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藤田保健衛生大学救命救急センター 2007年度報告会 2008年1月25日

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藤田保健衛生大学救命救急センター 2007年度報告会 2008年1月25日
藤田保健衛生大学救命救急センター
2007年度報告会
2008年1月25日
(金)
於:グランドティアラ
(豊明)
平成19年度(2007年度)藤田保健衛生大学救命救急センター報告会
2008年1月25日
(金)ティアラ豊明高砂殿にて
式次第
(敬称略)
17:30∼ 受付開始
18:00∼ 報告会
司会:井水秀栄
センター長 挨拶 佐野公俊
医師部門報告
CCU 山田 晶(循環器内科) 2007年CCU実績報告
NCU 根来 眞(脳神経外科) 脳血管内治療外科部門
2007年の総括と2008年の展望
加藤庸子(脳神経外科) 2007年クモ膜下出血報告と
2008年の展望
渡部剛也(脳神経外科) 脳出血
西山悠也(脳神経外科) NCU
庄田 基(脳神経外科) 2007年脊椎・脊髄総括
GICU 山内健嗣(救急科)
2007年GICU業績報告
SICU 貝沼関志 2007年SICU報告(2004年∼)
移植部門報告 泌尿器科 星長清隆 泌尿器科学会にて欠席
はちや整形外科 蜂谷裕道 平成19年東海骨バンク実績報告
›日本臓器ネットワーク 加藤 治 臓器移植の現状報告
移植コーディネーター 原 美幸 資料参照
臨床検査部
検査室 山内章弘 検査業績報告
放射線部
放射線部 白川秀記 2007年報告
リハビリテーション部門報告
リハビリテーション医学講座 横山道夫 2007年度報告
看護部門報告 GICU 小野寅雄 2007年病棟看護部実績報告
NCU・CCU 白井美紀 2007年病棟看護部実績報告
消防隊報告
大府市消防本部 主査 山口幸男
豊明市消防本部 救急第2係専門員 毛受淳一
名古屋市緑消防署・名古屋天白消防署
緑消防署 救急係主任 志満津晴央
尾三消防本部・東郷消防署 警防課救急第1係 佐々木祐司
衣浦東部広域連合消防局 消防課 主幹 北澤清秀
医療相談室
ケースワーカー主任 三尾由紀
神原純子、竹中亜佳里 医療相談室 年次報告
19:00∼21:00
新年会
司会:井水秀栄・伊藤圭介
挨拶 院長 菱田仁士
挨拶 副院長 宮川秀一
乾杯 副センター長 荒木恒敏
挨拶 名古屋市消防学校 教育訓練係長 平松吉隆
名古屋市緑消防署 救急係長 寺嶋春彦
名古屋市天白消防署 救急係長 金子 洋
名古屋市天白消防署 消防士長 海谷誠二
大府市消防本部 消防長 沓名保男
豊明市消防本部 消防長 近藤和則
豊明市消防本部 消防副所長 伊藤金五
尾三消防本部 消防長 梅村保男
衣浦頭部広域連合消防局 刈谷消防署長 石川好勝
救命救急センター事務主任 濱野和治 他
GICU 伊藤圭介
CCU 祖父江嘉洋
リハビリテーション医学講座 及部珠紀
東海骨バンク コーディネーター 井澤浩之・成田泰詞
放射線部 木野村 豊
検査室 石川隆志・桜井 尚 他
インド人留学生
閉会挨拶:NCU長 加藤庸子
2008年度報告冊子3月に発刊予定
平成19年度(2007年度)救命救急センター報告会
目 次
センター長 ご挨拶 佐野 公俊…………………
前センター長・名誉教授 ご挨拶 神野 哲夫…………………
病院長 ご挨拶 菱田 仁士…………………
救急担当副院長 宮川 秀一…………………
時間外診療部長 内藤 健晴…………………
1
2
3
4
5
医師部門報告
CCU…………………………………………………………平光 伸也… 7
NCU 血管内外科報告………………………………根来 眞… 8
クモ膜下出血…………………………………加藤 庸子…10
…………………………………西山 悠也…13
神経内視鏡……………………………………渡部 剛也…14
SPINE……………………………………庄田 基…15
GICU………………………………………………………山内 健嗣…16
SICU………………………………………………………貝沼 関志…20
移植部門報告
泌尿器科………………………………………………………星長 清隆…23
はちや整形外科………………………………………………蜂谷 裕道…25
›日本臓器ネットワーク……………………………………加藤 治…28
移植コーディネーター………………………………………原 美幸…32
臨床検査部報告
検査室…………………………………………………………山内 章弘…35
放射線部報告
放射線部………………………………………………………白川 秀記…37
リハビリテーション部門報告
リハビリテーション医学講座………………………………横山 道夫…39
看護部門報告
GICU………………………………………………………小野 寅雄…41
NCU・CCU………………………………………………白井 美紀…43
消防隊報告
大府市消防本部………………………………………………山口 幸男…45
豊明市消防本部………………………………………………毛受 淳一…48
名古屋市緑消防署・名古屋天白消防署……………………志満津晴央…50
尾三消防本部・東郷消防署…………………………………佐々木祐司…54
衣浦東部広域連合消防局……………………………………北澤 清秀…55
