...

長野発の国際交流事業(長野国際親善クラブ)

by user

on
Category: Documents
24

views

Report

Comments

Transcript

長野発の国際交流事業(長野国際親善クラブ)
長野発の国際交流事業
長野国際親善クラブ
平成21年8月
花開く一校一国運動
5月 15 日、長野市川田小学校にインドのデリーパブリックスクール(DPS)の子ども
たち8人の姿があった。1998 年の長野冬季オリンピックを契機に長野国際親善クラブ
(Nagano International Friendship Club=NIFC)が提唱し、支援してきた「一校一国運
動」の交流である。
DPSの子どもたちは日本語で特技や家族構成を自己紹介し、ヨガやダンスを披露した。
これに対し川田小の子どもたちは、お手玉、けん玉といった日本の遊びや人形劇を発表。
19 日までホームステイをし、日印の交流は盛り上がった。
両校の相互訪問は既に約 10 回。今年1月に川田小の子どもたち8人がDPSを訪問した
ばかり。吉池いわ子校長は「インド訪問を通して、子どもたちはものの見方や考え方の視
野を広げ、人と人とのつながりを大切にするという宝物を得ることができた」と成果を
NIFC 会報に寄せている。
写真説明① 川田小で民族衣装で
で踊るインドDPSの子どもたち
写真説明② 第 9 回こどもたち
の国際交流発表会で発表するル
-マニア「明日の家」のラビニ
アさん(左から 3 人目)
1
現在、一校一国運動の交流をしているのは 20 校近く。ルーマニアのHIV(エイズウイ
ルス)感染児を支援(徳間小)
、ボスニア・ヘルツェゴビナの地雷撤去活動を支援(三本柳
小)といったヒューマニズムあふれる交流もある。NIFC の橋渡しによりこの 10 月には、
新たに川中島中がデンマークのコペンハーゲン市立校を訪問し、環境と福祉を学ぶ運びに
なっている。
長野で始まった一校一国運動は、その後歴代のオリンピック開催都市に受け継がれ、昨
年の北京オリンピックでは「同心結」として展開された。NIFC の小出博治会長は「一校一
国運動は、相互交流により双方の子どもたちへの人格育成に大きな役割を果たしている」
と、10 年先を見据えた運動に熱い思いを語っている。
クラブの歴史とともに
ホームステイ
NIFC は創設当時から一貫して外国からの訪問者を家庭に受け入れてきた。小出会長によ
ると、1968 年の NIFC 設立の動機の一つが、長野市の姉妹都市・米国クリアウォーター市
からの親善訪問団の受け皿となることだった。当時はまだ「ホームステイ」という言葉が
なく、
「民泊」と呼んでいた。
「長野市で国際親善クラブが誕生 “民泊”で理解しあう」
これは NIFC 設立総会を伝える地元信濃毎日新聞の見出しである
(1968 年1月 11 日付)
。
写真説明真③ ホストファミリーと
くつろぐフィリピン大学生(左端)
NIFC が最近取り組んだホームステイは、外務省の 21 世紀東アジア青少年大交流計画に
協力し、フィリピン人大学生 21 人を5月に受け入れた事業(ホームステイは5月 15 日か
ら2泊3日)。ちょうど新型インフルエンザが問題になった時期だったが、無事終了した。
前述したインドの子どもたちの来日と日程が重なったことから、受け入れ計画は慎重を
期して何度も打ち合わせ会議を開き、多くの会員がサポートしたことが成功の原因といえ
2
る。フィリピン大学生からは、学校との交流希望があり、長野市内にある信州大学工学部、
市立長野高校、長野西高校との交流を実施し喜んでもらえた。活発なフィリピンの若者た
ちに日本の学生、生徒も良い刺激を受けたようだ。
ホストファミリーからは「フィリピンという国を身近に感じられるようになった。子ど
もたちは言葉の壁など気にせず、あっという間に仲良くなった」などの声が寄せられてい
る。
写真説明④ フィリピン大学生歓迎
パーティー
「英国の街」に集う
英語サマースクール
外国語教育も NIFC の事業の大きな柱だ。現在は「英語」、
「韓国語」
、
「中国語」、
「Let’s sing
in English!」の4外国語講座を開いている。
中でもユニークなのが、夏休み中に子どもたちを対象に合宿形式で開く英語サマースク
ール。イギリスから語学専門教師を招いた新機軸の教授法が特徴で、昨年まで3回実施し
た。NIFC の役員や外国語講座担当者らが献身的なサポートをしている。
今年は講師の都合で中止になったので、昨年の様子を報告すると、以下のようだ。
8月4日から9日まで実施。最終日は長野市内のホテルに仮想の「イングリッシュタウ
ン」を設置し、約 100 人の子どもたちが入国した。タウン内は英語以外の会話は禁止。パ
ン店、文房具店などができ、入国審査官役の大学生との英会話でパスポートと6ポンドの
模造紙幣を受け取った子どもたちは、英語で買い物を楽しんだ。警察官役の子どもが街を
巡回し、郵便局では英語の手紙を書く子の姿が見られた。
写真説明⑤ 第 3 回サマースクール・
イングリッシュタウンのオープニング
セレモニー
3
写真説明⑥ イングリッシュタウン
イミグレーションで緊張の入国手続
きをする子どもたち
NIFC の活動はこの他にさまざまな文化活動やボランティア活動などがあるが、紙面が尽
きた。それらについては別の機会に報告したい。
4
Fly UP