...

学校の第三者評価に関する報告書

by user

on
Category: Documents
14

views

Report

Comments

Transcript

学校の第三者評価に関する報告書
埼 玉 県
学校の第三者評価に関する報告書
平成18年11月
学校の第三者評価検討委員会
目
はじめに
1
次
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
本県の学校評価の考え方
1
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
2
(1)文部科学省による学校評価の分類
(2)本県における学校評価の分類
2
本県の第三者評価の基本的な考え方
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
3
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
4
(1)第三者評価の目指す方向
(2)第三者評価の目的
(3)第三者評価結果の活用の在り方
3
第三者評価の実施
(1)第三者評価の実施体制
(2)第三者評価の方法
(3)第三者評価の内容
(4)年間スケジュール
おわりに
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
参考資料
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
9
10
1
学校自己評価システム実施要領
2
「第三者評価試行フォーマット」(抜粋)
(平成18年9月 文部科学省初等中等教育局学校評価室)
3
学校の第三者評価検討委員会検討経過
4
学校の第三者評価検討委員会設置要綱
はじめに
近年のグローバル化、高度情報化、少子・高齢化など社会構造の急速かつ大きな変
化や国民の意識や価値観の多様化等に伴い、学校教育に対する要請がこれまでになく
多様で高度なものになってきている。この要請に応えるには、各学校が自らの権限と
責任に基づく自主的・自律的な学校運営を推進するとともに、学校が地域に開かれ、
かつ学校の説明責任を明らかにするための取組が必要である。
平成10年9月、中央教育審議会は、その答申の中で、各学校における教育活動等
の実施状況に関する自己評価の必要性について言及した。また、平成12年12月に
は教育改革国民会議の報告に、各々の学校の特徴を出すという観点から、外部評価を
導入すべきとの提言がなされた。
本県においては、平成13年11月、彩の国教育改革会議から「 学校は、教育目標、
教育計画、活動状況、成果等を保護者や地域住民に公開し、説明責任を果たす必要が
ある 。」との提言を受け、平成14年2月、彩の国教育改革アクションプランに学校
評価システムの導入が重要施策として位置付けられた。平成14年度から文部科学省
の委嘱を受け、学校評価システムの調査研究に着手し、3年間の研究を経て、平成
17年度から全県立学校において「学校自己評価システム」を導入した。本県の「学
校自己評価システム」は、各学校が学校評議員等から構成される学校評価懇話会を設
置し、学校外部者による評価も取り入れるという独自のものとして実施されている。
また、平成17年10月、中央教育審議会は、その答申「新しい時代の義務教育を
創造する」の中で、学校の自己評価の客観性を高め、教育活動の改善が適切に行われ
るようにしていくためには 、「第三者機関による全国的な外部評価の仕組みも含め、
評価を充実する方策を検討する必要がある。」と提言した。これを受けて、文部科学
省は、本年度、義務教育の質の保証に向け、全国120校程度を対象に「学校の第三
者評価に関する実践研究」として、国が任命する有識者による第三者評価を試行的に
実施しているところである。
本県においては、第三者評価について 、「学校評価システム調査検討に関する報告
(平成15年3月 )」の中で 、「教育委員会がそれぞれの学校の状況を把握し、適切
な支援や実効ある施策の実施等を図るため、専門家のアドバイス等を受けて行う評価」
と整理した。これを具現化し、平成19年度から第三者評価を県立学校に導入するた
め、本年度は「学校の第三者評価検討委員会」を設置し、本県の第三者評価の目指す
