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広島県行政システム改革推進懇話会(第3回)会議概要

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広島県行政システム改革推進懇話会(第3回)会議概要
広島県行政システム改革推進懇話会(第3回)会議概要
1 日
時:平成19年10月30日(火)10:00~
2 場
所:北館第1会議室
3 出 席 者:伊藤委員,折登委員,川﨑委員(座長),河野委員,佐々木委員,平委員,
田島委員,宮地委員
4 次
※五十音順
第:議事(資料説明,意見交換等)
5 担当部署:広島県総務部総務管理局行政管理室
電話(082)513-2252
6 会議概要
(1)開会
(座長)おはようございます。
ただ今から,第3回目の広島県行政システム改革推進懇話会を始めます。
先々週でしたか,広島大学東千田キャンパスで,東京市政調査会理事長の西尾先生の講演
会がございました。そのとき,権限移譲では広島県は全国のトップを走っているというお褒
めの言葉をいただきました。ただし,その哲学の徹底性においては,あと二つどこかの県に
若干遅れをとっているということでありました。その辺がどういうことかは,講演の中では,
お話はいただけませんでしたけれども,この広島県の権限移譲というのは,全国的に注目さ
れているものであろうと思います。そういう意味で,この懇話会の任務は,それだけ重要な
ものになろうと思います。
さて,お手元に前回の議事録,そして,その概要が配付されていますので,御確認くださ
い。「広島県行政システム改革推進懇話会(第2回)の概要について」という資料でございま
す。説明資料に続き,委員の皆様からの意見の主なものが要約して掲載されております。そ
の後に,議事録があります。
前回までに出されました意見を,次のようにまとめたいと思います。
まず,市町村合併や権限移譲の進展が見られる中で,広島県におきましては,いわゆる総
合事務所としての地域事務所は,一定の役割を終えたのではないかというのが,第一点です。
それで,従来の計画では,この地域事務所を3~4の事務所に編成替えした後,現地事務
所化することとされていますが,市町村合併が急速に進み,また,権限移譲も順調に進んで
いるということからすれば,3~4の地域事務所という段階をスキップして,一挙にその次
に想定されていました現地事務所化を検討し構想していく時期ではないかという認識で,ほ
ぼ意見の一致を見たのではないかと思います。
そして,こういった前提のもとで,今後は,まず,本庁組織のあり方,次に県内各地,地
域で県が行うべき業務とその形についての議論に進みたいと考えています。
以上,前回の議論の要約と今後の議論の方向につきましてお話をさせていただきましたけ
れども,いかがでしょうか。
異議なし
1
(2)議事
(座長)それでは,特に御意見等ございませんようですので,議事に移りたいと思います。今日
の議事次第の2になりますけれども,一つ目は「他の都道府県の組織見直しについて」,二つ
目は「地域事務所業務の見直しについて」です。事務局から説明をお願いします。
(事務局資料説明)
資料1
他の都道府県の組織見直しの状況について
資料2
地域事務所の業務の見直しについて
(座長)ありがとうございました。
それでは,ただ今の説明について,皆様から御意見・御質問などをいただきたいと思いま
す。
説明がかなり広範囲にわたっておりましたので,少しまとめた形で進めたいと思います。
まず,最初に,資料1の後半で説明いただきました本庁組織の関係について,その後に,資
料1の前半及び資料2で説明をいただきました地域事務所につきまして,二つに分けて御意
見を伺いたいと思います。
それでは,まず,本庁組織の関係につきまして,御意見・御質問をお願いします。
(委員)広島県においては,他県と比較しても,
「部」の数が非常に多いように感じています。そ
の中で私が思いますのは,例えば,土木部,都市部,空港港湾部と3部あるわけですけれど
も,幹事室という予算や人事を担当する室は土木部の中にあって,そこが都市部と空港港湾
部の予算や人事も一緒に行っています。ですから,この3部は,同じ「部」ではありますけ
れども,全くの並列関係にはなく,少し不自然なところを,前から私は感じています。これ
は,県民生活部,環境部に関しても同じことが言えますので,そこは,部として集約を図っ
ていった方がいいのではないかと感じます。部の数だけでなく,今の幹事室の関係からみれ
ば,やはり,一つの部には一つの幹事室があるというような再編をやっていくべきであると,
私は思います。
もう一点申し上げますと,
「部」と「局」という名称なのですが,皆様御存知のように,国
の機関では,局長の下に部長がいるのですけれども,広島県の場合は,部長の下に局長がい
ます。ですから,国民,県民からすれば,局長と部長の関係が,非常に分かりにくいのでは
ないかと思います。もう一つ言えば,広島市や福山市も局制でやっていまして,局長が上で
部長が下なのです。ということで,同じ行政機関でありながら,局長と部長というのが,国
と県と市で立場が違うのです。これは,どちらがどうかというのは分かりませんが,私は,
この際,見直すときに,国や政令市等が「局」-「部」でやっているのであれば,それに合
わせていくという方が分かりやすいのではないかという気がします。是非,部の再編のとき
には,名称も,
「総務部」から「総務局」ということに変えることも併せて御検討された方が,
一般の方に分かりやすいという感じがしております。
(座長)ありがとうございました。ただ今の御意見につきまして,何かございますか。
2
(事務局)一番最初に言われた部分ですけれども,土木部,都市部,空港港湾部とございます。
従前,地方自治法上の部の数の制限がありましたので,都市局,空港港湾局として局長職と
いう形にしていたものです。それで,先ほど委員が言われたのは,この土木部の中に土木総
務室という室が部の官房のような形であるわけですけれども,都市部,空港港湾部も含めて,
予算や人事等のとりまとめを行う幹事室となっています。
「局」を「部」にしたがゆえに,こ
の機能を新たに各部に付けるというのも非効率ということだろうというのは理解するが,現
