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日本とカナダにおける憲法的権利の保障

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日本とカナダにおける憲法的権利の保障
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日本とカナダにおける憲法的権利の保障
ビィーティー, デビット; 岩本, 一郎(訳)
北大法学論集, 44(1): 1-24
1993-06-30
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/15512
Right
Type
bulletin
Additional
Information
File
Information
44(1)_p1-24.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
①
目
日
②
訳
デ ピ ッ ト ・ ピ ィl テ ィ !
日本とカナダにおける憲法的権利の保障
カナダと日本の最高裁の類似性
本
(
ム
ロ
がみずからの司法審査権を行使する方法は、様々な法律の合憲性ゃ、 日 本 や カ ナ ダ の 政 府 に よ っ て 進 め ら れ る そ の 他 の
システムがいかに似ているかという点に驚かされるだろう。アメリカ最高裁判例とは対照的に、日本とカナダの最高裁
私が思うには、 日 本 と カ ナ ダ の 憲 法 の 最 も 重 要 な 判 例 と 基 本 的 な 原 理 を 研 究 す る こ と と な っ た 者 は だ れ で も 、 両 国 の
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) お よ び / あ る い は 均 衡(Z-22)
行 政 活 動 の 合 憲 性 を 審 査 す る た め に 比 例62宮
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0zzg 巾 印 日 ) ) と い う 広 汎 な 原 理 を 使 用 す る と い う も の で あ る 。 日 本 と カ ナ ダ の 最 高 裁 は 、 解 釈 の 問 題 や 、 各 々
理性(司2
の憲法のテクストのなかで使われている特定の文言にそのエネルギーを注ぎ込むのではなくて、 ヨーロッパ型の違憲審
査 の 方 法 、 す な わ ち 比 例 ( 合 目 的 性 ) と均衡(合理性) の 原 理 に い っ そ う 重 き を 置 い た 方 法 を と る 傾 向 が 強 い 。 た だ 、
いずれの国の最高裁も、 その基本的なアプローチを正当化するにあたって、 ヨ ー ロ ッ パ の 判 例 に 長 々 と 言 及 す る よ う な
﹂とはしない (ここにもう一つの類似点が見いだされる)。
日 本 と カ ナ ダ に お け る 憲 法 上 の 権 利 の 主 張 に 関 わ る リ l デ ィ ン グ ケl ス の ど れ を と っ て も 、 審 査 に 服 す る 法 律 ま た は
行政活動によって促進される公共の利益についての評価が、最高裁の理由づけのプロセスや、最終的な最高裁の判断に
おいて決め手となっている。日本では、人権の章の冒頭すぐ近︿に置かれている一般条項(日本国憲法二一条)、閉じ
ような一般的な保障規定││生命、自由および幸福追求に対する・保障(同二二条)││、および職業や居住地の選択(同
(l)
二二条)や財産の所有(同二九条)を保障する多くの個別規定のなかに﹁公共の福祉﹂(宮ZRZ-P2)基準が見られる。
最高裁は、典型的にはこの﹁公共の福祉﹂基準のなかに法律の合憲性の審査の根拠を求めている。このように憲法が共
同体の福祉に明示的に言及しているということから、日本の最高裁は、審査を求められている法律や政府の行為の合憲
性を審査するために、均衡または合理性というきわめて基本的なテストまたは基準を発展させてきた。ある人の憲法上
の権利が侵害されたか否かを決定するにあたっては、争われている法律によって促進される公共の利益が、自分の生活
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)
に影響を受ける個人の自由に課せられる制限に比べてより重要であるか否か、またはそれを上回るか否かということが、
日本の最高裁にとって最も重要な問題となる。
カナダでも、この功利主義的な利益衡量の考えは、その最高裁が違憲審査権を行使する場合に中心的な役割を果たし
ている。憲章に列挙されている権利や自由によっていかなる利義や活動が保護されるかを定義する際に、また法律やそ
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の 他 の 行 政 行 為 の 合 憲 性 を 立 証 す る た め に 政 府 が 充 足 し な け れ ば な ら な い (正義の)原理を主張する際に、功利主義的
な利益衡量テストを最高裁は採用してきた。カナダの憲章は、 日 本 の 憲 法 に 規 定 さ れ て い る よ う な 公 共 の 福 祉 の 基 準 に
明示的には何ら言及していないが、 そ の 第 一 条 に 一 般 的 な 制 限 条 項 を 置 い て い る 。 そ れ は 、 憲 法 上 の 権 利 に 負 担 を 課 す
る法律が﹁法によって規定され﹂、 か つ ﹁ 自 由 で 民 主 的 な 社 会 に お い て 明 ら か に 正 当 化 さ れ う る ﹂ と い う こ と を 立 証 す
ることができるならば、政府はその法律を制定できる、ということを認めている。
後者の文言に意味を明らかにするにあたって、 カ ナ ダ の 最 高 裁 は 次 の よ う に 主 張 し て き た 。 す な わ ち 、 憲 法 上 正 当 で
あると評価されるためには、ある人の憲法上の権利を妨げる法律は、合理性と比例という二つの基本的なテストもしく
は基準を満たさなければならない。第一に、 その法律によって促進される公共の利益が、 そ の 法 律 が 個 人 の 自 由 に 対 し
て課する制限を上回ることを証明することによって、均衡または合理性という基本的な基準を法律の目的が満たしてい
るということを政府は立証しなければならない。くわえて、 カ ナ ダ 最 高 裁 は 、 第 一 条 に 規 定 さ れ て い る 一 般 的 か つ 制 限
的 な 文 言 を 解 釈 し て 、 審 査 を 求 め ら れ て い る 法 律 の ﹁目的﹂(巾ロ与とではなく、 むしろ﹁手段﹂(自2ロ印)に焦点を当てる
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)
比 例 あ る い は 合 目 的 性 と い う 規 準 ま た は 原 理 を 引 き 出 し て き た 。 比 例 ( ま た は 合 目 的 性 ) と い う こ の 第 二 の 基 準 1 1日
