...

2015 - in

by user

on
Category: Documents
259

views

Report

Comments

Description

Transcript

2015 - in
アニュアルレポート 2015
新 たな 領 域 へと 挑 戦 を 加 速
$FFHOHUDWLQJLQWR1HZ)LHOGV
トッパングループの
あゆみ
証券印刷
1902
(明治35年)
トッパンは、1900年の創業より今日に至るまで、
新たな技術の開発と新市場の創出により、
着実に発展を遂げてきました。
出版印刷
1907
(明治40年)
1959年にエレクトロニクス事業へ進出、
さらに、1961年には企画制作・マーケティング部門を
設立するなど、常に社会と人々のニーズを的確に捉え、
事業領域を拡大してきました。
板橋工場竣工
1938
(昭和13年)
創業
1900
(明治33年)
現在、
トッパンは、
「 情報コミュニケーション」
1900
「生活・産業」
「エレクトロニクス」の3つの事業分野で
1910
1920
1930
1940
HB写真製版法の導入
従来の印刷の領域を超え、
1920
(大正9年)
幅広い製品・サービスを提供しています。
トッパンは、これからも変革と挑戦を続け
商業印刷
1901
(明治34年)
2000年に制定した
「TOPPAN VISION 21」の考えに基づき
新たな価値を提供し、成長を続けていきます。
紙器
1900
(明治33年)
軟包材
1938
(昭和13年)
Contents
2 「印刷テクノロジー」が
可能にするトータルソリューション
4 事業分野と製品・サービス
6 連結財務ハイライト
8 セグメントハイライト
20 事業分野別重点戦略
21
情報コミュニケーション事業分野
28
生活・産業事業分野
32
エレクトロニクス事業分野
44 コーポレート・ガバナンス
46 社内管理体制
47 トッパンの社会的責任活動
50 CSR活動トピックス
52 主要連結子会社および関連会社
10 株主・投資家の皆さまへ
34 セグメント別営業概況
56 海外ネットワーク
12 社長メッセージ
36 トッパンの活動
58 事業所一覧
38 トッパンの企業像
59 財務セクション
40 取締役および監査役
76 会社情報および株式の状況
撮像管用
カラーストライプフィルタの開発
エレクトロニクス
1959
(昭和34年)
トッパンフォトマスクス設立
1971
(昭和46年)
2005
(平成17年)
ICビジネス
ICチップインカード開発
2003
(平成15年)
1983
(昭和58年)
ビジネスフォーム
コンピュータ組版(CTS)実用化
1955
(昭和30年)
総合電子書籍ストア
「BookLive!」
オープン
1970
(昭和45年)
2011
(平成23年)
トッパン小石川ビル竣工
2000
(平成12年)
海外駐在員事務所開設
印刷博物館
1964
(昭和39年)
1950
1960
1970
1980
1990
2000
2010
総合研究所竣工
サービスセンター
1961
(昭和36年)
2020
トッパングループ・データセンター稼働
1986
(昭和61年)
(現トッパンアイデアセンター)設立
トッパンホール
2013
(平成25年)
消費行動研究室全国展開
1985
(昭和60年)
ITビジネス
1994
(平成6年)
電子チラシポータルサイト
「Shufoo!
(シュフー)
」
2001
(平成13年)
カートカン販売開始
1996
(平成8年)
GLフィルム開発
1988
(昭和63年)
建装材
1956
(昭和31年)
透明バリアフィルム
生産拠点(米国)竣工予定
2016
(平成28年)
群馬センター工場竣工
2014
(平成26年)
環境配慮型の建装材を開発
1995
(平成7年)
編集方針
2015年版アニュアルレポートは、機関投資家との対話によって得られた知見を基に、創
業以来、
トッパンが培ってきた強みである
「印刷テクノロジー」
をベースとして、統合的な視
点で当社の活動や成長戦略を報告しています。また、社会とのかかわりという視点のもと、
CSR
(企業の社会的責任)
に対する考え方・活動を、ISO26000に沿って紹介しています。
*本文中の敬称は省略しています。
*本文中の商号および製品・サービス名称は、各社の
商標または登録商標です。
*本文中の書体は、ユニバーサルデザインの観点から
UDフォントを使用しています。
企業活動を通じて社会課題の解決をめざしている当社へのご理解の一助となりましたら
幸いです。
なお、財務状況に関するより詳しい情報については、有価証券報告書をご覧ください。
Toppan Annual Report 2015
1
「印 刷テクノロジー」が 可能にする
トータルソリューション
トッパンの社名の由来となった
「エルヘート凸版法」
はかつて大蔵省紙幣寮
(現・独立行政法人 国立印刷局)
で
紙幣類の印刷に用いられ、その精緻な紋様はきわめて高い偽造防止効果を持っていました。
当社は創業以来、紙幣を含む有価証券類の印刷に強みを発揮し、
高度のセキュリティに支えられた
「情報加工」
技術を蓄積していきます。
また、草創期の経営を支えたパッケージ印刷事業は、後年展開される
「表面加工」
「成型加工」
技術の源流となりました。
戦後、高度経済成長の波に乗って、
トッパンはその事業領域を大きく広げていきます。
製版のエッチング工程からはさまざまな
「微細加工」
技術が分岐し、
すべての顧客接点をカバーするメディア・コーディネートの実績は、
「マーケティング・ソリューション」
を誕生させました。
マーケティング・
ソリューション
トッパンの原点
印刷術
印刷技術
融合
・
進化
5
つのコアテ クノロジ ー
マーケティング
IT
クリエイティブ
情報加工
ポスター
有価証券
教科書
絵葉書
微細加工
製糖用フィルタ
表面加工
煙草包紙
成型加工
紙箱
加工技術
原点
2
Toppan Annual Report 2015
このように、
「印刷技術」
にさまざまな知識・ノウハウと加工技術が融合し、進化することで、
トッパンは独自のリソースとして
「印刷テクノロジー」
を体系化しました。
「情報加工」
「微細加工」
「表面加工」
「成型加工」
および「マーケティング・ソリューション」
これら5つのコアテクノロジーは、それぞれが独自性を持つ技術であると同時に、
複合的に組み合わせることで、新たなソリューションを創出する能力を持っています。
トッパンでは、
この
「印刷テクノロジー」
にお客さま視点を加えることで、
さまざまな課題解決につながる、
「トータルソリューション」
の提供を行っています。
「印刷テクノロジー」
が実現してきたさまざまなソリューション
商品開発支援
Webマーケティング
店頭広告
消費行動調査
ほか
IT活用ソリューション
電子出版
デジタルサイネージ
O2Oプロモーション
書籍・雑誌
ほか
安全・安心ソリューション
BookLive!
Shufoo!
ほか
拡張現実
教育
ヘルスケア
スマートシティ
フォトマスク
ホログラム
エッチング応用製品
カラーフィルタ
リードフレーム ほか
FC-BGAサブストレート ほか
空間デザイン
照明
遺伝子解析
有機EL
電子ペーパー
GL FILM
カートカン
壁紙
反射防止フィルム ほか
情報記録材
ほか
®
環境配慮型建装材
燃料電池
二次電池
バイオマス包材
お 客 さ ま・社 会へ
カタログ
ビジュアルソリューション
「 印 刷 テ ク ノロジ ー 」を 駆 使 し
磁気カード
お 客 さ ま 視 点 に 立った ト ー タ ルソリュー ション
BPOソリューション ほか
臨床美術
樹脂ボトル
段ボール
ほか
環境関連
EP-PAK
プラスチック成形品
詰め替え容器
ほか
現在
複合容器
…
液体容器
将来
Toppan Annual Report 2015
3
事 業 分 野と製 品・サービ ス
情報コミュニケーション事業分野
P.21
円滑なコミュニケーションを求めるお客さまに対し、
「情報の価値を高める」
「 情報を効果的に届ける」
ソリューションを提供する事業分野
■ セキュア関連
証券類全般、通帳、商品券、ギフト券、各種くじ、ビジネスフォーム、ICカード、各種カード、ICカード店頭即時発行サービス、
ペーパーレス申込システム
カードプリンタ、
ギフトカードASPサービス、
ネットワークセキュリティシステム、
ホログラムなどの偽造防止デバイス、セキュア関
連業務の各種アウトソーシング受託
(BPO)
、
マニュアル制作、報告書制作 など
■ ビジネスフォーム関連
連続フォーム、統一伝票、封筒、カタログ、パンフレット、チラシ、カード、電子メディア関連業務、データ・プリント・サービス
(DPS)
、
ドキュメントマネジメント、RFIDソリューション、NFC、機器類の販売・保守 など
■ マーケティング関連
ICカード
ポスター、カタログ、パンフレット、チラシ、ダイレクトメール、カレンダー、年史、各種コーポレートコミュニケーションツール、
POP、ギフト、プレミアム、スペースデザイン、イベント、各種プロモーション企画・運営、メディアサービス、映像制作、
アプリケーション開発、
システム開発・運用、
コミュニケーション業務の各種アウトソーシング受託
(BPO)
など
■ コンテンツ関連
週刊誌・月刊誌などの雑誌、付録の企画・製造、単行本、美術書、辞書・事典などの書籍、
コミックス、教科書、CD・DVD・Web
などの電子出版物、電子書籍関連、出版企画・編集、海外版権斡旋、各種プロモーション企画・運営、広告・アライアンス
ビジネス など
最先端の偽造防止技術を
用いた各国のパスポート
生活・産業事業分野
P.28
快適で安心できる生活環境づくりをめざし、
さまざまな製品とサービスをグローバルに提供する事業分野
■ パッケージ関連
各種パッケージの企画・開発・製造
(軟包材、紙器、
カップ、
プラスチック成形品、液体複合容器、
ラベル、段ボール)
、
マーケティング
GL BARRIER
企画、素材・機能性包材の開発・製造、材料・構造の設計、包装関連システム機械の開発・製造、コントラクト・受託充填、
コミュニケーション企画、UDコンサルティング など
■ 高機能・エネルギー関連
透明バリアフィルム
「GL BARRIER」、エレクトロニクス包材、
リチウムイオン二次電池関連部材、プリンタ用記録メディア、
精密加工・外装加飾部品、機能紙「FSシリーズ」 など
■ 建装材関連
カートカンⓇ
化粧シート、壁紙、床材、
インテリア部材、
エクステリア商材、空間コーディネーション など
エレクトロニクス事業分野
P.32
技術開発力をベースに、ディスプレイ関連や、
半導体関連の製品を提供する事業分野
■ ディスプレイ関連
液晶用カラーフィルタ、反射防止フィルム、
タッチセンサー基板、有機EL用メタルマスク、TFT液晶ディスプレイ など
■ 半導体関連
半導体用フォトマスク、FC-BGA基板、
リードフレーム、エッチング応用製品、
オンチップカラーフィルタ など
4
Toppan Annual Report 2015
カラーフィルタ
ⒸDisney
ギフトカードASPサービス
パンフレット・カタログ
店頭販促ツール
(POP広告)
書籍・雑誌
総合電子書籍ストア
「BookLive!」
商品券
BPOセンター
トッパンバーチャルシミュレー
出版アライアンス
ションサービス
(T-VSS)
ビジネスフォーム
エアホールドパウチⓇ
データ・プリント・サービス
101エコシート
「MgBOX」
スマデリバッグ Ⓡ
プリンタ用記録メディア
銅タッチパネル
空間コーディネーション
(フォレスト)
機能紙
「FSシリーズ」
101コーディネーションフロア 非住宅向け建装材
REPREA
反射防止フィルム
手がける教科書
無料学習サービス
「学びゲット!」
電子チラシサービス
「Shufoo!」
非 常 用マグネシウム空 気 電 池 リチウムイオン二次電池関連部材
東京書籍株式会社の
半導体用フォトマスク
FC-BGA基板
(商業施設など)
オンチップカラーフィルタ
Toppan Annual Report 2015
5
連 結 財 務 ハイライト
凸版印刷株式会社および子会社
3月31日に終了した会計年度
2011年
2012年
2013年
会計年度
売上高
¥ 1,556,457
¥ 1,510,415
¥ 1,502,308
営業利益
45,009
31,555
32,092
税金等調整前当期純利益
32,097
8,807
38,849
当期純利益
12,153
3,068
18,562
総資産当期純利益率
(ROA)
0.7%
0.2%
1.2%
自己資本当期純利益率
(ROE)
1.6%
0.4%
2.5%
営業活動によるキャッシュ・フロー
¥
96,894
投資活動によるキャッシュ・フロー
¥
(46,883)
財務活動によるキャッシュ・フロー
2,812
83,457
¥
103,596
(89,031)
(52,139)
(89,755)
7,051
1株当たりデータ
(円)
1株当たり当期純利益
¥
18.89
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
1株当たり配当金
研究開発費
¥
¥
4.77
¥
28.90
—
—
—
18.00
18.00
18.00
23,445
¥
21,496
¥
20,689
設備投資
65,020
66,814
76,827
減価償却費
82,940
80,923
67,965
総資産
¥ 1,694,329
¥ 1,586,823
¥ 1,633,066
純資産
864,017
866,219
888,422
自己資本比率
43.3%
46.1%
46.3%
有利子負債比率
46.1%
35.4%
38.9%
会計年度末
売 上 高および
営業利益率
1 株当たり配 当 金( D P S )および
1 株当たり純 利 益( E P S )
[十億円]
[%]
2,000
1,500
10.0
1,556.5 1,510.4 1,502.3 1,532.0 1,526.9
7.5
[円]
[円]
25
50
20
18.0
18.0
500
0
5.0
2.9
11年
10
2.1
2.1
2.3
12年
13年
14年
2.7
15年
2.5
0.0
■■ 売上高
営業利益率
6
18.0
28.90
15
1,000
Toppan Annual Report 2015
純 資 産および
自己 資 本 当 期 純 利 益 率( R OE)
18.0
32.12
18.0
35.67
900
1,082.8
864.0
866.2
20
4.77
12年
13年
14年
15年
888.4
913.1
2.5
2.7
6.0
4.5
30
10
11年
[%]
1,200
600
18.89
5
0
40
[十億円]
0
■■ 1株当たり配当金
(DPS)
1株当たり純利益
(EPS)
300
0
2.7
1.6
11年
3.0
1.5
0.4
12年
13年
14年
15年
0.0
■■ 純資産
自己資本当期純利益率
(ROE)
単位:百万円(1株当たりデータ除く)
2015年
2014年
増減率
(%)
2015年
¥ 1,532,043
¥ 1,526,915
-0.3%
35,722
40,877
14.4%
40,735
46,405
13.9%
20,621
22,868
10.9%
1.2%
1.2%
2.7%
2.7%
¥
¥
118,026
104,111
-11.8%
9,876
-34.2%
35.67
11.1%
31.10
31.96
2.8%
18.00
18.00
0.0%
19,084
-3.7%
72,177
76,138
5.5%
62,473
61,176
-2.1%
¥ 1,712,351
¥ 1,994,642
16.5%
913,108
1,082,844
18.6%
45.7%
46.8%
42.1%
38.3%
¥
¥
19,821
1兆 5,269億円 409億円
当期の売上高は、前期に比べ0.3%減の1兆5,269億円とな
りました。事業セグメント別では、情報コミュニケーション事業
分野と生活環境事業分野で増収だったものの、マテリアルソ
リューション事業分野では、減収となりました。
活環境事業分野で減益となったものの、情報コミュニケーショ
15,013
¥
営業利益
ン事業分野とマテリアルソリューション事業分野で増益となり
(70,603)
32.12
売上高
営業利益は前期に比べ14.4%増の409億円となりました。生
(108,648)
¥
経 営 成 績の説 明
—
ました。
1株当たり配当金(DPS)
18 円00 銭
当期の期末配当は、1株当たり9円00銭といたしました。
これに
より中間配当
(1株につき9円00銭)
と合わせて、1株当たり年
間配当金は18円00銭となりました。
財 政 状 態に関する説 明
総資産
純資産
1兆9,946億円 1兆 828億円
当期の総資産は、
前期に比べ2,822億円増加し、
1兆9,946億円
となりました。これは投資有価証券が1,698億円、有価証券が
164億円、現金及び現金同等物が482億円、それぞれ増加し
たことなどによるものです。
負債は、前期に比べ1,126億円増加し9,118億円となりました。
これは長期借入債務が453億円減少したものの、繰延税金
負債が664億円、1年以内に返済期限の到来する長期借入債
総 資産および
総 資産当 期 純 利 益 率( R O A )
[十億円]
1,994.6
2,000
1,694.3
1,500
1,586.8 1,633.1
1.2
純資産は、前期に比べ1,697億円増加し、1兆828億円となりま
[%]
4.0
1,712.4
3.0
1,000
500
務が741億円、
それぞれ増加したことなどによるものです。
1.2
1.2
0.7
11年
12年
13年
14年
15年
付に係る調整累計額が165億円、利益剰余金が95億円、
それ
ぞれ増加したことなどによるものです。
2.0
将来予測表記に関する特記
1.0
いた将来予測表明です。
これらの将来予測表記には、既知、未知のリスクや仮定などが
当アニュアルレポートの記載内容のうち、将来予測表記は、現在入手可能な情報に基づ
0.2
0
した。
これはその他有価証券評価差額金が1,174億円、退職給
0.0
■■ 総資産
総資産当期純利益率
(ROA)
含まれており、
それらの可変要因やその他のリスク要因によって、
実際の成果や業績など
が、
記載の予測とは大きく異なる可能性があります。
当日本語版アニュアルレポートについて
当日本語版アニュアルレポートは、英語版アニュアルレポートの翻訳であり、掲載する
連結財務諸表もこれに準じております。なお、当日本語版においては、英語版に掲載し
ている連結財務諸表注記ならびに監査報告書については、省略しております。
Toppan Annual Report 2015
7
セ グメントハイライト
情報コミュニケーション事業分野
生活環境事業分野
マテリアルソリューション事業分野
2015年3月期
2015年3月期
2015年3月期
売上高
売上高
売上高
9,325 億円
1.4%増
営業利益
17.4%増
482 億円
2,854 億円
0.7%増
営業利益
63 億円
43.7%減
セグメント別売上高比率
3,501 億円
4.7%減
営業利益
116億円
26.1%増
セグメント別営業利益比率
マテリアルソリューション事業分野
マテリアルソリューション事業分野
21.9%
17.5%
生活環境事業分野
9.6%
情報コミュニケーション事業分野
生活環境事業分野
60.1%
18.0%
情報コミュニケーション事業分野
72.9%
※外部顧客に対する売上高で計算しています。
※全社費用調整前の数値で計算しています。
セグメント別外部顧客への売上高およびセグメント別営業利益の推移
情報コミュニケーション事業分野
[十億円]
生活環境事業分野
[十億円]
1,000
917.4
907.3
883.1
80
750
60
48.2
500
40.4
41.1
[十億円]
500
400
20
400
200
0
13年
14年
■ 外部顧客への売上高
8
Toppan Annual Report 2015
15年
■ 営業利益
0
[十億円]
25
300
20
[十億円]
500
40
250
マテリアルソリューション事業分野
259.6
274.2
272.6
11.1
11.2
300
10
200
5
100
0
0
6.3
100
0
15
13年
14年
■ 外部顧客への売上高 15年
■ 営業利益
[十億円]
25
359.6
20
352.2
335.3
15
11.6
9.2
10
5.1
13年
5
14年
■ 外部顧客への売上高 15年
■ 営業利益
0
セグメント別設備投資額比率
設備投資額の推移
■ 情報コミュニケーション事業分野
情報コミュニケーション事業分野
マテリアルソリューション事業分野
24.4%
38.4%
■ 生活環境事業分野
■ マテリアルソリューション事業分野
[十億円]
50
40
34.2
30
26.6
21.3
20
25.9 26.7
23.2
15.2
13.7
17.0
10
生活環境事業分野
37.2%
地域別売上高比率
13年
14年
15年
地域別売上高の推移
日本
その他の地域
アジア
0
4.2%
[十億円]
1,500
13.1%
1,340.9
1,200
1,296.7
1,273.2
1,282.2
1,262.8
12年
13年
14年
15年
900
600
300
日本
82.7%
地域別売上高の推移
11年
地域別売上高の推移
アジア
その他の地域
[十億円]
[十億円]
250
100
200
150
0
167.1
170.3
179.4
193.8
200.6
75
50
48.5
100
56.1
63.6
25
50
0
43.4
49.7
11年
12年
13年
14年
15年
0
11年
12年
13年
14年
15年
Toppan Annual Report 2015
9
株 主・投 資 家の皆さまへ
代表取締役会長 足立 直樹
10
Toppan Annual Report 2015
代表取締役社長 金子 眞吾
トータルソリューションの提 供により
社会やお客さまの課 題を解決し、
持続 的な成 長をめざしてまいります。
トッパンの企業活動の本質とは、企業理念「TOPPAN
デジタル化やペーパーレス化が進展するなか、印刷業
VISION 21」
で示しているように、
「 常にお客さまの信頼
界は今、大きな変化に直面しています。当社は創業以来、
にこたえ、彩りの知と技をもとに、
こころをこめた作品を創
1世紀以上にわたって社会の動きを先取りし、
「 印刷テクノ
りだし、情報・文化の担い手として、ふれあい豊かなくらし
ロジー」
の持つさまざまな可能性を追求してきました。数多
に貢献する」
ことにあります。こうした理念に基づき、当社
くの製品・サービス、幅広い顧客基盤、多彩なリソースを有
は創業以来、一貫して事業領域の拡大・深化に取り組み、
する当社は、変化の激しい現代において、最も有利なポジ
幅広い業態のお客さまの課題にともに向き合う提案型企
ションにあるといえるでしょう。
業へと変化してきました。また、印刷の歴史的な役割や意
当社は、より強い事業基盤を備えた企業体をめざして、
義を発信する印刷博物館や、クラシック音楽専用のコン
「グループを含めた構造改革の遂行」
「 新事業・新市場の
サートホール−トッパンホールを運営するなど、事業の内外
創出」
「グローバルな事業展開の加速」
を重要な経営課題と
を通じて
「情報・文化の担い手」
として社会に広く認知され
定め、
これらの取り組みを強力に推進しています。
てきました。あたかも個人の人格がそうであるように、
トッ
2015年3月期は、既存事業の徹底的な構造改革ととも
パンの
“社格”
は、社会との関係性のなかで、たゆまぬ努力
に、バリアフィルム、グローバルパッケージ、
メディアコー
によって形成されてきたものです。
ディネート、グローバルセキュアなどの分野において、新工
トッパンが 2 1 世 紀においても、変わらずステークホ
場や新組織の立ち上げ、グローバルな販売体制の強化な
ル ダ ーの 信 頼 にこたえ 、成 長を続 けていくためには 、
どの施策を次々と実施し、いずれも具体的成果を上げつ
常に時 代の変 化を見据え、変化のなかから新たな価 値
つあります。2016年3月期は、新事業・新市場の創出をさ
を創 造していかなければ なりません 。当 社は今 後とも
らに加速し、全社の収益性やコスト競争力を一段と高めて
「TOPPAN VISION 21」の精神に則り、印刷業界の
いく方針です。
リーディングカンパニーとして、日々 邁 進してまいりま
当社はこれからも、進化を続ける印刷テクノロジーを
す。株主・投資家の皆さまには倍旧のご支援のほどお願
ベースに、社会やお客さまのニーズに常に真摯に向き合い、
い申し上げます。
トッパンならではの価値の創造を追求してまいります。
2015年8月
2015年8月
代表取締役会長
代表取締役社長
Toppan Annual Report 2015
11
社 長メッセージ
変 化 の な か にチャンスを見 い だし、
進 化 する「 印 刷 テクノロジ ー 」とともに
新 たな 領 域 へ の 挑 戦を加 速していきます 。
代表取締役社長 金子
Q
A
眞吾
2015年3月期の連結業績を
どのように評価しますか?
厳しい経営環境のもと、
グループ一丸で新たな収益モデルの
確立に取り組んだ結果、
3期連続の増益を達成しました。
する企業業績の回復など、全体としては緩やかな回復傾
向を示しました。その反面、個人消費の伸び悩みや、中国
をはじめとする海外景気の下振れ懸念などをはらみ、引
き続き先行き不透明な状況で推移しています。
印刷業界においては、インターネット広告を中心に企
業の広告宣伝費が 拡大する一方、出版市場は依然とし
て成熟傾向にあります。また、円安に伴う原材料価格の
上昇、競争激化による製品単価の下落など、全体を通し
12
2015年3月期の日本経済は、金融・財政政策の効果
ては厳しい経営環境となりました。
などを背景に、雇用・所得環境の改善、外需部門を中心と
こうしたなか、当社では、21世紀の企業像と事業領域
Toppan Annual Report 2015
を定めた
「TOPPAN VISION 21」
に基づき、グループ
ました。コンテンツ関連では、縮小傾向が 続く出版市場
一丸となって収益体制の強化に取り組みました。既存事
にあって、雑誌・書籍がともに前年を下回りましたが、デ
業における競争優位性の確立およびコスト削減に努める
ジタルコンテンツについては、無線LANを活用した図書
とともに、成長分野を対象に、新規事業への積極的な経
館や病 院 向けのコンテンツ閲 覧サービスや、株 式 会 社
営資源投入を実施しました。
BookLiveによるShufoo!へのオリジナル4コマ漫画提
こ の 結 果 、当 期 の 連 結 決 算 は 、売 上 高 が 前 期 比
供など、グループ内のリソースを有効に活用しつつ、さら
0 . 3%減 の 1 兆 5 , 2 6 9 億 円となったものの 、利 益 面で
なる事業拡大に注力しました。これらの結果、売上高は
は 営 業 利 益 が 前 期 比 1 4 . 4%増 の 4 0 9 億 円 、当 期 純
前期比1.4%増の9,325億円、営業利益は17.4%増の
利 益が 前 期 比 1 0 . 9%増の2 2 9 億 円で、3 期 連 続の増
482億円となりました。
益となりました。
生活環境事業分野においては、パッケージ関連で、市
場での環 境 意 識の高まりやライフスタイルの変 化がも
たらした多様なニーズを背景に、透明ハイバリアフィルム
Q
各セグメント別の業績について
状況を聞かせてください。
A
消費増税などの影響で生活環境事業が
伸び悩んだものの、収益力強化の施策が
奏功し情報コミュニケーション事業および
マテリアルソリューション事業は増益を
確保しました。
「GLフィルム」
によるレンジ包材、液体製品用スタンディ
ングパウチ
「エアホールドパウチ」、紙製飲料缶「カートカ
ン」
などが堅調に推移しました。その一方、当社得意先の
なかでも特に加工食品メーカーにおいては、消費増税後
の売上回復が遅れたうえ、円安による原材料高や群馬セ
ンター工場の立ち上げに伴う費用増などが重なり、収益
面での制約条件となりました。これらの結果、売上高は
前期比0.7%増の2,854億円、営業利益は43.7%減の
63億円となりました。
情 報 コ ミュニ ケ ー ション 事 業 分 野 に お い て は 、
マ テリア ル ソリュー ション 事 業 分 野 に お い て は 、
セキュア関連で、ICカードの需要が 一段落したものの、
ディスプレイ関連で、カラーフィルタが、スマートフォンな
人財の専門性や高度なセキュリティ環境といった当社の
どモバイル向けの中小型製品で堅調だったものの、テレ
強みを活かしたBPO(ビジネスプロセスアウトソーシン
ビ向けの大型製品の需要減少によって伸び悩みました。
グ)が好 調 だったほ か 、金 融 機 関 向 け の I C キャッシュ
半導体関連では、新興国向けスマートフォンを中心に半
カ ードの 店 頭 即 時 発 行 サ ー ビ ス の 売 上 が 拡 大しま
導体市場が 総じて堅調に推移するなか、フォトマスクや
した。ビジネスフォーム関連では、ビジネスフォームが 、
高密度半導体パッケージ基板(FC-BGA基板)
の売上が
電子化による需要減少、消費増税前の駆け込み需要の
拡大しました。高機能・エネルギー関連では、太陽電池関
反動減などで伸び悩んだ一方、プリント業務一括アウト
連部材が 厳しい市場環境の影響を受けて、前年の業績
ソーシングへの広範な需要を取り込んだデータ・プリン
を下回りました。建装材関連では、欧米市場で「トッパン
ト・サービスが 堅調でした。マーケティング 関連では、チ
エコシート」
などの環境配慮型製品が積極的な販売展開
ラシ、パンフレット・カタログなどの印刷物が伸び悩みま
により好調に推移しましたが、国内市場では消費増税前
したが 、P O P 広 告 など の S P 関 連 ツール が 好 調 で 、な
の駆け込み需要の反動減で伸び悩み、前年を下回りまし
かでも電 子チラシサイト
「 S h u f o o(シュフー)
!
