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2011事業報告 PDF
聖心女子大学平成23年度事業報告書
Ⅰ.法人の概要
1.設置する学校名・所属機関名及び所在地(平成 24 年 3 月 31 日現在)
聖心女子大学
〒150-8938 東京都渋谷区広尾 4-3-1
聖心女子専門学校
〒108-0072 東京都港区白金 4-11-1
札幌聖心女子学院
〒064-8540 北海道札幌市中央区宮の森 2 条 16-10-1
聖心女子学院
〒108-0072 東京都港区白金 4-11-1
不二聖心女子学院
〒410-1126 静岡県裾野市桃園 198
小林聖心女子学院
〒665-0073 兵庫県宝塚市塔の町 3-113
聖心インターナショナルスクール
〒150-0012 東京都渋谷区広尾 4-3-1
2.役員・評議員の概要(平成 24 年 3 月 31 日現在)
1) 役
〔理
員
事〕 10 人
理事長
宇野三惠子
常務理事
菅野
理
岡崎 淑子
事
啓
長野 興子
大山江理子
棚瀬佐知子
山下まち子
高橋登志子
岩井 慶子
勝又 英子
〔監
事〕 2 人
小林 一雅
丹保 憲仁
2)評 議 員
長野興子他 23 名
Ⅱ.聖心女子大学の概要
1.教育理念
聖心女子大学は、マグダレナ・ソフィア・バラが 1801 年にフランスで創立した聖心女子学院の教育
理念に基づいて設立された大学である。
その教育理念は、一人一人の人間をかけがえのない存在として愛するキリストの聖心(みこころ)に
学び、自ら求めた学業を修め、その成果をもって社会との関わりを深めることにある。この精神(「聖
心スピリット」
)は、世界各地の聖心姉妹校に共通するものである。
本学は、この建学の精神に基づき、
・高度な学術的・専門的知識の探究を通じ、新たな知の世界を切り拓く創造力と批判力を養い、
それにより高められる豊かな教養を備えた人間を育成する。
・個としての自己を確立し、かつ地球を共有する人類の一員として世界を視(み)、人々と交わ
り、そしてこれらの重要な関心事に自ら関わることのできる広い視野、感受性、柔軟性および
実践的な行動力を持つ人間を育成する。
・社会の急激な変動に対応できる思考力と判断力を持ち、現代のみならず、未来に向けても自ら
の考えを自らの言葉で発信できる人間を育成する。
この目標を実現するために、大学・教職員・学生・卒業生は、一体となって聖心の教育コミュニテ
ィーを形成する。大学及び教職員は常に研究・教育水準の向上に努め、学生及び卒業生は、その育ま
れた資質や成果を、在学時に培われた「聖心スピリット」とともに広く社会に還元できるよう、それ
ぞれにおいてその責任と積極性が求められるものである。
この教育理念を実現するために、本学は学士課程教育における 3 つの方針(学位授与の方針、教育
課程編成・実施の方針、入学者受け入れの方針)を明確に定め、大学ホームページに公開している。
2.沿革
1916(大正 5)年
私立聖心女子学院高等専門学校開校(昭和 19 年 聖心女子学院専門学校と
改称)
1948(昭和 23)年
聖心女子大学開学。文学部(外国語外国文学科、国語国文学科、歴史社会学科、
哲学科)設置
エリザベス・ブリット学長就任
1949(昭和 24)年
小林分校(一般教育 2 年課程 兵庫県宝塚市)設置
1951(昭和 26)年
文学部教育学科設置
1952(昭和 27)年
大学院文学研究科(修士課程)設置
1957(昭和 32)年
教育学科専攻設置(教育・心理学専攻、初等教育学専攻)
(英文学専攻、国文学専攻、史学専攻)
キリスト教文化研究所設置
1966(昭和 41)年
小林分校廃止(東京本校に統合)
1967(昭和 42)年
エリザベス・ブリット学長辞任
1975(昭和 50)年
三好切子学長辞任
1983(昭和 58)年
相良惟一学長任期満了退任 内山孝子学長就任
1991(平成 3) 年
国語国文学科を日本語日本文学科に名称変更
1993(平成 5) 年
内山孝子学長任期満了退任
1995(平成 7) 年
大学院文学研究科の国文学専攻を日本文学専攻に名称変更
三好切子学長就任
相良惟一学長就任
中川徹子学長就任
大学院文学研究科人間科学専攻(修士課程)設置
1997(平成 9) 年
大学院文学研究科人間科学専攻(博士後期課程)設置<同修士課程を博士前期
課程に改称>
1998(平成 10)年
創立五十周年記念式典挙行
2
1999(平成 11)年
大学院文学研究科哲学専攻(修士課程)設置
2000(平成 12)年
心理教育相談所設置
2001(平成 13)年
中川徹子学長任期満了退任
山縣喜代学長就任
大学院文学研究科人文学専攻(博士後期課程)設置
2003(平成 15)年
大学基準協会の相互評価の結果、大学基準に適合認定
2004(平成 16)年
大学院文学研究科社会文化学専攻(修士課程)設置
大学院文学研究科の英文学専攻を英語英文学専攻に、日本文学専攻を日本語
日本文学専攻に名称変更
副専攻多文化宗教共生開設
2005(平成 17)年
副専攻ジェンダー学開設
2006(平成 18)年
大学院文学研究科社会文化学専攻(博士後期課程)設置<同修士課程を博士前
期課程に改称>
2007(平成 19)年
外国語外国文学科を英語英文学科に名称変更
山縣喜代学長辞任 寺中平治学長就任
2008(平成 20)年
副専攻ボランティア研究開設
2010(平成 22)年
大学基準協会の認証評価の結果、大学基準に適合認定
2011(平成 23)年
寺中平治学長任期満了退任 岡崎淑子学長就任
3.設置する学部・学科等(平成 24 年 3 月 31 日現在)
■ 学部
英語英文学科
日本語日本文学科
文
学 部
歴史社会学科
(史学専攻、人間関係専攻、国際交流専攻)
哲学科
教育学科
教育・心理学専攻(教育学専攻、心理学専攻)
初等教育学専攻
■ 大学院
英語英文学専攻
日本語日本文学専攻
修士・
史学専攻
博士前期課程
社会文化学専攻
哲学専攻
文学研究科
人間科学専攻
人文学専攻
博士後期課程
社会文化学専攻
人間科学専攻
3
4.学部・学科等の入学定員、在籍学生数の状況(平成 23 年 5 月 1 日現在)
入学定員
学
科・専 攻
入学定員
2 年次編
収容定員
在籍学生
入学定員
540 名
基礎課程
英語英文学科(※)
323 名
90 名
6名
378 名
45 名
6名
198 名
174 名
170 名
6名
698 名
