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SATAドライブ(デスクトップとアレイ用に設計

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SATAドライブ(デスクトップとアレイ用に設計
HP StorageWorks Enterprise Virtual Array(EVA)
ストレージソリューション:高性能で低価格の
ディスクドライブ
目次
概要................................................................................................................................................... 2
まとめ ............................................................................................................................................... 2
FATAディスクドライブ........................................................................................................................ 3
FATA、PATA/SATA、FC-ALディスクの比較 ....................................................................................... 3
PATA、SATA、FATA、FC-ALの主な違い ............................................................................................ 3
PATAドライブ(デスクトップPC用に設計) .................................................................................. 3
SATAドライブ(デスクトップとアレイ用に設計)......................................................................... 4
エンタープライズクラスのFC-ALおよびFATAドライブ(FCアレイ用に設計) ................................... 4
I/O処理とデューティサイクルの定義............................................................................................ 5
ドライブの違いのまとめ .............................................................................................................. 5
ニアオンライン・ストレージの価格の優位性 .................................................................................... 5
価格の比較.................................................................................................................................. 6
性能 - 仮想ディスク(Vdisk)は物理ディスクより高性能.................................................................... 6
価格/信頼性/性能 ........................................................................................................................... 7
FCアレイソリューションにおけるPATA/SATAとFATAの比較 .............................................................. 7
ディスクにバックアップするか、テープにバックアップするか .............................................................. 8
高速データ復旧............................................................................................................................... 9
テープに代わる低価格バックアップ/リストア以上の利点 .................................................................... 10
FATAの使用 - 部門環境とエンタープライズ環境............................................................................... 11
データ参照/データアーカイブ/固定コンテンツ・アプリケーション.............................................. 11
ストリーミング・アプリケーション............................................................................................ 11
リモートコピー/災害復旧 .......................................................................................................... 11
階層型ストレージ - 進化 .................................................................................................................... 12
情報ライフサイクル管理................................................................................................................ 12
既存のEVAや新しいEVAの活用 ....................................................................................................... 13