本 の 最 高 裁 に よ っ て 認 め ら れ て い る 基 準i!ー に 従 え ば 、 憲 法 上 正 当 で あ る と 評 価 さ れ る た め に は 、 法 律 に よ っ て 促 進 さ
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れ る 公 共 に 利 益 の 重 要 性 に く わ え て 、 そ の 目 的 を 達 成 す る た め に 政 府 に よ っ て 選 択 さ れ た 手 段ll つ ま り 特 定 の 政 策 手
段│ーが個人の自由に対して課する制限が可能なかぎり小さなものであることを、政府は証明しなければならない。
政府の法律や行政活動の合憲性をテストするために同一の基本的な枠組││審査の原理ーーを使っているということ
にくわえて、 日 本 と カ ナ ダ の 最 高 裁 は 、 結 果 的 に 、 こ れ ら の 二 つ の 原 理 が ど の 程 度 積 極 的 に 適 用 さ れ る べ き か と い う 点
についてもきわめて類似した見解に達している。利益衡量や比例の原理を適用するにあたって、両国の最高裁はよく似
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た 一 群 の 留 保 │ │ あ る い は 制 限 的 な 但 し 書 きi ーを発展させ、 そ れ が 重 大 な か た ち で 原 理 の イ ン パ ク ト を 弱 め て き た こ
とは明らかである。実際には、違憲審査権を制限するために両国の最高裁によって用られる理由づけの主要な仕掛けま
たは方法は、多くの事件でほとんど同一である。
カナダと日本の最高裁による人権保護の記録を特徴づけている慎重さと保守性は、 さまざまな点に表れている。第一
に、両国の最高裁は、ある事件で提起されるであろう憲法問題について発言するのをできるかぎり避けようとする明白
(5)
かつ意識的な傾向を示してきた。とりわけ初期のころの数年間においては、カナダ最高裁は、将来の解決を待つ余裕が
ある場合には、どんな憲法問題であってもその解決を先送りしたであろう。今日、ある事件に含まれている憲法問題を
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回避するようなかたちで争われている法律を解釈することによって事件を解決するやり方は、 日本の最高裁においても
一般的である。
この共通の手法、すなわち事件を解決することのできるその他の根拠がまったくない場合にかぎって違憲審査権を行
使する手法にくわえて、両国の最高裁は、利益衡量や比例の原理がきわめて消極的にしか使われない、あるいはまった
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く適用さえされない政府の政策領域を設けてきた。 い く つ か の 法 律 は あ ら ゆ る 審 査 を 本 質 的 に 免 れ て い る 、 と 両 国 の 最
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高 裁 は 述 べ て き た の で あ る 。 そ の た め 、 日 米 安 全 保 障 条 約 の よ う な ﹁ 政 治 問 題 ﹂ ( 宮ZEE-AE25ロ印)に影響を与える法
律、あるいは私人間を規律する法律(たとえば契約法)は、憲法の保障の範囲外にあって違憲審査権を超えたところに
ま AF
置かれている事柄である、 と い う こ と が 日 本 の 最 高 裁 に よ っ て 確 認 さ れ て き た 。 同 じ よ う な 判 決 の な か で 、 カ ナ ダ 最 高
裁 も 、 契 約 、 財 産 お よ び 不 法 行 為 に 関 す る コ モ ン ・ ロ i 上のル l ル の す べ て を 事 実 上 憲 章 の 範 囲 外 に 置 い て き た し 、
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たカナダと外国との関係に影響を与える法律や命令││逃亡犯罪人引渡手続のようなーーは、極端かつ最悪の状況にお
いてのみ利益衡量と比例の原理によってテストされるであろうと判示してきた。
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あらゆる審査方法から重要な法体系を除外することとならんで、両国の最高裁は、政府の多くの政策領域、とりわけ
経済・社会問題に触れる領域ではきわめて消極的に、 ま た か な り の 慎 重 さ と 抑 制 を も っ て 利 益 衡 量 と 比 例 の 原 理 を 適 用
するにとどめるという結論に達している。選挙された他の二つの統治部門に対して強い敬譲の態度を示して、日本の最
高裁は、この領域に属する法律の合憲性を支持してきた。たとえば、ある地域における小売市場の数を規制する法律、
(叩)(日)
福祉給付のレベルを固定する法律、およぴ被用者とそれ以外の労働者との税制上の異なる取扱いを認める法律が挙げら
れる。これらの領域やその他の領域で、日本の最高裁は、ある種の権力分立論を持ち出して、裁量権限の認められる、
あるいはヨーロッパの人々が言、っところの﹁裁量の余地﹂(ヨ印有百え名目)
2己巳5ロ)とされる広汎な領域を立法府および
執行府に認めてきた。
カ ナ ダ 最 高 裁 も 、 こ の 種 の 事 件 で ほ ぼ 日 本 の 最 高 裁 と 同 一 の 理 由 づ け を 支 持 し て き た 。 実 際 に 、 政 府 が 二 つ の (ある
いはそれ以上の)対立する個人または集団の利益を調整し、妥協をはからなければならないと考える政策領域ではすべ
て、カナダ最高裁は、特定の法律を制定する﹁合理的な根拠﹂(白 220EZ巾 宮 巳 と が あ る こ と の み を 政 府 は 証 明 す れ ば
足りると述べている。日本の最高裁と同じく、選挙された統治部門は、理論的にも実践的にも最高裁に比べてこの種の
法律を制定するのによりふさわしい、 とカナダの裁判官は理由づけている。このよ、つな敬譲と尊重の態度に基づいて、
(
ロ
)
カナダ最高裁は、 日 曜 日 の す べ て の 購 買 を 事 実 上 禁 止 す る 法 律 、 幼 児 向 け の 広 告 を 禁 止 す る 法 律 、 お よ び 規 定 さ れ た 退
職年齢に達した人の雇用契約の終了を命ずる法律の憲法上の有効性を支持してきた。
これらの共通する法理の流れにくわえて、どちらの最高裁も、各々の憲法が与える人権の保護をさらに一層制限する
効果を持つ、数多くの区別の原理と分析方法を認めてきた。たとえば、表現の自由を制限する法律に関わる事件では、
直接的に表現の自由を制限する法律と、表現の自由に対する制限が付随的な効果を持つにすぎない法律との区別を日本
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の最高裁は認めてきた。たとえば、勤務時間外の職場外における選挙ポスターの領布を含め、すべての公務員の政治活