方向性、評価方法や実施体制等について具体的かつ実務的な検討を行ってきた。
本検討委員会は、大学関係者や企業関係者、教育局関係者等から組織され、各委員
がそれぞれの立場、視点から議論に参加した。本報告書は、その検討結果をまとめた
ものである。
- 1 -
1
本県の学校評価の考え方
(1) 文部科学省による学校評価の分類
学校評価は、各学校が、教育活動その他の学校運営について、具体的な目標を
設定し、その達成状況を整理して取組の適切さを検証することにより、組織的・
継続的に改善することを目的としている。文部科学省は、学校評価を評価の主体
により、次のように分類している。
ア 自己評価
校長のリーダーシップの下で、学校の全職員が参加し、あらかじめ設定した
目標や具体的計画に照らして、自らの取組について行う評価で、児童生徒、保
護者、地域住民へのアンケート結果なども活用する。
イ 外部評価
学校の自己評価結果を、学校評議員、PTA役員(保護者 )、地域住民等か
らなる外部評価委員会が評価するもので、いわば学校関係者による評価である。
ウ 第三者評価
大学や教育研究機関の職員、学識経験者等、当該学校に直接関わりを持たな
い専門家が客観的に学校を評価する。
(2) 本県における学校評価の分類
本県では、学校評価の研究、取組を先行的に行ってきたことから、文部科学省
の分類とは異なる定義により学校評価システムを構築してきた。
ア 学校自己評価(学校が主体となった評価)
学校(教育活動を行う主体)が、教職員自身で評価したものに加え、さらに
客観的・多面的な視点を採り入れるために、保護者や学校評議員等からも、授
業をはじめとする学校の教育活動等の取組について評価を受けることを学校自
己評価と位置付けた。即ち、文部科学省のいう外部評価を包含している。
イ 学校の第三者評価(学校以外の主体による評価)
学校を設置する教育委員会が、それぞれの学校の状況を把握し、適切な支援
や実効ある施策の実施等を図るため、評価を専門とする組織(教育活動を行う
主体から独立した組織)を設置し、一定の基準によって学校の取組状況を評価
することと位置付けた。当初、学校外部評価とも称したが、文部科学省による
定義との混同を避ける意味で、「学校の第三者評価」と称することとした。
本県の区分
評価主体
学校自己評価
校長・教職員・生徒・
保護者・学校評議員等
各学校が定めた評価基準に
よる自己評価
・ 学校評価懇話会が行う評価
学
校
の
第三者評価
県教育委員会が設置す
る第三者による評価委
員会
・
- 2 -
評価方法(例)
・
県教育委員会が定めた評価
基準により、大学教員などの
有識者(評価委員)が行う評価
2
本県の第三者評価の基本的な考え方
(1) 第三者評価の目指す方向
第三者評価は、学校の教育力の向上を目指すものであるが、その目的や目指す
方向に応じて3つのタイプが考えられる。
第1は 、「自律改善型」というべきタイプである。これは、第三者機関が学校
の自己評価・学校改善の取組について評価することにより、学校の更なる自己改
善の取組を促進するものである。第三者評価は、学校の自律的、質的な向上を支
援することに連動することとなる。
第2は 、「設置者点検型」というべきタイプである。これは、設置者である教
育委員会が学校の取組、管理運営状況等について点検、評価を行い、その評価結
果に基づき、設置者による行政指導により、学校の教育活動、管理運営等の改善
を指示するものである。この場合、第三者評価は学校に対する点検・評価という
設置者による学校管理の視点でとらえられる。
第3は 、「市場原理型」というべきタイプである。これは、競争原理のはたら
く市場機構になぞらえたもので、教育を受ける側である児童生徒・保護者(顧客)
が学校の実績を評価するもので、児童生徒・保護者(顧客)に学校を選択させれ
ば、学校間の競争により自ずと学校の質が向上するというものである。第三者評
価の内容は、児童生徒・保護者(顧客)が学校を選択する際のサービス情報等の
役割を果たすこととなる。
本県の第三者評価の目的は、学校の教育力向上、取組の改善に向けて実施され
ている「学校自己評価システム」を補完するとともに、教育委員会が各学校の状
況を把握し、適切な支援や実効ある施策の実施等を図ることにある。さらに、上
