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ケントアヴェニュー事件

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ケントアヴェニュー事件
最 新判 決情報
2011 年
〔9 月 分 〕
〇ケントアヴェニュー事 件
知 財 高 裁 H23.9.6 H23(行 ケ)10067 審 決 取 消 請 求 事 件 (塩 月 秀 平 裁 判 長 )
第 25 類 「 被 服 」ほ か を 指 定 商 品 と する 登 録 商 標 「 ケ ントアヴ ェニ ュー/Kent
Ave.」( 右 上 掲 )に対 する取 消 審 判 請 求 が成 り立 たないとされたので、当 該 審 決
の取 消 が求 められた事 案 である。
「Kent」(右 下 掲 )は、「VAN」 ブランドで人 気 を博 した旧 ヴァンジャケット(株 )の
紳 士 服 ブランドであり、昭 和 40 年 代 から 50 年 代 に流 行 した。現 在 60 歳 代 の「VAN」
「JUN」世 代 には懐 かしいブランドである。
旧 ヴァンジャケット(株 )は、昭 和 53 年 頃 に倒 産 したが、その後 、関 係 者 によって
昭 和 55 年 に現 ヴァンジャケット社 が設 立 され、「Kent」ブランドの商 品 が販 売 されて
きた。
現 在 の「Kent」の商 標 権 者 はケントジャパン(株 )であり、平 成 13 年 からは、イトーヨーカ堂 がライセンシーと
して販 売 を行 なっている。
そこで、本 件 登 録 商 標 の使 用 商 標 (右 中 段 掲 載 )が、「Kent」ブランドの商 品 と出 所 の混 同 を生 ずるおそれ
があるとして、法 51 条 に基 づき登 録 の取 消 しが求 められた。
しかし、審 決 では、引 用 商 標 「Kent」は、従 前 は周 知 著 名 であったとしても、平 成 16 年 以 降 は、周 知 著 名 で
あったとはいえないとして、出 所 混 同 の前 提 となる周 知 性 を否 定 した。
判 決 でも同 様 に引 用 商 標 の周 知 性 が否 定 されたが、その論 拠 の 1 つをみると、イトーヨーカ堂 の平 成 16,
17 年 度 の年 間 売 り上 げ 20~30 億 円 が、メンズウエア業 界 1 位 のオンワード樫 山 の売 上 げ(500 億 円 ~600
億 円 )や、平 成 13 年 度 100 位 の 23 億 円 、平 成 20 年 度 100 位 の 10 億 円 と比 較 されている点 が注 目 され
る。
もちろん、売 上 高 だけが商 標 の周 知 性 を示 すものではないし、事 実 として我 々が知 っているということと、雑
誌 等 の周 知 性 立 証 資 料 とは別 なのは分 かるが、本 件 では、周 知 性 を否 定 する材 料 として売 上 高 が着 目 され
たようにも思 われる。
しかし、「VAN」「JUN」世 代 にとって「Kent」は知 られたブランドと思 われるので、商 標 の態 様 如 何 によっては、
かの「Kent」と同 一 または関 連 する出 所 の商 品 であるかのように、出 所 の混 同 を生 ずる余 地 もあると思 われ
る。
IPDL によると、原 告 は「Kent」のほか、「KENT KIDS」、「Jr.KENT」、「Kent/SPORTS」なども商 標 登 録 して
いるので、「Kent」が主 要 部 となるような商 標 であれば、混 同 の余 地 がありそうである。
一 方 、判 決 が両 商 標 は非 類 似 であるといっているように、イギリスの州 名 や男 子 の名 前 である「Kent」の類
似 範 囲 がそれほど広 いとも思 われないので、「ケント通 り」を意 味 する被 告 商 標 「 Kent Ave.」まで混 同 を生 ず
るということは、言 いすぎであろう。そのような判 決 理 由 であれば、納 得 しやすかった。
なお 判 決 末 尾 で は 、 被 告 が 過 去 に 引 用 商 標 の 使 用 許 諾 を 受 けて い たこ とや、 旧 ヴ ァン ジ ャケ ット 社 か ら