(日)
動を事実上全面的に禁止する法律が争われた事件では、公務員の表現の自由に対する制限は、法律の間接的または付随
的な効果にすぎないという判断を下し、最高裁はそれを根拠にその憲法上の有効性を支持した。同様に、さまざまな職
業上の取引きに対する規制や営業距離制限に関わる多くの事件では、最高裁は、法律が促進する目的の種類に基づいて
05守巾)
法律を同様に区別してきた。最高裁によれば、法律には、共同体の生活の質を促進することを目指す﹁積極﹂(匂
目 的 を 持 つ 法 律 と 、 公 共 の 秩 序 や 安 寧 を 危 険 に さ ら す 活 動 や 行 為 を 禁 止 す る こ と を 意 図 す る ﹁ 消 極 ﹂ ( ロ 品 阻 止2
)目的を
持つ法律とがある。第一の種類の法律、すなわち何らかの方法で共同体の公共の福祉を積極的に促進する法律は、厳格
(HH)
さや徹底さの程度の低い種類の審査に服する。これらの事件では、﹁明らかに不合理﹂主
gユ可ロロ﹁巾白印。EE巾)ではない
かぎり、法律は憲法上有効なものと認められる、と最高裁は述べてきた。
日本の最高裁と同様、 カ ナ ダ 最 高 裁 も 、 利 益 衡 量 や 比 例 の 原 理 が ど の よ う に 適 用 さ れ る べ き か に つ い て 独 自 の 区 別 の
法 理 を 発 展 さ せ て き た 。 す な わ ち 、 私 人 の 関 係 に 影 響 を 与 え る コ モ ン ・ ロ l上 の ル l ル や 、 社 会 の 社 会 ・ 経 済 問 題 を 扱
う政策のような、特定のタイプの法律がいかなる形態の審査にも服さないという判決にくわえ、最高裁は、政府が支持
する目的とは無関係に、 そ の 目 的 を 追 求 す る た め の か な り の 裁 量 を 政 府 に 与 え て き た 。 違 憲 審 査 権 を 制 限 す る た め に カ
ナダ最高裁によって使われるこの主要な道具を、憲法テクストの解釈に関する利益衡量アプローチと呼ぶのが最も適切
(日)
-E2ロ伺)は、このような違憲審査のアプローチに与えられてきた一つの名
であろう。﹁定義的利益衡量﹂(仏え5HZos--出
前である。保護が求められているある利益や活動は憲章の保障する権利または自由のいずれにもあたらない、と判示す
る最高裁の判決が当然そこに含まれることになる。争われている法律が、憲章第一条に規定されている制限的な但し書
きに黙示的に含まれている比例の原理によって評価されることはない、 と い う の が こ の よ う な 判 決 の 実 質 的 な 効 果 で あ
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きわめて多くの事件でカナダ最高裁はこのアプローチに従っており、 そ れ ら の す べ て に お い て そ の 理 由 づ け は 本 質 的
に同じである。ある憲法上の保障は法が規制しもしくは抑制する利益または活動をカバーしていないとする判決では、
たいていの場合、憲章の文言ゃ、あるいはカナダの憲法の枠組のなかに権利章典を組む込むことに重要な責任を負って
いた者の意図が、最高裁によって強調されることはなかった。むしろ、 い か な る 利 益 や 活 動 が 憲 章 の 保 障 す る 権 利 や 自
由によって現実に保護されるかを定義する際に、最高裁は、実際には補助的に均衡または功利の原理を援用してきた。
本質的には、ある法律によって促進される公共の利益または目的が、それを争う者の個人の自由に課せられる制限を上
回るという見解に達した場合には、保護が求められている利益または活動は憲章に列挙されている権利または自由のい
ずれにも含まれていない、という判決を最高裁は下すであろう。
こ の よ う な 方 法 で 利 益 衡 量 の 原 理 をll解 釈 の 道 具 と し て │ │ 使 用 す る こ と は 、 最 高 裁 に と っ て き わ め て 重 要 で あ る 。
たとえば、このような理由づけの方法に基づいて、最高裁は次のような判決を下している。すなわち、川ストライキの
自由、団体交渉の自由および組合選択の自由は、憲章の保障する結社の自由にはあたらない。川物理的な暴力をともな
う抗議は、憲章の保障する表現の自由によっては保護されない。川裁判所で自分の発一言が理解される権利は、憲章のな
かで認められている英語またはフランス語を話す権利には含まれない。制労働者としての能力に応じて人々を扱うこと
が、憲章が保障する法の下の平等と当然に重なるわけではない。もっと一般的に言えば、憲章上の権利や自由は取るに
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足らないあるいは内容が乏しい利益や活動を保護するものではないという立場を、最高裁は多くの場合依然としてとっ
ているのである。
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る
アメリカ合衆国最高裁との比較
ここまで、ある法律やその他の政府の活動が各々の憲法の保障する権利や自由を妨げているという主張に対する日本
とカナダの最高裁の対応の仕方が、きわめて慎重で保守的であるということを見てきた。おのずと明らかとなる差し迫
った問題は、これらの二つの最高裁によって書かれた判例に見られる強い類似性の原因はどこにあるのかということで
ある。多くの学者や人権擁護活動家は次のような考えに傾く。すなわち、ある法律によって促進される公共の福祉と、
その法律が制限する憲法上の保障とのあいだの均衡を評価するにあたって、個々の裁判官にあまりに大きな裁量の余地
を与える一群の一般原理や分析枠組に依拠している点で、両国の最高裁はきわめて基本的な間違いを犯している。利益
衡量や比例というきわめて広汎で一般的な原理の適用を必要とする方法で違憲審査にアプローチするのではなくて、
由に対するアメリカ最高裁の取扱いに最も顕著に表れている。ここでは、おそらくその他のどの領域にまして、双方の
記録は人権を保護する点で際立っているのである。このことは、権利章典の第一修正によって保障されている一言論の自
る。この見解によると、 ま さ に ア メ リ カ 最 高 裁 が 合 衆 国 憲 法 の 文 言 を 真 面 目 に 受 け 止 め て い る か ら 、 ア メ リ カ 最 高 裁 の
利益衡量や比例といった広汎な原理に関わるところがあまりなく、 む し ろ 個 別 的 な 基 本 的 人 権 の 確 定 に 関 わ る も の で あ
アメリカ最高裁や、実際のところ、同じくアメリカ最高裁を研究するほとんどの学者にとって、司法審査というのは、
(げ)
ならば、もっと適切に人権保護の職務を果すことになるであろう、と言う者もいるかもしれない。
の観点から、 カナダと日本の最高裁は、 ア メ リ カ 最 高 裁 が 合 衆 国 の 権 利 章 典 を 執 行 し て い る や り 方 に も っ と 注 意 を 払 う