記の三者がそれぞれ指向するところの有効、有益な部分については積極的に取り
込むことにより、より多角的な視点での第三者評価が可能となるものである。
これらのことから、本県の第三者評価の目指す方向は、自律改善型を基本とし
つつ、設置者点検型及び市場原理型の長所も有機的に総合していくこととした。
自 律 改 善 型
第
第三者評価=学校支援
学校の自己評価・学校改善の取組を評価
学校の自己改善の取組
三
者
評
設 置 者 点 検 型
第三者評価=点検・評価
学校の取組を教育委員会が点検・評価
評価に基づく行政指導
価
市 場 原 理 型
第三者評価=サービス情報
学校の実績を児童生徒・保護者(顧客)が評価
- 3 -
学校間の競争
(2) 第三者評価の目的
ア 第三者評価は、学校の教育力を高め、地域に信頼される魅力ある県立学校づ
くりを推進することを目的としている。各学校の設定する目指す学校像(ミッ
ション )、重点目標及びその実現に向けた組織体制、取組、達成状況や教育活
動の運営管理、学校自己評価による取組改善等の状況に関し「県立学校評価委
員会(仮称 )」(以下「評価委員会」という 。)が評価を行う。その意味で第三
者評価は、「学校自己評価システム」を補完する役割を果たすものである。
イ 評価委員会による評価結果を踏まえ、県教育委員会が各学校の状況を把握し、
学校運営に関し指導・助言に当たるとともに、必要に応じ、適切な支援や実効
ある施策の実施等を図る。
(3) 第三者評価結果の活用の在り方
評価委員会が各学校の重点目標の達成状況や課題解決への取組状況等に関して
行った評価結果は、設置者である県教育委員会に報告され、県教育委員会は、そ
の適切な活用を図ることが必要である。即ち、学校運営及び教育活動の改善に向
けた指導・助言や必要に応じて適切な支援等の措置を行うことが求められる。必
要な支援の形態としては、財政面、人事面、指導面、広報等の支援が挙げられる。
支援対象を整理・分類し、以下にその例を掲げる。
・ 生徒指導の充実に向けた支援
・ 進路指導の充実に向けた支援
・ 特別活動等の充実に向けた支援
・ 開かれた学校づくりの推進に向けた支援
・ 特色ある学校づくりの推進に向けた支援
・ 専門学科の充実に向けた支援
・ 盲・ろう・養護学校の充実に向けた支援
また、支援すべき分野や内容が県の施策・事業の趣旨に合致すれば、優先的に
当該事業等を適用することも有効である。さらに、支援を対象校に特化するほか
に、優れた実践例等を公開・宣伝することにより全学校が情報を共有することも、
広報面での支援策となりうる。
なお、評価委員会及び県教育委員会は、講じた支援策について、当該学校から
その成果等の報告を受けるものとする。
3
第三者評価の実施
(1) 第三者評価の実施体制
第三者評価を行うため、評価委員会を設置する。評価委員会は、有識者6名の
評価委員から構成されるものとする。また、評価委員会の運営全般にあたる事務
局を県教育委員会内に置き、事務担当者を配するものとする。
評価委員1名と事務担当者で一つの評価者チームを組織し、6チームで第三者
評価を実施するものとする。評価委員については、学校教育に関わったことがな
い人や学校関係者でない人を充てることが、第三者の視点を一層活用する点で有
効と考えられる。
- 4 -
(2) 第三者評価の方法
第三者評価は、評価委員会が、各学校から提出される学校自己評価シートや重
点目標等に係る報告書、学校訪問による視察や協議等に基づき評価を行うもので
ある。
ア 評価対象校
第三者評価は、毎年度、全県立学校を対象に行う。180余校の県立学校を
30校程度ずつ6グループに区分し、6つの評価者チームがそれぞれ1グルー
プ30校程度を評価するものとする。ただし、評価委員が各学校への訪問を行
う第三者評価は、3年に一度とする。これは、各学校の設定する中期的な目標
への取組状況と成果が明確になると考えられる3年間程度の期間を置く方が、
評価委員による評価として適当であると判断したものである。
県立学校のグループ区分については、校種、学科、重点事項、地域性等を考
慮し、様々なタイプの学校が含まれるように行うものとする。
イ 学校訪問
各学校の重点目標の達成状況や課題解決への取組状況等に関して評価を行う
には、各学校のありのままの状況を視察、把握することが不可欠である。
