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「学校教育」と「職業訓練」の関係について

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「学校教育」と「職業訓練」の関係について
「学校教育」と「職業訓練」の関係について
資料7-3
職業能力開発促進法において、「職業訓練は、学校教育法による学校教育との重複を避け、
職業能力開発促進法において、「職業訓練は、学校教育法による学校教育との重複を避け、
かつ、これとの密接な関連の下に行われなければならない。」とされている。
かつ、これとの密接な関連の下に行われなければならない。」とされている。
学校教育 (教育基本法第6条における「学校教育」)
学校教育法第1条に定める学校における教育
(幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、
特別支援学校、大学、高等専門学校における教育)
○職業能力開発促進法
第三条の二
2 職業訓練は、学校教育法による学校教育との
重複を避け(※2)、かつ、これとの密接な関連
の下に行われなければならない。
○教育基本法
(学校教育)
第六条 法律に定める学校は、公の性質を有するものであって、国、
地方公共団体及び法律に定める法人(※1)のみが、これを設置す
ることができる。
※1 法律に定める法人
私立学校法第3条に規定する学校法人。(なお、構造改革特区において、一定
の要件を満たす株式会社・特定非営利活動法人も、学校の設置が認められている。)
※2 重複を避け
学校における教育と同一内容の教習を制度的に重複して行うことを避
ける意味。(労働者の職業に必要な能力の開発向上のための訓練に必然的に伴う
学理、関連する知識、応用的能力の涵養などは、現象として同一・同種の内容のもの
となって重複することはやむを得ない。)
職業訓練 (職業能力開発促進法)
労働者に対し、職業に必要な技能及びこれに関する知識を習得させることによって、
労働者としての能力を開発し、向上させるために行う訓練
(労務行政研究所編「職業能力開発促進法(労働法コンメンタール8)より)
公共職業訓練 (職業能力開発促進法第20条」)
公共職業能力開発施設(※3)の行う普通職業訓練又は高度職業訓練(※4)
※3 公共職業能力開発施設
国(独立行政法人)又は都道府県が設置する、職業能力開発校、職業能力開発短期大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発促
進センター、障害者職業能力開発校のこと。(職業能力開発促進法第15条の6)
※4 普通職業訓練と高度職業訓練
「高度職業訓練」とは、労働者に対し、職業に必要な高度の技能及びこれに関する知識を習得させるための職業訓練をいう。
「普通職業訓練」とは、「高度職業訓練」以外の職業訓練をいう。(職業能力開発促進法第15条の6)
1
職業能力開発促進法に定められる職業能力開発施設
① 職業能力開発総合大学校
産業構造の変化や技術革新等に伴う訓練ニーズの変化に対応した職業訓練指導員の養成と再訓練を行う施設。
高等学校卒業者等を対象に、職業訓練指導員の養成を目的とした訓練を実施している(学位取得可能)。
・(独)雇用・能力開発機構立1校
・修業年限:長期課程は4年
・長期課程の収容定員:720人(平成21年度実績;平成21年度から定員200人→120人)
② 職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ)
高度な知識と技能を兼ね備えた実践技術者、生産技術・生産管理部門のリーダーとなる中小企業のものづくり基盤を支える人材を養成
する施設。
専門課程の職業訓練では、高等学校卒業者等を対象に、産業界の人材ニーズへの対応を重視し、豊富な実習、演習を通じて、一連の
生産活動全般に対応できる実践力習得のための訓練を実施している。
・(独)雇用・能力開発機構立 大学校10校(その他附属短期大学12校)、短期大学校1校、都道府県立短期大学校 13校(平成22年4月現在)
・修業年限:専門課程2年、応用課程2年
・定員:機構立
専門課程 入学定員2,110人 入校者数2,272人、応用課程 入学定員760人 入校者数911人
都道府県立 専門課程 入学定員1,080人 入校者数1,090人
(平成21年度暫定値)
③職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)
ものづくり分野を中心に、失業者の早期再就職を図るための離職者訓練と、中小企業の労働者等に技能と知識を習得させるための在
職者訓練を実施する施設。
・離職者訓練(施設内)受講者数:50,538人、離職者訓練(委託):140,690人(H21年度暫定値)
在職者訓練受講者数:104,191人
④ 障害者職業能力開発校