別 具 体 的 な 人 権 を 確 認 す る 作 業 ー ー と し て み な す べ き で あ る 、 と多くの者は論ずるであろう。 ア メ リ カ 合 衆 国 と の 比 較
本とカナダの最高裁は、自分たちの仕事をもっぱら解釈作業││憲法テクストの文言に意味を与え、憲法の保護する個
日
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アプローチはきわめて対照的である。日本とカナダの最高裁は、利益衡量と合目的性という広汎な枠組を使って、表現
(凶)
の自由に対する実質的な制約を認めてきた。日本では、商業的およぴ政治的な表現を行う自由を制限する法律が最高裁
(問)
によって支持されているし、カナダ最高裁は、幼児向けの商業広告を禁止する法律ゃ、人種の観点から人々の憎しみを
煽ることを目的とするあらゆるコミュニケーションを禁止する法律を有効としてきた。反対に、アメリカ最高裁は、議
会は﹁言論の自由を制限する・:いかなる法律をも制定してはならない﹂と規定するアメリカの憲法の文言を真面目に受
け取って、とりわけ共同体の政治生活に関する言論の場合には、他人を傷つけるとしても、言いたいことは何でも言え
る 権 利 を 政 府 は 尊 重 し な け れ ば な ら な い と 主 張 し た 。 カ ナ ダ と 日 本 の 最 高 裁 が 、 いつの日か、 ア メ リ カ 最 高 裁 と 同 じ 程
︹アメリ
度の強さを持つ人権の擁護者として認められようとするならば、比例や均衡の原理に置かれた強調を放棄し、もっと解
E
a 告官S門町)を支持すべきであるということが、多くの者にとって
釈的な権利志向的アプローチ(﹃釘宮田。﹃芯
カ合衆国との比較から得られる︺教訓である。
アメリカ合衆国とカナダおよび日本とのあいだには強い歴史的・地理的なつながりがある。そしてこの点が、カナダ
とB本 の 最 高 裁 は 司 法 審 査 に つ い て の 考 え 方 を 組 み 立 て る た め に も っ と ア メ リ カ の 憲 法 に 依 拠 す べ き で あ る 、 と 忠 告 す
る多くの学者や人権擁護活動家の直感をさらに強いものにしてきたのであろう。しかしながら、私の考えでは、裁判官
が そ の 忠 告 に 耳 を 傾 け る こ と は 間 違 い で あ る 。 両 国 の 分 析 枠 組 を 変 更 す る な ら ば 、 両 国 の 最 高 裁 は 、 その統治システム
の民主的な価値を堀り崩すという批判にさらされやすくなるだけでなく、 そ の 変 更 は 目 的 に お い て 自 己 矛 盾 に 陥 る だ ろ
ぅ。憲法テクストの特定の文言の解釈や執行という観点を出発点として、日本とカナダの最高裁がみずからの役割を考
えるならば、司法審査の正統性が、アメリカ合衆国と同様、カナダや日本でも論争の的となるだろう。さらに、このよ
うな変更は、比例や均衡の原理が果たしている役割の排除ではなく、その混乱を助長するにすぎない。
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現在アメリカ合衆国では、司法審査の無欠性は十字砲火にさらされている。そして、このような状況は、 まさに憲法
テクストの解釈と定義が司法審査のすべてである、 と た い へ ん 多 く の 法 学 者 や ア メ リ カ 最 高 裁 の メ ン バ ー が 主 張 し つ づ
けてきたことに起因する。このようなかたちで最高裁の役割について考えることにともなう問題は、解釈行為が実際に
(初)
はどれほど無限定で主観的であるかを示すことによって最高裁の民主的な正統性を厳しく攻撃することを、 より批判的
な他の法学者や言語学者に許す点にある。これらの学者が繰り返し繰り返し強調してきたように、解釈は、本質的に文
書を解釈する者による創造的な活動なのである。その境界において、主観性は定義にともなう不可避的な要素なのであ
る。あらゆる事例において支配的であるような絶対的で還元不能な意味は言葉にはない。批判者が指摘するとおり、憲
法上の保障を規定するために伝統的に使われてきた言葉がそうであるように、解釈される言葉が一般的で漠然としてい
る場合には、 と く に こ の こ と が 当 て は め る 。 た と え ば 、 ﹁ 結 社 の 自 由 ﹂ と い う 文 言 が ス ト ラ イ キ を す る 自 由 ま た は 組 合
を選択する自由を含むか否か、あるいは﹁表現の自由﹂という文言が人種聞の憎悪を煽り立てる権利を含むか否かとい
った問題は、実際にはテクストの文言とはまったく関係のない理由に基づいてそれぞれの裁判官が決定することになる
問題なのである。
これらの状況では、最高裁の役割は憲法の文言に正しい意味を割当てることであるという主張は、 それを正しく理解
するかぎりにおいて、 ま さ に 自 己 矛 盾 に 陥 っ て し ま う 。 そ れ は 、 最 高 裁 が 現 実 に 行 っ て い る こ と と 一 致 し な い ば か り で
な く 、 司 法 審 査 を 厳 し く 批 判 す る 者 に 次 の よ う な 議 論 を 許 す こ と に な る 。 す な わ ち 、 ﹁ 結 社 の 自 由 Lまたは﹁表現の自由﹂
のような広汎で一般的な文一言を解釈するに場合、裁判官には実際には恋意的な裁量の余地があるため、その全体のプロ
セスは、民主的な統治に関するわれわれの伝統や人民の意志の主権性と著しい組麟をきたす。司法審査モデルによれば、
憲 法 は 詰 ま る と こ ろ ﹁ 裁 判 官 が 言 う こ と ﹂ で あ る か ら 、 デモクラットとポピュリストは、 よ り 人 民 に 責 任 を 負 う 統 治 形
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態へとわれわれが発展していくなかにあってきわめて抑圧的で反民主的な改革であるとして、このプロセスを非難する
ことができる。司法審査が、憲法テクストで使われている特定の文言の解釈や執行として描き出され、 そのようなもの
として擁護されるかぎり、また個々の保障または文言にいかなる意味を付与するかを選択する際に、解釈がそれぞれの
裁判官にきわめて広汎な裁量の余地を与えることが不可避であるかぎり、このプロセスは次のような批判にさらされる。
す な わ ち 、 人 民 ま た は 彼 ら の 代 表 者 で は な く 、 い か な る 点 に お い て も 人 民 に 対 し て 責 任 を 負 わ な い 、 つまり選挙されて
い な い 官 吏 の エ リ ー ト 集 団 が 、 政 府 の 制 限 や (人民)国家の権力がいかなるものかを決定するプロセスである。
この場合、主として憲法テクストの文言の解釈および執行の一つとして司法審査のプロセスを考えよという誘惑を日
本とカナダの最高裁が拒絶する一つの理由は、このような考えが自分自身の正統性を疑わしいものとし、 また論争の的
にするという点にある。しかし、それが唯一の理由というわけではない。少なくとも憲法上の権利の積極的な保護に屑