」は、得
た。これらの結果、売上高は前期比4.7%減の3,501億
意 先 の W e b プ ロモーション 強 化に伴い大きく伸 長し
円、営業利益は26.1%増の116億円となりました。
Toppan Annual Report 2015
13
Q
フィルタ事業で今春、台湾の特定子会社の全保有株式の
2015年3月期は、具体的にどのような
取り組みを進めてきたのでしょうか?
譲渡に踏み切りました。こうした取り組みに加え、間接部
門を含めたグループ全体の生産性向上、人員最適化も着
に基づき、
A 「3つの経営課題」
実に推進しています。当期、情報コミュニケーション事業分
構造改革をさらに徹底し、
野とマテリアルソリューション事業分野の利益率が大きく
国内外の市場で
「印刷テクノロジー」
による
改善したのは、
こうしたグループをあげた構造改革の成果
成長を加速しました。
であると評価しています。
第二の経営課題「新事業・新市場の創出」
に関しては、
当社では2015年3月期を、より強固な事業基盤を備え
2014年4月、パッケージ関連のマザー工場として、国内外
た企業体をめざして
「印刷テクノロジーで成長を加速する
の市場に向けて最先端の軟包材の開発・生産を行う群馬
1年」
と位置づけ、経営上の3つの重点課題に基づく取り
センター工場を竣工したのに続き、半導体関連では、LSIの
組みを加速しました。
微細化・高性能化を見据えてFC-BGA基板の事業拡大を
第 一 の 経 営 課 題「 グ ループを含 めた 構 造 改 革 の 遂
図り、新潟工場内に新たな生産設備を導入しました。また、
行」
に関しては、既存事業における選択と集中を徹底し、
タッチパ ネルは 、パソコン 向 け の 拡 販 に 努 めるととも
情報コミュニケーション事業分野の強化とともに、重複事
に 、大 型 ディスプレイ向 けや車載向けなど、銅センサー
業や不採算事業の精査と再編・整理を引き続き実施しま
の特 長を活 かした製 品 開 発に注 力しています。さらに、
した。特にマテリアルソリューション事業分野では、カラー
情報コミュニケーション事業分野では、2013年に竣工した
3つの経営課題に沿って、着実に施策を実行
2010年4月
グループを
含めた
構造改革の遂行
国内主要製造子会社の再編
企画部門を全国統一組織化
情コミ分野の3事業部を統合
2012年8月
第10世代
カラーフィルタ事業を譲渡
2015年4月
台湾カラーフィルタ事業を譲渡
2013年8月
プリント配線板事業を譲渡
2010年4月
新事業・
新市場の創出
オルタステクノロジーをグループ化
事業開発センター新設
2011年5月
リチウムイオン二次電池用
外装材の新会社を設立
2013年11月
銅タッチパネルの量産開始
グループ・
データセンターを竣工
FC-BGA事業新工場立ち上げ・本格稼働へ
2015年3月
シンガポール支社設立 北米バリアフィルム工場の建設に着手
(欧州、米国、中国、ASEAN
4極体制構築)
2010年
Toppan Annual Report 2015
軟包材の新工場「群馬センター工場」竣工
2013年4月
グローバルな
事業展開の加速
14
2013年10月
2014年4月
2011年
2012年
2013年
ASEAN市場の深耕
2014年
2015年3月期
社長メッセージ
トッパングループ・データセンターを活用し、グループ各部
確立に取り組んでいます。当期においては、2013年に設
門のリソースを結合した
「トータルソリューション」
を幅広く
立したシンガポール支社を中心にASEAN市場の深耕を
展開しました。銀行などと提携し、店舗でICキャッシュカー
図るとともに、パッケージ関連では、北米・欧州市場への
ドを即時発行できるようにしたサービスは、その一例で
透明バリアフィルムの供給を強化するため、米国ジョージ
す。さらに、2014年末に2億PV(ページビュー)
を突破し
ア州で新工場の建設に着手しました。これは、当社の海外
た国内最大級の電子チラシサイト
「Shufoo!」
は、地図検索
で初めての透明バリアフィルム生産拠点であり、2016年
サイト
「Mapion」
や女性口コミサイト
「ウィメンズパーク」
と
3月の量産開始に向けて、順調に建設を進めています。ま
の提携、株式会社BookLiveによる主婦向けオリジナルコ
た半導体関連では、中国におけるフォトマスク市場の成
ンテンツ
「Shufoo!マンガ」
の無料配信など、
さまざまな新
長に対応するため、上海工場敷地内に約2,000万米ドル
事業のプラットフォームとしての機能を果たすとともに、選
を投資して新工場を建設、本年6月より新たな製造ライン
挙関連や県の広報情報発信といった官公庁における採用
での生産を開始しました。ディスプレイ関連の液晶カラー
が増加するなど、サイト価値がさらに向上しました。このほ
フィルタにおいては、引き続き高精細技術を武器として、
かにも、個別化医療の推進に欠かせない遺伝子解析シス
モバイル向けを中心に国内外の需要の取り込みを図りま
テムの開発など、次世代型技術の早期事業化に向けた取
す。今後も、当社が技術優位性を持つ事業領域を中心に、
り組みを加速しています。
独自の強みを擁するパートナーとのアライアンスの可能
第三の経営課題「グローバルな事業展開の加速」
に関
性も探りつつ、旺盛な海外需要を取り込むための活動を
しては、欧州・米国・中国・ASEANの
「4極」
での事業体制
続けていきます。
基本的な考え方
当 社を取り巻く経 営 環 境
ペーパーメディアは緩やかに
減少、デジタル化の進展
内需は堅調に推移するも、
人口減少と連動し市場は横ばい
「包装革命」
を背景に、
世界的なフィルム需要は増加
3つの経 営 課 題
グループを含めた
構造改革の遂行
2015年3月期
営業利益
409億円
ROE
2.7%
グローバルな
事業展開の加速
新事業・新市場の創出
コスト競争力強化による
強い事業基盤を持った
企業体へ変革
2018年3月期
営業利益
700億円
ROE
5.0%
をめざす
Toppan Annual Report 2015
15
Q
今後の経営方針と重点施策について
聞かせてください。
A
3年間の
「収益性改善フェーズ」
を
通じて、より強い事業基盤を
持った企業体へと
自己変革していきます。
ない事業、すなわち
「非印刷分野」
と
「紙媒体以外の印刷
分野」
の成長です。
「非印刷事業」の代表例としては、マーケティング関連
分野やセキュア関連分野のBPO事業、デジタル分野のメ
ディア事業などがあげられます。これら非印刷事業の売
上は、年率10%以上の高い伸びを示しており、今後もさ
らなる成長が期待できます。
「紙媒体以外の印刷分野」の中では、ICカードの製造
当社をめぐる経営環境は、大きな変化のただ中にありま
や発行システム構築といったセキュア関連分野、また店
す。特に印刷事業は、ペーパーメディアの緩やかな縮小と
頭施策提案型のセールスプロモーションなどが堅調に推
デジタル化の進展により、
ビジネスのあり方自体が転換点
移し、海外での拡販も積極的に進めています。
に差し掛かっています。また、日本経済は足元で堅調に推
国内市場については、社会インフラ関連のビジネスチャ
移しているものの、人口減少社会が到来した今、中長期的
ンスが数多く存在します。例えば、少子高齢化や医療費の
な市場の拡大はあまり期待できません。こうしたなか、
トッ
増大、人々の健康意識の高まりを背景に、ヘルスケア分野
パングループが持続的な成長を実現していくためには、
は巨大な潜在需要を抱えています。また、2020年のオリ
収益性やコスト競争力を不断に高め、より強い事業基盤を
ンピック・パラリンピック開催に向けて、いっそうの社会基
持った企業体へと自己変革していくことが求められます。
盤整備や、外国人観光客の誘致による自治体の
「インバウ
当社では今後3年間を
「収益性改善フェーズ」
と位置づ
ンド振興」
などの取り組みが加速すると考えられます。
け、2016年3月期の連結業績は、売上高1兆5,360億円
なかでも注目されるのが 、マイナンバー制度です。本
(当期比0.6%増)、営業利益475億円(同16.2%増)、当
年10月に個人番号が通知され、2016年からは個人番
期純利益230億円
(同0.6%増)
を見込んでいます。また、
号カードの交付が 始まります。カード発行やコールセン
フェーズ最終年度の2018年3月期には営業利益700億
ター関連の需要に加えて、民間企業や金融機関における
円・自己資本当期純利益率
(ROE)
5%を計画しています。
番号取得事務の支援ビジネスなど、大きな収益機会が
こうした目標を達成するためには、すべての事業分野にわ
見込まれます。当社はセキュリティノウハウをはじめとする
たって、前述の
「3つの経営課題」
に基づく取り組みを加速
「印刷テクノロジー」
を武器に、こうした一連の需要を獲
する必要があります。
得するとともに、さらにその先には、マイナンバーを活用
した新規ビジネスの創出をめざします。
情報コミュニケーション事業分野
「非印刷分野」
と
「紙媒体以外の印刷分野」
を軸に
社会インフラ関連などで一括受注を促進
紙媒体とデジタル媒体、マーケティング 分野とコンテ
16
生活・産業事業分野
世界最高水準のバリア性能を持つ「GLフィルム」
を
軸にグローバルな潜在需要を獲得
ンツ分 野を融 合する独自技 術や、IC Tへの高い対 応 力
バリアフィルム事業に集中的な投資を実施し、海外での
など、グループ 内のさまざまなリソースを組み合わせた
供給体制を強化して生活・産業資材のグローバルな拡販
「トータルソリューション」
を提案し、一括受注を拡大して
を行うことで、関連事業全体で1,000億円の売上をめざ
いきます。その際、重要になるのが、紙媒体の制約を受け
します。またASEAN市場においては、既存のパッケージ事
Toppan Annual Report 2015
社長メッセージ
業のさらなる拡大を図ります。
おり、軽量でCO2削減に有効、透明かつバリア性能に優れ
こうした取り組みの軸になるのが、透明ハイバリアフィ
内容物の長期保存が可能なGLフィルムは、高い評価を獲
ルムのグローバルスタンダード
「GLフィルム」
です。世界最
得しています。
高水準のバリア性能、用途に応じた豊富なバリエーション
こうした需要を取り込むべく、当社ではバリアレベルご
を誇り、45以上の国と地域で、約150社の15,000点以
との製品ラインアップ拡充を図るとともに、医療・医薬品向
上の製品に採用されています。
けや産業資材分野などで高付加価値製品の開発を進め、
包装材の世界的な市場規模はいまや36兆円で、人口増
収益機会をさらに拡大していきます。供給体制の面では、
加や生活水準の向上を背景に、年率4%で成長を続けてい
現在米国ジョージア州に、海外で初めてとなる生産工場
ます。さらに今後、環境対応の観点などから、世界のビン・
の建設を進めています。2016年3月に予定される量産開
缶製品が紙製容器やフィルム包材に代替されるとみられ
始とともに、北米・欧州市場に対する供給能力は大幅に強
ています。将来的に2割が代替されると仮定した場合、そ
化されることになります。
の潜在需要は約1兆2,000億円に上ります。
また、
こうした試みに加え、軟包装事業全体のマザー工
なかでも北米の包装材市場は、7.8兆円と規模が大きい
場と位置づけられる群馬センター工場では、高度FA化や
うえ、ビンや缶の構成比率が3割と高いため、大きな代替
情報の一元管理など生産現場の最先端の課題に取り組
需要が見込まれます。また、グローバルな食品メーカーの
み、その成果を他の工場にも波及させることで、生産効率
間では、環境対応やフードロス削減の取り組みが進行して
や競争力をいっそう向上させていく方針です。
各事業分野の方針と重点事業
方 針
重点事業
紙とデジタルの融合とICT対応力強化
BPO
情報コミュニケーション
により、非印刷事業の拡大を図るととも
事業分野
に、
トータルソリューション力を武器に
生活・産業事業分野
エレクトロニクス事業分野
事業機会を獲得する
×
セキュア
バリアフィルム事業を中心に、生活資
材、産業資材の開発・販売を通して、国
内外の事業拡大を図る
バリアフィルム
×
特印
×
産業資材
構造改革の遂行と、グローバル対応力
の強化により、当社技術力が発揮でき
る分野において利益を確保する
×
ソリューション
FC-BGA
×
タッチパネル
×
オンチップカラーフィルタ
2015年4月よりセグメントを変更しています。
(P.20参照)
Toppan Annual Report 2015
17
エレクトロニクス事業分野
エレクトロニクス分野で既存事業の構造改革を徹底、
「ニッチトップ」
をめざして経営資源を集中
が、当期の前半期までに目標額を達成しました。これらの
余剰資金、ならびに転換社債による調達分800億円のう
ち、約1,000億円を原資として、将来的な利益の源泉と
なる成長分野に積極的な投資を行っていきます。
エレクトロニクス事業分野においては、既存事業の損益
株主還元については、投資家の皆さまへの機動的な利益
改善を徹底し、収益性の低い事業については縮小や転換
還元と、企業としての持続的な成長を両立するため、各期の
も視野に、引き続き大胆な構造改革を推進していきます。
連結業績、配当性向、手元資金の状況、内部留保、今後の投
なかでもカラーフィルタ事業では、工場製造ラインの中小
資計画などを総合的に勘案しながら実施することを基本方
型製品向けへの用途転換や、台湾子会社の全保有株式の
針とします。具体的には、連結配当性向30%以上をめどに、
譲渡など、
さまざまな施策を講じてきました。今後は中小型
配当水準の向上に努めていきます。こうした方針に基づき、
製品の技術力・コスト競争力を強化し、
さらなる収益改善を
2015年3月期の1株当たり配当金は、
中間・期末各9円、
合計
図ります。
またフォトマスク事業では、
アジア市場の深耕によ
年間18円とさせていただきました。2016年3月期も、同じく
る受注拡大をめざす一方、国内および欧米市場については
中間・期末各9円、
合計18円の年間配当を予定しています。
マーケットの規模に見合った体制の構築を推進します。
これに対し、FC-BGA基板、銅フィルムタッチセンサー、
オンチップカラーフィルタなど、今後の成長が見込まれる
事業については、経営資源を集中的に投下します。
トッパ
ン独自の微細加工技術に国内外から吸収したシーズを組
み合わせ、新規事業を早期に立ち上げることで、各分野に
おけるニッチトップの獲得をめざします。
1株当たりの配当金
[円]
25
20
18.00
18.00
18.00
18.00
11年
12年
13年
14年
18.00
15
10
5
Q
財務戦略と株主還元の基本方針に
ついて聞かせてください。
A
安定的なキャッシュバランスを保ちつつ
0
15年
■■ 1株当たり配当金
成長分野への積極的な投資を行います。
株主還元については連結配当性向30%
以上をめどとし、配当水準の向上に
努めていきます。
当社の財務戦略の基本は、安定資金の確保と財務基
盤の不 断の強 化を通じて、より安 定 的な経 営と株 主 還
元を実現し、企業価値および事業価値を高めていくこと
Q
経営における重点課題について方針を
教えてください。
A
営業利益の向上と資本効率の向上により、
2018年3月期のROE 5%達成とともに
最適なガバナンスの仕組みの
構築をめざします。
です。非効率資産の見直しや運転資金の圧縮を通じて、
2017年3月期までに約600億円を確保する計画でした
18
Toppan Annual Report 2015
現在、経営指標としてROEを重視しており、2018年3
社長メッセージ
月期にROE 5%達成をめざします。2015年から2017
析され、互いに組み合わされて、新たなサービスを生み
年は、収益性改善フェーズと位置づけ、前述の通り、事業
出すようになったのです。さらに行政分野でも、マイナン
ごとの市場性や競合優位性の評価に基づき、既存事業
バー制度の導入、電子政府実現への取り組みなど、ビッ
の構造改革を推進するとともに新事業の創出を加速し、
グデータを活用した社会インフラ整備が急速に進んでい
営業利益を引き上げていく計画です。加えて、資産効率
ます。
の向上など、さまざまな施策を遂行することで目標を達
また
「包装」
「エネルギー」
の領域では、環境対応やコス
成します。
ト削減に向けた動きが強まっています。その代表的な例
また、政策保有株式については、取引関係や事業連携
として、フードロス問題があげられます。フードロスとは、
の強化に寄与するという観点から保有しており、継続保
世界中で生産された食料の約3分の1が、実際に人々の
有にあたっては、その保有合理性を定期的に検討してい
口に入ることなく、消費されずに失われているという問
ます。経営体制に関しては、独立社外取締役の設置によ
題です。そもそも、食料の生産から消費にいたるまでに
る監督機能の強化など、当社に最適な仕組みの検討を
は、大量の自然資源が使われています。資源の有効活用
進めています。さらに、多様な人々が活躍できる社会構
や環境保護の観点からも、フードロスの削減は世界的に
築の重要性が高まるなか、ダイバーシティへの取り組み
重要な課題となっています。
を進め、
「 人財」
の活用やさらなる活性化を図っています。
こうしたテーマに当社はいち早く向き合い、事業活動
これらの取り組みを通じて、持続的な成長と中長期的
を通じて、さまざまな取り組みを進めてきました。
トッパ
な企業価値の向上をめざしてまいります。
ン独自の
「印刷テクノロジー」
をさらに進化させることで、
「ビッグデータを活 用した社会インフラ整備 」
「 フードロ
ス削減」
といった課題に、さらに有効な解決策を提示する
Q
経営環境が大きく変化するなか、
どのように持続的な成長を実現して
いきますか?