医療相談室
ケースワーカー………………………………………………三尾 由紀…59
編集後記……………………………………………………………加藤 庸子…62
ごあいさつ
救命センター センター長
佐 野 公 俊
2007年度救命センター報告会を例年のごとく、各署の消防関係の
方々、救命に携わっておられる医師、看護師、コメディカルの方々
をお迎えして1月末に開催し、2007年度の報告会誌をいち早くお届
けしようと張り切っておりましたが極寒から桜の季節も終わり、新
緑の美しい季節となってしまいましたことをお詫び申し上げます。
昨年も皆様方の多大なるご協力、ご支援のもと、何事もなく皆様
一人一人の秘めた強力な底力のお蔭で乗り切ってこられましたこと
に感謝申し上げます。
平成19年4月に開設された救急総合診療部(ER)も順調に滑り出
し、救急医、総合診療医、内科医、外科医を目指す先生から他科の専門医を目指す先生にも必
須である研修の場が提供出来たことと思います。バックに控えし、GICU、CCU、NCUとの連
携も大なり小なりの問題を抱えながらもまずまずの運びとなっております。巷でもジェネリッ
ク薬品、研修医の問題などが取り上げられておりますが現在病院全体が取り組んでいる中央棟
構想という一大イベントに向けて救命センターとしては、患者さんへ最上の安全と質の高い医
療を提供する場として試行錯誤の連続ではありますが職員一丸となってよい知恵を出し合うこ
とに日夜頭を抱えながら頑張っております。
今年も更なる救命センターの質の向上へと改善あるのみと、先生方のご協力を一心に仰ぎた
いと思います。また皆様のご協力、ご支援なくしては成り立たない部門であります。どうか宜
しくお願い致します。
−1−
若き諸君へ
前センター長・脳神経外科名誉教授
神 野 哲 夫
救命救急センターは文字通り救命救急の患者を扱います。生死に
関わる重症患者も少くありません。
勤勉さが必要ですし、体力も必要です。また勉強もしなければな
りませんし、世界的にこの学問がどの様に動いているかも知らなく
てはなりません。決して生易しい領域ではありません。道は平坦で
はありません。
加えて、もう一つ極めて大切な事を学ばねばなりません。
私はかつて救急外来で若い脳外科医、救急医に聞いたことがあり
ます。「君達はここで患者さんを診た時、最初に何をしますか」「血
圧を測ります」
「病歴を聞きます」等の答えが返ってきました。私は言いました。
「患者さんは、
普段、どんなに偉い人でも、どんなにお金持でも、ここに来た時は不安で∼、心の中に隙き間
風がピュー∼吹いている。君達の最初にまずすることは、その隙き間風がどの辺で吹いている
のかを察して、ほんの一言の言葉、ほんの一寸した笑顔で、その隙き間風にとりあえず戸板で
もよいから立てかける事です」と。今まで全く異なった人生を歩んできた人が、ある日突然、
医師と患者として出会うのです。しかも相手は逆境にいる。逆境の人にいかに対処するか。こ
れこそが〝赤ひげへの道〟の根幹です。普段はどんな相愛がなく、人付き合いが悪くても、ま
ぁ、それは許せます。しかし、大切なことは逆境にいる人、弱者の立場にいる人にいかに優し
いかです。そのような人に対しては手のひらを返したように、180°変換して徹底的に親身にな
る。これがプロです。逆に、偉い人にはお愛想を言い、弱い者に偉る医師や看護師はいません
か。
しんどい商売です。でも諸君はそんな商売を選んでしまった。しかしだからこそ、若造でも
〝先生∼〟などと世間の方々が呼んで下さるのです。
−2−
ごあいさつ
藤田保健衛生大学病院 病院長
菱 田 仁 士
新年明けましておめでとうございます。
今年も恒例の救命救急センター報告会が開催されました。救命救
急センターは私どもの藤田保健衛生大学病院の看板と言ってよい存
在ですが、ここまでに発展しましたのも、ひとえに、歴代のセンタ
ー長と現センター長佐野公俊教授そして救命救急センター教職員の
ご尽力、ならびに近隣の消防署救急隊の皆様のご協力の結果でござ
います。あらためて厚く御礼申し上げます。最近は医療崩壊が大き
な社会問題となり、救急医療も大混乱に陥っております。当院でも
そのあおりを受けて救急患者が増加し、当院のcapacityを超えてし
まうため受けられないcaseさえ発生しています。ただ当院では、平成19年4月より救急総合診
療部(ER)を発足させて1、2、3次救急の窓口とし、全病院の協力のもとで救急外来の円滑
な運営を図ってまいりました。またERには、患者さんにとって大切な初期救急医療に当院の全
臨床医が習熟し、それにより当院の救急医療のレベルアップに繋げたい、という目的もありま
す。ところで、藤田学園創立50周年事業として中央棟建設プランが進行中です。ERも救命救急
センターもその中に移転する計画です。それらが出来上がりますと、救急患者さんは、1階の
ERからエレベーターで上層の救命救急センターへ、そして必要ならその1、2階上下の手術室
や血管撮影室へと容易に移動できるようになり、また、ICUも救命救急センターに隣接します
ので、重症患者の管理はより充実することになると思います。そして上層階の病棟も急性疾患
中心のものとし機能的な診療棟にしたいと考えています。
そのような救急体制や設備などの刷新整備をしながら、私ども藤田保健衛生大学病院は、救
急医療によって地域の皆様の安心な生活のためのお役にたちたいと願っております。
