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児童館における障害児の利用実態とその課題 ――障害児の

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児童館における障害児の利用実態とその課題 ――障害児の
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:61 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:18
森田・遠藤・根岸:児童館における障害児の利用実態とその課題――障害児の居場所としての児童館の可能性――
東洋大学人間科学総合研究所紀要 第3号(
) −
児童館における障害児の利用実態とその課題
――障害児の居場所としての児童館の可能性――
1
2
3
森田明美
・根岸洋人
・遠藤清江
この研究は児童館における障害児の利用実態を明らかにし、その課題を明確にするこ
とを目的としている。調査は全国すべての児童館4,726カ所を対象にし、2003年10月にア
ンケート調査を実施した。調査結果から障害児の利用実態を通して、児童館が障害児の
居場所として大きな可能性を持つことが明らかとなった。また、障害児の受け入れ態勢
を持つ児童館は約8割に上るが、一方で現実に利用されている児童館は全体の約半数で
あり、児童館の障害児利用に対する積極性が、利用実績と関係していることが明らかと
なり、「児童館と障害児の関係性」についての新たな課題を提示することとなった。
キーワード:障害児、児童館、居場所、地域、放課後
Ⅰ.はじめに
障害児の生活実態に関しては、その様子が明らかになるにしたがって、放課後の過ごし方に関して、
保護者など家族との限られた環境の中での生活となっている場合多く、障害児の育つ環境を考えた場
合、学校と家庭以外の居場所を考えることが急務となってきた。
一方、子どもの健全育成を目的とする児童福祉施設として地域に整備されている児童館は、地域の
すべての子どもが自由に利用する施設である。このような機能を持つ児童館を障害児が利用すること
は、その障害児とその保護者を家庭という狭い生活環境から解放し、多様な人々との交流を保障する
新しい過ごし方を可能にする。また、児童館にとっても健常な子どものみならず障害児がかかわるこ
とによって、地域のさまざまな人々が交流する施設として新しい役割を実現することになる。児童館
での障害児の受け入れ・利用の実態はどのような状況か。また、今後の可能性はどうなのだろうか。
こうした問題意識に従って先行調査および研究を検索していくと、これまでの調査・研究では、障
――――――――――――――――――
*1 人間科学総合研究所研究員・東洋大学社会学部
*2 人間科学総合研究所客員研究員・高崎健康福祉大学
*3 人間科学総合研究所客員研究員・京都女子大学
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:62 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:19
東洋大学人間科学総合研究所紀要 第3号
害児の放課後・休日の過ごし方については放課後児童クラブの中で取り組みがなされており、調
査および研究もそれを中心としたものであった。そのまとまったものとしては、
「放課後児童クラブに
おける障害児の受け入れに関する調査研究」
(平成
年度児童環境づくり等総合調査研究事業)がある。
また、児童館における障害児への取り組みとしては、
「平成
年地域児童福祉事業等調査の概況−放課
後児童クラブ・児童館−」
(厚生労働省)がある。児童館における障害児の受け入れ・利用については
まだ限られた調査・研究の段階にあることがわかった。また、児童館にも、子どもの遊びの支援機能
のみならず、子育て家庭支援機能や地域活動促進機能の強化がもとめられており、児童館の役割や機
能が変化するなかで、今後児童館が地域社会においてより有効な役割をはたしていくには、その役割
の一つに障害児の居場所といったことも考えられている。そこで、全国の児童館に対して実態調査
を実施し、そこから、児童館における障害児受け入れの課題を明確化していくことを目的とした。
Ⅱ.研究の目的と方法
1.研究の概要
先行研究などの検討をふまえて、本研究は、アンケート調査及び事例調査を主体とすることとした。
その結果から児童館における障害児の受け入れ・利用の実態を整理し、児童館が障害児の居場所とな
る可能性がどの程度あるのか、また児童館が障害児の居場所となるためにはどのような課題があるの
かについて分析、検討を行った。また、以下のような手順で研究を進めた。
①児童館における障害児受け入れ・利用に関して予備的調査の実施
②アンケート調査項目の検討(プレテストを含む)
③アンケート調査票の作成
④アンケート調査の実施 年
月
⑤調査結果の分析・検討(児童館における障害児受け入れの実態についての整理分析)
⑥分析結果に基づく事例調査(事例の抽出についてはアンケート調査の返送施設を分類し、その
分類ごとに特徴的な児童館を抽出し、訪問・面接調査を実施)
⑦事例調査の分析
⑧児童館における障害児の受け入れ・利用についてのまとめ
2.調査の概要
1)アンケート調査の概要
①調査方法:調査は、財団法人児童健全育成推進財団の協力を得て、財団が発送する通信に同封
する形で全国すべての児童館に郵送配布した。