状では意思決定過程が少し複雑になっているということを,委員がおっしゃったのだと思い
ます。この辺りも改善の余地はあろうと思いますので,重要な御意見だと思っております。
それと,「局」と「部」の話ですけれども,文献などで書いたものはないのですけれども,
従前から,地方自治法で県の部の数が制限されていましたように,要は「部」という名称を
用いることになっていました。それはなぜかということを考えると,推測なのですけれども,
明治19年に制定された地方官官制におきましては,知事は官選の知事でございましたけれ
ども,内務省の局長級であったという資料があります。それから考えますと,知事が局長で
あれば,その下に局長はあり得なかったのであろう,そのことが新しい地方自治法にも受け
継がれていったのではないかと考えられます。東京都の場合は,
「局」なのですけれども,戦
前,東京都の長官というのは閣議に出席できたということで,これは大臣でございますので,
その下は局長としたのではないかと思います。定説ではございませんが,推測するに,そう
いう経緯で地方自治法が出来たのではないかと思います。
それで,広辞苑などを開いてみますと,
「局」というのは,宮中を区切った部屋でございま
す。
「部屋」や「部」というのは,これも建物の区切った部分ということです。少し書いてあ
りましたのは,
「局」は,「部屋」
「部」よりもかなり大きいということです。というようなこ
とで,「局」と「部」についても重要な御意見として,検討してまいります。
(委員)今は,地方自治法上,「部」を置くということになっていますか。
(事務局)今は,そういう規定はなくなっています。
(委員)部の数を制限していたから,部を置く数はいくらと規定されていたわけですね。それで,
その数の制限がなくなったから,
「部」という名称も,地方自治法上なくなって,法律上の制
約はなくなったということですね。
(事務局)法律上の制約は,全くありません。佐賀県などでは,
「本部」といった名称を使ってい
ます。地方自治法上は,
「長の直近下位の内部組織」という言葉に改正されています。極めて
難しい言い方ですが,
「直近下位の内部組織」というだけですので,名称については,何でも
よいということと考えられます。
(委員)しかし,都道府県レベルでは,改正の動きは,余り大きくはないということですね。
(事務局)はい。
3
(委員)分かりました。
(座長)しばしば,日本の中間の自治体の場合には,戦前の遺制を引きずっているということが
言われてきましたけれども,21世紀を迎えて,最終的にそういうものが洗い出されて清算
されるプロセスが始まったということかと思います。
今,委員から二点出されましたけれども,この二点に関連して,ほかに何かありませんか。
(委員)説明はなかったのですけれども,全国の直近下位組織について,要領よくまとめられて
いる資料(参考資料「全国の直近下位組織の一覧表」)を拝見しますと,表頭がそれぞれの政
策部門ごとに七つ(総務,政策・振興,生活・環境,福祉・保健,商工・観光,農林水産,
土木建築)に分けてあります。その七つに分けたものを各県がいくつかに仕切っているよう
になっていまして,要するに,責任と権限の括り方でございます。広島県は,実は,やや細
かいということで,11部ということだと思うのです。この七つというのは,県の仕事の一
つの大きな括りの単位であろうと私は思いますので,原則的には,これに沿う形がいいので
はないでしょうか。確か数年前は,局はありましたけれども,本県もこういう括りではなか
ったかと理解しています。
一点気になるのは,政策・振興部門です。ここは企画の仕事と地域振興の仕事と両方のこ
とではないかと思っているのですけれども,企画というのは人数ではありませんので,部並
みの格を与えてもいいかもしれませんけれども,例えば10人内外の,本当に少数精鋭の企
画室といったようなものがあればいいのではないかと思います。
それから,地域振興も,もうかつての時代のようなボリュームはありませんし,これから
は,ますますしぼんでいく,いわゆる市町が自らやるという時代になっていくわけですので,
最早,部を長い間維持していくような分野ではなくて,その下の組織として,総務なり県民
生活なりといったところに附属させていくような流れではないかと思っています。
企画を部並みの室とすれば,6部1室というのが,我々にとっては,非常にわかりやすい
形ではないかと思いますが,いかがでしょうか。
(座長)事務局,どうぞ。
(事務局)御指摘の点を含めて,検討していきたいと思います。
(委員)部の関係は,今までは法律で制約のあった部分もあるのでしょうけれども,それは取り
払われたということで,まず,一つは県民により分かりやすいものであること,市町がいろ
いろ検討などをして県と話をするときに分かりやすいものであること,それから,やはり,
そこで働く職員が十分理解できるものであることが必要だと思います。それと併せて,やは
り,それぞれの部間でまたがるものは排除して,できるだけ縦組織で命令系統がすっきりす
る形にするべきだろうと,私は思います。具体的に,それぞれの部門がどう業務をされて,
どう重複しているのか,重複しているものがあるのかどうか分かりませんので,そういうこ
とを含めて検討された方がいいのではないかと,私は思います。
4
(座長)我々の組織も,法学部と経済学部があるので,法経学部か政経学部にした方がいいとい
う声もちらほらと出てきております。これは,大学教育の需要との関連で,必ずしもそうで
はないのですけれども,いってみれば不採算部門といいますかそういったところの見直しと
いう流れで議論が行われます。県の場合,お聞きしたいのは,都市部と空港港湾部,以前の
都市局と空港港湾局が,土木部とは別の組織になった理由といいますか根拠があるはずなの
ですけれども,それは,今日では,最早,別の単位にする根拠なりあるいは制約なりがなく
なったと考えてよろしいでしょうか。
(事務局)お手元に組織の変遷の図(参考資料「本庁組織の変遷」)がございます。建設系という
のは古い歴史がありますけれども,昭和40年代に,工業化による都市化という問題が顕在
化してくると,一つは都市計画の問題が出てきて,もう一つは公害の問題が出てきました。