入れする者にとっては、 ア メ リ カ の 違 憲 審 査 シ ス テ ム の も う 一 つ の 特 徴 も ま た 同 様 に 機 能 不 全 と し て み ら れ る べ き で あ
(幻)
る。ほとんどの学者が実際に気がついているように、利益衡量と比例の原理がきわめて明白なかたちで合衆国最高裁の
憲法判例のなかに現れている。それだけでなく、最高裁によるこれらの原理の使い方は、本質的にすべてのなかで最も
保守的であろう。
比較衡量と比例の原理は、 ア メ リ カ 最 高 裁 に よ っ て 使 わ れ る 分 析 枠 組 の な か に 導 入 さ れ て い る が 、 そ の 導 入 は 、 個 々
の法律の合憲性をテストするために展開してきた異なる審査のレベル│lあるいは種類││︹の選択・適用︺を通じて
なされてきた。最高裁によれば、三つの異なる方法によってその違憲審査権を行使することができる。それは厳格に行
使する方法、最低限に行使する方法、あるいはその中間に位置する何らかの基準に従って行使する方法の一二つである。
どの審査の程度が最高裁によって適用されるかは、問題となっている法律または社会政策のタイプに左右される。ある
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法律はきわめて厳格な審査に服すであろうし、別な政策はある種の中間審査の対象となるだろうし、 さらに別な政策は
まったく評価の対象とならないだろう。
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) 審査枠組が果たしている重要な役割をいくら強調しても、
アメリカ憲法において、このような多層的な(自己
強調しすぎるということはない。広く認められているように、 ど の 審 査 レ ベ ル が 最 高 裁 に よ っ て 選 択 さ れ る か は 、 事 件
がどのように解決されるかを事実上決定してしまう。合衆国の権利章典のなかで使われている実際の文一言に与えられて
いる重要性にもかかわらず、ある法律または政府の活動が合憲と判断されるか否かは、最終的には最高裁が適用すると
(幻)
決めた審査レベルに左右される。最高裁による厳格な審査は、結果的にはほとんど常に違憲の判断に至るし、最低限の
審査基準は常に反対の結果をもたらす。このことは、 アメリカ憲法を研究する者のあいだでは自明のことである。
三つの異なる審査レベルまたは審査の程度を使いわけるアメリカの考え方と、 日本とカナダの最高裁によって使われ
るアプローチを特徴づけている利益衡量と比例の原理との関係は、密接かっ直接的である。実際には、 アメリカの多層
的な違憲審査の枠組は、利益衡量と比例の原理の別名にすぎない。厳格な審査は、合目的性またはよりドラスティック
でない手段︹テスト︺ と い う 比 例 の 原 理 を 基 礎 に し て い る 。 他 方 、 中 間 的 な 審 査 は 、 議 会 に 対 す る 敬 譲 ま た は 議 会 に 与
えられる自由の要請に従ってこの原理を制限し、 む し ろ 均 衡 ま た は 功 利 の 原 理 に 近 い 。 そ し て 、 こ の 審 査 は 、 人 々 が み
ずから選択した行為をなす自由に課せられる制限と、法律によって促進される公共の利益とを比較衡量することを最高
裁に要請する。
人権擁護活動家にとって、合衆国最高裁による利益衡量と比例の原理の使い方について最も憂慮すべきことは、政府
の第三の部門︹最高裁)による違憲審査権の行使の仕方がきわめて慎重で保守的だという点である。実際に、子細に検
討すると、 カ ナ ダ や 日 本 の 最 高 裁 が 支 持 し て き た ア プ ロ ー チ に 比 べ て 、 アメリカのそれは、 さ ら に 制 限 的 な ア プ ロ ー チ
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日本とカナダにおける憲法的権利の保障
で あ る よ う に 思 わ れ る 。 す べ て の 法 律 お よ び 政 府 の 活 動 は 合 理 性 ( 均 衡 ) と合目的性(比例) の両方のテストを充足し
なければならないと主張するのではなく、 ア メ リ カ の ア プ ロ ー チ は 、 恋 意 的 な か た ち で 特 定 の 種 類 の 社 会 政 策 を 評 価 す
るためにはある原理を割り当て、共同体の問題の別な面を規制する法律を審査するためにはそれとは異なる原理を使う。
ある個人や集団││たとえば、黒人やその他の伝統的に不利な地位に置かれてきた社会のメンバーーーや、政治的言論
のような利益や活動は、とくに重要な利益とされ、最も高い審査基準によって審査されると思われるが、 その他の集団
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ー ー た と え ば 、 女 性 ま た は 若 者llや そ の 他 の 利 益 │ │ た と え ば 、 ス ト ラ イ キ ま た は 団 体 交 渉i ーを規制する法律は、
それに比べて厳格さの程度の低い合憲性の基準を満たすことを要求されるにすぎない。利益衡量と比例の原理を区別し、
それらを異なる法の領域や分類に割り当てるカテゴリカルな方法のために、アメリカ最高裁は、合衆国の権利章典が与
えることのできる保護の程度をドラスティックに制限している。
合理性と合目的性の原理
そこでさらに詳細に検討してみると、基本的人権に対するより積極的な保護を与える方法として、合衆国の司法審査
の方法に目を向けるようカナダと日本の最高裁を促そうとする考えは、それほど見込みがあると思えない。実際によく
考えてみると、 カ ナ ダ と 臼 本 の 最 高 裁 の 間 違 い は 、 ア メ リ カ 最 高 裁 に あ ま り に 注 意 を 払 わ な す ぎ た と い う 点 に あ る の で
は な い と い う こ と は 明 ら か で あ ろ う 。 実 際 に は ま っ た く 逆 で あ る 。 意 識 的 で あ ろ う と な か ろ う と 、 アメリカのアプロ l
チのもつ最も保守的な性格をあまりにも忠実に反映させすぎた法理や理由づけの方法を、両国の最高裁が発展させてき
たことが問題なのである。利益衡量と比例の原理をどのように適用すべきかという点で認めてきたさまざまな区別や制
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説
論
限のなかで、日本とカナダの最高裁は、異なる審査の段階またはレベルを認めるアメリカの技術を暗黙のうちに支持し
てきたのである。たとえば、 わ れ わ れ が 既 に 見 た よ う に 、 社 会 ・ 経 済 政 策 に 影 響 を 与 え る 法 律 は 、 厳 格 さ の 程 度 の き わ
めて低い審査の形態に服するのが正当である、と両国の最高裁は述べてきた。同様に、それぞれの最高裁がその他の留
保 や 但 し 書 き 1 1法 律 が 個 人 の 自 由 を 直 接 的 に 制 限 す る か 、 そ れ と も 間 接 的 に 制 限 す る か を 根 拠 に し て 、 あ る い は 法 律
