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日本語 - アニコム ホールディングス株式会社

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日本語 - アニコム ホールディングス株式会社
Shared Research Report
2015/2/18
アニコム ホールディングス(8715)
当レポートは、掲載企業のご依頼により弊社が作成したものです。投資家用の各企業の『取扱説明書』を提
供することを目的としています。正確で客観性・中立性を重視した分析を行うべく、弊社ではあらゆる努力
を尽くしています。中立的でない見解の場合は、その見解の出所を常に明示します。例えば、経営側により
示された見解は常に企業の見解として、弊社による見解は弊社見解として提示されます。弊社の目的は情報
を提供することであり、何かについて説得したり影響を与えたりする意図は持ち合わせておりません。ご意
見等がございましたら、[email protected] までメールをお寄せください。ブルームバーグ
端末経由でも受け付けております。
アニコム ホールディングス(8715)
Shared Research Report
2015/2/18
目次
要約 ....................................................................................................... 3
主要経営指標の推移 ................................................................................... 5
直近更新内容............................................................................................ 6
業績動向 ................................................................................................. 7
四半期実績推移 ...................................................................................... 7
今期会社計画 ....................................................................................... 28
消費増税と保険料改定の影響の試算(期初計画時点) .................................... 33
事業概要 ............................................................................................... 35
概要 .................................................................................................. 35
ペット関連市場における同社の位置付け ..................................................... 36
競合状況 ............................................................................................ 42
収益性分析 ......................................................................................... 45
SW 分析(Strengths, Weaknesses) ..................................................... 49
中長期戦略 ............................................................................................ 50
中期計画(1 年毎見直し)
:2017 年 2 月期経常利益 22 億円を目標 ................... 50
既存事業(ペット保険)に対する戦略........................................................ 51
新規事業に対する戦略 ........................................................................... 55
過去の業績 ............................................................................................ 57
財務諸表ほか.......................................................................................... 59
損益計算書 ......................................................................................... 59
貸借対照表 ......................................................................................... 60
キャッシュフロー表 .............................................................................. 61
その他 .................................................................................................. 62
ペット保険の製品概要 ........................................................................... 62
トップマネジメントの理念 ...................................................................... 66
沿革 .................................................................................................. 67
大株主 ............................................................................................... 67
ところで ............................................................................................... 68
企業概要 ............................................................................................... 69
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2015/2/18
要約
成長するペット保険市場で 60%強の市場シェアを持つマーケットリーダー
2013 年度ペット保険市場は推定 280 億円、同社保有契約数の過去 5 年平均成長率は 15.9%
アニコムホールディングス(以下、同社)はペット保険を主力事業(14 年 3 月期売上高構成
比は資産運用収益を含み 98%)とする損害保険会社。推定 280 億円(2013 年度)のペット
保険市場の中で 60%強の市場シェアを保有するマーケットリーダーである。同社の 2014 年
3 月期の保有契約数は 505 千件、過去5年間の平均成長率は 15.9%と高い伸びを示す。
英国並みの市場に成長すれば国内ペット保険市場は 1,800 億円規模の可能性も
日本国内のペット市場は未成熟であり、国内犬猫飼育頭数 2,061 万頭(2013 年、ペットフ
ード協会)に対しペット保険加入率はまだ 3.9%の約 80 万頭(2013 年度、同社推定)に過
ぎない。ペット保険加入率の高い英国では犬猫約 1,520 万頭に対し加入率は 22%(2009 年
度、Datamonitor 社)であり、仮に日本国内のペット保険加入率が英国並みに高まるならば、
2013 年度現在 280 億円の市場は 1,800 億円まで拡大する可能性がある。
窓口精算システム(契約者は保険証をみせ、自己負担分を払うだけ)
・IT 活用で差別化
同社の市場シェアの高さの背景及び強みとして、1) 対応動物病院における窓口精算システム、
2) 病院(レセプト作成・カルテ管理システム)・ペットショップ(保険募集 Web ツール)・
契約者(顧客 Web)・アニコム損保の情報をシームレスに繋げる IT システムの活用、3) こ
れらを背景とした対応病院・ペットショップ代理店の多さがあげられる。
窓口精算システムに対応しているのは同社(約 5,600 病院、2014 年 3 月末時点)とアイペ
ット損保(3,071 病院。2013 年 3 月末時点)、ペット&ファミリー少額短期保険の 3 社、
動物病院にとっても顧客獲得ツールとなっており、デファクトスタンダード化が進んでいる。
また、同社の対応病院数は他社と比較して大きくリードしている。
中長期的には、ペット保険を安定収益源として、新規市場での事業展開を目指す
ペット保険はストック型の事業構造であり、現状の競争環境・収益構造に変化がなければ安
定収益源としてみなせる。同社ではペット保険事業を成長させながらも、同事業を通じて得
られた知見を活かし、高度先進医療や遺伝病を含む予防医療への取り組み等、既存の動物病
院が提供していない小動物分野に関する新たなる事業領域での成長を目指している。
SR 社では、ペット保険を安定成長・安定収益源として位置付け、得られた原資を成長市場で
ある小動物医療関係に集中投資していく考えである、と推定している。
国内ペット関連市場約 1.2 兆円。小動物医療への新たな付加価値提供を中長期的に目指す
同社ではペット関連市場を約 1.2 兆円(生体販売で 1,000 億円、ペットフードで 4,000~
5,000 億円、動物病院で 3,000~4,000 億円(総務省・経産省「2012 年経済センサス‐活動
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調査」では 3,009 億円)、トイレシーツ等の消耗品で 1,000~2,000 億円など)とみている。
ペットフードは収益性の観点から魅力的ではなく、顧客資産とのシナジー効果が見込まれ小
動物医療とその周辺ビジネスでの展開を同社は見込む。
損害率の減少、保険料改定、消費増税対策など収益構造の改革にも取り組む
損害率改善に向けては、1) 保険金支払における支払前後での審査・チェック体制の強化、2)
社内及び動物病院向けシステム強化、3) 下記保険料改定、4) 90%補償商品の販売停止及び
70%補償商品への移行制限、5) オンライン契約の見直し、など様々な取組みを行っている。
15 年 3 月期は同社初の保険料改定を含む料金システムの改定(2014 年 6 月と 11 月)及び
商品改定(同 11 月より)を行った。背景として、2014 年 4 月の消費増税(5%から 8%へ)
がもたらす同社収益構造への悪影響、損害率改善への取組みがある。今回の改定は、リスク
別の商品体系や付帯内容も変更する等安定的な収益構造の構築を目指したものと考えられる。
消費増税の影響と 2014 年 6 月の保険料改定による増収効果
消費増税は、保険引受収益には消費税がかからないのに対して、保険引受費用や営業費及び
一般管理費に含まれる物件費の大半が消費税の対象になる。14 年 3 月期を例にすると 3%の
上昇は約 4~5億円の費用増に相当し、経常利益 733 百万円(2014 年 3 月期)の過半を失
ってしまうこととなる。また、10%への税率上昇時にも同様の影響を受ける点は留意したい。
SR では保険料改定の影響を 15 年 3 月期 18.4 億円の増収効果を試算。うち 7.9 億円は未経
過保険料となり責任準備金に繰り入れられ、増益効果は 10.5 億円にとどまると分析する。利
益面では、消費増税の影響、異常危険準備金繰入額の増加、子会社への先行投資、損害率の
上昇などを加味するとほぼ相殺されると予想していたが、第 2 四半期終了時点では損害率抑
制施策・事業費率コントロールの効果が SR 社及び同社の期初想定以上に出ている。
一方、16 年3月期は 15 年 3 月期比約 4 億円の増収効果と試算。利益面では、未経過保険料
の大幅増による責任準備金への影響がほぼ一巡することから責任準備金繰入額の減少が見込
まれ、また、増収効果の大部分が既経過保険料として損益に寄与すると SR 社では予想する。
2014 年 11 月から入通院限度日数制限付の新商品プラン導入、今期の影響はニュートラル
損害率改善に向けた新たな取組みとして、入通院限度を設けた新商品の販売と健康割増引制
度の導入が行われた。2014 年 11 月の新規契約から同プランのみの販売(継続は従来商品プ
ランも可)となり、継続契約健康割増引制度の割引制度のみ先行実施された。新商品プラン
の保険料は従来商品(平均約 6%増の保険料改定が再度行われた)比で約 8%低額。
2014 年 11 月時点では、1) 継続契約は従来商品を選ぶ傾向が強く、2) 継続時の健康割引制
度は 10%・5%・変化なしの割合が同程度、3) 新規契約と継続契約の割合は概ね 2:8 とみ
られること、からは新商品プラン等の導入による影響はニュートラルと考えれる。但し、2015
年 6 月契約時より継続割引制度(5%)が廃止される点は好影響をもたらすと考えられる。
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主要経営指標の推移
損益計算書
(百万円)
経常収益
前年比
保険引受収益
資産運用収益
その他経常収益
FY03/08
連結
7,267
39
7,228
FY03/09
連結
10,800
48.6%
6,442
41
4,317
FY03/10
連結
9,216
-14.7%
9,003
71
141
FY03/11
連結
11,107
20.5%
10,858
94
154
FY03/12
連結
13,845
24.7%
13,592
108
144
FY03/13
連結
16,186
16.9%
15,781
260
143
FY03/14
連結
18,366
13.5%
18,087
108
171
FY03/15
予想
22,179
20.8%
-
7,067
0
2,950
10,866
53.8%
5,616
66
3,640
8,924
-17.9%
5,541
3,072
10,764
20.6%
7,146
8
3,312
13,508
25.5%
9,797
31
3,392
15,348
13.6%
11,450
3,632
17,633
14.9%
13,448
18
3,982
-
経常利益
前年比
経常利益率
200
2.8%
-66
-0.6%
292
3.2%
342
17.3%
3.1%
337
-1.5%
2.4%
837
148.4%
5.2%
733
-12.4%
4.0%
1,232
68.1%
5.6%
当期純利益
前年比
当期純利益率
一株当たりデータ
期末発行済株式数(千株)
EPS
EPS (潜在株式調整後)
DPS(一株当たり配当金)
BPS(一株当たり純資産)
貸借対照表 (百万円)
現金・預金
買入金銭債権
有価証券
有形固定資産
無形固定資産
その他資産
貸倒引当金
繰延税金資産
資産合計
178
2.4%
-142
-1.3%
346
3.8%
421
21.7%
3.8%
465
10.5%
3.4%
640
37.6%
4.0%
447
-30.2%
2.4%
822
83.9%
3.7%
11
16
16,838.0 -13,319.2
16,838.0 -13,319.2
164,409.2 261,030.7
4,054
107.1
92.9
1,512.0
4,113
103.1
92.6
1,601.9
16,646
28.2
25.7
424.8
17,169
38.0
35.2
454.6
17,293
25.8
23.9
477.0
47.3
-
経常費用
前年比
保険引受費用
資産運用費用
営業費及び一般管理費
1,116
500
4,107
114
114
1,816
-18
7,748
601
5,723
98
100
2,162
8,685
1,652
7,563
107
212
1,986
74
11,594
3,682
7,065
96
374
1,975
187
13,382
5,098
7,444
93
387
1,981
-5
353
15,355
4,986
9,272
86
373
1,940
-7
219
16,872
4,457
11,367
118
477
2,112
-13
116
18,634
3,440
21
0
3,464
3,730
744
28
1
4,503
4,626
805
32
2
5,464
5,920
824
46
2
6,793
7,152
1,073
55
8,283
7,702
1,292
69
2
9,067
8,768
1,520
86
10
10,385
株主資本
4,279
評価換算差額等
5
少数株主持分
純資産合計
4,284
負債・資本合計
7,748
キャッシュフロー計算書 (百万円)
営業活動によるキャッシュフロー
162
投資活動によるキャッシュフロー
-368
財務活動によるキャッシュフロー
財務指標
総資産経常利益率(ROA)
自己資本利益率(ROE)
自己資本比率
55.3%
正味損害率
正味事業費率
コンバインドレシオ
ソルベンシーマージン比率
-
4,138
-2
46
4,182
8,685
6,106
24
6,130
11,594
6,569
18
6,588
13,382
7,067
3
7,071
15,355
7,795
9
7,805
16,872
8,306
-57
8,248
18,634
-
737
-1,367
-5
1,608
-2,875
1,590
1,792
-1,936
38
1,879
-1,044
28
1,507
-1,852
85
2,009
-2,052
60
-
-0.8%
-3.4%
47.6%
24.4%
48.0%
72.4%
-
2.9%
6.7%
52.9%
45.5%
40.2%
85.7%
-
2.7%
6.6%
49.2%
48.1%
36.3%
84.4%
304.1%
2.3%
6.8%
46.0%
57.3%
30.9%
88.2%
307.2%
5.2%
8.6%
46.3%
63.7%
28.5%
92.2%
281.3%
4.1%
5.6%
44.3%
62.8%
27.3%
90.1%
295.1%
59.6%
26.9%
86.5%
298.4%
保険解約準備金
その他負債
賞与引当金
特別法上の準備金
負債合計
出所:会社資料よりSR社作成
注:正味損害率、正味事業費率、コンバインドレシオはSR試算値
注:一株あたりデータは決算期時点の数値。2009年6月に1:200の分割、2011年10月に1:10の分割が行われている
注:四捨五入等の関係で会社数値と合わないことがある
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2015/2/18
直近更新内容
概略
2015 年 2 月 18 日、アニコム ホールディングス株式会社への取材を踏まえて 2015 年 3 月
期第 3 四半期決算の概要を更新した。
2015 年 2 月 6 日、同社は 2015 年 3 月期第 3 四半期決算を発表した。
(決算短信へのリンクはこちら、詳細は 2015 年 3 月期第 3 四半期決算の項目を参照)
同日、同社は入院・手術のみを補償するペット保険の認可を 2015 年 2 月 4 日付けで金融庁
から取得したことを発表した。
(リリース文へのリンクはこちら)
SR 社では今回の認可取得により、顧客の多様なニーズに応えることが可能となり、商品及び
価格ラインアップの拡大により、競合企業に対する競争力が一段と高まると予想している。
また、同社では、入院・手術のみを補償するペット保険の販売開始時期は現段階では未定と
している。
3 ヵ月以上経過した会社発表はニュース&トピックスへ
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業績動向
四半期実績推移
四半期業績推移
(百万円)
経常収益
YoY
保険引受収益
資産運用収益
利息及び配当金収入
有価証券売却益
その他経常収益
経常費用
YoY
保険引受費用
資産運用費用
営業費及び一般管理費
その他経常費用
FY03/14
FY03/15
Q2
Q1
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
Q4
3,848 4,399 4,394 4,455 4,614 4,903 5,163 5,499
8.8% 19.9% 11.5% 17.5% 23.4%
8.6% 16.3% 14.2%
3,771 4,211 4,327 4,389 4,558 4,813 5,012 5,267
127
98
39
19
30
20
151
38
51
51
4
4
6
32
19
4
75
35
47
6
133
26
14
14
106
39
35
36
46
37
52
52
Q3
5,823
26.2%
5,557
174
85
90
91
(*)Q4
5,694
16.1%
FY03/15
会予
進捗率
74.3% 22,179
20.8%
3,614 3,826 3,831 4,077 4,280 4,269 4,502 4,582 4,784 5,205
10.1% 15.5% 11.3% 17.4% 18.4% 11.6% 17.5% 12.4% 11.8% 21.9%
2,609 2,869 2,851 3,121 3,208 3,248 3,475 3,517 3,585 3,960
2
4
13
5
983 1,021 1,148 1,193
933
886
904
909 1,010
968
72
75
46
48
47
44
44
46
50
71
5,419
20.4%
4,199
7
1,159
54
5,538
20.9%
73.6% 20,947
18.8%
321
379
293
404
- 235.4% 56.7% 260.7%
5.3%
6.9%
7.3%
6.5%
280
196
251
206
-8.4% 269.1% 74.6% 330.8%
3.7%
4.8%
4.9%
4.0%
156
-51.4%
2.7%
85
-56.6%
1.5%
87.3% 1,232
68.1%
5.6%
89.7%
822
83.7%
3.7%
FY03/13
Q2
Q1
3,846 4,093
20.2% 23.3%
3,774 4,025
32
39
31
31
7
1
37
32
231
6.0%
183
4.8%
経常利益
YoY
経常利益率
当期利益
YoY
当期利益率
113
187
112
321
18
-81.6%
2.9% -51.1% -30.0% 522.2%
2.4%
6.5%
0.5%
7.3%
2.6%
4.2%
214
68
118
65
36
207
10,250.0% -77.4% -45.5% -62.8% -43.0% 80.6%
2.6%
1.4%
5.1%
0.9%
4.9%
1.5%
267
3,237.5%
諸指標
保有契約件数(件)
新規契約件数(件)
ペットショップ経由
一般代理店経由
登録代理店数(店)
対応病院数(病院)
YoY
保有契約件数(件)
新規契約件数(件)
ペットショップ経由
一般代理店経由
登録代理店数(店)
対応病院数(病院)
24,777 24,306 24,523 25,898 28,599 27,841 26,024 26,706 26,398 25,249
14,850 14,679 14,955 16,888 19,096 18,433 17,543 18,930 18,682 17,867
9,927 9,627 9,568 9,010 9,503 9,408 8,481 7,776 7,716 7,382
4,410 4,464 4,530 4,752 4,862 4,892 4,865 4,924 5,009 5,423
5,176 5,220 5,267 5,349 5,408 5,459 5,506 5,599 5,630 5,650
24,841
18,372
6,469
5,608
5,696
-
14.8% 13.9% 13.1% 12.7% 13.1% 13.5% 13.4% 13.1% 11.7% 10.1%
3.1% -7.7% -9.3%
3.6% 15.4% 14.5%
6.1%
-6.9% -1.4% -1.0%
-13.2% -3.1% -1.3% 11.6% 28.6% 25.6% 17.3% 12.1% -2.2% -3.1%
4.6%
1.4% -0.5% -8.7% -4.3% -2.3% -11.4% -13.7% -18.8% -21.5%
3.0% 10.9%
7.4%
3.6%
9.1%
9.9% 15.9% 10.2%
9.6%
11.8%
4.1%
3.5%
4.5%
4.6%
4.5%
4.7%
4.9%
4.9%
4.6%
6.7%
9.0%
-4.5%
4.7%
-23.7%
15.3%
3.5%
8.9%
E/I損害率
既経過保険料事業費率
コンバインドレシオ
65.5% 73.4% 68.1% 63.1% 69.0% 69.5% 66.3% 62.1% 66.7% 68.9% 64.2% 60.7%
31.6% 29.2% 29.1% 29.3% 30.5% 28.3% 27.7% 27.9% 28.7% 28.3% 26.8% 28.7%
97.1% 102.6% 97.2% 92.4% 99.5% 97.9% 93.9% 90.1% 95.4% 97.2% 91.0% 89.4%
408,761 421,197 433,345 446,414 462,343 477,952 491,452 504,969 516,618 526,439 535,906 550,000
保険引受費用及び内訳
正味支払保険金
損害調査費
諸手数料及び集金費
支払備金繰入額
責任準備金繰入額
うち未経過保険料
うち異常危険準備金
2,609
2,157
146
204
35
65
201
-135
修正利益(*)
YoY
187.9%
95
2,851
2,519
144
213
-48
234
142
92
3,208
2,427
156
255
232
136
248
-111
-98
107
315
- 282.1% 11.3%
-2
-
FY03/14
Q1
(百万円)
経常利益
異常危険準備金の影響(負値は減益要因)
異常危険準備金の影響を除いた経常利益
E/I損害率
事業費率
コンバインド・レシオ
3,121
2,391
148
234
-38
386
251
135
2,869
2,398
143
202
191
-276
92
-369
Q2
Q3
3,248
2,866
176
252
-83
36
150
-115
3,475
2,748
166
251
-7
319
174
146
3,517
2,652
162
271
7
425
270
153
58
245
427
- 129.0% 35.6%
Q4
113
111
2
187
115
72
112
-146
258
321
-153
474
69.0%
30.5%
99.5%
69.5%
28.3%
97.9%
66.3%
27.7%
93.9%
62.1%
27.9%
90.1%
FY03/15
Q1
Q2
379
163
216
293
86
207
66.7%
28.7%
95.4%
68.9%
28.3%
97.2%
3,960
3,092
188
303
100
277
363
-86
4,199
3,088
193
321
43
554
376
177
116
26
- -55.2%
377
53.9%
3,585
2,844
171
296
101
171
335
-163
Q3
404
(*)Q4
156
-177
581
64.2%
60.7%
26.8%
28.7%
91.0%
89.4%
68.7%
73.5%
74.2%
71.9%
550,000
104,000
96.0%
5,700
74,000
30,000
8.9%
-4.7%
1.8%
65.5%
28.4%
93.9%
FY03/15 期初計画
Q1 会予 Q2 会予 Q3 会予 Q4 会予
311
285
26
-67
-27
-40
86
-172
258
471
-182
653
68.1% 71.6%
30.2% 29.8%
98.3% 101.4%
68.3%
28.0%
96.3%
61.7%
27.4%
89.1%
出所:会社資料よりSR社作成
注:修正利益(*)は、2014年3月期以前の計算方式である経常利益±異常危険準備金影響額±資産運用収支±その他収支にて算出
注:2015年3月期第4四半期「(*)Q4」は2015年3月期会社計画から同第3四半期累計実績を控除した数値
注:四捨五入等の関係で会社数値と合わないことがある
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2015 年 3 月期第 3 四半期(2015 年 2 月 6 日発表)
経常収益
16,485 百万円 (前年同期比 22.4%増)
経常費用
15,408 百万円
(同 18.1%増)
経常利益
1,076 百万円
(同 161.2%増)
737 百万円
(同 193.4%増)
四半期純利益
四半期業績推移(百万円)
600
500
93.0% 94.1%
400
300
396
312
433
421
409
231
550
536
526
517
505
99.5% 97.9% 491
97.2%
95.4%
93.9%
92.4%
478
91.0%
90.1%
404 89.4%
462
379
446
321
321
0
-100
Q1
Q2
FY03/11
Q3
Q4
100%
90%
70%
112
60%
18
8
4
156
113
98
110%
80%
187
105
47
293
267
186
200
100
383
370
356
341
97.2%
97.1%
92.0%
89.9%
328
314
303
102.6%
98.8% 100.2% 99.4%
96.2%
50%
40%
-81
Q1
Q2
FY03/12
Q3
Q4
Q1
Q2
FY03/13
保有契約数(千件)
Q3
Q4
Q1
Q2
FY03/14
Q3
経常利益(百万円)
Q4
Q1
Q2
FY03/15
Q3
Q4
CE
コンバインドレシオ(右軸)
出所:会社資料よりSR社作成
要約
損害率の改善が進み、前年同期比及び会社計画比でも増収増益で着地、通期業績上方修正
第 3 四半期累計業績は、ペット保険の損害率改善が進み、経常収益・経常利益とも期初計画
を上回って着地、修正下期計画に対しても上回る基調で着地したと SR 社では推測している。
経常利益は 1,076 百万円と前年同期比 161.2%増となった。
第 3 四半期の概要
第 3 四半期の業績が好調に推移した要因として、1) ペット保険の保有契約数が堅調に増加し、
2)第 2 四半期に一時的に落込んだ継続率も第 3 四半期に入り改善、3) 損害率・事業費率と
もに消費税の影響を受けたものの、2014 年 6 月の商品改定や改善施策の効果が想定以上に進
んだことでペット保険引受事業の収益構造が順調に改善、4) 資産運用収益も第 3 四半期累計
で 399 百万円と前年同期比で 5.8 倍増となり業績への貢献がみられた、ことがあげられる。
E/I 損害率及び事業比率の推移
80%
70%
62.3%
60%
50%
40%
14年1~9月、オンライン加入の70%商品販売停止
73.4%
53.0%
66.0% 67.3%
66.7%
66.3%
68.9%
64.2%
62.1%
60.7%
56.5% 55.3%
10年10月90%補償商品発売開始
41.1% 39.7%
30%
34.6%
36.5%
34.2%
12年8月90%補償商品引受停止
13年8月補償割合50%から
14年6月、保険料改定
(13年7月末90%補償商品終了)
70%への変更制限
(平均12%の改定)
32.1%
20%
Q1
Q2
FY03/11
63.1%
61.5%
48.2%
44.8%
65.5%
69.0% 69.5%
68.1%
Q3
Q4
Q1
Q2
FY03/12
Q3
E/I損害率
14年11月、入通院限度
2013年10月からオンライン契約の申
日数付商品の販売開始、
込から補償開始までの期間を延長
健康割増引制度導入
30.5% 31.6% 29.2% 29.1% 29.3% 30.5%
28.7%
28.3% 27.7% 27.9% 28.7% 28.3%
26.8%
Q4
Q1
Q2
FY03/13
Q3
Q4
Q1
Q2
FY03/14
Q3
Q4
Q1
Q2
FY03/15
Q3
Q4
Est.
