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Flying Disc Times vol.73
VOL.73(’09.4) 2008ウィンターインドアガッツ選手権大会...................................................................................... 1 What is G3? ~G3プロジェクト インタビュー~ ....................................................................... 4 TOPICS ...................................................................................................................................... 8 フライングディスクタイムズは、スポーツ振興くじ助成金を受けて実施しています 2008ウィンターインドアガッツ選手権大会 2008 年 12 月 6 日(土)~7 日(日)の 2 日間、 富士河口湖町民体育館(山梨県南都留郡富士河口 湖町) ・鐘山体育館(山梨県富士吉田市)にて 2008 ウィンターインドアガッツ選手権大会が開催され た。大会会場が 2 つに分かれるという過去にない 形式だったにも関わらず、大会キャパシティぎり ぎりのオープン:20 チーム、ウィメン:13 チー ムがエントリー、例年通り最大規模の大会となっ た。 2008WUGC2 位の Katon は昨年に引き続き分 裂、「地方~ん」と「SYUTON」で出場。分裂し た両者のどちらが優勝するのか、はたまたそれを 破 る 強 力な チ ーム が 現れる の か がオ ー プン の 見所と な っ た。 一 方、 ウ ィメン は 昨 年に 連 覇を 阻 止され た 「SelfishLOOP」と今度は連覇を狙う側となった「雅」の対決が見所となった。 1 ウィメン準決勝は「SelfishLOOP」と「ORBIT」、 「雅」と「Team X」がそれぞれ対決。 「ORBIT」、 「Team X」 とも善戦するものの「SelfishLOOP」、「雅」が安定した試合運びを見せて勝利。決勝は昨年の雪辱を晴らしたい 「SelfishLOOP」と連覇して王者交代を確実なものとしたい「雅」のカードになった。 オープン準決勝は「SELFISH」と「地方~ん」の対決。正確さと破壊力を兼ね備えたエース大櫛選手をオフェ ンスの軸にゲームを組み立てる「地方~ん」と大櫛選手の狙いに苦しめられながらも、得点を取り返し、粘り続 ける「SELFISH」。両者一進一退の攻防を繰り広げ、最後まで勝負の行方を予想させなかった。終盤、 「地方~ん」 のミススローが目立ち始め、ミスにつけこんだ「SELFISH」がデュースの末に辛くも勝利した。 もう一方の準決勝では、「SYUTON」と「空牙」が対峙。「空牙」は横浜国立大学生と OB のチームであり、 2008WUGC に GUTSJAPAN2 として出場した田沼選手が所属する実力をつけつつあるチーム。しかしながら、 「SYUTON」が圧倒的な実力差を見せつけ勝利。若いチームの台頭を阻止した。これにより決勝は 2000 年以来、 8 年ぶりの決勝進出となった「SELFISH」と、予選から若手チーム圧倒して勝ち上がった「SYUTON」のカード となった。 ウィメン決勝序盤、雪辱に燃える「SelfishLOOP」であったが、 「雅」の厚いディフェンスを前に得点すること ができず、ミスも相まって点差が広がり、大量リードを許してしまう。誰もがワンサイドゲームを予感したが、 ゲーム中盤、 「SelfishLOOP」の三瓶選手がダイビングフォローキャッチに成功。このビッグプレーをきっかけに 「SelfishLOOP」が流れを引き寄せ、じわじわと盛り返し始める。集中を切らしてミスが目立ち始めた「雅」に 対し、中山選手を中心に厚いディフェンスと堅実なオフェンスで猛追する「SelfishLOOP」。終盤を過ぎても 「SelfishLOOP」の勢いは衰えず、ついには逆転、点差をつけて勝利する。 「SelfishLOOP」が見事雪辱を果たし、 底力を見せ付ける結果となった。 一方、オープン決勝は序盤から点の取り合いとな った。得点差は常に僅差であり、キャッチが殆ど見 られない展開は終盤まで続いた。その均衡が破れた のは終盤。要所要所での西形選手のクリーンキャッ チによりアドバンテージを少しずつ積み上げていく 「SYUTON」。一方の「SELFISH」も負けじと食い 下がり、ゲームはデュースまでもつれ込む。しかし、 「SYUTON」が「SELFISH」のオフェンスを見事 に凌ぎ切り、勝利の軍配は数少ないディフェンスの 機会をものにした「SYUTON」に上がった。 2 会場開催・21 点 1 セットという方式にとまどい ながらも、随所で熱戦が見られる良い大会となった。参加総数は昨年よりも減少したが、アルティメットチーム の HUCK が 2 チームで出場してくるなど、拡がりを見せる部分もあった。