各評価者チームは、担当する30校程度のうち、10校程度を評価委員によ
る学校訪問の対象校とし、3年間で全校が評価委員による学校訪問を受ける。
学校訪問は、年に2回程度実施するものとし、その内容として、管理職との協
議、教職員や保護者・生徒との話し合い、授業等の視察等の実施がある。その
際、各学校で開かれる学校評価懇話会の場を活用することも考えられる。学校
訪問にあたっては、事前に評価者チーム内において、対象校に関する情報の収
集・整理と共有化を十分に図る必要がある。
評価委員による学校訪問を行わない学校については、事務局が年に1回、学
校訪問を行い、その結果を評価委員に報告するものとする。
ウ 評価書の作成
各評価者チームは対象の学校について、学校自己評価シートをはじめ学校訪
問で把握した情報、諸状況や学校から提出された文書等に基づき評価案を作成
し、評価委員会で評価を決定する。評価は、評価書をもって県教育委員会及び
対象の学校に交付するものとする。
(3) 第三者評価の内容
学校自己評価においては、各学校が目指す学校像(ミッション)に基づいた重
点目標を設定し、その実現に向けた方策や評価指標を立て、取組の進捗や成果を
自己評価する。第三者評価は、各学校の自己評価のプロセスや課題解決に向けた
取組の妥当性、的確性について評価を行うものである。
評価項目としては、各学校の「目指す学校像 」、「重点目標 」、「重点目標達成
への取組状況」等が設定できる。また、評価の観点としては、課題解決に向けた
ものとなっているか、重点化が図られているか、取組の状況は適切かつ効果的か
などが相応しいと考えられる。
- 5 -
【第三者評価の実施体制・方法】
県立学校180余校
評
県
依
頼
事
育
務
委
員
30校程度
学校訪問・ヒアリング
評価委員 による
評価書
+
資料提出・説明
事務局による
学校自己評価シート等
学校訪問対象校
20校程度
有識者
書
6名
⇒
価
学校訪問対象校
10校程度
局
評
会
<1グループ>
⇒
教
県
立
学
校
評
価
委
員
会
⇒
価
6グループに区分
⇒
<全体>
評価委員:60校程度訪問
(3年で全校訪問)
事務局:120校程度訪問
6チーム
を編成
指導・助言、支援
成 果 等 の 報 告
※
県立学校180校程度を6グループに区分し、1グループ30校程度を評価者
1チーム(評価委員1名+事務担当者)が担当し、第三者評価を行う。
※ 1グループ30校程度のうち10校程度は、評価委員による学校訪問の対象校
とし、残りの20校程度は事務局による学校訪問の対象校とする。各学校は3年
に一度、評価委員による学校訪問を受ける。
※ 学校訪問は、原則として、評価委員が訪問する学校にあっては年2回、事務局
が訪問する学校にあっては年1回とする。
- 6 -
評
評価実施年度
平成
年度
学
価
校
書
名
(例)
県立学校評価委員会
埼玉県立
学校
目指す学校像
(ミッション)
重
点
目
標
評
価
項
目
目指す学校像
及び重点目標
重点目標達成
への取組状況
評
価
の
観
点
5
4
3
2
1
・ 目指す学校像は、学校の現状、課題等を踏まえて設定されているか。
・ 学校が抱える課題の解決に向け、児童生徒の実態など学校の状況を踏まえて、
目標の重点化が図られているか。
・ 重点目標の達成に向けた組織体制が整備され、適切に機能しているか。
・ 方策は適切に策定され、効果的に実施されているか。
・ 校長の的確なリーダーシップの下、教職員がその職責を果たしているか。
・ 目標の達成状況及びそのプロセスは適切であるか。
・ 達成状況や課題を踏まえ、取組の改善・更新は適切に図られているか。
開かれた学校づ
くりの取組状況
総
合
評
・ 保護者や地域等に対して学校に関する情報等を積極的に提供するとともに、そ
の意見や評価を踏まえて開かれた学校づくりが図られているか。
価
(評定… 5:極めて優れている
総 合
評 定
4:非常に良い
3:良い
- 7 -
2:課題がある
1:課題が多く速やかな改善が必要)
(4) 年間スケジュール
学校自己評価の流れに対応し、評価委員会の会議(年2回)及び学校訪問(年
2回又は1回)を軸に、評価書交付までのスケジュールを以下に示す。
時期
学校自己評価
第三者評価
4月
目指す学校像・年度の重点目標の確認
