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シリコーンコンシェルジュ4号
ニュースレター シリコーン・コンシェルジュ August 2007 4 No. 本ニュースレターでは、東レ・ダウコーニングのシリコーン製品に関する情報や技術解説、 企業情報、シリコーン素材業界全体の最新動向、などをお伝えしていきます。 CONTENTS 目次 TOPICS 特 集 業界動向 ひ と ダウコーニング・サステナビリティー・レポート p.1 化粧品用シリコーンの用途別ガイドが好評 多機能化する機能とニーズにあわせてカタログも提案型に p.2 ターボチャージャーのホースに使われるシリコーン ヨーロッパのディーゼル車普及が追い風に p.3 eBIGインダストリー グローバルエグゼクティブディレクター ダウコーニングという大きなファミリー p.4 ［本資料に関する問い合わせ先］ 東レ・ダウコーニング株式会社 〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-1-3 広報担当 高杉記子 Tel : 03-3287-8439 Web : www.dowcorning.co.jp AIGビル コンシェルジュとは： ホテルなどで、お客様の色々なリクエストや問題に対し、希望・事情をよく聴き、 豊富な知識や経験を基に最適のアドバイスや解決法を提供する人を意味します。 August 2007 TOPICS 4 No. ダウコーニング・サステナビリティー・レポート ∼資源節約のため、今年からWebサイトのみの報告スタイルに∼ ダウコーニングでは、毎年、当社を含む全世界に拠点をおくダウコーニングに関するCSR活動を 報告したサステナビリティー・レポートを発行している。従来は、冊子として配布されていたが、 社員からの提言で、今回発行された2006年度の活動をまとめたものから、Webサイトのみでのレポ ートとなった。これにより全世界の社員約9000部の紙資源の節約が実現した。このレポートは日本 語を含む全９ヶ国語で発行されている。 レポート内では、環境へ配慮した資源の節約や廃棄物削減の取り組み、社会的責任を果たすための 地域活動など、以下のような各国でのさまざまな事例を紹介している。以下は、その中の一例である。 ■ 廃棄物処理費用の削減と業務効率の改善： 米国エリザベスタウン工場では、包装ラインにおける 様々な提案の実施により、生産を60%増加しながら包装廃棄物を40%も削減することに成功した。 ■ 環境にも人にも優しいジーンズのための新技術： ジーンズに柔らかい風合いを持たせるために、 従来は大量の水を使った仕上げが必要だったが、ダウコーニングとインドのデニム加工会社は、最終 工程に必要な水やエネルギーの量を減らし、生産性を高められる新技術を開発、水の消費量を30∼ 50％削減できる見通しを得た。 ■ 未来の科学者たちに実験室を提供：ダウコーニング工場があるインド・プネの村にある、約100名 の生徒が通う学校に、学校と協力して、学生の授業に役立つ実験室を設置した。それまで生徒たちが 実験室で実験を行う機会は、年に１度、移動式実験室がやってくるとき以外なかったが、この実験室 により、学生たちにとって科学がより身近なものになることを期待している。 ■ ソーラーパネル電力スコアボード：ダウコーニングと、ダウコーニングの合弁企業であるヘムロッ ク セミコンダクター コーポレーション（HSC）は、ミシガン州ミッドランドに新設されたダウダイ アモンド球場に、168枚のソーラーパネルを寄付した。これらのソーラーパネルは、スタジアムの主 電力網に接続され、スタジアムの巨大な最先端スコアボードの稼動に十分な電力を１年中発電するこ とになる。 ■ 社員を尊重する職場環境：ダウコーニングのスネッフ工場は、ベルギーの働きたい会社の５位に選 ばれ、またブラジルでも働きたい会社ベスト100にランクイン、アメリカでは２年連続してワーキン グ・マザーが働きやすい会社ベスト100に選ばれた。 昨年の日本での環境や社会への取り組みは、残念ながら今回のレポー トには採用されなかったが、世界各国でのさまざまな活動はダウコーニ ングの一員としての誇りである。2007年度、当社では、子供や一般の方 にシリコーンを理解してもらい啓蒙するためのWebサイト「シリコー ンきっず」の立ち上げや、女性のワークライフバランスに関連する様々 なトピックに耳を傾け語り合い、それぞれの価値・能力を高めあうこと で社会と組織の多様性に貢献することを目的とした活動「ジャパン・ウ ィメンズ・ネットワーク」など、さまざまな取り組みを開始した。来年 のサステナビリティー・レポートで、紹介されるような、充実したもの にしていきたい。 □ 1 □ August 2007 特 集 4 No. 化粧品用シリコーンの用途別ガイドが好評 多機能化する機能とニーズにあわせてカタログも提案型に 当社では、従来から化粧品用のシリコーンについて、製品一覧表の形でまとめたカタログを 用意していたが、この度、化粧品用製品群を用途別にまとめ、処方の提案まで含めた「セレク ションガイド」を制作、顧客向けに配布を開始した。写真やイラストを多用して解説している ため、展示会などでも手にする人が多く、早くも在庫がなくなったほどである。 ■ 配合処方や活用法を提案することで需要を喚起 かつては、化粧品にシリコーンを配合する場合、簡単な構造のものを一種類のみ使用、目的も感 触を滑らかにするため、など限定的な利用が多かった。しかし、近年ではシリコーンへのニーズが 多様化しており、機能面でも感触の改善や、高度な乳化剤など多目的に利用されており、複数の特 性を発揮するため、配合されるシリコーンも、2種類以上になることが増えている。もちろん対象と なる商品も、シャンプーやサンスクリーン、化粧水、コスメティクスなど多岐にわたる。 しかし、シリコーン以外にも様々な技術・素材が関連する化粧品の開発現場では、企画・開発担 当者が「シリコーン」について必ずしも熟知しているわけではない。そこでシリコーンの専門家で ある我々が、こうしたガイドを通じて、化粧品に付加価値を与え、差別化を図れるよう、新しいシ リコーン活用方法や、その配合処方の提案を行なっていく必要があると考えた。また、化粧品メー カーの開発担当の新入社員へ向け、化粧品におけるシリコーンの啓蒙にも役立つと考えている。 常温添加・攪拌での 物性コントロール 制作したセレクション ガイド5種類 ・ ・ ・ ・ ・ ヘアケア用シリコーン 乳化剤 増粘・ゲル化・固化剤 油剤・皮膜形成・ワックス シリコーンエラストマー アクリルポリマーブレンドの紹介 ヘアケア用シリコーンの多様化 乳化しにくい油 剤を、常温の攪 拌で乳化させ、 簡単に水性のク リームなどを作 ることが可能 様々なシリコーン製品を組み合わせることで、 ドライ時、ウェット時、仕上がり感のバランス を追求することが可能 本セレクションガイドは当社ＷＥＢサイトのカタログページ、http://www.dowcorning.co.jp/ja_JP/content/japan/japanproducts/jp_tdcs_ common_catalog.asp 内のライフサイエンスの項からダウンロード可能です。 □ 2 □ August 2007 業界動向 4 No. ターボチャージャーのホースに使われるシリコーン ヨーロッパのディーゼル車普及が追い風に シリコーンは様々な製品が高機能化や高付加価値化するときに必要とされることが多いが、 環境対策が重視される自動車でも新たな用途が開拓されつつある。その一例がターボチャージ ャー（以下ターボ）のホースである。 ターボというと日本では特殊な機構のように思われるが、実はヨーロッパでは搭載率が高い。 これはターボを必要とするディーゼル車の普及度が高いためで、新車販売に占めるディーゼル 車の割合は約50％に達すると言われている。 内層： フロロシリコーン 温度による物性変化が小さいシリコーンを活用 アラミド繊維 200℃を超える耐熱性が求められるホース 近年のエンジンはコンパクトで高密度な設計と、高出力が求められ る傾向があるため、ターボホースの要求温度も上昇し、200℃を超える 耐熱性が求められ始めている。現在一般的には内側はフッ素ゴム、外 側はシリコーンゴムになった二層構造が用いられ、燃料ガスが直接触 外層： シリコーン れる内部にはフッ素ゴムが使用されている。 しかし最近ヨーロッパで普及してきたのが、ホースの内側を燃料ガ スに強いフロロシリコーンゴム、外側が通常のシリコーンゴム、とい シリコーンの二層構造 うシリコーン素材だけでできた構造だ（図参照）。フッ素ゴムと違い、フロロシリコーンは柔軟性に 優れることから、防振・防音性の改善も期待され、レイアウト上の自由度も向上する。また、従来 のフッ素とシリコーンの組み合わせでは、接着が難しかったが、新たに開発したフロロシリコーン ゴムは外側のシリコーンゴムとの接着性がよい。フロロシリコーンゴムは温度による物性変化が小 さく幅広い温度領域で物理特性が安定している。特に耐寒性に優れ−40℃でも柔軟性を失わない。 一方、高温雰囲気下でもフッ素ゴムと同等の物理特性を有している。 ■ 日本でも環境対応車への活用を提案 国内に目を向けると、まだディーゼルの乗用車は少ないが、環境技術の大幅な向上によりハイブリ ッド車に続く環境対応車として見直されつつあり、各社がディーゼル車の検討を本格化させている。 