EVA階層型ストレージへの単純な移行手順 .................................................................................. 13
EVAにおけるFATAディスクの利点 .................................................................................................. 14
性能と容量の統合 ...................................................................................................................... 14
FATAとデータ可用性は矛盾しない .............................................................................................. 14
結論................................................................................................................................................. 14
概要
参照データは飛躍的に増加していますが、つい最近まで、データの価値、ビジネスに対する重要度、新旧
度、使用頻度、用途に基づいて、性能に優れ、費用対効果の高いメディアにデータを保存するユーザの選
択肢は限定的でした。主に、FC-ALディスク、テープ、光メディアが、ユーザの選択肢でした。
現在、性能は低下するものの大容量で低価格の新しいカテゴリのディスクが登場し、ユーザの選択肢が広
がっています。ニアオンライン、ニアライン、またはミッドラインと呼ぶこの新しいディスクドライブの
カテゴリは、FC-ALディスクドライブ、テープ、光メディアを補完するものです。さらに、この新しいカ
テゴリの登場により、ユーザは、データの種類に応じて特定のサービス品質やストレージメディアを選択
できます。
この概要では、HP StorageWorks Enterprise Virtual Array(EVA)で、FC-ALディスクを補強し、テープお
よび光ストレージリソースの使用を補完するニアオンライン・ストレージ、低価格のFATA(Fibre Attached
Technology Adapted)ディスクドライブの使用について説明します。また、FC-ALディスク、低価格FATA
ディスク、およびテープドライブを使用したソリューションについても説明します。
まとめ
ユーザは、常にストレージリソースの価値を最大化し、容量拡大要件に適合する方法を求めています。ま
た、継続的なデータセットの拡大に伴い、適時のバックアップと迅速なリストアの必要性が高まっていま
す。加えて、法による規制や要件により、IT管理者は、管理性と費用対効果に優れたストレージの購入に
積極的になっています。
長年にわたって、テープが、データのバックアップ、アーカイブ、セキュリティ用メディアの主流を占め
ていました。ただし、現在では、性能は低下しますが低価格の新しいディスクストレージが、部門および
エンタープライズ・コンピューティング環境で一定の役割を果たしています。
低価格だが性能が低いディスクストレージは、テープより高価格ですが、FC-ALディスクより価格が低
く、高速バックアップ/復旧、データ参照、データアーカイブの利点があります。
多くのアプリケーションが、それほど頻繁にデータにアクセスしていません。たとえば、HIPAA(Health
Insurance Portability and Accountability Act、医療保険の携行性と責任に関する法律)やSarbanes-Oxley
Act (米国企業改革法)によって要求される画像付き文書や統計データがこれに該当します。その一方で、必
要なときには、比較的高速にデータにアクセスできる必要があります。これまでは、ユーザがデータに高
速アクセスするには、より高価格のFC-ALストレージリソースにデータを保存する方法しかありませんでし
た。ATA(Advanced Technology Attachment)ディスク、PATA(Parallel ATA)、SATA(Serial ATA)、
それに新しいFATAディスクは、FC-ALディスクとテープの使用を補完し、それほど頻繁にファイルにアク
セスしないが、ディスク速度でデータにアクセスする必要があるアプリケーションでは、ストレージリ
ソースとしてFC-ALディスクやテープより好まれています。
データセンタにおけるストレージの重要性がますます高まるのに伴い、管理者にとって、EVAに追加され
た低価格ストレージを管理するために人的リソースを増やす必要がない点が有利です。
高性能ディスクドライブと低性能/低価格ディスクドライブを導入して形成されるEVAの階層型ストレージ
機能は、完全に整理統合されたインフラストラクチャによってアダプティブ・エンタープライズの実現を
容易にし、情報ライフサイクル管理(ILM)ソリューションを実現するというHP構想の次なる段階です。
EVAは、投資を保護し、ストレージ・インフラストラクチャの効率を改善したい組織にとって、不可欠の
ソリューションです。EVAは、同じフレーム内に階層型ディスクストレージを組み込みたいユーザにとっ
て、シンプルな統合管理ソリューションを提供します。簡単に述べると、EVAは、可用性、性能、法規制
準拠、コスト目標を達成するために、ユーザが認識する価値が異なるさまざまなデータタイプを最も適切
なストレージタイプに移行できるインフラストラクチャを提供します。
2
FATAディスクドライブ
FATAディスクドライブは、「ハイブリッド」ファイバチャネル(FC)ドライブファミリの最初のドライブ
です。FATAディスクドライブは、エンタープライズクラスのFCアレイ用に設計された低価格の大容量ドラ
イブです。また、FATAディスクドライブは、大型コマンドキューや大型データキャッシュのような、より
高性能のFCの多くの特性を備えているため、ハイブリッドドライブと見なされています。表1に、その他
のドライブ機能の比較を示します。FATAドライブは、ランダムI/O性能がPATAドライブやSATAドライブ
に近いため、ATAドライブに似ています。ただし、EVAのデータ配置アルゴリズムと仮想化方式により、
FATAディスクドライブのグループによるランダムI/O性能は、個々のドライブで達成できるランダムI/O
性能よりはるかに優れています。シーケンシャル性能は、実質的にFC-ALの10Krpmディスクドライブと同
じです。
FATA、PATA/SATA、FC-ALディスクの比較
エンタープライズクラスのディスクドライブは、PATA/SATAディスクに比べ、最も高い性能、信頼性、
可用性、機能を提供します。