その辺で,都市計画部門重視という形で都市局というのが作られました。それから,昭和
60年代は,普通建設事業が大きく右肩上がりで上がっていた時代ですけれども,成田空港
の拡張工事ができなくて,地方空港の充実という政策が打ち出されまして,広島空港もそれ
に合わせて整備いたしました。そういう意味合いで空港部門を独立させて設置したという経
緯が,本県においてはあります。
もう一つ,都市行政に力点を置いたのは,広島平和都市建設法という特別法が,広島とい
う原爆の地に施行されまして,戦災復興というのが象徴的に推進されてきたという経緯もあ
ると思います。
(委員)もう一点,
「部」と「局」ということとは別に,もっと下の組織のことで,今日,御説明
はありませんでしたが,名称の話を私が出しましたので,併せて申し上げます。先ほど言い
ましたように,広島県では,昔は「課」と呼んでいましたが,組織のフラット化のときに「室」
に変えました。しかし,どうも「室」というのはなかなか発音もしにくいし,なじみも少な
いし,他県に行っても,「課」があってその中に「室」があって,室長がいるというくらいで,
室長というのは少ないです。私は,フラット化の見直しもされて,「部」「局」の検討と併せ
て,この際,是非,その下の組織の「室」というのも,
「課」に戻した方がいいのではないか
と,個人的に思っています。
それから,フラット化の見直しをどこまで進めるかというのは,いろいろ意見があると思
うのですが,私は,やはり,組織というのは,市町や県民から見て分かりやすい組織にして
おく必要があると思うのです。例えば,私などは詳しい方に属すると思うのですが,組織図
を見ていましたら,商工労働部には,「産業」と付く室が,産業技術振興室,新産業振興室,
地域産業振興室と続きまして,これでは,何をどこへ相談すればいいのか分かりにくいので
す。何もかもまとめてくださいとは言いませんが,まとめられるものはまとめて何課とした
方が,相談するときに相談しやすいのです。我々も,これはどこの室だったかということが
ありますので,
「部」「局」の再編と併せて,
「室」も御検討いただいて,再編して集約できる
ものは集約し,フラット化については見直しを行うわけですから,できれば,先ほど言いま
したように,併せて「課」ということも検討いただければと思います。
(事務局)名称は,検討してまいりたいと思います。フラット化の部分でいえば,課の中に従前,
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課長代理や課長補佐などのいわゆる中間職があって,それが効率的な意思形成を遅らせると
いうことで,フラット化を行ったもので,いいところもございます。一方,先ほど言われま
したように,フラット化だといって小刻みにしたものですから,室について,例えば,何の
産業をやっているか分からないというほど小さく分けてしまったという弊害はありました。
今,いろいろ引締めにかかっていますけれども,その辺を総合的に,名称についても,十分
検討してまいりたいと思います。
(委員)フラット化にはそれなりの意図があったと思いますが,これもまた変えていくというの
は,要するに,悪ければいいものに変えていけばいいわけです。県の中のことなのでよく分
からないのですが,職務職階の部分で,例えば,フラット化に際して級などを上に上げてい
るのであれば,それを縮めるとなると,焼け太りになっている部分ばかりになるのではない
かと懸念します。要するに,かつては15人で済んだところを,50人横並びにして,それ
を縮めると,職務職階の中で級が同じまま残る人が出てくるのではないでしょうか。ですか
ら,逆に言えば,級の部分と職務の部分を分けたりはできないのでしょうか。組織もそうな
のですが,組織だけではなくて,フレキシブルにいろいろなものができると思うのですけれ
ども,あなたは給料は別だけれども,合っていないからどこか別のところへというように自
由にできるようなこともあっていいのかと。
(事務局)フラット化という形の中で,同時に一職一級という改革をやってきた結果が,今の組
織再編になっていると思います。人事管理の複線化というのは,前々から言われておりまし
て,スタッフとライン,あるいは相互乗入れということも考えていかないといけないという
のはあります。
(委員)先ほど出ました「室」の話ですが,私がいつも思うのは,室があれだけあると,本当に
何をどこへ言ったらいいのだろうかということです。もっとも,県は中間政府ですから,一
般の住民の方が県の本庁に行くようなことは,今までは旅券の申請ぐらいのもので,市町の
職員が行く以外には,おそらく,まず,ないですね。
(委員)企業があります。企業がいろいろと。
(委員)要するに,非常に分かりにくいです。私たちに分かりにくいので,住民の方たち,県民
の方たちには,まだ分かりにくいと思うのです。そういうところを集約化すればいいのかと
思います。何をやっているのか分からないのです。いちいち,室の事務分掌を繰って,ああ
ここにあるのかと,そういう部分を先ほど委員が言われたのではないかと思うのです。それ
をまとめるというのは,私はいいことだと思うのですが,その場合,先ほど申し上げた焼け
太りの部分が出ないようにしないと,いろいろな指摘を受けるのではないかと思います。
(事務局)今から団塊の世代の退職期に入っていきますので,そういったことを併せて考えてい
きます。
6
(委員)民間的にいえば,いわゆる部下を統括する縦のラインと,そうでなくて,役職は,例え
ば,同じ課長だったり係長だったりでも,違う特命事項などを受けて,同じ職位だけれども
ラインから外れて今度はスタッフでやることもあるし,逆もあります。民間の場合は,そう
なっています。
(委員)フレキシブルでいいですね。
(委員)それは,そうなっています。職位は一緒ですが,部下を持っているか持っていないかの
違いがあるのです。企業の人が県などへ来たら,
「部」や何かは,非常に分かりにくいでしょ
うね。どこへ行っていいやらさっぱり分からないというふうになるのではないでしょうか。
民間の人から県や行政機関の「局」や何かを理解しようとすると,なかなか難しいです。
(座長)行政組織論ではラインアンドスタッフという議論ですけれども,大体,日本では「ライ