既経過保険料事業費率
出所:会社資料よりSR社作成
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運用収益推移(百万円)
200
有価証券売却益
利息及び配当金収入
174
2013 年3 月期は債券のポジションを中期から短期へシフトし、
150
151
その際にポジションを一旦解消し含み益を現実化した
127
90
98
100
75
133
50
35
20
0
10
16
0
23
5
25
16
17
Q1
Q2
FY03/11
Q3
Q4
20
0
23
1
21
0
24
0
40
39
15
7
32
1
38
6
30
31
31
32
26
Q1
Q2
FY03/13
Q3
23
23
26
Q1
Q2
FY03/12
Q3
Q4
20
47
19
Q4
39
20
19
14
14
6
4
Q1
Q2
FY03/14
85
51
35
4
Q3
4
Q4
51
Q1
Q2
FY03/15
Q3
Q4
Est.
出所:会社資料よりSR社作成
通期計画は修正されていないが、着実な契約獲得、損害率改善が見込まれる
上期発表時に修正された通期会社計画は、下期修正計画における経常収益・経常利益・純利
益は、ほぼ期初の下期計画と同様であり、通期の修正計画は実質上期の超過達成分が上乗せ
されたものであった。第 3 四半期の実績は会社計画を上回る基調で推移していると SR 社で
は推測している。
第 4 四半期については、1) 保険契約の獲得が引き続き堅調に増加が見込まれること、2) 損
害率の改善施策は第 4 四半期にも効果が継続する性質のものであり、会社計画以上に改善が
進むと見込まれること、3) 運用収益も堅調であること、4) 6 月の保険料改定による継続率悪
化も落ち着きを見せたことなどから、順調に推移するとみられる。
同社は下期に研究開発や営業関連投資の一部前倒し実施を予定している。研究開発について
は、小森社長の理念にもつながる「ペット新生児の遺伝病抑制と健康な新生児の流通量拡大」
関連とみられ、ペット市場及びペット保険の普及拡大に向けての経営施策が取られる可能性
があると SR 社では推測している。
新規契約数及び継続率月次推移
12
90%
10
9.5
8.6
8.5
8
8.0
8.7
8.0
8.4 8.1 8.2
8.7
8.3 8.0 8.3
8.8
7.7
8.2
7.8
8.3 8.3
7.9
8.4 8.4 8.4
9.1 9.1
9.9 9.7
9.4 9.2 9.3
8.1
8.7
9.2
9.7
8.8
8.2
8.7
9.4
8.3 8.0
8.9
8.3 8.6 8.1 8.1 8.4
6
88%
87%
4
2
89%
5.4
6.3
5.5
4.9 5.3 5.0 5.2 4.9 5.1 5.4 5.0
4.7 4.6
5.4 4.9 4.8
5.4 5.4
4.7 5.2 5.0 4.7 5.2
6.0 5.9
6.7 6.5 6.1
6.1 6.2 5.8 5.6 6.2 6.6 5.7 6.6 6.0
6.8
5.9 5.6 6.3 5.9 5.8 6.2 6.4
6.8
0
86%
85%
84%
Apr-11
Apr-12
Apr-13
新規(ペットショップ)
新規(一般代理店)
Apr-14
継続率(右軸)
出所:会社資料よりSR社作成
「入院・手術のみを補償するペット保険」認可取得。商品力拡大により競争力を強化
また、同社は入院・手術のみを補償するペット保険の認可を 2015 年 2 月 4 日付けで金融庁
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から取得したことを発表した。
投入時期・商品内容は不明だが、競争力強化・新規契約数増加につながるものと期待
今回認可された保険について、投入時期や具体的内容についての開示はない。これは、同社
既存商品への影響や、競合商品との差別化等を精査しているためと推測される。SR 社では、
仮に 2016 年 3 月期中に新商品が導入されるならば、顧客の多様なニーズに応えることが可
能となり、商品及び価格ラインアップの拡大により、競争力の強化及び新規契約数の増加に
つながるものと期待している。
従来商品を健康保険とすると、認可された保険は損害保険的な意味合い
従来商品がペットの健康に係る全てのリスクを対象とした健康保険的な意味合いがあるとす
るならば、「入院・手術のみを補償するペット保険」は大きな負担のみを対象とした損害保
険的な意味合いを持つともいえる。
価格面では従来商品よりも低価格が想定される
価格面でも従来商品よりも低価格になることが予想される。例えば、アイペット損害保険で
は既に両タイプの商品を販売しているが、幅広く補償する 70%補償プランでは 0 歳・マルチ
ーズで年払い 32,740 円、手術及び入院のみの 90%補償プランでは同条件で年払い 12,380
円となる。同社とは商品設計等が異なるとみられるため一概には言えないが、新商品が出た
い際には従来商品よりも低価格となると予想する。
経常収益
2014 年 6 月の保険料改定による新規契約・継続契約への影響はあったとみられるが、契約数
はほぼ会社計画通りに獲得が進み、保有契約数は 535,906 件(前年同期比 9.0%増)と概ね
順調に増加した。一般代理店経由の獲得は戦略的な減少が続いているが、同社が強化を図っ
ているペットショップ代理店経由の契約件数は第 3 四半期 3 ヶ月では同 4.7%増と増加に転
じた。
6 月の保険料改定による影響を受け、第 2 四半期に落ち込みが見られた継続率も第 3 四半期
に入り改善、第 3 四半期累計の継続率は 88.6%と同社の通期見通し 88.4%に対しやや上回
る基調で推移している(10 月の継続率は 88.8%、11 月は 89.2%、12 月は 89.1%)。
資産運用収益
また、資産運用収益は上期に引き続き第 3 四半期も良好に推移し、第 3 四半期累計では前年
同期比で 330 百万円増加し経常収益に貢献した。同社ではソルベンシーマージン比率を睨み
ながらリスクをあまりとらない形の運用を模索している。以前は国内債券を中心に運用がな
されていたが、国内 REIT 及び国内株式の組入れ比率を高めたことで従来より高い利回りを確
保、運用益が拡大したとみられる。
損害率
第 3 四半期 3 ヶ月の E/I 損害率は 64.2%と、前年同期の 66.3%から 2.1 ポイント改善し、
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修正会社計画 66.4%を下回り改善が進んだ。要因としては、1) 従前から取り組んでいる損
害率改善諸施策の効果が出ていること、2) 90%補償プランの販売停止や査定強化、引受審査
強化等の「保険金支払体制強化」、3) 6 月の保険料改定効果、4)2014 年 11 月の限度日数
付新商品、健康割増引制度の導入、などによるものと SR 社では推測する。
上記損害率改善施策の効果は累積する性質を持つことから、引き続き緩やかな改善が見込ま
れよう。
事業費率
第 3 四半期 3 ヶ月の事業費率は 26.8%と、前年同期の 27.7%から 0.9 ポイント改善し、会
社計画 27.9%も下回り改善が進んだ。同社では、1) 売上増加による規模の経済効果、2) 業
務効率の継続的な改善により、順調に良化したとしている。また、今後の見通しについても、
営業拡大施策等により若干の変動を見込むものの、30%を下回る水準で安定して推移すると
同社では見込んでいる。
また、今期の重点施策「新規契約獲得力強化」のための費用は増加している。ペットショッ
プ代理店経由での新規契約数増加を狙い、販促及び広告宣伝費や代理店関連費用を集中的に
投下しており実際に効果も現れつつある。同社では第 4 四半期においても関連費用は高水準
となるとしている。ただ一方で、全体の事業費率は改善しており、効率的な運用がなされて
いると評価できる。
経常利益
これらの結果、上期の経常利益は 1,076 百万円と、保有契約数の増加、6月の保険料改定効
果に加えて、損害率及び事業費費率の改善などにより、前年同期の 412 百万円から大幅に改
善した。
修正利益:ペット保険引受事業による実質的な損益を表す当社グループ独自の指標。経常利益±異常危
険準備金影響額±保険引受以外の営業費・一般管理費±資産運用収支±その他収支にて算出される。
2015 年 3 月期の重点施策と第 3 四半期累計期間の状況
損害率コントロール強化
第3四半期累計期間の業績は、2014 年 3 月期からの重点施策であり、2015 年 3 月期におい
ても最重点施策と位置付けている「損害率コントロール強化」に注力を続けた結果、上述の
ように着実に損害率の改善が進んだ。また、E/I 損害率に既経過保険料ベース事業費率を足し
たコンバインド・レシオ(既経過保険料ベース)についても、第 3 四半期(3 ヶ月)は前年
同期比で 2.9pt 改善し 91.0%となり、利益構造の改善が進んだ。
入口対策と出口対策:なかでも、「保険金支払体制強化」が損害率改善に大きな効果を表し
たとみられる。同社では「入口対策」として引き受けるチャネル別に引受審査の強化を図っ
ているが、「出口対策」としても支払部門が保険金支払前の段階を、保険金適正支払推進部
が保険金支払後の段階を、各々で体制の強化を図っている。特に、保険金支払後の適切な保
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険請求がなされているかの調査(動物病院の協力を得て行われている)は効果が出ている模
様である。
新商品プラン、割増引制度導入:2014 年 11 月からは入通院限度日数付商品の販売も開始さ
れ、健康割増引制度も導入された。これら商品・制度の導入によって、契約者間の公平性が
高まるとともに、高リスク契約の高い頻度での保険利用の抑制が図られる見通し。同社は損
害率を長期的に 55~60%程度での安定化させることを目指しているが、2012 年以降行われ
る各種諸施策が着実に効果を積み上げているといえるであろう。
業績への影響:2014 年 11 月の新規契約からは新商品プランのみの販売(継続は従来商品プ
ランも可)となり、継続契約健康割増引制度は割引制度のみ先行実施されている。新商品プ
ランの保険料は従来商品(平均約 6%増の保険料改定が再度行われた)比で約 8%低額。
2014 年 11 月時点では、1) 継続契約は従来商品を選ぶ傾向が強く、2) 継続時の健康割引制
度は 10%・5%・変化なしの割合が同程度(割増対象となる契約は一桁%)、3) 新規契約と
継続契約の割合は概ね 2:8 とみられることからは、新商品プラン等の導入による影響は経常
収益面ではニュートラルと考えれる。しかしながら、経常利益面では損害率改善の効果が徐々
に表われる可能性はある。また、2015 年 6 月契約時より継続割引制度(5%)が廃止される
点は好影響をもたらすと考えられる。
E/I 損害率推移
14年1~9月、オンライン加入の70%商品販売停止
75%
71.6%
73.4%
70%
65%
66.0%
60%
62.3%
55%
56.5%
45%
Q1
Q2
Q3
Q4
FY03/11
Q1
Q2
60.7%
13年8月補償割合50%から
14年6月、保険料改定
(13年7月末90%補償商品終了)
70%への変更制限
(平均12%の改定)
2013年10月からオンライン契約の申込
Q3
Q4
Q1
Q2
Q3
FY03/13
E/I損害率(期初計画)
Q4
Q1
FY03/14
Q2
Q3
14年11月、入通院限度
日数付商品の販売開始、
健康割増引制度導入
から補償開始までの期間を延長
FY03/12
61.7%
62.1%
12年8月90%補償商品引受停止
10年10月90%補償商品発売開始
48.2%
66.7%
64.2%
63.1%
61.5%
55.3%
68.9%
66.3%
65.5%
53.0%
50%
69.0% 69.5%
68.1%
67.3%
68.3%
68.1%
Q4
Q1
FY03/15
Q2
Q3
Q4
Est.
E/I損害率
出所:会社資料よりSR社作成
新規契約獲得力強化
一方、保険引受収益に関しては、2つ目の重点施策である「新規契約獲得力強化」に加え、
「継続契約の獲得力強化」にも注力した。この結果、安定した新規契約の獲得と高水準の継
続率が相俟って、第 3 四半期末における保有契約件数は、535,906 件(2014 年 3 月末比
30,937 件の増加、同 6.1%増)となった。同社では新規契約獲得はペットショップ代理店を
中心にほぼ計画通りの新規契約を獲得し、2015 年 3 月期末には保有契約数は 55 万件となる
見込みとしている。
後述するように、販促及び広告宣伝費等の代理店関連費用の集中的投下や、営業強化による
効果が徐々に表れつつある点に SR 社では注目をしている。
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Shared Research Report
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月次新規契約数推移(千契約)
12
10
9.5
8.6
8.5
8
8.0
8.4 8.1 8.2
8.7
8.3 8.0 8.3
8.8
7.7
3.2
3.2
3.2
6
4
8.0
8.7
5.0
5.5
4.9
3.1
3.4
4.5 4.8
3.0
3.3 3.2 3.1 3.4 3.2
4.3 4.5 4.5 4.3
4.8
4.4
3.3 3.7
4.0
3.4
4.4 4.4
8.2
7.8
2.8 3.4 3.1
3.8
4.3
3.7
8.3 8.3
3.1 3.3
4.4
7.9
3.1
8.4 8.4 8.4
3.1 3.0 3.0
4.1 3.8 4.2 4.0 4.0
9.1 9.1
3.1 3.1
5.1 4.9
9.9 9.7
3.2 3.2
9.4 9.2 9.3
8.1
3.2 3.1 3.1
8.7
2.3 3.1
5.4 5.6 5.3 5.2 5.2
9.2
9.7
8.8
3.0 2.2
4.8 4.9
3.8
8.7
8.2
3.1
2.7
2.5
5.1
4.4
4.0
4.1
9.4
2.6
2.4 2.4
4.4
3.1 2.9
2
0
8.3 8.0
8.9
2.6
3.8
8.3 8.6 8.1 8.1 8.4
2.4 2.8 1.9 1.8
3.2 3.3 3.4
1.6
2.8 3.0
5.4 6.3 5.5 4.9 5.3 5.0 5.2 4.9 5.1 5.4 5.0 4.7 4.6 5.4 4.9 4.8 4.7 5.2 5.0 4.7 5.2 5.4 5.4 6.0 5.9 6.7 6.5 6.1 6.1 6.2 5.8 5.6 6.2 6.6 5.7 6.6 6.0 6.8 5.9 5.6 6.3 5.9 5.8 6.2 6.4 6.8
Apr-11
Apr-12
Apr-13
新規(ペットショップ)
Apr-14
新規(一般代理店)
純増
出所:会社資料よりSR社作成
オンライン契約の戦略的削減:ただし、第 3 四半期累計の新規契約件数は 76,488 件と前年
同期比 7.3%減となった。内訳はペットショップ代理店経由が同 0.3%減、一般代理店経由が
同 21.3%減と、一般代理店の減少が大きく影響を与えた。これは相対的に損害率の高い傾向
にあるオンライン契約の引受体制強化を戦略的に行ったことによるもので、損害率改善に寄
与している。同社では、これら施策の効果として一定の成果が得られたと認識している。
一般代理店経由の新規契約数は、2013 年 10 月から開始したオンライン引受体制の強化
(2014 年 1 月~9 月は 70%補償商品の販売も停止)は一巡したこともあり、現状(1 月は
1,610 件)がほぼ底とみている。ただ、2014 年 10 月からの 70%補償商品の復活などによ
り強化を図っているものの、11 月、12 月、1 月と前月比での減少が続いており、実績として
はなかなか表れてきていない。
また、au 損保などのオンライン販売を志向する競合は、入院及び手術のみに焦点をあてた低
価格商品を投入している。同社ではこうした商品を選択する顧客のなかにも、同社が狙うべ
き顧客層が埋もれている可能性があるとみている。SR 社では新商品展開など何らかの対策が
打たれるものと推測する。
新規契約数及びその内訳前年同月比伸び率
40%
30%
36%
38%
29%
20%
17%
16%
15%
10%
0%
9%
4%
6%
4%
11%
5%
1%
12%
5%
-7%
1%
-1%
-3%
-10%
15%
17%
12%
6%
4%
-1%
-1%
-9%
-13%
-20%
26%
-4%
-2%
-11%
5%
3%
-2%
-3%
-8%
-9%
-19%
-30%
Q1
FY03/12
Q2
Q3
Q4
Q1
FY03/13
新規契約数
Q2
Q3
Q4
Q1
FY03/14
Q2
ペットショップ代理店経由新規契約数
Q3
-5%
-14%
Q4
Q1
FY03/15
-22%
-24%
Q2
Q3
Q4
一般代理店経由新規契約数
出所:会社資料よりSR社作成
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ペットショップ代理店経由の強化:ペットショップ代理店経由の新規契約数は四半期で 18 千
件前後を安定して獲得している。一方で、伸び率、ペットショップ代理点数の増加が伸び悩
みを見せているようにも見える。当然ながら同社でも認識しており、今期は「新規契約獲得
力」が重点施策となっている。
同社ではペットショップ代理店向けの営業の強化、及び、各代理店における付保率(ペット
ショップでの保険の付与率)の上昇に取り組んでいる。付保率は 70%を目標にしているが、
目標にはまだ遠い模様。下表は 1 ペットショップ代理店あたりの新規契約数の推移だが 1 代
理店あたり月 4 件程度と安定はしているものの、目立って上昇しているとは言い難い。ただ、
2015 年 1 月は同月 4.6 件まで上昇しており、今後の動向は注目したい。
同社では、大手代理店における他社からの切り替え促進、新商品の開発、新規開設した東北
支店(仙台。2014 年 4 月開設)及び中四国支店(岡山、2014 年 10 月開設)での営業強化、
などによりペットショップ代理店向けの営業強化を引き続き図っている。販促及び広告宣伝
費等の代理店関連費用の集中的投下や、これら営業強化による効果が徐々に表れつつあり、
第 3 四半期 3 ヶ月におけるペットショップ代理店経由の新規契約数は前年同期比 4.7%増と
増加に転じており、2015 年 1 月も同 3.3%と増加基調を維持している。
ペットショップ代理店経由新規契約数推移(契約)
7,000
50%
6,000
40%
5,000
30%
4,000
20%
3,000
10%
2,000
0%
1,000
-10%
0
-20%
Apr-11
Apr-12
Apr-13
Apr-14
ペットショップ代理店経由新規契約数
前年同期比(右軸)
出所:会社資料よりSR作成
ペットショップ代理店あたり新規契約数推移
20%
6
5.1
15%
10%
4.4
4.8
4.4
4.3
3.9
4.0 4.1 4.0
4.1
5%
4.4
4.1
4.3
3.9 3.7
4.0 3.8
4.1
3.8
4.0
3.7
4.0 4.1 4.0
4.4 4.2
4.6
4.3 4.3 4.4
4.0
4.3
3.9
4.6
4.6
4.5
4.0
4.1
4.1
4.3
3.9
0%
4.0 4.0 4.2
4.3
4.6
5
4
3
-5%
2
-10%
1
-15%
-20%
0
Apr-11
Apr-12
Apr-13
ペットショップ代理店経由新規契約数÷代理店数(当月及び前月末平均)(右軸)
Apr-14
前年同期比
出所:会社資料よりSR社作成
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新規事業へのリソース投入
また、3つ目の重点施策である「新規事業へのリソース投入」に関しては、新子会社である
日本どうぶつ先進医療研究所株式会社が4月より事業を開始するとともに、2014 年8月には
「JASMINE どうぶつ循環器病センター」(横浜市都筑区)が開設した。上期の売上高は 45
百万円(第 1 四半期 11 百万円、第 2 四半期 34 百万円)手術数・手術料金とも同社の想定よ
り上回って順調に推移しているとみられる。同社では通期売上高を 120~130 百万円程度と
上期段階では見込んでいたが、現時点では通期約 200 百万円にまで拡大する見通しを持って
いる。償却前利益は既に第 3 四半期で黒字化を果たした模様である。
さらに、同じく新規事業と位置付けているアニコムパフェ株式会社が開発するクラウド型カ
ルテ管理システム「アニレセF」については、より一層商品力を高めるための改良を継続し、
開発体制及び販売体制の強化に努めた。
同社は下期に研究開発の一部前倒し実施を予定。小森社長の理念にもつながる「ペット新生
児の遺伝病抑制と健康な新生児の流通量拡大」関連とみられ、ペット市場及びペット保険の
普及拡大に向けての経営施策が取られる可能性があると SR 社では推測している。
2016 年 3 月期に向けて
2016 年 3 月期に向けては、1)損害率改善の諸施策の効果の本格化、2)新規契約数獲得力
強化の効果、3)競争力強化に向けた新商品の開発、4)ペット保険以外の新規事業、に SR
社では注目をしている。
損害率改善諸施策の効果は 2016 年 3 月期に最大化が予想される
上記 1)については、前述の損害率改善諸施策の効果は 1 年をかけて積み上がる性質を保有
し、また、損害率コントロールについては同社ではまだ改善の余地があるとみている。
商品面では 2014 年 6 月の価格改定商品が 5 月までは効果が続く点、同年 11 月の入通院限
度日数付商品の構成比の上昇による損害率の低下が見込まれる点にも注目をしている。旧タ
イプの商品はペットの年齢が上昇するにつれリスク濃縮が起こる点には注意が必要であるが、
同社では全体的には徐々に改善の方向に進むとみている。これらは 2016 年 3 月期に効果の
最大化が図られると推測されるが、同社では 2017 年 3 月期に向けても引き続き改善施策を
打っていくとしている。
新規契約数獲得:
「入院・手術のみを補償するペット保険」による競争力強化に期待
上述のようにペットショップ代理店経由では新規契約数獲得のための営業強化の効果が徐々
に表れつつある。一方、一般代理店経由では落ち込みが継続しており、今後投入が予想され
る「入院・手術のみを補償するペット保険」の新商品投入による競争力強化を期待したい。
資産運用収益では利息及び配当金収入は今期並みが見込めよう
資産運用収益では、引き続きソルベンシーマージン比率をみながらのリスクをあまりとらな
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い形での運用方針を維持するものとみられる。現在のポートフォリオは現金が概ね 50%、他
50%のうち国内 REIT 及び債券を主体に国内株式となっている模様であり、市場環境に変化
がなければ利息及び配当金収入の部分については今期並みが見込めよう。
新規事業
また、新規事業においては、JASMINE は同社期初計画より順調に推移しており、今後も業容
の拡大が検討されている。また、連結子会社アニコム パフェが開発するクラウド型カルテ管
理システム「アニレセF」についても、新規病院への提供及び既存病院での旧製品からの切
り替えを現在加速させるべき施策を取っている。ともに来期業績へのプラスの効果が期待さ
れる。
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2015 年 3 月期第 2 四半期(2014 年 11 月 6 日発表)
経常収益
10,662 百万円 (前年同期比 20.5%増)
経常費用
9,989 百万円
(同 16.8%増)
経常利益
672 百万円
(同 123.7%増)
中間純利益
457 百万円
(同 145.4%増)
四半期業績推移
600
500
93.0% 94.1%
400
300
383
370
356
341
396
312
433
421
409
231
526
517
505
99.5% 97.9% 491
97.2%
95.4%
94.3%
93.9%
92.4%
478
90.1%
89.4%
462
379
446
321
321
113
98
47
-100
Q3
Q4
80%
70%
112
60%
18
8
4
Q1
Q2
FY03/11
90%
187
105
0
100%
293
267
186
200
100
92.0%
89.9%
328
314
303
97.2%
97.1%
110%
550
102.6%
98.8% 100.2% 99.4%
96.2%
50%
40%
-81
Q1
Q2
FY03/12
Q3
Q4
Q1
Q2
FY03/13
Q3
Q4
Q1
Q2
FY03/14
経常利益(百万円)
保有契約数(千件)
Q3
Q4
Q1
Q2
FY03/15
Q3
CE
Q4
CE
コンバインドレシオ(右軸)
出所:会社資料よりSR社作成
要約
損害率の改善が進み、前年同期比及び会社計画比でも増収増益で着地、通期業績上方修正
上期業績はペット保険の損害率改善が進み、経常収益・経常利益とも期初計画を上回って着
地、経常利益は 672 百万円と前年同期比 123.7%増、計画比 176.2%増となった。上期の結
果を受けて通期業績の上方修正を発表した。
上期業績の概要
上期業績が好調に推移した要因として、1) ペット保険の保有契約数が概ね順調に増加し、2)
損害率・事業費率ともに消費税の影響を受けたものの想定以上に改善が進んだことでペット
保険引受事業の収益構造が順調に改善、3) 資産運用収益も 225 百万円と前年同期比で 4.5
倍増となり業績への貢献がみられた、ことがあげられる。
E/I 損害率の推移
14年1~9月、オンライン加入の70%商品販売停止
75%
71.6%
73.4%
70%
65%
66.0%
60%
62.3%
55%
56.5%
45%
55.3%
48.2%
63.1%
61.5%
1Q
3Q
1Q
66.7%
66.4% 61.7%
62.1%
12年8月90%補償商品引受停止
13年8月補償割合50%から
(13年7月末90%補償商品終了)
70%への変更制限
60.7%
14年11月、入通院限度日数付商品の販売開始
2013年10月からオンライン契約の申込
10年10月90%補償商品発売開始
FY03/11
68.9%
66.3%
65.5%
53.0%
50%
69.0% 69.5%
68.1%
67.3%
68.3%
68.1%
から補償開始までの期間を延長
3Q
FY03/12
1Q
3Q
FY03/13
E/I損害率(期初計画)
1Q
FY03/14
E/I損害率
3Q
1Q
3Q
FY03/15
出所:会社資料よりSR社作成
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アニコム ホールディングス(8715)
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2015/2/18
運用収益推移(百万円)
有価証券売却益
利息及び配当金収入
150
151
2013 年3 月期は債券のポジションを中期から短期へシフトし、
127
その際にポジションを一旦解消し含み益を現実化した
98
100
75
133
47
50
40
39
15
7
32
1
23
26
