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第7回 3T MR研究会

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第7回 3T MR研究会
3TMR 研究会
A Workshop on 3Tesla Magnetic Resonance Imaging
第7回 3T MR研究会
プログラム・抄録
会 期: 2009 年 1 月 10 日
(土)13:00 開始
場 所: 秋葉原コンベンションホール
〒101-0021 東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル2F
TEL:03-5297-0230 http://www.akibahall.jp/
当番幹事: 楫 靖
(獨協医科大学 放射線医学講座)
研究会ホームページ: http://www.secretariat.ne.jp/3TMRI/
神田消防署
インテージ
秋葉原ビル
TOKYO
TIMES TOWER
AKS BUILDING
秋葉原UDX
富士ソフト
2F 秋葉原コンベンションホール
5F カンファレンスフロア
JR 秋葉原駅 電気街口を出て、広場中央の
エスカレ−タにて2F に上り、連絡通路よ
りコンベンションホ−ルにお入り下さい。
つくばエクスプレス
秋葉原駅
ヨドバシカメラ
秋葉原ダイビル
千葉
新宿
JR総武線JR 総武線
JR秋葉原駅
N
アクセス
各駅から秋葉原駅までの直通の所要時間です。乗換時間及
び秋葉原クロスフィールドへの徒歩所要時間は含みません。
※ 成田空港は JR 上野駅、羽田空港は東京モノレールで JR 浜松町
駅での乗換となります。
3T MR研究会
JR 秋葉原駅 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
東京メトロ銀座線 末広町駅 ・・・・・・・
東京メトロ日比谷線 秋葉原駅・・・・・・
つくばエクスプレス 秋葉原駅 ・・・・・・
徒歩 1 分
徒歩 3 分
徒歩 4 分
徒歩 3 分
3T MR 研究会 役員一覧
代 表 幹 事: 杉村 和朗
(神戸大学)
副代表幹事: 今井 裕
(東海大学)
幹 事: 青木 茂樹
小畠 隆行
角谷 眞澄
蒲田 敏文
黒田 輝
興梠 征典
後閑 武彦
佐々木 真理
中村 仁信
長縄 慎二
本田 浩
山下 康行
(順天堂大学)
(放射線医学総合研究所)
(信州大学)
(金沢大学)
(神戸先端医療センター)
(産業医科大学)
(昭和大学)
(岩手医科大学)
(大阪大学)
(名古屋大学)
(九州大学)
(熊本大学)
監 事: 楫 靖
(獨協医科大学)
富樫 かおり (京都大学)
事 務 局 長 : 藤井 正彦
(神戸大学)
〔五十音順〕
挨 拶
日本で体幹部用 3T MR 装置が認可され第 1 回 3T MR 研究会が開催されてか
ら、もうすぐ 3 年になろうとしています。この間、各社から新しい装置・コイ
ル・シーケンスなどが供給されたことで、初期の装置では工夫を重ね苦労して
やっと撮像できた画像が、現在は比較的容易に得られるにようになってきまし
た。しかし、新しい装置を導入し、推奨パラメーターを入力することで、必ず
しも高品質の画像が得られるわけではありません。装置ごとに撮像の「最適化」
が必要となります。
このため今回の研究会では「最適化」をテーマとしました。まず、
教育講演で、
最適化が最も進んでいる頭部を例として、岩手医科大学の佐々木真理先生にご
講演いただきます。次に、特別企画として、体幹部領域ごとに何を指標として
どのように撮像の最適化を進めるかを、エキスパートの放射線科医および診療
放射線技師の方々にお話ししていただくこととしました。また、
各 MR メーカー
の皆様からも、2008 年北米放射線学会で発表される 3T MR 装置に関するトピッ
クスをご紹介いただく予定です。
時間の都合上、今回は一般演題を募集いたしませんが、 3T MR 装置をまだ導
入されていない施設の方々はいつ導入されても良いように、導入済みの方々は