643 名
40 名
4名
172 名
149 名
85 名
8名
364 名
20 名
―
80 名
450 名
30 名
1,890 名
2,244 名
10 名
20 名
2名
日本語日本文学専攻
5名
10 名
9名
史学専攻
5名
10 名
15 名
社会文化学専攻
6名
12 名
6名
哲学専攻
6名
12 名
5名
12 名
24 名
25 名
44 名
88 名
62 名
人文学専攻
4名
12 名
11 名
社会文化学専攻
2名
6名
3名
人間科学専攻
2名
6名
3名
8名
24 名
17 名
50 名
112 名
79 名
530 名
2,002 名
2,323 名
外国語外国文学科(※)
日本語日本文学科
5名
文学部
学
歴史社会学科(史学専攻)
(人間関係専攻)
部
(国際交流専攻)
哲学科
教育学科 教育・心理学専攻
(教育学専攻)
(心理学専攻)
初等教育学専攻
学部計
英語英文学専攻
修士・博士前期課程
学
文学研究科
大
人間科学専攻
博士後期課程
院
小
小
計
計
大学院計
学部・大学院合計
410 名
※学科名称変更に伴い、平成 19 年度以降入学者は、「英語英文学科」、平成 18 年度以前入学者は
「外国語外国文学科」に所属。
4
5.教職員の概要(平成 23 年 5 月 1 日現在)
■ 教員(外国人客員教員を含む)
教
授
准 教 授
講
師
合
計
長
1名
1名
副 学 長
3名
3名
文 学 部
40 名
学
13 名
12 名
65 名
■ 職員(常勤嘱託職員を含む)
事 務 系
技術技能系
58 名
医 療 系
1名
その他
2名
4名
合
計
65 名
Ⅲ.聖心女子大学の当該年度の事業の概要
1.教学関係の改革の推進
■ 学部
グローバル化する 21 世紀の知識基盤社会のなかで特色ある私立大学として学士課程教育を充実させ
ることにより、社会からの信頼と学生の要望に応え、実効性と国際的通用性のある教育課程を構築する。
その一環として、平成 23 年度において、次の事項について取組みを進めた。
1)学部カリキュラム内容(科目群)の整理と充実
①本学のカリキュラム(科目群)は大きく「全学共通分野」、
「専攻分野」、
「関連分野」の3系列に分か
れている。この「関連分野」の機能をさらに充実させるため、平成 22 年度中に「総合現代教養科目」
や「副専攻関連科目」の位置づけや構造などを教育目標との関係から整理したことを受け、平成 23
年度には円滑な履修移行に向けてのカリキュラム詳細を確定した。また、平成 24 年度入学者から適
用するために履修要覧等のわかり易い記載方法について検討を重ねた。
②平成 18 年度から開始された科目「基礎課程演習」は、本学の初年次教育の柱として位置づけている。
本学の学修における基礎的なスキルを受講生全員が等しく身につけるだけでなく、各担当教員の専門
性を活かした演習とするために、全専任教員が科目「基礎課程演習」の趣旨ならびに授業方法に関す
るガイドラインを改めて確認した。また、導入教育の一環として平成 22 年度入学者から始まったワ
ークブックを初年次教育に繋げるべく、平成 23 年度入学者のワークブック取組み結果のデータ分析
を行い、有効な連携を図る具体的な方策について検討した。
③「総合現代教養科目」として開設するキャリア関連科目について、平成 23 年度はキャリア委員会と
連携のうえ 2 クラス増設し、約 80 名の受講生を得た。
2)効果的な教育のための運営体制の充実
①「総合現代教養科目」や学科横断型副専攻の授業科目は、特定の学科専攻を開設主体とせず、運営は
教務委員会が担当する形式を採用している。また、専門性の高い兼任教員(非常勤教員)の比率も高
い。このため、平成 23 年度からは新たに教務委員会が運営主体となる「総合現代教養研究室」を設
置して「総合現代教養科目」や学科横断型副専攻の充実を図るとともに今後の効果的な教育について
5
検討を重ねた。
②平成 23 年度も教員のニーズに基づき、授業改善を目的とした講習会を開催した。また、FDの一環
として、各学科専攻の意欲的な取組みについて周知を図るべく教務委員会を通して広く教員に情報を
提供した。
■ 大学院
平成 23 年 1 月の中央教育審議会答申「グローバル化社会の大学院教育~世界の多様な分野で大学院修了
者が活躍するために」をふまえ、平成 23 年度には以下の取組みを行った。
1)大学院教育の改善・充実
①大学院として取り組む効果的なFDの一環として、平成 22 年度に大学院学生に対して実施した教
育・研究指導法の改善及び教育研究環境の整備等に関するアンケート結果の分析に基づき、平成 23
年度は大学院の教育・研究指導及び環境に関わる改善点を検討し、可能な事柄から順次改善を行って
いる。
②大学院における広報活動を更に積極的に推進するとともに社会人学生のニーズに応じて大学院教育
を提供できるよう、大学院設置基準第 14 条の教育方法の特例により夜間その他の特定の時間におい
て研究指導を行うことについて検討を重ねた。平成 24 年度実施に向けて取り組む予定である。
2)大学院学生等への支援、強化
①大学院学生の研究活動支援の一環として、TA制度の待遇面での改善を図るとともに、リサーチ・ア
シスタント(RA)制度を発足させ新たに募集・採用を開始した。
②学位授与者や満期退学者への研究支援・研究交流を促進する観点から、聖心女子大学特別研究員
(Research Fellow)規程の改定により対象者の範囲を拡充し、新たな特別研究員として 7 名の受入
を実施した。
■ 学生の受け入れ
1)学生の募集計画
①学生募集広報活動では、ホームページによる広報に力を入れ、ニュースの更新頻度を増加させる等の
工夫を行い、ほぼ毎日の更新を実現し、学内進学相談会の参加者増に注力した。
②不本意入学層の減少と第一志望による入学者数の増加を目的に、推薦入学及びアドミッションズ・オ
フィス入試といった第一志望者に限定した入試による入学者確保に注力した。
③姉妹校の本学に対する理解の浸透を目的として、姉妹校生徒を対象とする来学説明会の際、姉妹校教
員を本学へ派遣することを要請、一方で姉妹校への大学教員の出張模擬授業の回数増加を実現するな
ど、学生募集面での姉妹校との連携を一層強化した。
④東日本大震災での被災者に対する学費等納付金の減免措置の告知方法として、ホームページおよび全
募集要項への掲載などを行った。
2)入試のあり方等