ンから外れる」という言葉が昔からあって,スタッフ職を続けるというのは,実はなかなか
難しいという言い方がされてきました。採用人事の際に,スタッフという形で採るというや
り方もしていませんし,ラインでの訓練も,多分,そうではないかと思います。実は,なか
なか難しい問題ではありますが,国もいよいよ職階制という国家公務員法の文言,条文を削
ることになりましたので,まさに,日本の組織,人の配置やビジネスに見合い,なおかつ現
在の需要に応える仕組みというのは必要になってくるのだろうとは思います。
(委員)今の整理で二,三感じたことを申し上げたいと思います。委員がおっしゃった,幹事室
機能を持ったものを再編をするというのは,その方がいいと思います。ただ,「部」と「局」
という名称については,どちらがいいのかというのは,余りこだわらないのですけれども,
都道府県はずっと「部」でやってきたというなじみの問題もありますので,余り積極的には,
そうすべきだとは思わないということが一つです。
それから,
「室」と「課」については,フラット化ということで,細分化をしすぎて壁が多
くなりすぎたということがあると思うのです。ですから,やはり,少し大きな単位にして柔
軟性を持てるような組織にした方がいいと,名称も「課」の方が分かりやすいという気がし
ます。ただ,その場合に,権限をどれだけ与えるのか,意思決定,意思形成をどのようにや
っていくのかにかかわってきますから,その辺のことを併せて,十分議論をすべきであろう
と思います。
それから,市町村合併がかなり進んできましたので,特に市町とか中山間地域対策をやっ
てきた地域振興部は,そろそろ検討をされる時期かと思います。ただ,市町村合併が進んで,
まだいくらかいろいろな課題が残っているというようなこともあるでしょうし,広島県全体
の中山間地域対策を含めてどうしていくかということもあるでしょうから,その辺をどこで
どう担当するのか,すぐやるのかどうかということも含めて検討してはどうかと思います。
(座長)他県の再編の例示がございましたが,本来は県の仕事を行う上で,この辺りでいろいろ
行き詰まりがある又は政策調整がうまくいかない,事業運営上の障害があるといったような,
言ってみれば内発的な理由といいますか動機がこれに加わると,だからこうするのだという
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議論の組み方が,もっと楽になるし説得力を持つのではないかという思いは持っています。
なかなか難しいことではありますが。
そのほか,ございませんか。
特になし
(座長)もし,なければ,第二の地域事務所関係に議論を移したいと思いますが,よろしいでし
ょうか。
異議なし
(座長)では,地域事務所関係について御意見・御質問等がございましたら,お願いします。
(委員)先ほど,座長の方から,地域事務所の役割は終えたのではないかというまとめがござい
ました。3~4地域事務所を残すということで以前の分権改革推進審議会は進んできました
けれども,今回の懇話会では,それをまた別の考え方で,ほかのやり方ででもやるべきでは
ないかというとりまとめでした。
しかし,先ほどの説明をずっと聞きまして,権限移譲できるもの,本庁に移すもの,それ
から地域で実施するものを見たときに,本当に地域事務所は役割を終えたという判断ができ
るのかどうか,それと併せて,県に残された仕事,地域でやらなければならない仕事を行っ
ていくために,保健の関係,農林の関係を含めて今までいろいろな事務所がございました分
をすべて残していくのかという論議も残ると思います。そうなったときに,例えば,地域事
務所を3~4か所に集約するということであれば,その中に全部包含してやれるのかどうか
ということもあるのだろうと思います。
今回の資料を提起していただいて,すべてが役割を終えたという判断に立てるのかどうか,
そこをお聞きしたいと思います。
(座長)前回の議論で出ましたけれども,いわばミニ県庁としてその地域に事務所を置いて,そ
こに統括する人がいて,県の直轄事業もありますけれども,広く言えば,地域全体の振興策
もそこで策定し実施していくというイメージの地域事務所の役割というのは,これだけ合併
が進みますとなくなったのではないか,それにもかかわらず相変わらず県の事業がございま
すので,それを本庁等集約あるいは地域集約という形で整理されて,今回の資料が出てきた
のではないかと理解しております。
(事務局)前回,総務局などの議論をしておりまして,委員の方から,総務局機能は,地域の顔
という役割もあるし,経理や入札や一定の庶務事務といった各局のまとめ機能として,ある
一定の形で存続をという御意見が出ております。そこを前提として踏まえて考えていただけ
れば。今日は,事業部門だけですので,これだけを見ると少し奇異な感じがするかもしれま
せんけれども,そういうまとめ機能の部分も前提になっているというのを,一考いただけれ
ばと思います。
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(委員)こういう議論をしますときに難しいのは,あるべき論と現実論というのがなかなか区別
できないということだと思います。本来こうあるべきだけれども,現実にはこういうことが
あって,あるべき論さえも方向を見失ってしまうということがまま起きるのですけれども,
この会議の役割としては,私は,あるべき論というのをまず立てるべきだと思います。道州
制の話もありますので,どこまであるべきなのかは別の議論はありますけれども,10年後,
20年後に,県庁の組織としてどうあるべきかというところをまず立てて,その中で,現実
の状況の中で一定のタイムスケジュールなどを立てながら,あるべき論に近づけていくとい
う方向を打ち出すべきだと思います。
それで,先ほど座長から言っていただいた点ですが,いわゆる中間管理的な地域事務所,
ミニ県庁的な地域事務所というのは全面廃止という考え方で,私もいいのではないかと思っ
ています。その上で,これ(資料2)は,非常に労作で,それぞれの業務を人役まで含めて
まとめてくれていまして,こういうものを一つ一つみれば,現実には,すぐにこれがどうこ
うできるものではないということは,よく分かるのですけれども,しかし,では何もしない