学校年間教育計画・評価項目の策定
5月
学校自己評価シート作成
第1回県立学校評価委員会( 5月 )
評価計画、学校訪問計画
情報交換(各学校の状況等)
6~
7月
学校評価懇話会における意見交換
第1回学校訪問(5~7月)60校
管理職からヒアリング
教職員との情報交換
授業等の視察
学校訪問 (5~2月)120校
10月
12~
2月
中間評価(進行状況のまとめ等)
第2回学校訪問(12~2月)60校
学校運営等に係るヒアリング
生徒・教職員・保護者等との
情報交換
教育活動の評価
達成状況の評価・分析
学校自己評価シート最終評価
第2回県立学校評価委員会( 2月 )
評価書の作成
学校評価懇話会における評価
3月
評価結果に基づく改善・更新
次年度の方策の検討
評価書交付
県教育委員会
評価結果を踏まえた指導・助言、支援
- 8 -
おわりに
平成17年2月、埼玉県立高等学校管理規則の一部改正により、学校評価及び情報
提供の規定が新たに設けられ(埼玉県立中学校及び埼玉県立盲学校・ろう学校・養護
学校にも準用)、平成17年度から全県立学校において「学校自己評価システム」が
実施された。これにより、各学校がPDCAのマネジメントサイクルにより教育活動
の自律的・継続的な改善を行うとともに、「開かれた学校」として保護者や地域住民
に対し説明責任を果たすことが制度として確立した。
一方、第三者評価は、自己評価の客観性を高めることに資するとともに、評価結果
を踏まえ、設置者による的確な指導・支援を可能とし、各学校の長所を伸ばし、ある
いは教育活動の改善がより適切に行われるようになることを重要な目的としている。
従って、本報告書に掲げた「評価書(例)」の評価項目や観点は、その目的に即した
ものとし、目指す学校像(ミッション)やそれを踏まえた教育活動の重点化の妥当性、
学校自己評価の実効性などを中心に設定したものである。これに対し、文部科学省が
義務教育諸学校を対象に示した「第三者評価試行フォーマット」においては、義務教
育の質の保証が前提となり規範性が求められていることから、第三者評価の内容が学
校運営、教育活動全般に関して診断的、網羅的に設定されている。
本県では、従来から県立学校に対して、県立学校人事課による管理指導、高校教育
指導課による高等学校訪問、特別支援教育課による指導主事学校訪問、総務課による
行政監察などが行われている。それぞれの視点、角度から各学校の学校経営、教育活
動等の改善について指導することにより、実質的に網羅的な評価を実施している。第
三者評価の制度を「設置者点検型」として捉えるならば、第三者評価を含め、様々な
指導監督等の指導項目や監査機能が重複することなく効率的にすみ分けをしたり、必
要に応じ整理、統合することも視野に入れた検討が必要になろう。
また、第三者評価結果のフィードバックについては、各学校の課題を解決し、長所
を伸ばすため、県教育委員会としての指導・支援の観点から、効果的かつ時宜を得た
施策を積極的に行うことを求めるものである。
今後、平成19年度から導入する第三者評価の制度は 、「学校自己評価システム」
と両輪をなし、県立学校の教育力の向上と信頼される魅力ある学校づくりに重要な役
割を果たすことが期待される。その期待に十分に応え、実効あるシステムを構築、定
着させるため、導入後においてもその改善に努めていくことが必要であると考える。
本報告書が、第三者評価の実施にあたり、本県におけるシステム構築の方向性、基
準性を示す根拠となり得れば幸いである。
- 9 -
参考資料1
学校自己評価システム実施要領
第1
趣 旨
この要領は、埼玉県立高等学校管理規則第29条、埼玉県立盲学校・ろう学校・
養護学校管理規則第12条及び埼玉県立中学校管理規則第19条の規定に基づき、
県立学校における学校自己評価システムの実施に関し、必要な事項を定める。
第2
学校自己評価の考え方
各学校が、保護者や地域住民等からの意見や評価を踏まえ、教育活動その他の学
校運営の状況について自ら点検及び評価を行い、その結果を公表することにより、
学校としての説明責任を果たすとともに、学校の教育力の向上を図っていくもので
ある。
第3 実施方法等
1 学校自己評価の基本姿勢
(1) 当該学校(以下「学校」という。)の現状を見つめ直し 、「目指す学校像・存在
