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動物用医薬品分野における 獣医師の役割(現状)と課題 — 生物学的

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動物用医薬品分野における 獣医師の役割(現状)と課題 — 生物学的
平成21年度獣医事審議会計画部会
第1回民間・研究分野ワーキンググループ
資料2-3
動物用医薬品分野における
獣医師の役割(現状)と課題
— 生物学的製剤の観点から —
荒井節夫
学校法人北里研究所生物製剤研究所
平成21年5月28日 13:30∼15:30
三田共用会議所第2特別会議室
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平成21年度獣医事審議会計画部会
第1回民間・研究分野ワーキンググループ
資料2-3
生物製剤研究所の組織
学校法人北里研究所
法人本部
北里大学
併設校
大学院
薬学研究科、獣医畜産学研究科、水産学研究科、
看護学研究科、理学研究科、医療系研究科、感染
制御科学府
学部
薬学部、獣医学部、医学部、海洋生命科学部、看
護学部、理学部、医療衛生学部、一般教育部
病院
北里大学病院、北里大学東病院、北里研究所病院、
北里研究所メディカルセンター病院
附置研究所
北里生命科学研究所、東洋医学総合研究所、臨床
薬理研究所
保健衛生専門学院、看護専門学校
生物製剤研究所
信頼性保証グループ
生産グループ
• 製造第1部門
• 製造第2部門
• 製造第3部門
• 製造第4部門
• 製剤第1部門
• 製剤第2部門
• 品質部門
開発研究グループ
• 開発研究部門
• 臨床開発部門
管理グループ
• 薬事部門
• ライセンス・企画部門
• 渉外部門
事務室
平成21年5月28日 13:30∼15:30
三田共用会議所第2特別会議室
• 安全管理部門
• 品質保証部門
• 監査部門
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平成21年度獣医事審議会計画部会
第1回民間・研究分野ワーキンググループ
資料2-3
生物学的製剤分野における獣医師の役割
多岐にわたる獣医学知識が有用
業務分野
関連省令
研究
主な業務
求められる主な知識
基礎・応用研究
公衆衛生学、微生物学、免疫
学、分子生物学、生化学、実
験動物学、病理学
開発
前臨床試験
(人用製剤)
GLP
動物実験
微生物学、免疫学、実験動物
学、病理学
臨床試験
(動物用製剤)
GCP
動物実験
微生物学、免疫学、臨床学、
病理学
製造
GMP
微生物等の培養及び精
製
微生物学、分子生物学、生化
学、実験動物学
品質管理
GMP
品質、安全性及び有効
性の評価
物理学、化学、微生物学、免
疫学、分子生物学、生化学、
実験動物学、病理学
製剤情報の紹介
微生物学、免疫学、臨床学、
公衆衛生学
GQP
出荷判定・回収等
微生物学、免疫学、臨床学、
公衆衛生学
市販後調査
GVP
適正使用情報の収集、
検討及び安全性確保措
置
臨床学、免疫学、病理学、毒
性学、公衆衛生学
使用成績調査
GPSP
再審査又は再評価資料
の収集・作成(試験・
調査)
臨床学、免疫学、病理学、毒
性学、公衆衛生学
情報収集・分析、
契約・交渉
微生物学、免疫学、公衆衛生
学
販売
品質保証
安全管理
外部組織等との連携
知財管理
•  生物学的製剤の生物活性、有効性及び安全性は、物理化学的方法で測定できないために、バ
イオアッセイや動物実験が不可欠であり、高度専門職である獣医師の役割は重要
•  一方で、生命科学を体系的に修得した獣医師が、獣医学の広い視点をもって、各業務へ適切
な指示を与えることも求められる
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第1回民間・研究分野ワーキンググループ
資料2-3
生物学的製剤分野における獣医師の現状
生物製剤研究所の業務と獣医師の配置
部門
主な業務
獣医師数(薬剤師数)
安全管理部門
製造販売後の安全管理
0 (5)
品質保証部門