PATAディスク、また最近のSATAディスクは、階層型ストレージ・アプリケーション用の低価格ストレー
ジとして発表されました。これらのディスクドライブは、より低価格のストレージソリューションを提供
しますが、エンタープライズクラスのディスクドライブに比べ、性能と(意図した使い方でない場合)信
頼性が低下します。
アーキテクチャにより、FATAハイブリッドFCディスクは、性能、信頼性、可用性、機能の点で、エン
タープライズクラスのディスクとPATA/SATAディスクの中間にあります。
FATAディスクドライブにEVAの最適化されたデータ配置アルゴリズムと仮想化方式を組み合わせること
で、アーカイブやバックアップ/リストア処理のような多くのアプリケーションや、ビデオ編集やスト
リーミングなどの高帯域幅アプリケーションに適した低価格ソリューションになります。
FATAハイブリッドFCディスクドライブでは、FCインタフェースからSATAインタフェースまたはPATAイ
ンタフェースへの変換が不要です。そのため、FATAディスクドライブは、HPFC-ALドライブで使用されて
いるものと同一のデュアルポート2Gb/秒FCチャネルインタフェースを搭載して、EVAの既存のディスク
ドライブ・エンクロージャを使用することによる互換性と投資保護を確保しています。これは、HPソ
リューションと他社製ソリューションの大きな違いです。加えて、FATAハイブリッドドライブは、自己監
視機能、分析/報告テクノロジ(S.M.A.R.T.)、最適化されたシーケンシャルアドレス機能(シーク順序/
回転最適化アルゴリズム)、より高性能のエンタープライズクラスFC-ALディスクドライブに見られるFC
プロトコル・ネイティブ・データ整合化機能やエラーイベント処理機能を搭載しています。
PATA、SATA、FATA、FC-ALの主な違い
PATAドライブ(デスクトップPC用に設計)
PATAディスクドライブは、20年近くにわたり、デスクトップPC用のストレージインタフェースでした。
最高インタフェース速度が133MB/秒に制限され、幅広い40ピンのパラレルリボンケーブルが必要なた
め、新しい設計での採用はまれです。
機能:
• 1日当たりの電源投入時間(POH)が8時間、シングルユーザ、低ワークロード向けに設計
• エンタープライズクラスのドライブより性能が低下
• 最小のシーケンシャルI/O処理と最小のランダムI/O処理、約20%のデューティサイクル向けに設計
• 意図された環境で使用した場合、信頼性が高い
3
SATAドライブ(デスクトップとアレイ用に設計)
SATAディスクドライブは、ATAディスク上のシングル・ポート・インタフェースです。SATAインタフェー
スによってポイントツーポイント接続が可能になるため、単一コントローラに複数のポート(ディスクド
ライブ接続)を集約できます。
SATAインタフェースは、約150MB/秒の性能機能をサポートしています。また、SATAは、今後数年のう
ちに、150MB/秒および600MB/秒インタフェースに進化する計画があります。
機能:
• ディスクドライブのベンダによっては、コマンドキューイングのサポートに制約
• ディスクは、電源を入れたまま交換可能(ホットプラグ対応/ホットスワップ対応)
• 1日当たりのPOHが24時間、マルチユーザ、アレイでの使用向けに設計
• エンタープライズクラスのドライブより低性能、PATAより高性能
• シーケンシャルI/O処理と低いランダムI/O処理、10~20%のデューティサイクル(ベンダとモデルに
依存)向けに設計
• 意図された環境で使用した場合、高い信頼性を発揮
エンタープライズクラスのFC-ALおよびFATAドライブ(FCアレイ用に設計)
高性能のFC-ALディスクドライブとFATAドライブは、同じFCデュアルポート・アービトレーテッドルー
プ・インタフェースを使用しています。EVAは、標準のEVAドライブエンクロージャで、240台のFC-AL
ディスクドライブ、FATAディスクドライブ、または両方の組み合わせをサポートできます。
FC-ALディスクドライブとFATAディスクドライブは、深度128のコマンドキューをサポートしています。
EVAは、FC-ALドライブとFATAドライブの両方で深度1のコマンドキューをロードするため、最適性能が確
保されます。さらに、FC-ALディスクドライブとFATAドライブは、最適化されたシーク配置に加えて、最
適化された回転配置をサポートする回路とアルゴリズムを搭載しています。最適化された回転配置機能
は、PATA/SATAディスクドライブには実装できない機能です。
FC-ALディスクとFATAディスクは、電源を入れたまま交換できます。
FCインタフェースは、2Gb/秒(約200MB/秒)の性能機能をサポートしています。また、FCは、4Gb/
秒、8Gb/秒、および10Gb/秒に進化する計画があります。
エンタープライズクラスのFC-ALドライブ
機能:
• 1日当たりのPOHが24時間、マルチユーザ、アレイでの使用向けに設計
• PATA、SATA、FATAに比べ、最高の性能
• シーケンシャルI/O処理と高いランダムI/O処理、100%のデューティサイクル向けに設計
• 最高の信頼性
FATAドライブ
機能:
• 1日当たりのPOHが24時間、マルチユーザ、アレイでの使用向けに設計
• PATAやSATAに比べ、高性能
• シーケンシャルI/O処理とランダムI/O処理、30%のデューティサイクル向けに設計
• 意図された環境で使用した場合、高い信頼性を発揮
4
I/O処理とデューティサイクルの定義
ランダムI/Oデューティサイクルは、比率または%として表現できます。たとえば、FATAディスクの30%
のランダムI/Oデューティサイクルは、60分中の18分(18/60 = 30%)です。
• PATA/SATA - 多くのPATAおよびSATAディスクドライブは、メディア全体でランダムにシークが発生す
る高いランダムI/O処理用に設計されていないため、シーケンシャル転送がほとんどでランダムI/O処
理が少ないI/O環境に最も適しています。
• FC-ALディスク、エンタープライズクラスのドライブは、連続的なシーケンシャル転送と高いランダム
I/O処理の両方向けに設計されています。
• FATA - EVAのデータ配置アルゴリズムと深度128のコマンドキューを使用したFATAのハイブリッド設計
を組み合わせることで、シーケンシャルI/O環境とPATAまたはSATAテクノロジより高いランダムI/O環
境で、FATAドライブを使用できます。
ドライブの違いのまとめ
表1に、PATA/SATA、FATA、FC-ALディスクドライブの主な違いを示します。
表1. PATA/SATA/FATA/FC-ALディスク
ニアオンライン・ソリューション
高性能
ソリューション
200GB以上のHDDの
データに基づく
PATA/SATA
EVA FATA - 「ハイブリッ
ド」ディスク
EVA FC-AL
ディスク
インタフェース
Parallel/Serial ATA、
シングルポート
ネイティブ・ファイバチャ
ネル、デュアルポート
ネイティブ・ファイバチャ
ネル、デュアルポート
S.M.A.R.T.