のかということではないと思います。今すぐに,1年や2年でできないけれども,これはこ
うあるべきだからいつかはやる,いつかといっても10年後ではなくて最長5年くらいで片
を付ける,やはり,そういう立場に立つべきだと思うのです。現実論を先に論じて,あれも
難しいではないか,これも難しいではないか,これも現実には市町にはできないではないか
という話だけを延々とやっていますと,結局,何もしなくていいということに,必ずなるの
です。できることはほんのわずか,せいぜい地域事務所長を廃止するぐらいというようなこ
とになってしまいます。ですから,是非,そこを整理しながら,議論したいと思います。
その上で,私は,いったん原則を立てるべきだと思います。一つは,先ほどございました
ように,中間管理的な業務は廃止すべきであるということ,それから,二つ目は,明確に法
的な制約があるもの以外は,基本的には市町への移譲を目指すというのが,やはり,原則だ
と思うのです。これは,1年でできるものもあろうし,3年かかるものも5年かかるものも
あると思います。それから,もう一つは,地域事務所体制は残るわけですけれども,やはり,
本庁体制の見直しと併せて,事務所体制も極力合理化・縮小していくということです。そう
いういくつかのあるべき論を立てて,その中で現実対応を図っていくと。現状にフィックス
されないように,常に,あるべき方向に立ち戻って,来年再来年といった何年かの間にどん
どん見直しがされるように仕掛けていかないと,結局,一瞬何かできて,そのまま,また終
わるようなことになりかねません。是非,そういったところをお願いしたいと思います。
(委員)あるべき論は,当然,するべきですけれども,現実を無視してあるべき論を語るべきで
はないと私は思います。現実の状況がある中で,現在はどうして,将来にどうあるべきかと
いうのを論じる必要はあると思いますが,あるべき論が先にあって,現実を無視するという
ことは私はいけないと思います。そこには,地域住民も住んでおられますし,いろいろな方々
がおられるわけですから,その方々が困るようなことはやるべきではないと思います。権限
移譲が法的に解決できて進むのであれば,それはそれでもいいと思いますが,そういうとこ
ろの目標を立てて,いつ頃までにこうやって,これがなくなればこうなるのだというのなら
分かるのです。
9
もう一つは,7事務所あるものを3~4の事務所にというのは,あるべき姿を述べたもの
だと私は思っています。しかし,そういうような現実を無視することがいいのかどうかにつ
いてもじっくり考えてみる必要があると,私はそう思っていますので,それらも含めて検討
していただければと思います。
(事務局)行政需要の著しい変化というのが,事務事業の並列的な見方では分かりにくいですけ
れども,道路や河川などの公物,農業基盤整備などを含む普通建設事業という決算区分がご
ざいまして,例えば,平成5年は3,600億円の普通建設事業があったものが,現在の
19年度予算では,1,600億円ぐらいに半減しております。これは,財政改革の流れ,
三位一体改革など,いろいろ要因はあるわけですけれども,事業量自体が半減しているよう
な分野はあるのだということも,御認識いただければと思います。人役の方は,少し遅れ気
味に影響が出てきます。
(委員)地域事務所の業務について,提案の仕分けの基準(資料2P6),つまり,業務の主な対
象が市町なのか個人なのか,それから業務の効率性,業務量の大小などの基準で,本庁で又
は地域で実施,あるいは廃止というような分け方がなされているということについては,基
本的には,いいという感じがしています。それで,その結果出てくるもの,今ちょうだいし
ている資料(資料2)6ページの一番右側の「業務の主な性格」というところですが,これ
と「業務の仕分け案」のところの関係については,業務の内容に応じて,例えば,補助金や
貸付金については本庁集約である,危機管理のところの部分については事務所の方であると
いうような,
「業務の主な性格」とどこが担うのかというところの関連付けができれば,非常
に分かりやすくなると思います。そこの結び付けができるかどうかというのは,難しいもの
があるかもしれないので,提案といいますか,考えていただきたいというのが一つあります。
それと,全体の議論の方向性として何のためにこれをするのかということが,文章で,ど
こかで明確な形で出た方がいいのではないかという感じがするのです。私の理解では,なぜ
地域事務所の問題と本庁の問題を取り上げるのかというと,やはり,道州制というものを見
据えての本庁機能の強化ということにあるのではないかと思うのです。その目的を明確に出
していかないと,本庁の再編とこの地域事務所の再編の関係,それから,なぜこういうこと
をするのかということが,なかなか対外的,行政学的に分かってきにくいのではないかと思
います。結局は,これは,道州制を見据えた本庁機能の強化充実を目指すのだということだ
と思うのです。それから,もちろん,理念的にいうと,身近といいますか現地性があるよう
なものについては,本来,身近な地方自治体であるところの市町村にやってもらうというこ
と,本来的に市町村がやる部分を県がやり過ぎていたということ,この2本を明確にして,
さまざまな具体的なこと,各論的な部分をやっていかないといけないと思っていますので,
また工夫していただければと思うのです。
あと,どうしても残っていくものについても,整理が必要だと思うのは,この資料は,非
常に細かくよく中身が分かるのですが,今度はまとめていくと,現地性があるものや緊急対
応のものというのは,どうしても残っていくものの一つの類型だと思います。それから,残
っていくものとしてあるもう一つの類型というのは,法的な制約がなぜか知らないけれども
あって権限移譲できないものです。これについては,相手があることですから,一応,国に
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対して法改正の申し出をしますと言っても,いつまでなのでしょうかというところもあるの
で,こういうスパンで努力をする,法改正を求めるというような,できるかぎり具体的なあ
る程度の工程というものが見えてこないだろうかという感じです。