をさらに進化させ、
A 「印刷テクノロジー」
新たな領域に挑戦することで、
変化をチャンスに変えていきます。
ビジネスモデルの可能性が開けてくるのです。
トッパングループは、時代の変化をビジネスチャンスと
捉え、それに柔軟に対応することで、成長を続けてきまし
た。数えきれないほど多くの製品・サービスを取り扱い、
国内外の幅広い顧客基盤、そしてグループ 内の多彩な
リソースを有する当社は、
「 変化をチャンスに変える」
うえ
で最も有利な立場にあります。変化を恐れない精神こそ
が、新たな価値創造の原動力であり、
トッパンをより強い
私たちを取り巻く社 会は、今 、めまぐるしく変 化して
事業基盤を備えた企業体に変革していくのです。
います。特に当社の事業環境においては、
「 情報」
「 包装」
私たちはこれからも、常に新たな領域に全速前進し、
「エネルギー」の各領域で、まさに革命的というべき変化
が進行中です。こうした変化は、チャレンジにより大きく
進化する
「印刷テクノロジー」
とともに、グループ一丸と
なって挑戦を続けていきます。
飛躍するチャンスでもあります。
「 情 報 革 命 」に関しては、近 年 の 顕 著なトピックスと
して、デジタル化や情報端末の多様化とともに、ビッグ
データの活用があげられます。膨大な量の音声や映像、
テキストなどのデータが 、ICTの進歩によって瞬時に分
Toppan Annual Report 2015
19
事業分野別
重点戦略
当社は2015年4月、経営戦略をより効果的な体制で推進するため、
セグメントの変更を実施しました。
マテリアルソリューション事業本部から高機能・エネルギー関連、建装材関連を移管し、
パッケージ関連と合わせて「生活・産業事業本部」としています。
一方、半導体関連やディスプレイ関連は「エレクトロニクス事業本部」が統括し、
構造改革と新商材開発を加速していきます。
ここでは、各事業分野別に取り組む重点戦略について詳しくご紹介します。
セグメント変更について
2015年3月末まで
情報コミュニケーション事業分野
情報・ネットワーク系事業
2015年4月から
セキュア関連
証券
・カード関連
セキュア関連
マーケティング関連
商業印刷関連
ビジネスフォーム関連
コンテンツ関連
出版印刷関連
情報コミュニケーション事業分野
ビジネスフォーム関連
生活環境事業分野
パッケージ関連
生活環境系事業
ディスプレイ関連
高機能部材関連
マテリアルソリューション事業分野
エレクトロニクス系事業
半導体関連
建装材関連
高機能
ディスプレイ関連
・エネルギー関連
建装材関連
半導体関連
マーケティング関連
コンテンツ関連
パッケージ関連
生活・産業事業分野
エレクトロニクス事業分野
高機能・エネルギー関連
建装材関連
ディスプレイ関連
半導体関連
CONTENTS
情報コミュニケーション事業分野
生活・産業事業分野
21 情報コミュニケーション事業分野の全体戦略
28 重点戦略01:バリアフィルム事業の推進
22 重点戦略01:セキュアビジネスの展開
23 重点戦略02:紙媒体とデジタル媒体の活用
24 重点戦略03:トッパンの店頭ソリューション
26 重点戦略04:教育ICT事業の推進
20
Toppan Annual Report 2015
31 重点戦略02:快適な生活空間を提供する建装材事業
エレクトロニクス事業分野
32 重点戦略:グローバルな「ニッチトップ」
をめざす新規事業
情報コミュニケーション事業分野の
全体戦略
情 報コミュニケーション事業分野において、
非 印 刷 事 業は年10%以上の伸びを示しており、今 後もさらなる拡 大が 期 待できます。
今 後は、紙とデジタルの融合とIC T対 応 力 強 化により、
紙に限 定されない幅広い分野において「 非 印 刷 事 業 」の拡 大を図るとともに、
トータルソリューションを武器に事業機 会を獲 得していきます。
紙とデジタルの融合とICT対応力強化により、非印刷事業の拡大を
図るとともに、
トータルソリューション力を武器に事業機会を獲得する
マーケティング+コンテンツ
●
●
●
セキュア
基盤強化
両分野の融合による新ビジネスの創出
BPO事業のいっそうの拡大
社会インフラとしての事業確立
●
グローバル展開の加速
●
ICT対応力強化
●
拠点集約、最新設備導入による効率・収率アップ
■トータルソリューション
当社の強みのひとつに、約2万5千社にわたる幅
こうしたなか、
トッパンは、企画や制作、分析や運用
広い顧客基盤があり、当社の安定的な収益基盤に
などの専門的な機能を幅広く有しており、各分野
もなっています。現在、
これらの企業においてマー
のプロフェッショナルな人財や、システム構築力、
ケティング・コミュニケーションのあり方が、紙媒体
経験により培ったノウハウなど、それぞれの機能を
に加え、データベースの活用やWebサイトを組み
有機的に結びつけることで、得意先の課題解決に
合わせるなど、非常に多様化・複合化しています。
向けた最適解をご提案することができます。
従来のビジネスモデルの上に、コンテンツ関連サービス、システム構築・運用、
BPO等のサービスを加えることで、新たな収益モデルを構築
幅広い顧客基盤
ニーズ
コンサルティング・
プランニング
商 品・サービス情 報
リサーチ・分析
商品企画・開発
ツール制作
プロモーション企画
次世代店頭開発
プラットフォームへ
落とし込み
コンテンツ管理
ビジュアル・シミュレーション
資材受発注管理
コンテンツ制作・配信
人 財
営業
マーケティング
IT
クリエイティブ
企画
フィールド支援・
バックオフィス
運 用ノウハウ
BPOセンター
コールセンター
ICT
システム構 築
●
●
●
●
●
●
製造
Toppan Annual Report 2015
21
01
情 報 コミュニケーション 事 業 分 野 の 重 点 戦 略
セキュアビジネスの展開
最先端の偽造防止技術と情報管理技術によって、
ICカードや各種証券類の企画設計・製造・発行をはじめ、
業務委託ビジネスなど、さまざまな高付加価値ソリューションを提供することで、
時代のニーズに合った情報管理をトータルに支援しています。
トッパンのセキュアノウハウ
したインフラ整備関連」、
「 周知徹底のための広報ツール
制作」
などの広報関連業務などの需要が期待できます。
情報セキュリティ需要の拡大・高度化がグローバル規
トッパンはこれらの需要への対応を通じ、社会基盤の整
模で加速するなか、安心・安全なコミュニケーションを実
備・強化に貢献していきます。
現するセキュアなサービス提供やインフラ構築へのニー
2016年からは個人番号カードの交付が始まり、これ
ズが高まっています。こうした状況のなか、
トッパンは、高
に伴い「民間企業や金融機関における番号取得事務へ
度なセキュリティ技術をベースとした媒体の提供や、関連
の支援業務」が発生します。金融機関の場合、従業員に
機器およびシステムの開発により、総合的なソリューショ
加え顧客の個人番号の収集も必須とされているため、大
ンを提供しています。
きな需要が 見込まれています。この分野においては、セ
ICソリューションビジネスでは、多機能型ICカードを核
キュアBPOで培ったノウハウが最大限に発揮できます。
に、店頭即時発行サービスや電子決済サービスなど、顧
さらに、その先には、
マイナンバーという共通IDを核とし
客の利便性を高める新たな事業を展開しています。
て、健康・医療分野やエネルギー分野をはじめとする幅広い
さらに、公共・金融系を中心に、セキュアな環境での
「総
分野において、新しいビジネスが発生すると期待されていま
合BPOサービス」
に対するニーズが拡大するなか、
トッパン
す。
トッパンは、
「印刷テクノロジー」
で培った セキュリティノ
は、業務の本質に照らしてプロセスを再構築することで、高
ウハウとトータルソリューションを結集して、新たなサービス
度化・効率化を実現しています。また、グループ・データセン
やビジネスの創出に積極的に取り組んでいきます。
ターをはじめとする拠点の活用や、さまざまな案件を通じ
て培った運用ノウハウを駆使した総合的な提案により、公
マイナンバー制度関連需要
海外においては、交通向け非接触カードのラインアッ
プ強化や社会基盤に資するセキュア商材の拡販、ホログ
~
共案件をはじめとする各種業務の受託に注力しています。
2016年
ラムなどを活用した偽造・模倣品対策サポートなどを通
じて、セキュア事業のさらなる拡大をめざしています。
●
●
法律施行に伴い発生する
国内インフラ整備・製造業務の対応
通知カード製造および
発行業務
カード製造業務
●
カード発行業務
●
コールセンター業務
●
広報業務
マイナンバー制度関連需要の取り込み
2016年
ナンバー制度導入に伴う需要に対しても積極的にアプ
2017年
~
トッパンは、
トータルソリューションを強みとして、マイ
ローチしています。
マイナンバー関連の導入においては、本年10月に個
人番号の通知が開始される予定です。本年は、これらに
伴う
「カード製造・発行業務」
や
「コールセンターを中心と
22
Toppan Annual Report 2015
2018年
以降
法律施行に伴い発生する
民間企業や金融機関における
番号取得事務への支援業務
法律施行によって拡がる
マイナンバーを活用した新しく発生する
ビジネスに向けた取り組み
02
事業分野別重点戦略
紙 媒 体とデジタル媒 体の活 用
トッパンは100年以上にわたる印刷事業の歴史を通じて、
「コンテンツの価値」の最大化に注力してきました。
その情報加工技術とマーケティングのノウハウは、紙とデジタルのハイブリッドな制作体制をはじめ、
デジタルコンテンツ・マーケティング事業の展開、AR(Augmented Reality)やVR(Virtual Reality)を
ベースとした新たな表現の開発・活用などに受け継がれています。
紙・デジタルのハイブリッドな制作体制
研究・開発しています。
ARとは、
「 拡張現実」
と呼ばれる技術の総称で、従来に
トッパンは1 9 7 0 年に日本の印 刷 会 社で初めてコン
ない体感を生み出す手法として注目されています。高精
ピュータ組版システム
(CTS)
を導入するなど、業界に先駆
度バーチャルフィッティングシステムを活用し、アパレル・
けて制作業務の電子化を推進してきました。圧倒的なス
流通業界向けに試着シミュレーションを提供しているの
ピードと安定した品質を武器に、出版社などに対し多面的
はその一例です。また、
トッパンは、文化財の高精細なデ
なサポートを行ってきました。こうした経験で培った情報加
ジタル保存に取り組んでいますが、保存したデータの公
工技術は、
「コンテンツファクトリー」
に受け継がれています。
開手法として開発した
「トッパンVR」
は、圧倒的な臨場感
コンテンツファクトリーは、紙媒体・デジタル媒体のコン
と没入感のある仮想体験として高い評価を得ています。
テンツを同時並行で制作できるラインで、通常の印刷や
デジタル文化財の新たな価値の創造とともに、一般公開
オンデマンド印刷に加え主要な電子書籍フォーマットをカ
が困難な施設の
「バーチャル見学システム」
などにも活用
バー。初めから紙・デジタル双方への展開を想定し、マス
されています。
ターデータとして生成したXMLから各媒体向けの出力用
トッパンは、これからも、紙も含めたあらゆる表現手段
加工を行うことで、納期の大幅短縮を実現しました。
を取り入れ、最適なデバイスにより訴求力の高い新しい
コンテンツを提供することで、企業と生活者のよりよいコ
「デジタルコンテンツ・マーケティング事業」
の推進
出版業界のプロフェッショナルによって作られた雑誌
記 事は、その一つひとつが 信 頼 性の高いコンテンツで
す。現在、
トッパンは雑誌を記事単位で管理できるデータ
ベースシステムの開発に着手、ワンソース・マルチユース
をコンセプトに、バックナンバーも含む良質なコンテンツ
を、何度でも利活用できる仕組みを構築しています。
また、コンテンツの流通から得られたデータは、読者の
嗜好を反映した貴重なビッグデータのひとつであると捉
え、このデータを活用して一般企業に対して新たな商品
開発やサービスのアイデアを提案するデジタルコンテン
ツ・マーケティング事業を積極的に推進していきます。
新たな表現によるコミュニケーションサポート
ミュニケーションをサポートしていきます。
雑誌コンテンツのマルチユース展開
コンテンツホルダー
原本
テキスト
DTP
PDF
トッパンが 提 供する情 報 加 工
印刷・加工
電子書店
データベース
システム
構造化処理
スマートフォン キュレーション
タブレット
マガジン
SNS
PC
新しい
コンテンツ
配信のかたち
マスターデータ生 成
「トッパンX ML 」
出力用加工
その他
サイネージ
トッパンは、ARをはじめ、VRなどの新しい表現技術を
Toppan Annual Report 2015
23
03
情 報 コミュニケーション 事 業 分 野 の 重 点 戦 略
トッパンの店 頭ソリューション
トッパンは1961年に得意先にマーケティング提案を行う「サービスセンター」を設立して以来、
「より効果的な店頭コミュニケーション」を創造し続けてきました。
生活者の意識や購買行動が目まぐるしく変化する現代、マーケティング、IT、クリエイティブの各領域のノウハウを結集し、
トータルソリューションを提供することで、得意先の店頭課題を解決しています。
「店頭企画・マーケティング力」
×
「店頭モノづくり力」
めることで、高いコスト競争力を獲得しています。スピード
面においては、専門営業・企画・生産管理からなるユニット
トッパンの店頭ソリューションにおける第一の強みは、
「店
チームを案件ごとに編成し、現場のニーズへのスピーディ
頭企画・マーケティング力」
です。
な対応に結びつけています。品質面においては、企画・設計
たとえば、消費行動研究室では、グループインタビュー
段階からデザインレビューによる事前検証を徹底。加えて、
やWebアンケートといったリサーチに基づき、幅広い分析・
ISO9001に準拠したトッパン独自の品質管理基準に基づ
提案を実施しています。また、
「ショップサイエンス・ラボ」
で
き、サプライヤーの選定と定期的監査を実施するとともに、
は、
トッパンが長年培ったPOPやパッケージ・店舗・空間など
品質管理担当者が現地に巡回して最終製品検査を行って
のクリエイティブノウハウに、
アイトラッカーをはじめとする
います。
データの
「科学性」
を加え、
より効果的なシナリオを構築しま
す。加えて、デジタルサイネージなども活用した店頭ツール
安売りに頼らない店舗売上向上へ
の設計・開発においては、実際の店頭状況を把握したうえ
で、
ワンストップでの対応を実現しています。
多業態の流通企業が同じ商圏の中で競合する
「オーバー
第二の強みは、
コスト・スピード・品質のすべての面で妥協
ストア化」
が加速するなか、単なるポイント制度や特典の付
を排した
「店頭モノづくり力」
です。
与だけでは、顧客の囲い込みが難しくなっています。より効
コスト面においては、設計と生産を分離し、設計工程を
果的な集客・販促施策の実施に不可欠なのは、消費者の購
内製化するとともに、パーツ別に最適なサプライヤーを入
買行動に関する包括的なデータです。それらのデータから
札方式で選定。さらに、国内・海外で生産地の最適化を進
一人ひとりの潜在ニーズを分析し、その先の
「非計画購買」
SP
(セールスプロモーション)
専門の
ユニットチームによるスピード対応
お 客 さま
店頭企画・マーケティング力
マーケティングリサーチ
ブランディング
商品企画
O2O
SP
BPO
CRM
SPを熟知した専門営業、企画、生産管理の
ユニットチームにより、
お客さまの課題を迅速に解決
企画
店頭モノづくり力
パッケージ
カタログ
POP
什器
SD
企画・設計・デザイン
印刷
テクノロジー
24
Toppan Annual Report 2015
サイネージ
Web
お客さま
SP専門営業
生産管理
事業分野別重点戦略
を促進することで、初めて、安売りに頼らない店舗売上の向
ケティング・プラットフォームは、現金や電子マネーによる決
上が可能になります。
済、
その他関連サービスを一元化。消費者の快適なショッピ
トッパンは、
こうした
「個別化された買い物体験」
の創造に
ングを支援する一方、企業側にとっては、一連のマーケティ
向けて、集客から販促、購入・決済までをカバーする幅広い
ングプロセスがすべて集約されることで、より機動的な販
マーケティングサービスを提供しています。
促活動やCRM施策が可能になります。
■販促メディアプラットフォーム
■データマネジメント・プラットフォーム
「Shufoo!」
の枠組みを活用し、当社の得意先企業が自社
「買い物DNA」
は、買い物の
「動機」
やその背景となる
「価
専用の電子チラシを配信できる
「Shufoo!アプリASPサービ
値観」
に注目し、消費者をいくつかのグループに分類。顧客
ス」
を提供しています。企業が独自に電子チラシアプリを開
ニーズを先読みしたうえで、分析スタッフの構築したシナリ
発する場合に比べて、費用は約10分の1。エリアだけでな
オに沿って、最適な商品を最適なコミュニケーションによっ
く、時間帯やターゲット特性なども踏まえた、よりきめ細か
て提案し、新たな非計画購買を促進するアプローチです。
な販促施策が求められるなか、顧客ID別のセグメント化も
可能な集客メディア
「Shufoo!」
は、
さらなる進化を続けてい
ます。
インバウンド需要の取り込み
政府の観光立国政策や折からの円安、消費税免税制度
■オムニチャネル支援プラットフォーム
の改正を受けて、日本を訪れる外国人は年々増え続けてい
電子チラシ・カタログ 上の商品情報や画像データ、そ
ます。2013年には1,000万人を突破、2020年の2,000
してユーザーのアクセスログなどを、マーケティングデー
万人到達に向けて、官民を挙げた取り組みが進められてお
タとして一 元 管 理 。デ ジタルサイネージなどの 店 頭メ
り、こうした観光客を対象とする
「インバウンド関連事業」
ディアとも効果的に連携することで、消費者との接点の
に注目が集まっています。
トッパンはこうした事業を展開
多様化を図ります。
する得意先を支援するため、
「 来店」
「 店内回遊・商品選定」
「購入」の三つのフェーズで、さまざまな商品・サービスを
■決済マーケティング・プラットフォーム
提供しています。
また、世界に日本の食文化を発信するサイ
ポイント制度の囲い込み効果が薄れるなか、
「 決済」
は、
ト
『SHUN GATE』の開設や、一般社団法人ジャパンショッ
マーケティングの新たな有力な武器となります。スマート
ピングツーリズム協会
(JSTO)
との連携など、
わが国のブラ
フォン用の
「お買い物アプリ」
を活用したトッパンの決済マー
ンド力向上に向けて、多面的な活動を推進しています。
次世代決済マーケティング・プラットフォーム
Shufoo!アプリASPサービス
会員証
現金支払い
ポイント
クーポン
会員情報を
一元管理
●
電子決済
ポイント
●
会員情報
●
販促機能
会員限定で集客
店舗別に集客
本部施策で集客
会員DBとの連携
ミニチラ
WEBチラシ
電子マネーで
財布を把握
販促施策を
最適化
Toppan Annual Report 2015
25
04
情 報 コミュニケーション 事 業 分 野 の 重 点 戦 略
教 育 I CT 事 業の推 進
トッパンは企 業 活動を通じて学校教育の充実を図り、日本を支える人 財の育 成を支 援しています。
先 進 的なICTソリューションと、グループ 企業の東 京 書 籍( 株 )のコンテンツ開 発 力を結びつけることで、
子どもたちの自信を育み、
「努力する力」を養う学 習サポートシステムを提 供 。
学 校と家 庭をつなぎ 、自ら目標を立て苦手に取り組む児 童を応 援していきます。
性を広げることが大きな課題となっています。
教育の情報化とICTの役割
トッパンはこれまで、21世紀にふさわしい学びの場の
今 、学 校 教 育 の 場では、狭 義 の 学 力 向 上にとどまら
実現に向けて、さまざまな取り組みを続けてきました。転
ず 、子どもたちが 将 来 、社 会で 生きていくのに必 要な
機となったのは、2013年春に稼働した、佐賀県全域の
「 情 報 活 用 能 力 」の 養 成 が 求 められています 。また 一
小・中・高校をカバーする教育情報システム
「SEINet」の
方では、教 師 が 多 岐にわたる学 校 業 務に追 われ、忙し
開発です。この取り組みを踏まえ、2014年8月に
「教育
すぎることが 問 題 視されています。この 双 方 の 課 題に
ICT事業開発本部」
を発足。システムの開発・提供と利用
応えるのが 、タブレット端 末 や 電 子 黒 板を活 用した情
促進を全社一丸で推進する体制を確立しました。
報 教 育の推 進と、最 新のシステム導 入による校 務の効
率化、すなわち教育におけるICT(Information and
Communication Technology)
の活用です。
トッパングループの総合力
一般に、小学校3、4年生までの勉強でつまずくと、子
一方、
トッパングループには、東京書籍(株)
をはじめ、
どもはその後の学習意欲を持てなくなる可能性が高いと
学校図書(株)、
( 株)
フレーベル館といった、さまざまな
されています。塾か通信教育か自宅学習か、子どもたち
教育出版部門があります。なかでも東京書籍は、わが国
が勉強のつまずきをどのように乗り越えるかは環境に大
最 大の教 科 書 会 社であり、教 育コンテンツの開 発にお
きく左右されるものです。そして、諦めずに最後までやり
いて深い知見を有しています。また、平成27年度版「小
抜く経験をしたかどうかが、将来の学歴やキャリアにまで
学校デジタル教科書」などに見られるように、デジタル
影響しかねないとも言われています。こうした状況を背
教材の開発力も傑出しています。
トッパンは、こうしたグ
景に、今、教育のICT化によるメリットの検証と、その可能
ループの強みを活かし、児童・生徒一人ひとりに最適な
学習支援システム
「やるKey」の概念(図1)
提供機能
動機付け
「習熟度管理」機能
内発的刺激
「レコメンド」機能
「目標管理」機能
教科書単元準拠 デジタルドリル
「学習履歴管理」機能
26
Toppan Annual Report 2015
成長実感
解らなかったことが
解るようになる喜び
子 どもの2つ の 力
達成感
努 力 する力
自分で立てた目標を
達成できた喜び
外発的刺激
先生・保護者からの承認
認められた喜び
学 力
事業分野別重点戦略
学習環境を提供するLMS(Learning Management
中室准教授も、成長実感や達成感を通じて努力する力
System)
の開発を進めています。
を育むことは大切であると指摘しています。幼少期に得
たその力は、長期にわたって持続するような効果があり、
その後の人生においても、成功する源になりうる力なの
やる気の扉を開ける学習支援システム
「やるKey」
です。
(「学力の経済学」ディスカヴァー・トゥエンティワン
より)
こうした流れのなかで、
トッパンはこれからの世の中を
学校と家庭をICTでつなぎ、両者が一体となって子ど
生き抜くための基礎となる
「努力する力」
を磨く、新たな
もの学習過程を見守ること、そして子どもの学力の土台
取り組みを始めました。それが、新しい学習応援システム
となる、
「 努力する力」
の芽を見つけ、それを育んでいくこ
と。これは、児童・生徒や先生のみならず、保護者、学校、
「やるKey」
です
(図1)。
「やるKey」は、タブレットと電子教材を用い、児童・生
ひいては市民の教育の質を高めたい地方自治体、未来
徒一人ひとりの理解度に合わせて課題を提供する
「レコ
の日本にとって、大きな意義があると言えるでしょう。
メンド」機能、児童・生徒が今取り組んでいる問題に対し
て、自分の目標を予め設定しておく
「目標管理」機能を備
校務支援システム
「マナレコ」
えています。さらに、解答の正誤だけでなく、取り組んだ
問題数や学習時間などの結果をすべてデータベースに
一方、
トッパンは校務支援システム
「マナレコ」
も提供し
蓄積し、グラフや図表で可視化することで、先生はより適
ています。自治体単位で小中学校の教職員・学習者情報
切な指導を行うことができます
(図2)。これらの機能を総
を一元管理する同システムは、帳票作成自動化など、自
合的に活用することにより、児童自身の「やる気」
を引き
治体および学校経営視点からの業務平準化機能を備え
出すことを可能にしているのです。
ています。これにより、各種申請、保護者との連絡事項の
本年5月には、茨城県古河市、東京都福生市、慶應義
確認、教育委員会への報告書提出など、授業以外の校務
塾大学の教育経済学を専門とする中室牧子准教授と共
が効率化できます。
同で、小学生の個別学習についての実証研究をスタート
さらに、児童・生徒の成績、出欠席などの情報を蓄積
させました。これは、タブレット端末を児童が持ち帰り、家
し、学校間・職員間でのデータ連携が可能なため、子ども
庭学習に利用することで、学習の進捗状況と家庭での学
の軌跡に合わせた細やかな教育指導をサポートします。
習履歴を、システム上で
「見える化」
するというもの。これ
今後もトッパンは、最先端の印刷テクノロジーを駆使
らの情報は教室での先生の指導に活かされ、子どもの達
して、
“ 学びの場”
を支援するさまざまなサービスを提供
成感の醸成に役立ちます。
していきます。
利用イメージ(図2)
●
●
教科書単元順に並んだデジタルドリル
1ボタンで教材指示できる画面設計
子どもに意図が伝わる
授業と関連した宿題出し
忙しい先生が、授業中でも
簡単に子どもに教材を
提供できる
学校
先生
休み時間や昼休みの
隙間時間で子どもへ
的確な
「褒め」
「励まし」
を
●
クラウドによる
学習履歴/教材の
一括管理
●
先生のいない家庭でも、
独力で少しでも学習を
進めることができる
家庭
保護者
●
●
目標管理機能
頑張り応援機能
やる気を引き出す
子ども
子ども自身の振り返り
だけでなく保護者が声がけ、
手助けをしやすくなる
家庭学習の
見える化
家庭学習の履歴管理機能
つまずきに応じた教材レコメンド
●
習熟度管理機能
「 努 力 する 力 」の 育 成
Toppan Annual Report 2015
27
01
生 活・産 業 事 業 分 野 の 重 点 戦 略
バリアフィルム事 業の推 進
トッパンは、さまざまな包装資材の企画・開発・製 造まで、総 合 的なパッケージソリューションを提 供しています。
そのひとつであるバリアフィルムは、国内外の「 食 品の安 全・安 心 」や「 環 境 」に対するニーズに応えた
高 付 加 価 値 商 材として、今後のさらなる成長が 期 待されています。
内容物を湿気・乾燥・酸化から守り、品質を長期間保つこと
戦略商品「GL BARRIER」の優位性
を可能にしました。
また、
これに加え、透明性により内容物を
酸素や水蒸気などのガスを遮断することで、内容物の
外から視認できる安心感や商品の魅力が訴求しやすいとい
変質・劣化を防ぐバリアフィルム。なかでも、透明バリア
う利点も併せ持っています。
フィルム、特に透明蒸着フィルムと呼ばれるタイプは、脱
さらに、塩素系樹脂を使用していないため焼却時に塩
アルミ、ビン・缶からの代替需要に対する切り札として、世
素系ガスを排出しない、ビンや缶よりはるかに軽量で輸送
界的に脚光を浴びています。
トッパンの透明バリアフィル
時CO 2の削減に寄与するなど、環境負荷の低減にも貢献
ム
「GL BARRIER」
は、
この透明蒸着フィルム市場のトップ
しています。
ブランドとして、高い評価を得ています。
世界45以上の国と地域で、約150社、15,000点以上
GL BARRIERは、独自の蒸着加工技術によって世界最高
の製品に採用されているGL BARRIERは、
トッパンの表面
水準のバリア性能を実現しています。アルミ箔に匹敵する高
加工技術を結集した戦略商品なのです。
い酸素バリア性、水蒸気バリア性を備えており、食品などの
GL BARRIERの構造
GL BARRIERの特長
GL BARRIER
訴求効果
安全性
透明なので中身を見せて
金属探知機が使える
商品をアピールできる
環境適性
バリアコート層
無機蒸着バリア層
塩素系ガスを排出しないで
サーマルリサイクルできる
基材透明フィルム
透明バリアフィルム
GL BARRIER
利便性
食品包材としてそのまま電
子レンジ調理ができる
安心感
保存性
温湿度の影響が小さく安
高 バリア性 能 が 湿 気 、酸
定したバリア性を発揮する
化、乾燥から製品を守る
多様なバリエーションを展開するGL BARRIER
PRIME BARRIERⓇ
卓越したバリア性やレトルト臭気低減効果な
ど優れた機能性を付加した高機能バリアフィ
ルムです。
28
Toppan Annual Report 2015
GL FILM
優れた酸素・水蒸気バリア性を有し、消費財
から産業資材まで幅広い用途に適したスタ
ンダードバリアフィルムです。
FRESHLIGHTⓇ
高温高湿度下でも酸素バリア性を保持する
ことができる、主に菓子などの軽包装に適し
たバリアフィルムです。
事業分野別重点戦略
バリアフィルムの市場環境
が存在します。これらの解決に向けて、世界の包装材市場
では今、
「 包装革命」
と呼ぶべき構造転換が進行していま
近年、欧米などでは、環境対応やユニバーサルデザイ
す。
トッパンは、こうした変化から生まれるニーズに応え、
ンの潮流を背景に、紙製容器やフィルム包材を採用する
グローバルな成長を実現していきます。
動きが 進んでいます。現在、世界のビン・缶製品の市場
規模は約6兆円と推定されていますが、将来的にそのう
■地域別・製品タイプ別戦略
ちの2割が 代替されると仮定した場合、潜在需要は約1
トッパンは、バリアフィルム事業およびコンバーティング
兆2,000億円に上ります。
(バリアフィルムの二次加工品)事業を
「バリアフィルム関
特に注目されるのが、北米地域です。包装材全体の市
連事業」
として、地域別・製品タイプ別の戦略を展開してい
場規模が約7.8兆円あるうえ、ビンや缶の構成比率が高
きます。
いことから、大きな代替需要が見込まれます。加えて、輸送
国内においては、
フィルム事業ではグループ内連携による
距離が長いこの地域では、軽量でコンパクトなフィルム包
販路拡大、
コンバーティング事業では新製品投入および産業
材の採用は、輸送時の環境負荷と物流コストの両面で、大
資材分野の開拓に注力します。北米においては、
フィルム事
きな改善をもたらすと期待されています。
業では供給体制構築と新市場開拓を推進します。
また、欧州
や中国・ASEAN地域では、既存事業の強化による業容拡大
バリアフィルム事業の全体戦略
をめざします。
このような取り組みにより、バリアフィルム関連事業の
私たちの社会は、地球規模の取り組みを必要とする、多
拡大を図り、2019年3月期に売上高1,000億円の達成を
くの課題を抱えています。パッケージ業界をめぐっても、環
めざします。
境保全、高齢化への対応、
フードロスの低減といった課題
バリアフィルム事 業
幅広い製品に活用される
「GL BARRIER」
国内
グループ内連携による販路拡大
海外
米国
新たな製造拠点の構築と新市場開拓
欧州
既存事業拡大
ASEAN
中国
既存拠点をベースに軟包材事業拡大
カートカン事業の早期立ち上げ・産業資材の拡販
フードロス問題の解決に向けて
賞味期限切れや食べ残しなど、本来食べられたはずの食品
え続けているのです。
が人の口に入らずに廃棄される
「フードロス」
は、年間約13億
いかに食品を捨てず、無駄なく使い切るか。フードロス問題
トン。世界の食料生産量の実に3分の1に相当します。日本国
の解決
(セーブフード)
は、現在、社会的にも重要な課題として
内でも年間500~800万トンのフードロスが発生し、農林水
認識されています。
産省が対策に乗り出しています。新興国の人口増加や生活
内容物の品質を長期間保つことができる、
トッパンのGL
水準向上などを背景に、世界的に食料需給が逼迫するなか、
BARRIERは、
このようなフードロス問題の解決にも貢献して
その裏側では、
「ただ捨てられるためにつくられる食料」
が増
いきます。
Toppan Annual Report 2015
29
生 活・産 業 事 業 分 野 の 重 点 戦 略
これらの包材には、透明性や高度のバリア性に加え、
重点戦略
シール強度、耐屈曲性、熱殺菌時の耐熱性など、さまざま
■ラインアップの戦略的拡充
な性能が要求されます。
「 PRIME BARRIER Ⓡ レトルトグ
透 明バリアフィルムには、バリア性に従ってさまざま
レード」
は、屈曲性により優れ、熱殺菌後の酸素ガスバリ
なグレードが あり、用 途 ごとに要 求される性 能は異な
ア性が従来比約2倍となるなど、医療用ソフトバッグとし
ります。
トッパンは、
「 PRIME BARRIER 「
」 GL FILM」
て理想的な機能性を実現しました。
Ⓡ
「FRESHLIGHT Ⓡ 」の3つのブランドのもと、さまざまな
トッパンはこれを足がかりに、
「 PRIME BARRIER Ⓡ 」
の
グレードの製品を展開しています。今後はこうした幅広
ラインアップ拡充とともに、
レトルト・医療医薬、そして断
いラインアップの拡充により、要求性能の異なる多様な
熱材・ディスプレイといった産業資材分野の開拓に注力
市場ニーズに応えることで需要の獲得をめざします。
していきます。
ミドルバリアでは、一 般 食 品やトイレタリーなど既 存
マーケットの深耕を図るとともに、ローバリアでは、新ブ
ランド
「FRESHLIGHT Ⓡ 」
を軸に、軽包装市場でのシェア
獲得をめざします。一方、ハイ~超ハイバリアでは、
レトル
トや医療医薬、産業資材などで新分野開拓を図るととも
に、複合容器の提案力強化によって、ビン・缶からの代替
医療医薬品包材向け
精密機器、電子部品等の輸送用梱包材向け
需要の獲得をめざします。
■グローバル供給体制の構築
■高付加価値品の獲得
こうした開発・販売戦略を支える供給体制も、着実に整備
医療医薬や産業資材といった高付加価値品には、他の
が進んでいます。国内においては福岡工場、深谷工場を中心
分野以上に高度なバリア性能が要求されます。
トッパンは、
に、
また、
米国においては、
顧客や材料メーカーが東海岸に集
「PRIME BARRIER 」
を切り口に、
これらハイ~超ハイバリ
中していることを踏まえ、
ジョージア州に工場を建設中です。
ア領域で新たな需要を開拓していきます。2012年にはそ
2016年3月の量産開始をめざしており、
この拠点を核に、
北米
の第一弾として、熱殺菌後の酸素ガスバリア性が世界一の
と欧州に向けた高品質製品の供給を強化していく計画です。
Ⓡ
また本年6月には、現地法人のTOPPAN USA, INC.
