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相場 「日本株の独自性に注目」 ID 「為替版国際収支説」 横浜湘南便り

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相場 「日本株の独自性に注目」 ID 「為替版国際収支説」 横浜湘南便り
2003 年 10 月 23(木)―10 月 24 日(金)
相場 「日本株の独自性に注目」
ID
「為替版国際収支説」
横浜湘南便り 「セントレア」
今週前半はスノー財務長官の自作自演塩爺風のいってこい相場となった。「景気上昇による金
利上昇」発言でドルが上がり、昨夜の「為替相場は市場原理に基づく」でもとに戻った。今日はニ
ューヨーク株続落で日本株が連れ安となるかに注目。政府の言う構造改革で上昇していたなら下
げないが、世界的な株高での連れ高であったら下がる。藤井総裁イニシャル問題も週刊誌に掲
載され自民党やや押され気味だが押す方に迫力はあるのだろうか。最近の介入は出来高から見
る限り散発的であり力不足だ。
FX湘南IG (FSIG) 代表 野村雅道
中京大学講師
http://www.traditionfx.co.jp/nomura/
ドル円 107-110
ユーロ円 127-130
日経インデックス(2000 年=100)
10 月 22 日東京引け 前回 10 月 17 日からの変化 円
95.2 若干強し ドル 95.5 若干弱し ユーロ 118.5 やや強し ポンド 95.6 若干弱し スイスフ
ラン 107.9 同 タイバーツ 97.4 弱し 強し ドルインデックス IN NYBOT 91.30 弱し CRB
245.33 若干弱し
1.今週の予定
(月)日銀支店長会議、奥田会長会見、財務相会見、米景気先行指数、APEC 首脳会議
(火)APEC 首脳会議、独 6 大経済研経済見通し
(水)財務相会見
以上 済み
(木)貿易統計、対内外証券投資、消費動向調査、第三次産業活動指数、
ECB理事会、米 失保、グリーンスパン議長など各連銀総裁講演、
日米有力企業中間決算(ソニー、NEC、AIG、マイクロソフト)
(金) 9 月スーパー売上
(月末) 米国議会為替公聴会
2.需給 「社内レート引き下げ実行」
前回に既述した通り大手自動車会社がそれぞれ最近の円高動向に鑑み 115-120 円から 110
円程度にドル円の社内レートを引き下げ始め 110 円以上に少しずつドル売りの注文が入り始めド
ル円の頭を重くしているようだ。 その対抗馬としての円売りは大手生命保険会社からは出ず、わ
ずかに個人投資家から高金利通貨の買いがでるのみだ。本日も豪ドル円のノックインデュアル債
の値決めがあるようだ。 いくら株が好調だといっても個人はやはり安定した金利収入を望む。為
替差損があると言っても元本を急いで円転する必要がなければ高金利外債は期間を長く持てば
持つほど旨みがある。金利部分だけの為替変動はあまり気にならないものだ。
全体的には本邦は晩秋の需給なので大きくはぶれない。BUBAのユーロ買いの噂も出ている
がそれも年度末決算(12 月)の為の益出しであろう。欧州中銀は暫し、市場(電子ブローカーなど
のブローカーマーケット)直接参加する。介入ではないものも多いし時にはディーリングもあるよう
だ。
3.テクニカル
ドル円は大きな流れでは既に79円からの上昇トレンドラインを下に切っている。
その中で平均足は 21 日まで 6 日連続陽線を出し意地を出したが今日途切れるか。移動平均線
の 5 日銭も反転上昇し、21 日線と 8 月半ば以来のクロスを目指しているが力強さは感じない。ボ
リンジャーバンドは低空飛行を続け、一目も雲の下限には遠い。
元気なのが豪ドルであり、豪ドル円の一目均衡表は雲に突入一気に上に抜けそうだ。ボリンジ
ャーバンドも上限に達している。ニュージーランドは豪ドルに比しやや弱い。もともとあまり目にし
ない景気指標も豪州と較べれば弱いからだ。
ユーロドル、ユーロ円ともに落ち着いている。米国に較べてもファンダメンタルズの中身では劣
るところも多い。さらにトリシェ新総裁への不安(フランス財政赤字問題)もある。当面は豪ドル、英
国ポンドなどが金利引き上げの思惑もあり強めのテクニカル指標となる。何度も言うがこれが冬
のボーナス時にまで維持しズムーズにバトンタッチできれば高金利だけの旨みに為替益が加わ
る。
4.ファンダメンタルズなど 「日米中間決算、グリーンスパン発言」
ブッシュ大統領も通り過ぎ、月末の米国議会での為替の公聴会がポイントになってきた。米国製
造業協会は通商法 301 条で中国人民元問題を提訴するようだ。円も人民元と同じサイドに立って
いると考えるのが普通だろう。
米国の経済指標も悪いものではないし、企業決算も好調だ。対欧州通貨ではそれに反応して反
騰していたのであるが、対円では構造的円高要因があるのでそうはいかない。 債券投資会社ピ
ムコ社長の金利上昇予想を裏付けるかのようにスノー財務長官の米景気堅調発言も出たが、本
日からはグリーンスパン連銀議長を始め連銀幹部が総括する。
日本は株価反落の中、貿易統計や第三次産業活動指数が出る。米国株下落で日本株がつれ
安なら構造改革とかで株価が上がったのではなかったということだ。
欧州はECB理事会があるが金利は据え置きであろう。フランスの財政赤字とフランス出身の
新総裁の兼ね合いが見所だ。
5. イマジネーション