31
31
32
Q3
Q4
Q1
Q2
FY03/13
Q3
35
10
20
0
16
0
25
16
17
Q1
Q2
FY03/11
Q3
Q4
20
0
23
1
24
0
23
Q1
Q2
FY03/12
23
5
21
0
20
38
39
30
6
19
Q4
26
20
19
14
14
6
4
Q1
Q2
FY03/14
35
4
Q3
4
Q4
51
51
Q1
Q2
FY03/15
出所:会社資料よりSR社作成
下期計画は期初見通しからほぼ変化ないが、着実な契約獲得、損害率改善が見込まれる
通期計画が修正されたが、下期修正計画における経常収益・経常利益・純利益は、ほぼ期初
の下期計画と同様であり、通期の修正計画は実質上期の超過達成分が上乗せされたもの。
下期については、1) 保険契約の獲得は上期と同程度の増加が見込まれること、2) 損害率の
改善施策は下期にも効果が継続する性質のものであり、期初想定以上に改善が進むと見込ま
れること、3) 8 月に本格稼働した子会社 JASMINE も順調に推移していること、4) 6 月の保
険料改定による継続率悪化も落ち着きを見せたことなどから、順調に推移するとみられる。
同社は下期に研究開発や営業関連投資の一部前倒し実施を予定している。研究開発について
は、小森社長の理念にもつながる「ペット新生児の遺伝病抑制と健康な新生児の流通量拡大」
関連とみられ、ペット市場及びペット保険の普及拡大に向けての経営施策が取られる可能性
があると SR 社では推測している。
新規契約数及び継続率月次推移
12
10
90%
9.5
8.5
8.6
8
8.0
8.7
8.0
8.4 8.1 8.2
8.7
8.3 8.0 8.3
8.8
7.7
8.2
7.8
8.3 8.3
7.9
8.4 8.4 8.4
9.1 9.1
9.9 9.7
9.4 9.2 9.3
8.1
8.7
9.2
9.7
8.8
8.2
8.7
9.4
8.3 8.0
8.9
8.3
6
0
88%
87%
4
2
89%
5.4
6.3
5.5
4.9 5.3 5.0 5.2 4.9 5.1 5.4 5.0
Apr-11
4.7 4.6
5.4 4.9 4.8
5.4 5.4
4.7 5.2 5.0 4.7 5.2
Apr-12
6.0 5.9
6.7 6.5 6.1
6.1 6.2 5.8 5.6 6.2 6.6 5.7 6.6 6.0
Apr-13
新規(ペットショップ)
新規(一般代理店)
6.8
Apr-14
5.9 5.6 6.3 5.9
86%
85%
84%
継続率(右軸)
出所:会社資料よりSR社作成
経常収益
2014 年 6 月の保険料改定による新規契約・継続契約への影響はあったとみられるが、契約数
はほぼ会社計画通りに獲得が進み、保有契約数は 526,439 件(前年同期比 10.1%増)と概
ね順調に増加した。6 月の保険料改定による継続率低下は 1.5 ポイントほどにとどまり、上
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期の平均継続率は 88.3%で着地した。同社では通期の平均継続率見通しを期初計画から 0.5
ポイント引き上げ 88.4%に修正している。
資産運用収益
また、資産運用収益は第 1 四半期に引き続き第 2 四半期も良好に推移し、上期は前年同期比
で 175 百万円増加し経常収益に貢献した。同社ではソルベンシーマージン比率を睨みながら
リスクをあまりとらない形の運用を模索している。以前は国内債券を中心に運用がなされて
いたが、国内 REIT 及び国内株式の組入れ比率を高めたことで従来より高い利回りを確保、上
期は運用益が拡大した。
損害率
上期の E/I 損害率は 67.8%と、前年同期の 69.4%から 1.6 ポイント改善し、会社計画に対
しても第 1 四半期(計画 68.1%、実績 66.7%)、第 2 四半期(計画 71.6%、実績 68.9%)
とも下回り改善が進んだ。同社では、1) 従前から取り組んでいる損害率改善諸施策の効果が
出ていること、2) 90%補償プランの販売停止や査定強化、引受審査強化等の「保険金支払体
制強化」、3) 6 月の保険料改定効果などにより、改善が着実に進んだとしている。
事業費率
上期の事業費率は 28.5%と、前年同期の 29.4%から 0.9 ポイント改善し、会社計画に対し
ても第 1 四半期(計画 30.2%、実績 28.7%)、第 2 四半期(計画 29.8%、実績 28.3%)
とも下回り改善が進んだ。同社では、1) 売上増加による規模の経済効果、2) 業務効率の継
続的な改善により、順調に良化したとしている。
経常利益
これらの結果、上期の経常利益は 672 百万円と、保有契約数の増加に加えて、損害率及び事
業費費率の改善などにより、前年同期の 300 百万円から大幅に改善した。また、修正利益も
コンバインドレシオの改善により 354 百万円と前年同期の 95 百万円から大幅に改善を見せ
ている。
修正利益:ペット保険引受事業による実質的な損益を表す当社グループ独自の指標。経常利益±異常危
険準備金影響額±保険引受以外の営業費・一般管理費±資産運用収支±その他収支にて算出される。
2015 年 3 月期の重点施策と第2四半期の状況
損害率コントロール強化
第2四半期は、2014 年 3 月期からの重点施策であり、2015 年 3 月期においても最重点施策
と位置付けている「損害率コントロール強化」に注力を続けた結果、上述のように着実に損
害率の改善が進んだ。また、E/I 損害率に既経過保険料ベース事業費率を足したコンバイン
ド・レシオ(既経過保険料ベース)についても、前年同期比で 3.6pt 改善し 96.3%となり、
利益構造の改善が進んだ。
なかでも、「保険金支払体制強化」が損害率改善に大きな効果を表したとみられる。同社で
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は支払部門が保険金支払前の段階を、保険金適正支払推進部が保険金支払後の段階を、各々
で体制の強化を図っている。特に、保険金支払後の適切な保険請求がなされているかの調査
(動物病院の協力を得て行われている)は効果が出ている模様である。
新商品プラン、割増引制度導入:2014 年 11 月からは入通院限度日数付商品の販売も開始さ
れ、健康割増引制度も導入される。これら商品・制度の導入によって、契約者間の公平性が
高まるとともに、高リスク契約の高い頻度での保険利用の抑制が図られる見通し。同社は損
害率を長期的に 55~60%程度での安定化させることを目指しているが、2012 年以降行われ
る各種諸施策が着実に効果を積み上げているといえるであろう。
業績への影響:2014 年 11 月の新規契約からは新商品プランのみの販売(継続は従来商品プ
ランも可)となり、継続契約健康割増引制度は割引制度のみ先行実施されている。新商品プ
ランの保険料は従来商品(平均約 6%増の保険料改定が再度行われた)比で約 8%低額。
2014 年 11 月時点では、1) 継続契約は従来商品を選ぶ傾向が強く、2) 継続時の健康割引制
度は 10%・5%・変化なしの割合が同程度(割増対象となる契約は一桁%)、3) 新規契約と
継続契約の割合は概ね 2:8 とみられることからは、新商品プラン等の導入による影響は経常
収益面ではニュートラルと考えれる。しかしながら、経常利益面では損害率改善の効果が徐々
に表われる可能性はある。また、2015 年 6 月契約時より継続割引制度(5%)が廃止される
点は好影響をもたらすと考えられる。
E/I 損害率及び事業費率推移
80%
70%
62.3%
60%
50%
40%
14年1~9月、オンライン加入の70%商品販売停止
73.4%
53.0%
66.0% 67.3%
66.7%
66.3%
68.9%
66.4%
62.1%
60.7%
56.5% 55.3%
10年10月90%補償商品発売開始
12年8月90%補償商品引受停止
13年8月補償割合50%から
(13年7月末90%補償商品終了)
70%への変更制限
34.6%
36.5%
34.2%
から補償開始までの期間を延長
32.1%
20%
3Q
14年11月、入通院限度日数付商品の販売開始
2013年10月からオンライン契約の申込
41.1% 39.7%
30%
1Q
2Q
FY03/11
63.1%
61.5%
48.2%
44.8%
65.5%
69.0% 69.5%
68.1%
4Q
1Q
2Q
FY03/12
3Q
E/I損害率
30.5% 31.6% 29.2% 29.1% 29.3% 30.5%
28.3% 27.7% 27.9% 28.7% 28.3% 27.9% 28.7%
4Q
1Q
2Q
FY03/13
3Q
4Q
1Q
2Q
FY03/14
3Q
4Q
1Q
2Q
FY03/15
3Q
Est.
4Q
Est.
既経過保険料事業費率
出所:会社資料よりSR社作成
新規契約獲得力強化
一方、保険引受収益に関しては、2つ目の重点施策である「新規契約獲得力強化」に加え、
「継続契約の獲得力強化」にも注力した。この結果、安定した新規契約の獲得と高水準の継
続率が相俟って、第 2 四半期末における保有契約件数は、526,439 件(2014 年 3 月末比
21,470 件の増加、同 4.3%増)となった。同社では新規契約獲得はペットショップ代理店を
中心にほぼ計画通りの新規契約を獲得し、2015 年 3 月期末には保有契約数は 55 万件となる
見込みとしている。
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月次新規契約数推移(千契約)
12
10
9.5
8.6
8.5
8
8.0
8.7
8.4 8.1 8.2
8.0
8.7
8.3 8.0 8.3
8.8
7.7
3.2
3.2
3.2
6
3.1
3.4
3.0
8.2
7.8
8.3 8.3
7.9
8.4 8.4 8.4
3.4
3.3 3.2 3.1 3.4 3.2
3.1 3.0 3.0
3.1 3.3
3.3 3.7
2.8 3.4 3.1
3.1
9.1 9.1
3.1 3.1
4
2
5.4
6.3
5.5
5.4 5.4
4.9 5.3 5.0 5.2 4.9 5.1 5.4 5.0 4.7 4.6 5.4 4.9 4.8 4.7 5.2 5.0 4.7 5.2
6.0 5.9
9.9 9.7
3.2 3.2
9.4 9.2 9.3
8.1
3.2 3.1 3.1
8.7
2.3 3.1
9.2
9.7
8.8
3.0 2.2
8.7
8.2
3.1
2.5
2.7
9.4
2.6
8.3 8.0
2.4 2.4
8.9
2.6
8.3
2.4
6.8
6.7 6.5 6.1
6.1 6.2 5.8 5.6 6.2 6.6 5.7 6.6 6.0
5.9 5.6 6.3 5.9
0
Apr-11
Apr-12
Apr-13
新規(ペットショップ)
Apr-14
新規(一般代理店)
純増
出所:会社資料よりSR社作成
オンライン契約の戦略的削減:ただし、上期の新規契約件数は 51,647 件と前年同期比 8.5%
減となった。内訳はペットショップ代理店経由が同 2.6%減、一般代理店経由が同 20.2%減
と、一般代理店の減少が大きく影響を与えた。これは相対的に損害率の高い傾向にあるオン
ライン契約の引受体制強化を戦略的に行ったことによるもので、損害率改善に寄与している。
新規契約数及びその内訳前年同月比伸び率
40%
30%
36%
38%
29%
20%
17%
16%
15%
10%
0%
9%
6%
12%
4%
11%
5%
5%
4%
1%
-7%
1%
-1%
-3%
-10%
15%
17%
12%
6%
4%
-1%
-1%
-9%
-13%
-20%
26%
-4%
3%
-2%
-11%
-2%
-3%
-8%
-9%
-14%
-19%
-30%
Q1
FY03/12
Q2
Q3
Q4
Q1
FY03/13
新規契約数
Q2
Q3
Q4
Q1
FY03/14
ペットショップ代理店経由新規契約数
Q2
Q3
Q4
Q1
FY03/15
-22%
Q2
一般代理店経由新規契約数
出所:会社資料よりSR社作成
ペットショップ代理店経由の強化:ペットショップ代理店経由の新規契約数は四半期で 18 千
件前後を安定して獲得している。一方で、伸び率、ペットショップ代理点数の増加が伸び悩
みを見せているようにも見える。当然ながら同社でも認識しており、今期は「新規契約獲得
力」が重点施策となっている。
同社ではペットショップ代理店向けの営業の強化、及び、各代理店における付保率(ペット
ショップでの保険の付与率)の上昇に取り組んでいる。付保率は 70%を目標にしているが、
目標にはまだ遠い模様。下表は 1 ペットショップ代理店あたりの新規契約数の推移だが 1 代
理店あたり月 4 件程度と安定はしているものの、目だって上昇しているとは言い難い。
同社では、大手代理店における他社からの切り替え促進、新商品の開発、新規開設した東北
支店(仙台。2014 年 4 月開設)及び中四国支店(岡山、2014 年 10 月開設)での営業強化、
などによりペットショップ代理店向けの営業強化を引き続き図っており、今後の成果を期待
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したい。
ペットショップ代理店数及び新規契約数推移(店、契約)
8,000
1,600
7,000
1,400
6,000
1,200
5,000
1,000
4,000
800
3,000
600
2,000
400
1,000
200
0
0
Apr-11
Apr-12
Apr-13
ペットショップ代理店数(右軸)
Apr-14
ペットショップ代理店経由新規契約数
ペットショップ代理店あたり新規契約数推移
6.0
20%
15%
5.0
10%
4.0
5%
3.0
0%
-5%
2.0
-10%
1.0
-15%
0.0
-20%
Apr-11
Apr-12
前年同期比(右軸)
Apr-13
Apr-14
ペットショップ代理店経由新規契約数÷代理店数(当月・前月平均)
出所:会社資料よりSR社作成
新規事業へのリソース投入
また、3つ目の重点施策である「新規事業へのリソース投入」に関しては、新子会社である
日本どうぶつ先進医療研究所株式会社が4月より事業を開始するとともに、2014 年8月には
「JASMINE どうぶつ循環器病センター」(横浜市都筑区)が開設した。上期の売上高は 45
百万円(第 1 四半期 11 百万円、第 2 四半期 34 百万円)、手術数・手術料金とも同社の想定
より上回って順調に推移しているとみられる。同社では通期売上高を 120~130 百万円程度、
償却前利益はほぼゼロを見込んでいる模様だ。
さらに、同じく新規事業と位置付けているアニコムパフェ株式会社が開発するクラウド型カ
ルテ管理システム「アニレセF」については、より一層商品力を高めるための改良を継続し、
開発体制及び販売体制の強化に努めた。
同社は下期に研究開発の一部前倒し実施を予定。小森社長の理念にもつながる「ペット新生
児の遺伝病抑制と健康な新生児の流通量拡大」関連とみられ、ペット市場及びペット保険の
普及拡大に向けての経営施策が取られる可能性があると SR 社では推測している。
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2015 年 3 月期第 1 四半期(2014 年 8 月 6 日発表)
経常収益
5,163 百万円 (前年同期比 17.5%増)
経常費用
4,784 百万円
(同 11.8%増)
経常利益
379 百万円
(同 233.9%増)
四半期純利益
251 百万円
(同 270.1%増)
第 1 四半期の概況
第 1 四半期は、1) ペット保険の保有契約数が順調に増加し、2) 損害率・事業費率ともに消
費税の影響を受けたものの想定以上に改善が進んだことで、ペット保険引受事業の収益構造
は順調に良化した。第 2 四半期に向けても、足許は順調に推移しているとみられる。
経常収益
保有契約数の増加のほか、資産運用や子会社の貢献により前年同期比 17.5%増となった。6
月の価格改定による影響も同社想定の範囲にとどまり、保有契約数、新規契約数とも第 1 四
半期は会社計画線で推移し、足許も順調としている。
資産運用は有価証券売却益、利息及び配当収入とも大幅に増加し、前年同期比で 68 百万円増
の 98 百万円となった。
損害率
E/I 損害率は 66.7%と、前年同期の 69.0%から 2.3 ポイント改善し、会社計画の 68.1%を
1.4 ポイント下回った。同社では、90%補償プランの販売停止や査定強化、引受審査強化等
の損害率改善施策により、改善が着実に進んだとしている。とりわけ、担当部門が動物病院
と連携を強化することで、過剰医療防止の効果が徐々に出てきている点に、SR 社では注目を
している。
事業費率
事業費率は 28.7%と、前年同期の 30.5%から 1.8 ポイント改善し、会社計画の 30.2%を
1.5 ポイント下回った。同社では、売上増加による規模の経済効果や業務効率の継続的な改善
により、順調に良化したとのこと。また、期初に予定していた費用が一部実行されなかった
面もあったが、同社では第 2 四半期以降に期ずれする性質の費用ではなく、第 2 四半期以降
も引き続き業務効率の改善に努めるとしている。
経常利益
経常利益は 379 百万円と、保有契約数の増加に加えて、損害率及び事業費費率の改善などに
より、前年同期の 113 百万円から大幅に改善した。期初計画の 311 百万円に対しても、68
百万円上回って着地した。また、修正利益も 216 百万円と、前年同期の 16 百万円から改善
した。異常危険準備金戻入益や資産運用収入、子会社収益等により経常利益の改善幅より低
いものの、順調に良化した。
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修正利益:ペット保険引受事業による実質的な損益を表す当社グループ独自の指標。経常利益±異常危
険準備金影響額±保険引受以外の営業費・一般管理費±資産運用収支±その他収支にて算出される。
2014 年 3 月期以前は、経常利益±異常危険準備金影響額±資産運用収支±その他収支で算出していた。
第 1 四半期の異常危険準備金については、正味損害率が計画以下となったことから、取崩額
が期初想定を下回った。同社の期初計画では、第 1 四半期は取崩額(442 百万円)が繰入額
(157 百万円)を上回ることで、経常利益に 285 百万円の増益要因を見込んでいた。しかし
ながら、第 1 四半期は取崩額が 324 百万円にとどまり繰入額(161 百万円)はほぼ計画通り
であったことから、163 百万円の増益要因となった。
第 2 四半期は期初計画では、取崩額(137 百万円)が繰入額(164 百万円)を下回ることで
27 百万円の減益要因になると見込んでいたが、第 1 四半期終了時点では、取崩額(254 百万
円)が繰入額(164 百万円)を上回ることから 89 百万円の増益要因となるとみている。結果、
期初の第 2 四半期の経常利益計画(経常損失 67 百万円)に対して、116 百万円の増益要因
となることになる。
商品改定
2014 年 6 月 1 日より保険料を改定
同社は 2014 年 3 月に、2014 年 6 月 1 日より保険料改定を行い、2015 年 6 月 1 日以降に
始期日を迎える契約に対する健康継続割引制度の導入及び継続割引制度の廃止することを発
表し、2014 年 6 月 1 日より保険料改定が行われた。
2014 年 11 月 1 日より商品改定
また、2014 年 5 月 30 日付で金融庁より「入通院限度日数あり」ペット保険の認可を取得。
2014 年 8 月 6 日には、2014 年 11 月 1 日からペット保険「どうぶつ健保ふぁみりぃ」の商
品改定を実施することを発表した。
商品改定の具体的な内容は、1) ペット保険「どうぶつ健保ふぁみりぃ」は、新規契約は「入
通院限度日数あり」のスタンダードプランのみ、継続契約はスタンダードプランと「入通院
限度日数なし」ワイドプランを選択可能、2) 犬の「品種クラス」の一部改定と鳥・うさぎ・
フェレットの新規引受停止、3) 健康割増引制度を導入する、というもの。
6 月、11 月と短期間で保険料が改定されたことについて同社では、本来であれば金融庁の認
可を得た商品改定に一元化する予定であったが、消費増税の影響が大きい点を踏まえて 6 月
に既存商品の保険料改定を行ったとしている。
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2014 年 11 月商品改定後の保険料(1 歳以上は継続割引 5%適用後)と 2014 年 6 月改定保険料との比較
2014年11月からの支払割合70%のスタンダードプラン(円)
犬A
犬B
犬C
犬D
犬E
猫
鳥
0歳 35,630 39,160 42,700 48,870 55,970 36,320
1歳 32,240 35,410 38,710 44,300 50,930 32,860 29,210
2歳 32,730 35,630 39,430 45,120 52,460 33,000 29,210
3歳 34,800 37,060 41,700 47,760 56,250 33,440 29,210
4歳 39,030 40,810 46,080 52,950 62,410 34,350 29,210
5歳 43,910 46,500 52,090 60,170 69,930 35,820 29,210
6歳 49,060 52,540 58,620 68,110 77,490 37,790 29,210
7歳 53,950 57,710 64,680 75,520 84,160 40,020 29,210
うさぎ フェレット
34,650
37,980
41,950
46,120
50,130
53,730
56,810
35,500
43,130
56,430
71,910
85,880
98,150
108,060
2014年11月からの支払割合70%のスタンダードプラン、2014年6月保険料比
犬A
犬B
犬C
犬D
犬E
猫
鳥 うさぎ フェレット
0歳 -1.8% -2.9% -3.7% -5.0% -6.0% -2.0%
1歳 0.2% -0.8% -1.8% -3.0% -4.1% 0.0% 1.6% -0.6% -0.9%
2歳 0.0% -0.9% -2.0% -3.2% -4.3% -0.0% 1.6% -1.6% -2.8%
3歳 -0.7% -1.3% -2.5% -3.6% -4.8% -0.2% 1.6% -2.5% -4.8%
4歳 -1.9% -2.3% -3.4% -4.4% -5.4% -0.5% 1.6% -3.4% -6.1%
5歳 -4.3% -3.4% -4.3% -5.2% -6.0% -1.0% 1.6% -4.0% -6.9%
6歳 -5.2% -4.3% -5.0% -5.9% -6.5% -1.6% 1.6% -4.5% -6.0%
7歳 -4.5% -4.9% -5.6% -6.4% -6.9% -2.1% 1.6% -4.9% -4.3%
2014年11月からの支払割合70%のワイドプラン(円)
犬A
犬B
犬C
犬D
犬E
猫
0歳
1歳 35,240 38,680 42,290 48,400 55,650 35,910
2歳 35,760 38,930 43,080 49,290 57,310 36,060
3歳 37,860 40,490 45,560 52,180 61,460 36,540
4歳 40,810 44,590 50,340 57,860 68,180 37,530
5歳 45,700 49,770 56,900 65,750 76,410 39,150
6歳 52,210 56,120 64,040 74,410 84,670 41,290
7歳 58,940 63,060 70,670 82,510 93,620 43,730
鳥
31,910
31,910
31,910
31,910
31,910
31,910
31,910
うさぎ フェレット
37,860
41,500
45,840
50,390
54,770
58,710
62,070
2014年11月からの支払割合70%のワイドプラン、2014年6月保険料比
犬A
犬B
犬C
犬D
犬E
猫
鳥 うさぎ
0歳
1歳 9.5% 8.3% 7.3% 5.9% 4.8% 9.3% 11.0% 8.6%
2歳 9.3% 8.2% 7.1% 5.8% 4.5% 9.2% 11.0% 7.5%
3歳 8.1% 7.8% 6.5% 5.3% 4.0% 9.0% 11.0% 6.5%
4歳 2.6% 6.7% 5.6% 4.5% 3.3% 8.7% 11.0% 5.6%
5歳 -0.4% 3.4% 4.6% 3.6% 2.7% 8.2% 11.0% 4.9%
6歳 0.9% 2.2% 3.7% 2.8% 2.1% 7.6% 11.0% 4.4%
7歳 4.3% 3.9% 3.1% 2.3% 3.6% 6.9% 11.0% 4.0%
38,790
46,630
61,660
78,560
96,180
112,310
123,660
フェレット
8.3%
5.1%
4.0%
2.5%
4.2%
7.6%
9.5%
犬A:日本スピッツ、チワワなど。混血種は体重10kg未満
犬B:ミニチュア・ダックスフンド、柴犬、パピヨン、トイプードルなど。混血種は体重10kg~20kg未満
犬C:マルチーズ、秋田犬、ビーグル、チャウ・チャウ、プードル、ポメラニアン、ヨークシャーテリアなど。混血種は体重20kg~30kg未満
犬D:シー・ズー、ゴールデン・レトリーバー、コリー、ダックスフンド、フレンチ・ブルドッグなど。混血種は体重30kg~45kg未満
犬E:シベリアンハスキー、土佐犬、アメリカン・コッカー・スパニエル、ブルドッグなど。混血種は体重45kg以上
業績に与える影響について
同社では商品改定がもたらす業績への影響について、保険料の値上げや継続割引制度(5%)
の廃止が保険契約数に悪影響を与える可能性があるものの、保険料収入全体としては影響が
ないか好影響が出てくる可能性があるとしている。損害率については、スタンダードプラン
及び健康割増引制度の導入により改善に向かう見通しを持つ。
健康割増引制度は、契約期間の入通院日数・手術回数によって、継続契約時の保険料を割引・
割増するというもの。同制度の導入により、継続率を高める狙いと、一部の契約者から極め
て高い損害率となる保険金請求がなされているという状況が改善される狙いがあると SR 社
ではみている。
健康割増引制度は、現在の契約での内容によって判定される。判定にあたっては、初年度契約の場合は
最初 6 ヶ月が判定期間、2 年目以降の継続契約の場合は現在の契約の前半 6 ヶ月と前年の契約の後半 6
ヶ月の 1 年間が判定期間となる。また、割引制度が先行実施され、割増については 2015 年 11 月 1 日
以降に始期日を迎える契約より適用開始となる。
通院・入院日数/手術回数
割増引率
0回
1~5回
6~19回
20~39回
40回以上
10%割引
5%割引
割増引なし
20%割増
50%割増
出所:会社資料よりSR社作成
また、これら商品改定は 2014 年 11 月 1 日から導入され、また、健康割増引制度による保険
料割増が適用されるのは早くとも 2015 年 11 月 1 日以降となることから、業績への影響は
2016 年 3 月期以降に大きくなると考えられる。
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2015 年 3 月期の重点施策と第 1 四半期の状況