次の大会ではさらなる拡がりが見られ ることを期待したい。 2 オープン 優勝 SYUTON ウィメン 優勝 Selfish LOOP オープン MVP 濱田 賢治 選手(SYUTON) ウィメン MVP 中山 理賀 選手(Selfish LOOP) 大会結果 オープンの部 ウィメンの部 優勝 SYUTON 優勝 Selfish LOOP 2位 SELFISH 2位 雅 3位 地方~ん 3位 ORBIT 4位 空牙 4位 Team X 5位 ORBIT 5位 熱中 6位 獨協大学 快進撃 6位 TEAM 大仏 7位 WORRIORS 7位 THE◆GOLD 8位 会津大学 Dual Boot 強 8位 暗中 9位 GRABBERS 9位 THE 非戦闘員 10 位 トリプルH 10 位 ハッピー☆ターン 3 11 位 ストロベリー☆エンジェルキッス 11 位 会津大学 Brightone 12 位 びぎな~ずらっか~ず 12 位 中華ソルジャーA 13 位 獨協大学 レジェンド 13 位 中華ソルジャーB 14 位 元祖ひがみ~ず with WK 15 位 噛ませ犬 16 位 DB-JACK 17 位 獨協大学 大車輪 18 位 ちゃばんず 19 位 会津大学 Dual Boot 弱 20 位 TEAM JAVA What is G3? ~G3プロジェクト インタビュー~ 2009 年 1 月 14 日(月・祝日)に、埼玉 県八潮市エイトアリーナ(鶴ヶ曽根体育館) にてガッツ委員会 G3 プロジェクトチーム 主催 G3 Tournament が開催された。 G3 っていったい何だろう? そう G3 と はガッツを3人制で行う新しいゲームのこ とだが、ただ単に3人制にしただけではな く、ガッツ競技人口拡大につながる可能性 が秘められている。G3 プロジェクトの誕生 秘話から G3 の魅力についてなど、この大会 を企画したガッツ委員会 G3 プロジェク トのメンバーにお話を伺った。 Q:G3 の企画はどうやって 企画はどうやって始 はどうやって始まったのですか? まったのですか? 布川: 昨年の秋ごろ、ウインターガッツの打合せ中の雑談から生まれました。 「3 人制にしたら、気軽で初心 者でも参加しやすい大会が出来て、意外と盛り上がるんじゃないか」と。初めてガッツを始める人にとっ ては、1 チーム 5 人を集めるのも大変なんです。少人数で出場しやすい大会を作ることで、ガッツを活性 化させようじゃないかと意気投合しました。 そして、どうせやるなら12月のウインターガッツで告知出来るようにと、11 月に数チームを集めて 試験的なトーナメントを実施してみて感触をつかみ、一気に 12 月に開催告知をしました。 Q:G3 の呼び方は? 布川: G3(ジースリー)です。とにかく新しい試みだから、キャッチーな名前にしようということで決まり ました。 (笑) 4 Q:G3 のルールの ルールの特徴は 特徴は? 布川 匠 さん(所属:KATON) 布川: 「全員が均等に楽しめる。初心者でも楽しめ る。 」をコンセプトに、ルール作りをしました。 試験的な試みなので、思いつくことがあればと にかく思い切ったルール変更をしてみようと。 特徴としては、まずスローがローテーション 制だということです。通常のガッツではキャッ チした人もしくは、得点されたときは最初に触 った人がスローワーとなり、投げる機会が偏り ますが、G3 では必ず全員が均等にスローを投 げられるようにしました。 布川: あと試合のセット数を変更して、スピーディなゲーム形式にしました。通常のガッツでは 21 点先取 3 セット制ですが、G3 では 7 点先取 5 セット制。また最終セットはバレーボールのように得点を少なくし 5 点先取としています。通常のガッツの試合だと応援してくれる観客にとっても時間が長く飽きてしまう。 選手にとっても観客にとってもスピード感ある試合にしました。 渡邊 恒一 さん(所属:トリプル H) 須田: 7 点先取だと従来のゲームより得点が少ない 分、一つのミスやビックプレーの影響が大きく、 一度相手に持っていかれた流れを取り戻せな いんです。セットを捨てて次のセットで切り替 えようなど、選手にとっての試合運びや戦略に も変化が生まれると思います。また、3 人制だ と投げる的(まと)も狭くなるため、スローワ ーにとってはミススローの危険性も高くなり ます。G3 は普通のガッツより非常にスリリン グなゲームなんです。このあたりも G3 の特徴 であり魅力だと思います。 須田: あと通常のガッツではメンバー交代はセットの半分以降からとなりますが、G3 ではいつでもメンバー 交代が可能です。これも参加メンバーが試合に出やすい仕掛けです。試合運びとしても、スピーディなゲ ーム展開の G3 にとって早めにメンバーを投入出来ることはマッチしていると思います。 Q:ここまで大変 ここまで大変だったことは 大変だったことは? だったことは? 布川: 初めての大会なので、試合時間の想定が難しかったですね。チーム練習の中で G3 ルール案での試行を 行っては、ルールの修正を重ねてきました。でもその結果、思ったより順調に大会運営が出来ていると思 5 っています。