全ての入学者選抜方法について、各入試の選抜終了後に、当該入試が公正、安全、確実に実施された
か否かの検討を行った。
入学試験の実施にあたっては、東日本大震災の発生を受けて、受験生に対して避難経路の確認を全入
学試験で行うなどの対応を行った。また、前年度他大学において発生した電子的な不正(携帯電話に
よる試験時間中の外部との連絡)への対応策も検討し実施した。
6
■生涯学習
教養講座は、生涯教育への取組みの一環として、学科専攻の輪番制で開講しているが、平成 23 年度
は教育学科心理学専攻による講演会「変えてみよう!記憶とのつきあい方」を開催し、卒業生はじめ多
くの参加者があった。
また、キリスト教文化研究所においては、卒業生や一般社会人のために通年講義形式の公開ゼミナー
ルを開講しており、平成 23 年度は 11 講座を開講し、約 170 名の受講者があった。
2.教育支援・学生支援活動関係
1)学生支援の充実
①1年次センター長を中心として、1年次センターの整備・充実を図った。特にジェネラル・レクチャ
ーの見直しと強化を行った結果、年間を通じて高い出席率を保持することができた。
②外国人留学生に対する奨学金の給付等の支援を含めた奨学事業を行ったほか、東日本大震災の被災者
を対象として学費減免措置を 13 名の学生に対して行った。
③心身の障害や経済的問題など様々なトラブルを抱えている学生に対するきめ細かな支援を、継続した。
2)キャリア教育・キャリア形成支援教育の充実
低学年のキャリア形成支援の充実を目指し、「総合現代教養科目」群の中に平成22年度に新設した
「キャリアデザイン入門」のコマ数を増やした。
さらに、授業を能動的に受講することがその後のキャリアにつながっていくことへの自覚を促すために、
1年次生対象のジェネラル・レクチャーにおいて、「本学での学びと卒業後の活動」というタイトルでキャリ
アセンター長による講演を実施した。
また、平成21年度に採択された文部科学省「大学教育・学生支援推進事業」(学生支援推進プログ
ラム)により、本年度もキャリアカウンセラーをキャリアセンター内に常駐させることによって、キャリアセン
ターの学生指導とカウンセリングとの連携を可能にした。また、学生一人ひとりの状況に合わせた個別
指導をより充実させたほか、全学的なセミナーも実施した。
3)国際交流活動の推進
国際センターを中心として以下の活動を行った。
海外協定校への留学(11 名)及び夏期休暇を利用した海外語学研修(12 校 99 名)の学生を派遣
した。更に本年度から新たにスタートした春期スペイン語研修に 7 名の学生を派遣した。また交換・
短期留学生 23 名を受け入れ、学部留学生を含めて外国人留学生に対してきめ細やかな指導、支援を
継続して行った。
「English Summer Camp」
(国内英語集中講座)は、20 名の学生が参加し、英語英文学科教員の
指導のもと、3 泊 4 日の研修を実施した。
本学学生の国際的視野の育成を支援するために、留学生と日本人学生の共同作業による
「International Week」
(前期・後期計2回)、学生ワークショップ(前期・後期計2回)、平成 22 年
度留学体験者による座談会、
「外国人留学生による日本語スピーチ」(前期・後期計2回)を開催し
た。また英語運用能力を向上させる支援として、
「Lunch in English」
(週1回、国際センターにて
昼食をとりながら英語で話す)及び CASEC テスト(オンラインで行う英語コミュニケーション能
力判定テスト)を行った。国際的な内容を学べる学内での行事ならびに講演会等を知らせる情報カ
レンダー(毎月)及び Newsletter(年4回)を発行して、学生が継続的にグローバルな視点で問題
意識を持ち、知識を深めることを支援した。
7
4)マグダレナ・ソフィアセンターの活動内容の充実
平成 22 年 10 月より学生食堂で行っている2つのプロジェクトーTABLE FOR TWO 事業(毎週火
曜)
・割り箸活用事業(
「和RE箸大作戦」毎週木曜)-を継続して実施した。割り箸活用事業では、
学内関係者、NPO、企業との連携を強化し、さらにイラストレーターによる「ワリコミマンガ」の
連載展示や、聖心祭での和RE箸導入などを通して、学生や教職員等への周知や利用拡大に努めた。
東日本大震災の復興支援では、全学生向け「ボランティア・ガイドライン」の作成と配布、ボラン
ティア初心者向け「被災地ボランティア説明会」の実施のほか、被災地でボランティアをした卒業生
を講師に招いた交流会(
「ランチ・トーク~被災地ボランティア体験を語る~」)や、被災地で長期に
支援活動を続けている方を講師に招いた講演会(「変わりゆく被災地~僕が見てきた、この8カ月~」
)
を実施した。その他、募金活動やチャリティコンサートを企画・実施した課外活動団体や、救援物資
の募集活動や子ども用フェルト玩具作りを実施した有志の学生たちへの支援を行った。
5)健康支援の充実
健康サービスセンター内の二部署の合同勉強会を継続し、健康サービス委員会とも連携して学生・
教職員の心身のケア支援のために「こころとからだの健康ハンドブック」を発行した。
健康診断後のフォローアップを適切に実施し、異常の早期発見や健康増進に役立てることができた。
6)図書館学習支援機能の充実
ラーニング・コモンズとしての Sunway Room が学生利用者に好評を博しているが、学士課程答申
との関連から図書館に求められる教育学習支援機能の整備充実を図った。学生コンシェルジュとして
採用した大学院学生 2 名が、学部生のレポート作成指導を担当した。情報リテラシー教育は、基礎課
程演習全 27 クラスで実施するとともに、卒業論文文献検索に向けたガイダンスをゼミ単位で開催し
た。また、目安箱、メッセージ・ボード、ホームページに開設した「利用者からの声」コーナーに寄
せられた要望に迅速に対応することで、図書館サービスの改善を行った。
7)メディア学習支援センターにおける学習環境の整備と学習支援活動の充実
メディア学習支援センターの G 室に最新のノートパソコンを 40 台新規購入し、プロジェクタや無
線 LAN など最新の設備を整え、主として情報教育の演習等に活用できるようにした。それに伴い、
D 室に時間設定や IC カードで開錠できる電子錠を整備し、学生が自主的に自由に使える学習できる
オープン利用室として開放することにした。印刷には、自動プリント課金システムを導入してプリペ
