロニクスなど、三菱電
機グループの中でもとりわけグローバルに強い事業を核に
した成長市場開拓に取り組んでいきます。
06
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
経営体質の強化
常により良いものを
三菱電機グループは全社横断的な経営改善諸施策を継続
三菱電機グループは、
「 バランス経営 」の方針のもと、
的に推進し、更なる経営体質の強化に取り組んでいます。
前述の経営戦略を着実に進めることにより、個々の事業に
メーカーとしての原点である「 ものづくり力 」強化に
圧倒的な競争力をつけながら、
「 シナジーを活かした強い
向けて、生産性及び品質の向上、成長戦略を踏まえた重点的
電機・電子事業の複合体 」への自己変革を進め、強固な経営
開発の推進やキーパーツの開発推進などによる開発力及び
体質構築と持続可能な成長の実現を目指します。
知財活動の強化、VE 活動の強化などによる資材調達の改善
そのためには、
「 常により良いものを目指して変革してい
に取り組んでいます。また、棚卸資産の圧縮等による財務体質
く 」という三菱電機グループの決意を込めたコーポレート
の改善、
「 強い事業をより強く 」の視点を踏まえた人材投入
ステートメント「Changes for the Better」の実践がます
などの人的資源の有効活用等に取り組んでいます。
ます重要になります。三菱電機グループは、新たな価値を
これらの諸施策を継続的かつ強力に推進し、品質、コスト、
生み出すべく、変化し続けてまいります。それが企業価値の
生産技術力、開発力、知財、営業・サービスなどの強化を
一層の向上につながると確信しています。
図り、収益力の更なる強化につなげていきます。
財務体質の改善
2011 年度末の借入金・社債残高は、5,423 億円、借入金
比率は 16.0% となりました。
三菱電機グループは、各事業の徹底的な競争力強化及び
収益性向上に向けた構造改革や、品質、コスト、生産技術力、
開発力、知財、営業・サービスなどの競争力強化による一段
の収益性向上に加え、Just In Time 活動を中心とした棚卸
資 産 圧 縮 や グ ロ ー バ ル CMS( キ ャ ッ シ ュ マ ネ ジ メ ン ト
システム)の拡大などによる資産・資金の効率化を推進する
ことなどにより、安定的なキャッシュ・フローの創出に努めて
いきます。
また、キャッシュフローを原資として、成長分野への投資
や、増配による株主還元、借入金縮減を、バランスをとりつつ
進めていきます。
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
07
At a Glance
重電システム
産業メカトロニクス
売上高
情報通信システム
売上高
(十億円)
1,200
売上高
(十億円)
1,058
1,000
1,044
1,040
1,028
1,200
1,027
1,000
(十億円)
1,200
1,018
852
927
978
733
1,000
800
800
600
600
600
400
400
400
200
200
200
0
0
08
09
10
11
12(3 月期)
営業利益
営業利益
(十億円)
(十億円)
150
150
120
120
90
69
75
75
83
85
60
30
30
0
0
08
09
10
11
09
10
11
12(3 月期)
12(3 月期)
-30
644
0
08
582
526
488
09
10
11
25
19
14
09
10
11
516
12(3 月期)
営業利益
(十億円)
150
129
100
101
90
60
-30
08
800
120
90
50
60
26
30
2
0
08
09
10
11
12(3 月期)
-30
08
21
12(3 月期)
主要な事業内容
主要な事業内容
主要な事業内容
タ ー ビ ン 発 電 機、水 車 発 電 機、原 子 力 機 器、
プログラマブルコントローラー、インバーター、
無線通信機器、有線通信機器、監視カメラシス
電動機、変圧器、パワーエレクトロニクス機器、
サーボ、表示器、電動機、ホイスト、電磁開閉器、
テム、衛星通信装置、人工衛星、レーダー装置、
遮断器、ガス絶縁開閉装置、開閉制御装置、
ノーヒューズ遮断器、漏電遮断器、配電用変圧器、
アンテナ、誘導飛しょう体、射撃管制装置、放送
監視制御・保護システム、大型映像表示装置、
電力量計、無停電電源装置、産業用送風機、数値
機器、データ伝送装置、ネットワークセキュリ
車両用電機品、エレベーター、エスカレーター、
制御装置、放電加工機、レーザー加工機、産業用
ティーシステム、情報システム関連機器及び
ビルセキュリティーシステム、ビル管理システム、
ロボット、クラッチ、自動車用電装品、カーエレク
システムインテグレーション、その他
粒子線治療装置、その他
トロニクス・カーメカトロニクス機器、カーマルチ
メディア機器、その他
■ 1 年のあゆみ
5月
7月
•「 大船スマートハウス 」で、スマートグリッドに対応
した HEMS(Home Energy Management System)の
• 中国で、
「 三菱電機 FA ソリューションセンター」を
設立し、製品の販売・サービス体制を強化。
実証実験を開始。
• 光海底ケーブルシステムの 40Gbps 化で大西洋横断
では世界初となる「TAT-14 Cable Network」の波長
増設プロジェクトの受注を発表。
• インド・デリー地下鉄向け鉄道車両用電機品を
総額約 45 億円で
受注。
大船スマートハウスの外観
• シンガポール SingTel 社と台湾中華電信社向け商用
通信衛星「ST-2」の静止軌道への投入に成功。
ST-2 の軌道上イメージ
デリー地下鉄
2011 年
6月
8月
9月
• サーボや数値制御装置(NC)
• 中国に、
カーマルチ
などの駆動制御機器を製
• パワー半導体モジュールを製造する合弁会社を中国
に設立し、生産体制を増強。2012 年 1 月より民生用
造・販売する新会社を中国
及び一般産業用のパワー半導体モジュールの生産を
発・設計・製造・販売
開始。
する合弁会社を
に設立。
中国の新会社
• ベトナムに空調システムや家庭用電化製品
• 成田国際空港から、国内
最大規模となる約 100 台
340 面 の デ ジ タ ル サ イ
等を販売する総合販売会社を設立。
• 中国最高層ビル「 上海中心大厦 」向けに、世
界最高速となる分速 1,080m のエレベーター
3 台を含む、エレベーター 106 台を受注。
08
三菱エレクトリック・ベトナム社が
入居する Saigon Trade Center
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
メディア製品を開
設立。
ネージシステムを受注。
液晶マルチ大画面表示装置
電子デバイス
家庭電器
その他
売上高
売上高
売上高
(十億円)
(十億円)
(十億円)
1,200
1,200
1,000
1,000
800
800
600
600
600
400
400
200
200
400
200
0
192
08
167
09
139
10
176
11
201
0
12(3 月期)
1,200
1,000
08
916
09
825
10
924
849
1,000
800
11
12(3 月期)
0
営業利益(損失)
営業利益
営業利益
(十億円)
(十億円)
(十億円)
150
150
150
120
120
120
90
90
60
60
30
8
0
-30
08
-30
-7
6
09
10
11
4
12(3 月期)
主要な事業内容
22
5
08
553
08
09
10
17
12
08
09
609
11
612
12(3 月期)
09
60
42
35
0
-30
596
90
66
30
661
10
30
0
11
12(3 月期)
-30
3
10
14
11
20
12(3 月期)
主要な事業内容
主要な事業内容
パワーモジュール、高周波素子、光素子、液晶
液晶テレビ、プロジェクションテレビ、ディスプレ
資材調達・物流・不動産・広告宣伝・金融等の
表示装置、マイコン、システム LSI、その他
イモニター、プロジェクター、ブルーレイディスク
サービス、その他
レコーダー、ルームエアコン、パッケージエアコ
ン、ヒートポンプ式給湯暖房システム、冷蔵庫、
扇風機、換気扇、太陽光発電システム、電気温水器、
LEDランプ、蛍光ランプ、照明器具、圧縮機、冷凍機、
除湿機、空気清浄機、ショーケース、クリーナー、
ジャー炊飯器、電子レンジ、IH クッキングヒー
ター、その他
10 月
1月
2月
• スマートグリッド・スマートコミュニティ実証実験設備(総投
資額約 70 億円)の本格稼働を開始。関連事業の売上高目標を
2015 年度に 1 兆 3 千億円と発表。
• タイに海外向け昇降機保守部品供給・エンジニアリング会社
• インドのシーケンサ・表示器メー
カーであり当社 FA 機器販売代理店
であるMESSUNGグループを買収し、
• タイの三菱エレベーターアジア社でエレ
ベーター・エスカレーターの累計生産台数
が 2011 年 10 万台を突破。
三菱エレクトリック・インド社へ統合
することを発表。
を設立。
三菱エレベーターアジア社
タイの新会社
2012 年
12 月
3月
• 中国・廈門に低圧配電制御機器の
•「SiC インバーター内蔵モーター」を
開発し、電気自動車(EV)駆動用モー
開発・製造・販売を行う新会社を
設立することを発表。
ターシステムとして業界最小を実現。
• タービン発電機工場(神戸地区)の設
備増設ならびに新工場建設を実施し、
生産能力を約 30% 拡大。
Sic インバーター内蔵
モーターシステム
新設した神戸の新工場
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
09
セグメント別営業概況
次世代鉄道車両用インバーター
重電システム
SiC(炭化ケイ素)という新たな半導体を適用した鉄道
車両向けのインバーターを開発しました。本インバー
ターは、更なる省エネ、小型・軽量、省メンテナンス、
セグメント別売上高構成比
低騒音を実現し、次世代の鉄道車両用推進制御システ
ムとして期待されています。
24.6%
オーロラビジョン OLED
直径 6m、世界初※ の有機 EL パネルを使用した大型
球体ディスプレイとして日本科学未来館に誕生した
「 ジオ・コスモス 」
。最新の有機 EL パネルを 10,000
売上高
10,271
枚以上使用し、地上にいながら刻々と変化する地球を
億円
眺めることができます。
※ 2011 年 6 月 3 日現在
(前年度比 100%)
南東北がん陽子線治療センター 陽子線治療装置
営業利益
849
陽子線や重粒子線で患部を狙い撃ちする最先端の治
億円
(前年度比 19 億円増)
療装置です。患者さまに優しく、治療後の QOL(クオ
リティ・オブ・ライフ=生活の質)向上に役立つ治療
方法として期待されています。
社会インフラ事業は、電力事業の国内の
伸長及び海外大口案件の受注により、受注
は前年度を上回りましたが、国内の公共
事業及び交通事業の減少などにより、売上
発電プラント
電力会社の事業用発電設備や各種産業の自家発電
設備にも活用されています。蓄積したノウハウと最先
は前年度を下回りました。
端の製品技術力で、各発電分野において、
「 最適な発電
ビル事業は、中国・ASEAN における昇降
プラント 」の提供を実現しました。
機の需要増加や、中国・韓国向け大口案件
の計上により、受注・売上とも前年度を
上回りました。
標準形エレベーター AXIEZ
(アクシーズ)
この結果、部門全体では、売上高は前年
全照明の LED 化など省エネ機能を充実させたほか、
度並みの 1 兆 271 億円となりました。
待ち時間を短縮する可変速エレベーターシステムが、
営業利益は、売上案件の変動などによ
り、前年度比 19 億円増の 849 億円となり
いっそうの利便性・輸送効率を誇るスーパー可変速
システムへと進化。
デザイン性も一段と向上しました。
ました。
ビル設備オープン統合システム
Facima BA-system(ファシーマ BA システム)
メーカーを問わないオープン化対応で、ビル設備を
一括管理します。省エネ化からビルマネジメント業務
の効率化まで、充実した機能とサポートメニューで
ビル運用のこれからのスタイルを提供します。
10
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
産業メカトロニクス
シーケンサー(プログラマブルコントローラー)
装置制御から安全・情報・計装制御まで、広く生産ラ
イン・社会インフラを支える MELSEC シリーズ。国内
トップブランドとして、その機能・性能、豊富な品揃
セグメント別売上高構成比
えと高い信頼性により最先端のシステム構築に貢献
しています。
23.4%
AC サーボ
業 界 最 高 速 レ ベ ル の 高 性 能・高 機 能 を 有 し た
MELSERVO-J4 シリーズ。生産設備や製造装置の高
速、高精度化といった性能向上に貢献する駆動源とし
売上高
9,784
て、半導体・FPD ※製造装置・搬送装置・産業機械など
億円
幅広い用途で活躍しています。
※ Flat Panel Display
(前年度比 106%)
配線用遮断器・漏電遮断器
営業利益
1,012
低圧回路の配線保護や漏電保護に使用されるノー
億円
(前年度比 11 億円増)
ヒューズ遮断器・漏電遮断器。新遮断技術を搭載した
WS-V シリーズを始め、受配電市場、機械市場それぞ
れに応じた様々なラインアップを取り揃えています。
FA シ ス テ ム 事 業 は、韓 国・台 湾 で の
フラットパネルディスプレイ関連需要の
減少などにより、受注は前年度を下回りま
したが、アジアを中心としたスマートフォン
放電加工機
ワイヤ放電加工機に求められる基本性能を向上させ
た世界戦略機「MV シリーズ 」を始め、自動車・家電・
及 び タ ブ レ ッ ト PC 関 連 需 要 は 底 堅 く、
IT 関連機器などの生産に欠かせない金型や精密部品
売上は前年度を上回りました。
の製造現場で付加価値・生産性向上に貢献するライン
自動車機器事業は、東日本大震災やタイ
ナップを取り揃えています。
の 水 害 に よ る 影 響 は あ る も の の、中 国・
インド等の新興国市場の拡大や北米市場の
メモリーカーナビゲーションシステム
回復により、受注・売上とも前年度を上回
新開発のナビ専用 LSI 等の最新技術により、高精細で
りました。
分かりやすい地図表示と各種操作の高速処理を実現
この結果、部門全体では、売上高は前年
度比 6% 増の 9,784 億円となりました。
したメモリーカーナビゲーションです。高画質フルセグ
地デジ放送の視聴や、独自の音響技術による高品質で
迫力のある音楽再生を楽しむことができます。
営業利益は、売上増加などにより、前年
度比 11 億円増の 1,012 億円となりました。
ETC 車載器
比較的暗い車内でもカードの出し入れがしやすいよ
うに、インジケータとカードの挿入口照明を兼ねる
LED を配置しました。繊細なカーブが印象的なラウン
ドフォルムを採用することで、曲線の美しさがインテ
リアにフィットするデザインを実現しました。
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
11
情報通信システム
情報システム統合運用管制センター
専門エンジニアが 24 時間 365 日体制で、お客さまの
情報システムの遠隔運用監視を行い、障害発生時の
原因分析・究明に対して自動化を図り、システム障害
セグメント別売上高構成比
に迅速に対応しています。
(三菱電機情報ネットワーク株式会社)
12.3%
仮想化技術によるサーバー統合ソリューション
複数のサーバー資産を同一ハードウェアに統合する
仮想化技術を標準搭載し、企業内に散在するサーバー
を容易に統合できるサーバー統合ソリューション。
売上高
5,164
グリーン IT として、運用コスト削減、省エネ・省ス
億円
ペース化を実現します。
(三菱電機インフォメーションテクノロジー株式会社)
(前年度比 106%)
標準衛星プラットフォーム「DS2000」
営業利益
213
「DS2000」は、人工衛星の高品質・低コスト・短納期化
億円
(前年度比 76 億円増)
を追求するため JAXA の「 きく 8 号 」をベースに開発
した標準衛星プラットフォームです。
「ひまわり7・8・
9号」
「 スーパーバード C2」
「ST-2」
「Turksat-4A/4B」
等の衛星に、国際競争を勝ち抜き採用されています。
通信事業は、通信インフラ機器などの
需要増加や光海底ケーブル陸上端局装置
の大口案件の受注などにより、受注・売上
とも前年度を上回りました。
情報システム・サービス事業は、
システム
インテグレーション事業、ネットワーク及び
システム運用事業の伸長により、売上は
前年度を上回りました。
衛星通信用車載局
車両に搭載した衛星通信機器を使って、ニュース素材
等(例:遠隔地の災害情報に関わる映像や音声)を、
衛星回線を利用して伝送するシステムです。国内の
放送局や官公庁、ガス ・ 電力会社等のインフラ系企業
が当該製品を導入しており、現在、当社製品がトップ
シェアを占めています。
電子システム事業は、宇宙事業の大口
ブロードバンド用光アクセス装置
案件の減少により、受注は前年度を下回り
ブロードバンドサービスの主役として、光アクセス装
ましたが、電子事業の増加により、売上は
置「GE-PON ※システム 」の導入が進んでいます。映像
前年度を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年
サービスの普及などコンテンツの大容量化により、
GE-PONシステムのニーズもますます拡大しています。
※ GE-PON : Gigabit Ethernet-Passive Optical Network
度比 6% 増の 5,164 億円となりました。
営業利益は、売上増加などにより、前年
度比 76 億円増の 213 億円となりました。
デジタル CCTV ※システム
新デジタル技術による高画質なメガピクセルカメラ
と様々な規模のシステムに対応可能な高い拡張性に
より、映像監視システムを活用する領域を更に大きく
広げます。
※ CCTV : Closed Circuit Television
12
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
1200V/50A 大型 DIPIPM Ver.4
電子デバイス
第 6 世代 LPT-CSTBT ※ 1 の採用により損失を従来比
15% 低減、業界最大※ 2 の定格電流 50A の実現、高精度
の温度検知機能搭載などにより、パッケージエアコン
セグメント別売上高構成比
や産業用モーターのインバーター駆動に最適な
パワーモジュールです。
※ 1 Light-Punch Through Carrier Stored Trench-Gate
Bipolar Transistor
4.8%
※ 2 2012 年 1 月 26 日現在、当社調べ
車載用 600V 耐圧 HVIC
電気自動車(EV)
やハイブリッド車(HEV)
の電圧変換
器などに搭載されるパワー半導体を駆動し、車載用途
に求められる-40 ∼ +125℃の動作保証温度範囲と
売上高
2,008
高信頼性を実現した車載用 600V 耐圧の HVIC です。
億円
(前年度比 114%)
衛星通信用 C 帯 100W GaN HEMT
営業利益
36
耐圧性に優れた GaN ※ 1 を採用し、出力電力 100W の
億円
(前年度比 23 億円減)
半 導 体 事 業 は、産 業 用 パ ワ ー 半 導 体、
高出力で電力付加効率 43% 以上の高効率を実現し、
衛 星 通 信 基 地 局 の 小 型 化 に 貢 献 す る 送 信 用 GaN
HEMT ※ 2 増幅器です。
※ 1 Gallium Nitride:窒化ガリウム
※ 2 High Electron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ
高周波デバイス及び通信用光デバイス等
の需要減少により、受注は前年度を下回り
ましたが、産業用・民生用・自動車用・電鉄
10Gbps 伝送用 EML ※ 1-TOSA ※ 2
EML 素子の高温動作化により、冷却用熱変換素子の小
型化による消費電力 50% 低減(従来品比)
及び、信号
用パワー半導体の増加により、売上は前年
品質向上による 40Km 伝送を実現。データセンター
度を上回りました。
間などの高速・大容量通信の光伝送装置に最適です。
液晶事業は、産業用途・車載用途製品の
需要増加により、受注・売上とも前年度を
上回りました。
※ 1 Electro-absorption Modulator Laser :電界吸収型光変調器
を集積化した半導体レーザー
※ 2 Transmitter Optical Sub Assembly:送信用小型光デバイス
超広視野角 産業用カラー TFT 液晶モジュール
この結果、部門全体では、売上高は前年
の超広視野角
高輝度、高コントラスト、上下左右 170°
度比 14% 増の 2,008 億円となりました。
で様々な角度からの視認性の確保、10 万時間※の長寿
営業利益は、円高の影響などにより、前
年度比 23 億円減の 36 億円となりました。
命を実現し、設置場所の多様化に対応した屋外使用の
デジタルサイネージ端末や船舶搭載機器に最適な
製品ラインアップをご用意しています。
※ 常温(25℃)における標準値
超高輝度 産業用カラー TFT 液晶モジュール
1,500cd/m2 の超高輝度により屋外などの明るい場所
でも高い視認性の確保が可能となり、10 万時間※ の
長寿命、広い動作保証温度範囲により屋外などの過酷
な温度環境にも最適な液晶モジュールを各サイズで
ご用意しています。
※ 常温(25℃)における標準値
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
13
空調事業
家庭電器
家庭用ルームエアコン「 霧ヶ峰 」だけでなく、店舗、
オフィス、ビル用から工場・産業用途まで幅広い商品
ラインアップと環境に配慮した省エネ技術で、グロー
セグメント別売上高構成比
バルな冷暖房ニーズにお応えできるよう取り組んで
います。
20.3%
スマート電化
太陽光発電システム
創エネルギー
オール電化の安心感と便利さに、太陽光発電による
自家発電
IH クッキング
ヒーター
省エネルギー
ヒートポンプ技術
売上高
8,493
「 創エネルギー」とヒートポンプなどの高効率化技術
による「 エネルギーの有効活用(節電)
」をプラスした
「 スマート電化 」生活をご提案しています。
億円
ビルトイン
食器洗い乾燥機
快適な暮らし
安心・安全
エコキュート
温水床暖房システム
エコミスト
(前年度比 92%)
家電製品群
営業利益
224
当社家電製品群は、高性能を使いこなせる機能「 らく
億円
(前年度比 197 億円減)
楽アシスト 」と、節電を快適に楽しく続けられる「 節電
アシスト 」機能を搭載し、
「こんな家電、欲しかった!」
という商品のご提供を目指しています。
家庭電器事業は、前年度第 3 四半期の
家電エコポイント制度変更に伴う国内
向け液晶テレビの駆け込み需要の影響や、
欧州を中心とした海外向け太陽光発電
システム、国内向け給湯器及び IH 調理器の
LED 照明
急速に開発が進む LED は、長寿命・省電力・水銀フリー・
器具のコンパクト化など、照明の可能性を広げる優れ
た特長を持ち、節電対策にも大きく貢献します。
減少により、売上高は前年度比 8% 減の
8,493 億円となりました。
営業利益は、売上減少などにより、前年
度比 197 億円減の 224 億円となりました。
デジタルサイネージ
デジタルサイネージに必要な機能をオールインワン
パッケージにした液晶ディスプレイを始め、プロジェ
クター、大画面マルチシステムなど豊富な映像表示機
器ラインアップをご用意しました。
流通・店舗など様々
な業種・用途に対応したソリューションを提供します。
業務用映像表示機器
当社の高画質技術によって色再現に優れた鮮明な画面
を実現しました。用途に応じた製品バリエーションを
用意し、国内外で大人数向けの映像やデータ情報表示
装置として活躍しています。
14
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
研究開発/知的財産
研究開発
研究開発に関する取組
で構成された従来のインバーターに比べ、電力損失も 50%
三菱電機グループの研究開発体制は、開発本部に属する
以下に低減しました。
研究所群(先端技術総合研究所、情報技術総合研究所、デザ
今後は、更に小型化・高効率化を進め、ハイブリッド車・
イン研究所及び米国、欧州の研究開発拠点)と各事業本部に
電気自動車におけるバッテリーの設置空間や乗員の居住
属する開発部門から構成されています。
空間の拡大と低燃費化に貢献してまいります。
研究開発は当社の持続的成長を支える要です。グローバル
※ 1 2012 年 1 月 31 日現在、当社調べ
視点に基づき、事業戦略・開発戦略・知財/標準化戦略を整合
※ 3 Si:Silicon
(ケイ素)
※ 2 SiC: Silicon Carbide
(炭素とケイ素の化合物)
させ、開発初期段階からの品質作りこみと、コストを意識
した開発を推進します。
インバーター内蔵
モーターシステム
従来
強い事業・製品の継続的な進化と創出のための開発推進
に加え、成長戦略を遂行するために不可欠な分野での技術力
インバーター
強化と将来を担う共通基盤技術の徹底強化及びグローバル
市場での競争優位の源となる国際標準化活動を推進します。
また、国内外の先進的研究機関との共同研究など、産学官の
モーター
連携も積極的に展開します。
車載機器、カーマルチメディア、空調冷熱、FA 機器、電力
業界最小を実現
機器、昇降機などの強い事業を更に強化する 「VI 戦略 」 に
基づいた研究開発では、他社との差別化を図り、国際市場で
勝ち続けるための技術力を高めます。また、新たな収益力の
「100kW 級小型フル SiC インバーター」
ある事業を増やしていく取組を進めています。これらの
パワー半導体素子を全て SiC で構成し、更に電流検出機能
強い事業を核としたソリューション事業の強化を目指す
を内蔵した SiC-MOSFET ※ 1 と短絡保護機能※ 2 を搭載した
「AD 戦略」では、スマートコミュニティ・スマートグリッド、
ことにより、大電流・高電圧の使用環境でもインバーターの
ビルまるごと省エネやデジタルサイネージなどに関連する
電力損失を抑えることができました。また、当社独自の内部
様々な製品や技術を統合し、新たなソリューション事業を
配線構造により大電流への対応力を一層高めました。
創出するための開発を進めています。
今後は、更に小型化を進め、産業用途等のパワーエレクト
さらに、三菱電機グループ「 環境ビジョン 2021」の実現
ロニクス機器の省電力化に貢献してまいります。
に向けて、地球環境保護の視点から、パワーデバイス事業、
※ 1 MOSFET:Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor
ヒートポンプ応用事業などの環境・エネルギー事業に関わる
※ 2 短絡保護機能:過電流を検知すると、回路を遮断し、半導体素子の破壊を防ぐ
機能
技術課題にも積極的に取り組んでいます。当社の幅広い
分野の先進技術を結集し、省エネ製品・システムを開発する
ことで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
2011 年度の開発成果
業界最小※ 1、ハイブリッド車・電気自動車用
「 インバーター内蔵モーターシステム 」
従来、モーターと別個に配置していたインバーターを当社
独自の構造でモーターに内蔵することにより体積を約50%
削減しました。また、インバーターのパワー半導体素子を
全てSiC ※ 2 で構成したことにより、パワー半導体素子が Si ※ 3
独自の配線構造を採用
電流検出機能を内蔵
し たSiC-MOSFETと
短絡保護機能を搭載
高パワー密度化技術によりインバーターの小型化を実現
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
15
「 超高層ビル向けエレベーター技術 」
かご内騒音を従来のエレベーター並み※ 1 に低減する「 かご
巻上機
制御盤
静音システム 」と走行時のかご振動を半分以下※ 2 に低減で
省エネ
省エネ群管理システム
きる「 アクティブかご制振システム 」により、分速 1,080m
ロープ
快適
の世界最高速※ 3 エレベーターにおいても快適な乗り心地を
かご静音システム
実現します。
アクティブかご
制振システム
さらに、従来の群管理システム※ 4 の利便性をそのままに、
各エレベーターの位置や乗車率から消費電力の少ないエレ
安全・安心
かご
ベーターを配車する「 省エネ群管理システム 」により、超高層
非常安全システム
ビルにおける省エネも実現します。
これらに、超高速走行用に改良した「 非常安全システム 」
等も加えた先進技術は、中国最高層ビル「 上海中心大厦 」
(地
上 632m)向けのエレベーターに搭載が予定されています。
また、今後増加が見込まれる他の超高層ビル向けのエレ
超高速走行、快適性、安全・安心、省エネの全てを実現
ベーターにも搭載してまいります。
※ 1 当社製現行最高速エレベーターとの比較において
※ 2 制振システムなしの当社製エレベーターとの比較において
※ 3 2011 年 9 月 1 日現在、当社調べ
※ 4 利用者の待ち時間が最短となるよう複数台のエレベーターを効率よく運用す
るための配車システム
知的財産