が 促 進 す る 目 的 の 種 類 を 根 拠 に し て 法 律 を 区 別 す る ︹審査方法︺、 ま た は 憲 法 上 い か な る 権 利 や 自 由 が 保 障 さ れ て い る
かを定義するための基本的な道具として利益衡量の原理を使う︹審査方法︺ l を ど の よ う に し て 発 展 さ せ て き た か を
われわれは見た。そして、このような留保や但し書きのすべてが、合目的性の原理と合理性の原理が違ったかたちで適
用されたならば持ったであろう力を弱め、制限してきたのである。
このよ、つに、 カ ナ ダ と 日 本 の 最 高 裁 に と っ て の 教 訓 は 、 均 衡 ( 功 利 ) と 比 例 ( 合 目 的 性 ) と い う 広 汎 な 原 理 を 強 調 す
る違憲審査のモデルを放棄して、 よ り 解 釈 的 な ア メ リ カ の ア プ ロ ー チ を 支 持 す べ き で あ る と い う こ と で は な い 。 そ の き
わめて保守的で消極的な精神構造から脱却する道は、 ち ょ う ど 反 対 の 方 向 を 向 い て い る 。 憲 法 上 の 保 障 を 確 保 す る に あ
たって ︹積み重ねられてきた︺ き わ め て 慎 重 な 記 録 を 覆 す た め に は 、 両 国 の 最 高 裁 は 、 こ れ ま で 以 上 に よ り 徹 底 的 か っ
積極的にこれらの審査の原理を擁護し、執行していかなければならない。それぞれの最高裁が憲法上の権利に対して最
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大限の保護を保障すべきであるならば、留保の法理や但し書きこそが放棄されなければならないのである。
カナダと日本の両国の憲法学者はこのことを知っている。また、恋意的で濫用の可能性の高い区別に依拠している点
ゃ、利益衡量や比例の原理が十分な効果をあげることを事実上否定する理由づけの方法に従っている点を指摘し、自国
の最高裁を既に批判してきた。日本では、これらの原理を十分に真面目に受け止めていないとして、最高裁は批判され
てきた。争われている法律によって促進される公共の福祉に対して自動的に過度なウエイトを与え、実際に、︹法律の
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日本とカナダにおける憲法的権利の保障
5pgロ)の法律ll に 十 分 な 注 意 を 払 う こ と な く 、 利
促 進 す る 利 益 と 、 制 限 さ れ る 個 人 の 自 由 や 権 利 と の あ い だ に 保 た れ た ︺ 均 衡 が ど れ ほ ど 合 理 的 で あ る か を 、 より客観的
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に評価するために利用できる外的規準。│たとえば別な法域宕
(幻)
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益衡量の原理は適用されていると言われている。比例または代替手段の原理に関して日本の最高裁に対する共通の不満
は、裁判官が簡単にこの原理を無視することが多すぎるという点に向けられている。
(お)
カナダ最高裁は、 日 本 の 最 高 裁 に 比 べ る と 、 比 例 ま た は 代 替 手 段 の 原 理 を よ く 使 つ て は い る も の の 、 や は り 、 可 能 な
かぎり頻繁に、 ま た 効 果 的 に は 使 っ て こ な か っ た と 学 者 は 批 判 す る 。 こ の こ と は と く に 社 会 ・ 経 済 政 策 の 領 域 に 言 え る
ことである。われわれが既に見てきたように、この領域では、 カ ナ ダ 最 高 裁 は 、 強 い 敬 譲 と 抑 制 を も っ て 比 例 の 原 理 を
適 用 し て き た 。 そ れ と 同 様 、 争 わ れ て い る 法 律 に よ っ て 保 た れ て い る 均 衡 を 評 価 す る 際 に 、 カナダ最高裁は、︹日本の
最高裁に比べて︺外的な規準をよく使っているものの、この原理の力を切り詰めるようなかたちで適用しているという
批判を受けている。たとえば、憲章が保障する権利や自由の範囲を解釈するために利益衡量の原理を最高裁が使う場合、
事実上、審査の段階に差をつけるアメリカの考え方を支持しているという指摘がなされてきた。われわれが既に見てき
たように、これらの事件︹いわゆる﹁定義的利益衡量﹂アプローチに依拠する判例︺では、最高裁がこのような方法で
理由づけることによってもたされる効果は、争われている法律が利益衡量の原理によってしか評価されず、比例または
代 替 手 段 の 原 理 に よ っ て テ ス ト さ れ る こ と な く 支 持 さ れ る と い う 点 に 現 わ れ る 。 結 果 的 に は 、 こ れ ら の 事 件 で は 、 また
それとならんで、立法府および執行府がどのようにその国家権力を行使するかという点に関してこれらの部門に広汎な
裁量の余地を与える事件︹たとえば、﹁政治問題﹂に属する事件や社会・経済問題に関わる事件︺では、最高裁は、中
間的または厳格さの程度の低い合憲性のテストを使う。均衡と比例││合理性と合目的性││の原理に付されたすべて
の制限は最高裁の審査権に課せられた恋意的で正当化できない制限である、ということに最高裁が気づくことによって
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説
は じ め て カ ナ ダ に お け るl
l 日本も同じくl│人権の保護が、可能なかぎり積極的で効果的なものとなるであろう。
日本とカナダの最高裁が、その判例からこれらの法理の不完全さを除去するならば、これらの比例と均衡の原理は十
分な機能を果すことができるだろう。︹これらの原理に︺付された制限や留保の但し書きがなければ、これらの原理は、
(
ω
)
日本とカナダの生活のほとんどすべての面において、個人の自律と人間の尊厳という最も基本的な価値(あらゆる憲法
の権利章典の基礎をなしている価値)を促進しえるであろう。とりわけカナダ最高裁の記録が示しているように、利益
衡量と比例の原理は、 そ れ が 厳 格 に 適 用 さ れ る な ら ば 、 き わ め て 効 果 的 に 平 等 や 配 分 的 正 義 と い う 目 的 に 奉 仕 し う る 。
あ ら ゆ る 制 限 や 留 保 の 但 し 書 き か ら 離 れ て 両 方 の 原 理 を 適 用 す る こ と に よ っ て 、 カナダ最高裁は、 カ ナ ダ の 共 同 体 に お
ける正義︹の実現︺ と人権︹の擁護︺ と い う 目 的 を 重 大 か っ 有 意 義 な か た ち で 達 成 す る こ と が で き た 。 た と え ば 、 最 高
裁は、利益衡量と比例の原理のもつ効果をいかんなく発揮させ、次のような恋意的な法律を無効にしてきた。すなわち、