イドカードによる支払いとし、人手をかけなくても済むようにした。これらの状況については、専用
のホームページを作成して公開している。
メディア学習支援センター開設の授業科目として、情報活用演習 14 クラス(主として1年生、約
400 名が履修)と、中級者向けの情報ネットワーク演習(主として 2 年生 15 名が履修)を開講して、
情報教育の充実を図った。また、平成 24 年 2 月には教員向けのネットワーク活用講座を企画し、FD
委員会の主催で実施した。
各室の利用状況について、A 室における英語のメディア学習はさらに教材の整備を進め、1年生全
員が自由時間に学習した。施設の利用時間は分散し、満室が緩和されるようになり、学生からの評判
も良い。また、C~F 室はメディアやネットワークを活用した多くの半期授業で活用された。その他、
春の基礎課程演習における図書館講習会(27 クラス)や単発での演習利用、夏の集中講義など、こ
こ数年多くの利用があり、学内に利便性が浸透してきたといえる。
学生に恒常的に技術指導やアドバイスを行うため、平成 22 年度から開設した学生メディア学習相
談室も、利用学生が少しずつ増加している。
8
3.研究活動と教育研究成果の公表
1)平成 23 年度科学研究費助成事業交付状況(新規採択及び継続の研究代表者分。学術研究助成基金助成
金を含む)
基盤研究 9 件
若手研究 2 件
特別研究員奨励費 2 件
科学研究費助成事業を始めとする各種競争的研究資金について、教員にきめ細かな情報を提供すると
ともに、申請書作成における事務処理の支援強化など、外部資金獲得に向けた積極的な取組みを行った。
2)平成 23 年度教員研究業績書のとりまとめ及び各種研究成果の発表
・平成 22 年度に引き続き本学教員の教育研究業績(教育活動及び授業評価・著書・論文・研究発表
等)一覧表を本学ホームページの情報公開のページに公開した。
・
『聖心女子大学論叢』No.117、118 刊行
・
『聖心女子大学大学院論集』No.40、41 刊行
・聖心女子大学キリスト教文化研究所紀要『宗教と文化』No.30 刊行
3) 本学の学術機関リポジトリの構築
本学教職員及び大学院学生等の研究成果の電子データを大学として組織的に収集・保存し、ウ
ェブでその本文情報を公開していく聖心女子大学学術リポジトリの構築を開始した。このこと
により、本学における学術成果物を電子的に収集・蓄積・保存し、ネットワークを通じて学内
及び国内外に無償で公開・提供することが可能となった。リポジトリの管理・運営は図書館が
行う。
4.施設・設備及び環境に関する計画
平成 20 年度に創立 60 周年を迎え、老朽化した施設・設備を維持するための補修工事、二酸化炭
素(CO2)の削減と省エネ化を図った旧式エアコン更新工事、消防設備の改善を図った防火戸改修工
事及び教室並びに学生食堂環境の改善補修工事などを実施した。
中長期的な施設設備充実に向けては、計画的な整備を実施するための「キャンパスマスタープラン」
の構築が必要となるが、平成 23 年度においては関連する建物・設備等の劣化状態などの現状把握と
課題の抽出に努め、特に老朽化しつつある重油ボイラー設備について、CO2 排出削減の取組みの一
環として、環境に配慮した改善策の検討を重ねた。
5.財政改革
「大学財務基本方針(草案)
」をふまえ、以下の点につき検討を進めた。
1)
「大学基金構想」について
国の寄附税制改正をふまえ、聖心女子大学振興基金(仮称)としての立上げにつき内容や特色等に
ついての検討を開始した。
2)2号基本金組入れに向けた取組み
学内諸施設の改修、改築に対応するため、平成 25 年度からの2号基本金への新規組入開始を計画
し、そのために帰属収支差額比率の段階的な改善を図るべく各収支の改善に注力しているところであ
る。
9
6.経営及び管理運営その他
1)東日本大震災による被災地被災者支援活動
学長の指示の下、本学としての支援活動を企画・サポートするプロジェクト・チームとして東日本
大震災復興支援活動推進会議を立ち上げ、マグダレナ・ソフィアセンターと協働して以下の活動を行
った。
・カトリック東京ボランティアセンター(CTVC)と連携した震災復興支援ボタンティアの派遣及び
報告会の実施
・各教員が専門的立場から震災に関連したテーマで話題を提供する特別連続講演(アフターランチ・
セッション)を企画実施
・2・11チャリティデー開催
2)広報活動
①大学の標語の策定について
大学全体の広報イメージを統一し、大学構成員全員が使用する大学の標語(キャッチ・フレーズ)
及びロゴマークの選定を開始した。
②大学に関する史資料の保存・整理・活用について
本学の歴史に関わる史資料を体系的に整理して目録化するとともに、音声・画像資料のデジタル化
に向けた方策を検討し、これらの史資料を学内外に向けての広報資料として活用することを目的に、
史資料の保存・整理・活用事業に係るプロジェクト・チームを発足させ、平成 24 年度から本格的な
活動を開始させることとした。
3)情報化への推進
情報化の推進を図るため、3号館4教室及び1年次センターに無線LANを設置し、学生等が使用
するパソコン等の情報機器を有効に活用できる環境を整備した。また、メディア学習支援センターの
学内LANオープン利用室の利便性を高めるため、施設を移設するとともに情報機器等を更新し、学
生が自由に利用して自学自習できる環境を整えた。
4)事務システム改革等
事務職員の人事評価制度の見直しを図るため、評価連絡会議のもとに評価ワーキンググループを立
ち上げ、そこで纏められた改善案をもとに評価制度の一部改正を行った。
5)学寮の管理運営等の改善
平成 23 年度の学寮生数は 244 名で、適正な収容人数による安定した運営を維持できた。教育寮と
しての性格を明確にすべく、学寮生が共同生活の中で互いを高め合うよう指導し、ブロックやフロア
内の問題を学生が自主的に解決することを奨励した。交換留学生・短期留学生の学寮への受入数を増
やしたことにより、寮における国際交流はさらに広範囲、充実したものになった。また、大学内の諸
組織、特に総務課、学生生活課、保健センター、学生相談室と日常的連携ができ、聖心会との交流は
学寮生、職員を含めて深まった。普通救命講習をはじめとする、災害救援ボランティア講習会には、
6 名の学寮生が参加したことを通して、学寮全体にも災害に対する意識が高まった。
6)自己点検・評価活動の進捗