意義(学校の特色と期待される姿 )」(以下 、「目指す学校像(ミッション)」とい
う 。)を明確にし、教職員、生徒、保護者並びに学校を取り巻く地域が一体とな
って、開かれた学校づくりに取り組むものとする。
(2) 学校は、目指す学校像(ミッション)や課題を明確にした上、「学校年間教育
計画の策定(Plan)」「教育活動の実践(Do) 」「教育活動の評価(Check) 」「評価結
果に基づく改善・更新(Action)」といった一連のマネジメントサイクルにより、
学校運営の改善や教育活動の充実を推進するものとする。
(3) 目標の設定に当たっては、PDCAマネジメントサイクルの考え方に基づくと
ともに、具体的かつ評価可能な目標の設定に努めるものとする。
2 学校自己評価システムの推進組織の整備
(1) 学校評価懇話会(仮称)の設置
学校において客観的な評価を確保するとともに、教育活動その他の学校運営(以
下 、「教育活動等」という 。)の意見交換の場とするため、校長は、生徒、保護
者、学校評議員等からなる学校評価懇話会(仮称)を設置するものとする。
なお、当該懇話会の委員構成は、各学校の実情に応じたものとする。
(2) 評価運営委員会(仮称)の設置
学校自己評価システムの運営を行うとともに、学校評価懇話会(仮称)に係る事
務、評価結果に伴う改善・更新を推進するため、校内に校長、教頭、事務長及び
校長が指定した者からなる評価運営委員会(仮称)を設置するものとする。
なお、評価運営委員会(仮称)を校内の既存の組織で代替することができる。
3 評価項目等の設定
(1) 評価項目
- 10 -
校長は、自校の教育活動等の具体的取組について、適切な評価項目及び評価指
標を定めるものとする。ただし 、「授業改善の取組」及び「開かれた学校づくり
の推進」の項目については、すべての学校が共通して取り組むものとする。
(2) 評価指標
学校が共通に取り組む評価項目の指標については 、「授業がわかり、興味・関
心や意欲を持って取り組んでいるか 」、「保護者・地域に学校の教育方針や教育
活動に関する情報を積極的に提供しているか」などの観点を踏まえて各学校で設
定することとする。
4
評価等の実施
学校は、年度末までに、各校務分掌、各学年、各教科による教育活動等をまとめ
るとともに、生徒・保護者、学校評議員等の評価や意見交換を参考にして、当該年
度の評価項目について、経過や成果を評価するものとする。
なお、各校務分掌、各学年、各教科の教育活動等については、年度の適当な時期
に中間評価を実施し、必要に応じて方策等の見直しを行う。
5
評価結果の活用
校長は、評価結果をもとに、当該年度の教育活動等の成果と改善すべき点を分析
し、次年度の学校目標に反映させるほか、教育方針や教育活動等の見直しを行うな
どの改善に生かすものとする。
6 学校自己評価シート等の提出
(1) 校長は、目指す学校像、当該年度の重点目標及び評価項目等を決定したときは、
学校自己評価シート(別紙様式をいう。次の(2)において同じ 。)に必要事項を
記載した上、速やかに埼玉県教育委員会(以下「教育委員会」という 。)に提出
するものとする。
(2) 校長は、評価項目の評価を行ったときは、評価結果を記載した学校自己評価シ
ートを年度末までに教育委員会に提出するものとする。
第4
1
評価項目等及び評価結果の公表
評価項目等の公表
学校は、目指す学校像、当該年度の重点目標及び評価項目等を決定したときは、
学校自己評価シートその他の資料により速やかに公表するものとする。
2
評価結果の公表
学校においては、教育活動等の評価を行ったときは、速やかに、その結果を公表
するものとする。この場合において、当該年度の評価結果を、その次年度の早い時
期において、次年度の評価項目等と併せて公表することができる。
3
公表の方法
評価項目等及び評価結果の公表に当たっては、広く保護者や地域住民、関係機関
等に公表することができるよう、例えば、学校便りやインターネットの活用、説明
会の開催など、各学校の実情に基づいて適切な方法で行うものとする。
- 11 -
第5
1
学校評価懇話会(仮称)委員
委員は、校長が委嘱し、その任期は、校長の委嘱の日からその年度末までとする。
ただし、再任を妨げない。
2 委員には、原則として学校評議員を含めるものとする。