「Kent」ブランド商 品 の供 給 を受 けていたことに触 れられている。この点 から原 告 は、被 告 にフリーライドの意
図 があったことを主 張 したが、判 決 は否 定 している。しかし、問 題 の原 点 がここにあったことは明 らかであろう。
因 みに、東 京 駅 八 重 洲 地 下 街 にメンズショップ「Kent House」があり、これも「Kent」の流 れを汲 むショップで
あると考 えていたが、営 業 主 は登 録 商 標 「Kent House(図 形 )」(第 5114234 号 )の商 標 権 利 者 あり、原 告 で
も被 告 でもない別 会 社 であった。混 同 の一 例 である。
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〇ブルーノート事 件
知 財 高 裁 H23.9.14 H23(行 ケ)10086 審 決 取 消 請 求 事 件 (飯 村 敏 明 裁 判 長 )
第 35 類 小 売 役 務 の権 利 範 囲 に関 する始 めての裁 判 所 の判 断 である。
「ブルーノート」といえば、音 楽 ファンの間 では、古 くから知 られた
ジャズレーベル(レコード制 作 会 社 )であろう。
そのようなブランド名 から成 る商 標 「Blue Note(音 符 図 形 )」(右 掲 )を国 内 の総 合 商 社 が第 35 類 「総 合
小 売 役 務 」ほかで商 標 登 録 したため、ブルーノート社 の親 会 社 である米 国 キャピトル・レコーズ社 が、法
4-1-15 号 及 び同 19 号 を理 由 に登 録 の取 消 しを求 めた事 案 である。
なお、被 告 商 社 は、1988 年 より東 京 南 青 山 において、ジャズクラブ「Blue Note Tokyo」を経 営 してきたが、
2009 年 に他 社 に営 業 譲 渡 した。当 該 ジャズクラブは現 在 も営 業 が行 なわれ、ジャズファンには知 られた存 在
のようである。
被 告 所 有 の本 件 商 標 の指 定 役 務 は、所 謂 「総 合 小 売 り」のほか、多 数 の商 品 の「特 定 小 売 り」を指 定 して
いるが、原 告 が周 知 性 を主 張 する商 品 「CD、レコード」に関 する特 定 小 売 役 務 は指 定 されていなかった。
そのため、当 然 ともいえるが、原 告 取 扱 商 品 と被 告 商 標 の「特 定 小 売 役 務 」との間 においては、抵 触 関 係
はなく、主 たる争 点 とはなっていない。
従 って、主 たる争 点 は、第 35 類 「総 合 小 売 役 務 」(35K01)と、原 告 周 知 商 品 である「CD、レコード」などと
の間 において出 所 混 同 のおそれがあるか否 かである。
結 論 として、特 許 庁 、裁 判 所 とも、原 告 商 標 の周 知 性 は、「レコード、CD」の販 売 とその小 売 役 務 に限 られ
るものであり、これらの商 品 や小 売 役 務 は、原 告 の「総 合 小 売 役 務 」によって保 護 される独 占 権 の範 囲 に含
まれるものでないとして、両 者 間 における混 同 のおそれを否 定 し、原 告 の請 求 を斥 けている。
その理 由 として、判 決 が「総 合 小 売 役 務 」の権 利 範 囲 について説 示 している点 が注 目 されるが、言 っている
ことは、要 は特 許 庁 編 「類 似 商 品 ・役 務 審 査 基 準 」が示 した類 似 範 囲 のとおりである。
つまり、審 査 基 準 によると、第 35 類 「総 合 小 売 役 務 」には、「35K01」の類 似 役 務 コードがつけられ、その他
の特 定 小 売 役 務 (35K02~K21)とは類 似 関 係 や抵 触 関 係 はなく、また第 1 類 から第 34 類 までの商 品 商 標 と
の抵 触 関 係 もないという審 査 基 準 を説 明 しただけである。
特 許 庁 は行 政 庁 であり、第 35 類 「総 合 小 売 役 務 」を指 定 した商 標 出 願 に対 して、第 1 類 から第 34 類 まで