損害率コントロール強化
第 1 四半期は、2014 年 3 月期からの重点施策であり、2015 年 3 月期においても最重点施策
と位置付けている「損害率コントロール強化」に注力を続けた結果、上述のように着実に損
害率の改善が進んだ。また、E/I 損害率に既経過保険料ベース事業費率を足したコンバイン
ド・レシオ(既経過保険料ベース)についても、前年同期比で 4.1pt 改善し 95.4%となり、
利益構造の改善が進んだ。
同社では大きく 2 つの要因が積み重なった結果であると分析している。一つは、同社が進め
ている「過剰医療防止」の経営施策、もう一つは消費増税前駆け込み動物病院需要の反動で
ある。過剰医療防止は、同社の担当部門が動物病院の医師と連携して、過剰医療防止に取り
組んだ成果であり、その効果は継続的且つ積み上がっていく性質を有する。駆け込み需要の
反動は一時的要因であるが、過剰医療防止については第 2 四半期以降も期待可能である。
また、上述の商品改定も損害率コントロール強化に好影響を与える可能性がある。
新規契約獲得力強化
一方、保険引受収益に関しては、2つ目の重点施策である「新規契約獲得力強化」に加え、
「継続契約の獲得力強化」にも注力した。この結果、安定した新規契約の獲得と高水準の継
続率が相俟って、第1四半期末における保有契約件数は、516,618 件(2014 年 3 月末比
11,649 件の増加、同 2.3%増)となった。同社では新規契約獲得はペットショップ代理店を
中心に想定通りの新規契約を獲得し、2015 年 3 月期末には保有契約数は 55 万件を突破する
見込みとしている。
また、損害率が高い傾向にあったオンライン契約の引受体制強化を行ったために一般新規契
約数は 26,398 件と前年同期比で 7.7%減少したものの、損害率は着実に改善をみせた。新規
契約の内訳では、ペットショップ代理店経由の新規契約が前年同期比 2.2%減であったのに対
して、一般代理店経由は 18.8%減となった。オンライン契約の引受体制強化の施策が効果を
表している証左ともいえよう。
また、平均継続率は 2014 年 6 月の保険料改定による影響を受けたものの、第 1 四半期全体
としては 88.8%で着地し、通期では 87.9%と高水準を想定している。
月次では、4 月が 89.0%、
5 月が 89.4%、6 月が 87.9%と推移しており、6 月の落ち込みは同社の想定内でおさまり、
また、7 月も同様の傾向で推移しているとしている。
新規事業へのリソース投入
また、3つ目の重点施策である「新規事業へのリソース投入」に関しては、新子会社である
日本どうぶつ先進医療研究所株式会社が4月より事業を開始するとともに、2014 年8月の
「JASMINE どうぶつ循環器病センター」(横浜市都筑区)開設に向け、準備を進めた。
第 1 四半期のその他経常収益が 52 百万円と前期比 16 百万円増となっているが、日本どうぶ
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つ先進医療研究所の事業開始の影響が大きかった。また、8 月 1 日より実際に病院が開設さ
れたことで、第 2 四半期はその影響が強まるとみられる。先行投資負担のために経常損失に
なっているが、連結経常利益に与える影響は大きくないと同社ではコメントしている。
同じく新規事業と位置付けているアニコムパフェ株式会社が開発するクラウド型カルテ管理
システム「アニレセF」については、より一層商品力を高めるための改良を継続し、開発体
制及び販売体制の強化に努めた。第 1 四半期時点では、既存の「アニコムレセプター」導入
先が「アニレセ F」へ移行する体制はまだ構築中とみられるが、今後「アニレセ F」が普及す
ることで過剰医療防止の面でも効果が発揮されていくことを期待したいと SR 社では考えて
いる。
過去の四半期実績と通期実績は、過去の財務諸表へ
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今期会社計画
2014 年 3 月期実績と 2015 年 3 月期会社計画
2015年3月期会社計画
(百万円)
経常収益
前期比
経常利益
前期比
経常利益率
当期純利益
前期比
FY03/14
1H
2H
8,849
11.5%
300
-39.8%
3.4%
186
-52.3%
各種指標
FY03/10
保有契約数(件)
新規契約数(件)
FY
9,517
15.4%
433
27.7%
4.5%
261
4.4%
18,366
13.5%
733
-12.5%
4.0%
447
-30.1%
FY03/11
FY03/12
FY03/15修正予想
1H
2H
FY
10,662
11,517
20.5%
21.0%
672
560
124.0%
29.3%
6.3%
4.9%
457
365
145.7%
39.8%
FY03/13
22,179
20.8%
1,232
68.1%
5.6%
822
83.9%
FY03/15期初予想
1H
2H
10,299
16.4%
243
-19.1%
2.4%
147
-21.0%
FY
11,491
20.7%
557
28.6%
4.8%
362
38.7%
21,790
18.6%
800
9.2%
3.7%
509
13.8%
FY03/14
FY03/15
期初予
504,969
555,404
109,170
107,500
修正予
550,000
104,000
290,767
86,904
340,628
91,666
396,234
101,014
446,414
99,504
E/I損害率
既経過保険料事業費率
コンバインドレシオ
48.6%
-
53.4%
-
64.3%
33.2%
97.5%
67.5%
29.7%
97.2%
66.7%
28.6%
95.3%
67.3%
28.8%
96.1%
65.5%
28.4%
93.9%
正味損害率
正味事業費率
コンバインドレシオ
E/I損害率+正味事業費率
継続率
45.5%
40.2%
85.7%
88.8%
84.1%
48.1%
36.3%
84.4%
89.7%
86.6%
57.3%
30.9%
88.2%
95.2%
87.6%
63.7%
28.5%
92.2%
96.0%
88.1%
62.8%
27.3%
90.1%
94.0%
89.3%
62.3%
27.1%
89.4%
94.4%
87.9%
59.6%
26.9%
86.5%
92.4%
88.4%
出所:会社資料よりSR社作成
2015 年 3 月期会社計画
2015 年 3 月期の会社計画は、経常収益 22,179 百万円(前期比 20.8%増)、経常利益 1,232
百万円(同 68.1%増)、当期純利益 822 百万円(同 83.9%増)。通期会社計画は上期の結
果を受けて 2014 年 11 月 6 日に上方修正が発表された。
経常利益増減益分析(百万円)
FY03/14
実績
保険料
損害率
増収
上昇
事業費率 運用収支
上昇
増加
その他
収支
FY03/15
期初計画
FY03/14
実績
1,400
1,400
1,200
1,200
1,000
1,000
800
125
-119
-39
194
-93
600
400
400
800
733
200
0
損害率
増収
改善
事業費率 運用収支
改善
増加
300
その他
収支
FY03/15
修正計画
-213
40
234
800
600
保険料
137
1,232
733
200
経常利益
増益要因
減益要因
0
経常利益
増益要因
減益要因
出所:会社資料よりSR社作成
下期計画
期初見通しからほぼ変化ないが、着実な契約獲得、損害率改善が見込まれる
通期計画が修正されたが、下期修正計画における経常収益・経常利益・純利益は、ほぼ期初
の下期計画と同様であり、通期の修正計画は実質上期の超過達成分が上乗せされたもの。
下期については、1) 保険契約の獲得は上期と同程度の増加が見込まれること、2) 損害率の
改善施策は下期にも効果が継続する性質のものであり、期初想定以上に改善が進むと見込ま
れること、3) 8 月に本格稼働した子会社 JASMINE も順調に推移していること、4) 6 月の保
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険料改定による継続率悪化も落ち着きを見せたこと、などから、順調に推移するとみられる。
同社は下期に研究開発や営業関連投資の一部前倒し実施を予定している。研究開発について
は、小森社長の理念にもつながる「ペット新生児の遺伝病抑制と健康な新生児の流通量拡大」
関連とみられ、ペット市場及びペット保険の普及拡大に向けての経営施策が取られる可能性
があると SR 社では推測している。
4 つの経営指標
2015 年 3 月期は期初計画時点から重点施策として、1) 損害率コントロール強化、2) 新規
契約獲得力強化、3) 新規事業へのリソース投入、を掲げている。また、これに関わる経営指
標として、a) 保険引受収益、b) 損害率、c) 事業費、d) 資産運用収益を重要視している。
以下に、資産運用収益を除いた今期の戦略を示す。
保険引受収益:保険料改定の影響
保有契約数は 8.9%増を計画
保有契約数は 8.9%増と期初計画(10.0%増)からは若干下方に修正されたが引き続き着実
な積み上げを見込む。。同社では外部環境として、1) 少子高齢化によるペット需要の増加、
2) 毎年新生児向けの保険市場が生まれる底堅い需要をあげている。
消費増税の影響を保険料改定で補う
保有契約数の増加に対して経常収益の増加率が大きいが、これは、期中の保険料改定(値上
げ)効果の寄与を見込んでいるため。保険料改定は 2014 年 4 月からの消費税率 8%への引
き上げ、
2015 年 4 月に予定されている同 10%への引き上げによる費用負担の増加を睨んで、
2014 年 6 月に実施された。SR 社では後述のように、保険料改定は 2015 年 3 月期に 18.4
億円の増収効果をもたらすと期初時点で予想したいた(既経過保険料ベースでは 10.5 億円)。
継続率の低下を織り込む
また、同社では期初計画では前期比 1.4 ポイントの継続率低下を予想している。これは、保
険料改定の影響を織り込んだためで、同社では過去データの分析からは保険料改定による影
響は約 2 ポイントの減少にとどまるとみていたため。実際には同社想定よりも継続率の悪化
は緩和され約 1.5 ポイントの下落にとどまった。修正計画では今後更新を迎える契約も同程
度の低下を想定した上で前期比 1.0 ポイント減の 88.4%に見直されている。
2014 年 11 月から新商品プランが導入され、契約継続時に保険料が平均約 6%上昇した従来
プラン(通院日数限度なし)とこれより約 8%割安なスタンダード(通院日数限度あり)プ
ランを選択可能となった。従来プランは実質値上がりしているものの、あわせて健康割引増
制度が導入(平均割引率は 5%前後とみられる)されたこともあり、継続率にあまり変化は
みられない模様である。
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損害率のコントロール強化
期初計画では損害率悪化を見込んだが、改善施策効果により修正計画では改善を見込む
期初計画では、消費増税の影響(後述)により、E/I 損害率(既経過保険料を基準とした発生
ベースの損害率)は 0.6 ポイントの悪化を見込んでいた。しかしながら、期初計画から掲げ
る「損害率コントロール強化」に注力した結果、着実に損害率の改善が図られ、修正計画で
は前期比 1.2 ポイントの改善を見込む。なかでも、「保険料の改定」「保険金支払体制強化」
が損害率改善に大きな効果を表したとみられる。
同社のペット保険は、契約ペットの平均年齢の上昇(ペットは毎年歳を取る)にともない保
険金支払いのリスクも上昇し、結果的に損害率は上昇する傾向にある。同社では、適正水準
とみなしている 60%を目指して、1) 引受時審査の強化、2) 保険金支払体制の強化、3) リ
スクの低い新生児案件の獲得強化を掲げている。
引受時審査の強化と過剰医療防止
同社の保有契約数約 50 万件のうち、数%の契約者が損害率 300%にも達する保険金請求をし
ているという。ペット保険の場合はこうした高い損害率となる場合、慢性的疾患を持つケー
スが多数を占める。同社では、こうした契約の継続審査の強化を図っていく計画。
保険金支払体制の強化
同社では支払部門が保険金支払前(査定前)の段階を、保険金適正支払推進部が保険金支払
後(査定後)の段階をと、各々で体制の強化を図っている。特に、保険金支払後の適切な保
険請求がなされているかの調査・フィードバック(動物病院の協力を得て行われている)は
効果が出ている模様である。
また、動物病院に対しては次世代カルテ管理システムの「アニレセ F」の拡販を図ることで、
過剰医療防止の取り組みを行っている。獣医師がカルテ管理システムを開いた際に、症例毎
の平均治療費を自動的に提示することで、過剰医療防止を狙ったもの。保険金請求のフィー
ドバックとあわせて、ペットの飼い主・動物病院・ペット保険など関連業界の健全な発展を
促すものとして期待される。
E/I 損害率及び事業費率推移
80%
70%
62.3%
60%
50%
40%
14年1~9月、オンライン加入の70%商品販売停止
73.4%
53.0%
66.0% 67.3%
63.1%
66.7%
66.3%
68.9%
64.2%
62.1%
60.7%
56.5% 55.3%
10年10月90%補償商品発売開始
41.1% 39.7%
30%
34.6%
36.5%
34.2%
12年8月90%補償商品引受停止
13年8月補償割合50%から
14年6月、保険料改定
(13年7月末90%補償商品終了)
70%への変更制限
(平均12%の改定)
32.1%
20%
Q2
Q1
FY03/11
68.1%
61.5%
48.2%
44.8%
65.5%
69.0% 69.5%
Q3
Q4
Q1
Q2
FY03/12
Q3
E/I損害率
14年11月、入通院限度
2013年10月からオンライン契約の申
日数付商品の販売開始、
込から補償開始までの期間を延長
健康割増引制度導入
30.5% 31.6% 29.2% 29.1% 29.3% 30.5%
28.7%
28.3% 27.7% 27.9% 28.7% 28.3%
26.8%
Q4
Q2
Q1
FY03/13
Q3
Q4
Q1
Q2
FY03/14
Q3
Q4
Q1
Q2
FY03/15
Q3
Q4
Est.
既経過保険料事業費率
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販売経費:新規契約獲得を加速させるための取り組み
同社では、損害率低下によって得られた原資を販売促進に費やす考えを 2014 年 3 月期の決
算説明会で示した。具体的には、新規契約獲得を加速させるために、代理店手数料を含めた
販売促進関連に費用をかけていく考えにある。地域戦略でも 2014 年 5 月に東北支店、同 10
月に中四国支店を開設、両地区のペットショップ開拓に注力する考え。現在、北海道(札幌)、
東北(仙台)、中部(名古屋)、近畿(大阪)、中四国(岡山)、九州(福岡)に支店を持
ち、高知にもオフィスを構える。
新商品「入通院限度日数付商品」
2014 年に実施された商品関連の動き
2014 年 6 月
保険料改定(同社推定平均 12%上昇)
2014 年 11 月
保険料改定(同約 6%上昇)
新商品「入通院限度日数付」の導入
(新規契約は同商品のみ。限度日数無商品比で平均約 8%低額な商品)
健康割引制度の導入(継続前の通院回数によって 10%割引、5%割引)
2015 年 6 月
継続割引(5%)制度の廃止(健康割引制度で代替)
2015 年 11 月
健康割増制度の導入(通院回数によって 20%割増、50%割増)
2015 年 3 月期は商品の内容・保険料に大きな動きがある期となった。業績への影響としては、
6 月の保険料改定は継続率の低下をもたらすも増収に貢献、11 月の保険料改定・新商品導入・
健康割引制度の導入については合わせて影響はニュートラルと SR 社ではみている。また、
2015 年 6 月は増収に貢献するとみられるが、入通院限度日数付の商品への移行も考えられる
ため影響は不明、同年 11 月の健康割増制度については対象契約が一桁%であることから影響
は軽微と推測する。
「入通院限度日数あり」ペット保険を 2014 年 11 月に導入
2014 年 5 月 30 日付で金融庁より「入通院限度日数あり」ペット保険の認可を取得し、11
月 1 日から販売を開始した。販売開始以降、新規契約は「限度日数あり」の新商品のみとな
った(継続契約は従来商品と選択可能)。SR 社では新商品は保険料が下がるものの、限度日
数を設けることで損害率の低下につながる可能性が高いと理解している。販売開始時期や商
品特性を勘案すると、損害率改善などでの業績貢献は 2016 年 3 月期以降と考えられよう。
2014 年 11 月からは新商品と同時に健康割増引制度も導入された。これら商品・制度の導入
によって、契約者間の公平性が高まるとともに、高リスク契約の高い頻度での保険利用の抑
制が図られる見通し。同社は損害率を長期的に 55~60%程度での安定化させることを目指し
ているが、2012 年以降行われる各種諸施策が着実に効果を積み上げているといえるであろう。
業績への影響:2014 年 11 月の新規契約からは新商品プランのみの販売(継続は従来商品プ
ランも可)となり、継続契約健康割増引制度は割引制度のみ先行実施されている。新商品プ
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ランの保険料は従来商品(平均約 6%増の保険料改定が再度行われた)比で約 8%低額。
2014 年 11 月時点では、1) 継続契約は従来商品を選ぶ傾向が強く、2) 継続時の健康割引制
度は 10%・5%・変化なしの割合が同程度(割増対象となる契約は一桁%)、3) 新規契約と
継続契約の割合は概ね 2:8 とみられること、からは新商品プラン等の導入による影響は経常
収益面ではニュートラルと考えれる。しかしながら、経常利益面では損害率改善の効果が徐々
に表す可能性はある。また、2015 年 6 月契約時より継続割引制度(5%)が廃止される点は
好影響をもたらすと考えられる。
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消費増税と保険料改定の影響の試算(期初計画時点)
保険料改定により 2015 年 3 月期は既経過保険料ベースで 10.5 億円の増収効果と分析
同社は 2014 年 6 月から新料金体系を適用する。SR 社では影響額を試算、2015 年 3 月期の
経常収入に 18.4 億円の増収効果をもたらすと予想する。しかしながら、同社保険契約の年払
い・月払いの割合、未経過保険料相当の 7.9 億円は責任準備金に繰り入れられて経常費用と
なることを考慮すると、既経過保険料ベースでは 10.5 億円の増収効果にとどまると分析する。
影響度の分析にあたっては、2012 年 3 月期の各動物・各年齢の構成比を 2014 年 3 月期の
会社予想保有契約数に乗じて各動物・各年齢の契約数を算出し、更に各料金体系の差分や月
払い・年払いの割合を乗じて合計することで、年間 22.1 億円の増収効果を導出した。
各犬種の比率は、同社公表の上位 17 犬種の 2012 年 3 月期の契約数構成比を参考に犬種 A から犬種 E
まで各々40%、30%、20%、5%、5%と仮定した。また、補償プランは 70%と 50%の比率を 3 分の
1:3 分の 2、年払いと月払いの割合は 65%:35%とした。
既経過保険料及び未経過保険料については、各月の契約数や年払い及び月払い比率等を一定
と仮定して、6 月以降の各月に契約した契約の既経過保険料・未経過保険料を合計して算出し
た。
算出方法及び前提
年間影響額(百万円)
内、月払い
内、年払い
2,208
821
1,387
…a
…b
…c
15/3期影響額(百万円)
内、既経過保険料
内、未経過保険料
1,840
1,049
791
a × 10ヶ月 ÷ 12ヶ月
(b × 9ヶ月 ÷ 12ヶ月) + (c × 45ヶ月 ÷ 144ヶ月)
(b × 1ヶ月 ÷ 12ヶ月) + (c × 75ヶ月 ÷ 144ヶ月)
前提
2014年3月期契約数
新旧保険料
犬種別・動物別比率
年払い比率
50%補償プラン比率
504,969
65%
67%
14/3期実績
新旧募集パンフレットよりSR推定
2013年版同社「どうぶつ白書」よりSR推定
14/3期の普通責任準備金よりSR算出
同社への取材によりSR推定
2016 年 3 月期は 2015 年 3 月期比 4.1 億円の増収効果と分析
また、2016 年 3 月期も 2015 年 4 月及び 5 月の契約が保険料改定の影響を受ける。SR 社で
は、2015 年 3 月末時点の契約数を会社計画と同様に設定し、契約数以外は上記と同様の前提
を置いて、2016 年 3 月期の前期比増収効果を 4.1 億円(内、既経過保険料は 3.7 億円)と
分析する。
保険引受費用は消費増税の影響で 5 億円弱の費用増と分析
消費増税により 2015 年 3 月期は 4.6~5.0 億円の費用増に
消費増税(2015 年 4 月より従来の 5%から 8%へ)は収入保険料には影響しないが支払保険
金等の保険原価には消費税が課される。仕入税額として控除可能な部分は限定的であり、結
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果的に保険会社が消費増税分を負担することになる。保険引受費用のうち、正味支払保険金、
支払備金繰入額、代理店手数料、外注委託費は消費増税の影響を受ける。同社では物件費の
大部分と一部人件費も消費増税の影響を受け、増税の影響額を 4.6~5.0 億円と予想している。
2015 年 3 月期会社計画の保有契約件数から、上記 4 費目に関する消費増税の影響を試算す
ると、2015 年 3 月期は少なくとも 4.1 億円の費用増となると SR では分析。給与(2014 年
3 月期 20.5 億円)・その他営業及び一般管理費(同 12.7 億円)を考慮すると、会社側の予
想影響額は妥当と考えられる。
保険料改定・先行投資などにより 5.7 億円の費用増と分析
保険料改定により 1.1 億円の費用増
一方で、正味収入保険料が増加することで異常危険準備金が 1.1 億円増加(正味収入保険料
の増収分に 3.2%を乗じた)する。
子会社への先行投資により 1 億円弱の費用増
2015 年 3 月期会社計画には、子会社 2 社(アニコムパフェ、日本どうぶつ先進医療研究所
(JASMINE))への先行費用の増加 1 億円弱が含まれる。アニコムパフェはクラウド型動物
医療カルテ管理システム関連費用、JASMINE は 2014 年 4 月から事業を開始したばかりであ
り、その関連費用である。
損害率の上昇により 3.7 億円の費用増
同社は 2015 年 3 月期に E/I 損害率が 0.6 ポイント増加すると計画している。保険料改定に
よる増収効果(未経過保険料含む)、消費増税の影響を除いて考えると、同社計画には 3.7
億円の支払保険金増加が織り込まれているのではないかと、SR 社では推定している。
損害率上昇の理由として、保険加入ペットの平均年齢の上昇、保険料改定の影響による新規
契約件数の前期比減少があると考えられる。全契約数に占める 0 歳児(リスクが少ない)の
割合が低下し、平均年齢が従来以上に進むことは、支払保険金の増加につながるためである。
結果、保険料改定によって、2015 年 3 月期は 20.2 億円の経常収入増、増益効果はほぼ相殺
(10.5 億円の損益効果と、消費増税などでの 10.3~10.7 億円の減益要因)が見込まれると
SR 社では分析。2016 年 3 月期は 2015 年 3 月期比で約 4 億円の増収効果を予想。2016 年
3 月期は消費税の 8%から 10%へ上昇する可能性があるが、保険料改定による未経過保険料
の大幅増の影響が一巡し、責任準備金繰入額の減少が予想される。その結果、消費増税を吸
収する可能性が高いと SR 社では分析する。
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事業概要
概要
ペット保険が経常収益の 99%を占める持ち株会社
小森伸昭社長ら 3 名は 2000 年 7 月にペット共済を営む anicom(動物健康促進クラブ)を
設立、同社も anicom ペット共済に係る事務受託会社として同年同月に設立された。2007 年
に損害保険業の免許を取得し、2008 年 1 月に損害保険会社として開業、現在に至る。
同社アニコム ホールディングスの傘下にアニコム損害保険(ペット保険)、アニコム パフ
ェ(動物病院支援等)、アニコム フロンティア(保険代理店)、日本どうぶつ先進医療研究
所(2014 年 1 月設立)を持つ。また、同社の経常収益の 99%をアニコム損害保険が占める。
業績推移(百万円)
35,000
2,200
27,700
30,000
25,000
21,790
20,000
15,000
10,000
5,000
0
10,800
7,267
200
4,317
7,228
41 -66
6,442
39
FY03/08
保険引受収益
11,107
154
94 342
13,845
144
108
337
9,003
10,858
13,592
15,781
18,087
FY03/10
FY03/11
FY03/12
FY03/13
FY03/14
9,216
141 292
71
FY03/09
16,186
143 837
260
18,366
171
108
733
資産運用収益
その他経常収益
25,000
1,600
2,400
2,000
1,600
1,200
800
800
400
0
FY03/15
FY03/16
FY03/17
CE
CE
CE
経常利益(右軸)
-400
出所:会社資料よりSR社作成
ペット保険を開拓、業績の成長とともに市場も拡大を続けてきた
同社はペット保険の開拓者として、ペットショップ・動物病院の経営を支えるシステム構築
を通じ、ペット保険市場の拡大に尽力してきた。2014 年 3 月期末の保有契約数は 505 千件、
過去 5 年間の平均成長率は 15.9%と高い伸びを示し、市場シェアは 60%強(2014 年 3 月
期時点、同社推定)でマーケットリーダーである。
ペット保険、正味収入保険料等推移(百万円)
保有契約数(件)
YoY
FY03/05 FY03/06 FY03/07 FY03/08 FY03/09 FY03/10 FY03/11 FY03/12 FY03/13 FY03/14
128,832 191,785 246,634 297,917 241,206 290,767 340,628 396,234 446,414 504,969
48.9%
28.6%
20.8% -19.0%
20.5%
17.1%
16.3%
12.7%
13.1%
-
-
-
-
60,189
-
86,904
44.4%
2,546
2,546
-
4,407
4,407
73.1%
5,575
5,575
26.5%
6,980
6,980
25.2%
6,442
1,445
7,887
13.0%
8,981
8,981
13.9%
新規契約数(件)
YoY
正味収入保険料
anicom共済掛金収入
小計
YoY
91,666 101,014
5.5%
10.2%
99,504 109,170