−3−
2008年救急総合診療部(ER)と救命救急センターの
さらなる飛躍を願う
救急担当副院長
宮 川 秀 一
皆様、救急という待ったなしの医療に日夜献身的に従事されてお
られることに敬愛の念をもって感謝いたします。ご苦労様です。
昨年は、本院にとりましてER元年、従来の1,2次救急を担当して
おりました時間外診療部と3次救急を担当していた救急部とを合併
し、ER型の救急外来が稼働いたしました。これによって幾つかの効
果が上がっております。
診療各科のご協力によりER医師団を構成し診療教育にあたること
により、研修医が孤立せずに系統的指導を受けることにより実施臨
床に即した研修が可能になりました。新卒者のマッチングも今年は
55名に増えました。また全病院的な協力体制構築の端緒を切ったものとも評価できます。GICU
にトリアージ病床を新設したことにより、救急患者の入院受け入れがスムースになりました。
救急患者の迅速な受け入れが可能になり、一般病棟の負担も減っています.GICU病棟稼働率
が平成18年度は、公称37床(実働27床)で27∼39%(37∼54%)であったが、平成19年4∼11
月では40∼49%(54∼67%)と10数ポイント上昇しました。月延べ患者数でも約100人の増加
です。
しかし、深夜帯は時間外指導医、時間外診療部のお力を借りなければならず、まだまだ診療
各科にはご協力を賜らなければなりません。全面移行には今しばらくの時間が必要です。まだ
人的蓄積が不十分であります。ここで培われた力をどのように人材として育成してゆくのか、
これが解決されなければ全面移行はなし得ません。
ご承知のように最重症疾患の診療のための重装備を備えているのが救急救命センターです。
ERならびに時間外診療部は初期診療においてこのユニットで治療される患者の窓口の役目を担
うわけでありますので、その質の向上維持には救命救急センター関係諸氏の大所高所にたった
愛育的なご指導、ご援助、ご協力が不可欠であります。何とぞよろしくお願いいたします。
−4−
平成19年度時間外診療について
時間外外来部長・耳鼻咽喉科教授
内 藤 健 晴
本年度は、急ピッチな計画進行で、ぎりぎりに救急総合診療部
(ER)が立ち上がり、ERと従前の時間外診療の2本立てという新し
いシステムで開始となりました。昨年まで、小森義之先生、渡邊
真先生に副部長をお願いしておりましたが、小森先生は、ER部長と
して、渡邊先生は安全管理室副部長として、それぞれ移られました
ので、花井恒一先生、富田亮先生に時間外診療副部長を新規にお願
いしました。研修医の減少に伴い、この1年間、苦しい台所事情で
はありましたが、ERの立ち上げの効果も奏功して、来年度の研修医
も増加が見込めるようになってきました。こうした情況を作ること
ができたのも、近隣の病院の救急医療事情が徐々に悪化している影響をもろに受けている中、
両副部長、時間外指導医、R2、R1の並々ならぬ努力のお陰であったと心から感謝しておりま
す。近い将来、救急総合診療部(ER)が健全に独立し、救急患者が24時間いつでも専門家によ
る診療が受けられ、前期・後期研修医も救急・全身管理の上質な教育・指導が受けられる組織
になることを夢見て、今しばらく、時間外診療部も頑張る所存でおります。宮川秀一救急担当
副院長、佐野公俊救命センター長はじめ関係各位には、今年度同様、来年度も変わらぬご協力
とご指導を賜りますよう、お願いいたします。
−5−
医 師 部 門
2007年度 救命センターCCU業績
救命救急センター副センター長・循環器内科准教授
平 光 伸 也
日頃は救命救急センターの運営にあたり、関係各位の方々に大変
お世話になり、心より感謝申し上げます。皆様のおかげで昨年は、
特に大きな問題もなく無事にCCUを運営することができました。
昨年CCUには772名の救急患者様が搬送されました。急性冠症候
群に限らず、心不全、不整脈、動脈疾患など色々な症例が入院され
るため、循環器内科だけでなく、様々な診療科の先生に助けていた
だいて診療に当たっております。現在CCUは病床数10床で運営して
おりますが、毎年冬場になりますと搬送される患者様の数が急増し、
満床の状態となる機会が多くなっています。最近は、患者様のたら
い回しが問題となっておりますので、日ごろから円滑な診療を行い、常に受け入れ可能な状態
を取っておくよう心がけております。今年も昨年と同様に全ての患者様を円滑に収容できるこ
とを目標として、努力して行きたいと考えております。
まだ至らぬ点が多いと存じますが、今年も藤田保健衛生大学救命救急センターCCUを宜しく
お願い申し上げます。
−7−
2007年血管内外科報告
脳神経外科教授
根 来 眞、入 江 恵 子
定 藤 章 代、早 川 基 治
大 村 真 弘、田 中 鉄 平
−8−
−9−
クモ膜下出血総括2007
脳神経外科教授
加 藤 庸 子
− 10 −
− 11 −
担当:加藤、西山、前田、服部、
山田、我那覇、小栗、佐野
− 12 −
2007年NCUチーフ 西 山 悠 也
先生方の強力なバックアップをもって1年間大きな問題なく経過いたしました。
入院患者の総数と疾患別における比率に関しては、例年に比し大きな変化はありませんでし
たが、自分なりに振り返り各疾患の傾向と対策案を以下に示しました。
脳血管障害:
高齢者の患者さま増加における皮質下出血の増加(内視鏡手術を含めた、低侵襲手術手技の