3 校長は、委員の委嘱後、教育委員会に報告するものとする。
第6
1
実施上の留意事項
校長は、学校自己評価システムの趣旨等について、研修会を開くなどして、教職
員の共通理解が図れるよう努めるものとする。
2 学校年間教育計画の策定に伴う評価項目等の設定に当たっては、自校の課題を整
理し、重点化を図るとともに、分掌、学年等で取り組めるよう具体的で分かりやす
いものとする。
3 学校の目標等を実現するため、教育活動等の経過や成果を評価できる具体的で分
かりやすい基準を設定するものとする。
4 生徒・保護者、学校評議員等の意見を生かした客観的な評価活動を行うとともに、
積極的に学校の情報を提供するものとする。
5 学校自己評価システムについて、生徒・保護者、地域の理解と協力が得られるよ
う、説明や公表に創意工夫を図るものとする。
6 学校自己評価システムでは、保護者、地域住民等の意見や評価を取り入れること
としているから、学校評議員を設置している場合には、学校評価懇話会(仮称)の委
員と兼ねるなど、この制度を積極的に活用するものとする。
7 評価結果の公表に当たっては、その内容・表現等について必要な配慮を行うとと
もに、個人情報の取扱いに十分留意する。
第7
1
その他
定時制・通信制課程における取扱い
定時制・通信制課程における学校自己評価については、この要領の規定にかかわ
らず、当該事情に応じた取扱いをすることができる。
2 委任
この要領に定めるもののほか、学校自己評価システムの実施に関し必要な事項は、
県立学校人事課長が別に定める。
附 則
この要領は、平成17年4月1日から施行する。
附 則
この要領は、平成18年4月1日から施行する。
- 12 -
(別紙様式)
平 成
年 度
学 校 自 己 評 価 シ ー ト(
県立
学校 )
目指す学校像
(ミッション)
本年度の
重点目標
番号
評価項目
年
現 状
度
達成度
当
初
具体的な方策
A:十分達成
(100%)
評価指標
B:概ね達成
(80%程度)
- 13 -
C:変化の兆し
(50%前後)
最 終 評 価 ( 月)
経過・達成状況等
達成度 次年度の課題と改善策
D:まだ不十分
(30%前後)
E:目標、方策の見直し
(20%以下)
参考資料2
「第三者評価試行フォーマット」(抜粋)
(平成18年9月
文部科学省初等中等教育局学校評価室)
(評価項目関係)
■
分野1 学校における教育の状況
大項目1-1 学校が提供する教育の水準
小項目1-1-1 教育課程の状況
小項目1-1-2 各教科等の指導の状況
小項目1-1-3 生徒指導・進路指導の状況
小項目1-1-4 特別支援教育の状況
小項目1-1-5 安全管理・保健管理の状況
大項目1-2 児童生徒が達成した教育の水準
小項目1-2-1 児童生徒の学力・体力の状況
小項目1-2-2 児童生徒の出席状況
小項目1-2-3 児童生徒の全人格的発達の状況
■
分野2 学校の管理運営の状況
大項目2-1 学校の組織運営等の状況
小項目2-1-1 学校の組織運営の状況
小項目2-1-2 教職員の意欲・資質及びその向上に向けた取組状況
小項目2-1-3 設置者(市区町村教育委員会)と学校の状況
小項目2-1-4 施設・設備の状況
大項目2-2 学校評価・情報公開の状況
小項目2-2-1 自己評価の実施状況
小項目2-2-2 外部評価の実施状況
小項目2-2-3 学校評価及び学校に関する情報の公開の状況
■
分野3 保護者、地域住民等との連携の状況
大項目3-1 児童生徒、保護者の意見・要望等の状況
小項目3-1-1 学校に対する児童生徒の意見・要望等の状況
小項目3-1-2 学校に対する保護者の意見・要望等の状況
大項目3-2 保護者、地域住民等との連携協力の状況
小項目3-2-1 学校と保護者・地域社会等との連携協力の状況
- 14 -
(評価指標関係)
総
総合評定5
極めて優れ
ている
合
評
価
ほとんど全ての点において全国的にみて非常に高
い水準にあると考えられる場合や、全体として高水
準かつ特定の項目について卓越した成果をあげてい
るなど、全国の模範となるべきすばらしい状況や取
り組みがなされていると考えられる場合。
総合評定4
非常に良い
下記「総合評定3
良い」に比して、より優れた
取り組みがなされ、成果を上げている状況が多くあ
ると考えられる場合。