②調査時期:郵送アンケート調査:
年
月
③調査結果:郵送アンケート調査:
児童館に発送
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:63 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:20
森田・遠藤・根岸:児童館における障害児の利用実態とその課題――障害児の居場所としての児童館の可能性――
有効回収数:
通 よって回収率は
%であった。
2)事例調査の概要
①調査方法:アンケート調査の結果から抽出した、
の児童館を対象に訪問面接法による聞き取
り調査を実施
②調査時期:
年
月∼
年2月
Ⅲ.児童館における障害児の受け入れ・利用の概況
1.調査対象児童館の全体像
これまでの、厚生労働省福祉施設調査でも、社会福祉施設としての児童館は公立施設が圧倒的に多
いことが特徴であるが、今回の調査でも設置主体及び運営主体は、
「公設公営」が
%、
「公設民営」
が
%、
「民営」が
%となっており、
「公設公営」の割合が高く、
「公設民営」を含めた「公設」に
よるものが圧倒的に多い結果となった(図1)。また、児童館の規模としては、小型児童館が
%、児
童センターが
%、大型児童センターが
%、大型児童館が
%であった。小型児童館と児童セン
ターとを合わせると
%であり、児童館の大半が小規模で活動していることがうかがえる(図2)。
また、児童館との併設施設の状況をみてみると、高齢者施設との
併設が
ヶ所と最も多かった。次いで、公民館
ヶ所、保育所
ヶ所であった。昨今の高齢者福祉施設の需要の伸びにともな
図1.児童館の設置主体
その他 1.2
民営 3.3
無回答 1.4
い高齢者施設との複合施設が多くなっていると考えられる。また、
その一方で、障害児(者)施設との併設は少なかった(図3)
。
また、障害児が利用している児童館の機能としては、
「行事・イベ
公設
民営
16.2
ント」が
件と最も多く、次いで「活動場所の提供」が
件と
公設公営
77.9%
なっていた。
また、「放課後児童クラブ」としては
件であった。付加的機
能である「相談機能」には
件の利用があった(図4)
。また、
休館日をみてみると、
%の児童館が日曜日を休館日としてお
り、祝日を休館日としている児童館は、
%であった。子ども
達の学校がない日を休館日にしている児童館が多い傾向にあった。
また、職員数は、専任職員2人(
%)が最も多く、次いで3
人(
%)、4人(
%)であった。兼任職員については、1
人(
%)が多かった。
2.障害児の受け入れ・利用のある児童館の類型
本調査では、障害児の受け入れ・利用経験が有りと回答してい
図2.児童館の規模
大型児童館
2.5
その他 2.8
無回答 2.7
大型児童
センター
0.9
児童
センター
26.0
小型児童館
65.1%
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:64 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:21
東洋大学人間科学総合研究所紀要 第3号
図3.併設施設の状況
425
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
215
194
181
158
74
53
高
齢
者
施
設
障
害
児
︵
者
︶
施
設
公
民
館
学
校
・
教
育
機
関
保
育
所
児
童
福
祉
施
設
そ
の
他
図4.障害児が利用している児童館機能
873
行事・イベント
546
放課後児童クラブ
138
保育所・幼稚園に代わる機能
384
相談機能
678
活動場所の提供
122
その他
0
100
200
300
400
500
600
る児童館は
件であった。全体の
%の児童館が、障害児の受
け入れ・利用の実績があると回答している(図5)。該当児童館につ
700
800
900
1000
図5.これまでの障害児の
受け入れ・利用実績
無回答 4.1
いて、障害児固有のプログラムの有無及び内容、障害児支援を行う
団体または個人への支援の内容を整理分類し類型化を行った。その
結果、「児童館と利用者の主体性」を軸とした「主体性軸」、そして
「障害児への個別対応度と健常児との統合度」を軸とした「統合度
軸」といった2つの側面から類型仮説を導き出すことができた。
この類型仮説に基づき以下の4つの形にまとめることができた。
第一には児童館の主体性が強く、また、障害児への個別プログラ
なし
42.6
ある
53.3%
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:65 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:22
森田・遠藤・根岸:児童館における障害児の利用実態とその課題――障害児の居場所としての児童館の可能性――
障害児受け入れ・利用方法の類型
障害児への個別対応度が高い
活動支援型
(61件)
特別支援型
(21件)
利用者の主体性が高い
児童館の主体性が高い
自由来館型
(116件)
統合支援型
(903件)
健常児との統合度が高い
ムを持つ形を「特別支援型」とし、
件であった。また、障害児のみを対象としているプログラムを
提供している児童館の半数以上が、設立後
年未満であった。第二に保護者や障害児団体などの主体