-1.5%
9.7%
10,858
10,858
20.9%
15,781
15,781
16.1%
13,592
13,592
25.2%
18,087
18,087
14.6%
出所:会社資料よりSR社作成
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ペット関連市場における同社の位置付け
国内ペット保険市場は 2013 年度 280 億円、加入率 3.5%
ペット保険の市場規模は同社推定で 280 億円、うち同社が 180 億円を占める(2013 年度)。
一見、大きな市場に見えるが、日本国内の犬猫飼育頭数約 2,100 万頭(匹、以下「頭」で統
一)に対するペット保険加入率はまだ 3.9%(2013 年度、同社推定)に過ぎず、普及率は高
いとは言えない。例えば、ペット保険加入率の高い英国では犬猫約 1,520 万頭に対し加入率
は 22%(2009 年度、Datamonitor 社)である。反面、仮に日本のペット保険加入率が英国
並みに高まるならば 2013 年度 280 億円の市場は 1,600 億円にまで拡大する可能性がある。
2.4%
アニコム保有契約数
(約50万頭)
3.9%
ペット保険市場全体 (約80万頭)
32.0%
「加入したい」・「検討中」
80.1%
「ペット保険は必要だと思う」
100%、2,061万頭(国内における犬・猫飼育頭数、2013年ペットフード協会調べ)
出所:同社資料(ペットフード協会・富士経済研究所より同社資産)よりSR社作成
新生児市場(同社推定 80 万頭)と家族市場(同 2,000 万頭)
ペット保険市場は大別すると、新生児市場(同社推定 80 万頭)と家族市場(同 2,000 万頭)
に分かれる。家族市場とは既に家族の一員となっているペット向けの市場であり、新生児市
場は新規に飼育される市場である。新生児市場は更にペットショップ経由と繁殖家市場等と
に大きく分かれ、同社は家族市場及びペットショップ経由の新生児市場に強みを持つ。
同社の 2014 年 3 月期の新規契約数 10.9 万件の内、68%の 7.4 万件がペットショップ経由
の新生児市場であり、残り 32%の 3.5 万件は家族市場の場合が多い。
ペット新生児市場概観
約2/3
約1/3
繁殖家市場・ネット活用の零細ペットショップ
(犬種は多種多様)
ペットショップ・代理店
(犬種は約500種類)
年間約80万頭
零細ブリーダー市場
同社の潜在顧客
約1/3が
同社代理店
少数
約7-8万頭
一部は
直販顧客
付保率
約4割
残り
約6割
同社の顧客
約2/3が
同社の非代理店
約2/3が
同社の非代理店
同社の潜在顧客
出所:同社からのヒアリングによりSR社作成
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新規契約件数の内訳
0
1Q
3Q
FY03/11
1Q
3Q
FY03/12
NB新規契約件数(件)
3Q
1Q
FY03/13
一般新規契約件数(件)
7,776
18,930
8,481
9,408
18,433
26,024 26,706
17,543
9,503
19,096
16,888
9,568
14,679
1Q
28,599 27,841
9,010
25,898
14,955
9,627
9,927
14,850
9,867
15,130
9,617
9,496
15,151
17,115
8,924
14,965
9,290
14,634
5,000
14,348
10,000
15,745
15,000
24,643 24,768 24,997 24,777 24,306 24,523
9,491
21,252
6,904
20,000
22,728
6,983
25,000
26,606
23,924 23,889
15,147
30,000
73%
68%
63%
58%
3Q
FY03/14
NB新規比率
注:NBはNew Born、新生児の略
出所:会社資料よりSR社作成
動物病院の約 80%が「どうぶつ健康保険証」に対応、デファクトスタンダード化
動物病院は日本国内に 9,191 施設(2013 年 12 月末、農林水産省)、産業動物を除くと 6,996
施設ある。同社のペット保険は全国全ての動物病院での診療費を対象としている。また、約 8
割に相当する 5,591 の病院(2014 年 3 月末)は、同社が発行する「どうぶつ健康保険証」
にも対応する。
同社ペット保険の加入者は、診療費を支払う際に「どうぶつ健康保険証」を見せることで、
人間の健康保険証と同じように自己負担分のみの支払いで済む。このため、保険契約者の利
便性は高く、競合他社に対する差別化になっている。
「どうぶつ健康保険証」
対応の病院数は過去 5 年に年間約 200~300 件の増加を示している。
日本の動物病院は年 200~300 が入れ替わりを見せており、同社ではその大部分が同保険証
の対応病院となっていると推定している。実際、動物病院の立場に立ってみても、利用者の
利便性を考えるなら同保険証に対応しない理由はない。残り約 1,500 病院についても、随時、
同保険証の対応病院となっていくものと考えられる。
同社代理店・
「どうぶつ健康保険」対応病院数推移
4,720
2,719
2,836
2,892
2,875
3,161
3,206
3,235
3,362
1,255
1,231
1,224
1,249
1,258
1,295
1,390
5,349
1,224
5,267
2,719
5,220
1,224
5,176
2,667
5,115
1,200
5,019
2,535
4,975
1,178
4,621
4,853
2,465
4,535
4,853
4,759
1,161
4,321
1,097
5,000
1,081 1,657
6,000
4,682
5,408
5,459
5,506
5,599
3,474
1,450
4Q
3,418
1Q
2Q
3Q
4Q
1Q
2Q
3Q
4Q
1Q
2Q
3Q
FY03/11
FY03/12
FY03/13
ペットショップ代理店
一般代理店
対応病院数
1,447
4Q
3,472
2Q
3Q
FY03/10
1,420
0
3,452
1,000
1,934
2,000
963 968
3,000
1,410
4,000
1Q
2Q
FY03/14
3Q
4Q
出所:同社資料(ペットフード協会・富士経済研究所より同社資産)よりSR社作成
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「どうぶつ健康保険証」と「対応病院ステッカー」
出所:同社資料よりSR社作成
新規契約の販売チャネルはペットショップが約7割、高事故率のオンライン販売は抑制傾向
事故率の比較的高いオンライン販売での募集は今後2~3 年間は抑制する見通し
同社の新規契約の販売チャネルのうち、ペットショップが 70%弱、一般代理店が約 20%、
直販は 10%程度となる(2014 年3月期)。直販は代理店手数料がないメリットがある反面、
損害率が高い。同社は 2013 年夏より段階的にオンライン販売の制約(50%補償プランのみ。
受付後約 1 ヶ月の準備期間)を増やしており、今後 2~3 年間はオンライン販売を抑制する見
通しである。
国内ペットショップの約 1/3 が同社の代理店(同社推定)
ペットショップは同社の推定で日本国内に約 4,500 店、政府の 2012 年経済センサスによる
とペットショップ及び用品店は国内に 3,190 事業所ある。同社は 2014 年 6 月末現在 1,452
店のペットショップと代理店契約を結んでおり、これは、国内ペットショップの約 1/3 を占
める。
また、金融機関(銀行・信金・損保・証券等)、団体・企業(職域企業代理店・生協・カーデ
ィーラ)など一般の代理店は 2014 年 3 月末現在 3,850 店となっている。
ペット保険市場と販売チャネル
新規マーケット
① 新生児マーケット
②家族マーケット
犬猫の新規飼育頭数
約80万頭
犬猫の飼育頭数
約2,000万頭
ペットショップ
繁殖家直売
金融機関
団体・企業
ペット関連
直販
代理店
ネット通販
銀行・信金
職域
動物病院
WEB
他損保
企業代理店
ペットショップ
コールセンタ
証券
生協
保険代理店
カーディーラ
出所:同社資料(ペットフード協会・富士経済研究所より同社試算)よりSR社作成
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ペット保険の平均年齢の上昇と継続率
ペット保険の平均年齢の上昇は平均収入保険料・平均支払保険金の上昇をもたらす
同社のペット保険の契約の内訳は、犬が 87.9%、猫が 10.9%、その他が 1.2%と、ほぼ犬で
説明が出来る(2013 年 3 月期)。同社のペット保険に契約している犬の平均年齢は毎年上昇
傾向にあり、2012 年 3 月期は 3.6 歳(SR 推定)となった。同社の料金体系は年齢が高いほ
ど料率が上がるため、平均年齢の上昇は平均収入保険料の上昇を意味する。
アニコム「どうぶつ健保」共済、ペット保険の平均契約年齢
(歳)
犬
猫
鳥
うさぎ
フェレット
年平均保険料(円)
FY03/05 FY03/06 FY03/07 FY03/08 FY03/09 FY03/10 FY03/11 FY03/12 FY03/13 FY03/14
1.6
2.5
2.0
1.7
1.7
-
1.8
2.6
2.1
2.2
2.2
27,492
2.0
2.7
2.3
2.4
2.7
25,433
2.3
3.0
2.4
2.5
2.9
25,636
2.9
3.6
2.5
2.7
3.0
29,258
3.1
3.7
2.4
2.8
3.0
33,764
3.4
3.7
2.5
3.0
2.9
34,394
3.6
3.7
2.6
2.9
2.9
36,892
37,456
38,008
出所:同社資料(どうぶつ種別年齢別、1年契約の契約満了および死亡解約の契約数)よりSR推定
とは言え、年齢が上がるに従い年間診療費は増加する。同社は 0 歳児の新規市場を取り込む
ことでポートフォリオを健全に保ち続けている。
トイプードルの年間保険料(1 歳以降は継続割引 5%適用済みの保険料)と犬 1 頭あたり平均年間診療費(円)
73,250
73,240
73,210
73,170
73,100
72,990
72,810
72,510
72,040
71,260
70,020
68,050
65,060
0
60,710
50,000
54,920
20,000
48,150
100,000
41,780
40,000
37,560
150,000
35,970
60,000
35,710
200,000
40,320
80,000
0歳 1歳 2歳 3歳 4歳 5歳 6歳 7歳 8歳 9歳 10歳 11歳 12歳 13歳 14歳 15歳 16歳 17歳 18歳 19歳 20歳
トイプードルの年間保険料
0
犬1頭あたりの年齢別年間診療費(右軸)
出所:同社資料よりSR社作成
保険金支払件数の推移
700,000
632,848
600,000
5,009 500,224
500,000
416,462 426,404 413,296 430,058
400,000
300,000
200,000
100,000
0
528,091
305,521 314,347
4,779
216,159
259,750
4,419
4,343
334,371
4,900
480,649
504,579
5,400
560,209
4,800
4,810
4,792 4,764
4,732
2Q
3Q
FY03/11
4Q
1Q
2Q
FY03/12
4,200
3Q
4Q
1Q
FY03/13
保険金支払件数(件)
4,600
4,400
4,526 4,537
4,382
4,190
1Q
5,200
5,000
4,975
4,545
4,525
603,502
2Q
3Q
4Q
1Q
2Q
3Q
4Q
4,000
FY03/14
支払保険金÷支払件数(円、右軸)
出所:同社資料よりSR社作成
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犬の年齢別契約頭数推移(頭)
0歳
1歳
2歳
3歳
4歳
5歳
6歳
7歳
8歳
9歳
10歳
11歳
12歳
FY03/05 FY03/06 FY03/07 FY03/08 FY03/09 FY03/10 FY03/11 FY03/12
29,887
43,553
67,457
74,255
42,928
61,448
59,116
61,336
19,889
34,007
43,900
47,065
37,752
29,215
46,712
47,603
9,879
22,260
36,356
40,493
33,112
34,616
28,700
43,987
5,642
11,522
24,205
35,082
29,784
31,176
34,064
29,008
3,149
7,040
13,100
24,154
26,051
28,271
31,142
33,960
2,694
4,668
8,688
13,989
17,929
24,555
28,078
31,138
1,896
3,456
5,558
9,019
10,754
17,067
24,357
28,018
1,537
2,640
4,309
6,050
7,166
10,386
17,248
24,317
1,226
2,322
3,454
4,753
5,097
6,930
10,594
17,410
543
1,305
2,438
3,207
3,826
4,998
7,051
10,809
181
590
1,385
2,236
2,751
3,752
5,228
7,409
38
203
635
1,233
1,688
2,348
3,363
4,717
0
48
226
532
1,001
1,382
2,000
2,945
犬の年齢別契約頭数構成比推移
100%
80%
60%
7%
4%
4%
9%
13%
0%
0歳
11%
26%
39%
33%
FY03/05
2歳
18%
32%
FY03/06
1歳
28%
FY03/07
3歳
14%
15%
21%
4歳
FY03/08
5歳
4%
7%
6%
8%
10%
12%
13%
17%
25%
3%
5%
8%
3%
5%
9%
4%
6%
17%
40%
20%
3%
5%
11%
12%
10%
17%
11%
16%
20%
24%
20%
FY03/10
FY03/11
7歳
8歳
10%
11%
14%
FY03/09
9%
10%
15%
6歳
7%
8%
9%
9歳
8%
13%
14%
18%
FY03/12
10歳以上
出所:同社資料よりSR社作成
継続率は上昇傾向
また、契約更改時の継続率の上昇もポートフォリオの安定化に寄与している。0 歳児の初年度
は 70%程度の継続率だが、2 年目以降は 90%を超えている。全体の継続率は上昇基調が続
いており、2014 年 3 月期は 89.3%となった。2015 年 3 月期の同社推定の継続率は保険料
改定の影響を考慮して下落する計画となっている。
解約の要因としては死亡解約があるが、ペットの平均寿命が 13 年程度であること、同社の
12 歳以上の年齢構成比は 1%程度であること(2012 年 3 月期)等を考慮すると、死亡が原
因の解約は限定的と考えられる。初年度の継続率を高めることで、平均継続率はまだ数%の
上昇余地を残しているといえよう。
継続率
FY03/10
84.1%
FY03/11
86.6%
FY03/12
87.6%
FY03/13
88.1%
FY03/14 FY03/15 CE
89.3%
87.9%
出所:同社資料よりSR社作成
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ペット保険への温度差。「犬として飼った家族」「うちの子と思って飼った家族」
ペットを飼う層のペット保険に対する見方には、「犬(ペット)として飼った家族」と思う
か、「うちの子と思って飼った家族」と思うかで温度差が生じている。「犬として飼った家
族」はペットが病気になっても病院に連れて行かない場合が多く、結果、保険への加入動機
はない。一方、「うちの子と思って飼った家族」は保険に入り、病気の際は病院に通う。
同社のアンケート調査によると、2013 年にペットにかけた費用は犬が年間 33.1 万円、猫が
17.3 万円。この結果からは、保険に加入する層はペットへの出費を厭わないことが分かる。
ペットにかける年間支出調査
項目(円)
病気やケガの治療費
フード・おやつ
しつけ・トレーニング料
シャンプー・カット・トリミング料
ペット保険料
ワクチン・健康診断等の予防費
ペットホテル・ペットシッター
日用品
洋服
ドッグランなど遊べる施設
防災用品
首輪・リード
合計(円)
アンケート回答数
どうぶつの平均年齢(歳)
犬
2012年
74,506
46,140
40,488
38,829
35,005
27,311
23,134
17,010
14,650
7,216
6,436
6,309
337,034
1,792
4.7
2013年
75,400
47,965
34,128
39,226
34,564
26,986
20,237
18,064
13,925
7,058
6,193
7,280
331,026
2,027
4.8
構成比
23%
14%
10%
12%
10%
8%
6%
5%
4%
2%
2%
2%
100%
-
前年比
1%
4%
-16%
1%
-1%
-1%
-13%
6%
-5%
-2%
-4%
15%
-2%
13%
2%
猫
2012年
2013年
45,712
35,599
46,944
36,182
6,426
6,492
27,538
28,054
13,391
13,117
15,976
20,704
17,116
19,173
3,436
5,182
4,526
5,634
3,078
3,035
184,143 173,172
337
436
4.6
4.4
構成比
21%
21%
4%
16%
8%
12%
11%
3%
3%
2%
100%
-
前年比
-22%
-23%
1%
2%
-2%
30%
12%
51%
24%
-1%
-6%
29%
-4%
出所:アニコム損害保険、2014年1月29日発表よりSR社作成
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競合状況
2014 年 5 月時点で、ペット保険で競合するのは損害保険会社 3 社と少額短期保険会社7社
の計 10 社(同社を含めれば 11 社)、うち 4 社(同 5 社)が業績を開示している。また、2014
年 4 月より、au 損保が傷害保険に続く基幹商品としてペット保険の販売を開始した。
富士経済によると 2012 年末のペット保険契約件数は 733,570 件、業績開示 5 社から日本ア
ニマル倶楽部を除いた 4 社の保有契約数は 2013 年 3 月末 664,923 件、2012 年 3 月末
565,917 件と、業績開示企業のカバー率は高いと言える。以下に競合の状況をまとめてみた。
競合状況まとめ(件、百万円)
保有契約数(件)アニコム損保
アイペット損保
日本アニマル倶楽部
ペット&ファミリー少額短期保険
もっとぎゅっと少額短期保険
5社計
FY03/09
47,463
7,000
17,360
71,823
FY03/10
290,767
60,314
11,041
21,889
384,011
FY03/11
340,628
79,993
19,934
24,147
464,702
FY03/12
396,234
107,434
31,328
30,921
565,917
FY03/13
446,414
137,188
44,407
36,914
664,923
FY03/14
504,969
158,146
60,841
40,627
764,583
保険料÷契約件数 アニコム損保
アイペット損保
日本アニマル倶楽部
ペット&ファミリー少額短期保険
もっとぎゅっと少額短期保険
FY03/09
21,828
22,419
26,949
FY03/10
33,764
31,586
26,450
27,162
FY03/11
34,394
30,901
27,015
26,916
FY03/12
36,892
30,539
27,255
28,904
FY03/13
37,456
31,234
27,838
30,060
FY03/14
38,023
32,252
30,489
30,573
保険引受収益の
5社内構成比
アニコム損保
アイペット損保
日本アニマル倶楽部
ペット&ファミリー少額短期保険
もっとぎゅっと少額短期保険
FY03/09
74.6%
12.0%
5.8%
1.8%
5.7%
FY03/10
71.9%
16.0%
4.9%
2.4%
4.9%
FY03/11
70.7%
16.2%
5.3%
3.6%
4.3%
FY03/12
69.4%
16.8%
4.7%
4.4%
4.6%
FY03/13
67.0%
18.2%
4.7%
5.3%
4.8%
FY03/14
65.7%
18.5%
4.5%
6.7%
4.5%
経常収益
アニコム損保
アイペット損保
日本アニマル倶楽部
ペット&ファミリー少額短期保険
もっとぎゅっと少額短期保険
5社計
FY03/09
10,800
1,303
506
160
496
13,264
FY03/10
9,216
2,018
612
296
616
12,757
FY03/11
11,107
2,493
814
547
661
15,622
FY03/12
13,845
3,283
934
871
905
19,838
FY03/13
16,186
4,287
1,121
1,260
1,124
23,979
FY03/14
18,366
5,103
1,236
1,856
1,243
27,804
経常利益
アニコム損保
アイペット損保
日本アニマル倶楽部
ペット&ファミリー少額短期保険
もっとぎゅっと少額短期保険
5社計
FY03/09
-66
-623
-157
-92
-
FY03/10
292
327
-74
-140
-
FY03/11
342
307
20
-194
116
590
FY03/12
337
618
2
-554
79
482
FY03/13
837
392
-13
-571
134
778
FY03/14
733
444
29
-527
210
888
経常利益率
アニコム損保
アイペット損保
日本アニマル倶楽部
ペット&ファミリー少額短期保険
もっとぎゅっと少額短期保険
5社計
FY03/09
-0.6%
-47.8%
-31.0%
-57.9%
-
FY03/10
3.2%
16.2%
-12.1%
-47.3%
-
FY03/11
3.1%
12.3%
2.4%
-35.5%
17.5%
3.8%
FY03/12
2.4%
18.8%
0.2%
-63.6%
8.7%
2.4%
FY03/13
5.2%
9.1%
-1.2%
-45.3%
11.9%
3.2%
FY03/14
4.0%
8.7%
2.3%
-28.4%
16.9%
3.2%
正味損害率
アニコム損保
アイペット損保
日本アニマル倶楽部
ペット&ファミリー少額短期保険
もっとぎゅっと少額短期保険
5社平均
FY03/09
24.4%
19.7%
46.6%
14.6%
-
FY03/10
45.5%
35.7%
42.9%
31.4%
15.4%
34.2%
FY03/11
48.1%
33.1%
40.1%
39.9%
15.7%
35.4%
FY03/12
57.3%
33.8%
40.2%
43.4%
17.2%
38.4%
FY03/13
63.7%
34.3%
38.2%
42.6%
23.2%
40.4%
FY03/14
62.8%
34.1%
42.4%
41.0%
28.1%
41.7%
各社資料よりSR社作成
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保有契約数、保険引受収益
保有契約数及び保険引受収益は同社が郡を抜いており、5 社内構成比で約 7 割を占める。同
社によると保険契約数のシェアは 1 位(60%強)がアニコム損保(親会社同社)、2 位(20%
弱)がアイペット損害保険(同ドリームインキュベータ)、3 位~5位(約 5%)がほぼ横並
びでペット&ファミリー少額短期保険(同 T&D ホールディングス)、もっとぎゅっと少額短
期保険(同 UCC ホールディングス)、日本アニマル倶楽部(同太平エンジニアリング)であ
る。
また、アクサダイレクト(引受会社:アクサ損保)、FPC、ペットメディカルサポート(2015
年 3 月期経常収益 428 百万円、経常損失 8 百万円)、ペッツベスト(米国ペッツベストイン
シュアランス社と事業提携)、au 損保(株主はあいおいニッセイ同和損保、KDDI)も競合
企業である。
保険料÷契約件数
保険料÷契約件数は平均保険料を表すが、各社とも年齢別に保険料が大きく変化しており年齢
構成による影響が大きいことから参考にはならない。特に、保険を開始して年数を経ていな
い会社は契約対象動物の平均年齢が低く、結果、平均保険料が低く見えるということがあり
うる。
経常利益
同社及びアイペット損保、もっとぎゅっと少額短期保険が経常黒字を継続している。但し、
アイペット損保は保険業法 113 条により営業費を繰延しており、この影響を除くと経常赤字
である。
保険業法第 113 条繰延額の影響(経常費用からの控除額、百万円)
保険業法第113条 アニコム損保
アイペット損保
繰延額
日本アニマル倶楽部
ペット&ファミリー少額短期保険
もっとぎゅっと少額短期保険
FY03/09
-889
-524
-357
-
FY03/10
-417
-333
-
FY03/11
-615
-325
-
FY03/12
-946
-
FY03/13
-517
-
FY03/14
-539
-
各社資料よりSR社作成
正味損害率
正味損害率も、同社の数値が他社に比して漸増しており一見悪く見える。しかしこれは、同
社が同業他社に比較して補償範囲を広くし、損害率を高めに設定することで、継続契約の増
加を促進させる契約を採っているためである。また、「保険料÷契約件数」と同様に、業歴が
一番長いことから保険対象動物の平均年齢が高いことが背景にあるためと考えられる。
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保険引受費用各費用項目の対保険引受収益比率推移
保険引受費用 ÷ 保険引受収益
保険引受費用
アニコム損保
正味支払保険金
損害調査費
諸手数料及び集金費
支払備金繰入額
責任準備金繰入額
解約返戻金等
営業費及び一般管理費
その他経常費用
FY03/09
87.2%
21.3%
3.2%
4.9%
8.1%
49.8%
1.0%
56.5%
37.8%
FY03/10
61.5%
41.8%
3.5%
6.0%
10.2%
34.1%
3.5%
FY03/11
65.8%
44.5%
3.6%
5.8%
1.4%
10.5%
0.1%
30.5%
2.7%
FY03/12
72.1%
53.7%
3.5%
5.7%
2.6%
6.5%
0.2%
25.0%
2.1%
FY03/13
72.6%
60.0%
3.7%
5.4%
0.9%
2.6%
23.0%
1.7%
FY03/14
74.4%
59.1%
3.6%
5.7%
0.8%
5.1%
0.1%
22.0%
1.0%
保険引受費用
正味支払保険金
損害調査費
諸手数料及び集金費
支払備金繰入額