製造販売に必要な製品管理
0 (1)
監査部門
臨床試験等の内部監査
0 (2)
製造部門(4部門)
原液等の製造
4 (1)
製剤部門(2部門)
充填、包装
1 (0)
品質部門
品質管理
0 (1)
開発研究部門
研究開発、非臨床試験
8 (2)
臨床開発部門
臨床試験
1 (2)
薬事部門
当局への申請業務等
1 (0)
ライセンス・企画部門
知財管理、外部組織との契約
2 (0)
渉外部門
販売、外部組織との連携
0 (0)
事務室
事務
0 (0)
外部機関との連携
大学
国内の医学・獣医学系の大学
海外の獣医学系の大学
公的研究機関
(独)動物衛生研究所
国立感染症研究所
(独)産業技術総合研究所
(独)医薬基盤研究所
行政
農林水産省、厚生労働省
経済産業省、外務省(JICA)
生物製剤研究所
海外関連
民間企業
国内大手製薬企業
海外大手製薬企業
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台湾、中国、インドネシア、
ベトナム、タイ、メキシコ等の企業
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第1回民間・研究分野ワーキンググループ
資料2-3
生物学的製剤分野における獣医師の課題
生物学的製剤分野における獣医師の課題(目指すもの)
人と動物の共生
人の感染症の予防
動物由来の新興・再興感染症の予防
国民のQOLの向上
伴侶動物の感染症の予防
人用ワクチンの
研究・開発・製造・供給
生命科学発展への貢献
食の安全
産業動物の感染症の予防
動物用ワクチンの
研究・開発・製造・供給
獣医療・医療への貢献
国際貢献
そのためには・・・
  グローバルな人材の育成(獣医学知識と語学力を兼ね備えた人材により海外展開)
  獣医師が幅広い知識範囲を習得できる機会を増やす(卒後教育)
  臨床獣医師 — 研究者(大学等)— 製薬会社 — 行政 の連携を強化(現場ニーズの
吸い上げ、ニッチ商品の開発など)
  医師の待遇との格差是正(獣医師を高度専門職かつ体系的生命科学履修者として適
正に評価)
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第1回民間・研究分野ワーキンググループ
資料2-3(参考)
動物用医薬品分野における
獣医師の役割(現状)と課題
—(社)日本動物用医薬品協会アンケート結果 —
荒井節夫
学校法人北里研究所生物製剤研究所
平成21年5月28日 13:30∼15:30
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平成21年度獣医事審議会計画部会
第1回民間・研究分野ワーキンググループ
資料2-3(参考)
動物用医薬品分野における獣医師の役割
アンケート結果
A社
社内:動物の生理や疾病等に関する基本的な知識および臨床現場での製品の選択ポイ
ント等に関する意見が求められる
社外:臨床獣医師からの製品に関するテクニカルな質問に対応することが期待されて
いる
B社
安全性と有効性に優れ、投与の簡便化と省力化に適した動物用医薬品の開発
動物用検査薬の開発(特異性、感度、簡便性)
動物用医薬品の適正な使用に関する情報提供
C社
ユーザーが求める新商品のパイプライン化業務
既存商品の製造品質管理業務
出荷後のフォローを含めた学術情報の収集提供業務
D社
動物用医薬品等の研究開発(承認申請等)および製品化
獣医療等における製品の適正使用(伝染病蔓延、残留農薬等、耐性菌等の防止)の啓
蒙による公衆衛生、食品衛生等の安全確保
畜水産および伴侶動物分野等への製品の有用かつ安全に関する情報の提供
E社
開発、薬事、顧客への技術・学術活動、マーケティング等
F社
臨床現場で求められるニーズを科学的に的確に評価
ヒトと動物の健康に寄与する高品質で有用性の高い動物用医薬品の開発
製品と製品情報の正しい提供
G社
毒性、安全性、有効性など動物試験における評価
微生物分野の研究
マネージメント(動物をベースとした幅広い知識を活用)
開発職、学術職、経営企画部において専門知識を活用