本学の「聖心女子大学自己点検・評価規程」は、毎年度の自己点検・評価結果を点検・評価報告
書としてとりまとめ内外に公表することを規定している。平成 21 年度の大学評価申請と適合認定の
評価を受けた後、平成 21 年度以降、各学科専攻及び大学院各専攻並びに事務部門ともに毎年度、
『平
成 20 年度聖心女子大学点検・評価報告書』に記載された改善方策について、各年度末現在で未達成
10
であった項目等の改善に向けた取組み状況を当該年度の点検・評価報告書として取りまとめてきたが、
平成 23 年度においても『平成 23 年度聖心女子大学点検・評価報告書』としてとりまとめ、大学基礎
データとともに大学ホームページの情報公開のページに掲載し、広く公開した。
7)大学等の教育情報の公表の促進への対応について
平成 22 年 6 月 15 日に公布された学校教育法施行規則等の一部を改正する省令により、平成
23 年 4 月 1 日から、各大学等において公表すべき教育情報の項目が明確化された。それらの項目
は、大学の教育研究上の目的、教育研究上の基本組織、教員組織、教員の数並びに各教員が有す
る学位及び研究業績、学士課程教育の構築に向けた 3 つの方針、教育上の目的に応じ学生が修得
すべき知識及び能力に関する情報等、多岐にわたっている。本学はこの法改正の趣旨を踏まえ、
公表を求められた教育情報のすべてを平成 22 年度末までに大学ホームページの情報公開のペー
ジに公表し広く周知を図ったが、平成 23 年度においても継続してデータの更新及び公開を行い、
大学として、社会に対する説明責任を果たした。本学は今後とも、その教育の質を向上させる観
点から、教育情報の一層の公表を促進させていく。
7.教学に関するデータ
1)入学試験の状況(平成 24 入試年度入学試験)
■ 学部
入学定員
合
計
志願者数
450
受験者数
1416
1353
合格者数
入学手続者数
809
512
編入(2 年次)
編入学定員
合
計
志願者数
30
受験者数
37
35
合格者数
入学手続者数
19
11
再入学
再入学定員
志願者数
受験者数
合格者数
入学手続者数
1 年 次
-
0
0
0
0
2 年 次
-
0
0
0
0
3 年 次
-
0
0
0
0
4 年 次
-
0
0
0
0
11
■ 大学院
入学定員
文学研究 科
修士・博 士前期 課程
受験者数
合格者数 入学手続者数
3
3
2
2
日本語日本文学専攻
5
5(0)
4(0)
2(0)
2(0)
史学専攻
5
5
5
3
3
哲学専攻
6
4(0)
4(0)
4(0)
4(0)
社会文化学専攻
6
3(0)
2(0)
2(0)
2(0)
12
16(2)
16(2)
9(1)
7(1)
44
36(2)
34(2)
22(1)
20(1)
人文学専攻
4
3
3
3
社会文化学専攻
2
1(1)
1(1)
1(1)
1(1)
人間科学専攻
2
1(0)
1(0)
1(0)
1(0)
8
5(1)
5(1)
5(1)
5(1)
52
41(3)
39(3)
27(2)
25(2)
人間科学専攻
小
計
博士後期 課程
小
合
(
10
英語英文学専攻
志願者数
計
計
)内は社会人特別試験内数
12
3
2)卒業・修了者数(平成 23 年度)
■学部
■
学
大学院
卒業
科
者数
修士または博士前期課程
119
英語英文学科
57
日本語日本文学科
歴史社会学科(史学専攻)
(人間関係専攻)
文
学
部
205
(国際交流専攻)
36
哲学科
教育学科 教育・心理学専攻
126
543
計
研
科
者数
英語英文学専攻
1
日本語日本文学専攻
4
史学専攻
5
社会文化学専攻
3
哲学専攻
2
10
人間科学専攻
究
初等教育学専攻
合
学
計
博士後期課
(心理学専攻)
文
程
(教育学専攻)
修了
専 攻
人文学専攻
※2
社会文化学専攻
0
人間科学専攻
0
計
3)就職・進学状況(平成 23 年度)
学部人数
合計
大学院人数
就
職
450
19+満期退学 1
進
学
32
3
その他
61
3+満期退学 1
543
25+満期退学 2
合計
13
25
※大学院後期課程満期退学者
0
25
4)留学状況(平成 23 年度)
交換・推薦留学(派遣)
韓国
韓国カトリック大学
1
台湾
輔仁大学
2
アメリカ
カリフォルニア大学デイビス校
3
フランス
リヨン・カトリック大学
1
フランス
フランス国立東洋言語文化大学
(小計)
1
8
韓国カトリック大学
2
ソウル女子大学
2
台湾
輔仁大学
1
フランス
フランス国立東洋言語文化大学
(小計)
1
6
フランス
リヨン・カトリック大学
1
フランス
西部カトリック大学
1
イギリス
サセックス大学
1
タイ
マヒドール大学
交換留学(受入)
韓国
認定留学
1
4
(小計)
短期留学(受入)
前期
後期
韓国
白石大学
0
1
チェコ
カレル大学
3
2
イタリア
ヴェネツィア大学
2
4
台湾
輔仁大学
0
3
ハンガリー
ブタペスト大学
0
1
フランス
フランス国立東洋言語文化大学
(小計)
0
1
17
海外語学研修
アメリカ
カリフォルニア大学デイビス校
5
ペンシルベニア大学
イギリス
カナダ
韓国
18
サセックス大学
10
バース大学
15
ブリティッシュ・コロンビア大学
9
マギル大学
9
10
韓国カトリック大学
ソウル女子大学
2
台湾
輔仁大学
7
フランス
パリ・カトリック大学
8
リヨン・カトリック大学
2
ドイツ
ドレスデン工科大学
(小計)
合計
14
6
101
136
Ⅳ.聖心女子大学の当該年度の財務概要(平成 24 年 3 月 31 日現在)
概要の説明
平成23年度決算の主な内容は次のとおりである。
(前年度決算との比較)
(1)収入面では、補助金収入が18百万円の増加となったものの、学納金収入がマイナス58百万円、私
学財団からの退職交付金収入がマイナス79百万円と大きく減少しており、合計では約112百万円の
減収となった。
(2)支出面では、経費節減努力の効果もあり、前年度まで右肩上がりに増加してきた教育研究経費・管理
経費が合計で23百万円の減少となったほか、人件費が退職金を中心に92百万円の減少となった。ま
た、施設・設備関係支出では、3年計画の最終年となったメディア学習支援センター改修工事の14百
万円などがある。
以上より支出額総額で対前年比117百万円あまりを削減することができた。