需要の拡大)
解離性脳動脈瘤の増加(MRIの積極的撮影による診断率の向上)
超急性期脳梗塞における血栓溶解療法の適応数は伸び悩み(発症からの経過時間短縮化に関
する案として、研修医を中心に初療スタッフ再教育が必要。24時間体制のMRI積極的撮影や
perfusion MRIの始動を検討中です。)
頭部外傷:
ガイドラインに沿った治療管理が求められており、脳圧センサ留置等の補助検査も有用な検
査として再度見直しが必要です。
その他:
後頭蓋窩腫瘍に対する緊急手術適応域の拡大(麻酔科をはじめ、手術スタッフにも理解いた
だけるようになりました)。
小児例に対して、正しいintensive careが求められています。これに応えられるよう、スタッ
フの専門的な教育システム(小児専門病院研修)、小児科との連携、ハード面での工夫が必
要です。
今後とも御指導・御鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。
− 13 −
2007年度 神経内視鏡
渡 部 剛 也
平成19年 神経内視鏡手術(内視鏡支援は除く)
総数 41
脳内・脳室内血腫 25
第3脳室開窓術 11
慢性・亜急性硬膜下血腫 5
水頭症・嚢胞性疾患 6
感染性疾患(脳室炎、脳膿瘍)
3
脳室内腫瘍(生検)
2
平成19年の神経内視鏡手術症例は上記の通りです(重複あり)。
救命センターの活躍を反映して、脳出血・脳室内出血の治療件数が半数以上を占めました。
今後も救急疾患に適用できる低侵襲治療として積極的に行っていきたいと思います。水頭症に
対する第3脳室開窓術や嚢胞性疾患に対する内視鏡治療も、特に合併症等なく行っております。
本年も、国内・海外で多数の内視鏡ワークショップを主催・共催してまいりました。経済的
な問題で内視鏡を所有する病院が数施設の国でさえ、脳外科医たちは内視鏡手術に大いに興味
を示します。今後、これまでのように情報提供やハンズオントレーニングだけでなく、何が必
要とされていて、何がわれわれにできるのかを考えていきたいと思います。
− 14 −
SPINE 2007
藤田保健衛生大学 脊椎脊髄病センター 脳神経外科教授
庄 田 基
2007年9月1日より藤田保健衛生大学 脊椎脊髄病センター(ス
パインセンター)が整形外科脊椎班(中井定明教授、志津講師、花
村医師、西尾医師)と合同でスタートしました。水曜日に合同カン
ファランスを行った後、回診を合同で行っています。また、愛知脊
椎脊髄疾患研究会を発足し、7月には脊髄疾患研究所所長 小山素
麿先生と東京慈恵会医科大学脳神経外科 谷諭准教授、11月には北
大脳神経外科 飛騨一利准教授と三楽病院整形外科部長 佐野茂夫
先生に講演を頂きました。小山先生には豊富なご経験の脊髄腫瘍を、
谷先生には脊髄空洞症について、飛騨先生には脊髄動静脈奇形そし
て佐野先生には脊椎instrumentationの感染合併症の予防について講演をして頂きました。興味
深い内容で、講演会には毎回、約100人の参加を頂き、今後も整形外科と合同で実りあるもの
としていく予定であります。
2007年より水野順一准教授、井上辰志講師が加わり、久野茂彦講師と4人の体制となりまし
た。また、服部(剛)先生も久留米より参加し、脳神経外科脊椎・脊髄外科チームでの昨年の
手術件数は249件でありました。頚椎変性疾患の前方固定46件、後方減圧20件、腰椎々間板ヘ
ルニア71件、腰部脊柱管狭窄症47件、腰椎すべり症固定術42件、脊髄腫瘍+血管障害10件、黄
色靭帯骨化症3件、外傷4件そしてその他6件でした。他院での再手術例が増えましたが、概
ね良好な結果でありました。ただ10月より若干の症例に創部縫合問題が発生しましたが、幾つ
かの改善点があり全例結果は良好でした。脊椎変性疾患、特に高齢者のADLに大きく貢献でき
る部門で、多くの脊椎外科医の育成が待たれています。藤田保健衛生大学は2008年も引き続き
その一端を担うべく日々研鑽努力をしてゆく所存であります。佐野主任教授をはじめ多くの医
局の先生方、無理を聞いていただいた麻酔科の先生方と手術室の看護師、放射線科のスタッフ
そして病棟のスタッフの皆様にはこの場を借りてお礼を申し上げます。
今年からWFNS-SPINE部門では組織的にアジアにおける脊椎外科の向上を目指すプログラム
を予定しています。小生もWFNS vicechairmanに選ばれ中心的活動を行わなくてはなりませ
ん。諸先生方の益々のご指導、ご協力をお願いする次第であります。
− 15 −
救急科年報 平成19年度
救急科
荒 木 恒 敏、山 内 健 嗣
加 納 秀 記、岩 月 昇 治
伊 藤 圭 介、松 山 千 穂
診療活動
救急科は、3次救急疾患(2次救急を一部含む)を中心とした救急外来業務と、病棟業務と
して救命救急センター内のGICUでの集中治療を行っている。
1.外来業務
救急部の外来診療としては、4月からの救急外来診療体制の変更に伴い、時間内業務(昼
間)は1∼3次救急外来診療から3次救急疾患(2次救急を一部含む)、および時間外業務
(夜間)の3次救急外来診療(2次救急を一部含む)を担当している。
a.救急外来患者の推移(図1)
この1年間に対応した患者総数はER報告に有りますが、患者さんが救急車を要請して運
ばれる形態が最も多く、また重症患者の病院間搬送も見られます。来院時心肺停止