一般の公共職業能力開発施設において職業訓練を受講することが困難な重度障害者等を対象とした職業訓練を実施する施設。
・国立13校、都道府県立6校
・訓練受講者数(施設内):1,968人 委託訓練受講者数:6,132人 在職者訓練:343人 (H21年度暫定値)
2
高等学校卒業者等を対象とする職業能力開発大学校・短期大学校
高等学校卒業者等を対象として、高度職業訓練を行う2年制の専門課程(2800時間)を置く公共
職業能力開発施設は、①職業能力開発大学校(10校)と②職業能力開発短期大学校等(26校)の
2種類。制度上、29の専攻科が存在し、現在、20専攻科が訓練生を受入れている 。
学年定員数
(公共職能開発)
訓練系
専攻科
訓練期間
(年)
訓練時間
(時間)Ⓐ
必履修科目
時間(合計)Ⓑ
割合(%)
Ⓑ/Ⓐ
実技時間
(合計)Ⓒ
割合(%)
Ⓒ/Ⓑ
割合(%)
Ⓒ/Ⓐ
48
30 輸送機械整備技術系
航空機整備科
2
2800
2095
75
1350
64
40 接客サービス技術系
ホテルビジネス科
2
2800
1715
61
980
57
35
80 デザインシステム系
産業デザイン科
2
2800
1600
57
900
56
32
40 物流システム系
港湾流通科
2
2800
1670
60
895
54
32
40 物流システム系
物流情報科
2
2800
1700
61
895
53
32
製パン・製菓技術科
2
2800
1615
58
875
54
31
0 食品製造技術系
20 テキスタイル技術系
染織技術科
2
2800
1685
60
860
51
31
精密電子機械科
2
2800
1545
55
845
55
30
664 機械システム系
生産技術科
2
2800
1525
54
825
54
29
462 機械システム系
制御技術科
2
2800
1490
53
825
55
29
メカトロニクス技術科
2
2800
1525
54
825
54
29
0 機械システム系
55 機械システム系
0 服飾技術系
和裁技術科
2
2800
1520
54
820
54
29
0 服飾技術系
アパレル技術科
2
2800
1490
53
790
53
28
30 情報システム系
情報処理科
2
2800
1535
55
790
51
28
0 機械システム系
産業機械科
2
2800
1485
53
785
53
28
55 電気・電子システム系
電気技術科
2
2800
1550
55
780
50
28
134 電気・電子システム系
電子技術科
2
2800
1550
55
780
50
28
692 電子情報制御システム系
電子情報技術科
2
2800
1455
52
780
54
28
215 居住システム系
住居環境科
2
2800
1485
53
750
51
27
建築物仕上科
2
2800
1450
52
750
52
27
20 居住システム系
建築設備科
2
2800
1450
52
750
52
27
20 化学システム系
環境化学科
2
2800
1535
55
750
49
27
20 化学システム系
産業化学科
2
2800
1535
55
750
49
27
原子力科
2
2800
1600
57
750
47
27
インテリア科
2
2800
1450
52
715
49
26
0 居住システム系
0 エネルギー技術系
20 居住システム系
130 情報システム系
情報技術科
2
2800
1425
51
715
50
26
130 居住システム系
建築科
2
2800
1415
51
680
48
24
0 ビジネス技術系
ビジネスマネジメント科
2
2800
1635
58
640
39
23
0 調理技術系
調理技術科
2
2800
1625
58
630
39
23
※ 全国職業能力開発施設ガイドブック-全国公共職業能力開発施設及び認定職業能力開発施設ガイド-を基に文部科学省作成
3
職業能力開発大学校・短期大学校の学科・実技の割合
職業能力開発大学校・短期大学校の専門課程の職業訓練(高等学校卒業者等を対象、訓練期間2年、
職業能力開発大学校・短期大学校の専門課程の職業訓練(高等学校卒業者等を対象、訓練期間2年、
総訓練時間2800時間以上)は、29の専攻科について教科、訓練時間等の基準が定められており、必
総訓練時間2800時間以上)は、29の専攻科について教科、訓練時間等の基準が定められており、必
修部分について、実技の割合は、平均して5割を超えている。
修部分について、実技の割合は、平均して5割を超えている。
専門課程(29専攻科)の平均値
必修部分:2800時間中1564時間(55.9%)
うち学科(48.4%)
系基礎
学科
13.6%
専攻
学科
13.4%
各校裁量部分:2800時間中1236時間
(44,1%)
うち実技(51.6%)
系基礎
実技
8.7%
専攻
実技
20.2%
その他
44.1%