また、小排気量のガソリンエンジンにターボを装着して、燃費のメリットを維持しながら出力アップ をはかる技術も開発されており、ターボチャージャーの需要は増加すると考えられる。こうした用途 でのシリコーンの活用は、まだ日本のメーカーではほとんど知られていないため、当社では積極的に 採用を働きかけていく考えである。 「自動車ソリューション」ページ始動 当社Webサイト内に「自動車ソリューション」のページを立ち上げました。ボディ、 電装部品など必要な用途を選べば、利用可能な製品を選ぶことができるようになってい ます。高密度化する電子回路の放熱や、今回ご紹介したターボチャージャーのホースな ど、シリコーンが活用される場面は多岐に渡ります。ぜひ一度ご覧ください。 http://www.dowcorning.co.jp/ja_JP/content/auto/ □ 3 □ August 2007 ひ と 4 No. 東レ・ダウコーニング（株）参事 兼 ダウコーニング社 eBIGインダストリー グローバルエグゼクティブディレクター 桜井恵理子 ■ ダウコーニングという大きなファミリー 東レ・ダウコーニング（株）という枠を越え、ダウコーニング社のeBIG （Expertise Based Industry Group）と呼んでいる事業部を任されています。ダウコーニング社は、グロ ーバルな組織体制を基本としており、個々のインダストリー（事業部）が世界各国の社員で構成されて います。私のリードするeBIG事業部は、特殊潤滑剤モリコート® 製品や、電気機器やOA機器に使われる 高機能シーリング剤を主に取り扱っており、日本の部隊は、モリコート営業部門として活動しています。 私の生活ベースは日本にありますが、仕事では世界全体のマーケットを見ていますので、勤務の半分 は世界各地での会議や顧客訪問をしており、日本に居ても海外とのやり取りが多いですね。もっとも、 ダウコーニング社のオフィスに行くのは、海外出張と言うよりは各国にある自分 の職場に出かけるような感じがしています。これは、ダウコーニング社の社員は とても話しかけやすく、また人が何を欲しているのか気に掛けてくれるフレンド リーな人が多いからでしょうか。会社全体が大きなファミリーのような感じで、 各国のスタッフとはプライベートでも仲良くしています。ステファニー・バーン ズCEOをはじめ多くの女性が活躍し、色々助言してくれることも嬉しいですね。 私も東レ・ダウコーニング（株）の女性社員に対するサポートについて考えます ベルギーの社員の自宅で一緒に夕食の支度中 し、できるだけ話し合う場を持つようにしています。 ■ 加速する発展のスピード つい最近、新しい市場を見るために、ベトナムやロシア、東欧を見てきました。各国で優位なポジシ ョンを取るためには市場に一番に参入することが必要と考えるからです。かつては国の経済成長ととも に伸びる分野は、（当社の関連分野で見ると）生活の基礎となる「家（建築） 」、生活を楽しむための「化 粧品」、最後に贅沢品でもある「デジタル機器（携帯電話など）」という順でしたが、今は途上国の人で も、いきなり最新の携帯電話を持ってしまう、という現象が起きています。一般に言われていることか もしれませんが、当社製品の用途をみていても、改めてそれを認識させられます。 ■「滑らす」だけではない潤滑剤 モリコート特殊潤滑剤は、単に「すべりをよくするもの」ではなく、実際に果たす役割は様々です。 ホンの少しの最適なモリコートを使用することで、摩耗が減り、動きがスムースになり、 「エネルギー効 率アップ」「装置の長寿命」「粉塵防止」などを実現し、お客様の作られる製品や生産工程の環境対応に も役立ちます。こういった部分はもっと理解され、活用されて良い部分だと思いますので、一度サステ ナビリティの視点でまとめ、発表しようかと考えています。また、ウェブサイト、www.molykote.jpを もっと充実させ、色んな情報、サービス提供をしたいと思っていますので、どうぞ宜しくお願いします。 編集後記 先日、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」にて“身近に！シリコーンの可能性とは？”と いう特集が組まれ、その中で当社が紹介されました。シャンプーや化粧水など、肌に触れるものにシリ コーンが使用され、その感触をサラサラにしたり、ツルツルにしたり、シリコーンならではの付加価値 が与えらえることに、キャスターの方々が驚いていました。このニュースレターでも、当社について知 っていただくことはもちろん、「えっそんなところにも、シリコーンが！？」という新鮮な驚きと感動を 広報担当 高杉記子 たくさんお伝えできればと思っています。 表紙使用画像No.：AV03062, AV04872, AV06080, AV07439 □ 4 □