画質をもう一段階高めるために今回の研究会にご参加いただき、最適化に関す
る討論に加わっていただきますようお願い申し上げます。
2008 年 12 月
3T MR 研究会監事
第 7 回 3T MR 研究会当番幹事
楫 靖
1
《ご案内》
1. 総合受付
1)日 時: 1月10日(土)12:00より
2)場 所: 秋葉原コンベンションホール 2F「コンベンションホール」前ホワイエ
3)参加費: ¥3,000 医師・企業
¥2,000 コメディカル(技師・看護師)
¥1,000 学生
引き替えにネームタグ(兼 出席証明書・領収証)をお渡しします。
2. 教育講演、特別企画(共催セミナ−)
1)座 長: セッションの終了時刻を厳守いただくようお願いします。
質疑は教育講演5分、特別企画5分を目安としますが、ご担当いただくセッション内での時間
配分は座長におまかせします。
2)発表者:
◆
演者受付
・ 受付は研究会当日の12:00より2F「コンベンションホール」前ホワイエにて行います。
発表の30分前までに受付をお済ませ下さい。
<PC本体を持参される方>
・ 受付スタッフの指示に従って試写用モニタで確認をして下さい。
・ モニタ出力端子が、Dsub-15ピン・3段以外はプロジェクタとの接続が出来ません。この形式以外
の端子は接続用アダプタが必要ですので必ずご持参ください。また、バッテリ切れを防ぐため電
源アダプタをご用意下さい。
・ 画面の解像度はXGA(1024×768)です。このサイズより大きい場合はスライドの周囲が切れて
しまいますので、画面の設定をXGAに合わせて下さい。
・ 動画等がある場合には、予め受付スタッフにお伝え下さい。
・ バックアップメディアも持参されることをお勧めします。
<データのみ持参される方>
・ メディアはCD-RまたはUSBフラッシュメモリのみ受付けます。
・ 受付スタッフの指示に従ってデータをコピーして、試写をして下さい。
・ 研究会で用意しますパソコンのOSはWindows XPおよびMac OS Xです。
ア プ リ ケ ー シ ョ ン はWindows版PowerPoint 2003、PowerPoint XP(2002)ま た はPowerPoint
2000、Macintosh版PowerPoint 2001、PowerPoint X、またはPowerPoint 2004です。
(Macintosh版については互換性の関係で必ずOS Xで作成して下さい。)フォントはOS標準のも
ののみ対応いたします。画面の解像度はXGA(1024×768)です。
・ 動画等がある場合には、予め受付スタッフにお伝え下さい。なお、動画データ等の参照ファイル
は全て同じフォルダに入れて下さい。拡張子はWindows版はwmv、Macintosh版はクイックタイム
で見る事が出来るものを推奨致します。なお、AVIはコーデックの種類によっては再生出来ない
ものがございますのでご了承下さい。
2
◆ 口演
・ 教育講演:発表時間30分、質疑5分です。
・ 特別企画: 1.発表時間は医師と技師の両者合わせて25分間です。
2.一緒に演壇に上がってください。
3.医師が、各領域で求める画像・役割・有用性などを話し、それを得るために技師
がどのような工夫をしているか、という流れを基本にしてください。
発表方法は下記発表例1、2のどちらでもよいです。
(発表例1)12分間かけて、医師がT2強調像、拡散強調像、ダイナミック造影像の
意義等を話す
→13分間かけて、技師がそれを得る工夫、注意点を話す
(発表例2)医師がT2強調像の意義を話す→技師がそれを得る工夫、注意点を話す
→医師が拡散強調像の意義を話す→技師がそれを得る工夫、注意点を
話す
4.時間が限られているので、
両者の発表内容をできるだけ1つのPPT書類にまとめる、
あるいは切り替えに時間がかからないように工夫をお願いします。
・ ご発表は、リモートプレゼンテ−ションを使用して頂きます。
3. 幹事会 12:00 ∼ 12:40
場 所:秋葉原コンベンションホール 5F 5A-1
3
《プログラム》
開会の挨拶
13:00 ∼