三菱電機グループは知的財産を現在、将来にわたる重要
な経営資源と位置づけ、 事業や研究開発と知財活動とを一
事業・研究開発活動と知財活動をリンク
体的に推進しています。 現在、 三菱電機グループが保有して
三位一体
いる権利は国内外で約 4 万 3 千件、出願は年間約 1 万 2 千件
知財戦略
に上り、強力な特許網の構築をグローバルに図っています。
知財部門の組織
社長
開しています。本社知財部門は全社戦略の立案、重点プロ
ジェクトの推進、特許庁などへの対応を始めとする対外的
活動及び知的財産渉外活動を担当します。一方で、各製作
所・研究所・関係会社の知財部門は全社戦略に基づく個別
戦略の推進を担います。これらの部門は相互に知財ネット
ワークを構築し、それを融合した、より効果的な活動を展開
しています。
16
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
本 社 知 財 部門
事業戦略
事業本部
製作所
関係会社
開発戦略
研 究 所 知 財 部門
社長直轄の本社知財部門と各製作所・研究所・関係会社
知財部門からなり、知財担当執行役のもとに、知財活動を展
知 財 ネットワーク
知 財 部門
知財戦略
に、これを支える標準特許の取得活動に力を注いでいます。
知財活動の基本方針は知的創造サイクルに基づいて「 事
事業の一層のグローバル化は三菱電機グループのみならず
業に貢献する知財力 」の強化を図ることにあります。これに
競合他社でも進展しており、海外知財権の確保も重要な
よって国内外における事業競争力の更なる強化を目指して
課題です。このため、現在、米国、欧州及び中国の各拠点に
います。実行に際しては、重点事業や重要研究開発プロジェ
知財駐在員を置き、各国の事業拠点、研究所、関係会社の知
クトに関連した「 知財重点テーマ 」を設定し、戦略的な知財
財力を強化するとともにインド、ブラジルなどの新興国で
活動を推進しています。
も事業展開に先行した出願を行い、知財活動のグローバル
特に、 最近の知財戦略では国際標準とのかかわりが重要
化を加速しています。
であり、三菱電機グループの開発技術の国際標準化と同時
三菱電機グループのコア技術・コア特許
事業
製品分野
重電システム
電力システム
交通システム
エレベーター・エスカレーター
監視制御システム
産業
FA 機器・システム
メカトロニクス
情報通信
システム
コア技術利用製品・コア技術・コア特許
発電システム、系統変電システム、受配電システム、粒子線治療装置、絶縁技術、大電流制御技術、スマート
コミュニティ・スマートグリッド、エネルギーマネージメントシステム
車両推進制御システム、輸送システム、車両情報システム、トレインビジョン、車両用空調装置
超高速エレベーター、機械室レスエレベーター、エスカレーター、エレベーター可変速制御技術、
エレベーター電子安全技術、高効率群管理システム、かご制振システム、かご静音システム
トータルセキュリティーソリューション(DIGUARD:システム間連携技術)、マルチ大画面システム、
ネットワーク映像監視システム、オゾナイザー
シーケンサー、表示器、サーボ、インバーター、低圧遮断器、数値制御装置、放電加工機、レーザー加工機、
マイクロスパークコーティング技術、産業用ロボット
計測制御システム
エネルギー診断技術、電力量計、エコモニター、スマートメーター
自動車用電装品・
カーマルチメディア
電動パワーステアリング、高効率オルタネーター、ISS ※ 1 スターター、ETC 車載器、カーマルチメディア
無線通信システム
技術、EV/HEV 用モーター・インバーター
デジタル変復調技術、無線アクセス制御技術、誤り制御技術、増幅器回路技術、フェムトセル用小型基地局
技術、デジタル列車無線技術
映像監視システム
映像・蓄積技術、画像符号化処理技術、センサー情報処理技術、音声符号化技術
宇宙・衛星通信システム
人工衛星、姿勢制御技術、宇宙ステーション補給機、光学センサー技術、合成開口レーダー技術
アンテナ・レーダー装置
レーダーシステム技術、アンテナ技術、マイクロ波・ミリ波技術、追尾・信号処理技術
情報セキュリティー技術、量子暗号システム、データマネジメント技術、情報システム構築技術、光通信
情報通信ネットワークシステム
技術、光アクセス技術、光コア・メトロ通信用伝送技術、IP ネットワーク技術、NGN ※ 2 ホームゲートウェイ、
光ネットワーク技術、光伝送方式
電子デバイス
家庭電器
パワーデバイス
高性能パワーデバイス・モジュール(IGBT ※ 3・IPM ※ 4)、トランスファーモールド型パワーモジュール、
SiC パワーデバイス
高周波光デバイス
GaN 高出力増幅器 / デバイス、携帯端末向け増幅器、光デバイス LD/PD
液晶ディスプレイ
湾曲ディスプレイ、3D 液晶
空調冷熱機器
圧縮機、ファン、熱交換器、冷凍サイクル技術、次世代冷媒、ハイブリッドナノコーティング、IAQ ※ 5、
システム省エネ、ユニバーサルデザイン
太陽光発電システム
高効率太陽電池セル、パワーコンディショナー
テレビ
レーザー光源技術、高度画像・高音質処理技術、超解像技術、音響技術
レコーダー・プレーヤー
ブルーレイディスクレコーダー、車載用地上デジタル放送受信技術、画像検索技術、高圧縮映像符号化技術
※ 1 ISS:Idle Start and Stop
※ 2 NGN:Next Generation Network
※ 3 IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor
※ 4 IPM:Intelligent Power Module
※ 5 IAQ:Indoor Air Quality
(室内空気質)
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
17
CSR(企業の社会的責任)
三菱電機グループでは、CSR の取組を企業経営の基本を
成すものと位置づけ、
「 企業理念 」及び「7 つの行動指針 」を
CSR の基本方針として推進しています。
特に倫理・遵法に関する取組については、教育の充実や内
部統制の強化など、グループを挙げて対策を徹底しており、
品質の確保・向上、環境保全活動、社会貢献活動などについ
【 企業理念 】
三菱電機グループは、技術、サービス、創造力の向上を図り、
活力とゆとりある社会の実現に貢献する。
【 7 つの行動指針 】
ても、積極的な取組を展開しています。
信頼、品質、技術、貢献、遵法、環境、発展
三菱電機グループの CSR への取組
社会貢献活動
国際化の進展や法制度の改正など、企業をとりまく環境
誰もが笑顔で過ごせる社会を創るために、やさしさを
は、急激な変化が続いています。しかし、いかに時代が移り
もって社会に共存できるように、三菱電機グループは「 技術、
変わっても、決して変えてはならないのが、企業倫理・遵法
サービス、創造力の向上を図り、活力とゆとりある社会の
精神を徹底し、品質や環境問題等に妥協することなく取り
実現に貢献する 」という企業理念に基づき、社会貢献活動を
組む姿勢です。三菱電機グループにおけるこうした姿勢の
広く国内外で行っています。
出発点は、
1921 年の創業時に制定した「 経営の要諦」であり、
ここには、
「 社会の繁栄に貢献する 」
「 品質の向上 」
「 顧客の
地域に根ざした活動を推進
満足 」等が記されていました。その精神が、現在の「 企業理
国内では社会福祉、地球環境保護、科学技術振興の 3 分野
念 」と「7 つの行動指針 」に受け継がれており、これらを基本
に重点を置き、社員からの寄付に会社が同額を拠出し社会
方針として、企業の社会的責任を果たすべく、様々な取組を
福祉施設などに寄付をするマッチングギフト制度「 三菱電機
推進しています。
S OCIO-R OOTS 基金 」や、事業所周辺の身近な自然を回復
特に、
「 遵法 」については、これまでも企業経営の基本を
する社員参加型の「 里山保全プロジェクト 」、こどもたちに
成すものと位置づけ、内部統制の強化、教育を核とした対策
科学の面白さを体験してもらい未来のエンジニアを育む
に取り組んでまいりましたが、電子システム事業本部の
科学教室などを柱に活動しています。海外においても社会
防衛・宇宙事業において、費用の過大計上や不適切な請求を
貢献活動に対する意識は高く、社員ボランティアによる自然
行っていたことが判明し、関係機関より指名停止又は競争
保護活動や、地元の社会福祉施設や社会福祉団体への支援、
参加資格停止の措置を受けました。この事実を厳粛かつ深刻
若手音楽家やスポーツチームへのサポートなど、幅広く
に受け止め、全容解明、原因究明のための徹底した調査、再発
行っています。
防止に向けた更なるコンプライアンス体制の強化策等に
全ての取組に共通するのは「 地域に根ざした活動 」という
より、一刻も早い信頼回復に努めてまいります。
点です。地域のニーズに合った活動を通じてみなさんとの
また、三菱電機グループは、社会を構成する一員として、
コミュニケーションを深めています。
倫理遵法への取組や社会貢献活動、環境活動などを実践して
いくことはもちろん、今まで培ってきた様々な技術を通じて
社会に貢献していくことが重要であると考えています。
2011年度には、スマートグリッド・スマートコミュニティ
の実証実験設備を本格稼働させましたが、その実用化に
向けては、三菱電機グループが有する総合技術力を結集し、
低炭素社会の実現に貢献していきます。
里山保全プロジェクト(日本)
科学のおもしろさを伝える
「 科学ショー」
(日本)
ナショナル・トラスト・デーの
環境保全活動(イギリス)
18
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
海外財団を通じた社会貢献活動
として発信し、2012 年 4 月からは中国向けにも発信を開始
1991 年設立の「 米国三菱電機財団 」と「 タイ三菱電機財
しました。環境ステートメントを制定したのは、
「 もはや環
団 」では、社会福祉と科学技術振興の分野で活動を展開して
境配慮・環境改善への視点を欠く製品や事業活動はあって
います。
「 米国三菱電機財団 」では、障がいを持つ若者の社会
はならない 」という企業姿勢を社内外に明示するとともに、
参加や就業支援を推進し、
「 タイ三菱電機財団 」では、大学
地に足のついた取組を世界で実践していこうと決断したか
生に対する奨学金支給や、小学校への昼食支援プログラム
らです。
を実施するほか、近年では学校ボランティアにも力を入れ
三菱電機グループは、グローバルに社会的要請へこたえ
ています。
続ける「 環境先進企業 」を目指し、
「 体質強化(より少ない
エネルギー、より少ない資源でものづくりが行えるよう
自らを律し、生産の効率を究極まで高める)」と「 社会貢献
(当社の提供する製品・サービスを利用していただくこと
で、環境配慮、環境改善がなされるように努めること)」を
追求していきます。
大学生への奨学金プログラム(タイ)
小学校の昼食支援プログラム(タイ)
〈体質強化〉
●生産時の CO2 削減
三菱電機グループでは「 第 6 次環境計画(2009 年度∼
2011 年度)」において、2011 年度時点の CO2 排出総量を当
障がいを持つ若者
障がいを持つ学生の職業体験(米国)
のインターンシップ
プログラム(米国)
環境活動
社で 51 万トン、国内関係会社で 19 万トン、海外関係会社で
26 万トンとする目標を設定し、その達成に向けて、生産部
門、オフィス部門の両方で CO2 削減施策を進めてきました。
2011 年度の三菱電機グループの CO2 排出総量は、目標の
三菱電機グループ環境ステートメント「 エコチェンジ 」
96万トンに対して93.3万トンとなり、目標を達成しました。
当社では、三菱電機グループ「 環境ビジョン 2021」を受
主な要因として、当社中心に国内拠点で行った精力的な
け、2009 年 6 月に環境経営の姿勢を示す三菱電機グループ
CO2 削減努力が挙げられます。特に 2011 年は、3 月の東日
の環境ステートメント「eco changes −家庭から宇宙まで、
本大震災の影響から、夏季・冬季に電力不足への対応という
エコチェンジ。」を制定しました。2010 年 6 月からは、海外
社会的要請がありました。これを積極的な機会ととらえ、太
においても「Eco Changes − for a greener tomorrow」
陽光発電の導入や照明の LED への更新など創エネ・省エネ
グローバル
環境先進企業
環境ビジョン2021
製品使用時のCO2排出量
30%削減(2000 年基準)
生産時のCO2排出総量
30%削減(1990年基準)
製品の3Rの推進
社会貢献
資源投入量削減
製品/サービス/事業での
環境社会貢献、
環境マインド
ゼロエミッション
発電時のCO2削減への貢献
低炭素社会
循環型社会
体質強化
高効率な生産を極める
環境影響を最小化する
生物多様性保全への対応
自然との共生、
環境マインドの育成
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
19
に向けた投資を当社全体での施策として実施し、強化しま
用電力を合わせて管理する
「 共同使用制限スキーム」
を採用。
した。そして電力不足への直接的対策としてピーク時の
18 拠点合計で政府目標を上回る「 前年度比 25% 削減 」を
使用電力(デマンド)の効果的な抑制・制御を狙って、当社
目標にし、東京電力管内 16 拠点では 27.6% のピークカット
及び国内関係会社に「 デマンド管理システム 」を導入し、当
に成功しました。冬季には同システムを関西電力管内、九州
社本社において集中的な地域規模での電力の運用管理を実
電力管内にも導入。2012 年度から三菱電機グループの全
施しました。これらの取組の結果、近年の海外での大幅な生
大口需要家(68 拠点)に導入を拡大する予定です。
産拡大にもかかわらず、三菱電機グループ全体として CO2
排出総量を抑制することができました。
〈社会貢献〉
2011 年夏季、東京電力管内 16 拠点、東北電力管内 2 拠点
●使用済みルームエアコンからのレアアース磁石回収
にデマンド管理システムを導入し、複数拠点のピーク時使
ルームエアコンの省エネ性能向上に欠かせないレアアース
は調達が難しくなってきています。当社は、貴重なレアアース
を有効利用するため、使用済みのルームエアコン用圧縮機
三菱電機グループ全体での生産時の CO2 削減計画
120
100
基準年度
114 24
のローター(回転子)からレアアース磁石(ネオジム磁石)を
環境ビジョン2021目標
(2020 年度)
排出総量(万t)
95
80
23
25
60
67
19
86
22
17
51
40
97
47
回収する自動解体装置を開発しました(経済産業省「 レア
18%
27
19
51
93
27
80
30%
アース等利用産業等設備導入事業 」の支援により開発)。
17
2012 年 4 月から、日本初の大規模・高純度プラスチックリサ
16
16
50
47
イクル事業を担う子会社の(株)グリーンサイクルシステム
ズ(GCS)にて、レアアース磁石の回収事業に取り組んでい
20
0
1990
2008
当社(基準:1990 年度)
2009
2010
国内関係会社(基準:2000 年度)
2011
ます。回収した磁石は、国内でリサイクルを行う磁石メー
2020(年度)
海外関係会社(基準:2005年度)
カーに供給し、国内循環体制を構築しています。
三菱電機グループのデマンド管理システム
デマンド監視システム
省エネデータベースサーバソフトウェア
EcoManagerⅡ
+
デマンド管理ソフトウェア
すべての対 象拠 点から10 秒ごとに
デマンドデータを収集し、Webブラ
ウザで一覧表示
デマンド負荷曲線
予測値
本社
目標デマンド(上限値)
デマンド値
実測値
警告メール発信
固定警報値
(事前警告用制限値)
時間
管理PC
データ収集
節電施策積み上げ
社内ネットワーク網
受電
取引用
電力量計
パルス検出器
工場・オフィス(契約電力500kW以上)
三菱電機グループの CSR への取組につきましては、オフィシャルウェブサイトで詳しくお知らせしています
http://www.MitsubishiElectric.co.jp/corporate/csr/
20
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
デマンド監視機器
E-Energy
コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンスに関する
基本的な考え方
レート・ガバナンスをより実効性あるものとしています。
当社は、経営の機動性、透明性の一層の向上を図るととも
執行役が自己の分掌範囲について責任を持って行ってお
に、経営の監督機能を強化し、持続的成長を目指していま
り、その運営状況は、内部監査人が監査を行っています。内
す。顧客、株主を始めとするステークホルダーの皆さまの期
部監査人は、監査担当執行役に対し、監査状況の報告を行っ
待により的確に応えうる体制を構築し、更なる企業価値の
ています。また、監査担当執行役及び会計監査人は、監査委
向上を図ることを基本方針としています。
員会に対し、監査状況の報告を行っています。
コンプライアンスの維持及び経営の効率性の確保は、各
リスクマネジメント体制は、各執行役が自己の分掌範囲
コーポレート・ガバナンスに関する
施策の実施状況
について、責任を持って構築しています。また、経営執行に
会社機関の概要
執行役会議において審議・決定しており、執行役全員の経営
当社は、2003 年 6 月に委員会等設置会社(現 委員会設置
参画と情報共有化、経営のシナジー効果の追求及び三菱電
会社)へ移行し、経営機構の改革を行いました。これにより、
機グループとしての多面的なリスクマネジメントを行って
経営の監督と執行の分離を行い、経営の監督機能は取締役
います。
かかわる重要事項については、執行役全員により構成する
会が、経営の執行機能は執行役が担う体制としました。
現在の取締役は、12 名(うち 5 名は社外取締役)で、客観
内部監査及び監査委員会監査の状況
的な視点から当社経営への助言と監督を行っています。取
内部監査人には専属の人員を配し、更に関連部門から専
締役会の内部機関として、指名委員会、監査委員会、報酬委
門的視点を有する応援監査人を加え、公正・客観的な立場か
員会を設置しました。それぞれ 5 名の取締役(うち 3 名は社
ら内部監査を実施しています。
外取締役)により構成しています。
監査委員会は、5 名の取締役で構成され(うち 3 名は社外
なお、監査委員会には、専属の独立したスタッフを配置
取締役)、委員会の定めた方針・役割分担に従い、調査担当
し、監査委員を補佐しています。
監査委員が中心となって取締役・執行役の職務執行の監査
や子会社に対する調査を実施しています。
内部統制システムの整備の状況等
監査委員会は、内部監査人より監査担当執行役経由で監
当社の経営機構の特長としては、経営監督機能の長であ
査報告書の提出を受けるとともに、方針打合せや定期的な
る取締役会長と、最高経営責任者である執行役社長を分離
報告会等を通じて意見交換を実施しています。また、会計監
したことが挙げられます。また、取締役会長、執行役社長と
査人と、監査の方針・方法について打合せを行うとともに、
も、指名・報酬委員会のメンバーとはしていません。経営の
実施状況、監査結果につき説明・報告を受け、意見交換を実
監督と執行を明確に分離することにより、当社のコーポ
施しています。
〈業務執行の決定と執行〉
報告
株主総会
報告
選任
執 行 役( 会 議 )
執行 役 社 長(CEO)
執行役副社長
選 任・解 任・監 督
業務執行権限の委譲
取締役会
取 締 役 会 長( Chairman)
指名委員会
取締役
社外取締役(過半数)
専務執行役
常務執行役
〈 経 営 の 監 督〉
報告
監査委員会
取締役
社外取締役(過半数)
各事業 部 門・管 理 部 門
報酬委員会
取締役
社外取締役(過 半 数)
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
21
役 員
取締役(2012 年 6 月 28 日現在)
下村 節宏 ....................................... 取締役会長
山西 健一郎 ................................. 代表執行役、執行役社長
齊藤 正憲 ....................................... 監査委員長
吉松 裕規 .................................... 報酬委員、常務執行役
橋本 法知 .................................... 指名委員、専務執行役
藤本 良介 .................................... 監査委員
大隈 信幸....................................... 指名委員長、報酬委員長、常務執行役
村山 弘義 .................................... 指名委員、監査委員、弁護士
佐々木 幹夫 .................................... 報酬委員、三菱商事株式会社 相談役
三木 繁光 ....................................... 指名委員、監査委員、株式会社三菱東京 UFJ 銀行 特別顧問
牧野 藤厚 ....................................... 監査委員、報酬委員、公認会計士、税理士
薮中 三十二 ................................... 指名委員、報酬委員、株式会社野村総合研究所 顧問
執行役(2012 年 4 月 1 日現在)
代表執行役 執行役社長
山西 健一郎
代表執行役 執行役副社長
宗行 満男 .................................... 輸出管理、ビルシステム事業担当
柵山 正樹 ....................................... 半導体・デバイス事業担当
専務執行役
笹川 隆 .......................................... 電子システム事業担当
四方 進 .......................................... 社会システム事業担当
橋本 法知....................................... 経営企画、関係会社担当
常務執行役
吉松 裕規....................................... 経理、財務担当
坂田 昇一 ....................................... 資材担当
堤 和彦 .......................................... 開発担当
中谷 義昭 ....................................... 電力・産業システム事業担当
中村 強 .......................................... 監査、法務、輸出管理、知的財産渉外、知的財産担当
森安 雅治 ....................................... 生産システム担当
梅村 博之 ....................................... リビング・デジタルメディア事業担当
中西 康之 ....................................... 通信システム事業担当
末木 孝幸....................................... 国際担当
市毛 正行....................................... 産業政策渉外、総務、広報担当
井口 功....................................... 宣伝、国内営業担当
大久保 秀之 ................................... FA システム事業担当
大橋 豊 .......................................... 自動車機器事業担当
吉永 徹 .......................................... インフォメーションシステム事業担当
大隈 信幸 .................................... 人事担当
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MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
組 織 図(2012 年 6 月 28 日現在)
● 監査部
● 営業本部
戦略事業開発室
事業企画部
事業推進部
支社〔北海道、東北、関越、神奈川、北陸、中部、関西、中国、四国、九州〕
● 経営企画室
● 国際本部
国際業務部
地域戦略推進部
5 極代表
米州代表(米国)
欧州代表(英国)
アジア代表(シンガポール)
中国総代表
台湾代表
● 関係会社部
取締役会
取締役会長
指名委員会
監査委員会
● 産業政策渉外室
● 生産システム本部
生産技術部
品質保証推進部
環境推進本部
ロジスティクス部
情報システム技術センター
設計システム技術センター
生産技術センター
● 人事部
● 開発本部
開発業務部
先端技術総合研究所
情報技術総合研究所
デザイン研究所
● 経理部
● インフォメーションシステム事業推進本部
インフォメーションシステム業務部
技術企画部
情報システム推進部
● 総務部
報酬委員会
監査委員会スタッフ室
執行役(会議)
執行役社長
● 財務部
● 社会システム事業本部
社会環境事業部
交通事業部
社会システム海外事業部
プラント建設統括部
支社〔北海道、東北、関越、神奈川、北陸、中部、関西、中国、四国、九州〕
製作所〔神戸、伊丹、長崎〕
執行役副社長
専務執行役
● 資材部
常務執行役
● 広報部
● 電力・産業システム事業本部
電力・産業システム業務部
電力・産業システム技術部
原子力技術統括室
電力事業部
電力海外事業部
電力プラント建設センター
支社〔北海道、東北、北陸、中部、関西、中国、四国、九州〕
製作所〔電力システム、系統変電システム、受配電システム〕
● ビルシステム事業本部
ビルシステム業務部
ビルシステム技術部
トータルセキュリティー事業推進部
ビル事業部
ビルシステム海外事業部
ビルシステム工事統括部
支社〔北海道、東北、関越、神奈川、北陸、中部、関西、中国、四国、九州〕
製作所〔稲沢〕
● 電子システム事業本部
電子システム事業コンプライアンス室
電子システム業務部
電子事業部
宇宙システム事業部
IT 宇宙ソリューション事業部
支社〔北海道、東北、中部、関西、中国、四国、九州〕
製作所〔通信機、鎌倉〕
● 通信システム事業本部
通信システム業務部
通信システムエンジニアリングセンター
通信事業部
NTT 事業部
支社〔北海道、東北、北陸、中部、関西、中国、四国、九州〕
製作所〔コミュニケーション・ネットワーク〕
● リビング・デジタルメディア事業本部
リビング・デジタルメディア業務部
リビング・デジタルメディア技術部
渉外部
CS 部
販路部
環境ファシリティー営業推進部
空調冷熱システム事業部
電材住設事業部
太陽光発電システム事業部
家電事業部
デジタルメディア事業部
住環境研究開発センター
支社〔中部、関西〕
製作所〔中津川、冷熱システム、静岡、京都、群馬、長崎〕
● FA システム事業本部
FA システム業務部
機器事業部
産業メカトロニクス事業部
FA 海外事業部
支社〔北海道、東北、関越、神奈川、北陸、中部、関西、中国、四国、九州〕
製作所〔名古屋、福山〕
● 自動車機器事業本部
自動車機器コンプライアンス室
自動車機器業務部
自動車機器事業部
自動車機器海外事業部
自動車機器開発センター
支社〔北海道、東北、中部、関西、中国、四国、九州〕
製作所〔姫路、三田〕
● 半導体・デバイス事業本部
半導体・デバイス業務統括部
半導体・デバイス第一事業部
半導体・デバイス第二事業部
液晶事業統括部
支社〔北陸、中部、関西〕
製作所〔パワーデバイス、高周波光デバイス〕
● 宣伝部
● 法務部
● 輸出管理部
● 知的財産渉外部
社会システム業務部
社会システム技術部
ITS 推進本部
● 知的財産センター
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
23
セグメント別主要関係会社(2012 年 3 月末現在)
製造
重電システム
販売・据付・サービス 他
東洋電機(株)
三菱電機ビルテクノサービス(株)
多田電機(株)
三菱電機プラントエンジニアリング(株)
三菱エレクトリック・パワー・プロダクツ社
三菱電機コントロールソフトウェア(株)
三菱エレベータ・アジア社
菱電エレベータ施設(株)
三菱電機上海機電電梯有限公司
東芝三菱電機産業システム(株)
三菱日立ホームエレベーター(株)
上海三菱電梯有限公司
総合販社
(株)菱サ・ビルウェア
三菱電梯香港有限公司
韓国三菱エレベーター社
ETA メルコ・エレベータ社
日立三菱水力(株)
産業メカトロニクス
(株)デービー精工
名菱テクニカ(株)
(株)菱和
菱電工機エンジニアリング(株)
三菱エレクトリック・オートモーティブ・アメリカ社
メルダスシステムエンジニアリング(株)
三菱エレクトリック・タイ・オートパーツ社
三菱電機メカトロニクスソフトウエア(株)
三菱電機大連機器有限公司
三菱電機自動化(香港)有限公司
三菱エレクトリック・オートメーション社
韓国三菱電機オートメーション社
三菱エレクトリック・オートモーティブ・チェコ社
(株)指月電機製作所
(株)セツヨーアステック
日本インジェクタ(株)
士林電機廠股 有限公司
情報通信システム