(CPAOA)、意識障害など明らかな重症例はもちろん、胸痛+冷汗、高エネルギー外傷な
ど、救急隊がERを経由せず直接救急部へ依頼してくる3次救急症例も増加している。救急
隊のオーバートリアージは有るが、救急隊を教育しながら対応している。
b.搬入方法別内訳
消防署の救急車による直接搬入が最も多く、ドクターヘリ(ドクターカーシステム併用)
搬送(8例)もみられた。また、夜間は時間外外来から呼吸・循環管理を要する重症患者
さんを受け入れている。
消防署別には、緑消防(208例)
、豊明市消防(182例)
、天白消防(83例)
、大府消防(68
例)、尾三消防(86例)、衣浦東部(26例)、など近隣の消防からの搬入が多いが、知多消
防や東海消防などからの長距離搬送例もみられた。
c.患者数・疾患と入退院経路・転帰
初療室で対応した患者の疾患別内訳は、中枢神経疾患(21%)、外傷(20%)、循環器疾
患(19%)が多く、消化器疾患、呼吸器疾患、急性中毒、と様々な診療科にわたっていた
(図2)。
また、救急科が対応した外来患者は762名で、そのうち来院時心肺停止CPAOAは193名
(25.3%)で136名が初療室死亡であった(図3)
。心拍再開率の上昇および初療室死亡率は
減少し29.5%が入院加療しているが、残念ながら十分な救命率、社会復帰率は残せておら
ず今後の課題である。非CPAOA症例の外来死亡は4名(4/762、0.5%)であり、外来死亡
は全体で140名(18.4%)であった。
外来患者の初療室からの入退院経路(転帰)は、初療室での診察後453名(62.7%)が入
院し、加えてERで軽症と判断されER入院とされた患者の中で25名が重症であるなどの理
由によりGICUへ再入院していた。入院患者総数478名のうち381名(79.7%)が救命救急セ
− 16 −
ンター(GICU・NCU・CCU)へ入院し、94名(19.7%)が一般病棟へ入院していた(図
3)。救命救急センター入院患者のうち、59.6%(227/381)がGICU、26.2%(100名)が
NCU、14.2%(54名)がCCUへ入院していた。NCUおよびCCUへは外来および他院からの
直接入院もある。
入院が必要でない患者のうち291名(38.2%)を自宅へ帰し、18名(2.4%)を当院以外の
診療機関へ紹介した。
CPAOA患者総数は193名であったが、その原因疾患は内因性・心原性44.6%、内因性・
非心原性37.8%、外因性17.6%であった。そのうち5名(2.6%、5/193)が生存退院したが、
市民などによるAED使用が奏功し社会復帰を果たしている症例が3例存在することは特筆
に価すると思われる(図4)。
2.病棟業務
a.疾患別頻度(図5)
GICUで担当した患者は227名で、内訳は外傷(47%)がほぼ半数であった。急性薬物中
毒(9%)、消化器疾患、蘇生後脳症(20%)、呼吸器疾患などで多数の診療科に関係する
疾患に対応していた。
b.GICU入院患者の転帰(図6)
GICUに入院した227名の転帰は、整形外科をはじめ、外科、内科、精神科など様々な院
内各診療科病棟への転棟50名(22.0%)であった。院外への転院は22名(10.0%)、自宅退
院は88名(38.8%)であった。死亡退院が59名(26.0%)であったが、そのうち40名は
CPAOA後の蘇生後脳症の患者であった。今後、社会的にも問題を要するポイントである
と思われる。非CPAOA患者の入院死亡は10.4%(19/182)であった。
3.院内救急(コードブルー)
院内で発生した救急事例(コードブルー)42例であった(H19年1∼12月)。救命救急セン
ターに入院が必要な重症例は6例(心肺停止、外傷性くも膜下出血、Sepsis、呼吸不全、慢
性心不全、脳出血)であった。院内他科入院が必要であった症例は13例であり、23例は他科
外来紹介で済んだ(図7)。
図1
− 17 −
図2
図3
図4
− 18 −
図5
図6
図7
− 19 −
2007年度 SICU報告
大学医学部麻酔学(SICU)
貝 沼 関 志
藤田保健衛生大学救命救急センターのスタッフ諸氏におかれましては、日頃の日夜にわたる
奮闘ご苦労様です。救命救急センター報告会誌には、毎年SICU(Surgical ICU)の診療につい
て記録を毎年載せていただきありがとうございます。
Surgical ICUは主に外科系術後急性期あるいは慢性増悪期が対象ですが、救急外来からの直
接入室は発足以来74名で8.7%を占めています。Surgical ICUは2004年6月の発足以来、ICU専
従医が全症例の指示出しを行い、患者家族への説明を行い、各種手技はICU専従医と各科担当
医が共同して施行しています。他の業務を兼務しないICU専任医師が24時間365日常駐し、看護
師:患者比は2:1以上を維持しており、特定集中治療管理加算を得ています。2008年12月31
日までの3年7ヶ月間で入室患者数は延べ849例で、昨年は313名でした。Surgical ICUでの死
亡者数は稼動以来60例で7.1%で、昨年は15名、4.8%でした。稼動以来のSurgical ICU滞在日数
は6±10日です。当Surgical ICUは、朝、夕には看護師を交えたカンファレンスで全ての症例
についてディスカッションしSurgical ICUとして統一した診断治療方針を持ち、これにもとづ