の商 品 商 標 との抵 触 審 査 、クロスサーチをすることは、現 実 として困 難 である。
また、一 般 論 として、デパートや大 手 スーパーのような業 態 と、個 々の商 品 の販 売 に特 化 される「特 定 小 売
役 務 」とが、原 則 として類 似 関 係 にはないと、一 応 の基 準 を設 けることも、行 政 の立 場 からは、致 し方 ない面
もあろう。
しかし、本 件 は法 4-1-15 号 や同 19 号 の問 題 であり、そもそも審 査 基 準 でいうところの類 似 関 係 がないこと
を前 提 としているのであるから、審 査 基 準 通 りの判 断 をしたのでは、何 らの解 決 にもならないであろう。
審 査 基 準 では、総 合 小 売 役 務 の権 利 範 囲 は、特 定 小 売 りに及 ばないと判 断 されているが、現 実 論 として、
それで問 題 はないのであろうか。大 手 デパートやスーパーには、当 然 相 応 の周 知 性 があるのであろうから、総
合 小 売 役 務 を指 定 した登 録 商 標 に類 似 する名 称 の特 定 小 売 店 舗 が出 現 した場 合 、当 該 大 手 デパート等 の
関 連 小 売 店 舗 であるかのように、需 要 者 らが誤 認 混 同 を生 ずるおそれがあると考 えることの方 が、自 然 では
ないであろうか。
そのようにして、現 実 的 、具 体 的 に混 同 のおそれを判 断 して行 くのでなければ、何 のための「総 合 小 売 役
務 」であるか、「 総 合 小 売 役 務 」を設 けたことの意 味 がなくなってしまう。単 に、出 願 人 の便 宜 だけで「総 合 小
売 役 務 」を設 けただけというのであれば、商 標 法 が単 なる商 標 登 録 手 続 法 に過 ぎず、現 実 の商 標 の使 用 に
対 して、何 らの解 決 法 も提 示 していないと批 判 されても仕 方 がないであろう。
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また、本 件 被 告 商 標 をみても分 かるように、被 告 商 標 は「総 合 小 売 役 務 」のほか、「織 物 ・寝 具 、かばん、
身 の回 り品 、菓 子 ・パン、牛 乳 、清 涼 飲 料 ・果 実 飲 料 、茶 ・コーヒー・ココア、加 工 食 料 品 、自 動 車 、二 輪 自 動
車 、自 転 車 、家 具 、台 所 用 品 ・清 掃 用 具 ・洗 濯 用 具 、時 計 ・眼 鏡 、たばこ・喫 煙 用 具 、宝 玉 及 びその模 造 品 」
など、9 つの特 定 小 売 の類 似 群 、16 もの商 品 群 に相 当 する特 定 小 売 役 務 を指 定 している。
このことは、「総 合 小 売 役 務 」が、これらの「特 定 小 売 役 務 」には権 利 が及 ばないので、必 要 に迫 られてのこ
とであろう。しかし、一 方 で見 方 を変 えると、被 告 は、本 件 商 標 「BLUE NOTE」という店 舗 名 の下 で、「衣 料 品 ・
食 料 品 ・生 活 用 品 」を一 括 して販 売 するデパートなどの大 手 店 舗 のほか、同 じ商 標 の下 で、16 もの特 定 の商
品 を販 売 する小 売 店 をも経 営 するということで、需 要 者 からみれば、同 じ経 営 主 体 による「BLUE NOTE」という
様 々な業 態 の店 舗 が街 中 で見 られることになる。つまり、相 当 な規 模 の、総 合 小 売 りに近 い特 定 小 売 りの業
態 ということになる。
このように、1 つの商 標 の下 に多 岐 にわたる業 態 の小 売 店 舗 が展 開 される場 合 、果 たして、審 査 基 準 の類
似 範 囲 通 りに、総 合 小 売 役 務 と個 々の特 定 小 売 役 務 に分 けて、混 同 のおそれを判 断 することにどれだけの
意 味 があるのであろうか。
判 決 第 16 頁 中 ほどでは、被 告 商 標 の出 願 前 から、原 告 商 標 「BLUE NOTE」は、音 楽 関 係 者 や音 楽 愛 好