三菱電機特機システム(株)
三菱プレシジョン(株)
島田理化工業(株)
西菱電機(株)
ミヨシ電子(株)
大井電気(株)
三菱電機インフォメーションシステムズ(株)
(株)ダイヤモンドテレコム
三菱電機情報ネットワーク(株)
三菱電機インフォメーションテクノロジー(株)
三菱スペース・ソフトウエア(株)
(株)三菱電機ビジネスシステム
三菱電機マイコン機器ソフトウエア(株)
アイテック阪急阪神(株)
電子デバイス
メルコセミコンダクタエンジニアリング(株)
IT セミコン(株)
三菱エレクトリック・ヨーロッパ社
三菱エレクトリック & エレクトロニクス USA 社
台湾三菱電機股 有限公司
三菱エレクトリック・香港社
三菱エレクトリック・アジア社
三菱エレクトリック・オーストラリア社
三菱電機機電(上海)有限公司
ルネサス エレクトロニクス(株)
パワーレックス社
三菱電機ホーム機器(株)
三菱電機照明(株)
三菱電機住環境システムズ(株)
(株)三菱電機ライフネットワーク
三菱エレクトリック・コンシューマー・
三菱電機冷熱機器販売(株)
プロダクツ・タイランド社
三菱電機オスラム(株)
上海三菱電機・上菱空調機電器有限公司
三菱電機冷熱プラント(株)
三菱電機(広州)圧縮機有限公司
メルコファシリティーズ(株)
サイアム・コンプレッサー・インダストリー社
三菱エレクトリック・カンヨンワタナ社
三菱エレクトリック・ビジュアル・
三菱電機菱電空調・影像設備(香港)有限公司
ソリューションズ・アメリカ社
オスラム・メルコ(株)
カンヨン・エレクトリック社
その他
三菱電機トレーディング(株)
三菱電機エンジニアリング(株)
三菱電機ロジスティクス(株)
三菱電機システムサービス(株)
三菱電機ライフサービス(株)
(株)弘電社
(株)アイプラネット
三菱電機クレジット(株)
(株)北弘電社
(注) 1. 総合販社欄の会社は複数事業の製品販売を担当している会社が多いため、事業別に区分せず一括して表示している。
2. で括った会社は連結子会社であり、 で括った会社は持分法適用関連会社である。
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
(株)カナデン
萬世電機(株)
ヴィンコテック・ホールディングス社
24
の地域総合販売会社 10 社
菱電商事(株)
メルコ・ディスプレイ・テクノロジー(株)
三菱電機メテックス(株)
家庭電器
千代田三菱電機機器販売(株)等
財 務 セクション
目 次
26 主要財務データ(5 年間)
27 財務報告
36 連結貸借対照表
38 連結損益計算書
39 連結資本勘定計算書
40 連結キャッシュ・フロー計算書
41 注記
72 独立監査人の監査報告書
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
25
主要財務データ(5 年間)
三菱電機株式会社及び連結子会社
金額(百万円)
3 月 31日に終了した年度
2012
2011
2010
2009
金額(千米ドル)
2012
2008
業績の要約
売上高
¥3,639,468
¥3,645,331
¥3,353,298
¥3,665,119
¥4,049,818
$44,383,756
2,628,964
2,622,959
2,505,095
2,710,976
2,957,185
32,060,537
781,278
784,606
736,959
783,673
825,428
9,527,780
3,782
4,005
16,942
30,742
3,189
46,122
営業費用
3,414,024
3,411,570
3,258,996
3,525,391
3,785,802
41,634,439
営業利益
225,444
233,761
94,302
139,728
264,016
2,749,317
税金等調整前当期純利益
224,080
210,237
64,259
43,933
244,137
2,732,683
¥ 112,063
¥ 124,525
12,167
¥ 157,977
$ 1,366,622
当期純利益率( %)
3.08
3.42
0.84
0.33
3.90
—
株主資本利益率( %)
10.27
12.36
3.12
1.29
15.11
—
売上原価
販売費及び一般管理費(含む研究開発費)
固定資産減損損失
当社株主に帰属する当期純利益
¥
28,278
¥
財務比率
売上高当社株主に帰属する
総資産利益率( %)
3.33
3.80
0.86
0.36
4.55
—
株主資本比率( %)
33.39
31.52
30.00
25.48
29.60
—
¥52.20
¥58.00
¥13.18
¥5.67
¥73.60
$0.637
—
—
13.18
5.67
73.59
—
13
$0.146
1 株当たりの情報
1 株当たり当社株主に帰属する
当期純利益(円 / 米ドル)
基本的
希薄化後
配当金(円 / 米ドル)
¥
12
¥
12
¥
4
¥
6
¥
統計情報
流動資産
¥2,197,384
¥2,073,064
¥1,927,473
¥1,939,916
¥2,060,628
$26,797,366
流動負債
1,433,501
1,470,387
1,266,909
1,413,015
1,505,901
17,481,720
運転資本
763,883
602,677
660,564
526,901
554,727
9,315,646
株主資本
1,132,465
1,050,340
964,584
849,476
1,031,438
13,810,549
27,910
19,315
—
27,904
25,758
340,366
配当金の支払
総資産
3,391,651
3,332,679
3,215,094
3,334,123
3,485,080
41,361,598
設備投資(有形固定資産取得額)
159,346
107,638
109,069
141,434
144,623
1,943,244
研究開発費
169,686
151,779
133,781
144,444
148,790
2,069,341
127,244
¥ 105,280
¥ 119,762
¥ 148,018
¥ 136,283
$ 1,551,756
117,314
114,443
109,565
106,931
105,651
—
減価償却費
従業員数
¥
(注)
1. 当社の連結財務諸表は、関連する法律等の規定により、米国で一般に認められた企業会計処理の原則及び手続並びに用語、様式及び作成方法に基づいて作
成しています。
2. 営業利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費、研究開発費並びに固定資産減損損失を控除して算出しており、セグメント別営業利益の合計額と
一致しています。事業再編費用等は営業外費用として表示しています。
3. 研究開発費には、製造費用へ計上した改良費等が含まれています。
4. 米ドル表示額は、2012 年 3 月末現在の東京外国為替市場における概ねその実勢為替相場 1ドル= 82 円により換算されています。
5. 2012 年 3 月末現在、連結子会社は 161 社、持分法適用会社は 40 社です。
6. 2010 年 3 月 31 日に終了した年度より、米国財務会計基準審議会の会計基準編纂書 810「 連結 」を適用し、従来の「 当期純利益 」を「 当社株主に帰属する当
期純利益」
に名称変更しています。
また、税金等調整前当期純利益に持分法による投資損益を含め、非支配持分帰属損益を含めない表示変更を行っています。
これに伴い、過年度についても組替再表示しています。
7. 当年度及び前年度の希薄化後 1 株当たり当社株主に帰属する当期純利益は、潜在株式が存在しないため記載していません。
26
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
財務報告
業 績 概 況
全般の概況
当年度(2012 年 3 月 31 日に終了した事業年度)の経営環境は、年度後半以降、欧州及び東アジアの景気減速や、タイの水害
による部材調達の逼迫、日本の生産・輸出の減速などから、国内外の緩やかな景気回復基調に停滞感がみられたことに加え、
為替についても、対米ドル、対ユーロともに円高が定着するなど、悪化しました。
このような状況の下で、三菱電機グループは、これまでの事業競争力強化・経営体質強化に加え、自らの強みに根ざした成
長戦略の推進に、従来以上に軸足を置いて取り組んできました。
この結果、当年度の売上高は、3 兆 6,395 億円、営業利益は 2,254 億円となりました。また、税金等調整前当期純利益は
2,241 億円、当社株主に帰属する当期純利益は 1,121 億円となりました。
売上高/営業利益
売上高
当年度の売上高は、3 兆 6,395 億円と前年度比 59 億円の減収となりました。
これは、重電システム及び家庭電器のセグメントにおいて減収となったこと等
264
4.05
3.67 3.65 3.64
3.35
によるものです。
234 225
140
売上原価及び費用並びに営業利益
94
売上原価は、前年度比 60 億円増加の 2 兆 6,290 億円となり、売上高に対す
る比率は 0.2 ポイント悪化の 72.2%となりました。販売費及び一般管理費・
研究開発費は、前年度比 33 億円減少の 7,813 億円となり、売上高に対する比
率は前年度と同じ 21.5%となりました。固定資産減損損失は、前年度比 2 億円
減少の 38 億円となりました。
08 09 10 11 12
売上高(兆円)
08 09 10 11 12
営業利益(十億円)
この結果、営業利益は電子デバイス及び家庭電器のセグメントにおいて減益
となったこと等により、前年度比 83 億円減少の 2,254 億円となりました。
営業外収益及び営業外費用
受取利息及び受取配当金と支払利息を合わせた金融費用は、前年度比 11 億
円の収支改善となり 15 億円の収入超過となりました。
当社株主に帰属する当期純利益/基本的
1 株当たり当社株主に帰属する当期純利益
158
73.60
持分法による投資損失は、前年度比 169 億円改善し 34 億円となりました。
125
112
その他の収益は、有価証券売却益の減少等により前年度比 58 億円減少の
58.00
52.20
222 億円となりました。その他の費用は、為替差損の減少や前年度は東日本大
震災による被害の原状回復に係る費用等を計上したこと等により、前年度比
100 億円減少し 217 億円となりました。
28
12
税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前年度比 138 億円増加の 2,241 億円 ( 売上高に
対する比率 6.2% ) となりました。これは、前述のとおり営業利益が 83 億円減
5.67
13.18
08 09 10 11 12
08 09 10 11 12
当社株主に帰属する
当期純利益(十億円)
基本的 1 株当たり
当社株主に帰属する
当期純利益(円)
少したものの、営業外損益が 222 億円改善したことによるものです。
当社株主に帰属する当期純利益
当社株主に帰属する当期純利益は、2011 年 12 月に改正法人税法※ 1 及び復興財源確保法※ 2 が公布され 2012 年 4 月以降の
法人税率が引下げられたことから繰延税金資産及び負債の評価替えを行い、これに係る税金費用 320 億円を計上したこと等
により、前年度比 125 億円減少の 1,121 億円 ( 売上高に対する比率 3.1% ) となりました。
(注)
※ 1 改正法人税法の正式名称は
「 経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律
(平成 23 年法律第 114 号)」です。
※ 2 復興財源確保法の正式名称は
「 東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法
(平成 23 年法律第 117 号)」
です。
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
27
事業等のリスク
三菱電機グループは、重電システム、産業メカトロニクス、情報通信システム、電子デバイス、家庭電器、その他の広範囲の
分野にわたり開発、製造、販売等の事業を行っており、またそれぞれの事業は国内並びに北米、欧州、アジア等の海外におい
て展開されています。そのため、様々な要素が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
具体的に当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がある要因のうち、主なものは以下のとおりです
が、新たな要因が発生する可能性もあります。
(1) 世界の経済状況・社会情勢及び規制や税制等各種法規の動向
世界の経済状況・社会情勢及び規制や税制等各種法規の動向は、当社グループの経営全般に影響を及ぼす可能性が
あります。
(2) 為替相場
為替相場の変動は、主に当社における米ドル建てもしくはユーロ建て輸出売上や輸入部材購入、アジア地域の製造拠
点における当該地国以外の通貨建て輸出売上や輸入部材購入について影響を及ぼす可能性があります。
(3) 株式相場
株式相場の下落は、当社が保有する市場性のある株式の評価減による損失の計上、年金資産公正価値の減少に伴う退
職給付費用の増加をもたらす可能性があります。
(4)
製品需給状況及び部材調達環境
製品需給状況の変動による価格の下落や出荷数量の減少及び部材調達環境の悪化による原価の上昇は、当社グループ
の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)
資金調達環境
特に円の金利上昇は、当社の支払利息の増加をもたらします。
(6) 重要な特許の成立及び実施許諾並びに特許関連の係争等
重要な特許の成立及び実施許諾並びに特許関連の係争等が起こった場合は、当該案件の関係する事業へ影響を及ぼす
可能性があります。
(7) 環境に関連する規制や問題の発生
環境に関連する規制の動向や問題の発生は、損失の計上や規制に対応するための費用等の増加を伴う可能性がありま
す。また、当社グループの生産活動をはじめとする企業活動全般に影響を及ぼす可能性があります。
(8)
製品やサービスの欠陥や瑕疵等
製品やサービスの欠陥や瑕疵等により、損失計上を伴う場合があります。また、当社グループの製品やサービスの品
質に対する評価の低下は、経営全般に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 訴訟その他の法的手続き
当社グループに対する訴訟その他の法的手続きは、当社グループの経営全般に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 急激な技術変化や、新技術を用いた製品の開発、製造及び市場投入時期
急激な技術変化や、新技術を用いた製品の開発、製造及び市場投入時期は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能
性があります。
(11) 事業構造改革
事業構造改革の実行内容によっては、損失計上を伴う場合があります。
(12) 地震・台風・津波・火災等の大規模災害の発生
地震・台風・津波・火災等の大規模災害の発生は、当社グループの生産活動をはじめとする企業活動全般に影響を及
ぼす可能性があります。
(13) テロ・戦争、新型インフルエンザ等の感染症の流行等による社会的・政治的混乱の発生
テロ・戦争、新型インフルエンザ等の感染症の流行等による社会的・政治的混乱の発生は、当社グループの経営全般に
影響を及ぼす可能性があります。
28
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
事 業 の 種 類 別 セ グ メ ン ト
売上高
3 月 31日に終了した年度
金額(百万円)
金額(千米ドル)
2012
2011
2010
2009
2008
2012
¥1,027,115
¥1,027,749
¥1,039,669
¥1,043,633
¥1,057,935
$12,525,793
産業メカトロニクス
978,380
927,002
733,132
851,688
1,017,503
11,931,463
情報通信システム
516,354
487,915
526,161
582,146
644,388
6,297,000
電子デバイス
200,799
175,910
138,985
166,969
192,087
2,448,768
家庭電器
849,274
924,478
824,679
915,710
1,000,258
10,357,000
重電システム
その他
小計
消去又は全社
計
611,619
609,416
552,981
596,091
660,822
7,458,769
4,183,541
4,152,470
3,815,607
4,156,237
4,572,993
51,018,793
(507,139)
(462,309)
(491,118)
(523,175)
¥3,639,468
¥3,645,331
¥3,353,298
¥3,665,119
¥4,049,818
2012
2011
2010
2009
(544,073)
営業利益(損失)
3 月 31日に終了した年度
重電システム
産業メカトロニクス
(6,635,037)
$44,383,756
金額(百万円)
金額(千米ドル)
2012
2008
¥ 84,920
¥ 83,055
¥ 74,727
¥ 74,539
¥ 68,543
$1,035,610
101,192
100,089
26,138
49,934
129,257
1,234,049
21,312
13,743
18,672
24,869
2,352
259,902
3,585
5,901
(7,141)
(29,807)
8,395
43,720
22,358
42,008
4,809
34,706
65,754
272,659
情報通信システム
電子デバイス
家庭電器
その他
20,348
14,475
3,204
12,341
16,916
248,145
小計
253,715
259,271
120,409
166,582
291,217
3,094,085
消去又は全社
(28,271)
(25,510)
(26,107)
(26,854)
(27,201)
¥233,761
¥ 94,302
¥139,728
¥264,016
計
¥225,444
重電システム
(344,768)
$2,749,317
重電システム 売上高/営業利益
社会インフラ事業は、電力事業の国内の伸長及び海外大口案件の受注によ
り、受注は前年度を上回りましたが、国内の公共事業及び交通事業の減少など
83 85
1,058 1,044 1,040 1,028 1,027
69
により、売上は前年度を下回りました。
75 75
ビル事業は、中国・ASEAN における昇降機の需要増加や、中国・韓国向け大
口案件の計上により、受注・売上とも前年度を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年度並みの 1 兆 271 億円となりました。
営業利益は、売上案件の変動などにより、前年度比 19 億円増の 849 億円と
なりました。
08 09 10 11 12
売上高(十億円)
産業メカトロニクス
FA システム事業は、韓国・台湾でのフラットパネルディスプレイ関連需要
の減少などにより、受注は前年度を下回りましたが、アジアを中心としたス
マートフォン及びタブレット PC 関連需要は底堅く、売上は前年度を上回りま
した。
08 09 10 11 12
営業利益(十億円)
産業メカトロニクス 売上高/営業利益
1,018
852
927
978
129
100 101
733
自動車機器事業は、東日本大震災やタイの水害による影響はあるものの、中
国・インド等の新興国市場の拡大や北米市場の回復により、受注・売上とも前
50
年度を上回りました。
26
この結果、部門全体では、売上高は前年度比 6%増の 9,784 億円となりまし
た。
営業利益は、売上増加などにより、前年度比 11 億円増の 1,012 億円となり
ました。
08 09 10 11 12
売上高(十億円)
08 09 10 11 12
営業利益(十億円)
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
29
情報通信システム
情報通信システム 売上高/営業利益
通信事業は、通信インフラ機器などの需要増加や光海底ケーブル陸上端局装
置の大口案件の受注などにより、受注・売上とも前年度を上回りました。
25
644
582
情報システム・サービス事業は、システムインテグレーション事業、ネット
526
ワーク及びシステム運用事業の伸長により、売上は前年度を上回りました。
516
21
19
488
14
電子システム事業は、宇宙事業の大口案件の減少により、受注は前年度を下
回りましたが、電子事業の増加により、売上は前年度を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年度比 6%増の 5,164 億円となりまし
2
た。
営業利益は、売上増加などにより、前年度比 76 億円増の 213 億円となりま
した。
08 09 10 11 12
売上高(十億円)
08 09 10 11 12
営業利益(十億円)
電子デバイス 売上高/営業利益(損失)
電子デバイス
半導体事業は、産業用パワー半導体、高周波デバイス及び通信用光デバイス
201
192
167
176
139
等の需要減少により、受注は前年度を下回りましたが、産業用・民生用・自動
8
車用・電鉄用パワー半導体の増加により、売上は前年度を上回りました。
6 4
-30 -7 -7
液晶事業は、産業用途・車載用途製品の需要増加により、受注・売上とも前
年度を上回りました。
この結果、部門全体では、売上高は前年度比 14%増の 2,008 億円となりま
した。
営業利益は、円高の影響などにより、前年度比 23 億円減の 36 億円となりま
した。
家庭電器
家庭電器事業は、前年度第 3 四半期の家電エコポイント制度変更に伴う国内
08 09 10 11 12
売上高(十億円)
08 09 10 11 12
営業利益(損失)
(十億円)
家庭電器 売上高/営業利益
1,000
924
916
849
825
66
42
向け液晶テレビの駆け込み需要の影響や、欧州を中心とした海外向け太陽光発
35
電システム、国内向け給湯器及び IH 調理器の減少により、売上高は前年度比
22
8%減の 8,493 億円となりました。
営業利益は、売上減少などにより、前年度比 197 億円減の 224 億円となりま
5
した。
08 09 10 11 12
その他
資材調達、エンジニアリング等の関係会社を中心に、売上高は前年度並みの
6,116 億円となりました。
営業利益は、コスト改善などにより、前年度比 59 億円増の 203 億円となりま
した。
売上高(十億円)
08 09 10 11 12
営業利益(十億円)
その他 売上高/営業利益
661
609 612
596
553
20
17
14
12
3
08 09 10 11 12
売上高(十億円)
30
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
08 09 10 11 12
営業利益(十億円)
所 在 地 別 セ グ メ ン ト
売上高
金額(百万円)
3 月 31日に終了した年度
金額(千米ドル)
2012
2011
2010
2009
2008
2012
日本
¥3,186,719
¥3,176,605
¥2,886,502
¥3,178,807
¥3,468,792
$38,862,427
北米
222,543
229,958
205,713
240,589
275,579
2,713,939
アジア
582,888
583,827
445,722
461,549
561,759
7,108,390
欧州
309,997
293,952
282,822
321,501
386,113
3,780,451
40,184
38,200
33,140
34,107
31,905
490,049
その他
消去又は全社
計
(702,863)
(677,211)
(500,601)
(571,434)
(674,330)
¥3,639,468
¥3,645,331
¥3,353,298
¥3,665,119
¥4,049,818
2012
2011
2010
2009
営業利益(損失)
金額(百万円)
3 月 31日に終了した年度
2008
(8,571,500)
$44,383,756
金額(千米ドル)
2012
日本
¥179,452
¥177,354
¥49,673
¥ 89,293
¥194,413
$2,188,439
北米
3,339
1,363
5,531
(3,599)
5,861
40,719
34,220
43,734
27,337
32,072
49,088
417,317
欧州
6,319
7,830
3,091
10,727
16,044
77,061
その他
3,905
4,329
1,949
1,020
1,321
47,622
(849)
6,721
10,215
(2,711)
(21,841)
¥233,761
¥94,302
¥139,728
¥264,016
アジア
消去又は全社
計
(1,791)
¥225,444
$2,749,317
日本
太陽光発電システム及び映像機器の減等はあるものの電力事業、FA システム事業及び自動車機器事業の増等により、売上
高は前年度並みの 3 兆 1,867 億円、営業利益は、前年度比 21 億円増の 1,795 億円となりました。
北米
映像機器の減等により、売上高は前年度比 3%減の 2,225 億円となりましたが、営業利益は、コスト改善等により、前年度
比 20 億円増の 33 億円となりました。
アジア
昇降機事業及び半導体事業の増等はあるも空調機器の減等により、売上高は前年度並みの 5,829 億円、営業利益は、タイ水害
によるコスト悪化等により、前年度比 95 億円減の 342 億円となりました。
欧州
自動車機器事業及び半導体事業の増等により、売上高は前年度比 5%増の 3,100 億円となりましたが、営業利益は、価格低
下等により、前年度比 15 億円減の 63 億円となりました。
その他
その他所在地には豪州子会社等が含まれており、売上高は 402 億円、営業利益は 39 億円となりました。
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
31
研 究 開 発 活 動
研究開発費
3 月 31日に終了した年度
金額(十億円)
金額(百万米ドル)
2012
2011
2010
2009
2008
¥ 30.5
¥ 27.1
¥ 23.5
¥ 24.0
¥ 21.1
$ 372.0
産業メカトロニクス
54.9
45.0
34.7
37.8
37.1
669.7
情報通信システム
16.2
14.9
12.5
15.1
25.2
197.3
9.4
8.6
7.3
8.3
8.6
114.1
家庭電器
30.4
30.7
29.6
32.4
29.6
371.2
その他
28.3
25.5
26.1
26.9
27.2
345.0
¥169.7
¥151.8
¥133.8
¥144.4
¥148.8
$2,069.3
重電システム
電子デバイス
計
2012
(注)各項目毎に四捨五入
三菱電機グループは、国内研究所、海外研究所 ( 米・欧 ) 及び製作所・連結子会社の開発部門において、基礎研究から応用研
究、製品化開発、更には生産技術開発に至るまで積極的な研究開発活動を推進しています。また、国内外の大学・研究機関な
どとも連携し、広範かつ先進的な研究開発活動をワールドワイドで展開しています。
当年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は 1,697 億円 ( 製造費用へ計上した改良費等を含む ) であり、事業セグ
メントごとの研究開発活動の目的・内容・成果及び開発費は以下のとおりです。なお、その他事業分野、及び事業セグメント
に分類できない基礎的研究や共通基盤技術開発などは合わせてその他・共通として分類しています。
(1)重電システム
発電機・電動機等の回転機、開閉機器・変圧器等の送変電機器や受配電機器、交通システム、昇降機などの基幹製品の競争
力強化に向けた開発を行うとともに、監視制御システム、電力情報システムなどの IT 応用システム、ビル管理システムの開発
を行っています。主な開発成果は、SiC 適用鉄道車両用インバーターの製品化、水処理及び広域監視制御向け次期監視制御シ
ステム、メタル線 IP モデム「MLCNET-G200 シリーズ 」、多機能集約型画像処理応用道路監視装置、大量設備データ対応機能
を強化した地理情報ソフトウェア「PreSerV」、小型陽子線治療装置の製品化、スマートグリッド・スマートコミュニティ実証
実験設備の本格稼働開始、次世代陽子線がん治療装置開発に関する包括的共同研究の成果発表、超高層ビル向け超高速エレ
ベーター技術、三菱標準形エレベーター「AXIEZ( アクシーズ)」、既設の油圧式エレベーターを最新のロープ式機械室レス・
エレベーターへリニューアルする「 エレ・ファイン ® * 1」などです。当該分野における研究開発費は 305 億円です。
(2)産業メカトロニクス
モータ及びその関連製品、メカトロ機器、FA 制御システム機器、自動車用電装品、電動パワーステアリング及びその関連製
品、カーマルチメディア機器などの競争力強化に向けた開発を行っています。主な開発成果は、シーケンサ MELSEC ‐ FX