ベンダに依存
はい
はい
コマンドキュー(シーク
の最適化)
深度32以下
深度128、最高の最適化
深度128、最高の最適化
回転の最適化
いいえ
はい
はい
平均シーク時間
~9ms~10ms
~10ms
FATA ≒ SATA > FC-AL1
~5ms
スピンドル速度
5400、7200
FATA ≒ FC-AL1
10K、15K
転送速度
133、150MB/秒
200MB/秒
200MB/秒
キャッシュ
2、8MB
8MB
8MB
MTBF
ニアオンライン・アプリ
ケーションでの使用時は
良好
ニアオンライン・アプリ
ケーションでの使用時は
PATA/SATAより良好
最高:FC-ALまたはニアオ
ンライン・アプリケー
ション
注記 1 :個々のドライブ性能仕様は、データ配置アルゴリズムと仮想化方式により、EVAでの使用時の実際の性能を表していません。Vdisk性能
は、個々のディスク性能より良好です。
ニアオンライン・ストレージの価格の優位性
PATA、SATA、およびFATAディスクドライブの主な優位性は、価格が低いことです。エンタープライズク
ラスのドライブは、より堅牢で、許容限度の厳格なより高価格のコンポーネントを使用し、1日当たり24
時間の70%を超えるランダムI/Oデューティサイクル向けに設計されています。加えて、エンタープライ
ズクラスのドライブの平均故障間隔(MTBF)は、この比率で運用するとき、100万時間を超えています。
通常、ニアオンライン・ディスクドライブは、より低価格のコンポーネントを使用して設計され、ランダ
ムI/Oデューティサイクルが20~30%のシーケンシャル転送環境で運用されます。ニアオンライン・ディ
スクドライブのMTBFは、ベンダやモデルによって大きく変化します。FATAディスクは、ハイブリッド設
計により、ニアオンライン型アプリケーションでの使用時には約100万時間というほぼ業界最高のMTBFを
持っています。
5
価格の比較
ディスクドライブの価格は、ソリューションでの使用方法、容量、性能、ベンダなど、多くの要因によっ
て変化します。このWhite Paperでは、エンタープライズクラスのコンピューティングで使用した場合の
PATA、SATA、およびFATAディスクドライブの価格を比較します(部門クラスのコンピューティングにお
けるドライブの価格の比較は提供していません)。グラフ1は、EVAで使用される他のドライブとの関連
を考慮して、FATAディスクドライブのGB換算の価格を示しています。
グラフ1. GB換算の価格の比較
容量
GB換算の価格
GB換算の価格の比較
36GB 15K
FC-AL
72GB 15K
FC-AL
36GB 10K
FC-AL
72GB 10K
FC-AL
146GB 10K
FC-AL
容量
GB換算の価格
250GB
FATA
ドライブタイプ
性能 - 仮想ディスク(Vdisk)は物理ディスクより高性能
個々のディスクドライブの性能仕様は、なんらかの指標にはなりますが、ディスクドライブを個々のボ
リュームとして使用しない場合は、ユーザが認識する実際の性能を表していません。一般的に、SATAお
よびPATAによるニアオンライン・ソリューションは、RAIDセットのメンバーとして構成されたディスク
ドライブを実装し、FATAディスクの場合は、EVAのディスクグループのメンバーとして構成されたディス
クドライブを実装します。EVAディスクグループでは、8台以上のディスクドライブが論理的に結合され
ます。
EVAは、ディスクグループのメンバー全体にわたる性能を最適化するために、高度なデータ配置アルゴリ
ズムと仮想化方式を実現しています。グループのメンバーであるディスクドライブの台数が多いほど、仮
想ディスク(Vdisk)の性能が上昇します。これは、FATAディスクだけでなく、エンタープライズクラス
のFC-ALディスクにも当てはまります。
16台の146GB 10Kディスクドライブと16台のFATAディスクドライブの基本性能を比較するために、広範