家 などの需 要 者 において広 く認 識 されていたと認 定 するが、その範 囲 は、「レコード、CD」の販 売 や小 売 役 務
に限 られると言 っている。
しかし、一 方 、被 告 商 標 は総 合 小 売 役 務 に加 えて、16 もの品 目 、具 体 的 にはさらに多 数 の商 品 分 野 にな
るであろう小 売 役 務 を指 定 しているのであり、これらの日 常 消 費 財 の需 要 者 には当 然 音 楽 関 係 者 も含 まれて
いるのである。
さらに、被 告 商 標 は、「BLUE NOTE」の文 字 のほか、音 符 の図 形 を含 んでいるなど、音 楽 関 係 のブランドで
あることを全 面 に打 ち出 して、総 合 小 売 店 舗 や多 数 の特 定 小 売 店 舗 を展 開 しようというのであるから、ジャス
レーベルの原 告 商 品 と、混 同 を生 ずる余 地 もあることにある。この点 を、詳 らかに検 討 し、混 同 のおそれが判
断 されたのであれば、本 件 判 決 の価 値 は、さらに高 まったであろう。
思 うに、原 告 側 の主 張 、立 証 に期 待 したかったと悔 やまれるところである。
〇黒 糖 ドーナツ棒 vs 棒 でドーナツ黒 糖 事 件
大 阪 地 裁 H23.9.15
H22(ワ)3490 差 止 請 求 権 不 存 在 確 認 等 請 求 本 訴 事 件
H22(ワ)10157 商 標 権 侵 害 行 為 等 差 止 請 求 反 訴 事 件 (森 崎 英 二 裁 判 長 )
第 30 類 「黒 糖 を使 用 した棒 状 形 のドーナツ菓 子 」を指 定 商 品 として、法 3-2 項 の使 用 によ
る識 別 性 が認 められて登 録 された商 標 「黒 糖 /ドーナツ棒 」(右 掲 )の権 利 者 (本 訴 被 告 )が、
商 標 「棒 でドーナツ/黒 糖 」の下 に「 菓 子 」を販 売 する原 告 とその取 引 先 に対 して、商 標 権 侵
害 する旨 の警 告 書 を送 付 したので、原 告 より商 標 権 侵 害 の事 実 はないとして被 告 に対 して差
止 請 求 権 が存 在 しないことの確 認 を求 めたのが本 訴 である。
これに対 して、被 告 商 標 権 者 側 から、商 標 権 侵 害 を理 由 として差 止 等 を求 めて反 訴 が提 起
された。主 たる争 点 は、両 商 標 の類 似 性 である。
判 決 では、原 告 商 標 「棒 でドーナツ/黒 糖 」と、被 告 登 録 商 標 「黒 糖 /ドーナツ棒 」とは、外 観 、称 呼 が異 な
る一 方 、「 黒 糖 を使 用 した棒 状 形 のドーナツ菓 子 」という観 念 において同 一 であるが、当 該 観 念 は被 告 登 録
商 標 の指 定 商 品 ないし被 告 商 品 そのものを想 起 させ、それ以 上 の意 味 を有 するものでないので、外 観 及 び
称 呼 の相 違 により、両 商 標 は明 確 に区 別 できる非 類 似 商 標 であるとして、商 標 権 侵 害 を否 定 した。
使 用 による識 別 性 が認 められて登 録 された商 標 権 の限 界 ということであろう。
なお関 連 する事 件 として、知 財 高 裁 本 年 3 月 28 日 判 決 がある。
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〇TVプロテクタ事 件
知 財 高 裁 H23.9.20 H23(行 ケ)10085 審 決 取 消 請 求 事 件 (塩 月 秀 平 裁 判 長 )
第 9 類 「電 気 通 信 機 械 器 具 ほか」を指 定 商 品 とする商 標 「TV プロテクタ」(標 準 文 字 )が、第 9 類 「商 品 に
取 り付 けた感 知 ラベルやタグを検 知 し警 告 する万 引 き防 止 装 置 及 びそのセンサー、電 気 通 信 機 械 器 具 」を指
定 商 品 とする引 用 商 標 「PROTECTOR」(標 準 文 字 )によって拒 絶 されたので、当 該 審 決 の取 消 が求 められ