「FX3GCシリーズ」、ACサーボ「MELSERVO ‐ J4シリーズ」、小容量UPS「FREQUPS FW-Sシリーズ」、ワイヤ放電加工機「MV
シリーズ 」、炭酸ガス二次元レーザー加工機「ML3015NX-60XF」、メモリー
カーナビゲーションシステム、DSRC 車載器、車載用 DIATONE スピーカー
「SW-G50」、曲面に対応した新しいディスプレイシステム、車載用ブルーレイ
ディスクプレーヤーなどです。当該分野における研究開発費は 549 億円です。
研究開発費
研究開発費率
170
149
152
144134
4.7
4.0
3.7 3.9
4.2
(3)情報通信システム
情報通信インフラやネットワークソリューション機器などの情報通信シス
テム及び宇宙関連システムなどの開発を行っています。主な開発成果は NGN
Home Gateway、10G-EPON システム、デジタル CCTV システム「MELOOK
μⅡ 」、
「AAG(Asia America Gateway) Cable Network」40Gbps 波長増設
08 09 10 11 12
08 09 10 11 12
プロジェクト受注、
「TAT-14 Cable Network」の 40Gbps 波長増設プロジェ
研究開発費(十億円)
研究開発費/売上高
(%)
32
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
クト受注、大容量 GE-PON システム、IPTV セットトップボックス、カービジョン小型カラーカメラ、ハイビジョン向け「 映像
電子透かしソリューション 」、空港情報表示システム「 フライトビジョン ® * 2」、統合 ID 管理ソリューション「iDcenter ® * 3 Version4.0」、中小規模事業体向け BI/ データ分析システム「Analytic Mart®* 4 AQL Base Express(アナリティクマート エー
キューエル ベース エクスプレス)」、SaaS 型インターネットシステムサービス「Internet-S 3cube® * 5 on Demand」など
です。当該分野における研究開発費は 162 億円です。
(4) 電子デバイス
全社事業分野を支える半導体デバイス等の電子デバイスの開発を行っています。主な開発成果は、衛星通信用 C 帯 100W
GaN HEMT、非冷却 25Gbps 直接変調 LD、経路切替方式 W-CDMA 高効率送信電力増幅器、カラー TFT 液晶モジュール
6
」産業用、自動車用パワー半導体モジュール「Jシリーズ」、MOSFET搭載DIPIPM、インバーター
「DIAFINE®*(ダイヤファイン)
システム用 1200V 耐圧 HVIC などです。当該分野における研究開発費は 94 億円です。
(5) 家庭電器
家電機器の省エネ、リサイクル、環境負荷低減、ユニバーサルデザイン、デジタル映像機器などの開発を行っています。主
「 節電アシスト 」搭載家電シリーズ、風を切り替えて節電する「 ハイブリッドシステム 」搭載ルームエアコン
な開発成果は、
「 霧ヶ峰ムーブアイ 」、IH クッキングヒーター用の 5 分割マルチコイルとその加熱制御技術、紙パック式掃除機「 雷神 」
TC-BXA シリーズ、
「 カーボンナノチューブスピーカー」搭載液晶テレビ「REAL」MDR2 シリーズ、使用済みルームエアコン
「 大船スマートハウス 」でスマートグリッドの実証実験開始などです。当該分野における研
のレアアース磁石回収を事業化、
究開発費は 304 億円です。
(6) その他・共通
開発本部・生産システム本部に属する研究所・センターで事業競争力強化、並びに新事業創出を目指す技術開発、全社的な
共通基盤技術開発や基礎的研究に取り組んでいます。主な研究開発成果は、SiC インバーター内蔵モーターシステム、バラ積
み部品を整列するロボットシステム、6 つの周波数帯に対応する「 マルチバンド増幅器 」などです。当該分野における研究開
発費は 283 億円です。
*1 エレ・ファインは三菱電機ビルテクノサービス
(株)の登録商標です。
*2 フライトビジョンは三菱電機インフォメーションシステムズ
(株)の登録商標です。
*3 iDcenter は三菱電機インフォメーションテクノロジー(株)の登録商標です。
*4 AnalyticMart は三菱電機インフォメーションテクノロジー(株)の登録商標です。
*5 Internet‐S 3cube は三菱電機情報ネットワーク
(株)の登録商標です。
*6 DIAFINE は三菱伸銅(株)の登録商標ですが、2008 年 1 月 17 日から 10 年間の使用許諾を得ています。
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
33
資 産 及 び 負 債 ・資 本 の 状 況
総資産残高は、前年度末比 590 億円増加の 3 兆 3,917 億円となりました。
借入金・社債残高
現金及び預金等が 799 億円減少、改正法人税法及び復興財源確保法が公布さ
れたことに伴う繰延税金資産の評価替え等によりその他の資産が 642 億円減
少した一方、受取手形及び売掛金と長期営業債権の合計が 1,587 億円増加し
借入金比率
678
551
542
538
20.3
484
ました。
16.7 16.0
15.8
負債の部は、借入金及び社債残高が前年度末比 579 億円増加の 5,423 億円
14.5
となり、借入金比率は 16.0% ( 前年度末比+ 1.5 ポイント ) となりました。また、
支払手形及び買掛金は 25 億円増加した一方、退職給付引当金が株価上昇等に
伴う年金資産の増加等により 469 億円減少、未払法人税等が 316 億円減少し
たこと等により、負債残高は前年度末比 230 億円減少の 2 兆 2,006 億円とな
りました。
資本の部は、当社株主に帰属する当期純利益 1,121 億円の計上と配当金の
支払い 279 億円による減少等により、株主資本は、前年度末比 821 億円増加の
1 兆 1,325 億円となり、株主資本比率は 33.4% ( 前年度末比+ 1.9 ポイント )
となりました。
08 09 10 11 12
借入金・社債残高
(十億円)
総資産/株主資本
3,485
3,334 3,215 3,333 3,392
08 09 10 11 12
借入金比率(%)
株主資本比率
29.6 30.0
31.5
33.4
25.5
1,031
34
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
1,050 1,132
849 965
08 09 10 11 12
08 09 10 11 12
総資産(十億円)
株主資本(十億円)
株主資本比率(%)
設 備 投 資 等 の 概 要
三菱電機グループは、
「 バランス経営 」の実践と更なる成長性の追求による
業績の拡大の方針の下、成長戦略の実現及び収益性向上のために、重電機器、
FA 機器、自動車機器、パワーデバイス等の分野を中心に投資を実施する一方
で、投資対象の選別・絞込みを徹底することにより、強固な事業基盤の構築を
減価償却費
設備投資
(有形固定資産)
159
145141
目指しています。
136
148
127
120
105
109 108
当年度におけるセグメント別の主要な内容は、重電システム分野において
は、電力機器、交通機器及び昇降機の増産、合理化、品質向上等を目的とした投
資を行いました。産業メカトロニクス分野においては、FA 機器及び自動車機
器における増産等を目的とした投資を行いました。情報通信システム分野に
おいては、研究開発力の強化等を目的とした投資を行いました。電子デバイス
08 09 10 11 12
分野においては、パワーデバイスにおける増産等を目的とした投資を行いまし
設備投資(十億円)
08 09 10 11 12
減価償却費(十億円)
た。家庭電器分野においては、空調機器の増産、合理化、品質向上等を目的とし
た投資を行いました。共通分野においては、研究開発力の強化等を目的とした投資を行いました。
所要資金は、主に自己資金によっています。なお、当年度の生産能力に重要な影響を及ぼすような固定資産の売却、撤去ま
たは災害による滅失等はありません。
キ ャ ッ シ ュ ・フ ロ ー の 状 況
当年度は、営業活動により増加した純キャッシュが 752 億円となった一方、
キャッシュ・フロー
投資活動に投入した純キャッシュが 1,562 億円となったため、フリー・キャッ
シュ・フローは前年度より 2,630 億円減少の 810 億円の支出となりました。
これに対し、財務活動により増加した純キャッシュは 70 億円となったことか
196
330 328
259
127
181
ら、現金及び預金等期末残高は、前年度比 799 億円減少の 3,922 億円となりま
182
75
した。
営業活動によるキャッシュ・フローは、非支配持分控除前当期純利益の減少
や受取手形及び売掛金の増加等により前年度比 2,525 億円減少の 752 億円の
収入となりました。
-134 -146 -156
-34
-215
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得の増加等によ
り、前年度比 105 億円増加の 1,562 億円の支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払いや借入による資金調
達の結果、前年度比 963 億円増加の 70 億円の収入となりました。
-132
08 09 10 11 12
営業活動による
キャッシュ・フロー(十億円)
投資活動による
キャッシュ・フロー(十億円)
-81
08 09 10 11 12
フリー・キャッシュ・フロー
(十億円)
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
35
連結貸借対照表
三菱電機株式会社及び連結子会社
2012 年 3 月 31 日及び 2011 年 3 月 31 日現在
金額(百万円)
金額(千米ドル)
(注記 2)
2012
2011
2012
¥ 392,181
¥ 472,067
$ 4,782,695
2,995
10,031
36,524
受取手形及び売掛金(注記 4、6 及び 16)
950,736
790,991
11,594,342
棚卸資産(注記 5)
576,179
527,504
7,026,573
前払費用及びその他の流動資産(注記 9、15 及び 20)
275,293
272,471
3,357,232
2,197,384
2,073,064
26,797,366
1,017
2,090
12,402
投資有価証券及びその他(注記 3、15、19 及び 20)
240,463
259,164
2,932,476
関連会社に対する投資及び貸付金(注記 6 及び 20)
179,039
189,789
2,183,402
420,519
451,043
5,128,280
土地
102,298
99,438
1,247,537
建物及び構築物
624,495
611,574
7,615,793
1,541,239
1,475,820
18,795,597
41,365
26,862
504,451
2,309,397
2,213,694
28,163,378
1,752,552
1,686,241
21,372,585
556,845
527,453
6,790,793
216,903
281,119
2,645,159
¥3,391,651
¥3,332,679
$41,361,598
資産の部
流動資産:
現金及び預金等
有価証券(注記 3、19 及び 20)
流動資産計
長期債権及び投資:
長期営業債権(注記 19)
長期債権及び投資計
有形固定資産(注記 7、20、21 及び 22)
:
機械装置及びその他の有形固定資産
建設仮勘定
減価償却累計額
有形固定資産計
その他の資産(注記 9、10 及び 20)
資産合計
連結財務諸表注記参照
36
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
金額(百万円)
2012
2011
金額(千米ドル)
(注記 2)
2012
負債及び資本の部
流動負債:
短期借入金(注記 7)
¥ 111,670
¥
64,905
$ 1,361,829
1 年以内に期限の到来する社債及び
長期借入金(注記 7、19 及び 22)
88,832
137,856
1,083,317
支払手形及び買掛金(注記 6 及び 8)
700,262
697,789
8,539,780
未払費用(注記 17)
350,740
367,995
4,277,317
15,866
47,418
193,488
未払法人税等(注記 9)
その他の流動負債(注記 10、15 及び 20)
166,131
154,424
2,025,989
1,433,501
1,470,387
17,481,720
社債及び長期借入金(注記 7、19 及び 22)
341,789
281,591
4,168,158
退職給付引当金(注記 10)
372,082
419,008
4,537,585
53,259
52,668
649,501
2,200,631
2,223,654
26,836,964
2012 年 3 月 31日及び 2011 年 3 月 31日現在
175,820
175,820
2,144,146
発行済株式数 2,147,201,551 株
206,343
208,669
2,516,379
61,040
59,223
744,390
905,086
822,750
11,037,634
(215,603)
(215,919)
(2,629,305)
(221)
(203)
(2,695)
流動負債計
その他の固定負債(注記 9、15、17及び 20)
負債合計
株主資本
資本金(注記 11):
授権株式数 8,000,000,000 株
資本剰余金(注記 11)
利益準備金
その他の剰余金
その他の包括利益(損失)累計額(注記 3、9、10、13 及び 15)
自己株式
2012 年 3 月 31日現在 285,390 株
2011 年 3 月 31日現在 264,421 株
株主資本計
非支配持分
資本合計
1,132,465
1,050,340
13,810,549
58,555
58,685
714,085
1,191,020
1,109,025
14,524,634
¥3,391,651
¥3,332,679
$41,361,598
契約債務及び偶発債務(注記 17)
負債及び資本合計
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
37
連結損益計算書
三菱電機株式会社及び連結子会社
2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した年度
金額(百万円)
金額(千米ドル)
(注記 2)
2012
2011
2010
2012
¥3,639,468
¥3,645,331
¥3,353,298
$44,383,756
8,332
8,162
8,921
101,610
22,196
28,035
18,277
270,683
3,669,996
3,681,528
3,380,496
44,756,049
2,628,964
2,622,959
2,505,095
32,060,537
販売費及び一般管理費(注記 10、21 及び 22)
625,283
645,779
614,062
7,625,402
研究開発費
155,995
138,827
122,897
1,902,378
固定資産減損損失(注記 20 及び 21)
3,782
4,005
16,942
46,122
支払利息
6,818
7,749
9,345
83,146
持分法による投資損失(注記 6 及び 20)
3,366
20,285
34,801
41,049
21,708
31,687
13,095
264,732
売上原価及び費用合計
3,445,916
3,471,291
3,316,237
42,023,366
税金等調整前当期純利益
224,080
210,237
64,259
2,732,683
当期税額
42,187
54,309
23,958
514,476
法人税等の期間配分調整額
63,628
22,788
7,432
775,951
105,815
77,097
31,390
1,290,427
118,265
133,140
32,869
1,442,256
6,202
8,615
4,591
75,634
¥ 112,063
¥ 124,525
28,278
$ 1,366,622
収益:
売上高(注記 6)
受取利息及び受取配当金(注記 6)
その他の収益(注記 3、13、15 及び 21)
収益合計
売上原価及び費用:
売上原価(注記 10 及び 22)
その他の費用(注記 3、13、15、16 及び 21)
法人税等(注記 9):
非支配持分控除前当期純利益
非支配持分帰属損益
当社株主に帰属する当期純利益
¥
1 株当たり当社株主に帰属する当期純利益(注記 14):
金額(円)
基本的
希薄化後
連結財務諸表注記参照
38
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
金額(米ドル)
(注記 2)
¥52.20
¥58.00
¥13.18
$0.637
—
—
13.18
—
連結資本勘定計算書
三菱電機株式会社及び連結子会社
2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した年度
金額(百万円)
2009 年 3 月 31 日現在残高
包括利益 ( 損失 ):
資本金
資本剰余金
利益準備金
その他の
剰余金
¥175,820
¥210,881
¥57,225
¥691,260
当社株主に帰属する当期純利益
非支配持分帰属損益
その他の包括利益 ( 損失 ),
税効果調整後 ( 注記 13):
為替換算調整額
年金負債調整額 ( 注記 10)
有価証券未実現損益 ( 注記 3)
デリバティブ未実現損益 ( 注記 15)
利益準備金積立額
非支配持分との資本取引及びその他
当社株主への配当
自己株式の取得
自己株式の処分
2010 年 3 月 31 日現在残高
包括利益 ( 損失 ):
当社株主に帰属する当期純利益
非支配持分帰属損益
その他の包括利益 ( 損失 ),
税効果調整後 ( 注記 13):
為替換算調整額
年金負債調整額 ( 注記 10)
有価証券未実現損益 ( 注記 3)
デリバティブ未実現損益 ( 注記 15)
利益準備金積立額
非支配持分との資本取引及びその他
当社株主への配当
自己株式の取得
自己株式の処分
2011 年 3 月 31 日現在残高
包括利益 ( 損失 ):
当社株主に帰属する当期純利益
非支配持分帰属損益
その他の包括利益 ( 損失 ),
税効果調整後 ( 注記 13):
為替換算調整額
年金負債調整額 ( 注記 10)
有価証券未実現損益 ( 注記 3)
デリバティブ未実現損益 ( 注記 15)
利益準備金積立額
非支配持分との資本取引及びその他
当社株主への配当
自己株式の取得
自己株式の処分
2012 年 3 月 31 日現在残高
その他の
包括利益 ( 損失 )
累計額
¥(285,066)
自己株式
¥ (644)
28,278
¥175,820
¥58,281
(1,056)
¥718,482
¥(196,509)
(872)
20
¥(1,496)
124,525
(942)
(1,516)
(19,315)
¥175,820
179
¥208,669
¥59,223
¥822,750
¥(215,919)
(46)
1,339
¥(203)
112,063
(1,817)
(2,326)
(27,910)
¥175,820
¥206,343
¥61,040
¥905,086
4,591
28,278
4,591
(872)
13
¥ 964,584
1,226
(1,730)
7,201
61,699
20,750
192
122,711
—
(2,598)
¥56,610
(872)
13
¥1,021,194
8,615
124,525
8,615
51
8
5,876
(17,876)
9,284
(10,643)
(175)
105,115
—
(1,516)
(19,315)
(46)
1,518
¥1,050,340
(3,337)
¥58,685
(21,213)
9,284
(10,679)
(183)
110,349
—
(4,675)
(19,315)
(46)
1,518
¥1,109,025
6,202
112,063
6,202
(36)
(8)
5,234
(3,159)
112,063
(8,254)
2,234
6,285
51
1,817
¥ 901,940
124,525
(17,876)
9,284
(10,643)
(175)
942
資本合計
¥52,464
5,975
61,699
20,699
184
116,835
—
(868)
(868)
(7)
¥210,006
非支配持分
28,278
5,975
61,699
20,699
184
1,056
株主資本計
¥ 849,476
¥(215,603)
(20)
2
¥ (221)
(8,254)
2,234
6,285
51
112,379
—
(2,326)
(27,910)
(20)
2
¥1,132,465
(589)
13
3
5,629
(5,759)
¥58,555
(8,843)
2,234
6,298
54
118,008
—
(8,085)
(27,910)
(20)
2
¥1,191,020
金額(千米ドル)
( 注記 2)
2011 年 3 月 31 日現在残高
包括利益 ( 損失 ):
資本金
資本剰余金
利益準備金
$2,144,146 $2,544,744 $722,231 $10,033,537
当社株主に帰属する当期純利益
非支配持分帰属損益
その他の包括利益 ( 損失 ),
税効果調整後 ( 注記 13):
為替換算調整額
年金負債調整額 ( 注記 10)
有価証券未実現損益 ( 注記 3)
デリバティブ未実現損益 ( 注記 15)
利益準備金積立額
非支配持分との資本取引及びその他
当社株主への配当
自己株式の取得
自己株式の処分
2012 年 3 月 31 日現在残高
その他の
剰余金
その他の
包括利益 ( 損失 )
累計額
$(2,633,159)
1,366,622
非支配持分
資本合計
$(2,475) $12,809,024 $715,671
自己株式
株主資本計
$13,524,695
1,366,622
75,634
(100,658)
27,244
76,646
622
22,159
(22,159)
(28,365)
(340,366)
$2,144,146 $2,516,379 $744,390 $11,037,634
$(2,629,305)
1,366,622
75,634
(100,658)
(7,183)
(107,841)
27,244
27,244
76,646
158
76,804
622
37
659
1,370,476
68,646
1,439,122
—
—
(28,365) (70,232)
(98,597)
(340,366)
(340,366)
(244)
(244)
(244)
24
24
24
$(2,695) $13,810,549 $714,085 $14,524,634
連結財務諸表注記参照
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
39
連結キャッシュ・フロー計算書
三菱電機株式会社及び連結子会社
2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した年度
金額(百万円)
2012
2011
金額(千米ドル)
(注記 2)
2012
2010
営業活動によるキャッシュ・フロー :
非支配持分控除前当期純利益
¥ 118,265
¥ 133,140
¥ 32,869
$ 1,442,256
127,244
105,280
119,762
1,551,756
3,367
3,538
16,425
41,061
834
(463)
(1,056)
10,171
法人税等の期間配分調整額
63,628
22,788
7,432
775,951
有価証券等の売却損益
(1,682)
(1,300)
(946)
営業活動により増加した純キャッシュへの調整 :
有形固定資産減価償却費
有形固定資産の減損
固定資産の売廃却損益
(20,512)
有価証券等の評価損
6,961
3,979
3,099
84,890
持分法による投資損失
3,366
20,285
34,801
41,049
(166,091)
(14,594)
(16,170)
(2,025,500)
棚卸資産の減少 ( 増加 )
(55,737)
(65,512)
56,358
(679,720)
その他資産の減少 ( 増加 )
(17,553)
2,493
10,977
(214,061)
9,113
66,177
45,373
111,134
(61,108)
(29,019)
(13,047)
(745,219)
その他負債の増加 ( 減少 )
(7,311)
43,653
7,069
(89,159)
その他
51,884
37,196
27,295
632,732
営業活動により増加した純キャッシュ
75,180
327,641
330,241
916,829
(159,346)
(107,638)
(109,069)
受取手形及び売掛金の減少 ( 増加 )
支払手形及び買掛金の増加
未払費用及び退職給付引当金の増加 ( 減少 )
投資活動によるキャッシュ・フロー :
有形固定資産の取得
(1,943,244)
固定資産売却収入
5,085
4,504
6,347
62,012
有価証券等の取得
(11,766)
(51,640)
(46,107)
(143,488)
15,961
18,895
20,145
194,646
90
(19)
831
1,098
(6,198)
(9,732)
(6,638)
(75,585)
(156,174)
(145,630)
(134,491)
(1,904,561)
100
92,711
1,686,378
(139,775)
(62,248)
(106,584)
(1,704,573)
46,630
(5,114)
(146,487)
(27,910)
(19,315)
—
(340,366)
自己株式の取得
(20)
(46)
(872)
(244)
自己株式の処分
2
5
13
24
(10,182)
(2,610)
(3,988)
7,028
(89,228)
(165,207)
(5,920)
(11,834)
1,959
有価証券等の売却収入
貸付金の減少 ( 増加 )
その他
投資活動に投入した純キャッシュ
財務活動によるキャッシュ・フロー :
社債及び長期借入金による調達額
社債及び長期借入金の返済額
短期借入金の増加 ( 減少 )
配当金の支払
その他
財務活動により増加 ( 減少 ) した純キャッシュ
為替変動によるキャッシュへの影響額
138,283
568,659
(124,171)
85,707
(72,195)
現金及び預金等純増加額
(79,886)
80,949
32,502
現金及び預金等期首残高
472,067
391,118
358,616
5,756,915
現金及び預金等期末残高
¥ 392,181
¥ 472,067
¥ 391,118
$ 4,782,695
連結財務諸表注記参照
40
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
(974,220)
注記
三菱電機株式会社及び連結子会社
(1)表 示 方 法 の 基 礎 及 び 主 要 な 会 計 方 針 の 要 約
(a) 経営活動の概況
(d) 見積りの使用
三菱電機株式会社(以下「 当社 」)は、家庭電器から人工衛
当社は、連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見
星まで広範囲にわたる電気機械器具の開発、製造、販売を世
積りを行っており、それらの仮定と見積りは資産、負債、収
界中で行っている。
益、費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示金額に
(2)産業メカト
当社グループの事業は(1)重電システム、
影響を及ぼす。それらの仮定と見積りの影響を受ける重要
(3)情報通信システム、
(4)電子デバイス、
(5)家
ロニクス、
項目には、債権、棚卸資産及び繰延税金資産に対する評価引
庭電器、
(6)その他から構成されている。
当金、有形固定資産の帳簿価額、並びに従業員退職給付に係
2012 年 3 月 31 日に終了した年度における各事業分野別
の内部売上高消去前の構成比率は、重電システム 25%、産業
る資産、債務等が含まれる。実際の結果がそれらの見積りと
異なることもあり得る。
メカトロニクス 23%、情報通信システム 12%、電子デバイ
ス 5%、家庭電器 20%、その他 15%となっている。
当社グループの事業活動は日本を中心に行われており、
(e) 現金及び預金等
当社は、連結キャッシュ・フロー計算書の資金概念とし
2012 年 3 月 31 日に終了した年度の売上高の向先地域別の
て、取得後 3 ヵ月以内に満期となる流動性の高い短期金融資
構成比率は、日本 67%、北米 7%、アジア 16%、欧州 8%、そ
産を現金同等物とし、現金及び預金等に含めている。
の他 2%となっている。
当社グループの生産活動は、親会社(22 生産拠点)を中心
とする日本の生産拠点及び米国、英国、タイ、マレーシア、中
国等にある海外の生産拠点にて行われている。
(f) 有価証券及び投資有価証券