責任準備金繰入額
解約返戻金等
営業費及び一般管理費
その他経常費用
保険業法113条繰延額
19.6%
19.6%
36.3%
33.9%
51.1%
32.9%
0.2%
159.7%
6.6%
-50.5%
2.4%
0.5%
62.9%
5.5%
-20.8%
18.2%
0.5%
53.1%
8.0%
-24.8%
61.5%
32.1%
1.7%
12.8%
1.1%
13.9%
58.4%
31.8%
2.6%
12.1%
1.0%
11.0%
54.5%
31.4%
2.7%
10.6%
1.5%
8.4%
37.6%
12.1%
-28.8%
34.7%
9.9%
-12.1%
38.2%
9.2%
-10.6%
日本アニマル倶楽部 保険引受費用
正味支払保険金
損害調査費
諸手数料及び集金費
支払備金繰入額
責任準備金繰入額
解約返戻金等
営業費及び一般管理費
その他経常費用
保険業法113条繰延額
68.2%
50.1%
61.6%
46.6%
46.4%
41.2%
46.4%
38.5%
48.1%
38.8%
48.6%
37.8%
10.3%
1.1%
6.7%
15.0%
63.8%
0.4%
-
70.7%
0.3%
-
5.1%
3.7%
62.6%
0.2%
-
7.9%
3.5%
48.3%
0.1%
-
0.9%
8.4%
3.5%
48.8%
0.1%
-
0.4%
10.3%
0.9%
52.2%
0.0%
-
保険引受費用
正味支払保険金
損害調査費
諸手数料及び集金費
支払備金繰入額
責任準備金繰入額
解約返戻金等
営業費及び一般管理費
その他経常費用
保険業法113条繰延額
324.4%
4.3%
219.6%
24.4%
2.4%
73.6%
47.3%
48.3%
31.2%
59.2%
39.3%
65.8%
42.6%
64.6%
41.8%
5.0%
26.2%
16.0%
282.1%
58.9%
-227.6%
6.8%
9.4%
0.8%
165.2%
47.5%
-113.1%
3.0%
15.5%
1.4%
100.5%
35.6%
-59.5%
8.8%
12.6%
1.8%
75.8%
22.3%
-
7.4%
13.5%
1.8%
65.4%
15.4%
-
26.1%
13.8%
1.5%
5.7%
5.1%
73.3%
-
26.3%
14.9%
1.2%
7.3%
3.0%
63.3%
-
23.7%
15.5%
0.8%
6.0%
1.4%
59.0%
-
34.7%
17.0%
4.1%
12.5%
1.1%
56.4%
-
36.1%
23.0%
3.9%
8.1%
1.1%
52.1%
-
アイペット損保
ペット&ファミリー
少額短期保険
もっとぎゅっと
少額短期保険
保険引受費用
正味支払保険金
損害調査費
諸手数料及び集金費
支払備金繰入額
責任準備金繰入額
解約返戻金等
営業費及び一般管理費
その他経常費用
保険業法113条繰延額
2,040.3%
298.1%
-2,245.8%
各社資料よりSR社作成
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収益性分析
(百万円)
経常収益
前期比
保険引受収益
資産運用収益
その他経常収益
経常費用
前期比
保険引受費用
資産運用費用
営業費及び一般管理費
経常利益
前期比
経常利益率
FY03/08
FY03/09
FY03/10
FY03/11
FY03/12
FY03/13
FY03/14
7,267
39
7,228
10,800
48.6%
6,442
41
4,317
9,216
-14.7%
9,003
71
141
11,107
20.5%
10,858
94
154
13,845
24.7%
13,592
108
144
16,186
16.9%
15,781
260
143
18,366
13.5%
18,087
108
171
FY03/15
会社予想
21,790
18.6%
-
7,067
0
2,950
10,866
53.8%
5,616
66
3,640
8,924
-17.9%
5,541
3,072
10,764
20.6%
7,146
8
3,312
13,508
25.5%
9,797
31
3,392
15,348
13.6%
11,450
3,632
17,633
14.9%
13,448
18
3,982
-
200
2.8%
-66
-0.6%
292
3.2%
342
17.3%
3.1%
337
-1.5%
2.4%
837
148.4%
5.2%
733
-12.4%
4.0%
800
9.1%
3.7%
出所:同社資料よりSR社作成
経常収益
損害保険業では経常収益が一般企業の売上高に相当する。経常収益は「保険引受収益」、「資
産運用収益」、「その他経常収益」からなる。損害保険会社では資産運用も本来業務であり、
運用収益も経常収益に含まれる。
保険引受収益
同社は積立保険がないため、保険引受収益は「正味収入保険料」に「支払備金戻入額」と「責
任準備金戻入額」を加えたものだが、同社正味収入保険料のみでほぼ説明が可能である。同
社のペット保険の契約期間は 1 年であり、保有契約件数全てにおいて契約更新が生じる。
同社は 2014 年 6 月にペット保険の保険料を全面改定した。損害保険業の認可後 2008 年 1
月から保険販売を開始して以降は 6 年間以上変更しておらず、2014 年 6 月が初の保険料改
正となった。また、2014 年 11 月にも商品改定に伴い保険料の改定を予定している。
経常収益内訳推移(百万円)
FY03/05 FY03/06 FY03/07 FY03/08 FY03/09 FY03/10 FY03/11 FY03/12 FY03/13 FY03/14
7,267 10,800
9,216 11,107 13,845 16,186 18,366
48.6% -14.7%
20.5%
24.7%
16.9%
13.5%
経常収益
YoY
保険引受収益
正味収入保険料
支払備金戻入額
資産運用収益
利息及び配当金収入
有価証券売却益
その他経常収益
anicom共済掛金収入
anicom前受収益戻入額
anicom未払給付金戻入額
他
2,546
-
4,407
-
5,575
-
39
39
0
7,228
6,980
248
6,442
6,442
41
40
1
4,317
1,445
2,433
326
112
9,003
8,981
71
71
0
141
-
10,858
10,858
94
78
15
154
-
13,592
13,592
108
92
16
144
-
15,781
15,781
260
113
147
143
-
18,087
18,087
108
18
89
171
61
-
出所:同社資料よりSR社作成
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資産運用方針
同社の保険は 1 年契約であるため、資産運用においては流動性・安全性を最重要視している。
とは言え、着実に保険契約数の拡大が進み、継続的な収入保険料(2014 年 3 月期 18,087 百
万円)を背景に、やや利回りも意識した運用方針も示している。ただし、リスクの多寡はソ
ルベンシーマージン比率にも影響するため、あくまでも同比率を睨みながらリスクをあまり
とらない形の運用を模索している。
2013 年 3 月期は債券のポジションを中期から短期へシフトし、その際にポジションを一旦解
消し含み益を現実化したことで利回りが高くなっている。2014 年 3 月期はその反動で利回り
が低くなっている点は留意したい。
有価証券の種類別の残存期間別残高(百万円)
2012年
3月末
国債
地方債
社債
株式
外国証券
その他証券
合計
1年以下
500
702
1,202
2013年
3月末
国債
地方債
社債
株式
外国証券
その他証券
合計
1年以下
300
300
2014年
3月末
国債
地方債
社債
株式
外国証券
その他証券
合計
1年以下
-
1年超
3年以下
500
299
800
3年超
5年以下
200
200
5年超
7年以下
300
300
7年超
10年以下
799
296
1,096
10年超
ほか
24
3,470
3,494
1年超
3年以下
202
202
3年超
5年以下
-
5年超
7年以下
-
7年超
10年以下
-
10年超
ほか
38
7,957
7,995
1年超
3年以下
-
3年超
5年以下
-
5年超
7年以下
-
7年超
10年以下
-
10年超
ほか
906
10,385
11,292
906
10,385
11,292
FY03/08
0.98%
0.34%
0.96%
2,804
FY03/09
1.01%
0.26%
0.90%
5,212
FY03/10
1.23%
1.47%
0.08%
1.18%
6,644
FY03/11
1.23%
1.80%
0.07%
1.04%
6,086
FY03/12
1.22%
0.08%
1.20%
1.21%
7,095
FY03/13
1.24%
0.43%
1.48%
1.35%
8,498
合計
2,000
1,599
24
3,470
7,095
合計
202
300
38
7,957
8,498
合計
出所:会社資料よりSR社作成
保有有価証券利回り
公社債
株式
外国証券
その他証券
合計
残高(百万円)
FY03/07
0.92%
0.92%
2,283
FY03/14
0.41%
0.52%
0.07%
0.10%
11,292
出所:会社資料よりSR社作成
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費用項目概説
保険引受費用推移
(百万円)
保険引受費用
正味支払保険金
損害調査費
諸手数料及び集金費
支払備金繰入額
責任準備金繰入額
うち未経過保険料
うち異常危険準備金
正味収入保険料比
保険引受費用
正味支払保険金
損害調査費
諸手数料及び集金費
支払備金繰入額
責任準備金繰入額
FY03/09
5,616
1,369
203
315
523
3,206
0
0
FY03/10
5,541
3,767
317
538
0
919
631
287
FY03/11
7,146
4,829
392
629
152
1,141
793
348
FY03/12
9,797
7,304
480
780
348
883
942
-58
FY03/13
11,450
9,465
581
853
140
409
686
-277
FY03/14
13,448
10,693
660
1,029
149
916
842
73
87.2%
21.3%
3.2%
4.9%
8.1%
49.8%
61.7%
41.9%
3.5%
6.0%
0.0%
10.2%
65.8%
44.5%
3.6%
5.8%
1.4%
10.5%
72.1%
53.7%
3.5%
5.7%
2.6%
6.5%
72.6%
60.0%
3.7%
5.4%
0.9%
2.6%
74.4%
59.1%
3.6%
5.7%
0.8%
5.1%
出所:会社資料よりSR社作成
費用項目概説
FY03/14
13,448
10,693
対保険引受収益
74.4%
59.1%
660
1,029
3.6%
5.7%
支払備金繰入額
149
0.8%
責任準備金繰入額
うち未経過保険料
うち異常危険準備金
916
842
73
5.1%
4.7%
0.4%
(百万円)
保険引受費用
正味支払保険金
損害調査費
諸手数料及び集金費
備考
保有契約件数に連動する傾向
支払備金繰入額と合算して考える必要あり
人件費が主体
代理店等への手数料。新規契約金額と連動する傾向強い
(代理店手数料は新規時に手厚いため)
支払額の見積的意味合いだがペット保険は見積がない。支払保険金
の仕掛的側面が強く、合算して分析する必要あり
以下2項目の合計
各月毎に1/12法(*)により計算して合算して計算。これの前期比増分
前期末残高の取崩(戻入益)と正味収入保険料の3.2%(繰入
額)のネット金額。損害率(支払基準)が50%超時に期首残高を
限度に取崩可能
出所:会社資料よりSR社作成
各費用項目についての特徴を上表にまとめた。保有契約件数や新規契約金額と連動する変動
費的項目が多いが、正味支払保険金(支払備金繰入額含む)のように保険商品の中身を変更
することで調整の余地がある項目も存在する。
損害率
費用関連の動向を知る指標としては、正味損害率、E/I 損害率、正味事業費率、またこれらを
組み合わせたコンバインドレシオ等がある。これらの中で、一般企業の売上原価に相当する
のが、損害率である。損害率は正味損害率と E/I 損害率があり、正味損害率は現金主義に近
い考え方であり、E/I 損害率は発生主義に近い考え方である。
同社の損害率は、2010 年 10 月から商品改定(診療費 90%補償プランの商品を投入)の影
響で上昇傾向にあったが、2013 年 3 月期下期以降は 90%補償プラン引受停止の効果もあり
段階的に損害率が低減している。
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E/I 損害率は 60%程度が適正
同社では、適正な E/I 損害率を 60%程度としている。60%の内訳は、以下。契約ペットの約
半数が年間に何らかの病気、怪我をし、1 回あたりの診療費が 6,000 円~7,000 円、5 回程
の通院で年間約 3.5 万円程度の支出となる。補償プランは 50%と 70%であり、平均の 60%
を乗じると支払保険金は 2 万円強。これに損害調査費が加わり、保険料収入の平均単価であ
る 38,023 円(*)に対して、損害率が 60%程度となる。
*正味収入保険料(2014 年 3 月期)÷保有契約件数(2013 年 3 月末と 2014 年 3 月末の平均)
損害率等の推移
正味損害率
…(正味支払保険金+損害調査費)÷正味収入保険料
E/I損害率
… 正味支払保険金+支払備金積増額+損害調査費)÷既経過保険料
正味事業費率 …(諸手数料集金費+保険引受営業費一般管理費)÷正味収入保険料
コンバインドレシオ … 正味損害率+正味事業費率
E/I損害率+正味事業費率
ソルベンシーマージン比率
FY03/09 FY03/10 FY03/11 FY03/12 FY03/13 FY03/14
24.4%
48.0%
72.4%
-
45.5% 48.1% 57.3% 63.7% 62.8%
48.6% 53.4% 64.3% 67.5% 66.7%
40.2% 36.3% 30.9% 28.5% 27.3%
85.7% 84.4% 88.2% 92.2% 90.1%
88.8% 89.7% 95.2% 96.0% 94.0%
- 304.1% 307.2% 281.3% 295.1%
出所:会社資料よりSR社作成
E/I 損害率及び既経過保険料業費率推移
80%
70%
62.3%
60%
50%
40%
14年1~9月、オンライン加入の70%商品販売停止
73.4%
53.0%
66.0% 67.3%
66.7%
66.3%
68.9%
66.4%
62.1%
60.7%
56.5% 55.3%
10年10月90%補償商品発売開始
12年8月90%補償商品引受停止
13年8月補償割合50%から
(13年7月末90%補償商品終了)
70%への変更制限
34.6%
36.5%
34.2%
から補償開始までの期間を延長
32.1%
20%
3Q
14年11月、入通院限度日数付商品の販売開始
2013年10月からオンライン契約の申込
41.1% 39.7%
30%
1Q
2Q
FY03/11
63.1%
61.5%
48.2%
44.8%
65.5%
69.0% 69.5%
68.1%
4Q
1Q
2Q
FY03/12
3Q
E/I損害率
30.5% 31.6% 29.2% 29.1% 29.3% 30.5%
28.3% 27.7% 27.9% 28.7% 28.3% 27.9% 28.7%
4Q
1Q
2Q
FY03/13
3Q
4Q
1Q
2Q
FY03/14
3Q
4Q
1Q
2Q
FY03/15
3Q
Est.
4Q
Est.
既経過保険料事業費率
出所:会社資料よりSR社作成
代理店手数料
代理店手数料は初年度が概ね 15%、2 年目以降の継続時は 5%程度に低下する。なお、初年
度代理店手数料は新規契約の多寡、代理店経由の損害率の高低によって変動する場合もある
点に留意したい。
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SW 分析(Strengths,
Weaknesses)
強み(Strengths)
病院でのデファクトスタンダード化(どうぶつ保険証、カルテシステム):
同社ペット保険は、窓口で同社発行の「どうぶつ保険証」を提示することで自己負担分のみ
を支払う窓口精算システムを採用する。契約者に利便性を提供するとともに同社にも経費削
減効果をもたらしている。
「どうぶつ保険証」対応動物病院は 5,591 施設(2014 年 3 月末)と、産業動物を除く国内
6,996 施設(2013 年 12 月末、農水省)の大半をカバーする。アイペット、ペット&ファミ
リーも同様のサービスを提供しているが、同社のネットワークは競合に対して(業界 2 位の
アイペット保険の対応施設は 2014 年 4 月 30 日時点 3,025 施設)充実を見せる。
知名度、蓄積データ、顧客ベース、収益力を背景とした新規事業展開の余地:
同社はペット保険市場で保有契約数シェア 60%超と圧倒的なシェアを誇る。信頼性が重要な
保険商品において、市場を寡占していること自体が強みとなる。そして、堅固な財務体質・
キャッシュフローは業界での勝ち残りとともに、新規事業展開をする上で強みと考えられる。
安定したストック型ビジネス:
同社ペット保険の平均継続率は 88.5%(2014 年 3 月期)と高く、特に 2 年目以降の継続率
は 90%を超えている。高い継続率はストック型の安定した収入構造をもたらしている。
弱み(Weakness)
消費増税や損害率の急上昇など、突発的な費用増減に対して収益が振れやすい
同社の収益構造は変動費の比重が高く、限界利益率が低い。このため、消費増税や損害率の
急変など費用の増減が突発的に起こった際に、短期的に収益が振れやすい構造を持つ。
保険業法の足枷
同社は損害保険事業を営んでおり、その事業活動において保険業法の制約を受ける。今後、
新規事業展開を行う際に、制約を受けない企業との競争が起こった際には条件的に不利な状
況が生まれる可能性がある。例えば、新規事業を行う際のスピード感、連結ソルベンシーマ
ージン比率に新規事業展開が与える影響などである。新規展開を図る上での弱みとなり得る。
一方で、資本金の厚さなどから金融庁から保険業の免許を得ている点は、強みの側面も持つ。
競合比高水準の損害率
同社の損害率は競合と比較して高水準である。これは、同社の保険が顧客志向(顧客への保
険金支払いが多い)ということの証左でもあるのだが、一方で、競合がこのコスト差の弱点
を突いて、低価格戦略攻勢をかけてくる可能性がある。現段階では競合は規模がまだ小さく
収益力が弱いことから、影響は出ておらず、同社も損害率の低下に注力している。しかしな
がら、その動向は注意が必要と考える。
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中長期戦略
中期計画の推移
2011年5月18日発表
(百万円)
経常収益
経常利益
利益率
YoY
経常収益
経常利益
2012年5月24日発表
(百万円)
経常収益
経常利益
利益率
YoY
経常収益
経常利益
2013年5月23日発表
(百万円)
経常収益
経常利益
利益率
YoY
経常収益
経常利益
2014年5月8日発表
(百万円)
経常収益
経常利益
利益率
YoY
E/I損害率
経常収益
経常利益
FY03/10
実績
9,215
291
3.2%
FY03/11
実績
11,107
342
3.1%
20.5%
17.5%
FY03/12
予想
13,458
418
3.1%
21.2%
22.2%
FY03/13
計画
16,048
855
5.3%
19.2%
104.5%
FY03/14
計画
18,733
1,429
7.6%
16.7%
67.1%
-
-
-
FY03/10
実績
9,215
291
3.2%
FY03/11
実績
11,107
342
3.1%
20.5%
17.5%
FY03/12
実績
13,845
337
2.4%
24.7%
-1.5%
FY03/13
予想
15,970
755
4.7%
15.3%
124.0%
FY03/14
計画
18,088
1,393
7.7%
13.3%
84.5%
FY03/15
計画
20,368
2,009
9.9%
12.6%
44.2%
-
-
FY03/10
実績
9,215
291
3.2%
FY03/11
実績
11,107
342
3.1%
20.5%
17.5%
FY03/12
実績
13,458
418
3.1%
21.2%
22.2%
FY03/13
実績
16,186
837
5.2%
20.3%
100.2%
FY03/14
予想
18,136
1,010
5.6%
12.0%
20.7%
FY03/15
計画
20,218
1,714
8.5%
11.5%
69.7%
FY03/16
計画
22,570
2,468
10.9%
11.6%
44.0%
-
FY03/10
実績
9,215
291
3.2%
FY03/11
実績
11,107
342
3.1%
20.5%
17.5%
53.4%
FY03/12
実績
13,458
418
3.1%
21.2%
22.2%
64.3%
FY03/13
実績
16,186
837
5.2%
20.3%
100.2%
67.5%
FY03/14
実績
18,366
733
4.0%
13.5%
-12.4%
66.7%
FY03/15
予想
21,790
800
3.7%
18.6%
9.1%
67.3%
FY03/16
計画
25,000
1,600
6.4%
14.7%
100.0%
65.5%
FY03/17
計画
27,700
2,200
7.9%
10.8%
37.5%
64.6%
48.6%
出所:同社資料よりSR社作成
中期計画(1 年毎見直し):2017 年 2 月期経常利益 22 億円を目標
同社は中期計画を 1 年後に見直す形で発表している。2014 年 5 月発表の中期計画は 2017
年 3 月期に経常収益 277 億円、経常利益 22 億円に修正された。
中期計画では、既存事業であるペット保険の収益性改善を軸に、新規事業により事業の多角
化を推進することを目指している。
ペット保険の収益性改善は、保険料収入の拡大と収益構造改革に分けられる。保険料収入の
拡大は、ペット保険の市場規模を同社が新規契約獲得に努めることで拡大をさせ、且つ、継
続率を維持するというもの。収益構造においては、料金やサービス内容の改定を含む商品内
容の見直しや損害率のコントロール強化などで、収益構造の改善を進めるというものである。
新規事業については、小森伸昭社長はペット関連市場における同社の地位を向上させる大き
な計画を抱く。既存市場のペット保険を安定成長・安定収益源と位置付け、新規市場に投資
を展開させていくというもので、具体的には高度先進医療の提供や遺伝病を含む予防医療な
ど、既存の動物病院が提供していない新たな付加価値を提供することを目指している。
以下に各々の戦略を示す。
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既存事業(ペット保険)に対する戦略
保険料収入の拡大:市場の拡大
ペット保険加入率はまだ 3.5%だが、加入意向・検討中は 32%との調査・試算も
ペット保険市場は同社が新規開拓してきた市場だが、保険の加入率(2012 年度 3.9%)は英
国(2009 年度 22%)と比較してまだまだ低い。同社はペット保険市場拡大の可能性を信じ
ている。国内犬猫飼育頭数 2,061 万頭(2013 年、ペット協会調べ)を分母として、現在の
保険契約は約 80 万頭だが、同社は「ペット保険に加入したい」「検討中」の意向が 32%、
「ペット保険は必要だと思う」が 80%あると試算、市場拡大の可能性があるとみている。
ペット保険市場拡大の可能性
2.4%
アニコム保有契約数
(約50万頭)
3.9%
ペット保険市場全体 (約80万頭)
32.0%
「加入したい」・「検討中」
80.1%
「ペット保険は必要だと思う」
100%、2,061万頭(国内における犬・猫飼育頭数、2013年ペットフード協会調べ)
出所:同社資料よりSR社作成
英国並みのペット保険加入率を目指す。長期目標は保険引受収益 1,000 億円
このような既存代理店の深耕や営業範囲の拡大などにより、ペット保険市場の拡大と業績成
長を目指している。試算ではあるが、上述のアンケート調査の「加入したい」「検討中」32%
が全て加入したとすると、契約単価に変更がなければ約 2,300 億円の市場が期待できる。
また、ペット保険先進国である英国の加入率 25%(2009 年度)を採用すると約 1,800 億円
となり、同社ではこの 1,800 億円に約 60%の市場シェアを乗じた 1,000 億円を長期的な目
標に掲げる。
英国
北米
日本
人口 (a)
犬猫飼育
頭数 (b)
(a) / (b)
6,323万人
34,879万人
12,756万人
1,520万頭
18,500万頭
2,061万頭
4.2人/1頭
1.9人/1頭
6.2人/1頭
ペット保険
加入率(%)
市場規模
1契約単価
約25.0% 約1,000億円
1%超
約620億円
約3.9% 約280億円
約26千円
約31千円
約35千円
日本が英国と同等のペット保険加入率と試算すると、約280億円×25%÷3.9% ≒ 約1,800億円
注:英国は2009年度データ、北米・日本は2013年度データ
出所:会社資料、世界銀行(人口、2012年度)、ペットフード協会、Datamonitor社、Packaged Facts社
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英国と日本との差異
英国では 2004 年頃からペット保険加入者の伸び率が加速した。同社では、同時期に TESCO
や Sainsbury's といった大手小売チェーンが自社顧客へのサービスの一環として積極的に販
売した時期と重なり、その後に通信販売型のペット保険も積極的に販売するようになった、
と分析している。
日本国内の大手小売チェーンでは、イオンペット(イオン 75%出資)がペットショップや動
物病院などを営んでいるが、ペット保険には進出していない。ペット保険市場が大きくなっ
た際には、参入してくる可能性もある点は留意したい。現在、イオングループ、セブン&ア
イ HD ともに、関連の「イオン保険マーケット」、「セブン保険ショップ」において、同社
及びアクサダイレクトのペット保険を取り扱っている。
保険料収入の拡大:同社の成長戦略
同社はペット保険市場で保有契約数シェア 60%超を占めるマーケットリーダーであり、同社
が新規契約獲得の拡大を進めることが、市場全体の拡大に向けての大きな要素となっている。
ここでの同社の戦略は 2 つ。これからペットを飼う層の更なる開拓と、既にペットを飼って
いる層への慎重な開拓である。以下に概略を示す
1) これからペットを飼う層の開拓
ペットショップ代理店での保険契約の強弱は成長の源泉
同社のペットショップ代理店は 1,450 店(2014 年 3 月末時点)と、国内ペットショップの
約 1/3 に相当する。同社ではペットショップ代理店の拡大余地はまだあるとみており、今後
も営業体制を強化することで「面を増やす」としている。また、既存のペットショップ代理