(3)以上の結果、消費収支差額は依然マイナスながら、マイナス幅は46百万円に圧縮、前年比42百万
円の改善となった。
(以下、本学全体の財務状況を簡潔に示す。
)
【消 費 収 支】
< 収入の部 >
① 「学生生徒等納付金」は2,501百万円(対前年比58百万円減)で、全体の内訳は、入学金235百
万円(対前年比16百万円減)
、授業料は1,482百万円(対前年比27百万円減)となった。
② 「手数料」は54百万円で、主な内訳は52百万円を占める入学検定料収入。22年度に減少した志願
者数は23年度ではやや回復し、対前年比で僅かに増加した。
③ 「寄付金」は112百万円で、内訳は一般が44百万円、特別寄付金が67百万円、その他科研費に絡
む現物寄付金が1百万円となった。
特別寄付金は新入生対象の教育研究施設設備充実に関するものと、2年生以上の在学生対象の教育
環境整備・充実のための寄付金の2つに加え、新たに震災支援のための寄付金9百万円が加わった。
従来からの教育研究施設設備充実に関する寄付金は43百万円、教育環境設備・充実に関する寄付金
は15百万円で前年とほぼ同額となっている。
④ 「補助金」は最終的に235百万円となり、対前年度比18百万円の増加となった。
⑤ 「資産運用」85百万円は、銀行預金の利息、公社債の利子、株式配当金の合計と施設の貸出しによる
収入。
⑥ 「事業収入」の内大きな部分にあたる169百万円は学寮収入。事業収入全体では172百万円となっ
た。
⑦ 「雑収入」20百万円は、専任教職員の退職金に対する退職金財団からの交付金が主なもので、退職者
数の増減により金額も変わるもの。
⑧ 上記①から⑦までの合計結果として「帰属収入合計」は、3,182百万円となり、対前年比では112
百万円の減少となった。
⑨ 「基本金組入額合計」は、第1号基本金への組み入れ額としては建物関係として20百万円、備品・ソ
フトウェアに13百万円、図書に27百万円、また将来の建物用資金として継続中の第2号基本金へ
の組入で30百万円、合計90百万円を計上した。
⑩ 以上の内容から、「消費収入の部合計」は、3,091百万円と、対前年比75百万円の減収となった。
15
< 支出の部 >
① 「人件費」は1,863百万円で、その内訳は教員1,106百万円、職員699百万円、退職金26百万
円、その他退職給与引当金繰入額が31百万円。
② 「教育研究経費」は、981百万円で、対前年比19百万円減少し、減少額の大きな項目としては修繕
費43百万円、旅費交通費5百万円等となっている。
③ 「管理経費」は194百万円で対前年比4百万円の減少となった。
④以上の内容から、「消費支出の部合計」は、3,137百万円となり、対前年比117百万円の減少。
< 収支差額 >
23年度の帰属収支差額は44百万円、同比率で1.4%となり、対前年比では金額で4百万円、同比率
で0.2%の増加となった。また、消費収支差額では、△46百万円の消費支出超過となったが、超過幅は
前年度比42百万円縮小した。
以上の結果、
「翌年度繰越消費支出超過額」は295百万円と支出超過額が拡大することとなった。
【資 金 収 支】 (ここでは前項で説明した項目の重複は避ける)
< 収入の部 >
① 「前受金収入」738百万円のうち大部分は24年度新入生の学費や寮費の前受収入。
② 「その他の収入」132百万円は、前年度期末において計上した未収入金(大きなものは退職金財団の
交付金68百万円)や退職給与引当特定預金からの繰り入れ収入18百万円や貸与奨学金の返済額18
百万円がおもなもの。
③ 「資金収入調整勘定」△797百万円は、前期末前受金とした新入生の学納金、寮費等や未収入金の調
整勘定。
④ 「前年度繰越支払資金」1,192百万円は、22年度決算後に23年度に繰越された現金預金。
< 支出の部 >
① 「施設関係」20百万円(対前年比33百万円減)の内訳は、主なものとしては昨年度に続くエアコン
更新工事9百万円と1号館2階廊下補修工事9百万円。
② 「設備関係」91百万円(対前年比8百万円増)の内訳は、教育研究用機器備品34百万円(うち14
百万円はメディア学習支援センターの改修整備)
、ソフトウェア29百万円、図書購入費として27百
万円等。
③ 「資産運用支出」552百万円は、退職給与引当特定預金への追加積立122百万円や2号基本金への
組入れ30百万円など。
④ 「その他の支出」の内訳は、貸与奨学金21百万円や前期末の退職金財団掛け金等の未払金21百万円
の他、従来の定期預金から有価証券運用に振り向けた85百万円など。
⑤ 「資金支出調整勘定」△96百万円は、翌年度以降において支払われる「期末未払金」等で、リース料
等の長期未払金62百万円、2,3か月分の退職金財団掛け金3百万円等。
⑥ 「次年度繰越支払資金」は、928百万円で次年度に繰越される現金預金の額で、退職給与や減価償却
引当預金への積極的な預け入れ(505百万円)を実施した結果、前年比では264百万円の減少とな
った。
16
【貸借対照表】
< 資産の部 >
① 固定資産は建物や図書などの減価償却による減少が主なもの。
② 流動資産では特定預金(本部勘定)への組入れにより減少。
③建物・図書等有形固定資産の減価償却による減少分や現金預金の減少分以上の金額を退職給与や減価償
却の引当特定預金として本部へ預け入れしている。
< 負債の部 >
① 固定負債の増加は大学事務システムの入替え等に伴う大型リース案件(資産計上)によって長期未払金が増
加したこと、及び退職給与引当金への繰入額増加によるもの。
② 流動負債の減少は新入生の学費である前受金の減少によるもの。
< 基本金の部 >
第1号基本金以下第4号基本金まで学校会計基準に基づく取扱い。第1号基本金は建物、機器備品等、第
2号基本金は組入計画に基づき毎年30百万円組入中。第3号基本金は給費奨学金の原資となるもの。第4
号基本金は経営上必要なものとして保有すべき資金の額。
17
1)財産目録
財 産 目 録
平成24年3月31日現在 (単位:千円)
Ⅰ.資産総額
基本財産
運用財産
Ⅱ.負債総額
Ⅲ.差引純資産
区 分
土地 100,422㎡
建物 38,750㎡
構築物
教育研究用機器備品
その他機器備品
図書
車両
ソフトウェア
長期貸付金
第2号基本金引当資産
第3号基本金引当資産
差入保証金
基本財産計
現金預金
未収入金
有価証券
運用財産計
資産の部合計
退職給与引当金
長期未払金
長期預り金
固定負債計
未払金
