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睡眠の話 - 横浜市

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睡眠の話 - 横浜市
横浜市こころの健康相談センターだより
こころ通信
-第9号-
いつも元気な 64 歳になる男性嘱託職員の K さん、
「このごろ夜眠れない」と、冴えない表情でセンターへ相談にやってきました。
今回は、K さんのケースをもとに、皆さんといっしょに睡眠についての理解を深
めてみたいと思います。
お話を伺ってみますと・・・
これまで病気をしたこともなく、元気だった K さん、1 ヶ月前から
眠れなくなったというのです。
よく眠れるようにと、お酒を飲んだり、スポーツクラブに通って運
動をするなど試したのですがうまくいかず、昨日は無理に寝ようと
するのをあきらめて、戦争映画を見ていたら、とうとう朝になって
しまったというのです。
最近は、日中うとうとして仕事にも身が入らないと嘆いています。
睡眠薬をもらって飲むのは怖いし、何かいい方法はないかというの
です。
不眠症?
さらに詳しく伺ってみますと、K さんは交代制勤務で、休日や午後から勤務のときは昼まで
寝ているというのです。
どうやら K さんの問題は、睡眠リズムの乱れにあるようです。つまり睡眠パターンが遅寝
遅起きにずれて夜眠れなくなってしまったのです。専門的には睡眠相後退症候群と呼びます。
中高年の方の場合には、睡眠パターンが前にずれ、極端な早寝早起きになることが多いので
すが、K さんの場合、不規則勤務や、年末年始に夜ふかしをしたこと、加齢によるリズム調整
能力の低下などが引き金になったようです。
睡眠相後退症候群は、夏休み明けの生徒にも多く見られ、不登校やひきこもりの誘因ともな
ります。
<不眠症:5 つの原因による分類>
①身体疾患による不眠:さまざまな身体疾患
②精神疾患による不眠:うつ病や神経症など
③心理的問題による不眠:強度のストレスやショック
④生理的問題による不眠:時差ボケ、交代勤務など
⑤薬物による不眠:カフェイン、喘息治療薬、ホルモン剤
眠るための工夫
よく眠れるようにお酒を飲んだりスポーツをした K さんの努力、実はすべて裏目の結果と
なっていたのです。
まず、寝酒は気分をリラックスさせる効果があるのですが、睡眠の質を悪化させます。また、
軽く汗をかく程度の軽い運動であれば睡眠にとってプラスとなりますが、激しい運動は交感神
経を刺激してかえって寝付きを悪くします。最後に、無理に寝るのをあきらめたところまでは
よかったのですが、刺激的なテレビを見ることで目が冴えてしまったのです。よく眠るために
は、夕食以降の刺激をさけ、部屋の明かりを落とすなど、ゆったりとした気持ちでいることが
大切です。また、朝起きて日光に当たると、メラトニンと呼ばれるホルモンが夜間大量に分泌
され、よく眠ることができます。睡眠リズムのずれてしまった方にとって、朝日は睡眠リズム
をリセットするために有効です。
よく眠るためには、夕食以降の刺激をさけ、部屋の明かりを落とすなど、ゆったりとした気
持ちでいることが大切です。また、朝起きて日光に当たると、メラトニンと呼ばれるホルモン
が夜間大量に分泌され、よく眠ることができます。睡眠リズムのずれてしまった方にとって、
朝日は睡眠リズムをリセットするために有効です。
<よく眠るためのコツ>
①夕方以降の刺激を回避
②眠たくなってから床に入る
③朝の日光浴
④リズムを持った生活を送る
⑤就寝前にはリラックス
睡眠薬は危険なクスリなのですか?
答えは NO です。
現在使われている睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系という安全な薬です。
昔の睡眠薬のように、連続服用による効果の減弱や依存症になったりすることもありません。
ただし、どんなに優れた薬にも副作用はあります。ベンゾジアゼピン系睡眠薬の副作用として、
眠気の持ち越し、ふらつき、睡眠薬服用以降の記憶障害、突然の服薬中断による不眠などがあ
ります。
服用にあたって、下記の注意事項を守ることが大切です。
最近は、市販の睡眠薬もありますが、ベンゾジアゼピン系よりも効果は弱く、副作用の問題
がないわけではありません。やはり、睡眠薬は自分にあったタイプものを医師に処方してもら
うべきでしょう。
<睡眠薬服用時の注意>
①服用したらすぐ床に入る
②アルコールと併用しない
③自己判断で中断しない
④用量を自己調整しない
早めの相談を!
幸いにも K さんの場合、休日や午後出勤の日にも朝決まった時間に起きるようにしたこと
や、よく眠るための工夫を実践したことで睡眠リズムのずれを治し、夜よく眠れるようになり
ました。
日本人の 21%は不眠症という報告もあります。睡眠障害は特別な疾患ではありませんが、
背景には、こころや身体の問題が潜んでいることもあり早めのご相談をおすすめします。
横浜市こころの健康相談センターでは、10代の子どもたち向けの睡眠に関するリーフレッ
トを作成しました。ご希望の方には、裏面に記載されている各区役所でも配布しています。
こころの健康相談センターでは、夜間・休日の電話相談を実施しています。平成16年
度は、約4,200件の相談がありました。
内容は様々で、
「ストレスが多く、眠れない」
「何となく、やる気が出ない」
「家族との関係
がうまくとれず、困っている」
「病気を抱えており、不安がある」などの相談が、ご本人やご
家族から寄せられました。
おひとりで悩みを抱えきれないとき、家族や友人にお話しすると思います。
しかし、こころの問題については、話しにくいと感じることはありませんか。
そんな時、お気軽にご相談ください。
(お名前はうかがいません。無料です。
)
電話番号 476-5557
相談時間 平日
17:00~22:00
土曜・日曜・休日
8:45~22:00
(※ 受付は21:30まで)
◆ ◆ 平日昼間(8:45~17:15)のご相談は… ◆ ◆
横浜市では、こころの健康に関連する、ご本人やご家族の相談を行っています。
各区福祉保健センター サービス課
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743-8247
磯
栄
葉
子
精神保健福祉に関する情報を発信していきたいと思います。
発行月 2006年 2月
紙面の内容について、ご質問やご意見をお待ちしています。
発 行 横浜市こころの健康相談センター
連絡先 〒231-0071 横浜市中区港町 1-1
横浜市こころの健康相談センターは平成19年4月に移転しています。電話
次回の発行は6月頃を予定しています。
電 話 045-681-2525・FAX 045-681-2533
番号等最新情報は(http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/kokoronosodan-center/)をご覧下
さい。
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