いてSurgical ICU専従医師がすべてのオーダリングと診断治療手技を行う所謂closed ICUをめ
ざしています。
本年は、今までの3年7ヶ月の診療報告をまとめてみました。Surgical ICUは、敗血症、
MODSをはじめ、大学病院としての診療内容には救命救急センターとも幾多の共通課題があり
ます。今後とも、診療、教育、研究の各面におきまして、よろしく、ご協力、ご指導のほど、
お願い申し上げます。
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移 植 部 門
藤田保健衛生大学における腎移植
泌尿器 教授
星 長 清 隆
藤田保健衛生大学腎泌尿器外科では、体内局所潅流冷却法を用いて2007年1年間に6名の心
停止ドナーから12腎を摘出させて頂きました。6名のドナーのうち、2名は藤田保健衛生大学
病院でお亡くなりになった患者様からの提供で、3名はトヨタ記念病院、1名は高山赤十字病
院で死亡された方からの提供でした。
また、同期間に当院では我々が摘出に係わった12腎のうちの4腎と他施設が摘出した1腎、
計5腎による5例の献腎移植と9例の親子または夫婦間の生体腎移植を施行しました。14例と
も全例、移植腎機能は良好で、完全社会復帰を果されております。ただ、糖尿病性腎症で2007
年1月に母親から生体腎移植を受けられた男性は、腎機能は良好でしたが、1年が経過した本
年2月に大阪のご自宅で突然死されました。原因は不明ですが、一人住まいでしたので低血糖
発作が関連したものと考えております。
図1には当施設で1979年4月より2007年12月までに体内局所潅流冷却法を用いて247例の心停
止ドナーから摘出させて頂いた489腎のフローを示します。残念ながら43腎は潅流不良あるいは
感染(汚染)などの理由で破棄されましたが、残りの446腎は愛知県を中心とする全国の41施
設に送られて移植されました。ただ、39腎はシクロスポリンやタクロリムスなどのカルシヌリ
ン阻害薬が使用される以前(1983年まで)のもので、407腎がカルシニヌン阻害薬使用下に移
植されています。
図2には1983年から2005年12月までにカルシヌリン阻害薬使用下に移植された381献腎の移植
成績を示します。移植後1年、5年、10年の患者生存率はそれぞれ96.8%、91.6%、84.5%であ
り、同じく移植後1年、5年、10年の腎生着率はそれぞれ85.8%、69.2%、54.2%で、この成績
は脳死ドナー腎が大部分をしめる米国の献腎移植成績に勝るとも劣らないものでありました。
次に、これらカルシヌリン阻害薬使用下に移植された373献腎を、ドナーが高血圧や脳血管障
害を持たず、年齢が49歳以下であったStandard群(SD; 223腎)と、年齢が60歳以上、あるい
は年齢が50−59歳で高血圧か脳血管障害を有するExtended Criteria群(ECD; 150腎)に分けて
長期生着率を比較しましたところ、SD群の移植腎生着率は1年86.0%、5年74.5%、10年61.2%
で、ECD群の移植腎生着率(1年84.7%、5年62.0%、10年38.5%)と比べて明らかに良好であ
りました(p<0.001、図3)。
図4は1990年10月以降、当院で施行した107例の献腎移植の成績です。ドナーの平均年令は
47.1才、温阻血時間は平均11.3分、TITは平均16時間7分(最長43時間23分)で、レシピエント
年令は平均42.7才です。107例中4例は再移植症例でした。献腎移植後1年、3年、5年、10年
での生存率は、それぞれ98.0%、94.9%、92.7%、86.0%で、また同期間の腎生着率は、それぞ
れ97.1%、94.0%、87.5%、67.0%でありました。107例全例が心停止ドナーからの献腎移植例で
あり、この長期移植成績はわが国の生体腎移植成績にも匹敵するもので、ほぼ満足できるもの
であると国内外から高い評価を受けております。
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図1
図2
図3
図4
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2007年 東海骨バンク実績報告
はちや整形外科病院
院長 蜂 谷 裕 道
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臓器提供の現状報告
›日本臓器移植ネットワーク 中日本支部
主席コーディネーター 加 藤 治
藤田保健衛生大学救命救急センターには、日頃からたいへんお世話になり厚く御礼申し上げ
ます。
さて、2007年1年間の臓器移植(献腎移植)の実施状況をお伝えします。
まず、希望者についてですが、「移植登録希望者統計」からは心臓・肺・肝臓の希望者はや
や増加、腎臓はやや減少という傾向が見られます。腎臓の希望者数の減少は、移植数が増えた
訳ではないのが問題と思います。
ドナー数では、2007年、全国の臓器提供者数は脳死下13例、心停止後92例、合計105例の提
供と、一昨年には僅かに届きませんでしたがそれでここ数年は増加傾向にあり、また、脳死下
13例は脳死下では過去最高となりました。
ブロック別ドナー数では 東海北陸は15例、30移植(過去最低数)と大幅に減少し、これに
反し九州沖縄22例(過去最高)、近畿17例(増加傾向)と西日本地域の増加が目立つ1年でし