細かいことはいろいろありますが,大枠としてはそういう感じです。
(座長)まだ,時間がありますので,具体的なところもどうぞ。
(委員)
「権限移譲項目」や「業務仕分け検討案」の表の一番下の「その他」にいろいろ入ってい
ますが,そこで,
「移譲対象」の欄にきちんと「●」などが入っているところと入っていない
ところ,
「業務仕分け検討案」の欄も「権限移譲」や「本庁等集約」といった文言が入ってい
るところと入っていないところが結構あるのですが,ここは,どういうようなことなのでし
ょうか。
(事務局)県の業務は,分析すると,非常に多岐にわたっておりまして,現実には政策決定をし
ながら,現場で旅費の計算をしていたりするわけです。補助金をやっていれば,現地に出か
けて仕事をしているというようなこともあります。本来的な職階制というものであれば,個々
の業務分析がその職務につながっていくのだと思いますけれども,国家公務員法では,職階
制を廃止することとなったぐらいです。ですから,業務ごとに人がつくという考え方が難し
いのです。私でも,政策決定に携わっている部分もあれば,人の勤務評定をしたりと様々な
業務もやっているわけです。そういう中で業務分析をやっていますので,様々な人役の少な
い業務を「その他」欄にまとめて掲載しております。それが,すべての理由ではありません
が。
ただ,おっしゃる趣旨として,今は並列的に一つ一つの業務ごとに地域集約,本庁等集約
というようなことを書いてありまして,これだけ見ると分かりにくいということかと思いま
す。いずれは,地域で実施する業務の類型パターンで整理していこうと思いますので,少し,
時間をいただきたいと思います。今,全部の業務をばらばらにしておりますし,先ほど申し
上げたような意味で,
「その他」のところに,実は,結構業務を入れておりますから,そこも
含めて類型パターンというのは理念形にしていこうと思います。
それと,委員がおっしゃった改革の目的について,今回の改革で皆さんに御支援いただい
ているわけですけれども,一つは未曾有の財源不足,財政難の中で,財源不足の対策だけが
目的ではありませんけれども,不断の努力として組織体制は常にスリムでなければならない
と考えておりますので,これが第一の目標です。
それで,当初,7月頃,懇話会の中で道州制について,いろいろお話をいただきました。
今年,道州制で何か前向きに動いていくのかという想定をしていたのですけれども,まだ,
具体的なものが聞こえてこないので,道州制については,背景としての道州制くらいかと,
今,思っています。なかなか具体のものが出てこないものですから,苦慮しています。
(委員)スリム化が目的ということで,それは,どの時代でもそうなのですが。
(座長)合併が契機になっているということです。あとは,最近は補完性という言い方もします
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けれども,戦後改革以来,基礎自治体を充実させようという議論があったのだろうと思いま
す。
(委員)先ほど,あるべき論と現実を見てという議論がありましたけれども,あるべき論という
と,例えば,建設局のことを思えば,具体的な話がいろいろあると思います。
三次市には,分権改革計画に従って権限移譲を進め,域内完結道路を移譲したわけですが,
これは,おそらく他の市や町へも進んでいくと思うのです。受け手の方の事情もありますか
ら,県が押し付けることはできませんが,基礎自治体の方でやりますということがあれば,
今県が管理している道路の移譲は,是非とも,今後も進めていくべきだと思っています。例
えば,今は域内完結道路ということになっていますけれども,簡単な分け方でいけば,国道,
主要地方道,一般県道と三つあるうち,可能であれば,一般県道はすべて基礎自治体でやっ
ていただくということも考えられます。元々,市町村道であったものが県道昇格になってい
るものもあるわけですから,県道としてであっても,事務は市や町に移譲するということも
あってもいいと思います。ですから,国道や主要地方道を管理するのが県だという将来のあ
り方というのも,一つの意見としてはあります。私は,個人的には,そういうことも検討す
べきだと思っています。
しかし,それは,そうあるべきということであって,現実は,そうはいっても,地域事務
所の再編を具体化させる時期において,どこまで市や町へ県が管理する道路の移譲が進んで
いるかということがあります。移譲が進んでいない分は,当然,県が管理しなければいけま
せんから,その分は,やはり,建設局等でしっかりやっていかなければいけないと思います。
将来,どんどん移譲が進んでいけば,建設局の人数も減るし,数も減っていくかも分かり
ません。これは,あるべき論だと思います。現実は,実際に,地域事務所を再編するときに
おいて,どこまで移譲が進んでいるかをみて,やはり,必要な建設局は,現地の仕事ですか
ら残していくようになると思います。その面で議論していかなければいけないと思います。
今日は,各局の内容の説明があったのですが,今後,具体的に話が進んでいくと,では一
体何か所県に残していくのかという話になると思います。先ほど事務局から前回の議論のま
とめがありました総務局ですが,総務局の機能というのは,私も残すのがいいと思っていま
す。地域事務所の議論の場合は,3~4所に再編ということが分権改革推進審議会の答申で
も出ていまして,そうなっているのですけれども,おそらく,地域事務所というのはもう廃
止しようという声が強いですから,総務局を何か所残すのかというのが,かつての地域事務
所の3~4所になっていくのではないかと,私は,個人的に,そう思っています。そうした
場合に,今日,説明があった厚生環境局・保健所,税務局,農林局,建設局というのが,で
は一体何か所でやっていくのかが,地域の方それぞれの一番関心が出てくる話であって,今
日は,そこまで踏み込んでいけませんが,結局,そこの整理が一番大変なのだろうと思うの
です。
例えば,まさに現地に行って仕事をしなければいけないところは,総務局が3~4所にな
っても3か所や4か所では足りないかもしれません。といいますのが,先ほどの建設局辺り
は,現地へ出ていくことが多いわけですから,片道が1時間半かかりますと,往復に3時間