北朝鮮暴発、テロ、中国摩擦(人民元、新幹線、毒ガス)、イラク、イラン、パレスチナ問題 、
地震、総選挙自民党苦戦、フセイン、ビンラディン現る、道路公団スキャンダル、日本国債格上げ
6.当局など 「金と罪」
APEC首脳会議では為替には触れられなかった。また煮詰まっていない声明を出せば乱高下
するので中止したのであろう。賢明である。ドバイG−7の反省であろう。余計なことはやらない方
が良い。不作為は罪ではあるが沈黙は金だ。ドバイG−7は所期の人民元切り上げを狙ったが
上がったのは円や中国以外のアジア通貨であった。アジア各国がしなくても良かったはずの介入
を繰り返したり、資本流入規制で混乱を防いでいる。ターゲットの人民元はドル安でさらに恩恵を
受けた。また中国からは「1997年のアジア通貨危機には人民元は切下げを踏みとどまった。(の
を忘れたのか)」と反論された。当初 米国の人民元切り上げに同調した日本が一番慌てていた
ようだ。小泉さんも言うように経済は生き物である。ということは落ち着いている時もある。わざわ
ざ会議を開いて、理解しにくい発言を繰り返し市場を混乱させるG−7ではいけない。次回もまた
予定通り開くのであろうが議題がなかったり、参加国でない国を俎上に上げる時は市場プレーヤ
ーは混乱を求めている獣であることを承知して発言したほうが良い。「沈黙は金、不作為は罪であ
る。」 メキシコにも貿易障壁で文句を言われないような市場原理に基づいた輸出入が出来ない
国は介入は義務である。しかし介入をやっても円安に触れなければ金額の多寡にかかわらず不
作為というのだろう。
7.ID為替 「為替版国際収支説」
円高に触れると海外投機筋のせいであると言う発言は当局民間の区別なく出る。要因が分
からなくなると投機筋のせいとなる。そう言えば確かめようもないし、何となく為替を知っているよ
うな気分がして解決するようだ。しかし実際市場にいる投機筋などそれ程多いわけでもないし、彼
らの張る相場は当っていることのほうが少ない。円を誰が動かしているかと言えばやはりそれは
日本である。といっても日本人ということではなく、日本を通り過ぎる為替である。今年は簡単に言
えば、1-9月で貿易黒字と所得黒字などの合計である経常黒字12兆円と外人の株の買い7兆円
の合計19兆円を介入13兆円で埋めるが足りない6兆円は為替リスクのある海外投資に消極的
な生保と、積極的ではあるが如何せん金額が小さい個人の外債投資では埋め切れない。それが
円高の要因である。投機筋ではない。乱高下させているとしたら投機筋より当局の発言だ。
国際収支表は本邦と海外の資金の出入りを示す表であるがその表からは為替が絡むものと
絡まないものの区別は出来ない。事実上今尚残る為銀主義で銀行を通じて資金の出入りはある
のでそこで為替に絡むものと絡まないものを分ければいいのだがそれは難しい。
為替変動の理論として「国際収支説」があるが 国際収支表を見て為替相場との関連性を説い
ている書はない。
経常収支はリーズ&ラグズや、ヘッジなどもあり時間的なぶれは残るがほぼ為替が絡み相場
予想変動を説明出来る。
やっかいなのは資本収支であり、これは為替に絡まないものも多く含まれ、かつ経常収支など
の複式簿記上の反対取引として記帳されているその他投資勘定(旧国際収支表の金融勘定)も
あり複雑化する。
それで資本収支の代わりに対内対外証券取引状況(4項目)を利用する。そのなかで株取引
は為替が絡むが円債取引は為替への影響が少ない。外債投資はこれまた為替ヘッジ付、ヘッジ
なしが区別出来ない。その点はさらに外債投資の主体別投資動向を見る。為替リスク付投資を原
則やらない銀行の数字を省き、生保や投信の数字を中心にヘッジ率の記事を参考にしつつラフ
に推定する。
何とかこの「為替国際収支」を把握したいのが私の現在やっている作業でありより投資収益を
効率化するものである。
日経掲載原稿
http://www.nikkei-ad.com/kinyu/kawase.html
内需拡大−規制緩和−市場開放−小政府−財政均衡−自己責任−公明正大
―超円高
−100―円高−150−普通円−200―円安−250−超円安−
「世界一のデフレと物価高の共存が日本の弱点」「国を選ぶ時代」
FX湘南社是 「面白く正しく」
FSIG FX湘南投資グループ 代表 野村雅道 中京大学講師
「付録 *横浜湘南便り*」
「セントレア」
名古屋に講義に通う。JR東海ののぞみ増発などで最寄駅の新横浜から名古屋へは一駅、1時
間25分でついてしまう。帰りにラップタイムをとったが三島から新横浜まで20分程度ですっとば
す。これでは東名でいくら暴走族やトラック野郎が飛ばしても追いつかない。
さていよいよ2005年中部国際空港が開港する。名古屋駅から30分の海上にある24時間空
港だ。愛称はセントレアと言う。最初遷都のセントかなと思った。遷都がレアではいけないが。そ
の昔の 1990 年頃 名古屋へ首都遷都の噂があり、当時の為替ディーラー仲間が名古屋関連銘
柄を買い込んでいたが叶わず暴落の憂き目に合っていたのを思い起こした。本来の愛称の意味
はセントラルエアーポートからのセントレアだそうだ。
前述の新幹線の速さからすれば、私などは海外旅行なら成田へ行くより名古屋へ向かった方が
快適ではないかと思った。24 時間オープンでもある。また名古屋ではトヨタの肝いりで中高大一
貫の教育機関が生まれると言うしあまり特徴のない中部地方も変わろうとしている。
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