当社は、負債証券及び持分証券投資を売買目的有価証券、
売却可能有価証券または満期まで保有する有価証券に分類
している。
(b) 表示方法の基礎
売買目的有価証券は主に近い将来に売却することを目的
当社及び子会社は、会社が所在する国において一般に公
として取得し、保有するものである。満期まで保有する有価
正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、会計帳簿
証券は、会社がその満期まで保有する意思と能力を有する
を保持している。
ものである。売却可能有価証券は、売買目的有価証券または
当社は、米国において一般に公正妥当と認められる企業
会計の基準に準拠させるために必要な調整を行い、連結財
務諸表を作成している。
満期まで保有する有価証券以外のすべての有価証券である。
売買目的有価証券及び売却可能有価証券は公正価値によ
り評価している。満期まで保有する有価証券は、額面を超過
しまたはそれに満たない部分を償却または加算した償却原
(c) 連結の方針
価法により評価している。売買目的有価証券から生じる未
当社の連結財務諸表は、親会社及び子会社(重要でない子
実現損益は損益計算書に含めており、売却可能有価証券か
会社を除く。)の勘定に基づき作成し、すべての重要な連結
ら生じる未実現損益は、実現するまでは損益計算書には含
会社相互間項目及び未実現損益は消去している。
めず、関連税効果控除後の金額をその他の包括利益(損失)
親会社が支配力を有していないが重要な影響を及ぼしう
る、コーポレート ・ ジョイントベンチャー及び株式所有割合
が 20%から 50%の関連会社への投資については、持分法に
より計算した価額をもって計上している。株式所有割合が
累計額の一項目に含めて表示している。
有価証券の売却に伴う実現損益は、売却時点の個別保有
銘柄の移動平均原価により決定している。
一時的でない公正価値の下落を伴う売却可能有価証券は、
20%未満かまたは親会社が重要な影響を及ぼさない投資に
公正価値で評価し、評価後の金額を新たな簿価として設定
ついては、投資原価で計上している。
している。持分証券について、下落が一時的ではないか否か
なお、変動持分事業体に関しては、事業体に対して議決権
を判断するにあたっては、市場価格が回復するまでその有
以外の手段で財務上の持分を保有しているか否か、また、保
価証券を保有する能力及び意思があるかどうか、及び有価
有している場合主たる受益者としてその事業体を連結すべ
証券の市場価格が原価まで回復することを示唆する証拠が
きか否かを判定している。
反対の証拠より強いかどうかを考慮している。この評価の
証拠には減損の発生している理由、発生期間、期末日以降の
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
41
価値の変動、及び被投資会社の今後の見通しが含まれる。負
いる。この繰延税金資産及び負債は、これらの一時差異が解
債証券については、その負債証券を売却する意思があるか、
消すると予想される年度の課税所得に適用される税率によ
時価が償却原価まで回復するまでに売却することを要求さ
り計算している。また、税率の変更による影響は当該改正制
れる可能性が 50%より高いかを考慮して一時的であるかど
定年度の損益として認識している。評価引当金は、繰延税金
うかを判断している。
資産の一部または全部が実現できないであろうと予想でき
上記以外の有価証券は、取得価額により評価している。一
時的でない価値の下落が発生している場合には、上記売却
可能有価証券の減損に用いられる基準と同様の基準を用い
て損失を認識している。
る場合に計上し、繰延税金資産を正味実現可能価額まで減
じている。
また、当社は、未認識税務ベネフィットの認識基準として
認容される可能性が否認される可能性よりも高い場合に、
その財務諸表への影響を認識している。
(g) 貸倒引当金
当社は、貸倒引当金を貸倒実績率及び貸倒懸念債権等特
定の債権の評価に基づいて計上している。
(l) 製品保証
当社は、製造上やその他の不具合に対し、製品の種類や販
売地域及びその他の要因ごとに定められた期間または一定
(h) 棚卸資産
当社は、仕掛品のうち注文製品の取得原価については個
別法に、仕込製品の取得原価については総平均法により計
の使用条件に応じて製品保証を行っている。主に過去の無
償工事実績及び補修費用に関する現状に基づく見積額を製
品保証引当金に計上している。
上しており、いずれも低価法に基づいて評価している。ま
た、長期請負契約に基づく前受金は仕掛品から控除してい
(m) 退職給付
る。原材料及び製品の取得原価は原則として総平均法によ
当社は、年度末において年金制度の積立状況(年金資産の
り計上し、低価法に基づいて評価している。重電システムに
公正価値と予測退職給付債務の差額)を連結貸借対照表で認
ついては、一般的な慣行に従って 1 年以上の長期の工事も棚
識しており、対応する関連税効果控除後の調整金額をその
卸資産に含めている。
他の包括利益(損失)累計額に計上している。その他の包括
利益(損失)累計額への調整項目は、未認識過去勤務債務及
(i) 有形固定資産及び減価償却
当社は、有形固定資産を取得価額に基づいて計上してお
び未認識年金数理計算差異であり、これらの金額は翌年度
以降の退職給付費用として認識される。
り、その減価償却は、一般的な資産区分、構造及び利用方法
に従って見積られた耐用年数を用いて、主として定率法に
(n) 収益の認識
より償却しているが、一部の資産は定額法により償却して
当社は、所有権の移転を含む取引を裏付ける説得力のあ
いる。見積耐用年数は、建物及び構築物が最短 3 年、最長 50
る証拠が存在すること、引渡しが行われていること、売価が
年、また、機械装置及びその他の有形固定資産が最短 2 年、
確定しているまたは確定しうるものであること、かつ回収
最長 20 年である。
可能性が確からしいことのすべての要件を満たす場合に収
益の認識を行っている。家庭電器・半導体等の大量生産製品
(j) リース
は、顧客が製品を受入れた時点で、重電・産業用機器等の検
当社は、キャピタル・リース取引について、リース取引開
収を必要とする製品は、顧客が製品を受入れ、当社が当該製
始時に最低リース料支払予定額の割引現在価値とリース資
品に関して所定の性能が達成されていることを実証し、顧
産の公正価値のいずれか低い金額にて固定資産計上し、当
客による最終的な動作確認のうち重要となり得ないものを
社が所有する固定資産に対する減価償却と同様の方法によ
残すのみとなった時点で収益計上している。保守契約によ
り償却している。
る収益は、契約期間にわたり保守を実行し、その費用が発生
した時点で計上している。また、特定の長期請負契約につい
(k) 法人税等
ては、工事進行基準を適用している。進捗度は、当期までの
当社は、資産及び負債の連結貸借対照表上の価額と各々
発生費用を工事完了までの見積総費用と比較することによ
の税務計算上の価額との差異、並びに繰越欠損金額及び繰
り測定している。販売価格の確定している契約において予
越税額控除金額について繰延税金資産及び負債を認識して
想される損失は、その金額が合理的に見積られる場合、連結
42
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
損益計算書に計上する。特定の契約条件等に応じ判明した
レートを、また、すべての収益及び費用は、期中の平均レー
偶発事象に対し、合理的に見積られる引当を計上している。
トを用いている。その結果生ずる換算差額は「 為替換算調整
また、製品、機器、据付及び保守等の組み合わせによる取
額 」としてその他の包括利益(損失)累計額に計上している。
引契約につき、構成要素が別個の会計単位として取り扱わ
れる場合には、収益を各会計単位の公正価値に基づいて配
分している。
(s) 金融派生商品
当社は、すべての金融派生商品を資産または負債として
当 年 度 よ り、米 国 財 務 会 計 基 準 審 議 会 の Accounting
連結貸借対照表に計上し、公正価値により評価している。公
Standards Update(以下「ASU」)2009-13「 複数成果物を
正価値ヘッジ目的の場合、ヘッジ対象及び金融派生商品の
伴う売上契約 」( 会計基準編纂書 605「 収益認識 」の改訂 ) を
公正価値の変動額は当期の損益に計上し、キャッシュ・フ
適用している。ASU2009-13 は、各会計単位の販売価格に
ローヘッジ目的の場合、金融派生商品のヘッジ有効部分の
関するベンダー特有の客観的証拠または第三者証拠を入手
公正価値の変動額はヘッジ対象が損益に認識されるまで、
できない場合、当該会計単位に見積販売価格を使用するこ
その他の包括利益(損失)累計額に計上している。ヘッジの
ととし、販売価格がベンダー特有の客観的証拠、第三者証拠
非有効部分については直ちに当期の損益に計上している。
または見積販売価格のいずれに基づくものであるかに関係
また、金融派生商品の利用方法及び目的、金融派生商品と
なく、契約の対価総額は相対販売価格モデルを用いて各会
ヘッジ対象の会計処理並びに金融派生商品とヘッジ対象が
計単位に配分することを要求している。その結果、収益を配
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに与える影響に
分する際に残余法を使用することが禁止された。ASU2009-
関して開示をしている。
13 の適用による当社の連結上の財政状態及び経営成績への
重要な影響はない。
(t) 証券化取引
当社は、売掛債権を譲渡する証券化取引について、譲渡
(o) 研究開発費及び広告宣伝費
当社は、研究開発費及び広告宣伝費を発生時に費用処理
している。
債権に対する支配が買主に移るか否かを判定し、金融資産
の譲渡として認識された売掛債権は、連結貸借対照表から
除外している。売掛債権の譲渡に関する損益は、譲渡部分
に配分された帳簿価額により算定している。なお、売掛債
(p) 物流費用
当社は、物流費用を主として販売費及び一般管理費に計
上している。
権の一部を譲渡する場合当社が引き続き保有する参加持
分は、譲渡日における譲渡部分と引き続き保有する部分の
公正価値に基づいて配分された帳簿価額により計上して
いる。公正価値に関しては、貸倒損失を除いた将来予想
(q) 1 株当たり当期純利益
キャッシュ・フローの現在価値に基づいて算定している。
当社は、基本的 1 株当たり当社株主に帰属する当期純利益
を、当社株主に帰属する当期純利益を期中における発行済
(u) 長期性資産の減損
株式数の加重平均値で除して算出している。希薄化後 1 株当
当社は、有形固定資産及び償却対象となる無形資産など
たり当社株主に帰属する当期純利益は、潜在的な利益の希
の保有及び使用中の長期性資産について、当該資産の帳簿
薄化を加味したものであり、希薄化効果を有する証券が期
価額が回収できないという事象や状況の変化が生じた場合
首または期中発行の場合は発行時に株式へ転換され、かつ
において、減損に関する検討をしている。当社が保有し、か
希薄化効果を有するストックオプションが権利行使され、
つ使用している資産の回収可能性は、その帳簿価額を資産
当社の普通株式を自己株式として平均市場価格で購入する
から生じると予測される割引前見積将来キャッシュ・フ
ものと見做して算出している。
ローと比較することにより判定している。当該資産の帳簿
価額がその見積将来キャッシュ・フローを上回っていた場
(r) 外貨換算
合には、帳簿価額が公正価値を超過する金額について減損
当社は、外貨建債権債務について期末日レートを用いて
を認識している。売却以外の方法による処分予定の長期性
換算している。その結果生ずる換算差額は当期の損益に計
資産について、処分が実施されるまでの期間中、保有及び使
上している。在外連結子会社等の財務諸表の円換算につい
用中の資産として分類している。売却予定として分類され
て、外貨表示財務諸表のすべての資産及び負債は、期末日
た長期性資産について、連結貸借対照表上において他の長
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
43
期性資産とは区別して表示しており、帳簿価額及び売却費
は、減損に関する現行の 2 段階テストを行う必要はない。
用控除後の公正価値のいずれか低い金額で評価し、以後償
ASU2010-28 及び ASU2011-08 の適用による当社の連結
却していない。また売却予定として分類された処分グルー
上の財政状態及び経営成績への重要な影響はない。
プの資産及び負債は、連結貸借対照表上においてそれぞれ
の適切な科目で別個に表示している。
(x) 撤退または処分活動に関して発生する費用
当社は、撤退または処分活動に関する費用について、財務
(v) 株式に基づく報酬
会計概念書第 6 号(SFAC6)「 財務諸表の構成要素 」におけ
当社は、ストックオプション制度について、従業員等に対
る負債の定義を満たした場合に限り、負債を認識している。
してストックオプションを付与する場合、従業員等に対す
また、撤退または処分活動に関して発生する負債の当初の
るストックオプションの付与日における公正価値に基づき、
測定に公正価値を用いている。
株式報酬と交換で受け取った従業員等の勤務費用を認識し
ている。また、付与日後の報酬の修正から生じた追加報酬費
用を認識している。
(y) 保証
当社は、債務の保証または賠償責任契約を締結または変
更した時点で、その公正価値により負債認識しており、当社
(w) のれん及びその他の無形資産
が引き受けた保証について開示している。また、損失が発生
当社は、企業買収時に取得法により会計処理しており、取
する可能性が高いかどうかを識別するために、債務の保証
得した識別可能な資産、引き継いだ負債、被買収企業の非支
または賠償責任の履行条件を継続して監視し、損失の見積
配持分及び取得したのれんを取得日における公正価値で認
りが可能な場合は損失を計上している。
識、測定しており、企業結合の内容及び連結財務諸表に対す
る影響の評価を可能にする開示をしている。のれんについ
(z) 資産除去債務
ては償却せず、かわりに少なくとも 1 年に一度の減損テスト
当社は、特定のリース債務を除き、取得、建設や開発の結
をしている。また耐用年数が確定できないその他の無形資
果として生じる、もしくは通常の経営活動から生じる長期
産については、その耐用年数が確定するまでは償却をせず、
性資産の除去に関連する法的債務を資産除去債務としてい
減損テストをしている。一方、耐用年数が確定できるその他
る。資産除去債務を負った期間に公正価値の合理的な見積
の無形資産については、その耐用年数で償却し、かつ減損テ
りが可能であれば、公正価値でその債務を認識している。関
ストをしている。
連する資産除去費用は長期性資産の帳簿価額の一部として
「報
当年度より、米国財務会計基準審議会の ASU2010-28
資産化し、その後、その資産の耐用年数にわたり費用化して
告ユニットの帳簿価額がゼロまたはマイナスのケースにお
いる。資産除去債務の当初測定後、時間の経過及び債務に内
ける、のれんの減損テストの第 2 ステップの実施時期 」及び
在する見積将来キャッシュ・フローの変化を反映させるた
ASU2011-08「 のれんの減損テスト 」( 会計基準編纂書 350
めに、債務を各期間終了時点で修正している。
「 の れ ん と 無 形 固 定 資 産 」の 改 訂 ) を 適 用 し て い る。
ASU2010-28 は、報告単位の帳簿価額がゼロまたはマイナ
スのケースにおいて、報告単位の公正価値(のれんを含む)
と帳簿価額を比較するのれんの減損テストの第 1 ステップ
(aa) 組替再表示
当社は、当年度の表示に合わせ過年度の表示を一部組替
再表示している。
を変更し、のれんの減損が生じている可能性が 50%超であ
ることを示唆する不利な質的要因が存在する場合は、のれ
(bb) 新会計基準
んの減損額を測定するため、報告単位ののれんの公正価値
2011年6月、米国財務会計基準審議会はASU2011-05「 包
と帳簿価額を比較するのれんの減損テストの第 2 ステップ
括利益の表示 」( 会計基準編纂書 220「 包括利益 」の改訂 ) を
を実施することを要求している。ASU2011-08 は、のれん
公表した。ASU2011-05 は、純損益及び包括利益の項目を単
の減損テストに関する現行の 2 段階テストを実施する前に、
、分割された 2 つの
一の計算書に表示するか(1 計算書方式)
報告ユニットの公正価値が帳簿価額を下回っている可能性
連続する計算書に表示するか(2 計算書方式)の選択肢を企業
が 50% 超か否かについての定性的評価の選択肢を企業に
に与えている。これによりその他の包括利益を連結資本勘定
認めている。報告ユニットの公正価値が帳簿価額を下回っ
計算書上に表示することを認めている米国会計基準上の選
ている可能性が 50% 以下であると企業が結論付けた場合
択肢は廃止される。また、2011 年 12 月、米国財務会計基準
44
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
審議会は ASU2011-12「ASU2011-05 における、その他の
2011 年 12 月、米国財務会計基準審議会は ASU2011-11
包括利益累計額から振り替える項目の表示に関する改定の
「 資産と負債の相殺表示についての開示 」( 会計基準編纂書
適用日の延期 」( 会計基準編纂書 220「 包括利益 」の改訂 ) を
210「 貸借対照表 」の改訂 ) を公表した。ASU2011-11 は、
公表した。ASU2011-12 は、ASU2011-05 のうち、その他の
相殺表示の要件を満たす金融商品や取引、及びマスター
包括利益累計額から当期純利益に振り替えた項目を当期純
ネッティング契約と類似の契約を条件とする金融商品や取
利益に区分掲記する修正に関する変更規定の適用日を延期
引についての総額表示及び純額表示の開示を要求している。
している。当社は 2012 年 4 月 1 日より ASU2011-05 及び
当社は 2013 年 4 月 1 日より ASU2011-11 を遡及的に適用
ASU2011-12 を遡及的に適用する必要がある。ASU2011-
する必要がある。ASU2011-11 を適用することによる当社
05 及び ASU2011-12 を適用することによる当社の連結上
の連結上の財政状態及び経営成績に与える重要な影響はな
の財政状態及び経営成績に与える重要な影響はない。
い。
(2)米 ド ル に よ る 表 示 額
当社は、連結財務諸表を日本円で記載しており、専ら読者
に換算された金額を表示している。米ドル表示は、記載され
の便宜のために、2012 年 3 月末現在の東京外国為替市場に
た円の金額が当該レートにて米ドルに換金されうることを
おける概ねその実勢為替相場 1 米ドル= 82 円により米ドル
示していると解すべきものではない。
(3)有 価 証 券
有価証券、投資有価証券及びその他に含まれる市場性のあ
る有価証券は、売却可能有価証券によって構成されている。
現在における持分証券及び負債証券の取得原価、総未実現
利益及び損失、公正価値は次のとおりである。
売却可能有価証券に関する 2012 年及び 2011 年 3 月 31 日
金額(百万円)
取得原価
総未実現
利益
総未実現
損失
公正価値
持分証券
¥ 95,412
¥28,533
¥4,891
¥119,054
負債証券
46,105
783
4,315
42,573
¥141,517
¥29,316
¥9,206
¥161,627
取得原価
総未実現
利益
総未実現
損失
公正価値
持分証券
¥102,609
¥27,900
¥ 9,946
¥120,563
負債証券
59,453
2,714
9,478
52,689
¥162,062
¥30,614
¥19,424
¥173,252
取得原価
総未実現
利益
総未実現
損失
公正価値
持分証券
$1,163,561
$347,963
$ 59,646
$1,451,878
負債証券
562,256
9,549
52,622
519,183
$1,725,817
$357,512
$112,268
$1,971,061
2012:
売却可能有価証券 :
金額(百万円)
2011:
売却可能有価証券 :
金額(千米ドル)
2012:
売却可能有価証券 :
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
45
負債証券は、国債及び社債等である。
了した年度においては、10,643 百万円減少している。
売却可能有価証券における関連税額及び非支配持分控除
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在における市場性のな
後の純未実現利益額は、2012 年及び 2010 年 3 月 31 日に終
い株式の取得原価は、14,627 百万円(178,378 千米ドル)及
了した各年度において、それぞれ 6,285 百万円(76,646 千
び 13,779 百万円である。
米ドル)及び 20,699 百万円増加し、2011 年 3 月 31 日に終
2012 年 3 月 31 日現在における売却可能有価証券の償還期限別情報は次のとおりである。
金額(百万円)
取得原価
1 年内償還
¥
3,149
1 ∼ 5 年内償還
5 年超償還
市場性のある株式
金額(千米ドル)
公正価値
¥
2,995
取得原価
$
38,402
公正価値
$
36,525
4,292
4,793
52,342
58,451
38,664
34,785
471,512
424,207
95,412
119,054
1,163,561
1,451,878
¥141,517
¥161,627
$1,725,817
$1,971,061
2012 年 3 月 31 日現在における売却可能有価証券の総未実現損失及び公正価値を、未実現損失が継続的に生じている期間
別にまとめると次のとおりである。
金額(百万円)
12 ヵ月未満
12 ヵ月以上
合計
公正
価値
総未実現
損失
公正
価値
総未実現
損失
公正
価値
総未実現
損失
持分証券
¥12,326
¥1,807
¥20,916
¥3,084
¥33,242
¥4,891
負債証券
892
108
32,301
4,207
33,193
4,315
¥13,218
¥1,915
¥53,217
¥7,291
¥66,435
¥9,206
売却可能有価証券 :
金額(千米ドル)
12 ヵ月未満
12 ヵ月以上
公正
価値
総未実現
損失
公正
価値
総未実現
損失
$150,317
$22,037
$255,073
$37,609
合計
公正
価値
総未実現
損失
売却可能有価証券 :
持分証券
負債証券
10,878
1,317
393,915
51,305
$161,195
$23,354
$648,988
$88,914
未実現損失を含む投資の公正価値の下落については、市
$405,390 $ 59,646
404,793
52,622
$810,183 $112,268
思があるか否か等を考慮した結果、一時的であると判断し
場価格が回復するまでその有価証券を保有する能力及び意
ているため減損の認識は行っていない。
2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した各年度における売却可能有価証券の売却額、実現利益及び実現損失は
次のとおりである。
金額(百万円)
2012
売却額
2011
金額(千米ドル)
2012
2010
¥1,460
¥3,955
¥1,406
$17,805
実現利益
486
1,157
672
5,927
実現損失
5
11
27
61
2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した各年度において、市場性のある持分証券の一時的でない市場価格の下
落に伴う減損をそれぞれ 6,912 百万円(84,293 千米ドル)、3,679 百万円、2,864 百万円計上した。
46
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
(4)受 取 手 形 及 び 売 掛 金
受取手形及び売掛金の内訳は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
受取手形
売掛金
貸倒引当金
¥ 61,745
¥ 58,931
897,332
740,433
(8,341)
¥950,736
金額(千米ドル)
2012
2011
(8,373)
¥790,991
$
752,988
10,943,073
(101,719)
$11,594,342
(5)棚 卸 資 産
棚卸資産の内訳は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
仕掛品
控除 : 前受金
原材料
製品
2011
金額(千米ドル)
2012
¥277,017
¥249,173
$3,378,256
24,220
16,198
295,366
252,797
232,975
3,082,890
90,471
79,334
1,103,305
232,911
215,195
2,840,378
¥576,179
¥527,504
$7,026,573
(6)関 連 会 社 に 対 す る 投 資
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在、また、2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した各年度における、持分法
を適用している関連会社(ルネサス エレクトロニクス㈱、東芝三菱電機産業システム㈱等)の要約財務情報は次のとおりで
ある。
金額(百万円)
金額(千米ドル)
2012
2011
2012
¥1,431,161
¥1,570,042
$17,453,183
有形固定資産
403,553
438,814
4,921,378
その他の資産
204,841
252,402
2,498,061
¥2,039,555
¥2,261,258
$24,872,622
流動負債
¥1,213,890
¥1,270,234
$14,803,536
固定負債
285,338
387,360
3,479,732
1,499,228
1,657,594
18,283,268
540,327
603,664
6,589,354
¥2,039,555
¥2,261,258
$24,872,622
財政状態
流動資産
資産合計
負債合計
資本合計
負債・資本合計
金額(百万円)
2012
2011
2010
¥1,956,596
¥2,181,546
¥1,614,702
(69,818)
(37,851)
金額(千米ドル)
2012
経営成績
売上高
関連会社株主に帰属する当期純利益 ( 損失 )
(36,010)
$23,860,927
(439,146)
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
47
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在、また、2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した各年度における持分法を
適用している関連会社との債権債務残高及び取引高は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
2011
金額(千米ドル)
2012
売掛金
¥ 76,720
¥ 69,625
$ 935,610
買掛金
144,502
146,925
1,762,220
金額(百万円)
2012
2011
2010
金額(千米ドル)
2012
売上高
¥314,740
¥314,174
¥281,043
$3,838,293
仕入高
184,766
160,188
148,308
2,253,244
6,945
8,963
7,558
84,695
受取配当金
持分法を適用している関連会社のうち、上場会社である 10 社(前連結会計年度 10 社)に関する情報は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
株式の持分法による評価額
株式の市場価格
2011
金額(千米ドル)
2012
¥75,783
¥ 95,177
$ 924,183
92,453
107,758
1,127,476
当社の持分法を適用している関連会社である㈱ルネサス
けている。この第三者割当増資実施後のルネサスに対する
テクノロジは、2010 年 4 月 1 日付で NEC エレクトロニクス
当社の持株比率は 25.05%であり、当社はルネサスに対する
㈱と合併し、ルネサス エレクトロニクス㈱(以下「ルネサス」
投資について、持分法を適用している。
という。)が発足した。これに伴い、当社は、合併の効力発生
当社は、合併の効力発生日における投資価額 98,472 百万
日に所有した㈱ルネサス テクノロジ株式 1 株に対して、ル
円と時価評価後のルネサス純資産持分 84,687 百万円との
ネサス株式 20.5 株が割り当てられた。
差額 13,785 百万円について、持分法投資に関するのれんと
また、合併の効力発生日にルネサスによる当社、日本電気
㈱及び㈱日立製作所を割当先とした総額 134,600 百万円の
第三者割当増資が実施され、当社は 35,235 百万円を引き受
して投資価額に含めて連結貸借対照表に計上している。
当社は、2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在において、こ
ののれんに減損が発生していないことを確認している。
(7)短 期 借 入 金 、社 債 及 び 長 期 借 入 金
