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9月号

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9月号
奈良県立ろう学校 聴能部
2013/9/30
新製品紹介:ナイーダSⅠ(エス
第319号
ワン)
パワー&防水のナイーダから新モデルが登場
しました!
総合支援法(旧自立支援法)対応器です!
☆サウンドリカバー機能が総合支援法器につきまし
た。
「サ行」などの聞き取りづらい高音域の音を、聞
き取りやすい音域に圧縮変換します。今まではナイーダⅢ以上の補聴器
にのみにあった機能です。聴力型や音の好みが合えば聞き取りやすくなります。以前のナイ
ーダⅠが6チャンネルだったのが、4チャンネルに変わったのは少し残念です。買換の場合
は試聴をして検討していきましょう。その他の特徴は、☆汗と水に強い
フォン
☆ピーピーというハウリング音を抑制
☆高度・重度難聴用
☆指向性マイクロ
です。
~フォナック補聴援助システム新製品の紹介~
2.4GHz 帯デジタル信号を利用した新しい無線のシステム“roger”(ロジ
ャー)が、FM 支援法対応パックと同じ値段(186900 円:片耳送受信セット)で発売されま
した。
特徴は①騒音下での聞こえが FM システムよりも更に向上。
②チャンネル干渉なし。
③マイク、受信機、スピーカーのすべてがボタン一つで簡単にネットワークに参加可
能。
実際に FM システムとロジャーを聞き比べてみると、FM システムでは聞こえる言葉以外に
も「シャー」という雑音がありましたが、ロジャーではそのような音はなくクリアに聞き取
れました。また、今まで複数のグループで FM システムを使用する場面ではチャンネルが近
いと混線してしまうこともありましたが、ロジャーではそのような心配もないそうです。
インスパイロ(FM 送信機)の一部では、アップデートすることでロジャーの機能が使え
るようになります。FM とロジャーの受信機を持つ人が混在しても1台のロジャーインスパ
イロから同時に音を届けることができるそうです。次世代の補聴援助システムになりそうで
す。
2013/8/23
今年で6回目になるきらきら☆なかよし交流会。地域の難聴学級から10名と本校小学部の児
童がたのしく一日交流しました。交流会のための企画は、実行委員の児童たちで話し合って決
め、運営でも活躍してくれました。
午前中は、縦割り班での活動です。各班の実行委員や6年生を中心に活動しました。
クッキング(ヨーグルトパフェ)
借り人競争
午後は、全体交流です。地域の小学校に通う6年生のスピーチ(学校紹介)がありました。その
一部を紹介します。
【森下有唯さん(桜井南小学校)】
桜井南小学校は、国宝のある聖林寺やけまり祭りや紅葉で有名な談山神社が校区にありま
す。
最高学年である6年生でがんばっていることは、登下校の部団長と掲示委員会の活動です。
部団長として、学校までの道のりの安全に気を配りながら登校します。み
んな「部団長!」と呼んでくれます。また掲示委員会では、季節の飾りや
みんなに読んでほしい詩を貼っています。
5年間地域のソフトボールチームに入り、練習してきた成果として、奈良県
大会で準優勝し、全国大会にも出場しました。私はピッチャーで、打つとき
は左で打ちます。学校の先生や家族が応援してくれました。12月の卒
部までは自主練習もして強いピッチャーになりたいです。
一生懸命続けるのはとても大変ですが、つらいこと、苦しいこともみんなと一緒にがんばれ
ば、よい思い出になると思います。
*
ビデオで全国大会の様子が紹介されました。有唯さんが投げるボールの速さに、一同
「おおっ」と驚き、バッターとしてヒットを放つと、歓声が上がっていました。
【中山海人くん(五條小学校)】
五條小学校では、そうじをがんばっています。いつも
学校がきれいであるように心がけています。ぼくは美化
委員として、みんなの中心になってそうじをがんばろう
と思っています。6年生は、あと少しで卒業するので、今
までよりもきれいな学校にして、五條小学校の良さを下
級生に引き継ぎたいです。
次に、平和集会をして感じたことについて発表します。ぼくの班は、:;<<(原爆傷害調査委