店においても「意識の浸透」を進めることはまだまだ可能と考えている。代理店の販売頭数
に占める保険契約率(=付保率)はそれぞれの代理店によって大きく異なっており、おおよ
そ 30%~70%程度と大きな開きが生じている。
新規顧客開拓へ費用を投入
同社は 2015 年 3 月期より、新規代理店の開拓や既存代理店との関係強化により費用をかけ
て強化していくことを表明している。2014 年 5 月には東北支店を開設し、営業体制の強化を
図っている。代理店におけるこうした営業諸施策により、付保率を約 70%にまで上げていく
計画である。同社は、2015 年 3 月期に販売経費を増額したいとしている。代理店手数料を含
めた販促キャンペーンなどがなされる可能性があろう。
2014 年 3 月期のペットショップ代理店経由での保険契約数は 7.4 万契約、営業強化や代理
店との関係強化により、9 万契約に上げる余地は十分にあると同社ではみている。
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2) すでにペットを飼っている層の開拓
認知度を高めながら慎重に開拓を進めていく方針
ペット保険への意識が低い層に対しては、その困難さを同社も認めている。この層に対して
は、例えば犬種に応じたかかりやすい病気・症状を伝えることでその必要性を理解してもら
わなければいけない、とする。また、同社営業がカバーできていないネットを活用した零細
ペットショップが多数あるとみており、潜在顧客として大きいと考えている。
代理店戦略の強化
既にペットを飼っている層に対してペット保険を認知してもらうためには、ペットショップ
の代理店だけでは難しい。そのため、同社は日常生活において接することがあり、かつ保険
商品の販売が可能である事業者と代理店契約を結んでいる。たとえば、地銀・信金をはじめ
とする金融機関、新車販売を手掛けるカーディーラー、生協、企業内代理店などである。ま
た、一部の動物病院とも代理店契約を結び、認知度を高めている。
ただし、広くマスに対してペット保険の認知を進めることは、逆選択(ペット保険に加入す
る動機が、保険金支払いリスクの高い層にとって、より高まるようになる)を惹起しかねな
いことから、この層に対する開拓は慎重に進めている。
収益構造の改革
損害率のコントロール強化
同社のペット保険は、契約ペットの平均年齢の上昇(ペットは毎年歳を取る)にともない保
険金支払いのリスクも上昇し、結果的に損害率は上昇する傾向にある。同社では、適正水準
とみなしている 60%を目指して、1) 引受時審査の強化、2) リスクの低い新生児案件の獲得
強化を掲げている。
引受時審査の強化
同社の保有契約数約 50 万件のうち、約半分が保険金をほとんど請求していない。そして、約
3 割の契約者は平均して損害率 60%程度となる請求をし、数%の契約者が損害率 300%にも
達する保険金請求をしているという。自動車保険では事故を起こした契約者が翌年以降も継
続的に事故を起こすということはないが、ペット保険の場合はこうした高い損害率となる場
合、慢性的疾患を持つケースが多数を占める。
「入通院限度日数あり」ペット保険の導入
2014 年 5 月 30 日付で金融庁より「入通院限度日数あり」ペット保険の認可を取得、下期か
らの販売を予定。販売開始以降、新規契約は「限度日数あり」保険のみとしていく方針(継
続契約は選択可能)。SR 社では「限度日数あり」保険は保険料が下がるものの、限度日数を
設けることで損害率の低下につながる可能性が高いと理解している。販売開始時期を勘案す
ると、業績への貢献は 2016 年 3 月期以降となると考えられる。
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次世代カルテ管理システム「アニレセ F」活用による過剰医療防止への取り組み
同社では、こうした契約の継続審査の強化、また一方では動物病院に対して、例えば A とい
う疾患の治療にかかる平均医療費は X 円、というデータを提供することで、動物病院側から
も過剰医療にならないような取り組みを行っている。後者の取り組みとしては、同社子会社
のアニコムパフェが 2013 年 11 月に販売開始した「アニレセ F」があげられる。
「アニレセ F」は、次世代のクラウド型動物医療カルテ管理システムで、ビッグデータを活用
した症例毎の平均医療費が分かるなど、各種疾患統計や経営情報を分析・活用するシステム。
獣医師がカルテ管理システム利用時に患者症例での平均医療費が表示することで、獣医師の
過剰医療の抑制にもつながる。
カルテのオープン化に対応
また、同システムは、カルテのオープン化にも対応しており、患者の飼い主が、獣医師が記
録したカルテを自宅で閲覧することが可能になる。医療のオープン化と同時に、動物病院に
とっても患者との信頼関係が醸成できるシステムといえる。
「アニレセ F」の普及度合いに注目
旧世代のカルテ管理システム「アニレセ」は約 2,000 の病院で用いられている。「アニレセ
F」への転換は 2014 年 5 月時点で約 100 程度だが、次世代システムの普及が進むことが損
害率低下につながる可能性があるだけに、普及度合いに注目していきたい。
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新規事業に対する戦略
新規事業(小動物医療等)で売上高拡大を目指す
現在、同社の売上高は資産運用収益も含めれば 99%をペット保険が占める(2014 年 3 月期
現在)。小森伸昭社長は、長期的にはペット保険で 500 億円、新規事業で更に売上高の積み
上げを図りたい、という構想を持つ。 SR 社では、ペット保険を安定成長・安定収益源とし
て、成長市場である小動物医療関連事業に集中投資をする計画である、と推定する。
以下に新規事業と考えられる「小動物医療関連」の概略を示す
新規事業: 小動物医療関連
動物医療に進む意義
小森伸昭社長は、小動物医療に進出する意義として、「診療価格の適正化」「獣医師の処遇
の改善」を掲げる。なによりも、「動物を治したい、という姿勢を貫く」とする。
市場規模は約 4,000~5,000 億円と試算可能
動物病院の統計データを調査すると、農水省統計(2013 年 12 月 31 日現在)では国内に
14,956 施設、うち産業動物を除いた「小動物・その他」の診療施設が 11,032 施設ある(個
人診療施設が 6,996 施設、会社・その他が 3,815 施設)。総務省・経済産業省「平成 24 年
経済センサス‐活動調査」では全国 7,145 事業所、売上高 3,008 億円とある。農水省の診療
施設数 11,032 を採用し、経済センサスの 1 事業所あたり売上高を乗じると 4,000~5,000
億円の市場規模と試算出来る。
動物病院のコスト削減につなげていく
同社では、既存の動物病院の大半は 1 名~数名の獣医師で運営されている一方、各病院が各々
でシステム・診療設備を抱えており、固定費が高いと考えている。また、代診時の獣医師も
待遇も改善の余地があるという。同社では動物医療における固定費率の改善を、既存の動物
病院と協力して展開することで、既存の動物病院と Win-Win の関係となるような「診療価格
の適正化」を図りたいとしている。そして、診療技術を上げることで出来得る限りの動物を
治療したい考えだ。
既取引先との関係がリスク
同社が展開する動物医療は先進医療、予防医療であり、既存の動物病院と競合するものでは
ないと同社では認識している。しかしながら、ペット保険を扱う既存病院が同社の動物病院
展開を警戒する可能性がある点については、一番のリスクと認めている。既存病院の商圏を
侵すという懸念を薄める為に、既存動物病院に対しては営業担当が丁寧に説明を続けること
で、理解を得たいと考えている。
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日本どうぶつ先進医療研究所を設立、2014 年 4 月から事業開始
同社はペット保険の健全な持続的成長を支えるべく、どうぶつ医療分野における基礎研究の
推進、科学的根拠に基づく診療方法の確立、先進医療の開発に向けた臨床等を行うことを目
的として 2014 年 1 月 24 日に日本どうぶつ先進医療研究所(Japan Animal Specialty
Medical Institute Inc. (JASMINE))を設立、同年 4 月から事業を開始し、2014 年8月には
「JASMINE どうぶつ循環器病センター」(横浜市都筑区)が開設した。
動物病院での医療行為に対する保険審査で難しいのが、どこまでが「治療」で、どこからが
「介護」もしくは「美容」かという点。JASMINE では、難しい疾患について模範的な治療法
を論文等で発表し、更に後述のアニレセ F にも取り込んで、各動物病院での参考例になるこ
とを目指している。これにより、損害率の低下、同社収益構造の改善に繋げていく考えだ。
また、代表取締役所長として、日本大学生物資源科学部獣医学科教授(獣医内科学研究室)
であった上地正美氏を招聘、既に海外で手術を行うなど心臓外科分野での実績を積んでいる。
海外展開に対する考え方: カルテ管理システムから攻める
同社は 2014 年 3 月時点で海外展開を行っていない。日本国内で同社ペット保険の成長の原
動力の一因となったカルテ管理システムは日本国内では約 2,000 の病院で採用されており、
新規設立の病院での採用率もかなり高いものとなっている。
同社では、国内のデファクトスタンダードとなったカルテ管理システムを海外に輸出するこ
とから始め、その上に同社のペット保険を流通させていくという構想を持つ。中国やベトナ
ム等のアジア諸国に一歩一歩進めていく考えとみられるが、同社ではスケジュールは未定と
している。
予防事業
ブリーディングにおける遺伝病の予防
小森伸昭社長始め同社の経営陣は「保険の予防化」という意識がとても強い。日本では欧米
とは違い血統に対する意識は薄い。犬においても同様だが、実は犬は遺伝病を多数持ってい
るという。これは純血種の維持を起因とするもので、ブリーディングでもあまり意識されて
いない場合が散見されるようだ。結果、犬の遺伝病は欧米と比較して多くなっている。
ブリーディングでのミスは治療では治すことができない。こうした先天性異常から犬を守る
ためにも同社は中長期に亘りブリーダーとの関係強化を図り、遺伝病を予防する取り組みを
強化したいと考えている。
2015 年 3 月期は同取組みを強化するためのプロジェクトが立ち上げられた模様。
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過去の業績
前期以前の業績概況(参考)
2014 年 3 月期決算
2014 年 3 月期の業績は、経常収益 18,366 百万円(前年同期比 13.5%増)、経常利益 733
百万円(同 12.4%減)、当期利益 447 百万円(同 30.2%減)となった。
修正利益(異常危険準備金繰入額等の影響を除く実質ベース)では大幅増益
経常利益が減益となっているが、異常危険準備金繰入額(2013 年 3 月期は 277 百万円の戻
入、2014 年 3 月期は 73 百万円の繰入)の影響によるもの。同社が用いている修正利益(経
常利益±異常危険準備金影響額±資産運用収支±その他収支)ベースでは 729 百万円と、前期
(420 百万円)比 73.5%の増益であった。
保有契約数、新規契約件数、登録代理店数、対応病院数等の指標は順調に増加
2014 年 3 月末の保有契約数は 504,969 件と前期末比 58,555 件、13.1%の増加となった。
新規契約件数は 109,170 件と同 9.7%増、うちペットショップ経由の契約(主に 0 歳児)は
74,002 件となり 68%を占めた。同比率は 2012 年 3 月期及び 2013 年 3 月期の 62%から
上昇しており、同社保有契約ポートフォリオの中長期的な改善に寄与すると考えられる。
登録代理店数は 4,924 代理店(うちペットショップ 1,450)と前期比 3.6%増(ペットショ
ップは 4.3%増)となった。代理店や販売チャネル毎に損害率を算定した結果、利益率の低い
代理店や販売チャネルの見直しを行ったものの、着実に代理店数を増加させた。
同社ペット保険の対応病院数は 5,599 病院と同 4.7%増と、こちらも着実に積み上がってお
り、国内の 2013 年 12 月末の動物病院数(産業用動物を除く)6,996 に対して 80%を占め
ている。
損害率は前期比改善を見せるが、会社計画よりは悪化
経常費用面では、経常費用の 61%を占める正味支払保険金及び支払備金繰入額が同社の想定
以上に増加し、2014 年 3 月期の損害率は E/I 損害率が 66.7%、正味損害率が 62.8%となっ
た。各々前期(67.5%、63.7%)比では 1 ポイント弱の改善を見せたものの、同社計画(66.2%、
62.3%)には届かなかった。同社では会社計画に未達となった要因として、下記の損害率改
善施策の効果の発現が遅れたことをあげている。
同社は損害率の改善のために、1) 継続時の補償割合引き上げに対する審査強化(2013 年 8
月実施)、2) オンライン契約における保険契約始期日の変更(申込後 14 日から 1 ヶ月に延
長。2013 年 10 月実施)及び補償割合 70%商品の取扱停止(2013 年 12 月実施)、3) 販
売チャネル毎の損害率管理強化、対応医療機関との関係強化、保険金支払い管理体制の強化
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などに継続的に取り組んだ。また、補償割合 90%商品が 2013 年 7 月末をもって保有契約が
なくなったこともあって、2014 年 3 月期の損害率は前期比での改善が進んだ。
事業費率は前期比・会社計画比ともに改善を見せた
事業費率は保険料を分母に、諸手数料及び集金費、損保事業の営業費及び一般管理費を分子
として計算される。2014 年 3 月期は業務効率の改善を継続的に進めた結果、経常収益の増加
もあって、正味事業費率は会社計画(28.1%)比、前期(28.5%)比ともに改善し 27.3%
となった。また、既経過保険料ベースでの事業費率も前期の 29.7%から 28.6%と 1 ポイン
ト強の改善をみせた。
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財務諸表ほか
損益計算書
損益計算書
(百万円)
経常収益
前期比
FY03/08 FY03/09 FY03/10 FY03/11 FY03/12 FY03/13 FY03/14 FY03/15
連結
連結
連結
連結
連結
連結
連結
会予
保険引受収益
正味収入保険
支払準備金戻入額
資産運用収益
利息及び配当金収入
有価証券売却益
その他経常収益
anicom共済掛金収入
anicom前受収益戻入額
anicom未払給付金戻入額
その他
経常費用
前期比
保険引受費用
正味支払保険金
損害調査費
諸手数料及び集金費
支払備金繰入額
責任準備金繰入額
資産運用費用
有価証券売却損
有価証券評価損
有価証券償還損
営業費及び一般管理費
その他経常費用
支払利息
貸倒引当金繰入額
株式交付費
創立費償却
開業費償却
保険業法第113条繰延資産償却費
その他の経常費用
保険業法第113条繰延額
経常利益
前期比
利益率
特別利益
特別損失
法人税等合計
当期純利益
前期比
利益率
7,267
-
10,800
48.6%
9,216
-14.7%
11,107
20.5%
13,845
24.7%
16,186
16.9%
18,366
13.5%
39
39
0
7,228
6,980
248
6,442
6,442
41
40
1
4,317
1,445
2,433
326
112
9,003
8,981
71
71
0
141
141
10,858
10,858
94
78
15
154
154
13,592
13,592
108
92
16
144
144
15,781
15,781
260
113
147
143
143
18,087
18,087
108
18
89
171
61
110
7,067
0
2,950
4,573
4
26
4,540
-455
10,866
53.8%
5,616
1,369
203
315
523
3,206
66
3,640
2,432
0
2
102
51
2,277
-889
8,924
-17.9%
5,541
3,767
317
538
919
3,072
311
0
28
2
102
162
16
-
10,764
20.6%
7,146
4,829
392
629
152
1,141
8
2
6
3,312
296
102
161
32
-
13,508
25.5%
9,797
7,304
480
780
348
883
31
30
3,392
287
5
102
161
18
-
15,348
13.6%
11,450
9,465
581
853
140
409
3,632
264
2
76
161
23
-
17,633
14.9%
13,448
10,693
660
1,029
149
916
18
18
3,982
183
6
161
15
-
200
2.8%
-66
-0.6%
292
3.2%
342
17.3%
3.1%
337
-1.5%
2.4%
837
148.4%
5.2%
733
-12.4%
4.0%
10
-21
-12
15
-31
12
-22
76
-14
93
1
-7
133
-2
-194
-8
-276
178
2.4%
-142
-1.3%
346
3.8%
421
21.7%
3.8%
465
10.5%
3.4%
640
37.6%
4.0%
447
-30.2%
2.4%
期初予
22,179
20.8%
21,790
18.6%
1,232
68.1%
5.6%
800
9.1%
3.7%
822
83.9%
3.7%
509
13.9%
2.3%
出所:同社資料よりSR社作成
注:四捨五入により会社数値と異なる場合がある点に留意
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貸借対照表
(百万円)
FY03/08 FY03/09 FY03/10 FY03/11 FY03/12 FY03/13 FY03/14
資産
現金・預金
1,116
601
1,652
3,682
5,098
4,986
4,457
買入金銭債権
500
有価証券
4,107
5,723
7,563
7,065
7,444
9,272
11,367
有形固定資産
114
98
107
96
93
86
118
建物
46
39
43
34
31
27
33
リース資産
1
7
7
5
3
1
その他の有形固定資産
68
58
58
54
56
55
83
無形固定資産
114
100
212
374
387
373
477
ソフトウェア
114
94
112
125
178
159
263
ソフトウェア仮勘定
95
246
208
213
214
リース資産
7
5
2
その他資産
1,816
2,162
1,986
1,975
1,981
1,940
2,112
保険業法第113条繰延資産
455
1,293
1,132
969
808
646
484
未収金
739
281
374
575
839
935
1,121
未収保険料
76
48
63
83
112
143
創立費
5
2
開業費
487
384
282
179
76
4
その他
150
186
172
245
357
貸倒引当金
-18
-5
-7
-13
繰延税金資産
74
187
353
219
116
資産合計
7,748
8,685
11,594
13,382
15,355
16,872
18,634
負債
保険解約準備金
支払備金
責任準備金
その他負債
前受収益
未払金
仮受金
その他の負債
賞与引当金
特別法上の準備金
価格変動準備金
繰延税金負債
負債合計
純資産
株主資本
資本金
資本剰余金
利益剰余金
自己株式
評価換算差額等
その他有価証券評価差額金
少数株主持分
純資産合計
負債・資本合計
3,440
2,433
948
17
41
21
0
0
3,730
523
3,206
744
38
362
262
83
28
1
1
4,626
500
4,125
805
47
326
344
87
32
2
2
5,920
653
5,267
824
234
432
157
46
2
2
7,152
1,001
6,151
1,073
341
541
191
55
-
7,702
1,142
6,560
1,292
398
652
242
69
2
2
8,768
1,291
7,476
1,520
447
759
312
86
10
10
3,464
4,503
5,464
6,793
8,283
9,067
10,385
4,279
3,346
3,236
-2,303
5
5
4,284
7,748
4,138
3,346
3,236
-2,444
-2
-2
46
4,182
8,685
6,106
4,157
4,047
-2,098
24
24
6,130
11,594
6,569
4,178
4,068
-1,677
18
18
6,588
13,382
7,067
4,194
4,084
-1,211
3
3
7,071
15,355
7,795
4,238
4,128
-571
9
9
7,805
16,872
8,306
4,282
4,172
-147
-57
-57
8,248
18,634
出所:同社資料よりSR社作成
注:四捨五入により会社数値と異なる場合がある点に留意
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キャッシュフロー表
(百万円)
営業活動によるキャッシュフロー
(a)
投資活動によるキャッシュフロー
(b)
FCF (a) + (b)
財務活動によるキャッシュフロー
減価償却費及びのれん償却費
(c)
設備投資
(d)
運転資金増減
(e)
単純FCF (当期利益+(c)+(d)+(e)
FY03/09
連結
737
-1,367
-629
-5
68
-57
-130
FY03/10
連結
1,608
-2,875
-1,267
1,590
64
-190
220
FY03/11
連結
1,792
-1,936
-144
38
73
-226
268
FY03/12
連結
1,879
-1,044
835
28
82
-95
452
FY03/13
連結
1,507
-1,852
-345
85
92
-71
661
FY03/14
連結
2,009
-2,052
-43
60
99
-87
459
出所:同社資料よりSR社作成
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その他
ペット保険の製品概要
同社の取扱商品は次表のとおりである(対象動物は犬・猫・鳥・うさぎ・フェレット)。
商品名
販売チャネル
商品内容
「どうぶつ健保ふぁみりぃ」
一般代理店
ペットショップ代理店
直販
*1年間の契約期間のうちに発生する、動物の病気・ケガに対し、補償対
象となる診療費の50%あるいは70%を補償する。補償割合は、加入時に
選択が可能。
「どうぶつ健保べいびぃ」
ペットショップ代理店
**ペットショップで販売する満1歳未満の動物が契約対象となり、動物の
病気・ケガに対し、契約後最初の1ヶ月間は補償対象となる診療費の
100%を補償する。その後の11ヶ月は診療費の50%あるいは
70%を補償する。補償割合は、加入時に選択が可能。
「どうぶつ健保すまいるべいびぃ」
ペットショップとの直接契約
「どうぶつ健保すまいるふぁみりぃ」
ペットショップ代理店
アニコム損害保険株式会社とペットショップ間で契約を締結し、ペットショッ
プで販売する満1歳未満の動物に対してペットショップ自体が補償を付け
る。動物の購入者は無償で1ヶ月間、補償対象となる診療費の100%の
補償を受けられる。
上記「すまいるべいびぃ」の補償期間1ヶ月中に、契約者が代理店に申し
込み、継続契約を締結することで、さらに1年間、動物の病気・ケガに対
し、補償対象となる診療費の50%あるいは70%を補償する。補償割合
は、加入時に選択が可能。
*保険金支払限度額は、通院・入院は1日につき10,000円(50%補償)、14,000円(70%補償)としており、手術は1回につき100,000円(50%補
償)、140,000円(70%補償)を限度としている。なお、手術の年間の支払限度日数(回数)は2回までとなる。
**保険金支払限度額は、通院・入院は1日につき20,000円、手術は1回につき200,000円まで。手術の年間の支払限度日数(回数)は2回までとなる。
*** 2014年11月より、どうぶつ健保ふぁみりぃは従来の商品を「ワイドタイプ」(限度日数なし)とし、「スタンダードタイプ」(限度日数あり)が加わった
出所:会社資料よりSR社作成
ペット保険の保険料
ペット保険の保険料は、年齢品種によって異なる。同社の料金体系では、犬は品種別に A(小
型)~E(大型)にクラス分類されており、大型犬になればなるほど、料金が高くなる。
また、0 歳時は病気になりやすいため、保険料金は高めとなるが、1 歳になると料金は下がる。
その後、動物の年齢が 1 歳上がるごとに基本保険料も原則、契約継続の時点で毎年上がる。
動物ごとの年間保険料(70%スタンダードタイプ。1 歳以上は継続割引 5%適用後。円)
0歳
1歳
2歳
3歳
4歳
5歳
6歳
7歳
犬A
35,630
32,240
32,730
34,800
39,030
43,910
49,060
53,950
犬B
39,160
35,410
35,630
37,060
40,810
46,500
52,540
57,710
犬C
42,700
38,710
39,430
41,700
46,080
52,090
58,620
64,680
犬D
48,870
44,300
45,120
47,760
52,950
60,170
68,110
75,520
犬E
55,970
50,930
52,460
56,250
62,410
69,930
77,490
84,160
猫
36,320
32,860
33,000
33,440
34,350
35,820
37,790
40,020
鳥
29,210
29,210
29,210
29,210
29,210
29,210
29,210
うさぎ
34,650
37,980
41,950
46,120
50,130
53,730
56,810
フェレット
35,500
43,130
56,430
71,910
85,880
98,150
108,060
出所:同社資料よりSR社作成(2014年11月時点)
犬A:日本スピッツ、チワワなど。混血種は体重10kg未満
犬B:ミニチュア・ダックスフンド、柴犬、パピヨン、トイプードルなど。混血種は体重10kg~20kg未満
犬C:マルチーズ、秋田犬、ビーグル、チャウ・チャウ、プードル、ポメラニアン、ヨークシャーテリアなど。混血種は体重20kg~30kg未満
犬D:シー・ズー、ゴールデン・レトリーバー、コリー、ダックスフンド、フレンチ・ブルドッグなど。混血種は体重30kg~45kg未満
犬E:シベリアンハスキー、土佐犬、アメリカン・コッカー・スパニエル、ブルドッグなど。混血種は体重45kg以上
注:2014年11月改定。スタンダードタイプ(限度日数なし)
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競合企業の保険料との比較
120,000