「PRIME BARRIER レトルトグレード」
を発売しました。
Ⓡ
ヘルスケア関連の中でも、流動食や点滴用輸液の市
がシカゴに新事務所を開設、本格的な販売活動をスター
場は国内外で堅調な伸びをみせており、また、点滴用輸
トさせました。同事務所を米国での販売活動の拠点と位
液 包 材においては、軽 量で安 全なフィルム包 材(ソフト
置づけ、ジョージア州の新工場とも連携しつつ、米国・中
バッグ)
への代替が進んでいくと期待できます。
南米市場の拡大に取り組んでいきます。
ラインアップごとの戦略
高
超バリア
● 産業資材
(ディスプレイ部材等)
ビン・缶置き換え
● アルミレスニーズの
取り込み
● レトルト拡大
● 医療医薬拡大
●
バリアレベル
ハイバリア
一般食品
ミドルバリア ●
トイレタリー
●
低
30
ローバリア
グローバル供給体制
●
軽包装市場獲得
Toppan Annual Report 2015
高付加
価値品の
獲得
現市場の
深耕
市場拡充
ジョージア州に
新工場
EUROPE
AFRICA
NORTH
AMERICA
(2016年3月竣工予定)
ASIA
ASEAN
福岡工場、
深谷工場の
2拠点で生産
LATIN AMERICA
AND
THE CARIBBEAN
02
事業分野別重点戦略
快適な生活空間を提供する建装材事業
トッパンの建 装 材事業は、化粧シートや床材、外 装 材など、
高い 機 能とデザイン性を備えた生活空間関連資 材を提 供しています。
建 装 材としての基 本的な性能・意匠とお客さまの多 様なニーズを両 立させ、
環 境に配 慮した快適な空間づくりに貢献しています。
生活者・施工者の多様なニーズを実現
待しにくいなか、グローバル展開の加速とともに、国内市
場では高い製品力や生活空間全体への提案力を武器に、
天井や壁紙、フローリング材から、建物の外装材まで、
いっそうのシェア拡大を図ります。また、二次加工品や完
生活空間を表情豊かに演出する建装材。木や石などの自
成品での納品を推進し、収益力の向上を図ります。印刷工
然素材を代替することで、貴重な天然資源の確保に貢献
程のデジタル化
(フィルムレス化)
など、新技術についても
するとともに、建設現場では建材の軽量化を通じて、施工
積極的な取り組みを続けていきます。
の省力化や工期短縮を実現します。
トッパンは印刷技術を
応用し、さまざまなニーズに対応した高機能製品の開発・
提供を行っています。
「住宅+非住宅」市場の攻略とグローバル展開
近年、生活者の視点から、建装材にもさらなる健康配慮
販売面においては、現在大きなウェイトを占める住宅分
や安心・安全が求められています。
トッパンはこうしたニー
野と並んで、商業施設や公共施設関連など非住宅分野へ
ズを踏まえ、人と環境にやさしい素材を追究した
「エコシー
の取り組みを強化し、
「 住宅+非住宅」
の2本柱体制の確立
ト」
を開発し、需要を取り込んでいます。また、2011年に社
をめざします。住宅分野では、既存市場の深耕に加え、型
内に創設した
「C-lab.」
は、生活空間をめぐる独自のデザイ
押し化粧板「フォルマーノ」
など高機能商材の販売を強化
ンマーケティングや素材に関する調査研究を実施。こうした
します。非住宅分野では、内・外装不燃意匠材「フォルティ
成果を踏まえたトッパンの意匠開発やコンセプト発信力は、
ナ」
や再生木材
「トッパンマテリアルウッド」
を軸に、新規受
市場において高い評価を獲得しています。
注拡大を図ります。
グローバルにおいては、米国のペンシルバニア工場・
ジョージア工場拡充に取り組むとともに、欧州では大手家
さらなる差別化と提案力強化
具チェーンとの連携強化や、コート紙ビジネスのさらなる
2015年3月期の国内の新設住宅着工戸数は、消費増
拡大を図ります。また、東南アジアでは現地駐在所を拠点
税前の駆け込み需要の反動で、99万戸から88万戸へと
に、海外生産・販売体制の早期確立をめざします。
減少しました。中長期的には国内需要の大きな伸びが期
C-lab.(クリエイティブ・ラボラトリー)
~市場ニーズを捉え、時代の兆しを発信~
国内
インテリア動向
IDW
デザイン知識・情報の集積
C-lab.
+
Interior Design
Wave
グローバル
デザイン動向
WDW
World Design
Wave
国内店舗、
施設関連デザイン動向
SDW
Shop Design
Wave
フォルティナを活用した外装材の例
Toppan Annual Report 2015
31
01
エレクトロニクス事業分野の重点戦略
グローバルな「ニッチトップ」をめざす新規事業
経営課題に掲げた「グループを含めた構造改革の遂行」に基づき、
既存事業のさらなる効率化を推進するエレクトロニクス事業。
FC-BGA基板、銅タッチパネルなど、
トッパンの技術力の強みが活かせる成長分野に注力し、
グローバルなニッチトップの座をめざします。
成長市場で世界を狙うFC-BGA基板事業
占めていますが、パソコン販売台数は低迷、スマートフォ
ンの成長鈍化によりFC-CSPは需給バランスが崩れ、低
■パッケージの小型化・軽量化を実現する
価格化も伴って厳しい市場環境にあります。
FC-BGA基板
このようななかでトッパンは、サーバー用、通信用、車
半導体パッケージ基板は、ICチップを外部の振動・埃・
載用、グラフィック用など、さらなる高速性能や低消費電
湿気などの外部環境から守るとともに、プリント配線板
力化、高密度配線などが求められ、今後の用途や需要の
と電 気 的に接 続する役 割を担う電 子 部 品です。このう
拡大が見込まれるハイエンドLSI用FC-BGA基板に集中
ち、パッケージ基板の裏面に格子状にはんだボールの端
し、事業拡大を図っています。
子を並べたタイプを
「BGA(Ball Grid Array)基板」
と
呼びます。さらに、ICチップをワイヤで接続するのではな
■次世代を見据えた生産体制を構築
く、突起状の接続端子(バンプ)によって接続するフリッ
本年トッパンは、
配線の微細化に対応可能な最先端の製造
プチップタイプで、ビルドアップ工法により生産されるの
ラインを新潟工場内に新設しました。生産能力を従来の2.5
が「FC-BGA(Flip Chip-BGA)基板」
です。主にパソコ
倍に引き上げるとともに、
年内の量産開始をめざしています。
ンやサーバー、ゲーム機といった大量なデータ処理が必
新潟工場の新ラインでは、電気特性の向上などで求め
要な高性能LSIに使用されています。
られるコア材の薄型化や、
コア材を使わない次世代型製品
「コアレスFC-BGA基板」
に対応する設備を導入しました。
■成長分野のハイエンドLSI用FC-BGAに特化
また、高精度のパターニング技術が要求され、配線の
LSIは高速化、高集積化や小型化に伴い、さらなる微細
高密度化には、配線幅(L)/配線間隔(S)
を従来の約半
化が進展しており、今後もFC-BGA基板の需要拡大が続
分の10/10μm以下にまで微細化対応を可能にするな
くとみられています。
ど、将来の需要動向を見据えた体制を構築しました。
現 在のF C - B G A 基 板のマーケットは、パソコン向け
同時に、製造実行システム
(MES: Manufacturing
CPU用を主体に、次いでスマートフォン向けのFC-CSP
Execution System)
を導入し、生産性や品質向上を
(Flip Chip-Chip Scale Package)が多くの割合を
図っています。
FC-BGA 断面図
ソルダーレジスト
FC バンプ
ビルドアップ層
コア層
ビルドアップ層
穴埋め樹脂
コアレス FC-BGA 断面図
ボールパッド
FC バンプ
ビルドアップ層
ソルダーレジスト
FC-BGA基板
32
Toppan Annual Report 2015
ボールパッド
事業分野別重点戦略
エレクトロニクス分野の新たな地平を拓く
銅タッチパネル事業
なエッチング加工技術により、線幅3μmという超細線化
を可能にするとともに、独自の配線設計などの技術によ
り
「モアレ」
や「線(パターン)見え」
を防止、視認性を大幅
■銅タッチパネルの一貫生産体制を構築、
に向上させました。
世界に先駆けてパソコン向けに採用
また、
これまではX極とY極の2枚のフィルムを貼り合わ
マウスやキーボードを使わずに、指やペンで画面に触
せるGFFタイプが主流でしたが、1枚のフィルムの両面に
れることで直感的に端末を操作できるタッチパネル。初
一括でX極とY極を形成するGF2タイプを新たに開発、光
期はATMや駅の自動券売機など、
「 スイッチ機能」に特
の透過率の向上と視認性の改善に寄与するほか、材料費・
化したタッチパネルが 中心でしたが 、さまざまな入力操
工程費の削減、
さらなる軽量化を可能にしました。
作に対応したスマートフォンやタブレット端末の登場で、
より身近なインターフェイスになりました。また、パソコン
■車載向け3D曲面銅タッチパネルモジュール
への搭載に加え、デジタルサイネージや電子黒板など、
などラインアップを拡充
中・大型モニターへの採用も進んでおり、静電容量型タッ
銅は他の電極材に比べて曲げに強く、タッチパネルの
チパネルの市場はさらなる拡大が見込まれています。
3D曲面形状化が可能であるという特長があります。そこ
このようななかでトッパンは、電極材として銅を使用し
でトッパンは本年4月、車載ディスプレイ向けの3D曲面
たタッチセンサー
(銅タッチセンサー)
を開発。銅はITO
(酸
銅タッチパネルモジュールを開発。自動車のセンターコン
化インジウムスズ)
に比べて抵抗値が低く、大型化しても
ソールディスプレイへの展開などが期待されています。 高感度かつスムーズな操作性を実現できるなどのメリット
そのほか 、大 型 デ ジタルサイネージや 電 子 黒 板 、ア
があり、特に中・大型タッチパネルでその優位性を発揮し
ミューズメント向けなどに対応した最大55インチの汎用
ます。2013年11月には、
この銅タッチセンサーの開発・製
モジュールや、タブレット端末などの小型化・軽量化ニー
造およびモジュール化までの一貫した生産体制を構築し、
ズに対 応した超 狭 額 縁 銅タッチパネル、ペン入 力やグ
銅タッチパネルモジュールとしての量産を開始しました。
ローブ対応品の開発など、着実にラインアップを拡充し
生産ラインは、プラズマディスプレイ用電磁波シールド
ています。
メッシュのラインを転用。既存事業のインフラを有効活用
し、投資コストを抑えながら、高性能な銅タッチパネルの
■徹底した構造改革と新たな事業モデルの確立
一貫生産体制を確立し、銅メッシュタイプのタッチパネル
製品開発で大きな役割を演じたのは、液晶ディスプレ
として世界に先駆けてパソコン向けに採用されました。
イの豊富な知見を持つ、子会社の(株)
オルタステクノロ
ジーです。
トッパンとオルタステクノロジーの両社の技術
■視認性向上を実現した微細加工技術と
を融合することで、タッチパネルの企画・設計からタッチ
独自のパターニング技術
センサーの生産、モジュール化まですべての工程を内製
銅 電 極はI T O 透 明 導 電 膜に比 べて視 認 性という点
化し、一貫した生産体制による高品質・高性能な製品を
で、配線の細線化がひとつの課題でした。そこで、高度
提供しています。
オルタステクノロジーは、常に業界最先端の高
精細・高信頼性・省電力の中小型液晶パネル製
品を追求しています。
そのベースにあるのは、独自の a-Si TFT 技術
“HAST
(Hyper Amorphous Silicon TFT)
”
。
HAST技術をベースに進化した数々の先端技
術で、ハンディターミナルなどの業務用携帯機
器に適した低消費電力液晶や、直視型カラー
TFT液晶ディスプレイとして世界最小サイズの
4Kパネル
(2014年9月現在)
向け超高精細液
晶など、
『 美しさと低消費』
を実現した製品を提
供しています。
3D曲面銅タッチパネルモジュールの
オルタステクノロジーの高精細中小型液晶パネル
車載ディスプレイ展開イメージ
Toppan Annual Report 2015
33
セ グメント別 営 業 概 況
2015年3月期は、情報コミュニケーション事業分
の影響などにより、減益となりました。マテリアルソ
野が 、2期連続の増収増益を達成し、利益率も大幅
リューション事業分野は、既存事業の構造改革を徹
に改善しました。生活環境事業分野は、売上高は微
底し、売上面では伸び悩みながらも増益を確保しま
増となりましたが、利益面では消費増税や原材料高
した。
(単位:百万円)
2 0 1 4 年 3月期
2 0 1 5 年 3月期
前年同期増減
売上高
前年同期増減
1,532,043
29,735
1,526,915
△ 5,128
営業利益
35,722
3,630
40,877
5,155
経常利益
37,717
751
45,245
7,528
当期純利益
20,621
2,059
22,868
2,247
920,047
25,465
932,479
12,432
41,092
669
48,224
7,132
283,363
12,882
285,432
2,069
11,225
88
6,321
△ 4,904
367,367
△ 6,088
350,067
△ 17,300
9,166
4,065
11,561
2,395
売上高
△ 38,736
△ 2,525
△ 41,064
△ 2,328
営業利益
△ 25,762
△ 1,191
△ 25,230
532
情報コミュニケーション
売上高
営業利益
売上高
生活環境
営業利益
マテリアルソリューション
調 整 額( 消 去 又は全社)
売上高
営業利益
情報コミュニケーション事業分野
売上高
9,325億円
前期比
1.4%増
482億円
2015年3月期の売上高は前期比1.4%増の9,325億円、営
といった一般印刷物が伸び悩んだ反面、POP広告などSP関連
業利益は同17.4%増の482億円となりました。
ツールが増加し、全体として前年を上回りました。なかでも、国内
当期、情報コミュニケーション事業分野では、第二の経営課題
最大級の電子チラシサービス
「Shufoo!」
は、広告機能の強化に
に掲げる
「新事業・新市場の創出」
に向けた、集中的な取り組み
加え、自治体などが発信する公的情報の掲載などにより、利便
を推進しました。
性の向上を進めました。さらに、
マーケティングBPO事業におい
セキュア関連においては、グループの強みを活かした
「トータ
ては、当社のコーディネート力を活かし
「よこはまウォーキングポ
ルソリューション」
を幅広く展開しました。業績面では、ICカード
イント事業」
にも参画するなど、幅広い需要に応え順調に拡大し
が需要の一段落で伸び悩みましたが、専門性の高い人財・技術
ました。
力を活かしたセキュアBPOや、金融機関向けのICキャッシュカー
コンテンツ関連においては、生産体制の最適化を推進しま
ド店頭即時発行サービスの採用が拡大するなど、全体として前
したが、出版市場が縮小傾向で推移するなか、雑誌・書籍とも
年を上回りました。
に前年を下回りました。一方、デジタルコンテンツでは、無線
ビジネスフォーム関連においては、ビジネスフォームが、電
LANを活用した図書館や病院向けのコンテンツ閲覧サービス、
子化の影響や消費増税に伴う駆け込み需要の反動減により、
BookLiveによる
「Shufoo!マンガ」
無料配信など、グループの
前年を下回りました。データ・プリント・サービスは、プリント業
インフラと総合力を活用し、さらなる事業拡大を図りました。ま
務一括アウトソーシングの受注増などにより、前年を上回りま
た、小学校の採択需要を取り込み、教科書事業が好調に推移し
した。
ました。
マーケティング関連においては、
チラシ、パンフレット・カタログ
34
営業利益
前期比
17.4%増
Toppan Annual Report 2015
生活環境事業分野
売上高
2,854億円
前期比
0.7%増
営業利益
63億円
前期比
43.7%減
2015年3月期の売上高は前期比0.7%増の2,854億円、
また
して
「群馬センター工場」
を竣工。最新の設備・システムを備え、
営業利益は、原材料・エネルギー価格の上昇や、群馬センター工
高度の生産性と品質管理・セキュリティ体制、環境負荷の低減を
場立ち上げに伴う費用増を受けて、同43.7%減の63億円となり
実現するとともに、素材開発から生産まで、一貫したパッケージ
ました。
ビジネスの展開が可能となりました。今後、GLフィルムを応用し
パッケージ関連においては、消費増税後の回復に遅れがみら
たハイバリア軟包材を軸に、食品・ヘルスケア・産業資材など幅
れましたが、利便性の向上や食品の賞味期限延長といった顧客
広い市場分野の深耕を図るとともに、同工場を全社の包材生産
の多様なニーズを取り込むことで、全体としては堅調に推移しま
拠点の
「マザー工場」
と位置づけ、国内外に最先端の技術や製品
した。特に軟包装材は、透明ハイバリアフィルム
「GLフィルム」
を
を提供することで、グローバルな事業展開を加速していきます。
応用したレンジ包材を中心に売上を拡大したほか、第38回木下
次に海外生産体制に関しては、米国ジョージア州で、海外で
賞を受賞した液体製品用のスタンディングパウチ
「エアホールド
初めてとなる透明バリアフィルム生産拠点の建設に着手しまし
パウチ」
、
また代表的な環境配慮型製品のひとつである紙製飲
た。世界の包装材市場では、環境意識の高まりやライフスタイ
料缶
「カートカン」
なども伸長しました。
ルの変化を背景に、軟包材への大きな置き換え需要が発生する
当期、生活環境事業分野では、第三の経営課題に掲げる
「グ
と考えられています。今回の新工場建設は、
こうした動向を踏ま
ローバルな事業展開の加速」
に向けて、国内外で着実な体制整
え、北米および欧州市場に対する高品質製品の供給体制を強化
備を行いました。
するもので、2016年3月の竣工・量産開始に向けて、建設は順
まず2014年4月、グループ全体の軟包材生産の基幹工場と
調に進んでいます。
マテリアルソリューション事業分野
売上高
3,501億円
前期比
4.7%減
2015年3月期の売上高は前期比4.7%減の3,501億円、営
116億円
営業利益
前期比
26.1%増
し、既存事業における選択と集中、重複事業や不採算事業の精
業利益は同26.1%増の116億円となりました。
査および再編・整理を徹底しました。特にカラーフィルタ事業で
ディスプレイ関連においては、
カラーフィルタが、スマートフォ
は、
これまで進めてきた大型生産ラインの中小型向けへの用途
ンなどモバイル向けを中心に中小型サイズで増加した一方、テ
転換に加え、今春には台湾の特定子会社の全保有株式を譲渡し
レビ向けでは減少し、前年を下回りました。
ました。このほか、間接部門を含むグループ全体の生産性向上、
半導体関連においては、新興国向けスマートフォンを軸に市
人員最適化も着実に実施しています。厳しい事業環境のなか売
場が堅調に推移するなか、
フォトマスクが、海外での先端品の積
上高が伸び悩みながらも、当期、3期連続の増益を確保できたの
極的な拡販により、前年を上回りました。高密度半導体パッケー
は、
こうした構造改革の成果によるものです。
ジに使用されるFC-BGA基板も、国内外の幅広い需要を取り込
第二の経営課題である
「新事業・新市場の創出」
に関しては、
み、前年を上回りました。
LSIの微細化・高性能化という半導体市場の潮流を見据え、FC-
高機能・エネルギー関連においては、太陽電池関連部材が、厳
BGA基板事業の規模を拡大していくため、新潟工場内に新たな
しい市場環境の影響を受け、前年を下回りました。
生産設備を2014年末に導入、2015年中の量産をめざします。
建装材関連においては、
「トッパンエコシート」
など環境配慮型
また、第三の経営課題
「グローバルな事業展開の加速」
に関し
製品が貢献して、欧米で好調に推移したものの、国内では、消費
ては、成長を続ける中国のフォトマスク市場に対応して、上海工
増税前の駆け込み需要の反動減により、前年を下回りました。
場の敷地内に新工場を建設、本年6月より新たな製造ラインで
当期、マテリアルソリューション事業分野では、第一の経営課
生産を行っています。
題に掲げた
「グループを含めた構造改革の遂行」
を引き続き推進
Toppan Annual Report 2015
35
トッパ ン の 活 動
■
情報コミュニケーション事業分野
■
生活環境事業分野
(2015年4月からは生活・産業事業分野)
■
マテリアルソリューション事業分野
(2015年4月からはエレクトロニクス事業分野)
■
全社関連
国内外の軟包材生産のマザー工場
となる
「群馬センター工場」
を竣工
PUF技術を搭載した世界最小の
ICタグを開発
仕事と育児の両立を支援する
「は
ぐくみプログラム」
に、社員同士で
意識や工夫を共有する
「はぐくみ
[工場の完成予想図]
米国に透明バリアフィルム生産拠
日本の食 文 化を発 信するサイト
『SHUN GATE』
を開設
合書籍プラットフォームの創出を
めざし、戦略的パートナーシップに
基本合意
5月
点の新設を決定
シスメックスと遺伝子解析・検査
BookLiveとCCC、日本最大の総
2014年 4月
サークル」
を追加
6月
事業で提携
伊 藤 園と日 本 製 紙と共 同で「リ
環境省「平成26年度HEMS活用
デュース・リユース・リサイクル推進
事業」
に参画
を受賞
によるCO2削減ポイント構築推進
7月
8月
功労者等表彰 農林水産大臣賞」
9月
10月
11月
国内最大級の電子チラシサービ
ス
「Shufoo!」
と国内最大級の地図
検索サイト
「Mapion」
が連携
電子レンジで外箱ごと温められる
「蒸できパウチボックス™」
を開発
食品のロスや廃棄削減に貢献す
空気の力で自立する口栓付き液
体 製 品 用スタンディング パウチ
「エアホールドパウチⓇ 」
で日本包
装技術協会主催
「木下賞」
を受賞
古河電池と当社、世界初、紙製容
器でできた非常用マグネシウム空
気電池を開発
※2015年5月:日本包装技術協会主催
「木下賞」
を受賞
北九州スマートコミュニティ創造
事業にて、電力データを活用した
家庭向けエネルギー情報サービス
の実証実験を実施
36
Toppan Annual Report 2015
る 軽 包 装 向 け バ リア フィル ム
「FRESHLIGHTⓇ」
を展開
葛 城 市 の「 新 時 代 葛 城クリエー
ション推進事業」
に参画
女子7人制ラグビー選手の内定を
決定
(スポーツ専従社員制度)
組織標本から直接検査できる遺
伝子解析システムを開発
無料で学べる新学習サービス
「学び
ゲット!」
がサービス提供開始
表示言語が自動で瞬時に切り替わ
る、インバウンド向けデジタルサイ