総合評定3
良い
例えば以下に示すような状況にあると考えられる
場合。
・児童生徒の学力、体力、その他の全人格的発達に
向けて学校が効果的に努力しており、その取り組
みの成果が見られる。
・学校は適切に組織され、円滑に運営されている。
・保護者や地域社会との連携協力が図られており、
相互に有する様々な資源が活用されている。
・多くの児童生徒、保護者、地域社会等から学校は
信頼されている。
総合評定2
課題がある
上記「総合評定3
良い」に比して、取り組みが
十分ではなかったり、成果が十分に上げられていな
い状況が多くあると考えられる場合。
総合評定1
課題が多く
速やかな改善が必要
上記「総合評定2
課題がある」に比して、取り
組みが全くなされていなかったり、成果がほとんど
あげられないなど、学校の状況が直ちに設置者によ
る指導等の改善措置が求められる状況にあると考え
られる場合。
- 15 -
参考資料3
学校の第三者評価検討委員会検討経過
回
会 議 開 催 日
検
1
平成18年7月14日(金)
・
・
・
本県の学校評価システムについて
第三者評価について
本県の第三者評価の方向性について
2
平成18年9月15日(金)
・
・
・
・
第三者評価の目的について
評価結果の活用について
実施体制及び実施方法について
評価内容について
3
平成18年11月24日(金)
・
報告書(案)について
- 16 -
討
内
容
参考資料4
学校の第三者評価検討委員会設置要綱
(設置)
第1条 学校の第三者評価システムの整備について検討するため、学校の第三者評価
検討委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
(検討事項)
第2条 委員会は、学校の第三者評価に係る次の各号に掲げる事項について検討する。
一 評価項目・評価基準に関すること。
二 評価方法に関すること。
三 評価結果の活用に関すること。
四 前各号に掲げるもののほか、学校の第三者評価システムの整備に関すること。
(構成)
第3条 委員会は、委員長、副委員長及び委員で構成する。
2 委員長は、県立学校部県立学校人事課長をもって充てる。
3 副委員長は、教育局外の有識者1名をもって充てる。
委員は、別表に掲げる者とする。
(会議)
第4条 委員会の会議は、委員長が招集し、その議長となる。
2 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるときは、その職務を代理する。
(会議の公開)
第5条 委員会は公開とする。ただし、出席した副委員長及び委員の3分の2以上の
多数で議決したときは、非公開とすることができる。
(事務局)
第6条 事務局は、県立学校人事課内に置く。
2 委員会の庶務は、事務局内において処理する。
(その他)
第7条 この要綱に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が
別に定める。
附 則
この要綱は、平成18年6月7日から施行し、平成19年3月31日をもってその
効力を失う。
- 17 -
別表
1
学校の第三者評価検討委員会委員名簿
氏
名
弘
所
属
等
○ 蛭
田
政
文教大学教育学部教授
藤
井
佐知子
宇都宮大学教育学部教授
本
多
康
夫
埼玉県経営者協会副会長
(フジノン㈱元会長)
原
田
鉄
男
埼玉県高等学校PTA連合会理事
(埼玉県立伊奈学園総合高等学校PTA会長)
河
田
耕
一
埼玉県高等学校長協会学校管理運営部会主査
(埼玉県立坂戸高等学校長)
板
倉
克
己
教育総務部参事兼総務課長
新
井
彰
教育総務部文教政策室長
奥
野
立
教育総務部財務課長
◎ 松
下
幸
夫
県立学校部県立学校人事課長
杉
木
貴
喜
県立学校部高校教育指導課長
黒
澤
一
幸
県立学校部特別支援教育課長
岩
﨑
文
雄
県立総合教育センター企画幹
(◎:委員長
2
○:副委員長)
事務局
氏
名
所
属
等
篠
原
善
廣
県立学校人事課学校管理幹
赤
松
峰
親
県立学校人事課副課長兼主任管理主事
田
丸
淳
哉
県立学校人事課主任管理主事
青
木
勇
藤
県立学校人事課主任管理主事
藤
田
栄
二
県立学校人事課主幹
浮ヶ谷
守
央
県立学校人事課主査
- 18 -
Fly UP