なテストを実施しました。その結果、16台のメンバーを持つFATAグループのランダムI/Oは、16台のメ
ンバーを持つ146GB 10KグループのランダムI/Oより約25%少ないことが判明しました。FATAグループ
のシーケンシャル性能は、実質的に146GBグループと同じでした。
6
価格/信頼性/性能
価格、信頼性、性能のすべての3要素を示す図は、ビジネスニーズに最適なストレージタイプを判断する
上で有効です。
図1に示すように、すべてのニアオンライン型ディスクドライブの信頼性は、意図された目的で使用した
場合、FC-ALディスクに匹敵します。ただし、FATAドライブは、ハイブリッド特性により、信頼性と性能
がPATA/SATAドライブよりはるかに優れています。
図1. 価格/信頼性/性能
FATA
FC-AL
PATA/SATA
価格
低い
PATA/SATA
低い
FATA
高い
FC-AL
1
性能
高い
FATA
FC-AL
PATA/SATA
低い
信頼性(I/Oデューティサイクルが30%の場合) 高い
注記1:個々のドライブ性能仕様は、データ配置アルゴリズムと仮想化方式により、EVAでの使用時の実際の性能を表していません。
Vdisk性能は、個々のディスク性能より良好です。
FCアレイソリューションにおけるPATA/SATAとFATAの比較
エンタープライズ・ストレージ市場では、低価格ディスクを使用した多くのアレイベース・ソリューショ
ンが登場しています。一般的に、エンタープライズクラス・アレイとのインタフェースを持つ低価格スト
レージデバイスを使用した2種類のソリューションが現在存在しています。
最初の種類のソリューションは、アレイからストレージエンクロージャ(シェルフ)までのFCインタ
フェースを使用しています。シェルフは、アレイのFCプロトコルをドライブのSATAプロトコルに変換す
る変換インタフェースの役割を果たします。ドライブで追加のプロトコル変換が行われる場合もありま
す。PATAプロトコルを使用する一部のディスクドライブは、SATAドライブエンクロージャを使用できる
ように、SATAプロトコルをPATAプロトコルに変換する追加ロジックを搭載しています。
HPが使用している2番目の種類のソリューションは、ネイティブFCインタフェースからプロトコルを変換
する変換ロジックを使用していません。FATAハイブリッド・ディスクドライブは、2Gb/秒デュアルポー
ト・ネイティブFCインタフェースを使用して、低価格のニアオンライン・ストレージを提供し、ハード
ウェア・インフラストラクチャを変更したり、EVAにハードウェアを追加したりする必要がありません。
図2に、2種類のソリューションの違いを示します。
7
図2. ニアオンライン・ソリューションの比較
ベンダ
HP
他社製ソリューション
製品特性
EVAファミリ
-
ドライブエンクロージャ
既存のEVAシェルフ
新しいシェルフが必要、FCシェルフ
より高価格
ドライブタイプ
FATA「ハイブリッド」
PATAまたはSATA
ドライブの容量
250GB
250GBまたは320GB
ネイティブFCインタフェース
はい。
「ハイブリッド」ディスクとのデュ いいえ。シェルフのロジックがFCを
アルポート/2Gb FCインタフェース
SATAに変換
オンラインドライブとニアオンライ
ン・ドライブの組み合わせ
同じシェルフにオンライン、ニアオ フレームに必要なFCドライブの最小
ン ラ イ ン 、 ま た は 両 方 の 組 み 合 わ 台数があり、同じシェルフでの組み
せ。ベストプラクティス・ガイド
合わせ不可、または共通コントロー
ラを使用したFCとSATAの組み合わせ
不可
RAID 5要件
ベストプラクティス(ただし、シェ 可用性を最大化するためにシェルフ当た
ルフに依存せず)
り1台のドライブが必要な場合もある
ニアオンライン・ストレージからの
起動
はい
ベンダに依存
CA、BCのような高度機能の
サポート
はい
ベンダに依存
ディスクにバックアップするか、テープに
バックアップするか
長期間のデータアーカイブと長期間のデータセキュリティには、依然としてテープドライブが最高の選択