ネージシステムを開発
インバウンドプロモーション向け
に、日本の魅力を伝えるオリジナ
ル高品質4K映像コンテンツの提
供を開始
空気の力で自立する液体製品用ス
タンディングパウチ
「エアホールドパ
ウチⓇ」
が、液体調味料容器で採用
簡単に美味しく調理できる電子レ
ンジ専用チャック付きパウチ
「スマ
デリバッグ Ⓡ 」
で日本包装技術協
2020年度にCO 2を20%削減す
る新中長期環境目標を設定
車載ディスプレイ向け3D銅タッチ
会主催
「木下賞」
を受賞
パネルモジュールを開発
への更新により、2008年設定の
中国・上海で半導体用フォトマスク
ストレートの製造ラインを稼働
~生産拠点の集約や高効率設備
新潟工場の最先端FC-BGAサブ
の製造ライン増強に着手
目標を7年前倒しで達成~
超狭額縁銅タッチパネルモジュー
ルを開発
55インチ銅タッチパネルモジュール
TOPPAN USA、
シカゴに新事務
を開発、汎用モデルとして量産開始
所を開設
中小型カラーフィルタの生産会社で
作業現場でのヒューマンエラーを
AUOへ譲渡
リューションを提供開始
ある台湾国際彩光股分有限公司を
12月
2015年 1月
2月
抑制するオペレーション最適化ソ
3月
5月
6月
国内外の軟包材生産のマザー工
日本最大級の電子チラシサービス
場となる
「群馬センター工場」
の本
「Shufoo!」
、月間2億PV突破
オリジナル書 体「 凸 版 文 久 体 Ⓡ 」
模 造 品 被 害の抑 制に効 果 的な
で、電子書籍や電子雑誌でも読み
ラムラベルを開発
久ゴシック R」
を提供開始
キャラクターライセンス用ホログ
4月
やすい本文用ゴシック体「凸版文
格稼働を開始
小学校向けの新しい学習支援シ
ステムの実証研究を開始
HEMSデータの新たな活用方法を
提案する、環境省「HEMSデータ
プリンテッドエレクトロニクス分
野での微細印刷技術を確立
によるCO2削減行動の評価マニュ
アル」
を作成
導電性を持つ微細印刷として、
新しい用途へ展開
Toppan Annual Report 2015
37
トッパンの企業像
企業像
トッパンの企業像は、
「企業理念」
「 経営信条」
「 行動指針」
から成り立っており、
企業活動の基盤となる価値観を表しています。
私たちは、常にお客さまとの信頼関係の向上に努め、
優れた品質の
「作品」
を提供することで、
社会から必要とされる企業であり続けます。
企業理念
経営信条
行動指針
企業理念
トッパンのあらゆる企業活動の最上位に位置づけられる
概念であり、最も大切にしていく価値観・考え方を示し
たものです。
▲
私たちは
企業理念は、トッパンに働く「私たち」一人ひとりに共通する
価値観であるという姿勢を示しています。まさに人間尊重の
原点はここにあります。
▲
常にお客さまの信頼にこたえ
お客さまの満足や喜びを第一に考え、お客さまとの強い信頼
関係を築いていくこと。こうして築いた信頼が、私たちの活
動すべての基礎となっています。
▲
彩りの知と技をもとに
私たちは
「印刷」のもつ再現性や創造性、精緻さを「彩り」と表していま
常にお客さまの信頼にこたえ
力を「技」とし、この二つの強みを組み合わせることでお客さ
いろど
ち
わざ
こころをこめた作品を創りだし
情報・文化の担い手として
ふれあい豊かなくらしに貢献します
まのさまざまな思いを実現していきます。
こころをこめた作品を創りだし
▲
彩 りの知と技をもとに
す。それを引き出す企画力やマーケティング力を「知」
、技術
私たちがお客さまにおくりだすものはすべて優れた品質の
「作品」でなければなりません。「作品」とは、一人ひとりが、
責任と情熱と工夫をもって創りあげる製品やサービスであり、
私たちの培ったノウハウや知力をそそぎ込んだソフトであり
ます。私たちは、これからも「こころをこめた作品」を創り続
けていきます。
▲
情報・文化の担い手として
私たちは印刷を通して情報・文化の発展に多大なる貢献をし
てきたという自負があります。これからもさまざまな技術を
展開し、誇りと気概をもってこの役割を果たしていきます。
▲
ふれあい豊かなくらしに貢献します
私たちは、人と人、人と企業、企業と企業をつなぎ、コミュ
ニケーションを活性化していきます。それにより、こころ豊
かで満ち足りたくらしの実現に積極的に貢献していきます。
38
Toppan Annual Report 2015
経営信条
行動指針
実際に活動する際の規範を示したもので、私たちはすべ
企業理念、経営信条を踏まえて、遵法精神と企業理念に
てこの経営信条のもとに行動します。
則って行動できるように、基本的な考え方や実際の行動
のあり方を定めたガイドラインです。
私たちは
誠意・熱意・創意にもとづく活動を通じて
第1章
基本原則
お客さまとの信頼を築きます
1 基本的人権を尊重する
私たちは
グローバルな視点に立って
独創性に富むマーケティングと技術開発を行い
事業の刷新に努めます
私たちは
社会的責任を認識し
地球環境との調和をめざすとともに
公正で開かれた企業活動を行います
私たちは
ひとりひとりの能力とチームワークを最大限に活かし
働きがいのある企業風土をつくります
私たちは
新たな可能性を拓くことにより
企業の価値を高め
トッパングループの永続的な発展を図ります
2 高い倫理観を持ち、良識ある
社会人として行動する
3 法令および社内規程を遵守し、
公正に業務を遂行する
4 反社会的勢力との一切の関係を遮断する
5 品質の向上に努め、
お客さまの満足に
資する作品を提供する
6 事業に関わる情報の重要性を認識し、
適切に管理する
7 地球環境の保全に積極的に取り組む
8 変化を捉え、新たな可能性に挑戦する
9 社会貢献活動や適切な情報開示を通じて、
社会からの信頼を醸成する
10 個々の力を結集し、
グループ総合力を
最大限に発揮する
Toppan Annual Report 2015
39
取 締 役 および 監 査 役
取締役
代表取締役会長
代表取締役社長
1962年 当社入社
1973年 当社入社
1990年 経営企画室営業本部長
2000年 商印事業本部第一営業本部長
1993年 取締役商印事業本部商印事業部長
2003年 取締役商印事業本部商印事業部長
1995年 常務取締役商印事業本部長
2006年 常務取締役経営企画本部長及び経営監査室、業務改革本部担当
1997年 専務取締役商印事業本部長及び金融・証券事業本部担当
2008年 専務取締役経営企画本部長及び経営監査室、広報本部、業務改革本部、
1998年 代表取締役副社長全社営業統轄及び金融・証券事業本部、
法務本部担当
商印事業本部担当
2009年 代表取締役副社長社長補佐、営業統轄及び経営監査室、広報本部、
2000年 代表取締役社長
経営企画本部、文化事業推進本部、人事労政本部、国際事業部担当
2010年 代表取締役会長現任
2010年 代表取締役社長現任
取締役副社長
社長補佐
取締役副社長
エレクトロニクス事業本部担当
1973年 当社入社
1972年 当社入社
2004年 取締役パッケージ事業本部関西事業部長
2004年 取締役エレクトロニクス事業本部副事業本部長
(営業担当)
2007年 常務取締役パッケージ事業本部東京事業部長
2010年 常務取締役エレクトロニクス事業本部半導体関連事業部長
2010年 専務取締役生活環境事業本部長
2011年 常務取締役エレクトロニクス事業本部半導体関連事業部担当
2011年 専務取締役生活環境事業本部長、高機能事業本部長
2012年 専務取締役エレクトロニクス事業本部長
2013年 専務取締役生活環境事業本部長
2013年 専務取締役マテリアルソリューション事業本部長
2014年 取締役副社長社長補佐、バリアフィルム事業推進室長
2014年 取締役副社長マテリアルソリューション事業本部長
2015年 取締役副社長社長補佐現任
2015年 取締役副社長エレクトロニクス事業本部担当現任
足立 直樹
降矢 祥博
40
Toppan Annual Report 2015
金子 眞吾
熊本 優一
専務取締役
西日本事業本部長
専務取締役
人事労政本部長及び秘書室、広報本部、法務本部、文化事業推進本部担当
1972年 当社入社
1975年 当社入社
2004年 取締役商印事業本部関西商印事業部長
2005年 取締役人事労政本部長
2007年 常務取締役情報コミュニケーション事業本部関西商印事業部長及び
2009年 常務取締役人事労政本部長及び秘書室、法務本部担当
東中四国事業部、パッケージ事業本部関西事業部担当
2010年 常務取締役人事労政本部長及び秘書室、文化事業推進本部、
法務本部担当
2011年 専務取締役西日本事業本部長現任
2014年 専務取締役人事労政本部長及び秘書室、広報本部、法務本部、
長山 芳幸
大久保 伸一
文化事業推進本部担当現任
専務取締役
財務本部長
専務取締役
東日本事業本部長 兼 東日本事業部長
1973年 当社入社
1975年 当社入社
2008年 取締役財務本部経理部長
2007年 取締役北海道事業部長
2010年 取締役財務本部長
2011年 常務取締役東日本事業本部長
2012年 常務取締役財務本部長
2015年 専務取締役東日本事業本部長現任
垣谷 英孝
伊東 厚
2014年 専務取締役財務本部長現任
専務取締役
情報コミュニケーション事業本部長
新井 誠
1979年 当社入社
2008年 取締役情報コミュニケーション事業本部商印事業部長
2011年 取締役情報コミュニケーション事業本部副事業本部長
2012年 常務取締役情報コミュニケーション事業本部副事業本部長
2015年 専務取締役情報コミュニケーション事業本部長現任
Toppan Annual Report 2015
41
取締役
常務取締役
経営企画本部長 兼
グローバル事業推進室長及び
教育ICT事業開発本部担当
取締役
情報コミュニケーション事業本部
トッパンアイデアセンター長 兼
メディア事業推進本部長
常務取締役
生活・産業事業本部長
取締役
ICT統括本部長
常務取締役
情報コミュニケーション事業本部
セキュアビジネスセンター長及び
セキュア事業担当
取締役
中部事業部長
常務取締役
事業開発・研究本部長
取締役
生活・産業事業本部
パッケージソリューション事業部長
麿 秀晴
中尾 光宏
松田 直行
佐藤 友治
坂井 和則
佐藤 暢晃
伊沢 太郎
野口 晴彦
取締役
生活・産業事業本部
バリアフィルムセンター長
取締役
エレクトロニクス事業本部長
取締役
製造統括本部長
取締役
西日本事業本部
関西情報コミュニケーション事業部長
植木 哲朗
江崎 純生
山野 泰彦
斉藤 昌典
取締役
西日本事業本部副事業本部長
小谷 友一郎
監査役
取締役
生活・産業事業本部
技師長
常任監査役
(常勤)
取締役
生活・産業事業本部
ビジネスイノベーションセンター長
監査役
(常勤)
髙宮城 實明
岩瀨 浩
山中 紀夫
42
Toppan Annual Report 2015
田上 静之
社外取締役および社外監査役
社外取締役
佐久間 国雄
・取締役会出席:15回/17回
(出席回数/開催回数)
1968年 東洋インキ製造株式会社入社
選任理由
1994年 同社取締役
経営者としての高い実績及び豊
2000年 同社代表取締役社長
2006年 当社社外監査役
2010年 当社社外取締役現任
2011年 東洋インキSCホールディングス株式会社代表取締役会長
2015年 東洋インキSCホールディングス株式会社取締役会長現任
富な経験と知識をもとに、客観
的な立場から取締役の業務執行
のあり方について監督いただけ
るものと判断し、社外取締役とし
て選任しております。
社外取締役
野間 省伸
・取締役会出席:14回/17回
(出席回数/開催回数)
1991年 株式会社三菱銀行入行
選任理由
1999年 株式会社講談社入社、同社取締役
経営者としての経験と幅広い識
2003年 同社常務取締役
2004年 同社代表取締役副社長
2010年 当社社外取締役現任
2011年 株式会社講談社代表取締役社長現任
見を活かし、客観的な立場から
取締役の業務執行のあり方につ
いて監督いただけるものと判断
し、社外取締役として選任してお
ります。
社外監査役
野村 修也
・取締役会出席:17回/17回 監査役会出席:13回/14回
(出席回数/開催回数)
1998年 中央大学法学部教授
選任理由
2004年 弁護士登録
弁護士として、
また法科大学院
第二東京弁護士会入会
中央大学法科大学院教授現任
森・濱田松本法律事務所客員弁護士現任
2010年 当社社外監査役現任
教授として高い見識、知識をお
持ちであり、社外有識者の立場
で、客観的な監査を実施いただ
けると判断し、社外監査役として
選任しております。
社外監査役
髙木 新二郎
・取締役会出席:15回/17回 監査役会出席:12回/14回
(出席回数/開催回数)
1963年 弁護士登録
1988年 裁判官任官
(東京高等裁判所部総括判事等)
2000年 弁護士再登録
2007年 野村證券株式会社顧問現任
2011年 当社社外監査役現任
選任理由
弁護士及び裁判官としての経験
と学識経験者としての高い識見
を有しており、
また、同氏は、株式
会社産業再生機構産業再生委
員長や更生管財人等として様々
な会社の経営に関与した経験を
持つことから、客観的な立場で
経営を監視、助言いただけると
判断し、社外監査役として選任
しております。
社外監査役
重松 博之
・取締役会出席:13回/13回 監査役会出席:10回/10回
(出席回数/開催回数)
1972年 会計検査院事務官
2002年 会計検査院第四局長
選任理由
2004年 会計検査院事務総長
豊かな経験と高い知識、公明正
2009年 会計検査院検査官
2011年 会計検査院長
2012年 会計検査院退官
2013年 日本大学国際関係学部教授現任
2014年 当社社外監査役現任
大な人間性から、客観的な立場
で経営を監視、助言いただける
と判断し、社外監査役として選任
しております。
*髙木新二郎、重松博之の両氏は、当社から役員報酬以外の金銭その他の財産を得ておらず、当社の主要な取引先の業務執行者及び当社の主要株主等にもあたらないこと
から、当社取締役会からの独立性は十分に担保されており、当社の一般株主と利益相反が生じるおそれはないと判断し、独立役員に指定しております。
Toppan Annual Report 2015
43
コーポレート・ガ バ ナンス
トッパンは、広く社会から評価される企業として、永続的な発展をめざしています。
最適なガバナンスシステムの構築によって経営の健全性を高めるとともに、
経営効率のいっそうの向上とグループ全体の価値の最大化を図っていきます。
営効率を意識した経営判断を行っています。
コーポレート・ガバナンス
会社法上の監査役会設置会社の形態をとり、経営監
[ 監査役・監査役会・会計監査人 ]
査 室 、コンプライアンス部 、エコロジーセンターを設 置
3名の社外監査役(うち2名は独立役員)
を含む5名の
し、ガバナンス体制の強化を図っています。また、公正な
監査役は、監査役会のほか、取締役会や経営会議、危機
グループ経営を推進するための「関係会社管理規程」
に
管理にかかわる重要な会議などに出席し、会計監査人や
基づき、グループ全体の価値最大化をめざしたガバナン
内部監査部門との連携を強化しつつ、事業所やグループ
スを展開しています。経営体制に関しては、現在、独立社
会社の監査を計画的に実施しています。これらを通じて、
外取締役の設置による監督機能の強化など、当社に最
取締役および各部門の業務の適法性や会社方針・規則
適な仕組みの検討を進めています。
に沿った円滑で適正な経営がなされているか、予防監査
の視点で監査し、助言しています。また、
「 関係会社監査
[ 取締役・取締役会・各種会議 ]
役会」
を定期的に開催し、グループの監査役監査の実効
取締役会は、2名の社外取締役を含む取締役26名で
性を高めています。
構成されており、月に1回の定例取締役会のほか、案件
なお、有限責任 あずさ監査法人による会計監査を通
の重要度を考慮し、必要に応じて臨時取締役会を開催し
じた会計の適正性の検証により、財務情報の信頼性と透
ています。経営上重要な案件は、代表取締役社長が指名
明性の向上につなげています。
した取締役を構成員とする経営会議で事前に審査し、経
コーポレート・ガバナンス体制
株主総会
選任・解任
選任・解任
選任・解任
取締役会
監査
選定・解職
監督
助言・勧告
特別委員会
(買収防衛)
代表取締役
危機管理委員会
経営会議
危機対応
取締役会案件の
事前審議機関
担当取締役
事業部門
グループ会社
法令等の主管部門を中心に
自律的に点検、評価、改善
監視
指導
経営監査室
コンプライアンス部
経営に関する法令遵守と企業倫理確立を
推進し、監視・検証する部門
エコロジーセンター
会社の環境活動を統括し、監視・検証する
部門
指示
その他統制組織
情報セキュリティ管理統括責任者
安全衛生委員会
TPM全国会議
全国エコガード委員会
連携
Toppan Annual Report 2015
報告
補助
全国行動指針推進責任者
監査
監査役室
指導
44
事業活動が適法かつ適正であるかを
監視・検証する部門
監 査 役(会)
会計監査人
監査
監査
は、全事業(本)部、主要な子会社を対象に、整備評価、運
[ 監査機能の強化 ]
事業部門から独立した経営監査室は、経営活動の管
用評価を実施しました。
理・運営の制度と業務の遂行状況を合法性と合理性の
法務本部コンプライアンス部は、法令遵守と企業倫理
観点から公正かつ客観的に監査しています。問題点は、
の確 立を推 進する役 割を担っており、
「 行 動 指 針 」の周
被監査部門にフィードバックし、改善策の提案を行うとと
知・徹底、規制法の遵守教育、情報セキュリティにかかわ
もに、監査結果を代表取締役社長、各担当取締役、監査
る監査機能を担っています。製造統括本部エコロジーセ
役に報告しています。2014年度は、経営監査、業務監査
ンターは、環境活動を統括し、事業所の監査、改善確認ま
を31件実施しました。財務報告に係る内部統制について
でを行っています。
役員の報酬等
①役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
報酬等の種類別の総額(百万円)
報酬等の総額
(百万円)
役員区分
注※
基本報酬(加算報酬)
対象となる
役員の員数(名)
賞与
取締役
(社外取締役を除く。)
1,077
949(308)
128
27
監査役
(社外監査役を除く。)
76
76(  12)
0
3
社外役員
65
62(  12)
3
6
※表中
( )
は内数です。
(注)
平成18年5月25日開催の取締役会の決議及び平成18年5月22日の監査役の協議により、役員退職慰労金制度の廃止と自社株取得目的報酬制度の導入を決定してい
ます。なお、役員の報酬等の額の決定に関する方針に記載のとおり、長期業績連動報酬の性格を持たせるため、常勤取締役の月額報酬の一部を自社株式取得を目的
とする報酬とし、役員持株会を通じた自社株購入に充当するものとしています。
②役員ごとの連結報酬等の総額等
氏名
連結報酬等の
総額(百万円)
足立 直樹
191
金子 眞吾
161
役員区分
会社区分
取締役
提出会社(注1)
取締役
トッパン・フォームズ(株)
取締役
提出会社(注2)
連結報酬等の種類別の額(百万円)
基本報酬
賞与
退職慰労金
160
19
―
7
2
―
142
17
―
(注)1 提出会社の基本報酬160百万円には、上記加算報酬46百万円を含みます。
2 提出会社の基本報酬142百万円には、上記加算報酬52百万円を含みます。
3 連結報酬等の総額が1億円以上である者に限定して記載しています。
③役員の報酬等の額の決定に関する方針
取締役の報酬については、株主総会の決議により定め
式取得を目的とする報酬とし、役員持株会を通じた自社
られた報酬総額の範囲内で、職位別の基準報酬額に、一
株購入に充当するものとしています。
定の基準に基づき、経営に対する貢献度に応じた加減を
監査役の報酬については、株主総会の決議により定め
行って決定しています。また、長期業績連動報酬の性格
られた報酬総額の範囲内で、監査役の協議によって決定
を持たせるため、常勤取締役の月額報酬の一部を自社株
しています。
Toppan Annual Report 2015
45
社内管理体制
対して行ってきたBCMに関する現状調査を、2014年度は
危機管理体制
業務委託先へと広げ、取引先との連携を進めています。
リスクの発生を回避するとともに、
発生した際の損失を最小
トッパンでは今後も継続的なBCM活動を通じて、社会と
限に抑えるための総合的なリスクマネジメントを行っています。
の共生を図っていきます。
リスクの回避とリスク発生時の損失の抑制にかかわる事
項については
「危機管理に関する規程」
を制定し、危機管理
経営活動の透明性向上
を要するリスクごとに本社主管部門を定め、当該部門の担当
[ 公正・公平な情報開示 ]
取締役が個別リスクについての予防、回避、是正措置を講じ
る責任者となる、
主管部門別危機管理体制をとっています。
トッパンでは、経営活動の内容を公正かつオープンに開
危機管理を要するリスクは、規程に基づき年1回の見直
示することをモットーとしています。IR情報開示にあたっては、
しと対応策の検討を行っています。また、本社各部門の危
「IRに関する基本方針」
に従い、公平性と透明性および迅速
機管理担当者で構成される
「危機管理連絡会」
を定期的に
性を期するため、当社のWebサイトにIRページを開設して
開催し、常に情報の共有化を図ってリスクに備えています。
います。財務情報については、IRページのほか、四半期ごと
に発行している株主さま向け小冊子
「Toppan Story」
にて
事業継続マネジメント
(BCM)への取り組み
大規模災害発生時において、会社の損害を最小限に抑
開示しています。
また、第2四半期および期末決算後に経営
トップの出席のもと決算説明会を開催しており、資料はIR
ページで公開しています。
え、お客さまへ製品・サービスの提供を継続させるために、
震災対策基本計画に基づき、事業継続マネジメント
(BCM)
IRに関する基本方針
の活動を行っています。
1.
情報開示の基準
トッパンでは、大災害発生時に設置される対策本部の運
用訓練など、事業継続にかかわる各種訓練を繰り返し実施
当社は、東京証券取引所の定める適時開示規則を遵守したディスクロー
ジャーを行っています。また、適時開示規則に該当しない情報についても、株
主や投資家の皆さまに弊社をご理解いただくために有効な情報につきまして
することで事業継続力の向上を図ると同時に、従業員全体
は、
できるだけ積極的かつ公平にウェブサイトにて開示する方針です。
への周知徹底を図るため、
eラーニングを活用した全社員教
2.