た。これを経年変化で見ると、東海北陸のここ3年間の伸びが少ないのに対し、関東甲信越、九
州沖縄の伸びが目立ち、過去30%強あった東海北陸の提供数は2007年は20%にも満たないと言
う結果になっています。
東海北陸ブロックの県別ドナー数の推移では90年代は、愛知県が全体のドナー数の8∼9割
を占めていましたが、これも年毎に減少しその減少分を静岡県や北陸地域がカバーして来たと
いう状況です。しかし2007年はこの静岡県や北陸のドナー数も減少したため結果として2007年
のドナー数は15例(過去最低数)に留まったと言えるかと思います。
なお、2007年は有効ドナー情報数も51件とピーク時の70%に減少しているが、気になるとこ
ろです。
県内発生ドナーの県内移植数は、愛知県で95%と、2002年の選定基準改定以来、想定どおり
提供県内での移植実施が行われています。しかし人口の少ない福井県は19%と想定以上に流出
が目立ち、新たな問題となりそうです。
今回の発表は一言で言うと、「去年は東海北陸ブロックの減少が顕著だった」と言う事にな
ります、ただドナー数は、年毎の変動や社会情勢に影響される事が大きく、その年の数だけで
一喜一憂すべきでないと思います。事実は受け止めながら改善策を探るとの姿勢で臨みたいと
考えています。
また、今回の報告は2007年1年のみの集計結果で解説していますが、2008年に入って中日本
支部のドナー成立数は急に増加しています。その中に、藤田保健衛生大学病院での脳死下臓器
提供も含まれています。
藤田の脳死下臓器提供では、過去2例、様々な事情で臓器提供には至らなかったため、今回
は、肝・腎の提供が成立し感慨もひとしおでした。いろいろとご苦労をお掛けしたかと思いま
すが、関係者していただいた皆様のご支援に心から御礼を申し上げます。
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2007年報告「臓器移植・提供について」
移植コーディネーター
原 美 幸
2007年のドネーション状況 です。
ドナー対象者は26名でした。 内、オプション提示が困難であった症例は12名でした。延命拒
否から呼吸器装着が無く心停止を迎える症例が増えそれらはドナー対象として対応されていま
せん。
結果、OP提示は14名でそのうち拒否が13名で承諾が1名さらに家族申し出の承諾が1名でし
た。
承諾の理由は、意思表示カードによる提供は
ありませんでした。家族がカード所持をしてい
て移植理解あり、また役に立つという理由や、
若いのでどこかで生きていてほしいという理由
から提供に至っています。
拒否理由では、意思表示カードによる本人意
思が無い、または提供について話したことも無
く不明であるとした理由が去年同様一番多くみ
られます。
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2007年は2名のドナーより4腎が移植され、
現在4腎が生着しています。
腎提供された方からは骨・眼球の組織提供も
行われました。
当院における献腎者数の推移のグラフです。
2007年は2名4腎の提供があり、1979年から
の献腎者数の累計は224名となった。臓器移植法
施行(1997年)以降の低迷が続いている状況で
す。
献腎者数の当院の全国の対比である。愛知県
の献腎者数は10名でした。また当院の全国比は
1.9%(2/105)であり、これは過去10%近くを
占めてきたが昨今低迷傾向が続いています。
また2007年は他施設(トヨタ記念病院3件、
高山赤十字病院1件)への摘出出動が4件あり
ました。
全国の脳死提供は過去最高の13件、法施行か
ら63件となりました。
2007年には3−3病棟の看護師を対象に「臓器移植の概要や流れ」の勉強会を2回開催し、
その前後でDAP(ドナーアクションプログラム)からHAS(病院意識調査)を実施しました。
提供現場の看護師としてグリーフケアに対する教育の要請が高いというアンケート結果でした。
2008年は提供の事例検討などを中心にドナー家族の対応に関する勉強会を企画していきたい
と思います。
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検
査
部
2007年救命救急センター検査室業績報告
臨床検査部
課長 石 川 隆 志
主任 山 内 章 弘
2007年救命救急センター検査室における心臓超音波検査は、2006
年に比べ倍以上の増加となっております。その他の検体検査及び生
理検査依頼件数は、項目により変動はありますが昨年とほぼ同等の
実績でした。また、病棟別検査依頼件数も3病棟を合計すると毎月
約2000件でほぼ一定でした。
検査機器関連では、血算機器・血球カウンター更新、ストラタス
機器のオンライン化を行いました。
学術実績におきましては2007年での投稿3件、発表16件と充実し、
そのうちアメリカでの学会発表が2件でした。
臨床工学業務はHOSMA(ME機器管理システム)を導入し、バーコードを使用する機器管理
を開始しました。また、ペースメーカー業務及び超音波診断装置 iLOOK25・生体情報モニタ
ーの中央管理も開始しました。
認定試験合格者は、体外循環技師認定士1名、緊急臨床検査士1名、2級臨床検査士(循環
生理)1名、血管診療技師認定試験1名の合計4名です。