た事 案 である。
特 許 庁 では、本 願 商 標 中 の「TV」が「テレビジョン受 信 機 」を意 味 するので識 別 性 を欠 くとして除 外 し、当 然
のように引 用 商 標 に類 似 すると判 断 した。
しかし判 決 では、「テレビ」を意 味 する「TV」と「プロテクタ」とでは意 味 的 な結 び付 きが強 いとは言 えないので、
全 体 としても特 定 の観 念 は生 じず、「ティービープロテクタ」一 連 の称 呼 が生 ずるとして、引 用 商 標 とは非 類 似
と判 断 して審 決 を取 り消 した。
非 類 似 の理 由 は色 々言 えるが、長 年 商 標 に携 わる者 としては、両 商 標 が類 似 しないことは一 見 しただけで
感 覚 的 に理 解 できるケースである。むしろ、特 許 庁 の審 査 官 、審 判 官 の中 に、そのような感 覚 を欠 く方 が居 ら
れることに、驚 きを感 ずる。
〇モンテローザカフェ事件
知 財 高 裁 H23.9.27 H23(行 ケ)10081 審 決 取 消 請 求 事 件 (塩 月 秀 平 裁 判 長 )
第 43 類 「飲 食 物 の提 供 ほか」を指 定 役 務 とする登 録 商 標 「モンテローザカフェ」が、同 じく「飲 食 物 の提 供 」
を指 定 役 務 とする登 録 商 標 「モンテローザ」(右 掲 )を引 用 商 標 とする無 効
審 判 によりその登 録 が 無 効 とされたので、当 該 審 決 の取 消 しが求 められ
た事 案 である。
争 点 は、本 件 商 標 中 の「カフェ」の語 の識 別 性 に関 する取 扱 いである。
判 決 では、本 件 商 標 のように 2 つの語 から成 る結 合 商 標 の要 部 認 定 が許 される場 合 に関 して、つつみお
ひなっこや事 件 最 高 裁 判 決 を引 用 し、一 方 が出 所 識 別 標 識 として強 く支 配 的 な印 象 を与 える場 合 と、逆 に他
方 が識 別 標 識 としての称 呼 、観 念 が生 じないときなどに限 られると前 置 きした。
その上 で、本 件 商 標 中 、「カフェ」の語 は、多 数 存 在 する「コーヒー点 、喫 茶 店 」を意 味 する役 務 を提 供 する
場 所 、あるいは役 務 の業 種 を示 すものとして識 別 機 能 は弱 く、そこに出 所 識 別 機 能 としての称 呼 、観 念 は生
じないが、一 方 、「モンテローザ」は、スイス・イタリアアルプスの高 峰 を意 味 するしゃれた語 であり、「カフェ」の
業 態 を特 定 する強 く支 配 的 な部 分 であるので、要 部 は「モンテローザ」にあるとして、両 商 標 を類 似 とする審
決 を支 持 した。
なお「カフェ」のような業 態 を含 む商 標 であっても、必 ずしも当 該 業 態 部 分 が除 外 されるものではないことは、
以 下 の審 決 例 からも明 らかであろう。やはり個 別 の判 断 ということになろう。
不 服 2010―14222 第 43 類 江 戸 っ子 寿 司
不 服 2010-13764 第 43 類 喜 多 そば
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X
不 服 2008-14988 第 43 類 串 揚 げ家 開
不 服 2008-23633 第 43 類 爆 弾 うどん
X
X
不 服 2003-21256 第 44 類 ふれあい薬 局
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①江 戸 っ幸 、②EDOKKO
キタ(称 呼 )
KAI (図 形 )
爆 弾 ハンバーグ
ふれあい
不 服 2007-11910 第 39 類 Takara Taxi X
タカラ(称 呼 )
不 服 2007-21967 第 43 類 拉 麺 開 花
開花
X
不 服 2002-6136 旧 第 42 類 エイビーシードラッグ X
ABC
ABCDRUG
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