21 点 3 セットだと試合が 1 時間以上になりますが、G3 だとだいたい 40 分以内には収まる ので、大会時間のぶれも少ない。結果的に妥当なルール設定だったのだと思います。 Q:今後 Q:今後の 今後の G3への期待 への期待は 期待は? 布川: 今回の大会が好評であれば、正式に G3 の公式大会を検討したいですね。特に学生のガッツ大会で人数 が集まりにくい傾向にあるため、初めて始める学生でも気軽にガッツ大会に参加できるようになることを 期待しています。極端に言えば、学生のガッツ大会は 3 人制にしたらどう?などという提案もありかも しれない。 須田: もともとアメリカではガッツは 2 人制で始まったんです。また最近では海外でも 3 人制で試合をやっ てみた事例もあるようで、日本でのこのような取り組みを世界にも発信していきたいですね。 須田 貴芳 さん(所属:SELFISH) 須田: G3 は大会運営上のメリットもあります。同 じ大会参加人数でも、5 人制に比べ 3 人制の 方が、参加チーム数が多くなるため参加者に とっても、より楽しい大規模なトーナメント になりますよね。コートもアルティメット 2 面分があれば G3 コート 7~8 面とることが出 来るので、コンパクトでありながら大規模な 大会が開催できます。 これらの利点を生かして、将来的には初心 者、上級者などでトーナメントを分けること で、初心者でもエントリーしやすい大会にし、競技人口の底辺拡大をおこなっていきたいです。 渡辺: ドッヂビーを使った G3 なども考えられますね。子供用に小さいコートを作って開催するなど、いろい ろな可能性が膨らみます。子供がいる選手も大会に参加しやすく、学生時代にガッツをやっていた OB や OG の参加も相乗的に増えることが期待できると思います。 非常に興味深いワクワクするお話を伺えた。ガッ ツの競技人口が低迷する中、起死回生を狙う G3 の 企画は、ガッツ競技の醍醐味をそのままに、競技へ の入り口の狭さを改良した面白い企画だ。G3 のル ールも短期間で策定したと思えないほど洗練され ている。 2 人制で始まったガッツの第一世代、5 人制でフ ライングディスクの普及とともに各国に拡がった 第 2 世代、そしてより参加しやすくよりスピーディ に、日本でのこの試みはガッツの第 3 世代(G3)を 6 予感させるものである。 この日開催された G3 トーナメントも大変盛り上がり、参加者の反応は上々だ。G3 の今後の動向に注目したい。 G3 Tournament 大会結果 オープンの部 ウィメンの部 優勝 AKB 19 優勝 Teachers 2位 FishHookers 2位 獨玉同窓会 with 転校生 S 3位 苺大福 3位 オービット 4位 トリプル H 4位 Team キャナダ☆ 5位 ORBIT 5位 CULB MONKEY JUNIOR 6位 ソキーヤ 6位 Team 0 7位 ㈱渡辺プロダクション 7位 MUD 8位 DB JACK-R 8位 Chicken 9位 GRABBERS 9位 マイム 10 位 肘腰腰 11 位 WWG 12 位 JAVA 優勝 オープンの部 AKB19 MVP 大櫛 良一 選手(中央) 優勝 ウィメンの部 Teachers MVP 駒津 陽子 選手(中央) 7 TOPICS 2009ワールドゲームズ 2009ワールドゲームズ日本代表 ワールドゲームズ日本代表チーム 日本代表チーム応援 チーム応援サイト 応援サイト開設 サイト開設 2009 ワールドゲームズ日本代表は 2009 年 7 月 16 日~26 日に開催されるワールドゲームズに出場 いたします。2008 年の世界アルティメット&ガッ ツ選手権大会の活躍で出場権を手にした日本代表 は、13 人の代表選手を選考し、優勝を目指して活 動中です。 応援サイトでは、選手のプロフィールや活動状況 を紹介しています。今や優勝を狙える位置にいる日 本、みんなで日本代表チームを応援しましょう! URL: http://www.jfda.jp/2009wg/ JFDA師岡副会長 JFDA師岡副会長が 師岡副会長が、国際スポーツ 国際スポーツ団体総連合 スポーツ団体総連合(GAISF) 団体総連合(GAISF)理事 (GAISF)理事に 理事に就任 2009 年 3 月 25 日(水)アメリカ合衆国コロラド 州デンバーで開催された国際スポーツ団体連合(G AISF)の新理事選挙において、日本フライング ディスク協会(JFDA)師岡文男副会長が「非オ リンピック・IOC未公認競技団体」22 団体(合気 道、アメリカンフットボール、剣道、フライングデ ィスク、囲碁、柔術、ソフトテニスなど)の代表理 事として選出されました。 日本人としては初めての理事で、任期は 2011 年 総会までです。 師岡 文男 GAISF新理事 GAISF新理事( 新理事(写真 右端) 右端) NPO法人 日本フライングディスク協会 本部 〒124-0024 東京都葛飾区新小岩 4-20-24 『Flying Disc Times』VOL.73(平成 21 年 4 月 29 日発行) 発行人・長谷川純三/企画 編集・岡本紀彦 8