性が強く、障害児への個別プログラムを持つ形を「活動支援型」とし、
件であった。第三に児童館
の主体性が強く、一般のプログラムに障害児が統合的に参加する形を「統合支援型」とし、
件で
あった。第四に保護者や障害児が自由に来館しているが特別なプログラムは用意されてなく、一般プ
ログラムへも参加していない形を「自由来館型」とし、
件であった。しかし、これらの分類は必ず
しも一つの児童館が一つの類型に位置づけられるものではなく、すべての分類にまたがる場合も存在
する。ここでは便宜的に4つに分類することによって児童館での障害児の受け入れ・利用実態と問題
点を明確にすることができると思われる。
Ⅳ.障害児の居場所としての児童館
1.障害児の放課後をめぐる現状
障害児の放課後生活をめぐる問題は、
年の学校5日制の施行をひとつの契機として取り上げら
れてきた。それは「学童保育における障害児の受け入れ」や「障害児学童保育」といった「放課後生
活」というキーワードで議論されてきた経緯がある。近年では放課後生活の中に「休日」や「長期休
暇」なども含まれるようになり、障害児の学校と家庭以外での生活全般の問題として、また、障害児
の居場所の問題として取り上げられるようになっている。この間の制度的な動きとして、
年の学
童保育の法制化、
年から施行された学童保育における「障害児受け入れ促進試行事業」
(
年に
補助要件の緩和)などがあり、近年では都道府県独自の補助制度も増加の傾向にある。
一方、障害児の放課後の生活実態についても、この間に各地で実態調査が行われ、その実態が明ら
かになってきている。その中でも本調査(児童館)と同時期に行われた、
「京都障害児放課後・休日
の中からその実態の一端に触れておきたい。まず、障害児の放課後の過ごし方については、
実態調査」
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:66 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:23
東洋大学人間科学総合研究所紀要 第3号
家の中で過ごす場合は「テレビ・ビデオ」が最も多く約
%を占めている。これは他の調査でも同様
の傾向が見られ、障害児の放課後の過ごし方として大きな特徴となっている。また、「何もしていな
い」障害児も約
%存在していることが明らかになっている。家の外での過ごし方については、
「スー
パー等への買い物」が
%で最も多い過ごし方であり、次いで「ドライブ」の
%が主な過ごし方に
なっており、障害児本人の希望というよりも保護者の都合で決められる場合が多いことを物語る結果
となっている。そして、
「ほとんど外に出ることはない」障害児が
%存在しており、障害児が家の外
で放課後を過ごすことの難しさを示す結果となっている。また、障害児が放課後を家の外で過ごす場
合に「公共施設」を利用しているのは
%にすぎないことも明らかになっている。障害児が放課後生
活の中で利用する制度やサービスについては、
「公的学童保育」
%となっている。学童保育が障害
児の放課後問題の中核として位置づけられてきているが、障害児主体の調査結果では、学童保育の利
用はこの数値である。また、「制度やサービスを利用していない」障害児は
%に上っている。
以上のように障害児の放課後をめぐる実態は決して「豊かな」と表現できる段階には至っていない。
学童保育以外にも利用できる制度やサービスとして、「レスパイトサービス」や「学校5日制対策事
業」など着実に選択肢が増えているものの、障害児とその家族には多くのニーズが解決されないまま
残されている。
2.児童館における障害児利用の実態
前節において、障害児の放課後生活を支える居場所として、学童保育であってもその利用が約
%
である実態を述べた。児童館についてはその利用が、障害児全体の中でどのぐらいの位置を占めてい
るのかは、はっきりとしていない。今回の調査でも児童館側からの視点で調査を実施している。本節
では障害児の児童館利用の実態を通してその「居場所」としての可能性を検討したい。
まず、障害児の受け入れ・利用の状況を見てみると、全体の
%の児童館が、障害児の受け入れ・
利用の実績があると回答している(図5)。約半数の児童館で受け入れていないということでもあるが、
受け入れ・利用の実績がない児童館においても、その
%に受け入れの体制が整ってる、といった
結果になっている。
(図6)これらの結果から児童館においては約8割が何らかの形で、障害児に対す
る受け入れ態勢を持っているということになる。
次に、障害児が児童館を利用する際の利用条件については(図7)、 図6.「受け入れ・利用実績
なし」の内容
開館時間中は制限なく受け入れる、と回答している児童館が約7割
に上っている。これらの結果を見ていく限り、児童館における障害
児の受け入れは比較的緩やかな条件で、多くの児童館が障害児に門
戸を開いていることが理解できる。
また、受け入れ・利用障害児の障害の種別(身体障害、知的障害、
重複障害)と程度(児童館側の印象で重度、中度、軽度)をみてみ
ると、その回答数は他の項目と比較すると格段に低いものであった。
プログラム・
障害児の受 受け入れ・
け入れ・利 利用体制は
用は考えて あるが利用
いない
なし
49.6
50.4%
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:67 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:24