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
0歳
1歳
2歳
3歳
4歳
アニコム
5歳
6歳
7歳
アイペット
8歳
9歳
ペットファミリー
10歳 11歳 12歳 13歳 14歳 15歳
もっとぎゅっと
注1) : 70%補償プラン、中型犬(ペットファミリー区分では大型犬)の料金。インターネット経由は70%補償プランは選択不可
注2) :同社(アニコム)の保険料金は、継続割引の5%割引を適用後の料金。
注3) :各社インターネットからの申込みによる割引適用前の料金(アイペット10%引き、もっとぎゅっと5%引き)。
注4) :各社2頭目以降の契約は多頭割引が存在。
出所:各社資料よりSR社作成
同社の保険料金プランは他社のプランに比較して、9 歳までは相対的に価格は高めとなるが、
以降は平均的な価格設定となっている(70%補償プラン、中型犬プラン)。
2014 年における商品改定の内容
2014 年 6 月 1 日より保険料を改定
同社は 2014 年 3 月に、2014 年 6 月 1 日より保険料改定を行い、2015 年 6 月 1 日以降に
始期日を迎える契約に対する健康継続割引制度の導入及び継続割引制度の廃止することを発
表し、2014 年 6 月 1 日より保険料改定が行われた。
2014 年 11 月 1 日より商品改定
また、2014 年 5 月 30 日付で金融庁より「入通院限度日数あり」ペット保険の認可を取得。
2014 年 8 月 6 日には、2014 年 11 月 1 日からペット保険「どうぶつ健保ふぁみりぃ」の商
品改定を実施することを発表した。
商品改定の具体的な内容は、1) ペット保険「どうぶつ健保ふぁみりぃ」は、新規契約は「入
通院限度日数あり」のスタンダードプランのみ、継続契約はスタンダードプランと「入通院
限度日数なし」ワイドプランを選択可能、2) 犬の「品種クラス」の一部改定と鳥・うさぎ・
フェレットの新規引受停止、3) 健康割増引制度を導入する、というもの。
6 月、11 月と短期間で保険料が改定されたことについて同社では、本来であれば金融庁の認
可を得た商品改定に一元化する予定であったが、消費増税の影響が大きい点を踏まえて 6 月
に既存商品の保険料改定を行ったとしている。
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2014 年 11 月商品改定後の保険料(1 歳以上は継続割引 5%適用後)と 2014 年 6 月改定保険料との比較
2014年11月からの支払割合70%のスタンダードプラン(円)
犬A
犬B
犬C
犬D
犬E
猫
鳥
0歳 35,630 39,160 42,700 48,870 55,970 36,320
1歳 32,240 35,410 38,710 44,300 50,930 32,860 29,210
2歳 32,730 35,630 39,430 45,120 52,460 33,000 29,210
3歳 34,800 37,060 41,700 47,760 56,250 33,440 29,210
4歳 39,030 40,810 46,080 52,950 62,410 34,350 29,210
5歳 43,910 46,500 52,090 60,170 69,930 35,820 29,210
6歳 49,060 52,540 58,620 68,110 77,490 37,790 29,210
7歳 53,950 57,710 64,680 75,520 84,160 40,020 29,210
うさぎ フェレット
34,650
37,980
41,950
46,120
50,130
53,730
56,810
35,500
43,130
56,430
71,910
85,880
98,150
108,060
2014年11月からの支払割合70%のスタンダードプラン、2014年6月保険料比
犬A
犬B
犬C
犬D
犬E
猫
鳥 うさぎ フェレット
0歳 -1.8% -2.9% -3.7% -5.0% -6.0% -2.0%
1歳 0.2% -0.8% -1.8% -3.0% -4.1% 0.0% 1.6% -0.6% -0.9%
2歳 0.0% -0.9% -2.0% -3.2% -4.3% -0.0% 1.6% -1.6% -2.8%
3歳 -0.7% -1.3% -2.5% -3.6% -4.8% -0.2% 1.6% -2.5% -4.8%
4歳 -1.9% -2.3% -3.4% -4.4% -5.4% -0.5% 1.6% -3.4% -6.1%
5歳 -4.3% -3.4% -4.3% -5.2% -6.0% -1.0% 1.6% -4.0% -6.9%
6歳 -5.2% -4.3% -5.0% -5.9% -6.5% -1.6% 1.6% -4.5% -6.0%
7歳 -4.5% -4.9% -5.6% -6.4% -6.9% -2.1% 1.6% -4.9% -4.3%
2014年11月からの支払割合70%のワイドプラン(円)
犬A
犬B
犬C
犬D
犬E
猫
0歳
1歳 35,240 38,680 42,290 48,400 55,650 35,910
2歳 35,760 38,930 43,080 49,290 57,310 36,060
3歳 37,860 40,490 45,560 52,180 61,460 36,540
4歳 40,810 44,590 50,340 57,860 68,180 37,530
5歳 45,700 49,770 56,900 65,750 76,410 39,150
6歳 52,210 56,120 64,040 74,410 84,670 41,290
7歳 58,940 63,060 70,670 82,510 93,620 43,730
鳥
31,910
31,910
31,910
31,910
31,910
31,910
31,910
うさぎ フェレット
37,860
41,500
45,840
50,390
54,770
58,710
62,070
2014年11月からの支払割合70%のワイドプラン、2014年6月保険料比
犬A
犬B
犬C
犬D
犬E
猫
鳥 うさぎ
0歳
1歳 9.5% 8.3% 7.3% 5.9% 4.8% 9.3% 11.0% 8.6%
2歳 9.3% 8.2% 7.1% 5.8% 4.5% 9.2% 11.0% 7.5%
3歳 8.1% 7.8% 6.5% 5.3% 4.0% 9.0% 11.0% 6.5%
4歳 2.6% 6.7% 5.6% 4.5% 3.3% 8.7% 11.0% 5.6%
5歳 -0.4% 3.4% 4.6% 3.6% 2.7% 8.2% 11.0% 4.9%
6歳 0.9% 2.2% 3.7% 2.8% 2.1% 7.6% 11.0% 4.4%
7歳 4.3% 3.9% 3.1% 2.3% 3.6% 6.9% 11.0% 4.0%
38,790
46,630
61,660
78,560
96,180
112,310
123,660
フェレット
8.3%
5.1%
4.0%
2.5%
4.2%
7.6%
9.5%
犬A:日本スピッツ、チワワなど。混血種は体重10kg未満
犬B:ミニチュア・ダックスフンド、柴犬、パピヨン、トイプードルなど。混血種は体重10kg~20kg未満
犬C:マルチーズ、秋田犬、ビーグル、チャウ・チャウ、プードル、ポメラニアン、ヨークシャーテリアなど。混血種は体重20kg~30kg未満
犬D:シー・ズー、ゴールデン・レトリーバー、コリー、ダックスフンド、フレンチ・ブルドッグなど。混血種は体重30kg~45kg未満
犬E:シベリアンハスキー、土佐犬、アメリカン・コッカー・スパニエル、ブルドッグなど。混血種は体重45kg以上
健康割増引制度
健康割増引制度は、契約期間の入通院日数・手術回数によって、継続契約時の保険料を割引・
割増するというもの。同制度の導入により、継続率を高める狙いと、一部の契約者から極め
て高い損害率となる保険金請求がなされているという状況が改善される狙いがあると SR 社
ではみている。
健康割増引制度は、現在の契約での内容によって判定される。判定にあたっては、初年度契約の場合は
最初 6 ヶ月が判定期間、2 年目以降の継続契約の場合は現在の契約の前半 6 ヶ月と前年の契約の後半 6
ヶ月の 1 年間が判定期間となる。また、割引制度が先行実施され、割増については 2015 年 11 月 1 日
以降に始期日を迎える契約より適用開始となる。
通院・入院日数/手術回数
割増引率
0回
1~5回
6~19回
20~39回
40回以上
10%割引
5%割引
割増引なし
20%割増
50%割増
出所:会社資料よりSR社作成
契約手続きの流れ
ペットショップ以外の一般チャネルでは、ペットの種類や年齢、健康状態、過去の病気等の
告知書を飼い主から徴求し社内審査を行う。保険引受可能となったペットは申込時点から 1.5
~2 ヶ月の待機期間の後、保険契約が開始される。待機期間は、保険契約前の病気やケガを原
因とする給付金の発生を防ぐためである。なお、ペットショップで販売された 0 歳児につい
てはリスクがないとみなし審査は行わない。
窓口精算システムで差別化
同社の強みとして、1) 窓口精算システム、2) 病院(レセプト作成システム)・ペットショ
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ップ(保険募集 Web ツール)・契約者(顧客 Web)・アニコム損保の情報をシームレスに
繋げる IT システムの活用があげられる。窓口精算システムを構築しているのは同社とアイペ
ット損保、ペット&ファミリー少額短期保険の 3 社だけであり、動物病院にとっても顧客獲
得ツールとなるため、その利便性は高い。
窓口精算システムを行うために、同社グループ開発のカルテ管理システム「アニコムレセプ
ター」を動物病院に対し提供している。窓口精算システムは、人間の場合の公的健康保険制
度と同じような仕組みである。対応動物病院では、顧客へ診療費の明細書を作成すると同時
に同社への保険金請求(レセプト請求)用のデータを作成する。同社にデータを送付すると、
調査後に保険金支払いが実行される仕組みで、動物病院での作業効率向上と、保険金支払い
業務の効率化に貢献している。また、不正請求や計算ミスの未然防止すも可能となっている。
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トップマネジメントの理念
ani(命)+ communication(相互理解)= ∞(無限大)が企業活動の根源
同社はペットや飼い主、そして全ての動物の為に社名に掲げた「ani(命)+ communication
(相互理解)= ∞(無限大)」を企業活動の根源にすえている。この理由として「命あるも
のがお互いに理解し、ともに一つの目的に向かって力を合わせることで、これまで不可能と
思われていたことが可能になると考えている」としている。
SR 社ではより具体的な理念として「保険制度を通じて契約者が(お金ではなくて)幸せにな
ることを目指している」と考える。というのは、小森伸昭社長の原点とも言える以下の考え
方が、同社の理念を表していると考えたからである。
健康保険におけるカルテのオープン化、予防産業へのシフト、二つの理念
カルテのオープン化への思い
小森伸昭社長は 1992 年に東京海上火災保険(現、東京海上日動火災保険)に入社、経済企
画庁への 1996 年から 3 年間の出向を経て、2000 年 4 月に anicom(動物健康促進クラブ)
を設立し理事長となった。
経済企画庁への出向時代に健康保険の改善に取り組み「カルテのオープン化」を論証し、無
駄な検査・過剰な医療がなくなることで医療資源の無駄遣いがなくなる、増税の必要もない
と 3 年間論証・提言し訴えてきた。しかし、日本の健康保険制度は保険的な数学的意味合い
よりも社会保障制度としての意味合いが強く、残念ながらこの提言は採用されず、経済白書
への掲載は途中で見送られてしまった。
人間の健康保険では夢はかなわなかったが、動物の世界で試みてみようと小森伸昭社長は考
え、これが 2000 年の anicom の設立につながる。志を同じくする設立メンバーは小森伸昭
社長、百瀬由美子常務ほか 1 名(故人)。
保険産業の予防産業へのシフト
小森伸昭社長は、前職や経済企画庁への出向経験を通じ、「保険が支払われるのは何らかの
事故が発生したときであり、そこには必ず誰かの涙が流れている。そして保険会社にはその
涙の元となる膨大な事故データが集まり、そこには同じ原因となるものが多数存在する。そ
うであれば、これからの保険会社の役割は、この事故データを精査して保険金を正しく払う
ことよりも、この事故データを用いて予防情報を提供することで、事故を防いで涙を流させ
ないことにあるのではないか」という洞察があった。
例えば自動車保険では世界中のどの高速道路、どの交差点、何曜日、どの気象条件で、何色
の車が事故を起こしやすいという統計・確率的な基礎情報がある。だからこそ保険料が計算
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可能で請求ができる。小森伸昭社長は、この基礎情報をもとに事故を予見して事故になる前
に保険契約者に教えてあげるような予防産業的にシフトするべきだと考えている。
とう し
灯志
小森伸昭社長は、以前は「人間」という言葉に「人の間って何だ?」と違和感を持った。し
かし、最近では人の間に立って人の間をつなくことに意味を感じ、夢は人間になることだと
とう し
言う。また、「投資」については、志を灯すと書いて灯志と読みたいとしている。
沿革
2000年
7月 anicom(動物健康促進クラブ)から「どうぶつ健保」(ペット共済)に係る事務を受
託するため、株式会社ビーエスピー(現同社)を設立
2004年
2005年
2005年
2006年
2007年
12月
1月
2月
1月
12月
2008年
2008年
2010年
2014年
2014年
1月
6月
3月
1月
6月
アニコムパフェ株式会社を設立
株式会社ビーエスピーをアニコム インターナショナル株式会社に商号変更
アニコムフロンティア株式会社を設立
保険会社設立準備子会社アニコム インシュアランス プランニング株式会社を設立
アニコム インシュアランス プランニング株式会社がアニコム損害保険株式会社に商号変
更。同社が金融庁より保険持株会社としての認可を取得。アニコム損害保険株式会
社が金融庁より損害保険業の免許を取得
アニコム損害保険株式会社が損害保険業を開始
アニコム インターナショナル株式会社をアニコム ホールディングス株式会社に商号変更
東京証券取引所マザーズに株式を上場
日本どうぶつ先進医療研究所株式会社を設立
東京証券取引所市場第1部へ市場変更
大株主
2014年3月末現在
大株主上位10名
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)
日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口)
KOMORIアセットマネジメント株式会社
ソニー損害保険株式会社
野村信託銀行株式会社(投信口)
CBC株式会社
UBS AG LONDON A/C IPB SEGREGATED CLIENT ACCOUNT
小森伸昭
ジェーピー モルガン チェース バンク 380084
アニコムホールディングス従業員持株会
所有株式数(千株)
2,523
1,772
1,220
1,200
910
666
581
447
367
319
(割合)
14.5%
10.2%
7.0%
6.9%
5.2%
3.8%
3.3%
2.6%
2.1%
1.8%
出所:会社資料よりSR社作成
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ところで
人気犬種推移
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
1
ダックスフンド
ダックスフンド
ダックスフンド
ダックスフンド
ダックスフンド
ダックスフンド
ダックスフンド
ダックスフンド
ダックスフンド
プードル
プードル
プードル
プードル
プードル
プードル
1
2
シー・ズー
シー・ズー
チワワ
チワワ
チワワ
チワワ
チワワ
チワワ
チワワ
チワワ
チワワ
チワワ
チワワ
チワワ
チワワ
2
3
ゴールデン・
レトリーバー
チワワ
シー・ズー
ウェルシュ・
コーギー・
ペンブローク
プードル
プードル
プードル
プードル
プードル
ダックスフンド
ダックスフンド
ダックスフンド
ダックスフンド
ダックスフンド
ダックスフンド
3
4
ラブラドー
ル・
レトリーバー
ウェルシュ・
コーギー・
ペンブローク
ウェルシュ・
コーギー・
ペンブローク
シー・ズー
ウェルシュ・
コーギー・
ペンブローク
ヨーク
シャー・
テリア
ヨーク
シャー・
テリア
ヨーク
シャー・
テリア
ヨーク
シャー・
テリア
ポメラニアン
ポメラニアン
ポメラニアン
ポメラニアン
ポメラニアン
ポメラニアン
4
5
チワワ
ラブラドー
ル・
レトリーバー
ラブラドー
ル・
レトリーバー
ラブラドー
ル・
レトリーバー
シー・ズー
パピヨン
パピヨン
パピヨン
ポメラニアン
ヨーク
シャー・
テリア
ヨーク
シャー・
テリア
ヨーク
シャー・
テリア
ヨーク
シャー・
テリア
ヨーク
シャー・
テリア
ヨーク
シャー・
テリア
5
6
ヨーク
シャー・
テリア
ヨーク
シャー・
テリア
ヨーク
シャー・
テリア
ヨーク
シャー・
テリア
ヨーク
シャー・
テリア
ウェルシュ・
コーギー・
ペンブローク
シー・ズー
ポメラニアン
パピヨン
パピヨン
柴
柴
柴
柴
柴
6
7
ウェルシュ・
コーギー・
ペンブローク
ゴールデン・
レトリーバー
ゴールデン・
レトリーバー
パピヨン
ラブラドー
ル・
レトリーバー
シー・ズー
ウェルシュ・
コーギー・
ペンブローク
シー・ズー
シー・ズー
シー・ズー
シー・ズー
シー・ズー
シー・ズー
シー・ズー
シー・ズー
7
8
ポメラニアン
パピヨン
パピヨン
プードル
パピヨン
ポメラニアン
ポメラニアン
ミニチュア・
シュナウザー
ミニチュア・
シュナウザー
フレンチ・
ブルドッグ
パピヨン
フレンチ・
ブルドッグ
マルチーズ
マルチーズ
マルチーズ
8
9
マルチーズ
ポメラニアン
ポメラニアン
ゴールデン・
レトリーバー
ポメラニアン
ラブラドー
ル・
レトリーバー
ミニチュア・
シュナウザー
ウェルシュ・
コーギー・
ペンブローク
フレンチ・
ブルドッグ
柴
フレンチ・
ブルドッグ
パピヨン
フレンチ・
ブルドッグ
フレンチ・
ブルドッグ
ミニチュア・
シュナウザー
9
10
パピヨン
マルチーズ
ビーグル
ポメラニアン
柴
ミニチュア・
シュナウザー
マルチーズ
フレンチ・
ブルドッグ
マルチーズ
ミニチュア・
シュナウザー
マルチーズ
マルチーズ
パピヨン
ミニチュア・
シュナウザー
フレンチ・
ブルドッグ
10
11
ビーグル
ビーグル
プードル
柴
ゴールデン・
レトリーバー
柴
柴
マルチーズ
ウェルシュ・
コーギー・
ペンブローク
マルチーズ
ミニチュア・
シュナウザー
ミニチュア・
シュナウザー
ミニチュア・
シュナウザー
ゴールデン・
レトリーバー
12
柴
柴
柴
ビーグル
ビーグル
マルチーズ
ラブラドー
ル・
レトリーバー
柴
柴
ウェルシュ・
コーギー・
ペンブローク
ウェルシュ・
コーギー・
ペンブローク
ウェルシュ・
コーギー・
ペンブローク
ゴールデン・
レトリーバー
パピヨン
13
プードル
プードル
マルチーズ
マルチーズ
ミニチュア・
シュナウザー
キャバリア・
キング・
チャールズ・
スパニエル
フレンチ・
ブルドッグ
パグ
パグ
パグ
パグ
ゴールデン・
レトリーバー
ウェルシュ・
コーギー・
ペンブローク
ウェルシュ・
コーギー・
ペンブローク
ウェルシュ・
コーギー・ 13
ペンブローク
14
キャバリア・
キング・
チャールズ・
スパニエル
キャバリア・
キング・
チャールズ・
スパニエル
キャバリア・
キング・
チャールズ・
スパニエル
ミニチュア・
シュナウザー
マルチーズ
ビーグル
キャバリア・
キング・
チャールズ・
スパニエル
キャバリア・
キング・
チャールズ・
スパニエル
ミニチュア・
ピンシャー
ミニチュア・
ピンシャー
ゴールデン・
レトリーバー
パグ
ラブラドー
ル・
レトリーバー
ラブラドー
ル・
レトリーバー
ラブラドー
ル・
14
レトリーバー
15
シェトラン
ド・
シープドッグ
ミニチュア・
シュナウザー
ミニチュア・
シュナウザー
キャバリア・
キング・
チャールズ・
スパニエル
キャバリア・
キング・
チャールズ・
スパニエル
ゴールデン・
レトリーバー
パグ
ラブラドー
ル・
レトリーバー
キャバリア・
キング・
チャールズ・
スパニエル
ラブラドー
ル・
レトリーバー
ラブラドー
ル・
レトリーバー
ラブラドー
ル・
レトリーバー
パグ
パグ
ジャック・
ラッセル・
テリア
15
16
パグ
シェトラン
ド・
シープドッグ
シェトラン
ド・
シープドッグ
パグ
パグ
パグ
ミニチュア・
ピンシャー
ミニチュア・
ピンシャー
ラブラドー
ル・
レトリーバー
キャバリア・
キング・
チャールズ・
スパニエル
ミニチュア・
ピンシャー
ミニチュア・
ピンシャー
ジャック・
ラッセル・
テリア
ジャック・
ラッセル・
テリア
パグ
16
17
ミニチュア・
シュナウザー
パグ
パグ
シェトラン
ド・
シープドッグ
シェトラン
ド・
シープドッグ
フレンチ・
ブルドッグ
ビーグル
ゴールデン・
レトリーバー
ゴールデン・
レトリーバー
ゴールデン・
レトリーバー
キャバリア・
キング・
チャールズ・
スパニエル
ジャック・
ラッセル・
テリア
ミニチュア・
ピンシャー
キャバリア・
キング・
チャールズ・
スパニエル
キャバリア・
キング・
17
チャールズ・
スパニエル
18
アメリカン・
コッカー・ス
パニエル
アメリカン・
コッカー・ス
パニエル
アメリカン・
コッカー・ス
パニエル
アメリカン・
コッカー・ス
パニエル
フレンチ・
ブルドッグ
ミニチュア・
ピンシャー
ゴールデン・
レトリーバー
ビーグル
ジャック・
ラッセル・
テリア
ジャック・
ラッセル・
テリア
ジャック・
ラッセル・
テリア
キャバリア・
キング・
チャールズ・
スパニエル
キャバリア・
キング・
チャールズ・
スパニエル
ミニチュア・
ピンシャー
ミニチュア・
ピンシャー
18
19 ダルメシアン
ミニチュア・
ピンシャー
フレンチ・
ブルドッグ
フレンチ・
ブルドッグ
アメリカン・
コッカー・ス
パニエル
アメリカン・
コッカー・ス
パニエル
アメリカン・
コッカー・ス
パニエル
ジャック・
ラッセル・
テリア
ビーグル
ビーグル
ボーダー・
コリー
ボーダー・
コリー
ボーダー・
コリー
ボーダー・
コリー
ボーダー・
コリー
19
ウエスト・ハ
イランド・ホ
ワイト・テリア
ボーダー・
コリー
ミニチュア・
ピンシャー
ボーダー・
コリー
ミニチュア・
ピンシャー
シェトラン
ド・
シープドッグ
ジャック・
ラッセル・
テリア
アメリカン・
コッカー・ス
パニエル
ボーダー・
コリー
ボーダー・
コリー
ビーグル
ビーグル
ビーグル
ビーグル
ペキニーズ
20
20
ゴールデン・
11
レトリーバー
パピヨン
12
出所:ジャパンケンネル倶楽部よりSR社作成
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アニコム ホールディングス(8715)
Shared Research Report
2015/2/18
企業概要
企業正式名称
本社所在地
アニコム ホールディングス株式会社
〒161-0033
Anicom Holdings, Inc.
東京都新宿区下落合 1-5-22
代表電話番号
上場市場
03-6733-3000
東証マザーズ(2014 年 6 月 10 日より東証 1 部)
設立年月日
上場年月日
2000 年 7 月 5 日
2010 年 3 月 3 日
HP
決算月
http://www.anicom.co.jp/index.html
3月
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アニコム ホールディングス(8715)
Shared Research Report
2015/2/18
会社概要
株式会社シェアードリサーチは今までにない画期的な形で日本企業の基本データや分析レポートのプラットフォーム提供を目指して
います。さらに、徹底した分析のもとに顧客企業のレポートを掲載し随時更新しています。
SR社の現在のレポートカバレッジは次の通りです。
アートスパークホールディングス株式会社
株式会社ゲームカード・ジョイコホールディングス ナノキャリア株式会社
あい ホールディングス株式会社
ケンコーコム株式会社
アクリーティブ株式会社
コムシスホールディングス株式会社
日進工具株式会社
株式会社アクセル
株式会社ザッパラス
日本駐車場開発株式会社
アズビル株式会社
サトーホールディングス株式会社
日本エマージェンシーアシスタンス株式会社
アズワン株式会社
株式会社サニックス
株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ
アニコムホールディングス株式会社
株式会社サンリオ
伯東株式会社
株式会社アパマンショップホールディングス
Jトラスト株式会社
株式会社ハーツユナイテッドグループ
アンジェスMG株式会社
株式会社じげん
株式会社ハピネット
アンリツ株式会社
GCAサヴィアン株式会社
ピジョン株式会社
イオンディライト株式会社
シップヘルスケアホールディングス株式会社
フィールズ株式会社
株式会社イエローハット
株式会社ジェイアイエヌ
株式会社フェローテック
株式会社伊藤園
ジャパンベストレスキューシステム株式会社
フリービット株式会社
伊藤忠エネクス株式会社
シンバイオ製薬株式会社
株式会社ベネフィット・ワン
株式会社インテリジェント ウェイブ
スター・マイカ株式会社
株式会社ベリテ
株式会社インフォマート
株式会社スリー・ディー・マトリックス
株式会社ベルパーク
株式会社エス・エム・エス
ソースネクスト株式会社
松井証券株式会社
SBSホールディングス株式会社
株式会社ダイセキ
株式会社マックハウス
エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社
株式会社髙島屋
株式会社 三城ホールディングス
エレコム株式会社
タキヒヨー株式会社
株式会社ミライト・ホールディングス
エン・ジャパン株式会社
株式会社多摩川ホールディングス
株式会社メディネット
株式会社オンワードホールディングス
株式会社チヨダ
株式会社夢真ホールディングス
株式会社ガリバーインターナショナル
DIC株式会社
株式会社ラウンドワン
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
株式会社デジタルガレージ
株式会社ラック
KLab株式会社
株式会社TOKAIホールディングス
リゾートトラスト株式会社
グランディハウス株式会社
株式会社ドリームインキュベータ
株式会社良品計画
株式会社クリーク・アンド・リバー社
株式会社ドンキホーテホールディングス
レーザーテック株式会社
ケネディクス株式会社
内外トランスライン株式会社
株式会社ワイヤレスゲート
長瀬産業株式会社
※投資運用先銘柄に関するレポートをご所望の場合は、弊社にレポート作成を委託するよう
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