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第15章 アスベスト

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第15章 アスベスト
JEGS は英版が正文である。JEGS 仮訳中の用語が日本の関係法令上の用語と同一だとしても、
その定義は必ずしも一致するとは限らない。
2016 年 4 月
日本環境管理基準
C15.
第 15 章
アスベスト
C15.1. 適用範囲
本章では、アスベストがもたらすヒトの健康や環境への脅威を制御し排除する
ための基準と、除去及び処分作業におけるアスベストの管理について規定して
いる。包括的な職業安全衛生プログラムについての政策要件は、本章では触れ
ていない。アスベスト曝露から従業員を守るために、国防省規則6055.1(「国防
省職業安全衛生(SOH)プログラム」、1998年8月19日)、国防省規則6055.5(「労
働環境衛生(OEH)」、2008年11月11日)及びこれらに付随する各軍の規則を
参照のこと。
C15.2. 定義
C15.2.1.
十分に湿潤している 粒子状物質の飛散を防ぐために、十分に
液体と混合されているまたは液体が浸透した状態をいう。アスベスト含有
物質(ACM)からの飛散が目視できる場合、その物質は十分に湿潤してはい
ない。しかし、飛散を目視できないことが、十分に湿潤しているという証
明とはならない。
C15.2.2.
アスベスト 6 種類の異なる繊維状のケイ酸塩鉱物の一般名称
であり、この中には、クリソタイル、アモサイト、クロシドライト、トレ
モライト・アスベスト、アントフィライト・アスベスト、アクチノライ
ト・アスベスト及びこれらの物質に対して科学的な処理及び/又は変性を
加えたものなどが含まれる。
C15.2.3.
アスベスト含有材(ACM) 重量比で 0.1%を超えるアスベスト
を含有する材料をいう。
C15.2.4.
飛散性アスベスト 0.1%を超えるアスベスト繊維を含有する物
質で、乾燥時には指の力で粉々に崩れたり、粉砕したり、粉状になるもの
をいう。
C15.2.5.
カテゴリーⅠ非飛散性アスベスト含有物質 0.1%を超えるアス
ベストを含有する梱包材、ガスケット、弾力性床仕上げ材、アスファル
ト・ルーフィング製品。
C15.2.6.
カテゴリーⅡ非飛散性アスベスト含有物質 0.1%を超えるアス
ベストを含有する物質のうち、カテゴリーⅠ非飛散性アスベスト含有物質
を除いた、乾燥時には指の力で粉々に崩れたりせず、粉砕せず、粉状にな
らないもの。
C15.2.7.
規制アスベスト含有物質 (a) 飛散性アスベスト物質、(b)脆く
なったカテゴリーⅠ非飛散性アスベスト含有物質(c)研磨、粉砕、切断、摩
耗されるまたは既にされたカテゴリーⅠ非飛散性アスベスト含有材(d)解体
または修復作業の過程で当該材料に作用するであろう力により、崩れたり、
粉砕されたり、粉状にされるまたは既にされた可能性の高いカテゴリーⅡ
非飛散性アスベスト含有材を意味する。
第 15 章
アスベスト
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JEGS は英版が正文である。JEGS 仮訳中の用語が日本の関係法令上の用語と同一だとしても、
その定義は必ずしも一致するとは限らない。
2016 年 4 月
日本環境管理基準
C15.3. 基準
C15.3.1.
軍施設は、アスベストに関連する全ての活動を一つに集約する
ために、アスベスト・プログラム管理者を任命する。
C15.3.2.
軍施設は、アスベスト管理計画を策定及び実施する。当該計画
では、少なくとも以下を含む:
C15.3.2.1.
サンプリングと分析、または目視測定によって作成され
たアスベスト含有物質の目録。
C15.3.2.2.
労働者、賃借人、建物の使用者に対し、飛散性アスベス
ト含有物質が存在する可能性のある場所、アスベスト含有物質をかき乱
さない方法及びその理由について教えるための周知・教育プログラム。
影響を受ける全ての人は適切に情報提供されるべきである。
C15.3.2.3.
アスベスト含有材の状態のあらゆる変化について観察、
評価、記録するための定期的なアスベスト含有物質の監視。
C15.3.2.4.
アスベスト含有材をかき乱す恐れのある活動を管理する
ための作業管理/許可制度。
C15.3.2.5.
アスベスト含有材に影響を及ぼす作業中に、繊維の放出
を避けるまたは最小限にするための維持管理(O&M)作業実務。
C15.3.2.6.
アスベストを特定する業務と排除に関連した維持管理作
業の記録保持。
C15.3.2.7.
アスベスト・プログラム管理者及び管理・保守スタッフの
ための訓練。
C15.3.2.8.
排除すべき特定された危険について評価し優先順位を付
けるための手順。
C15.3.2.9.
手順。
新設の場合にアスベスト含有材の使用を防止するための
C15.3.3.
軍施設は、施設の解体または改築に先立ち、当該作業がアスベ
スト含有材を除去かまたはかき乱すかどうかを判断し、その判断をプロジ
ェクト承認書(例えば、作業命令書)に記載する。
C15.3.4.
飛散性アスベスト含有材の除去またはかき乱すことを伴う施設
の解体または改築に先立ち、評価書を作成し、基地司令官に提出する。評
価書の写し 1 部を永久保存する。
C15.3.5.