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平成21年度獣医事審議会計画部会
第1回民間・研究分野ワーキンググループ
資料2-3(参考)
動物用医薬品分野における獣医師の現状
アンケート結果
A社
開発部:製品の開発
マーケティング部:販売プロモーションの立案、治験大学とのコミュニケーション
カスタマーサービス:臨床獣医師からの電話による問い合わせへの対応
テクニカルサービス:製品の使用現場での説明および問い合わせに対する対応
B社
獣医系大学や研究機関との連携
水産系、薬学系、化学系分野との連携
行政からの要請に基づいた製品開発
C社
GLP、GMP、GCP、GQP、GVP、GPSP業務を適正に実施
開発製造業務
ユーザー、大学、行政、海外機関(海外メーカー含む)との対外折衝業務
臨床試験(GCP)
製造販売分野(薬剤師に代わり薬事法上の職責を担う)
D社
営業部門:マーケティング管理、市販後調査(GVP)、講習会、社内外向けの学術、技術サポート
開発部門:製品の研究開発・改良(GCP、GLP)、再審査(GPSP)、行政との折衝、業界問題(VICH、
行政指導等)に対する意見・具申等の対応
製造部門:生物学的製剤では製造管理者、飼料については飼料製造管理者
E社
開発、薬事、顧客への技術・学術活動、マーケティング等の分野で中心的な役割
顧客が獣医師の場合、同様の関心事でプレゼンが可能
顧客が獣医師でない場合、獣医師であることからの信頼をもって受け入れられる
F社
研究・開発:有用な化合物の探索、製造販売承認申請に必要な毒性・薬理学的臨床研究と添付資料の作
成等
学術・マーケティング:臨床現場に有用なエビデンス構築、効率的な製品普及活動の立案と実施
動物用医薬品情報担当者(MR):獣医診療施設への製品情報の正確な提供活動
学・官・他の分野との連携:獣医大学と連携し、臨床研究、エビデンス構築
家畜衛生に関する行政との連携:家畜由来薬剤耐性菌のヒトへの感染防止対策、製造販売承認ガイドラ
インの策定他
G社
開発:申請登録、シード探索等
学術:牛、豚、犬、猫など動物種別学術、海外学術活動
経営企画:国内外メーカーとの製品の導入、導出、市場調査等
交渉相手、顧客が獣医師であることが多く、社内獣医師がそれらの担当として期待されている
大学、公的機関との共同研究や国内外の同業他社との連携にも関与
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第1回民間・研究分野ワーキンググループ
資料2-3(参考)
動物用医薬品分野における獣医師の課題
アンケート結果
A社
臨床現場と離れているため、最新知見や現場の感覚にズレが生じる
B社
需要の少ない動物用医薬品、検査薬の開発リスク
研究成果物の取扱いが難しく、開発素材の入手や技術移転等が困難
新興感染症に対する医薬品開発に即応困難
製品承認のさらなる迅速化
C社
小動物臨床分野に多くの獣医師が流れ、獣医師の確保が困難
革新的なワクチンの開発と安定供給
獣医学生がワクチン分野に興味を抱くような、大学での講義の充実
獣医師になるまでに必要な教育経費負担の軽減(小動物臨床以外の分野で獣医師を確
保しにくい原因の一つ)
微生物に関し造詣が深く、かつ海外企業との連携を取るために必要な実践的語学力を
備えた獣医師が必要
D社
人材不足、高齢化、後継者育成、低定着率
士気の低迷、生物学的製剤以外の業務に関連する資格の設定等
情報提供者の位置付け、MR等制度の導入
E社
獣医師に特別待遇はない。差異が必要なのかどうかが今後の課題
一般的に獣医師職員の能力は高いので、結果的に報酬も待遇も高い
F社
情報が自社製品関連に限られる傾向があり、それら以外の情報を持っていない
家畜衛生(食肉安全衛生)に関してはメーカーへの規制強化のみが目立つ
G社
国内動物薬市場は飽和に近づいており、海外で活躍できるグローバルな獣医師の育成
が課題(現状はレベル、数ともに不足)
平成21年5月28日 13:30∼15:30
三田共用会議所第2特別会議室
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