情報開示の方法
育(2014年度受講者22,060名)や新入社員への研修
(2014年度受講者306名)
を実施しています。
適時開示規則に該当する情報の開示は、同規則に従い、東京証券取引所の提
供するTDnetにて公開しています。TDnetにて公開した情報のウェブサイトへ
の掲載はできるだけ迅速に行います。なお、
ウェブサイトには当社が開示して
また、東日本大震災での経験から、BCMにおけるサプラ
イチェーンの重要性を認識し、
これまで資材・材料調達先に
いる情報の全てが掲載されていない場合があります。また、他の方法で開示
された情報とは異なった表現をしている場合もあります。
危機管理を要するリスクと本社主管部門
危機管理を要するリスク
製品事故・製造物責任
製品事故・クレーム〈製造統括本部〉
基幹系システム関連事故〈ICT統括本部〉
労災、交通事故など、従業員の人身事故〈人事労政本部〉
債権関連事故〈財務本部〉
事業活動に伴う事故・災害
受注物に関する法的トラブル〈法務本部〉
個人情報・社内機密情報などの漏えい〈法務本部〉
火災・爆発による事故・災害〈製造統括本部〉
溶剤保管・危険薬品保管などの法令違反〈製造統括本部〉
誹謗、中傷、その他犯罪被害
反社会的勢力との関係
自然災害
46
社内用システムへのサイバーテロ、不正アクセス・使用、個人・社内情報などの漏えい〈ICT統括本部〉
対企業暴力
(脅迫、誘拐、強盗)
〈人事労政本部〉
反社会的勢力からの不当要求、取引先と反社会的勢力との取引〈法務本部〉
地震、風水害、落雷などによるお客さまおよび会社資産の損害、人身事故〈人事労政本部〉
大規模地震等の不測の事態による事業の中断〈法務本部〉
企業経営にかかわるリスク
株主代表訴訟、敵対的買収〈法務本部〉
外部発注における法令違反
下請法違反、取引先との不正取引〈製造統括本部〉
知的財産権侵害
特許、商標、著作権侵害〈法務本部〉
環境問題
環境関連法令基準違反、産業廃棄物処理違反〈製造統括本部〉
海外事業活動におけるリスク
製品事故、環境問題、火災・自然災害、国際紛争・テロなどによる人的・物的資産の損害〈経営企画本部〉
Toppan Annual Report 2015
トッパ ン の 社 会 的 責 任 活 動
トッパンは、CSR活動への取り組みを企業経営の根幹をなすものと位置づけ、
「TOPPAN VISION 21」
に定める
「企業像」の実現に向け、推進テーマを設定して活動を推進しています。
具体的な活動にあたっては、ISO26000(組織の社会的責任の国際規格)
を
CSRマネジメントに取り込み、社会的な課題解決に取り組むことで、
社会から信頼され尊敬される強い企業グループの確立をめざしていきます。
や意思決定への影響」
と
「トッパンが経済、
環境、
社会に与える
CSR活動
影響」
の2軸で評価を行い、
人権、
人財育成と多様性、
環境、
バ
CSR活動は、
トッパンの企業像を実現するために重要な活
リューチェーンでの社会的責任推進、
プライバシー
(個人情報
動のひとつです。
「国連グローバル・コンパクト」
を指針とし、
組
保護)
を、
今後の重要性がより高まるテーマと特定しました。
織の社会的責任に関する国際規格ISO26000を参考に活動
今後は、抽出されたテーマに関連する取り組みを促進す
を行っています。ISO26000は、組織が取り組むべき事項に
るとともに、重要なテーマは、随時見直しを行っていきます。
組織統治、
人権、
労働慣行、
環境、
公正な事業慣行、
消費者課
題、
コミュニティへの参画およびコミュニティの発展の
「7つの
中核主題」
を掲げ、
ステークホルダーを重視しています。
抽出のステップ
① 詳細課題の分類とテーマ化
[ ステークホルダーとの対話 ]
トッパンは事業に影響力を持つ、
または、事業によって影
・ISO26000
・GRIサステナビリティ・レポーティング・ガイドライン
(第4版)
響を受ける可能性があるステークホルダーを
「お客さま
(顧
客企業、生活者)
「
」取引先」
「社会・地域社会」
「株主・投資家」
「社員」
と認識しています。
これらのステークホルダーから日々の事業活動を通じ
② 各テーマの優先順位付け
・ステークホルダーダイアログの指摘事項
・SRIの評価項目
・経営課題との関連性 など
て得られた意見を、CSR活動に取り入れています。また、
2014年度も、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャ
パンに参加し、人権やサプライチェーンなどをテーマに、
NGOや有識者と対話を行いました。
③ 社外の意見の確認
・有識者との対話
また、次の
「重要なテーマ
(マテリアリティ)
」
を抽出する際
にも有識者からの意見を確認しました。
※1 トッパンのCSRへの取り組みの詳細に関しては、
2015年7月発行の
「CSRレポート2015」
および
[ 重要なテーマ
(マテリアリティ)
の抽出 ]
Webサイトhttp://www.toppan.co.jp/csr/を
ご参照ください。
2014年度は、
今後の重要性がより高まると思われるテーマ
※2 組織統治に関する事項については、
を抽出しました。CSRの各テーマを
「ステークホルダーの評価
ご参照ください。
「コーポレート・ガバナンス」
(本誌44ページ)
を
今後より重要性が高まるテーマ
ステークホルダーの評 価や
意 思 決 定への影 響
今後より
重要性が
高まる事項
企業として
基本的な
重要事項
●労働慣行
●公正な事業慣行
●消費者課題
●人権
●人財育成と多様性
●環境
●バリューチェーンでの
社会的責任推進
●プライバシー
(個人情報保護)
●コミュニティへの
参画および
コミュニティの発展
トッパンが経済、環境、社会に与える影響
Toppan Annual Report 2015
47
ISO26000「7つの中核主題」
とトッパンの活動のポイント
ISO26000
7つの中核主題
課題
活動項目
● コーポレート・ガバナンス
組織統治
組織統治
● 社会的責任への取り組み
● 危機管理体制
● 事業継続マネジメント
(BCM)
への取り組み
課題1:デューデリジェンス
課題2:人権に関する危機的状況
課題3:加担の回避
人権
課題4:苦情解決
課題5:差別および社会的弱者
課題6:市民的および政治的権利
● 基本的人権の尊重
● 労働協約について
● 機会均等・差別の排除
課題7:経済的、社会的および文化的権利
課題8:労働における基本的原則および権利
課題1:雇用および雇用関係
労働慣行
課題2:労働条件および社会的保護
課題3:社会対話
課題4:労働における安全衛生
課題5:職場における人材育成および訓練
● 人財に関する考え方
● 労使のパートナーシップ
● ワーク・ライフ・バランスの推進
● 労働安全衛生
● メンタルヘルス対策
● 人財の開発・育成
● トッパンの環境活動
環境
課題1:汚染の予防
● 環境マネジメント活動
課題2:持続可能な資源の利用
● トッパンの環境負荷と環境影響
課題3:気候変動の緩和および気候変動への適応
● エコガード活動
課題4:環境保護、生物多様性、および自然生息地の回復
● エコクリエイティブ活動
● 環境コミュニケーション活動
課題1:汚職防止
公正な事業慣行
課題2:責任ある政治的関与
課題3:公正な競争
課題4:バリューチェーンにおける社会的責任の推進
課題5:財産権の尊重
● 行動指針の浸透
● トッパングループ・ヘルプライン
● コンプライアンス教育
● CSR調達の推進
課題1:公正なマーケティング、事実に即した偏りのない
情報、および公正な契約慣行
課題2:消費者の安全衛生の保護
消費者課題
課題3:持続可能な消費
課題4:消費者に対するサービス、支援、ならびに苦情
および紛争の解決
課題5:消費者データ保護およびプライバシー
● 製品安全と品質保証
● 消費者保護のための個人情報保護
● ユニバーサルデザインの取り組み
● 持続可能な消費への貢献
課題6:必要不可欠なサービスへのアクセス
課題7:教育および意識向上
課題1:コミュニティへの参画
コミュニティへの
参画および
コミュニティの発展
課題2:教育および文化
課題3:雇用創出および技能開発
課題4:技術の開発および技術へのアクセス
課題5:富および所得の創出
課題6:健康
課題7:社会的投資
48
Toppan Annual Report 2015
● 地域貢献・参画活動
● 国際社会の課題解決への協力
トッパンの社会的責任活動
2014年度の活動ピックアップ
採用人員数
女性管理・監督職推移
2013年度
定期大卒
(院卒含む)
営業・
事務ほか
技術
定期高専・高卒
69名
女性
39名
42名
50名
男性
70名
94名
102名
女性
30名
33名
40名
男性
4名
1名
5名
女性
14名
11名
21名
237名
(35.0%)
250名
(34.4%)
250
88名
18名
19名
−
女性
11名
10名
−
251
233
200
197
176
150
100
306名
(36.3%)
男性
障がい者雇用
[名]
2015年度
80名
定期採用合計
(女性比率)
経験者採用
2014年度
男性
133
192
181
150
50
0
43
47
52
59
12年
13年
14年
15年
■ 女性監督職 ■ 女性管理職
産前産後・育児休業の取得状況
2013年
2014年
2015年
2012年度
人員
221名
247名
247名
雇用率※1
2.13%
2.09%
2.10%
※1 雇用率は、「障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則」第8条
の規程による「障害者雇用状況報告書」で報告した常用雇用者数
(6月1日時点)を分母にしています。
産前産後休業
取得者数
育児休業
取得者数※2
2013年度
68名
114名
(3名)
2014年度
76名
124名
(4名)
81名
136名
(3名)
※2 ( )
内は育児休業取得者のうちの男性の人数です。
2020年度中長期環境目標
1 地球温暖化防止
2 循環型社会形成への対応
●CO2排出量を
2008年度比 20%削減
(751千t→600千t:▲151千t)
3 大気環境保全
●廃棄物最終埋立量を
2008年度比 87%削減
(1,584t→206t:▲1,378t)
●VOC大気排出量を
2008年度比 70%削減
(7,326t→2,198t:▲5,128t)
Scope1〜3の温室効果ガス排出量
Scope1 Scope2
220千t 413千t
Scope1:自社
[燃料の燃焼や工業
Scope3
4,186千t
プロセスからの排出]
Scope2:他者から供給される電
2013年度
気の使用や熱の使用
カテゴリ カテゴリ カテゴリ その他の
カテゴリ※
4
9
12
カテゴリ
1
Scope3:バリューチェーン全体の
温 室 効 果ガス排 出 量
2014年度
[ 原 材 料 調 達 ~ 物 流、
214千t 379千t
3,938千t
CO2排出量※3/売上高原単位の推移
[千t-CO2]
廃棄物総排出量および最終埋立量の推移
[t-CO2/百万円]
1,500
1,200
900
0.71
751
600
0.76
679
0.72
0.72
632
593
300
0
08年
12年
製品の廃棄に至るまで]
※カテゴリ2、3、5、6、7、8
13年
■ CO2排出量 14年
[千t]
1.00
350
0.80
280
0.60
210
0.40
140
0.20
70
0
0
売上高原単位
[千t]
2.5
313.8
265.1
255.9
1.6
2.0
242.2
1.5
1.0
0.4
08年
12年
0.5
13年
0.4
14年
0.5
0
■ 廃棄物総排出量 ■ 最終埋立量
」に基づき算出しています。ただし、電気使用に伴うCO2排
※3 CO2排出量は、環境省の「事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン(2003年)
出量は、一律0.378t-CO2/千kWhで算出しています。
2014年度のCO2排出量を「特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の算定に関する省令」
(最終改正2015年4月30日)に基づいて実排出係数
で算出した場合、752,220t-CO2となります。
Toppan Annual Report 2015
49
CO2 排出削減に貢献する製品・サービス
C S R 活 動トピックス 1
トッパンの製品・サービスやノウハウを活用し、
社会全体のCO 2排出量削減に貢献すべく、さまざまな取り組みを進めています。
パッケージ分野における取り組み
バイオマスプラスチック製品
「バイオアクス」
シリーズ
メカニカルリサイクル
PETフィルム
間伐材を活用したパッケージ
植物由来バイオマス素材を原料と
使用済みP E Tボトルを粉砕・洗浄
間 伐 材を含む国 産 材を用 紙に有
したバイオマスプラスチックを用い
した後に、高温で溶融・減圧・ろ過な
効活用し、カートカンやエコフラット
て、
ラミネート包装材や紙カップなど、
どを行って得た再生樹脂を使用した
カップなどを製造しています。
さまざまな製品を実用化しています。
フィルムです。
焼却時の
CO2排出量を
約40%削減※1
※1 ポリエチレンが重量ベースで75%
を占める詰め替え型包装材で、製品の
バイオマス度が40%の場合
一般PETフィルムに ※2 一般PETフィルムのCO2排
比べCO2排出量を 出量はCFPプログラム基本デー
約24%削減※2
タを基に算出。メカニカルリサイ
クルPETフィルムのCO 2排出量
は、
一次データを基に算出
情報コミュニケーション分野における取り組み
[ エネルギーソリューション ]
況や生 活 行 動を予 測し、適 切なタイミングで生 活 者に
とってインセンティブとなる情報を発信する次世代レコメ
ンドシステ ム「 V I E N E S( E n e r g y I n f o r m a t i o n
各家庭でCO 2 排出量を削減するには、無駄なエネル
Creative Value System)」
を開発しました。このよう
ギーの使用を減らし、上手にエネルギーを使うことが 求
に、電力使用量の見える化だけではなく、生活者や電力
められます。
トッパンは、情報加工やマーケティングのノ
に関連する事業者にとって有益な仕組みを構築すること
ウハウを活かし、家庭の電力使用ログから電力の使用状
で、今後もCO 2削減に貢献していきます。
低炭素のライフスタイルを実現する仕組み
電力関連事業者
トッパン
VI E NE S
データ分析
レコメンド
生活者
(電力会社・ハウスメーカーなど)
●マニュアル提供
●家庭ごとのレポート
●CO2削減行動促進情報
など
●ポイント付与
●メッセージ配信
など
レポート生成
メール生成
ポイント算出
レポート印刷
メール配信
個人情報管理
50
Toppan Annual Report 2015
OFF
●電力データ
●属性情報
(家族構成など)
●電力データ
C S R 活 動トピックス 2 「 人 財 」
の 開 発・育 成 へ の 取り組 み
「企業は人なり」
の理念のもと、
コミュニケーション能力、豊かで美しい感性、
前向きの危機感と高い志を持った人財を育成し、社会に貢献することをめざしています。
人財開発体系プログラムをバーチャル企業内大学
「トッパンユニバーシティ」
として提示し、
生涯学習、スキルアップ、キャリアアップを支援するとともに、
トップリーダーの育成を推進しています。
人財の開発・育成
しました。うち6名は独立行政法人国際協力機構(JICA)
[ 多様な教育制度 ]
また、2010年度から開始した海外駐在員候補者向け
の青年海外協力隊を通じて派遣しました。
本社主催の教育では、階層別研修、部門別研修のほ
「グローバル選抜研修」はのべ521名が受講、その上級
か、次世代リーダー育成のための選抜方式のプログラム
コースとしてスイスのローザンヌにある世界でもトップレ
も実施しています。新入社員は、入社後3年間は全社的
ベルのビジネススクール「IMD」の短期公開プログラム
育成期間と定め、
「 あるべき姿」
への成長を目標に全社研
に、2012年度から9名を派遣しています。
修と先輩社員によるOJTを実施しています。
自己啓発のためのトッパンビジネススクール(集合研
[ 人財開発環境の整備 ]
修)
、チャレンジスクール
(通信教育)
は、2014年度にのべ
トッパンの未来を創造する人財開発拠点として、埼玉
9,771名が受講しました。また、全社基礎教育のeラーニ
県川口市と神奈川県湯河原町に研修センターを構え、各
ングは、2014年度にのべ107,245名が受講しました。
種研修やグループ交流の場として活用しています。また、
人財開発施策に関する情報の掲示や、従業員が自身の
[ グローバル人財の育成 ]
研 修 受 講 履 歴を確 認できるイントラネットを運 用し、能
海外ビジネス現場での実践教育として2011年度から
力・スキルの向上を支援しています。
トレーニー制度を開始し、2014年度までに53名を派遣
人財開発プログラムの位置付け
企業理念、経営信条に基づいた
「価値ある行動」
お客さまからの信頼
事業基盤の強化
知識力・情報力
課題発見・形成力
社会的責任の遂行
組織力の強化
企業価値の向上
「価値ある行動」
を実践するための
「能力・スキル」
課題遂行力
技能・ノウハウ
階層別研修
新任本部長研修
● 新任部長研修
● 新任管理者研修
● 新任監督者研修
●
全社基礎教育
(eラーニング)
TOPPAN VISION 21基礎教育
CSR基礎教育
● 環境基礎教育
● 利益最大化に向けて
● グローバル対応基礎教育
部門別研修
新入社員全体研修
● ファーストキャリアプラン
● OJTブラザー
・シスター研修
●
営業部門基盤強化プログラム ● 技術部門新任監督者研修
● 技術
・製造部門新任管理者研修 ● 部門別個別研修
● 生産管理部門研修
(購買、秘書、人事労政、技術・研究ほか)
●
MBA取得留学
技術系海外留学
● インドIT研修
● 短期海外留学
● グローバル選抜研修
●トレーニー
●
●
●
トッパンビジネススクール
事業
(本)
部主催研修
グローバル研修
●
コミュニケーション力と育成力
●
各事業
(本)
部、職場での研修
選抜型研修
役員塾
● 業界No.1人財育成研修
● 新事業
・新市場開発人財育成
プログラム
●トッパングループ未来創発
プログラム・アドバンス ほか
●
集合研修
● eラーニング
● 外部派遣
●
チャレンジスクール
教育コンサルテーション企業として社内外の研修を受託しているグループ会社
(株)
トッパンマインドウェルネスと協働して運営
Toppan Annual Report 2015
51
主要連結子会社および関連会社
2015年3月31日現在
主要な事業の内容
情報コミュニケーション
事業分野
国または地域
資本金
トッパン・フォームズ
(株)
名称
日本
¥ 11,750 百万
60.7
図書印刷
(株)
日本
¥ 13,898 百万
51.8
東京書籍
(株)
日本
¥ 80 百万
58.5
シンガポール
S$ 129 百万
100
(株)
トッパンメディアプリンテック東京
日本
¥ 400 百万
53.3
(株)
トッパンメディアプリンテック関西
日本
¥ 100 百万
55
(株)
フレーベル館
日本
¥ 50 百万
100
(株)
トータルメディア開発研究所
日本
¥ 500 百万
100
(株)
トッパン トラベルサービス
日本
¥ 100 百万
100
Toppan Leefung Pte. Ltd.
凸版警備保障
(株)
日本
¥ 100 百万
100
(株)
トッパンテクノ
日本
¥ 400 百万
100
(株)
トッパン
日本
¥ 10 百万
100
(株)
トッパン保険サービス
日本
¥ 38 百万
100
(株)
トッパンホール
日本
¥ 30 百万
100
日本
¥ 50 百万
100
(株)
トッパンキャラクタープロダクション
日本
¥ 50 百万
100
(株)
トッパンマインドウェルネス
日本
¥ 10 百万
100
(株)
マピオン
日本
¥ 600 百万
63.3
(株)
BookLive
日本
¥ 4,881 百万
72.2
(株)
トッパンコミュニケーションプロダクツ
トッパン・ヒューマン・インフォメーション・サービス
(株)
日本
¥ 400 百万
100
三生印刷
(株)
日本
¥ 20 百万
90
トッパンエディトリアルコミュニケーションズ
(株)
日本
¥ 50 百万
100
(株)
創日社
日本
¥ 10 百万
100
(株)
トッパングラフィックコミュニケーションズ
日本
¥ 300 百万
100
日本
¥ 100 百万
51
日本
¥ 50 百万
65
東京都プリプレス・トッパン
(株)
(株)
トッパンメディアプリンティング北海道
(株)
芸術造形研究所
日本
¥ 30 百万
100
上海凸版国際貿易有限公司
中華人民共和国
RMB 10 百万
100
上海凸版広告有限公司
中華人民共和国
RMB 9 百万
100
米国
US$ 25 百万
100
中華人民共和国
HK$ 260 百万
100
オーストラリア
A$ 30 千
100
イギリス
STG£ 60 千
100
凸版
(上海)
企業管理有限公司
中華人民共和国
RMB 16 百万
100
北京比特威数碼産品有限公司
中華人民共和国
RMB 14 百万
シンガポール
S$ 300 千
100(100)
トッパン・フォームズ・セントラルプロダクツ
(株)
日本
¥ 100 百万
100(100)
トッパン・フォームズ東海
(株)
日本
¥ 100 百万
100(100)
トッパン・フォームズ・オペレーション
(株)
日本
¥ 100 百万
100(100)
テクノ・トッパン・フォームズ
(株)
日本
¥ 100 百万
100(100)
山陽トッパン・フォームズ
(株)
日本
¥ 50 百万
100(100)
Toppan Printing Co.(America)
, Inc.
Toppan Printing Co.,(H.K.)Ltd.
Toppan Printing Co.(Australia)Pty. Ltd.
Toppan Printing Co.(UK)Ltd.
Toppan Management Systems(S)Pte Ltd
52
議決権の所有割合
(%)
100
沖縄ビジネスフォーム
(株)
日本
¥ 15 百万
60(60)
北海道トッパン・フォームズ
(株)
日本
¥ 30 百万
100(100)
トッパン・フォームズ・サービス
(株)
日本
¥ 50 百万
100(100)
Toppan Annual Report 2015
主要な事業の内容
情報コミュニケーション
事業分野
国または地域
資本金
議決権の所有割合
(%)
トッパン・フォームズ関西
(株)
名称
日本
¥ 50 百万
100(100)
トッパン・フォームズ西日本
(株)
日本
¥ 30 百万
100(100)
日本
¥ 100 百万
69.7(69.7)
日本
¥ 810 百万
83.2(83.2)
日本
¥ 1,000 百万
100(100)
学校図書
(株)
日本
¥ 50 百万
51(51)
関西図書印刷
(株)
日本
¥ 30 百万
65(65)
凸版物流
(株)
日本
¥ 500 百万
100(9.9)
かがわ県民情報サービス
(株)
日本
¥ 50 百万
90(90)
熊本城観光交流サービス
(株)
(株)
トスコ
TFペイメントサービス
(株)
(株)
ジェイ エスキューブ
日本
¥ 30 百万
61.3(11.3)
(株)
トップレップ
日本
¥ 3 百万
100(100)
(株)
リーブルテック
日本
¥ 50 百万
100(100)
あすとろ出版
(株)
日本
¥ 80 百万
100(100)
(株)
東書エステート
日本
¥ 10 百万
100(100)
(株)
学習調査エデュフロント
日本
¥ 10 百万
100(100)
東京物流企画
(株)
日本
¥ 50 百万
100(100)
凸版情報加工
(株)
日本
¥ 400 百万
100(2.4)
光洋産業
(株)
日本
¥ 34 百万
100(29.4)
アイ・エヌ・テイ
(株)
日本
¥ 100 百万
100(100)
T.F. Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 246 百万
100(100)
Toppan Forms(H.K.)Ltd.
中華人民共和国
HK$ 94 百万
100(100)
Toppan Forms Computer Systems Ltd.
中華人民共和国
HK$ 2 百万
100(100)
Tipografia Manson, Limitada
中華人民共和国
PTC 100 千
65(65)
Toppan Forms Card Technologies Ltd.
中華人民共和国
HK$ 2 百万
100(100)
シンガポール
S$ 1 百万
100(100)
Toppan Forms Information Systems(Shanghai)Co., Ltd.
中華人民共和国
RMB 5 百万
100(100)
Shenzhen Ruixing Printing Co., Ltd.
中華人民共和国
RMB 11 百万
100(100)
広州凸版資訊信息技術有限公司
中華人民共和国
RMB 6 百万
100(100)
タイ
BAHT 133 百万
48(48)
中華人民共和国
HK$ 2 百万
100(100)
Toppan Forms(Singapore)Pte. Ltd.
Data Products Toppan Forms Ltd.
凸版国際物流
(香港)
有限公司
Toppan Printing Greece S.A.
ギリシャ
EUR 60 千
100(1)
Toppan Servicing Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 100 千
100(100)
北京日邦印刷有限公司
中華人民共和国
RMB 119 百万
95(95)
イギリス
HK$ 38 百万
100(100)
Leefung Holdings Ltd.
Toppan Security Printing Pte. Ltd.
シンガポール
S$ 6 百万
100(100)
中華人民共和国
HK$ 100 100(100)
シンガポール
S$ 100 千
100(100)
中華人民共和国
HK$ 7 百万
100(100)
タイ
BAHT 13 百万
100(100)
Toppan Best-Set Premedia Ltd.
中華人民共和国
HK$ 600 千
100(100)
Toppan Best-Set Premedia(Guangzhou)Ltd.
中華人民共和国
RMB 18 百万
100(100)
Toppan Excel Printing(Guangzhou)Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 103 百万
100(100)
Toppan Leefung Printing(Shenzhen)Co., Ltd.
中華人民共和国
US$ 16 百万
100(100)
Toppan Leefung Printing Ltd.
中華人民共和国
HK$ 2 100(100)
Toppan Vite Ltd.
Toppan Vite Pte. Ltd.
Toppan Excel(Hong Kong)Co., Ltd.
Toppan Excel(Thailand)Co., Ltd.
Toppan Annual Report 2015
53
主要な事業の内容
情報コミュニケーション
事業分野
名称
国または地域
資本金
議決権の所有割合
(%)
Toppan Leefung International Printing Pte. Ltd.
シンガポール
S$ 1 百万
100(100)
Toppan Leefung Printing(Europe)Ltd.
イギリス
STG£ 1 100(100)
Geltin Ltd.
中華人民共和国
HK$ 1 千
100(100)
Toppan Leefung(Hong Kong)Ltd.
中華人民共和国
HK$ 348 百万
100(100)
Toppan Leefung Services Ltd.
中華人民共和国
HK$ 2 100(100)
Shenzhen Toppan Vite Co. Ltd.
中華人民共和国
US$ 1 百万
100(100)
Shenzhen Leefung Printers Co., Ltd.
中華人民共和国
US$ 1 百万
90(90)
Leefung Panpac(Hong Kong)Ltd.
中華人民共和国
HK$ 4 百万
100(100)
シンガポール
S$ 2 百万
100(100)
Leefung International Publishing Pte. Ltd.
Toppan Leefung Changcheng Printing(Beijing)Co., Ltd.
中華人民共和国
US$ 18 百万
47(47)
Toppan Best-Set Premedia (Changsha) Ltd.
中華人民共和国
RMB 100 千
100(100)
Toppan Excel Printing (Meizhou) Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 93 百万
100(100)
100(100)
Toppan Vite (New York) Inc.
生活環境
事業分野
米国
US$ 8 百万
(株)
トッパンTDKレーベル
日本
¥ 2,500 百万
66
(株)
理研ジェネシス
日本
¥ 1,985 百万
63.1
(株)
トッパンパッケージプロダクツ
日本
¥ 400 百万
100
日本
¥ 400 百万
100
日本
¥ 100 百万
100
日本
¥ 1,000 百万
100
(株)
トッパンプロスプリント
日本
¥ 1,000 百万
99.9
(株)
トッパンハリマプロダクツ
日本
¥ 490 百万
100
北大阪紙業
(株)
日本
¥ 10 百万
80
関西ボトリング
(株)
日本
¥ 330 百万
48.4
インドネシア
RP 48,555 百万
100
タイ
BAHT 500 百万
51
上海凸版有限公司
中華人民共和国
RMB 464 百万
100
上海凸版印刷有限公司
中華人民共和国
RMB 66 百万
日本
¥ 10 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Paper Products Ltd.
中華人民共和国
HK$ 4 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Paper Products(Shenzhen)Co., Ltd.
中華人民共和国
RMB 10 百万
100(100)
トッパンプラスチック
(株)
(株)
トッパンパッケージングサービス
トッパンコンテナー
(株)
P.T. Indonesia Toppan Printing
Siam Toppan Packaging Co., Ltd.
九州プロダクト
(株)
54
100
Toppan Leefung Packaging & Printing(Beijing)Co., Ltd.
中華人民共和国
US$ 12 百万
100(100)
Toppan Leefung Packaging & Printing(Dongguan)Co., Ltd.
中華人民共和国
US$ 31 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Packaging(Shenzhen)Co., Ltd.
中華人民共和国
RMB 10 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Paper Products(Dongguan)Co., Ltd.
中華人民共和国
US$ 1 百万
100(100)
Toppan Yau Yue Packaging(Dongguan)Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 314 百万
100(100)
Bestpeng Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 10 千
100(100)
Toppan Win Label Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 23 百万
100(100)
Toppan Win Label Printing (Dongguan) Co., Ltd.
中華人民共和国
HK$ 107 百万
100(100)
東洋インキSCホールディングス
(株)
*
日本
¥ 31,733 百万
24.8(1.8)
丸東産業
(株)
*
日本
¥ 1,807 百万
19.3(0.3)
Toppan Annual Report 2015
主要連結子会社および関連会社
主要な事業の内容
名称
マテリアルソリューション (株)
トッパン・コスモ
事業分野
タマポリ
(株)
(株)
オルタステクノロジー
国または地域
資本金
日本
¥ 3,000 百万
議決権の所有割合
(%)
100
日本
¥ 472 百万
64.2
日本
¥ 2,900 百万
100
Toppan Photomasks, Inc.
米国
US$ 1 100
Toppan USA, Inc.
米国
US$ 15 百万
100
(株)
トッパンマテリアルプロダクツ
日本
¥ 400 百万
100
(株)
トッパン・テクニカル・デザインセンター
日本
¥ 490 百万
100
(株)
トッパンTOMOEGAWAオプティカルフィルム
日本
¥ 1,403 百万
82
(株)
T&Tエナテクノ
日本
¥ 1,240 百万
51
中華凸版電子股份有限公司
台湾
NT$ 2,667 百万
97.5
台湾凸版電子股份有限公司
台湾
NT$ 75 百万
100
台湾凸版国際彩光股份有限公司
台湾
NT$ 9,363 百万
51
中華人民共和国
RMB 529 百万
70
凸版中芯彩晶電子
(上海)
有限公司
(株)
トッパン建装プロダクツ
日本
¥ 100 百万
100(100)
タマ加工
(株)
日本
¥ 16 百万
90.6(90.6)
和光
(株)
日本
¥ 10 百万
90(90)
Toppan Photomasks Germany GmbH
ドイツ
EUR 25 千
100(100)
Toppan Photomasks GmbH
ドイツ
EUR 26 千
100(100)
韓国
KRW 115,300 百万
100(100)
フランス
EUR 15 百万
100(100)
中華人民共和国
US$ 8,434 千
100(100)
シンガポール
US$ 250 千
100(100)
マレーシア
MYR 7,500 千
100(100)
米国
US$ 11 百万
100(100)
ドイツ
EUR 153 千
100(100)
Toppan Photomasks Korea Ltd.
Toppan Photomasks France S.A.S.
Toppan Photomasks Co., Ltd. Shanghai
Toppan Semiconductor Singapore Pte. Ltd.
ORTUSTECH(MALAYSIA)Sdn. Bhd.
Toppan Interamerica Inc.
Toppan Cosmo Europe GmbH
* 関連会社。その他は連結子会社。
**( )
内の数字は間接的な議決権の所有割合を示します。
Toppan Annual Report 2015
55
海外ネットワーク
2015年6月30日現在
現地法人・駐在員事務所
アジア
■ 凸版
(上海)
企業管理有限公司
中華人民共和国 上海市普陀区凱旋北路1188号上海環球港B座9F
郵編:200063
経営管理、市場調査・情報収集
北京分公司
中華人民共和国 北京市東城区東長安街33号
北京飯店D-4301室 郵編:100004
広東分公司
中華人民共和国 広東省東莞市常平鎮常東路8号
嘉駿中心商業写字楼1901号房 郵編:523573
■ 凸版印刷株式会社北京事務所
中華人民共和国 北京市東城区東長安街33号
北京飯店D-4303室 郵編:100004
駐在員事務所
■ 上海凸版国際貿易有限公司
中華人民共和国 上海市普陀区凱旋北路1188号上海環球港B座9F
郵編:200063
貿易一般
■ 上海凸版広告有限公司
中華人民共和国 上海市普陀区凱旋北路1188号上海環球港B座9F
郵編:200063
商業印刷物の販売
■ 上海凸版有限公司
中華人民共和国 上海市松江工業区
東部新区申港路2300号 郵編:201612
パッケージ材料の製造販売
56
Toppan Annual Report 2015
■ 上海凸版印刷有限公司
中華人民共和国 上海市松江工業区
東部新区申港路2300号 郵編:201612
パッケージ印刷物の製造販売
■ 凸版中芯彩晶電子
(上海)
有限公司
中華人民共和国 上海市浦東新区郭守敬路965号OS4棟2階
郵編:201203
オンチップカラーフィルタの製造販売
■ 凸版印刷
(香港)
有限公司
香港 新界元朗工業邨福宏街1號凸版印刷中心
出版・商業印刷物の製造販売
■ 中華凸版電子股份有限公司
台湾 33444桃園県八徳市大湳里和平路1127-3号
フォトマスクの製造販売
新竹事務所
台湾 30080新竹市金山街2号4楼
フォトマスクの販売
■ 台湾凸版電子股份有限公司
台湾 10544台北市民生東路三段109号10楼
エレクトロニクス部品の販売
■ P.T. Indonesia Toppan Printing
JL. Raya Teuku Umar Km. 44, Telaga Asih, Cikarang Barat,
Bekasi, Jawa Barat-17520, Indonesia
パッケージ印刷物の製造販売
■ Siam Toppan Packaging Co., Ltd.
543 Moo 4 Sukhumvit Road, Tambon Praksa,
Amphur Muang, Samutprakarn 10280, Thailand
パッケージ印刷物の製造販売
■ Toppan Printing Co., Ltd. Singapore Branch
97 Ubi Avenue 4, Singapore 408754
海外統括拠点
■ Toppan Leefung Pte. Ltd.