教育講演
13:05 ∼ 13:40
当番幹事:楫 靖
座 長: 藤井 正彦
神戸大学医学部附属病院 放射線部
3T MRI の撮像パラメータと最適化:頭部を例にして
佐々木 真理
特別企画
前半 13:40 ∼ 15:10
(共催セミナー)
座 長: 長縄 慎二
川光 秀昭
岩手医科大学 先端医療研究センター
名古屋大学医学部 放射線医学教室
神戸大学医学部附属病院 放射線部
3T MRI 体幹部撮像の最適化と工夫について −放射線科医・診療放射線技師それぞれの立場から−
1.「肝臓」
2.「膵臓」
3.「腎・副腎」
休憩
浪本 智弘
小味 昌憲
熊本大学大学院 医学薬学研究科 放射線診断学分野
竹原 康雄
寺田 理希
浜松医科大学医学部附属病院 放射線部
扇谷 芳光
野田 主税
昭和大学医学部 放射線医学教室
熊本大学医学部附属病院 中央放射線部
磐田市立総合病院 放射線技術科
昭和大学 放射線部
15:10 ∼ 15:20
共催メーカーからのトピックス紹介(各5分) 15:20 ∼ 15:40 座 長:楫 靖 獨協医科大学 放射線医学講座
RSNA2008 でのフィリップス社の MRI 展示のトピックス
特別企画
髙瀨 英知
株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパン
RSNA2008 機器展示報告
青木 郁男
東芝メディカルシステムズ株式会社
RSNA2008 GE社最新技術紹介
中上 将司
GE 横河メディカルシステム株式会社
RSNA2008での展示トピックのご紹介
井村 千明
シーメンス旭メディテック株式会社
後半 15:40 ∼ 17:10
昭和大学医学部 放射線医学教室
(共催セミナー)
座 長: 後閑 武彦
田淵 隆
メディカルサテライト八重洲クリニック 放射線部
3T MRI 体幹部撮像の最適化と工夫について −放射線科医・診療放射線技師それぞれの立場から−
4.「子宮・卵巣」
5.「前立腺 MRS」
6.「心臓」
閉会の挨拶
竹内 麻由美
久保 均
徳島大学医学部 放射線科
楫 靖
鶴田 邦彦
獨協医科大学 放射線医学講座
飯野 美佐子
山本 和幸
東海大学医学部 基盤診療学系画像診断学
17:10 ∼
4
徳島大学医学部 画像情報医学分野
磯部クリニック
東海大学医学部付属病院 放射線技術科
抄 録
教育講演
3T MRIの撮像パラメータと最適化:頭部を例にして
佐々木 真理
岩手医科大学 先端医療研究センター
3T MRIでは1.5Tと同一の撮像パラメータでは十分な画質を得られない場合が多く、3Tの特徴や撮像法
の特性を理解した上で、各種パラメータを最適化する必要がある。頭部ではT1WI、T2WI、FLAIRまたは
PDWIの3種類の画像が撮像されることが多い。T1WIはSE法で十分な画質を得ることは難しいが、3D-GRE
法で代用可能である。T2WIはTRを長めTEを短めに設定し、FSE再収束パルスを最適化することで、十
分な画質と枚数を得ることができる。場合によってSE法やSTIRを選択する。FLAIRはTR、TIを最適化し
ても1.5Tと同等のコントラストを得ること難しいため、PDWIの使用も考慮すべきである。3D-TOF MRA
はsingle slabでも十分なinflow効果が期待できる。Opposed phaseとなる最短TEを選択し、可能であれば
partial MTCを併用する。なお、送受信コイルで半かぶり法を用いると、全頭蓋内をカバーできる。DWIは
2mm未満のスライス厚で全脳をカバーすることで、頭蓋底部の画質劣化を最小限に抑えることができ、DTI
解析の精度向上も期待できる。PWIではGRE-EPI法ではなくSE-EPI法を用いる。T2*WIは1.5TのSWIと同等
のコントラストを得ることができる。SWIを用いる際は、目的によって位相空間ハイパスフィルタのカーネ
ルサイズを使い分ける。3D-FSE法などの新技術についても、十分な最適化を行ったうえで、従来法に対す
る優位性を検証していく必要がある。
6
特別企画(共催セミナー) 3T MRI体幹部撮像の最適化と工夫について
1.