短期借入金の内訳は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
銀行等からの借入
コマーシャル・ペーパー
2011
金額(千米ドル)
2012
¥111,450
¥64,555
$1,359,146
220
350
2,683
¥111,670
¥64,905
$1,361,829
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在における銀行等から
2012 年 3 月 31 日現在、当社の未使用コミットメントラ
の借入の加重平均利率は、それぞれ 1.04% 及び 0.74% で
インは 114,000 百万円(1,390,244 千米ドル)であり、契約
ある。
している金融機関から短期資金を調達することができる。
48
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
社債及び長期借入金の内訳は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
金額(千米ドル)
2012
2011
銀行等からの借入金
2012 年 3 月 31 日現在 年利 0.40%∼ 4.70% 2022 年最終満期
2011 年 3 月 31 日現在 年利 0.42%∼ 8.00% 2021 年最終満期
担保付
¥
無担保
935
¥
1,305
$
11,402
290,439
253,532
3,541,939
年率 1.76%利付 2011 年満期、無担保社債
—
25,000
—
年率 1.70%利付 2012 年満期、無担保社債
10,000
10,000
121,951
年率 1.40%利付 2012 年満期、無担保社債
40,000
40,000
487,804
年率 1.17%利付 2014 年満期、無担保社債
30,000
30,000
365,854
年率 0.58%利付 2013 年満期、無担保社債
30,000
30,000
365,854
年率 1.38%利付 2011 年満期、無担保社債
—
14
—
年率 0.94%利付 2012 年満期、無担保社債
キャピタル・リース債務
控除:1 年以内に期限の到来する額
—
200
—
29,247
29,396
356,671
430,621
419,447
5,251,475
88,832
137,856
1,083,317
¥341,789
¥281,591
$4,168,158
社債及び長期借入金の年度別返済予定額は次のとおりである。
3 月 31日終了の各年度
金額(百万円)
金額(千米ドル)
2013 年
¥ 88,832
$1,083,317
2014 年
102,192
1,246,244
2015 年
82,119
1,001,451
2016 年
55,787
680,329
2017 年
44,811
546,476
2018 年以降
56,880
693,658
¥430,621
$5,251,475
合計
大部分の銀行等からの借入には取引約定書があり、現在あ
一部の担保付借入契約は追加担保の要求を認め、また、無
るいは将来のすべての借入に関して借入先からの要求があ
担保の借入契約も担保物件あるいは保証人を要求できる旨
れば直ちに担保または保証人を提供すること、並びにその約
の規定がある。有形固定資産のうち 1,170 百万円(14,268
定書もしくはその他により提供された担保は当該借入先に
千米ドル)
は、銀行等からの長期借入金の担保となっている。
対する一切の債務に充当されることが記載されている。
(8)支 払 手 形 及 び 買 掛 金
支払手形及び買掛金の内訳は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
支払手形
買掛金
2011
金額(千米ドル)
2012
¥ 19,653
¥ 21,781
$ 239,670
680,609
676,008
8,300,110
¥700,262
¥697,789
$8,539,780
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
49
(9)法 人 税 等
法人税等総額は以下の項目に配分されている。
金額(百万円)
2012
税金等調整前当期純利益
2010
¥77,097
¥31,390
(135)
(1,978)
550
(144)
¥105,815
金額(千米ドル)
2012
2011
$1,290,427
資本の部−その他の包括利益 ( 損失 ) 累計額 :
為替換算調整額
年金負債調整額
(1,646)
(1,651)
45,284
(1,756)
2,777
(6,886)
12,652
33,866
37
(7)
(8)
451
¥108,350
¥66,575
¥89,868
$1,321,342
有価証券未実現損益
デリバティブ未実現損益
法人税等の期間配分調整額の主な内訳は次のとおりである。
金額(百万円)
繰延税金資産に係る評価引当金残高の増減
金額(千米ドル)
2012
2011
¥ (6,686)
¥ (9,232)
¥1,633
$ (81,537)
70,314
32,020
5,799
857,488
¥63,628
¥22,788
¥7,432
$775,951
その他
2012
2010
当社は所得に対して種々の税金を課せられており、2012
繰延税金資産及び繰延税金負債の算定に適用する法定実効
年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した各年度におけ
税率を見直している。見直し前の法定実効税率約 41% に対
る法定実効税率は約 41% である。
し、見直し後の法定実効税率は、2012 年 4 月 1 日以降 2015
「 経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るた
めの所得税法等の一部を改正する法律(平成 23 年法律第
年 3 月 31 日 ま で は 約 38%、2015 年 4 月 1 日 以 降 は 約
35.5% である。
114 号)」及び「 東日本大震災からの復興のための施策を実
2012 年 3 月 31 日に終了した年度において、上記の法定
施するために必要な財源の確保に関する特別措置法(平成
実効税率の変更に伴い繰延税金資産及び繰延税金負債の評
23 年法律第 117 号)」が 2011 年 11 月に可決、12 月に公布
価替えに係る税金費用 31,967 百万円(389,841 千米ドル)
され、2012 年 4 月 1 日以降開始する年度に適用される法人
を連結損益計算書の「 法人税等−法人税等の期間配分調整
税率が引下げられたことから、2011 年 12 月 31 日において、
額 」に計上している。
2012 年 4 月 1 日以降に解消が見込まれる一時差異等に係る
2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した各年度における法定実効税率と税金等調整前当期純利益に対する実
効税率との差異は次のとおりである。
法定実効税率
評価引当金の増減額
税務上損金算入されない費用
2011
2010
41.0%
41.0%
41.0%
(0.3)
(0.9)
0.7
1.0
1.0
3.2
海外税率差異
(5.1)
(6.9)
(16.5)
税額控除
(3.3)
(4.2)
(4.1)
持分法投資に係る税効果
0.9
4.0
23.5
税率の変更
14.3
—
—
その他
(1.3)
2.7
1.0
47.2%
36.7%
48.8%
税金等調整前当期純利益に対する実効税率
50
2012
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在における税効果による繰延税金資産及び繰延税金負債の主な発生要因別内訳は次のと
おりである。
金額(百万円)
2012
2011
金額(千米ドル)
2012
繰延税金資産 :
退職給付引当金
未払費用
有形固定資産
棚卸資産
年金負債調整額
繰越欠損金
その他
¥ 93,206
¥122,238
$1,136,659
101,762
113,118
1,241,000
33,172
40,517
404,537
41,234
42,699
502,854
106,170
121,765
1,294,756
7,652
7,687
93,317
70,108
85,216
854,975
繰延税金資産総額
453,304
533,240
5,528,098
評価引当金
(55,904)
(62,590)
繰延税金資産純額
397,400
470,650
4,846,342
退職給付信託設定
30,404
32,856
370,780
有形固定資産
12,135
15,284
147,988
(681,756)
繰延税金負債 :
有価証券未実現利益
その他
繰延税金負債総額
差引純繰延税金資産
7,407
4,630
90,329
33,236
25,576
405,318
83,182
78,346
1,014,415
¥314,218
¥392,304
$3,831,927
2010 年 4 月 1 日現在の繰延税金資産に対する評価引当金
来課税所得によって決定される。経営者は、その評価にあた
は 71,822 百万円であり、2011 年 3 月 31 日に終了した年度
り、予定される繰延税金負債の戻入、予測される将来課税所
において 9,232 百万円減少し、2012 年 3 月 31 日に終了し
得及び税務戦略を考慮している。
た年度において 6,686 百万円(81,537 千米ドル)減少した。
2012 年 3 月 31 日現在、将来の課税所得と相殺し得る当
繰延税金資産の実現可能性の評価にあたり、経営者は繰延
社及びいくつかの子会社の法人税及び地方税の欠損金繰越
税金資産の一部または全部が実現する可能性が実現しない
額は 14,937 百万円(182,159 千米ドル)及び 40,044 百万
可能性より高いかどうかを考慮している。繰延税金資産の
円(488,341 千米ドル)であり、この繰越期限は主として
実現は、最終的には一時差異が減算可能な期間における将
2017年及び2016年3月31日に終了する各年度に到来する。
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在、繰延税金資産及び繰延税金負債の連結貸借対照表計上額の内訳は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
前払費用及びその他の流動資産
その他の資産
その他の固定負債
金額(千米ドル)
2012
¥146,077
¥159,559
$1,781,427
172,204
237,459
2,100,049
(4,063)
¥314,218
国内子会社及び一部の関連会社の未分配利益については、
2011
(4,714)
¥392,304
(49,549)
$3,831,927
能性がある。
配当金として分配されても現状では課税対象とされないか
追加納税等に関する利息及び課徴金については、連結損
または重要ではないため、その未分配利益に対する繰延税
益計算書の法人税等に含めて計上している。なお、2012 年
金負債は計上していない。海外子会社及び関連会社の未分
及び 2011 年 3 月 31 日現在における、連結貸借対照表上の
配利益に対する繰延税金負債は計上している。
未払利息及び課徴金、並びに 2012 年、2011 年及び 2010 年
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在において、当社には、
重要性のある未認識税務ベネフィットはないが、今後の税
3 月 31 日現在における連結損益計算書上の利息及び課徴金
の金額に重要性はない。
務調査等の結果により、将来の実効税率に影響を与える可
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
51
当社及び子会社は、日本及び様々な海外地域の税務当局
に法人税の申告をしており、主要な租税管轄区における税
務調査未了年度は次のとおりである。
国または地域
税務調査未了年度
日本
2005 − 2012 年度
2009 − 2012 年度
2007 − 2012 年度
2008 − 2012 年度
アメリカ
タイ
欧州
(10)退 職 給 付
当社は、従業員を対象とする、従業員非拠出制及び拠出制
の確定給付建退職給付制度を採用している。
入 し た。ま た、従 業 員 拠 出 制 の 退 職 給 付 制 度 を 変 更 し、
キャッシュバランスプランを導入した。このキャッシュバ
従業員非拠出制の退職給付制度では、退職までに累積され
ランスプランのもとでは、対象者の個人別仮想口座におい
た退職金ポイントに基づき、勤続 20 年未満の従業員につい
て毎年の掛金及び市場連動金利に基づいた給付額が計算さ
ては退職時に一時金が支給され、勤続 20 年以上の従業員に
れ積み立てられる。
ついては退職後の年金受給権が付与される。更に一定要件を
国内連結子会社は、各社毎の退職給付制度に基づき、その
満たす場合は、退職時の年齢等に応じて付加金が支給され
一部または全部につき厚生年金基金制度または企業年金基
る。従業員拠出制の退職給付制度では規定年齢以降、一時金
金制度を設けている。
または年金が支給される。従業員非拠出制の退職給付制度の
一部及び従業員拠出制の退職給付制度の年金資産は、法令に
なお、退職年金制度を採用している海外連結子会社では、
主に確定拠出年金制度を採用している。
基づき、経営者と従業員の代表で構成される企業年金基金に
当社は、年度末において年金資産の公正価値及び退職給
より一体として運営されている。また、従業員非拠出制の退
付債務を測定し、年金制度の積立状況(年金資産の公正価値
職給付制度の一部につき退職給付信託を設定している。
と予測退職給付債務の差額)を連結貸借対照表で認識してお
当社は、2005 年 3 月 31 日に終了した年度中に労使の合
意を経て退職給付制度を改定し、2005 年 4 月 1 日より従業
り、対応する関連税効果控除後の調整金額をその他の包括
利益(損失)累計額に計上している。
員非拠出制の退職給付制度の一部に確定拠出年金制度を導
債務及び積立状況
予測給付債務及び年金資産の公正価値の期首及び期末残高の調整は次のとおりである。
金額(百万円)
金額(千米ドル)
2012
2011
2012
¥1,072,082
¥1,095,652
$13,074,171
勤務費用
29,222
28,925
356,366
利息費用
21,838
22,346
266,317
1,108
1,129
13,512
—
(576)
—
予測給付債務の変動 :
予測給付債務期首残高
従業員拠出額
給付制度の変更
数理計算上の損失
給付額
連結範囲の異動等
予測給付債務期末残高
11,147
(82,476)
82
(74,651)
135,939
(1,005,805)
49
(825)
598
1,052,970
1,072,082
12,841,098
年金資産の変動 :
年金資産の公正価値期首残高
655,586
637,716
7,994,951
資産の実際収益
15,024
(10,465)
183,220
事業主拠出額
46,238
63,243
563,878
従業員拠出額
1,108
1,129
13,512
(34,456)
(35,579)
(420,195)
給付額
連結範囲の異動等
年金資産の公正価値期末残高
積立状況
52
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
(242)
683,258
¥ (369,712)
(458)
655,586
¥ (416,496)
(2,951)
8,332,415
$ (4,508,683)
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在の連結貸借対照表における認識額は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
その他の資産
¥
その他の流動負債
7,912
(5,542)
退職給付引当金
金額(千米ドル)
2012
2011
¥
8,192
$
96,488
(67,586)
(5,680)
(372,082)
(419,008)
(4,537,585)
¥(369,712)
¥(416,496)
$(4,508,683)
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在のその他の包括利益(損失)累計額における認識額は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
年金数理差異
2011
¥ 395,639
過去勤務債務(資産)
(100,219)
¥ 295,420
¥ 414,793
(117,263)
¥ 297,530
金額(千米ドル)
2012
$ 4,824,866
(1,222,183)
$ 3,602,683
確定給付制度の累積給付債務は次のとおりである。
金額(百万円)
累積給付債務
2012
2011
¥1,046,736
¥1,066,581
金額(千米ドル)
2012
$12,765,073
退職給付費用及びその他の包括利益 ( 損失 ) の内訳
2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した各年度における退職給付費用計上額の内訳は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
勤務費用
予測給付債務の利息費用
2011
¥ 30,330
¥ 30,054
2010
¥ 32,526
金額(千米ドル)
2012
$ 369,878
21,838
22,346
23,108
266,317
年金資産の期待収益
(12,834)
(12,057)
(10,373)
(156,512)
過去勤務債務(資産)の償却
(17,044)
(16,996)
(15,529)
(207,854)
数理計算上の損失の償却
27,904
35,107
42,220
340,293
純退職給付費用
50,194
58,454
71,952
612,122
従業員拠出額
(1,108)
(1,129)
(1,168)
(13,512)
¥ 57,325
¥ 70,784
退職給付費用計上額
¥ 49,086
$ 598,610
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日に終了した年度におけるその他の包括利益(損失)で認識された年金資産と予測給付債務の
その他の変化は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
年金数理差異の発生額
数理計算上の損失(利益)の償却
過去勤務債務(資産)の発生額
過去勤務債務の償却
2011
¥ 8,750
(27,904)
¥ 22,785
(35,107)
金額(千米ドル)
2012
$ 106,707
(340,293)
—
(576)
—
17,044
16,996
207,854
¥ (2,110)
¥ 4,098
$ (25,732)
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
53
2013 年 3 月 31 日に終了する年度における年金数理差異及び過去勤務債務の見積償却額は次のとおりである。
金額(百万円)
年金数理差異
過去勤務債務(資産)
金額(千米ドル)
¥ 21,083
$ 257,110
(21,748)
(265,220)
数理計算上の前提条件
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在の退職給付債務の数理計算上の前提条件の加重平均値は次のとおりである。
2012
2011
割引率
2.0%
2.0%
昇給率
1.7%
1.7%
2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した各年度における退職給付費用の数理計算上の前提条件の加重平均値
は次のとおりである。
2012
2011
2010
割引率
2.0%
2.0%
2.0%
昇給率
1.7%
1.7%
1.7%
長期期待収益率
2.5%
2.5%
2.5%
長期期待収益率は、投資対象となる資産カテゴリー別の過去の運用実績や将来収益に対する予測等を考慮して設定されて
いる。
年金資産
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在の年金資産の公正価値は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
レベル 2
レベル1
レベル 3
合計
—
¥137,940
持分証券 市場性のある株式
¥137,940
合同運用信託
¥
—
¥
—
141,103
—
141,103
3,410
22,548
—
25,958
—
248,523
—
248,523
生保一般勘定
—
83,287
—
83,287
その他
—
31,296
15,151
46,447
¥141,350
¥526,757
¥ 15,151
¥683,258
負債証券
国債、公債及び社債
合同運用信託
その他資産
年金資産合計
(注)
1 市場性のある株式は、ほとんどを国内株式に投資している。
2 持分証券の合同運用信託は、約 30%を国内株式、約 70% を外国株式に投資している。
3 負債証券の合同運用信託は、約 70 %を国内債券、約 30% を外国債券に投資している。
4 国債、公債及び社債のレベル1には、国債が含まれている。
54
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
金額(百万円)
2011
レベル 2
レベル1
レベル 3
合計
—
¥—
¥139,744
—
164,206
—
164,206
2,334
20,876
—
23.210
—
207,468
—
207,468
生保一般勘定
—
77,383
—
77,383
その他
—
43,575
—
43,575
¥142,078
¥513,508
¥—
¥655,586
持分証券 市場性のある株式
¥139,744
合同運用信託
¥
負債証券
国債、公債及び社債
合同運用信託
その他資産
年金資産合計
(注)
1 市場性のある株式は、ほとんどを国内株式に投資している。
2 持分証券の合同運用信託は、約 40 %を国内株式、約 60% を外国株式に投資している。
3 負債証券の合同運用信託は、約 60 %を国内債券、約 40% を外国債券に投資している。
4 国債、公債及び社債のレベル 1 には、国債が含まれている。
金額(千米ドル)
2012
レベル 2
レベル1
レベル 3
合計
—
$1,682,195
持分証券 市場性のある株式
合同運用信託
$1,682,195
$
—
$
—
1,720,768
—
1,720,768
41,586
274,976
—
316,562
—
3,030,768
—
3,030,768
生保一般勘定
—
1,015,695
—
1,015,695
その他
—
381,659
184,768
566,427
$1,723,781
$6,423,866
$184,768
$8,332,415
負債証券
国債、公債及び社債
合同運用信託
その他資産
年金資産合計
投資政策は、受給権者に対する将来の年金給付に対応で
きる十分な年金資産を確保すべく策定されている。また、年
金資産の長期期待収益率を考慮した上で、株式及び債券等
の最適な組み合わせからなる政策資産構成を策定している。
年金資産は、中長期に期待されるリターンを生み出すべく、
行っている。
公正価値の測定に使用されるインプットの3つのレベル
の区分については、注記 20 に記載している。
公正価値の階層は、公正価値を測定する際の時価を分類
したものである。
政策資産構成に基づいて個別の株式及び債券等に投資され
レベル1に該当する資産は、主に株式や国債で、十分な取
ている。当社は、年金資産の長期期待運用収益と実際の運用
引量と頻繁な取引がある活発な市場における調整不要な市
収益との乖離を毎年検証している。更に経営状況、制度の改
場価格で評価している。レベル2に該当する資産は、主に持
定等を勘案し、年金資産の長期期待運用収益を達成するた
分証券や負債証券に投資をしている合同運用信託、社債及
めに、資産・負債の総合的管理の手法に基づき必要な範囲で
び生保一般勘定である。合同運用信託は運用機関により計
政策資産構成を見直している。
算された純資産価値で評価している。社債については、活発
当社の政策資産構成は、大きく3つの資産区分に分類さ
ではない市場における同一資産の市場価格で評価している。
れる。約 30 %を持分証券、約 65 %を負債証券及び生命保
生保一般勘定は、生命保険会社により計算された元本額に
険会社が扱う団体年金の一般勘定(以下「 生保一般勘定 」と
約定利息を加算した価額で評価している。レベル3に該当
いう。)、約 5 %をヘッジファンドで運用している。年金資
する資産は、ヘッジファンドであり、観測不能なインプット
産は、選定に当たり内容を精査した上、適切な分散投資を
により公正価値を評価している。
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
55
2012 年 3 月 31 日に終了した年度におけるレベル3に分類された公正価値で評価される年金資産の変動額は以下のとおり
である。
金額(百万円)
ヘッジファンド
期首残高
¥
—
金額(千米ドル)
ヘッジファンド
$
—
実際運用収益:
売却利益(損失)
—
—
保有利益(損失)
(51)
(622)
14,000
170,732
1,202
14,658
¥15,151
$184,768
購入、売却及び決済
レベル間振替
期末残高
キャッシュ ・ フロー
2013 年 3 月 31 日に終了する年度において、退職給付制度に対して 47,561 百万円 (580,012 千米ドル ) の拠出を見込んで
いる。
予想将来給付額は次のとおりである。
3 月 31日終了の各年度
金額(百万円)
金額(千米ドル)
2013 年
¥ 72,013
$ 878,207
2014 年
68,275
832,622
2015 年
65,585
799,817
2016 年
65,654
800,659
2017 年
59,297
723,134
258,452
3,151,854
2018 年̶2022 年
2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した各年度における当社及びいくつかの子会社の確定拠出制度に関する
費用認識額は、それぞれ 6,938 百万円(84,610 千米ドル)、6,709 百万円及び 6,225 百万円である。
(11)資 本
普通株式の変動は次のとおりである。
株式数
2012
2011
期首株式数
2,147,201,551
2,147,201,551
期末株式数
2,147,201,551
2,147,201,551
発行済株式数 :
1982 年 10 月 1 日以降発行された転換社債及びワラント
行使による普通株式への転換は日本の旧商法に基づき会計
処理されており、転換価格及び行使価格の 2 分の 1 ずつがそ
れぞれ資本金及び資本剰余金に計上された。
は、株主総会の決議により欠損金の填補に使用されたり、資
本金へ振り替えられる可能性がある。
日本の会社法で規定されている分配可能額は、日本の会
計基準に基づいた会計帳簿の金額をもとに算出された金額
2006 年 5 月 1 日より施行された日本の会社法では、当社
である。この連結財務諸表には、米国において一般に公正妥
及び国内子会社の行ったその他利益剰余金による配当の
当と認められる企業会計の基準に準拠させるための調整が
10%の金額を、資本準備金と利益準備金の合計が各社毎の
含まれているが、会計帳簿の調整は行われておらず、した
資本金の 25%に達するまで、利益準備金として積み立てる
がって日本の会社法で規定される分配可能な留保利益額の
ことを要求している。これらの資本準備金及び利益準備金
決定に影響はしない。2012 年 3 月 31 日現在、当社会計帳簿
56
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
度に、その他剰余金より分配された現金配当及び利益準備
に計上されている分配可能な留保利益額は 231,947 百万円
(2,828,622 千米ドル)である。
金繰入額は、各年度の支払配当額及び利益準備金積立額を
2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した各年
示している。
(12)ス ト ッ ク オ プ シ ョ ン 制 度
当社は取締役及び執行役並びに一部の従業員に対し、ス
場価格より高い権利行使価格で付与するものであり、その
トックオプションを付与していた。このストックオプショ
行使期間は権利付与日から 2 年間が経過した日から 4 年間
ン制度は、新株予約権を権利付与日における当社株式の市
である。
ストックオプションの状況は次のとおりである。
株式数
加重平均行使価格
金額(円)
2009 年 3 月 31日現在残高
金額(米ドル)
16,000
¥437
16,000
437
2010 年 3 月 31日現在残高
—
—
2011 年 3 月 31日現在残高
—
—
$ —
2012 年 3 月 31 日現在残高
—
¥ —
$ —
権利行使
(13)そ の 他 の 包 括 利 益( 損 失 )
その他の包括利益(損失)累計額の変動内訳は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