1 Kim Seng Promenade #18-01
Great World City East Tower, Singapore 237994
出版・パッケージ・商業印刷・証券印刷物などの製造販売
■ Toppan Management Systems (S) Pte Ltd
97 Ubi Avenue 4, Singapore 408754
ソフトウェアの販売
■ Toppan Printing Co., Ltd. India Liaison Office
Crosscoop Delhi NCR, 3rd. Floor, Building No. 9-A,
DLF Cyber City, Phase Ⅲ, Gurgaon 122002, Haryana, India
市場調査・情報収集
アメリカ
■ Toppan Printing Co. (America), Inc.
747 Third Avenue, 17th Floor, New York, NY 10017, U.S.A.
商業印刷物等の販売
Round Rock Site
2175 Greenhill Drive, Round Rock, TX 78664, U.S.A.
セキュリティ部材製造
■ Toppan Photomasks, Inc.
131 Old Settlers Boulevard, Round Rock,
TX 78664, U.S.A.
フォトマスクの製造販売
■ TOPPAN USA, Inc.
603 Rehoboth Road, Griffin, GA 30224, U.S.A.
バリアフィルムの製造販売
Chicago Office
3601 Algonquin Road, Suite 625, Rolling Meadows,
IL 60008, U.S.A.
バリアフィルムの販売
■ Toppan Interamerica Inc.
1131 Highway 155 South McDonough, GA 30253, U.S.A.
建装材の製造販売
ヨーロッパ
■ Toppan Printing Co. (UK) Ltd.
Old Change House 2nd Floor, 128 Queen Victoria Street,
London, EC4V 4BJ, UK
パッケージ・商業印刷物等の販売
■ Toppan Printing Greece S.A.
63 Ymittou Street & 47 Formionos Street, 161 21 Kessariani,
Attica, Greece
パスポートプリンター、IDカードプリンターの販売およびサービス
■ Toppan Cosmo Europe GmbH
Heinrichstr. 83-85 40239 Düsseldorf, Germany
建装材の販売
■ Toppan Photomasks Germany GmbH
Rähnitzer allee 9, 01109 Dresden, Germany
フォトマスクの開発製造販売
Santa Clara Site
2520 Mission College Boulevard, Suite 202, Santa Clara,
CA 95054, U.S.A.
フォトマスクの販売
本社
現地法人、駐在員事務所・営業所など
Toppan Annual Report 2015
57
事業所一覧
2015年6月30日現在
本社
西日本事業本部
東京都千代田区神田和泉町1 〒101-0024
大阪府大阪市北区中之島2-3-18 〒530-0005
総合研究所
●関西情報コミュニケーション事業部
大阪府大阪市北区中之島2-3-18 〒530-0005
営業所:金沢 京都
埼玉県北葛飾郡杉戸町高野台南4-2-3 〒345-8508
情報コミュニケーション事業本部
東京都文京区水道1-3-3 〒112-8531
営業所:千葉 横浜
●情報系製造事業部
東京都文京区水道1-3-3 〒112-8531
●トッパンアイデアセンター
東京都文京区水道1-3-3 〒112-8531
生活・産業事業本部
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
●パッケージソリューション事業部
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
●ビジネスイノベーションセンター
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
●バリアフィルムセンター
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
●生活・産業製造事業部
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
エレクトロニクス事業本部
東京都台東区台東1-5-1 〒110-8560
営業所:名古屋 京都 福岡
58
Toppan Annual Report 2015
●関西生活・産業事業部
大阪府大阪市北区中之島2-3-18 〒530-0005
営業所:京都 神戸 和歌山
●九州事業部
福岡県福岡市中央区薬院1-17-28 〒810-0022
営業所:北九州 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 那覇
●中四国事業部
広島県広島市安佐南区祇園3-26-30 〒731-0138
営業所:福山 松江 岡山 周南 高松 松山 高知
中部事業部
愛知県名古屋市西区野南町19 〒452-0847
営業所:静岡 浜松 長野 松本 松阪
東日本事業本部
宮城県仙台市泉区明通3-30 〒981-3296
●東日本事業部
宮城県仙台市泉区明通3-30 〒981-3296
営業所:青森 盛岡 秋田 山形 郡山 新潟 水戸 宇都宮 高崎
さいたま
●北海道事業部
北海道札幌市西区二十四軒4条1-1-30 〒063-8555
営業所:帯広 千歳 函館
財務セクション
Contents
60 連結11ヵ年財務サマリー
62 経営者による経営成績および財務状態に関する説明および分析
70 連結貸借対照表
72 連結損益計算書
73 連結包括利益計算書・連結株主資本等変動計算書
75 連結キャッシュ・フロー計算書
76 会社情報および株式の状況
連結11ヵ年財務サマリー
凸版印刷株式会社および子会社
3月31日に終了した会計年度
2005年
2006年
2007年
2008年
¥ 1,413,580
¥ 1,548,208
¥ 1,557,876
¥ 1,670,351
1,155,234
1,258,750
1,282,170
1,388,308
81.7%
81.3%
82.3%
83.1%
171,407
198,373
206,329
209,890
会計年度
売上高
売上原価
対売上高比率
販売費及び一般管理費
対売上高比率
12.1%
12.8%
13.2%
12.6%
86,939
91,085
69,377
72,153
6.2%
5.9%
4.5%
4.3%
税金等調整前当期純利益
76,680
57,238
69,648
73,356
当期純利益
40,574
15,148
26,067
38,524
対売上高比率
2.9%
1.0%
1.7%
2.3%
総資産当期純利益率(ROA)
2.8%
0.9%
1.5%
2.1%
自己資本当期純利益率(ROE)
5.4%
1.9%
3.2%
4.8%
営業利益
対売上高比率
1株当たりデータ(円)
1株当たり当期純利益
¥ 60.09
¥ 22.13
¥ 39.58
¥ 58.63
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
59.94
22.02
39.40
58.49
1株当たり配当金
19.00
20.00
20.00
22.00
¥ 22,256
¥ 27,593
¥ 29,133
¥ 29,733
設備投資
86,626
119,221
133,723
72,912
減価償却費
69,262
78,920
80,267
92,118
流動資産
¥ 678,569
¥ 768,973
¥ 861,600
¥ 850,392
流動負債
403,302
456,742
543,834
479,983
運転資本
275,267
312,231
317,766
370,409
現金及び現金同等物
168,805
206,974
240,596
224,316
有形固定資産
543,734
633,136
672,348
663,464
長期有利子負債
189,162
283,109
285,370
276,753
総資産
1,483,478
1,727,637
1,837,719
1,787,409
純資産
768,246
803,678
918,002
940,304
自己資本比率
51.8%
46.5%
43.7%
45.0%
有利子負債比率
26.7%
37.9%
44.8%
36.1%
研究開発費
会計年度末
その他
従業員数(人)
発行済株式数(千株)
連結子会社数(社)
32,724
35,954
36,757
38,570
699,412
699,412
699,412
699,412
126
149
150
155
*2007年3月31日に終了した会計年度より、
「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」
(企業会計基準第5号 平成17年12月9日)
及
び
「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針」
(企業会計基準適用指針第8号 平成17年12月9日)
を適用しています。
60
Toppan Annual Report 2015
単位:百万円(1株当たりデータ除く)
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
¥ 1,617,341
¥ 1,506,751
¥ 1,556,457
¥ 1,510,415
¥ 1,502,308
¥ 1,532,043
¥ 1,526,915
1,369,802
1,261,484
1,297,383
1,263,371
1,253,965
1,280,004
1,272,460
84.7%
83.7%
83.4%
83.6%
83.5%
83.5%
83.3%
218,353
207,029
214,065
215,489
216,251
216,317
213,578
13.5%
13.7%
13.8%
14.3%
14.4%
14.1%
14.0%
29,186
38,238
45,009
31,555
32,092
35,722
40,877
1.8%
2.5%
2.9%
2.1%
2.1%
2.3%
2.7%
11,281
31,062
32,097
8,807
38,849
40,735
46,405
(7,731)
11,703
12,153
3,068
18,562
20,621
22,868
(0.5%)
0.8%
0.8%
0.2%
1.2%
1.3%
1.5%
(0.5%)
0.7%
0.7%
0.2%
1.2%
1.2%
1.2%
(1.0%)
1.6%
1.6%
0.4%
2.5%
2.7%
2.7%
¥ (11.87)
¥ 18.18
¥ 18.89
¥       4.77
¥      28.90
¥      32.12
¥      35.67
—
18.17
—
—
—
31.10
31.96
22.00
22.00
18.00
18.00
18.00
18.00
18.00
¥ 28,792
¥ 24,416
¥ 23,445
¥     21,496
¥     20,689
¥     19,821
¥     19,084
92,023
68,064
65,020
66,814
76,827
72,177
76,138
92,722
87,450
82,940
80,923
67,965
62,473
61,176
¥ 779,499
¥ 788,949
¥ 849,243
¥   767,831
¥   800,645
¥   836,681
¥   924,728
424,740
403,564
453,121
407,945
453,121
420,152
515,536
354,759
385,385
396,122
359,886
347,524
416,529
409,192
236,197
238,033
288,462
190,804
256,058
287,690
335,911
652,178
632,794
608,616
574,506
552,511
553,291
566,125
313,318
296,270
281,666
232,264
224,041
299,588
254,345
1,681,746
1,665,695
1,694,329
1,586,823
1,633,066
1,712,351
1,994,642
867,739
874,027
864,017
866,219
888,422
913,108
1,082,844
44.0%
44.8%
43.3%
46.1%
46.3%
45.7%
46.8%
46.4%
43.2%
46.1%
35.4%
38.9%
42.1%
38.3%
47,522
47,650
48,197
47,872
48,878
48,751
48,999
699,412
699,412
699,412
699,412
699,412
699,412
699,412
195
177
163
165
167
154
151
注1:2006年3月31日に終了した会計年度は米国デュポンフォトマスク
(現 Toppan Photomasks, Inc.)
の株式取得に関わるのれん代の償却、32,607百万円を反映しています。
注2:2009年3月31日に終了した会計年度において、従業員数が8,952人増加していますが、これは主にSNP Corporation Limited
(現 Toppan Leefung Pte. Ltd.)を株
式取得により連結の対象に含めたことによるものであり、主として情報コミュニケーション事業分野の人員が増加しています。
注3:2009年3月31日に終了した会計年度において、連結子会社数が40社増加していますが、これは株式の取得等によりSNP Corporation Pte. Ltd. 他48社の計49社を連
結の範囲に含め、合併等により図書物流株式会社他8社の計9社が減少したことによるものです。
Toppan Annual Report 2015
61
経営者による経営成績および財務状態に関する説明および分析
凸版印刷株式会社および子会社
3月31日に終了した会計年度
売上高に対する利益率
当期純利益
十億円
円
45
45
32.12
18.89
15
12.2
18.6
2.0
1.0
4.77
3.1
11年
12年
0
13年
14年
15年
当期純利益
1株当たり当期純利益
当セクションに記載されている財務
2.1
2.1
1.2
1.3
1.5
0.8
0
0.2
11年
12年
13年
14年
15年
売上高営業利益率
売上高当期純利益率
改革の遂行」
「新事業・新市場の創出」
情報は、本アニュアルレポートに掲載
経営活動の姿勢
された連結財務諸表に基づいていま
当期の日本経済は、日銀・政府の金
要な経営課題として位置づけ、
グルー
す。また同財務諸表は、日本において
融政策や財政政策などを背景に、雇
プ一体となって収益体制の強化に取り
一般に公正妥当と認められた会計基
用・所得環境が改善し、外需部門を中
組んできました。新たな収益モデルの
準に準じています。
トッパングループ
既存事業におい
心に企業業績の回復がみられるなど、 早期確立をめざして、
は、凸版印刷株式会社(当社)
を中心
全体としては緩やかな回復基調が続
ては競争優位性の確立やコスト削減に
に、子会社151社と持分法適用関連
きました。一方で、個人消費の伸び悩
向けた施策を推進し、
また新規事業に
「グローバルな事業展開の加速」
を重
会社24社で構成されており、情報コ
みや、中国経済をはじめとする海外景
おいては成長分野を対象に積極的な
ミュニケーション事業分野、生活環境
気の下振れ懸念などが残り、先行き
経営資源の投入を行いました。
事業分野、およびマテリアルソリュー
は依然として不透明な状況で推移し
こうした取り組みの結果、当期の連
ション事業分野の3事業分野にわたり、 ています。
事業活動を展開しています。当社では、 印刷業界においては、
インターネッ
62
2.7
22.9
15
0
2.9
2.3
30
20.6
3.0
35.67
28.90
30
%
結決算は、売上高が1兆5,269億円
(前期比0.3%減)、営業利益が409
連結決算にグループ企業すべての業
ト広告を中心に企業の広告宣伝費が
億円
(前期比14.4%増)
、当期純利益
績を反映させるため、子会社はすべて
拡大する一方、出版市場は依然、縮小
が229億円
(前期比10.9%増)
となり
連結対象とし、関連会社についてもす
傾向にあります。また、円安に伴う原
ました。
べてに持分法を適用しています。なお、
材料価格の上昇、異業種・異業態にわ
当期
(2015年3月期)
における連結範
たる競争激化が招いた単価の下落な
売上高
囲の移動状況は以下の通りです。
ど、全体を通しては厳しい経営環境と
当 期 の 連 結 売 上 高 は 、前 期 比
なりました。
0.3%減の1兆5,269億円となりまし
連結子会社
このような環境のなか、
トッパング
た。事業セグメント別の売上動向は以
新規:3社 除外:6社
ループでは、
21世紀の企業像と事業
下の通りです。
持分法適用関連会社
領域を定めた
「TOPPAN VISION
情報コミュニケーション事業分野の
新規:なし 除外:2社
21」
に基づき、
「グループを含めた構造
売上高は前期比1.4%増の9,325億
Toppan Annual Report 2015
ROE & ROA
営業活動によるキャッシュ・フロー
%
十億円
3.0
150
2.7
2.5
2.7
118.0
2.0
100
104.1
103.6
96.9
83.5
1.6
1.2
1.2
1.2
1.0
50
0.7
0.4
11年
12年
0
0
0.2
13年
14年
15年
ROE
ROA
11年
12年
13年
14年
15年
営業活動によるキャッシュ・フロー
円、営業利益は17.4%増の482億円
般印刷物が伸び悩んだものの、POP
生活環境事業分野の売上高は前
となりました。
広告などのSP関連ツールは増加し、
期比0.7%増の2,854億円、営業利益
うちセキュア関連においては、IC
全体として前年を上回りました。電子
は43.7%減の63億円となりました。
カードで 需 要 が 一 段 落し前 年を下
チラシサイト
「Shufoo!
(シュフー)
」
も、
うちパッケージ関連においては、消
回ったものの、当社の専門的な人財
得意先のWebプロモーション強化に
費税増税後の回復に遅れが出たもの
や高度なセキュリティ環境を活用した
伴い順調に拡大しているほか、大学
の、環境意識の高まりやライフスタイ
BPO
(ビジネスプロセスアウトソーシ
の研究室と連携してユーザー行動予
ルの変化によって生じた多様なニーズ
ング)
が増加しました。また、金融機関
測に基づくコンテンツ配信を検討して
(利便性向上、賞味期限延長など)
を
またチラシのメタデータを活用
の店頭でICキャッシュカードを発行し、 おり、
取り込むことで、全体としては堅調に
その場で利用者にお渡しする店頭即
したサービスの実証実験など、
さらな
推移しました。特に軟包装材は、
レン
時発行サービスの採用が拡大するな
る事業拡大に向けた取り組みを推進
ジ包材など、透明ハイバリアフィルム
ど、全体として前年を上回りました。
しています。
ビジネスフォーム関連においては、
コンテンツ関連においては、出版市
業績を伸ばしました。また、第38回木
ビジネスフォームが、企業のシステム
場が縮小傾向で推移するなか、雑誌・
下賞を受賞した、空気の力で自立する
変更に伴う帳票改訂や周辺印刷物の
書籍ともに前年を下回りました。一方
液体製品用スタンディングパウチ
「エ
需要を取り込んだものの、電子化に伴
デジタルコンテンツでは、無線LANを
アホールドパウチ」
や、環境配慮型製
う需要量減少、
また消費税増税に伴
活用し、図書館や病院を対象にコンテ
品である紙製飲料缶「カートカン」
な
う駆け込み需要の反動減などの影響
ンツ閲覧サービスを提供するなど、新
どの売上も増加しました。
により、前年を下回りました。一方、
たな取り組みを強化しています。また、 マテリアルソリューション事業分野
データ・プリント・サービスは、プリント
株式会社BookLiveが主婦向けオリ
の売上高は前期比4.7%減の3,501
業務一括アウトソーシングの受注増
ジナル4コマ漫画のShufoo!への提
億円、営業利益は26.1%増の116億
などにより、前年を上回りました。
供を開始するなど、グループ内の連携
円となりました。
マーケティング関連においては、チ
を強化し、
さらなる事業拡大に注力し
うちディスプレイ関連においては、
ラシ、パンフレット・カタログなどの一
ています。
カラーフィルタが、
スマートフォンなど
「GLフィルム」
を活用した製品を軸に、
Toppan Annual Report 2015
63
3月31日に終了した会計年度
設備投資
減価償却費
十億円
十億円
100
100
76.8
75
65.0
72.2
76.1
82.9
75
68.0
66.8
50
50
25
25
0
62.5
61.2
14年
15年
0
11年
12年
13年
14年
15年
設備投資
11年
12年
13年
減価償却費
モバイル向けを中心に中小型サイズ
ポイント低下して83.3%となりました。 に低下しています。当社では、市場に
で増加したものの、
テレビ向けでは減
この結果、売上総利益は前期比1.0%
おける技術優位性の確保や既存製品
少し、前年を下回りました。
増の2,545億円となりました。当社で
の性能向上、次世代高付加価値製品
半導体関連においては、新興国向
は売上原価率をさらに抑え、早期に
の開発に向けた効率的な研究開発を
けスマートフォンを中心に半導体市場
80%程度まで低減することをめざし
続けており、今後も計画的に開発投
が堅調に推移するなか、フォトマスク
て、組織のスリム化や生産の効率化、
資を進めていく考えです。
が、海外での先端品拡販が奏功し、前
原材料調達の見直しなど、総合的な
年を上回りました。高密度半導体パッ
コスト削減策に取り組んでいます。
ケージ基板であるFC-BGA基板も、
営業利益
当期の営業利益は前期比14.4%
国内外の需要を積極的に取り込み、
販売費及び一般管理費
増の409億円となり、売上高営業利
前年を上回りました。
当期の販売費及び一般管理費は、
益率は2.7%で、前期の2.3%からさら
高機能・エネルギー関連においては、 前期比1.3%減の2,136億円となりま
に0.3ポイント上昇しました。当社では、
太陽電池関連部材が、厳しい市場環
した。対売上高比率は14.0%で、前期
本業の収益力を測る指標として営業
境の影響により、前年を下回りました。
の14.1%からさらに0.1ポイント低下
利益を重視しており、
その拡大に向け
建装材関連においては、
「トッパン
しました。当社では現在、収益力の強
た施策を今後も積極的に講じていく
エコシート」
など環境配慮型製品の積
化に向けた事業構造改革を進めてお
考えです。
極的な販売展開により、欧米で好調
り、人員の最適配置による外部委託
に推移したものの、国内は消費税増
費低減、総労務費の圧縮などを引き
その他利益
税前の駆け込み需要の反動減で減少
続き推進していく方針です。
当 期 の そ の 他 利 益 は 、前 期 比
し、前年を下回りました。
64
80.9
10.3%増の55億円となりました。
これ
研究開発費
は、当社の進めてきた保有資産価値
売上原価
当期の研究開発費は前期比3.7%
の見直しの結果、前期において固定
当期の売上原価は前期比0.6%減
減の191億円となりました。対売上高
資産除売却損や関係会社整理損を計
の1兆2,725億円、売上原価率は0.2
比率は1.2%で、前期の1.3%からさら
上していたこと、加えて当期において
Toppan Annual Report 2015
純資産
有利子負債比率
%
50
十億円
%
1,250
100
46.1
40
38.9
42.1
38.3
750
20
500
10
250
0
60
43.3
46.1
46.3
45.7
46.8
40
20
0
11年
12年
80
913.1
864.0 866.2 888.4
35.4
30
1,082.8
1,000
13年
14年
15年
有利子負債比率
は持分法適用関連会社の収益が向上
0
11年
12年
13年
14年
15年
純資産
自己資本比率
行による収入が199億円増加、社債
し、
また株高を背景に投資有価証券売
キャッシュ・フロー
の償還による支出が404億円減少し
却益を計上したこと、などによるもの
トッパングループでは、円滑な事業
たものの、転換社債の発行による収
です。この結果、税金等調整前当期純
運営とともに、将来の戦略的成長に
入が801億円減少したことなどによ
利益は前期比13.9%増の464億円と
向けた投資活動を適宜行えるよう、
るものです。
なりました。
健全な財務状態の維持およびキャッ
以上の結果、当期末時点の現金及
シュ・フローの創出に努めています。
び現金同等物は、前期末比16.8%増
法人税等
当 期 の 営 業 活 動 から 得 られ た
の3,359億円となりました。
当期の法人税等は、前期の161億
キャッシュ・フローは、前期比11.8%減
円から190億円に増加し、税効果会計
の1,041億円となりました。これは、
財務状態
適用後の法人税等の負担率は、前期
未払又は未収消費税等の増減額が
当 期 末の流 動 資 産は、前 期 末 比
の39.6%から41.0%に上昇しました。
95億円増加した一方で、売上債権の
10.5%増の9,247億円となりました。
増減額が194億円減少したことなど
これは、現金及び現金同等物が482
当期純利益
によるものです。
億円、有価証券が164億円、
それぞれ
以上の結果、当期純利益は前期比
投資活動に使用したキャッシュ・フ
増加したことなどによるものです。ま
10.9%増の229億円となり、1株当た
ローは、前期比35.0%減の706億円
た流動負債は、前期末比22.7%増の
り当期純利益は、前期の32円12銭か
となりました。これは、投資有価証券
5,155億円となりました。これは、1年
ら35円67銭へと増加しました。
の取得による支出が227億円減少し
以内に返済期限の到来する長期借入
利益率については、総資産当期純
たうえ、有価証券の売却による収入
債務が741億円増加したことなどに
利益率
(ROA)
は1.2%、
また自己資本
が202億円増加したことなどによる
よるものです。
当期純利益率
(ROE)
は2.7%と、
いず
ものです。
有形固定資産は、前期末比2.3%
れも前期並みの水準となりました。
財 務 活 動 により得られたキャッ
増の5,661億円となりました。また投
シュ・フローは、前期比34.2%減の99
資その他の資産は、前期末比56.3%
億円となりました。これは、社債の発
増の5,038億円となりました。
Toppan Annual Report 2015
65
3月31日に終了した会計年度
1株当たり配当金
総資産
円
十億円
1,994.6
2,000
1,694.3
1,500
1,586.8
1,633.1
18.00 18.00 18.00 18.00 18.00
1,712.4
15
1,000
10
500
5
0
0
11年
12年
13年
14年
15年
11年
12年
13年
14年
15年
1株当たり配当金
総資産
66
20
固定負債は、前期末比4.5%増の
います。具体的には、連結配当性向
3,963億円となりました。これは、長
30%以上をめどに、配当水準の向上
目標とする経営指標
期借入債務が453億円減少した一方
に努めています。
当社の経営は、株主価値重視の観
で、繰延税金負債が664億円増加し
内部留保資金については、企業価
点から自己資本当期純利益率
(ROE)
たことなどによるものです。
値の向上をめざして、成長が見込まれ
の向上をめざすとともに、諸利益のな
純資産は、前期末比18.6%増の1
る事業分野を拡大するための設備投
かでも特に、本業の収益力を表す営
兆828億円となりました。これは、
その
資や研究開発に充てるほか、既存事
業利益の拡大に注力していきます。資
他有価証券評価差額金が1,175億円、 業の効率化・活性化など、長期的な視
本効率、ひいては企業価値を高める
退職給付に係る調整累計額が165億
点から投資効率を高める施策に充当
ための経営努力にいっそう邁進し、株
円、利益剰余金が95億円、それぞれ
する方針です。
主の皆さまの期待に応えていきたい
増加したことなどによるものです。
このような利益配分を行うことが、
と考えています。
自己資本比率は、前期末の45.7%
企業体質の強化につながり、将来的
から46.8%となり、1株当たりの純資
な利益向上に寄与するとともに、株主
産は、
前期末比19.5%増の1,457円と
の皆さまに対する利益還元を可能に
なりました。
また、当期における総資産
するものと考えています。
来期の見通し
は、前期末比16.5%増の1兆9,946
こうした基本方針のもと、当期の期
来期の経営環境は、国内経済につ
億円となりました。
末配当金については、1株当たり9円
いては各種政策の効果を背景に、緩
00銭とさせていただきました。これに
やかな回復が続くと予想されますが、
配当方針および配当
より、年間配当金は1株当たり18円と
米国の金融政策正常化に向けた動き、
当社は、株主の皆さまへの機動的
なりました。
欧州の政府債務問題、中国や新興国
な利益還元、および社としての持続
次期の年間配当金については、当
経済の先行きなどによっては、景気が
的成長を実現するため、各期の連結
期と同じく18円を計画しています。
下振れするリスクも懸念されます。印
業績、配当性向、内部留保などを総合
刷業界においては、企業の広告宣伝
的に勘案したうえで、配当を実施して
費は引き続き回復傾向で推移すると
Toppan Annual Report 2015
みられるものの、出版市場など既存の
社)
が判断したものです。
印刷市場は、依然として成熟傾向に
事業を発展していくためには、既存製
品における高品質化と、高度な新技
あります。
また、収益下振れのリスクと
1 印刷事業の特性
術導入による新製品・新サービスの開
して、円安に伴う原材料価格の上昇
印刷業は、情報技術とネットワーク
発が重要であると認識しています。
なども懸念され、引き続き厳しい経営
化の進展による市場環境変化の中で、 そのためには、高度な技術力・企画
環境が予想されます。
新事業領域の創出と価格競争力の強
提案力を有した優れた人財が不可欠
この ような 状 況 のもと、当 社 は
化が求められています。新たな事業
です。
トッパングループは計画的な人
「TOPPAN VISION 21」
に基づき、
領域において売上を拡大することが
財の採用と育成に向けた教育に注力
「グループを含めた構造改革の遂行」
できず、価格競争力向上のための原
していますが、優秀な人財を確保また
「新事業・新市場の創出」
「グローバル