空気中にアスベスト含有物質の繊維を飛散させる恐れがあり、
信頼できる方法で修理したり隔離したりすることが不可能である場合は、
軍施設は飛散性アスベスト含有物質を除去する。
C15.3.6.
施設またはその一部を乱すまたは解体する前に、軍施設はすべ
ての規制アスベスト含有物質を除去する。必要に応じ、除去プロセスは以下
を含む:
C15.3.6.1.
第 15 章
アスベスト
アスベスト含有材が除去される作業区域の密閉;
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その定義は必ずしも一致するとは限らない。
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日本環境管理基準
C15.3.6.2.
作業区域への気密式出入口;
C15.3.6.3.
高性能エア(HEPA)フィルター(JIS Z8122 に該当又は相当す
る)を併用した負圧排気装置の使用;
C15.3.6.4.
せる
C15.3.7.
除去プロセスにおいて、アスベスト含有材を十分に湿潤さ
アスベスト廃棄物を処分する場合、軍施設は次の通り行う:
C15.3.7.1.
分別する:
全てのアスベスト廃棄物を次の 2 つのタイプのいずれかに
C15.3.7.1.1. タイプ I 廃棄物 タイプ I 廃棄物は、特別管理産業廃棄
物(SCIW)のサブカテゴリの 1 つである特定有害産業廃棄物(SHIW)
に分類されるものとする。タイプ I 廃棄物には次のものを含むが、こ
れらに限られない:吹付けアスベスト、アスベスト保温材、珪藻土保
温材、パーライト保温材、乾燥時において手で圧力を加えたり流れる
空気や振動に接したりすることで粉々に崩れたり、粉砕したり、粉
状になる保温材、アスベスト除去作業の結果としてアスベストに汚染
された物(例えば PPE、プラスチックシートなど)、アスベストに汚
染された物(例えば呼吸用装置、アスベスト粉じん収集フィルター、
機器など)及び輸入されたアスベスト。
C15.3.7.1.2. タイプ II 廃棄物 タイプ II 廃棄物は、産業廃棄物に分類
され、重量換算で 0.1%を超えるアスベストを含む、他の全ての廃棄物
を指す。タイプ II 廃棄物は次のものを含むが、これらに限られない:
防火材、スレート板、セメント板、羽目板、床タイル、ガスケット、
パッキン、セメント管及びブレーキシュー。
C15.3.7.2.
全ての廃アスベスト含有材は湿潤化するか、セメントを
用いて固める。
C15.3.7.3.
いずれのタイプの廃アスベスト含有材も、二重の高強度
のプラスチック袋に密封する。
C15.3.7.4.
各タイプの廃アスベスト含有物質に対し日本政府が許認
可した適切な施設または埋立地において適切に処分する。タイプ I 廃棄
物は、融解して、日本政府により処理済みアスベスト廃棄物の受け入れ
が指定されている埋立地において処分することもできる。全てのプラス
チック袋には、英語及び日本語で以下の通りラベル付けをする:
C15.3.7.4.1.
び
タイプ I 廃棄物とタイプ II 廃棄物のどちらであるか;及
C15.3.7.4.2. 「危険-アスベスト繊維含有-粉じんを出すな-癌及
び肺疾患の恐れあり」
C15.3.7.5.
処分行為及び場所の永続的な記録を保持する。
C15.3.8.
国防省の学校は、合衆国法典第 15 編第 2643 章第 1 部(15 U.S.C.
2643(l)))の該当要件及び連邦規制基準第 40 編第 763 部 E 項(40 CFR Part
763, Subpart E)施行規則(「学校におけるアスベスト含有物」最新版)を遵
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アスベスト
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JEGS は英版が正文である。JEGS 仮訳中の用語が日本の関係法令上の用語と同一だとしても、
その定義は必ずしも一致するとは限らない。
2016 年 4 月
日本環境管理基準
守する。その際、「1 パーセント」及び「1%」の表記は全て、本章のアスベ
スト含有物質の定義に合わせ「0.1%」と読み替える。
C15.3.9.
アスベスト含有材の確定
C15.3.9.1.
記録の再調査や目視検査の結果、ある物質がアスベスト
含有物質と推定された場合には、当該物質はアスベスト含有物質に指定
され、それによりさらなる試験の必要性が除外されうる。
C15.3.9.2.
検査方法によるアスベスト含有の確定のために、アスベ
スト判断のための US EPA 手法の後、米国立標準技術研究所/米国自主試
験所認証プログラム(NIST/NVLAP)の認可を受けた研究所により偏光顕
微鏡(PLM)を使用して連続体を必ず分析しなければならない。研究所
はアスベスト量の「微量」の実用的定義を有し、また、研究所は、PLM
の限界数量である「微量」濃度が 1%より少なくとも連続隊内の探知でき
るいかなる量のアスベストについて報告をしなくてはならない。PLM が
アスベストの存在を検出しなかった場合(例えば「非検出」)、その物
質のアスベスト濃度は 0.1%未満と考えるものとする。PLM による分析が
その量を問わず認識できるアスベストを検出した場合(「微量」または
「1%未満」を含む)、その物質のアスベスト濃度は 0.1%超と考えるもの
とする。ただし 0.1%未満の分析感度を達成することができる能力を有す
る定量化法、例えば透過電子顕微鏡法(TEM)または 1000 ポイントカウ
ンティング法などを使用してアスベスト非検出であると証明された場合
を除く。
第 15 章
アスベスト
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