森田・遠藤・根岸:児童館における障害児の利用実態とその課題――障害児の居場所としての児童館の可能性――
図7.障害児の受け入れ・利用条件
%
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
N=1101
閉館時間中
は制限なく
受け入れる
介護者同伴
を条件に受
け入れる
障害児も加
われるプロ
グラムのみ
受け入れる
普通学級在
籍者のみ受
け入れる
一人で来館
できる場合
のみ受け入
れる
介護者によ
る送迎があ
る場合のみ
受け入れる
その他
67.0%
33.5%
5.5%
2.3%
13.4%
14.1%
9.0%
回答のあったものを集計し図表化したものが以下のグラフであり、基本として受け入れ児童館数と、
合計受け入れ人数、および各児童館あたりの平均値を用いている。
まず、身体障害児の受け入れ・利用状況から見てみると。受け入れ児童館数は小学校低学年が一番
多くなっており、障害の程度が軽くなるにつれ、受け入れ児童館数も増加する傾向がある。一方、合
計受け入れ児童数では中度の障害児が多くなっており、平均値も一施設あたり2名程度の数値となっ
ている。このことから、障害が軽度である場合は比較的受け入れやすいが、中度以上の障害児を受け
入れている児童館には利用が集中する傾向があることが理解できる(図8)。
次に知的障害児の受け入れ・利用状況だが、他の障害と比較して受け入れ児童館数、合計受け入れ
人数ともに圧倒的に多数となっている。特に小学校低学年での受け入れが最も多くなっており、障害
図8.身体障害児の受け入れ・利用状況
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
重
中
軽
重
中
軽
重
乳幼児
小学低
30 23 58 33 57 82 32
受け入れ児童館数
合計受け入れ児童数 49 71 156 38 153 124 37
1.63 3.09 2.69 1.15 2.68 1.51 1.16
平均値
中
軽
重
小学高
44 50 12
123 72 20
2.80 1.44 1.67
中
軽
重
中
軽
中学生
高校生
15 14
1
3
7
33 26
1
3
8
2.20 1.86 1.00 1.00 1.14
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:68 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:25
東洋大学人間科学総合研究所紀要 第3号
程度については障害が軽くなるほど受け入れ・利用人数が増加している。身体障害の場合と異なって
いるのは受け入れ児童館数と合計受け入れ児童数が正比例の関係になっていることである。現段階で
の児童館における障害児利用は、知的障害児が中心になっていることがわかる。また、小学校低学年
での利用が多い点については、障害児、健常児が比較的統合された環境で過ごしやすい年齢であるこ
とも原因の一つと考えられるが、やはり学童保育との関係もその理由の一つと推測される(図9)。
重複障害児の受け入れ・利用状況については、特に障害の程度による傾向は見られない。ただし重
複障害児である以上、障害の程度の認識は「重度」の方向へ印象づけられることは当然の結果といえ
る。(図
)
それぞれの障害を通してみたときに興味深い傾向として、障害が重度の方向へ向かうと、一施設あ
たりの平均受け入れ児童数が増加することがあげられる。これは重度の障害児の利用実績が重なるこ
図9.知的障害児の受け入れ・利用状況
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
重
中
軽
重
中
軽
重
中
軽
重
乳幼児
小学低
小学高
25 72 120 60 157 321 33 118 222 17
受け入れ児童館数
合計受け入れ児童数 160 299 482.5 169 418 805 112 291 531 30
6.40 4.15 4.02 2.82 2.66 2.51 3.39 2.47 2.39 1.76
平均値
中
軽
重
中
軽
中学生
54 125 9
160 216 26
2.96 1.73 2.89
高校生
25 53
180 87
7.20 1.64
中
中
図10.重複障害児の受け入れ・利用状況
60
50
40
30
20
10
0
重
中
軽
重
中
軽
重
乳幼児
小学低
18 17 17 30 34 24 20
受け入れ児童館数
合計受け入れ児童数 36 27 36 38 50 28 25
2.00 1.59 2.12 1.27 1.47 1.17 1.25
平均値
中
軽
重
軽
重
軽
小学高
中学生
高校生
26 11 11
8
8
13
2
2
51 15 14 17 17 20
2
2
1.96 1.36 1.27 2.13 2.13 1.54 1.00 1.00
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:69 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:26
森田・遠藤・根岸:児童館における障害児の利用実態とその課題――障害児の居場所としての児童館の可能性――
とで、児童館側、利用者側双方に児童館利用に向けたプラスの方向性を生み出していることが推測さ
