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決算発表 社長コメント(案)

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決算発表 社長コメント(案)
岡野でございます。本日は、大変お忙しい中、多数ご出席を賜り、誠にありがとうござ
います。
平成17年度は、戦略経営計画フュージョン05の最終年度でありましたが、フュージ
ョン05で掲げた2005年度の数値目標のうち、経常利益、ROA、ROEについて
は、昨年16年度にすでに1年前倒しで達成することができました。売上高につきまし
ても、目標としていた7,500億円以上を、平成17年度で達成するなど、その定量目
標については、ほぼ計画通り達成することができました。
本年度は、2010年度を目標年度とする次期戦略経営計画フュージョン10のスター
トダッシュの年であり、現在その内容については最終の詰めを行っているところです。
さらに一段高い目標を掲げ、事業規模の拡大と収益構造の革新を図り、13期連続の増
益をめざしていきたいと考えております。
フュージョン10の内容については、6月上旬を目処に説明会を開催させていただく予
定になっておりますので、本日は、18年度の経営計画の基本的な考え方と主要事業の
事業戦略について、私から簡単にご説明させていただきます。
18年度の、経営計画の基本的な考え方としては、
①特に国内外の経済環境が確実に好転する中で、これまで他社に先んじて実行してきた
投資の回収を加速すべく拡販に努めること
②市況高騰やRoHS規制など環境規制が強化される中で、これらのコストアップ要因
を吸収していくための、大幅な製造コストダウンを実現していくこと
③グローバルSCMの高度化により、需要変動にフレキシブルに対応できる供給体制の
実現と在庫の削減を徹底的に推進していくこと
④世界のトップメーカーと戦っていけるだけの技術力・商品力・サービス力の強化と、
それを担う人材の確保・強化・育成に努めていくことなど
に取り組んでまいる所存です。
つづきまして、主要事業戦略について順にご説明いたします。
まず国内空調事業についてお話させていただきますが、パッケージエアコンについては、
昨年は一昨年に続き2回目の値上げを実施した後、他社がむしろ値段を下げシェアを取
りに来たことで、値差が大きく広がったこともあって、シェアを下げてしまったが、昨
年秋頃より、他社も遅れて値上げに追従してきたことで、値差は確実に縮まっており、
いまは当社の総合力をもってすれば十分これからシェア挽回できるものと思っておりま
す。実際、1月以降シェアは回復傾向にあり、今年は現在の売価水準をしっかりキープ
しながら、シェアアップを図っていきたいと考えています。
そのため販売戦略としては、最重点エリアの首都圏をはじめ、これから伸びてくる愛知
県、三重県等の中部地方それから大阪などエリア戦略強化を図って販売促進を行ってい
きたいと思っております。また、当社固有の特工特約店での販売支援、他社併売店に対
する差別化商品提案あるいは差別化販売促進方法の提案を手呈していくことによってシ
ェアをあげていきたいと思っております。
ルームエアコンについては、売価については維持するという方針でやってきております。
昨年は、特に冬場において寒波やファンヒーター問題が発生し、ルームエアコンのヒー
トポンプタイプに需要が流れ込みました。それと商品構成で言うと小型の比較的コスト
の安い機種に需要がシフトしており、当社のルート特性上、ウェートが比較的小さい量
販で需要が増加したこともあって、シェアを若干落としております。
今年は、量販ルートでは、主要法人を中心に“うるるとさらら”の加湿暖房キャンペー
ンを張るなど高付加価値商品のより一層の訴求を徹底して行います。また住設卸、建材
卸などの設備ルートでは、エコキュート等の他の住設商材とのセット提案を軸に、開発
を強化するなどの取組みを行い、シェアの奪還を図る予定でおります。
パッケージエアコン、ルームエアコン以外では、特にオール電化の流れの中で、これか
ら大きく需要の拡大が見込めるエコキュートの拡販を図ります。エコキュートとは CO2
を冷媒に使って夜間電力を使った給湯器です。イニシャルコストはガスを使った瞬間湯
沸器より高いですが、ランニングコストが非常に安く、ライフサイクルコストからみる
とこちらのほうが安いという商品です。国のほうの政策、あるいは電力会社の指示でこ
れからオール電化の流れが進んでいく中で需要が伸びるものと思っています。こちらに
開発人員を強化しており、他社からのスカウトも含めて 70 人規模くらいの構成で開発を
促進していき、当然シェア No.1 商品にしていきたいと考えております。
4月には、業界NO.1の省エネ性能、操作性も向上させた新型機を投入し、かなりの
好評を得ております。
電材卸・管材卸での工務店・ビルダー攻略による新築マーケット需要の取り込み、電力
会社との連携強化によるオール電化マンションの攻略により、大幅なシェアアップを図
る予定としています。
一方、コスト面では、ここへ来て、再び、銅・アルミなどの原材料市況が騰勢を強めて
おりますが、環境規制に伴うコストアップ要因もある中で、これらを吸収する大幅なコ
ストダウンを今年は何としても実現しないといけないと思っています。
そのために、新商品開発ではコンカレント開発によるコストダウン効果の創出に徹底的
に取り組んでおりますし、海外生産拠点も含めグローバルに大きくコストダウンを刈り
取るための、外注・購買・調達戦略、内作化戦略の推進にも現在取り組んでいるところ