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放 射 線 部
2007年 救命救急センター報告会 放射線部
放射線部
白 川 秀 紀
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リハビリテーション部門
救命救急センター2007年報告 リハビリテーション部門
リハビリテーション科 横 山 通 夫
リハビリテーション部 及 部 珠 紀
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看 護 部 門
平成19年 GICU病棟実績
GICU病棟看護長
小 野 寅 雄
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平成19年 NCU・CCU看護部門 実績報告
NCU・CCU病棟看護副主任
白 井 美 紀
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消
防
隊
平成19年 大府市消防本部 報告
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平成19年 豊明市消防本部 報告
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平成19年 名古屋市市消防本部 報告
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平成19年 尾三消防本部・東郷消防署 報告
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平成19年 衣浦東部広域連合消防局 報告
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医療相談室
2007 医療相談室 年次報告
中央診療部 医療相談室 ケースワーカー
主任 三 尾 由 紀
神 原 純 子
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編 集 後 記
NCU担当教授
加 藤 庸 子
平成19年藤田保健衛生大学病院救命救急センター報告会では各部門、医師部門、臨床検査部門、放
射線部門、リハビリテーション、看護部門、消防隊各支部、そして医療相談室から1年間の救命救急
に関する成果を発表していただきました。
特に高齢化を迎えて循環器、脳卒中部門においては先進した治療を行ってまいりました。移植に関
しては幸い日本全国で64例目にあたる脳死下臓器移植を本年1例NCUから出すことができました。し
かし、心停止下の腎移植に関してはやはり低迷が続いておりこれらのbreak-throughは来年に向けての
大きな課題となりました。
GICUにおいては各消防署の多大な御支援を受け、227名に入院患者を僅かなスタッフで救命に向け
て尽力いただきました。ERからの活動も相まってGICUの患者数も増えたことも大変有難いことでし
た。稼働率アップに向けて更に頑張られることと存じます。
Surgical ICU(SICU)は、開設以来3年7ヶ月、延べ849例、そして本年も313名と限られたスタッフ
で貝沼教授の献身的なご尽力を筆頭に全医師、スタッフ、ナース、コメディカルで大学病院としての
診療、教育、研究の3部門を役割を果たされご尽力いただきました。
またリハビリテーション部門では超早期リハからベッドサイドに立ち患者の状況を見ながらご尽力
を賜わりました。
検査部門においては一般検査の増加のみならず特に研究発表なども各部門毎に着実に業績を上げて
いただき感謝しております。
放射線部門は最新の画像と迅速な対応、特にt-PA適応に関してご尽力をいただきました。更に24時
間MRIの稼動が望まれる所ではあります。
そして、看護部門はまさに救命センターの屋台骨でありますがスタッフの育成やキャリアアップを
含め看護師としての質の向上、或いは認定看護師の育成なども見据えながら教育と学会発表を含め、
活発に活動していただいた1年でありました。
最後に私共救命救急センターを支えていただいております消防隊の方々からの御報告では、緑、豊
明、天白、大府、尾三、衣浦東部、搬送救急隊、消防署の方々には患者様の搬送並びに救急専門での
ケア、迅速な対応により救命にこぎつけたケースが沢山あります。この場を借りて厚く御礼申し上げ
ます。CPA-OAの患者に関しては86名(44.6%)が外来診療しておりやはりこの辺りが今後のER或い
は救命センターとしての大きなbreak-throughに繋がるのではないかと考えます。
医療相談室には厚く御礼申し上げます。延べ144例のケースに丁寧な経済的な面での支援内容指示、
説明を頂きました。
これらの部門の働きを通し、夫々の部門が夫々の部門のゴールに向かって一歩前進した年であった
と思います。昨年は今年にも増して臨床、教育、研究に力を入れ更なる活性化した救命救急センター
を目指して行きたいと思います。
最後になりましたが浜野さんをはじめ日夜救命救急事務の方々には数々なご指導を頂き、事あるご
とに救命センターの運営改善にご尽力いただいたことに感謝いたします。
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