かかります。これを,もっと集約したら,行って帰るだけで四,五時間かかるようなことに
なって,非効率になりますので,やはり,県が仕事をしていくという限りは,効率的な機関
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を残さなければいけません。全部が事務所というのではなくて,事務所の支所という格好で
あってもいいかもしれませんが,やはり,それをこなすための場所は要るという辺りを併せ
て,今後,議論していくのがいいのではないかと思います。
ですから,地域事務所といいますか,総務局を残す数イコール各部の関係の事務所の数で
はないと,それは違っていいと思います。これはもう数が減ってもいい,これは支所を含め
てある程度数を確保した方がいいというようなことを,今後の具体的な議論の中でやってい
くのですが,それは,おそらく,ぴったり合うことにはならないし,そうしない方がいいと
思っています。今日はそこまで踏み込みませんけれども,今後,具体的には,次回以降に出
てくるのでしょうから,おそらく,その議論が要るし,その議論が出てくると,これは我々
を含めて,自分の地域から県の事務所がどうなるかというのは,大変大きな関心事なもので
すから,なかなか大変な作業だと思います。
(座長)地図を描くようなところまでいくのですか。
(事務局)そこは,現時点では,今の委員の質問に対して,答えるべき回答を持ち合わせていま
せんので,次回以降ということにさせていただきたいと思いますけれども,その程度を含め
て,また御議論いただければと思います。
(委員)今日はできないということですね。
(委員)少し議論が戻るようですけれども,今,地域事務所は廃止というのを前提で話をしてい
るわけですね。まだ,そこまでいっていないのですか。私は,今,地域事務所廃止という前
提の中で,どういうものは残す必要がある,あるいは,契約などばらばらにやっていたもの
を一つにまとめた部分は効率化できるから残せばいいという議論でいっていると思っていま
すが,どうでしょうか。
(委員)地域事務所廃止というよりも,いろいろな観点を見てきて,その事務所に総合的機能を
持たせてすべての残った業務をそこ一か所でやってしまうのか,それとも,ばらばらになる
ということは経費がかかるわけですが,いろいろなところに置くのか,権限移譲がどこまで
進むのか,法律の制約がどうなのか,そういうことを含めてトータル的に考えないと,地域
事務所はもう役割は終わった,廃止だということで論議を進めるのがいいのかどうかという
ことはあるのではないかと,私は思うのです。これだけの業務が残っていますというのが,
資料にあるわけですから。
(委員)そうなのでしょうが,私が思うのに,地域事務所長の役割というのは,何があるのかと。
どうみても,私は,地域事務所長の役割というのは,まるで感じないわけです。
(委員)ですから,そういうことを含めて,地域事務所の役割が明らかでないのであれば,明ら
かにした方がいいのかしない方がいいのかも含めて,やはり,トータル的に考えないと,あ
りきで始まってしまうと,おかしな論議になりかねないおそれがあるのではないかと,私は
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思っています。
例えば,これ(資料1)をみてみますと,岡山県は,なぜそういうことになったのかとい
うことも,必要だろうと思うのです。岡山県の例を出されていますが,そのほかのところも
あります。やはり,トータル的に検証していかないといけないのではないかという気がしま
す。ですから,何も,絶対残さなければいけないと言っているわけではありません。やはり,
県民の皆さん,それから,市町の行政の皆さんといった方々が理解できて,これならいいの
ではないかというところがいるのではないかと言っているだけであって,そういうものを,
トータル的に考えていかないといけないのではないかと思います。
(委員)
「現実論」とか「トータル的に」という言葉を使っていますと,結局,この会議の目的は
果たせないと思います。現実とあるべき論が対立したときには,やはり,こうあるべきだと
いうところを追求していかないといけないと思っています。先ほど紹介があったように,事
業費が半分になっているのに,現実の体制が,既に,本当は現実についていっていないにも
かかわらず,ずるずると組織が残っていっているというのが偽らざる現実であると,私は思
います。合併が進んだ市町からしてみると,そういったものに対して,非常に不要論が強い
わけです。ですから,そこで,人もいる,仕事もある,何が残っている,現実はこうだ,ト
ータル的にと言っていたのでは,はっきり言って,所長がいなくなるぐらいかと思います。
道州制まで広げなくていいかもしれないですけれども,これからこうしていこうという発信
を我々がしていかないと,何も変わらないではないですか。これはこれですね,あれはああ
ですね,これはこうなっていますよ,地域もありますよと言っていたら,誰も反対しない,
抵抗もないところをほんの少し変えて終わるのではないかと思います。
この表(資料2「権限移譲の項目」
)を見ていただくと一目瞭然ですけれども,権限移譲で
きるのにやっていないのが土木,農林です。法的にはいろいろなやり方ができるにもかかわ
らず,やっていない,それで,事業費は半分になっているけれども,体制はほとんど変わっ
ていないというのが,土木,農林なわけです。ですから,ここを,本当はどうするのが一番
効率的なのか,考えていく必要があると思います。一つの業務に100人役使ったら,仮に
800万円掛けると,8億円です。8億円市町に移譲すれば,どれだけの仕事ができるか考
えるわけです。
実際に始めれば,事務局がさんざん苦労して,それで,そのとき言った分の何分の一もで
きないかもしれないですけれども,ここの会議は,やはり,現実妥協的な考え方でなく,も
っと強い,ある意味,理想的な姿を発信していかないと,役割を果たせないと思います。か
といって,荒唐無稽な誰も実現できないようなものを言っても仕方がないので,程度の問題
はありますけれども,しかし,まず,その現実の実態がこうだからできないというところか
ら議論をスタートしたら,何も変えられないと思うのです。
