...

資金調達および流動性

by user

on
Category: Documents
18

views

Report

Comments

Transcript

資金調達および流動性
資 金 調 達 お よ び 流 動 性
(1)資金調達および流動性の方針
(3)資金調達の多様化に向けた試み
オリックスは、資金調達の安定性強化と資金コストの低減
オリックスは、日本における規制緩和の潮流のなかで、常に
を目指し、資金調達方法を多様化し、調達先も分散していま
新たな調達方法を模索、開発し、資本市場調達においても投
す。また、その時々の金融環境に合わせながら、機動的に調
資家層の拡大を図り、資金調達の多様化、それによる安定化
達構成を見直しています。すなわち、金利変動リスクや流動
を図っています。
性リスク等の市場リスクを把握し、金融環境の変化に俊敏に
1993年6月の貸金業者によるCPの発行解禁に続いて、
1998
対応することにより、常に資金調達を円滑かつ低コストで行
年4月には投資家に直接発行できるダイレクトCPが解禁され
うことを目標としています。
ました。オリックスはダイレクトCPの発行を推進し、投資家
の開拓を進めてきた結果、その投資家層は投資信託、生損保、
(2)金融機関調達と資本市場調達の分散
オリックスの資金調達は、金融機関調達と資本市場調達で
構成されています。金融機関からの調達は都市銀行、信託銀
地方金融機関、農業系金融機関、その他金融機関、事業法人
など多岐にわたっています。
前期末および当期末における当社のCP発行残高(連結)は
行、地方銀行、農業系金融機関、生命保険会社、損害保険会社、
420,280百万円、
528,880百万円であり、当期末におけるダイ
外資系銀行など多岐にわたり、その数は約200社になります。
レクトCP発行残高は国内CP発行残高の77%を占めます。ま
資本市場からの調達には、普通社債、コマーシャル・ペーパー
た、
2003年3月31日から日本におけるペーパーレス化された
(CP)、ミディアム・ターム・ノート(MTN)、リース債権やそ
電子CPの取引が開始され、オリックスは同日に国内初の電子
の他受取債権の証券化、株式およびその他のエクイティ・ファ
イナンスが含まれます。円滑な資本市場調達を進めるために、
CPを発行しました。
さらに将来的な資金調達の多様化・分散化と投資家層の拡
発行する債券について、国内2社の格付機関から格付を取得
大につながることを期待して、
2004年2月には、国内の中堅企
しています。2005年5月末現在、国内無担保普通社債および
業向けに国内初の公募電子CPの発行も実現させました。今
ユーロMTNプログラムは格付投資情報センター(R&I)、日
後も積極的に電子CPの発行を推進することにより、各種決済
本格付研究所(JCR)ともに「A +」を取得しています。また、
リスクの低減を図り、投資家層を拡大することで、より効率的
国内CPに関しては、R&Iから「a-1」
、JCRから「J-1」の格付
で厚みのある発行・流通が促進されるようCPマーケットの拡
を取得しています。一方、スタンダード・アンド・プアーズ
大に貢献したいと考えています。当期末における国内CP発行
(S&P)から「BBB+」
、ムーディーズ・インベスターズ・サービ
残高はすべて電子CPによるものです。一方、日本の社債発行
ス(Moody’s)から「Baa3」の発行体格付を取得しています。
市場の拡大に伴い、オリックスも積極的に無担保国内普通社
2005年5月16日に、Moody’sは格付けを引き上げ方向で見
債を発行しています。国内普通社債は主に機関投資家向けと
直すと発表しました。
個人向けに分けて発行し、投資家の分散化を図っています。
なお、資金調達における資本市場調達比率(オフバランス
前期末および当期末における当社の国内機関投資家向け普通
調達を含まず)は、前期末は47%、当期末で47%となってい
社債(私募を含む)は、それぞれ378,000百万円、
388,000百万
ます。資本市場調達比率は、金融環境等を鑑みながら機動的
円であり、個人向け普通社債の残高は、それぞれ365,000百万
にコントロールし、常に最適の調達構成を保っていきます。
円、
430,000百万円です。また、オリックスは1992年1月に日
本で初めてリース債権の流動化を行うなど国内外において積
極的に証券化を推進しており、当期末の証券化残高(リース債
権、貸付債権等)は436,241百万円となりました。このうちオ
フ・バランスシートの会計処理を行っている金額は、
375,960
百万円となっています。
ORIX Corporation
55
海外事業の資金調達に関しては、現地法人での借入に加え
(4 )流動性の確保
て、MTN等の発行を通じ、資金調達手段の多様化を図ってい
流動性については、資産と負債の満期スケジュールをモニ
ます。オリックスは、海外現地法人5社とオリックス(本体)を
タリングしながら、国内外の金融機関や資本市場からの調達
発行体として50億米ドルを限度とする「マルチ・イシュアー・
をコントロールすることによって管理しています。調達した資
ユーロ・ミディアム・ターム・ノート・プログラム(ユーロMTN
金は、新たな資産の取得、あるいは負債その他の支払債務の
プログラム)
」を設定しています。ユーロMTNの発行は海外の
償還に使われています。営業上の資金ニーズや資金繰りを見
グループ各社の資金需要を勘案の上、オリックスの財務部が
極めながら、必要な時に必要な資金調達が行えるよう努めて
方針を策定しています。当期末のユーロMTNプログラムの合
います。
計残高は、
113,775百万円となりました。1998年9月、オリック
オリックスは高い流動性を維持するために、金融機関との
スはニューヨーク証券取引所に上場しました。そして1999年
間でコミットメント・ライン契約を締結しています。前期末お
10月、オリックスは日本企業として初めてSEC登録・ニュー
よび当期末におけるコミットメント・ライン総額は、それぞれ
ヨーク証券取引所上場の形で日米欧における株式と円建転換
875,797百万円、895,805百万円であり、そのうち前期末お
社債の同時発行による資金調達(グローバル・オファリング)
よび当期末における利用可能額はそれぞれ765,608百万円、
を実施し、株式3,300千株、2005年満期円建転換社債(額面)
795,935百万円です。なお、
2005年3月末におけるコミットメ
400億円を発行しました。また、
2001年12月にも、海外にお
ント・ラインのうち、オリックスおよび海外主要現地法人を借
いて株式と円建転換社債の同時発行による資金調達を行い、
入先としたマルチカレンシー・グローバル・コミットメント・ラ
株式1,800千株、
2007年満期円建転換社債(額面)
280億円を
インは65,808百万円設定しており、利用可能額は51,552百万
発行しました。なお上述の400億円の円建転換社債はすべて
円となっています。
転換されました。
資金調達多様化の一環として、2002年6月、オリックスは
2022年6月14日満期米ドル建転換制限条項付転換社債型新株
予約権付割引社債(額面1,022百万米ドル)を発行し、
400百万
米ドルを調達しました。この新株予約権付割引社債は、転換
制限条項を付与していることから、新株予約権の行使を実質
的に抑制する内容です。日本企業では初めての発行となりま
した。なお、
2005年3月期第3四半期より潜在株式調整後1株
当たり利益の計算に反映させることが求められています。
また、
2003年10月には、米国SECに対してユニバーサル・
シェルフ(F3)登録を行ったことにより、総額500百万米ドル
までを普通社債、劣後社債、新株予約権、普通株式、優先株、
米国預託株式(ADS)の形で米国市場で調達することが可能
になりました。
56
ORIX Corporation
Fly UP