2011
金額(千米ドル)
2012
2010
為替換算調整額:
期首残高
当期調整額
期末残高
¥ (59,400)
¥ (41,524)
¥ (47,499)
$ (724,391)
(8,254)
(17,876)
5,975
(100,658)
(67,654)
(59,400)
(41,524)
(825,049)
(162,390)
(171,674)
(233,373)
(1,980,366)
年金負債調整額:
期首残高
当期調整額
期末残高
2,234
(160,156)
9,284
61,699
(162,390)
(171,674)
27,244
(1,953,122)
有価証券未実現損益:
期首残高
5,957
16,600
(4,099)
72,647
当期調整額
6,285
(10,643)
20,699
76,646
12,242
5,957
16,600
149,293
(86)
89
(95)
期末残高
デリバティブ未実現損益:
期首残高
当期調整額
期末残高
(1,049)
51
(175)
184
622
(35)
(86)
89
(427)
(215,919)
(196,509)
(285,066)
(2,633,159)
(19,410)
88,557
¥(215,919)
¥(196,509)
その他の包括利益 ( 損失 ) 累計額:
期首残高
当期調整額
期末残高
316
¥(215,603)
3,854
$(2,629,305)
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
57
その他の包括利益 ( 損失 ) には税効果額が含まれており、その調整金額は次のとおりである。
税効果
調整前
税効果額
金額(百万円)
税効果
調整後
2012:
為替換算調整額:
当期発生額
当期に実現した損益の組替額
当期純変動額
¥(8,379)
¥
135
¥(8,244)
(10)
—
(10)
(8,389)
135
(8,254)
年金負債調整額:
当期発生額
(8,770)
4,597
(4,173)
当期に実現した損益の組替額
10,860
(4,453)
6,407
当期純変動額
2,090
144
2,234
有価証券未実現損益:
当期発生額
3,536
(654)
2,882
当期に実現した損益の組替額
5,526
(2,123)
3,403
当期純変動額
9,062
(2,777)
6,285
88
(37)
51
¥ 2,851
¥(2,535)
デリバティブ未実現損益:
当期発生額
その他の包括利益(損失)
¥
316
金額(百万円)
税効果
調整前
税効果額
税効果
調整後
2011:
為替換算調整額:
当期発生額
当期に実現した損益の組替額
¥(22,684)
¥ 1,948
¥(20,736)
2,830
30
2,860
(19,854)
1,978
(17,876)
当期発生額
(23,921)
9,077
(14,844)
当期に実現した損益の組替額
31,554
(7,426)
24,128
7,633
1,651
9,284
(22,250)
8,864
(13,386)
4,721
(1,978)
2,743
(17,529)
6,886
(10,643)
当期純変動額
年金負債調整額:
当期純変動額
有価証券未実現損益:
当期発生額
当期に実現した損益の組替額
当期純変動額
デリバティブ未実現損益:
当期発生額
その他の包括利益(損失)
58
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
(182)
7
(175)
¥(29,932)
¥10,522
¥(19,410)
金額(百万円)
税効果
調整前
税効果
調整後
税効果額
2010:
為替換算調整額:
当期発生額
当期に実現した損益の組替額
当期純変動額
¥
6,100
¥
(550)
¥ 5,550
425
—
425
6,525
(550)
5,975
80,292
(34,341)
45,951
年金負債調整額:
当期発生額
当期に実現した損益の組替額
当期純変動額
26,691
(10,943)
15,748
106,983
(45,284)
61,699
29,832
(11,214)
18,618
有価証券未実現損益:
当期発生額
当期に実現した損益の組替額
当期純変動額
3,519
(1,438)
2,081
33,351
(12,652)
20,699
デリバティブ未実現損益:
当期発生額
その他の包括利益(損失)
176
8
184
¥147,035
¥(58,478)
¥88,557
金額(千米ドル)
税効果
調整前
税効果
調整後
税効果額
2012:
為替換算調整額:
当期発生額
当期に実現した損益の組替額
当期純変動額
$(102,183)
$ 1,647
$(100,536)
(122)
—
(122)
(102,305)
1,647
(100,658)
(106,951)
56,061
(50,890)
132,439
(54,305)
78,134
25,488
1,756
27,244
年金負債調整額:
当期発生額
当期に実現した損益の組替額
当期純変動額
有価証券未実現損益:
当期発生額
43,122
(7,976)
35,146
当期に実現した損益の組替額
67,390
(25,890)
41,500
110,512
(33,866)
76,646
1,073
(451)
622
$ 34,768
$(30,914)
当期純変動額
デリバティブ未実現損益:
当期発生額
その他の包括利益(損失)
$
3,854
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
59
(14)1 株 当 た り 当 社 株 主 に 帰 属 す る 当 期 純 利 益
基本的及び希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益の算出における、当社株主に帰属する当期純利益及び発行
済株式数の調整内容は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
当社株主に帰属する当期純利益
金額(千米ドル)
2012
2010
¥112,063
¥124,525
¥28,278
$1,366,622
—
—
—
—
¥112,063
¥124,525
¥28,278
$1,366,622
潜在的普通株式による影響
希薄化後当社株主に帰属する当期純利益
2011
株式数
平均発行済普通株式数
2012
2011
2010
2,146,926,221
2,146,959,471
2,146,133,669
—
—
826
2,146,926,221
2,146,959,471
2,146,134,495
潜在的普通株式による影響 :
ストックオプション
調整後発行済普通株式数
金額(円)
2012
2011
2010
金額(米ドル)
2012
1株当たり当社株主に帰属する当期純利益 :
基本的
希薄化後
¥52.20
¥58.00
¥13.18
$0.637
—
—
13.18
—
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日に終了した年度の希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益は、潜在株式が存在
しないため記載していない。
(15)金 融 派 生 商 品 及 び ヘ ッ ジ 活 動
外国為替リスク及び金利変動リスク
キャッシュ・フローヘッジ
当社及び子会社は事業活動を遂行する上で、外国為替相
当社及びいくつかの子会社は、主に予定取引に関して外
場及び金利相場の変動による市場リスクに晒されている。
国為替相場の変動による市場リスクをヘッジするために先
当社及びいくつかの子会社は、これらのリスクを回避する
物為替予約を実施し、また、社債及び長期借入金の一部を変
目的で先物為替予約、通貨スワップ、及び金利スワップを利
動金利から固定金利へ変更するために金利スワップを実施
用しており、短期的な売買差益を獲得する目的や投機目的
している。当社及びいくつかの子会社は、これらの取引を
のためにデリバティブ取引を利用することはない。
キャッシュ・フローヘッジと位置づけている。
契約金額、想定元本金額及び信用リスク
先物為替予約、通貨スワップ、及び金利スワップには、取
引先の契約不履行に係るリスク(信用リスク)があるが、当
社及び子会社は、取引先の信用格付けが高いため信用リス
クはほとんどないと判断している。その他のデリバティブ
は、子会社が保有している一定期間の保有を前提としたデ
当社及びいくつかの子会社が利用する先物為替予約が
キャッシュ・フローの変動をヘッジしている期間は、最長で
15 ヵ月である。
当社は、今後 12 ヵ月間に外貨建債権の回収及び外貨建債務
の支払い並びに変動金利付債務の利払いに応じて、金融派生
商品に係る利益純額 44 百万円(537 千米ドル)がその他の包
リバティブが組み込まれている債券であり、当該債券は元
括利益
(損失)
累計額から損益へ振替えられると考えている。
本が保証されているため、リスクはほとんどないと判断し
ヘッジ指定されていないデリバティブ取引
ている。
公正価値ヘッジ
いくつかの子会社は、通貨の変動に対応するために通貨
スワップを実施し、当取引を公正価値ヘッジと位置づけて
いる。
60
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
当社及びいくつかの子会社は、ヘッジ商品として指定され
ていない先物為替予約、通貨スワップの一部及び金利スワッ
プの一部について、外国為替相場及び金利変動の相場による
市場リスクをヘッジすることを目的として利用しており、こ
れらの商品の未実現損益の変動を損益に計上している。
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在における先物為替予約及び通貨スワップの契約金額、金利スワップ及びその他のデリ
バティブの想定元本金額の内訳は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
金額(千米ドル)
2012
2011
先物為替予約:
外貨売予約
¥91,946
¥129,398
$1,121,293
外貨買予約
47,207
57,395
575,695
通貨スワップ
23,651
13,121
288,427
金利スワップ
7,000
7,000
85,366
29,800
29,800
363,415
その他のデリバティブ
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在における先物為替予約、通貨スワップ、金利スワップ及びその他のデリバティブの見積
公正価値の内訳は次のとおりである。
ヘッジ指定された金融派生商品
デリバティブ資産
連結貸借対照表計上科目
見積公正価値
金額(百万円)
2012
先物為替予約
前払費用及びその他の流動資産
ヘッジ指定された金融派生商品
連結貸借対照表計上科目
2012
2011
¥72
金額(千米ドル)
¥ —
$878
デリバティブ負債
見積公正価値
金額(百万円)
2012
金額(千米ドル)
2012
2011
先物為替予約
その他の流動負債
¥ 16
¥ 16
$ 195
金利スワップ
その他の固定負債
115
163
1,403
¥131
¥179
$1,598
合計
デリバティブ資産
ヘッジ指定されていない金融派生商品
連結貸借対照表計上科目
見積公正価値
金額(百万円)
2012
金額(千米ドル)
2012
2011
先物為替予約
前払費用及びその他の流動資産
¥2,339
¥ 580
$28,525
通貨スワップ
前払費用及びその他の流動資産
21
816
256
金利スワップ
投資有価証券及びその他
108
128
1,317
¥2,468
¥1,524
$30,098
合計
デリバティブ負債
ヘッジ指定されていない金融派生商品
連結貸借対照表計上科目
見積公正価値
金額(百万円)
2012
金額(千米ドル)
2012
2011
先物為替予約
その他の流動負債
¥3,682
¥2,208
$44,902
通貨スワップ
その他の流動負債
27
784
329
その他のデリバティブ
その他の固定負債
合計
3,909
—
47,671
¥7,618
¥2,992
$92,902
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日に終了した年度におけるキャッシュ・フローヘッジに指定された先物為替予約及び金利ス
ワップの連結損益計算書への影響は次のとおりである。
キャッシュ・フローヘッジに指定された金融派生商品
その他の包括利益 ( 損失 ) に計上された損益(ヘッジ有効部分)
金額(百万円)
2012
先物為替予約
金利スワップ
合計
金額(千米ドル)
2012
2011
¥ 68
¥(224)
$ 829
45
25
549
¥113
¥(199)
$1,378
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
61
キャッシュ・フローヘッジに指定された金融派生商品
その他の包括利益 ( 損失 ) 累計額から損益への振替額(ヘッジ有効部分)
金額(百万円)
金額(千米ドル)
計上科目
2012
先物為替予約
その他の収益(費用)
2012
2011
¥(16)
¥213
$(195)
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日に終了した年度におけるヘッジ指定されていない先物為替予約、通貨スワップ、金利スワッ
プ及びその他のデリバティブの連結損益計算書への影響は次のとおりである。
ヘッジ指定されていない金融派生商品
損益認識された損益の計上科目
金額(百万円)
2012
金額(千米ドル)
2012
2011
先物為替予約
その他の収益
通貨スワップ
その他の収益(費用)
金利スワップ
その他の収益(費用)
(20)
5
(244)
その他のデリバティブ
その他の収益(費用)
(3,909)
—
(47,671)
¥(1,744)
¥5,663
$(21,268)
¥ 3,130
¥5,817
(945)
合計
(159)
$ 38,171
(11,524)
(16)証 券 化 取 引
当社は売掛債権を譲渡する証券化取引を行っている。
証券化に関連する損失は、2012 年、2011 年及び 2010 年
これらの取引において、当社は債権譲渡時点で一部の売
掛金に関して劣後受益権を留保している場合、当社が有し
3 月 31 日に終了した各年度において、それぞれ 450 百万円
(5,488 千米ドル)、643 百万円及び 783 百万円であった。
ている当該残存部分を連結貸借対照表において譲渡時の公
なお、当社は債権譲渡後、債権の回収及び管理責任を有し
正価値で計上し、回収不能見込額を反映するように会計処
ているが、回収サービスコストは回収手数料と近似してい
理している。2012 年 3 月 31 日現在において劣後受益権を
るためサービス業務資産及び負債を計上していない。
留保している取引はない。
証券化取引に関する特別目的会社及び銀行とのキャッシュ・フローの要約は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
新規証券化による収入
2011
¥383,396
¥413,959
2010
¥366,112
金額(千米ドル)
2012
$4,675,561
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在における証券化した売掛債権とともに管理される他の売掛債権は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
売掛債権
控除:証券化した売掛債権
連結貸借対照表の残高
¥1,039,731
2011
¥923,510
金額(千米ドル)
2012
$12,679,647
88,995
132,519
1,085,305
¥ 950,736
¥790,991
$11,594,342
なお、2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在において、証券化した売掛債権を含む売掛債権に関わる延滞額及び貸倒額は重要
ではない。
(17)契 約 債 務 及 び 偶 発 債 務
2012 年 3 月 31 日現在、有形固定資産の購入等に関する
契約債務は、15,986 百万円(194,951 千米ドル)である。
日本の商慣行において、売掛金の回収として約束手形を
受け取り、その後銀行に持ち込み割引くということは一般
債務を負っている。いくつかの子会社は、手形割引を売却と
して処理している。
2012 年 3 月 31 日現在、重要な信用リスクの集中はない。
当社及びいくつかの子会社は訴訟の被告となっているが、
的に広く行われている。2012 年 3 月 31 日現在、いくつかの
次の事項を除いて、当社の経営者は、法律専門家の助言を踏
子会社は手形割引 810 百万円(9,878 千米ドル)に対し偶発
まえた上で、これらの訴訟によって賠償があるとしても、連
62
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
結上の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えることは
ないと考えている。
当社グループは、DRAM 販売に関する競争法違反の可能
性に関連し、一部の製品購入者と和解を進めている。
定通知の一部を受領した。
当社は、2011 年 7 月より、自動車用部品の国内での販売
に関する独占禁止法違反容疑について公正取引委員会から
調査を受けている。また、当社グループは、米国及び欧州に
当社は、2007 年 1 月、ガス絶縁開閉装置の欧州での販売
おける自動車用部品の販売について、米国司法省及び欧州
に関する EU 競争法違反容疑について欧州委員会からの決定
委員会から競争法関連の調査・質問を受け対応している。こ
通知を受領した。当社は、この決定内容に当社の事実認識と
れらの競争法事案について、2012年3月31日現在において、
異なる点があることから欧州一般裁判所へ提訴したが、
米国 DRAM 及び欧州 DRAM 並びに欧州ガス絶縁開閉装置
2011 年 7 月、欧州一般裁判所より、事実認識については欧
に関して今後発生する可能性のある損失の見積額を競争法
州委員会の決定を支持する一方、当社への課徴金について
等関連費用引当金として 「 その他の固定負債 」 に 21,375
企業間の算定基準の違いを理由に無効とする旨の判決を受
百万円(260,671 千米ドル)計上しており、その他に関して
領した。当社は、2011 年 9 月、この判決内容に当社の事実認
は、法的手続きの結果が当社連結上の財政状態及び経営成
識と異なる点があることから欧州司法裁判所へ上訴した。
績に及ぼす影響は、現段階で不明である。
また、当社は、2012 年 6 月 27 日、欧州委員会から再度の決
2012 年 3 月 31 日現在、保証債務に関する割引前の潜在的最高支払額の主な項目別の内訳は次のとおりである。
金額(百万円)
金額(千米ドル)
銀行借入等に関する保証:
従業員
関係会社等
その他
¥ 6,841
1,348
6,368
$ 83,427
16,439
77,658
合計
¥14,557
$177,524
なお、従業員に係る保証債務は、主に住宅ローンに関するものであり、保証期間は 1 年から 25 年である。また、関係会社等
に係る保証債務は、信用力を補完するものであり、保証期間は 1 年から 3 年である。
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日に終了した各年度における製品保証引当金の変動は次のとおりである。
金額(百万円)
期首残高
当期増加額
当期減少額
為替換算調整額
期末残高
金額(千米ドル)
2012
2011
2012
¥49,392
¥45,904
$602,341
35,690
43,613
(362)
¥41,107
44,363
40,420
(455)
¥49,392
435,244
531,866
(4,414)
$501,305
(18)重 要 な 債 務 に 関 す る 事 項
2012 年 1 月以降、当社が電子システム事業において、防
調査中であること、契約毎の過大計上工数の算定方法、算定
衛省、内閣衛星情報センター、独立行政法人 宇宙航空研究開
対象、返納金等の金額算定について、各機関との確認の途上
発機構、独立行政法人 情報通信研究機構及び総務省との契
にあり、なお時間を要することから、本件に係る返納金及び
約で、また、関係会社 4 社が防衛省との契約で、契約をまた
関連する違約金・延滞利息についての債務の認識はあるも
いで工数の付け替えを行い、費用を実際よりも多く計上し
のの、金額の合理的な見積りは不能であり、引当金を計上し
請求している案件や不適切な作業実績を計上し請求してい
ていない。
る案件があることが判明したことから、各機関より、指名停
止や競争参加資格停止の措置を受けた。
2012 年 3 月 31 日現在においては、各機関の調査に協力
翌年度以降、返納金等の合理的な見積りが可能になるこ
とにより、当社連結上の経営成績に重要な影響を及ぼす可
能性がある。
しているところであるが、過去の正確な工数情報について
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
63
(19)金 融 商 品 の 公 正 価 値
当社は、金融商品の公正価値の見積りにあたっては、以下
(d) 社債及び長期借入金
の方法及び前提を用いている。
社債は、マーケットアプローチに基づき公表価格を使用し
(a) 現金及び預金等、受取手形及び売掛金、短期借入金、
支払手形及び買掛金、未払費用及びその他の流動負債
短期間で決済されるため、それぞれの連結貸借対照表計上
額は公正価値に近似している。
て公正価値を算定しているため、レベル 2 に区分しており、
長期借入金は、インカムアプローチに基づき市場金利を使用
して算定した現在価値によっているため、レベル 2 に区分し
ている。リース関連の金融商品については、連結貸借対照表
計上額が公正価値に近似しているため、除いている。
(b) 有価証券並びに投資有価証券及びその他
有価証券並びに投資有価証券及びその他の大部分は、市場
価格に基づいて算定している。市場性のない有価証券につい
ては、適正な費用の範囲内で合理的な見積りを行うことはで
きない。
(e) 金融派生商品
主に先物為替予約、通貨スワップ、及び金利スワップから
なる金融派生商品の公正価値については、外国為替銀行の相
場に基づいて算定している(見積公正価値については、注記
15 を参照)。
(c) 長期営業債権
長期営業債権は、インカムアプローチに基づき市場金利を
使用して算定した現在価値によっているため、レベル 2 に区
分している。
2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在における金融商品の見積公正価値は次のとおりである。
金額(百万円)
2012
金額(千米ドル)
2012
2011
見積
公正価値
計上額
計上額
見積
公正価値
計上額
見積
公正価値
非金融派生商品 :
資産 :
市場性のある有価証券等
長期営業債権
¥166,824
¥166,824
¥173,252
¥173,252
$2,034,439
$2,034,439
1,017
1,056
2,090
2,142
12,402
12,878
401,374
403,718
390,051
392,774
4,894,805
4,923,390
負債 :
社債及び長期借入金 (1 年以内
に期限の到来する額を含む )
公正価値の見積りの限界
公正価値の見積りについては、特定時点で利用可能な市
確実性や重要な判断を伴う事項を含むため、正確には算定
場情報及び当該金融商品に関する情報に基づき算定してい
できない。これらの前提が変動することにより見積りに重
る。これらの見積りは、その性質上主観的なものであり、不
要な影響を及ぼす可能性がある。
(20)公 正 価 値 の 測 定
当社は、公正価値を「 市場参加者の間での通常の取引にお
いて、資産を売却するために受け取るであろう価格または
負債を移転するために支払うであろう価格 」と定義してい
る。その上で公正価値測定のために使われるインプットを
以下の 3 つに分類し、優先順位をつけている。
64
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
レベル 1:同一の資産または負債の活発な市場における公表
価格(調整不要)のインプット
レベル 2:直接的または間接的に観察可能な、レベル 1 に含
まれる公表価格以外のインプット
レベル 3:観察不能なインプット
当 年 度 第 4 四 半 期 よ り、米 国 財 務 会 計 基 準 審 議 会 の
告基準における公正価値の測定及び開示の共通化を目的と
ASU2011-04「 公正価値の測定及び開示に係る米国会計基
し、従来の基準での一部の規定について開示要求を拡大し
準と国際財務報告基準の規定の共通化のための改訂 」を適
ている。
用している。ASU2011-04 は、米国会計基準と国際財務報
継続的に公正価値で測定される資産及び負債
当社が継続的に公正価値で評価している金融資産及び金融負債の 2012 年及び 2011 年 3 月 31 日現在における内訳は次の
とおりである。なお、これらの資産及び負債については、それぞれ準拠している米国財務会計基準審議会の会計基準編纂書の
要求に基づき公正価値を測定している。
金額(百万円)
2012
レベル 2
レベル1
レベル 3
合計
—
¥—
¥119,054
資産:
持分証券
市場性のある株式
¥119,054
¥
負債証券
国債、公債及び社債等
—
44,288
—
44,288
投資信託
—
3,482
—
3,482
—
2,540
—
2,540
—
7,749
—
7,749
金融派生商品
負債:
金融派生商品
金額(百万円)
2011
レベル 2
レベル1
レベル 3
合計
—
¥—
¥120,563
1,506
47,505
—
49,011
—
3,678
—
3,678
—
1,524
—
1,524
—
3,171
—
3,171
資産:
持分証券
市場性のある株式
¥120,563
¥
負債証券
国債、公債及び社債等
投資信託
金融派生商品
負債:
金融派生商品
金額(千米ドル)
2012
レベル 2
レベル1
レベル 3
合計
—
$—
$1,451,878
資産:
持分証券
市場性のある株式
$1,451,878
$
負債証券
国債、公債及び社債等
—
540,098
—
540,098
投資信託
—
42,463
—
42,463
—
30,976
—
30,976
—
94,500
—
94,500
金融派生商品
負債:
金融派生商品
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
65
レベル 1 の持分証券は市場性のある株式であり、十分な取
レベル 2 はマーケット・アプローチに基づき、活発でない市
引量と頻繁な取引がある活発な市場における調整不要な市
場における同一資産の市場価格により評価している。レベ
場価格で評価している。負債証券は国債、公債及び社債等、
ル 2 の金融派生商品は、主に先物為替予約によるものであ
及び投資信託であり、レベル 1 は十分な取引量と頻繁な取引
り、マーケット・アプローチに基づき取引相手方または第三
がある活発な市場における調整不要な市場価格で評価し、
者から入手した相場価格を使用して評価している。
非継続的に公正価値で測定される資産及び負債
2012 年 3 月 31 日において、米国財務会計基準審議会の
2010 年 12 月 31 日において、持分法により評価している
会計基準編纂書 360「 有形固定資産 」の要求に基づき、長期
持分証券を公正価値の 8,348 百万円まで減損している。こ
性資産を公正価値の 6,423 百万円(78,329 千米ドル)まで
の結果、2011 年 3 月 31 日に終了した年度における一時的
減損している。この結果、2012 年 3 月 31 日に終了した年度
でない公正価値の下落により生じた減損は 8,414 百万円で
における長期性資産の減損は 3,782 百万円(46,122 千米ド
あり、持分法による投資損益に含めている。これらの投資は
ル)であり、固定資産減損損失に含めている。これらの資産
公表価格により公正価値を測定したため、レベル 1 に分類し
は、インカム・アプローチ及びマーケット・アプローチに基
ている。
づき見積将来キャッシュ・フローや正味売却価額等の観察
2011 年 3 月 31 日 に お い て、長 期 性 資 産 を 公 正 価 値 の
6,040 百万円まで減損している。この結果、2011 年 3 月 31
日に終了した年度における長期性資産の減損は 4,005 百万
不能なインプットを使用して公正価値を測定したため、レ
ベル 3 に分類している。
長期性資産の評価プロセスに関しては、
「 注記(1)表示方
円であり、固定資産減損損失に含めている。これらの資産は、
法の基礎及び主要な会計方針の要約 (u)長期性資産の減
インカム・アプローチに基づき観察不能なインプットを使
損 」に記載している。
用して公正価値を測定したため、レベル 3 に分類している。
(21)損 益 に 関 す る 補 足 情 報
金額(百万円)
2012
広告宣伝費
物流費用
2011
金額(千米ドル)
2012
2010
¥(18,372)
¥(17,053)
¥(16,462)
$(224,049)
(73,283)
(74,782)