肢です。ただし、FATAディスクストレージの登場により、ユーザは、より低価格のFATAを使用して、最
初にディスクからディスクにバックアップし、次に低価格のディスクからテープにバックアップする段階
的バックアップを実行することもできます。EVAのスナップクローン機能により、稼動データのコピーを
高速生成し、次にテープにバックアップすることができます。加えて、EVA用のBC(Business Copy)ソ
フトウェアにより、使いやすいインタフェースとスクリプティング手順を通じて、プロセス全体を自動化
できます。図3に、低価格FATAドライブを使用したテープへの段階的バックアップの例と、FATAストレー
ジのMB換算価格が72GBディスクドライブの約1/3であることを示します。
EVAのFATAディスクへのデータの段階的バックアップにより、バックアップ期間が短いユーザにとって
バックアップ管理が簡単になる利点があります。
8
図3. 段階的バックアップ
オンライン/ニアオンライン・ストレージの使用
例 - Business Copy
ニアオンライン・ディスク - FATAを使用し
たEVA
•
FC-AL
72GB 10K
•
MB当たりn円
Business Copy
‒ スナップクローンの生成
スナップとバックアップのマウント
FATA
MB当たり
n/3円
高速データ復旧
多くの場合、重要なデータは4時間以内の復旧、第2階層データは数日以内の復旧目標があり、第3階層
データには特定の復旧目標がありません。現在は、データセットの規模と目標復元時間に応じて、データ
復旧用にFATAディスクドライブを使用する選択肢があります。さらに、バックアップ手順の完了後、より
長期間にわたって低価格ディスクにデータセットを保管しておくことができます。
多くのコンピューティング環境で、4時間以内の復旧目標は、データがディスクに保管されている場合の
み達成できます。
9
テープに代わる低価格バックアップ/リストア以上の
利点
取得情報量の飛躍的増加に加え、広範な情報のデータマイニングとビジネス・インテリジェンスの調整の
必要性により、ストレージとアプリケーションは成長し続けています。
健康産業、製造業、天然資源探査/開発業などの多くの業界で、コンピュータで生成されるデータがビジ
ネスの中核的な価値になっています。現在では、数百GB単位からTB単位の大容量ディスクストレージの
配分が当然のように行われています。表2に、オンライン・エンタープライズクラス、ニアオンライン、
テープの比較の概要を示します。
表2. 一般的な低価格ストレージの使用
アプリケーションの基準
オンラインエンタープライ
ズ・ディスクストレージ
ニアオンライン
SATA/PATA/FATA
最高の性能
X
頻繁なファイルアクセス
X
4時間以内の復旧目標
X
X
ほぼ継続的な運用(ディ
ザスタトレランス)、リ
モートデータセンタ、継
続的なデータ同期化
X
X
サイト災害
X
X
頻繁ではないが高速な
ファイルアクセス
X
ディスク-ディスク間の
バックアップ
X
ディスク-テープ間の
バックアップ
X
ウィルスによる攻撃から
の復旧
X
数日以内の復旧
最大のセキュリティ、
データボールティング、
ハッカーによる攻撃から
の復旧
ニアライン・テープスト
レージ
X
X
X
X
EVAは、同じフレーム内で高性能、低価格のストレージをサポートできるため、高性能アプリケーション
のニーズに適合するだけでなく、企業のビジネス・インテリジェンスを調整したり、ビジネスの中核的な
価値に不可欠なデータを取得したりするために、同じレベルの性能を必要としないアプリケーションの
ニーズにも適合します。
FATAディスクドライブを使用したEVAは、HPアダプティブ・エンタープライズの重要なコンポーネント
であり、ユーザデータのILMの基礎を形成しています。同じ設置面積と機能を持つ低価格テクノロジで既
存のテクノロジを補強することで、コスト管理と投資収益率の最大化が容易になります。ユーザは、アプ