れる。また、どの障害に関しても中学生、高校生段階の障害児の利用があるという点も注目しておき
たい。これら高学年障害児については、自由記述等からその対応の難しさが指摘されている。障害児
の年齢があがるにつれ、健常児との交流が難しくなり、小学生段階では障害児も健常児もともに同一
のプログラムに参加することが容易だが、中学生、高校生段階では健常児との交流が難しくなるとい
うものである。しかし、児童館の実践をみていくと、障害児専用のプログラム用意したり、障害児の
得意分野を利用した交流プログラムを用意するなどして、中高生段階の障害児が居場所として児童館
を利用している実態が存在することも事実であった。
障害児が児童館を利用しはじめたきっかけについては(図
)、保護者からの依頼が最も多く約半数
に上っている。また障害児自身の自発的な児童館利用も
%となっており児童館を利用する場合の動
機として、障害児の保護者と本人の希望が大きな影響力を持つことが理解できる。
次に児童館において、障害児がどのように過ごしているのかをみてみたい。まず図
の「障害児の
プログラムへの参加形態」をみていくと健常児用のプログラムに障害児が参加する形で過ごしている
ことがわかる。またプログラムに参加する場合以外での障害児の過ごし方(図
)については、全項
目とも回答が多くなっているが、健常児とともに遊ぶという回答が約半数となっているのが特徴であ
る。これらの結果を見ていくと、児童館において障害児は健常児とともに過ごす時間が多いという点
が理解できる。これは児童館で過ごす障害児の特徴ともいえる事項である。
次に障害児の児童館への来館に関わる問題についてみていきたい。まず来館方法では障害児の来館
方法では、「保護者の送迎」が最も多く、約6割という数値となっている。ついで「一人で来館」が、
約半数という結果であった(図
)
また、来館手段をみてみると、
「徒歩」
%、
「車」
%という数字が多くなっており、
「その他」の
回答も
%程度であった。
「その他」の詳細を見ていくと、学校や施設の職員と一緒に来館、ヘルパー
と一緒に来館という回答が目立った。これらの結果から、現段階では児童館を利用する障害児は、一
図11.児童館の利用をはじめたきっかけ
%
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
N=1101
放課後児童
保護者から 学校・施設
政策方針と 市民・団体
クラブから
自発的に
の依頼 からの依頼
して
からの依頼
の依頼
49.3%
13.3%
32.0%
10.8%
4.4%
14.8%
友達と
一緒に
その他
15.4%
10.9%
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:70 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:27
東洋大学人間科学総合研究所紀要 第3号
図12.障害児のプログラムへの参加形態
%
80.0
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
N=1101
%
50.0
45.0
40.0
35.0
30.0
25.0
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
N=1101
障害児のみ参加の
プログラムを用意
している
障害児と健常児の
交流プログラムを
用意している
健常児のプログラ
ムに可能な場合は
障害児が参加する
その他
1.5%
5.6%
69.1%
6.9%
図13.児童館におけるプログラム以外での障害児の過ごし方
職員などの
そばにいる
気に入った
遊具のそば
にいる
保護者のそ
ばにいる
一人遊びを
している
健常児と一
緒に遊ぶ
その他
30.1%
31.2%
24.6%
30.5%
45.9%
6.5%
人で来館できる障害レベルの子どもたち、または保護者が児童館利用に積極的である場合が想定され
る。今後障害児の利用を促進していくことを考えるならば、来館方法やその手段についての検討が必
要になると考えられる。
ここまで、障害児の児童館利用における実態を述べてきたが、その実態をまとめると以下のように
なる。
まず障害児の利用状況という点からは
①児童館を利用する障害児は小学校低学年段階が最も多く、学齢があがるにつれ減少する傾向に
ある。
②障害児の児童館利用にあたっては、保護者の意識が大きく影響している。
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:71 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:28
森田・遠藤・根岸:児童館における障害児の利用実態とその課題――障害児の居場所としての児童館の可能性――
図14.障害児の来館方法
%
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
N=1101
一人で来館
保護者の送迎
45.9%
59.5%
ボランティア
の送迎
17.0%
友達と一緒に
来館
22.3%
その他
15.5%
図15.障害児の来館手段
%
70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
N=1101
徒歩
車
バス
その他
63.4%
46.0%
6.4%