(63,198)
(893,695)
(2,000)
(10,174)
68
(24,390)
為替差益(損失)
事業再編費用
—
(2,501)
—
—
災害損失
—
(5,456)
—
—
(4,005)
(16,942)
減損損失
広告宣伝費は「 売上原価及び費用−販売費及び一般管理
費 」に計上している。
物流費用は「 売上原価及び費用−販売費及び一般管理費 」
に計上しているものを表示している。
為替差益(損失)は「 収益−その他の収益 」及び「 売上原価
及び費用−その他の費用 」に計上している。
事業再編費用は「 売上原価及び費用−その他の費用 」に計
(3,782)
(46,122)
2011 年 3 月 31 日に終了した年度の内訳は、東日本大震
災による被害の原状回復等に係る固定資産の補修 ・ 撤去費、
棚卸資産の廃却 ・ 検査費、被災した取引先への復旧支援費等
5,456 百万円である。
減損損失は「 売上原価及び費用−固定資産減損損失 」に計
上している。
2011 年 3 月 31 日に終了した年度の内訳は、北米の映像
2012 年 3 月 31 日に終了した年度の内訳は、建物・機械装
置等の有形固定資産の減損 3,367 百万円(41,061 千米ド
ル)、無形固定資産の減損 415 百万円(5,061 千米ドル)であ
機器事業の再編に伴うアフターサービス費用及び退職費用
る。収益性の低下が見込まれる電子デバイス事業用資産の
等 2,501 百万円である。
減損 2,429 百万円(29,622 千米ドル)、家庭電器事業用資産
上している。
災害損失は「 売上原価及び費用−その他の費用 」に計上し
ている。
の減損 1,110 百万円(13,537 千米ドル)等を計上した。減損
損失の測定は、主として売却費用控除後の公正価値に基づ
いている。
66
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
2011 年 3 月 31 日に終了した年度の内訳は、建物・機械装
置等の有形固定資産の減損 3,538 百万円、無形固定資産の
減損 467 百万円である。収益性の低下が見込まれる家庭電
器事業用資産の減損 1,879 百万円、福利厚生用資産の減損
1,908 百万円等を計上した。減損損失の測定は、主として売
2010 年 3 月 31 日に終了した年度の内訳は、建物・機械装
置等の有形固定資産の減損 16,425 百万円、無形固定資産の
減損 517 百万円である。収益性の低下が見込まれる家庭電
器事業用資産の減損 11,053 百万円、福利厚生用資産の減損
5,436 百万円等を計上した。減損損失の測定は、主として将
却費用控除後の公正価値に基づいている。
来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いた公正価値に
基づいている。
(22)リ ー ス
当社及びいくつかの子会社と持分法適用関連会社である
品等の借手となっている。2012 年 3 月 31 日現在における
三菱電機クレジット(株)との間にはキャピタル・リース取
キャピタル・リースに該当するリース資産の取得価額及び
引及びオペレーティング・リース取引があり、キャピタル・
減価償却累計額は、48,606 百万円(592,756 千米ドル)及び
リース取引に関しては、リース資産に計上している。
25,281 百万円(308,305 千米ドル)である。
当社及びいくつかの子会社は、主に機械装置及び器具備
2012 年 3 月 31 日現在のキャピタル・リース及び解約不能オペレーティング・リースの最低リース料支払予定額は次のと
おりである。
金額(百万円)
金額(千米ドル)
キャピタル
・リース
オペレーティング
・リース
キャピタル
・リース
オペレーティング
・リース
¥11,050
9,506
5,380
3,004
812
76
29,828
278
29,550
303
29,247
10,712
¥18,535
¥ 4,510
3,229
2,357
1,366
812
677
¥12,951
$134,756
115,927
65,610
36,634
9,902
927
363,756
3,390
360,366
3,695
356,671
130,634
$226,037
$ 55,000
39,378
28,744
16,659
9,902
8,256
$157,939
3 月 31日終了の各年度:
2013 年
2014 年
2015 年
2016 年
2017 年
2018 年以降
最低リース料支払予定額合計
控除:維持管理費用相当額
純最低リース料支払予定額
控除:利息相当額
純最低リース料支払予定額の現在価値
控除:1 年以内返済分
長期キャピタル・リース債務
2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した各年
及び 40,760 百万円である。それらは、事務所、倉庫、従業員
度におけるオペレーティング・リースに関する賃借料は、そ
用施設及びコンピュータ機器に関するものであり、慣習上
れぞれ 42,076 百万円(513,122 千米ドル)、41,007 百万円
更新されるものである。
(23)キ ャ ッ シ ュ ・ フ ロ ー に 関 す る 補 足 情 報
金額(百万円)
金額(千米ドル)
2012
2011
2010
2012
¥ 6,413
¥ 7,722
¥ 8,748
$ 78,207
65,901
34,166
17,596
803,671
年間支払額 :
利息
法人税等
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
67
(24)セ グ メ ン ト 情 報
当社は、2010 年 3 月 31 日に終了した年度より、米国財務
である。
会計基準審議会の会計基準編纂書 280「 セグメント報告 」に
開示にあたっては、製品の種類・性質、製造方法、販売市
場等の類似性に基づき、重電システム、産業メカトロニク
基づくセグメント情報を開示している。
以下に報告しているセグメント情報は、そのセグメント
の財務情報が入手可能なもので、マネジメントが経営資源
ス、情報通信システム、電子デバイス、家庭電器及びその他
の事業の 6 区分としている。
の配分の決定及び業績の評価に定期的に使用しているもの
重電システム
各事業の主要な製品及びサービスは次のとおりである。
タービン発電機、水車発電機、原子力機器、電動機、変圧器、パワーエレクトロニクス機器、遮断器、ガス絶縁
開閉装置、開閉制御装置、監視制御・保護システム、大型映像表示装置、車両用電機品、エレベーター、エスカ
レーター、ビルセキュリティーシステム、ビル管理システム、粒子線治療装置、その他
産業メカトロニクス
プログラマブルコントローラー、インバーター、サーボ、表示器、電動機、ホイスト、電磁開閉器、ノーヒューズ
遮断器、漏電遮断器、配電用変圧器、電力量計、無停電電源装置、産業用送風機、数値制御装置、放電加工機、
レーザー加工機、産業用ロボット、クラッチ、自動車用電装品、カーエレクトロニクス・カーメカトロニクス機器、
カーマルチメディア機器、その他
情報通信システム
無線通信機器、有線通信機器、監視カメラシステム、衛星通信装置、人工衛星、レーダー装置、アンテナ、誘導
飛しょう体、射撃管制装置、放送機器、データ伝送装置、ネットワークセキュリティーシステム、情報システム関
連機器及びシステムインテグレーション、その他
電子デバイス
パワーモジュール、高周波素子、光素子、液晶表示装置、マイコン、システム LSI、その他
家庭電器
液晶テレビ、プロジェクションテレビ、ディスプレイモニター、プロジェクター、ブルーレイディスクレコーダー、
ルームエアコン、パッケージエアコン、ヒートポンプ式給湯暖房システム、冷蔵庫、扇風機、換気扇、太陽光発
電システム、電気温水器、LED ランプ、蛍光ランプ、照明器具、圧縮機、冷凍機、除湿機、空気清浄機、ショーケー
ス、クリーナー、ジャー炊飯器、電子レンジ、IH クッキングヒーター、その他
その他
資材調達・物流・不動産・広告宣伝・金融等のサービス、その他
セグメント間取引は、マネジメントが独立企業間価格であると考えている価格に基づいている。報告セグメントの営業損
益の算出方法は、連結損益計算書における営業損益の算出方法と一致している。
事業の種類別セグメント情報
2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した各年度における事業の種類別セグメント情報は以下のとおりである。
金額(百万円)
2012 年 3 月 31 日に終了した年度
重電
システム
産業メカ
トロニクス
情報通信
システム
電子
デバイス
消去
又は全社
家庭電器
その他
計
連結
¥1,018,949
¥967,779
¥489,824
¥170,412
¥821,270
¥171,234
¥3,639,468
¥
—
¥3,639,468
8,166
1,027,115
942,195
¥ 84,920
10,601
978,380
877,188
¥101,192
26,530
516,354
495,042
¥ 21,312
30,387
200,799
197,214
¥ 3,585
28,004
849,274
826,916
¥ 22,358
440,385
611,619
591,271
¥ 20,348
544,073
4,183,541
3,929,826
¥ 253,715
(544,073)
(544,073)
(515,802)
¥ (28,271)
—
3,639,468
3,414,024
¥ 225,444
¥1,064,369
24,365
—
30,269
¥855,710
43,380
—
56,487
¥477,646
29,036
—
22,116
¥147,926
11,207
2,429
21,424
¥636,835
26,678
1,110
35,160
¥191,056
5,480
243
5,620
¥3,373,542
140,146
3,782
171,076
¥ 18,109
—
—
—
¥3,391,651
140,146
3,782
171,076
Ⅰ 売上高及び営業損益
売上高
(1) 外部顧客に対する売上高
(2) セグメント間の
内部売上高又は振替高
計
営業費用
営業利益
Ⅱ 資産、減価償却費、減損損失
及び資本的支出
資産
減価償却費
減損損失
資本的支出
68
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
2011 年 3 月 31日に終了した年度
金額(百万円)
重電
システム
産業メカ
トロニクス
情報通信
システム
電子
デバイス
消去
又は全社
家庭電器
その他
計
連結
¥1,019,270
¥921,667
¥465,688
¥149,623
¥911,788
¥177,295
¥3,645,331
¥
—
¥3,645,331
8,479
1,027,749
944,694
¥ 83,055
5,335
927,002
826,913
¥100,089
22,227
487,915
474,172
¥ 13,743
26,287
175,910
170,009
¥ 5,901
12,690
924,478
882,470
¥ 42,008
432,121
609,416
594,941
¥ 14,475
507,139
4,152,470
3,893,199
¥ 259,271
(507,139)
(507,139)
(481,629)
¥ (25,510)
—
3,645,331
3,411,570
¥ 233,761
¥1,030,968
21,076
—
22,582
¥806,494
40,193
—
35,989
¥369,813
16,123
42
12,123
¥139,333
10,414
—
15,130
¥695,730
25,280
1,879
29,139
¥164,719
5,616
2,084
3,323
¥3,207,057
118,702
4,005
118,286
¥ 125,622
—
—
—
¥3,332,679
118,702
4,005
118,286
重電
システム
産業メカ
トロニクス
情報通信
システム
電子
デバイス
その他
計
消去
又は全社
家庭電器
連結
¥1,029,573
¥714,145
¥505,192
¥119,531
¥813,862
¥170,995
¥3,353,298
¥
—
¥3,353,298
10,096
1,039,669
964,942
¥ 74,727
18,987
733,132
706,994
¥ 26,138
20,969
526,161
507,489
¥ 18,672
19,454
138,985
146,126
¥ (7,141)
10,817
824,679
819,870
¥ 4,809
381,986
552,981
549,777
¥ 3,204
462,309
3,815,607
3,695,198
¥ 120,409
(462,309)
(462,309)
(436,202)
¥ (26,107)
—
3,353,298
3,258,996
¥ 94,302
¥1,051,406
22,041
6
20,882
¥758,993
48,256
—
36,442
¥403,024
20,477
50
11,162
¥110,978
6,331
397
12,835
¥669,638
29,878
11,053
32,380
¥164,873
6,055
5,436
5,402
¥3,158,912
133,038
16,942
119,103
¥ 56,182
—
—
—
¥3,215,094
133,038
16,942
119,103
産業メカ
トロニクス
情報通信
システム
電子
デバイス
計
消去
又は全社
Ⅰ 売上高及び営業損益
売上高
(1) 外部顧客に対する売上高
(2) セグメント間の
内部売上高又は振替高
計
営業費用
営業利益
Ⅱ 資産、減価償却費、減損損失
及び資本的支出
資産
減価償却費
減損損失
資本的支出
2010 年 3 月 31日に終了した年度
金額(百万円)
Ⅰ 売上高及び営業損益
売上高
(1) 外部顧客に対する売上高
(2) セグメント間の
内部売上高又は振替高
計
営業費用
営業利益(損失)
Ⅱ 資産、減価償却費、減損損失
及び資本的支出
資産
減価償却費
減損損失
資本的支出
金額(千米ドル)
2012 年 3 月 31 日に終了した年度
重電
システム
家庭電器
その他
連結
Ⅰ 売上高及び営業損益
売上高
(1) 外部顧客に対する売上高 $12,426,207 $11,082,183
$5,973,463 $2,078,195 $10,015,488 $2,088,220 $44,383,756 $
— $44,383,756
(2) セグメント間の
内部売上高又は振替高
計
営業費用
営業利益
99,586
129,280
12,525,793 11,931,463
11,490,183 10,697,414
$ 1,035,610 $ 1,234,049
323,537
370,573
341,512 5,370,549
6,635,037 (6,635,037)
—
6,297,000 2,448,768 10,357,000 7,458,769 51,018,793 (6,635,037) 44,383,756
6,037,098 2,405,048 10,084,341 7,210,624 47,924,708 (6,290,269) 41,634,439
$ 259,902 $ 43,720 $ 272,659 $ 248,145 $ 3,094,085 $ (344,768) $ 2,749,317
$12,980,110 $10,435,488
297,134
529,024
—
—
369,134
688,866
$5,824,951 $1,803,976 $ 7,766,280 $2,329,951 $41,140,756
354,098
136,671
325,341
66,830
1,709,098
—
29,622
13,537
2,963
46,122
269,707
261,268
428,781
68,537
2,086,293
Ⅱ 資産、減価償却費、減損損失
及び資本的支出
資産
減価償却費
減損損失
資本的支出
$ 220,842 $41,361,598
—
1,709,098
—
46,122
—
2,086,293
(注)
1 2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した年度における営業費用のうち、消去又は全社の項目に含めた配賦不能の研究開発費用は、28,271 百万円
(344,768 千米ドル)、25,510 百万円及び 26,107 百万円である。
2 2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日現在における資産のうち、消去又は全社の項目に含めた全社資産の金額は 211,012 百万円
(2,573,317 千米ドル)、
267,159 百万円及び 204,551 百万円であり、その主なものは、当社の現預金等である。
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
69
地域別セグメント情報
2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日に終了した各年度における顧客の所在地別に分類した売上高、当社及び連結子会
社の所在地別に区分した長期性資産は以下のとおりである。
金額(百万円)
2012 年 3 月 31 日に終了した年度
日本
外部顧客に対する売上高
連結売上高に占める割合
長期性資産
¥2,419,275
66.5%
505,529
北米
アジア
¥239,566
6.6%
12,550
欧州
¥590,890
16.2%
66,488
海外
計
その他
¥304,233
8.4%
13,127
¥85,504
2.3%
2,235
連結合計
¥1,220,193
33.5%
94,400
2011 年 3 月 31日に終了した年度
金額(百万円)
日本
外部顧客に対する売上高
連結売上高に占める割合
長期性資産
¥2,416,090
66.3%
488,524
北米
アジア
¥251,071
6.9%
8,055
欧州
¥603,261
16.6%
57,465
海外
計
その他
¥289,440
7.9%
13,481
¥85,469
2.3%
2,154
連結合計
¥1,229,241
33.7%
81,155
2010 年 3 月 31日に終了した年度
連結売上高に占める割合
長期性資産
¥2,262,834
67.5%
467,367
北米
アジア
¥236,409
7.0%
10,182
欧州
¥488,613
14.6%
62,647
海外
計
その他
¥286,284
8.5%
11,534
¥79,158
2.4%
2,110
連結合計
¥1,090,464
32.5%
86,473
日本
連結売上高に占める割合
長期性資産
¥3,353,298
100.0%
553,840
金額(千米ドル)
2012 年 3 月 31 日に終了した年度
外部顧客に対する売上高
¥3,645,331
100.0%
569,679
金額(百万円)
日本
外部顧客に対する売上高
¥3,639,468
100.0%
599,929
$29,503,354
66.5%
6,164,988
北米
$2,921,536
6.6%
153,049
アジア
欧州
$7,205,976
16.2%
810,829
海外
計
その他
$3,710,158
8.4%
160,085
$1,042,732
2.3%
27,256
連結合計
$14,880,402
33.5%
1,151,219
$44,383,756
100.0%
7,316,207
(注)
各区分に属する主な国または地域は下記のとおりである。
(1) 北米 ………… 米国、カナダ
(2) アジア ……… 中国、韓国、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア
(3) 欧州 ………… イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、スペイン、イタリア
当社は、米国財務会計基準審議会の会計基準編纂書 280「 セグメント報告 」で要求される開示に加えて、以下の情報を補足
情報として開示している。
所在地別セグメント情報
金額(百万円)
2012 年 3 月 31 日に終了した年度
消去
又は全社
日本
北米
アジア
欧州
その他
計
¥2,675,473
¥206,359
¥416,574
¥300,891
¥40,171
¥3,639,468
¥
511,246
3,186,719
3,007,267
¥ 179,452
¥2,594,841
16,184
222,543
219,204
¥ 3,339
¥177,694
166,314
582,888
548,668
¥ 34,220
¥448,911
9,106
309,997
303,678
¥ 6,319
¥169,676
13
40,184
36,279
¥ 3,905
¥28,783
702,863
4,342,331
4,115,096
¥ 227,235
¥3,419,905
(702,863)
(702,863)
(701,072)
¥ (1,791)
¥ (28,254)
連結
Ⅰ 売上高及び営業損益
売上高
(1) 外部顧客に対する売上高
—
¥3,639,468
(2) セグメント間の
内部売上高又は振替高
計
営業費用
営業利益
Ⅱ 資産
70
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
—
3,639,468
3,414,024
¥ 225,444
¥3,391,651
2011 年 3 月 31日に終了した年度
金額(百万円)
消去
又は全社
日本
北米
アジア
欧州
その他
計
連結
¥2,685,219
¥216,536
¥419,557
¥285,862
¥38,157
¥3,645,331
¥
—
¥3,645,331
491,386
3,176,605
2,999,251
¥ 177,354
¥2,552,679
13,422
229,958
228,595
¥ 1,363
¥155,972
164,270
583,827
540,093
¥ 43,734
¥430,965
8,090
293,952
286,122
¥ 7,830
¥183,427
43
38,200
33,871
¥ 4,329
¥26,958
677,211
4,322,542
4,087,932
¥ 234,610
¥3,350,001
(677,211)
(677,211)
(676,362)
¥
(849)
¥ (17,322)
—
3,645,331
3,411,570
¥ 233,761
¥3,332,679
消去
又は全社
Ⅰ 売上高及び営業損益
売上高
(1) 外部顧客に対する売上高
(2) セグメント間の
内部売上高又は振替高
計
営業費用
営業利益
Ⅱ 資産
2010 年 3 月 31日に終了した年度
金額(百万円)
日本
北米
アジア
欧州
その他
計
連結
¥2,531,542
¥189,927
¥325,730
¥272,993
¥33,106
¥3,353,298
¥
—
¥3,353,298
354,960
2,886,502
2,836,829
¥ 49,673
¥2,527,697
15,786
205,713
200,182
¥ 5,531
¥130,586
119,992
445,722
418,385
¥ 27,337
¥391,891
9,829
282,822
279,731
¥ 3,091
¥162,568
34
33,140
31,191
¥ 1,949
¥22,101
500,601
3,853,899
3,766,318
¥ 87,581
¥3,234,843
(500,601)
(500,601)
(507,322)
¥ 6,721
¥ (19,749)
—
3,353,298
3,258,996
¥ 94,302
¥3,215,094
計
消去
又は全社
Ⅰ 売上高及び営業損益
売上高
(1) 外部顧客に対する売上高
(2) セグメント間の
内部売上高又は振替高
計
営業費用
営業利益
Ⅱ 資産
金額(千米ドル)
2012 年 3 月 31 日に終了した年度
日本
北米
アジア
欧州
その他
連結
Ⅰ 売上高及び営業損益
売上高
(1) 外部顧客に対する売上高
(2) セグメント間の
内部売上高又は振替高
計
営業費用
営業利益
Ⅱ 資産
$32,627,720 $2,516,573 $5,080,171 $3,669,402 $489,890 $44,383,756 $
—
$44,383,756
6,234,707
197,366 2,028,219
111,049
159
8,571,500 (8,571,500)
—
38,862,427 2,713,939 7,108,390 3,780,451 490,049
52,955,256 (8,571,500) 44,383,756
36,673,988 2,673,220 6,691,073 3,703,390 442,427
50,184,098 (8,549,659) 41,634,439
$ 2,188,439 $ 40,719 $ 417,317 $ 77,061 $ 47,622 $ 2,771,158 $ (21,841) $ 2,749,317
$31,644,403 $2,167,000 $5,474,524 $2,069,220 $351,012 $41,706,159 $ (344,561) $41,361,598
(注)
1 地域の区分は地理的な近接度、経済活動の類似性、事業活動の相互関連性等を考慮し 5 区分としている。
2 各区分に属する主な国または地域は下記のとおりである。
(1) 北米 ………… 米国、カナダ
(2) アジア ……… 中国、韓国、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア
(3) 欧州 ………… イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、スペイン、イタリア
3 2012 年、2011 年及び 2010 年 3 月 31 日現在における資産のうち、消去又は全社の項目に含めた全社資産の金額は 211,012 百万円
(2,573,317 千米ドル)、
267,159 百万円及び 204,551 百万円であり、その主なものは、当社の現預金等である。
(25)後 発 事 象
当連結財務諸表の公表日である 2012 年 6 月 28 日現在、当社の連結上の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える後発
事象は発生していない。
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
71
監査報告書
(注)
この独立監査人の監査報告書
(訳文)
は、英文連結財務諸表に対して受領した Independent Auditors’Report
を翻訳したものである。
72
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
企業データ/株式情報(2012 年 3 月末現在)
企業データ
株主総会
三菱電機株式会社
定時株主総会は毎年 6 月に開催されます。
臨時株主総会は必要に応じて開催され、株主の皆様へは 2 週
〒100-8310 東京都千代田区丸の内 2-7-3
間以上前に通知致します。
東京ビル
電話 : 03-3218-2111(代表)
国内上場証券取引所
創立 : 1921 年 1 月 15 日
資本金 : 175,820 百万円
東京
発行済株式数 : 2,147,201,551 株
海外上場証券取引所
連結従業員数 : 117,314 名
ロンドン
大株主の状況
株 主 名
持株数(千株)
持株比率
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
156,653
7.3%
日本トラスティ ・ サービス信託銀行株式会社(信託口)
129,439
6.0%
ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー
102,025
4.8%
明治安田生命保険相互会社
81,862
3.8%
日本生命保険相互会社
72,439
3.4%
三菱電機グループ社員持株会
50,303
2.3%
SSBT OD05 OMNIBUS ACCOUNT-TREATY CLIENTS
株式会社三菱東京 UFJ 銀行
日本トラスティ ・ サービス信託銀行株式会社(信託口 4)
48,905
2.3%
36,849
1.7%
35,428
1.7%
ザ チェース マンハッタン バンク エヌエイ ロンドン エス エル オムニバス アカウント
33,899
1.6%
所有者別状況
その他の法人
金融商品取引業者 1.6%
6.4%
外国法人等
30.0%
個人・その他
17.8%
金融機関
44.2%
株 価(円)
1,500
1,200
900
三菱電機株価
600
20,000
15,000
300
日経平均
10,000
0
5,000
’09/4
’10/4
’11/4
’12/4 日経平均
(円)
MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION ANNUAL REPORT 2012
73
X-X01-2-C9001-A 本1207〈MDOC〉
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