リケーションのストレージ要件に適したリソースを選択することができます。
また、EVAの高性能ストレージと低性能/低価格ストレージの実装では、IT管理者にとって、追加のEVAソ
フトウェアが不要であるという利点もあります。
10
FATAの使用 - 部門環境とエンタープライズ環境
データ参照/データアーカイブ/固定コンテンツ・アプリケーション
医療業界や他の多くの業界では、法規制要件に対応するために、大量のデータを取得し、保管する必要が
あります。加えて、比較的高速にデータを取得できる必要があります。これらの業界では、診療記録、e
mailアーカイブ、法的アーカイブ、財務アーカイブのようなデータタイプは、それほど頻繁にアクセスさ
れません。
ストリーミング・アプリケーション
主にデータをシーケンシャル転送する多くのアプリケーションが存在します。ニアオンライン・ストレー
ジは、ランダムI/Oが少ないこれらのアプリケーションに最適な選択肢です。ストリーミング・アプリ
ケーションを使用する業界の例としては、大量の探査データを取得する天然資源/開発業、ビデオやオー
ディオを記録したり編集したりする娯楽業や放送業があります。
リモートコピー/災害復旧
多くのビジネスクリティカル環境で、プライマリサイトにデータをリストアしたり、セカンダリサイトを
オンライン化したりするために、データのリモートコピーが必要になります。図4に、リモートサイトへ
の複製のために低価格FATAドライブを使用する1例を示します。
災害復旧戦略に応じて、サイトの柔軟性とデータの可用性を最大化するために、リモートサイトだけに
FATAディスクを配備したり、プライマリサイトとリモートサイトにFC-ALディスクとFATAディスクを組み
合わせて配備したりすることができます。
図4. リモートサイトコピー
オンライン/ニアオンライン・ストレージの使用
例 – Continuous Access
•
FC-ALドライブと
FATAドライブの
使用
リモートコピー
サイトA
(ニューヨーク)
運用の復旧
• Business Copy
FC-AL
サイトB
(シカゴ)
FC-AL
– スナップ/クローンの
作成
• 高性能スナップのマウント
FATA
11
表3に、ニアオンライン(FATA)ディスクとオンライン(FC-AL)ディスクの他の用途の例を示します。
表3. ディスクの用途
オンライン/FC-ALディスク
ニアオンライン/FATAディスク
「ニアオンライン/FATAディスク」欄の
すべてのアプリケーション
固定コンテンツ
データベース
スナップショット/クローン
統合基幹業務システム(ERP)
インスタントアーカイブ
銀行取引
高速ファイル復旧
財務アプリケーション
オフサイト復旧
顧客関係管理(CRM)
2段階バックアップ
オンライン購入
データ移行
その他の計算処理アプリケーション
一時ファイル
emailアーカイブ
医学用画像処理
Webサービス
ファイル/プリント
固定コンテンツ
アプリケーションテスト
ビデオ画像処理
階層型ストレージ - 進化
異なるデータタイプには、異なるレベルのアクセシビリティとスループットが必要です。多くのIT管理者
とユーザが、さまざまなストレージクラスに関する知識を持ち、緊縮予算と容量増加要件のために階層型
実装を開始できる体勢にあります。さらに、多くの組織が、長期間のデータ保管要件に適合し、データに
即時にアクセスできる必要があるため、簡単に管理できる階層型ストレージソリューションを求めていま
す。また、既存のストレージ・インフラストラクチャの効率を改善する必要もあります。
現在、多くの組織が、参照データ、テストデータ、バックアップ、災害対策用の既存の手順に基づいて、
さまざまなクラスのアプリケーションを保有しており、さまざまなクラスのストレージを実装する体制が
整っています。
情報ライフサイクル管理
一般的に、企業がデータ分類のためにBIA(Business Impact Analysis)の公式プロセスを実施すると、企業
が保管したデータは次のいずれかのリストアクラスに分類されます。
1.
2.
3.
4.
