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別紙1 「被害者の視点を取り入れた教育」検討会における検討結果概要 1
別紙1 「被害者の視点を取り入れた教育」検討会における検討結果概要 1 「被害者の視点を取り入れた教育」の効果的な実施方法 (1)「被害者の視点を取り入れた教育」を真摯に受ける姿勢を培うために重 点的に実施すべき指導 ア 問題点及び課題 ・判決結果に向き合う以前の問題として,自分の受けた判決等の内容 (判決書に記載された内容等)を十分に理解していない場合がある。 ・被収容者が自身の被害体験にとらわれ,自らが引き起こした加害の 深刻さや被害者等の心情に目が向きにくい場合がある。 イ 今後の方向性 ・「被害者の視点を取り入れた教育」に対する被収容者の動機付けや 準備性の程度に応じた段階的指導の実施 ・必要に応じ,「被害者の視点を取り入れた教育」の導入段階として, 自他を大切にし,他者の痛みを感じ理解し尊重する構えを培う指導 の重点実施 (2)ゲストスピーカーに御協力いただくことが効果的な取組 ア 問題点及び課題 小集団に対する講話,グループワーク等(以下「講話等」という。) では,ゲストスピーカーが,個々の被収容者の問題意識を把握した上で, 被収容者とコミュニケーションを取ることができるとの基本認識 ・大集団に対する講演は,被収容者に広く浅く伝える方法としては有 効だが,ゲストスピーカーからの一方通行の働き掛けに終始してし まいがちである。 ・ゲストスピーカーは被害者等の実情や思いを伝える者であり,指導 者ではない。矯正施設側は,ゲストスピーカーの講演,講話等の前 後に,被収容者がその内容を理解・消化するための指導を行う必要 がある。 イ 今後の方向性 ・小集団に対する講話等の推進(小集団に対する講話等の継続実施, 新規企画の検討等) ・集団指導前後の指導の充実強化(改善更生の意欲を高めさせ,また, 自らの犯罪行為を振り返らせることを目的とした教材の作成等) 2 ゲストスピーカーの二次被害防止のために矯正施設が配慮すべき事項 (1)問題点及び課題 ・矯正施設の職員の中には,被害者等の置かれている立場や心情への理 解が不十分であり,ゲストスピーカーへの配慮に欠ける者がいる。 ・ゲストスピーカーの講演,講話等に対する聴講者(被収容者,その保 護者,矯正施設職員等をいう。以下同じ。)からのフィードバックが 不十分であると,ゲストスピーカーが徒労感を抱きがちである。 (2)今後の方向性 ・職員研修の充実(職員にゲストスピーカーの講演,講話等を受講させ る機会の拡充等) ・ゲストスピーカーとの連携強化(講演,講話等の事前事後の打合せを 綿密に実施する等) ・ゲストスピーカーと聴講者との双方向のコミュニケーションが可能な 形での講演,講話等の実施