14.8%
③障害児の児童館での過ごし方は、健常児とともに過ごす時間が多い。
④高学年障害児では児童館での対応が難しい側面を持つが、児童館を「居場所」として活用でき
る可能性を持っている。
また、児童館の障害児への対応という点からは
①約半数の児童館が障害児を受け入れており、受け入れ態勢のある児童館は8割に上る。
②障害児が児童館を利用するにあたっては、児童館からの利用条件は少なく、柔軟に受け入れて
いる。しかし介護者の問題と、来館手段については障害児特有の問題であり課題が残されてい
る。
これまでみてきたように、児童館が障害児の放課後の居場所のひとつとして、その役割を果たして
いくことは十分にその可能性を持っていると考えられる。しかし一方で、障害児の利用のない児童館
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:72 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:28
東洋大学人間科学総合研究所紀要 第3号
が約半数あることもまた事実である。この点
については障害児と児童館の関係性について、
図16.自治体や運営主体での障害児
受け入れ・利用方針
十分な議論がなされておらず曖昧な部分が多
く残されている、という視点から考えること
ができるだろう。
図
は、障害児の受け入れに関する利用方
無回答 8.9
全児童館で
受け入れ 33.3%
その他 2.9
特に方針
はない
27.5
指定の児童館で
受け入れ
2.0
針をまとめたものである。運営主体が障害児
受け入れを明示している児童館は全体の約
各児童館で判断 25.4
%にすぎない。一方で「各児童館で判断」または「特に方針はない」児童館は、それぞれ3割に近
い数値となっている。全体で半数以上の児童館が障害児の受け入れに明確な方向性を持っていないと
いうことになる。これは、言い換えれば児童館における障害児利用は児童館側の意識、方向性という
ものに大きく影響を受けているのではないか、ということでもある。従って、児童館が障害児の居場
所として機能し、その役割を果たしていく上では、この「児童館と障害児の関係性」を明確化してい
くことは重要な意味を持つと考えられる。
Ⅴ.児童館の意識と障害児受け入れの関係について
1.児童館の意識(全体的な傾向)
障害児が児童館を利用する、という事項についての考え方(意識)の部分では、4段階評価で調査
を実施している。
まず、「児童館では障害児の受け入れ・利用はすべきではない」「障害児の受け入れ・利用は積極的
に促進するべきである」の2項目から見ていきたい。これらの質問項目は内容的にはほぼ同様の事柄
を2側面から質問しているわけでであるが、両項目とも同様に「児童館が障害児を受け入れていくべ
き」という結果となっている。
次に「障害児も地域の子どもである以上受け入れ・利用は制限できない」の項目であるが、この部
分についても児童館が障害児を受け入れていく方向で、多くの児童館及び職員が、考えていることが
わかる。
一方、「障害児は専門機関において支援されることが望ましい」の項目では約半数以上が「賛成」
しており、児童館での受け入れ、地域での受け入れという項目と相反する結果となっている。児童館
での障害児受け入れを考えていく場合に非常に興味深い結果でもある。障害を持つ子どもたちが地域
において生活をしていくことが望ましい、という考え方が一般に浸透していく一方で、その子自身の
「発達」という観点から見た場合に、専門的な支援の必要性が課題となっていく。この、従来からい
われ続けている障害児をめぐる問題点が、児童館という社会資源を障害児がどう活用していくかとい
う問題点と重なり合って存在している。この部分が前章で述べた「児童館と障害児の関係性」と合致
する。つまり児童館は障害児に対して、どの部分で専門性を発揮するのか、現時点では曖昧なままな
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:73 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:29
森田・遠藤・根岸:児童館における障害児の利用実態とその課題――障害児の居場所としての児童館の可能性――
のである。この部分をいかに整理
していくかが、障害児と児童館を
図17.児童館では障害児の
受け入れ・利用は
すべきではない
図18.障害児の受け入れ・利用
は積極的に促進すべきである
結びつける課題となるのではない
だろうか。
無回答
9.6
賛成 4.4%
やや賛成
9.1
2.児童館における障害児利用の
やや反対
20.5
基本的な考え方と利用実績
やや
反対
13
反対
56.4
次いで児童館における障害児利
無回答 10
反対 3
賛成
33%
やや賛成
41
用に対する考え方の部分と利用実
績との関係について見ていきたい。
図
、
は児童館における障害児
の利用実績と、考え方の部分(図
)をクロス集計したものである。
「児童館では障害児の受け入れ・
利用はすべきではない」という質
図19.障害児も地域の
子どもである以上
利用は制限できない
反対 1.6
やや
反対
4.3
無回答 8.4
図20.障害児の居場所は
地域で用意すべきである
無回答 13
反対
7
賛成
31%
問項目に対して、明確に反対だと
考える児童館の数値に差が現れて
いる。明らかに障害児をこれまで
やや賛成
26.6
賛成
59.1%