(鈍)(お)
(別)
カナダ最高裁によるこれらの判決が一点の曇りもなく明らかにしてくれるように、利益衡量と比例││あるいは合理
すぎるというのが違憲とされた理由である、 と言える。
(幻)
問題となっている法律があまりに苛酷すぎる、つまりそれが奉仕するとされる目的(公共の利益)に比してあまり厳し
伝える目的で公有財産にアクセス︹する権利︺を規制する法律、および川さまざまな刑事罰llこれらすべてについて、
(お)
ω公 務 員 の 政 治 的 権 利 を 規 制 す る 法 律 、 川 職 業 と し て 商 業 広 告 業 に 従 事 す る 自 由 を 規 制 す る 法 律 、 制 み ず か ら の 見 解 を
らにくわえて、日本の最高裁が下した判決とは対照的に、カナダ最高裁は次のような法律を無効としてきた。すなわち、
行われることを法律が予定している状況においでさえ、人工妊娠中絶する女性の自由を制限する法律がそれである。さ
(お)
す少数派がその母国語で意思疎通を図ったり、営業活動をおこなう自由を制限する法律、および同人工妊娠中絶手術が
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論
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日本とカナダにおける憲法的権利の保障
性 と 合 目 的 性lー の 原 理 は 、 共 同 体 に お け る 社 会 正 義 の 質 を 実 質 的 に 高 め る こ と が で き る 。 国 家 の 権 力 を 委 ね ら れ た 者
が、その共同体で生活する人や、あるいはその共同体を通過する人の尊厳や自律に対する配慮と尊重を基本的な程度に
おいて示すことを二つの原理は要求する。利益衡量の原理は、争われている法律と、︹その法律によって影響を受ける
利益と︺類似の利益に影響を及ぼす共同体の他の法律ゃ、自由や民主主義を同じように信奉する他の社会に存する類似
の法律とを比較することによって、 か か る 法 律 を 実 際 に は 評 価 し て い る 。 そ の た め 、 こ の 原 理 は 、 よ り 正 確 に は 一 貫 性
または平等取扱いの原理として特徴づけられるだろう。この原理が主張するところによれば、ある個人の自由に課せら
れるすべての制限は、過去にその共同体や隣接する共同体の権威によって同じような利益がどのように扱われてきたか、
︹その扱われ方︺ と お お よ そ の と こ ろ 一 致 し (等しく) なければならない。 つ ぎ に 、 手 段 志 向 的 な 比 例 の 原 理 は 、 合 目
的性の原理と記述されるのが最も適切である。この原理の主張は、立法のプログラムのある部分を実現する必要性が必
ずしも絶対的でない場合には、 い か な る 自 由 も 政 府 に よ っ て 制 約 さ れ な い と い う こ と で あ る 。 す べ て の 人 に 等 し く 存 す
る自律を尊重することと一致するかぎりにおいて、 み ず か ら が 自 分 に ふ さ わ し い と 考 え る よ う に み ず か ら の 生 を 生 き る
ことに対する基本的な平等をすべての人に保障することを、この二つの原理は確保する。
この司法審査のモデルは、憲法によるすべての人権保障に共通する自律と平等という最も基本的な価値をただ高める
だ け で は な く 、 長 い 間 ア メ リ カ の ア プ ロ ー チ を 悩 ま し つ づ け て き た ︹司法審査の︺ 正統性の問題を避けながら、 かかる
価値を高めるのである。すべての政府の活動の一貫性や合目的性を最高裁がテストするプロセスとして、この司法審査
のモデルが理解されるならば、司法審査と民主主義の伝統とのあいだに存在すると考えてきた緊張関係は解消される。
争われている法律と、 そ の 目 的 を 達 成 す る た め に 政 府 が 利 用 で き る 代 替 的 な 政 策 ゃ 、 自 国 や 外 国 の 同 様 の 利 益 を 扱 う 他
の法律と比較するプロセスには、解釈のプロセスにはない客観性と決定性がある。さらに、 カナダ最高裁のように、と
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説
論
くに合目的性または代替手段の原理を強調する場合には、司法審査は、立法府および執行府と最高裁とのあいだに存す
る基本的な権力分立を尊重していると見ることができる。カナダ最高裁の記録から明らかなように、この原理が有効に
機能する場合には、最高裁は、争われている法律が促進しようとしているほとんどすべての目的を所与の前提として扱
ぃ、政府に何らかの代替手段、すなわちその目的を達成することを可能ならしめ、 か つ 人 々 の 自 由 に 対 す る 制 約 が よ り
小さい手段であるか否かだけを検討する。
実際に人権の憲法上の保護をこのように理解すると、あらゆる統治システムがもっている民主的な価値が、実際には
どのようにして司法審査によって高められるのかという点が明らかになる。基本的には、伝統的な政治制度や政治プロ
セ ス ( た と え ば 、 政 党 や ロ ビ l活 動 な ど ) に お い て は ほ と ん ど 影 響 力 を も た な か っ た 個 人 や 集 団 に 代 替 的 な フ ォ ー ラ ム 、
つ ま り 自 分 た ち の 声 を 聞 い て も ら う フ ォ ー ラ ム を 司 法 審 査 は 提 供 す る 。 と く に 、 あ る 種 の ﹁ 利 益 集 団 ﹂ (SZ22賞。与)
政治に関与する新しい手段として司法審査を見ることができる。司法審査が最高裁によって積極的に行使されるならば、
自分たちの生活の最も中核的で基本的な面に影響を及ぼす法律や政策について、伝統的にはたいした発言権をもたなか
った人々が、きわめて有意義で効果的な方法により政策形成のプロセスに関わることができるようになるのである。あ
る法律によって不利な影響を被る人はだれでも、次のように主張することができる。すなわち、人々の行為する自由に
課 せ ら れ る 制 限 は 、 川 合 目 的 的 で あ る こ と ー ー そ の 目 的 の 実 現 に と っ て 実 際 に 不 可 欠 で あ る と い う 意 味 で │ l、 か つ 削
その他の場所で、 ま た 過 去 に 、 同 様 の 自 由 が ど の よ う に 扱 わ れ て き た か と い う 点 で 一 貫 し て い る こ と を 、 そ の 法 律 を 制
定し執行する責任を負っている政府は、相対的に中立かつ公正無私な観察者に対して立証しなければならない。その結
果 、 可 能 な か ぎ り 均 衡 と 比 例 の 原 理 を 厳 格 に 執 行 す る こ と に よ っ て 、 日本とカナダの最高裁は同時に、 そ れ ぞ れ の 社 会
の正義の質を高め、民主的な性格を強めることができるのである。