「肝臓」
浪本 智弘
小味 昌憲
熊本大学大学院 医学薬学研究科 放射線診断学分野
熊本大学医学部附属病院 中央放射線部
肝臓の3T MRIではSNRが向上する反面、磁化率、化学シフトなどのartifactの増大や静磁場、RFの不均一性、
SARの制限などによる画質の劣化から稼働当初は本来のSNRを生かした高速、高画質の撮影が困難であった。
さらにGd-EOB-DTPAが使用可能となり、撮像シーケンスの選択や最適化が問題となった。これらの問題に
対し、1)T1強調画像では3D THRIVEのk-space充填方法をlinearに変更し、脂肪抑制にSPAIRを用いること
で脂肪抑制の均一性が向上し、造影効果の高い画像が得られるようになった。Dual-phase T1強調画像では、
T2*の影響を除くため最短のTEペア(1.1/2.3ms)を使用し、さらにpartial echoをoffにすることでartifactが
軽減し、均一な画像が得られるようになった。2)T2強調画像では撮像時間の短縮とmotion artifactの軽減の
ため呼吸停止下で撮影を行い、脂肪抑制にSPAIRを併用することで安定した脂肪抑制T2強調画像が得られ
るようになった。3)拡散強調画像では傾斜磁場強度を大きくすることで3Tによる化学シフトの増大と、静
磁場不均一性による脂肪抑制不良の解決を図った。また、分解能とSNRの向上を目的に呼吸同期を併用した。
これら様々な変更とPhilips社による新たなシーケンスの開発によりほぼ目標とした高速高画質かつartifact
の少ない画像が撮影可能となった。今回、我々は導入直後の画像と現在の画像まで最適化の過程と工夫を経
時的に呈示し、この1年の画像の進歩について説明を行う。
7
特別企画(共催セミナー) 3T MRI体幹部撮像の最適化と工夫について
2.
「膵臓」
竹原 康雄
寺田 理希
浜松医科大学医学部附属病院 放射線部
磐田市立総合病院 放射線技術科
上腹部への高磁場の利用は、RF penetrationの不良、定常波アーチファクト、組織T1延長によるT1コン
トラストの劣化、腸管内ガスによる磁化率アーチファクト、動きのアーチファクト等々、多くの問題点があ
るが、これらは周辺技術の進歩と、撮像現場の努力により徐々に克服されつつある。マンガンパッドの使
用、ハイオーダーシム、最適なコイル選択、適切な造影剤投与方法(希釈ボースデルなど)などがその例で
ある。高磁場の恩恵としては、高いSNRと大きな化学シフトがあり、我々は、これを生かして高い組織コン
トラストを保持した上で、空間分解能の改善を試みている。Parallel-imagingを駆使した3D-LAVA法(脂肪
抑制T1強調画像)が造影前後でvolume-dataとして得られ、その再構成は自在である。通常の造影検査はも
とより、動脈相の病変コントラストが問題となっているGd-EOB-DTPAにおいても1.5Tと比較して、3Tで
の病変コントラストが優れている。当初懸念された脂肪抑制T1強調画像上の膵のコントラストの劣化はほ
とんど無い。大きな化学シフトは脂肪選択を容易にし、良好な脂肪抑制画像を提供し、新しい脂肪抑制画像
であるMEDALやIDEALへ応用されている。DWIでもSNRの改善から臓器輪郭が明瞭になっている。また、
3D-MRCPでも高品位の胆道膵管画像が得られており、RFの最適化と制御(FSE-XETAなど)により、アー
チファクトも減少している。膵の3TMRIは手はかかるが、高い可能性を有している。
8
特別企画(共催セミナー) 3T MRI体幹部撮像の最適化と工夫について
3.