0時間でリストア
約3~4時間でリストア
約2~3日でリストア
特定のリストア時間なし
12
さらに、BIAを実施すると、データの分類はそのビジネスバリューによって変化し、その分類は重要なビ
ジネスニーズ、新旧度、使用頻度、用途、法規制要件によって変化します。
FC-ALディスクとFATAディスクストレージを使用したEVAは、単一フレームで階層型ストレージソリュー
ションのフレームワークを提供します。ユーザが認識するビジネスバリューに基づいて最も適切なスト
レージメディアにデータを移行できるため、コストが最小限に抑えられ、ストレージリソースの使用率が
最大化されます。EVAにおけるFATAディスクは、低価格デバイスと高性能デバイス間でデータを迅速に移
行する必要がある場合に、中間的なストレージケースとしての低価格ストレージソリューションを提供し
ます。
データの常時アクセスが必須であると主張するユーザも存在します。このようなユーザは、公式分類には
ない別のリストアクラスを促進し、ニアオンライン・ストレージの実装に興味深い事例を提供します。
多くの企業が、社員間の論争に直面し、データが最も重要であり、常にオンラインで迅速にアクセスでき
なければならないと考えるユーザからプレッシャーを受けています。FATAドライブは、データが最も重要
であり、常にオンラインでなければならないと主張するユーザに応じて、ILMポリシーを実装することを
強いられている企業に、低価格のストレージソリューションを提供します。
既存のEVAや新しいEVAの活用
ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)は、すでに登場から3年以上が経過して成熟状態にあり、
ユーザはSANの価値を高める方法を積極的に追求しています。
ユーザは現在、膨大な量のデータを作成できます。ビデオ画像処理と編集およびデータ分析が、より低性
能のディスクストレージに移行できるアプリケーションの例です。
高性能ディスクと低価格/低性能ディスクの両方を使用したEVAにより、企業は、積極的かつ簡単に複数
階層型アプリケーションをサポートする企業に変貌できます。継続的なコスト削減のプレッシャーによ
り、EVAは、SANにおける容量を重視する階層型ストレージに関心がある組織にとって費用対効果の高い
ソリューションです。
多くの組織が、保存データのタイプを調査すると、膨大な数のファイルがほとんどアクセスされていない
ことを発見します。これらの多くは個人用であり、文書、画像、音楽、ビデオなど、多様なファイルで
す。また、何度もコピーされたファイル、古くなって価値がなくなったファイル、複数のバージョンが
あって価値がなくなったデータも存在します。
FATAディスクドライブを使用したEVAは、HPアダプティブ・エンタープライズの重要なコンポーネントで
あり、ユーザデータのILMの基礎を形成しています。同じ設置面積と機能を持つ低価格のテクノロジで既
存のテクノロジを補強することで、コスト管理と投資収益率の最大化が容易になります。ユーザは、アプ
リケーションのストレージ要件に適したリソースを選択することができます。
EVA階層型ストレージへの単純な移行手順
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ビジネスニーズを達成するデータ分類管理ポリシーと実装ポリシーを策定します。
重要なアプリケーションを適切なオンラインおよびニアオンライン・ストレージプールに分類します。
オンラインおよびニアオンラインプールの容量要件を特定します。
同じフレーム内のオンラインおよびニアオンラインプールにEVAストレージを統合します。
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EVAにおけるFATAディスクの利点
EVAのフレーム内にFATAディスクとFC-ALディスクを配備できるため、サービス品質が向上し、リスクが
軽減されます。
このようなディスクドライブの使用により、テクノロジを簡単に適応させることができ、変更を簡単に実
装できるため、組織はより一層アダプティブ・エンタープライズに近づくことができます。さらに、同じ
設置面積でのテクノロジのコスト低下と既存デバイスの使用拡大により、お客様は、資産の価値を高め、
運用効率を改善することができます。
性能と容量の統合
EVAでFATAディスクを使用すると、アレイの中に「容量」ストレージクラスが実現され、ドライブが性能
重視か容量重視かを問わず、ストレージソフトウェアとの円滑な稼動を望むユーザに、非常に価値が高い
ソリューションを提供します。さらに、既存のEVAハードウェア・インフラストラクチャを使用して同じ
フレーム内に階層型ストレージを統合および提供するHPソリューションにより、データセンタの複雑化を
防止します。
FATAとデータ可用性は矛盾しない
FATAドライブは、意図された目的(それほど頻繁にデータにアクセスしないデータ複製、データアーカイ
ブ、データ参照のようなアプリケーション)で使用する場合、故障率がFC-ALディスクドライブに匹敵し
ます。さらに、データ可用性について、FATAドライブは、FC-ALディスクと同じように管理され、EVAの
仮想化方式、データ配置アルゴリズム、予備ディスクポリシーによってサポートされています。そのた
め、低価格のFATAディスクドライブは、意図された目的で使用する場合、データ保護とアプリケーション
可用性が低下しません。
結論
IT管理者は、すべてのデータが同じ価値を持ち、同じ性能を必要とするわけではないことを認識していま
す。加えて、業界アナリストは、今後数年のうちに、低価格のバルク・ディスク・ストレージの必要性が
大幅に増加すると予測しています。
HP StorageWorks Enterprise Virtual Arrayは、同じフレーム内でFC-ALディスク、FATAディスク、または両
方の組み合わせをサポートできるため、投資を保護し、ストレージ・インフラストラクチャの効率を改善
したい組織にソリューションを提供します。
お客様は、EVAに階層型ストレージを実装することで、要件準拠、コスト削減、運用効率の改善、ビジネ
ス目標とIT戦略の整合化に適合する、管理が簡単なストレージと単純化されたプロセスという利点を得る
ことができます。
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5982-7353EN、2004年7月
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