(委員)そうはいっても,山梨県や岡山県など,いろいろな県で,いろいろなやり方をしている
のですから,それでは,すべて廃止することがあるべき論なのかということもあろうかと思
うのです。ですから,そういうことも含めながら検討しているのであって,廃止ありきで論
議されることがいけないのではないかということを言っているわけです。論議して,これは
こちらの方がいいというのであれば,そうすればいいのです。廃止論から始まるのがいかが
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なものでしょうかと,あるべき論で廃止というのがいかがなものでしょうかと言っているだ
けであって,勉強してもおかしくないと思います。現実はどうなのでしょうかということを
言っているのです。
(委員)スリム化が目的だというような話もありましたけれども,先ほど事務局から,仕事量の
減に対して人役の対応が遅れているという言葉がありました。その辺,県は,人役構成をど
のように決められているのでしょうか。変化になぜ遅れてきているのかというような説明を
していただいたら,何かまた違って出てくるのではないかと思います。無駄排除というのは
当然なのですけれども,我々民間だとすぐつぶれますから,とにかく削減してから後,変化
に対応しようということがあるわけです。その辺が,人役があるから,予算を取っているか
ら,人を置いておこうというようなことがどこかにあるのかどうか,私もよく分からないの
ですが,また説明していただけたらと思います。
(委員)あるべき論,具体化論,それから,地域事務所をどう再編するかということも出ました
し,地域集約と本庁等集約に整理した資料も出ています。そうすると,具体化するときには,
どの程度集約するのかということが,どうしても議論になってきます。ですから,それは,
ある程度,我々も議論しなければいけないと思います。ただ,具体のところまでこの懇話会
でやり切れるかというと,業務量や地域の実情などがありますので,次の回ぐらいだと思う
のですけれども,地域事務所のあり方などいろいろな議論をするときに,懇話会としては,
どういうスタンスで臨んでいくのかということを,ある程度,整理しながら臨むべきではな
いかという気がします。
我々懇話会に与えられた役割というのは,非常に大きなものがあると思いますから,今の
時代を見据えて県の組織はどうあるべきか,市町村合併が進んでいるということも踏まえて
どうあるべきかというのは,かなり思い切った方向性を,答申といいますか意見として申し
上げるべきだと思うのです。それで,委員がおっしゃるように,10年も20年も先という
ことではなくて,将来の,割に早い段階ではこういう方向で議論をすべきではないかという
ようなことを,整理する必要があるのだろうと思います。ただ,個別具体の,どこに何をど
う配置するかというような議論がどこまでできるかというのは,なかなか難しい点もあると
思いますので,その辺の,懇話会としてやらなければいけないことと,いくらか限界のよう
なものが,もちろん,あると思います。ですから,大きな方向なりを申し上げることによっ
て,執行部の方でこういう方向で考えてくださいというものも,あっていいのではないかと
思います。そういうところは,次の議論か何かのときに,もう少し整理をして議論した方が
いいというのが一つです。
それから,一つ気になったのは,この懇話会が行政改革を行う目的というところで,道州
制,それから事務局の方から財源不足ということが出てきました。私は,道州制というのは,
一つの契機だと思うのですけれども,国の方の動きが今一つはっきりしませんので,それを
見据えてこうするというのは,なかなか具体的には難しいかと思います。ですから,市町村
合併が進んで,国,中間政府としての県,市町の役割というのは変わりつつありますから,
そういうものを見据えて今後のありようというものを議論していくのだろうと思っています。
それから,財源不足が一番の目的だと言われると,少し,抵抗を感じるところがあるので
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す。財源不足というのはどうやって生じたかということも,我々は議論していませんし,常
に効率的なスリムな組織体制を講じなければならないということがあると思います。今,財
源不足を生じているからこれをやっているのだという面があることは,否定しませんけれど
も,懇話会として,それを前面に出すのはいかがかという気がしたものですから,意見とし
て申し上げます。
(座長)最後にお話のありました点は,まさに,実際どこにあっても関係があるといいますか,
非常に考慮しなければならない点ではありますけれども,素案作成の段階では,それをスト
レートに出すのは余りに悲しい話であり,また一方では,改革の方針を示す文章の書き方と
いうものもありますから,その辺りは,また皆さんの意見を伺って取りまとめをしていきた
いと思います。
(3)閉会
(座長)申し訳ありません。もう予定時間を超過しております。まだまだ皆さん御意見がござい
ますでしょうが,今日は,この辺りで3回目を散会とさせていただいて,よろしいでしょう
か。
(委員)本庁組織は,また次の回もあるわけですね。
(座長)事務局から,その辺りを,今後の抱負も含めてお願いします。
(事務局)先ほど御指摘のあった地域事務所をどうするかと,本庁の組織の再編がどのレベルま
でいくかというのを検討してまいりたいと思います。ありがとうございました。
(座長)これをもちまして,第3回広島県行政システム改革推進懇話会を閉会します。どうもあ
りがとうございました。
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会議資料一覧
資料1
他の都道府県の組織見直しの状況について
資料2
地域事務所業務の見直しについて
参
考
本庁組織の変遷
参
考
全国の直近下位組織の一覧表
参
考
広島県行政システム改革推進懇話会(第2回)の概要について
参
考
広島県行政システム改革推進懇話会(第2回)会議概要
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