員会)について発表しました。発表の練習のとき、友だちに手伝ってもらえたことに、とても感謝
しています。みんなに勇気をもらってがんばって発表することができました。ぼくは、みんなが
いるから幸せに生きることができると思います。原子爆弾や戦争のない世界になることを願い
続けています。
*
6年生として考えていることを堂々と発表する様子
に、温かい拍手が大きく響いていました。
プログラム
1. 自己紹介
2. クッキング
(ヨーグルトパフェ)
工作
有志によるダンス
「Rising
(ぶんぶんブーメラン)
Sun」
(「ライジング・サン」)
3. 自由交流(縦割り班)
4. 学年でお弁当タイム
5. 自由交流(学年)
【実行委員からの感想】
6. 全体交流
ここでは、6年生を支えてがんばった4、5年生の感想を
紹介します。
・ ダンス発表
・ 借り人競争
・ スピーチ(学校紹介)
★
7. 感想交流、発表
きらきら☆なかよし交流会の実行委員の仕事が、どんなに責任が重いか分かりました。がん
ばったことは、ヨーグルトパフェの作り方の説明をがんばりました。
★
(説明の時)みんなが見ていたので、どきどきしながら言いました。
きらきら☆なかよし交流会の流れの説明が上手にできてよかったと思います。
★
みんなが楽しくできるように、いろんなことを考えました。ヨーグルトパフェは、みんなおい
しかったそうで、うれしかったです。来年もがんばります。
夏期研修報告①
「『9歳の壁』を越えるために」
講師
京都府立聾学校
脇中起余子
「9歳の壁」とは、小学校高学年以降の教科学習が難しいなどの現象で、とくに
ろう学校では昔から指摘されていました。
聴児は小学校入学までに約3000語を自ら使い、さらに2000語は自らは使わ
ないが聞いて何となくわかるといわれています。それに比べ、聴覚障害児は
ことばを見聞きした回数が圧倒的に少ないといわれています。
脇中先生は、「9歳の壁」を生活言語(生活の中でよく使われる、いわゆる話
し言葉、例えば「びっくりする」)から学習言語(普段の生活ではあまり使われない、いわゆる書
き言葉、例えば「仰天する」「青天の霹靂」)への移行でつまずいている現象ととらえ、その解決
に向けて取り組んでおられます。
その一つに、語彙ネットワークの充実を目的として、①冗談やだじゃれ、つっこみの会話を少
なくしない、②いろいろな日本語の言い回しを意識的に使う、③読書体験を増やす、などを挙
げておられました。そのためには、特定のコミュニケーション手段にこだわらず、総合的に確実
な情報量を多くする、そして、口話(聴覚・読唇・発声)・手話などの利用により、受信のためのエ
ネルギーを減らし、思考へエネルギーを回す必要があるとのことでした。
「手話」「口話」それぞれの「効果」と「限界」を冷静に見つめながら、子どもたちに様々なこ
とばを伝えていけたら・・・と感じた講座でした。
「中・高の自立活動」
(報告
東海教育オーディオロジー
今井)
夏の講習会から
中高部の実践報告を求めて、千種聾学校へ行ってきました。参加者は中高を担当する教師が
多く、提示される事例に大きくうなずきながら会は進行しました。参加者がろう学校経験の少
ない若い先生と、いわゆるベテランに二分されましたが、自立活動で大事にすべきことは何か
について、とても真剣な話し合いができました。
社会への出口を目前にして、思春期の揺れや荒れがクローズアップされます。その指針とな
るのが「個別の支援計画」ですが、単なる作成しなければならない書類になり、十分に役立てら
れているか、また自立活動で出てきた課題が反映されているのか等がテーマになりました。
週 1 回の授業としての中身ももちろん大切です。プログラムの作成やシステム化もすすめね
ばなりません。しかしそれ以上に大切なのは、自立活動はすべての教員が関わるものであり、生
徒の生々しい実態とリンクさせる姿勢だと考えます。
奈良ろうでも、夏休みに自立活動についての研修を持ち、「今この生徒に何が必要なのか」
を話し合いました。自立活動の組み立て方を職員が共有し、話し合いを重ねてよりよいものにし
ていきたいと思います。
(報告
柳田)
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