「腎・副腎」
扇谷 芳光
野田 主税
昭和大学医学部 放射線医学教室
後閑 武彦
昭和大学医学部 放射線医学教室
昭和大学 放射線部
3T MRIは1.5 Tに比べ信号雑音比の増加する半面、磁化率効果の増大による画像の歪みやRF penetration
の低下によるアーチファクトが問題となる。また、腎組織などの緩和時間も異なるため画像のコントラスト
に変化が生じる。3T MRIではこれらを考慮してパラメータを設定する必要がある。副腎腺腫の多くは細胞
内に豊富な脂肪を含むためin-phase画像に比べopposed-phase画像で信号が低下するが、転移性腫瘍では信
号低下は認められず、chemical shift imagingが有用である。副腎病変は小さいことが多く、in-phase画像と
opposed-phase画像を同時に収集することが求められる。最近では、3D-VIBE-Dixon法を用いることで水画
像と脂肪画像の作成も可能となっている。腎癌では偽被膜が高頻度にみられ、脂肪の乏しい血管筋脂肪腫と
の鑑別や腫瘍核出術の決定に有用とされる。このため空間分解能の高いT2強調像が求められるが、呼吸停
止下での撮像には、限界がある。時間は要するが呼吸同期法(PACE)を用いることで、高分解能な画像を
得ることが可能となっている。Dynamic MRIによる造影パターンは組織型によって異なり、組織型を類推
するのに役立つ。本講演では腎・副腎疾患の症例を提示し、当院で使用している撮像法とその工夫について
概説する。
9
特別企画(共催セミナー) 3T MRI体幹部撮像の最適化と工夫について
4.
「子宮・卵巣」
竹内 麻由美
久保 均
徳島大学医学部 放射線科
徳島大学医学部 画像情報医学分野
松崎 健司1、原田 雅史2、西谷 弘1
1
徳島大学医学部 放射線科、2徳島大学医学部 画像情報医学分野
骨盤部は呼吸や体動の影響を受けにくく3Tの利点を活かした良好な画像が期待できる領域である。高い
SNRにより薄いスライス厚を選択しても良好な高精細画像が得られるため、T2WIによる子宮頸癌の傍組織
浸潤の評価やLEGHの診断など腫瘍の拡がりや微細な内部性状の評価に有用性が高いが、コントラスト低下
の対処にはパラメーターの調整が必要である。DWIは高いb値を設定してもSNRの増加により解剖学的な構
造が評価可能な良好な画像が得られ、子宮体癌の筋層浸潤の評価などに有効である。磁化率効果が増加する
ため腸管内ガスによるアーチファクトが問題となるが、スライス厚を薄く設定することにより軽減が可能で
ある。化学シフトの増加は脂肪抑制法やMRS(良悪性の鑑別や治療効果判定)に有利に働くが、倍増する化
学シフトアーチファクトへの対処が必要となる。内膜症性嚢胞や奇形腫における小さな充実部の造影効果の
評価に脂肪抑制を併用した高精細な造影サブトラクション画像の有用性が高い。脂肪成分に乏しい奇形腫の
診断にはin phase/opposed phase画像が威力を発揮するが、TEの設定に注意が必要となる。RF磁場の不均
一性によるアーチファクトの軽減には誘導体パッドを用いる。Parallel imagingの使用はSARの増加による
撮像の制約や磁化率の増加によるDWIの歪みの軽減に有用である。
10
特別企画(共催セミナー) 3T MRI体幹部撮像の最適化と工夫について
5.
