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国語と数学の教科語彙力 の変化について

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国語と数学の教科語彙力 の変化について
国語と
国語と数学の
数学の教科語彙力
の変化について
変化について
張一平・
張一平・渡部洋・
渡部洋・鎌田恵太郎
星千枝・
星千枝・島田研児・
島田研児・阿部大輔
1
教科語彙力の
教科語彙力の定義
教科学力の
教科学力の伸びや教科学習上
びや教科学習上のつま
教科学習上のつま
ずきの要因
ずきの要因となる
要因となる可能性
となる可能性のある
可能性のある言葉
のある言葉を
言葉を理
解し使いこなせる力
いこなせる力。
教科語彙テストの
教科語彙テストの語彙
テストの語彙を
語彙を選ぶ対象:
対象: 教科書
国語の語彙絞りには2006年度の新聞で使用された頻度,または
「新阪本教育基本語彙」(阪本, 1984)の優先順位を考慮した。
2
語彙の
語彙の選定
選定基準:
選定基準:
①教科学習上重要な
教科学習上重要な語句
②教科学習上つまずきやすい
教科学習上つまずきやすい語句
つまずきやすい語句
国
語
数
学
小学校
中学校
小学校
中学校
リストされた
リストされた
語彙数
1234
1579
475
471
絞った
語彙数
75
70
61
69
出題
語彙数
31
29
26
28(12)
(国語は小・中学校教諭6名,数学は小・中学校教諭10名)
3
冊子と
冊子と被験者の
被験者の構成
国語
数学
小学校
2冊子(共通12項目) 3冊子(共通23項目)
中学校
2冊子(共通14項目) 2冊子(共通20項目)
小中共通
10項目
12項目
合計
全60項目
全42項目
国語のみ
国語のみ
小学校
中学校
156名(1校)
国語と
国語と数学
数学のみ
数学のみ
757名(8校)
267名(4校)
575名(4校)
400名(3校)
4
各冊子の
各冊子の正答率と
正答率と α 係数
冊子名
平均点
平均点
標準偏差
正答率
α 係数
小学校算数
16.389
3.902
0.713
0.786
中学校数学A
中学校数学
17.806
4.122
0.742
0.823
中学校数学B
中学校数学
16.376
4.636
0.682
0.838
小学校国語A
小学校国語
14.042
4.302
0.585
0.773
小学校国語B
小学校国語
11.882
4.673
0.495
0.795
中学校国語A
中学校国語
18.108
3.667
0.755
0.744
中学校国語B
中学校国語
14.604
4.417
0.609
0.789
5
各能力レベルの
各能力レベルの範囲
レベルの範囲と
範囲と割合
レベル
レベル1
レベル
能力値の
能力値の範囲
θ<-1.2
割合
11.51%
レベル2
レベル
-1.2≤θ<-0.4
22.95%
レベル3
レベル
-0.4≤θ<0.4
31.08%
レベル4
レベル
0.4≤θ<1.2
22.95%
レベル5
レベル
1.2≤θ
11.51%
6
語彙力レベルごとの
語彙力レベルごとの語彙力
レベルごとの語彙力の
語彙力の平均値
7
国語・
国語・数学の
数学の語彙力の
語彙力の記述統計値
度数
平均
SD
Median
小5
757
-0.580
0.747
-0.640
-3.100 1.980
中2
731
0.617
0.872
0.517
-1.728 3.065
語 合計 1488
0.009
1.008
-0.063
-3.100 3.065
国
Min
Max
小5
1024
-0.267
0.873
-0.388
-2.877 2.468
中2
975
0.416
1.201
0.291
-2.624 4.237
学 合計 1999
0.066
1.100
-0.106
-2.877 4.237
数
8
等化後の
等化後の語彙力の
語彙力の分布図(
分布図(国語)
国語)
9
等化後の
等化後の語彙力の
語彙力の分布図(
分布図(数学)
数学)
10
語彙力変化のイメージ
語彙力変化のイメージ図
のイメージ図
国語語彙力
数学語彙力
11
国語の
国語の能力分布(
能力分布(等化後)
等化後)
国
語
レベル
小5
中2
1
145 (19%)
6 (1%)
2
340 (64%)
65 (10%)
3
196 (90%)
248 (44%)
4
63 (98%)
250 (78%)
5
13 (100%)
162 (100%)
*(
( )中は累積パーセンテージである
累積パーセンテージである
12
数学の
数学の能力分布(
能力分布(等化後)
等化後)
数
学
レベル
小5
中2
1
105 (10%)
62 (6%)
2
401 (49%)
188 (25%)
3
348 (83%)
291 (55%)
4
103 (93%)
234 (79%)
5
67 (100%)
200 (100%)
*(
( )中は累積パーセンテージである
累積パーセンテージである
13
学年が
学年 が 上 がるにつれて,
がるにつれて , 国語の
国語 の 各 レ
ベルの語彙力
ベルの語彙力の
語彙力の 伸 び率 には差
には 差 が 小 さい
のに対
のに 対 して,
して , 数学の
数学 の 語彙力が
語彙力 が 低 い 生徒
の語彙力の
語彙力の伸びが上位層
びが上位層より
上位層より小
より小さい。
さい。
語彙力が低い生徒に対して,早い段階で,理解できていな
い語彙を再学習によって習得することは,国語よりも数学の
次段階の学習へのプラス効果が大きいと考えられる。
14
小・中の正答率の
正答率の差(国語)
国語)
15
小・中の正答率の
正答率の差(数学)
数学)
16
国語と
国語と数学語彙の
数学語彙の相違点
• 国語には
国語には,
には ,中学2
中学2年生の
年生の正答率は
正答率は小学5
小学5年
生 の 正答率より
正答率 より低
くなる 語彙項目は
より 低 くなる語彙項目
語彙項目 は 見 られ
ない。
ない。数学には
数学には中学
には中学2
中学2年生の
年生の正答率は
正答率は小学
5年生の
年生の正答率より
正答率より低
より低くなる(
くなる(忘れる効果
れる効果)
効果)語
彙項目が
彙項目が存在する
存在する。
する。
• 学年が
学年が上がるにつれて,
がるにつれて,国語の
国語の各レベルの
語彙力が
語彙力 が 大 きく伸
きく 伸 びたに対
びたに 対 して,
して , 数学語彙
力の下位層の
下位層の変化が
変化が鈍くなる。
くなる。
17
国語と
国語と数学語彙の
数学語彙の共通点
• 両教科において
両教科において学年
において学年が
学年が上がるにつれて,
がるにつれて,正
答率がかなり
答率 がかなり伸
がかなり 伸 びている(
びている ( 理解が
理解 が 深 くなる)
くなる )
語彙,
語彙 , また正答率
また 正答率があまり
びていない 語
正答率 があまり伸
があまり 伸 びていない語
彙が存在する
存在する。
する。
• 教科の
教科の学習に
学習に支障がある
支障がある生徒
がある生徒にとって
生徒にとって,
にとって,理
解できていない基礎語彙
できていない基礎語彙の
基礎語彙の再学習(
再学習(補習)
補習)
は極めて重要
めて重要であることが
重要であることが示唆
であることが示唆された
示唆された。
された。
18
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