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であります。部品については世界最適商品をどこで作っても同じコストで調達できると
いう体制を作りあげたいと考えています。主要なデバイスについては内作化を推進して
いくことで社内での付加価値をあげていくことによってコスト競争力をつける付加価値
を併せてあげていきたいと思っております。
次に、グローバル空調事業についてご説明さしあげます。
ヨーロッパについては、昨年は、2年連続の天候不順の影響もあり、小型ルームエアコ
ンでフランス等で一時的な減速があったが、EU だけでなく周辺諸国で需要が拡大してい
ます。
今年は、ルームエアコンで巻き返しを図ることももちろんですが、VRV新商品の切れ
目ない投入による業務用分野での圧倒的NO.1の確立、当社の未参入領域(例えば、ア
プライド、空気事業、冷凍・冷蔵分野、温水・暖房分野など)での事業拡大、ロシア、
中東、アフリカなど新市場への販路拡大を通じ、売上を大きく伸ばし、再び欧州事業を
高成長軌道に乗せるつもりでおります。
中国については、マーケットは依然成長トレンドにあるものの、金融引き締めの影響、
業界の過剰供給体質などで事業環境は決してよいとは言えず、今年は更に淘汰が進むの
ではないかという見方が強いです。
そんな中、当社は、外資売上高トップのメーカーとして、真の中国トップメーカーを目
指すべく、自前戦略に加え他社との提携・連携も積極的に活用し、ありとあらゆること
に挑戦したいと思っています。
具体的には、有望市場掘り起こしのためのシステムエンジニア大量投入、ソリューショ
ンプラザを活用したメーカーと販売店とのあわせ技による販売力強化、堅調なビル・オ
フィス市場の強化、北京、広州、地方都市への拡大、街角のひとつひとつの売上を強化
するためこれまでの直営店に加えてプロショップの拡大などを行い、販売のネットワー
クを強化していきたいと考えております。
米国については、昨年11月に、ダラスに販売会社を設立し、ダクトレス空調の市場創
造を開始しておりますが、主力のミニビルマルは、3月末までの出荷台数が600台に
のぼり、好調な出足となっています。
1月には、SEER13規制が施行され、エネルギー消費効率が悪い空調機器の販売が
できなくなっており、米国のメーカーは対応するため熱交換器のサイズを大きくするこ
となどで対応しております。日本のこのインバータ技術をもっていくとそのインバータ
のコンプレッサに乗せるだけSEER15 までの能力がでるため、優れたインバーター技
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術を持つ日本メーカーには市場創造のチャンスとなっております。
今年は、システムエンジニアを倍増して、販促活動、ダイキンの知名度アップを図り、
引き合いを増やしていくと同時に、米国4強の代理店の攻略、2番手勢力のレップの技
術者のダイキンファン化を徹底して行い、売上を大幅に拡大していく予定である。
最後に、フッ素化学事業について、ご説明をさしあげます。
昨年は、グローバルな需要拡大、鹿島再稼動、中国常熟工場の本格稼動など事業環境が
整う中で、売上を大きく伸ばし、投資の回収を加速することを目標に掲げスタートしま
したが、撥剤の市場構造の変化、ガスの需要減などで売上が落ち込み、当初計画したと
おりには行かなかったのが実態でございます。
ただ、ここへ来て、半導体関連産業向けの樹脂で引き合いが活発になり、米国でのLA
Nケーブル用のFEPの新商品の売れ行きが好調に推移し、液晶材料用中間体(6FD
A)が引き続き好調に推移するなど、販売面では、明るい兆しが見えてきています。こ
れら変化の兆しをしっかり捉え、一気に売上の拡大に繋げることが今年の化学事業の最
大のカギだと思っております。
もうひとつは中国での事業を早く大きく展開させたいと考えております。問題は、安全・
環境対策関連費用の増加、能力増強に伴う償却費負担増などで固定費が増えることに加
え、変動費でも、蛍石やクロロホルムなどの原材料市況が高騰し、収益力の回復はまだ
道半ばだということであります。
研究開発投資や安全・環境・品質・供給など足元課題解決に向けた費用の投入について
は、将来の成長・発展に向けた必要不可欠な投資と考えており、短期的な利益率の押し
下げ要因にはなるが、一件一件精査しながら基本的には実行していきたいと考えており
ます。
一方、原材料費の抑制については、大口取引先との粘り強い価格交渉、蛍石・フッ酸
などでの新規調達先の開拓による単価抑制、蛍石、フッ酸、ガスなど主原料についての
J/Vも視野に入れての自前化推進、これは蛍石の原石の鉱山を保有するような企業と
提携することも含め自前化と適正調達ということをやりたいと考えている。併せて生産
ボリュームが大きくなっている中間原料の内作化により会社トータルでの付加価値をあ
げることによって収益性もよくしていき、コスト競争力を上げていきたいと思っていお
ります。
こういったことに取り組むことで、できるだけ早い段階で、高収益事業への回帰を図
りたいと思っています。
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以上、簡単ではありますが、主要事業戦略についてコメントさせていただきました。今
日は、これら3部門の責任者については、このように出席させてもらっているので、こ
の後、何なりとご質問いただきたいと思います。また、それ以外の事業あるいは会社全
体の戦略、方針についてもご関心があろうかと思いますので、その点についても遠慮な
くご質問いただきたいと思います。ご清聴ありがとうございました。
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