...

マルチメディアデザイン(7)

by user

on
Category: Documents
15

views

Report

Comments

Transcript

マルチメディアデザイン(7)
マルチメディアデザイン(7)
慶應義塾大学理工学部
システムデザイン工学科
西 宏章
1
大容量記憶媒体

磁気記録




磁性体を磁化して情報を記録
ヘッドを捜査し、電磁誘導の原理、もしくは磁気抵抗効果(MR)を用
いて情報を読み取る
MR:外部磁場の変化によってNiFeやCoFeなどで特に敏感に電気抵
抗値が変化するため、小型で感度のよい再生出力が得られる
ヒステリシス特性


これがないと記録できない
磁界をかけなくとも磁場が残るのは
ヒステリシス特性のおかげ
2
記録密度と磁性体









一昔前のオーディオテープを例にとると
4.75cm/secとすると、2万ヘルツの音を記録するためには、
4.75cm/2万~=1.19μmでNSが表れればよい
この間隔を最少記録単位と呼び、この2倍の値を最短記録波
長と呼ぶ
γ-Fe2O3: Audio type I(normal)、FD
Co-γ-Fe2O3: Audio type III(High Position)、VTR、FD
メタル: Audio type IV(Metal Position)、8mmビデオ
蒸着: Hi8ビデオ
バリウムフェライト: 垂直磁気記録
鉄ガーネット: 光磁気ディスク(MD)
3
光ディスクの原理



ピットにレーザーをあて、光の回折および干渉を利用して読
み取る
レーザディスクではピット幅は0.4μm、間隔は1.67μm、高さ
は0.11μmレーザーのスポット直径は約1.3μm
ピットがあると光が回折もしくは干渉するため反射光が弱く
検出されるため信号を読み取ることができる
4
追記型光ディスク

形状変化を利用するもの



金属系:レーザの熱により金属反射薄膜を焼き切って穴をあける
色素系:レーザ光の熱で色素が融解、分解などして穴を形成する
再生レーザによる劣化や、低反射率といった問題がある
形状変化を利用しないもの


追記型:相変化を利用する
書換型:アモルファス層変化
を利用
金属薄膜にレーザをあて600度に
し急冷するとアモルファス化すると
反射率が低下する。400度程度に
すると再結晶化する(フォトミック材料)
5
光磁気ディスク(記録)




強磁性体(フェリ磁性体)を熱すると、キュリー温度を超えた
ところで磁性が失われるが、熱運動のためスピンが様々な方
向を向こうとする。結果、弱い磁場で磁化させることができる
熱をくわえなければ安定した磁場を保持する
磁性体の下にコイルを置いて
レーザをあてるとその部分が
磁化する
(磁場変調方式:
ON/OFFするのは磁場)
磁場をかけておき、記録させ
たいところだけレーザを当てる
(光強度変調方式:
ON/OFFするのは光)
6
光磁気ディスク(読み出し)



磁化された物質に直線偏光をあてるとその反射光の偏光面
は入射光の偏光面から少し回転する(磁気カー効果)
これを検出して読みだす
GdFe, TbCo,
TbFe, DyFeなど
7
8
FD
9
メディア(媒体)

DVD (Digital Versatile Disc)

1995年12月規格化
記録容量
ディスク直径
ディスク厚
最短ビット長
トラックピッチ
ディスク回転制御
線速度
データ転送速度
半導体レーザ波長
素材材料
DVD
CD
720M
4.7G(1層片面)
120mm
1.2mm
0.4μm
0.9μm
0.74μm
1.6μm
CLV(線速度一定)
約4m/s
約1.3m/s
約10Mbps
約1.5Mbps
650/635nm
780nm
ポリカーボネート
10
メディア(媒体)

DVDの種類
再生専用
再生録画
読出専用
追記型
書換型
DVD
DVD-Video
DVD-audio
DVD-RW
DVD-ROM
DVD-R
DVD-RAM
PC-RW
CD
4.7GB/8.5GB/9.4GB/17GB
4.7GB(CD同等音質で500分)
4.7G(133分)/8.5G(DL)
4.7GB/8.5GB/9.4GB/17GB
4.7GB/8.5GB(DL)
2.6GB/5.2GB
3GB
11
Blu-ray Disk



略称は「BD」もしくは「ブルーレイ」
直径12cm厚さ1.2mm共に従来のCD・DVDと同じで、ピックアップが3波
長化されている。従ってアッパーコンパチとなる。
405nmの青紫色半導体レーザーと0.1mmのカバー層の光ディスクを使う
ことでレンズのNA値を0.65から0.85に上げ、DVDの5倍以上の記録容
量を実現する

1層25GB、2層式ディスクの場合は50GB
 25GB/50GB/100GBのディスクに加えて、8層200GBの試作が行われている


名称が「Blue-ray」ではなく「Blu-ray」になっているのは、「Blue-ray Disc」
とすると、英語圏で「青色光(で読み取る)ディスク」を意味する一般名詞
と解釈されて、商標登録が認められない可能性があるため
Blu-rayは耐久性に問題があるといわれたが、TDKのDURABIS技術(ス
チールウールで100回や200回擦ったぐらいでは影響がほとんどない)に
より問題が解決された
12
フラッシュメモリ


書き換え可能でかつ、電源供給を止めてもデータが消えない
(不揮発性)半導体メモリ
書き込み回数に制限がある


Flash SSD (Flash Solid State Drive)





電荷を蓄えるために存在する絶縁体となる酸化膜を電子が貫通する
ことにより酸化膜が劣化することによる制限
半導体メモリであるフラッシュメモリを使用したSSD
低消費電力、高スループット、低発熱、耐衝撃性に優れている
SLC型:1つの記憶素子に1ビットのデータを保持する
書き換え可能上限回数が多く、データ保持期間も比較的長くなるため
高信頼用途に適するが、容量は少ない
MLC型:1つの記憶素子に2ビット以上のデータを保持する
中間値を利用して、多値を記録する。誤りが発生しやすいが、低価格
で小型化が可能
寿命を長くするWare Leveling 技術
13
Fly UP