※ 職業能力開発促進法施行規則第12条第1項及び別表第六を参照
例:秋田職業能力開発短期大学校
電子情報技術科(総訓練時間2,808時間)
各校裁量部分:2808時間中864時間
(30,8%)
必修部分:2808時間中1944時間(69.2%)
うち実技(55.6%)
うち学科(44.4%)
系基礎
学科
15.4%
専攻
学科
15.4%
系基礎
実技
11.5%
専攻
実技
26.9%
その他
(自然科学、外国語等)
30.8%
各校裁量部分:2808時間中360時間
(12.8%)
生産技術科(総訓練時間2,808時間)
必修部分:2808時間中2448時間(87.2%)
うち学科(41.2%)
系基礎
学科
19.2%
専攻
学科
16.7%
系基礎
実技
10.3%
うち実技(58.8%)
専攻
実技
41.0%
その他
(保健体育等)
12.8%
※ 秋田職業能力開発短期大学校HPを基に文部科学省作成
4
各省庁、独立行政法人が設置する大学校
1.各省庁が設置する大学校
設置者
名称
防衛省
防衛大学校※1
防衛医科大学校※1
海上保安庁
海上保安大学校
気象庁
気象大学校
警察庁
国税庁
総務省
警察大学校
税務大学校
自治大学校
消防庁
消防大学校
国土交通省
対象・目的
国土交通大学校
高校卒業程度の者に対して、幹部自衛官を育成するための教育訓練を行うこと
高校卒業程度の者に対して、医師である幹部自衛官を育成するための教育訓練を行うこと
高校卒業程度の者に対して、海上保安庁の幹部となる職員として知識及び技能を修得させるための教育訓練並び
に海上保安業務の遂行に必要な専門的知識又は特殊技能を修得させるための教育訓練を行うこと
高校卒業程度の者に対して、気象庁の幹部候補生を養成するため、気象に関する専門知識、技術等について教育
を行うこと
警察職員に対し、上級の幹部として必要な教育訓練を行い、警察に関する学術の研修を行うこと
国家公務員として採用された職員に対して、その業務を行うのに必要な研修を行うこと
地方公共団体の職員に対して、地方公共団体の幹部となる職員を養成するための研修を行うこと
国及び都道府県の消防の事務に従事する職員並びに市町村の消防職員及び消防団員に対し、幹部として必要な
教育訓練を行うこと
国土交通省の職員その他の者に対し、国土交通省の所掌事務に関する研修を行うこと
航空保安大学校
航空保安業務に従事する職員に対し、その業務を行うのに必要な研修を行うこと
収容定員(入学定員)
1400(350)
510(85)
180(45)
60(15)
-
-
-
-
-
-
2.独立行政法人が設置する大学校
設置者
名称
水産大学校
水産大学校※1
国立国際医療研
国立看護大学校※1
究センター
海上技術短期大学校
海技教育機構
海技大学校
航空大学校
航空大学校
航海訓練所
航海訓練所
農業・食品産業技 農業者大学校
術総合研究機構
労働政策研究・研
労働大学校
修機構
中小企業基盤整
中小企業大学校
備機構
都市再生機構
都市再生大学校
対象・目的
高校卒業程度の者に対して、水産に関する学理及び技術の教育を行うこと
高校卒業程度の者に対して、高度な臨床看護実践能力等を身につけ、 先端医療の現場や海外で活躍できる看護
師、助産師を育成すること
高校卒業程度の者に対して、船員となるのに必要な航海・機関両方の専門教育を行うこと
海上技術学校又は海上技術短期大学校の卒業者、若しくは海運会社に雇用されている者(内定者含む)で大学・短
大・高専を卒業した者に対し船舶の運航に関する高度の学術及び技能を教授すること
短大・高専・専門学校卒業程度の者に対して、航空機の操縦に関する学科及び技能を教授し、航空機の操縦に従事
する者を養成すること
商船に関する学部を置く国立大学、商船に関する学科を置く国立高等専門学校及び独立行政法人海技教育機構の
学生及び生徒等に対し航海訓練を行うこと
4年制大学卒業程度の理解力や判断を有する者、又はこれに準ずると認められるような農業技術・知識を有する19
歳以上40歳未満の者に対して、近代的な農業経営に関する学理及び技術の教授を行うこと
厚生労働省の労働に関する事務を担当する職員その他の関係者に対する研修を行うこと
収容定員(入学定員)
740(185)
400(100)
480(240)
-
144(72)
-
約80(約40)
-
経済産業省令で定める法人の役員及び職員に対する養成及び研修、中小企業者及びその従業員に対する経営方
-
法又は技術に関する研修を行うこと
既に市街地を形成している区域における市街地の整備改善に必要な調査、調整及び技術の提供を行うこと
※大学生・大学院生その他まちづくりに関連する専門学校の在校生、まちづくりに興味のある地域住民が対象。各
-
地域のテーマに応じて不定期に開催。
※1 収容定員(入学定員)数は大学(学士課程)相当のものを計上している。
5
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