やや反対
13
やや賛成
36
に受け入れてきている児童館では、
児童館の役割として障害児を受け
入れていくことを意識していると
いえるだろう。
同様に図
、
は利用実績と考え方「児童館では障害児の受け入
図21.障害児は専門機関に
おいて支援される
ことが望ましい
れ・利用は積極的に促進するべきである」の質問項目(図
)をク
無回答 12.5
ロス集計したものである。この二つの質問項目はほぼ同様の事項を
2側面から質問しているわけであるが、ここでも利用実績の違いが
現れる結果となっている。つまりこれまでに障害児の利用実績がな
い児童館においては、受け入れに対する積極性が低くなっていると
いうものである。
反対
9.0
やや反対
20.9
賛成
26.5%
やや賛成
31.1
さらに図
、
は上記の2つの質問項目に、障害児の利用実績が
ない児童館で、かつ、障害児の利用を断った経験のある児童館(障
害児の利用制限あり)をクロス集計したものである。利用実績のない児童館のうち、障害児から利用
の希望があったが利用を断った経験のある児童館は、利用実績のない児童館の
%あった。結果は
障害児の利用実績のある児童館に比して考え方、意識の違いを明確にするものとなっている。
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:74 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:30
東洋大学人間科学総合研究所紀要 第3号
図22.児童館では障害児の
受け入れ・利用は
すべきではない
(障害児利用実績あり)
無回答 4.4
図23.児童館では障害児の
受け入れ・利用は
すべきではない
(障害児利用実績なし)
賛成 3.7%
やや賛成
7.5
無回答
10.4
やや反対
18.0
反対
47.1
反対
66.4
図25.児童館では障害児の
受け入れ・利用は積極的
に促進するべきである
(障害児利用実績なし)
反対
4.7
賛成 5.6%
やや反対
25.3
無回答 5.0
賛成
38.9%
やや賛成
41.8
図27.児童館では障害児の
受け入れ・利用は積極的
に促進するべきである
(障害児利用制限あり)
無回答 7.9
賛成
21.1%
反対
39.5
やや賛成
43.5
やや
反対
11.9
無回答
5.3
賛成
26.5%
やや反対
14.7
反対
2.5
やや賛成
11.7
図26.児童館では障害児の
受け入れ・利用は
すべきではない
(障害児利用制限あり)
無回答 10.7
図24.児童館では障害児の
受け入れ・利用は積極的
に促進するべきである
(障害児利用実績あり)
やや賛成
15.8
やや反対
18.4
賛成
13.2%
反対
18.4
やや反対
15.8
やや賛成
44.7
以上の結果から、児童館の意識と障害児の受け入れについては、関連性をもつと考えられる。前章
において、児童館の約8割が障害児受け入れの準備があるとの調査結果を示した。それは言い換えれ
ば、「障害児が児童館に来てもよい」ということであり、問題は「障害児が来たくなる児童館」であ
るかどうかということになる。障害児を受け入れている児童館の実態からは、様々な取り組みがあり、
障害児の居場所としての大きな可能性を読み取ることができた。しかし児童館全体が「障害児が来た
くなる場所」として変化していくためには、本節の調査結果の通り「児童館と障害児の関係性」の問
題が大きな課題として残されている。
障害児の放課後問題は、学童保育を中心に議論されてきた経緯があることはすでに述べた。しかし
問題は学童保育の対象年齢だけにとどまるものではない。障害児の放課後問題は小学校高学年、中学
校段階においても同様のニーズを持ち続けている。そこには障害児の放課後生活を支えるひとつの選
択肢として児童館という「障害児の居場所」の可能性が隠されている。
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:75 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:31
森田・遠藤・根岸:児童館における障害児の利用実態とその課題――障害児の居場所としての児童館の可能性――
Ⅵ.研究のまとめ
障害児の余暇活動の一環として、放課後及び休日の居場所が議論されている。一方で、地域におけ
る子どもの健全育成施設として第一線で実践している児童館の見直しが、いくつかの自治体ではじま
るなかで、改めて児童館の役割が問われている。
本研究では、アンケート調査結果から障害児の受け入れ・利用経験が有りと回答している児童館に
ついて、障害児固有のプログラムの有無及び内容、障害児支援を行う団体または個人への支援の内容
について整理分類し、類型化を行った。これらの分類は必ずしも一つの児童館が一つの類型に位置づ
けられるものではなく、すべての分類にまたがる場合も存在する。ここでは便宜的に4つに分類する
ことによって児童館での障害児の受け入れ・利用実態と問題点を明確にした。
利用する障害児から考えると、児童館に障害児向けの特別なプログラムが用意されることにより活
動に参加しやすくなり、参加を繰り返すことで継続的信頼関係を指導員たちと形成し、その結果とし
てプログラム以外の時間帯にも児童館を訪れるようになっていく。また特別なプログラムを持たず、
かつ障害児向けの特別な企画も持たない児童館の場合にも、職員のかかわり方や、施設によってそこ