価削減施策が不十分であった場合に
は育成できなかった場合には、
トッパ
な事業展開の加速」
を重要な経営課
は、
トッパングループの業績に影響を
ングループが将来にわたって成長し
題と位置づけ、グループ一体となって
及ぼす可能性があります。
続けていくことができない可能性が
業績の拡大に邁進していきます。
あります。
来期の業績見通しについては、連
2 エレクトロニクス事業分野の特性
結売上高は1兆5,360億円(当期比
トッパングループにおけるエレクト
4 厳しい市場競争及び価格競争
0.6%増)
、連結営業利益は475億円
ロニクス事業分野は、主に液晶カラー
トッパングループは、継続的に新製
(当期比16.2%増)
、連結当期純利益
フィルタ、反 射 防 止フィルムなどの
品や新サービスを開発・販売するとと
は230億円(当期比0.6%増)
を見込
ディスプレイ関連事業とフォトマスク
もに、既存製品のコストダウンに努め
んでいます。
などの半導体関連事業からなってい
ています。しかし、競合関係にある企
ます。
業との製品開発競争や価格競争が近
この事業は最先端の技術開発と市
年激しくなっており、
トッパングループ
場への的確な対応により、収益が期
の製品及びサービスが市場における
待できる事業ですが、製品ライフサイ
優位性を維持できない場合や、激し
当アニュアルレポートの記載内容の
クルの短期化や技術動向の進展が想
い競争によって価格の下落を招いた
うち、将来予測に関する表記は、現在
定以上に進んだ場合、
トッパングルー
場合には、
トッパングループの業績に
想定できる経済情勢、市場動向など
プの業績に影響を及ぼす可能性があ
影響を及ぼす可能性があります。
を前提にしており、既知、未知のリス
ります。
クや仮定などが 含まれています。今
また、事業全体の特性として、特定
5 設備投資に伴う影響
後、さまざまな要因により、実際の成
得意先への依存度が高くなる傾向が
トッパングループは営業キャッシュ・
果や業績は記載の予測とは大きく異
ありますが、
このような安定得意先と
フロー、社債の発行及び銀行融資等
なる可能性があります。
の取引関係が強みでもあると考えて
により必要資金を賄い、設備投資を
います。
しかしながら、
こうした一部の
行っています。このような設備投資に
リスク・ファクター
得意先との間で発生する、製品の価
は、市場環境の変化により投資決定
当アニュアルレポートに記載した事
格水準、製品の量と種類、支払遅延も
時に比べ投資回収期間が長期化する、
業の状況、経理の状況などに関する
しくは不払い、ないしは支払条件の不
過大な償却費負担が業績を圧迫する、
事項のうち、投資家の判断に重要な
利な変更などの要因により、
トッパン
大規模な設備投資が総資産利益率を
影 響を及ぼす可 能 性のある事 項に
グループの業績及び財務状況に影響
引き下げる、資金調達に伴う金利支
は、以下のようなものがあります。な
を及ぼす可能性があります。
払が利益率を引き下げる等、
トッパン
将来予測表記に関する特記
グループの業績に影響を及ぼす可能
お、文中の将来に関する事項は、当連
結会計年度末現在においてトッパン
3 事業の発展を支える人財の確保
グループ(トッパンおよび 連結子会
トッパングループが将来にわたり
性があります。
Toppan Annual Report 2015
67
6 円滑な資金調達
な要因により、提携関係を継続できな
り、そのような場合には、
トッパング
トッパングループは事業の拡大や、
い場合や、当初期待した効果を得られ
ループの業績に影響を及ぼす可能性
急速な技術革新に対応するために設
ない場合には、業績に影響を及ぼす
があります。
備投資を必要としています。設備投資
可能性があります。
12 退職給付債務
に向ける資金調達については、事業
トッパングループの従業員に対す
計画に基づき外部から調達する場合
9 生産活動に伴うリスク
もありますが、金利情勢の大幅な変
トッパン
生産活動においては、品質管理上、 る退職給付債務及び費用は、
化等により適正な条件で必要十分な
十分な注意を払いすべての製品につ
グループが適用している退職慰労金
追加資金を調達することができない
いて製品事故やクレームを発生させ
及び企業年金制度に基づき算出され
可能性があります。
ないための対応を図っていますが、将
ています。
トッパングループは年金財
来にわたっては製品事故が発生する
政の安定化のため、代行部分の返上
7 海外事業に伴うリスク
ことで業績に影響を及ぼす可能性が
に伴う企業年金制度の見直し及び特
トッパングループは、米国をはじめ
あります。また、新工場の立ち上げや
別掛金の一括拠出などを行いました
中国、東南アジア地域、欧州において
移設に伴う製造ラインの変更・改善
が、今後、経済環境等の変動により計
も事業活動を行っています。将来的に
に際し適切に対応できなかった場合
算の前提となる割引率、年金資産の
も、開発途上国を含む海外の国で新
には、得意先に対する製品納入の遅
長期期待運用収益率などの条件に変
たに事業を展開する可能性があり、海
れや工場の生産性の低下により、販
更が生じた場合には、
トッパングルー
外事業を推進するにあたっては、下記
売の落込みにつながる可能性があり
プの業績及び財政状態に影響を及ぼ
のような固有のリスクが存在すると
ます。
す可能性があります。
10 外部生産委託
13 市場性のある有価証券における
認識しています。
●
技術的インフラが十分な水準に達し
ていないために生産その他事業活動
に影響を及ぼし、製品やサービスが得
意先に受け入れられない可能性
● 政治及び経済面における不安定さ
● 予期しない法律や規制の変更
(税制を
含む)
● 為替相場の変動
●
貿易の制限や関税率の変更
● 疫病及び大規模な災害の発生の可能
時価の変動
関連事業において生産数量、生産時
トッパングループは、市場性のある
期、納期などの要因により、必要に応
有価証券を保有しています。
したがっ
じて外部製造業者に生産を委託して
て、株式市場及び金利相場等の変動
います。外部委託先に自然災害や不
によっては、有価証券の時価に影響を
慮の事故が発生した場合には、製品
与え、
トッパングループの業績及び財
納入の遅れや製品の欠陥といった製
政状態に影響を及ぼす可能性があり
造上の問題が発生する可能性があり
ます。
ます。
14 外国為替相場の変動
11 主原材料の確保
国内印刷市場の成熟化が進んでい
トッパングループは、事業に使用す
るなか、海外市場での事業が拡大し
8 戦略的提携、投資及び企業買収
る用紙、インキ、ガラスといった特定
ていますが、海外現地法人において
トッパングループは他社との戦略
の原材料の大半を外部メーカーから
現地通貨で取引されている収支の各
的提携、合弁事業、投資を通して、多
調達しています。事業活動を維持する
項目は、連結財務諸表を作成する際
くの事業を推進しており、将来におい
ためには、十分な量の原材料を適正
に円に換算されるため、結果として換
ても、他の企業を買収する可能性が
な価格で安定的に確保することが重
算する時点での為替相場の変動に影
あります。このような活動は、新技術
要ですが、外部メーカーからの供給量
響される可能性があります。
の獲得、新製品の発売、新規市場参
の大幅な不足や納期の遅延、原材料
また、為替相場の変動は、
トッパン
入のためには重要です。
しかし、様々
価格の高騰などが起こる可能性があ
グループが現地で販売する製品の価
性
68
トッパングループは、主として印刷
Toppan Annual Report 2015
格や、現地生産品の製造・調達コスト
る偶発的な汚染や放出、及び、
その結
や、国内における販売価格にも影響
果としての傷害を完全に予測するこ
を与えることが想定されます。そのよ
とは困難であり、万一発生した場合に
うな場合には、
トッパングループの業
は、
トッパングループの事業活動に影
績に影響を及ぼす可能性があります。
響を及ぼす可能性があります。
15 知的財産の保護
17 情報セキュリティ
市場における競争力強化のために
トッパングループは、厳重な情報セ
は革新的な製品やサービスを開発す
キュリティ管理体制において自社内の
る必要があり、特許を含む知的財産
機密情報を管理するとともに、事業の
は競争力の重要な要素です。
トッパ
一環として得意先から預託された機
ングループは、特許、商標、その他の
密情報や個人情報の収集・保管・運用
知的財産権の組み合わせにより、自
を行っています。これらの情報管理に
社開発技術の保護に努めていますが、 は万全な方策を講じていますが、万一
次のリスクが存在すると認識してい
ます。
トッパングループの社員や業務の委
託会社等が情報を漏洩もしくは誤用
した場合には、企業としての信頼を失
● トッパングループの申請中の特許が
●
い、業績に影響を及ぼす可能性があ
認められない可能性
ります。
トッパングループの知的財産の不正
使用ないし侵害を防ぐための対応が
成功しない可能性
18 自然災害、事故災害及び疫病に
● トッパングループの技術等が、
他社の
知的財産権を侵害しているとされる可
能性
関するリスク
トッパングループでは、事業所にお
ける耐震対策や定期点検、防災訓練
等の取り組みを実施していますが、地
トッパングループの知的財産が干
震、台風等の自然災害や火災等の事
渉を受けた場合、事業活動や業績に
故災害及び疫病が発生した場合、事
影響を及ぼす可能性があります。
業所の設備や従業員等が大きな被害
を受け、その一部又は全部の操業が
16 環境法規制の影響
中断し、生産及び出荷が遅延する可
国内外において、国や地方自治体
能性があります。また、損害を被った
の法律及び規制により、有害物質の
設備等の修復のために多額の費用
不適切な使用・廃棄やそれに起因す
が 発 生し、結 果として 、
トッパング
る土壌汚染、大気汚染等の環境汚染
ループの事業活動、業績及び財務状
に関して、重大な責任が発生する可
況に影響を及ぼす可能性があります。
能性があります。
トッパングループの
製造工程及び研究開発においては、
特定の有害物質を使用し、廃棄物を
管理する必要があり、適用される規制
を守るために厳重な注意を払ってい
ます。
しかし、
このような物質に起因す
Toppan Annual Report 2015
69
連結貸借対照表
凸版印刷株式会社および子会社
2014年および2015年3月31日現在
資産の部
単位:百万円
2014年
2015年
¥   287,690
¥   335,911
3ヵ月超の定期預金
11,072
13,565
有価証券
17,745
34,118
営業取引
397,610
409,526
関連会社
495
445
流動資産
現金及び現金同等物
受取手形及び売掛金
貸倒引当金
(4,184)
(4,234)
たな卸資産
製品・商品
36,159
38,270
半製品・原材料
51,757
52,874
繰延税金資産
11,593
12,492
その他
26,744
31,761
836,681
924,728
土地
138,255
139,147
建物及び構築物
617,648
623,167
機械装置
889,866
906,248
23,528
31,885
流動資産計
有形固定資産
建設仮勘定
減価償却累計額
有形固定資産計
1,669,297
1,700,447
(1,116,006)
(1,134,322)
553,291
566,125
投資その他の資産
47,171
46,355
投資有価証券
関連会社に対する投資有価証券及び貸付金
183,804
353,588
繰延税金資産
13,888
10,626
9,891
11,136
29,612
42,979
無形固定資産
22,855
27,587
その他
15,158
11,518
長期貸付金
退職給付に係る資産
投資その他の資産計
資産合計
70
Toppan Annual Report 2015
322,379
503,789
¥ 1,712,351
¥ 1,994,642
2014年および2015年3月31日現在
負債の部
単位:百万円
2014年
2015年
¥     15,537
¥     15,144
14,297
88,354
267,972
277,155
37,039
37,199
9,653
8,297
54,444
58,455
7,361
9,250
流動負債
短期借入金
1 年以内に返済期限の到来する長期借入債務
支払手形及び買掛金
営業取引
設備
関連会社
未払費用
未払法人税等
その他
13,849
21,682
420,152
515,536
299,588
254,345
退職給付に係る負債
46,596
43,000
役員退職慰労引当金
1,443
1,490
流動負債計
固定負債
長期借入債務
繰延税金負債
19,353
85,795
その他
12,111
11,632
379,091
396,262
104,986
104,986
固定負債計
純資産の部
株主資本
資本金
発行可能株式数 2014年および2015年 —2,700,000,000株
発行済株式数 2014年および2015年3月31日現在— 699,412,481株
資本剰余金
117,739
117,739
利益剰余金
591,158
600,621
2014年3月31日現在—57,428,970株 2015年3月31日現在—59,060,374株
(56,005)
(57,295)
株主資本計
757,878
766,051
33,070
150,543
自己株式
その他の包括利益累計額
その他有価証券評価差額金
繰延ヘッジ損益
51
(54)
為替換算調整勘定
(2,073)
6,146
退職給付に係る調整累計額
(5,856)
10,605
その他の包括利益累計額計
25,192
新株予約権
少数株主持分
純資産合計
負債、純資産合計
167,240
―
—
130,038
149,553
913,108
1,082,844
¥ 1,712,351
¥ 1,994,642
Toppan Annual Report 2015
71
連結損益計算書
凸版印刷株式会社および子会社
2013年、2014年および2015年3月31日に終了した1年間
単位:百万円
2013年
2014年
2015年
¥ 1,502,308
¥ 1,532,043
¥ 1,526,915
1,253,965
1,280,004
1,272,460
売上総利益
248,343
252,039
254,455
販売費及び一般管理費
216,251
216,317
213,578
32,092
35,722
40,877
3,722
4,148
5,016
支払利息
(3,283)
(3,331)
(3,001)
投資有価証券評価損
(2,181)
(80)
(263)
売上高
売上原価
営業利益
その他の収益(費用)
受取利息及び受取配当金
持分法による投資利益
2,220
1,918
3,039
固定資産売却益
2,747
1,867
2,344
固定資産除売却損
(2,779)
(3,470)
(1,918)
為替差益
3,288
2,894
4,611
投資有価証券売却損益
2,400
516
3,476
減損損失
複合金融商品評価損
関係会社株式売却損益
関係会社整理損
退職給付信託設定益
工場閉鎖損失
持株変動利益
収用補償金
(73)
(1,893)
(2,925)
(490)
(82)
(373)
―
(293)
7,421
39
(1,442)
38
5,917
―
—
(1,986)
―
—
33
109
794
―
―
1,445
生産拠点集約費用
(1,011)
その他
(1,474)
(3,562)
(6,794)
6,757
5,013
5,528
38,849
40,735
46,405
13,837
12,724
14,448
3,394
3,397
4,555
合計
17,231
16,121
19,003
少数株主損益調整前当期純利益
21,618
24,614
27,402
合計
税金等調整前当期純利益
―
—
法人税等
法人税、住民税及び事業税
法人税等調整額
少数株主利益
当期純利益(損失)
(3,056)
¥     18,562
(3,993)
¥     20,621
1株当たり情報
1株当たり当期純利益
潜在株式調整後1株当たり当期純利益
1株当たり配当金
72
Toppan Annual Report 2015
(4,534)
¥   22,868
単位:円
2013年
2014年
2015年
¥     28.90
¥     32.12
¥     35.67
―
31.10
31.96
18.00
18.00
18.00
連結包括利益計算書
凸版印刷株式会社および子会社
2013年、2014年および2015年3月31日に終了した1年間
少数株主損益調整前当期純利益
単位:百万円
2013年
2014年
2015年
¥ 21,618
¥ 24,614
¥ 27,402
9,746
7,445
128,246
その他の包括利益
その他有価証券評価差額金
繰越ヘッジ損益
(124)
為替換算調整勘定
(107)
11,124
退職給付に係る調整額
(105)
18,913
11,321
―
―
16,392
534
1,543
962
その他の包括利益合計
21,280
27,794
156,816
包括利益
42,898
52,408
184,218
36,285
45,039
164,916
6,613
7,369
19,302
持分法適用会社に対する持分相当額
(内訳)
親会社株主に係る包括利益
少数株主に係る包括利益
連結株主資本等変動計算書
凸版印刷株式会社および子会社
2013年、2014年および2015年3月31日に終了した
1年間
単位:百万円
株主資本
2012年4月1日残高
資本金
資本剰余金
利益剰余金
自己株式
株主資本合計
¥ 104,986
¥ 117,739
¥ 575,105
¥ (55,591)
¥ 742,239
剰余金の配当
(11,566)
当期純利益
(11,566)
18,562
自己株式の取得
18,562
(338)
自己株式の処分
(5)
9
(338)
4
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)
当期の変動額合計
2013年3月31日残高
―
―
6,991
(329)
6,662
¥ 104,986
¥ 117,739
¥ 582,096
¥ (55,920)
¥ 748,901
剰余金の配当
(11,559)
当期純利益
(11,559)
20,621
自己株式の取得
20,621
(86)
自己株式の処分
1
(86)
1
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)
当期の変動額合計
2014年3月31日残高
―
―
9,062
(85)
8,977
¥ 104,986
¥ 117,739
¥ 591,158
¥ (56,005)
¥ 757,878
¥ 104,986
¥ 117,739
¥ 589,298
¥ (56,005)
¥ 756,018
会計方針の変更による累積的影響額
会計方針の変更を反映した当期首残高
(1,860)
剰余金の配当
(1,860)
(11,544)
当期純利益
(11,544)
22,868
自己株式の取得
22,868
(1,292)
自己株式の処分
(1)
2
(1,292)
1
株主資本以外の項目の当期変動額(純額)
当期の変動額合計
2015年3月31日残高
—
—
11,323
(1,290)
10,033
¥ 104,986
¥ 117,739
¥ 600,621
¥ (57,295)
¥ 766,051
Toppan Annual Report 2015
73
単位:百万円
その他の包括的利益累計額
2012年4月1日残高
その他有価証
券評価差額金
繰延ヘッジ
損益
為替換算
調整勘定
¥   14,782
¥    282
¥ (26,156)
退職給付に係 その他の包括
る調整累計額 利益累計額
―
¥ (11,092)
新株予約権
¥ 34
少数株主
持分
純資産合計
¥ 135,038
¥ 866,219
剰余金の配当
(11,566)
当期純利益
18,562
自己株式の取得
(338)
自己株式の処分
4
株主資本以外の項目
の当期変動額(純額)
9,540
(124)
8,307
―
17,723
(21)
(2,161)
15,541
当期の変動額合計
9,540
(124)
8,307
―
17,723
(21)
(2,161)
22,203
―
¥    6,631
2013年3月31日残高
¥   24,322
¥    158
¥ (17,849)
¥ 13
¥ 132,877
剰余金の配当
¥ 888,422
(11,559)
当期純利益
20,621
自己株式の取得
(86)
自己株式の処分
1
株主資本以外の項目
の当期変動額(純額)
8,748
(107)
15,776
(5,856)
18,561
(13)
(2,839)
15,709
当期の変動額合計
8,748
(107)
15,776
(5,856)
18,561
(13)
(2,839)
24,686
¥   (5,856)
¥   25,192
2014年3月31日残高
¥   33,070
¥      51
¥   (2,073)
―
¥ 130,038
¥ 913,108
会計方針の変更に
よる累積的影響額
(1,860)
会計方針の変更を
反映した当期首残高
911,248
剰余金の配当
(11,544)
当期純利益
22,868
自己株式の取得
(1,292)
自己株式の処分
1
株主資本以外の項目
の当期変動額(純額)
117,473
当期の変動額合計
2015年3月31日残高
74
(105)
8,219
16,461
142,048
—
19,515
—
19,515
171,596
— ¥ 149,553
¥1,082,844
117,473
(105)
8,219
16,461
142,048
¥ 150,543
¥    (54)
¥ 6,146
¥ 10,605
¥ 167,240
Toppan Annual Report 2015
161,563
連結キャッシュ・フロー計算書
凸版印刷株式会社および子会社
2013年、2014年および2015年3月31日に終了した1年間
営業活動によるキャッシュ・フロー
税金等調整前当期純利益
営業活動により増加した現金(純額)
の税金等調整前当期純利益の調整
減価償却費
減損損失
退職給付引当金の増減額
退職給付に係る負債の増減額
前払年金費用の増加額
退職給付に係る資産の増減額
貸倒引当金の増減額
受取利息及び受取配当金
支払利息
持分法による投資損益
投資有価証券売却損益
投資有価証券評価損益
固定資産売却損益
売上債権の増減額
たな卸資産の増減額
仕入債務の増減額
未払又は未収消費税等の増減額
その他
合計
利息及び配当金の受取額
利息の支払額
法人税等の支払額
営業活動によるキャッシュ・フロー
単位:百万円
2013年
2014年
2015年
¥   38,849
¥   40,735
¥   46,405
67,965
73
(5,223)
—
3,279
—
(1,547)
(3,722)
3,283
(2,220)
(2,400)
2,181
32
23,670
10,221
(18,214)
—
2,096
118,323
3,709
(3,415)
(15,021)
103,596
62,473
1,893
(38,699)
34,265
34,116
(25,781)
(3,609)
(4,148)
3,331
(1,918)
(516)
80
1,603
13,570
2,313
12,869
(2,146)
1,779
132,210
4,109
(3,683)
(14,610)
118,026
61,176
2,925
—
2,200
—
1,049
(233)
(5,016)
3,001
(3,039)
(3,476)
263
(426)
(5,805)
(1,468)
4,194
7,321
5,649
114,720
4,962
(3,089)
(12,482)
104,111
投資活動によるキャッシュ・フロー
有価証券の取得による支出
有価証券の売却による収入
有形固定資産の取得による支出
有形固定資産の売却による収入
無形固定資産の取得による支出
投資有価証券の取得による支出
投資有価証券の売却による収入
連結の範囲の変更に伴う子会社株式の取得による支出
連結の範囲の変更に伴う子会社株式の売却による収入
連結の範囲の変更に伴う子会社株式の売却による支出
子会社株式売却による収入
関係会社株式の取得による支出
定期預金の増減額
長期貸付けによる支出
事業分離による収入
その他
投資活動によるキャッシュ・フロー
(6,099)
11,150
(56,857)
7,354
(6,028)
(6,793)
8,482
—
—
—
—
(1,869)
462
(9,391)
9,115
(1,665)
(52,139)
(15,318)
5,899
(65,648)
5,809
(7,152)
(32,025)
5,948
(1,476)
7,594
(523)
—
(623)
(9,878)
(151)
—
(1,104)
(108,648)
(23,997)
26,109
(68,616)
3,820
(8,385)
(9,334)
10,938
(1,351)
—
—
3,233
(1,881)
(1,943)
(95)
—
899
(70,603)
財務活動によるキャッシュ・フロー
短期借入金の純増減額
長期借入による収入
長期借入金の返済による支出
社債の発行による収入
転換社債の発行による収入
社債の償還による支出
転換社債の償還による支出
自己株式の取得による支出
少数株主への株式の発行による収入
配当金の支払額
少数株主への配当金の支払額
少数株主への払戻による支払
その他
財務活動によるキャッシュ・フロー
(291)
5,004
(15,156)
39,841
—
—
—
(58)
90
(11,606)
(1,385)
(8,761)
(627)
7,051
1,518
7,079
(17,046)
—
80,096
(40,000)
(440)
(84)
160
(11,604)
(4,147)
—
(519)
15,013
(2,014)
18,018
(14,764)
19,915
—
—
—
(69)
3,194
(11,602)
(2,320)
—
(482)
9,876
現金及び現金同等物に係る換算差額
現金及び現金同等物の増減額
現金及び現金同等物の期首残高
現金及び現金同等物の期末残高
6,746
65,254
190,804
¥ 256,058
7,241
31,632
256,058
¥ 287,690
4,837
48,221
287,690
¥ 335,911
Toppan Annual Report 2015
75
会社情報および株式の状況
2015年3月31日現在
本社事務所
株主名簿管理人・特別口座管理機関
〒101-0024
三菱UFJ信託銀行株式会社
東京都千代田区神田和泉町1
電話 :03-3835-5630
同連絡先
三菱UFJ信託銀行株式会社 証券代行部
創業
〒137-8081
1900(明治33)年1月17日
東京都江東区東砂七丁目10番11号
電話:0120-232-711(フリーダイヤル)
資本金
自動音声応答サービス:0120-244-479
104,986,430,314円
※住所変更、配当金振込指定、変更に必要な各用紙および株式の
相続手続依頼書のご請求を24時間承っております。
従業員数
48,999名
(連結)
株式の状況
● 会社が発行する株式の総数
決算期
2,700,000,000株
3月31日
● 発行済み株式総数
699,412,481株
定時株主総会
毎年6月に開催
上場金融商品取引所
東京証券取引所
株主確定基準日
定時株主総会・利益配当金:3月31日
*
米国預託証券(ADR)
中間配当を行う場合 :9月30日
比率
:1ADR= 1株
※その他必要ある場合は、あらかじめ公告いたします。
取引所
:米国OTC(店頭取引)
シンボル
:TOPPY
公告掲載
米国証券コード:890747306
電子公告により、当社ホームページ
預託銀行
(http://www.toppan.co.jp/)
に掲載いたします。
:The Bank of New York Mellon
101 Barclay Street, 22W
New York, NY 10286, U.S.A.
※なお、やむをえない事由により電子公告によることができない
場合には、官報に掲載いたします。
* 2012年7月17日
(米国東部時間)より売買開始
独立監査人
証券コード
有限責任 あずさ監査法人
7911
大株主の状況
株主名
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
日本生命保険相互会社
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
第一生命保険株式会社
東洋インキSCホールディングス株式会社
従業員持株会
株式会社三菱東京UFJ銀行
株式会社三井住友銀行
株式会社講談社
凸版印刷取引先持株会
※自己株式54,903千株
(7.85%)については、上記の表中から除外しております。
76
Toppan Annual Report 2015
持株数(千株)
36,173
30,004
24,106
22,886
17,132
15,788
15,628
15,628
13,327
9,193
持株比率(%)
5.61
4.66
3.74
3.55
2.66
2.45
2.42
2.42
2.07
1.43
株価の推移(東京証券取引所)
当社株価
(円)
日経平均株価
(円)
2,000
20,000
1,500
15,000
1,000
10,000
5,000
500
0
06
07
08
09
10
11
12
06
07
08
09
10
11
12
/0
20
15
03
05
05
03
04
04
02
03
03
02
02
02
14
20
20
凸版印刷
(株)
の株価
1
1
12
12
1
11
11
/0
10
10
09
08
07
06
4
/0
13
05
0
日経平均株価
出来高の推移
千株
90,000
80,000
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
1
20
20
15
/0
/0
14
09
08
07
06
05
20
13
/0
4
0
株式の所有状況
所有者別
所有株数別
外国法人など
149,098,977株
21.32%
証券会社
14,622,562株
2.09%
1千株未満
1,759,388株
0.25%
1千株以上
59,769,369株
8.55%
1万株以上
27,042,004株
3.87%
合計
699,412,481株
金融機関
245,017,108株
35.03%
合計
699,412,481株
5万株以上
13,050,396株
1.87%
その他の法人
122,081,088株
17.45%
10万株以上
98,795,208株
14.12%
個人・その他
168,592,746株
24.11%
100万株以上
498,996,116株
71.34%
※自己株式54,903千株は、「所有者別」は「個人・その他」に、「所有株数別」は「100万株以上」に含まれております。
http://www.toppan.co.jp/
F TOPPAN 2015.8 KI
Printed in Japan
Fly UP