前受金
預り金
流動負債計
負債の部合計
差引純資産(資産ー負債)
12,358,996
7,590,165
4,768,831
1,882,466
10,476,530
金 額
2,615,611
2,408,181
124,733
68,876
5,285
1,643,589
0
27,138
119,486
270,000
306,966
300
7,590,165
928,753
7,309
3,832,617
4,768,831
12,358,996
1,024,725
60,165
8,137
1,093,027
32,961
738,172
18,306
789,439
1,882,466
10,476,530
(千円未満切り捨て)
2)貸借対照表
貸借対照表とは:
期末時点の資産、負債などを総額で対照表示し、静態的な収支状況を表示したもの
貸 借 対 照 表
平成24年 3 月 31 日
(単位千円)
資産の部
科 目
固定資産
有形固定資産
土地
建物
構築物
教育研究用機器備品
その他の機器備品
図書
車両
その他の固定資産
ソフトウェア
長期貸付金
第2号基本金引当資産
第3号基本金引当資産
差入保証金
流動資産
現金預金
未収入金
有価証券
前払金
仮払金
資産の部合計
負債の部
科 目
固定負債
退職給与引当金
長期未払金
長期預り金
流動負債
未払金
前受金
預り金
負債の部合計
基本金の部
科 目
第1号基本金
第2号基本金
第3号基本金
第4号基本金
基本金の部合計
消費収支差額の部
科 目
翌年度繰越消費支出超過額
消費収支差額の部合計
科 目
内部部門勘定
本年度末
7,590,165
6,866,275
2,615,611
2,408,181
124,733
68,876
5,285
1,643,589
0
723,890
27,138
119,486
270,000
306,966
300
4,768,831
928,753
7,309
3,832,617
67
85
12,358,996
前年度末
7,770,696
7,101,750
2,615,611
2,606,523
139,856
60,717
6,604
1,672,439
0
668,946
5,466
116,214
240,000
306,966
300
5,017,816
1,192,874
77,263
3,747,204
100
375
12,788,512
増 減
-180,531
-235,475
0
-198,342
-15,123
8,159
-1,319
-28,850
0
54,944
21,672
3,272
30,000
0
0
-248,985
-264,121
-69,954
85,413
-33
-290
-429,516
1,093,027
1,024,725
60,165
8,137
789,439
32,961
738,172
18,306
1,882,466
1,019,454
993,744
17,573
8,137
832,716
21,065
787,531
24,120
1,852,170
73,573
30,981
42,592
0
-43,277
11,896
-49,359
-5,814
30,296
13,719,528
270,000
306,966
260,000
14,556,494
13,658,713
240,000
306,966
260,000
14,465,679
60,815
30,000
0
0
90,815
-295,116
-295,116
-249,113
-249,113
-46,003
-46,003
本学間勘定・退職給与引当特定預金
本学間勘定・長期預り特定預金
本学間勘定・減価償却引当特定預金
-3,784,848
-976,711
-8,137
-2,800,000
-3,280,224
-872,087
-8,137
-2,400,000
-504,624
-104,624
0
-400,000
負債の部、基本金の部及び
消費収支差額の部合計
12,358,996
12,788,512
-429,516
(千円未満切り捨て)
3)資金収支計算書
資金収支計算書とは:
資金収支計算についてはその目的が学校法人会計基準に次のように定められている。
「学校法人は、毎会計年度、当該会計年度の諸活動に対応する全ての収入及び支出の内容並びに当該会計年度における
「支払資金の収入及び支出のてん末を明らかにするため、資金収支計算をおこなうものとする。」
上記内容のとおり、当該会計年度内の諸活動に関するあらゆる収入、支出の内容を表したものである。
平成23年度決算概括表(資金収支計算書)
(単位千円)
収入の部
科 目
学生生徒納付金収入
予算額
2,510,520
決算額
2,501,129
差異
9,391
手数料収入
65,600
54,798
10,802
寄付金収入
116,500
111,598
4,902
補助金収入
190,300
235,625
-45,325
(国庫補助金収入)
(地方公共団体補助金収入)
(190,000)
(300)
(235,445)
(180)
(-17,626)
(120)
88,500
85,690
2,810
公社債配当金、預金利息収入
173,600
172,323
1,277
主に学生寮の寮費収入
39,820
19,828
19,992
前受金収入
800,000
738,172
8,091
23年度新入生の入学金、授業料など
その他の収入
138,518
131,626
6,892
貸与奨学金の回収、預かり金受け入れなど
資金収入調整勘定
-846,531
-797,267
-49,264
前年度繰越支払資金
1,192,874
1,192,874
0
収入の部合計
支出の部
科 目
人件費支出
4,469,701
4,446,397
23,304
予算額
1,931,300
決算額
1,832,179
差異
99,121
専任教職員、非常勤教職員の人件費など
教育研究経費支出
651,300
683,085
-31,785
教育研究活動に使用する経費
管理経費支出
182,500
166,991
15,509
教育研究経費以外の経費支出
施設関係支出
66,000
19,970
46,030
建物、構築物などへの支出
設備関係支出
67,000
91,662
-24,662
資産運用支出
262,000
552,325