に一定の安心できる居場所や関わりが確保できれば障害児の居場所にもなりうる。障害児にとってみ
れば、特別なプログラムか、日常的な活動なのかにかかわらず、継続的なかかわりが展開されること
で、地域に居心地のいい居場所が確保できることになることが重要であることがわかった。
そうした意味で、現段階では、障害児の余暇を障害児固有の施策でおこなうのか否かということと、
児童館の機能、職員の専門性などの考え方が一定になっていないことが、取り組みの違いを作り出し
ていると思われる。よって、結果として障害児を児童館で受け入れようとする指導員たちの意識や具
体的取り組みが障害児の受け入れ利用に大きく影響していることが明らかになってきた。
こうした取り組みの違いを生み出す背景としては、以下の2点が大きく影響している。
第1に、障害児観の違いである。障害児の生活場所、支援方法、配慮などについてその見解が1つ
にまとまっているわけではないということである。
第2に、児童館が対象とする子どもや、機能についての考え方の違いが影響していることである。
障害児の受け入れ・利用を制限している館は
%でしかなかった。だが、実際に利用されている児童
館は
%でしかない。
%は利用がない。
「来てもいい」ということと、
「来る・来たくなる」という
ことは違うということである。自由来館を原則とする児童館であるからこそ、その自由さをどのよう
につくりだすかということが課題である。また児童館の位置づけは自治体によって違う。
「自治体の障
害児の受け入れ・利用についての考え方があいまい」という自由記述も見られた。
以上のように、児童館は障害児の地域での居場所として有効な場所であることが明らかになってき
た。
先行調査や、筆者が実施した東京都西東京市の障害児を育てる親たちの調査では、乳幼児期から小
学生期の子どもを育てる親たちはとりわけ、自宅近くで、障害をもたない近所の子どもたちとの生活
Title:*森田・遠藤・根岸 Page:76 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:32
東洋大学人間科学総合研究所紀要 第3号
をさせたいという願いが強いことが明らかになっている。そうした思いを実現するには、児童館にお
ける障害児の受け入れ・利用はその目的にかなったものであるといえる。
ただ、それを実現するためには、今回の調査からもいくつか越えなければならない課題が明らかに
なった。
第1に、障害が重度になると保護者の同伴や送迎などの負担が大きくなっている。保護者の負担を
軽減させるためには、送迎の整備や、介護者などの人的配慮が必要となってくる。
第2に小学校高学年以上の障害児の児童館利用のきっかけは親からの依頼が多くを占めている。そ
れは放課後児童クラブで過ごす障害児が増加している中で、そこに居場所を求められない障害児やそ
こを退所した障害児が居場所を求めていることを背景にしているとおもわれる。また、この高学年障
害児については、特別なプログラムがないと一人で過ごしていることが多い。今後、放課後児童クラ
ブを卒業して地域にいる時間が増える障害児が増加したときに、こうした子どもたちをどのように受
け入れていくのかということは、児童館のみならず、社会全体の課題であろう。
第3に障害児の受け入れ利用経験のない児童館は
%ある。児童館職員には多様な職場からの異動
がある自治体も少なくない。障害児まで支援する力はないという職員が多くなることは、当然とも言
える。そうであるがゆえに、結果として地域のすべての子どもたちの居場所として児童館を提供する
というだけで、子どもへ意図的なかかわりや企画はしない施設として位置づける自治体も登場してく
る。まさにその児童館は単なる場所貸し、職員は管理人的な役割になってしまうことになる。
これまで、障害児の受け入れ・利用には多様な形があるが、その背景は考え方の違いであると述べ
てきた。だが、実際受け入れるための努力をどのようにするのかということになると、そこには児童
館が地域のどのような子どもにとっても安心できる居場所として機能することが必要になる。受け入
れることができない状態にある児童館がこれだけあるということについては、その原因と解決しなけ
ればならない課題が、山積みであることを物語っている。
※本研究の調査は平成
年度児童環境づくり等総合調査研究事業の採択を受け、子ども未来財団の協
力を受け実施された。
引用・参考文献
大崎広行
『障害児の放課後児童対策のあり方に関する一考察――仙台市における障害児の学童保育の現状と
課題』宮城学院女子大学発達科学研究(宮城学院女子大学附属発達科学研究所)
∼
大曽根邦彦 障害児に対する学童保育実践――よりよい発達保障を目指して(実践報告)社会福祉研究(鉄道
弘済会
鉄道弘済会社会福祉部)
∼
東京都北区立神谷南児童館 児童家庭福祉の未来
変わりつつある児童館の役割(
)月刊福祉(全国社会福祉
協議会)
∼
変わりつつある児童館の役割(
)東京都/墨田区さくら橋コミュニティセンター(児童家庭福祉の未来)月
刊福祉 ∼
津止正敏「障害児の放課後白書 ―京都障害児放課後・休日実態調査報告―」クリエイツかもがわ Title:*森田・遠藤・根岸 Page:77 Date: 2005/03/08 Tue 16:17:34
森田・遠藤・根岸:児童館における障害児の利用実態とその課題――障害児の居場所としての児童館の可能性――
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