「前立腺MRS」
3テスラMR装置を用いた前立腺MRS:撮像の工夫
楫 靖
鶴田 邦彦
獨協医科大学 放射線医学講座
磯部クリニック
MR spectroscopy(MRS)は微弱な信号を相手にしている。1.5テスラ装置で雑音に隠れていた信号が、3テ
スラ装置では明瞭に検出できることが期待される。1.5テスラ装置による前立腺MRSの有用性は、癌検出や
悪性度診断などに関して報告されているが、ほとんどは受信用に経直腸コイルを用いた報告である。信号雑
音比の観点からは経直腸コイルの使用が望まれるものの、侵襲性、人手や時間配分の問題から日本ではあま
り普及していない。3テスラ装置により信号雑音比が向上し、シミングに関する技術も進歩したことで、体
表コイルを用いて比較的容易に前立腺MRSの取得が可能となった。一方で、3テスラ環境では磁化率効果が
増強し、腸管ガスの影響が強くなる。また、前立腺内の重要な代謝産物であるクエン酸ピークが、J変調の
ためエコー時間に依存して変化するが、どのエコー時間で測定すればよいかについては、結論は出ていない。
複数の課題はあるものの、前立腺MRSで得られる情報は単に形態情報を数値化したものではなく、代謝に
基づいたバイオマーカーとしての利用が可能である。本講演の前半では、前立腺MRSが役立つ状況について
解説し、後半はよりよいスペクトルを得るために、エコー時間に関する考え方、ポジショニングやシミング、
volume of interest(VOI)の設定法などの技術的工夫について述べる。
11
特別企画(共催セミナー) 3T MRI体幹部撮像の最適化と工夫について
6.
「心臓」
飯野 美佐子
山本 和幸
東海大学医学部 基盤診療学系画像診断学
東海大学医学部付属病院 放射線技術科
近年、心臓領域においても3T装置による撮影が試みられるようになってきた。3Tは1.5Tに比べSNRが高
いため、高い空間分解能の画像を得ることができる。また同じ空間分解能であれば撮影時間を短縮するこ
とが可能となる。さらに造影剤を用いた検査では高コントラストの画像が得られる。心臓領域では、心筋
Perfusion MRIにおける心内膜下のアーチファクトの低減や、高精細冠動脈MRAやvessel wall imageなどが
得られるようになることが期待されている。また、T1回復時間が延長することからTagging cineにおいて拡
張相の評価が可能となることが知られている。しかしながら一方では、高磁場によりB1、B0の不均一性が
増すことからアーチファクトを生じ易く、またSARの問題からも撮影法が大きく制限されることもありさま
ざまな問題もある。今回我々は、ルーチン心臓MRI検査の撮影法の最適化を試み心臓MRI検査における3T
の現時点での有用性と問題点を検討した。また冠動脈MRAでは、TFE法でのwhole heart coronary MRAと
2D black blood撮影を試み、検査成功率や描出能などを評価した。
12
共催メーカーからのトピックス紹介
RSNA2008機器展示報告
青木 郁男
東芝メディカルシステムズ株式会社 MRI事業部
東芝メディカルシステムズ株式会社はRSNA2008の機器展示において3T装置の新コンセプト「Vantage3T
(仮称)」を紹介しました。患者さんへの圧迫感を抑え開口径が広く見えるよう新たなデザイン要素を取り入
れ、1.5T装置で培った静音機構PianissimoTMと、最新のパラレルイメージングAtlas SPEEDERTM技術を踏
襲し幅広い領域におけるアプリケーション開発を進めます。主力機種の1.5T装置「EXCELART VantageTM
powered by Atlas」をはじめ、海外で販売されている「Vantage Titan」とともに紹介致します。
共催メーカーからのトピックス紹介
RSNA2008での展示トピックのご紹介
井村 千明
シーメンス旭メディティック株式会社 マーケティング本部 MR事業部
RSNA2008において、シーメンスは3T装置唯一の70cmオープンボアを持つMAGNETOM Verioを昨年に
引き続き展示しました。従来の装置にはない被検者快適性は、TrueFormデザインによって高画質にも妥協
をしていません。TrueFormデザインは、円筒形の磁場均一保証範囲、2チャンネルの送信独立コントロー
ルからなる、これからの3Tのスタンダードです。発表では、展示の様子とともにTrueFormデザインのご紹
介をします。
13
MEMO
14
MEMO
15
《協賛各社》
シーメンス旭メディテック株式会社
GE 横河メディカルシステム株式会社
株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパンメディカルシステムズ
東芝メディカルシステムズ株式会社
バイエル薬品株式会社
16
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