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(日)猿払事件︹最大判昭和四九年一一月五日刑集二八巻九号三九三頁︺は、伊豆え∞戸 Epg号 昌 広 何 与RZ5ロS U吉田 J室、
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積 極 的 目 的 を も っ 法 律 と 消 極 目 的 を も っ 法 と の 区 別 を 最 高 裁 が 援 用 し た 判 決 は 、 玄eZ曽
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ながら、利益衡量のプロセスは、審査プロセスの最後の段階で、また最高裁が争われている法律を比例の原理によって評
ψψ'HHOで論
価した後でのみ使われることを憲章の構造は要求している、と最高裁は一度ならず主張してきた。これらの判決のリストは、
芯定・忠岡()品ロ・斗同に見ることができる。
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(凶)憲章による憲法上の保障の範囲を定義するために、最高裁が利益衡量アプローチを援用した判決は、芯札弘田片
HOにある。
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集 三 一 四 号 巻 五 三 三 頁 ︺ が あ る 。 こ の 判 決 の 英 訳 は 、 ﹁ ∞2﹃h
FE--SF門
( げ ) ア メ リ カ の 学 者 に よ っ て 主 張 さ れ て き た 指 導 的 な 解 釈 理 論 の 多 く は 、 ωZ558hrωζ巴05(邑印 )-ER雪害若宮喧
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R者(何︿曲目件。ロ-Z03F君ggECEZ﹁師国々司﹃町印∞・5 ∞∞)に収録され、議論されている。
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(包)どのように判決が下されるかという点についての審査レベルの重要性は、 F
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日本とカナダにおける憲法的権利の保障
せてきた。しかしながら、日本の最高裁が法律を無効した主要な五つの事件のうち三つの事件で、利益衡量と比例の原理
に基づいて法律が無効にされたことは言及に値する。たとえば、薬事法違憲判決︹最大判昭和五O年四月三O日民集二九
巻四号五七二頁︺、森林法違憲判決︹最大判昭和六二年四月一一一一日民集四一巻三号四O八頁︺(比例の原理)、および尊属殺
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この事件では、国家による不合理な財産の没収を許容する法律を無効にするために、最高裁はこれらの原理を使った。さ
巻一一号一五九三頁(国-EFhvF-F戸内室長 HSE
富ミ。52Aこ白、S323・S可否、ロ。丹市﹁巳印∞民に英訳がある)参照。
らに全逓東京中郵事件判決参照。
(幻)めShpd・-hsaR2q同昔、ない宅一華室町asa﹃著書名還なき(戸市w∞印YH斗0・Fm(含﹃)品NN(沼)﹄サミte-e邑宮内(回。∞mvy印品0・﹁-m(合﹃)印、コ
(お)ミミhき昨日目ミゼ-CHES(回。斗 A3
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年二一月一一一二日民集七巻二二号一五六一頁︺とを比較せよ。
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よび均-e・さと宮号室戸芸YHFE丹市N∞と、前掲最大判昭和三六月七月一九日判決および猿払事件判決とを比較せよ。
る。原文は広島法学一六巻四号四九六頁に掲載されている。章とその見出しは訳者が読者の便宜のためにつけたものである。
① 本 稿 は 、 ピ ィ lティ氏が平成三年二一月六日に本学カナダ法研究会で行った講演の基礎となった原稿を翻訳したものであ
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なお、翻訳にあたっては多くの方々に有益な助言を得たことをここに記して感謝したい。
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② ピ ィ i ティ 1氏 は ト ロ ン ト 大 学 法 学 部 の 教 授 で あ り 、 憲 法 お よ び 労 働 法 の 分 野 で 多 く の 論 文 を 精 力 的 に 発 表 し つ つ
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る。その最近の成果が、言内︻U
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2) である。
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かなように、一方で t
々 3の原理は、立法目的達成のための規制手段が必要最小限度であるか否かを問題にする。他
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sとEREos-Z口市出回ョには、﹁合理性﹂という訳語が当てられるのが通例である。しかし、本論文の叙述から明ら
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自由よりも重要であるか否かに関わる。そこで、前者の原理については、議会によって選択された規制手段と立法目的の
方でE2825Z52ョの原理は、ある法律によって促進される公共の利益が、その法律によって制限を受ける個人の権利・
については、上述の意味であるということを確認したうえで、﹁合理性の原理﹂という訳語を使う。ただし、これらの語は
適合性を審査する基準であるという意味で、﹁合目的性の原理﹂と訳出する。﹁合理性の基準﹂と粉らしいが、後者の原理
相互互換的にさまざまな語で言い換えられている。誤解を避けるために、簡単に確認しておく。
﹁合目的性の原理﹂ H﹁比例 (uguc
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) の原理﹂ H ﹁よりドラスティックでない手段苦目的色﹃忠言 gZロ印)テスト﹂H ﹁代替
手段(曲-丹市﹃E25 g
自 ロ印)テスト﹂
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E円宮崎)の原理﹂H﹁功利(ZE5、)の原理LH﹁一貫性会 Oロ包印門時国内市)も
﹁合理性の原理﹂ H﹁均衡(町民﹄自門司)の原理﹂ H﹁利益衡量(
しくは平等取扱い (
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- 可2523 の原理﹂
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