-290,325
その他の支出
246,485
267,144
-20,659
貸与奨学金支出、資金運用のための債券購入分、予備費など
資金支出調整勘定
-22,100
-95,712
73,612
私立大学退職金財団への2,3月分掛け金(4,5月払い)など
次年度繰越支払資金支出
1,085,216
928,753
156,463
支出の部合計
4,469,701
4,446,397
23,304
資産運用収入
事業収入
雑収入
対前年比説明など
入学金、授業料など
入学検定料、一般手数料収入など
施設設備寄付金など
国庫補助金など
私立大学退職金財団からの交付金収入など
前期末の前受金などを調整する勘定
対前年比説明など
機器備品、図書など
減価償却引当特定預金や、第2号基本金への繰り入れ支出
(千円未満切り捨て)
4)消費収支計算書
消費収支計算書とは:
消費収支計算についてはその目的が学校法人会計基準に次のように定められている。
「学校法人は、毎会計年度、当該会計年度の消費収入及び消費支出の内容及び均衡の状態を明らかにするため消費収支
計算をおこなうものとする。」
上記内容のとおり、当該会計年度内の収支バランスを明らかにするもので、このことにより学校法人の永続性を確保すると
いう役割も持っている。
23年度決算概括表(消費収支計算書)
(単位千円)
消費収入の部
科 目
学生生徒納付金
予算額
2,510,520
決算額
2,501,129
差異
9,391
手数料
65,600
54,798
10,802
寄付金
117,500
112,289
5,211
補助金
190,300
235,625
-45,325
(国庫補助金収入)
(地方公共団体補助金収入)
(190,000)
(300)
(235,445)
(180)
(-17,626)
(120)
88,500
85,690
2,810
事業収入
173,600
172,323
1,277
雑収入等
39,820
20,176
19,644
3,185,840
-145,770
3,040,070
3,182,030
-90,815
3,091,215
3,810
-54,955
-51,145
予算額
1,923,300
決算額
1,863,160
差異
60,140
退職給与引当金繰入額が含まれる点が資金収支計算書と異なる
教育研究経費
941,900
981,503
-39,603
減価償却費が含まれる点が資金収支計算書と異なる
管理経費
213,600
194,699
18,901
減価償却費が含まれる点が資金収支計算書と異なる
その他
181,000
97,857
83,143
予備費など
3,259,800
-219,730
-249,112
-468,842
3,137,219
-46,004
-249,112
-295,116
122,581
資産運用収入
帰属収入合計
基本金組入額
消費収入の部合計
消費支出の部
科 目
人件費
消費支出の部合計
当年度消費支出超過額
前年度繰越消費支出超過額
翌年度繰越消費支出超過額
備考
現物寄付が含まれる点が資金収支計算書と異なる
建物、備品、図書など資産に組み入れるものへの支払額
備考
繰越支出超過額はピーク時で11億円以上あったもの
(千円未満切り捨て)
独立監査人の監査報告書
平成 24年 5月 3
1日
学校法人聖心女子学院
理 事 会 御 中
青南監査法人
代表社員
業務執行社員
1 7.
‘
公L
1
・ ,
公認会計士 、l
1
機
業務執行社員公認会計士新株与又メ
当監査法人は、私立学校振興助成法第 1
4条第 3項の規定に基づく監査報告を行うため、昭和 5
1年
7月 1
3日付け文部省告示第 1
3
5号に基づき、学校法人聖心女子学院の平成 23年度(平成 23年 4月 1日
から平成 24年 3月 3
1 日まで)の計算書類、すなわち、資金収支計算書(人件費支出内訳表を含む。)、
消費収支計算書、貸借対照表(固定資産明細表、借入金明細表及び基本金明細表を含む。)、重要な会
計方針及びその他の注記について監査を行った。
計算書類に対する理事者の責任
8号)に準拠して計算書類を作成し適
理事者の責任は、学校法人会計基準(昭和 46年文部省令第 1
正に表示することにある。これには、不正文は誤謬による重要な虚偽表示のない計算書類を作成し適
正に表示するために理事者が必要と判断した内部統制を整備及び運用することが含まれる。
監査人の責任
当監査法人の責任は、当監査法人が実施した監査に基づいて、独立の立場から計算書類に対する意
見を表明することにある。当監査法人は、我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に
準拠して監査を行った。監査の基準は、当監査法人に計算書類に重要な虚偽表示がないかどうかにつ
いて合理的な保証を得るために、監査計画を策定し、これに基づき監査を実施することを求めている。
監査においては、計算書類の金額及び開示について監査証拠を入手するための手続が実施される。
監査手続は、当監査法人の判断により、不正又は誤謬による計算書類の重要な虚偽表示のリスクの評
価に基づいて選択及び適用される。監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのも
のではないが、当監査法人は、リスク評価の実施に際して、状況に応じた適切な監査手続を立案する
ために、計算書類の作成と適正な表示に関連する内部統制を検討する。また、監査には、理事者が採
用した会計方針及びその適用方法並びに理事者によって行われた見積りの評価も含め全体としての計
算書類の表示を検討することが含まれる。
当監査法人は、意見表明の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手したと判断している。
監査意見
8号)に準拠して、
当監査法人は、上記の計算書類が、学校法人会計基準(昭和 46年文部省令第 1
1 日をもって終了する会計年度の経営の状況及び同日現在の
学校法人聖心女子学院の平成 24年 3月 3
財政状態をすべての重要な点において適正に表示しているものと認める。
利害関係
学校法人と当監査法人又は業務執行社員との聞には、公認会計士法の規定により記載すべき利害関
係はない。
以 上
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